JP2018030452A - バス - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザ独自の座席や座席配置に低コストにかつ短時間で対応可能で、しかも、要求される安全性を確保できる車両構造のバスを提供する。【解決手段】バスの車体10の床フレーム21が、それぞれ床板14の床面方向に延在しつつ互いに一体に結合された複数の骨格部材31、33、35、36を含み、複数の支持板62が、複数の骨格部材31、33、35、36に対して一体に結合されるとともに、車両高さ方向における複数の支持板62の少なくとも一部が、該車両高さ方向における床フレーム21の設置範囲内に配置されており、複数の支持板62の一部が複数の骨格部材31、33、35、36の一部に一体化された状態で、複数の座席15をそれぞれ床フレーム21に対し所要の剛性で固定支持するための複数の座席支持モジュール61が、床フレーム21と一体に構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、乗合車両であるバスに関し、特に骨格構造をなす床フレームを有する車体を備えた場合に好適なバスに関する。
従来、図9に示すような空間骨格構造体(モノコックフレームともいう)101を図示しない外板で覆った車体を搭載し、その車体の床フレーム102に複数の座席を支持させる車両構造を有するバスが多用されている。
従来のこの種のバスとして、例えばシートクッションをシートバックに対し上下に回動可能にするとともに、ストッパ固定状態で車両前後方向に所定間隔を隔てる複数列の座席を、ストッパ解除により車体の床部に対し車両前後方向に可動にして、一所に集合できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、床上のシートトラックに対し保安基準等で要求される安全性を確保しつつ座席と装備品を角度をなして取付け可能にするよう、座席支持構造および横支持構造を含む主フレームと、主フレームに隣接してその横支持構造に対しシートトラック方向に枢動可能に連結された副フレームとを備え、それらに座席を取付角度可変に支持する複数の座席取付部を設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
実公昭55−14575号公報 特表2015−522475号公報
しかしながら、上述のような従来のバスにあっては、ユーザ独自の座席や座席配列を採用する場合、骨格部材を含む車体の床構造については大きな改造を行うことなく、各ユーザの独自の要求仕様に対して安全性を確保し得る座席取付強度を有する個別の車両構造を検討し、採用していた。また、車体側の床構造は、点検口や凹凸の有無等で部位によって形状が異なるため、その形状毎に車両構造の試験等を行っていた。
そのため、ユーザ独自の座席や座席配列を採用する場合に、座席取付に係る車両構造の検討のためにコスト高や長期のリードタイムが必要になるという未解決の課題があった。
本発明は、上述のような従来の課題を解決すべくなされたものであり、床フレームを有する車体を備えながらも、ユーザ独自の座席や座席配置に低コストにかつ短時間で対応可能であり、しかも、安全性を確保できる車両構造のバスを提供することを目的とする。
本発明に係るバスは、上記目的達成のため、床板および該床板を支持する床フレームを有する車体と、前記車体内に取り付けられた複数の座席と、を備えたバスであって、前記床フレームが、それぞれ前記床板の床面方向に延在しつつ互いに一体に結合された複数の骨格部材を含み、複数の座席取付板が、前記複数の骨格部材に対して一体に結合されるとともに、車両高さ方向における前記複数の座席取付板の少なくとも一部が、該車両高さ方向における前記床フレームの設置範囲内に配置されており、前記複数の座席取付板の一部が前記複数の骨格部材の一部に一体化された状態で、前記複数の座席をそれぞれ前記床フレームに対し所要の剛性で固定支持するための複数の座席支持モジュールが、前記床フレームと一体に構成されていることを特徴とする。
本発明のバスにおいては、前記複数の座席支持モジュールが、前記床面方向で互いに同一の寸法を有する同一の形状を有している構成とすることができる。
また、前記複数の座席取付板が、互いに略平行に離間しつつ長手方向に延在する一方で、前記複数の座席支持モジュールに対応する複数組の結合部材によって短手方向に相互に一体に結合されており、前記座席支持モジュールの各々が、前記複数の座席取付板の特定の長さ区間と各組の前記結合部材とによって、略井桁状をなしている構成であってもよい。
本発明のバスにおいては、前記床フレームが、それぞれ車両前後方向に延びるとともに車両左右方向に離間する複数の縦通骨格部材と、それぞれ前記縦通骨格部材に対し略交差するとともに前記車両前後方向に離間する複数の交差骨格部材と、を含み、前記座席支持モジュールの各々が、前記複数の交差骨格部材のうち前記車両前後方向に隣り合う各一対の交差骨格部材により支持可能な前後長さを有している構成であってもよい。
本発明のバスにおいては、前記車両左右方向における前記複数の座席取付板の間の隙間が、前記複数の縦通骨格部材の各々の前記車両左右方向における横幅より大きく、前記複数の縦通骨格部材の前記車両左右方向における離間距離が、前記複数の座席取付板の前記車両左右方向における離間距離より大きい構成とすることができる。
また、前記座席支持モジュールの各々の前記複数の座席取付板が、前記車両前後方向における両端側で前記車両前後方向に隣り合う前記一対の交差骨格部材に溶接されるとともに、前記座席支持モジュールの各々の前記複数の結合部材が、前記車両左右方向における両端側で、前記複数の縦通骨格部材のうち前記車両左右方向に隣り合う一対の縦通骨格部材に溶接されている構成とすることもできる。
さらに、前記床フレームと、前記複数の座席取付板とが、前記床板を支持する同一の床板支持面を形成している構成であってもよい。
本発明によれば、床フレームを有する車体を備えながらも、ユーザ独自の座席や座席配置に低コストにかつ短時間で対応可能であり、しかも、安全性を確保できる車両構造のバスを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るバスにおける座席取付部を示すその斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るバスにおける座席取付部の分解斜視図である。 (A)は本発明の一実施の形態に係るバスにおける座席取付部の平面図であり、(B)はその座席取付部における座席取付板の一例の横断面図、(C)はその座席取付部における座席取付板の他の例の横断面図である。 (A)は本発明の一実施の形態に係るバスの車体の床フレームを示す平面図であり、(B)は本発明の一実施の形態に係る複数の座席支持モジュールの配置の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るバスの車体の床フレームに複数の座席支持モジュールを床フレームと同一の床板支持面を形成するように埋め込んだ状態の平面図である。 (A)は、本発明の一実施の形態に係るバスの車体の床フレーム上に、座席支持モジュールの座席取付板を板厚方向の一部で切り欠いて、車両右側で1列、車両左側で2列の3列に配置した座席配置パターンを示す配置説明図であり、(B)は、本発明の一実施の形態に係るバスの車体の床フレーム上に、中央の座席を左右の座席に対し車両前後方向にずらして配置した場合の座席配置パターンを示す配置説明図である。 図6(A)に示す座席配置パターンに対応する本発明の一実施の形態に係るバスの車体の正面断面図である。 本発明の他の実施の形態に係るバスの車体の床フレームの部分平面図である。 従来の車両構造を有するバスの車体の空間骨格構造体の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。
(一実施の形態)
図1〜図7は、本発明の一実施の形態に係る車両構造のバスを示している。
本実施形態のバスの全体については図示しないが、図7に断面図で示すように、本実施形態のバス1は、シャーシ11上に空間骨格構造体12を搭載し、その空間骨格構造体12を外装パネル13で覆った車体10を備えている。そして、この車体10の内方に、フロアパネル14と、複数列の座席15とが取り付けられている。
シャーシ11は、例えば特開平10−194165号公報に開示されるシャーシのように、前部シャーシ、後部シャーシ、中央シャーシおよび配管用シャーシを一体に結合させたものであるが、勿論、そのようなシャーシ構造に限定されるものではない。
空間骨格構造体12は、図7に示すように、車体10の床部の骨格構造をなす床フレーム21と、シャーシ11上で床フレーム21をタイヤTより上方の高位置に支持する固定台フレーム22と、車両左右のサイドピラー23と、窓上および窓下のビーム部材等(詳細図示せず)を含んで構成されている。
外装パネル13は、空間骨格構造体12を外側から覆うよう、空間骨格構造体12に溶接等により支持された化粧板の外板である。また、フロアパネル14は、車体10内に、例えば平坦な床面14aを形成する床板である。
図5に概略形状を示すように、複数列の座席15は、各列で複数、例えば6つの座席15が同一方向に向けて整列配置されており、図1および図2に示すように、各座席15が、座面部51と、背もたれ部52と、脚部53a、53bを有するシートフレーム53とを備えている。各列で複数の座席15の向きは、図5中では車両前方向きであるが、異なる向きであってもよい。また、各列の座席15は、車両前後方向の同じ位置に座席15が配置され、複数列の座席が車両左右方向に隣り合うように配置されているが、左右に隣り合う列の座席15が前後に前後方向の同位置で左右の座席15が隣り合わないようにしてもよい。
図4(A)、図4(B)および図5に示すように、床フレーム21は、バス1の前後の長さ方向に延びる、互いに平行な各一対のセンタビーム31およびサイドビーム33と、これらセンタビーム31およびサイドビーム33を平行にかつ一体に結合する複数のクロスビーム35と、これらセンタビーム31、サイドビーム33およびクロスビーム35の連結点同士を連結する複数のダイアゴナルメンバ36とを含んで構成されている。これらセンタビーム31、サイドビーム33、クロスビーム35およびダイアゴナルメンバ36は、フロアパネル14の床面14aに沿った方向(床面方向)に延在しつつ互いに一体に結合された複数の骨格部材を構成している。なお、これらの図に示す床フレーム21は、車両前後方向の一部のみを示すものである。
ここで、各一対のセンタビーム31およびサイドビーム33は、それぞれ車両前後方向に延びるとともに車両左右方向に離間する複数の縦通骨格部材となっており、複数のクロスビーム35は、それぞれセンタビーム31およびサイドビーム33に対し略直交するとともに車両前後方向に間隔を隔てて離間する平行な複数の交差骨格部材となっている。
ダイアゴナルメンバ36は、隣り合う各一対のクロスビーム35と隣り合う左右各一方側のセンタビーム31およびサイドビーム33との4つの連結点のうち、一方のクロスビーム35およびセンタビーム31の連結点P1と他方のクロスビーム35およびサイドビーム33の連結点P2を連結している。
よって、車両前後方向における各連結点P1、P2の前後で、センタビーム31、サイドビーム33およびクロスビーム35に対する各一対のダイアゴナルメンバ36の傾斜方向は、逆向きとなっている。
複数列の座席15のシートフレーム53は、それぞれボルト等により複数の座席支持モジュール61に締結固定されるか、溶接されている。
図3(A)に典型例を示すように、各座席支持モジュール61は、例えば車両前後方向に長さLを有する同一長さの略平行な左右一対の支持板62と、両支持板62に対し略直交しつつ両支持板62を相互に一体に結合する一対の結合板63とを有する略井桁状をなしている。
また、各座席支持モジュール61の左右の支持板62は、それぞれ複数のクロスビーム35のうち車両前後方向に隣り合う各一対のクロスビーム35の間に渡って支持され得る前後長さLを有するとともに、座席15の左右の脚部53a、53bの間隔に対応する中心間距離dを隔てて互いに車両左右方向に離間している。すなわち、前後長さLは、車両前後方向に隣り合う各一対のクロスビーム35の離間距離L1に近いかそれ以上(L≧L1)に設定されている。
さらに、各列の座席15に対応して車両前後方向に配列された所定数の座席支持モジュール61の間、例えば図5に示す各列6つの座席支持モジュール61の間においては、それらの左右各一方側で前後に隣り合うそれぞれ6つの支持板62同士が互いに一体に形成されたり部分的に溶接されたりして一体に結合されている。そして、各列の複数の座席支持モジュール61の左右両側で前後一体に結合する複数組の支持板62によって、各列の複数の座席15のシートフレーム53と床フレーム21の間に介在し、各列のシートフレーム53の脚部53a、53bを床フレーム21に支持させるための左右一対の座席取付板65(図4(B)および図5参照)が形成されている。
より具体的には、複数の座席支持モジュール61の支持板62を構成する左右一対の座席取付板65は、互いに略平行に離間しつつ長手方向に延在する一方で、複数の座席支持モジュール61に対応する複数組の結合部材63によって板幅方向(短手方向)に相互に一体に結合されている。そして、座席支持モジュール61の各々が、各一対の座席取付板65の対応するモジュール長さ区間(特定の長さLの区間)と各組の結合部材63とによって、略井桁状をなしている。これにより、想定される各種の座席仕様に対し、各座席支持モジュール61は、安全性確保のための所定の技術基準を満足する所定強度の座席取付材となっている。
各支持板62は、例えば図3(B)に示すように横断面が方形の板状の鋼材、あるいは図3(C)に示すように逆U字形やハット形をなす鋼材等で形成されており、複数の結合板63(結合部材)は、支持板62より横断面積が小さい鋼板、溝形鋼、ハット形鋼等で構成されている。また、図4(B)に示すように、各支持板62は、対応する座席15のシートフレーム53の脚部53a、53bを床フレーム21に締結および位置決め可能なスタッドボルトやボルト孔等の複数の所定ピッチの締結固定部62aを有している。
各座席支持モジュール61を構成する部材は、図示例の支持板62および結合板63に限定されるものではない。また、各座席支持モジュール61が図示する井桁形状に類似する場合でも、支持板62および結合板63に対応する部材の形状、数および相互の配置姿勢は、図示例と類似するものに限定されない。ただし、各座席支持モジュール61は、床面方向における同一の寸法、例えば車両前後方向における長さLおよび車両左右方向の横幅Wを有している。すなわち、複数の座席支持モジュール61は、床面方向で互いに同一の寸法を有する同一の形状を有している。
ここでの前後長さLは、車両前後方向に隣り合う各一対のクロスビーム35の間の空間距離よりわずかに短くても、溶接等による一体結合が可能な長さであればよい。言い換えれば、前後長さLは、車両前後方向に隣り合う各一対のクロスビーム35の同方向にける対向面間の距離程度以上であればよい。勿論、前後長さLは、車両前後方向に隣り合う各一対のクロスビーム35の同方向にける対向面間の距離程度より大きくてもよい。その場合、井桁状の座席支持モジュール61を床フレーム21に対し略同一の上面高さになるように埋め込もうとすると、相互に重合し干渉する部分が生じるが、その干渉する範囲については、井桁状の座席支持モジュール61を予め部分的に切り欠いて、床フレーム21と略同一の上面高さに埋め込み可能にした上で両者を一体化している。
これにより、車両高さ方向における複数の座席取付板65の少なくとも一部が、その車両高さ方向における床フレーム21の設置範囲内に配置され、かつ、複数の座席取付板65の一部が床フレーム21の複数の骨格部材であるセンタビーム31、サイドビーム33、クロスビーム35およびダイアゴナルメンバ36の一部に一体化された状態で、複数の座席15をそれぞれ床フレーム21に対し所要の剛性で固定支持するための複数の座席支持モジュール61が、床フレーム21と一体に構成されている。
図5においては、前後長さLの整数倍が図示する床フレーム21の前後両端のクロスビーム35の離間距離に対応しているが、床フレーム21は、車両前後方向に更に延びる構成であってもよいし、前後の別のフレームに一体に結合されたものであってもよい。また、ここでは、前後長さLの複数倍以上の長さを有する左右の座席取付板65を用いることで予め複数の座席支持モジュール61を前後一体に結合するとともに、これら左右の座席取付板65に対し前述の部分的な高さ方向(厚さ方向)の切欠きを形成することで、複数の座席支持モジュール61を、骨格構造を有する床フレーム21に埋め込んで溶接等により固着している。ただし、左右の座席取付板65は、座席の配置および床フレーム21との結合位置に応じて、前後に分断され得る。
また、図5においては、各座席支持モジュール61の横幅Wは、床フレーム21の左右各一方側のセンタビーム31およびサイドビーム33の離間距離w3に対応している。すなわち、各座席支持モジュール61の横幅Wは、各座席支持モジュール61を床フレーム21のセンタビーム31およびサイドビーム33の間に略同一の上面高さに埋め込むときに、各座席支持モジュール61をその横幅Wの両端側でセンタビーム31およびサイドビーム33に溶接等により固着できるように設定されている。ただし、横幅Wは、センタビーム31およびサイドビーム33の離間距離w3と異なっていてもよい。また、ここでは、結合板63の長さが横幅Wと一致しているが、座席取付板65が複数の支持板62を構成するのと同様に、複数の結合板63が一体に結合されてもよく、結合板63の長さは横幅Wや離間距離w3と異なっていてもよい。
各座席支持モジュール61の前後長さLおよび横幅Wと、各座席支持モジュール61における複数の支持板62の板幅およびその左右離間距離dと、複数の結合板63の板幅および前後離間距離とは、図6(A)および図6(B)に例示するように、各座席支持モジュール61を床フレーム21上のどの位置に配置したとしても、その座席支持モジュール61を、センタビーム31、サイドビーム33、クロスビーム35およびダイアゴナルメンバ36のうち少なくとも2つの部材によって3箇所以上で床フレーム21に固着させ支持させることができる値に設定されている。
このように、本実施形態においては、座席支持モジュール61の各々が、床フレーム21により安定支持可能な前後長さLおよび横幅Wを有しており、互いに車両左右方向に離間する複数、例えば一対の支持板62と、それら複数の支持板62同士を一体に結合する複数、例えば一対の結合板63とによって構成されている。そして、複数の座席支持モジュール61が、床フレーム21に一体に結合されるとともに相互に前後に結合された複数組の支持板62によって、床フレーム21のセンタビーム31、サイドビーム33、クロスビーム35およびダイアゴナルメンバ36の間で、床フレーム21上のフロアパネル14(床板)を床フレーム21と一体となって支持するとともに、対応する複数の座席15を支持している。すなわち、床フレーム21と複数の座席取付板65とが、さらにこれらと複数の結合板63とが、フロアパネル14を支持する同一の床板支持面F(図7参照)を形成している。
図5中においては、車両左右方向における複数の支持板62の間の隙間距離d1および中心間の離間距離dは、複数のセンタビーム31およびサイドビーム33の各々の車両左右方向における横幅w1、w2よりも大きい値に設定されている。
また、図5中に示す床フレーム21の車両左右方向における複数のセンタビーム31およびサイドビーム33の対向面間の離間距離w3は、複数の支持板62の車両左右方向における外側縁の離間距離d2および中心間の離間距離dより大きく、かつ座席支持モジュール61の横幅Wに近い値で、横幅Wよりわずかに大きい値となっている。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態においては、複数の座席取付板65の一部が床フレーム21の複数の骨格部材であるセンタビーム31、サイドビーム33、クロスビーム35およびダイアゴナルメンバ36に対してそれらの一部に一体化された状態で、複数の座席15をそれぞれ床フレーム21に対し所要の剛性で固定支持するための複数の座席支持モジュール61が、床フレーム21に対し略同一の上面高さになるように埋め込まれて一体化されている。
したがって、床フレーム21を有する車体10を備えながらも、ユーザ独自の座席15の特殊な座席形状や座席配置であっても、標準的な座席仕様や座席配置の場合と同様に、各座席支持モジュール61に対してその座席を固定しつつ、その座席支持モジュール61を要求される座席配置に対応する位置で、床フレーム21に対し略同一の上面高さになるように埋め込んで一体化するだけで、安全性を確保できる座席取付強度を有する車両構造となる。
その結果、骨格構造の床フレーム21を有する車体10を備えながらも、ユーザ独自の座席や座席配置に低コストにかつ短時間で対応可能であり、しかも、安全性を確保できる車両構造のバス1を提供することができる。
また、本実施形態においては、複数の座席支持モジュール61が、床面14aおよび床板支持面Fの面方向(床面方向)で互いに同一の寸法を有する同一の形状を有している。したがって、座席15の配置にかかわらず、各座席15の安全性を確保できる座席取付強度を対応する座席支持モジュール61によって確保し得る車両構造となる。
さらに、本実施形態では、複数の座席取付板65が複数の座席支持モジュール61に対応する複数組の結合部材63によって短手方向に相互に一体に結合されることで、座席支持モジュール61の各々が、対応する前後長さLの区間である複数の座席取付板65の特定の長さ区間である複数の支持板62と各組の結合部材63とによって、略井桁状をなしている。したがって、床フレーム21に一体に結合される複数の座席支持モジュール61を容易にかつ軽量で所要の強度に作製できる。
しかも、複数の座席支持モジュール61が、床フレーム21に一体に結合された複数の座席取付板65(複数組の支持板62)によって、床フレーム21上のフロアパネル14を支持するとともに、複数の座席15を支持する平行なシートトラックM1,M2(図3(A)参照)を形成している。したがって、床フレーム21に対する座席15および各座席支持モジュール61の車両前後方向の配置の自由度を十分に確保できる。
加えて、本実施形態では、座席支持モジュール61の各々が、車両前後方向に隣り合う各一対のクロスビーム35の離間距離L1に近いかそれ以上の前後長さ有しているので、床フレーム21に対する各座席15の取付け強度を対応する座席支持モジュール61によって十分に確保することができ、床フレーム21がダイアゴナルメンバ36を有することと相俟って、各座席支持モジュール61の配置の自由度を十分に確保することができる。
しかも、本実施形態では、車両左右方向における複数の支持板62の間の隙間d1が、複数のセンタビーム31およびサイドビーム33の各々の車両左右方向における横幅w1、w2よりも大きく、複数のセンタビーム31およびサイドビーム33の車両左右方向に対向する対向面間の離間距離w3が、複数の支持板62の外側縁の車両左右方向における離間距離d2より大きくなっている。
したがって、床フレーム21に対する複数の座席支持モジュール61の車両左右方向における配置の自由度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、骨格構造をなす床フレーム21と、複数の座席支持モジュール61の複数組の支持板62および複数組の結合板63とが、同一のフロアパネル14を支持する床板支持面Fを形成しているので、骨格構造をなす床フレーム21に複数の座席支持モジュール61を介して複数の座席15を取り付けても、フロアパネル14の設置高さが複数の座席支持モジュール61の配置によって高くなるのを抑制でき、客室17のスペースを狭めることなく所要の座席支持剛性を確保することができる。
その結果、各座席支持モジュール61を床フレーム21上のどの位置に配置したとしても、その座席支持モジュール61を、センタビーム31、サイドビーム33、クロスビーム35およびダイアゴナルメンバ36のうち少なくとも2つの部材によって、3箇所以上で床フレーム21に固着させて支持させることができ、車体10に対するフレキシブルなシートレイアウトが可能となる。
このように、本実施形態においては、各座席15に共通の座席支持モジュール61を構成し、これを床フレーム21の所望の位置に配置可能にすることで、シャーシ11に支持された床フレーム21を有する車体10を備えたバス1にあって、ユーザ独自の要求仕様に基づく座席15やその座席配置に対して低コストにかつ短時間で対応可能とし、しかも、バス1に要求される衝突時等の安全性を確保することのできる所要の座席取付強度を有する車両構造のバスを提供することができる。
(他の実施の形態)
図8は、本発明の他の実施の形態に係る車両構造のバスを示している。
なお、本実施形態は、前述の一実施の形態とは床フレームが相違するものの、他の構成については一実施の形態と同様である。よって、以下、一実施の形態と同一または類似の構成については、図1〜図7中の対応する構成要素の符号を用いつつ、一実施の形態と相違する点について説明する。
本実施形態におけるバス1においては、空間骨格構造体12が、車体10の床部として、図8に示すような骨格構造をなす床フレーム71と、シャーシ11上で床フレーム71をタイヤTより上方に高位置に支持する固定台フレーム22と、車両左右のサイドピラー23と、図示しない窓上および窓下のビーム部材等を含んで構成されている。
また、図8に示すように、複数の座席支持モジュール61の各々の複数組の支持板62が、車両前後方向(図8の左右方向)における両端側で車両前後方向に隣り合う一対のクロスビーム35(交差骨格部材)に溶接されるとともに、複数の座席支持モジュール61の各々の複数の結合板63が、車両左右方向における両端側で、車両左右方向に隣り合うセンタビーム31およびサイドビーム33(一対の縦通骨格部材)に溶接されている。
さらに、一部の座席支持モジュール61の支持板62および結合板63が、部分的に切り欠かれてダイアゴナルメンバ36の一部により構成され、ダイアゴナルメンバ36に溶接されている。
本実施形態においても、複数の座席支持モジュール61が、床フレーム71に一体に結合された複数組の支持板62によって、床フレーム71上のフロアパネル14を支持するとともに、複数の座席15を支持している。
したがって、前述の一実施の形態と同様に、床フレーム71を有する車体10を備えたバス1にあって、ユーザ独自の座席や座席配置に低コストにかつ短時間で対応可能であり、しかも、バス1に要求される衝突時等の安全性を確保することのできる座席取付構造を提供することができる。
なお、本実施形態では、図面中に、各座席支持モジュール61が一対の支持板62および一対の結合板63を有するものとして例示したが、これら支持板62および結合板63の数や相互の結合姿勢が特に限定されないことはいうまでもなく、一対の支持板62が互いに平行でなくてもよいし、交差していてもよい。
また、床フレーム21、71、複数の支持板62および複数の結合板63が、略平坦な同一の床板支持面Fを構成する場合を例示したが、床板支持面Fが平坦でなく車高方向に凹凸を有するものであってもよい。バス1は、ハイデッカ車両として図示したが、図9に示したような空間骨格構造を有する場合や、より低床の場合であっても、同一の床面高さとなる範囲内において、本発明を適用できることはいうまでもない。
さらに、上述の各実施形態では、複数の座席15がそれぞれ車両前方に向けて配置されるものとしたが、座席15の向きが異なる向き、例えば斜め前方向きであってもよい。座席15の形状や可動部の有無等が任意であることはいうまでもない。
以上説明したように、本発明は、骨格構造をなす床フレームを有する車体を備えたバスにあって、ユーザ独自の座席や座席配置に対し低コストにかつ短時間で対応可能であり、しかも、安全性を確保できる車両構造のバスを提供することができるものである。かかる本発明は、床フレームを有する車体を備えるバス全般に有用である。
1 バス(乗合車両)
10 車体
11 シャーシ
12 空間骨格構造体
13 外装パネル
14 フロアパネル(床板)
15 座席
21、71 床フレーム
22 固定台フレーム
23 サイドピラー
31 センタビーム(縦通骨格部材)
33 サイドビーム(縦通骨格部材)
35 クロスビーム(交差骨格部材)
36 ダイアゴナルメンバ(斜材)
51 座面部
52 背もたれ部
53 シートフレーム
53a、53b 脚部
61 座席支持モジュール
62 支持板
63 結合板(複数の結合部材)
65 座席取付板
d 中心間距離
d1 隙間距離(隙間)
d2 離間距離
F 床板支持面
L 前後長さ
P1、P2 連結点
W 横幅(座席支持モジュールの横幅)
w1、w2 横幅(各縦通骨格部材の横幅)
w3 離間距離(縦通骨格部材の離間距離)

Claims (7)

  1. 床板および該床板を支持する床フレームを有する車体と、前記車体内に取り付けられた複数の座席と、を備えたバスであって、
    前記床フレームが、それぞれ前記床板の床面方向に延在しつつ互いに一体に結合された複数の骨格部材を含み、
    複数の座席取付板が、前記複数の骨格部材に対して一体に結合されるとともに、
    車両高さ方向における前記複数の座席取付板の少なくとも一部が、該車両高さ方向における前記床フレームの設置範囲内に配置されており、
    前記複数の座席取付板の一部が前記複数の骨格部材の一部に一体化された状態で、前記複数の座席をそれぞれ前記床フレームに対し所要の剛性で固定支持するための複数の座席支持モジュールが、前記床フレームと一体に構成されていることを特徴とするバス。
  2. 前記複数の座席支持モジュールが、前記床面方向で互いに同一の寸法を有する同一の形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のバス。
  3. 前記複数の座席取付板が、互いに略平行に離間しつつ長手方向に延在する一方で、前記複数の座席支持モジュールに対応する複数組の結合部材によって短手方向に相互に一体に結合されており、
    前記座席支持モジュールの各々が、前記複数の座席取付板の特定の長さ区間と各組の前記結合部材とによって、略井桁状をなしていることを特徴とする請求項1または2に記載のバス。
  4. 前記床フレームが、それぞれ車両前後方向に延びるとともに車両左右方向に離間する複数の縦通骨格部材と、それぞれ前記縦通骨格部材に対し略交差するとともに前記車両前後方向に離間する複数の交差骨格部材と、を含み、
    前記座席支持モジュールの各々が、前記複数の交差骨格部材のうち前記車両前後方向に隣り合う各一対の交差骨格部材により支持可能な前後長さを有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のバス。
  5. 前記車両左右方向における前記複数の座席取付板の間の隙間が、前記複数の縦通骨格部材の各々の前記車両左右方向における横幅より大きく、
    前記複数の縦通骨格部材の前記車両左右方向における離間距離が、前記複数の座席取付板の前記車両左右方向における離間距離より大きいことを特徴とする請求項4に記載のバス。
  6. 前記座席支持モジュールの各々の前記前後長さの範囲内で、前記複数の座席取付板が、前記車両前後方向および前記車両左右方向に離間する複数箇所で前記複数の交差骨格部材のいずれかに溶接されていることを特徴とする請求項4または5に記載のバス。
  7. 前記床フレームと、前記複数の座席取付板とが、前記床板を支持する同一の床板支持面を形成していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のバス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111591356A (zh) * 2020-05-14 2020-08-28 长安大学 全承载纯电动双层旅游观光巴士的三角环链式车身结构

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