JP2018027549A - 冷間連続圧延装置および鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、この発明は、冷間連続圧延装置における中間圧延機の圧延ロールの疵に起因して発生した鋼板表面の凹凸欠陥を検査する方法にも関している。
このため、例えば、特許文献1に記載されているように、圧延終了後の鋼板の長さ方向の一部分の表面に砥石掛けを行うことにより、凹凸欠陥が存在する箇所と存在しない箇所の間で輝度差を生じさせて凹凸欠陥を可視化し、検査者の目視によって凹凸欠陥を検査する方法が採られている。
このようにすることで、中間圧延機で発生した凹凸欠陥は、最終圧延機により平坦化されることなく検査されることとなる。
また、中間圧延機の圧延ロールの疵を起因とする凹凸欠陥を検査する際に、最終圧延機におけるロール間隔を開放した状態で最終圧延機の一対の圧延ロール間に鋼板を通過させるため、鋼板が一方の圧延ロールに接触すると、この圧延ロールに新たな疵が発生するおそれがある。
また、この発明は、中間圧延機の圧延ロールの疵に起因して発生した鋼板表面の凹凸欠陥を感度よく検出することができる鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法を提供することも目的としている。
また、制御部は、鋼板の検査対象部に対して最終圧延機による圧延が終了すると、次の鋼板の製品部に対する圧下位置となるように最終圧延機を制御した後、板厚制御を再開することが好ましい。
なお、制御部は、鋼板の検査対象部のみに対して、最終圧延機の圧下率を、鋼板の製品部に対する圧下率の50〜60%に低減することができる。
また、鋼板の検査対象部に対して最終圧延機による圧延が終了すると、次の鋼板の製品部に対する圧下位置となるように最終圧延機を制御した後、板厚制御を再開することが好ましい。
なお、鋼板の検査対象部のみに対して、最終圧延機の圧下率を、鋼板の製品部に対する圧下率の50〜60%に低減することができる。
図1に、実施の形態に係る冷間連続圧延装置の構成を示す。冷間連続圧延装置は、鋼板Sの走行方向に沿って順次配列された第1の中間圧延機1、第2の中間圧延機2、第3の中間圧延機3および第4の中間圧延機4を有し、第4の中間圧延機4の後段に最終圧延機5が配置されている。さらに、鋼板Sの走行方向における最終圧延機5の下流側に巻き取りリール6が配置されている。
第1〜第4の中間圧延機1〜4と同様に、最終圧延機5も、一対のワークロール(圧延ロール)10Aおよび10Bと、一対のバックアップロール11Aおよび11Bと、駆動部12を有している。
そして、第1〜第4の中間圧延機1〜4の駆動部9と最終圧延機5の駆動部12に制御部15が接続され、制御部15に張力計13および板厚計14がそれぞれ接続されている。制御部15は、第1〜第4の中間圧延機1〜4および最終圧延機5を駆動制御して鋼板Sを圧延するものである。
また、制御部15は、図示しない位置センサにより、例えば鋼板Sの溶接部分を検出することで、検査対象部をトラッキングし、常時、鋼板Sの走行位置を把握しているものとする。
r=(D1−D2)/D1
として表すことができる。
また、ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置を開放側へ移動させることに伴い、最終圧延機5で鋼板Sに加えられる荷重は、それまでの値W0から低下し始める。
なお、圧下位置の値P1は、鋼板Sの製品部に対する圧下率r1の50〜60%の圧下率r2が実現されるような値に設定されることが好ましい。
ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置が値P1になることで、最終圧延機5により鋼板Sに加えられる荷重は、鋼板Sの製品部に対する値W0よりも小さな値W1となる。
一般に、張力制御は、圧延機の圧下位置の調整により行うこともできるが、この実施の形態においては、上述したように、第1〜第4の中間圧延機1〜4の圧延速度を制御することで張力制御を行っている。従って、最終圧延機5による圧下率をr1からr2に低減して凹凸欠陥の凸部高さの平坦化を軽減するための圧下位置の調整が、張力制御のための圧下位置の調整と干渉することが防止されている。
また、ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置が値P2になることで、最終圧延機5により鋼板Sに加えられる荷重は、値W2となる。
制御部15は、例えばコンピュータにより構成され、鋼板Sの検査対象部をトラッキングし、自動シーケンス制御を行うことで、冷間連続圧延装置の稼動を停止することなく、最終圧延機5により製品部に対する圧下率r1よりも小さい圧下率r2で検査対象部を圧延することができる。
例えば、第4の中間圧延機4のワークロール7Aおよび7Bの表面に凹み状の疵が発生し、これが転写することで、第4の中間圧延機4での圧延により、鋼板Sの製品部の表面に図4(A)に示されるような凸状欠陥F1が発生したものとする。
その結果、鋼板Sの砥石掛け検査の際に、凸状欠陥F2を含む鋼板Sの表面に砥石掛けをしても、砥石により研削された凸状欠陥F3の表面部G1と砥石により研削された正常部分の表面部G2との間の輝度差が小さく、このため、鋼板Sの表面の凹凸欠陥を感度よく検出することが困難となる。
図4(A)に示したように、第4の中間圧延機4のワークロール7Aおよび7Bの表面が有する凹み状の疵に起因して、鋼板Sの製品部の表面に凸状欠陥F1が発生する場合には、ワークロール7Aおよび7B回転に伴って鋼板Sの表面に周期的に凸状欠陥F1が転写されるため、鋼板Sの検査対象部の表面にも図5(A)に示されるような凸状欠陥F1が発生する。
なお、上記の実施の形態では、最終圧延機5の前段に第1〜第4の中間圧延機1〜4が配置されていたが、これに限るものではなく、最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置に広くこの発明を適用することができる。
Claims (8)
- 最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置であって、
前記中間圧延機および前記最終圧延機を駆動制御して鋼板を圧延する制御部を備え、
前記制御部は、前記鋼板の検査対象部のみに対して前記最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することで、前記鋼板の前記検査対象部以外の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で前記検査対象部を圧延するように前記最終圧延機を制御することを特徴とする冷間連続圧延装置。 - 前記最終圧延機で圧延された前記鋼板の厚さを測定する板厚計と、
前記中間圧延機と前記最終圧延機との間における前記鋼板の張力を測定する張力計と
を備え、
前記制御部は、
前記鋼板の前記製品部に対しては、前記板厚計により測定される前記鋼板の厚さが設定板厚となるように板厚制御を行い、
前記鋼板の前記検査対象部に対しては、前記板厚制御を停止すると共に、前記張力計により測定される前記鋼板の張力が設定張力となるように張力制御を行った上で、前記最終圧延機の圧下位置を変更する請求項1に記載の冷間連続圧延装置。 - 前記制御部は、前記鋼板の前記検査対象部に対して前記最終圧延機による圧延が終了すると、次の鋼板の製品部に対する圧下位置となるように前記最終圧延機を制御した後、前記板厚制御を再開する請求項2に記載の冷間連続圧延装置。
- 前記制御部は、前記鋼板の検査対象部のみに対して、前記最終圧延機の圧下率を、前記鋼板の前記製品部に対する圧下率の50〜60%に低減する請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷間連続圧延装置。
- 最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置における鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法であって、
前記鋼板の検査対象部のみに対して前記最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することで、前記鋼板の前記検査対象部以外の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で前記最終圧延機により前記検査対象部を圧延することを特徴とする鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法。 - 前記鋼板の前記製品部に対しては、前記最終圧延機で圧延された前記鋼板の厚さが設定板厚となるように板厚制御を行い、
前記鋼板の前記検査対象部に対しては、前記板厚制御を停止すると共に、前記中間圧延機と前記最終圧延機との間における前記鋼板の張力が設定張力となるように張力制御を行った上で、前記最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更する請求項5に記載の鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法。 - 前記鋼板の前記検査対象部に対して前記最終圧延機による圧延が終了すると、次の鋼板の製品部に対する圧下位置となるように前記最終圧延機を制御した後、前記板厚制御を再開する請求項6に記載の鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法。
- 前記鋼板の検査対象部のみに対して、前記最終圧延機の圧下率を、前記鋼板の前記製品部に対する圧下率の50〜60%に低減する請求項5〜7のいずれか一項に記載の鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法。
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