JP2018027549A - 冷間連続圧延装置および鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法 - Google Patents

冷間連続圧延装置および鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産能率の低下をもたらすことなく中間圧延機の圧延ロールの疵に起因して発生した鋼板表面の凹凸欠陥を感度よく検出することができる冷間連続圧延装置および鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法を提供する。【解決手段】鋼板の検査対象部が最終圧延機に到達すると(t2)、板厚制御から張力制御に移行した後、最終圧延機のワークロールの圧下位置を鋼板の製品部に対して設定されていた値P0から開放側の値P1に移動させて最終圧延機による圧下率を低減させ(t3〜t4)、鋼板の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で最終圧延機により鋼板の検査対象部を圧延する(t4〜t5)。【選択図】図2

Description

この発明は、冷間連続圧延装置に係り、特に、最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置に関する。
また、この発明は、冷間連続圧延装置における中間圧延機の圧延ロールの疵に起因して発生した鋼板表面の凹凸欠陥を検査する方法にも関している。
一般に、圧延装置で製造される圧延鋼板の表面には、圧延装置内の圧延ロールが有する疵を起因とした微小な凹凸欠陥が発生する場合がある。このような凹凸欠陥は、圧延ロールの回転に伴って周期的に鋼板上に転写されることとなる。
このため、例えば、特許文献1に記載されているように、圧延終了後の鋼板の長さ方向の一部分の表面に砥石掛けを行うことにより、凹凸欠陥が存在する箇所と存在しない箇所の間で輝度差を生じさせて凹凸欠陥を可視化し、検査者の目視によって凹凸欠陥を検査する方法が採られている。
特開平11−333678号公報
このような検査により、鋼板の表面の微小な凹凸欠陥を発見することができるが、複数の圧延機を用いて連続的に圧延を行う連続圧延装置においては、最終圧延機よりも前段に配置された中間圧延機の圧延ロールの疵を起因として鋼板の表面に凹凸欠陥が発生すると、最終圧延機において発生する凹凸欠陥に比べて、連続圧延終了後の検査での検出感度が低下するという問題がある。これは、中間圧延機で発生した凹凸欠陥を有する鋼板が、後段側に配置された圧延機で連続して圧延加工される際に、凹凸欠陥の高さが低減されて平坦化されるためである。
そこで、最終圧延機における一対の圧延ロールのロール間隔を開放した状態で、最終圧延機よりも前段に配置された中間圧延機のみで鋼板の検査部分を圧延して、中間圧延機の圧延ロールの疵を起因とする凹凸欠陥を検査する方法が用いられている。
このようにすることで、中間圧延機で発生した凹凸欠陥は、最終圧延機により平坦化されることなく検査されることとなる。
しかしながら、最終圧延機におけるロール間隔を開放するために、連続圧延装置の稼動を一旦停止し、最終圧延機のロール間隔を開放して鋼板の検査部分を圧延した後、最終圧延機のロール間隔を閉めて連続圧延装置の稼動を再開する、という手順が必要となり、連続圧延装置の生産能率の低下をもたらすものであった。
また、中間圧延機の圧延ロールの疵を起因とする凹凸欠陥を検査する際に、最終圧延機におけるロール間隔を開放した状態で最終圧延機の一対の圧延ロール間に鋼板を通過させるため、鋼板が一方の圧延ロールに接触すると、この圧延ロールに新たな疵が発生するおそれがある。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、生産能率の低下をもたらすことなく中間圧延機の圧延ロールの疵に起因して発生した鋼板表面の凹凸欠陥を感度よく検出することができる冷間連続圧延装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、中間圧延機の圧延ロールの疵に起因して発生した鋼板表面の凹凸欠陥を感度よく検出することができる鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法を提供することも目的としている。
この発明に係る冷間連続圧延装置は、最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置であって、中間圧延機および最終圧延機を駆動制御して鋼板を圧延する制御部を備え、制御部は、鋼板の検査対象部のみに対して最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することで、鋼板の検査対象部以外の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で検査対象部を圧延するように最終圧延機を制御するものである。
最終圧延機で圧延された鋼板の厚さを測定する板厚計と、中間圧延機と最終圧延機との間における鋼板の張力を測定する張力計とを備え、制御部は、鋼板の製品部に対しては、板厚計により測定される鋼板の厚さが設定板厚となるように板厚制御を行い、鋼板の検査対象部に対しては、板厚制御を停止すると共に、張力計により測定される鋼板の張力が設定張力となるように張力制御を行った上で、最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することが好ましい。
また、制御部は、鋼板の検査対象部に対して最終圧延機による圧延が終了すると、次の鋼板の製品部に対する圧下位置となるように最終圧延機を制御した後、板厚制御を再開することが好ましい。
なお、制御部は、鋼板の検査対象部のみに対して、最終圧延機の圧下率を、鋼板の製品部に対する圧下率の50〜60%に低減することができる。
この発明に係る鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法は、最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置における鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法であって、鋼板の検査対象部のみに対して最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することで、鋼板の検査対象部以外の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で最終圧延機により検査対象部を圧延する方法である。
鋼板の製品部に対しては、最終圧延機で圧延された鋼板の厚さが設定板厚となるように板厚制御を行い、鋼板の検査対象部に対しては、板厚制御を停止すると共に、中間圧延機と最終圧延機との間における鋼板の張力が設定張力となるように張力制御を行った上で、最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することが好ましい。
また、鋼板の検査対象部に対して最終圧延機による圧延が終了すると、次の鋼板の製品部に対する圧下位置となるように最終圧延機を制御した後、板厚制御を再開することが好ましい。
なお、鋼板の検査対象部のみに対して、最終圧延機の圧下率を、鋼板の製品部に対する圧下率の50〜60%に低減することができる。
この発明によれば、鋼板の検査対象部のみに対して最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することで、鋼板の検査対象部以外の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で最終圧延機により検査対象部を圧延するので、生産能率の低下をもたらすことなく中間圧延機の圧延ロールの疵に起因して発生した鋼板表面の凹凸欠陥を感度よく検出することが可能となる。
この発明の実施の形態に係る冷間連続圧延装置の構成を示す図である。 実施の形態に係る冷間連続圧延装置の動作を示すタイミングチャートである。 鋼板が圧延される様子を示す断面図である。 実施の形態に係る冷間連続圧延装置により圧延される鋼板の製品部に発生した凹凸欠陥を示し、(A)は中間圧延機における圧延直後の凹凸欠陥、(B)は最終圧延機における圧延直後の凹凸欠陥、(C)は砥石掛け後の凹凸欠陥を示す断面図である。 実施の形態に係る冷間連続圧延装置により圧延される鋼板の検査対象部に発生した凹凸欠陥を示し、(A)は中間圧延機における圧延直後の凹凸欠陥、(B)は最終圧延機における圧延直後の凹凸欠陥、(C)は砥石掛け後の凹凸欠陥を示す断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、実施の形態に係る冷間連続圧延装置の構成を示す。冷間連続圧延装置は、鋼板Sの走行方向に沿って順次配列された第1の中間圧延機1、第2の中間圧延機2、第3の中間圧延機3および第4の中間圧延機4を有し、第4の中間圧延機4の後段に最終圧延機5が配置されている。さらに、鋼板Sの走行方向における最終圧延機5の下流側に巻き取りリール6が配置されている。
第1〜第4の中間圧延機1〜4は、それぞれ、鋼板Sを厚さ方向に挟むように配置され且つ鋼板Sに荷重を付与するための一対のワークロール(圧延ロール)7Aおよび7Bと、ワークロール7Aおよび7Bに対して鋼板Sとは反対側に位置し且つワークロール7Aおよび7Bの撓みを抑制するための一対のバックアップロール8Aおよび8Bを有している。さらに、第1〜第4の中間圧延機1〜4は、それぞれ、ワークロール7Aおよび7Bの間のロール間隔を所望の値に保持した状態でワークロール7Aおよび7Bとバックアップロール8Aおよび8Bを回転させる駆動部9を有している。
第1〜第4の中間圧延機1〜4と同様に、最終圧延機5も、一対のワークロール(圧延ロール)10Aおよび10Bと、一対のバックアップロール11Aおよび11Bと、駆動部12を有している。
また、第4の中間圧延機4と最終圧延機5の間に、鋼板Sの張力を測定する張力計13が配置され、最終圧延機5と巻き取りリール6の間に、鋼板Sの板厚を測定する板厚計14が配置されている。
そして、第1〜第4の中間圧延機1〜4の駆動部9と最終圧延機5の駆動部12に制御部15が接続され、制御部15に張力計13および板厚計14がそれぞれ接続されている。制御部15は、第1〜第4の中間圧延機1〜4および最終圧延機5を駆動制御して鋼板Sを圧延するものである。
なお、鋼板Sは、それぞれ一定の大きさを有する複数の板材を溶接により順次つなぎ合わせたものからなり、溶接によりつなぎ合わされた複数の板材のそれぞれの、鋼板Sの走行方向における所定長さの尾端部が、検査対象部として使用され、検査対象部以外の部分が製品部として使用されるものとする。
また、制御部15は、図示しない位置センサにより、例えば鋼板Sの溶接部分を検出することで、検査対象部をトラッキングし、常時、鋼板Sの走行位置を把握しているものとする。
鋼板Sの製品部に対しては、図2の時刻t0に示されるように、制御部15により板厚制御が実施される。すなわち、最終圧延機5で圧延された鋼板Sの板厚が板厚計14により測定され、板厚の測定値と予め設定された板厚の目標値との偏差が0となるように、最終圧延機5におけるワークロール10Aおよび10Bの圧下位置(ロール間隔)、第1〜第4の中間圧延機1〜4に対する最終圧延機5の圧延速度比等が制御部15によって制御される。これにより、板厚が目標値に制御された鋼板Sが製造され、巻き取りリール6に巻き取られる。なお、時刻t0においては、鋼板Sの製品部に対し、最終圧延機5におけるワークロール10Aおよび10Bの圧下位置がP0、ワークロール10Aおよび10Bにより鋼板Sに加えられる荷重がW0に設定されているものとする。
制御部15は、図示しない位置センサにより鋼板Sの走行位置を把握しており、鋼板Sの検査対象部が最終圧延機5に到達する直前の時刻t1に、それまでの最終圧延機5におけるワークロール10Aおよび10Bの圧下位置P0を読み取って、制御部15内のメモリに一時記録する。
さらに、鋼板Sの検査対象部が最終圧延機5に到達する時刻t2に、それまで実施していた板厚制御が停止され、代わりに、制御部15により張力制御が行われる。すなわち、第4の中間圧延機4と最終圧延機5の間における鋼板Sの張力が張力計13で測定され、張力の測定値と予め設定された張力の目標値との偏差が0となるように、第1〜第4の中間圧延機1〜4の圧延速度が制御部15によって制御される。
このようにして、板厚制御から張力制御に移行した後、時刻t3に、制御部15は、最終圧延機5の駆動部12を制御して、最終圧延機5の一対のワークロール10Aおよび10Bの圧下位置を鋼板Sの製品部に対して設定されていた値P0から開放側へと移動させ、これにより最終圧延機5による圧下率rを低減させる。なお、圧下率rは、図3に示されるように、鋼板Sの板厚が、例えば最終圧延機5のワークロール10Aおよび10Bを通過させることにより、D1からD2に変化した場合に、
r=(D1−D2)/D1
として表すことができる。
また、ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置を開放側へ移動させることに伴い、最終圧延機5で鋼板Sに加えられる荷重は、それまでの値W0から低下し始める。
そして、最終圧延機5のワークロール10Aおよび10Bの圧下位置が鋼板Sの製品部に対して設定されていた値P0からΔP1だけ開放側へ移動した値P1になった時刻t4に、圧下位置の移動を完了し、ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置は値P1に維持される。制御部15は、このときのワークロール10Aおよび10Bの圧下位置の値P1を読み取って、制御部15内のメモリに一時記録する。
なお、圧下位置の値P1は、鋼板Sの製品部に対する圧下率r1の50〜60%の圧下率r2が実現されるような値に設定されることが好ましい。
ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置が値P1になることで、最終圧延機5により鋼板Sに加えられる荷重は、鋼板Sの製品部に対する値W0よりも小さな値W1となる。
このようにして、ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置P1および荷重W1が設定された状態で、鋼板Sの検査対象部に対して最終圧延機5による圧延が行われる。このとき、最終圧延機5による圧下率r2が、鋼板Sの製品部に対する圧下率r1よりも低減されているため、第1〜第4の中間圧延機1〜4において鋼板Sの表面に発生した凹凸欠陥、特に、第4の中間圧延機4のワークロール7Aおよび7Bの疵に起因して発生した凹凸欠陥の凸部高さの最終圧延機5による平坦化が軽減されることとなる。
なお、鋼板Sの検査対象部が最終圧延機5に到達する時刻t2から制御部15により張力制御が行われているため、時刻t3に最終圧延機5のワークロール10Aおよび10Bの圧下位置を開放側へ移動しても、第4の中間圧延機4と最終圧延機5との間における鋼板Sの張力が急増することが防止されている。
一般に、張力制御は、圧延機の圧下位置の調整により行うこともできるが、この実施の形態においては、上述したように、第1〜第4の中間圧延機1〜4の圧延速度を制御することで張力制御を行っている。従って、最終圧延機5による圧下率をr1からr2に低減して凹凸欠陥の凸部高さの平坦化を軽減するための圧下位置の調整が、張力制御のための圧下位置の調整と干渉することが防止されている。
最終圧延機5で圧延を行っている鋼板Sの検査対象部につながる次の板材の製品部が最終圧延機5に到達する直前の時刻t5に、制御部15は、最終圧延機5の駆動部12を制御して、最終圧延機5の一対のワークロール10Aおよび10Bの圧下位置を閉め込み側へと移動させる。これに伴い、最終圧延機5で鋼板Sに加えられる荷重が上昇し始める。
そして、最終圧延機5のワークロール10Aおよび10Bの圧下位置が次の板材の製品部に対して設定されている値P2まで閉め込まれた時刻t6に、圧下位置の移動を完了し、ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置が値P2に維持されると共に、制御部15により張力制御が停止され、板厚制御が再開される。すなわち、最終圧延機5で圧延された鋼板Sの板厚が板厚計14により測定され、板厚の測定値と予め設定された板厚の目標値との偏差が0となるように、最終圧延機5におけるワークロール10Aおよび10Bの圧下位置、第1〜第4の中間圧延機1〜4に対する最終圧延機5の圧延速度比等が制御部15によって制御される。
また、ワークロール10Aおよび10Bの圧下位置が値P2になることで、最終圧延機5により鋼板Sに加えられる荷重は、値W2となる。
なお、制御部15は、時刻t4にメモリに一時記録していた圧下位置の値P1と次の板材の製品部に対して設定されている値P2との差分ΔP2を算出し、圧下位置の値がP1からΔP2だけ閉め込み側へ移動するように最終圧延機5の駆動部12を制御することができる。次の板材の製品部が、1つ手前の板材の製品部と同じ圧下位置に設定されている場合には、差分ΔP2は、時刻t3〜t4における差分ΔP1と等しくなる。
最終圧延機5のワークロール10Aおよび10Bの圧下位置が値P1となっている時刻t4から時刻t5までの時間ΔTにわたって、鋼板Sの検査対象部が最終圧延機5により製品部に対する圧下率r1よりも小さな圧下率r2で圧延されることとなる。
制御部15は、例えばコンピュータにより構成され、鋼板Sの検査対象部をトラッキングし、自動シーケンス制御を行うことで、冷間連続圧延装置の稼動を停止することなく、最終圧延機5により製品部に対する圧下率r1よりも小さい圧下率r2で検査対象部を圧延することができる。
ここで、図4(A)〜(C)に、実施の形態に係る冷間連続圧延装置により圧延される鋼板Sの製品部に発生した凹凸欠陥を示す。
例えば、第4の中間圧延機4のワークロール7Aおよび7Bの表面に凹み状の疵が発生し、これが転写することで、第4の中間圧延機4での圧延により、鋼板Sの製品部の表面に図4(A)に示されるような凸状欠陥F1が発生したものとする。
この凸状欠陥F1を有する鋼板Sの製品部は、続く最終圧延機5により圧下率r1で圧延されることとなり、凸状欠陥F1は、図4(B)に示されるように、凸部高さが低減して平坦化された凸状欠陥F2となる。
その結果、鋼板Sの砥石掛け検査の際に、凸状欠陥F2を含む鋼板Sの表面に砥石掛けをしても、砥石により研削された凸状欠陥F3の表面部G1と砥石により研削された正常部分の表面部G2との間の輝度差が小さく、このため、鋼板Sの表面の凹凸欠陥を感度よく検出することが困難となる。
同様に、図5(A)〜(C)に、実施の形態に係る冷間連続圧延装置により圧延される鋼板Sの検査対象部に発生した凹凸欠陥を示す。
図4(A)に示したように、第4の中間圧延機4のワークロール7Aおよび7Bの表面が有する凹み状の疵に起因して、鋼板Sの製品部の表面に凸状欠陥F1が発生する場合には、ワークロール7Aおよび7B回転に伴って鋼板Sの表面に周期的に凸状欠陥F1が転写されるため、鋼板Sの検査対象部の表面にも図5(A)に示されるような凸状欠陥F1が発生する。
しかしながら、鋼板Sの検査対象部は、続く最終圧延機5により、製品部に対する圧下率r1よりも小さな圧下率r2、例えば、圧下率r1の50〜60%の圧下率r2で圧延される。このため、凸状欠陥F1は、図5(B)に示されるように、凸部高さの低減および平坦化が軽減された凸状欠陥F4となる。すなわち、最終圧延機5における圧延後に、図4(B)に示した鋼板Sの製品部における凸状欠陥F2よりも高い凸部高さを有する凸状欠陥F4が残ることとなる。
その結果、鋼板Sの砥石掛け検査の際に、凸状欠陥F4を含む鋼板Sの検査対象部の表面に砥石掛けをすると、砥石により研削された凸状欠陥F5の表面部G3と砥石により研削された正常部分の表面部G4との間に大きな輝度差が生じ、これにより、鋼板Sの表面の凹凸欠陥を感度よく検出することが可能となる。
図1に示した構造の冷間連続圧延装置を使用し、第4の中間圧延機4におけるワークロール7Aおよび7Bの表面が有する凹み状の疵に起因して、最終圧延機5による圧延後の鋼板Sの製品部の表面に凸部高さ3μm程度の凸状欠陥が発生する条件で、この発明に係る鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法を適用した場合と適用しない場合とで、それぞれ砥石掛け検査を実施した。なお、この発明に係る鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法を適用する場合には、最終圧延機5による鋼板Sの検査対象部の圧下率r2を、製品部に対する圧下率r1の50%に設定した。
この発明に係る鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法を適用しない場合、すなわち、最終圧延機5による圧延後の鋼板Sの検査対象部の表面に、製品部と同じ凸部高さ3μm程度の凸状欠陥が発生した場合には、砥石掛け検査を複数回行ったところ、5回目の検査において、初めて凸状欠陥の存在を目視で確認することができた。凸状欠陥の発見成功率は、20%であった。
これに対して、この発明に係る鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法を適用した場合、すなわち、最終圧延機5により鋼板Sの検査対象部を製品部に対する圧下率r1の50%の圧下率r2で圧延した場合には、1回目の検査で即座に凸状欠陥の存在を目視で確認することができた。凸状欠陥の発見成功率は、100%であった。
このように、この発明の冷間連続圧延装置および鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法によれば、鋼板の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で最終圧延機により検査対象部を圧延するので、生産能率の低下をもたらすことなく、中間圧延機の圧延ロールの疵に起因して発生した鋼板表面の凹凸欠陥を感度よく検出することが可能となる。
なお、上記の実施の形態では、最終圧延機5の前段に第1〜第4の中間圧延機1〜4が配置されていたが、これに限るものではなく、最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置に広くこの発明を適用することができる。
1 第1の中間圧延機、2 第2の中間圧延機、3 第3の中間圧延機、4 第4の中間圧延機、5 最終圧延機、6 巻き取りリール、7A,7B,10A,10B ワークロール(圧延ロール)、8A,8B,11A,11B バックアップロール、9 駆動部、12 駆動部、13 張力計、14 板厚計、15 制御部、S 鋼板、P0,P1,P2 圧下位置、ΔP1,ΔP2 圧下位置の移動量、W0,W1,W2 荷重、ΔT 時間、D1,D2 板厚、F1〜F5 凸状欠陥、G1〜G4 表面部。

Claims (8)

  1. 最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置であって、
    前記中間圧延機および前記最終圧延機を駆動制御して鋼板を圧延する制御部を備え、
    前記制御部は、前記鋼板の検査対象部のみに対して前記最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することで、前記鋼板の前記検査対象部以外の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で前記検査対象部を圧延するように前記最終圧延機を制御することを特徴とする冷間連続圧延装置。
  2. 前記最終圧延機で圧延された前記鋼板の厚さを測定する板厚計と、
    前記中間圧延機と前記最終圧延機との間における前記鋼板の張力を測定する張力計と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記鋼板の前記製品部に対しては、前記板厚計により測定される前記鋼板の厚さが設定板厚となるように板厚制御を行い、
    前記鋼板の前記検査対象部に対しては、前記板厚制御を停止すると共に、前記張力計により測定される前記鋼板の張力が設定張力となるように張力制御を行った上で、前記最終圧延機の圧下位置を変更する請求項1に記載の冷間連続圧延装置。
  3. 前記制御部は、前記鋼板の前記検査対象部に対して前記最終圧延機による圧延が終了すると、次の鋼板の製品部に対する圧下位置となるように前記最終圧延機を制御した後、前記板厚制御を再開する請求項2に記載の冷間連続圧延装置。
  4. 前記制御部は、前記鋼板の検査対象部のみに対して、前記最終圧延機の圧下率を、前記鋼板の前記製品部に対する圧下率の50〜60%に低減する請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷間連続圧延装置。
  5. 最終圧延機の前段に少なくとも1つの中間圧延機が配置された冷間連続圧延装置における鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法であって、
    前記鋼板の検査対象部のみに対して前記最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更することで、前記鋼板の前記検査対象部以外の製品部に対する圧下率よりも小さい圧下率で前記最終圧延機により前記検査対象部を圧延することを特徴とする鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法。
  6. 前記鋼板の前記製品部に対しては、前記最終圧延機で圧延された前記鋼板の厚さが設定板厚となるように板厚制御を行い、
    前記鋼板の前記検査対象部に対しては、前記板厚制御を停止すると共に、前記中間圧延機と前記最終圧延機との間における前記鋼板の張力が設定張力となるように張力制御を行った上で、前記最終圧延機の圧延ロールの圧下位置を変更する請求項5に記載の鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法。
  7. 前記鋼板の前記検査対象部に対して前記最終圧延機による圧延が終了すると、次の鋼板の製品部に対する圧下位置となるように前記最終圧延機を制御した後、前記板厚制御を再開する請求項6に記載の鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法。
  8. 前記鋼板の検査対象部のみに対して、前記最終圧延機の圧下率を、前記鋼板の前記製品部に対する圧下率の50〜60%に低減する請求項5〜7のいずれか一項に記載の鋼板表面の凹凸欠陥の検査方法。
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