JP6295932B2 - 金属帯の形状制御方法及び形状制御装置 - Google Patents

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本発明は、熱間圧延工程により製造される金属帯の形状制御方法及び形状制御装置に関するものである。
近年、形状が平坦な金属帯が需要家から求められており、耳波や腹伸び等の金属帯の形状不良に対する許容限度が厳しくなっている。このため、金属帯形状に対する品質保証が重要な課題となっている。また、熱間圧延工程以降の工程においても、金属帯の形状不良は通板トラブル等の原因になるため、最終製品以外でも平坦な金属帯形状が求められている。
熱間圧延工程では、金属帯形状を目標形状に圧延できるように、ロールベンダー、ロールクロス、及びロールシフト等を備えたクラウン及び形状の制御能力の高い仕上圧延機が用いられる。このような仕上圧延機によれば、ロールベンダー量、クロス角、及びシフト量を操作してロールプロファイルを適切に設定することにより、金属帯のクラウン及び形状を精度高く制御できる。
しかしながら、仕上圧延直後の金属帯形状が平坦であっても、熱歪み、変態膨張、及びクリープ変形等の要因によって、常温まで冷却する過程で金属帯形状が変化する場合がある。結果、仕上圧延直後の金属帯形状が目標範囲内であっても、常温まで冷却する過程で金属帯形状が変化して目標範囲外になることがある。常温まで冷却後の金属帯形状が良好でない場合、スキンパス圧延等による金属帯の形状矯正が行われるが、工程追加によるコスト増加や納期延長といった生産性の低下が生じる。
このような背景から、特許文献1には、仕上圧延機の出側における金属帯形状を初期値として、ランアウトテーブルでの冷却、コイラーによる巻取り、コイルヤードでの冷却の各過程における金属帯の変形解析を行うことにより、常温まで冷却後の金属帯形状を予測し、予測結果に基づいて仕上圧延機において金属帯形状の変化を補償することにより、常温まで冷却後の金属帯形状を目標範囲内に制御する技術が提案されている。
特開2007−216246号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術によれば、仕上圧延機のロールベンダーやロールクロス等の性能が十分でなく、仕上圧延機のロールベンダーやロールクロス等による形状制御可能量が必要とする形状修正量よりも小さい場合、十分な形状制御を行うことができないために、常温まで冷却後の金属帯形状を目標範囲内に制御できないことがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、仕上圧延機の形状制御能力に関係なく、常温まで冷却された熱間圧延後の金属帯形状を全長にわたり目標範囲内に制御可能な金属帯の形状制御方法及び形状制御装置を提供することにある。
本発明に係る金属帯の形状制御方法は、仕上圧延機による熱間圧延後の金属帯を常温まで冷却した際に金属帯の長手方向の各位置において発生する形状変化を予測する予測ステップと、前記予測ステップにおいて予測された金属帯の形状変化を補償するように仕上圧延機の出側に設けられたランアウトテーブルの出側における金属帯の目標形状を金属帯の長手方向位置に応じて設定し、ランアウトテーブル上の冷却装置を利用してランアウトテーブルの出側における金属帯形状を目標形状に制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る金属帯の形状制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、ランアウトテーブル上の冷却装置と共に仕上圧延機を利用して金属帯形状を設定された目標形状に制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る金属帯の形状制御方法は、上記発明において、前記予測ステップは、仕上圧延機の出側における金属帯の温度及び平坦度を初期値として、ランアウトテーブルでの冷却、コイラー巻取、及びコイル冷却の各過程での金属帯の温度及び応力・歪成分を相変態と共に解析することによって、金属帯の長手方向の各位置において発生する形状変化を予測するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る金属帯の形状制御装置は、仕上圧延機による熱間圧延後の金属帯を常温まで冷却した際に金属帯の長手方向の各位置において発生する形状変化を予測する予測手段と、前記予測手段によって予測された金属帯の形状変化を補償するように仕上圧延機の出側に設けられたランアウトテーブルの出側における金属帯の目標形状を金属帯の長手方向位置に応じて設定し、ランアウトテーブル上の冷却装置を利用してランアウトテーブルの出側における金属帯形状を目標形状に制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る金属帯の形状制御方法及び形状制御装置によれば、仕上圧延機の形状制御能力に関係なく、常温まで冷却された熱間圧延後の金属帯形状を全長にわたり目標範囲内に制御することができる。
図1は、本発明の一実施形態である金属帯の形状制御方法が適用される熱間圧延ラインの構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である金属帯の形状制御方法の流れを示すフローチャートである。 図3は、ランアウトテーブルにおける幅方向冷却が均一の場合と幅方向冷却に分布を持たせた場合との温度差を示す図である。 図4は、本発明例及び従来例1,2における金属帯の長さ方向の急峻度を示す図である。 図5は、本発明例及び従来例における金属帯の長さ方向の急峻度を示す図である。
以下、本発明の一実施形態である金属帯の形状制御方法について説明する。
〔熱間圧延ラインの構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である金属帯の形状制御方法が適用される熱間圧延ラインの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である金属帯の形状制御方法が適用される熱間圧延ラインの構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である金属帯の形状制御方法が適用される熱間圧延ライン1では、金属帯Sは、仕上圧延機2によって所定の製造サイズに圧延された後、ランアウトテーブルを通過している際に所定の材質に作り込むために冷却装置3によって所定温度まで冷却される。その後、所定温度まで冷却された金属帯Sはコイラー4によってマンドレル5にコイル状に巻き取られ、コイル状に巻き取られた金属帯Sはコイルヤード6において常温まで冷却される。そして、この熱間圧延ライン1における仕上圧延機2及び冷却装置3の動作はコンピュータ等の情報処理装置によって構成された制御装置10によって制御されている。制御装置10は、本発明に係る予測手段及び制御手段として機能する。
〔形状制御処理〕
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態である金属帯の形状制御方法の流れについて説明する。
図2は、本発明の一実施形態である金属帯の形状制御方法の流れを示すフローチャートである。図2に示すフローチャートは、金属帯の熱間圧延工程の実行命令が入力されたタイミングで開始となり、形状制御処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、制御装置10が、金属帯の材料条件(板厚、板幅、板長、及び物性値等)、仕上圧延条件(温度、板速度、板クラウン等)、及び巻取条件(温度、張力、コイル内外径等)に基づいて、金属帯の全長及び全幅にわたって常温まで冷却された後の金属帯の形状変化を予測する。
ここで、常温まで冷却した後の金属帯形状を決定する要因には、(1)仕上圧延機2の出側における金属帯形状、(2)ランアウトテーブル上の通板張力が作用することによって生じる金属帯の変形、(3)ランアウトテーブル上の冷却装置3の冷却ムラによって生じる熱収縮や相変態ムラによる金属帯の変形、(4)コイラー4での巻取時における金属帯のマンドレル5への巻締まりによる金属帯の変形、及び(5)コイルヤード6においてコイルを冷却する際におけるコイルの中心部と外周部との間の冷却速度差に起因する温度偏差によって生じる金属帯の変形がある。
常温まで冷却された後の金属帯形状は上記の要因が複雑に影響した結果であり、全ての要因を考慮して常温まで冷却された後の金属帯形状を決定する必要がある。
すなわち、仕上圧延機2の出側における金属帯の目標形状を平坦として、要因(1)の形状分布を何も与えない場合、常温まで冷却した後の金属帯の最終形状は、コイルの内周部から中心部までが耳波形状であり、コイル外周部が腹伸び形状である形状になる傾向が強い。
また、要因(2)による形状変化では、金属帯に作用する通板張力が金属帯の降伏応力より大きい場合、塑性変形が生じる。
また、要因(3)による形状変化では、金属帯の幅方向端部の熱収縮量が幅方向中心部の熱収縮量よりも大きい場合、幅方向中心部に引張変形が生じることにより、金属帯の幅方向端部に耳波形状が生じる。一方、金属帯の幅方向中心部の熱収縮量が幅方向端部の熱収縮量よりも大きい場合には、幅方向端部に引張変形が生じることにより、金属帯の幅方向中心部に腹伸び形状が生じる。
また、要因(4)による形状変化では、巻取時における金属帯のマンドレル5への巻締りによって長手方向に引張変形が生じる。さらに、板クラウンにより、幅方向中心部に接触面圧が集中し、巻締りの強いコイル外周部において長手方向に引張の塑性変形が生じ、腹伸び形状が生じる。
また、要因(5)による形状変化では、コイル状に積層された金属帯同士が接触する幅方向中心部において、温度低下の遅いコイル中心部に対して温度低下の速いコイル外周部が熱収縮量の違いによって巻締り、板クラウンによって、コイル中心部で長手方向に圧縮変形が生じて耳波形状となり、コイル外周部では長手方向に引張変形が生じて腹伸び形状となる。
上記の変形過程を経て常温まで冷却した後の金属帯形状を予測する手法としては、金属帯に発生する変形を順次解析していく数値解析モデルが考えられる。数値解析モデルとしては、参考文献(特開2006−224177号公報)に開示されているような形状変化予測モデルを用いることができる。
すなわち、始めに、材料条件(金属帯の寸法、降伏関数、熱物性値、相変態挙動を表すパラメータ等)、通板条件(板速度、通板張力等)、冷却条件(熱伝達係数、冷却媒体温度、冷却帯の長さ等)、及び巻取条件(巻取張力、ドラム径等)を設定する。その後に冷却装置3を備えるランアウトテーブルでの伝熱モデル、相変態モデル、及び応力・歪みモデルを解析するステップと、コイルヤード6でのコイル冷却の伝熱モデル、相変態モデル、及び応力・歪みモデルを解析するステップとを実行して、常温まで冷却された金属帯形状を出力する。
金属帯の幅方向の温度分布は、以下の数式(1)に示す熱伝導方程式と以下の数式(2)に示す境界条件式とを解くことによって計算できる。伝熱モデルとしては、例えば熱伝導方程式と境界条件式とを離散化した陽解法差分モデルを用いることにより、オンラインでの使用に耐え得るような短時間での計算が可能となる。
Figure 0006295932
Figure 0006295932
ここで、T[K]は金属帯の温度、T[K]は金属帯の表面温度、T[K]は冷却水温度又は雰囲気温度、t[s]は時間、λ[J/smK]は熱伝導率、q[J/m2s]は熱流束、ρ[kg/m3]は密度、c[J/kgK]は比熱、h[J/m2hK]は熱伝達係数を示している。
相変態モデルでは、以下に示す数式(3)〜(5)式に基づいて、まず金属帯の成分により数式(3)に従ってTTT線図を作成し、ある時点における金属帯の温度及び経過時間から金属帯の組織を決定する。ここで、TTT線図とは、時間及び温度と相変態との関係を示した図であり、物質の温度とその温度になるまでの時間を与えることによって相変態の挙動を知ることができる。
Figure 0006295932
Figure 0006295932
Figure 0006295932
ここでT,T,t,tは化学成分及びオーステナイト粒径の関数として与えられ,t,T及びt,TはTTT曲線の平衡変態点及びノーズ点に対応している。相変態が生じる場合には発熱量も計算する。
応力・歪み解析モデルについては、ランアウトテーブル上での金属帯の状態、コイラー4での巻取中のコイル状態及び巻取後(抜き取り後)の冷却中のコイル状態についてそれぞれ別のモデルが必要となる。また、正確な形状予測解析を行うために、熱収縮、相変態に伴う体積膨張、クリープ変形、及び塑性変形を考慮したモデルとする必要がある。
以上の伝熱モデル、相変態モデル、応力・歪みモデルを用いて金属帯の形状を常温まで解析していくことにより、熱収縮(相変態に伴う体積膨張を含む)、クリープ変形、及び塑性変形の和として永久変形が求まる。最終的な金属帯形状は永久変形の幅方向分布より求まる伸び差率によって評価する。これにより、ステップS1の処理は完了し、形状制御処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、制御装置10が、ステップS1の処理において予測された常温まで冷却された後の金属帯形状を補償するようなランアウトテーブルの出側における金属帯の目標形状を逆算する。換言すれば、制御装置10は、常温まで冷却された後の金属帯の形状を目標範囲内にするために必要なランアウトテーブルの出側における金属帯の目標形状を算出する。ランアウトテーブル出側における金属帯の目標形状は、常温まで冷却された後の金属帯形状の逆符号として計算できる。これにより、ステップS2の処理は完了し、形状制御処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、制御装置10が、ランアウトテーブル上における冷却装置3から噴射される冷却水の金属帯の幅方向流量分布を変化させることにより、ランアウトテーブル出側における金属帯の形状をステップS2の処理において算出された目標形状に制御する。具体的には、ランアウトテーブル上における金属帯の幅方向の温度分布と形状との関係は温度変化による金属帯の弾性変形を無視すると以下に示す数式(6)のように表される。
Figure 0006295932
ここで、Δεは金属帯の幅方向中心部と幅方向端部との伸び差率、αは線膨張係数を示している。また、ΔTは、図3に示すようにランアウトテーブルにおける幅方向冷却が均一の場合と幅方向冷却に分布を持たせた場合との温度差として定義され、幅方向に分布を持たせて冷却した場合の金属帯の幅方向中心部の金属帯温度から幅方向端部の金属帯温度を引くことで計算される。なお、図3に示すT1,T2はそれぞれランアウトテーブルの出側及び仕上圧延機の出側における金属帯の温度を示している。
金属帯の先尾端を拘束した状態で金属帯の幅方向中心部と幅方向端部との間にΔTの温度分布を付与することにより、金属帯を塑性変形させて形状制御を行うことができる。線膨張係数を10.8×10[1/K]、ΔTを±30[K]とすると、伸び差率Δεは約±32.4×10−5となり、金属帯が平坦な場合には急峻度で約±1.15[%]の形状制御が可能になる。
一方、冷却装置3から噴射される冷却水の流量密度は、参考文献(片田 中著「鋼材の強制冷却」日本鉄鋼協会編、1978年、p.16-19)によれば、以下に示す数式(7)によって表される。
Figure 0006295932
ここで、hは熱伝達係数[kJ/hm2K]、Tは金属帯温度[K]、wは冷却水の流量密度[L/m2min]を示している。また、a〜dは補正係数であり、a=2.03,b=0.793,c=0.000308,d=0.083とすることにより、冷却装置3用に合わせ込んでいる。数式(7)において、h=3347とすると、冷却装置3から噴射される冷却水の流量密度と金属帯の温度とは以下の数式(8)に示す関係で近似される。
Figure 0006295932
数式(8)によれば、金属帯の幅方向中心部と幅方向端部との温度差ΔTが30[K]である場合の冷却水の流量密度は、約9.31[L/m2min]であり、冷却装置3によって容易に達成できる値である。ここで、金属帯の温度は幅方向中心部が1103[K]、幅方向端部が1073[K]として計算している。これにより、ステップS3の処理は完了し、一連の形状制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である形状制御処理では、制御装置10が、仕上圧延機2による熱間圧延後の金属帯Sを常温まで冷却した際に金属帯Sの長手方向の各位置において発生する形状変化を予測し、予測された金属帯Sの形状変化を補償するように仕上圧延機2の出側に設けられたランアウトテーブルの出側における金属帯Sの目標形状を金属帯Sの長手方向位置に応じて設定し、ランアウトテーブル上の冷却装置3を利用してランアウトテーブルの出側における金属帯形状を目標形状に制御する。これにより、仕上圧延機2の形状制御能力に関係なく、常温まで冷却された熱間圧延後の金属帯形状を全長にわたり目標範囲内に制御することができる。
なお、本実施形態では、冷却装置3のみを利用して常温まで冷却された金属帯Sの形状を目標形状に制御することとしたが、冷却装置3による形状制御と共に仕上圧延機2による形状制御を併用してもよい。
〔実施例1〕
ワークロールベンダー(90〜230[tonf/chock])を有する7スタンドの仕上圧延機及び最大流量2500[L/min]、長さ120[m]のランアウトテーブル冷却設備を有する熱間圧延設備を用いて本発明を実施した。供試材として、仕上圧延後の板厚2.0[mm]、板幅1000[mm]、板長890[m]の低炭素鋼を使用し、形状不良の目標範囲は急峻度で±1.5[%]とした。また、仕上圧延機の形状制御アクチュエータによって金属帯形状を制御できる範囲は±0.37[%]であった。
従来例1として、仕上圧延機以降の金属帯の形状変化を考慮せずに仕上圧延のみによって金属帯を平坦形状に制御した場合の常温まで冷却した後の金属帯形状を図4に実線で示す。図4に示すように、従来例1では、常温まで冷却した後には先端部で耳波、尾端部で腹伸びの形状不良が確認された。
従来例2として、仕上圧延機において上記形状不良を補償するような形状制御を±0.37[%]の範囲内で行った結果を図4に点線で示す。図4に示すように、従来例2では、先尾端部でそれぞれ約±2[%]の形状不良が確認され、仕上圧延機による形状制御能力が十分でないことが確認された。
これに対して、本発明例では、仕上圧延機において±0.37[%]の形状制御を行い、さらにランアウトテーブル冷却設備を用いて、金属帯の長手方向位置0〜557[m]では金属帯の幅方向中心部の温度を幅方向端部の温度よりも30[K]低く制御し、長手位置602[m]以降の位置では幅方向中心部の温度を幅方向端部の温度よりも30[K]高く制御することにより、形状不良を補償するような形状制御を行った。その結果、図4に太線で示すように、本発明例では、金属帯の全長にわたり急峻度が1.5[%]以下となり、金属帯形状を目標範囲内に収めることができた。
〔実施例2〕
上記熱間圧延設備において、供試材として、仕上圧延後の板厚1.6[mm]、板幅1200[mm]、板長さ1320[m]の極低炭素鋼を使用した場合の結果を図5に示す。従来例として、仕上圧延によって金属帯形状を平坦形状に制御し、仕上圧延以降の形状制御を行わなかった場合の結果を図5に実線で示す。図5に示すように、従来例では、金属帯の先端部と尾端部において約±1.8[%]の形状不良が確認された。
これに対して、本発明例では、仕上圧延機出側のランアウトテーブル冷却設備を用いて、特に形状不良の大きい金属帯の長手位置の120〜215[m]の範囲内では、金属帯の幅方向中心部の温度を幅方向端部の温度よりも30[K]高く制御し、長手位置1051〜1254[m]の範囲内では、金属帯の幅方向中心部の温度を幅方向端部の温度よりも30[K]低く制御することにより、形状不良を補償するような形状制御を行った。本発明例による形状制御結果を図5に太線で示す。図5に示すように、本発明例では、金属帯の全長にわたり金属帯形状を目標範囲内に収めることができた。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 熱間圧延ライン
2 仕上圧延機
3 冷却装置
4 コイラー
5 マンドレル
6 コイルヤード
10 制御装置
S 金属帯

Claims (3)

  1. 仕上圧延機の形状制御可能量が必要とする形状修正量よりも小さい場合において、仕上圧延機による熱間圧延後の金属帯を常温まで冷却した際に金属帯の長手方向の各位置において発生する形状変化を予測する予測ステップと、
    前記予測ステップにおいて予測された金属帯の形状変化を補償するように仕上圧延機の出側に設けられたランアウトテーブルの出側における金属帯の目標形状を金属帯の長手方向位置に応じて設定し、ランアウトテーブル上の冷却装置を利用して金属帯の先尾端を拘束した状態で金属帯の幅方向中心部と幅方向端部との間に温度分布を付与して金属帯を冷却することによりランアウトテーブルの出側における金属帯形状を目標形状に制御する制御ステップと、を含み、
    前記制御ステップは、ランアウトテーブル上の冷却装置と共に仕上圧延機を利用して金属帯形状を設定された目標形状に制御するステップを含む
    ことを特徴とする金属帯の形状制御方法。
  2. 前記予測ステップは、仕上圧延機の出側における金属帯の温度及び平坦度を初期値として、ランアウトテーブルでの冷却、コイラー巻取、及びコイル冷却の各過程での金属帯の温度及び応力・歪成分を相変態と共に解析することによって、金属帯の長手方向の各位置において発生する形状変化を予測するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の金属帯の形状制御方法。
  3. 仕上圧延機の形状制御可能量が必要とする形状修正量よりも小さい場合において、仕上圧延機による熱間圧延後の金属帯を常温まで冷却した際に金属帯の長手方向の各位置において発生する形状変化を予測する予測手段と、
    前記予測手段によって予測された金属帯の形状変化を補償するように仕上圧延機の出側に設けられたランアウトテーブルの出側における金属帯の目標形状を金属帯の長手方向位置に応じて設定し、ランアウトテーブル上の冷却装置を利用して金属帯の先尾端を拘束した状態で金属帯の幅方向中心部と幅方向端部との間に温度分布を付与して金属帯を冷却することによりランアウトテーブルの出側における金属帯形状を目標形状に制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、ランアウトテーブル上の冷却装置と共に仕上圧延機を利用して金属帯形状を設定された目標形状に制御する
    ことを特徴とする金属帯の形状制御装置。
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