JP2018024627A - 硫黄原子含有化合物、活性エネルギー線重合開始剤、活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物およびベンゾインチオエーテル化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、ラジカル重合を利用する活性エネルギー線硬化性組成物は、空気中の酸素により酸素阻害が生じ重合が停止してしまうといった問題や、硬化による硬化収縮が生じてしまうといった問題などがあった。
さらに、光照射でラジカルを発生する硫黄原子含有の活性エネルギー線重合開始剤を用いることで、活性エネルギー線重合収率を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。なお、特許文献2においてチオール化合物は芳香族チオールに限定されている。
また、保存安定性および表面硬化性に優れる活性エネルギー線重合開始剤として、単官能チオールを用いて合成されたベンゾインチオエーテル化合物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
更に、紫外線に対する高い感度を持つ活性エネルギー線重合開始剤として、特定構造の硫黄含有化合物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに本発明は前記硫黄原子含有化合物に包含される新規なベンゾインチオエーテル化合物にも関するものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルまたはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルまたはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートまたはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明の硫黄原子含有化合物は、下記一般式(1)で示される硫黄原子含有化合物である。
チオール基またはチイルラジカルを発生する活性エネルギー線重合開始ユニットとは、活性エネルギー線の照射によって、チオール基(−SH)またはチイルラジカルを発生する活性エネルギー線重合開始ユニットである。かかる活性エネルギー線重合開始ユニットとしては特に限定されないが、例えば、後述の一般式(2)または一般式(3)で示される活性エネルギー線重合開始ユニットが挙げられる。
かかる有機基は、直鎖構造、分岐構造、環状構造、あるいはこれら構造を組み合わせた複合構造でもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
かかる有機基は、従来公知の有機基を使用することができ、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数7〜20のアルキニレン基、オキソ、アゾ、ヒドラゾ、ヒドラジ、チオ、スルホニル、スルフィニル、カルボニル、チオカルボニル、これらの組合せが挙げられる。
直鎖構造や分岐構造の有機基における炭素数としては、好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜15、更に好ましくは1〜10である。
環状構造の有機基における炭素数としては、好ましくは3〜20、特に好ましくは3〜15である。
かかる有機基は、アルキル基(例えば炭素数1〜20)、エーテル基、エステル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の置換基を含んでもよい。
2つ以上の基が結合して、単環または縮合環を形成した構造としては、例えば、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
2つ以上のR4が結合して、単環または縮合環を形成した構造としては、例えば、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
R8におけるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、かかるアルキル基は直鎖状でも分岐状であってもよく、アルキル基の炭素数としては、好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜15である。
R8におけるアシル基は、直鎖構造、分岐構造、環状構造、あるいはこれら構造を組み合わせた複合構造であって、飽和または不飽和の基を有する。アシル基の炭素数としては、好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜15である。具体的には、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、アクリロイル基等が挙げられる。
R8における炭素数3〜20のシクロアルキル基および炭素数6〜20のアリール基は、R1〜R3について説明したものと同様である。
2つ以上のR9が結合して、単環または縮合環を形成した構造としては、例えば、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
2つ以上のR10が結合して、単環または縮合環を形成した構造としては、例えば、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
また、vは0〜5の整数である。vが2〜5である場合、複数のR12の全部または一部が同じ原子または基であっても良く、2つ以上のR12が結合して、単環または縮合環を形成した構造であっても良い。2つ以上のR12が結合して、単環または縮合環を形成した構造としては、例えば、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
また、xは0〜4の整数である。xが2〜4である場合、複数のR14の全部または一部が同じ原子または基であっても良く、2つ以上のR14が結合して、単環または縮合環を形成した構造であっても良い。2つ以上のR14が結合して、単環または縮合環を形成した構造としては、例えば、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
一般式(8)におけるYは酸素原子、硫黄原子またはカルボニル基である。
次に、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、一般式(1)で示される硫黄原子含有化合物からなる活性エネルギー線重合開始剤[I]および活性エネルギー線重合性化合物[II]を含有してなるものである。
かかる紫外線照射は、2〜20000mJ/cm2、好ましくは10〜10000mJ/cm2の条件で行われる。
特に、インクジェットインキや粘着剤、接着剤、フォトレジスト、光学部材、電子部品などに用いる際は、薄膜で使用することが多く、酸素の影響を受け易いので、酸素による重合阻害を受けにくく保存安定性に優れている本発明の化合物は有用である。
また、本発明は下記一般式(9)で示される新規なベンゾインチオエーテル化合物をも提供するものである。
一般式(9)で示されるベンゾインチオエーテル化合物は、一般式(1)におけるB−X2−[−A2]mが、一般式(4)においてrが0であり、R5〜R7のうち2つがメチル基、残りの1つがO−X2−[−A2]mであり、nが1である開裂型の活性エネルギー線重合開始ユニットである。
なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
〔合成例1:3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオン酸2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ]エチル[I−1]の合成〕
本化合物は、一般式(9)におけるxが1、yが0、mが0、X2が水素原子であり、X1が一般式(10)おけるzが2であり、A1が一般式(2)におけるoおよびpがいずれも0のベンゾインチオエーテル化合物であり、下記構造式を有する。
取得した3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオン酸の量は4.6gであり、収率は71%であった。
取得した3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオン酸2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ]エチルの量は2.1gであり、収率は62%、全収率は44%であった。
7.9−8.0ppm(m,2H,Ar−H)
7.2−7.5ppm(m,8H,Ar−H)
6.7−7.0ppm(m,2H,Ar−H)
5.64ppm(s,1H,−S−CH−Ar)
4.44ppm(t,2H,Ar−O−CH2−)
4.2−4.3ppm(m,3H,CO−O−CH2−,−OH)
2.7−2.8ppm(m,2H,−S−CH2−)
2.6−2.7ppm(m,2H,−O−CO−CH2−)
1.6−1.7ppm(m,6H,−CH3)
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、以下の評価を行った。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物を20℃で放置し、ゲル化の発生具合を目視で観察し、下記の基準にて評価した。
○・・・1か月以上ゲル化しなかった。
×・・・1か月未満でゲル化してしまった。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物を、PETフィルム(東洋紡株式会社製:商品名「コスモシャインA4300」、膜厚125μm)上に20μmの厚さとなるように塗工した後、高圧水銀ランプの取り付けられた紫外線照射装置にてピーク照度:200mW/cm2で2J/cm2(365nm)の紫外線照射を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の表面硬度を、JIS K5600−5−4に準拠して測定した。
上記方法により得られた硬化物の屈曲耐久性を、JIS K5600−5−1に準拠して測定した。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物(硬化前)と紫外線照射後の硬化物(硬化後)を用いて、乾式密度測定装置(アキュピック1330(島津製作所))を用いて密度( 温度23℃) を測定し、[{(硬化後の密度)−(硬化前の密度)}/(硬化後の密度)]×100より、硬化収縮率(%)を算出した。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物を酢酸エチル100部で希釈した後、かかる組成物をPETフィルム(東洋紡株式会社製:商品名「コスモシャインA4300」、膜厚125μm)上に1μmの厚さとなるように塗工した。その後、80℃で1分間乾燥させ、高圧水銀ランプの取り付けられた紫外線照射装置にてピーク照度:200mW/cm2で5J/cm2(365nm)の紫外線照射を行い、硬化物を得た。
上記の表面硬度測定及び屈曲耐久性測定における紫外線照射時に、薄膜(1μm)と厚膜(20μm)の硬化に要する照射量を比較し、下記のように評価した。
A・・・薄膜の照射量が厚膜の照射量と同じであった。
B・・・薄膜の照射量が厚膜の照射量の1倍より多く2倍未満であった。
C・・・薄膜の照射量が厚膜の照射量の2倍以上であった。
実施例1において、化合物[I−1]の配合量を10部に変更した以外は同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、表面硬度の評価方法での紫外線照射量を1J/cm2、屈曲耐久性の評価方法での紫外線照射量を2J/cm2とした以外は同様に行った。
〔合成例2:(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)酢酸2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ]エチル[I−2]の合成〕
本化合物は、一般式(9)におけるxが1、yが0、mが0、X2が水素原子であり、X1が一般式(10)におけるzが1であり、A1が一般式(2)におけるoおよびpがいずれも0のベンゾインチオエーテル化合物であり、下記構造式を有する。
取得した(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)酢酸の量は15.4gであり、収率は83%であった。
取得した(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)酢酸2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ]エチルの量は0.80gであり、収率は27%、全収率は22%であった。
7.9−8.0ppm(m,2H,Ar−H)
7.2−7.5ppm(m,8H,Ar−H)
6.9−7.0ppm(m,2H,Ar−H)
5.97ppm(s,1H,−S−CH−Ar)
4.50ppm(t,2H,Ar−O−CH2−)
4.2−4.3ppm(m,2H,CO−O−CH2−)
4.18ppm(s,1H,−OH)
3.23ppm(d,1H,−S−CH2−)
3.05ppm(d,1H,−S−CH2−)
1.6−1.7ppm(m,6H,−CH3)
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を5J/cm2とした以外は同様に行った。
実施例1において、化合物[I−1]の代わりに、化合物[I−2]を10部に変更した以外は同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を1J/cm2とした以外は同様に行った。
〔合成例3:3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオン酸2−(4−{2−メチル−2−[3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオニルオキシ]プロピオニル}フェノキシ)エチル[I−3]の合成〕
本化合物は、一般式(9)におけるxが1、yが0、mが1、X1とX2が一般式(10)で示され、X1とX2におけるzが2であり、A1とA2が一般式(2)におけるoおよびpがいずれも0のベンゾインチオエーテル化合物であり、下記構造式を有する。
取得した3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオン酸2−(4−{2−メチル−2−[3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオニルオキシ]プロピオニル}フェノキシ)エチルの量は0.60gであり、収率は20%、全収率は18%であった。
7.8−7.9ppm(m,2H,Ar−H)
7.2−7.5ppm(m,16H,Ar−H)
6.7−6.8ppm(m,2H,Ar−H)
5.65ppm(s,1H,−S−CH−Ar)
5.53ppm(s,1H,−S−CH−Ar)
4.41ppm(t,2H,Ar−O−CH2−)
4.13ppm(t,2H,Ar−O−CH2−)
2.7−2.8ppm(m,2H,−S−CH2−)
2.4−2.5ppm(m,4H,−O−CO−CH2−,−S−CH2−)
2.1−2.2ppm(m,2H,−S−CH2−)
1.6−1.7ppm(m,6H,−CH3)
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を7J/cm2とした以外は同様に行った。
実施例1において、化合物[I−1]の代わりに、化合物[I−3]を10部に変更した以外は同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を3J/cm2とした以外は同様に行った。
〔合成例4:3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオン酸2−[3−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ]エトキシカルボニル}エチルスルファニル)プロピオニルオキシメチル]−2−[3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオニルオキシムエチル]ブチル[I−4]の合成〕
本化合物は、一般式(9)におけるxが2、yが1、mが0、X2が水素原子であり、X1が一般式(10)におけるzが2であり、A1が一般式(2)におけるoおよびpがいずれも0のベンゾインチオエーテル化合物であり、下記構造式を有する。
取得した3−(2−{2,2−ビス−[3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオニルオキシメチル]ブトキシカルボニル}エチルスルファニル)プロピオン酸の量は1.1gであり、収率は11%であった。
取得した3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオン酸2−[3−(2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ]エトキシカルボニル}エチルスルファニル)プロピオニルオキシメチル]−2−[3−(2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルスルファニル)プロピオニルオキシムエチル]ブチルの量は0.30gであり、収率は24%、全収率は2.6%であった。
7.9−8.0ppm(m,4H,Ar−H)
7.2−7.5ppm(m,16H,Ar−H)
6.94ppm(d,2H,Ar−H)
5.65ppm(s,1H,−S−CH−Ar)
4.48ppm(t,2H,Ar−O−CH2−)
4.2−4.3ppm(m,3H,−CO−O−CH 2 −CH2−,−OH)
3.9−4.0ppm(m,6H,−CO−O−CH 2 −C−)
2.5−2.8ppm(m,16H,−CH2−)
1.6−1.7ppm(m,6H,−CH3)
1.62ppm(q,2H,−CH 2 −CH3)
0.82ppm(t,3H,−CH2−CH 3 )
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を8J/cm2とした以外は同様に行った。
実施例1において、化合物[I−1]の代わりに、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、「Irgacure184」)に変更した以外は同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を1J/cm2とした以外は同様に行った。
実施例2において、化合物[I−1]の代わりに、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製、「Irgacure184」)を10部に変更した以外は同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を1J/cm2とした以外は同様に行った。
実施例1において、化合物[I−1]の代わりに、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(BASFジャパン社製、「Irgacure1173」)を4部に変更した以外は同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を2J/cm2とした以外は同様に行った。
実施例2において、化合物[I−1]の代わりに、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(BASFジャパン社製、「Irgacure1173」)を10部に変更した以外は同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例2と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を1J/cm2とした以外は同様に行った。
実施例1において、化合物[I−1]の代わりに、1,4−ブタンジオールビス(チオグリコラート)を4部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、「Irgacure184」)を1部に変更した以外は同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
なお、紫外線照射量を10J/cm2とした以外は同様に行った。
さらに、合成例1〜4に記載の化合物は、比較例5に比べ非常に優れた保存安定性を有する光重合開始剤であることがわかる。
特に、インクジェットインキや粘着剤、接着剤、フォトレジスト、光学部材、電子部品などに用いる際は、薄膜で使用することが多く、酸素の影響を受け易いので、酸素による重合阻害を受けにくく保存安定性に優れている本発明の化合物は有用である。
Claims (7)
- 下記一般式(1)で示されることを特徴とする硫黄原子含有化合物。
- 一般式(1)におけるA1およびA2がそれぞれ独立して下記一般式(2)または一般式(3)で示されることを特徴とする請求項1記載の硫黄原子含有化合物。
- 一般式(1)におけるB−X2−[−A2]mが、下記一般式(4)もしくは(5)で示される開裂型の活性エネルギー線重合開始ユニット、または、下記一般式(6)〜(8)のいずれかで示される水素引き抜き型の活性エネルギー線重合開始ユニットであることを特徴とする請求項1または2記載の硫黄原子含有化合物。
- 請求項1〜3いずれか記載の硫黄原子含有化合物からなることを特徴とする活性エネルギー線重合開始剤[I]。
- 請求項4記載の活性エネルギー線重合開始剤[I]および活性エネルギー線重合性化合物[II]を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項5記載の活性エネルギー線硬化性組成物が硬化されてなることを特徴とする硬化物。
- 下記一般式(9)で示されることを特徴とするベンゾインチオエーテル化合物。
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JP2021024823A (ja) * | 2019-08-06 | 2021-02-22 | 学校法人東京理科大学 | β−ケトスルフィド化合物、光硬化剤及びそれらを含む感光性樹脂組成物 |
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