JP2008094770A - オキシムエステル化合物及び該化合物を有効成分とする光重合開始剤 - Google Patents

オキシムエステル化合物及び該化合物を有効成分とする光重合開始剤 Download PDF

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Abstract

【課題】感光性組成物に用いたときに、該感光性組成物を成膜した後に膜の質量減少が起こらない光重合開始剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物。
Figure 2008094770

【選択図】なし

Description

本発明は、感光性組成物に用いられる光重合開始剤として有用な新規なオキシムエステル化合物、該オキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤、及びエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に該光重合開始剤を含有させてなる感光性組成物に関する。
感光性組成物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に光重合開始剤を加えたものであり、この感光性組成物に405nmや365nmの光を照射することによって重合硬化させることができるので、光硬化性インキ、感光性印刷版、各種フォトレジスト等に用いられている。短波長の光源に感度を持つ感光性組成物は微細な印刷が可能であるため、特に365nmの光源に優れた感度を有する光重合開始剤が望まれている。
上記感光性組成物に用いる光重合開始剤として、下記特許文献1〜8には、カルバゾリル構造を有するO−アシルオキシム化合物が提案されている。しかし、これらの公知のO−アシルオキシム化合物は、感光性組成物を成膜した後に膜の質量減少が起こることが問題となっていた。
特開2001−302871号公報 特表2004−534797号公報 特開2005−25169号公報 特開2005−128483号公報 特開2005−242279号公報 特開2005−242280号公報 特開2006−16545号公報 特許第3754065号公報
解決しようとする問題点は、感光性組成物に用いたときに、該感光性組成物を成膜した後に膜の質量減少が起こらない光重合開始剤がこれまでなかったということである。
従って、本発明の目的は、成膜後に膜の質量減少が起こらない光重合開始剤を提供することにある。
本発明は、下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物、及び該オキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤を提供することにより、上記目的を達成したものである。
Figure 2008094770
また、本発明は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に、上記光重合開始剤を含有させてなる感光性組成物を提供するものである。
本発明のオキシムエステル化合物は、光重合開始剤として感光性組成物に含有させた場合、該感光性組成物を成膜した後に感光層における膜の質量減少が起こらず、また、経時による感光層表面への析出もないため、経時安定性に優れており、さらに、分解物によるマスク付着物がなく、焼付け時のパターン形状不良も起こさないため、光重合開始剤として有用なものである。
以下、本発明のオキシムエステル化合物及び該化合物を有効成分とする光重合開始剤について詳細に説明する。
上記一般式(I)中、R及びR’で表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ビニル、アリル、ブテニル、エチニル、プロピニル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)エテニル等が挙げられ、中でも炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましい。R及びR’で表されるアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、クロロフェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスレニル等が挙げられ、中でも炭素原子数6〜12のアリール基が好ましい。R及びR’で表されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル、クロロベンジル、α−メチルベンジル、α、α−ジメチルベンジル、フェニルエチル、フェニルエテニル等の炭素原子数7〜13のアラルキル基が好ましく挙げられる。R及びR’で表される複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、フリル、チオフェニル等の5〜7員複素環が好ましく挙げられる。また、R及びR’が一緒になって形成する環としては、例えば、ピペリジン環、モルホリン環等の5〜7員環が好ましく挙げられる。
また、R及びR’を置換してもよいハロゲン原子としては、上記のアルキル基の例示からも明らかなようにフッ素が挙げられる他、塩素、臭素、ヨウ素も挙げられる。また、R及びR’を置換してもよい複素環基としては、たとえば、ピリジル、ピリミジル、フリル、ベンゾオキサゾール−2−イル、テトラヒドロピラニル、ピロリジル、イミダゾリジル、ピラゾリジル、チアゾリジル、イソチアゾリジル、オキサゾリジル、イソオキサゾリジル、ピペリジル、ピペラジル、モルホリニル等の5〜7員複素環基が挙げられる。
Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。また、Xで表されるアルキル基も、R及びR’と同様に、ハロゲン原子及び/又は複素環基で置換されていてもよく、アルキル基のアルキレン部分は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上により中断されていてもよい。Xで表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ビニル、アリル、ブテニル、エチニル、プロピニル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)エテニル等が挙げられ、中でも炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましい。
2で表されるアルカンジイル基としては、例えば下記〔化2〕で表される基が挙げられ、中でも直鎖又は分岐の炭素原子数1〜20のアルカンジイル基が好ましい。また、該アルカンジイル基の主鎖における炭素原子は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はエステル基で置換されていてもよい。
Figure 2008094770
本発明のオキシムエステル化合物の中でも、上記一般式(I)において、R1がアルキル基、特にメチル基であるもの;R2がアルキル基、特にメチル基であるもの;R3がアルキル基、特にエチル基であるもの;Y1が硫黄原子であるもの;qが1であるものが好ましい。
従って、上記一般式(I)で表される本発明のオキシムエステル化合物の好ましい具体例としては、以下の化合物No.1〜No.10の化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により何ら制限を受けるものではない。
Figure 2008094770
Figure 2008094770
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Figure 2008094770
Figure 2008094770
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Figure 2008094770
上記一般式(I)で表される本発明のオキシムエステル化合物の合成方法は特に限定されないが、例えば、Y1が硫黄原子でありqが1であるものは、下記〔化13〕の反応式に従って、以下の方法により製造することができる。まず、カルバゾール化合物1と、カルボン酸クロリド2及びXの1つがハロゲン原子であるカルボン酸クロリド3とを、同時又は順次に塩化亜鉛の存在下に反応させて、アシル化合物4を得る。次いで、アシル化合物4とメルカプトアルコール化合物5とをテトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート(TBAHS)の存在下に反応させてアシル体6を得る。メルカプトアルコール化合物5は、アシル化反応を行う前にカルボン酸クロリド3に付加させてもよい。次いで、アシル体6と(メタ)アクリル酸クロリド7とをトリエチルアミン(TEA)存在下で反応させてアシル体8を得る。次いで、アシル体8と塩酸ヒドロキシルアミンとを反応させてオキシム化合物9を得る。次いで、オキシム化合物9と酸無水物10あるいは酸クロリド10’とを反応させて本発明のオキシムエステル化合物を得る。また、Y1が酸素原子又はセレン原子であるもの、及びqが0であるものも、上記の方法に準じて製造することができる。
Figure 2008094770
本発明のオキシムエステル化合物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の光重合開始剤として有用である。
次に、本発明の感光性組成物について説明する。
本発明の感光性組成物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に、上述の本発明のオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤を含有させてなるものである。
上記エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物としては、特に限定されず、従来、感光性組成物に用いられているものを用いることができるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;(メタ)アクリル酸、α―クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、2、2’−3、3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3、3’−4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレートあるいは1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和多塩基酸;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、下記化合物No.11〜No.14、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸N−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、 (メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルエチル)イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸及び多価アルコール又は多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸及び多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドン、ビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコール、クロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、N−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマー及びポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物、水酸基含有ビニルモノマー及びポリエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物等が挙げられる。これらの中でも、両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート、不飽和一塩基酸及び多価アルコール又は多価フェノールのエステルに、本発明のオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤は好適である。また、これらの重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、また2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。
Figure 2008094770
Figure 2008094770
Figure 2008094770
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本発明の感光性組成物において、光重合開始剤の添加量は特に限定されるものではないが、本発明のオキシムエステル化合物の添加量は、エチレン性不飽和結合を有する上記重合性化合物100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部である。
本発明の感光性組成物は、さらに色材を含有させて着色感光性組成物としてもよい。該色材としては、染料、顔料、天然色素等が挙げられる。これらの色材は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記顔料としては、ピグメントレッド1、2、3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロ−1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリ−ン7、10、36;ピグメントブル−15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50;カーボンブラック、ピグメントブラック7、チタンブラック;酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、ミロリ青、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、コバルト青、合成鉄黒、アンバー、シリカ、アルミナ、タルク等の無機顔料を挙げることができる。これら色材は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
着色感光性組成物とする場合の上記色材の添加量は、エチレン性不飽和結合を有する上記重合性化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.5〜20質量部である。
本発明においては、上記重合性化合物にさらにエポキシ化合物を反応させて酸価調製を行って、本発明の感光性組成物の現像性を改良することができる。該エポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ぺプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、プロパルギルグリシジルエーテル、p−メトキシエチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−メトキシグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、2−メチルクレジルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、p−クミルフェニルグリシジルエーテル、トリチルグリシジルエーテル、2,3−エポキシプロピルメタクリレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、グリシジルブチレート、ビニルシクロヘキサンモノオキシド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、スチレンオキシド、ピネンオキシド、メチルスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、下記化合物No.15、No.16等が挙げられる。
Figure 2008094770
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また、エチレン性不飽和結合を有する上記重合性化合物とともに、他の有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン樹脂、ポリカーボネートポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの中でも、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、エポキシ樹脂が好ましい。
他の有機重合体を使用する場合、その使用量は、エチレン性不飽和結合を有する上記重合性化合物100質量部に対して、好ましくは10〜500質量部である。
本発明の感光性組成物には、さらに、不飽和結合を有するモノマー、連鎖移動剤、界面活性剤等を併用することができる。
上記不飽和結合を有するモノマーとしては、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸N−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ステアリル 、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸亜鉛、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールZジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記連鎖移動剤としては、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物が挙げられる。
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の感光性組成物には、光重合開始剤として、本発明のオキシムエステル化合物の他に、必要に応じて他の光重合開始剤あるいは増感剤を併用することも可能であり、その他の光重合開始剤を併用することによって著しい相乗効果を奏する場合もある。
本発明のオキシムエステル化合物と併用できる光重合開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4'−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4'−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4'−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9'−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2'−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1−2’−ビイミダゾール、4、4−アゾビスイソブチロニトリル、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、N−1717、N−1818、N−1919((株)ADEKA社製)、過酸化ベンゾイン、下記化合物No.17〜No.19等が挙げられ、これらの光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの他の光重合開始剤を使用する場合、その使用量は、好ましくは本発明のオキシムエステル化合物の使用量の1質量倍以下とする。
Figure 2008094770
Figure 2008094770
Figure 2008094770
また、本発明の感光性組成物には、必要に応じて、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、第三ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;効果促進剤;増感剤;架橋剤;充填剤等の慣用の添加物を加えることができる。
本発明の感光性組成物において、エチレン性不飽和結合を有する前記重合性化合物及び本発明のオキシムエステル化合物以外の任意成分(但し、前記の他の光重合開始剤及び色材並びに後述の溶媒は除く)の使用量は、その使用目的に応じて適宜選択され特に制限されないが、好ましくは、エチレン性不飽和結合を有する前記重合性化合物100質量部に対して合計で50質量部以下とする。
本発明の感光性組成物には、通常、必要に応じて前記の各成分(本発明のオキシムエステル化合物及びエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物等)を溶解又は分散しえる溶媒、例えば、メタノール、エタノール、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジグライム、シクロヘキサノン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸イソアミル、酢酸nアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、液体ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エステル、エチルエトキシプロピオネート等を加えることができる。
本発明の感光性組成物は、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用することができる。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
本発明の感光性組成物は、光硬化性塗料、光硬化性インキ、光硬化性接着剤、印刷版、印刷配線板用フォトレジスト及びプリント基板、あるいはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、デジタルカメラ等のカラー表示の液晶表示素子におけるカラーフィルター又は保護膜等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
また、本発明のオキシムエステル化合物を含有する感光性組成物を硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕化合物No.1の製造
<ステップ1>4−フルオロ−2−メチル安息香酸クロリドの製造
下記〔化23〕に示す構造を持つ4−フルオロ−2−メチル安息香酸クロリドを、以下のようにして製造した。
Figure 2008094770
窒素雰囲気下で4−フルオロ−2−メチル安息香酸20.0g(0.13モル)、N,N−ジメチルホルムアミド0.10g(1.3ミリモル)及びトルエン134gを仕込み、室温にて塩化チオニル23.2g(0.20モル)を滴下し、60〜65℃に昇温して1時間撹拌した。溶媒を留去し、減圧下、50℃で乾燥して褐色液体19.7g(収率88%、GC純度99%)を得た。
得られた褐色液体のIR測定の結果は次の通りであり、該褐色液体は目的物であることを確認した。
IR測定:(cm-1
2985、2931、1766、1606、1579、1486、1450、1384、1240、1189、1105、964、869、823
<ステップ2>アシル体の製造
下記〔化24〕に示すアシル体を、以下のようにして製造した。
Figure 2008094770
モノクロロベンゼン33.1g、N−エチルカルバゾール21.5g(0.11モル)及び塩化亜鉛1.40g(10ミリモル)を混合して80℃まで昇温し、ステップ1で得られた4−フルオロ−2−メチル安息香酸クロリド17.3g(0.10モル)を滴下した。80〜85℃で1時間撹拌後、室温まで冷却した。n−ヘプタン33.1g及び水16.5gを加えて油層を分離し、1%水酸化ナトリウム水溶液8.30gを加えて中和し、さらに水40.0gを2回に分けて加えて油層を洗浄した。油層を分離してn−ヘプタンを留去し、モノクロロベンゼン溶液50.0gを得た。得られたモノクロロベンゼン溶液にモノクロロベンゼン90.0gを滴下し、塩化アルミニウム40.0gを加えて10〜15℃に冷却した。塩化アセチル9.90g(0.13モル)を10〜20℃で滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液を、二塩化エタン224g及び氷水134gを混合したものに25〜30℃で滴下した。油層を分離し、5%HCl水溶液40g、水40g、2%NaOH水溶液40gを順に用いて洗浄した。二塩化エタンを留去し、酢酸n−プロピル74.6gから再結晶を行った。ろ過、酢酸n−プロピル/n−ヘプタン混合溶媒による洗浄を経て、淡黄色固体22.4g(収率60%、HPLC純度98%)を得た。
得られた淡黄色結晶は、融点175℃で、1H−NMRのケミカルシフト及びIRの測定結果は次の通りであり、目的物であるアシル体であることを確認した。
(1)1H−NMR測定:(ppm)
8.70(s:1H)、8.52(s:1H)、8.17(d:1H)、8.09(d:1H)、7.50(s:1H)、7.48(d:1H)、7.39(d:1H)、7.05(d:1H)、7.00(d:1H)、4.45(d:2H)、2.73(s:3H)、2.37(s:3H)、1.49(t:3H)
(2)IR測定:(cm-1
3448、3054、2064、1662、1625、1589、1567、1484、1386、1305、1245、1153、1124、1022、809
<ステップ3>化合物No.1の製造
窒素気流下、ステップ2で得られたアシル体の541g(1.45モル)、2−メルカプトエタノール340g(4.35モル)、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート98.5g(0.290モル)及びジメチルアセトアミド2.11kgを仕込み、25〜30℃で水酸化ナトリウム145g(3.63モル)を加え、60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却し、塩化メチレン1.45kg及び水1.45kgを加え油層分離を行い、続いて水1.45kgを2回に分けて加えて油層を洗浄した。油層を回収し、トリエチルアミン162g(1.60モル)を加え10℃まで冷却し、次いでアクリル酸クロリド149g(1.60モル)を滴下し、10〜20℃で1時間撹拌した。水1.45kgを加え油層分離を行い、続いて水1.45kgを2回に分けて加えて油層を洗浄した。塩化メチレンを留去し、p−メトキシフェノール0.05g及び塩酸ヒドロキシルアミン161g(2.32モル)を加えて80℃で2時間撹拌し、50℃まで冷却した。酢酸ブチル1.45kg及び水1.45kgを加えて油層を分離し、80〜90℃で4時間かけて還流脱水した後、酢酸ブチル787g及び無水酢酸178g(1.74モル)を加え、83〜85℃で2時間撹拌した。室温まで冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液1.39kgを加えて油層分離を行い、続いて水1.57kgを2回に分けて加えて油層を洗浄した。溶媒を留去して、褐色粉体535g(収率68.1%)を得た。該褐色粉末について各種分析を行ったところ、該褐色粉末は目的物である化合物No.1であることが確認された。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
(1)1H−NMR測定:(ppm)
8.5−7.3(arom:9H)、6.5(d:1H)、6.1(m:1H)、5.8(d:1H)、4.4(m:4H)、3.3(m:2H)、2.5(s:3H)、2.4(s:3H)、2.3(s:3H)、1.5(t:3H)
(2)IR測定:(cm-1
3508、2978、1762、1724、1649、1591、1486、1407、1367、1123、933、812、770
〔実施例2〕化合物No.2の製造
2−メルカプトエタノールに代えてエチレングリコールを用いた他は実施例1のステップ3と同様にして、褐色粉末376g(収率49.3%)を得た。該褐色粉末について各種分析を行ったところ、該褐色粉末は目的物である化合物No.2であることが確認された。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
(1)1H−NMR測定:(ppm)
8.5−6.8(arom:9H)、6.5(d:1H)、6.1(m:1H)、5.8(d:1H)、4.8−4.4(m:6H)、2.5(s:3H)、2.4(s:3H)、2.3(s:3H)、1.5(t:3H)
(2)IR測定:(cm-1
3438、2925、1762、1722、1655、1568、1488、1399、1327、1106、940、812、734
〔実施例3〕感光性組成物No.1の製造
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート35質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアクリル化物35質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート30質量部及び実施例1で得られた化合物No.1の5質量部を混合し良く撹拌して、感光性組成物No.1を得た。
〔実施例4〕感光性組成物No.2の製造
実施例1で得られた化合物No.1に代えて実施例2で得られた化合物No.2を用いた以外は実施例3と同様にして、感光性組成物No.2を得た。
〔比較例1〕感光性組成物No.3の製造
実施例1で得られた化合物No.1に代えて下記〔化25〕で表される比較化合物No.1を用いた他は実施例3と同様にして、感光性組成物No.3を得た。
Figure 2008094770
得られた感光性組成物No.1〜3の評価を以下のようにして行った。
すなわち、感光性組成物をガラス基板に厚さ20μmとなるようにバーコーターで塗布し乾燥させた。これにベルトコンベア付きの光照射装置を使用して80w/cmの光を照射して硬化塗膜を得た。高圧水銀灯の高さは10cm、ベルトコンベアの速度は10m/分とした。得られた硬化塗膜について、硬化性、抽出率及び質量変化率を下記評価方法に従って評価した。
結果を〔表1〕に示す。
(評価方法)
<硬化性>
得られた硬化塗膜を室温で24時間放置した後、メチルエチルケトンに浸した綿棒で擦り、塗膜が剥がれるまでに擦った回数を硬化性とした。
<抽出率>
得られた硬化塗膜をガラス基板から剥がして粉砕し、その粉砕試料をアセトニトリルで還流抽出し、抽出液中の光重合開始剤量をGPCにて測定して、硬化塗膜中の未反応の光重合開始剤量を定量した。配合した光重合開始剤の全量に対する抽出液中の光重合開始剤量の割合を算出して抽出率とした。
<質量変化率>
得られた硬化塗膜をガラス基板から剥がして粉砕し、その粉砕試料の250℃における重量変化率をTG/DTAで測定することにより、硬化塗膜中の未反応の光重合開始剤量を調べて質量変化率とした。
Figure 2008094770
実施例3の感光性組成物No.1及び実施例4の感光性組成物No.2は、硬化性が良好であり、しかも、配合した光重合開始剤の反応率が高く、硬化塗膜の質量減少はほとんど見られなかった。
それに対して、比較例1の感光性組成物No.3においては、配合した光重合開始剤の反応率が著しく低く、硬化塗膜の質量減少が見られた。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物。
    Figure 2008094770
  2. 上記一般式(I)中のR1、R2及びR3がアルキル基であり、上記一般式(I)中のY1が硫黄原子であり、上記一般式(I)中のqが1である請求項1記載のオキシムエステル化合物。
  3. 請求項1又は2記載のオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤。
  4. エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に、請求項3記載の光重合開始剤を含有させてなる感光性組成物。
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