JP4914972B2 - オキシムエステル化合物、オキシムエステル化合物の製造方法、光重合開始剤および感光性組成物 - Google Patents

オキシムエステル化合物、オキシムエステル化合物の製造方法、光重合開始剤および感光性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、感光性組成物に用いられる光重合開始剤として有用なオキシムエステル化合物、オキシムエステル化合物の製造方法、オキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤、及び、この光重合開始剤及び不飽和結合を有する光重合性化合物を含有する感光性組成物に関し、更に詳しくは、カルバゾール骨格及び縮合環のケトンを有し、オキシムにアリール基が付いた新規なオキシムエステル化合物、オキシムエステル化合物の製造方法、光重合開始剤及び感光性組成物に関する。
感光性組成物は、不飽和結合を有する光重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、一般に、紫外線を照射することによって重合硬化させることができる。
従来から、光重合開始剤として、オキシムエステル化合物が知られている。
このオキシムエステル化合物としては、例えば、カルバゾール骨格及び縮合環のケトンを有し、オキシムにアルキル基が付いた化合物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
高感度の光重合性組成物は、黒色顔料を有するブラックマトリクス用途向け以外に、色画素形成用組成物、フォトスペーサー用組成物、リブ用組成物等においても広く求められており、その技術上の問題点は主として光重合開始剤の選択にあり、より高感度な光重合開始剤が求められている。
特開2008−179611号公報
しかしながら、従来のオキシムエステル化合物は、光重合開始剤として用いた場合に、感度が十分ではなく、露光後のパターンが剥がれ易いといった課題がある。
本発明は、感度が高く、光重合開始剤として有用な新規なオキシムエステル化合物、オキシムエステル化合物の製造方法、オキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤、及び、感光性組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明では、次のように構成している。
(1)本発明のオキシムエステル化合物は、下記一般式(I)で表される。
Figure 0004914972
[式(I)中、R はRを表し、はR、OR、COR又はCNを表し、R、R、R、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R、R、R10、R11、R12 及び 水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R又はRを表し、 14 がアルコキシ基又はヒドロキシル基であり、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
(2)また、本発明のオキシムエステル化合物は、下記一般式(I)で表される。
Figure 0004914972
[式(I)中、R はRであり、R はR、OR、COR又はCNを表し、R 及び/又はR はハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 及びR 14 は水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R又はORを表し、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
(3)本発明のオキシムエステル化合物は、下記一般式(I)で表される。
Figure 0004914972
[式(I)中、R 及びR はRを表し、R 、R 、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は水素原子、ヒドロキシル基又はORを表し、R 14 がアルコキシ基又はヒドロキシル基であり、Rは、アルキル基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
(4)本発明のオキシムエステル化合物は、下記一般式(I)で表される。
Figure 0004914972
[式(I)中、R 及びR はRを表し、R 及び/又はR はハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 及びR 14 は水素原子、ヒドロキシル基又はORを表し、Rは、アルキル基を表し、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
(5)また、本発明のオキシムエステル化合物は、下記一般式(II)で表される。
Figure 0004914972
[式(II)中、R はRであり、R はR、OR、COR又はCNを表し、R 及び/又はR はハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
上記一般式(I)、(II)に示されるように、本発明のオキシムエステル化合物は、カルバゾール骨格及び縮合環のケトンを有し、オキシムにアリール基が付いた新規なオキシムエステル化合物である。かかる新規なオキシムエステル化合物は、従来のオキシムエステル化合物に比べて、光重合開始剤として用いた場合に感度が高く、露光後のパターンの剥がれが生じにくいものである。
(6)本発明のオキシムエステル化合物の製造方法は、上記(1)のオキシムエステル化合物の内、上記一般式(I)中のR 14 が、ヒドロキシル基であるオキシムエステル化合物の製造方法である。
すなわち、本発明のオキシムエステル化合物の製造方法は、下記一般式(III)で表されるオキシムエステル化合物の製造方法であって、
Figure 0004914972
[式(III)中、R はRであり、R はR、OR、COR又はCNを表し、R 、R 、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R又はORを表し、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
下記一般式(IV)で表される化合物をオキシム化して下記一般式(V)で表される化合物を得る工程と、
Figure 0004914972
[式(IV)中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は上記一般式(III)で定義した通りであり、R 15 はアルキル基又はアリール基を表す。]
Figure 0004914972
[式(V)中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は上記一般式(III)で定義した通りであり、R 15 は上記一般式(IV)で定義した通りである。]
上記工程で得られた上記一般式(V)で表される化合物を加水分解して、下記一般式(VI)で表される化合物を得る工程と、
Figure 0004914972
[式(VI)中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は上記一般式(III)で定義した通りである。]
上記工程で得られた上記一般式(VI)で表される化合物をエステル化する工程とを含んでいる。
上記一般式(I)中のR 14 が、水素の場合には、オキシム化の選択性が低く、ジオキシム化合物が副生成物として生成される。そこで、R 14 にアルコキシ基やヒドロキシル基などを導入し、立体障害により選択的にオキシム化合物を得ることが考えられる。
しかしながら、ヒドロキシル基の場合には、当初からヒドロキシル基を導入してオキシム化したのでは、ジオキシム化合物の副生を抑制することができない。
本発明のオキシムエステル化合物の製造方法では、上記各工程を経てR 14 にヒドロキシル基を導入するので、ジオキシム化合物が副生成物として生成されるのを抑制してオキシム化の選択性を向上させることができる。
(7)本発明の光重合開始剤は、上記(1)〜(5)のいずれかのオキシムエステル化合物を有効成分とするものである。
(8)本発明の感光性組成物は、上記(7)の光重合開始剤と不飽和結合を有する光重合性化合物を含有するものである。
本発明のオキシムエステル化合物は、カルバゾール骨格及び縮合環のケトンを有し、オキシムにアリール基が付いた新規なオキシムエステル化合物であり、光重合開始剤として用いた場合に、感度が高く、光重合開始剤及び感光性組成物として有用である。
本発明のオキシムエステル化合物の製造方法によれば、ジオキシム化合物が副生されるのを抑制してオキシム化の選択性を高めることができる。
本発明の実施例と比較例の感度曲線を示す図である。
以下、本発明のオキシムエステル化合物、オキシムエステル化合物の製造方法、光重合開始剤及び感光性組成物について詳細に説明する。
上記一般式(I)、(II)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ビニル、アリル、ブテニル、エチニル、プロピニル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)エテニル等が挙げられ、Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、クロロフェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスレニル等が挙げられる。
従って、上記一般式(I)で表される本発明のオキシムエステル化合物の具体例としては、例えば、以下の[化3]〜[化5]にそれぞれ示される化合物No.〜No.18が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により何ら制限されるものではない。なお、化合物No.1,NO.2は、参考例である。
Figure 0004914972
Figure 0004914972
Figure 0004914972
上記一般式(I)で表される本発明のオキシムエステル化合物は、一般的に下記[化6]〜[化8]の反応式で示される方法によって製造することができる。
Figure 0004914972
Figure 0004914972
Figure 0004914972
まず、[化6]に示すようにカルバゾール化合物1とカルボン酸クロリド2及びカルボン酸クロリド3を順次に塩化アルミニウムの存在下に反応させてアシル化合物4を得る。次いで、[化7]に示すようにアシル化合物4と塩酸ヒドロキシルアミンとをピリジンの存在下に反応させてオキシム化合物5を得る。次いで、[化8]に示すようにオキシム化合物5と酸無水物6とを反応させて上記一般式(I)で表される本発明のオキシムエステル化合物を得る。
14が水素の場合、オキシム化の選択性が低く、両方がオキシム化された下記[化9]に示されるジオキシム化合物が副生成物として生成する。
Figure 0004914972
14にアルコキシ基を導入する、又は、R13及びR14で縮合環を形成することで立体障害により選択的に上記オキシム化合物5を得ることができる。なお、R14にヒドロキシル基を導入してもよい。
また、R3及び/又はRに置換基を導入するとオキシムの異性体の選択性を向上させることができる。
本発明の光重合開始剤は、本発明のオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤であって、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の光重合開始剤として有用である。
本発明の光重合開始剤としては、本発明のオキシムエステル化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらのオキシムエステル化合物と、他の光重合開始剤あるいは増感剤を併用することも可能であり、その他の光重合開始剤を併用することによって著しい相乗効果を奏する場合もある。
本発明のオキシムエステル化合物と併用できる光重合開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、エチルアントラキノン等が挙げられる。
本発明の感光性組成物は、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、本発明のオキシムエステル化合物を有効成分とする本発明の光重合開始剤とを含有している。
エチレン性不飽和結合を有する上記光重合性化合物としては、従来、感光性組成物に用いられているものを用いることができる。即ち、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、例えば、スチレン、メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)等が挙げられる。また、これらの光重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、また2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。
感光性組成物は、さらに色材を含有させて着色感光性組成物としてもよい。該色材としては、染料、顔料、天然色素等が挙げられる。これらの色材は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記光重合性化合物にさらにエポキシ化合物を反応させて酸価調整を行ってもよい。該エポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合を有する上記光重合性化合物とともに、熱可塑性有機重合体を用いることもできる。該熱可塑性有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、エポキシ樹脂等が挙げられる。
感光性組成物には、さらに、不飽和結合を有するモノマー、連鎖移動剤、界面活性剤等を併用することができる。
また、感光性組成物には、必要に応じて、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、第三ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;効果促進剤;増感剤;架橋剤;充填剤等の慣用の添加物を加えることができる。
感光性組成物には、通常、必要に応じて前記の各成分(本発明のオキシムエステル化合物及びエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物等)を溶解または分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、3−メトキシブチルアセテート(MBA)、メチルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DBDG)を加えることができる。
感光性組成物は、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用することができる。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
感光性組成物は、光硬化性塗料、光硬化性インキ、光硬化性接着剤、印刷版、印刷配線板用フォトレジスト及びプリント基板、あるいはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、デジタルカメラ等のカラー表示の液晶表示素子におけるカラーフィルター又は保護膜等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
また、オキシムエステル化合物を含有する感光性組成物を硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
尚、感光性組成物において、光重合開始剤の添加量は特に限定されるものではないが、本発明のオキシムエステル化合物は、エチレン性不飽和結合を有する上記光重合性化合物100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1]化合物No.1の合成
上述の[化3]に例示した化合物No.1を以下の[化10]に示されるスキーム−1のとおり合成した。
Figure 0004914972
(i)化合物(IV)の合成
N−エチルカルバゾール(化合物(I))10.7g、塩化アルミニウム6.9g及び塩化メチレン100gを仕込み、攪拌した。この液を5℃に冷却し、これに1−ナフトイルクロライド(化合物(II))10.8gを滴下した。滴下終了後、1時間攪拌した。この反応液に、塩化アルミニウム8.4gを添加し、攪拌した。この液を5℃に冷却し、これに常法により4−メトキシ安息香酸10.0gを酸クロ化して得た化合物(III)を滴下した。滴下終了後、3時間攪拌した。反応液を冷水に注加して、油層を分離し、水洗し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮乾固し、アセトニトリルから再結晶を行った。濾過、アセトニトリルによる洗浄して得た結晶を乾燥し、化合物(IV)22.2g(収率83.5%、HPLC純度94.7%)を得た。
(ii)化合物(V)の合成
(i)で得られた化合物(IV)21.0g、1−メトキシ−2−プロパノール80g、ピリジン4.5g及びヒドロキシルアミン塩酸塩3.9gを仕込み、攪拌した。この液を110℃に昇温し、3時間攪拌した。反応液に水を加え、析出した固体を濾取した。得られた固形物をカラムクロマトにて精製し、化合物(V)6.6g(収率30.5%、HPLC純度89.8%)を得た。
(iii)化合物No.1の合成
(ii)で得られた化合物(V)6.4g及び酢酸33gを仕込み、攪拌した。この液に無水酢酸3.9gを滴下した。滴下終了後、40℃に昇温し、40分間攪拌した。反応液を水に注加して、油層を分離し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮乾固した。得られた固形物をカラムクロマトにて精製し、化合物No.1を4.3g(収率61.7%、HPLC純度97.5%)得た。化合物No.1のE/Z比は80/20(HPLC)、吸収極大波長λmax=339.5、275.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
E体
δ[ppm]:8.60 ( d : 1 H )、7.92−8.20 ( m : 8H )、7.81 ( d : 1 H )、7.32−7.64 ( m : 5H )、7.00 ( dd : 2 H )、4.42 ( q : 2 H )、3.91 ( s : 3 H )、2.14 ( s : 3 H )、1.49 ( t : 3 H )
Z体
δ[ppm]:8.48 ( d : 1 H )、7.92−8.20 ( m : 8H )、7.78( d : 1 H )、7.32−7.64 ( m : 5H )、6.83 ( dd : 2 H )、4.13 ( q : 2 H )、3.83 ( s : 3 H )、2.06 ( s : 3 H )、1.25 ( t : 3 H )
参考例2]化合物No.2の合成
上記参考例1において、スキーム−1の化合物(III)を3,4,5−トリメトキシ安息香酸クロライドに変更した以外は同様にして、上述の[化3]に例示した化合物No.2を合成した。化合物No.2のE/Z比は50/50(HPLC)、吸収極大波長λmax=337.5、295.0、280.0(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
E体
δ[ppm]:8.58 ( d : 1 H )、7.93−8.14 ( m : 5 H )、7.26−7.63 ( m : 7 H )、6.79 ( s : 2 H )、4.46 ( q : 2 H )、3.88 ( s : 3 H )、3.77 ( s : 6 H )、2.08 ( s : 3 H )、1.54 ( t : 3 H )
Z体
δ[ppm]:8.60 (d: 1 H )、8.25 ( d : 1 H )、7.93−8.10 ( m :4 H )、7.78 ( dd : 1 H )、7.26−7.63 ( m :6 H )、6.56 ( s : 2 H )、4.41 ( q : 2 H )、3.97 ( s : 3 H )、3.82 ( s : 6 H )、2.13( s : 3 H )、1.48 ( t : 3 H )
[合成例1]4−メトキシ−2−メチル安息香酸の合成
下記の実施例3に用いる4−メトキシ−2−メチル安息香酸を以下の[化11]に示されるスキーム−2のとおり合成した。
Figure 0004914972
(i)4−メトキシ−2−メチルアセトフェノンの合成
4−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン10.0g、水30g及び30%水酸化ナトリウム水溶液11gを仕込み、攪拌した。この液にジメチル硫酸10.9gを滴下した。滴下終了後、80℃に昇温し、30分間攪拌した。ジメチル硫酸5g及び30%水酸化ナトリウム水溶液5gを追加し、さらに2時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて抽出し、30%水酸化ナトリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮し、4−メトキシ−2−メチルアセトフェノン9.6g(収率87.6%、HPLC純度99.9%)を得た。
(ii)4−メトキシ−2−メチル安息香酸の合成
12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液180g及び30%水酸化ナトリウム水溶液15gを仕込み、攪拌した。この液に(i)で得られた4−メトキシ−2−メチルアセトフェノン9.6gをメタノール20gに溶解した液を滴下した。滴下終了後、85℃に昇温し、30分間攪拌した。12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液50gを追加し、さらに30分間攪拌した。トルエンを加え、35%塩酸で酸性化した。濃縮し、水を加えて析出した固体を濾過、水洗し、乾燥して4−メトキシ−2−メチル安息香酸8.8g(収率90.7%、HPLC純度99.3%)を得た。
[実施例3]化合物No.3の合成
上述の[化3]に例示した化合物No.3を以下の[化12]に示されるスキーム−3のとおり合成した。
Figure 0004914972
(i)化合物(IV−b)の合成
N−エチルカルバゾール(化合物(I))3.5g及び塩化メチレン40gを仕込み、攪拌した。この液を5℃に冷却し、これに塩化アルミニウム2.3gを投入し、更に、上述の合成例1で合成した4−メトキシ−2−メチル安息香酸3.1gを常法により酸クロ化して得た化合物(II−b)を滴下した。滴下終了後、2時間攪拌した。この反応液に、塩化アルミニウム2.3gを添加し、攪拌した。この液を5℃に冷却し、これに常法により2−エトキシ−1−ナフトエ酸4.2gを酸クロ化して得た化合物(III−b)を滴下した。滴下終了後、1.5時間攪拌した。反応液を冷水に注加して、油層を分離し、塩化ナトリウム水溶液及び30%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮乾固し、化合物(IV−b)10.4g(収率108%)を得た。
(ii)化合物(V−b)の合成
(i)で得られた化合物(IV−b)9.9g、1−メトキシ−2−プロパノール20g、ピリジン8.7g及びヒドロキシルアミン塩酸塩7.9gを仕込み、攪拌した。この液を120℃に昇温し、4時間攪拌した。反応液に水を加え、析出した固体を濾取した。得られた固形物をカラムクロマトにて精製し、化合物(V−b)2.8g(収率27.3%、HPLC純度95.6%)を得た。
(iii)化合物No.3の合成
(ii)で得られた化合物(V−b)4.0g及び酢酸13.4gを仕込み、攪拌した。この液に無水酢酸1.6gを滴下した。滴下終了後、25℃で2時間攪拌した。反応液を冷水に滴下して、析出した結晶を濾過、水洗し、乾燥して、化合物No.3を6.5g(収率90.2%、HPLC純度94.5%)得た。化合物No.3のE/Z比は100/0(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.0、298.0(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.64 ( d : 1 H )、8.19 ( d : 1 H )、7.81−8.00 ( m : 4 H )、7.52−7.58 ( m : 1 H )、7.32−7.40 ( m : 5 H )、7.05 ( d : 1 H )、6.82−6.90 ( m : 2 H )、4.38 ( q : 2 H )、4.14 ( q : 2 H )、3.90 ( s : 3 H )、2.15 ( s : 3H)、2.08 ( s : 3H)、1.46 ( t : 3 H )、1.15 ( t : 3 H )
[実施例4]化合物No.4の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(III−b)を2−メトキシ−1−ナフトエ酸クロライドに変更した以外は同様にして、上述の[化3]に例示した化合物No.4を合成した。化合物No.4のE/Z比は100/0(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.0、298.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.62 ( d : 1 H )、8.22 ( d : 1 H )、7.98−8.04 ( m : 2 H )、7.84−7.90 ( m : 1 H )、7.78 ( dd : 1 H )、7.50−7.56 ( m : 1 H )、7.32−7.42 ( m : 5 H )、7.05 ( d : 1 H )、6.82−6.90 ( m : 2 H )、4.38 ( q : 2 H )、3.90 ( s : 3 H )、3.87 ( s : 3 H )、2.15 ( s : 3H)、2.08 ( s: 3 H )、1.45 ( t : 3 H )
[実施例5]化合物No.5の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(II−b)を4−メトキシ安息香酸クロライドに変更した以外は同様にして、上述の[化3]に例示した化合物No.5を合成した。化合物No.5のE/Z比は50/50(NMR)、吸収極大波長λmax=335.5、295.0(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
E体
δ[ppm]:8.58 ( d : 1 H )、7.72−8.20 ( m : 4 H )、7.30−7.60 ( m : 9 H )、6.96−7.02 ( m : 1 H )、6.83−6.90 ( m : 1 H )、4.41 ( q : 2 H )、4.13 ( q : 2 H )、3.91 ( s : 3 H )、2.13 ( s : 3 H )、1.51 ( t : 3 H )、1.15 ( t : 3 H )
Z体
δ[ppm]:8.55 ( d : 1 H )、7.72−8.20 ( m : 4 H )、7.30−7.60 ( m : 9 H ) 、6.96−7.02 ( m : 1 H )、6.83−6.90 ( m : 1 H )、4.41 ( q : 2 H )、4.13 ( q : 2 H )、3.83 ( s : 3 H )、2.07( s : 3 H )、1.46 ( t : 3 H )、1.15 ( t : 3 H )
[合成例2]4−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル安息香酸の合成
下記の実施例6で用いる4−(2−メトキシ−1−エトキシ)−2−メチル安息香酸を以下の[化13]に示されるスキーム−4のとおり合成した。
Figure 0004914972
(i)p−トルエンスルホン酸(2−メトキシエチル)の合成
p−トルエンスルホン酸クロライド50.0g、2−メトキシエタノール18.0g及び酢酸エチル90gを仕込み、攪拌した。この液を15℃に冷却し、トリエチルアミン23.9gを滴下した。滴下終了後、7時間攪拌した。反応液を水に注加し、酢酸エチルで抽出し、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮し、p−トルエンスルホン酸(2−メトキシエチル)36.5g(収率100%、HPLC純度95.1%)を得た。
(ii)4−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルアセトフェノンの合成
4−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン15.0g、(i)で得たp−トルエンスルホン酸(2−メトキシエチル)34.5g、DMF(ジメチルホルムアミド)45g及び炭酸カリウム20.7gを仕込み、攪拌した。この液を100℃に加熱し、3時間攪拌した。反応液を水に注加し、酢酸エチルで抽出し、30%水酸化ナトリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮し、4−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルアセトフェノン20.8g(収率99.9%、HPLC純度95.4%)を得た。
(iii)4−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル安息香酸の合成
12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液366g及び30%水酸化ナトリウム水溶液26gを仕込み、攪拌した。この液に(ii)で得られた4−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルアセトフェノン20.5gをメタノール40gに溶解した液を滴下した。滴下終了後、80℃に昇温し、1時間攪拌した。トルエンを加え、35%塩酸で酸性にした。析出した固体を濾過、水洗し、乾燥して4−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル安息香酸16.9g(収率81.6%、HPLC純度99.2%)を得た。
[実施例6]化合物No.6の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(II−b)を、合成例2で合成した4−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル安息香酸を常法にて酸クロ化して得た4−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル安息香酸クロライドに、化合物(III−b)を、2−メトキシ−1−ナフトエ酸クロライドにそれぞれ変更した以外は同様にして、上述の[化3]に例示した化合物No.6を合成した。化合物No.6のE/Z比は99.1/0.9(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.0、298.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.60 ( brs : 1 H )、8.24 ( d : 1 H )、7.95−8.06 ( m : 2 H )、7.82−7.90 ( m : 1 H )、7.76 ( dd : 1 H )、7.50−7.56 ( m : 1 H )、7.32−7.42 ( m : 5 H )、7.04 ( d : 1 H )、6.82−6.94 ( m : 2 H )、4.38 ( q : 2 H )、4.20 ( t : 2 H )、3.85 ( s : 3 H )、3.83 ( t : 2 H )、3.50 ( s : 3 H )、2.13 ( s : 3 H )、2.05 ( s : 3 H )、1.49 ( t : 3 H )
[合成例3]4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチル安息香酸の合成
下記の実施例7に用いる4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチル安息香酸を以下の[化14]に示されるスキーム−5のとおり合成した。
Figure 0004914972
(i)p−トルエンスルホン酸(2−メトキシ−1−メチルエチル)の合成
p−トルエンスルホン酸クロライド30.0g及びピリジン45.0gを仕込み、攪拌した。この液に、1−メトキシ−2−プロパノール22.0gを滴下した。滴下終了後、7時間攪拌した。反応液を水に注加し、酢酸エチルで抽出し、3.5%塩酸、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮し、p−トルエンスルホン酸(2−メトキシ−1−メチルエチル)34.3g(収率89.2%、HPLC純度99.5%)を得た。
(ii)4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチルアセトフェノンの合成
4−ヒドロキシアセトフェノン13.9g、(i)で得たp−トルエンスルホン酸(2−メトキシ−1−メチルエチル)34.0g、DMF(ジメチルホルムアミド)40g及び炭酸カリウム19.2gを仕込み、攪拌した。この液を120℃に加熱し、終夜攪拌した。反応液を水に注加し、トルエンで抽出し、30%水酸化ナトリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮し、4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチルアセトフェノン18.6g(収率90.3%、HPLC純度95.8%)を得た。
(iii)4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチル安息香酸の合成
12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液260g及び30%水酸化ナトリウム水溶液22gを仕込み、攪拌した。この液に(ii)で得られた4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチルアセトフェノン18.6gをメタノール36gに溶解した液を滴下した。滴下終了後、80℃に昇温し、3時間攪拌した。トルエンを加え、35%塩酸で酸性にした。酢酸エチルで抽出し、水洗し、濃縮した。酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過、ヘキサンで洗浄し、乾燥して4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチル安息香酸11.4g(収率60.6%、HPLC純度99.8%)を得た。
[実施例7]化合物No.7の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(II−b)を、合成例3で合成した4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチル安息香酸を常法にて酸クロ化して得た4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチル安息香酸クロライドに、化合物(III−b)を、2−メトキシ−1−ナフトエ酸クロライドにそれぞれ変更した以外は同様にして、上述の[化4]に例示した化合物No.7を合成した。化合物No.7のE/Z比は91.9/8.1(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.0、299.0(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.60 ( d : 1 H )、8.26 ( d : 1 H )、8.03 ( dd : 1 H )、7.98 (d: 1 H )、7.82−7.90 ( m : 1 H )、7.74 ( dd : 1 H )、7.50−7.56 ( m : 1 H )、7.30−7.42 ( m : 5 H )、7.02 ( d : 1 H )、6.90 ( d : 1 H )、6.86 ( dd : 1 H )、4.56−4.70 ( m : 1 H )、4.36 ( q : 2 H )、3.85 ( s : 3 H )、3.50−3.70 ( m : 2 H )、3.45 ( s : 3 H )、2.12 ( s : 3 H )、2.07 ( s : 3 H )、1.40 ( d : 3 H )、1.26 ( t : 3 H )
[実施例8]化合物No.8の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(II−b)を、2,4−ジメトキシ安息香酸を常法にて酸クロ化して得た2,4−ジメトキシ安息香酸クロライドに、化合物(III−b)を、2−メトキシ−1−ナフトエ酸クロライドにそれぞれ変更した以外は同様にして、上述の[化4]に例示した化合物No.8を合成した。化合物No.8のE/Z比は97.3/2.7(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.5、298.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.62 ( brs : 1 H )、8.23 ( d : 1 H )、7.95−8.05 ( m : 2 H )、7.78−7.90 ( m : 2 H )、7.50−7.58 ( m : 1 H )、7.30−7.43 ( m : 5 H )、7.04 ( d : 1 H )、6.56−6.64 ( m : 2 H )、4.38 ( q : 2 H )、3.92 ( s : 3 H )、3.88 ( s : 3 H )、3.73 ( s : 3 H )、2.10 ( s : 3 H )、1.44 ( t : 3 H )
[実施例9]化合物No.9の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(II−b)を、4−メチルチオ安息香酸を常法にて酸クロ化して得た4−メチルチオ安息香酸クロライドに変更した以外は同様にして、上述の[化4]に例示した化合物No.9を合成した。化合物No.9のE/Z比は50/50(HPLC)、吸収極大波長λmax=337.5、295.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
E体
δ[ppm]:8.58 ( d : 1 H )、7.72−8.21 ( m : 4 H )、7.24−7.60 ( m : 10 H )、7.16−7.22 ( m : 1 H )、4.40 ( q : 2 H )、4.13 ( q : 2 H )、2.57 ( s : 3 H )、2.12 ( s : 3 H )、1.51 ( t : 3 H )、1.15 ( t : 3 H )
Z体
δ[ppm]:8.54 ( d : 1 H )、7.72−8.21 ( m : 4 H )、7.24−7.60 ( m : 10 H )、7.16−7.22 ( m : 1 H )、4.40 ( q : 2 H )、4.13 ( q : 2 H )、2.49 ( s : 3 H )、2.08 ( s : 3 H )、1.46 ( t : 3 H )、1.15 ( t : 3 H )
[実施例10]化合物No.10の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(II−b)を、2−エトキシ−1−ナフトエ酸を常法にて酸クロ化して得た2−エトキシ−1−ナフトエ酸クロライドに、化合物(III−b)を、o−トルイル酸クロライドにそれぞれ変更した以外は同様にして、上述の[化4]に例示した化合物No.10を合成した。化合物No.10のE/Z比は98.3/1.7(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.5、298.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.61 ( d : 1 H )、8.22 ( d : 1 H )、7.92−8.04 ( m : 4 H )、7.52−7.58 ( m : 1 H )、7.28−7.45 ( m : 8 H )、7.14 ( d : 1 H )、4.37 ( q : 2 H )、4.14 ( q : 2 H )、2.18 ( s : 3 H )、2.06 ( s : 3 H )、1.45 ( t : 3 H )、1.15 ( t : 3 H )
[実施例11]化合物No.11の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(II−b)を、2,4−ジメトキシ安息香酸を常法にて酸クロ化して得た2,4−ジメトキシ安息香酸クロライドに、化合物(III−b)を、2−エトキシ−1−ナフトエ酸クロライドにそれぞれ変更した以外は同様にして、上述の[化4]に例示した化合物No.11を合成した。化合物No.11のE/Z比は91.2/8.8(HPLC)、吸収極大波長λmax=339.5、297.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.62 ( d : 1 H )、8.20 ( d : 1 H )、7.80−8.00 ( m : 4 H )、7.52−7.58 ( m : 1 H )、7.30−7.40 ( m : 5 H )、7.04 ( d : 1 H )、6.60 ( s : 1 H )、6.59 ( m : 1 H )、4.37 ( q : 2 H )、4.14 ( q : 2 H )、3.91 ( s : 3 H )、3.73 ( s : 3 H )、2.09 ( s : 3 H )、1.44 ( t : 3 H )、1.14 ( t : 3 H )
[合成例4]2−メタンスルホニルオキシ−1−ナフトエ酸の合成
下記の実施例12に用いる2−メタンスルホニルオキシ−1−ナフトエ酸を以下の[化15]に示されるスキーム−6のとおり合成した。
Figure 0004914972
(i)2−メタンスルホニルオキシ−1−ナフトアルデヒドの合成
2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド25.0g及びアセトン125gを仕込み、攪拌した。この液にメタンスルホニルクロライド24.9g、トリエチルアミン22.0gを順次滴下した。滴下終了後、25℃で1時間攪拌した。反応液を水に注加し、析出した結晶を濾過し、水洗して、2−メタンスルホニルオキシ−1−ナフトアルデヒド50.3g(収率87.2%(dry換算)、HPLC純度99.0%)を得た。乾燥しないで次工程にそのまま用いた。
(ii)2−メタンスルホニルオキシ−1−ナフトエ酸の合成
(i)で得た2−メタンスルホニルオキシ−1−ナフトアルデヒド49.3g、メタノール60g、スルファミン酸24.1g及び水30gを仕込み、攪拌した。この液に次亜塩素酸ナトリウム16.8gを投入し。25℃で20分間攪拌し、次亜塩素酸ナトリウム3.0gを追加して、さらに1時間攪拌した。反応液を水に注加し、酢酸エチルで抽出し、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮後、トルエンを添加して、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、トルエンで洗浄し、乾燥して2−メタンスルホニルオキシ−1−ナフトエ酸16.0g(収率48.5%、HPLC純度94.4%)を得た。
[実施例12]化合物No.12の合成
上述の[化4]に例示した化合物No.12を以下の[化16]に示されるスキーム−7のとおり合成した。
この化合物No.12は、上記[化21]の一般式(III)で表されるオキシムエステル化合物の一例であり、したがって、この実施例12は、本発明のオキシムエステル化合物の製造方法の一つの実施例である。
Figure 0004914972
(i)化合物(IV−c)の合成
N−エチルカルバゾール(化合物(I))7.3g及び塩化メチレン70gを仕込み攪拌した。この液を5℃に冷却し、これに塩化アルミニウム4.8gを投入し、更に、上述の合成例1で合成した4−メトキシ−2−メチル安息香酸6.5gを常法により酸クロ化して得た化合物(II−b)を滴下した。滴下終了後、2時間攪拌した。この反応液に、塩化アルミニウム6.0gを添加し、攪拌した。この液を5℃に冷却し、これに常法により、上述の合成例4で合成した2−メタンスルホニルオキシ−1−ナフトエ酸12.0gを酸クロ化して得た化合物(III−c)を滴下した。滴下終了後、2時間攪拌した。反応液を冷水に注加して、油層を分離し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮乾固し、化合物(IV−c)25.7g(収率116.3%)を得た。この化合物(IV−c)は、上記[化22]の一般式(IV)で表される化合物に対応する。
(ii)化合物(V−c)の合成
(i)で得られた化合物(IV−c)25.5g、1−メトキシ−2−プロパノール51g、ピリジン20.5g及びヒドロキシルアミン塩酸塩18.0gを仕込み、攪拌した。この液を120℃に昇温し、3時間攪拌した。反応液にメタノール51gを加えたものを水に注加した。析出した固体を濾取し、水洗した。得られた固形物をカラムクロマトにて精製し、化合物(V−c)16.0g(収率61.2%、HPLC純度96.7%)を得た。この化合物(V−c)は、上記[化23]の一般式(V)で表される化合物に対応する。
(iii)化合物VIIの合成
(ii)で得られた化合物(V−c)12.0g、DMF36g及びメタノール6gを仕込み、攪拌した。この液に、炭酸カリウム6.8gを添加し、25℃で2時間攪拌した。炭酸カリウム2.7gを追加し、さらに3時間攪拌した。反応液を冷水に滴下し、35%塩酸を添加して酸性にした。析出した固体を濾過、水洗し、乾燥した。得られた固体をカラムクロマトにて精製し、化合物(VII)3.7g(収率34.9%、HPLC純度95.1%)を得た。この化合物(VII)は、上記[化24]の一般式(VI)で表される化合物に対応する。
(iv)化合物No.12の合成
(iii)で得られた化合物(VII)5.0g及び酢酸10.0gを仕込み、攪拌した。この液に無水酢酸1.3gを滴下した。滴下終了後、25〜30℃で2時間攪拌した。反応液を冷水に滴下して、析出した結晶を濾過、水洗し、乾燥して、化合物No.12を 5.2g(収率96.3%、HPLC純度93.7%)得た。化合物No.12のE/Z比は100/0(HPLC)、吸収極大波長はλmax=340.0、297.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:10.52 ( brs : 1 H )、8.53 ( d : 1H )、8.11 ( d : 1 H )、7.93 ( m : 2 H )、7.76 ( d : 1 H )、7.66 ( dd : 1 H )、7.40 ( t : 2 H )、7.24−7.31 ( m : 3 H )、7.00−7.15 ( m : 2 H )、6.80−6.90 ( m : 2 H )、4.37 ( q : 2 H )、3.45 ( s : 3 H )、2.15 ( s : 3 H )、2.08 ( s : 3 H )、1.47 ( t : 3 H )、1.27 ( t : 3 H )
[実施例13]化合物No.13の合成
上述の[化5]に例示した化合物No.13を以下の[化17]に示されるスキーム−8のとおり合成した。
Figure 0004914972
(i)化合物(IV−d−1)の合成
N−エチルカルバゾール(化合物(I))44.1g、塩化メチレン500g及び塩化アルミニウム28.6gを仕込み、攪拌した。この液を5℃に冷却し、合成例3で合成した4−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−メチル安息香酸54.7gを常法により酸クロ化して得た化合物(II−c)を滴下した。滴下終了後、1時間攪拌した。反応液を冷水に注加して、油層を分離し、水及び30%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮乾固し、化合物(IV−d−1)58.2g(収率101%)を得た。
(ii)化合物(IV−d)の合成
化合物(IV−d−1)12.6g、塩化メチレン100g及び塩化アルミニウム9.2gを仕込み、攪拌した。この液を10℃に冷却し、9−アントラセンカルボン酸7.3gを常法により酸クロ化して得た化合物(III−d)を滴下した。滴下終了後、4時間攪拌した。反応液を冷水に注加して、油層を分離し、水及び30%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮乾固し、化合物(IV−d)18.5g(収率93.1%、HPLC純度84.3%)を得た。
(iii)化合物(V−d)の合成
(ii)で得られた化合物(IV−d)18.5g、1−メトキシ−2−プロパノール80g、ピリジン7.3g及びヒドロキシルアミン塩酸塩6.4gを仕込み、攪拌した。この液を110℃に昇温し、2日間攪拌した。反応液を水に注加し、析出した固体を濾取し、水洗し、乾燥して、化合物(V−d)17.6g(収率92.6%、HPLC純度62.6%)を得た。
(iv)化合物No.13の合成
(iii)で得られた化合物(V−d)15.0g及び酢酸エチル50gを仕込み、攪拌した。この液に無水酢酸7.4gを滴下した。滴下終了後、20℃で2時間攪拌した。反応液を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮乾固した。得られた固形物をカラムクロマトにて精製し、化合物No.13を5.4g(収率34.4%、HPLC純度92.5%)得た。化合物No.13のE/Z比は92.3/7.7(HPLC)、吸収極大波長λmax=385.5、365.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.59 ( brs : 2 H )、8.18 ( d : 1 H )、8.08 ( d : 2 H )、7.58 ( dd : 2 H )、7.30−7.50 ( m : 8 H )、7.00 ( d : 1 H )、6.81−6.90 ( m : 2 H )、4.58−4.65 ( m : 1 H )、4.35 ( q : 2 H )、3.50−3.70 ( m : 2 H )、3.45 ( s : 3 H )、2.10 ( s : 3H)、2.05 ( s : 3 H )、1.40 ( d: 3 H )、1.27 ( t : 3 H )
[実施例14]化合物No.14の合成
上述の[化5]に例示した化合物No.14を以下の[化18]に示されるスキーム−9のとおり合成した。
Figure 0004914972
(i)化合物(IV−e)の合成
N−ブチルカルバゾール(化合物(I−b))20.0g及び塩化メチレン120gを仕込み、攪拌した。この液を5℃に冷却し、これに塩化アルミニウム11.6gを投入し、さらにこれに常法により2−エトキシ−1−ナフトエ酸19.9gを酸クロ化して得た化合物(III−b)を滴下した。滴下終了後、1.5時間攪拌した。この反応液に、o−トルイル酸クロライド(化合物(II−d))15.2gを滴下し、さらに塩化アルミニウム13.9gを添加した。添加終了後、2時間攪拌した。反応液を冷水に注加して、油層を分離し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮乾固し、化合物(IV−e)52.4g(収率108%)を得た。
(ii)化合物(V−e)の合成
(i)で得られた化合物(IV−e)48.0g、1−メトキシ−2−プロパノール96g、ピリジン42.2g及びヒドロキシルアミン塩酸塩12.4gを仕込み、攪拌した。この液を120℃に昇温し、6時間攪拌した。反応液にメタノール、酢酸エチルを加え、析出した固体を濾取した。得られた固体を乾燥し、化合物(V−e)33.8g(収率68.4%、HPLC純度96.2%)を得た。
(iii)化合物No.14の合成
(ii)で得られた化合物(V−e)30.0g及び酢酸90gを仕込み、攪拌した。この液に無水酢酸11.0gを滴下した。滴下終了後、50℃で3.5時間攪拌した。反応液を冷水に滴下して、析出した結晶を濾過、水洗し、乾燥して、化合物No.14を31.0g(収率96.1%、HPLC純度97.3%)得た。化合物No.14のE/Z比は91.0/9.0(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.0、298.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.60 ( brs : 1 H )、8.20 ( brs : 1 H )、7.12−8.00 ( m : 14 H )、4.30 ( q : 2 H )、4.12 ( q : 2 H )、2.15 ( s : 3 H )、2.05 ( s : 3H)、1.67−1.82 ( m : 2H)、1.30−1.47 ( m: 2 H )、1.15 ( t : 3 H )、0.96 ( t : 3 H )
[実施例15]化合物No.15の合成
上記実施例14において、スキーム−9の化合物(I−b)をN−ヘキシルカルバゾールに変更した以外は同様にして、上述の[化5]に例示した化合物No.15を合成した。化合物No.15のE/Z比は95.1/4.9(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.5、298.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.60 ( d : 1 H )、8.20 ( d : 1 H )、7.11−8.02 ( m : 14 H )、4.30 ( q : 2 H )、4.12 ( q : 2 H )、2.18 ( s : 3 H )、2.05 ( s : 3H)、1.80−1.92 ( m : 2H)、1.22−1.40 ( m : 6 H )、1.15 ( t : 3 H )、0.85 ( t : 3 H )
[実施例16]化合物No.16の合成
上記実施例14において、スキーム−9の化合物(I−b)をN−ヘキシルカルバゾールに、スキーム−9の化合物(II−d)をo−メトキシベンゾイルクロライドに変更した以外は同様にして、上述の[化5]に例示した化合物No.16を合成した。化合物No.16のE/Z比は100/0(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.0、297.5、275.0(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.60 ( d : 1 H )、8.20 ( d : 1 H )、7.92−8.00 ( m : 2 H )、7.80−7.88 ( m : 2 H)、7.30−7.66 ( m : 8 H )、7.02−7.16 ( m : 3 H )、4.25−4.33 ( m : 2 H )、4.13 ( q : 2 H )、3.75 ( s : 3 H )、2.06 ( s : 3H)、1.80−1.90 ( m : 2 H )、1.20−1.40 ( m : 5 H )、1.01−1.18 ( m : 3 H )、0.80−0.90 ( m : 3 H )
[実施例17]化合物No.17の合成
上記実施例14において、スキーム−9の化合物(I−b)をN−ヘキシルカルバゾールに、スキーム−9の化合物(II−d)をo−クロロベンゾイルクロライドに変更した以外は同様にして、上述の[化5]に例示した化合物No.17を合成した。化合物No.17のE/Z比は100/0(HPLC)、吸収極大波長λmax=341.0、298.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.62 ( d : 1 H )、8.20 ( d : 1 H )、7.94−8.02 ( m : 2 H )、7.80−7.90 ( m : 2 H)、7.32−7.60 ( m : 9 H )、4.26−4.35 ( m : 2 H )、4.10−4.20 ( m : 3 H )、2.05−2.10 ( m : 3 H )、1.80−1.93 ( m : 2 H )、1.10−1.45 ( m : 9 H )、0.80−0.90 ( m : 3 H )
[合成例5]o−ヘキシルチオサリチル酸の合成
下記の実施例18に用いるo−ヘキシルチオサリチル酸を以下の[化19]に示されるスキーム−10のとおり合成した。
Figure 0004914972
チオサリチル酸10.0g、DMF(ジメチルホルムアミド)50g、炭酸カリウム20.6g及び亜硫酸ナトリウム0.5gを仕込み、攪拌した。この液にヘキシルブロマイド13.9gを滴下した。滴下終了後、60℃に加熱し、1時間攪拌した。反応液を水に注加し、酢酸エチルで抽出し、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。濾過液を濃縮し、o−ヘキシルチオサリチル酸9.45g(収率61.1%、HPLC純度99.9%)を得た。
[実施例18]化合物No.18の合成
上記実施例3において、スキーム−3の化合物(II−b)を合成例5で合成したo−ヘキシルチオサリチル酸を常法にて酸クロ化して得たo−ヘキシルチオベンゾイルクロライドに変更した以外は同様にして、上述の[化5]に例示した化合物No.18を合成した。化合物No.18のE/Z比は100/0(HPLC)、吸収極大波長λmax=340.5、298.5、260.5(PGMEA溶液)であった。
構造はH−NMRスペクトル(CDCl)により確認した。
δ[ppm]:8.63 ( d : 1 H )、8.21 ( d : 1 H )、7.92−8.02 ( m : 2 H )、7.78−7.90 ( m : 2 H )、7.30−7.60 ( m : 10 H )、4.38 ( q : 2 H )、4.10−4.20 ( m : 3 H )、2.78−2.85 ( m : 2 H )、2.08 ( s : 3 H )、1.38−1.58 ( m : 4 H )、1.00−1.32 ( m : 9 H )、0.70−0.80 ( m: 3 H )
上記の実施例3、4、8、14、15、5及び9でそれぞれ合成した化合物No.3、4、8、14、15、5及び9のオキシム化反応後のE/Z比を表1に示す。
Figure 0004914972
表1に示されるように、ベンゼン環のオルト位に置換基を導入した実施例3、4、8、14、15は、無置換の実施例5、9と比較してオキシムの異性体の選択性を向上させることができる。光重合開始剤としては、一方の幾何異性体が多い方がよく、また、その純度はより高い方が好ましいので、かかる置換基の導入は有効である。
(実施例19〜21、比較例1)
上述の実施例3〜18は、本発明のオキシムエステル化合物についての実施例であったが、次の実施例19〜21、後述の実施例22〜25及び実施例26〜28は、本発明のオキシムエステル化合物を光重合開始剤として含有する本発明の感光性組成物についての実施例である。
すなわち、本発明のオキシムエステル化合物を光重合開始剤として含有する実施例19〜21の感光性組成物及び従来の光重合開始剤を含有する比較例1の感光性組成物を調製し、これら実施例19〜21及び比較例1の感光性組成物を用いてブラックマトリクスのパターンを形成して評価を行った。
実施例19〜21及び比較例1の感光性組成物の組成を表2に示す。
Figure 0004914972
光重合成性化合物として、ベンジルメタクリレート/グリシジルメタクリレート/メタクリル酸共重合物(モル比=35:35:30、重量平均分子量9900)の30.8%3−メトキシブチルアセテート(MBA)溶液と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)とを使用した。
実施例19、20及び21の光重合開始剤として、上記実施例4、11及び15でそれぞれ合成した化合物No.4、11及び15のオキシムエステル化合物を使用し、比較例1の光重合開始剤として、下記[化20]に示される、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(−アセチルオキシム)を使用した。
Figure 0004914972
実施例19〜21及び比較例1について、上記成分からなる混合物を攪拌機で1分間混合し、感光性組成物を得た。
得られた感光性組成物をガラスプレパラート上にスピンコーター(SC2005:(株)アイデン製)を用いて乾燥膜厚が0.6μmとなるように塗布し、110℃で1分間乾燥して感光性組成物の膜(感光層)を形成した。次いでこの膜にネガマスクを介して高圧水銀ランプ(マルチライト:ウシオ電機(株)製)で5分間露光した。そののち、0.5%炭酸ナトリウム水溶液に5分間浸漬して現像することでブラックマトリクスのパターンを形成した。
上述のようにして得られた実施例19〜21及び比較例1のマトリクスのパターンニングの評価を、パターンの直進性、剥がれ、及び、残渣についてそれぞれ目視で行ったその結果を表3に示す。
パターンの直進性は0.5%炭酸ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、比較例1との目視比較により評価し、直線性が同等以上のものを良好とした。
パターン剥がれは0.5%炭酸ナトリウム水溶液に5分間浸漬後の外観を目視により評価し、外観変化もなくレジストの剥離もなかったものを良好とした。
残渣は0.5%炭酸ナトリウム水溶液に5分間浸漬後、未露光部分におけるレジストの残存有無を目視により評価し、残存のないものを残渣なしとした。
Figure 0004914972
表3に示すように、実施例19〜21で得られたパターンは直進性に優れ、顔料残渣や基板との剥がれは確認されなかった。一方、比較例1は、パターン剥がれが生じた。
このように実施例19〜21の感光性組成物は、感度の高い本発明の新規なオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤を用いているので、比較例1の感光性組成物に比べて露光後のパターンの剥がれが生じない。
一方、実施例19〜21に使用する開始剤をE/Z比が50/50である化合物No.5に変更すると、パターンが形成されなかった。このことから、光重合開始剤としては、一方の幾何異性体が多い方がよく、また、その純度はより高い方が好ましいと言える。よって、ベンゼン環のオルト位に置換基を有する化合物の使用が有効である。
(実施例22〜25、比較例2)
本発明のオキシムエステル化合物を光重合開始剤として含有する実施例22〜25の感光性組成物及び従来の光重合開始剤を含有する比較例2の感光性組成物を調製し、これら実施例22〜25及び比較例2の感光性組成物を用いてブラックマトリクスのパターンを形成して評価を行った。実施例22〜25、比較例2は実施例19〜21、比較例1よりもレジストとしての性能評価の精度を高めるために、使用する樹脂を変更して実施した。
実施例22〜25及び比較例2の感光性組成物の組成を表4に示す。
Figure 0004914972
光重合成性化合物として、アクリル系光重合性化合物の20.0%MBA溶液とDPHAとを使用した。
実施例22、23、24及び25の光重合開始剤として、上記実施例15、16、17及び18でそれぞれ合成した化合物No.15、16、17及び18のオキシムエステル化合物を使用し、比較例2の光重合開始剤として、上記[化20]に示される、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(−アセチルオキシム)を使用した。
実施例22〜25、比較例2について、上記成分からなる混合物を攪拌機で5分間混合し、感光性組成物を得た。
得られた感光性組成物をガラス基盤上にスピンコーター(SC2005:(株)アイデン製)を用いて乾燥膜厚が0.4μmとなるように塗布し、90℃で10分間乾燥して感光性組成物の膜(感光層)を形成した。次いでこの膜にネガマスクを介して高圧水銀ランプ(マスクアライナー:カール・ズース株式会社)を用いて80mJで露光した。そののち、0.2%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液に30秒浸漬して現像することでブラックマトリクスのパターンを形成した。
上述のようにして得られた実施例22〜25及び比較例2のマトリクスのパターンニングの評価を、通常の評価に従い、線幅計測、パターンの直進性、剥がれ、及び残渣にて行った。その結果を表5に示す。線幅計測は、パターン像を、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−8710:キーエンス製)を用いて拡大観察(×2000)し、平面計測機能により、パターンの幅を計測することで行った。
パターンの直進性は0.2%TMAH水溶液に30秒浸漬後、比較例2との目視比較により評価し、直線性が同等以上のものを良好とした。
パターン剥がれは0.2%TMAH水溶液に30秒浸漬後の外観を目視により評価し、外観変化もなくレジストの剥離もなかったものを良好とした。
残渣は0.2%TMAH水溶液に30秒浸漬後、未露光部分におけるレジストの残存有無を目視により評価し、残存のないものを残渣なしとした。
Figure 0004914972
光重合開始剤の性能を評価する手段の一つにパターンの線幅の大きさという指標がある。一般的に、高感度特性を有する光重合開始剤は低感度のものよりもレジストの光硬化反応がより進行する。それに伴い、現像時のアルカリ耐性も向上するためパターンの線幅が大きくなる。
表5に示すように、実施例22〜25の感光性組成物は、得られたパターンは20μmのマスク幅に対してレジスト像の線幅が比較例2と比較して大きいことから、比較例2の感光性組成物に比べて感度がよい。すなわち、本発明の新規なオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤は、比較化合物よりも高感度である。
本発明のオキシムエステル化合物を光重合開始剤として含有する実施例26〜28の感光性組成物及び従来の光重合開始剤を含有する比較例3の感光性組成物を調製し、これら実施例26〜28及び比較例3の感光性組成物を用いてブラックマトリクスのパターンを形成して評価を行った。実施例26〜28、比較例3は実施例19〜21、22〜25、比較例1及び2よりもレジストとしての性能評価の精度を高めるために、使用する樹脂を変更して実施した。
実施例26〜28及び比較例3の感光性組成物の組成を表6に示す。
Figure 0004914972
光重合成性化合物として、ジメタクリル酸=2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル/メタクリル酸/メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチル共重合物の31.9%PGMEA溶液とDPHAとを使用した。
実施例26、27及び28の光重合開始剤として、上記実施例16、17及び18でそれぞれ合成した化合物No.16、17及び18のオキシムエステル化合物を使用し、比較例3の光重合開始剤として、上記[化20]に示される、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(−アセチルオキシム)を使用した。
実施例26〜28、比較例3について、上記成分からなる混合物を攪拌機で5分間混合し、感光性組成物を得た。
得られた感光性組成物をガラス基盤上にスピンコーター(K−359SD1:(株)共和理研製)を用いて乾燥膜厚が1.0μmとなるように塗布し、90℃で10分間乾燥して感光性組成物の膜(感光層)を形成した。次いでこの膜にネガマスクを介して高圧水銀ランプ(マスクアライナー:カール・ズース株式会社)を用いて20、40、60、80mJで露光した。そののち、0.1%TMAH水溶液に浸漬して現像することでブラックマトリクスのパターンを形成した。
上述のようにして得られた実施例26〜28及び比較例3のマトリクスのパターンニングの評価を、通常の評価に従い、線幅計測にて行った。その結果を表7、図1に示す。線幅計測は、パターン像を、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−8710:キーエンス製)を用いて拡大観察(×2000)し、平面計測機能により、パターンの幅を計測することで行った。
Figure 0004914972
表7に示すように、実施例26〜28の感光性組成物では、得られたパターンは20μmのマスク幅に対してレジスト像の線幅が比較例3と比較して大きいことから、比較例3の感光性組成物に比べて感度がよい。
表7、図1に示すように露光エネルギー40、60、80mJの場合、実施例26〜28の感光性組成物では20μmパターン幅を維持することが可能であるが、比較例3の感光性組成物においては、露光エネルギー40mJまで低下させるとパターン幅が20μm以下に至るという結果となった。
また、露光エネルギー20mJの場合、実施例26〜28の感光性組成物では計測不能ではあったがパターンは保持された。一方、比較例3ではパターンは全て剥がれ落ちた。
上記結果より、本発明の新規なオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤は、比較化合物よりも高感度を有し、露光後のパターンが剥がれにくい光重合開始剤である。
より感度の高い光重合開始剤を使用することで、露光エネルギーを下げることが可能となり、エネルギー消費量を下げられるメリットがある。また、より少ない使用量で比較化合物と同等の性能を発揮することが可能というメリットがある。
本発明は、光重合開始剤および感光性組成物などとして有用である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物。
    Figure 0004914972
    [式(I)中、R はRを表し、はR、OR、COR又はCNを表し、R、R、R、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R、R、R10、R11、R12 及び 水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R又はRを表し、 14 がアルコキシ基又はヒドロキシル基であり、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
  2. 下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物。
    Figure 0004914972
    [式(I)中、R はRであり、R はR、OR、COR又はCNを表し、R 及び/又はR はハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 及びR 14 は水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R又はORを表し、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
  3. 下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物。
    Figure 0004914972
    [式(I)中、R 及びR はRを表し、R 、R 、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は水素原子、ヒドロキシル基又はORを表し、R 14 がアルコキシ基又はヒドロキシル基であり、Rは、アルキル基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
  4. 下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物。
    Figure 0004914972
    [式(I)中、R 及びR はRを表し、R 及び/又はR はハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 及びR 14 は水素原子、ヒドロキシル基又はORを表し、Rは、アルキル基を表し、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
  5. 下記一般式(II)で表されるオキシムエステル化合物。
    Figure 0004914972
    [式(II)中、R はRであり、R はR、OR、COR又はCNを表し、R 及び/又はR はハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
  6. 下記一般式(III)で表されるオキシムエステル化合物の製造方法であって、
    Figure 0004914972
    [式(III)中、R はRであり、R はR、OR、COR又はCNを表し、R 、R 、R 、R 及びR は水素原子、ハロゲン原子、R、OR又はSRを表し、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R又はORを表し、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよく、Rのうちアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合により中断されていてもよい。]
    下記一般式(IV)で表される化合物をオキシム化して下記一般式(V)で表される化合物を得る工程と、
    Figure 0004914972
    [式(IV)中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は上記一般式(III)で定義した通りであり、R 15 はアルキル基又はアリール基を表す。]
    Figure 0004914972
    [式(V)中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は上記一般式(III)で定義した通りであり、R 15 は上記一般式(IV)で定義した通りである。]
    上記工程で得られた上記一般式(V)で表される化合物を加水分解して、下記一般式(VI)で表される化合物を得る工程と、
    Figure 0004914972
    [式(VI)中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は上記一般式(III)で定義した通りである。]
    上記工程で得られた上記一般式(VI)で表される化合物をエステル化する工程と、
    を含むことを特徴するオキシムエステル化合物の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のオキシムエステル化合物を有効成分とする、光重合開始剤。
  8. 請求項7に記載の光重合開始剤と不飽和結合を有する光重合性化合物を含有する、感光性組成物。
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