JP2005220097A - チオフェン構造を有するオキシムエステル化合物及び該化合物を含有する光重合開始剤 - Google Patents
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Description
本発明は、感光性組成物に用いられる光重合開始剤として有用な、チオフェン構造を有する新規なオキシムエステル化合物、該化合物を有効成分とする光重合開始剤、及びエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に該光重合開始剤を含有させてなる感光性組成物に関する。
感光性組成物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に光重合開始剤を加えたものであり、この感光性組成物に405nmや365nmの光を照射することによって重合硬化させることができるので、光硬化性インキ、感光性印刷版、各種フォトレジスト等に用いられている。短波長の光源に感度を持つ感光性組成物は微細な印刷が可能であるため、特に365nmの光源に優れた感度を有する光重合開始剤が望まれている。
この感光性組成物に用いられる光重合開始剤として、下記特許文献1には、オキシムエステル誘導体を用いることが提案されている。また、下記特許文献2〜4にもオキシムエステル化合物が記載されている。しかし、これらの公知のオキシムエステル化合物は、光重合開始剤として用いた場合に、露光時の光により発生する分解物がマスクに付着し、その結果、焼付け時のパターン形状不良を引き起こし、収率の低下を招いていた。そのため、得られる重合物を着色したり、光重合開始剤の分解物が揮散して重合物や装置等を汚染したりすることのない光重合開始剤が望まれていた。
また、下記特許文献5〜7には、より高い反応性を有するO−アシルオキシム光開始剤が提案されている。しかし、これらのO−アシルオキシム光重合開始剤も、感度の観点で未だ満足のいくものではなく、より感度に優れるものが望まれている。
解決しようとする問題点は、上述したように、得られる重合物を着色したり重合物や装置等を汚染したりすることがなく且つ感度に優れた光重合開始剤がこれまでなかったということである。
本発明の目的は、高感度であり、重合物を着色したり重合物及び装置等を汚染したりするおそれのない、光重合開始剤として有用な新規な化合物、該化合物を有効成分とする光重合開始剤、及び該光重合開始剤を含有させてなる感光性組成物を提供することにある。
本発明は、下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物、該化合物を有効成分とする光重合開始剤、及びエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に該光重合開始剤を含有させてなる感光性組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のオキシムエステル化合物は、感光性に優れ、経時による感光層表面への析出がないため、経時安定性に優れており、さらに分解物によるマスク付着物がなく焼付け時のパターン形状不良を起こさないため、光重合開始剤として有用なものである。
以下、本発明のオキシムエステル化合物及び該化合物を有効成分とする光重合開始剤について詳細に説明する。
上記一般式(I)中、X1で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、X1で表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ビニル、アリル、ブテニル、エチニル、プロピニル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)エテニル等が挙げられる。
上記一般式(I)中、R及びR’で表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ビニル、アリル、ブテニル、エチニル、プロピニル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)エテニル等が挙げられ、R及びR’で表されるアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、クロロフェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスレニル等が挙げられ、R及びR’で表されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル、クロロベンジル、α−メチルベンジル、α、α−ジメチルベンジル、フェニルエチル、フェニルエテニル等が挙げられ、R及びR’で表される複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、フリル、チオフェニル等が挙げられ、また、R及びR’が一緒になって形成しうる環としては、例えば、ピペリジン環、モルホリン環等が挙げられる。
本発明のオキシムエステル化合物の中でも、上記一般式(I)において、X1が水素原子であるもの;R1がアルキル基、特にメチル基であるもの;R2がアルキル基、特にメチル基であるもの;R3がアルキル基、特にエチル基であるものは、光重合開始剤として特に好適である。
従って、上記一般式(I)で表される本発明のオキシムエステル化合物の好ましい具体例としては、以下の化合物No.1〜No.6の化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により何ら制限を受けるものではない。
上記一般式(I)で表される本発明のオキシムエステル化合物は、例えば、下記[化8]の反応式で示される方法によって製造することができる。まず、チオフェンカルボン酸クロリド1とカルバゾール化合物2とを塩化亜鉛の存在下に反応させてチオフェン誘導体カルバゾール化合物3を得る。次いで、チオフェン誘導体カルバゾール化合物3とカルボン酸クロリド4とを塩化アルミの存在下に反応させてアシル化合物5を得る。次いで、アシル化合物5と塩酸ヒドロキシルアミンとをDMFの存在下に反応させてオキシム化合物6を得る。次いで、オキシム化合物6と酸無水物7あるいは酸クロリド7’とを反応させて上記一般式(I)で表される本発明のオキシムエステル化合物を得る。
本発明のオキシムエステル化合物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の光重合開始剤として有用である。
次に、本発明の感光性組成物について説明する。
本発明の感光性組成物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に、本発明のオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤を含有させてなる。
本発明の感光性組成物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に、本発明のオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤を含有させてなる。
エチレン性不飽和結合を有する上記重合性化合物としては、従来の感光性組成物に用いられているものを用いることができる。即ち、エチレン性不飽和結合を有する上記重合性化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、第二ブチル(メタ)アクリレート、第三ブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、プロピルオキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(プロピルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌラート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多価アルコールをα,β−不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、イソブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート等が挙げられる。これらの中でも、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートに、本発明のオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤は好適である。
また、エチレン性不飽和結合を有する上記重合性化合物とともに、熱可塑性有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該熱可塑性有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、ポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル等が挙げられ、これらの中でも、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体が好ましい。
また、本発明の感光性組成物には、光重合開始剤として、本発明のオキシムエステル化合物の他に、必要に応じて他の光重合開始剤を併用することも可能であり、その他の光重合開始剤を併用することによって著しい相乗効果を奏する場合もある。
本発明のオキシムエステル化合物と併用できる光重合開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4'−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4'−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4'−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9'−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2'−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
また、本発明の感光性組成物には、必要に応じて、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、第三ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;着色用染料;着色用顔料等の慣用の添加物を加えることができる。
本発明の感光性組成物は、通常、必要に応じて前記の各成分(本発明のオキシムエステル化合物及びエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物)を溶解又は分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノールを加えた溶液状組成物として用いられる。
本発明の感光性組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
本発明の感光性組成物は、光硬化性塗料、光硬化性インキ、光硬化性接着剤、印刷版、印刷配線板用フォトレジスト、カラーテレビ、液晶ディスプレイ、カメラ等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
また、本発明のオキシムエステル化合物を含有する感光性組成物を硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
本発明の感光性組成物において、光重合開始剤の添加量は特に限定されるものではないが、本発明のオキシムエステル化合物の添加量は、エチレン性不飽和結合を有する上記重合性化合物100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。また、本発明のオキシムエステル化合物以外の添加物の添加量は、本発明の感光性組成物の用途等に応じて適宜選択することができるが、上記重合性化合物100質量部に対して、好ましくは300質量部以下とする。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]化合物No.1の製造
<ステップ1>カルバゾール誘導体1の製造
下記カルバゾール誘導体1を、以下のようにして製造した。
<ステップ1>カルバゾール誘導体1の製造
下記カルバゾール誘導体1を、以下のようにして製造した。
2−チオフェンカルボニルクロリド7.53g(0.05モル)、N−エチルカルバゾール14.6g(0.075モル)、塩化亜鉛0.34g(0.0025モル)及びクロロベンゼン100gを仕込み、75〜90℃で2日間攪拌した。その後、酢酸エチル200g及び水200gを加えて油層を抽出した。さらに、溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4〜1:2)により精製を行い、緑色粘性液状物(収量6.5g、収率43%、純度94.3%)を得た。
得られた液状物の1H−NMRのケミカルシフトは次の通りであり、該液状物は目的物であるカルバゾール誘導体1であることを確認した。
8.71(s:1H)、8.13(d:1H)、8.10(d:1H)、7.73(d:2H)、7.53(d:1H)、7.46(t:2H)、7.34(d:1H)、7.32(t:1H)、4.42(q:2H)、1.48(t:3H)
8.71(s:1H)、8.13(d:1H)、8.10(d:1H)、7.73(d:2H)、7.53(d:1H)、7.46(t:2H)、7.34(d:1H)、7.32(t:1H)、4.42(q:2H)、1.48(t:3H)
<ステップ2>アセチル体1の製造
下記アセチル体1を、以下のようにして製造した。
下記アセチル体1を、以下のようにして製造した。
ステップ1で得られたカルバゾール誘導体1の9.1g(0.03モル)、塩化アルミニウム9.6g(0.072モル)及びクロロベンゼン50gを仕込み、0℃でアセチルクロリド2.62g(0.033モル)を30分かけて滴下し、さらに室温で1時間攪拌した。その後、酢酸エチル30gと水40gを加えて塩化アルミニウムを分解し、油層を抽出して溶媒を留去することにより、緑色粘性液状物(収量9.2g、収率89%、純度94%)を得た。
得られた液状物は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該液状物は目的物であるアセチル体1であることを確認した。
8.77(s:1H)、8.74(s:1H)、8.17(d:1H)、8.12(d:1H)、7.74(d:2H)、7.52(d:2H)、7.22(t:1H)、4.44(q:2H)、2.74(s:3H)、1.50(t:3H)
8.77(s:1H)、8.74(s:1H)、8.17(d:1H)、8.12(d:1H)、7.74(d:2H)、7.52(d:2H)、7.22(t:1H)、4.44(q:2H)、2.74(s:3H)、1.50(t:3H)
<ステップ3>オキシム体1の製造
下記オキシム体1を、以下のようにして製造した。
下記オキシム体1を、以下のようにして製造した。
ステップ2で得られたアセチル体1の10.4g(0.03モル)、塩酸ヒドロキシルアミン9.6g(0.072モル)及びジメチルホルムアミド30gを仕込み、80℃で2時間攪拌した。その後、酢酸エチル30g、n−ヘキサン10g及び水50gを加えて油層を抽出した。溶媒を留去してカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1〜1:3)により精製を行い、淡黄色固体(収量3.0g、収率28%、純度94%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物であるオキシム体1であることを確認した。
8.72(s:1H)、8.38(s:1H)、8.10(d:1H)、7.87(d:1H)、7.74(d:2H)、7.48(d:2H)、7.21(t:1H)、4.42(q:2H)、2.43(s:3H)、1.50(t:3H)
8.72(s:1H)、8.38(s:1H)、8.10(d:1H)、7.87(d:1H)、7.74(d:2H)、7.48(d:2H)、7.21(t:1H)、4.42(q:2H)、2.43(s:3H)、1.50(t:3H)
<ステップ4>化合物No.1の製造
化合物No.1を、以下のようにして製造した。
化合物No.1を、以下のようにして製造した。
ステップ3で得られたオキシム体1の1.82g(0.005モル)、無水酢酸0.61g(0.006モル)及び酢酸プロピル15gを仕込み、80℃で2時間攪拌すると固体が析出した。30℃で固体をろ別し、メタノール/酢酸プロピル混合溶媒により洗浄し、白色固体(収量1.4g、収率70%、純度98%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物である化合物No.1であることを確認した。
8.72(s:1H)、8.51(s:1H)、8.12(d:1H)、7.99(d:1H)、7.74(d:2H)、7.52(d:2H)、7.21(t:1H)、4.42(q:2H)、2.53(s:3H)、2.30(s:3H)、1.49(t:3H)
8.72(s:1H)、8.51(s:1H)、8.12(d:1H)、7.99(d:1H)、7.74(d:2H)、7.52(d:2H)、7.21(t:1H)、4.42(q:2H)、2.53(s:3H)、2.30(s:3H)、1.49(t:3H)
[実施例2]化合物No.2の製造
<ステップ1>アセチル体2の製造
下記アセチル体2を、以下のようにして製造した。
<ステップ1>アセチル体2の製造
下記アセチル体2を、以下のようにして製造した。
実施例1のステップ1で得られたカルバゾール誘導体1の15.2g(0.05モル)、塩化アルミニウム16.0g(0.12モル)及びクロロベンゼン75gを仕込み、−20℃でフェニル酢酸クロリド8.5g(0.055モル)を30分かけて滴下し、さらに0℃で1時間、室温で1時間攪拌した。その後、酢酸エチル50gと水60gを加えて塩化アルミニウムを分解した後、油層を分離してさらにn−ヘキサン30g及び水20gを加えて油層を抽出し、溶媒を留去することにより、赤色粘性液状物(収量19.7g、収率93%、純度64%)を得た。
得られた液状物は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該液状物は目的物であるアセチル体2であることを確認した。
8.83(s:1H)、8.72(s:1H)、8.21(d:1H)、8.10(d:1H)、7.72(d:2H)、7.49(d:2H)、7.30(m:5H)、7.20(t:1H)、4.43(q:2H)、4.41(s:2H)、1.48(t:3H)
8.83(s:1H)、8.72(s:1H)、8.21(d:1H)、8.10(d:1H)、7.72(d:2H)、7.49(d:2H)、7.30(m:5H)、7.20(t:1H)、4.43(q:2H)、4.41(s:2H)、1.48(t:3H)
<ステップ2>オキシム体2の製造
下記オキシム体2を、以下のようにして製造した。
下記オキシム体2を、以下のようにして製造した。
ステップ1で得られたアセチル体2の16.9g(0.04モル)、塩酸ヒドロキシルアミン3.34g(0.048モル)及びジメチルホルムアミド35gを仕込み、100℃で1時間攪拌した。その後、酢酸エチル30g及び水50gを加えて油層を抽出した。溶媒を留去してカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1〜1:3)により精製を行い、肌色固体(収量6.4g、収率37%、純度98%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物であるオキシム体2であることを確認した。
8.25(s:1H)、8.00(s:1H)、7.67(d:1H)、7.42(d:1H)、7.31(d:2H)、7.23(t:1H)、7.05(d:2H)、6.83(m:5H)、3.93(q:2H)、3.91(s:2H)、1.04(t:3H)
8.25(s:1H)、8.00(s:1H)、7.67(d:1H)、7.42(d:1H)、7.31(d:2H)、7.23(t:1H)、7.05(d:2H)、6.83(m:5H)、3.93(q:2H)、3.91(s:2H)、1.04(t:3H)
<ステップ3>化合物No.2の製造
化合物No.2を、以下のようにして製造した。
化合物No.2を、以下のようにして製造した。
ステップ2で得られたオキシム体2の2.19g(0.005モル)、無水酢酸0.61g(0.006モル)及び酢酸プロピル7.2gを仕込み、90℃で1時間攪拌した。酢酸エチル30g及び水40gを加えて油層を抽出し、溶媒を留去した。ベンゼン5gから再結晶を行い、白色固体(収量1.3g、収率54%、純度98%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物である化合物No.2であることを確認した。
8.66(s:1H)、8.53(s:1H)、8.08(d:1H)、7.94(d:1H)、7.71(d:2H)、7.46(d:2H)、7.24(m:5H)、7.20(t:1H)、4.40(q:2H)、4.38(s:2H)、2.22(s:3H)、1.49(t:3H)
8.66(s:1H)、8.53(s:1H)、8.08(d:1H)、7.94(d:1H)、7.71(d:2H)、7.46(d:2H)、7.24(m:5H)、7.20(t:1H)、4.40(q:2H)、4.38(s:2H)、2.22(s:3H)、1.49(t:3H)
[実施例3]化合物No.3の製造
<ステップ1>アセチル体3の製造
下記アセチル体3を、以下のようにして製造した。
<ステップ1>アセチル体3の製造
下記アセチル体3を、以下のようにして製造した。
2−チオフェンカルボニルクロリド7.33g(0.05モル)、N−(4−メチルフェニル)カルバゾール10.28g(0.04モル)、塩化亜鉛1.1g(0.008モル)及びクロロベンゼン44gを仕込み、70℃で3時間、80℃で2時間攪拌した。続いて塩化アルミニウム13.3g(0.1モル)を20℃で仕込み、−20℃でアセチルクロリド2.23g(0.028モル)を30分かけて滴下し、0℃で1時間、さらに室温で1時間攪拌した。その後、n−ヘキサン30gと水20gを加えて塩化アルミニウムを分解すると固体が析出した。固体をろ別し、灰色固体(収量5.0g、収率44%、純度97%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物であるアセチル体3であることを確認した。
8.37(s:1H)、8.33(s:1H)、7.67(d:1H)、7.60(d:1H)、7.32(d:2H)、7.02(d:2H)、7.00(d:2H)、6.81(d:2H)、6.76(t:1H)、2.30(s:3H)、2.07(s:3H)
8.37(s:1H)、8.33(s:1H)、7.67(d:1H)、7.60(d:1H)、7.32(d:2H)、7.02(d:2H)、7.00(d:2H)、6.81(d:2H)、6.76(t:1H)、2.30(s:3H)、2.07(s:3H)
<ステップ2>オキシム体3の製造
下記オキシム体3を、以下のようにして製造した。
下記オキシム体3を、以下のようにして製造した。
ステップ1で得られたアセチル体3の2.05g(0.05モル)、塩酸ヒドロキシルアミン0.52g(0.0075モル)及びジメチルホルムアミド6gを仕込み、100℃で1時間攪拌した。その後、酢酸エチル10g及び水10gを加えて油層を抽出すると固体が析出した。固体をろ別し、酢酸エチル/n−ヘキサンで洗浄し、肌色固体(収量1.55g、収率73%、純度96%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物であるオキシム体3であることを確認した。
8.39(s:1H)、8.36(s:1H)、7.67(d:1H)、7.62(d:1H)、7.33(d:2H)、7.01(d:2H)、6.97(d:2H)、6.86(d:2H)、6.79(t:1H)、2.31(s:3H)、2.09(s:3H)
8.39(s:1H)、8.36(s:1H)、7.67(d:1H)、7.62(d:1H)、7.33(d:2H)、7.01(d:2H)、6.97(d:2H)、6.86(d:2H)、6.79(t:1H)、2.31(s:3H)、2.09(s:3H)
<ステップ3>化合物No.3の製造
化合物No.3を、以下のようにして製造した。
化合物No.3を、以下のようにして製造した。
ステップ2で得られたオキシム体3の2.12g(0.005モル)、無水酢酸0.61g(0.006モル)及び酢酸プロピル6gを仕込み、100℃で1時間攪拌した。70℃で酢酸エチル15gを添加し、室温まで冷却すると固体が析出した。固体をろ別し、酢酸プロピル/n−ヘキサン混合溶媒により洗浄し、淡黄色固体(収量1.6g、収率69%、純度98%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物である化合物No.3であることを確認した。
8.34(s:1H)、8.14(s:1H)、7.61(d:1H)、7.48(d:1H)、7.33(d:2H)、7.02(d:2H)、6.97(d:2H)、6.83(d:2H)、6.80(t:1H)、2.11(s:3H)、2.09(s:3H)、1.87(s:3H)
8.34(s:1H)、8.14(s:1H)、7.61(d:1H)、7.48(d:1H)、7.33(d:2H)、7.02(d:2H)、6.97(d:2H)、6.83(d:2H)、6.80(t:1H)、2.11(s:3H)、2.09(s:3H)、1.87(s:3H)
[実施例4]化合物No.4の製造
<ステップ1>アセチル体4の製造
下記アセチル体4を、以下のようにして製造した。
<ステップ1>アセチル体4の製造
下記アセチル体4を、以下のようにして製造した。
2−チオフェンカルボニルクロリド17.6g(0.12モル)、N−(4−メトキシフェニル)カルバゾール27.3g(0.10モル)、塩化亜鉛1.4g(0.01モル)及びクロロベンゼン77gを仕込み、75℃で2時間攪拌した。続いて塩化アルミニウム26.7g(0.2モル)を20℃で仕込み、0℃でアセチルクロリド8.0g(0.1モル)を30分かけて滴下し、0℃で1時間攪拌した。その後、酢酸エチル100gと水100gを加えて塩化アルミニウムを分解し、油層を抽出して溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1〜1:3)により精製を行い、淡緑色固体(収量18.0g、収率53%、純度99%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物であるアセチル体4であることを確認した。
8.39(s:1H)、8.38(s:1H)、7.66(d:1H)、7.61(d:1H)、7.32(d:2H)、7.02(d:2H)、6.92(d:2H)、6.86(t:1H)、6.74(d:2H)、3.51(s:3H)、2.31(s:3H)
8.39(s:1H)、8.38(s:1H)、7.66(d:1H)、7.61(d:1H)、7.32(d:2H)、7.02(d:2H)、6.92(d:2H)、6.86(t:1H)、6.74(d:2H)、3.51(s:3H)、2.31(s:3H)
<ステップ2>オキシム体4の製造
下記オキシム体4を、以下のようにして製造した。
下記オキシム体4を、以下のようにして製造した。
ステップ1で得られたアセチル体4の8.52g(0.02モル)、塩酸ヒドロキシルアミン1.81g(0.026モル)及びジメチルアセトアミド35gを仕込み、100℃で2時間攪拌した。その後、70℃で酢酸エチル20g及び水10gを加えて室温まで冷却すると固体が析出した。固体をろ別し、酢酸エチル/n−ヘキサンで洗浄し、黄色固体(収量5.8g、収率66%、純度99%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物であるオキシム体4であることを確認した。
8.39(s:1H)、8.36(s:1H)、7.68(d:1H)、7.62(d:1H)、7.32(d:2H)、7.00(d:2H)、6.91(d:2H)、6.82(t:1H)、6.72(d:2H)、3.51(s:3H)、2.32(s:3H)
8.39(s:1H)、8.36(s:1H)、7.68(d:1H)、7.62(d:1H)、7.32(d:2H)、7.00(d:2H)、6.91(d:2H)、6.82(t:1H)、6.72(d:2H)、3.51(s:3H)、2.32(s:3H)
<ステップ3>化合物No.4の製造
化合物No.4を、以下のようにして製造した。
化合物No.4を、以下のようにして製造した。
ステップ3で得られたオキシム体4の4.41g(0.01モル)、無水酢酸1.22g(0.012モル)及び酢酸プロピル20gを仕込み、95℃で1時間攪拌した。40℃でメタノール5gを添加すると固体が析出した。室温まで冷却して固体をろ別し、酢酸プロピル/n−ヘキサン混合溶媒により洗浄し、白色固体(収量3.3g、収率68%、純度98%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物である化合物No.4であることを確認した。
8.77(s:1H)、8.56(s:1H)、8.05(d:1H)、7.90(d:1H)、7.75(d:2H)、7.46(d:4H)、7.39(d:1H)、7.35(d:1H)、7.20(t:1H)、3.95(s:3H)、2.54(s:3H)、2.30(s:3H)
8.77(s:1H)、8.56(s:1H)、8.05(d:1H)、7.90(d:1H)、7.75(d:2H)、7.46(d:4H)、7.39(d:1H)、7.35(d:1H)、7.20(t:1H)、3.95(s:3H)、2.54(s:3H)、2.30(s:3H)
[実施例5]化合物No.5の製造
<ステップ1>アセチル体5の製造
下記アセチル体5を、以下のようにして製造した。
<ステップ1>アセチル体5の製造
下記アセチル体5を、以下のようにして製造した。
2−チオフェンカルボニルクロリド17.6g(0.12モル)、N−(4−メトキシフェニル)カルバゾール27.3g(0.1モル)、塩化亜鉛1.4g(0.01モル)及びクロロベンゼン77gを仕込み、75℃で2時間攪拌した。続いて塩化アルミニウム26.7g(0.2モル)を20℃で仕込み、0℃でフェニルアセチルクロリド154.5g(0.1モル)を1時間かけて滴下し、25℃で1時間、さらに室温で1時間攪拌した。その後、n−ヘキサン100gと水50gを加えて塩化アルミニウムを分解し、油層を抽出して溶媒を留去し、赤褐色液体(収量25.0g、収率70%、純度62%)を得た。
得られた液体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該液体は目的物であるアセチル体5であることを確認した。
8.89(s:1H)、8.77(s:1H)、8.15(d:1H)、8.04(d:1H)、7.75(d:2H)、7.50−7.09(m:10H)、6.86(d:2H)、4.43(s:2H)、3.94(s:3H)
8.89(s:1H)、8.77(s:1H)、8.15(d:1H)、8.04(d:1H)、7.75(d:2H)、7.50−7.09(m:10H)、6.86(d:2H)、4.43(s:2H)、3.94(s:3H)
<ステップ2>オキシム体5の製造
下記オキシム体5を、以下のようにして製造した。
下記オキシム体5を、以下のようにして製造した。
ステップ1で得られたアセチル体5の25g(0.05モル)、塩酸ヒドロキシルアミン4.17g(0.06モル)及びジメチルホルムアミド50gを仕込み、80℃で1時間攪拌した。その後、酢酸エチル50g及び水25gを加えて油層を抽出した。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1〜1:3)で精製後n−ヘキサンから再沈殿を行い、黄色固体(収量9.2g、収率36%、純度83%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物であるオキシム体5であることを確認した。
8.89(s:1H)、8.77(s:1H)、8.15(d:1H)、8.04(d:1H)、7.75(d:2H)、7.50−7.12(m:12H)、4.43(s:2H)、3.94(s:3H)
8.89(s:1H)、8.77(s:1H)、8.15(d:1H)、8.04(d:1H)、7.75(d:2H)、7.50−7.12(m:12H)、4.43(s:2H)、3.94(s:3H)
<ステップ3>化合物No.5の製造
化合物No.5を、以下のようにして製造した。
化合物No.5を、以下のようにして製造した。
ステップ2で得られたオキシム体5の5.16g(0.01モル)、無水酢酸1.3g(0.012モル)及び酢酸プロピル15gを仕込み、100℃で1時間攪拌した。室温で酢酸エチル20g及び水5gを加え、油層を抽出し、n−ヘキサン500gに滴下すると固体が析出した。酢酸プロピル/n−へキサン混合溶媒により洗浄し、淡黄色固体(収量1.6g、収率79%、純度88%)を得た。
得られた固体は、1H−NMRのケミカルシフトが次の通りであり、該固体は目的物である化合物No.5であることを確認した。
8.77(s:1H)、8.60(s:1H)、8.02(d:1H)、7.88(d:1H)、7.74(d:2H)、7.50−7.09(m:12H)、4.38(s:2H)、3.94(s:3H)2.25(s:3H)
8.77(s:1H)、8.60(s:1H)、8.02(d:1H)、7.88(d:1H)、7.74(d:2H)、7.50−7.09(m:12H)、4.38(s:2H)、3.94(s:3H)2.25(s:3H)
[実施例6]感光性組成物No.1の製造
アクリル系共重合体100gに対し、トリメチロールプロパンアクリレート 40g、実施例1で得られた化合物No.1の6g 及び2,2−ビス(2−クロロフェニル)− 4,5,4',5'−テトラフェニル− 1−2'−ビイミダゾール 6gを加えて良く攪拌し、感光性組成物No.1を得た。
尚、上記アクリル系共重合体は、メタクリル酸20質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、メチルメタクリレート10質量部及びブチルメタクリレート55質量部をエチルセロソルブ560質量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75質量部を加えて70℃で5時間反応させることにより得られたものである。
アクリル系共重合体100gに対し、トリメチロールプロパンアクリレート 40g、実施例1で得られた化合物No.1の6g 及び2,2−ビス(2−クロロフェニル)− 4,5,4',5'−テトラフェニル− 1−2'−ビイミダゾール 6gを加えて良く攪拌し、感光性組成物No.1を得た。
尚、上記アクリル系共重合体は、メタクリル酸20質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、メチルメタクリレート10質量部及びブチルメタクリレート55質量部をエチルセロソルブ560質量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75質量部を加えて70℃で5時間反応させることにより得られたものである。
次いで、基板上にr−グリシドキシプロピルメチルエトキシシランをスピンコートして良くスピン乾燥させた後、上記感光性組成物No.1をスピンコート(1000r.p.m、40秒間)し乾燥させた。70℃で20分間プリベークを行った後、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光した。次に、2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、良く水洗し、さらに水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてパターンを定着させた。尚、露光量は80mJ/cm2 であった。
光重合開始剤として本発明のオキシムエステル化合物を含有する上記感光性組成物No.1は、感度に優れ、重合物の着色や重合物及び装置の汚染がなく、得られたパターンは鮮明であった。また、上記感光性組成物No.1をスピンコートした後10日以上放置しても、光重合開始剤の析出はなかった。
[実施例7]感光性組成物No.2の製造
スチレン−アクリル系感光性共重合体100gに対し、 トリメチロールプロパンアクリレート 40g及び実施例1で得られた化合物No.1の12gを加えて良く攪拌し、感光性組成物No.2を得た。
尚、上記スチレン−アクリル系感光性共重合体は、スチレン26.3質量部、2−ヒドロキシメタクリレート43.8質量部、メタクリル酸35質量部及びメタクリル酸エチル70質量部をエチルセロソルブ500質量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75質量部を加え90℃で5時間反応させ、次いで、イソシアネートエチルメタクリレート23.5質量部、オクチル酸錫0.11質量部をエチルセロソルブ60質量部で溶解したものを約10分かけて滴下し、滴下後2時間反応させることにより得られたものである。
スチレン−アクリル系感光性共重合体100gに対し、 トリメチロールプロパンアクリレート 40g及び実施例1で得られた化合物No.1の12gを加えて良く攪拌し、感光性組成物No.2を得た。
尚、上記スチレン−アクリル系感光性共重合体は、スチレン26.3質量部、2−ヒドロキシメタクリレート43.8質量部、メタクリル酸35質量部及びメタクリル酸エチル70質量部をエチルセロソルブ500質量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75質量部を加え90℃で5時間反応させ、次いで、イソシアネートエチルメタクリレート23.5質量部、オクチル酸錫0.11質量部をエチルセロソルブ60質量部で溶解したものを約10分かけて滴下し、滴下後2時間反応させることにより得られたものである。
次いで、基板上にr−グリシドキシプロピルメチルエトキシシランをスピンコートして良くスピン乾燥させた後、上記感光性組成物No.2をスピンコート(1000r.p.m、40秒間)し乾燥させた。70℃で20分間プリベークを行った後、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光した。次に、2.5質量%炭酸ナトリウム溶液で現像後、良く水洗し、さらに水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてパターンを定着させた。尚、露光量は80mJ/cm2 であった。
光重合開始剤として本発明のオキシムエステル化合物を含有する上記感光性組成物No.2は、感度に優れ、重合物の着色や重合物及び装置の汚染がなく、得られたパターンは鮮明であった。また、上記感光性組成物No.2をスピンコートした後10日以上放置しても、光重合開始剤の析出はなかった。
[実施例8]感光性組成物No.3の製造
アクリル系共重合体100gに対し、トリメチロールプロパンアクリレート 40g、実施例1で得られた化合物No.1の20g、カーボンブラック150gを加えて良く攪拌し、感光性組成物No.3を得た。
尚、上記アクリル系共重合体は、メタクリル酸20質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、メチルメタクリレート10質量部及びブチルメタクリレート55質量部をエチルセロソルブ1500質量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75質量部を加えて70℃で5時間反応させることにより得られたものである。
アクリル系共重合体100gに対し、トリメチロールプロパンアクリレート 40g、実施例1で得られた化合物No.1の20g、カーボンブラック150gを加えて良く攪拌し、感光性組成物No.3を得た。
尚、上記アクリル系共重合体は、メタクリル酸20質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、メチルメタクリレート10質量部及びブチルメタクリレート55質量部をエチルセロソルブ1500質量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75質量部を加えて70℃で5時間反応させることにより得られたものである。
次いで、基板上にr−グリシドキシプロピルメチルエトキシシランをスピンコートして良くスピン乾燥させた後、上記感光性組成物No.3をスピンコート(1000r.p.m、40秒間)し乾燥させた。70℃で20分間プリベークを行った後、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光した。次に、2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、良く水洗し、さらに水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてパターンを定着させた。尚、露光量は80mJ/cm2 であった。
[比較例1]比較用感光性組成物No.1の製造
実施例6で用いたアクリル系共重合体100gに対して、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート0.4g及び比較化合物1(下記[化20])10.02gを加えてよく攪拌し、比較用感光性組成物No.1を得た。
実施例6で用いたアクリル系共重合体100gに対して、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート0.4g及び比較化合物1(下記[化20])10.02gを加えてよく攪拌し、比較用感光性組成物No.1を得た。
次いで、基板上にr−グリシドキシプロピルメチルエトキシシランをスピンコートして良くスピン乾燥させた後、上記比較用感光性組成物No.1をスピンコート(1300r.p.m、50秒間)し乾燥させた。70℃で20分間プリベークを行った後、ポリビニルアルコール5質量%溶液をコートして酸素遮断膜とした。70℃20分間の乾燥後、所定のマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後、2.5質量%炭酸ナトリウム溶液で現像して良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてパターンを定着させた。尚、露光量は、80mJ/cm2 であった。得られたパターンは、実施例6で得られたパターンに較べて不鮮明であった。
[比較例2]比較用感光性組成物No.2の製造
アクリル系共重合体の代わりに実施例7で用いたスチレン−アクリル系感光性共重合体を用いた以外は、比較例1と同一の条件で、比較用感光性組成物No.2を得、該比較用感光性組成物No.2を用いてパターンを作成した。
アクリル系共重合体の代わりに実施例7で用いたスチレン−アクリル系感光性共重合体を用いた以外は、比較例1と同一の条件で、比較用感光性組成物No.2を得、該比較用感光性組成物No.2を用いてパターンを作成した。
上記比較用感光性組成物No.2は、比較例1の比較用感光性組成物No.1と同様の特性を有しており、実施例7の感光性組成物No.2に較べて感度が劣っていた。また、この比較用感光性組成物No.2をスピンコートした後に5日以上放置すると、光重合開始剤の析出が起こった。
[比較例3]比較用感光性組成物No.3の製造
実施例6で用いたアクリル系共重合体100gに対して、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート0.4g及び比較化合物2(下記[化21])10.02gを加えて良く攪拌し、比較用感光性組成物No.3を得た。
実施例6で用いたアクリル系共重合体100gに対して、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート0.4g及び比較化合物2(下記[化21])10.02gを加えて良く攪拌し、比較用感光性組成物No.3を得た。
次いで、基板上にr−グリシドキシプロピルメチルエトキシシランをスピンコートして良くスピン乾燥させた後、上記比較用感光性組成物No.3をスピンコート(1300r.p.m、50秒間)し乾燥させた。70℃で20分間プリベークを行った後、ポリビニルアルコール5質量%溶液をコートして酸素遮断膜とした。70℃20分間の乾燥後、所定のマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後、2.5質量%炭酸ナトリウム溶液で現像して良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてパターンを定着させた。尚、露光量は、80mJ/cm2 であった。得られたパターンは、実施例6で得られたパターンに較べて不鮮明であった。
[比較例4]比較用感光性組成物No.4の製造
アクリル系共重合体の代わりに、実施例7で用いたスチレン−アクリル系感光性共重合体を用いた以外は、比較例3と同一の条件で、比較用感光性組成物No.4を得、該比較用感光性組成物No.4を用いてパターンを作成した。
アクリル系共重合体の代わりに、実施例7で用いたスチレン−アクリル系感光性共重合体を用いた以外は、比較例3と同一の条件で、比較用感光性組成物No.4を得、該比較用感光性組成物No.4を用いてパターンを作成した。
上記比較用感光性組成物No.4は比較例3の比較用感光性組成物No.3と同様の特性を有しており、実施例7の感光性組成物No.2に較べて感度が劣っていた。また、上記比較用感光性組成物No.4をスピンコートした後に5日以上放置すると、光重合開始剤の析出が起こった。
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