JP2018024555A - 水素製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な方法で水素ガスを製造することができる水素製造装置を提供する。【解決手段】水素製造装置1は、マイクロ波照射装置2と、マイクロ波照射装置2から発振されるマイクロ波をTM0n0モード(nは1以上の整数)で共振させる円筒空胴共振器3と、円筒空胴共振器3内の電界強度が極大となる位置に、円筒空胴共振器3の軸方向と平行に貫通して配置され、アンモニアガスを通過させる反応管4と、反応管4内に充填され、アンモニアガスを分解して水素ガスを製造する水素製造用触媒5と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、水素製造装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、燃料電池等に供給される水素を製造する水素製造装置に関する。
水素は燃焼による熱エネルギーの生成時や燃料電池などによる電力の生成時に、環境汚染の原因となる有害物質や地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの有害物質を排出しない。そのため、近年、クリーンエネルギーとして、水素利用技術に関する研究開発が盛んに進められている。
しかし、水素ガスは天然にはほとんど存在しない。そのため、貯蔵輸送性に優れたアンモニアなどの水素原子含有物質を輸送・貯蔵し、必要な場所で水素ガスに転換することが検討されている。
例えば特許文献1では、略直方体状の共振器の共振モードをTE10nモードとし、マイクロ波を改質触媒に照射して加熱することで、窒化水素系ガス燃料を分解して水素及び窒素を生成することが開示されている。
特開2009−274881号公報
しかしながら、空胴共振器の共振周波数は、一般的に、被照射体の誘電損失係数、量、形状等によって変化する。そのため、例えば特許文献1では、空胴共振器が共振状態となるよう、マイクロ波が入射される空胴共振器の開口面積を変化させてマイクロ波の反射率を0に近づけ、かつ、空胴共振器の寸法を変化させて周波数のずれを補正する必要があった。しかしながら、このような機械的な操作は作業効率を低下させるだけでなく、装置の大型化や故障を招きやすいという問題があった。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、簡易な操作でアンモニアガスを製造できる水素製造装置を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る水素製造装置は、マイクロ波照射装置と、マイクロ波照射装置から発振されるマイクロ波をTM0n0モード(nは1以上の整数)で共振させる円筒空胴共振器と、を備える。また、水素製造装置は、円筒空胴共振器内の電界強度が極大となる位置に、円筒空胴共振器の軸方向と平行に貫通して配置され、アンモニアガスを通過させる反応管と、反応管内に充填され、アンモニアガスを分解して水素ガスを製造する水素製造用触媒とを備える。
本発明の第2の態様に係る水素製造装置は、第1の態様の水素製造装置に関し、円筒空胴共振器は、前記マイクロ波をTM010モードで共振させる。
本発明の第3の態様に係る水素製造装置は、第1又は第2の態様の水素製造装置に関し、水素製造用触媒の誘電損失係数は、反応管を形成する材料の誘電損失係数よりも大きい。
本発明に係る水素製造装置は、従来の装置と比較し、簡易な方法で水素ガスを製造することができる。
本発明の実施形態に係る水素製造装置の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る水素製造装置の一例を示す断面図である。 図3(a)は、本発明の実施形態に係る水素製造装置にループアンテナを設けた場合の一例を示す断面図である。図3(b)は、本発明の実施形態に係る水素製造装置にループアンテナを設けた場合の別の例を示す断面図である。図3(c)は、本発明の実施形態に係る水素製造装置にモノポールアンテナを設けた場合の一例を示す断面図である。図3(d)は、本発明の実施形態に係る水素製造装置にモノポールアンテナを設けた場合の別の例を示す断面図である。 図4(a)は、TM010モードで共振した場合の電界分布を円筒空胴共振器の軸方向から見た断面図である。図4(b)は、TM010モードで共振した場合の電界分布を円筒空胴共振器の円周方向から見た断面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る水素製造装置について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本実施形態に係る水素製造装置の一例を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る水素製造装置の一例を示す断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態の水素製造装置1は、マイクロ波照射装置2と、円筒空胴共振器3と、反応管4と、水素製造用触媒5と、を備える。このように、本実施形態の水素製造装置1は、マイクロ波を用いて加熱しているため、電気炉などを用いて加熱した場合と比較し、加熱の応答性が早い。
そして、本実施形態の円筒空胴共振器3は、マイクロ波照射装置2から発振されるマイクロ波をTM0n0モード(nは1以上の整数)で共振させる。そのため、円筒空胴共振器3内の電界強度は、円筒空胴共振器3内の所定の位置に、軸方向に延びる電界強度の極大値が一定となるように分布する。
さらに、本実施形態においては、反応管4が、円筒空胴共振器3内の電界強度が極大となる位置に、円筒空胴共振器3の軸方向と平行に貫通して配置され、アンモニアガスを通過させる。さらに、本実施形態においては、水素製造用触媒5が、反応管4内に充填され、アンモニアガスを分解して水素ガスを製造する。したがって、水素製造用触媒5が均一に効率よく水素製造用触媒5を加熱して、水素ガスを製造することができる。そのため、本実施形態の水素製造装置1は、機械的な調整が必要なく、簡易な操作で水素ガスを製造することができる。以下において、各構成要素の説明を行う。
本実施形態の水素製造装置1は、マイクロ波照射装置2を備え、マイクロ波はマイクロ波照射装置2から発振される。マイクロ波照射装置2は、例えば図2のように、マイクロ波発振器21と、マイクロ波増幅器22と、インピーダンス整合器23と、を含有する。
マイクロ波発振器21は、所定の波長を有するマイクロ波を発振させる。マイクロ波照射装置2から発振されるマイクロ波の波長は、特に限定されず、例えば0.3GHz〜3000GHzの波長を使用することができる。マイクロ波の波長は、0.9GHz〜26GHzであることが好ましく、工業的に使用が許可されているISMバンドとして工業的に使用が許可されている波長を使用することがより好ましい。
マイクロ波発振器21は、周波数が調整できるものに限定され、例えば電圧制御発振器(VCO:voltage controlled oscillator)や位相同期回路(PLL:Phase Lock Loop)などを用いることが出来る。
マイクロ波増幅器22は、マイクロ波発振器21から発振されたマイクロ波の出力を増幅する。マイクロ波増幅器22は、例えば、水素製造用触媒5の温度が300℃〜600℃となるように、マイクロ波の出力を増幅することができる。
インピーダンス整合器23は、円筒空胴共振器3から反射してくる反射波が最小となるように調整することができる。そのため、マイクロ波発振器21に戻る反射波を最小化することができ、マイクロ波発振器21の破損を防止することができる。なお、次に説明する円筒空胴共振器3や照射孔3dを調節して、反射波が入射波の50%以下となるように制御される場合には、インピーダンス整合器を省略することもできる。
マイクロ波照射装置2から発振されるマイクロ波は、円筒空胴共振器3に進入する。円筒空胴共振器3は、例えば、図2の左側に配置された円盤状の左底面3aと、左底面3aの右側に対向して配置された円盤状の右底面3bと、左底面3aと右底面3bとを横方向に連結する円筒形の側面3cと、から一体に形成することができる。マイクロ波照射装置2から発振されるマイクロ波は、例えば図2のように、円筒空胴共振器3の側面に形成された照射孔3dを通って、円筒空胴共振器3内に入射させることができる。照射孔3dの幅及び高さは、目的とするTM0n0モード(nは1以上の整数)で共振するよう調整すればよい。
マイクロ波照射装置2から発振されるマイクロ波は、導波管6や同軸ケーブル7などを介して円筒空胴共振器3内に入射させることができる。導波管6及び同軸ケーブル7は、円筒空胴共振器3内の照射孔3dを覆うように配置することができる。高周波のマイクロ波を高出力で伝送するという観点からは、導波管6を用いることが好ましい。導波管6の材質や形状や特に限定されないが、金属製の方形導波管や円形導波管を用いることが好ましい。
一方、水素製造装置1を小型にするという観点からは、同軸ケーブル7を介して、マイクロ波を円筒空胴共振器3内に直接入射させることが好ましい。同軸ケーブル7は、例えば、芯線と、芯線の外周を被覆する絶縁体と、絶縁体の外周を被覆する外部導体と、外部導体の外周を被覆するシースと、を備えることができる。同軸ケーブル7を用いた場合、本実施形態の水素製造装置1は、アンテナ8を備えることができる。アンテナ8は、例えば、図3(a)で示すようなループアンテナとすることができる。ループアンテナは、同軸ケーブル7を介して供給されたマイクロ波エネルギーから交番磁界を誘起することができる。ループアンテナは、同軸ケーブル7から伸張した芯線によりループを形成し、ループを形成した芯線は同軸ケーブルの外部導体に接続することができる。なお、この際、同軸ケーブル7は、照射孔3dを通過して、円筒空胴共振器3内に進入していてもよい。また、図3(b)で示すように、ループを形成した芯線は、同軸ケーブル7の外部導体に代えて、円筒空胴共振器3の壁面に接続することができる。なお、この際、円筒空胴共振器3の壁面はGNDに接地させる。
また、図3(c)及び図3(d)で示すように、アンテナ8は、ループアンテナに代えて、誘電結合によるモノポールアンテナとすることもできる。モノポールアンテナは、同軸ケーブル7を介して供給されたマイクロ波エネルギーから交番電界を誘起することができる。図3(c)の実施形態では、同軸ケーブル7は、反応管4に設けられた貫通孔に挿入され、同軸ケーブル7から伸張した芯線によりポールアンテナが形成されている。TM0n0モードで共振させる場合、エネルギー効率の観点より、モノポールアンテナは、円筒空胴共振器3の中心軸に沿って伸張していることが好ましい。なお、この際、同軸ケーブル7の外部導体を円筒空胴共振器3の壁面に接地し、円筒空胴共振器3の壁面はGNDに接地させる。
図3(d)の実施形態では、同軸ケーブル7は、円筒空胴共振器3の左底面3a又は右底面3bに設けられた貫通孔を通じて挿入され、同軸ケーブル7から伸張した芯線によりモノポールアンテナが形成されている。すなわち、モノポールアンテナは反応管4の外側に配置されている。モノポールアンテナをこのような配置とする場合、反応管4内の水素ガスの製造に支障をきたさないため好ましい。なお、この際、同軸ケーブル7の外部導体を円筒空胴共振器3の壁面に接続し、円筒空胴共振器3の壁面はGNDに接地させる。
照射孔3dを通って円筒空胴共振器3内に入射したマイクロ波は、照射孔3dと対向する円筒空胴共振器3の側面に衝突し、反射波となってはね返る。はね返った反射波は、円筒空胴共振器3内に入射したマイクロ波と重なることで、定在波を形成し、共振する。なお、TM0n0の定在波を形成する共振周波数は、以下の数式1により求めることができる。
上記数式1において、f010はTM010モードにおける共振周波数、cは光の速度、εは円筒空胴共振器3内の空間と、被照射物とを含む合成の比誘電率を示す。また、μは円筒空胴共振器3内の空間と、被照射物とを含む合成の比透磁率、rは円筒空胴共振器3の内寸の半径を示す。なお、ε及びμはマイクロ波の周波数や被照射体の温度によって変わるため、加熱中に逐次変化するものである。
本実施形態において、円筒空胴共振器3は、マイクロ波をTM0n0モード(nは1以上の整数)で共振させることができれば、特に限定されない。本実施形態においては、直方体空胴共振器などではなく円筒空胴共振器3を用い、かつ、マイクロ波をTE0n0モード(nは1以上の整数)などではなく、TM0n0モード(nは1以上の整数)で共振させている。そのため、機械的な操作をしなくても、円筒空胴共振器3内の電界強度は、円筒空胴共振器3の中心軸において最も強く、かつ、軸方向において一定となる。なお、円筒空胴共振器3内の電界分布は、中心軸から円周方向に離れるに従って電界強度が小さくなる。
しかし、例えば図4(a)及び図4(b)に示すようなTM010モードの場合、電界強度の変化は比較的緩やかであるため、円周方向に対しても均一な加熱ができる。そのため、均一な加熱という観点においては、円筒空胴共振器3は、マイクロ波をTM010モードで共振させることが好ましい。一方、TM020モードやTM030モードの場合、円周方向における電界強度の変化は大きいものの、TM010モードと比較し、中心軸における電界強度の値が大きい。ただし、TM020モードやTM030モードの場合、増加したnの波長の分だけ、円筒空胴共振器3の径を大きくする必要がある。そのため、水素製造装置1を小型化するという観点においても、円筒空胴共振器3は、マイクロ波をTM010モードで共振させることが好ましい。
反応管4は、円筒空胴共振器3内の電界強度が極大となる位置に、円筒空胴共振器3の軸方向と平行に貫通して配置され、アンモニアガスを通過させる。なお、円筒空胴共振器3の軸方向とは、円周方向に対して垂直方向をいう。そして、水素製造用触媒5は、反応管4内に充填され、アンモニアガスを分解して水素ガスを製造する。例えば、図2の実施形態においては、左端からアンモニアガスが供給され、反応管4内に充填された水素製造用触媒5を通過してアンモニアが分解され、右端から水素ガスが排出されている。このように、反応管4は、円筒空胴共振器3内の電界強度が極大となる位置に、円筒空胴共振器3の軸方向と平行に貫通して配置されているため、反応管4内に充填された水素製造用触媒5が集中して均一に加熱される。なお、上述の通り、TM0n0モード(nは1以上の整数)の電界強度は、円筒空胴共振器3の中心軸における電界強度の値が大きいため、反応管4は、円筒空胴共振器3の中心軸に沿って配置されること好ましい。なお、ここで、円筒空胴共振器3の中心軸とは、円筒空胴共振器3の円の中心を通り、円周方向に対して垂直方向に延びる軸をいう。
反応管4の形状は、特に限定されないが、円筒空胴共振器3の軸方向に沿って延在する筒状の管とすることができる。反応管4の内径は、特に限定されないが、4mm〜40mmであることが好ましい。反応管4の内径をこのような範囲とすることで、十分な量の水素ガスを製造することができ、反応管4内の電界強度のムラを抑制することができる。また、反応管4の厚みは、特に限定されないが、1mm〜10mmであることが好ましい。反応管4の厚みをこのような範囲とすることで、十分な強度を有し、かつ、誘電損失の少ない反応管4を得ることができる。ただし、反応管4が複数の材質より形成される場合は、この限りではない。
反応管4を形成する材料は、特に限定されないが、マイクロ波を透過しやすく、かつ、耐熱性の高い材料であることが好ましい。具体的には、反応管4を形成する材料としては、例えば、石英ガラス、アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、マグネシアからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。すなわち、反応管4は、複数の材料より形成される複合材で構成することもできる。なお、反応管4の周囲は、断熱材で被覆されていてもよい。断熱材としては、例えば、マイクロ波を透過しやすいアルミナファイバーなどを用いることが好ましい。断熱の方法としては、対流伝熱や伝導伝熱を抑えるため、減圧した空間を設けることも有効である。この場合は、減圧した空間でプラズマが形成されないよう、減圧空間の圧力及び/又は大きさを調節することが好ましい。また、反応管4の損傷を抑制するため、グラスファイバーなどの補強材又はスポンジなどのクッション材で反応管4を被覆し、反応管4を保護することが好ましい。
本実施形態においては、水素を製造する燃料として、気体であるアンモニアガスを用いている。そのため、水素製造用触媒5を、反応管4内に充填した場合であっても、燃料に液体を用いた場合のように圧力損失が生じにくく、かつ、水素製造用触媒5とアンモニアガスとの接触面積が大きくなるため、水素製造効率が高い。
アンモニアガスと水素製造用触媒5との接触面積を大きくするという観点から、反応管4の内部に収容された水素製造用触媒5は、軸方向(左右方向)に沿って細長く延びて反応管4内に充填されていることが好ましい。具体的には、充填された水素製造用触媒5の軸方向の長さ寸法は、直径寸法よりも長くなっていることが好ましいが、特に限定されない。特に、本実施形態においては、円筒空胴共振器3をTM0n0モード(nは1以上の整数)で共振させているため、円筒空胴共振器3内の軸方向における電界強度が極大かつ一定となっている。そのため、水素製造用触媒5を、円筒空胴共振器3の軸方向に沿って細長く延びて配置させても、集中して均一に加熱することができ、アンモニアガスを、長距離にわたって加熱された水素製造用触媒5と接触させることができる。したがって、水素ガスの製造効率を向上させることができる。また、反応管の形状は、直管に限らず、円筒空胴共振器3の内部だけ、反応管の内径が太くなるものも用いることができる。これは、円筒空胴共振器3の開口部分を小さくすることで、マイクロ波の漏洩を抑制する効果と、触媒充填量を増加させる効果が同時に期待できる。
水素製造用触媒5の誘電損失係数は、反応管4を形成する材料の誘電損失係数よりも大きいことが好ましい。このようにすることで、マイクロ波による水素製造用触媒5の加熱効率を向上させることができるためである。なお、誘電損失係数は、室温から600℃の範囲で、照射するマイクロ波周波数における測定値を用いることが好ましい。ただし、誘電損失係数は、照射するマイクロ波の周波数、被照射物の温度によって変化する値であるため、設計上、便宜的に25℃において、2450MHzの値を用いることもできる。なお、誘電損失係数は、例えば、空胴共振器法などにより測定することができる。
水素製造用触媒5は、金属粒子と、金属粒子を担持する担体と、を含有することができる。水素製造用触媒5に用いられる金属粒子としては、例えば、貴金属及び遷移金属の少なくともいずれか一方を用いることができる。貴金属としては、例えば、白金、ルテニウム、パラジウム及びロジウムからなる群より選択される少なくとも1つを挙げることができる。遷移金属としては、コバルト、ニッケル、鉄、タングステン、モリブデン、バナジウム、クロム、マンガン及び銅からなる群より選択される少なくとも1つを挙げることができる。また、遷移金属の中でも、水素製造効率が高いため、コバルト、ニッケル及び鉄からなる群より選択される少なくとも1つであることがさらに好ましい。なお、本実施形態においては、貴金属を用いなくても低温域で触媒反応を行うことができるため、金属粒子としては貴金属を含まず、遷移金属のみを含有させることができる。また、金属粒子は、アンモニアや水素などにより、表面が金属状態まで還元させてから使用することが好ましい。
水素製造用触媒5に用いられる担体としては、例えば、酸化アルミニウム(γ−Al)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、イットリア安定ジルコニア(YSZ)、NaY型ゼオライト、超安定化Y型ゼオライト(USY型ゼオライト)、ルチル型酸化チタン(ルチル型TiO)、アナターゼ型酸化チタン(アナターゼ型TiO)、及びルチル−アナターゼ混晶型酸化チタン(P25TiO)からなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物を用いることができる。なお、担体は、マイクロ波の照射で加熱しやすいため、酸化アルミニウム、イットリア安定ジルコニア及びNaY型ゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の多孔質酸化物である事が好ましい。
担体への金属粒子の担持量は、担体と金属粒子との合計量を100質量%としたときに、金属粒子が0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることがさらに好ましい。担体への金属粒子の担持量が、上記範囲内にあると、水素製造用触媒5がマイクロ波の照射で加熱しやすいためである。
水素製造用触媒5には、例えば、マイクロ波の誘電損失係数が小さい炭化ケイ素などの加熱助剤を添加し、水素製造用触媒混合物とすることができる。加熱助剤を用いることで、金属粒子や担体の加熱効率が不十分な場合であっても、水素製造用触媒5を所望の到達温度とすることができる。水素製造用触媒混合物に用いられる加熱助剤の添加量は、水素製造用触媒5の合計100質量%に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく。1〜15質量%とすることがさらに好ましい。加熱助剤の添加量をこのような範囲とすることにより、必要なマイクロ波出力を低下させ、かつ、水素製造用触媒5の触媒効果を高くすることができる。
本実施形態の水素製造装置1は、円筒空胴共振器3内の電界が安定に保たれるよう、電磁界強度検出器9と、図示しない周波数制御ユニットと、を備えることが好ましい。円筒空胴共振器3の共振周波数は、水素製造用触媒5などの被照射体の誘電損失係数、量、形状等によって変化する場合があり、マイクロ波の周波数を制御することで、円筒空胴共振器3の共振状態を安定に保持することができるためである。
電磁界強度検出器9は、円筒空胴共振器3内の電界強度及び/又は磁界強度を検出することができる。電磁界強度検出器9は、例えば図2のように、円筒空胴共振器3の側面3cに設置することができる。周波数制御ユニットは、例えば、電磁界強度検出器9から送られてきた電界強度及び/又は磁界強度の情報より、適切なマイクロ波周波数を再計算し、マイクロ波発振器21から発振されるマイクロ波の発振周波数を制御することができる。
本実施形態の水素製造装置1は、水素製造用触媒5の温度が最適となるよう、温度検出器10と、図示しない出力制御手段と、を備えることが好ましい。水素製造用触媒5によっては、加熱温度によって、水素製造用触媒5の状態が変化し、アンモニアガスの分解効率が変わることがあるためである。
温度検出器10は、水素製造用触媒5の温度を検出することができる。温度検出器10は、例えば図2のように、円筒空胴共振器3の側面3cに設置することができる。温度検出器10としては、例えば、放射温度計などの非接触温度計を用いることができる。出力制御ユニットは、例えば、温度検出器10から送られてきた温度情報より、適切なマイクロ波出力を再計算し、マイクロ波増幅器22から発振されるマイクロ波の出力を制御することができる。なお、この場合の照射方法は、連続的又はパルス的に制御されることが好ましい。
以上、本発明を実施例及び比較例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 水素製造装置
2 マイクロ波照射装置
3 円筒空胴共振器
4 反応管
5 水素製造用触媒

Claims (3)

  1. マイクロ波照射装置と、
    マイクロ波照射装置から発振されるマイクロ波をTM0n0モード(nは1以上の整数)で共振させる円筒空胴共振器と、
    前記円筒空胴共振器内の電界強度が極大となる位置に、前記円筒空胴共振器の軸方向と平行に貫通して配置され、アンモニアガスを通過させる反応管と、
    前記反応管内に充填され、アンモニアガスを分解して水素ガスを製造する水素製造用触媒と、を備える水素製造装置。
  2. 前記円筒空胴共振器は、前記マイクロ波をTM010モードで共振させる請求項1に記載の水素製造装置。
  3. 前記水素製造用触媒の誘電損失係数は、前記反応管を形成する材料の誘電損失係数よりも大きい請求項1又は2に記載の水素製造装置。
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