JP2018020522A - 透明樹脂積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] ポリカーボネート樹脂を主成分とするポリカーボネート系樹脂(A)シートの少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂(B)が積層されてなる樹脂積層体であって、
熱可塑性樹脂(B)が、
芳香族ビニル単量体単位を5〜25質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を3〜18質量%、アクリル化合物単量体単位を57〜92質量%を含む共重合体(b)であり、
ポリカーボネート系樹脂(A)の層と熱可塑性樹脂(B)の層の総厚が700μm以上であり、
ポリカーボネート系樹脂(A)の層と熱可塑性樹脂(B)の層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)の層の厚みの割合が0.1〜25%である、樹脂積層体である。
[2]共重合体(b)に含まれる不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が、無水マレイン酸である、上記[1]に記載の樹脂積層体である。
[3]共重合体(b)に含まれるアクリル化合物単量体単位が、(メタ)アクリル酸エステルである、上記[1]または[2]に記載の樹脂積層体である。
[4]共重合体(b)に含まれる芳香族ビニル単量体単位が、スチレンである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂積層体である。
[5]共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)が50,000〜250,000である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂積層体である。
[6]ポリカーボネート系樹脂(A)の重量平均分子量が25,000〜75,000である、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂積層体である。
[7]樹脂積層体の全光線透過率が75%以上であり、Hazeが10%以下である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂積層体である。
[8]熱可塑性樹脂(B)の層およびポリカーボネート系樹脂(A)の層の少なくとも一方が紫外線吸収剤を含有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂積層体である。
[9]熱可塑性樹脂(B)の層の表面にハードコート層をさらに備える、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂積層体である。
[10]樹脂積層体の片面または両面に、耐指紋処理、反射防止処理、防眩処理、耐候性処理、帯電防止処理および防汚処理のいずれか一つ以上が施されてなる、[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂積層体である。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂積層体を含む透明基板材料である。
[12]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂積層体を含む透明保護材料である。
[13]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂積層体を含むタッチパネル前面保護板である。
[14]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂積層体を含む、OA機器用または携帯電子機器用の前面板である。
本発明に使用されるポリカーボネート系樹脂(A)はポリカーボネート樹脂を主成分とするポリカーボネート系樹脂である。ここで、「ポリカーボネート樹脂を主成分とする」とは、ポリカーボネート樹脂の含有量が50質量%を超えることを意味する。ポリカーボネート系樹脂(A)は、75質量%以上のポリカーボネート樹脂を含んでいるのが好ましく、90質量%以上のポリカーボネート樹脂を含んでいるのがより好ましく、実質的にポリカーボネート樹脂からなるのがさらに好ましい。ポリカーボネート系樹脂(A)は分子主鎖中に炭酸エステル結合を含む。即ち、−[O−R−OCO]−単位(式中、Rが脂肪族基、芳香族基、又は脂肪族基と芳香族基の双方を含むもの、さらに直鎖構造あるいは分岐構造を持つものを示す)を含むものであれば特に限定されるものではないが、特に下記式[1]の構造単位を含むポリカーボネートを使用することが好ましい。このようなポリカーボネートを使用することで、耐衝撃性に優れた樹脂積層体を得ることができる。
R2〜R5はそれぞれ水素、ハロゲン、又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数6〜12のアリール基を表し、置換基は、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)
一例として、R1の炭素数が36以下であれば、ポリカーボネート樹脂を製造するにあたって生産性が高く、経済性も良い。R1の炭素数が22以下であれば、1価フェノールは、特に有機溶剤溶解性に優れており、ポリカーボネート樹脂を製造するにあたって生産性を非常に高くすることができ、経済性も向上する。
一般式[2]又は一般式[3]におけるR1の炭素数が小さすぎると、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が十分に低い値とはならず、熱成形性が低下することがある。
例えば、主成分であるエチレングリコール80〜60(モル比率)に対して1,4−シクロヘキサンジメタノールを20〜40(モル比率、合計100)含むグリコール成分とが重縮合してなるポリエステル系樹脂、所謂「PETG」が好ましい。また、ポリカーボネート系樹脂(A)には、エステル結合とカーボネート結合をポリマー骨格中に有するポリエステルカーボネート系樹脂が含まれていてもよい。
ポリカーボネート系樹脂(A)の重量平均分子量は、特開2007−179018号公報の段落0061〜0064の記載に基づいて測定することができる。測定法の詳細を以下に示す。
(重量平均分子量)
Mw=Σ(NiMi2)/Σ(NiMi)
(換算式)
MPC=0.47822MPS1.01470
なお、MPCはPCの分子量、MPSはPSの分子量を示す。
本発明に使用される熱可塑性樹脂(B)は、後述の共重合体(b)である。共重合体(b)の構成要素について以下に説明する。
本発明による熱可塑性樹脂(B)は芳香族ビニル単量体単位を5〜25質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を3〜18質量%、アクリル化合物単量体単位を57〜92質量%を含む共重合体(b)である。
本発明の合成樹脂積層体の製造方法は、特に限定されない。例えば、個別に形成した熱可塑性樹脂層(B)と、ポリカーボネート系樹脂層(A)とを積層して両者を加熱圧着する方法、個別に形成した熱可塑性樹脂層(B)とポリカーボネート系樹脂層(A)とを積層して、両者を接着剤によって接着する方法、熱可塑性樹脂(B)層とポリカーボネート系樹脂(A)層とを共押出成形する方法、予め形成しておいた熱可塑性樹脂(B)層を用いて、ポリカーボネート系樹脂(A)をインモールド成形して一体化する方法、などの各種方法があるが、製造コストや生産性の観点からは、共押出成形する方法が好ましい。
本発明の樹脂積層体は、ポリカーボネート樹脂を主成分とするポリカーボネート系樹脂(A)シートの少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂(B)が積層されてなる樹脂積層体である。
本発明において、基材層を形成するポリカーボネート系樹脂(A)および/または表層を形成する熱可塑性樹脂(B)には、上述の主たる成分以外の成分を含めることができる。
本発明において、熱可塑性樹脂(B)層の表面、またはポリカーボネート系樹脂(A)層の表面にハードコート処理を施してもよい。例えば、熱エネルギーおよび/または光エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料を用いるハードコート処理によりハードコート層を形成する。熱エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料としては、例えば、ポリオルガノシロキサン系、架橋型アクリル系などの熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。また、光エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料としては、例えば、1官能および/または多官能であるアクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーからなる樹脂組成物に光重合開始剤が加えられた光硬化性樹脂組成物などが挙げられる。
樹脂積層体の試験片を10cm×6cm四方に切り出した。試験片を2点支持型のホルダーにセットして温度23℃、相対湿度50%に設定した環境試験機に24時間以上投入して状態調整した後、反りを測定した。このときの値を処理前反り量の値とした。次に試験片をホルダーにセットして温度85℃、相対湿度85%に設定した環境試験機の中に投入し、その状態で120時間保持した。さらに温度23℃、相対湿度50%に設定した環境試験機の中にホルダーごと移動し、その状態で4時間保持後に再度反りを測定した。このときの値を処理後反り量の値とした。反りの測定には、電動ステージ具備の3次元形状測定機を使用し、取り出した試験片を上に凸の状態で水平に静置し、1mm間隔でスキャンし、中央部の盛り上がりを反りとして計測した。処理前後の反り量の差の絶対値、すなわち|(処理後反り量)−(処理前反り量)|を反り変化量として評価した。その際、反り変化量が700μmを超えると、肉眼でも反りが認識できるようになる場合があるため、下記の基準で反り試験の合否判定を行った。
○(合格):樹脂積層体の反り変化量≦700μm
×(不合格):上記の範囲以外
JIS K 5600−5−4に準拠し、表面に対して角度45度、荷重750gで熱可塑性樹脂(B)層表面に硬度の低い方から順番に鉛筆を押し付け、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を鉛筆硬度として評価した。鉛筆硬度は、ランクが低い順に、2B、B、HB、F、H、2H、3Hおよび4Hで示される。下記の基準で鉛筆引っかき硬度試験の合否判定を行い、△以上を合格とした。
○:熱可塑性樹脂(B)表面の鉛筆硬度が2H以上
△:熱可塑性樹脂(B)表面の鉛筆硬度がH
×:熱可塑性樹脂(B)表面の鉛筆硬度がH未満
樹脂積層体の試験片を8cm×8cm四方に切り出して、試験片の熱可塑性樹脂(B)層を上面にして、両面を直径6cmの円の穴が開いた治具に支持した。円の中心に重さ40gの砲金製4mmR半球状の弾丸を10cmの高さから落とし、試験片が破断するまで10cmずつ高さを上げて試験した。そして、破断しない最大高さを耐衝撃性として評価した。下記の基準で耐衝撃性の合否の判定を行った。
○(合格):破断しない最大高さが60cm以上
×(不合格):上記の範囲以外
反射・透過率計HR−100型(株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて樹脂積層体の全光線透過率をJIS K7361−1に準じて測定し、下記の基準で全光線透過率試験の合否判定を行った。
○(合格):樹脂積層体の全光線透過率≧75%
×(不合格):上記の範囲以外
反射・透過率計HR−100型(株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて樹脂積層体のHazeをJIS K7136に準じて測定し、下記の基準でHaze試験の合否判定を行った。
○(合格):樹脂積層体のHaze≦30%
×(不合格):上記の範囲以外
ポリカーボネート系樹脂(A)、共重合体(b)について、下記に示す材料を例示するが、これらに限定されるわけではない。
A−1:ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製ユーピロンE−2000、重量平均分子量:34,000
b1−1:アクリル樹脂:旭化成ケミカルズ株式会社製アクリル樹脂 デルペット980N(スチレン:無水マレイン酸:MMAの質量比=16:8:76、重量平均分子量:133,000)
b1−2:アクリル樹脂:ダイセル・エボニック株式会社製アクリル樹脂 PLEXIGLAS hw55(スチレン:無水マレイン酸:MMAの質量比=15:9:76、重量平均分子量:141,000)
d1−1:アクリル樹脂:株式会社クラレ製メチルメタクリレート樹脂 パラペットHR−L(スチレン:無水マレイン酸:MMAの質量比=0:0:100、重量平均分子量:90,000)
共重合体(b)としてのデルペット980N(b1−1)を100質量部に対して、リン系添加剤PEP−36(株式会社ADEKA製) 0.05質量%、およびステアリン酸モノグリセリド(製品名:H−100、理研ビタミン株式会社製) 0.2質量%、酸化防止剤2,6−ジ−ターシャリーブチル−クレゾール(製品名:K−NOX、共同薬品株式会社製) 0.1質量%、紫外線吸収剤Tinuvin1600(BASFジャパン株式会社製) 0.7質量%を加え、ブレンダーで20分混合後、スクリュー径26mmの2軸押出機(東芝機械株式会社製、TEM−26SS、L/D≒40)を用い、シリンダー温度240℃で溶融混錬して、ストランド状に押出してペレタイザーでペレット化した。ペレットは安定して製造できた。
共重合体(b)としてのPLEXIGLAS hw55(b1−2)を100質量部に対して、リン系添加剤PEP−36 0.05質量%、およびステアリン酸モノグリセリド 0.2質量%、酸化防止剤2,6−ジ−ターシャリーブチル−クレゾール 0.1質量%、紫外線吸収剤Tinuvin1600 0.7質量%を加え、製造例1と同様に混合、ペレット化を行った。ペレットは安定して製造できた。
パラペットHR−L(d1−1)を100質量部に対して、リン系添加剤PEP−36 0.05質量%、およびステアリン酸モノグリセリド 0.2質量%、酸化防止剤2,6−ジ−ターシャリーブチル−クレゾール 0.1質量%、紫外線吸収剤Tinuvin1600 0.7質量%を加え、製造例1と同様に混合、ペレット化を行った。ペレットは安定して製造できた。
軸径32mmの単軸押出機と、軸径65mmの単軸押出機と、全押出機に連結されたフィードブロックと、フィードブロックに連結されたTダイとを有する多層押出機に各押出機と連結したマルチマニホールドダイとを有する多層押出装置を用いて樹脂積層体を成形した。軸径32mmの単軸押出機に製造例1で得た樹脂(B11)を連続的に導入し、シリンダー温度240℃、吐出量を2.1kg/hの条件で押し出した。また軸径65mmの単軸押出機にポリカーボネート樹脂(A−1)(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、製品名:ユーピロンE−2000、重量平均分子量:34,000)を連続的に導入し、シリンダー温度280℃、吐出量を30.0kg/hで押し出した。全押出機に連結されたフィードブロックは2種2層の分配ピンを備え、温度270℃にして(B11)と(A−1)を導入し積層した。その先に連結された温度270℃のTダイでシート状に押し出し、上流側から温度130℃、140℃、180℃とした3本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、ライン速度0.8m/minにし、(B11)と(A−1)の積層体(E11)を得た。得られた積層体(E11)の全体厚みは1000μm、B11から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は6.0%であった。積層体(E11)の高温高湿環境下の反り変化量は283μmで合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは100cmで合格であり、全光線透過率は91.4%で合格であり、Hazeは0.2%で合格であり、総合判定で合格であった。
樹脂(B11)の吐出量を3.5kg/h、ポリカーボネート樹脂(A−1)の吐出量を28.6kg/h、ライン速度0.8m/minとした以外は積層体(E11)と同様な成形条件で積層体(E12)を得た。積層体(E12)の全体厚みは1000μm、B11から成る層の厚みは中央付近で100μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は10.0%であった。積層体(E12)の高温高湿環境下の反り変化量は425μmで合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは80cmで合格であり、全光線透過率は91.4%で合格であり、Hazeは0.2%で合格であり、総合判定で合格であった。
樹脂(B11)の吐出量を2.4kg/h、ポリカーボネート樹脂(A−1)の吐出量を29.7kg/h、ライン速度1.0m/minとした以外は積層体(E11)と同様な成形条件で積層体(E13)を得た。積層体(E13)の全体厚みは800μm、B11から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は7.5%であった。積層体(E13)の高温高湿環境下の反り変化量は537μmで合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは70cmで合格であり、全光線透過率は91.4%で合格であり、Hazeは0.1%で合格であり、総合判定で合格であった。
樹脂(B11)の代わりに樹脂(B12)を使用した以外は、実施例1と同様にして(B12)と(A−1)の積層体(E14)を得た。積層体(E14)の全体厚みは1000μm、B12から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は6.0%であった。積層体(E14)の高温高湿環境下の反り変化量は268μmで合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは100cmで合格であり、全光線透過率は91.2%で合格であり、Hazeは0.3%で合格であり、総合判定で合格であった。
樹脂(B11)の代わりに樹脂(B12)を使用した以外は、実施例2と同様にして(B12)と(A−1)の積層体(E15)を得た。積層体(E15)の全体厚みは1000μm、B12から成る層の厚みは中央付近で100μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は10.0%であった。積層体(E15)の高温高湿環境下の反り変化量は397μmで合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは80cmで合格であり、全光線透過率は91.2%で合格であり、Hazeは0.3%で合格であり、総合判定で合格であった。
樹脂(B11)の代わりに樹脂(B12)を使用した以外は、実施例3と同様にして(B12)と(A−1)の積層体(E16)を得た。積層体(E16)の全体厚みは800μm、B12から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は7.5%であった。積層体(E15)の高温高湿環境下の反り変化量は502μmで合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは70cmで合格であり、全光線透過率は91.2%で合格であり、Hazeは0.2%で合格であり、総合判定で合格であった。
樹脂(B11)の吐出量を0.4kg/h、ポリカーボネート樹脂(A−1)の吐出量を31.7kg/h、ライン速度0.8m/minとした以外は積層体(E11)と同様な成形条件で積層体(E17)を得た。積層体(E17)の全体厚みは1000μm、B11から成る層の厚みは中央付近で10μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は1.0%であった。積層体(E17)の高温高湿環境下の反り変化量は109μmで合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度はHで合格であり、破断しない最大高さは130cmで合格であり、全光線透過率は91.4%で合格であり、Hazeは0.2%で合格であり、総合判定で合格であった。
樹脂(B11)の代わりに樹脂(D11)を使用した以外は、実施例1と同様にして(D11)と(A−1)の積層体(F11)を得た。積層体(F11)の全体厚みは1000μm、D11から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は6.0%であった。積層体(F11)の高温高湿環境下の反り変化量は906μmで不合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは100cmで合格であり、全光線透過率は91.6%で合格であり、Hazeは0.1%で合格であり、総合判定で不合格であった。
樹脂(B11)の代わりに樹脂(D11)を使用した以外は、実施例2と同様にして(D11)と(A−1)の積層体(F12)を得た。積層体(F12)の全体厚みは1000μm、D11から成る層の厚みは中央付近で100μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は10.0%であった。積層体(F12)の高温高湿環境下の反り変化量は1157μmで不合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは80cmで合格であり、全光線透過率は91.6%で合格であり、Hazeは0.1%で合格であり、総合判定で不合格であった。
樹脂(B11)の代わりに樹脂(D11)を使用した以外は、実施例3と同様にして(D11)と(A−1)の積層体(F13)を得た。積層体(F13)の全体厚みは800μm、D11から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は7.5%であった。積層体(F13)の高温高湿環境下の反り変化量は1491μmで不合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは70cmで不合格であり、全光線透過率は91.6%で合格であり、Hazeは0.1%で合格であり、総合判定で不合格であった。
樹脂(D11)の吐出量を3.8kg/h、ポリカーボネート樹脂(A−1)の吐出量を28.6kg/h、ライン速度1.6m/minとした以外は積層体(E11)と同様な成形条件で積層体(F14)を得た。積層体(F14)の全体厚みは500μm、D11から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は12.0%であった。積層体(F14)の高温高湿環境下の反り変化量は1959μmで不合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは30cmで不合格であり、全光線透過率は91.6%で合格であり、Hazeは0.1%で合格であり、総合判定で不合格であった。
樹脂(D11)の代わりに樹脂(B11)を使用した以外は、比較例4と同様にして(B11)と(A−1)の積層体(F15)を得た。積層体(F15)の全体厚みは500μm、B11から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は12.0%であった。積層体(F15)の高温高湿環境下の反り変化量は944μmで不合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは30cmで不合格であり、全光線透過率は91.4%で合格であり、Hazeは0.1%で合格であり、総合判定で不合格であった。
樹脂(D11)の代わりに樹脂(B12)を使用した以外は、比較例4と同様にして(B12)と(A−1)の積層体(F16)を得た。積層体(F16)の全体厚みは500μm、B12から成る層の厚みは中央付近で60μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は12.0%であった。積層体(F16)の高温高湿環境下の反り変化量は875μmで不合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は2Hで合格であり、破断しない最大高さは30cmで不合格であり、全光線透過率は91.2%で合格であり、Hazeは0.2%で合格であり、総合判定で不合格であった。
樹脂(B11)の吐出量を10.5kg/h、ポリカーボネート樹脂(A−1)の吐出量を21.6kg/h、ライン速度0.8m/minとした以外は積層体(E11)と同様な成形条件で積層体(F17)を得た。積層体(F17)の全体厚みは1000μm、B11から成る層の厚みは中央付近で300μmであり、(B)層と(A)層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)層の厚みの割合は30.0%であった。積層体(F17)の高温高湿環境下の反り変化量は1528μmで不合格であり、熱可塑性樹脂(B)の鉛筆硬度は3Hで合格であり、破断しない最大高さは50cmで不合格であり、全光線透過率は91.4%で合格であり、Hazeは0.2%で合格であり、総合判定で不合格であった。
しかし、所定の組成比の芳香族ビニル単量体単位、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位およびアクリル化合物単量体単位の共重合体を熱可塑性樹脂に用いた積層体であっても、ポリカーボネート系樹脂層と熱可塑性樹脂層の総厚が薄い積層体(比較例5〜6)や総厚に対する熱可塑性樹脂層の厚みの割合が高い積層体(比較例7)は高温高湿環境下の反り変化量の抑制ができていない。
このように本発明による積層体は、従来のアクリル樹脂とポリカーボネートの積層体の高温高湿環境下の反り変化量を抑制することができる。
Claims (14)
- ポリカーボネート樹脂を主成分とするポリカーボネート系樹脂(A)シートの少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂(B)が積層されてなる樹脂積層体であって、
熱可塑性樹脂(B)が、
芳香族ビニル単量体単位を5〜25質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を3〜18質量%、アクリル化合物単量体単位を57〜92質量%を含む共重合体(b)であり、
ポリカーボネート系樹脂(A)の層と熱可塑性樹脂(B)の層の総厚が700μm以上であり、
ポリカーボネート系樹脂(A)の層と熱可塑性樹脂(B)の層の総厚に対する熱可塑性樹脂(B)の層の厚みの割合が0.1〜25%である、樹脂積層体。 - 共重合体(b)に含まれる不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が、無水マレイン酸である、請求項1に記載の樹脂積層体。
- 共重合体(b)に含まれるアクリル化合物単量体単位が、(メタ)アクリル酸エステルである、請求項1または2に記載の樹脂積層体。
- 共重合体(b)に含まれる芳香族ビニル単量体単位が、スチレンである、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂積層体。
- 共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)が50,000〜250,000である、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体。
- ポリカーボネート系樹脂(A)の重量平均分子量が25,000〜75,000である、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂積層体。
- 樹脂積層体の全光線透過率が75%以上であり、Hazeが10%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂積層体。
- 熱可塑性樹脂(B)の層およびポリカーボネート系樹脂(A)の層の少なくとも一方が紫外線吸収剤を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂積層体。
- 熱可塑性樹脂(B)の層の表面にハードコート層をさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂積層体。
- 樹脂積層体の片面または両面に、耐指紋処理、反射防止処理、防眩処理、耐候性処理、帯電防止処理および防汚処理のいずれか一つ以上が施されてなる、請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂積層体。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂積層体を含む透明基板材料。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂積層体を含む透明保護材料。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂積層体を含むタッチパネル前面保護板。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂積層体を含む、OA機器用または携帯電子機器用の前面板。
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