JP2018016891A - 銀粉の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を表面に有する銀粉である。分子中炭素数が12より大きいアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を表面に有する銀粉である。銀粉を300℃で加熱してガスクロマト質量分析装置を用いて分析することにより、銀粉の表面より脱離した成分に少なくともアルケニルコハク酸無水物が含まれる銀粉である。
【選択図】なし
Description
このような導電性ペースト用の銀粉として、凝集の発生が少なく、分散性に優れたものを得るため、ステアリン酸やオレイン酸等のカルボン酸を表面に有する銀粉が提案されている(例えば、特許文献1および2等参照)。
また、銀を含む水溶液に還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後、コハク酸、アジピン酸等の多価カルボン酸を添加して表面処理を行う方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
<1> アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を表面に有することを特徴とする銀粉である。
<2> 前記アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸が、テトラプロペニルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ペンタデセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、テトラプロペニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸、ヘキサデセニルコハク酸、およびオクタデセニルコハク酸から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の銀粉である。
<3> 分子中炭素数が12より大きいアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を表面に有することを特徴とする銀粉である。
<4> 前記分子中炭素数が12より大きいアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸が、テトラプロペニルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ペンタデセニルコハク酸無水物、テトラプロペニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、およびペンタデセニルコハク酸から選択される少なくとも1種である前記<3>に記載の銀粉である。
<5> 銀粉を300℃で加熱してガスクロマト質量分析装置を用いて分析することにより、銀粉の表面より脱離した成分に少なくともアルケニルコハク酸無水物が含まれることを特徴とする銀粉である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の銀粉を含有することを特徴とする導電性ペーストである。
<7> アルケニルコハク酸無水物を用いて表面処理を行う工程を少なくとも含むことを特徴とする銀粉の製造方法である。
<8> 銀を含む水溶液に還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後、アルケニルコハク酸無水物を添加して前記表面処理を行う前記<7>に記載の銀粉の製造方法である。
<9> アルケニルコハク酸を用いて表面処理を行う工程を少なくとも含むことを特徴とする銀粉の製造方法である。
<10> 銀を含む水溶液に還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後、アルケニルコハク酸の金属塩を添加して表面処理を行う工程を少なくとも含むことを特徴とする銀粉の製造方法である。
本発明の銀粉は、アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を表面に有してなり、さらに必要に応じてその他の成分を有してなる。
本発明の銀粉は、分子中炭素数が12より大きいアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を表面に有してなり、さらに必要に応じてその他の成分を有してなる。
本発明の銀粉は、銀粉を300℃で加熱してガスクロマト質量分析装置を用いて分析することにより、銀粉の表面より脱離した成分に少なくともアルケニルコハク酸無水物が含まれる。
前記銀粉は、後述する銀粉の製造方法で詳細に説明するように、湿式還元法により製造され、表面にアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を有する。
前記アルケニルコハク酸無水物は、水素原子の一つがアルケニル基により置換されたコハク酸無水物であり、コハク酸無水物(無水コハク酸)とは構造が異なる。前記コハク酸無水物は、コハク酸の分子内脱水縮合物であり、水と接触すると加水分解してコハク酸に戻り、アンモニアと反応してコハク酸イミドとなる。また、前記アルケニルコハク酸無水物は、アルケニル基(−CnH2n−1)を有するコハク酸無水物であり、アルキル基(−CnH2n+1)置換コハク酸と相違する。
前記コハク酸無水物と前記アルケニルコハク酸無水物とでは、銀粉表面への付着量が異なるため、銀粉の保存安定性(経時による凝集や塊の発生)に差が生じる。また、前記アルケニルコハク酸無水物は水と接触すると加水分解してアルケニルコハク酸となる。さらに、前記コハク酸無水物が銀粉表面に付着した場合には親水性となり、前記アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸が銀粉表面に付着した場合には疎水性となる。
R1は、炭素数5〜13の直鎖アルキル基が好ましく、炭素数7〜11がより好ましい。
R2は、水素原子、または炭素数1〜3の直鎖アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
なお、アルケニル基の二重結合の位置は、前記一般式(1)に限られるものではなく、異なる位置であっても構わない。
前記合成方法としては、例えば、オレフィンとマレイン酸無水物を加熱攪拌することにより合成することができる。
前記オレフィンとしては、例えば、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、またはこれらの内部異性化オレフィン、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。前記内部異性化オレフィンとは、α−オレフィン(二重結合の位置がオレフィンの1位と2位の炭素を結ぶ位置にあるオレフィン)ではなく、何らかの方法により二重結合がα−位より炭素鎖の内部に存在するオレフィンを意味する。
なお、前記アルケニルコハク酸無水物としては、それらの構造異性体でもよく、または、脂肪鎖の分岐鎖異性体の混合物でもよい。
前記分子中炭素数が12より大きいアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸としては、例えば、テトラプロペニルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ペンタデセニルコハク酸無水物、テトラプロペニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸などが挙げられる。前記アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸の分子中炭素数が12以下であると、銀粉表面への吸着と立体障害の観点から、保存安定性が悪化し凝集が進行してしまう。一方、脂肪酸分子中の炭素数が増えていくと保存安定性は優れるものの、熱分解温度が上昇し焼結性に影響を及ぼすことが本発明をなす過程でわかった。
前記アルケニルコハク酸無水物を水に分散させたエマルションとしてもよい。
前記アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸の銀粉表面への付着量は、銀の質量に対して、2.0質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上0.8質量%以下がさらに好ましい。
前記アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸の付着量が、2.0質量%を超えると、アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を表面に有する銀粉を含む導電性ペーストからなる導電膜の体積抵抗率が悪化してしまうことがある。
前記アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸の銀粉表面への付着量は、検量線を作成し、例えば、銀粉表面のアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸をパイロライザー(フロンティア・ラボ株式会社製のEGA/Py3030D)の使用または有機溶剤に抽出し、GC−MS(ガスクロマト質量分析計)により分析することができる。
前記銀粉の表面に付着する成分としては、アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸に限定されるわけではなく、その他の成分を含んでいてもよい。前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸以外の脂肪酸や脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属化合物、キレート剤、高分子分散剤などが挙げられる。
本発明の銀粉の製造方法は、アルケニルコハク酸無水物を用いて表面処理を行う工程を少なくとも含み、好ましくは、銀を含む水溶液に還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後、アルケニルコハク酸無水物を添加して表面処理を行うものであり、銀イオン分散液の調液工程と、銀の還元工程と、アルケニルコハク酸無水物の表面処理工程と、銀粉の洗浄工程と、銀粉の乾燥工程とを含むことが好ましく、さらに必要に応じてその他の工程を含んでなる。また、前記アルケニルコハク酸無水物に替えてアルケニルコハク酸を用いて表面処理を行う工程とすることもできる。
また、本発明の銀粉の製造方法は、銀を含む水溶液に還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後、アルケニルコハク酸の金属塩を添加して表面処理を行う工程を少なくとも含むこともできる。
前記銀イオン分散液の調液工程は、銀イオン分散液を調液する工程である。
銀イオンを含有する水性反応系としては、硝酸銀、銀錯体または銀中間体を含有する水溶液またはスラリーを使用することができる。
前記銀錯体を含有する水溶液は、硝酸銀水溶液または酸化銀懸濁液にアンモニア水またはアンモニウム塩を添加することにより生成することができる。これらの中でも、銀粉が適当な粒径と球状の形状を有するようにするためには、硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して得られる銀アンミン錯体水溶液を使用するのが好ましい。
前記銀アンミン錯体中におけるアンモニアの配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニア2モル以上を添加する。また、アンモニアの添加量が多過ぎると錯体が安定化し過ぎて還元が進み難くなるので、アンモニアの添加量は銀1モル当たりアンモニア8モル以下が好ましい。なお、還元剤の添加量を多くするなどの調整を行えば、アンモニアの添加量が8モルを超えても適当な粒径の球状銀粉を得ることは可能である。また、銀イオンを含有する水性反応系にpH調整剤を添加してもよい。前記pH調整剤としては、特に制限はなく、一般的な酸や塩基が使用することができ、例えば、硝酸、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
前記銀の還元工程は、還元剤により銀を還元析出する工程である。
前記還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜燐酸ナトリウム、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アスコルビン酸、アルカノールアミン、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジンおよびホルマリンから選択される少なくとも1種が好ましく、ヒドラジン、ホルマリンが特に好ましい。
前記還元剤の添加方法については、銀粉の凝集を防ぐために、1当量/分間以上の速さで添加することが好ましい。この理由は明確ではないが、前記還元剤を短時間で投入することで、銀粉の還元析出が一挙に生じて、短時間で還元反応が終了し、発生した核同士の凝集が生じ難いため、分散性が向上すると考えられる。したがって、還元剤の添加時間が短いほど好ましく、例えば、還元剤を100当量/分間以上の速さで添加してもよく、また、還元の際には、より短時間で反応が終了するように反応液を攪拌することが好ましい。また、還元反応時の液温は5℃以上80℃以下が好ましく、15℃以上40℃以下がより好ましい。
前記アルケニルコハク酸無水物の表面処理工程は、銀粉をアルケニルコハク酸無水物で表面処理する工程である。前記アルケニルコハク酸無水物の代わりに、アルケニルコハク酸無水物を加水分解するなどして得られたアルケニルコハク酸を用いて表面処理をする工程とすることもできる。アルケニルコハク酸無水物とアルケニルコハク酸の両方を添加してもよい。
前記アルケニルコハク酸無水物を水に分散させたエマルションとして添加してもよく、アルケニルコハク酸を金属塩として添加してもよい。
銀を含む水溶液に還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後、前記アルケニルコハク酸無水物を添加することで銀粉表面にアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸を付着することができる。表面処理する工程は上記に限らず、還元析出中に水溶液にアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸が存在するように添加してもよいが、銀粉を還元析出させた後に添加することがより好ましい。
前記アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸の添加量は、前記銀の質量に対して0.05質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上0.8質量%以下がさらに好ましい。なお、銀粉表面にアルケニルコハク酸無水物を付着させる過程において、結果的にアルケニルコハク酸無水物の誘導体としてアルケニルコハク酸イミドが部分的に生成する可能性もある。
前記銀粉の回収および洗浄工程は、得られた銀粉を回収し、洗浄する工程である。
得られた銀粉には、不純物が含有しているため洗浄することが好ましい。
前記洗浄に用いられる洗浄溶媒としては、純水が好適である。前記回収および洗浄の方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デカンテーションやフィルタープレスなどが挙げられる。前記洗浄の終点は、洗浄後の水の電気伝導度を用いて判断することができ、前記電気伝導度が0.5mS/m以下になるまで洗浄を実施するのが好適である。
前記銀粉の乾燥工程は、前記洗浄後の銀粉を乾燥する工程である。
洗浄後の銀粉は多くの水分を含有しているため、使用前に水分を除去する必要がある。
前記水分除去の方法としては、真空乾燥とするのが好適である。乾燥温度は100℃以下とするのが好適である。あまり熱をかけてしまうと乾燥の時点で銀粉同士が焼結してしまうため好ましくない。
得られた銀粉は、必要に応じて、乾式解砕工程や分級工程等のその他の工程を行うことができる。前記乾式解砕工程の代わりに、銀粉を機械的に流動化させることができる装置に銀粉を投入して、銀粉の粉同士を機械的に衝突させることによって、銀粉の表面の凹凸や角張った部分を滑らかにする表面平滑化処理を行ってもよい。また、解砕や平滑化処理の後に分級処理を行ってもよい。なお、乾燥、粉砕、および分級を行うことができる一体型の装置(例えば、株式会社ホソカワミクロン製のドライマイスタやミクロンドライヤなど)を用いて乾燥、粉砕、および分級を行ってもよい。
前記銀粉のBET比表面積は、Macsorb HM−model 1210(MOUNTECH社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定することができる。なお、前記BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間とした。
前記銀粉のBET比表面積は、0.1m2/g以上5.0m2/g以下が好ましく、0.3m2/g以上2.0m2/g以下がより好ましい。前記BET比表面積が、0.1m2/g未満であると、銀粉のサイズが大きくなり、微細配線の描画が困難になることがあり、5.0m2/gを超えると、導電性ペーストにした際に粘度が高くなりすぎるために導電性ペーストを希釈して使用する必要があり、導電性ペースト中の銀濃度が低くなってしまうため配線が断線してしまうことがある。
前記銀粉のレーザー回折式粒度分布測定法による体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)は、0.05μm以上6.0μm以下が好ましく、0.1μm以上4.0μm以下がより好ましい。
累積90%粒子径(D90)および累積10%粒子径(D10)に対する前記D50の比[(D90−D10)/D50]は、3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
前記BET比表面積と同様に、銀粉の粒度分布が大きすぎると、微細配線の描画が困難になることがあり、小さすぎると、導電性ペースト中の銀濃度を上げることが困難となる。また、粒度分布のピーク幅が狭く、粒径のばらつきが少なく、揃った銀粉であることが好ましい。
前記銀粉の強熱減量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.02%以上1.00%以下が好ましい。
前記銀粉の強熱減量は、銀粉試料2gを秤量(w1)して磁性るつぼに入れ、800℃で恒量になるまで30分間強熱した後、冷却し、秤量(w2)することにより、次式から求めることができる。
強熱減量(%)=[(w1−w2)/w1]×100
本発明の導電性ペーストは、本発明の前記銀粉と、ポリマーとを含み、さらに必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記導電性ペーストにおける前記銀粉の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族石油樹脂、アクリル酸エステル樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリエーテル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイソブチル樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、セルロース誘導体、エポキシ樹脂が好ましい。
前記ポリマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、例えば、溶剤、界面活性剤、ガラスフリット、分散剤、粘度調整剤などが挙げられる。
前記導電性ペーストの粘度は、銀粉の含有量、粘度調整剤の添加や溶剤の種類により調整することができる。前記導電性ペーストの粘度は、例えば、BROOKFIELD社製の粘度計5XHBDV−IIIUCを用い、コーンスピンドルCP−52、ペースト温度25℃で測定することができる。
前記導電膜の体積抵抗率は、例えば、デジタルマルチメーター(ADVANTEST社製、R6551)を用いて、導電膜の長手方向の2点間の抵抗値を測定し、体積抵抗率=抵抗値×導電膜の厚み×導電膜の幅÷導電膜の長さを算出することにより測定することができる。
本発明の導電性ペーストを用いて得られた導電膜は、例えば、太陽電池セルの集電電極、チップ型電子部品の外部電極、RFID、電磁波シールド、振動子接着、メンブレンスイッチ、エレクトロルミネセンス等の電極または電気配線用途に好適に用いられる。
前記銀粉のBET比表面積、銀粉のタップ密度、銀粉の強熱減量、ならびに銀粉の粒度分布(D10、D50、およびD90)の測定方法は、以下に示す通りである。
銀粉のBET比表面積は、Macsorb HM−model 1210(MOUNTECH社製)で、He:70%、N2:30%のキャリアガスを用い、銀粉3gをセルに入れて脱気を60℃で10分間行った後、BET1点法により測定を行った。
銀粉のタップ密度は、タップ密度測定装置(柴山科学株式会社製、カサ比重測定装置SS−DA−2)を使用し、銀粉15gを計量して、容器(20mL試験管)に入れ、落差20mmで1,000回タッピングし、タップ密度=試料重量(15g)/タッピング後の試料体積から算出した。
銀粉の粒度分布は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、MICROTORAC MT3300EXII)を用いて、銀粉0.1gをイソプロピルアルコール40mLに加え、チップ径20mmの超音波ホモジナイザーにより2分間分散させて試料を準備し、全反射モードで粒径の測定を行った。測定により得た体積基準の累積分布により、累積10%粒径(D10)、累積50%粒径(D50)、および累積90%粒径(D90)の値を求めた。
銀粉の強熱減量は、銀粉試料2gを秤量(w1)して磁性るつぼに入れ、800℃で恒量になるまで30分間強熱した後、冷却し、秤量(w2)することにより、次式から求めた。
強熱減量(%)=[(w1−w2)/w1]×100
銀粉を、パイロライザー(フロンティア・ラボ株式会社製のEGA/Py3030D)を用いて300℃で加熱することで銀粉表面より脱離させ、GC−MS(ガスクロマト質量分析計、アジレントテクノロジー株式会社製の7890A/5975C)を用いて、銀粉表面の定性分析を行った。上記手法の場合、添加したアルケニルコハク酸無水物が、銀粉表面においてアルケニルコハク酸無水物の状態で存在してもアルケニルコハク酸の状態で存在しても、アルケニルコハク酸は加熱されることにより分子内脱水縮合が起こるため、どちらもアルケニルコハク酸無水物として検出される。
−銀粉の作製−
銀を52g含有する硝酸銀溶液を3,600g準備し、前記硝酸銀溶液に濃度28質量のアンモニア水溶液(純正化学株式会社製、試薬特級)を160g加え、20質量%の水酸化ナトリウム水溶液を4g加えた銀イオンを含有する水性反応系を調製し、液温を28℃とした。前記銀イオンを含有する水性反応系へ、還元剤として37質量%ホルマリン水溶液(日本化成株式会社製)240gを加え十分に撹拌し、銀粒子を含むスラリーを得た。
次に、得られた銀粒子を含むスラリーに対して、表面処理剤としてテトラプロペニルコハク酸無水物(東京化成工業株式会社製)0.1gを加え、十分に撹拌した後、熟成させた。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、乾燥し解砕して、実施例1の銀粉を得た。
得られた実施例1の銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子工業株式会社製、JSM−6100)によるSEM写真(10,000倍)を図1に示した。得られた銀粉のBET比表面積、銀粉のタップ密度、銀粉の強熱減量、ならびに銀粉の粒度分布(D10、D50、およびD90)の測定結果を表1に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、前記テトラプロペニルコハク酸無水物が検出され、テトラプロペニルコハク酸無水物および/またはテトラプロペニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.57%であった。
ここで、実施例1における銀粉のパイロライザー(フロンティア・ラボ株式会社製のEGA/Py3030D)使用のGC−MS分析プロファイルを図5に示す。この図5は、分子量と電荷の比(m/z)が266のもので抽出したプロファイルである。
得られた銀粉90.4質量部に対して、エチルセルロース100cps(和光純薬工業株式会社製)0.8質量部、およびブチルカルビトールアセテート(和光純薬工業株式会社製)8.8質量部を加え、プロペラレス自公転式攪拌脱泡装置(シンキー株式会社製、AR−250)を用い、混合した後、3本ロールミル(EXAKT社製、EXAKT80S)を用いて、ロールギャップを徐々に狭めながら通過させて導電性ペーストを得た。
なお、得られた導電性ペーストの粘度を以下のようにして測定した。結果を表2に示した。
得られた導電性ペーストの粘度は、BROOKFIELD社製の粘度計5XHBDV−IIIUCを用い、コーンスピンドルCP−52、ペースト温度25℃で測定した。
1rpm(ずり速度2sec−1)で5分間と、5rpm(ずり速度10sec−1)で1分間との値を測定した。
なお、ブチルカルビトールアセテートを加えて希釈することによって1rpm(ずり速度2sec−1)の5分間後の粘度を150Pa・s±30Pa・sに調整した。
・印刷装置:マイクロテック社製 MT−320T
・版:線幅500μm、引き回し37.5mm、250メッシュ、線径23μm
・印刷条件:スキージ圧180Pa、印刷速度80mm/s、クリアランス1.3mm
次に、得られた導電膜について、以下のようにして、平均厚みを測定し、以下のようにして体積抵抗率を求めた。結果を表3に示した。
得られた導電膜を、表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、SE−30D)を用いて、アルミナ基板上で膜を印刷していない部分と導電膜の部分との段差を測定することにより、導電膜の平均厚みを測定した。
デジタルマルチメーター(ADVANTEST社製、R6551)を用いて、各導電膜の長さ(間隔)の位置の抵抗値を測定した。各導電膜のサイズ(平均厚み、幅、長さ)より、導電膜の体積を求め、この体積と測定した抵抗値から、体積抵抗率を求めた。
実施例1において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.1gを、テトラデセニルコハク酸無水物(東京化成工業株式会社製)0.1gに変えた以外は、実施例1と同様にして、銀粉および導電性ペーストを作製し、同様にして評価を行った。結果を表1から表3に示した。得られた実施例2の銀粉のSEM写真(10,000倍)を図2に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、前記テトラデセニルコハク酸無水物が検出され、テトラデセニルコハク酸無水物および/またはテトラデセニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.63%であった。
実施例1において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.1gを、ペンタデセニルコハク酸無水物(三洋化成工業株式会社製、PDSA−DA)0.1gに変えた以外は、実施例1と同様にして、銀粉および導電性ペーストを作製し、同様にして評価を行った。結果を表1から表3に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、ペンタデセニルコハク酸無水物が検出され、ペンタデセニルコハク酸無水物および/またはペンタデセニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.72%であった。
実施例1において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.1gを、ドデセニルコハク酸無水物(新日本理化株式会社製、リカシッドDDSA)0.1gに変えた以外は、実施例1と同様にして、銀粉および導電性ペーストを作製し、同様にして評価を行った。結果を表1から表3に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、ドデセニルコハク酸無水物が検出され、ドデセニルコハク酸無水物および/またはドデセニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.62%であった。
実施例1において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.1gを、オクテニルコハク酸無水物(新日本理化株式会社製、リカシッドOSA)0.1gに変えた以外は、実施例1と同様にして、銀粉および導電性ペーストを作製し、同様にして評価を行った。結果を表1から表3に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、オクテニルコハク酸無水物が検出され、オクテニルコハク酸無水物および/またはオクテニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.57%であった。
実施例1において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.1gを、コハク酸(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)0.1gに変えた以外は、実施例1と同様にして、銀粉および導電性ペーストを作製し、同様にして評価を行った。結果を表1から表3に示した。得られた比較例1の銀粉のSEM写真(10,000倍)を図3に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、コハク酸が検出され、コハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.56%であった。
実施例1において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.1gを、ステアリン酸(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)0.1gに変えた以外は、実施例1と同様にして、銀粉および導電性ペーストを作製し、同様にして評価を行った。結果を表1から表3に示した。得られた比較例2の銀粉のSEM写真(10,000倍)を図4に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、ステアリン酸が検出され、ステアリン酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.67%であった。
実施例1において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.1gを、パルミチン酸(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)0.1gに変えた以外は、実施例1と同様にして、銀粉および導電性ペーストを作製し、同様にして評価を行った。結果を表1から表3に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、パルミチン酸が検出され、パルミチン酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.75%であった。
なお、実施例1の銀粉をトルエンに混合して、トルエンに溶出した有機成分の有無を調べたが、アルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸は検出されなかった。トルエン処理後の銀粉についてパイロライザーを用いたGC−MSによりアルケニルコハク酸無水物が検出されたことから、本実施例の銀粉における銀との吸着はトルエンでは分離せず、加熱しなれば分離しないくらいに強固なものであることがわかった。
また、銀粉は洗浄工程を経ており、銀と吸着していないアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸は洗浄水により除去される。ペースト製造時に添加した場合は、銀と吸着していないアルケニルコハク酸無水物および/またはアルケニルコハク酸のほとんどが導電性ペースト中に含まれると考えられることから、上記粘度の違いが生じると考えられる。
銀を44g含有する硝酸銀溶液を3,200g準備し、前記硝酸銀溶液に濃度28質量%のアンモニア水溶液(純正化学株式会社製、試薬特級)を100g加え、20質量%の水酸化ナトリウム水溶液を16g加えた銀イオンを含有する水性反応系を調製し、液温を28℃とした。前記銀イオンを含有する水性反応系に、還元剤として80質量%ヒドラジン水溶液(大塚化学株式会社製)10gを加え十分に撹拌し、銀粒子を含むスラリーを得た。
次に、得られた銀粒子を含むスラリーに対して、表面処理剤としてテトラプロペニルコハク酸無水物(東京化成工業株式会社製)0.17gを加え、十分に撹拌した後、熟成させた。前記熟成されたスラリーを濾過、水洗し、乾燥し解砕して、実施例6の銀粉を得た。
得られた銀粉のBET比表面積、銀粉のタップ密度、銀粉の強熱減量、ならびに銀粉の粒度分布(D10、D50、およびD90)の測定結果を表4に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、テトラプロペニルコハク酸無水物が検出された。よって、テトラプロペニルコハク酸無水物および/またはテトラプロペニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.21%であった。
実施例6において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.17gを、ペンタデセニルコハク酸無水物(三洋化成工業株式会社製、PDSA−DA)0.17gに変えた以外は、実施例6と同様にして銀粉を作製し、同様に評価した。結果を表4に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、ペンタデセニルコハク酸無水物が検出された。よって、ペンタデセニルコハク酸無水物および/またはペンタデセニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.27%であった。
実施例6において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.17gを、ドデセニルコハク酸無水物(新日本理化株式会社製、リカシッドDDSA)0.17gに変えた以外は、実施例6と同様にして銀粉を作製し、同様に評価した。結果を表4に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、ドデセニルコハク酸無水物が検出された。よって、ドデセニルコハク酸無水物および/またはドデセニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.25%であった。
実施例6において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.17gを、オクテニルコハク酸無水物(新日本理化株式会社製、リカシッドOSA)0.17gに変えた以外は、実施例6と同様にして銀粉を作製し、同様に評価した。結果を表4に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、オクテニルコハク酸無水物が検出された。よって、オクテニルコハク酸無水物および/またはオクテニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.20%であった。
実施例6において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.17gを、コハク酸(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)0.17gに変えた以外は、実施例6と同様にして銀粉を作製し、同様に評価した。結果を表4に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、コハク酸が検出され、コハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.06%であった。
実施例6において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.17gを、ステアリン酸(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)0.17gに変えた以外は、実施例6と同様にして銀粉を作製し、同様に評価した。結果を表4に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、ステアリン酸が検出され、ステアリン酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.42%であった。
得られた銀粉86.3質量部に対して、エチルセルロース100cps(和光純薬工業株式会社製)0.8質量部、およびブチルカルビトールアセテート(和光純薬工業株式会社製)12.9質量部を加え、プロペラレス自公転式攪拌脱泡装置(シンキー株式会社製、AR−250)を用い、混合した後、3本ロールミル(EXAKT社製、EXAKT80S)を用いて、ロールギャップを徐々に狭めながら通過させて導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストの粘度は、BROOKFIELD社製の粘度計5XHBDV−IIIUCを用い、コーンスピンドルCP−52、ペースト温度25℃で測定した。
1rpm(ずり速度2sec−1)で5分間と、5rpm(ずり速度10sec−1)で1分間との値を測定した。粘度の測定結果を表5に示した。
・印刷装置:マイクロテック社製 MT−320T
・版:線幅500μm、引き回し37.5mm、250メッシュ、線径23μm
・印刷条件:スキージ圧180Pa、印刷速度80mm/s、クリアランス1.3mm
次に、得られた導電膜について、以下のようにして、平均厚みを測定し、以下のようにして体積抵抗率を求めた。結果を表6に示した。
得られた導電膜を、表面粗さ計(株式会社東京精密製、サーフコム480B−12)を用いて、Si基板上で膜を印刷していない部分と導電膜の部分との段差を測定することにより、導電膜の平均厚みを測定した。
デジタルマルチメーター(ADVANTEST社製、R6551)を用いて、各導電膜の長さ(間隔)の位置の抵抗値を測定した。各導電膜のサイズ(平均厚み、幅、長さ)より、導電膜の体積を求め、この体積と測定した抵抗値から、体積抵抗率を求めた。
次に、前記実施例1の銀粉、前記実施例5の銀粉、および前記比較例1の銀粉を用いて、以下のようにして、保存安定性試験を行った。結果を表7に示した。
−保存安定性試験−
前記実施例1の銀粉と、前記実施例5の銀粉と、前記比較例1の銀粉とを、それぞれ5gを、ガラス製容器に入れ、室温(25℃)で2ヶ月間放置した。2ヶ月間放置前後における累積50%粒径(D50)を測定した。また、2ヶ月間放置後における凝集および塊の発生の有無を目視で評価した。
実施例1において、表面処理剤としてのテトラプロペニルコハク酸無水物0.1gを、アルケニルコハク酸カリウム塩(花王株式会社製、商品名:ラテムルASK、構造非開示、固形分濃度28質量%)0.5gに変えた以外は、実施例1と同様にして、銀粉および導電性ペーストを作製し、同様にして評価を行った。結果を表8、表9、および表10に示した。
銀粉のGC−MSによる分析の結果、オクタデセニルコハク酸無水物が検出され、オクタデセニルコハク酸無水物および/またはオクタデセニルコハク酸が銀粉表面に付着していることがわかった。また、銀粉の強熱減量は0.53%であった。
Claims (4)
- 銀を含む水溶液に、還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後または銀粉の還元析出中に、アルケニルコハク酸無水物を添加することにより表面処理を行う工程を含む銀粉の製造方法。
- 前記表面処理を行う工程が、銀を含む水溶液に、還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後または銀粉の還元析出中に、アルケニルコハク酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の水溶液、及びアルケニルコハク酸無水物のエマルションのいずれか一つ以上を表面処理剤として添加して表面処理を行う工程である請求項1に記載の銀粉の製造方法。
- 前記アルケニルコハク酸無水物が、テトラプロペニルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ペンタデセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、及びオクタデセニルコハク酸無水物から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の銀粉の製造方法。
- 銀を含む水溶液に、還元剤を添加して銀粉を還元析出させた後または銀粉の還元析出中に、アルケニルコハク酸のアルカリ金属塩を添加することにより表面処理を行う工程を含む銀粉の製造方法。
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