JP2018012801A - 薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物 - Google Patents

薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】高速成形が可能で、容器としての十分な剛性を保持しながら、落下に耐えうる落下衝撃性、容器に入る製品の味覚に影響するフレーバー性に優れ、表面の印刷が消えにくい薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物の提供。【解決手段】下記(a)〜(c)からなる要件を満たす、薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。(a)コードDの溶融流れ(MFR)が39g/10分以上52g/10分未満(b)密度が955〜975kg/m3(c)GPCによる分子量分布測定において重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5以上4.5以下【選択図】なし

Description

本発明は、飲料容器や乳製品容器のような薄肉容器用のポリエチレン樹脂組成物に関する。
ポリエチレン樹脂は優れた低温衝撃性、成形性、内容物に対してのフレーバー性や味覚に影響を与えないこと、そして生乳類容器に必須である乳等省令に適合できることから、従来、乳飲料や乳製品に使用されている樹脂として使用されてきた。なかでも乳飲料やヨーグルト等の乳製品には高流動のポリエチレン樹脂を用い射出成型で製品を提供してきた。しかしながら、生産性と製品の薄肉化による低コスト化の観点から、一度の成形で多数の製品を取得できる多数個取りと、薄い製品金型であっても末端まで十分流動する樹脂の流動性が求められており、溶融流れ(MFR)の高い樹脂を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。他にも多段重合で得られるポリエチレン樹脂を用いること(例えば特許文献2、3参照)や、メタロセン触媒で重合されたポリエチレンを用いること(例えば特許文献4参照)等が提案されている。
特表2009−538383号公報 特開2006−160987号公報 特開2011−153171号公報 特開2006−124447号公報
しかしながら、特許文献1のように、MFRが高いと樹脂を構成する成分の分子量が小さく、落下衝撃強度が低下して製品が割れやすくなるだけでなく低分子量成分が増えることからフレーバー性が悪化する。MFRが35を越えると、従来の触媒系やペレタイズ方法では低分子量成分の量が増え、分子量の低下以上に臭気成分の増加と耐衝撃性の低下がみられる。
特許文献2、3のように多段重合により重合を行うと、せん断速度が高いほど粘度の低下が大きいという効果があり成形性は向上したが、多段重合において低分子量成分の重合が必要になることからフレーバー性の低下は避けられない。
また、特許文献4のようにメタロセン触媒により得られるポリエチレン樹脂は、分子量分布が狭すぎることから高速成形時の粘度が下がらず流動性が著しく悪いことや、触媒に由来する臭気の発生もあってフレーバー性に劣る。
このように、飲料容器や乳製品容器のように薄肉の容器に用いたるためのポリエチレン樹脂として、MFRや分子量をはじめとする様々な特性を適正化させる試みが行われているが、薄肉の容器用として用いた際に上述の様々な課題をすべて満足するものを提供することができていない。また、薄肉の容器用のポリエチレン樹脂組成物のMFR、密度、及び分子量分布を特定範囲とすることが剛性や落下衝撃性に影響することは、公知文献には開示されておらず、且つ、かかるポリエチレン樹脂組成物を得る具体的な方法も公知文献には開示されていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、薄肉射出成形による容器を生産する場合、高速成形が可能な高流動性を有し、該容器が十分な剛性を保持しながら、落下に耐えうる落下衝撃性に優れ、かつ生乳等の乳飲料容器として使用できる薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、特定の物性要件を満たすポリエチレン樹脂組成物が、高速成形が可能な高流動性を有し、かかるポリエチレン樹脂組成物から得られる容器が十分な剛性を保持しながら、落下に耐えうる落下衝撃性を有することを見出し、また、上記特定の物性要件を満たすポリエチレン樹脂組成物を提供する製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]
下記(a)〜(c)からなる要件を満たす、薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。
(a)コードDの溶融流れ(MFR)が39g/10分以上52g/10分未満
(b)密度が955〜975kg/m3
(c)GPCによる分子量分布測定において重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5以上4.5以下
[2]
さらに下記(d)〜(h)からなる要件を満たす、[1]に記載の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。
(d)エタノール抽出GC法による低分子量成分が50ppm以下
(e)IR法によって測定した末端オレフィン量が1000炭素原子あたり0.2個以下
(f)樹脂中のチタン残渣量が0.5ppm以上1.5ppm以下
(g)融点(Tm)より11℃低い温度での結晶化開始時間が1.5分以下
(h)曲げ弾性率が1000MPa以上
[3]
蒸発残留物測定法による4%酢酸溶液抽出物が15ppm以下、かつn−ヘキサン抽出物が2.6%以下、かつキシレン可溶物が11.3%以下であって、
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に適合する、
[1]または[2]に記載の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。
[4]
添加剤をさらに含み、
前記添加剤が、2500ppm以下の、日本薬局方に規定するステアリン酸カルシウム、および/または、食品添加物等の規格基準に適合する二酸化チタンのみである、
[1]〜[3]のいずれかに記載の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載の薄肉成形容器用ポリエチレンを射出成形してなる容器。
本発明の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物は、優れた高流動性を有しており、耐落下衝撃性を大きく低下させることなく、優れた剛性を有する薄肉容器を提供できる。更に、本発明のポリエチレン樹脂組成物から得られる薄肉容器は、フレーバー性に優れ、味覚性への影響がなく、乳飲料やヨーグルト容器等の食品用途向けの薄肉容器用途に適する。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物(以下、ポリエチレン樹脂組成物とも称する)は、下記(a)〜(c)からなる要件を満たす。
(a)コードDのMFRが39g/10分以上52g/10分未満
(b)密度が955〜975kg/m3
(c)GPCによる分子量分布測定における重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5以上4.5以下
上記要件を満たすポリエチレン樹脂組成物は、高流動性を有し、かかる樹脂組成物から得られる薄肉容器は、素材として必要な耐落下衝撃性を有する。従来、耐落下衝撃性と高流動性は相反する特性であり、両方を満足することは困難であったが、本発明のポリエチレン樹脂組成物は、耐落下衝撃性と高流動性を併せ持ち、薄肉容器用に好適な樹脂組成物である。
また本発明のポリエチレン樹脂組成物は、ポリエチレン樹脂に、必要に応じて添加剤を添加した混合物を溶融混練し得られる樹脂組成物であって、かかる樹脂組成物の形態としては、ペレットを好適に挙げることができる。
また、本発明の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物は、下記(d)〜(h)からなる要件を満たすことが好ましい。
(d)エタノール抽出GC法による低分子量成分が50ppm以下
(e)IR法によって測定した末端オレフィン量が1000炭素原子あたり0.2個以下
(f)樹脂中のチタン残渣量が0.5ppm以上1.5ppm以下
(g)融点(Tm)より11℃低い温度での結晶化開始時間が1.5分以下
(h)曲げ弾性率が1000MPa以上
((a)コードDのMFR)
本発明のポリエチレン樹脂組成物の溶融流れ(MFR)は、JIS K7210に規定される、温度190℃、荷重2.16kgで測定される。MFRの下限値は、薄肉成形品であってもショートショット(充填不足)になることなく成形ができ、成形時の樹脂温度上昇等の変動が大きくならず高速成形性に優れるものとなることから、39g/10分以上である。MFRの上限値は、落下衝撃強度の観点から、52g/10分未満である。また、MFRは、40g/10分以上45g/10分未満であることが好ましい。
((b)密度)
本発明のポリエチレン樹脂組成物の密度は、JIS K7112のD法に規定される密度勾配管法で測定される。上記密度の下限値は、薄肉容器の剛性の観点から、955kg/m3以上である。上記密度の上限値は、落下衝撃強度の観点から、975kg/m3以下である。また上記密度は、960kg/m3以上970kg/m3以下であることが好ましく、962kg/m3以上965kg/m3以下であることがより好ましい。
ポリエチレン樹脂組成物の密度は、重合時に添加するコモノマー量を変えることによって調整することができ、コモノマー量を増やすほど密度は低下する。
((c)Mw/Mn)
本発明のポリエチレン樹脂組成物の分子量分布(Mw/Mn)は、高温ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(高温GPC)を用いて、標準ポリスチレンサンプルから検量線を作成して求めることができる。GPCの溶媒としてはo−ジクロロベンゼン(ODCB)を好適に用いることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物のMw/Mnの値の上限値は、分子量が1000以下の成分量を十分少ないものとし、かかる分子量が1000以下の成分量が起こす臭気の問題や、ボトル内の飲料に溶け出すことによる味覚、フレーバー性の問題を抑える観点から4.5以下である。また、分子量が1000以下の成分が十分に少ないことから落下衝撃性も十分なものとなる。本発明のポリエチレン樹脂組成物のMw/Mnの値の下限値は、薄肉成形品の金型への高速射出時に樹脂圧力が増加してショートショットになることを防ぐ観点から、3.5以上である。本発明のポリエチレン樹脂組成物のMw/Mの値は、3.8以上4.3以下であることが好ましく、4.0以上4.2以下であることがより好ましい。
分子量分布は、多段重合や2種類以上の分子量のポリエチレンを混ぜることにより広くできるが、単段重合の場合は活性点が比較的均一の触媒と重合条件の調整で達成することができる。また、乳等省令の一類に適合するためには熱安定剤が使用できない為、ポリエチレン樹脂自治の熱安定性が重要であり、仕上げの押出における加熱による架橋や分解を抑えることにより、上記分子量分布を達成することができる。
((d)低分子量成分)
本発明のポリエチレン樹脂組成物における、C36(炭素数36個)以下の低分子量成分の合計は、内容物のフレーバー性の低下や内容物の味覚の低下を防止する観点から、当該ポリエチレン樹脂からエタノールを溶媒とし70℃で2時間抽出した抽出物のガスクロマトグラフィー(GC)による定量値で、50ppm以下であることが好ましく、40ppm以下であることがより好ましく、35ppm以下であることがさらに好ましい。
また、低分子量成分が多い場合には、成形品に印刷をするとき、インクをはじいたり、手で印刷面をこすると印刷が禿ることがあったりするため、低分子量成分は少ないほうが好ましい。
((e)末端オレフィン量)
ポリエチレン中の末端オレフィンは、その低分子量成分がいわゆるポリ臭と呼ばれる刺激性の臭気の原因である。また、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の1類に適合させるためには熱安定剤を添加することができない。そのため、本発明のポリエチレン樹脂組成物における、IR法によって測定した末端オレフィンの量は、内容物のフレーバー性や味覚への影響を減らす観点や、ペレタイズ時のMFR変化や酸化劣化を抑える観点や、熱履歴に対する安定性の観点から、ポリエチレンの1000炭素原子あたり0.2個以下であることが好ましく、0.15個以下であることがより好ましく、0.1個以下であることがさらに好ましい。
末端オレフィンの量は、重合したポリエチレンが触媒金属から脱離する反応により異なることから、触媒の種類に依存し、また、重合条件を温和にすることにより低減される。
((f)チタン残渣量)
後述のとおり、本発明のポリエチレン樹脂組成物はチーグラー系の触媒を用いて重合されたものであることが好ましい。ポリエチレン樹脂組成物中のチタン残渣量は重合の触媒活性が高いほど低くなる。本発明のポリエチレン樹脂組成物の樹脂中のチタン残渣の含有量の下限値は、重合反応時の触媒活性の観点から、0.5ppm以上であることが好ましい。また、本発明のポリエチレン樹脂組成物の樹脂中のチタン残渣の含有量の上限値は、十分な触媒活性があり、臭気を防ぎ、フレーバー性を良好なものとする観点や、熱履歴に対する安定性の観点から、1.5ppm以下とすることが好ましく、1.3ppm以下とすることがより好ましく、1.0ppm以下とすることがさらに好ましい。
((g)融点(Tm)より11℃低い温度での結晶化開始時間)
射出成形において生産サイクルを決める要因の一つに結晶化時間がある。金型内に樹脂を射出した後、固化しなければ製品として取り出せないために結晶化時間はなるべく短いことが好ましい。一方、結晶化時間が早すぎると金型の流動末端まで到達する前に固化してしまいショートショットとなる恐れがある。
本発明のポリエチレン樹脂組成物のDSC法による1/2等温結晶化温度測定において、融点(Tm)より11℃低い温度での結晶化開始時間は、1.5分以下である。
融点より11℃低い温度での結晶開始時間は、好ましくは0.5分以上1.5分以下であり、より好ましくは1.0分以上1.2分以下である。なお、融点から11℃低く設定したのは、結晶化速度が融点との温度差で大きく変わるため、一定の温度差にするためである。
((h)曲げ弾性率が1000MPa以上)
本発明のポリエチレン樹脂組成物の曲げ弾性率は、薄肉の成形品を成形したときに十分な硬さを付与する観点から、1000MPa以上であることが好ましく、1050MPa以上であることがより好ましく、1100MPa以上であることがさらに好ましく、1140MPa以上であることがよりさらに好ましい。
ポリエチレン樹脂の曲げ弾性率は、共重合されるコモノマーの割合により調節することができ、コモノマーの割合を増やすほど曲げ弾性率が低くなり柔らかい成形品となる。コモノマーの割合を減らすほど硬くなり、コモノマーの割合がゼロ、すなわち、ホモポリマーからなるポリエチレン樹脂の曲げ弾性率は最大となる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に適合することが好ましい。具体的には、ポリエチレン樹脂組成物の、蒸発残留物測定法による4%酢酸溶液抽出物が15ppm以下、かつn−ヘキサン抽出物が2.6%以下、かつキシレン可溶物が11.3%以下であることが好ましい。また、ポリエチレン樹脂組成物の、蒸発残留物が15μg/ml以下、過マンガン酸カリウム消費量が5μg/ml以下、ヒ素が、三酸化二ヒ素として0.1μg/ml以下、重金属が、鉛として1μg/ml以下であることが好ましい。
なお、上記酢酸溶液抽出物、n−ヘキサン抽出物、キシレン可溶物、過マンガン酸カリウム消費量、ヒ素、重金属は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に記載の方法に従って測定することができる。
(添加剤)
本発明のポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤や充填剤等が添加されてもよい。添加剤や充填剤は、製品内の飲料等への溶出を抑える観点から、できる限り添加しないことが好ましい。また、本発明のポリエチレン樹脂組成物が生乳等の乳飲料容器に使用される場合、使用される添加剤は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)の別表四(二)乳等の容器包装又はこれらの原材料の規格及び製造方法の基準における1牛乳、特別牛乳等(一類)により制限される。使用される添加剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、及び、リン系やイオウ系のような酸化防止剤であり、上記酸化防止剤の添加量は、ポリエチレン樹脂組成物中、500ppm以下であり、300ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましい。また、酸化防止剤は、フレーバー性を良好にする観点から、全く添加されないことがさらに好ましい。また、本発明のポリエチレン樹脂組成物は、酸化防止剤を全く添加しないとき、乳等省令にも適合することから、乳飲料の容器に好適に用いることができる。
また、容器の生産時の容器同士の分離性を良くするために滑剤を少量添加してもよい。添加される滑剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ、中でもステアリン酸カルシウムが好ましい。滑剤の添加量は、乳等省令の一類における薬局方適合に規定される範囲内であれば特に制限されず、ポリエチレン樹脂組成物中、2500ppm以下であり、好ましくは800ppm以下であり、より好ましくは600ppm以下であり、さらに好ましくは300ppm以下である。また、上記ステアリン酸カルシウムとしては、例えば、日本薬局方に規定するステアリン酸カルシウムを好適に用いることができる。
さらに、本発明のポリエチレン樹脂組成物には、冷却時間を短くすることを目的に、結晶化速度を上げる効果のある核剤を添加することもできる。二酸化チタン等の顔料は、少量添加することにより結晶化速度を上げることができる。また、上記二酸化チタンとしては、例えば、食品添加物等の規格基準に適合する二酸化チタンを好適に用いることができる。二酸化チタンは、乳等省令の一類における薬局方適合に規定される範囲内で添加することができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物には、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防曇剤、有機過酸化物等は、添加しないことが好ましい。
充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、カーボン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、木粉等が挙げられる。添加剤、充填剤、酸化チタン及び有機顔料等は、必要に応じてマスターバッチで添加することも可能であるが、フレーバー性の低下を防ぐ観点から、添加しないことが好ましい。また生乳等の容器に使用される場合は乳等省令により薬局方に準拠したステアリン酸カルシウム、白色顔料の酸化チタンなど使用可能な添加剤が限定される。
(ポリエチレン樹脂の製造方法)
本発明のポリエチレン樹脂組成物に含まれるポリエチレン樹脂は、触媒の存在下、エチレンを単独で、又は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種又は2種以上のコモノマーとを、所望の物性となるような割合で重合させることにより製造される。
上記炭素数が3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ、このうちのいくつかを組み合わせて、共重合することもできる。上記α−オレフィンの中でも好ましくは、1−ブテンである。
本発明におけるポリエチレン樹脂は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種又は2種以上のコモノマーが好ましい。また、ポリエチレン樹脂組成物中、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのモル比は、要件(b)である密度を満たす観点から、90:10〜99.9:0.1であるが、98:2〜99.7:0.3であることが好ましい。
また、ポリエチレン樹脂の製造における、炭素数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種又は2種以上のコモノマーの濃度は、反応器中の全ガス成分に対して(全ガス成分を100%としたとき)、0.1〜10%であり、好ましくは0.5〜5.0%であり、より好ましくは0.8〜3.0%であり、さらに好ましくは1.0〜2.5%である。
所望の分子量やMFRは、エチレンを単独で、又は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種又は2種以上のコモノマーとを重合させる際、例えば、分子量調節剤を用いることにより調整でき、分子量調節剤としては、水素を好適に挙げることができる。ポリエチレン樹脂を重合する際の水素濃度は、反応器中の全ガス成分に対して、40〜70%であり、50〜60%が好ましい。
本発明におけるポリエチレン樹脂は、チーグラー型触媒を用いて重合して得ることが好ましい。チーグラー型触媒の調製方法について説明するが、これにより本発明が制限されるものではない。チーグラー型触媒は、固体触媒成分[A]と有機アルミニウム化合物[B]からなる重合触媒である。固体触媒成分[A]の調製方法としては、 例えば、以下のステップ(A−1)〜(A−4)を順次行う方法を挙げることができる。
以下の一般式(i)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム成分(以下、一般式(i)で表される有機マグネシウム化合物とも称する)1モルと、以下の一般式(ii)で示されるSi−H結合を有するクロロシラン化合物(以下、一般式(ii)で表されるクロロシラン化合物とも称する)0.01〜100モルを反応させて固体を得るステップ(A−1);
(Al)α(Mg)β(R1p(R2q(OR3r (i)
〔式中、R1、R2及びR3は炭素数2〜20の炭化水素基であり、α,β,p,q及びrは次の関係を満たす数である。0≦α,0<β,0≦p,0≦q,0≦r,p+q>0,0≦r/(α+β)≦2,3α+2β=p+q+r〕
aSiClb4 4-(a+b) (ii)
(式中、R4は炭素数1〜20の炭化水素基であり、aとbとは次の関係を満たす数である。0<a,0<b,a+b≦4)
上記ステップ(A−1)で得られる固体中に含まれるC−Mg結合1モルに対して、アルコールを0.05〜20モル反応させて固体を得るステップ(A−2);
上記ステップ(A−2)で得られる固体を、さらに以下の一般式で示される有機金属化合物を、反応させて固体を得るステップ(A−3);
AlR5 s3-s
(式中R5は炭素数1〜20の炭化水素基であり、QはOR6,OSiR789,NR1011,SR12及びハロゲンから選ばれた基を表し、R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12は水素原子又は炭化水素基であり、0<s)
上記ステップ(A−3)で得られる固体に、チタニウム化合物を、前記(A−3)成分の存在下に反応させるステップ(A−4);
上記一般式(i)で表される有機マグネシウム化合物は、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、R2Mg及びこれらと他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。記号α、β、p、q、rの関係式3α+2β=p+q+rは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。上記一般式(i)中、R1ないしR2で表される炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基である。上記アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、デシル等があげられ、上記シクロアルキル基としては、例えばシクロヘキシル等が挙げられ、上記アリール基としてはフェニル基等が挙げられる。R1は、好ましくはアルキル基である。
アルミニウムに対するマグネシウムの比β/αは、任意に設定可能であるが、0.1〜30であることが好ましく、0.5〜10であることがさらに好ましい。また、一般式(i)におけるαが0である、有機マグネシウム化合物を用いる場合には、例えば、R1がsec−ブチル等であるとき炭化水素溶媒に可溶性であり、かかる化合物は、本発明に好適である。一般式(i)において、αが0の場合のR1、R2は、次に示す三つの群(1)、(2)、(3)のいずれか一つであることが好ましい。
(1)R1及びR2の少なくとも一方が、炭素原子数4〜6である二級又は三級のアルキル基であり、好ましくはR1、R2がともに炭素原子数4〜6である二級又は三級のアルキル基である
(2)R1とR2とが、炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であり、好ましくは、R1が炭素原子数2又は3のアルキル基であり、R2が炭素原子数4以上のアルキル基である
(3)R1及びR2の少なくとも一方が、炭素原子数6以上の炭化水素基であり、好ましくは、R1、R2がともに炭素原子数6以上のアルキル基である
上記(1)において炭素原子数4〜6である二級又は三級のアルキル基としては、例えば、sec−ブチル、tert−ブチル、2−メチルブチル、2−エチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチル−2−エチルプロピル等が挙げられ、中でもsec−ブチルが好ましい。
上記(2)において炭素原子数2又は3のアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でもエチル基が好ましい。また、炭素原子数4以上のアルキル基としては、例えば、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、ブチル基、ヘキシル基が特に好ましい。(3)において炭素原子数6以上の炭化水素基としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基等が挙げられ、中でもヘキシル基、オクチル基、デシル基が好ましく、ヘキシル基がより好ましい。
一般的にアルキル基の炭素原子数を増やすと炭化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなる傾向があり、必要以上に長鎖のアルキル基を用いることは取り扱い上好ましくない。なお、前記一般式(i)で表される有機マグネシウム化合物は、炭化水素溶液として用いられるが、該溶液中に微量のエーテル、エステル、アミン等のコンプレックス化剤がわずかに含有され、あるいは、残存していても差し支えなく用いることができる。
前記一般式(i)中のR3で表される炭化水素基としては、炭素原子数3〜10のアルキル基又はアリール基が好ましい。上記炭素原子数3〜10のアルキル基としては、例えば、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、ヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、2−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−エチル−4−メチルペンチル、2−プロピルヘプチル、2−エチル−5−メチルオクチル、n−オクチル、n−デシル等が挙げられ、上記アリール基としてはフェニル基等が挙げられる。中でも、好ましくはn−ブチル、sec−ブチル、2−メチルペンチル及び2−エチルヘキシルである。
前記一般式(i)で表される有機マグネシウム化合物、もしくは有機マグネシウム錯体は、一般式R1MgX、R1 2Mg(R1は前述の意味であり、Xはハロゲン原子である)で示される有機マグネシウム化合物と、一般式、AlR2 3又はAlR2 3-1H(R2は前述の意味である)で示される有機金属化合物とを、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の不活性炭化水素媒体中、室温〜150℃の間で反応させ、必要に応じて、続いてR3で表される炭化水素基を有するアルコール又は炭化水素溶媒に可溶な上記R3で表される炭化水素基を有するヒドロカルビルオキシマグネシウム化合物、及び/又はヒドロカルビルオキシアルミニウム化合物と反応させる方法により得られる。
上記方法において、上記有機マグネシウム化合物と上記有機金属化合物との反応物(以下、有機マグネシウム成分とも称する)にR3で表される炭化水素基を有するアルコールを反応させる場合、反応の順序については、有機マグネシウム成分中にR3で表される炭化水素基を有するアルコールを加えていく方法、R3で表される炭化水素基を有するアルコール中に有機マグネシウム成分を加えていく方法、又は両者を同時に加えていく方法のいずれの方法も用いることができる。本発明において炭化水素に可溶な有機マグネシウム成分とR3で表される炭化水素基を有するアルコールとのモル組成比率については特に制限はないが、反応の結果、得られる一般式(i)で表される有機マグネシウム化合物における、全金属原子に対するアルコキシ基のモル組成比r/(α+β)の範囲は、0≦r/(α+β)≦2であり、好ましくは0≦r/(α+β)<1である。
前記一般式(ii)中のR4で表される炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素基としては、具体的には、メチル、エチル、ブチル、アミル、ヘキシル、デシル等が挙げられ、上記脂環式炭化水素基としてはシクロヘキシル等が挙げられ、上記芳香族炭化水素基としてはフェニル基等が挙げらる。R4で表される炭化水素基の中でも、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜3の低級アルキル基である。
また、a及びbは、a+b≦4の関係を満たす0より大きな数であり、好ましくはbが2又は3である。
一般式(ii)で表されるクロロシラン化合物としては、トリクロロシラン(HSiCl3)、モノメチルジクロロシラン(HSiCl2CH3)、エチルジクロロシラン(HSiCl225)、HSiCl2n−C37、HSiCl2iso−C37、HSiCl2n−C49、HSiCl265、HSiCl2(4−Cl−C64)、HSiCl2CH=CH2、HSiCl2CH265、HSiCl2(1−C107)、HSiCl2CH2CH=CH2、H2SiClCH3、H2SiClC25、ジメチルクロロシラン(HSiCl(CH32)、HSiCl(C252、HSiClCH3(iso−C37)、HSiClCH3(C65)、HSiCl(C652等が挙げられる。これらの化合物から選ばれる1種、又はこれらの化合物から選ばれた二種類以上の混合物がクロロシラン化合物として使用できる。上記クロロシラン化合物の中でも、トリクロロシラン、モノメチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、エチルジクロロシランが好ましく、トリクロロシラン、モノメチルジクロロシランがより好ましい。
前記ステップ(A−1)における反応は、一般式(ii)で表されるクロロシラン化合物を予め不活性反応溶媒、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;1,2−ジクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素;もしくはエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;あるいはこれらの混合溶媒を用い、希釈した後利用することが好ましい。上記反応溶媒の中でも、触媒の性能の観点から、脂肪族炭化水素媒体が好ましい。
反応の温度は、特に制限されないが、反応を促進させる観点から、好ましくは、クロロシランの沸点以上、又は、40℃以上である。
一般式(i)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物及び一般式(ii)で示されるSi−H結合を有するクロロシラン化合物のモル比率は、特に制限はないが、通常、一般式(i)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物1モルに対し、一般式(ii)で示されるクロロシラン化合物0.01〜100モルであり、一般式(i)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物1モルに対し、一般式(ii)で示されるクロロシラン化合物0.1〜10モルの範囲であることが好ましい。
反応方法は、例えば、一般式(i)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物及び一般式(ii)で示されるSi−H結合を有するクロロシラン化合物を同時に反応系中に導入し反応させる同時添加の方法、上記クロロシラン化合物を事前に反応系中に仕込んだ後に、上記有機マグネシウム成分を反応系中に導入し反応させる方法、及び、上記有機マグネシム成分を事前に反応系中に仕込み、上記クロロシラン化合物を添加する方法等がある。上記反応方法の中でも、上記クロロシラン化合物を事前に反応系中に仕込んだ後に、有機マグネシウム成分を反応系中に導入し反応させる方法が好ましい。上記反応によって得られる固体成分は、ろ別又はデカンテーション法によって分離した後、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の不活性溶媒を用いて充分に洗浄し、未反応物や副生成物等を除去することが好ましい。
ステップ(A−1)で得られる固体は、ステップ(A−2)にて、さらにアルコールで処理される。上記アルコールとしては、炭素数1〜20の飽和又は不飽和のアルコールを例示することができる。上記炭素数1〜20の飽和又は不飽和のアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、フェノール、クレゾール等を挙げることができる。上記炭素数1〜20の飽和又は不飽和のアルコールの中でも、好ましくは炭素数3〜8の直鎖アルコールである。
上記アルコールの使用量は、ステップ(A−1)で得られる固体中に含まれるC−Mg結合1モル当たり、0〜20モルであり、0.1〜10モルであることが好ましく、0.2〜8モルであることがより好ましい。ステップ(A−1)で得られる固体とアルコールとの反応は、不活性溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。不活性溶媒としては、ステップ(A−1)における、前述の脂肪族、芳香族ないし脂環式炭化水素のいずれを用いてもよい。反応時の温度は、特に制限はないが、好ましくは室温から200℃である。
前記ステップ(A−4)におけるチタニウム化合物としては、一般式Ti(OR13u4-uで表されるチタン化合物が用いられる。式中uは0≦u≦4の数であり、R13は炭化水素基である。かかる炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、アリル等の脂肪族炭化水素基;シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、シクロペンチル等の脂環式炭化水素基;フェニル、ナフチル等の芳香族炭化水素基等が挙げられ、中でも脂肪族炭化水素基が好ましい。Xはハロゲン原子である。かかるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、中でも塩素が好ましい。上記一般式に包含されるチタン化合物を、2種以上混合して用いることもできる。
ステップ(A−3)で得られる固体とチタン化合物との反応は、不活性反応溶媒中で行うことができ、不活性反応媒体としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられるが、中でも脂肪族炭化水素が好ましい。
チタン化合物の使用量は、固体成分に含まれるC−Mg結合1モル当たり、0.5モル以下が好ましく、0.1モル以下がより好ましい。反応温度は、特に制限はないが、室温ないし150℃の範囲で行うことが好ましい。
この場合、前記有機金属化合物成分を存在させることも可能である。その際添加順序としては、有機金属化合物に続いてチタン化合物を加える、チタン化合物に続いて有機金属化合物を加える、両者を同時に添加する、のいずれの方法も可能であるが、有機金属化合物成分に続いてチタン化合物を加えることが好ましい。この場合、有機金属化合物とチタン化合物のモル比は0.5〜2の範囲が好ましい。
かくして得られた触媒は、不活性溶剤によるスラリー溶液として使用される。不活性溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1、2-ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、等が挙げられる。
本発明の固体触媒成分[A]とともに用いる有機アルミニウム化合物[B]としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリiso−ブチルアルミニウム、トリn−アミルアルミニウム、トリiso−アミルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウム、トリn−デシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジiso−ブチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のハロゲン化アルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジiso−ブチルアルミニウムブトキシド等のアルコキシアルミニウム、ジメチルヒドロシロキシアルミニウムジメチル、エチルメチルヒドロシロキシアルミニウムジエチル、エチルジメチルシロキシアルミニウムジエチル等のシロキシアルキルアルミニウム及びこれらの混合物が用いられ、特にトリアルキルアルミニウムは最も高い活性が達成されるため好ましい。
固体触媒成分[A]及び有機アルミニウム化合物[B]は、重合系内に順次添加してもよいし、あらかじめ重合反応前に先立って混合してもよい。また組み合わせる両成分の比率は、固体触媒成分[A]中のTi及び有機アルミニウム成分[B]のAlのモル比で規定され、Al/Ti=0.3〜1000である。
重合溶媒としては、スラリー重合に通常使用される炭化水素溶媒が用いられる。具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素の単独あるいは混合物が用いられる。重合温度は、所望の分子量に調整する観点から、室温〜100℃、好ましくは50℃〜90℃の範囲である。重合圧力は常圧ないし100気圧の範囲で実施される。重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、及び/又は、重合温度を調整することによって調節することができる。
(ポリエチレン樹脂組成物の製造方法)
重合により得られたポリエチレン樹脂は、例えばポリエチレンパウダーとして得られ、必要に応じて添加剤を配合し、押出機等を用いて溶融混練され、ポリエチレン樹脂組成物となる。本発明のポリエチレン樹脂組成物は、溶融混練の条件によって特性が変化する。本発明においては、上述の3つの要件(a)〜(c)を同時に特定の範囲とすることが重要であり、特にMFRと分子量分布を本発明の範囲にすることが重要である。
(a)〜(c)からなる要件を満たすための方法としては、重合により得られるポリエチレン樹脂を溶融混練する際の樹脂の架橋分解反応を抑える観点から、例えば、押出機ホッパーに窒素を流す;押出機の温度設定をホッパー下からヒーターブロックの中間までをポリエチレン樹脂の融点以下と低めに設定する;圧縮ゾーンでの温度上昇を抑える;ダイスの温度は押出機よりも高い温度に設定する;等の手段を好適に挙げることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物におけるMFRが35を越えると、従来のペレタイズ方法では低分子量成分の量が増え、臭気成分の増加と耐衝撃性の低下がみられる。
本発明の樹脂組成物は乳等省令1類に適合させるために熱安定剤を添加することができないため、熱による樹脂の変質は出来るだけ避けなければならない。そのため、押出ペレタイズ時における溶融は、ヒーター等外部から加熱を加えると熱架橋と分解が起こることから、せん断発熱による溶融で十分である。
ポリエチレン樹脂から得られる容器が飲料の薄型容器等の場合は、上述のように多くの法規制があるため、一般にポリエチレンに使用される熱安定剤等の添加剤の使用に制限がある。したがって、熱安定剤の使用を抑えた上で、溶融混練での加熱によるポリマーの分解や変性を抑える必要がある。その観点から、ポリエチレンパウダーを押出機に供給するホッパー部に窒素等の不活性ガスを導入することが好ましい。
また、押出機の温度制御も重要であり、ホッパー下は水冷し、押出機のヒーターの設定温度はホッパー下から先端に向かって徐々に温度が上がるようにし、その設定温度も断熱あるいはホッパー下から全シリンダーの半分までを、ポリエチレン樹脂より低い温度、例えば、120℃に設定することが好ましい。一方、押出機の先端であるダイス部は逆に比較的高め、例えば150℃に設定することが好ましい。また、シリンダーが10段あるシリンダーである場合、温度設定は、ホッパー下において水冷、先端に向かって120、120、130、130、130、140、140、140、140℃と段階的に設定し、ダイスの温度を150℃とすることが好ましい。これにより、ダイス出口の流路の狭いブレーカプレート通過の際の無用なせん断発熱を抑えることができる。また、添加剤などの混練を十分に行う等の目的で、押出機に圧縮ゾーンを設ける場合があり、その場合はそこでの発熱が起こらないように温度や押出速度を調節することが好ましい。
押出機としては単軸押出機、二軸押出機が挙げられ、2台以上の押出機を併用することは限定されない。
また、分子中の末端オレフィンやチタン金属残渣が少ないポリエチレン樹脂組成物を用いると、熱履歴に対して比較的安定であり、樹脂温度を低く設定し、不活性ガスを導入することにより、より薄型容器に適したポリエチレン樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、シリンダー温度200℃、金型温度50℃、樹脂圧力70MPaにて射出成形したときの2mm厚みのスパイラルフロー長さを70cm以上とすることができ、薄肉の成形品の金型に射出成型する際に末端まで十分に到達できる。
一方、シリンダー温度200℃、金型温度50℃、150mm角で厚みが1mmのピンゲートの射出成形による平板は、23℃における落錐衝撃強度の全エネルギー強度が8J以上であることが好ましい。
一般に、落下衝撃強度は、成形品の厚みを薄くすると低くなる。射出成形の金型の薄肉部へ樹脂組成物を導入する際に樹脂に大きな応力がかかるために、特に、かかる金型のゲート部分で破壊が起こりやすくなる。これを防ぐために樹脂の流動性を上げる、すなわち、MFRを大きくすると、ポリエチレンの分子量の低下を招き、落下衝撃強度が下がってしまう。
これに対し、本発明のポリエチレン樹脂組成物は、MFRを大きくし、且つ、密度を高めに設定した上で、分子量分布を比較的狭い範囲にすることで、射出成形の金型の薄肉部への流動性が維持され、成形品が薄肉でも落下衝撃強度を維持される効果を示す。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、薄肉の容器の材料として適した、薄肉容器用のポリエチレン樹脂組成物として好適に用いることができる。薄肉の容器としては、乳飲料や清涼飲料のコップ状の製品、ヨーグルト、プリンカップ、などの液状食品容器、食品トレーやガム、サプリメントや医薬品の容器、フィルムケースや各種部品ケースなどに使われる。本発明の容器は、本発明のポリエチレン樹脂組成物を射出成形により得ることができる。本発明の容器は、薄肉容器であることが好ましい。上記薄肉容器の厚さは、0.5〜1.0mmであり、0.6〜0.8mmであることが好ましい。
本発明を実施例及び比較例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。本発明及び以下の実施例、比較例において、示す記号ならびに測定方法は以下の通りである。
(1)コードDのMFR(MFRD)
コードDのMFRは、メルトインデックスを表し、JIS K7210により、温度190℃、荷重2.16kgの条件下で測定した値である。コードDのMFRの単位は、g/10分である。
(2)密度
密度は、ASTM D1505に準拠して測定した値である。密度の単位は、kg/m3 である。
(3)分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布は、高温ゲル・パーミエーション・クロマトグラフイー(GPC)から得られた分子量分布のチャートから、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、算出した。GPCにはPolymerChar社製GPC−IR5を用い、カラムには、昭和電工(株)製のAT−807S(1本)と東ソー(株)製GMHHR−H(S)HT(2本)を直列に接続し、用いた。移動相にo−ジクロロベンゼン(ODCB)、カラム温度140℃、流量1.0ml/分、試料濃度20mg/溶媒(ODCB)10ml、試料溶解温度140℃、試料溶解時間1時間の条件下で行った。
(4)オリゴマー量
オリゴマー量は、ガスクロマトグラフィーにより測定した。試料5gとエタノール5mlとを20mlガラス製サンプル管に入れ、カラムとしてOV−17(1.1m)を使用した。カラム温度は140℃2分保持、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温し、250℃で7分間保持した。キャリアガスに窒素を用いキャリアガスの流量は50ml/分であった。検出器はFIDを用いた。
(5)末端オレフィン量
末端オレフィン量は、日本分光社製JASCO FTIR4200を使用して測定した。測定用シートはJIS K6922−2に準拠して、ペレットを0.5mm厚の型枠を入れたプレス用金型板上に必要量載せ、200℃、1MPaで加圧しながら3分間予熱した。続いて2分間かけて1MPaで加圧、除圧を7回繰り返し、続いて10MPaで加圧、除圧を4回繰り返した。最後に10MPaで2分間加圧した後、15℃/分の平均冷却速度で、12分間冷却することで0.5mm厚の測定用シートを作製した。
末端オレフィン量は、日本分析化学会高分子ハンドブックのポリエチレンの異種結合の定量法に準拠して測定した。二重結合量(個/1000C)は、910cm-1の末端ビニル(個/1000C)の吸光度Aを測定することで求めた。計算式を下記に示す。
末端オレフィン量=0.114A910/(ρ×t)
尚、Aは吸光度、ρは密度(g/cm3)、tは厚み(mm)を表す。
(6)チタン残渣
試料をテフロン(登録商標)製分解容器に秤取し、高純度硝酸(関東化学製Ultrapure)を加えてマイクロウェーブ分解装置にて加圧分解した。これに超純水を加えて一定容とした。IPC−MS(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社X7 ICP−MS)にて内標準法で定量を行い、同時に実施した操作ブランク値を差し引いて試料中のチタン含量を求めた。
(7)Tm−11℃の結晶化開始時間
Tm−11℃の結晶化開始時間は、Perkinermer社DSC8000を用いて測定した。まず、50℃で1分保持後、昇温速度200℃/分で180℃まで昇温して180℃で5分保持し、降温速度10℃/分で50℃まで降温、50℃で5分保持して、再び昇温速度10℃/分で180℃まで昇温して融解曲線のピーク温度から融点を測定した。次に、試料を180℃で融解させ、融点より11℃低い温度まで200℃/分で冷却して融点より11℃低い温度に保持したときの結晶化挙動を記録した。目的の測定温度になってから、結晶化による発熱ピークが最大となる時間を結晶化開始時間とした。
(8)曲げ弾性率
JIS K7171に基づき射出成形でダンベル型試験片を成形し、該ダンベル型試験片から曲げ測定用試験片を切り出して、曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率が高いことは、剛性が高いことを表す。
(9)SFD
住友重機射出成形機SE130DUZを用い、肉厚0.6mmの渦巻き溝の金型を用いて、中央ゲートより射出により溶融ポリエチレン樹脂組成物を圧入して成形品を作り、その流動距離(スパイラルフローディスタンス(SFD))により流動性を評価した。樹脂温度200℃、金型温度50℃、射出圧70MPaの条件下でスパイラルフローディスタンス(SFD)を測定した。
(10)臭気
10人のパネラーが、射出成形で得られるカップの臭気を官能試験により評価した。官能試験は密閉可能な500ccの臭気瓶の中に、片面の表面積が500cm2になるようにカットして調製した射出成形で得られたカップを入れた。臭気瓶を、密閉状態で、50℃で30分加熱後、23℃で30分冷却し、臭気瓶の臭いを評価する。5人以上のパネラーが、刺激臭、ポリ臭、ロウ臭などの不快臭を感じるという判定をしたとき、不良(×)と評価した。
(11)味覚
10人のパネラーが、射出成形で得られたカップに入れた水の味覚を官能評価により評価する。官能評価は射出成形で得られたカップに無味無臭の水を入れて密封し、50℃で30分加熱後、23℃で30分冷却し、蓋を開放して水を口に含み味覚を評価した。5人以上のパネラーが不快な味や異味を感じた判定をしたとき不良と評価した。
(12)乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)適合試験
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)適合は、乳等の容器の原材料規格に記載の基準に定められる方法により測定した。溶出試験として重金属、蒸発残留物、過マンガン酸カリウム消費量、材質試験としてn−ヘキサン抽出物、キシレン可溶物、ヒ素、重金属を測定した。測定値が規格値を下回る場合には適、超える場合には不適とした。規格値は、溶出試験の重金属が1ppm以下、蒸発残留物(4%酢酸)が15ppm以下、過マンガン酸カリウム消費量が5ppm以下、材質試験のn−ヘキサン抽出量が2.6%以下、キシレン可溶物が11.3%以下、ヒ素が2ppm以下、重金属が20ppm以下である。
(13)印刷性
試験サンプルをコロナ放電表面処理条件:20w/m2/分の放電量で処理を行った後、東洋インキ社製水性インク塗布して乾燥後、指でこすることにより印刷が剥がれるかどうかを確認した。インクが剥げてしまったものを×、剥げなかったものを○とした。
(固体触媒成分[A]の調製)
(1)クロロシラン化合物との反応によるマグネシウム含有固体の合成
充分に窒素置換された15Lの反応器に、トリクロロシラン(HSiCl3)を2mol/Lのn−ヘプタン溶液として2740mL仕込み、攪拌しながら65℃に保ち、組成式AlMg6(C253(n−C4910.8(On−C491.2で示される有機マグネシウム成分のn−ヘプタン溶液7L(マグネシウム換算で5モル)を1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、n−ヘキサン7Lで4回洗浄を行い、固体物質スラリーを得た。この固体物質スラリーを分離・乾燥して得た固体を分析した結果、固体1g当たり、Mg8.62mmol、Cl17.1mmol、n−ブトキシ基(On−C49)0.84mmolを含有していた。
(2)固体触媒の調製
上記固体500gを含有するスラリーを、n−ブチルアルコール1mol/Lのn−ヘキサン溶液2160mLとともに、攪拌下50℃で1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7Lのn−ヘキサンで1回洗浄した。該スラリーを50℃に保ち、1mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドのn−ヘキサン溶液970mLを攪拌下加えて1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7Lのn−ヘキサンで2回洗浄した。このスラリーを50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1mol/Lのn−ヘキサン溶液270mLおよび1mol/Lの四塩化チタンのn−ヘキサン溶液270mLを加えて、2時間反応した。反応終了後上澄みを除去し、内温を50℃に保った状態で、7Lのn−ヘキサンで4回洗浄して、固体触媒成分をヘキサンスラリー溶液として得た。この固体触媒スラリー溶液上澄み液中の塩素イオン濃度は2.5mmol/L、アルミニウムイオン濃度は4.5mmol/Lであった。
〔比較例1〕
上記で得られた固体触媒を用い、コモノマーとして1−ブテンを用いて単独のスラリー重合を行った。重合槽にはエチレンと1−ブテンを供給し85℃、0.98MPa、水素濃度54%、1−ブテン濃度2.0%にて重合した。
得られたパウダー状態の樹脂に、添加剤としてステアリン酸カルシウムを350ppm加えて、ヘンシェルミキサーにてブレンドした。これを二軸押出機(日本製鋼社製;TEX44HCT−49PW−7V)を用い、パウダーを供給するホッパーは大気開放、10段あるシリンダーおよびダイスの温度設定を200℃とし、押出量35kg/時間の条件で混練しながら押出し、組成物ペレットを得た。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
水素濃度を54%、1−ブテン濃度を3.8%とした以外は実施例1と同様に重合し、これを二軸押出機(日本製鋼社製;TEX44HCT−49PW−7V)を用い、パウダーを供給するホッパーに1m3/時間の割合で窒素を導入し、10段あるシリンダーの温度設定をホッパー下は水冷、先端に向かって120、120、130、130、130、140、140、140、140℃と段階的に設定し、ダイスの温度を150℃とし、押出量35kg/時間、スクリュー回転数50回転/分の条件で混練しながら押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例2で得られた樹脂組成物は、剛性が高く、落錐衝撃強度が良好であったが、流動性がやや不足した。パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいても良好な結果を示した。乳等省令適合試験では適合であった。
〔比較例3〕
水素濃度を54%、1−ブテン濃度を4.8%とした以外は、比較例1と同様に重合、押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例3で得られた樹脂組成物は、流動性は良好であったが、剛性、落錐衝撃強度が不足する結果となった。パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいては良好な結果を示した。乳等省令適合試験では適合であった。
〔比較例4〕
水素濃度を58%、1−ブテン濃度を4.5%とした以外は、比較例1と同様に重合、押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例4で得られた樹脂組成物は、剛性が高く、流動性が特に良好であったが、落錐衝撃強度が低かった。さらに、パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいては、ロウ臭が強く、味覚テストでも異味を感じたパネラーが半数となった。乳等省令適合試験では適合であった。
〔比較例5〕
水素濃度を50%、1−ブテン濃度を8.1%とした以外は、比較例1と同様に重合、押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例5で得られた樹脂組成物は、流動性、落錐衝撃強度は良好であったが、剛性が不足する結果となった。パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいては良好な結果を示した。乳等省令適合試験では適合であった。
〔実施例1〕
比較例1と同じ条件でポリエチレンパウダーを得た。得られたパウダー状態の樹脂に、添加剤としてステアリン酸カルシウムを350ppm加えて、ヘンシェルミキサーにてブレンドした。これを二軸押出機(日本製鋼社製;TEX44HCT−49PW−7V)を用い、パウダーを供給するホッパーに1m3/時間の割合で窒素を導入し、10段あるシリンダーの温度設定をホッパー下は水冷、先端に向かって120、120、130、130、130、140、140、140、140℃と段階的に設定し、ダイスの温度を150℃とし、押出量35kg/時間、スクリュー回転数50回転/分の条件で混練しながら押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。実施例1で得られた樹脂組成物は、剛性が高く、流動性、落錐衝撃強度が良好であった。さらに、パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいても良好な結果を示した。乳等省令適合試験では適合であった。
〔実施例2〕
圧力を0.97MPa、水素濃度を55%、1−ブテン濃度を4.5%とした以外は実施例1と同様に重合、押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。実施例2で得られた樹脂組成物は、剛性が高く、流動性、落錐衝撃強度が良好であった。さらに、パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいても良好な結果を示した。乳等省令適合試験では適合であった。
〔実施例3〕
圧力を0.97MPa、水素濃度を55%、1−ブテン濃度を2.0%とした以外は実施例1と同様に重合、押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。実施例3で得られた樹脂組成物は、より剛性が高く、流動性、落錐衝撃強度が良好であった。さらに、パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいても良好な結果を示した。乳等省令適合試験では適合であった。
〔比較例6〕
充分に窒素置換された内容積20Lのステンレス製オートクレーブに1モル/Lのヒドロキシトリクロロシランヘキサン溶液4Lを仕込み、50℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4911(OC252で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液9L(マグネシウム6.5モル相当)を4時間かけて滴下し、さらに50℃で1時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、7Lのヘキサンで4回洗浄した。この担体を分析した結果、担体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.44mmolであった。
上記担体500gを含有するヘキサンスラリー13Lに50℃で攪拌しながら1mol/Lの1−プロパノールヘキサン溶液450mLを30分かけて添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液7Lを除去し、ヘキサン6.4Lを添加し、温度を65℃にして1mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドヘキサン溶液600mLを1時間30分かけて添加した。添加後、65℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液7Lを除去し、ヘキサン7Lで4回洗浄した。洗浄後のスラリーの上澄み600mLを除去し、50℃で攪拌しながら1mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドヘキサン溶液265mLを5分かけて添加し、引き続き1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液265mLを5分かけて添加した。添加後、50℃で2時間反応を継続した。反応終了後、7Lの上澄み液を除去し、7Lのヘキサンで4回洗浄することにより、固体触媒成分を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.52mmolであった。
上記で得られた固体触媒を用い、コモノマーとして1−ブテンを用いて単独のスラリー重合を行った。重合槽にはエチレンと1−ブテンを供給し85℃、0.98MPa、水素濃度56%、1−ブテン濃度1.5%にて重合した。得られたパウダー状態の樹脂に、添加剤としてステアリン酸カルシウムを350ppm加えて、ヘンシェルミキサーにてブレンドした。これを二軸押出機(日本製鋼社製;TEX44HCT−49PW−7V)を用い、実施例1と同じ窒素導入と温度プロファイル、条件で混練しながら押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例6で得られた樹脂組成物は、剛性が高く、流動性は良好であったが、分子量分布がやや広く落錐衝撃強度が不足した。パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいては良好な結果を示した。乳等省令適合試験では適合であった。
〔比較例7〕
充分に窒素置換された15Lの反応器に、テトラクロロチタン(TiCl4)を2mol/Lのn−ヘプタン溶液として2740mL仕込み、攪拌しながら65℃に保ち、組成式AlMg6(C253(i−C493で示される有機マグネシウム成分のn−ヘプタン溶液7Lを1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、n−ヘキサン7Lで4回洗浄を行い、固体スラリーを得た。この固体スラリーを分離・乾燥し、固体触媒を得た。
上記で得られた固体触媒を用い、コモノマーとして1−ブテンを用いて単独のスラリー重合を行った。重合槽にはエチレンと1−ブテンを供給し85℃、0.96MPa、水素濃度55%、1−ブテン濃度1.7%にて重合した。得られたパウダー状態の樹脂に、添加剤としてステアリン酸カルシウムを350ppm加えて、ヘンシェルミキサーにてブレンドした。これを二軸押出機(日本製鋼社製;TEX44HCT−49PW−7V)を用い、実施例1と同じ窒素導入と温度プロファイル、条件で混練しながら押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例7で得られた樹脂組成物は、剛性が高く、流動性は良好であったが、分子量分布がやや広く落錐衝撃強度が不足した。パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいては良好な結果を示した。乳等省令適合試験では適合であった。
〔比較例8〕
実施例1と同じ触媒を用い、連続スラリー重合法で直列に接続した2つの重合槽による二段重合を行った。用いたコモノマーは1−ブテンである。一段目の重合槽には、モノマーとしてエチレンのみを供給し、温度85℃、圧力5.8MPa、水素濃度57%にて重合を行い、二段目にはエチレンと1−ブテンを供給し85℃、2.7Kg/cm3G、水素濃度25%、1−ブテン濃度1.7%にて重合した。一段目の重合槽で得られるエチレン単独重合体からなる低分子量成分の生産量の割合を60wt%、二段目の重合槽で得られる共重合体からなる高分子量成分の生産量の割合を40wt%に設定した。得られたパウダー状態の樹脂に、添加剤としてステアリン酸カルシウムを350ppm加えて、ヘンシェルミキサーにてブレンドした。これを二軸押出機(日本製鋼社製;TEX44HCT−49PW−7V)を用い、実施例1と同じ窒素導入と温度プロファイル、条件で混練しながら押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例8で得られた樹脂組成物は、流動性、剛性は良好であったが、落錐衝撃強度が不足する結果となった。パネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいては異味を感じるパネラーがいた。乳等省令適合試験では適合であった。
〔比較例9〕
6.2g(8.8mmol)のトリエチルアンモニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレートを4Lのトルエンに加え、90℃で、30分間攪拌した。次にこの撹拌した溶液に1mol/Lのトリヘキシルアルミニウムのトルエン溶液40mLを加え90℃で1分間さらに攪拌し、トリエチルアンモニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレートとトリヘキシルアルミニウムのトルエン溶液を得た。一方、シリカを500℃で3時間、窒素気流で処理し、その処理後のシリカを1.7Lのトルエン中に入れ攪拌し、シリカスラリー溶液を得た。このシリカスラリー溶液に上記トリエチルアンモニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレートとトリヘキシルアルミニウムのトルエン溶液を加え90℃で、3時間攪拌した。次に1mol/Lのトリヘキシルアルミニウムのトルエン溶液206mLを加え、さらに90℃で1時間攪拌した。その後上澄み液を90℃のトルエンを用いてデカンテーションを5回行い、過剰のトリヘキシルアルミニウムを除き、混合物を得た。0.218mol/Lの濃い紫色のチタニウム(N−1,1−ジメチルエチル)ジメチル(1−(1,2,3,4,5,−eta)−2,3,4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)シラナミナート)((2−)N)−(η4−1,3−ペンタジエン)のISOPARTME(米国、ExxonMobil Chemical製)溶液20mLを上記混合物に加え3時間攪拌し緑色の担持触媒を得た。
上記で得られた固体触媒を用い、コモノマーとして1−ブテンを用いて単独のスラリー重合を行った。重合槽にはエチレンと1−ブテンを供給し70℃、0.98MPa、水素濃度56%、1−ブテン濃度1.6%にて重合した。得られたパウダー状態の樹脂に、添加剤としてステアリン酸カルシウムを350ppm加えて、ヘンシェルミキサーにてブレンドした。これを二軸押出機(日本製鋼社製;TEX44HCT−49PW−7V)を用い、実施例1と同じ窒素導入と温度プロファイル、条件で混練しながら押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例9で得られた樹脂組成物は、剛性が高く、落錐衝撃強度は良好であったが、分子量分布が狭すぎることから流動性に劣る結果となった。またパネラーによる臭気テスト、味覚テストにおいては良好な結果であった。乳等省令適合試験では適合であった。
〔比較例10〕
三酸化クロム4molを蒸留水80Lに溶解し、この溶液中にシリカ(W.Rグレースアンドカンパニー製グレード952)20kgを浸漬し、室温にて1時間攪拌後、このスラリーを加熱して水を留去し、続いて120℃にて10時間減圧乾燥を行った後、600℃にて5時間乾燥空気を流通させて焼成し、クロムを1.0重量%含有した酸化クロム触媒を得た。
上記で得られた固体触媒を用い、コモノマーとして1−ブテンを用いて単独のスラリー重合を行った。重合槽にはエチレンと1−ブテンを供給し86℃、0.98MPa、水素濃度50%、1−ブテン濃度4.9%にて重合した。
得られたパウダー状態の樹脂に、添加剤としてステアリン酸カルシウムを350ppm加えて、ヘンシェルミキサーにてブレンドした。これを二軸押出機(日本製鋼社製;TEX44HCT−49PW−7V)を用い、実施例1と同じ窒素導入と温度プロファイル、条件で混練しながら押出し、組成物ペレットを得た。
前記した測定法に基づいて各物性値及び評価データを求めた。その結果を表1に示す。比較例10で得られた樹脂組成物は、剛性、流動性は良好だが、分子量分布が広がることにより落錐衝撃強度の不足が発生した。また、パネラーによる臭気テスト、味覚テストではオレフィンによるポリ臭および味覚での異味を感じた。そしてまた、乳等省令適合試験ではn−ヘキサン抽出量が多く不適となった。
本発明のポリエチレン組成物は、薄肉容器の射出成形に有用であり、特に乳飲料容器等の分野で好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 下記(a)〜(c)からなる要件を満たす、薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。
    (a)コードDの溶融流れ(MFR)が39g/10分以上52g/10分未満
    (b)密度が955〜975kg/m3
    (c)GPCによる分子量分布測定において重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5以上4.5以下
  2. さらに下記(d)〜(h)からなる要件を満たす、請求項1に記載の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。
    (d)エタノール抽出GC法による低分子量成分が50ppm以下
    (e)IR法によって測定した末端オレフィン量が1000炭素原子あたり0.2個以下
    (f)樹脂中のチタン残渣量が0.5ppm以上1.5ppm以下
    (g)融点(Tm)より11℃低い温度での結晶化開始時間が1.5分以下
    (h)曲げ弾性率が1000MPa以上
  3. 蒸発残留物測定法による4%酢酸溶液抽出物が15ppm以下、かつn−ヘキサン抽出物が2.6%以下、かつキシレン可溶物が11.3%以下であって、
    乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に適合する、
    請求項1または2に記載の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。
  4. 添加剤をさらに含み、
    前記添加剤が、2500ppm以下の、日本薬局方に規定するステアリン酸カルシウム、および/または、食品添加物等の規格基準に適合する二酸化チタンのみである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄肉容器用ポリエチレン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄肉成形容器用ポリエチレンを射出成形してなる容器。
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