JP2018012652A - 杜仲葉抽出物の脱色方法、脱色された杜仲葉抽出物及びこれらの利用 - Google Patents

杜仲葉抽出物の脱色方法、脱色された杜仲葉抽出物及びこれらの利用 Download PDF

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Akio Kobayashi
昭雄 小林
泰裕 木村
Yoshihiro Kimura
泰裕 木村
萍 頼
Ping Lai
萍 頼
信悟 細尾
Shingo Hosoo
信悟 細尾
平田 哲也
Tetsuya Hirata
哲也 平田
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Abstract

【課題】本発明の目的は、有効成分を残存させながらも有意な脱色が可能な杜仲葉抽出物の脱色方法、脱色された杜仲葉抽出物等を提供することである。【解決手段】キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を含む、杜仲葉抽出物の脱色方法等。【選択図】なし

Description

本発明は、杜仲葉抽出物の脱色方法、脱色された杜仲葉抽出物及びこれらの利用に関する。
杜仲葉には、高血圧や肥満に代表される生活習慣病等の予防や改善に効果を示す有効成分が含まれていることが知られており、なかでも杜仲葉抽出物は、その効果を獲得することを期待して飲料、錠剤、粉末剤等に広く利用されている。しかし、茶色を呈する杜仲葉抽出物を製品に配合すると、該製品も茶色に着色されることになるため、このような着色が外観上好ましくない製品に杜仲葉抽出物を使用することは困難であった。また、杜仲葉抽出物によるこのような着色は、製品の購入意欲等を損ねる要因ともなっている。
特許文献1には杜仲茶の脱色方法について開示されており、UF膜(限外ろ過膜)を用いて杜仲茶含有液をろ過処理することにより脱色する方法が開示されている。しかし、該方法では、膜孔の閉塞をはじめUF膜を頻繁に交換しなければならないという手間や高いコストを要するといった課題がある。また、より安価な方法として活性炭による脱色方法も知られているが、杜仲葉に含まれる有効成分まで除去されてしまうため、杜仲葉抽出物の脱色には不向きである。
特許第3546289号
本発明は、有効成分を残存させながらも有意な脱色が可能な杜仲葉抽出物の脱色方法、脱色された杜仲葉抽出物等を提供することを目的とする。
本発明者らが前記課題に鑑み鋭意検討を行ったところ、杜仲葉抽出物にキチン及びカゼインを接触させることにより、有効成分を残存させながらも効果的に杜仲葉抽出物を脱色できることを見いだした。本発明は該知見に基づき更に検討を重ねた結果完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1.キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を含む、杜仲葉抽出物の脱色方法。
項2.キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を含む、脱色された杜仲葉抽出物の製造方法。
項3.項2に記載する方法により製造される、脱色杜仲葉抽出物。
項4.次の特徴を有する杜仲葉抽出物:
杜仲葉抽出物中のゲニポシド酸が60mg/Lとなるように調製した水溶液において、該水溶液の波長400nmでの吸光度が0.6以下である。
項5.項3に記載する脱色杜仲葉抽出物または項4に記載する杜仲葉抽出物を含有する、杜仲葉抽出物含有組成物。
項6.更にキチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項5に記載の杜仲葉抽出物含有組成物。
項7.キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種が、杜仲葉抽出物に由来する着色成分と複合物を形成しているものである、項6に記載の杜仲葉抽出物含有組成物。
項8.キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物。
項9.キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を含む、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物の製造方法。
項10.項9に記載する方法により製造される、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物。
本発明によれば、杜仲葉抽出物を脱色できる。本発明によれば、脱色された杜仲葉抽出物、特に、有効成分が有意に残存した脱色された杜仲葉抽出物を提供できる。また、本発明は、該脱色された杜仲葉抽出物を含有する組成物を提供できる。また、本発明によれば、キチン及びカゼインと杜仲葉抽出物中の着色成分との複合物を提供できる。また、本発明によれば、脱色された杜仲葉抽出物や該複合物等の製造方法を提供できる。
以下、本発明について説明する。
1.杜仲葉抽出物の脱色方法
本発明の杜仲葉抽出物の脱色方法は、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を有する。
杜仲葉抽出物は杜仲(Eucomica ulmoides oliver)の葉から得られる抽出物であり、該抽出物の製造方法(抽出方法及び抽出条件等)は特に限定されない。例えば、杜仲葉をそのまま、必要に応じて裁断、粉砕、乾燥または焙煎等したのち、溶媒抽出によって得られる抽出物であってもよい。本発明において脱色される杜仲葉抽出物は、茶色を呈している限り制限されないが、より好ましくは焙煎して得られる杜仲葉の抽出物が例示される。焙煎方法は制限されないが、より好ましくは着色が加速される焙煎過程を経て得られる杜仲葉の抽出物(焙煎杜仲葉抽出物)が例示される。焙煎方法は制限されないが、従来の杜仲茶葉の製造において広く用いられている100〜250℃程度で20〜60分程度の加熱が例示される。
溶媒抽出の方法としては、該分野において公知の方法が例示され、例えば水(温水、熱水を含む)抽出、アルコール抽出、超臨界抽出等の従来公知の抽出方法が挙げられる。
溶媒抽出の場合、溶媒としては例えば水;メタノール、エタノール等の低級アルコールや、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類(無水、含水の別を問わない);アセトン等のケトン類、ジエチルエーテルジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等が挙げられる。溶媒として好ましくは水、低級アルコール、1,3−ブチレングリコール等であり、より好ましくはエタノール、1,3−ブチレングリコールであり、更に好ましくは含水エタノールである。これらの溶媒は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明を制限するものではないが、例えば溶媒として水を用いた場合は水抽出物、低級アルコール類を用いた場合は低級アルコール抽出物、エタノールを用いた場合はエタノール抽出物等と称することができる。
得られた抽出物は、そのままの状態であってもよく、軟エキス等の状態であってもよく、乾燥させて粉末状や顆粒状等の固形の状態であってもよく、いずれの状態であってもよい。また、本発明において使用する抽出物は市販品でもよく、市販品に対して更に乾燥等の処理を適宜施したものでもよい。
これらの抽出物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
キチンは公知の化合物であり、本発明においてその由来は限定されない。一般的に、キチンは、カニやエビ等の甲殻類や節足動物の外骨格、軟体動物の殻皮表面、菌類の細胞壁等を化学処理して得られ、N−アセチル−D−グルコサミンを主要な単位とする高分子物質である。キチンは、脱アセチル化度の程度によりD−グルコサミンをある程度含有していてもよく、本発明を制限するものではないが、通常、脱アセチル化度が60%以下をキチン、60%より高いものをキトサンとよぶことができる。脱アセチル化度が60%以下とは、キチンを構成する構成単位(N−アセチル−D−グルコサミン及びD−グルコサミン)中、D−グルコサミンの割合が60%以下であることを意味する。キチンはα型、β型、γ型の何れも使用でき、通常、水にも酸にも溶けないか(α型)、水に溶けず蟻酸に溶ける(γ型)。
キチンとして、本発明の効果が得られる限り制限されないが、費用軽減の観点から、好ましくは甲殻類や節足動物の外骨格に由来する一般的なキチン(α型)が例示される。キチンとして市販品を用いてもよい。
キチンの粒径は、杜仲葉抽出物と接触できる限り制限されず適宜選択すればよく、本発明を制限するものではない。
カゼインは、乳から得られるリンたん白を含む公知の成分であり、本発明の効果が得られる限りその種類は制限されない。カゼインとして市販品を用いてもよい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物とを接触させるにあたり、杜仲葉抽出物が液状(軟エキス状等を含む)の場合、杜仲葉抽出物とキチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種とをそのまま接触させてもよく、杜仲葉抽出物と溶媒とを混合して得られた混合液と、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種とを接触させてもよい。杜仲葉抽出物が固形状の場合、杜仲葉抽出物とキチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種とをそのまま接触させてもよく、効果的に脱色を行う観点から、より好ましくは、固形状の杜仲葉抽出物と溶媒とを混合して得た混合液と、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種とを接触させてもよい。また、液状の杜仲葉抽出物と固形状の杜仲葉抽出物との混合物と、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種とを接触させてもよい。これらの混合等の順序は限定されない。
ここで、杜仲葉抽出物と混合される溶媒も本発明の効果が得られる限り制限されず、前述の溶媒抽出の際に使用可能な溶媒や、他に薬学的もしくは香粧学的に許容可能なまたは可食性の任意の溶媒が挙げられる。本発明を制限するものではないが、溶媒として、好ましくは水、低級アルコール抽出物が例示され、より好ましくは水が例示される。
本発明においてはこれらを接触させることにより脱色が達成される。このため、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物との接触量は制限されない。接触させる杜仲葉抽出物、キチン、カゼインの種類、接触時間等を考慮して適宜決定すればよく、本発明を制限するものではないが、接触量の一例として、これらの接触をバッチ法にて行う場合、杜仲葉抽出物5mgに対して、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種0.05〜1gが例示される。本発明を制限するものではないが、該接触量の一例として、キチンを用いる場合、杜仲葉抽出物5mgに対して、キチンを好ましくは0.1〜0.5g、より好ましくは0.2〜0.5gが例示される。カゼインを用いる場合、杜仲葉抽出物5mgに対して、カゼインを好ましくは0.1〜0.5g、より好ましくは0.3〜0.5gが例示される。カラムなど他の方法にて行う場合は、該記載に基づいて適宜決定すればよい。
接触時間は、本発明の効果が得られる限り制限されず、接触させる杜仲葉抽出物、キチン、カゼインの種類、接触量等を考慮して適宜決定すればよい。接触時間として、5分以上、好ましくは5分〜5時間が例示される。また、本発明を制限するものではないが、該接触時間として、キチンを用いる場合、より好ましくは10分〜2時間、更に好ましくは10分〜1時間が例示され、カゼインを用いる場合、より好ましくは30分〜3時間、更に好ましくは2時間〜3時間が例示される。
接触温度は、本発明の効果が得られる限り制限されず、例えば15〜40℃が例示される。
杜仲葉抽出物が脱色されたかどうかは目視により判断することが可能であるが、客観的に評価できる観点から、吸光度に基づいて判断すればよい。前記方法を実施した後に得られる杜仲葉抽出物の吸光度が、脱色前の杜仲葉抽出物の吸光度よりも低い場合に、杜仲葉抽出物が脱色されたことを意味する。
本発明の方法を実施することにより、脱色前の杜仲葉抽出物が呈する茶色の着色を低減することができる。本発明を限定するものではないが、後述する実施例から明らかなように本発明によれば、脱色前の杜仲葉抽出物における吸光度(波長400nm)が1程度であっても、その値を有意に低減させることができ、高い脱色率で杜仲葉抽出物を脱色することができる。また、本発明によれば、茶色を呈する杜仲葉抽出物を無色透明にまで脱色することも可能である。
なお、吸光度は、分光光度計(型番GeneQuant100、製造元GE Healthcare Bio−Sciences Corp.)を用いて測定する。
測定条件
セル:ウルトラマイクロボリュームブラックセル 12.5×12.5×45mm、光路長10mm、最小サンプル量 70μL、 石英、コード番号80-2103-69
室温:15〜40℃
測定波長は400nmに設定し、蒸留水で吸光度は0.000に校正する。
測定試料溶液をセルに入れ、吸光度を測定する。
また、本発明によれば、杜仲葉抽出物に含まれる有効成分として知られているゲニポシド酸、アスペルロシド、クロロゲン酸を該抽出物中に残存させたまま、有意な脱色を行うことができる。特に、本発明によれば、脱色前の杜仲葉抽出物に含まれる該有効成分の含有量の減少を有意に抑えながら脱色を行うことができる。
本発明を制限するものではないが、後述する実施例から明らかなように、本発明によれば、脱色前の杜仲葉抽出物に含まれる該有効成分の含有量を100%とした場合、脱色後の杜仲葉抽出物中の該有効成分の残存率は総量で(すなわち、ゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸の合計残存率で)50%以上、より好ましくは60%以上とできる。
また、本発明を制限するものではないが、後述する実施例から明らかなように、本発明によれば、脱色前の杜仲葉抽出物に含まれるゲニポシド酸の含有量を100%とした場合、脱色後のゲニポシド酸の残存率を50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは76%以上とできる。また、本発明を制限するものではないが、本発明によれば、脱色前の杜仲葉抽出物に含まれるアスペルロシドの含有量を100%とした場合、脱色後のアスペルロシドの残存率を50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは78%以上とできる。また、本発明を制限するものではないが、本発明によれば、脱色前の杜仲葉抽出物に含まれるクロロゲン酸の含有量を100%とした場合、脱色後の残存率を50%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは82%以上とできる。
なお、前記残存率は、次の条件において、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、各成分のピーク面積に基づいて算出する。
測定条件
カラム YMC−Pack ODS−A,φ6.0mm×150mm(YMC社製)
移動相 A:水/メタノール/リン酸=50/50/0.1(v/v)
B:0.1%(v/v)リン酸水溶液
0−60%移動相A(0〜40min)、100%移動相B(40〜50min)
カラム温度 40℃
流速 1ml/min
検出器 UV検出器(測定波長:245nm)
ゲニポシド酸、アスペルロシド、およびクロロゲン酸の濃度は、検量線法を用いて算出する。
残存率(%)=脱色前の杜仲葉抽出物における有効成分のピーク面積×100/脱色前の杜仲葉抽出物における有効成分のピーク面積
但し、該式において「有効成分」は分子と分母とで同じものを指す。
このように、本発明によれば、杜仲葉抽出物が呈する茶色の着色を有意に脱色できる。また、本発明によれば、杜仲葉抽出物に含まれるゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸からなる群より選択される少なくとも1種の含有量の減少を有意に抑えながら、杜仲葉抽出物の茶色を有意に脱色できる。このように、本発明によれば、杜仲葉抽出物が呈する茶色の着色を簡便に低減しながら、杜仲葉抽出物に含まれる前記有効成分量の低減を有意に抑制することができる。
通常、茶色を呈する杜仲葉抽出物を含む製品は茶色に着色されることになるため、茶色であることが外観上好ましくない製品に杜仲葉抽出物を使用することは困難であった。また、杜仲葉抽出物による茶色への着色は、製品の購入意欲等を損ねる要因ともなっていた。
本発明によれば杜仲葉抽出物の茶色を簡便に脱色することができ、従って、本発明によれば、茶色であることが外観上好ましくない製品に対しても杜仲葉抽出物を使用しやすくでき、すなわち杜仲葉抽出物の利用範囲を一層広げることができる。また、本発明によれば、杜仲葉抽出物を無色透明な程度にまで脱色することが可能である。従って、本発明によれば、着色を気にすることなく所望量の杜仲葉抽出物を製品に添加することができ、杜仲葉抽出物に由来する有効成分をより高含有量で配合された多種多様な製品を効率良く提供できる。また、これにより着色が軽減または回避できることから、製品の購入意欲等の向上を図ることができる。
2.脱色された杜仲葉抽出物の製造方法及び脱色された杜仲葉抽出物
本発明の脱色された杜仲葉抽出物の製造方法は、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を有する。
本発明において、杜仲葉抽出物、キチン、カゼイン、接触の各種条件は、前述の「1.杜仲葉抽出物の脱色方法」の通りである。
該接触により、脱色された杜仲葉抽出物を製造することができる。なお、該接触後、脱色された杜仲葉抽出物は、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と共存した状態にある。遠心分離、ろ過、カラム充填等を行うことにより、該共存下から、脱色された杜仲葉抽出物を取り出すことができる。このように本発明によれば、脱色された杜仲葉抽出物を容易に製造することができる。
ここで本発明において脱色された杜仲葉抽出物は、接触前(脱色前)の杜仲葉抽出物が呈する茶色の着色が低減された杜仲葉抽出物を意味する。前述の通り、杜仲葉抽出物が脱色されたかどうかは目視により判断することが可能であるが、客観的に評価できる観点から、吸光度に基づいて判断すればよい。本発明を限定するものではないが、後述する実施例から明らかなように、本発明によれば、脱色前の吸光度(波長400nm)が1程度である杜仲葉抽出物からも、有意に脱色された杜仲葉抽出物を製造することができる。吸光度は、前述の「1.杜仲葉抽出物の脱色方法」に記載する通りである。
また、この限りにおいて制限されないが、本発明の方法により製造された杜仲葉抽出物は、より好ましくは、脱色前の杜仲葉抽出物に含まれるゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸からなる群より選択される少なくとも1種の含有量の減少が有意に抑えられている。その程度は、前述の「1.杜仲葉抽出物の脱色方法」に記載する残存率の通りである。
本発明によれば、脱色前の杜仲葉抽出物が呈する茶色の着色が低減された、脱色杜仲葉抽出物を製造することができる。また、本発明によれば、ゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸からなる群より選択される少なくとも1種を低減が有意に抑えられた、脱色された杜仲葉抽出物を製造することができる。
本発明はまた、杜仲葉抽出物中のゲニポシド酸が60mg/Lとなるように調製した水溶液において、該水溶液の波長400nmでの吸光度が0.6以下である、杜仲葉抽出物を提供する。該杜仲葉抽出物として、より好ましくは杜仲葉抽出物中のゲニポシド酸が60mg/Lとなるように調製した水溶液において、該水溶液の波長400nmでの吸光度0.5以下が例示される。吸光度の測定手順は前述の通りである。
例えば、後述する試験例1のコントロールとして示されるような、一般的な杜仲葉抽出物を用いて調製した水溶液では目視において明らかな茶色を呈している。一方、前述の吸光度が0.6以下である水溶液では該茶色が目視においても著しく低減されており、すなわち、従来の一般的な杜仲葉抽出物よりも茶色の着色が著しく低減されている。このため、該杜仲葉抽出物は脱色された杜仲葉抽出物ともいえ、特に、本発明を制限するものではないが、従来の焙煎杜仲葉抽出物では、杜仲葉抽出物中のゲニポシド酸が60mg/Lとなるように調製した水溶液において、通常、該水溶液の波長400nmでの吸光度が1程度、せいぜい0.8より高い値にとどまるのに対して、本発明では焙煎杜仲葉抽出物であっても前述の通り吸光度0.6以下である。この観点から、本発明は、焙煎杜仲葉抽出物中のゲニポシド酸が60mg/Lとなるように調製した水溶液において、該水溶液の波長400nmでの吸光度が0.6以下である、焙煎杜仲葉抽出物を提供するともいえる。
該杜仲葉抽出物は、室温で液状、固形状等のいずれの形態であってもよい。
本発明を制限するものではないが、本発明の、杜仲葉抽出物中のゲニポシド酸が60mg/Lとなるように調製した水溶液において、該水溶液の波長400nmでの吸光度が0.6以下である杜仲葉抽出物は、前述の脱色された杜仲葉抽出物の製造方法により製造してもよい。
該方法により製造された杜仲葉抽出物は、より好ましくは、脱色前の杜仲葉抽出物に含まれるゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸からなる群より選択される少なくとも1種の含有量の減少が有意に抑えられている。その程度は、前述の「1.杜仲葉抽出物の脱色方法」のに記載する残存率の通りである。このことから、本発明によれば、杜仲葉抽出物が呈する茶色の着色が低減され、且つ、ゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸からなる群より選択される少なくとも1種を豊富に含んだ杜仲葉抽出物を提供することができる。
これらのことから、本発明によれば、接触前(脱色前)の杜仲葉抽出物に含まれるゲニポシド酸、アスペルロシド、クロロゲン酸を残存させたまま、脱色された杜仲葉抽出物を製造することができる。特に、該方法によれば、接触前の杜仲葉抽出物に含まれるこれらの有効成分の含有量の減少を有意に抑えながら、脱色された杜仲葉抽出物を製造することができる。また、本発明によれば、茶色の着色が著しく低減された杜仲葉抽出物、特に焙煎杜仲葉抽出物を簡便に得ることができる。従って、本発明によれば、茶色であることが外観上好ましくない製品に対しても杜仲葉抽出物を使用しやすくなり、その利用範囲を一層広げることができる。また、本発明によれば、着色を気にすることなく所望量の杜仲葉抽出物を製品に含有させることができ、また、杜仲葉抽出物に由来する有効成分をより高含有量で配合された多種多様な製品を効率良く提供できる。また、これにより従来問題であった着色が軽減または回避できることから、製品の購入意欲等の向上を図ることができる。
3.杜仲葉抽出物含有組成物
本発明の杜仲葉抽出物含有組成物は、(1)前述の方法により製造された脱色された杜仲葉抽出物(以下、脱色杜仲葉抽出物と記載することがある)及び/または(2)前述の、杜仲葉抽出物中のゲニポシド酸が60mg/Lとなるように調製した水溶液において、該水溶液の波長400nmでの吸光度が0.6以下である杜仲葉抽出物を含有する。
本発明の組成物の前記(1)及び/または(2)の含有量は、目的に応じて適宜設定すればよいが、組成物中、好ましくは前記(1)及び/または(2)の乾燥物換算で0.1〜100重量%が例示され、より好ましくは0.5〜90重量%が例示される。前記(1)及び(2)を共に含有する場合、その総量が該値を充足する。前記(1)及び/または(2)の乾燥物は、前記(1)及び/または(2)を凍結乾燥処理することにより得られる。凍結乾燥処理は、一般的なエバポレーターを用いた減圧濃縮及び真空状態での凍結乾燥により行う。
本発明の組成物は、前記(1)及び/または(2)以外に、更にキチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種を含有してもよい。キチン及びカゼインは前述の通りである。
本発明の組成物がキチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合、これらの含有量は目的に応じて適宜設定すればよいが、組成物中、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種を、0.001〜50重量%が例示される。キチン及びカゼインを共に含有する場合、その総量が該値を充足する。
本発明を制限するものではないが、前述の製造方法に従えば、脱色された杜仲葉抽出物は、その接触工程においてキチン及びカゼインと共存しているといえる。従って、本発明の組成物は、該工程で得た、茶色の着色が著しく低減された杜仲葉抽出物とキチン及びカゼインとの共存物をそのまま含有していてもよく、該共存物の希釈物、濃縮物、濃縮乾燥物等の任意の形態で含有していてもよい。また、前述の製造方法に従えば、杜仲葉抽出物が脱色されると、キチン及び/またはカゼインと該抽出物に由来する着色成分とは複合物の形態にあるともいえる。従って、本発明の組成物がキチン及び/またはカゼインを含有する場合、キチン及び/またはカゼインは更に該着色成分と複合物の形態にあってもよい。
本発明の組成物は、更に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、薬学的もしくは香粧学的に許容可能な、または可食性の任意の成分を更に配合することができる。任意の成分として、溶剤(水、メタノール、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類(無水、含水の別を問わない)等)、賦形剤、安定化剤、防腐剤、増粘剤、乳化剤、界面活性剤、結合剤、滑沢剤、浸透促進剤、油分、酸化防止剤、抗炎症剤、清涼剤、保湿剤、美白剤、抗アレルギー剤、損傷治療剤、キレート剤、皮膜形成剤、pH調整剤、可溶化剤、ゲル化剤、香料、着色料、アミノ酸、ビタミン、酵素、各種栄養成分等の任意の成分が例示される。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物の形態も制限されず、室温で液状、固形状等のいずれであってもよく、用途も制限されず、食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料等、これらに適用される添加剤等が例示される。また、本発明の組成物は、経口、非経口のいずれにより適用されるものであってもよく、また、適用対象(対象動物)もヒトやその他の動物をはじめ制限されない。
本発明において、キチン、カゼイン、前述の任意の成分等は、目的とする形態や用途等に応じて適宜選択すればよく、また、各形態に応じた従来公知の方法に従って、前述の茶色の着色が著しく低減された杜仲葉抽出物及び必要に応じて各種成分を混合して、本発明の組成物を製造すればよい。
本発明によれば、茶色の着色が著しく低減された杜仲葉抽出物を用いていることから、杜仲葉抽出物を含有しながらも、茶色の着色が著しく低減または回避された杜仲葉抽出物含有組成物を提供することができる。従って、本発明の組成物は、パン、麺類、ケーキ類、ゼリー類、飲料等の茶色であることが外観上好ましくない製品をはじめとする様々な製品に適用することはできる。また、本発明の杜仲葉抽出物含有組成物は、前述の通り、茶色の着色が著しく低減されているにもかかわらずゲニポシド酸、アスペルロシド、クロロゲン酸を高い割合で含有する杜仲葉抽出物を含有できることから、本発明によれば、所望の有用作用を備えた様々な製品の提供を促進することができる。
4.キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物及びその製造方法
本発明は、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物に関する。
キチン、カゼイン、杜仲葉抽出物は、前述の「1.杜仲葉抽出物の脱色方法」の通りである。
ここで着色成分とは、杜仲葉抽出物において茶色を呈する原因成分であり、主な成分として重合ポリフェノールが例示され、より好ましくは杜仲葉の焙煎により生じた重合ポリフェノールが例示される。
複合物とは、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種に杜仲葉抽出物中の着色成分が吸着等により担持されている状態をいう。
本発明を限定するものではないが、該複合物は、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物に由来する着色成分とを接触させることにより製造することができる。この限りにおいて、該複合物の製造方法は制限されない。杜仲葉抽出物から該複合物を簡便に獲得する観点から、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させることにより、該複合物を製造する方法が例示される。この観点から、本発明は更に、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を含む、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物の製造方法を提供するともいえる。
ここで、キチン、カゼイン、杜仲葉抽出物、着色成分、接触の各種条件は、前述及び前述の「1.杜仲葉抽出物の脱色方法」の通りであり、また、該方法に従って該複合物を製造すればよい。
該接触後、該複合物と杜仲葉抽出物とは共存した状態にあるといえる。遠心分離、ろ過、有機溶剤沈殿、カラム充填等の任意の分離処理を行うことにより、該共存下から、該複合物を取り出すことができる。
このように本発明によれば、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物を容易に製造することができる。また、前述の通り、杜仲葉抽出物とキチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種とを接触させた場合、接触後、杜仲葉抽出物に起因する茶色の着色が低減されており、無色透明な程度にまで低減できることから、本発明によれば、杜仲葉抽出物に由来する着色成分をキチン及び/またはカゼインに効率良く複合化させることもできる。
本発明の複合物は、前記着色成分がキチン及び/またはカゼインに付着していることから、該複合物は、前記着色成分に由来する有用作用とキチン及び/またはカゼインに由来する有用作用の両方を備えている。
また、該複合物から着色成分を分離回収することにより、該着色成分のみを利用することもできる。複合物から着色成分の分離、回収は、従来公知の方法に従い行えばよく、有機溶剤、無機溶剤、吸着剤を用いる方法が例示される。
このような複合物や着色成分は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、薬学的もしくは香粧学的に許容可能な、または可食性の任意の成分と組み合わせて使用してもよい。任意の成分としては前述と同様に説明され、また、杜仲葉抽出物と組み合わせて使用してもよい。このことから、本発明はまた、該複合物及び/または着色成分を含有する組成物を提供する。該組成物の形態も制限されず、室温で、液状、固形状等のいずれであってもよく、その用途も制限されず、食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料等、これらに適用される添加剤等が例示される。該組成物も、経口、非経口のいずれにより適用されるものであってもよく、また、適用対象(対象動物)もヒトやその他の動物をはじめ制限されない。
該組成物中の該複合物及び/または着色成分の含有量は、目的に応じて適宜設定すればよいが、組成物中、好ましくは前記複合物及び/または着色成分の乾燥物換算で0.1〜100重量%が例示され、より好ましくは0.5〜90重量%が例示される。前記複合物と着色成分を共に含有する場合、その総量が該値を充足する。前記複合物及び/または着色成分の乾燥物は、前記複合物及び/または着色成分を凍結乾燥処理することにより得られる。凍結乾燥処理は、一般的なエバポレーターを用いた減圧濃縮及び真空状態での凍結乾燥により行う。
該複合物及び/または着色成分を利用することにより、各成分に起因する有用作用を獲得することができる。抗酸化作用、コレステロール低下作用、タンパク質補給作用、抗酸化作用、着色作用等のこれらに起因する各種効果は公知である。特に、該複合物を利用することにより、これらの両方の作用に由来する有用作用を同時に獲得することができる。また、該複合物及び/または着色成分を食品や医薬部外品等に配合することにより、これらに起因する有用作用を食品や医薬部外品等に付与することができ、すなわち、これらに起因する有用作用が強化された食品や医薬部外品等を新たに提供することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
試験例1
(1)杜仲葉抽出物の調製
杜仲葉乾燥物の製造は、特開平8−173110号公報の実施例2の記載に準じて行った。杜仲の生葉5kgを、日本茶製造用の送帯蒸機(給葉機(地上型1500)、宮村鉄工株式会社製)及びネットコンベア(送帯式1000))により110℃で90秒間蒸熱した。具体的には、生葉を送帯蒸機の投入口から機内に投入し、コンベア上を移動する間に上下スチーム供給装置からスチームを当て、110℃で90秒間蒸熱した。次にこの蒸熱後の杜仲葉を、揉捻機を用いて30分間揉捻した後、得られた揉捻物を乾燥機を用いて80℃で水分量を5%以下に乾燥させた。以下、これを杜仲葉乾燥物という。なお、該工程は、一般的な杜仲茶用の乾燥茶葉の製造手順といえる。
このようにして得た杜仲葉乾燥物を、炒葉機(IR−10SP型、寺田製作所製)を用いて110℃で30分間焙煎し、焙煎杜仲葉乾燥物を得た。このうち1kgを90℃の水15kgに投入し、90℃で30分間抽出し、抽出物14kgを得た。その後、これを150メッシュのフィルターを用いてろ過し、ろ液を5℃に冷却し一晩放置した。上澄み液を取り出し、減圧下50℃でろ液を濃縮し、1kgの濃縮液を得た。得られた濃縮液を、遠心分離器(KS8000、クボタ株式会社製)を用いて回転速度1800rpmで遠心分離して沈殿物を除去し、得られた上澄み液を加熱殺菌(85℃、2時間)し、杜仲葉水抽出物を得た。これをスプレードライ法により乾燥させ、杜仲葉抽出物(300g)を得た。
(2)キチン及びカゼイン
キチンとして、株式会社キミカ製、一般食品用グレード「キチン」(粒度350μm(40メッシュ)を用いた。また、カゼインとして、和光純薬工業株式会社製、「カゼイン、乳由来」を用いた。
(3)杜仲葉抽出物との接触
前記(1)で得た杜仲葉抽出物を1mg/mlとなるように蒸留水と混合した。得られた混合液5mlを、15mlのマイクロチューブに入れ、次いでキチン0.2gを入れた。これらを、室温(15〜30℃)で振動しながら10分〜2時間接触させた。
また、キチンに代えてカゼインを0.3g用いる以外は同様にして、マイクロチューブに前記混合液及びカゼインを入れ、室温で振動しながら30分〜3時間接触させた。
また、前述と同様にして得た混合液5mlを、15mlのマイクロチューブに入れたものをコントロールとした。
(4)脱色評価
キチンを用いた試験において、前記(3)における接触開始10分、20分、30分、1時間、1時間半及び2時間後に、3,000rpmで10分間遠心し、上澄みを0.45μm孔径のフィルターで濾過した。濾過した溶液(試料)0.5mlを採取し、各試料の光吸度を測定した。カゼインを用いた試験においては、前記(3)における接触開始30分、1時間、1時間半、2時間、2時間半及び3時間後に、3,000rpmで10分間遠心し、上澄みを0.45μm孔径のフィルターで濾過した。濾過した溶液(試料)0.5mlを採取し、各試料の光吸度を測定した。いずれの場合も、コントロールとして、前記(3)で調製した杜仲葉抽出物と水との混合液(1mg/ml)0.5mlを用いた。
本試験では、波長400nmにおける吸光度を、分光光度計(型番GeneQuant100、製造元GE Healthcare Bio−Sciences Corp.)を用いて、室温にて測定した。
測定条件
セル:ウルトラマイクロボリュームブラックセル 12.5×12.5×45mm、光路長10mm、最小サンプル量 70μL、 石英、コード番号80-2103-69
室温:15〜40℃
測定波長は400nmに設定し、蒸留水で吸光度は0.000に校正する。
測定試料溶液をセルに入れ、吸光度を測定する。
また、次の式に従って、接触前(コントロール)の吸光度に対する接触後の吸光度の低下率、すなわち脱色率を算出した。次の式において「有効成分」は分子と分母とで同じものを指す。
脱色率(%)=各試料における波長400nmにおける吸光度×100/コントロールにおける波長400nmにおける吸光度
(5)ゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸の含有量の評価
前記(4)における試料及びコントロールに含まれるゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸の含有量を算出した。ゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸は、生活習慣病等に対して有用作用を発揮する杜仲葉抽出物の主要3成分とも言われていることから、本発明においては該3成分を指標として用いた。具体的には次の条件において、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により各成分の残存率をピーク面積にて算出した。
条件
カラム YMC−Pack ODS−A,φ6.0mm×150mm(YMC社製)
移動相 A:水/メタノール/リン酸=50/50/0.1(v/v)
B:0.1%(v/v)リン酸水溶液
0−60%移動相A(0〜40min)、100%移動相B(40〜50min)
カラム温度 40℃
流速 1mL/min
検出器 UV検出器(測定波長:245nm)
ゲニポシド酸、アスペルロシド、およびクロロゲン酸の濃度は、検量線法を用いて算出。
また、次の式に従って、前記3成分の残存率を算出した。次の式において「有効成分」は分子と分母とで同じものを指す。
残存率(%)=各試料における有効成分のピーク面積×100/コントロールにおける有効成分のピーク面積
(6)結果
結果を表1及び2に示す。表1は吸光度及び脱色率を示し、表2は前記有効成分の残存率を示す。
Figure 2018012652
Figure 2018012652
表1から明らかなように、コントロールと比較して、杜仲葉抽出物とキチンとを1時間接触させた試料では吸光度が大きく低下し、その脱色率は86.8%であった(n=3)。溶液の目視においても、コントロールでは明らかな茶色であったが、試料では無色透明であった。このことから、杜仲葉抽出物とキチンとを接触させることにより、杜仲葉抽出物における茶色の着色を脱色できることが分かった。また、表1には接触1時間後の結果を示すが、キチンとの接触10分〜2時間後のいずれにおいても吸光度が大きく低下し、溶液の目視においても各試料では無色透明であった。このことから、杜仲葉抽出物とキチンとを接触させることにより、杜仲葉抽出物を脱色できることが分かった。また、キチンによれば、簡便に、また、短時間でも、杜仲葉抽出物の脱色が可能であることが確認された。
同様に、表1から明らかなように、コントロールと比較して、杜仲葉抽出物とカゼインとを3時間接触させた各試料においても吸光度が大きく低下し、その脱色率は85.5%であった(n=3)。溶液の目視においても、コントロール明らかな茶色であったが、試料では無色透明であった。また、表1には接触3時間後の結果を示すが、カゼインとの接触30分〜3時間後のいずれにおいても吸光度が大きく低下し、効果的に脱色できた。このことから、杜仲葉抽出物とカゼインとを接触させることにより、杜仲葉抽出物における茶色の着色を脱色できることが分かった。また、杜仲葉抽出物とカゼインとを接触させることにより、短時間で脱色できることが分かった。このように、カゼインによれば、簡便に、また、短時間であっても、杜仲葉抽出物の脱色が可能であることが確認された。
表2から明らかなように脱色された杜仲葉抽出物中の前記3つの有効成分の含有量は、コントロール中の含有量と比較して大きな低減は認められず、特に50%や40%を超えるような大きな低減は認められなかった。このことから、キチンやカゼインを用いることにより、杜仲葉抽出物に特徴的な茶色を効果的に脱色できることが分かった。
また、表2には、表1と同様に、キチンとの接触1時間後の結果、カゼインとの接触3時間後の結果を示すが、前述の各試料においても同様に、脱色された杜仲葉抽出物中の前記3つの有効成分の含有量は、コントロール中の含有量と比較して大きな低減は認められなかった。
このことから、キチンやカゼインによれば、有用作用を発揮する杜仲葉抽出物の主要3成分であるゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸の低減を抑制しながら、効果的に脱色できることが分かった。
試験例2
本試験では、前記試験例1の(1)と同様にして調製した杜仲葉抽出物をマイクロチューブに入れ、次いでキチン0.5gを入れ、室温で攪拌しながら10分〜2時間接触させた。また、キチンに代えてカゼインを用いる以外は同様にして、マイクロチューブに前記水溶液及びカゼインを入れ、室温で攪拌しながら30分〜2時間接触させた。前記試験例1の(4)及び(5)と同様にして、脱色及び有効成分量を評価した。
その結果、コントロールと比較して、杜仲葉抽出物とキチンとを接触させた各試料では、前記試験例1と同様に吸光度が大きく低下した。見た目においても、コントロールでは明らかな茶色であったが、各試料では無色透明であった。このことから、杜仲葉抽出物とキチンとを接触させることにより、杜仲葉抽出物における茶色の着色を脱色できることが分かった。また、接触10分後という非常に短い時間であっても試料は無色透明になった。このことから、杜仲葉抽出物とキチンとを接触させることにより、短時間で脱色できることが分かった。このことからも、キチンによれば、簡便に、また、短時間であっても、杜仲葉抽出物の脱色が可能であることが確認された。
また、コントロールと比較して、杜仲葉抽出物とカゼインとを接触させた各試料においても吸光度が大きく低下した。見た目においても、明らかな茶色であったコントロールの有意な脱色が認められた。このことから、杜仲葉抽出物とカゼインとを接触させることにより、杜仲葉抽出物における茶色の着色を脱色できることが分かった。また、杜仲葉抽出物とカゼインとを接触させることにより、短時間で脱色できることが分かった。このように、カゼインによれば、簡便に、また、短時間であっても、杜仲葉抽出物の脱色が可能であることが確認された。
また、脱色された杜仲葉抽出物中の前記有効成分の含有量は、コントロール中の前記3成分の含有量と比較して大きな低減は認められず、前記試験例1と同様に大きな低減は認められなかった。
本試験からも、キチンやカゼインを用いることにより、杜仲葉抽出物に特徴的な茶色を効果的に脱色できることが分かった。また、有用作用を発揮する杜仲葉抽出物の主要3成分であるゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸の低減を抑制しながら、効果的に脱色できることが分かった。
試験例3
本試験では、前記試験例1の(1)と同様にして調製した杜仲葉抽出物を用い、前記試験例1の(2)と同じキチンを用いた。マイクロチューブへのキチンの添加量を変更(0.5g、0.4g、0.3g、0.2g、0.1g)し、杜仲葉抽出物とキチンとを室温で2時間とする以外は前記試験例1の(3)と同様にして試験を行った。前記試験例1の(4)及び(5)と同様にして、脱色及び有効成分量を評価した。
その結果、キチンの添加量を更に低減させた場合であっても、各試料において吸光度が大きく低下し、効果的な脱色が達成された。また、脱色された杜仲葉抽出物中の前記有効成分の含有量も、コントロール中の含有量と比較して大きな低減は認められなかった。
このことからも、キチンによれば、杜仲葉抽出物に特徴的な茶色を効果的に脱色できることが分かった。また、ゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸の低減を抑制しながら、効果的に脱色できることが分かった。
試験例4
本試験では、前記試験例1の(1)と同様にして調製した杜仲葉抽出物を用い、前記試験例1の(2)と同じカゼインを用いた。キチンをカゼインに変更し、接触時間を3時間とする以外は前記試験3と同様にして、杜仲葉抽出物とカゼインとを接触させ、脱色及び有効成分量を評価した
その結果、前述のキチンと同様に、カゼインの添加量を更に低減させた場合であっても、各試料において吸光度が大きく低下し、効果的な脱色が達成された。また、脱色された杜仲葉抽出物中の前記有効成分の含有量は、コントロール中の前記有効成分の含有量と比較して大きな低減は認められなかった。
このことからも、カゼインによれば、杜仲葉抽出物に特徴的な茶色を効果的に脱色できることが分かった。また、ゲニポシド酸、アスペルロシド及びクロロゲン酸の低減を抑制しながら、効果的に脱色できることが分かった。
以上の試験例より、杜仲葉抽出物とキチンやカゼインとを接触させることにより、杜仲葉抽出物に特徴的な茶色の着色を効果的に脱色できることが分かった。また、非常に短い接触時間であっても脱色できることが分かった。このように、キチンやカゼインによれば、簡便に、また、短時間であっても、杜仲葉抽出物の脱色が可能であることが確認された。
また、これらのことから、脱色された杜仲葉抽出物を容易に製造することができ、更に、前記有用成分を高含有量で含有する杜仲葉抽出物を容易に製造できることが確認された。
また、これらのことから、杜仲葉抽出物において茶色を呈する着色成分が、キチンやカゼインに担持されたこと、該着色成分を担持するキチンやカゼインの複合物が得られたことが確認された。
試験例5
本試験では、前記試験例1と同様にして杜仲葉抽出物とキチンまたはカゼインとを接触させた。また、キチンに代えて、アガロース、セルロース、キトサンを用いた以外は同様にして、杜仲葉抽出物と接触させた。前記試験例1と同様にして、脱色及び有効成分量を評価した。キチン、カゼイン、アガロースの結果を表3及び表4に示す。
Figure 2018012652
Figure 2018012652
表3及び4から明らかなように、キチンやカゼインに代えてアガロースを用いた場合は、杜仲葉抽出物中の前記有効成分が損なわれることはなかったが、杜仲葉抽出物の脱色を行うことができなかった。また、表には示さないが、セルロースを用いた場合も、杜仲葉抽出物中の前記有効成分が損なわれることはなかったが、有意な脱色を行うことができなかった。また、キトサンを用いた場合、そもそも杜仲葉抽出物中の前記有効成分が大きく低減し、特にアスペルロシドは55%以上が損なわれ、クロロゲン酸の残存率は0%であった。

Claims (7)

  1. キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を含む、杜仲葉抽出物の脱色方法。
  2. キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を含む、脱色された杜仲葉抽出物の製造方法。
  3. 次の特徴を有する杜仲葉抽出物:
    杜仲葉抽出物中のゲニポシド酸が60mg/Lとなるように調製した水溶液において、該水溶液の波長400nmでの吸光度が0.6以下である。
  4. 請求項2に記載する方法により製造される脱色杜仲葉抽出物及び請求項3に記載する杜仲葉抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、杜仲葉抽出物含有組成物。
  5. 更にキチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項4に記載の杜仲葉抽出物含有組成物。
  6. キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物。
  7. キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と、杜仲葉抽出物とを接触させる工程を含む、キチン及びカゼインからなる群より選択される少なくとも1種と杜仲葉抽出物に由来する着色成分との複合物の製造方法。
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