JP2018008911A - アッカーマンシア属細菌増殖促進剤及びその使用 - Google Patents
アッカーマンシア属細菌増殖促進剤及びその使用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018008911A JP2018008911A JP2016140599A JP2016140599A JP2018008911A JP 2018008911 A JP2018008911 A JP 2018008911A JP 2016140599 A JP2016140599 A JP 2016140599A JP 2016140599 A JP2016140599 A JP 2016140599A JP 2018008911 A JP2018008911 A JP 2018008911A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bacteria
- proanthocyanidins
- intestinal
- growth promoter
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
Description
[1]植物由来の5量体以上のプロアントシアニジン類、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有することを特徴とするアッカーマンシア属細菌増殖促進剤。
[2]前記植物がリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、ライチ、ブルーベリー、カシス、アボカド、大麦、グァバ、ホップ、小豆、クルミ、クリ、カカオ、松樹皮、紅茶、緑茶、及びワインから選ばれる少なくとも1種である[1]に記載のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤。
[3]前記プロアントシアニジン類がプロシアニジンである[1]又は[2]に記載のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤。
[4][1]〜[3]のいずれか一つに記載のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤、並びに薬学的に許容できる担体及び希釈剤のうち少なくともいずれかを含むことを特徴とする腸内フローラ改善用の医薬組成物。
[5][1]〜[3]のいずれか一つに記載のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤を含むことを特徴とする飲食品。
[6]植物由来の5量体以上のプロアントシアニジン類を投与することを特徴とするアッカーマンシア属細菌の増殖促進方法。
一実施形態において、本発明は、植物由来の5量体以上のプロアントシアニジン類、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有するアッカーマンシア属細菌増殖促進剤を提供する。
従来、5量体以上のプロシアニジン類は、分子量が大きいことから腸管を通過できず体内へは吸収されず、その機能は不明であった。これに対し、本発明者らは、5量体以上のプロシアニジン類が優れたアッカーマンシア属細菌増殖促進効果を有することを見出し、5量体以上のプロシアニジン類を摂取することにより、腸管バリア機能を増強できることを明らかにした。
なお、本明細書において、「腸管バリア機能」とは、腸内細菌のうち、悪玉菌が産生した有害物質、又は口から侵入したウイルス及び細菌等が腸壁から体内に吸収されないように阻止する防御機能を意味する。
本明細書において、「プロアントシアニジン類」とは、植物体中に存在する縮合型タンニン類、すなわちフラバン−3−オール類を構成単位として4−8結合型、又は4−6結合型で縮合若しくは重合により結合した化合物の混合物を意味し、これらのプロアントシアニジン類は、酸処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジン等のアントシアニジンを生成する。
本実施形態におけるプロアントシアニジン類としては、例えば、プロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペラルゴニジン等が挙げられる。中でも、本実施形態におけるプロアントシアニジン類としては、プロシアニジンであることが好ましい。
本実施形態のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤に含まれるプロアントシアニジン類は、5量体以上の多量体であり、5量体以上15量体以下であることが好ましい。
酸付加塩としては、例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸との塩;酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸との塩等が挙げられる。
塩基性塩としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム等の無機塩基との塩;カフェイン、ピペリジン、トリメチルアミン、ピリジン等の有機塩基との塩等が挙げられる。
治療対象としては、特別な限定はなく、例えば、ヒト又はヒト以外の哺乳動物(例えば、サル、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、イヌ、ウマ、ウシ等)が挙げられ、中でも、ヒトが好ましい。
本実施形態のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤に用いられるプロアントシアニジン類は、市販のものでもよく、植物から直接抽出及び分離したものでもよく、又は化学合成したものであってもよい。
まず、リンゴ果実を洗浄し、そのまま若しくは亜硫酸を添加しながら破砕及び圧搾により果汁を得る。次いで、遠心分離し、濾過等により清澄果汁を調製する。得られた清澄果汁は適宜、公知の手法により濃縮してもよい。
その他の抽出方法としては、例えば、果実をアルコール類と混合して破砕し、そのまま浸漬し、圧搾、又は加熱還流しながらプロアントシアニジン類を抽出する。次いで、アルコールを溜去した後、遠心分離及び濾過、又はヘキサン、クロロホルム等の有機溶媒による分配及び濾過を行い、清澄抽出物を得る。
まず、ポリフェノールを選択的に吸着できる吸着剤(例えば、スチレンジビニルベンゼン系の合成吸着樹脂、陰イオン交換樹脂等)が充填されたカラムに、上記の清澄果汁、又は清澄抽出液を通すことにより、ポリフェノール成分を吸着させる。次いで、蒸留水によってカラムを洗浄した後、20〜100%、好ましくは30〜60%のアルコール溶液をカラムに通すことにより、ポリフェノール成分を溶出及び回収する。得られたアルコール溶液画分からアルコールを溜去すると粗リンゴポリフェノール成分が得られる。この粗リンゴポリフェノール成分には、図1に示す2量体以上15量体以下の多量体であるプロシアニジン類が含まれている。
まず、上記の得られた粗リンゴポリフェノール成分を、酢酸メチルを液相として用いた固液抽出によりプロシアニジン2〜4量体画分と5量体以上画分とに分離精製する。酢酸メチルに抽出されないプロシアニジン5量体以上画分は、公知の方法により酢酸メチルを溜去することで得ることができる。一方、酢酸メチルに抽出されたプロシアニジン2〜4量体画分は、公知の方法により抽出溶液を濃縮した後、蒸留水に溶解させ、さらに、プロシアニジン2〜5量体画分は順相クロマトグラフィーにより重合度別(分子量別)に分離精製し、重合度数の均一なプロシアニジンオリゴマーを得ることができる。
本実施形態のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤は、例えば、後述に挙げるように、腸内フローラ改善用の医薬組成物、飲食品等に用いることができる。
また、本実施形態のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤は、例えば、培地、又は培養用製剤等に用いることができる。本実施形態のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤を含む培養用製剤を培地に添加する、又は本実施形態のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤を含む培地を用いてアッカーマンシア属細菌を培養することにより、効果的にアッカーマンシア属細菌の増殖を促進することができる。
一実施形態において、本発明は、上述のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤、並びに薬学的に許容できる担体及び希釈剤のうち少なくともいずれかを含む腸内フローラ改善用の医薬組成物を提供する。
善玉菌としては、例えば、ラクトバシラス(Lactobacillus)属細菌(乳酸菌)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌(ビフィズス菌)、アッカーマンシア属細菌等が挙げられる。
悪玉菌としては、例えば、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、有毒株である大腸菌(例えば、腸管病原性大腸菌、腸管侵入性大腸菌、毒素原性大腸菌、腸管出血性大腸菌(例えば、O1、O18、O26、O111、O128、O157等)の腸管内病原性大腸菌等)等が挙げられる。
日和見菌としては、例えば、バクテロイデス、無毒株である大腸菌、連鎖球菌等が挙げられる。
また、本明細書において、「腸内フローラ改善」とは、腸内細菌のうち、善玉菌が悪玉菌を抑える形で一定のバランス(例えば、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7等)が維持されるように改善すること意味する。
本実施形態の医薬組成物は、被検動物(ヒト又は非ヒト動物を含む各種哺乳動物、好ましくはヒト)の年齢、性別、体重、症状、治療方法、投与方法、処理時間等を勘案して適宜調節される。
本実施形態の医薬組成物に含まれるプロアントシアニジン類の投与量は、症状により差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、1日あたり100mg以上1500mg以下、好ましくは300mg以上500mg以下であると考えられる。
投与形態としては、例えば、経腸的、または経口的に当業者に公知の方法が挙げられ、経口的投与が好ましい。
注射剤は、非水性の希釈剤(例えば、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、エタノール等のアルコール類など)、懸濁剤、又は乳濁剤として調製することもできる。このような注射剤の無菌化は、フィルターによる濾過滅菌、殺菌剤等の配合により行うことができる。注射剤は、用事調製の形態として製造することができる。即ち、凍結乾燥法などによって、無菌の固体組成物とし、使用前に注射用蒸留水又は他の溶媒に溶解して使用することができる。
本実施形態の医薬組成物は、治療的に有効量の上述のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤、並びに薬学的に許容されうる担体又は希釈剤を含む。薬学的に許容されうる担体又は希釈剤は、賦形剤、稀釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味料、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤、添加剤等が挙げられる。これら担体の1種以上を用いることにより、注射剤、液剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、又はシロップ剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。
または、水若しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用されるものが挙げられる。更には、薬理学上許容される担体又は希釈剤、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤等と適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化されたものが挙げられる。
本発明の一側面は、腸内フローラ改善のための上述のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤を含む医薬組成物を提供する。
また、本発明の一側面は、治療的に有効量の上述のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤、並びに薬学的に許容されうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、アッカーマンシア属細菌増殖促進剤を提供する。
また、本発明の一側面は、腸内フローラ改善用の治療剤を製造するためのアッカーマンシア属細菌増殖促進剤の使用を提供する。
また、本発明の一側面は、上述のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤の有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、腸内フローラ改善のための治療方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、上述のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤を含む飲食品を提供する。
一実施形態において、本発明は、植物由来の5量体以上のプロアントシアニジン類を投与するアッカーマンシア属細菌の増殖促進方法を提供する。
一般的に、「プレバイオティクス」とは、例えば、食用物質等の物質を意味し、ヒトにより消化されない場合もあるが、腸微生物叢の細菌により使用される場合があり、腸におけるプロバイオティクス細菌の増殖を促進すると考えられている。
また、「プロバイオティクス」とは、微生物細胞の調製物(例えば、生存している微生物細胞等)または微生物細胞の成分であり、有効量で投与される際に対象の健康または健康状態(well−being)への有益な作用を提供することができるものを意味する。本明細書における「プロバイオティクス」は、非病原性のものを示す。プロバイオティクスの健康上の利点は、消化管におけるヒト又は非ヒト動物の微生物叢の均衡の改善、及び/又は正常な微生物叢の回復に関連する点が挙げられる。
プロアントシアニジン類の培地に含まれる濃度が上記範囲であることにより、効率的にアッカーマンシア属細菌の増殖を促進させることができる。
また、アッカーマンシア属細菌の培養条件としては、嫌気条件下であることが好ましく、例えば、静置培養、振盪培養、又は攪拌培養等により培養を行えばよい。
培養温度は、例えば20℃以上40℃以下であればよい。
(1)粗リンゴポリフェノール画分の抽出
日本国弘前市で6月に採取されたリンゴ「ふじ」の未熟果(個々の果実の平均重量は約10g)合計3kgをピロ亜硫酸カリウム(0.1%w/w)の存在下でホモジナイズし、その粉砕物を4℃で24時間保持した。次いで、得られた粉砕物を圧搾して果汁を集め、遠心分離(3500g×20分)にて清澄にし、ガラスフィルターでろ過をした。次いで、得られたろ液(1.8L)をスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着樹脂セパビーズSP=850(三菱化成製)を充填したカラム(内径25mm×285mm)に供した。次いで、水溶性成分を除去するため蒸留水(300mL)で洗浄後、80%エタノールにて溶出した。次いで、得られた80%エタノール画分(200mL)からエタノールを除去し、凍結乾燥を行い、粗リンゴポリフェノール画分を得た。この粗リンゴポリフェノール画分を逆相系高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、クロロゲン酸類(約20%)、フロレチン配糖体類(約5%)、フラボノール類(約15%)、プロアントシアニジン類(約50%)及びその他褐変物質(約10%) からなることが確認できた。さらに、このプロアントシアニジン類はMALDI−TOF/MSによる解析の結果、フラバン−3−オール類であるカテキンやエピカテキンからなる2量体から15量体までが確認され、高分子のポリフェノールであった。
次いで、得られた粗リンゴポリフェノール画分を蒸留水に溶解し、5N水酸化ナトリウムでpH6.5に調整した。次いで、粗リンゴポリフェノール画分の溶解液を調製したスチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着樹脂ダイアイオンH P−20ss(三菱化成製)を充填したカラムに供した。次いで、蒸留水でカラムを洗浄後、25%エタノールにて溶出した。次いで、得られた25%エタノール画分を濃縮及び凍結乾燥し、プロアントシアニジン画分を得た。さらに、参考文献[Shoji, T., et al., “Apple (Malus pumila) procyanidins fractionated according to the degree of polymerization using normal-phase chromatography and characterized by HPLC-ESI-MS and MALDI-TOF-MS”, J. Chromatogr., vol.1102, no.1, p206-213, 2006.]に記載のプロシアニジン類分画法を用いて、リンゴプロシアニジン類を重合度別に分離し、単量体から4量体の低分子プロシアニジン画分(以下、「OP」と称することがある。)と5量体以上の高分子プロシアニジン画分(以下、PPと称することがある。)と、に分離した。得られたリンゴ由来プロアントシアニジン画分は、後述する食餌性肥満モデルにおける腸内細菌叢に与える影響を評価するための試料とした。
なお、HPLC順相クロマトグラフィーによる解析の結果、5量体以上の高分子プロシアニジン画分(PP)における、5量体のプロアントシアニジン類の含有量が27.1%であり、6量体のプロアントシアニジン類の含有量が23.2%であり、7量体のプロアントシアニジン類の含有量が17.5%であり、8量体のプロアントシアニジン類の含有量が8.8%であり、9量体以上のプロアントシアニジン類の含有量が9.5%であった。
以下に示す手法により、実施例1で得られたリンゴ由来プロアントシアニジン画分(OP及びPP)を試験に用いた。肥満へ作用する可能性を検討するため、リンゴ由来高分子プロアントプロシアニジン画分(OP及びPP)を食餌性肥満マウスに自由経口摂取させて、その影響を検討した。
すなわち、10週齢のC57BL/6Jマウスをコントロール食(普通食)摂取群(以下、「ND群」と称することがある。)、高脂肪高ショ糖食摂取群(以下、「HFHS群」と称することがある。)、高脂肪高ショ糖食+低分子プロシアニジン摂取群(以下、「OP群」と称することがある。)、及び高脂肪高ショ糖食+高分子プロシアニジン摂取群(以下、「PP群」と称することがある。)の5群に分け、20週間連続摂取させた。
プロシアニジン摂取群ではOP、PPをそれぞれ0.5%(w/w)で水道水に溶解し、自由飲水で摂取させた。飼育期間中、経時的に体重、摂餌量、飲水量の測定を行った。20週飼育後、解剖を行い臓器重量(肝臓、脾臓、膵臓、腎臓)、及び精巣周囲、腎周囲、腸間膜、皮下脂肪の重量を行った。結果を図2〜7に示す。図2は、各群のマウスでの試験期間中及び20週間飼育後の体重の変化を示すグラフである。図3、図4はそれぞれ各群のマウスでの試験期間中の摂餌量、又は飲水量を示すグラフである。さらに、図5〜7は、それぞれ各群のマウスでの20週間飼育後の肝臓重量、内臓脂肪重量、及び皮下脂肪重量を示すグラフである。
次いで、20週飼育後の各群のマウスについて、血液生化学的一般成分分析(血糖値(血中グルコース量)、中性脂肪、総コレステロール、LPS、及び炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−6))を行った。結果を図8〜13に示す。図8〜11は、それぞれ各群のマウスでの20週間飼育後の血中グルコース量、血中中性脂肪量、総コレステロール、血中LPS量、血中TNF−α量、及び血中IL−6量を示すグラフである。
なお、「LPS(Lipopolysaccharide;リポ多糖)」とは、悪玉菌から産生される内毒素(エンドトキシン)である。
次いで、20週飼育後の各群のマウスについて、盲腸内容物から抽出したDNAから16S rDNA遺伝子領域(V3−V4領域)をPCRにて増幅した。PCRにはTaKaRa Ex Taq HS DNAポリメラーゼ (TaKaRa Bio社製)を用い、プライマーとして、以下表1に示す5’末端側にロシュFLX解析用アダプター配列が付加されたユニバーサルプライマー(314f/785r)を用いた。また、PCR反応は94℃で、1分を1サイクル、95℃30秒、55℃30秒、72℃30秒を20サイクル、72℃で、5分を1サイクルの条件で行った。
試験例1における上記(1)〜(3)に記載した手法により、リンゴ由来高分子プロアントシアニジン画分(OP及びPP)の食餌性肥満マウスにおける経口自由摂取の肥満症や糖及び脂質代謝異常に与える影響を検討した。
まず、体重では、摂餌量、飲水量に違いは見られないにもかかわらず、プロシアニジン摂取群(OP群、PP群)では、HFHS群と比較して、いずれも有意に体重増加が抑制された(p<0.05)(図2、3、4参照。)。
また、20週間飼育後の肝臓重量および内蔵脂肪重量の増加は、プロシアニジン摂取群(OP群、PP群)では、HFHS群と比較して、いずれも有意に抑制された(p<0.05)(図5、6、7参照)。
しかしながら、血中LPS量の増加はPP群のみ有意に抑制されていた(p<0.05)(図11参照)。同様に、炎症性サイトカインのTNF−α及びIL−6の増加がPP群のみ有意に抑制されていた(p<0.05)(図12、13参照)。
また、肥満や生活習慣病に起因する腸内環境の悪化によりFirmicutes/Bacteroidetes比率が高くなることが報告されているが、PP群では、Firmicutes/Bacteroidetes比率がHFHS群と比較して、有意に抑制されていた(p<0.05)(図16参照)。
さらに、属レベルでは、腸管バリア機能を増強することが知られているアッカーマンシア(Akkermansia)属細菌が、PP群においてHFHS群と比較して有意に増加していた(p<0.05)(図17参照)。
( 1 ) 錠剤
下記表2に示す各重量部を均一に混合し、常法に従って錠剤とした。
下記表3に示す各重量部を均一に混合し、常法に従ってカプセル剤とした。
下記表4に示す各重量部を均一に混合し、常法に従って散剤、顆粒剤とした。
下記表5に示す各重量部の各成分を用い、常法に従って飴とした。
下記表6に示す各重量部の各成分を用い、常法に従ってジュースした。
まず、下記表7に示す各重量部の各成分を用い、常法に従って麦茶成分を抽出した。
Claims (6)
- 植物由来の5量体以上のプロアントシアニジン類、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有することを特徴とするアッカーマンシア属細菌増殖促進剤。
- 前記植物がリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、ライチ、ブルーベリー、カシス、アボカド、大麦、グァバ、ホップ、小豆、クルミ、クリ、カカオ、松樹皮、紅茶、緑茶、及びワインから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤。
- 前記プロアントシアニジン類がプロシアニジンである請求項1又は2に記載のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤、並びに薬学的に許容できる担体及び希釈剤のうち少なくともいずれかを含むことを特徴とする腸内フローラ改善用の医薬組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアッカーマンシア属細菌増殖促進剤を含むことを特徴とする飲食品。
- 植物由来の5量体以上のプロアントシアニジン類を投与することを特徴とするアッカーマンシア属細菌の増殖促進方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016140599A JP6879498B2 (ja) | 2016-07-15 | 2016-07-15 | アッカーマンシア属細菌増殖促進剤及びその使用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016140599A JP6879498B2 (ja) | 2016-07-15 | 2016-07-15 | アッカーマンシア属細菌増殖促進剤及びその使用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018008911A true JP2018008911A (ja) | 2018-01-18 |
JP6879498B2 JP6879498B2 (ja) | 2021-06-02 |
Family
ID=60995001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016140599A Active JP6879498B2 (ja) | 2016-07-15 | 2016-07-15 | アッカーマンシア属細菌増殖促進剤及びその使用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6879498B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108938793A (zh) * | 2018-10-22 | 2018-12-07 | 武子锋 | 一种苹果饮茶及其制备方法 |
WO2019131767A1 (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-04 | サントリーホールディングス株式会社 | 腸管バリア機能改善用組成物 |
WO2020031957A1 (ja) | 2018-08-10 | 2020-02-13 | サントリーホールディングス株式会社 | 腸内環境改善用組成物及び腸内細菌叢改善方法 |
WO2020071541A1 (ja) | 2018-10-04 | 2020-04-09 | 株式会社ホソダShc | 腸内細菌叢改善組成物 |
JP2020158440A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | フジッコ株式会社 | 二次胆汁酸の生成抑制剤 |
CN111938158A (zh) * | 2020-08-18 | 2020-11-17 | 王意 | 一种防止肠道Akkermansia muciniphila菌丰度降低的组合物 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005030200A1 (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-07 | Kirin Beer Kabushiki Kaisha | 自己免疫疾患治療剤 |
JP2006328025A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Asahi Breweries Ltd | 一酸化窒素調節剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品 |
-
2016
- 2016-07-15 JP JP2016140599A patent/JP6879498B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005030200A1 (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-07 | Kirin Beer Kabushiki Kaisha | 自己免疫疾患治療剤 |
JP2006328025A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Asahi Breweries Ltd | 一酸化窒素調節剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品 |
Non-Patent Citations (5)
Title |
---|
DIABETES, vol. 64(8), JPN6020018387, 2014, pages 2847 - 2858, ISSN: 0004404896 * |
FASEB JOURNAL, vol. 15, no. 5, JPN6020018384, 2001, pages 737, ISSN: 0004404900 * |
GUT, vol. 64, JPN6020018380, 2015, pages 872 - 883, ISSN: 0004404897 * |
MICROBIAL ECOLOGY IN HEALTH AND DISEASE, JPN6020018385, 2001, pages 25 - 31, ISSN: 0004404898 * |
PLANTA MEDICA, vol. 78, no. 11, JPN6020018383, 2012, pages 313, ISSN: 0004404899 * |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2019131767A1 (ja) * | 2017-12-27 | 2020-12-24 | サントリーホールディングス株式会社 | 腸管バリア機能改善用組成物 |
WO2019131767A1 (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-04 | サントリーホールディングス株式会社 | 腸管バリア機能改善用組成物 |
JP7237014B2 (ja) | 2017-12-27 | 2023-03-10 | サントリーホールディングス株式会社 | 腸管バリア機能改善用組成物 |
JPWO2020031957A1 (ja) * | 2018-08-10 | 2021-08-10 | サントリーホールディングス株式会社 | 腸内環境改善用組成物及び腸内細菌叢改善方法 |
CN112566515A (zh) * | 2018-08-10 | 2021-03-26 | 三得利控股株式会社 | 肠内环境改善用组合物及肠内菌丛的改善方法 |
KR20210040367A (ko) | 2018-08-10 | 2021-04-13 | 산토리 홀딩스 가부시키가이샤 | 장내 환경 개선용 조성물 및 장내 세균총 개선 방법 |
WO2020031957A1 (ja) | 2018-08-10 | 2020-02-13 | サントリーホールディングス株式会社 | 腸内環境改善用組成物及び腸内細菌叢改善方法 |
JP7348187B2 (ja) | 2018-08-10 | 2023-09-20 | サントリーホールディングス株式会社 | 腸内環境改善用組成物及び腸内細菌叢改善方法 |
WO2020071541A1 (ja) | 2018-10-04 | 2020-04-09 | 株式会社ホソダShc | 腸内細菌叢改善組成物 |
CN108938793A (zh) * | 2018-10-22 | 2018-12-07 | 武子锋 | 一种苹果饮茶及其制备方法 |
JP2020158440A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | フジッコ株式会社 | 二次胆汁酸の生成抑制剤 |
JP7232096B2 (ja) | 2019-03-26 | 2023-03-02 | フジッコ株式会社 | 二次胆汁酸の生成抑制剤 |
CN111938158A (zh) * | 2020-08-18 | 2020-11-17 | 王意 | 一种防止肠道Akkermansia muciniphila菌丰度降低的组合物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6879498B2 (ja) | 2021-06-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6879498B2 (ja) | アッカーマンシア属細菌増殖促進剤及びその使用 | |
KR101692033B1 (ko) | D-싸이코스를 유효성분으로 함유하는 지질 관련 대사성 질환의 예방 또는 치료용 조성물 | |
JP2013505283A (ja) | プレバイオティックスとしての植物抽出物の使用、当該植物抽出物を含有する組成物及び食品 | |
EP3159353A1 (en) | Cyclic dipeptide-containing composition | |
JP6785509B2 (ja) | ロイコノストック メセンテロイデスが産生する菌体外多糖を有効成分として含む代謝異常の予防または治療用組成物 | |
JP2006193502A (ja) | アディポネクチン調節剤、それを含有する飲食品、食品添加物及び医薬 | |
KR102397916B1 (ko) | 건강한 임산부 모유 유래 혐기성 인체 균주 및 이를 이용한 대사성 질환의 예방 또는 치료방법 | |
KR102135272B1 (ko) | 케피어 그레인 유래 세포외다당체를 유효성분으로 함유하는 비만의 예방 또는 치료용 조성물 | |
US20080275109A1 (en) | Neutralizing agent for vacuolating toxin | |
KR102037897B1 (ko) | 케피어 유래 유산균 및 포도씨 분말을 포함하는 비만의 예방 또는 치료용 조성물 | |
KR20200070081A (ko) | 충치 억제 활성을 갖는 락토바실러스 살리바리우스를 포함하는 조성물 | |
CN111386124A (zh) | 非甾体抗炎药及质子泵抑制剂所诱发的小肠损伤的预防或治疗剂 | |
JP2023033087A (ja) | 血管柔軟性改善用組成物、血管内皮機能改善用組成物、血小板凝集抑制用組成物、血流改善用組成物、経口組成物 | |
KR20170027272A (ko) | D-싸이코스를 유효성분으로 함유하는 지질 관련 대사성 질환의 예방 또는 치료용 조성물 | |
KR101504912B1 (ko) | 인슐린 저항성 개선 효능을 가지는 락토바실러스 애시도필러스 hy7037 및 이를 유효성분으로 함유하는 제품 | |
JP2012062292A (ja) | 4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の製造方法 | |
KR20210085627A (ko) | 쌍별귀뚜라미 및 갈색거저리 추출물을 유효성분으로 포함하는 면역증진용 조성물 | |
JP2020152690A (ja) | 脂質吸収抑制剤 | |
JP7104193B2 (ja) | 筋肉増強剤 | |
KR20200070080A (ko) | 충치 억제 활성을 갖는 락토바실러스 루테리 mg505 를 포함하는 조성물 | |
KR102593538B1 (ko) | 박테로이데스 도레이 균주를 포함하는 간섬유증 예방 또는 치료용 약제학적 조성물 | |
WO2022039215A1 (ja) | 筋肉の分解抑制剤 | |
KR101535077B1 (ko) | 인슐린 저항성 개선 효능을 가지는 비피도박테리움 락티스 hy8101 및 이를 유효성분으로 함유하는 제품 | |
KR101890853B1 (ko) | 프로타민 및 키토올리고당을 포함하는 비만의 예방 또는 치료용 조성물 | |
WO2023176950A1 (ja) | 腸管内での細菌の増殖制御用組成物及びその利用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160825 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190704 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200608 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210205 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210322 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210421 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6879498 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |