JP2018008624A - 車両用制御装置 - Google Patents

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信之 海原
Nobuyuki Kaihara
信之 海原
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Abstract

【課題】第1系統コンピュータのトータルの消費電力と第2系統コンピュータのトータルの消費電力との相違が大きくなることを抑制できるようにした車両用制御装置を提供する。【解決手段】第1系統コンピュータ60は、転舵アクチュエータの操作信号MS1を算出して切替部80に出力し、第2系統コンピュータ70は、転舵アクチュエータの操作信号MS2を算出して切替部80に出力する。切替部80では、操作信号MS1と操作信号MS2とのうちのいずれか一方を、操作信号MSとして転舵アクチュエータに出力する。操作信号MS1が操作信号MSとされている状態では、第2系統コンピュータ70は消費電力が小さい状態とされる。操作信号MS1が操作信号MSとされている状態が所定期間となることを条件に、操作信号MS2を操作信号MSとする状態に切り替える。【選択図】図2

Description

本発明は、第1系統コンピュータおよび第2系統コンピュータのいずれかによって算出された信号であって且つ車載アクチュエータの操作につながる信号である指令信号を車載アクチュエータに選択的に出力することによって、前記車載アクチュエータを操作して車両の運転の支援および自動運転の少なくとも一方に関する処理を実行する車両用制御装置に関する。
たとえば特許文献1には、第1系統コンピュータと第2系統コンピュータとのそれぞれが、メインCPUおよびサブCPUと、比較装置とを備え、比較装置によってメインCPUの演算結果とサブCPUの演算結果とを比較して異常の有無を判定する装置が記載されている。この装置では、第1系統コンピュータによって算出される指令信号と第2系統コンピュータによって算出される指令信号とが入力される出力信号選択装置を備えている。出力信号選択装置には、第1系統コンピュータと第2系統コンピュータとのそれぞれの比較装置による比較結果に関する信号が更に入力される。そして、出力信号選択装置では、第1系統コンピュータにおいて異常が生じていると判定されていない場合には、第1系統コンピュータから出力された指令信号を選択して出力する一方、異常が生じていると判定されている場合には、第2系統コンピュータから出力された指令信号を選択して出力する(段落「0018」)。
特開2003−15743号公報
ところで、たとえば第1系統コンピュータの指令信号が選択的に出力されている場合においては、第2系統コンピュータが第1系統コンピュータと同一負荷の演算を実行する必要があるとは限らないことなどから、第2系統コンピュータの消費電力の方が小さくなることがある。このため、上記のように、第1系統コンピュータにおいて異常が生じていると判定されない限り第1系統コンピュータから出力された指令信号を選択して出力し続ける場合には、第1系統コンピュータのトータルの消費電力と第2系統コンピュータのトータルの消費電力とに大きな相違が生じる。そして大きな相違が生じると、第2系統コンピュータと比較して第1系統コンピュータの劣化が進行する。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1系統コンピュータのトータルの消費電力と第2系統コンピュータのトータルの消費電力との相違が大きくなることを抑制できるようにした車両用制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.第1系統コンピュータおよび第2系統コンピュータのいずれかによって算出された信号であって且つ車載アクチュエータの操作につながる信号である指令信号を前記車載アクチュエータに選択的に出力することによって、前記車載アクチュエータを操作して車両の運転の支援および自動運転の少なくとも一方に関する処理を実行する車両用制御装置において、前記第1系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第1系統処理部と、前記複数の第1系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第1系統処理部の異常の有無を判定する第1系統判定部と、を備え、前記第2系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第2系統処理部と、前記複数の第2系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第2系統処理部の異常の有無を判定する第2系統判定部と、を備え、前記第1系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第1状態の期間が所定期間となることを条件に、前記第1系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第2系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第2状態に切り替える。
第1系統コンピュータが算出した指令信号を出力する第1状態においては、第2系統コンピュータは、当該車両用制御装置の外部に出力する指令信号を算出しないため、第1系統コンピュータと比較して演算負荷が小さくなることがあり、消費電力が小さくなることがある。このため、第1系統判定部によって異常がある旨判定される場合に限って、第2系統コンピュータが算出する指令信号を外部に出力する第2状態に切り替えたのでは、第1系統コンピュータのトータルの消費電力が、第2系統コンピュータのトータルの消費電力よりも過度に大きくなるおそれがある。そこで、上記構成では、第1状態の期間が所定期間となることを条件に、第1系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、第2系統コンピュータが算出した指令信号を出力する第2状態に切り替える。このため、第1系統コンピュータのトータルの消費電力と第2系統コンピュータのトータルの消費電力との相違が大きくなることを抑制できる。
2.上記1記載の車両用制御装置において、前記車両は、操舵装置を備え、
前記操舵装置は、転舵輪を転舵させることが可能な転舵アクチュエータを備えて且つ、ユーザがステアリングに入力した操舵トルクを前記転舵輪に伝達させることが可能なものであり、前記車載アクチュエータは、前記転舵アクチュエータであり、前記車両の運転支援に関する処理として、ユーザによる前記ステアリングの操作をアシストするために前記転舵アクチュエータを操作する場合、前記第2状態においては前記第1系統処理部は前記指令信号の算出処理を実行せず、前記第1状態においては前記第2系統処理部は前記指令信号の算出処理を実行しない。
上記構成では、ユーザによるステアリングの操作をアシストするために転舵アクチュエータを操作することによって、車両の運転支援に関する処理を実行する。そしてその場合、たとえば第1状態においては、第2系統処理部が指令信号の算出処理を実行しないため、第2系統処理部の演算負荷を十分に低減でき、ひいては、第1系統処理部よりも消費電力を十分に小さくすることができる。その場合、第1状態が継続されたのでは、第1系統コンピュータのトータルの消費電力が、第2系統コンピュータのトータルの消費電力よりも過度に大きくなる。このため、第1状態の期間が所定期間となることを条件に、第1系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、第2系統コンピュータが算出した指令信号を出力する第2状態に切り替える処理の利用価値が特に大きい。
3.上記1または2記載の車両用制御装置において、前記第1系統コンピュータが出力する前記指令信号と前記第2系統コンピュータが出力する前記指令信号とが入力される切替部を備え、前記切替部は、前記第1系統判定部により異常がある旨判定されていないことを条件に前記第1系統コンピュータの前記指令信号を前記車載アクチュエータの操作につながる信号として出力し、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていないことを条件に前記第2系統コンピュータの前記指令信号を前記車載アクチュエータの操作につながる信号として出力する。
上記構成によれば、切替部の出力は、異常がある旨判定されていない系統処理部によって算出された指令信号となるため、指令信号の信頼性を高めることができる。
4.上記1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、前記所定期間は、前記車両の走行距離が所定距離となるまでの期間、前記第1状態になってからの経過日数が所定日数となるまでの期間、または前記車両を走行可能とするスイッチが所定回数オン操作されるまでの期間である。
上記構成では、所定期間をある程度長く設定することができる。そのため、たとえば所定期間が再度経過することを条件に第2状態から第1状態などの他の状態に切り替える設定の場合、切替が頻繁になされることを抑制することができる。
5.上記1〜4のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、前記指令信号を生成して出力する第3系統コンピュータを備え、前記第3系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第3系統処理部と、前記複数の第3系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第3系統処理部の異常の有無を判定する第3系統判定部と、を備え、前記第2状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第3系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第3状態に切り替える。
上記構成では、第1系統コンピュータ、第2系統コンピュータ、および第3系統コンピュータを備えるため、第1系統コンピュータおよび第2系統コンピュータのみを備える場合と比較すると、車両用制御装置の耐久力を高めることができる。しかも、第2状態の期間が所定期間となることを条件に、第2系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、第3状態に切り替えるため、第1状態に再度切り替える場合と比較すると、第1系統コンピュータのトータルの消費電力が大きくなることをいっそう抑制することができる。
6.上記1〜4のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、前記第2状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第1状態に切り替える。
上記構成では、第2状態の期間が所定期間となっても第1状態に切り替えない場合と比較すると、第1系統コンピュータのトータルの消費電力と第2系統コンピュータのトータルの消費電力との相違が大きくなることを抑制できる。
7.上記5記載の車両用制御装置において、前記第3状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第3系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第1状態に切り替える。
上記構成では、第3状態の期間が所定期間となっても第1状態に切り替えない場合と比較すると、第1系統コンピュータのトータルの消費電力と第2系統コンピュータのトータルの消費電力と第3系統コンピュータのトータルの消費電力との相違が大きくなることを抑制できる。
第1の実施形態にかかる車両用制御装置を搭載した車両の一部を示す図。 同実施形態にかかる操舵ECUの構成を示すブロック図。 同実施形態にかかる第1系統コンピュータおよび第2系統コンピュータの状態を例示するタイムチャート。 同実施形態にかかる第1系統コンピュータの処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる第1系統コンピュータの処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる第1系統コンピュータおよび第2系統コンピュータの状態を例示するタイムチャート。 第2の実施形態にかかる第1系統コンピュータの処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる第1系統コンピュータの処理の手順を示す流れ図。 第4の実施形態にかかる操舵ECUの構成を示すブロック図。
<第1の実施形態>
以下、車両用制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す操舵装置10は、車両に搭載されるものであり、ユーザによってステアリングホイール(ステアリング12)に加えられたトルクが、ステアリングシャフト14、ラック軸20を介して転舵輪22に伝達される。
上記ステアリングシャフト14とラック軸20とは、所定の交叉角をもって配置されており、ラック軸20に形成された第1ラック歯24aとステアリングシャフト14に形成されたシャフト歯14aとが噛合されることで第1ラックアンドピニオン機構24が構成されている。
上記ラック軸20は、ピニオン軸28と所定の交叉角をもって配置されており、ラック軸20に形成された第2ラック歯26aとピニオン軸28に形成されたピニオン歯28aとが噛合されることで第2ラックアンドピニオン機構26が構成されている。ピニオン軸28は、ウォームアンドホイール等の減速機構30を介して、電動機32の回転軸32aに接続されている。電動機32は、3相の電動機である。電動機32は、電動機32に交流電圧を印加するインバータ34に接続されている。
なお、ラック軸20、第2ラックアンドピニオン機構26、減速機構30、電動機32およびインバータ34は、転舵アクチュエータPSAを構成する。
操舵制御装置(操舵ECU40)は、電動機32のトルクを制御量とし、インバータ34を操作することによって、ユーザによるステアリング12の操作をアシストするアシスト制御を実行する。アシスト制御は、ステアリング12の操作に基づき、ステアリング12の操作による転舵輪22の転舵をアシストするためのトルクを電動機32によって生成する処理である。この際、操舵ECU40は、各種センサの検出値を参照する。これらセンサとしては、たとえば、ステアリングシャフト14に加わるトルク(操舵トルクTrqs)を検出するトルクセンサ44や、電動機32の回転軸32aの回転角度θを検出する回転角度センサ48、インバータ34の出力線電流(電流iu,iv,iw)を検出する電流センサ46等がある。具体的には、操舵ECU40は、操舵トルクTrqに応じて電動機32のトルクを制御する。
操舵ECU40は、さらに、上位ECU42からの転舵角指令値θp*に従って転舵輪22の転舵角を制御することによって、自動操舵に関する処理を実行する。上位ECU42は、カメラ50の出力する画像データに基づき、車両の走行経路を算出し、算出した走行経路に沿って車両を走行させるための転舵角指令値θp*を算出して操舵ECU40に出力する。
操舵ECU40および上位ECU42は、イグニッションスイッチ49がオン操作されると起動され、イグニッションスイッチ49がオン状態である間は、起動状態となる。
図2に、操舵ECU40の構成を示す。
操舵ECU40は、第1系統コンピュータ60、第2系統コンピュータ70、および切替部80を備えている。
第1系統コンピュータ60は、一対の中央処理装置であるメインCPU62aおよびサブCPU62bと、一対のメモリ64a,64bとを備えている。メインCPU62aは、メモリ64aに記憶されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行し、サブCPU62bは、メモリ64bに記憶されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行する。本実施形態では、メインCPU62aは、入出力回路68を介して入力される上記電流iu,iv,iwや回転角度θ、操舵トルクTrq、転舵角指令値θp*に基づき、インバータ34の操作信号MSを算出する処理を実行する。一方、サブCPU62bは、メインCPU62aの異常の有無を判定するためにメインCPU62aと同一の演算処理を実行する。
第1系統判定部66は、メインCPU62aの出力するデータとサブCPU62bの出力するデータとの一致、不一致に基づき、メインCPU62aの演算結果とサブCPU62bの演算結果とを比較し、比較の結果、演算結果が一致しない場合に、エラー信号SfをメインCPU62aおよびサブCPU62bに出力する。第1系統判定部66は、たとえば専用のハードウェア(ASIC)にて構成され、上記処理をハードウェア処理として実行する。
第2系統コンピュータ70は、上記メインCPU62a、サブCPU62b、メモリ64a,64b、第1系統判定部66、および入出力回路68のそれぞれに対応する、メインCPU72a、サブCPU72b、メモリ74a,74b、第2系統判定部76、および入出力回路78を備えている。
切替部80には、第1系統コンピュータ60によって算出されたインバータ34の操作信号MS1と、第2系統コンピュータ70によって算出されたインバータ34の操作信号MS2とが入力される。なおたとえば、インバータ34が、直流電圧源の正極および負極のそれぞれを電動機32の端子に選択的に接続するスイッチング素子を備える場合、操作信号として、各レッグの上側アームの3個のスイッチング素子と下側アームの3個のスイッチング素子とのそれぞれに各別の操作信号が必要となる。しかし図2においては、記載スペースの制約などから、切替部80の構成のうち、単一の操作信号に関するもののみを図示している。
切替部80には、操作信号MS1,MS2に加えて、切替信号Scが入力される。切替信号Scは、操作信号MS1をインバータ34の操作信号MSとして出力する状態と、操作信号MS2をインバータ34の操作信号MSとして出力する状態とを切り替えるための信号である。本実施形態では、切替信号Scは、第1系統コンピュータ60によって切替部80に入力されるものとする。
切替部80は、操作信号MS1と切替信号Scとが入力され、それらの論理積信号を出力するAND回路82と、切替信号Scが入力され、その論理反転信号を出力する反転回路84と、上記論理反転信号と操作信号MS2とが入力され、それらの論理積信号を出力するAND回路86とを備えている。また、切替部80は、AND回路82が出力する論理積信号と、AND回路86が出力する論理積信号とが入力され、それらの論理和信号を出力するOR回路88を備えている。
OR回路88により出力される論理和信号が、インバータ34の操作信号MSである。すなわち、切替信号Scが論理Hである場合、AND回路82の出力は、論理Hおよび論理Lの2値信号である操作信号MS1の論理値に応じた信号となる一方、AND回路86の出力は、常時論理Lとなる。また、切替信号Scが論理Lである場合、AND回路82の出力は、常時論理Lとなる一方、AND回路86の出力は、論理Hおよび論理Lの2値信号である操作信号MS2の論理値に応じた信号となる。
図3に、アシスト制御および自動操舵制御における第1系統コンピュータ60および第2系統コンピュータ70の状態を例示する。特に、図3においては、フラグFが「1」である場合を例示する。フラグFは、第1系統コンピュータ60が算出する操作信号MS1がインバータ34の操作信号MSとされる場合に「1」とされ、第2系統コンピュータ70が算出する操作信号MS2がインバータ34の操作信号MSとなる場合に「2」とされる。図3に示すように、フラグFが「1」である場合、第1系統コンピュータ60が作動状態とされ、操作信号MS1が算出される。これに対し、第2系統コンピュータ70は、アシスト制御がなされているか自動操舵制御がなされているかに応じて、コールドスタンバイ状態またはホットスタンバイ状態とされる。ここで、コールドスタンバイ状態は、操作信号MS2を算出する演算処理を実行しない状態であり、メインCPU72aおよびサブCPU72bの消費電力が、上記作動状態と比較して小さい小電力消費状態である。一方、ホットスタンバイ状態は、入出力回路78から入力された電流iu,iv,iw、回転角度θおよび操舵トルクTrq等に基づき、操作信号MS2を算出する処理を実行するものの、その信号を入出力回路78に出力しない状態である。ホットスタンバイ状態は、コールドスタンバイ状態と比較して消費電力が大きいものの、入出力回路78のうちの出力回路部分がオフ状態とされることにより、作動状態よりは消費電力が小さい小電力消費状態となっている。
切替部80は、第1系統コンピュータ60に異常がないことを条件に、操作信号MS1を操作信号MSとし、第2系統コンピュータ70に異常がないことを条件に、操作信号MS2を操作信号MSとする。以下、これについて説明する。
図4に、第1系統コンピュータ60が算出した操作信号MS1が操作信号MSとなるように切替信号Scが論理HとされているときにメインCPU62aが実行する処理の手順を示す。
図4に示す一連の処理において、メインCPU62aは、エラー信号Sfを受信したか否かを判定し(S10)、受信したと判定する場合(S10:YES)、切替部80から第2系統コンピュータ70によって算出される操作信号MS2を出力させるために、切替信号Scを論理Lに切り替える(S12)。そしてメインCPU62aは、第2系統コンピュータ70に、操作信号MSを算出するという役割を担わせるべく、第2系統コンピュータ70に交代要求を出力する(S14)。なお、メインCPU62aは、ステップS14の処理が完了する場合や、ステップS10において否定判定する場合には、図4に示す一連の処理を一旦終了する。なお、第1系統コンピュータ60に異常が生じる場合、第2系統コンピュータ70は、その旨を上位ECU42に通知する。これにより、ユーザにディーラへ行くことを促す通知等がなされることとなる。なお、以後、第1系統コンピュータ60が修理されるまでは、第1系統コンピュータ60が算出する操作信号MS1が操作信号MSとされることはない。
ちなみに、サブCPU62bは、図4に示した処理と同一の処理を実行する。ただし、サブCPU62bの出力ポートは、入出力回路68のうちの外部に信号を出力する出力回路部分に接続されていないため、サブCPU62bが出力する切替信号Scや交代要求は、入出力回路68を介して外部に出力されることはない。
また、第2系統コンピュータ70が算出した操作信号MS2が操作信号MSとなるように切替信号Scが論理LとされているときにメインCPU72aやサブCPU72bが実行する処理は、図4のステップS12の処理を除いた処理となる。
本実施形態においては、第1系統コンピュータ60および第2系統コンピュータ70に異常が生じていない場合であっても、所定期間が経過する場合、作動状態とされる側を交代する。以下、これについて説明する。
図5に、第1系統コンピュータ60のメインCPU62aおよびサブCPU62bが実行する処理の手順を示す。図5に示す処理は、イグニッションスイッチ49がオフ状態からオン状態に切り替えられることをトリガとして実行される。なお、以下では、主体をメインCPU62aとして記載する。
図5に示す一連の処理において、メインCPU62aは、まず、エラー信号Sfの受信履歴がないことと、第2系統コンピュータ70に異常が生じることに起因して第2系統コンピュータ70からの交代要求を受信した履歴がないこととの論理積が真であるか否かを判定する(S20)。メインCPU62aは、論理積が真であると判定する場合(S20:YES)、たとえば上位ECU42等から走行距離Ltrを取得する(S22)。そして、メインCPU62aは、操作信号MS1,MS2のいずれか一方が操作信号MSとされる状態から他方が操作信号MSとされる状態に切り替わった時点の走行距離(初期値Ltr0)に対する走行距離Ltrの増加量が、所定距離Lth以上であるか否かを判定する(S24)。なお、操舵ECU40の製品出荷時には、操作信号MS1が操作信号MSとされることとし、初期値Ltr0は「0」とされる。
メインCPU62aは、所定距離Lth以上であると判定する場合(S24:YES)、初期値Ltr0を、ステップS22の処理において取得した走行距離Ltrとする(S26)。そして、メインCPU62aは、上記フラグFが「1」であるか否かを判定し(S28)、「1」であると判定する場合(S28:YES)、フラグFを「2」とする(S30)。この処理は、前回までイグニッションスイッチ49がオン状態とされている期間においては、操作信号MS1が操作信号MSとされていたところ、操作信号MS2を操作信号MSとする処理に切り替えるためのものである。そしてメインCPU62aは、スタンバイモードに移行する(S32)。これにより、アシスト制御がなされる場合にはコールドスタンバイ状態となり、自動操舵制御がなされる場合には、ホットスタンバイ状態となる。
一方、メインCPU62aは、フラグFが「2」であると判定する場合(S28:NO)、フラグFを「1」に切り替える(S34)。この処理は、前回までイグニッションスイッチ49がオン状態とされている期間においては、操作信号MS2が操作信号MSとされていたところ、操作信号MS1を操作信号MSとする処理に切り替えるためのものである。そして、メインCPU62aは、作動状態となり(S36)、切替信号Scを論理Hとする(S38)。
メインCPU62aは、上記ステップS24において否定判定する場合、フラグFが「1」であるか否かを判定し(S40)、「1」であると判定する場合(S40:YES)、ステップS36の処理に移行する一方、「2」であると判定する場合(S40:NO),ステップS32の処理に移行する。
なお、メインCPU62aは、ステップS32,S38の処理が完了する場合や、ステップS20において否定判定する場合には、図5に示す一連の処理を一旦終了する。
ちなみに、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bは、図5の処理を次のように変更した処理を実行する。すなわち、図5の処理において、ステップS32の処理を作動状態とする処理とし、ステップS36の処理をスタンバイモードに移行する処理とし、ステップS38の処理を削除した処理を実行する。
ここで本実施形態の作用を説明する。
図6に、走行距離Ltrと、第1系統コンピュータ60および第2系統コンピュータ70の状態の推移とを示す。図6に示すように、車両の走行距離が所定距離Lthとなることを条件に、第1系統コンピュータ60が作動状態であって且つ第2系統コンピュータ70がスタンバイ状態である状態と、第1系統コンピュータ60がスタンバイ状態であって且つ第2系統コンピュータ70が作動状態である状態との切替がなされる。ここで、スタンバイ状態のうちの特にコールドスタンバイ状態においては、作動状態と比較して消費電力が小さくなる。このため、たとえば第1系統コンピュータ60に異常が生じない限り、第1系統コンピュータ60が算出した操作信号MS1を操作信号MSとする設定の場合には、第2系統コンピュータ70のトータルの消費電力と比較して第1系統コンピュータ60のトータルの消費電力が過度に大きくなるおそれがある。そして、トータルの消費電力が大きいほど、熱劣化が進行するため、第2系統コンピュータ70と比較して第1系統コンピュータ60の劣化が進行するおそれがある。これに対し、本実施形態では、所定距離Lth毎に作動状態とするものを切り替えることにより、第1系統コンピュータ60のトータルの消費電力と第2系統コンピュータ70のトータルの消費電力との相違が大きくなることを抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(1)切替部80は、第1系統判定部66により異常がある旨判定されていないことを条件に第1系統コンピュータ60の操作信号MS1を出力し、第2系統判定部76により異常がある旨判定されていないことを条件に第2系統コンピュータ70の操作信号MS2を出力することとした。これにより、切替部80の出力は、異常がある旨判定されていない系統コンピュータによって算出された操作信号となるため、操作信号MSの信頼性を高めることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図7に、第1系統コンピュータ60のメインCPU62aおよびサブCPU62bが実行する処理の手順を示す。図7に示す処理は、イグニッションスイッチ49がオフ状態からオン状態に切り替えられることをトリガとして実行される。図7に示す処理において、図5に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。なお、以下では、主体をメインCPU62aとして記載する。
図7に示す一連の処理において、メインCPU62aは、ステップS20において肯定判定する場合、上位ECU42等から日にちを取得する(S22a)。そしてメインCPU62aは、操作信号MS1,MS2のいずれか一方が操作信号MSとされる状態から他方が操作信号MSとされる状態に切り替わった時点からの経過日数が所定日数となったか否かを判定する(S24a)。そしてメインCPU62aは、所定日数が経過したと判定する場合(S24a:YES)、上記切り替わった時点として記憶する初期値をステップS22aにおいて取得した日にちに更新し(S26a)、ステップS28の処理に移行する。これに対し、メインCPU62aは、所定日数が経過していないと判定する場合(S24a:NO)、ステップS40の処理に移行する。
なお、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bは、図7の処理を、次のように変更した処理を実行する。すなわち、図7の処理において、ステップS32の処理を作動状態とする処理とし、ステップS36の処理をスタンバイモードに移行する処理とし、ステップS38の処理を削除した処理を実行する。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、第1系統コンピュータ60のメインCPU62aおよびサブCPU62bが実行する処理の手順を示す。図8に示す処理は、イグニッションスイッチ49がオフ状態からオン状態に切り替えられることをトリガとして実行される。図8に示す処理において、図5に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。なお、以下では、主体をメインCPU62aとして記載する。
図8に示す一連の処理において、メインCPU62aは、ステップS20において肯定判定する場合、カウンタCをインクリメントする(S22b)。そしてメインCPU62aは、カウンタCが所定値Cth以上であるか否かを判定し(S24b)、所定値Cth以上であると判定する場合(S24b:YES)、カウンタCを初期化して(S26b)、ステップS28の処理に移行する。一方、メインCPU62aは、カウンタCが所定値Cth未満であると判定する場合(S24b:NO)、ステップS40の処理に移行する。
なお、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bは、図8の処理を次のように変更した処理を実行する。すなわち、図8の処理において、ステップS32の処理を作動状態とする処理とし、ステップS36の処理をスタンバイモードに移行する処理とし、ステップS38の処理を削除した処理を実行する。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図9に、本実施形態にかかる操舵ECU40の構成を示す。図9において、図2に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
操舵ECU40は、第1系統コンピュータ60および第2系統コンピュータ70に加えて、第3系統コンピュータ90を備えている。第3系統コンピュータ90は、上記メインCPU62a、サブCPU62b、メモリ64a,64b、第1系統判定部66、および入出力回路68のそれぞれに対応する、メインCPU92a、サブCPU92b、メモリ94a,94b、第3系統判定部96、および入出力回路98を備えている。
また、本実施形態では、第1系統コンピュータ60が第1切替信号Sc1を出力し、第2系統コンピュータ70が第2切替信号Sc2を出力する。ここで、第1切替信号Sc1は、操作信号MS1が操作信号MSとされる場合に論理Hとされ、それ以外の場合に論理Lとされる。また、第2切替信号Sc2は、操作信号MS2が操作信号MSとされる場合に論理Hとされ、それ以外の場合に論理Lとされる。
切替部80は、AND回路82、反転回路84、AND回路86およびOR回路88に加えて、反転回路102,104とAND回路100とを備えている。
本実施形態では、AND回路86は、反転回路84の出力する反転信号と、第2切替信号Sc2と、操作信号MS2とが入力され、それらの論理積信号を生成して出力する。また、上記反転回路102は、第1切替信号Sc1が入力され、その論理反転信号を生成してAND回路100に出力する。上記反転回路104は、第2切替信号Sc2が入力され、その論理反転信号を生成してAND回路100に出力する。AND回路100は、反転回路102,104のそれぞれの論理反転信号と、第3系統コンピュータ90により算出された操作信号MS3とが入力され、それらの論理積信号を生成して出力する。OR回路88は、AND回路82,86,100の出力する各論理積信号の論理和信号を生成して、操作信号MSとして出力する。
なお、本実施形態においては、第1系統コンピュータ60のメインCPU62aおよびサブCPU62bは、ステップS12の処理を第1切替信号Sc1を論理Lとする処理に代えつつ図4の処理を実行する。また、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bは、ステップS12の処理を第2切替信号Sc2を論理Lとする処理に代えつつ図4の処理を実行する。また、第3系統コンピュータ90のメインCPU92aおよびサブCPU92bは、図4の処理からステップS12の処理を削除し、ステップS14の処理として第1系統コンピュータ60に交代要求を出力する処理を実行する。
また、本実施形態では、第1系統コンピュータ60、第2系統コンピュータ70および第3系統コンピュータ90において、図5の処理を以下のように変更した処理を実行する。
すなわち、フラグFは、「1」である場合、操作信号MS1を操作信号MSとする旨を示し、「2」である場合、操作信号MS2を操作信号MSとする旨を示し、「3」である場合、操作信号MS3を操作信号MSとする旨を示す。そして、ステップS26の処理が実行される都度、フラグFを数列a(n){a(1)=1,a(2)=2,a(3)=3,a(4)=1…}に従って順次更新する。すなわち、フラグFの値が数列a(k)の値であった場合、数列a(k+1)の値に更新する。そして、第1系統コンピュータ60は、フラグFが「1」である場合、ステップS36の処理を実行した後ステップS38の処理に代えて第1切替信号Sc1を論理Hとする処理を実行する。また第1系統コンピュータ60は、フラグFが「1」ではない場合、ステップS32の処理に移行する。一方、第2系統コンピュータ70は、フラグFが「2」である場合、ステップS36の処理を実行した後ステップS38の処理に代えて第2切替信号Sc2を論理Hとする処理を実行する。また第2系統コンピュータ70は、フラグFが「2」ではない場合、ステップS32の処理に移行する。他方、第3系統コンピュータ90は、フラグFが「3」である場合、ステップS36の処理を実行した後、図5に対応する一連の処理を一旦終了する。また第3系統コンピュータ90は、フラグFが「3」ではない場合、ステップS32の処理に移行する。
<対応関係>
上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と、実施形態における事項との対応関係は、次の通りである。指令信号は、操作信号MSに対応し、複数の第1系統処理部は、メインCPU62aおよびサブCPU62bに対応し、複数の第2系統処理部は、メインCPU72aおよびサブCPU72bに対応し、複数の第3系統処理部は、メインCPU92aおよびサブCPU92bに対応する。走行を可能とするスイッチは、イグニッションスイッチに対応し、車両用制御装置は、操舵ECU40に対応する。車両の運転の支援に関する処理は、アシスト制御に対応し、自動運転に関する処理は、転舵角が転舵角指令値θp*となるように電動機32を操作する処理に対応する。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。
・「所定期間について」
たとえば上記第1の実施形態に代えて、所定期間を、1つの系統コンピュータがコールドスタンバイ状態となる累積の継続時間が所定時間となるまでの期間としてもよい。これは、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bがコールドスタンバイ状態となる累積の時間が所定時間となることを条件に、操作信号MS2を操作信号MSとする状態に切り替えることで実現することができる。
上記第1の実施形態においては、所定期間が経過することを条件に第2状態から第1状態に再度切り替えることを想定したが、これに限らず、たとえば、第2状態に切り替えた後には、異常が生じない限り第1状態に切り替えなくてもよい。
上記第4の実施形態においては、所定期間が経過することを条件に第3状態から第1状態に再度切り替えることを想定したが、これに限らず、たとえば、第3状態に切り替えた後には、異常が生じない限り第1状態に切り替えなくてもよい。
・「電力消費状態について」
上記第1の実施形態では、アシスト制御を実行する場合、第1系統コンピュータ60と第2系統コンピュータ70とのうちの出力信号が操作信号MSとして利用されない側を、コールドスタンバイ状態としたが、これに限らない。たとえば、電源オフの状態としてもよい。これは、たとえば電源オフの対象となるコンピュータの電源リレーであって、イグニッションスイッチ49によって閉操作され、当該コンピュータによって開操作可能な電源リレーを備えて実現できる。なお、この場合、ステップS14の処理に先立って、メインCPU62aが、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bを起動するために上記リレーを閉操作する処理を実行すればよい。
同様に、第2〜第4の実施形態においても、アシスト制御を実行する場合に操作信号MSを出力しないコンピュータをコールドスタンバイ状態とするものに限らず、たとえば電源オフの状態としてもよい。
・「小消費電力状態と大電力消費状態との切替について」
操作信号MSとなる信号を算出する状態である大消費電力状態と消費電力が小さい小消費電力状態(スタンバイ状態や電源オフの状態)との切替手法としては、図5等に示した手法に限らない。たとえば、切替部80に各系統コンピュータがアクセス可能なレジスタを備え、レジスタにフラグFの情報を格納することとし、各系統コンピュータは、フラグFの状態に基づき、小消費電力状態に移行するなどしてもよい。この場合、大消費電力状態にある系統コンピュータが、所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過したと判定する場合、レジスタを書き換えたり、小消費電力状態にある系統コンピュータに大消費電力状態となるように指令を出すなどすればよい。
・「第1系統処理部、第2系統処理部、第3系統処理部について」
上記実施形態では、第1系統コンピュータ60において、メインCPU62aが実際の操作信号MS1を算出し、サブCPU62bは、操作信号MS1の算出と同等の処理を実行するものの、あくまで操作信号MS1との照合に利用するのみであったが、これに限らない。たとえば、メインおよびサブの概念をなくし、一対のCPUが算出した操作信号が正しい場合、それらの双方の信号が操作信号MS1となるようにしてもよい。これは、一対のCPUが算出した操作信号の論理積信号を操作信号MS1とすることにより実現することができる。同様に、第2系統コンピュータ70や第3系統コンピュータ90においてメインとサブとの概念をなくした一対のCPUを備えてもよい。もっとも、系統コンピュータとしては、一対のCPUを備えるものに限らず、3個以上のCPUを備えるものであってもよい。この場合、たとえば全体の過半数のCPUの演算結果が同一である場合には、その系統コンピュータが正常であるとして、過半数の演算結果に基づく操作信号をその系統コンピュータの操作信号としてもよい。
・「車両を走行可能とするスイッチについて」
車両を走行可能とするスイッチとしては、イグニッションスイッチに限らない。たとえば、ハイブリッド車において、モータジェネレータとバッテリとの間を開閉するシステムメインリレーをオン状態とするスイッチであってもよい。
・「車載アクチュエータについて」
転舵アクチュエータPSAに限らない。たとえば、駆動輪を駆動する主機となる回転電機を備えたものであってもよく、また、左右の車輪の回転速度を変更可能なホイールモータであってもよい。ちなみに、ホイールモータは、車両の操舵を制御するためのアクチュエータである。
・「車両の運転の支援および自動運転の少なくとも一方に関する処理について」
上記実施形態では、車両の運転の支援に関する処理としてアシスト制御を実行し、自動運転に関する処理として転舵角が転舵角指令値θp*となるように電動機32を操作する処理を実行し、「車両用制御装置について」の欄には、自動運転に関する処理として自動操舵制御を実行しつつも運転の支援を実行しない例を示したが、これに限らない。たとえば、操舵のアシスト制御のみを実行するものであってもよい。この場合、たとえば第1の実施形態において、操作信号MS1が操作信号MSとされる場合には、第2系統コンピュータ70側を常時コールドスタンバイ状態とすればよい。
・「車両用制御装置について」
車両用制御装置が備える系統コンピュータの数としては、2個または3個に限らず、たとえば4個以上であってもよい。ここでたとえば4個の系統コンピュータを備える場合、所定期間経過することを条件に、第1系統コンピュータ、第2系統コンピュータ、第3系統コンピュータ、第4系統コンピュータ、第1系統コンピュータの順に操作信号を採用するコンピュータを変更すればよい。
車両用制御装置としては、操舵ECUに限らない。たとえば自動操舵のために転舵角指令値θp*を操舵ECU40に出力する上位ECU42であってもよい。ただし、この場合、自動操舵を実行する場合には、複数の系統コンピュータのうち算出した指令値が転舵角指令値θp*として利用されないものをホットスタンバイ状態とすることが望ましい。この際、ホットスタンバイ状態においても、たとえば入出力回路78のうちの出力回路部分がオフ状態とされるなどして、算出した指令値が転舵角指令値θp*として利用される側と比較して消費電力が小さくなる場合には、大消費電力状態となる期間が所定期間となることにより、大電力消費状態とする系統コンピュータを切り替えることが有効である。
・「そのほか」
メインCPU62a,72a,92aとサブCPU62b,72b,92bとで、メモリを別とすることは必須ではない。
10…操舵装置、12…ステアリング、14…ステアリングシャフト、14a…シャフト歯、20…ラック軸、22…転舵輪、24…第1ラックアンドピニオン機構、24a…第1ラック歯、26…第2ラックアンドピニオン機構、26a…第2ラック歯、28…ピニオン軸、28a…ピニオン歯、30…減速機構、32…電動機、32a…回転軸、34…インバータ、40…操舵ECU、42…上位ECU、44…トルクセンサ、46…電流センサ、48…回転角度センサ、49…イグニッションスイッチ、50…カメラ、60…第1系統コンピュータ、62a…メインCPU、62b…サブCPU、64a,64b…メモリ、66…第1系統判定部、68…入出力回路、70…第2系統コンピュータ、72a…メインCPU、72b…サブCPU、74a,74b…メモリ、76…第2系統判定部、78…入出力回路、80…切替部、82…AND回路、84…反転回路、86…AND回路、88…OR回路、90…第3系統コンピュータ、92a…メインCPU、92b…サブCPU、94a,94b…メモリ、96…第3系統判定部、98…入出力回路、100…AND回路、102…反転回路、104…反転回路。

Claims (7)

  1. 第1系統コンピュータおよび第2系統コンピュータのいずれかによって算出された信号であって且つ車載アクチュエータの操作につながる信号である指令信号を前記車載アクチュエータに選択的に出力することによって、前記車載アクチュエータを操作して車両の運転の支援および自動運転の少なくとも一方に関する処理を実行する車両用制御装置において、
    前記第1系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第1系統処理部と、前記複数の第1系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第1系統処理部の異常の有無を判定する第1系統判定部と、を備え、
    前記第2系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第2系統処理部と、前記複数の第2系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第2系統処理部の異常の有無を判定する第2系統判定部と、を備え、
    前記第1系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第1状態の期間が所定期間となることを条件に、前記第1系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第2系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第2状態に切り替える車両用制御装置。
  2. 前記車両は、操舵装置を備え、
    前記操舵装置は、転舵輪を転舵させることが可能な転舵アクチュエータを備えて且つ、ユーザがステアリングに入力した操舵トルクを前記転舵輪に伝達させることが可能なものであり、
    前記車載アクチュエータは、前記転舵アクチュエータであり、
    前記車両の運転支援に関する処理として、ユーザによる前記ステアリングの操作をアシストするために前記転舵アクチュエータを操作する場合、前記第2状態においては前記第1系統処理部は前記指令信号の算出処理を実行せず、前記第1状態においては前記第2系統処理部は前記指令信号の算出処理を実行しない請求項1記載の車両用制御装置。
  3. 前記第1系統コンピュータが出力する前記指令信号と前記第2系統コンピュータが出力する前記指令信号とが入力される切替部を備え、
    前記切替部は、前記第1系統判定部により異常がある旨判定されていないことを条件に前記第1系統コンピュータの前記指令信号を前記車載アクチュエータの操作につながる信号として出力し、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていないことを条件に前記第2系統コンピュータの前記指令信号を前記車載アクチュエータの操作につながる信号として出力する請求項1または2記載の車両用制御装置。
  4. 前記所定期間は、前記車両の走行距離が所定距離となるまでの期間、前記第1状態になってからの経過日数が所定日数となるまでの期間、または前記車両を走行可能とするスイッチが所定回数オン操作されるまでの期間である請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
  5. 前記指令信号を生成して出力する第3系統コンピュータを備え、
    前記第3系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第3系統処理部と、前記複数の第3系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第3系統処理部の異常の有無を判定する第3系統判定部と、を備え、
    前記第2状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第3系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第3状態に切り替える請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
  6. 前記第2状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第1状態に切り替える請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
  7. 前記第3状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第3系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第1状態に切り替える請求項5記載の車両用制御装置。
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