JP2018008624A - 車両用制御装置 - Google Patents
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Description
1.第1系統コンピュータおよび第2系統コンピュータのいずれかによって算出された信号であって且つ車載アクチュエータの操作につながる信号である指令信号を前記車載アクチュエータに選択的に出力することによって、前記車載アクチュエータを操作して車両の運転の支援および自動運転の少なくとも一方に関する処理を実行する車両用制御装置において、前記第1系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第1系統処理部と、前記複数の第1系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第1系統処理部の異常の有無を判定する第1系統判定部と、を備え、前記第2系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第2系統処理部と、前記複数の第2系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第2系統処理部の異常の有無を判定する第2系統判定部と、を備え、前記第1系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第1状態の期間が所定期間となることを条件に、前記第1系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第2系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第2状態に切り替える。
前記操舵装置は、転舵輪を転舵させることが可能な転舵アクチュエータを備えて且つ、ユーザがステアリングに入力した操舵トルクを前記転舵輪に伝達させることが可能なものであり、前記車載アクチュエータは、前記転舵アクチュエータであり、前記車両の運転支援に関する処理として、ユーザによる前記ステアリングの操作をアシストするために前記転舵アクチュエータを操作する場合、前記第2状態においては前記第1系統処理部は前記指令信号の算出処理を実行せず、前記第1状態においては前記第2系統処理部は前記指令信号の算出処理を実行しない。
4.上記1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、前記所定期間は、前記車両の走行距離が所定距離となるまでの期間、前記第1状態になってからの経過日数が所定日数となるまでの期間、または前記車両を走行可能とするスイッチが所定回数オン操作されるまでの期間である。
以下、車両用制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す操舵装置10は、車両に搭載されるものであり、ユーザによってステアリングホイール(ステアリング12)に加えられたトルクが、ステアリングシャフト14、ラック軸20を介して転舵輪22に伝達される。
操舵制御装置(操舵ECU40)は、電動機32のトルクを制御量とし、インバータ34を操作することによって、ユーザによるステアリング12の操作をアシストするアシスト制御を実行する。アシスト制御は、ステアリング12の操作に基づき、ステアリング12の操作による転舵輪22の転舵をアシストするためのトルクを電動機32によって生成する処理である。この際、操舵ECU40は、各種センサの検出値を参照する。これらセンサとしては、たとえば、ステアリングシャフト14に加わるトルク(操舵トルクTrqs)を検出するトルクセンサ44や、電動機32の回転軸32aの回転角度θを検出する回転角度センサ48、インバータ34の出力線電流(電流iu,iv,iw)を検出する電流センサ46等がある。具体的には、操舵ECU40は、操舵トルクTrqに応じて電動機32のトルクを制御する。
図2に、操舵ECU40の構成を示す。
第1系統コンピュータ60は、一対の中央処理装置であるメインCPU62aおよびサブCPU62bと、一対のメモリ64a,64bとを備えている。メインCPU62aは、メモリ64aに記憶されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行し、サブCPU62bは、メモリ64bに記憶されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行する。本実施形態では、メインCPU62aは、入出力回路68を介して入力される上記電流iu,iv,iwや回転角度θ、操舵トルクTrq、転舵角指令値θp*に基づき、インバータ34の操作信号MSを算出する処理を実行する。一方、サブCPU62bは、メインCPU62aの異常の有無を判定するためにメインCPU62aと同一の演算処理を実行する。
ちなみに、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bは、図5の処理を次のように変更した処理を実行する。すなわち、図5の処理において、ステップS32の処理を作動状態とする処理とし、ステップS36の処理をスタンバイモードに移行する処理とし、ステップS38の処理を削除した処理を実行する。
図6に、走行距離Ltrと、第1系統コンピュータ60および第2系統コンピュータ70の状態の推移とを示す。図6に示すように、車両の走行距離が所定距離Lthとなることを条件に、第1系統コンピュータ60が作動状態であって且つ第2系統コンピュータ70がスタンバイ状態である状態と、第1系統コンピュータ60がスタンバイ状態であって且つ第2系統コンピュータ70が作動状態である状態との切替がなされる。ここで、スタンバイ状態のうちの特にコールドスタンバイ状態においては、作動状態と比較して消費電力が小さくなる。このため、たとえば第1系統コンピュータ60に異常が生じない限り、第1系統コンピュータ60が算出した操作信号MS1を操作信号MSとする設定の場合には、第2系統コンピュータ70のトータルの消費電力と比較して第1系統コンピュータ60のトータルの消費電力が過度に大きくなるおそれがある。そして、トータルの消費電力が大きいほど、熱劣化が進行するため、第2系統コンピュータ70と比較して第1系統コンピュータ60の劣化が進行するおそれがある。これに対し、本実施形態では、所定距離Lth毎に作動状態とするものを切り替えることにより、第1系統コンピュータ60のトータルの消費電力と第2系統コンピュータ70のトータルの消費電力との相違が大きくなることを抑制することができる。
(1)切替部80は、第1系統判定部66により異常がある旨判定されていないことを条件に第1系統コンピュータ60の操作信号MS1を出力し、第2系統判定部76により異常がある旨判定されていないことを条件に第2系統コンピュータ70の操作信号MS2を出力することとした。これにより、切替部80の出力は、異常がある旨判定されていない系統コンピュータによって算出された操作信号となるため、操作信号MSの信頼性を高めることができる。
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
操舵ECU40は、第1系統コンピュータ60および第2系統コンピュータ70に加えて、第3系統コンピュータ90を備えている。第3系統コンピュータ90は、上記メインCPU62a、サブCPU62b、メモリ64a,64b、第1系統判定部66、および入出力回路68のそれぞれに対応する、メインCPU92a、サブCPU92b、メモリ94a,94b、第3系統判定部96、および入出力回路98を備えている。
本実施形態では、AND回路86は、反転回路84の出力する反転信号と、第2切替信号Sc2と、操作信号MS2とが入力され、それらの論理積信号を生成して出力する。また、上記反転回路102は、第1切替信号Sc1が入力され、その論理反転信号を生成してAND回路100に出力する。上記反転回路104は、第2切替信号Sc2が入力され、その論理反転信号を生成してAND回路100に出力する。AND回路100は、反転回路102,104のそれぞれの論理反転信号と、第3系統コンピュータ90により算出された操作信号MS3とが入力され、それらの論理積信号を生成して出力する。OR回路88は、AND回路82,86,100の出力する各論理積信号の論理和信号を生成して、操作信号MSとして出力する。
上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と、実施形態における事項との対応関係は、次の通りである。指令信号は、操作信号MSに対応し、複数の第1系統処理部は、メインCPU62aおよびサブCPU62bに対応し、複数の第2系統処理部は、メインCPU72aおよびサブCPU72bに対応し、複数の第3系統処理部は、メインCPU92aおよびサブCPU92bに対応する。走行を可能とするスイッチは、イグニッションスイッチに対応し、車両用制御装置は、操舵ECU40に対応する。車両の運転の支援に関する処理は、アシスト制御に対応し、自動運転に関する処理は、転舵角が転舵角指令値θp*となるように電動機32を操作する処理に対応する。
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。
・「所定期間について」
たとえば上記第1の実施形態に代えて、所定期間を、1つの系統コンピュータがコールドスタンバイ状態となる累積の継続時間が所定時間となるまでの期間としてもよい。これは、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bがコールドスタンバイ状態となる累積の時間が所定時間となることを条件に、操作信号MS2を操作信号MSとする状態に切り替えることで実現することができる。
上記第1の実施形態では、アシスト制御を実行する場合、第1系統コンピュータ60と第2系統コンピュータ70とのうちの出力信号が操作信号MSとして利用されない側を、コールドスタンバイ状態としたが、これに限らない。たとえば、電源オフの状態としてもよい。これは、たとえば電源オフの対象となるコンピュータの電源リレーであって、イグニッションスイッチ49によって閉操作され、当該コンピュータによって開操作可能な電源リレーを備えて実現できる。なお、この場合、ステップS14の処理に先立って、メインCPU62aが、第2系統コンピュータ70のメインCPU72aおよびサブCPU72bを起動するために上記リレーを閉操作する処理を実行すればよい。
操作信号MSとなる信号を算出する状態である大消費電力状態と消費電力が小さい小消費電力状態(スタンバイ状態や電源オフの状態)との切替手法としては、図5等に示した手法に限らない。たとえば、切替部80に各系統コンピュータがアクセス可能なレジスタを備え、レジスタにフラグFの情報を格納することとし、各系統コンピュータは、フラグFの状態に基づき、小消費電力状態に移行するなどしてもよい。この場合、大消費電力状態にある系統コンピュータが、所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過したと判定する場合、レジスタを書き換えたり、小消費電力状態にある系統コンピュータに大消費電力状態となるように指令を出すなどすればよい。
上記実施形態では、第1系統コンピュータ60において、メインCPU62aが実際の操作信号MS1を算出し、サブCPU62bは、操作信号MS1の算出と同等の処理を実行するものの、あくまで操作信号MS1との照合に利用するのみであったが、これに限らない。たとえば、メインおよびサブの概念をなくし、一対のCPUが算出した操作信号が正しい場合、それらの双方の信号が操作信号MS1となるようにしてもよい。これは、一対のCPUが算出した操作信号の論理積信号を操作信号MS1とすることにより実現することができる。同様に、第2系統コンピュータ70や第3系統コンピュータ90においてメインとサブとの概念をなくした一対のCPUを備えてもよい。もっとも、系統コンピュータとしては、一対のCPUを備えるものに限らず、3個以上のCPUを備えるものであってもよい。この場合、たとえば全体の過半数のCPUの演算結果が同一である場合には、その系統コンピュータが正常であるとして、過半数の演算結果に基づく操作信号をその系統コンピュータの操作信号としてもよい。
車両を走行可能とするスイッチとしては、イグニッションスイッチに限らない。たとえば、ハイブリッド車において、モータジェネレータとバッテリとの間を開閉するシステムメインリレーをオン状態とするスイッチであってもよい。
転舵アクチュエータPSAに限らない。たとえば、駆動輪を駆動する主機となる回転電機を備えたものであってもよく、また、左右の車輪の回転速度を変更可能なホイールモータであってもよい。ちなみに、ホイールモータは、車両の操舵を制御するためのアクチュエータである。
上記実施形態では、車両の運転の支援に関する処理としてアシスト制御を実行し、自動運転に関する処理として転舵角が転舵角指令値θp*となるように電動機32を操作する処理を実行し、「車両用制御装置について」の欄には、自動運転に関する処理として自動操舵制御を実行しつつも運転の支援を実行しない例を示したが、これに限らない。たとえば、操舵のアシスト制御のみを実行するものであってもよい。この場合、たとえば第1の実施形態において、操作信号MS1が操作信号MSとされる場合には、第2系統コンピュータ70側を常時コールドスタンバイ状態とすればよい。
車両用制御装置が備える系統コンピュータの数としては、2個または3個に限らず、たとえば4個以上であってもよい。ここでたとえば4個の系統コンピュータを備える場合、所定期間経過することを条件に、第1系統コンピュータ、第2系統コンピュータ、第3系統コンピュータ、第4系統コンピュータ、第1系統コンピュータの順に操作信号を採用するコンピュータを変更すればよい。
メインCPU62a,72a,92aとサブCPU62b,72b,92bとで、メモリを別とすることは必須ではない。
Claims (7)
- 第1系統コンピュータおよび第2系統コンピュータのいずれかによって算出された信号であって且つ車載アクチュエータの操作につながる信号である指令信号を前記車載アクチュエータに選択的に出力することによって、前記車載アクチュエータを操作して車両の運転の支援および自動運転の少なくとも一方に関する処理を実行する車両用制御装置において、
前記第1系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第1系統処理部と、前記複数の第1系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第1系統処理部の異常の有無を判定する第1系統判定部と、を備え、
前記第2系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第2系統処理部と、前記複数の第2系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第2系統処理部の異常の有無を判定する第2系統判定部と、を備え、
前記第1系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第1状態の期間が所定期間となることを条件に、前記第1系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第2系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第2状態に切り替える車両用制御装置。 - 前記車両は、操舵装置を備え、
前記操舵装置は、転舵輪を転舵させることが可能な転舵アクチュエータを備えて且つ、ユーザがステアリングに入力した操舵トルクを前記転舵輪に伝達させることが可能なものであり、
前記車載アクチュエータは、前記転舵アクチュエータであり、
前記車両の運転支援に関する処理として、ユーザによる前記ステアリングの操作をアシストするために前記転舵アクチュエータを操作する場合、前記第2状態においては前記第1系統処理部は前記指令信号の算出処理を実行せず、前記第1状態においては前記第2系統処理部は前記指令信号の算出処理を実行しない請求項1記載の車両用制御装置。 - 前記第1系統コンピュータが出力する前記指令信号と前記第2系統コンピュータが出力する前記指令信号とが入力される切替部を備え、
前記切替部は、前記第1系統判定部により異常がある旨判定されていないことを条件に前記第1系統コンピュータの前記指令信号を前記車載アクチュエータの操作につながる信号として出力し、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていないことを条件に前記第2系統コンピュータの前記指令信号を前記車載アクチュエータの操作につながる信号として出力する請求項1または2記載の車両用制御装置。 - 前記所定期間は、前記車両の走行距離が所定距離となるまでの期間、前記第1状態になってからの経過日数が所定日数となるまでの期間、または前記車両を走行可能とするスイッチが所定回数オン操作されるまでの期間である請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
- 前記指令信号を生成して出力する第3系統コンピュータを備え、
前記第3系統コンピュータは、前記指令信号を算出する処理を実行する複数の第3系統処理部と、前記複数の第3系統処理部の演算結果同士の比較に基づき前記第3系統処理部の異常の有無を判定する第3系統判定部と、を備え、
前記第2状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第3系統コンピュータが算出した前記指令信号を出力する第3状態に切り替える請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用制御装置。 - 前記第2状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第2系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第1状態に切り替える請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
- 前記第3状態の期間が前記所定期間となることを条件に、前記第3系統判定部により異常がある旨判定されていない場合であっても、前記第1状態に切り替える請求項5記載の車両用制御装置。
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