JP4433856B2 - モータ制御装置、車両用操舵装置及び断線検出方法 - Google Patents

モータ制御装置、車両用操舵装置及び断線検出方法 Download PDF

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本発明は、モータ制御装置、車両用操舵装置及び断線検出方法に関するものである。
近年、車両の操舵系にアシスト力を付与するパワーステアリング装置、或いはステアリングホイールの舵角(操舵角)に対する操舵輪の伝達比(ギヤ比)を可変させるギヤ比可変システムにおいては、その駆動源としてモータを用いるものが増えている。
ところが、こうした電動パワーステアリング装置(EPS)やギヤ比可変システムでは、電力供給配線(動力線)の断線によりその電力供給が遮断された場合、駆動源であるモータが停止するため、その制御を停止せざるを得ない。そして、特に制御中に動力線に断線が発生した場合、急にステアリング操作が重くなる、或いはその操舵特性が非連続に変化するといった不具合が生ずるおそれがある。
従来、こうした電力供給の遮断に伴う作動停止を回避すべく、動力線を並列に複数本設ける、即ち複線化することにより、その何れかに断線が生じた場合であっても、電力供給を続行可能としたモータがある。そして、このようなモータをEPSやギヤ比可変システムに採用することにより、その信頼性を向上させることができ、上記のような制御停止に伴う不具合の発生を回避することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−86583号公報
しかし、上記のように動力線を複線化したとしても、その何れかに断線が発生した場合、抵抗の増大により発熱が生ずるという問題がある。また、特にブラシレスモータでは、何れかの相の動力線が断線した場合、その電流量の減少によりトルクリップルが発生するため、操舵フィーリングが悪化してしまう。そのため、従来は、安定的にその制御を続行するには至らず、結局のところ、断線検出後は速やかにフェールセーフを図りその制御を停止するにとどまっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、動力線に断線が発生した場合であっても安定的にその制御を続行することができるモータ制御装置、車両用操舵装置及び断線検出方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複線化された動力線を介して駆動電力を供給することによりモータの作動を制御するモータ制御装置であって、前記動力線の断線状態として少なくとも断線が発生した本数を検出する断線検出手段と、前記検出された断線状態に応じて前記モータの制御量を低減する制御量低減手段と、を備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、各動力線の何れかに断線が発生した場合であっても、その断線状態に応じてモータの制御量が抑制されるため、モータに供給される駆動電力も小さなものとなる。これにより、断線が発生した動力線の発熱を効果的に抑制することができる。また、供給される駆動電力の低減により、その断線が発生した相の巻線コイルと断線が発生していない相の巻線コイルとの間の電流量の差分が小さくなるため、トルクリップルが抑制される。その結果、動力線に断線が発生した場合であっても安定的にその制御を続行することが可能になる。
請求項2に記載の発明は、前記制御量低減手段は、前記動力線が残り1本となった場合には、前記制御量をゼロまで徐々に低減すること、を要旨とする。
上記構成によれば、動力線が完全に断線するおそれがある場合には、速やか且つ円滑にその制御を停止することが可能になる。
請求項3に記載の発明は、各相毎に複線化された動力線を介してモータに三相の駆動電力を供給するモータ制御装置であって、前記動力線の断線状態として断線が発生した相及びその本数を検出する断線検出手段と、前記検出された断線状態に基づいて前記モータの巻線コイルに流れる電流量が平衡となるように前記モータの各相間に印加する線間電圧を変更する電圧制御手段を備えること、を要旨とする。
上記構成によれば、動力線の何れかに断線が発生した場合であっても、モータの各相の巻線コイルに流れる電流が平衡となるため、トルクリップルの発生が防止される。その結果、動力線に断線が発生した場合であっても安定的にその制御を続行することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、断線検出手段は、前記モータの端子電圧又は通電される電流に基づいて、前記断線状態を検出すること、を要旨とする。
上記構成によれば、断線が発生した動力線の相及びその本数を精度良く検出することが可能になり、その結果、断線状態に応じてモータの制御を柔軟に変更することが可能になる。更に、モータの端子電圧又はモータに通電される電流にて検知する構成であるため、断線前に生ずる部分断線による抵抗の増加やレアショートによる抵抗の低下をも検出することが可能になる。
請求項5に記載の発明は、前記駆動電力は、通電がなされる二相の駆動相を順次切り替える矩形波通電により供給されるものであって、前記断線検出手段は、前記端子電圧が変化した非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて前記断線状態を検出すること、を要旨とする。
上記構成によれば、断線発生時に端子電圧が変化する非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値は、その断線が発生した相及び断線した本数ごとに異なるため、断線が発生した動力線の相及びその本数を精度良く特定することが可能になる。
請求項6に記載の発明は、前記断線検出手段は、前記駆動相の切り替えから前記端子電圧が整定される所定の角度以上経過した後に前記非駆動相の端子電圧を検出すること、を要旨とする。
上記構成によれば、相切替に伴う電流の乱れの影響を排除して精度良く非駆動相の端子電圧を検出することが可能になる。
請求項7に記載の発明は、前記断線検出手段は、前記電流のピーク値が減少した相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて前記断線状態を検出すること、を要旨とする。
上記構成によれば、断線発生に伴いそのピーク値が減少する相の組み合わせ及びその変化後の値は、その断線が発生した相及び断線した本数ごとに異なるため、断線が発生した動力線の相及びその本数を精度良く特定することが可能になる。
請求項8に記載の発明は、ステアリングホイールの操舵角に基づく操舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置を制御する制御手段として、請求項1〜請求項7のうちの何れか一項に記載のモータ制御装置と、を備えた車両用操舵装置であること、を要旨とする。
上記構成によれば、何れかの動力線に断線が発生した場合であっても安定的に伝達比可変制御を続行することが可能になる。特に請求項1の構成をこの構成に適用することにより、断線状態に応じてモータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を低減してトルクリップルの発生に伴う振動を抑制することが可能になり、ひいては断線発生時の操舵フィーリングを改善することが可能になる。加えて、適度にトルクリップルの影響が残ることにより、その操舵フィーリングの変化を通じて運転者に異常の発生を知らしめることが可能になる。また、請求項3の構成をこの構成に適用することにより、断線発生時においてもトルクリップルの発生を防止して操舵フィーリングを好適に維持することが可能になる。
更に、請求項2の構成をこの構成に適用することにより、前記動力線が残り1本となった場合には、前記第2の舵角を速やかにゼロとして伝達比可変装置をロックすることが可能になる。これにより、伝達比可変制御の停止に伴う操舵フィーリングの変化を緩和することが可能になり、更に、前記第2の舵角が残った状態、即ちステアリングがオフセットされた状態のまま伝達比可変装置がロックされることを防止することが可能になる。その結果、伝達比可変制御の停止により運転者が感じる違和感を緩和することが可能になる。加えて、請求項4〜請求項7の構成をこの構成に適用することにより、断線状態を精度良く検出すること可能になり、その結果、断線状態に応じて伝達比可変装置の制御を柔軟に変更することが可能になる。
請求項9に記載の発明は、モータ駆動により車両の操舵系にステアリング操作を補助するアシスト力を付与するための操舵力補助装置と、前記操舵力補助装置を制御する制御手段として、請求項1〜請求項7のうちの何れか一項に記載のモータ制御装置と、を備えた車両用操舵装置であること、を要旨とする。
上記構成によれば、何れかの動力線に断線が発生した場合であっても安定的にパワーアシスト制御を続行することが可能になる。特に請求項1の構成をこの構成に適用することにより、断線状態に応じてモータが発生するアシストトルクを低減してトルクリップルの発生に伴う振動を抑制することが可能になり、ひいては断線発生時の操舵フィーリングを改善することが可能になる。加えて、適度にトルクリップルの影響が残ることにより、その操舵フィーリングの変化を通じて運転者に異常の発生を知らしめることが可能になる。また、請求項3の構成をこの構成に適用することにより、断線発生時においてもトルクリップルの発生を防止して操舵フィーリングを好適に維持することが可能になる。
更に、請求項2の構成をこの構成に適用することにより、前記動力線が残り1本となった場合には、アシストトルクを速やかにゼロまで低減することが可能になる。その結果、アシスト力の変化を滑らかなものとしてパワーアシスト制御の停止により運転者が感じる違和感を緩和することが可能になる。加えて、請求項4〜請求項7の構成をこの構成に適用することにより、断線状態を精度良く検出すること可能になり、その結果断線状態に応じてパワーアシスト制御を柔軟に変更することが可能になる。
請求項10に記載の発明は、ブラシレスモータに三相の駆動電力を供給するために設けられ各相毎に複線化された動力線の断線状態を検出するための断線検出方法であって、前記ブラシレスモータの端子電圧又は前記ブラシレスモータに通電される電流に基づいて、断線が発生した前記動力線の相及びその本数を検出すること、を要旨とする。
請求項11に記載の発明は、前記三相の駆動電力は、通電がなされる二相の駆動相を順次切り替える矩形波通電により供給されるものであって、前記端子電圧が変化した非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて前記断線状態を検出すること、を要旨とする。
請求項12に記載の発明は、前記駆動相の切り替えから前記端子電圧が整定される所定の角度以上経過した後に前記非駆動相の端子電圧を検出すること、を要旨とする。
請求項13に記載の発明は、前記電流のピーク値が減少した相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて前記断線状態を検出すること、を要旨とする。
上記請求項10〜請求項13の構成によれば、断線が発生した動力線の相及びその本数を精度良く検出することが可能になる。更に、ブラシレスモータの端子電圧又はブラシレスモータに通電される電流にて検知する構成であるため、断線前に生ずる部分断線による抵抗の増加やレアショートによる抵抗の低下をも検出することが可能になる。
本発明によれば、動力線に断線が発生した場合であっても安定的にその制御を続行することが可能なモータ制御装置、車両用操舵装置及び断線検出方法を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明をギヤ比可変システムを備えた車両用操舵装置(ステアリング装置)に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のステアリング装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリングホイール(ステアリング)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により操舵輪6の舵角、即ちタイヤ角が可変することで、車両の進行方向が変更される。
本実施形態のステアリング装置1は、ステアリング2の舵角(操舵角)に対する操舵輪6の伝達比(ギヤ比)を可変させる伝達比可変装置としてのギヤ比可変アクチュエータ7と、該ギヤ比可変アクチュエータ7の作動を制御するECU8とを備えている。そして、本実施形態では、ECU8が制御手段及びモータ制御装置を構成する。
詳述すると、ステアリングシャフト3は、ステアリング2が連結された第1シャフト9とラックアンドピニオン機構4に連結される第2シャフト10とからなり、ギヤ比可変アクチュエータ7は、第1シャフト9及び第2シャフト10を連結する差動機構11と、該差動機構11を駆動するモータ12とを備えている。尚、本実施形態のモータ12は、ブラシレスモータであり、後述する駆動回路16より三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。そして、ギヤ比可変アクチュエータ7は、ステアリング操作に伴う第1シャフト9の回転に、モータ駆動による回転を上乗せして第2シャフト10に伝達することにより、ラックアンドピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)する。
つまり、図2及び図3に示すように、ギヤ比可変アクチュエータ7は、ステアリング操作に基づく操舵輪6の舵角(ステア転舵角θts)にモータ駆動に基づく操舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する操舵輪6のギヤ比を可変させる。そして、ECU8は、モータ12の作動を制御することによりギヤ比可変アクチュエータ7を制御する。即ち、ECU8は、ACT角θtaを制御することにより、そのギヤ比を可変させる(ギヤ比可変制御)。
尚、この場合における「上乗せ」とは、加算する場合のみならず減算する場合をも含むものと定義し、以下同様とする。また、「操舵角θsに対する操舵輪6のギヤ比」をオーバーオールギヤ比(操舵角θs/タイヤ角θt)で表した場合、ステア転舵角θtsと同方向のACT角θtaを上乗せすることによりオーバーオールギヤ比は小さくなる(タイヤ角θt大、図2参照)。そして、逆方向のACT角θtaを上乗せすることによりオーバーオールギヤ比は大きくなる(タイヤ角θt小、図3参照)。また、本実施形態では、ステア転舵角θtsが第1の舵角を構成し、ACT角θtaが第2の舵角を構成する。
図1に示すように、ECU8は、モータ制御信号を出力するマイコン15と、モータ制御信号に基づいてモータ12に三相の駆動電力を供給する駆動回路16とを備えている。
マイコン15には、操舵角センサ17、速度センサ18、及びモータ12に設けられた回転角センサ19が接続されており、マイコン15は、これらの各センサにより検出された操舵角θs、車速V、及びACT角θtaに基づいて駆動回路16にモータ制御信号を出力する。
駆動回路16は、ケーブル20を介してモータ12と接続されている。図4(a)に示すように、本実施形態のケーブル20は、モータ12に駆動電力を供給するための各相の動力線21〜23が複線化されている。詳しくは、U,V,W相の各相についてそれぞれ3本の動力線21a〜21c,22a〜22c,23a〜23cが設けられている。そして、駆動回路16は、これらの各動力線21(21a〜21c),22(22a〜22c),23(23a〜23c)を介してモータ12に三相の駆動電力を供給する。
尚、図4(a)に示すケーブル20は、各動力線21a〜21c,22a〜22c,23a〜23cを収容する動力配線部20aと各種の信号配線が収容される信号配線部20bとを平面状に配置する一層構造を採用しているが、図4(b)に示すケーブル24のように動力配線部24aと信号配線部24bとが積層された二層構造を採用してもよい。
次に、本実施形態のステアリング装置の制御態様について説明する。
図5は、本実施形態のステアリング装置の制御ブロック図である。尚、図中の各制御ブロックは、マイコン15が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。そして、本実施形態では、マイコン15が断線検出手段、及び制御量低減手段を構成する。
同図に示すように、マイコン15は、ACT指令角演算部31と、FB制御演算部32と、モータ制御信号出力部33とを備えている。
ACT指令角演算部31は、操舵角θs及び車速Vに基づいてACT角θtaの制御目標量であるACT指令角θta*を演算する。図6に示すように、本実施形態では、ACT指令角演算部31は、オリジナルギヤ比、即ちギヤ比可変アクチュエータ7を作動させないときのオーバーオールギヤ比(例えば18)を「1」とした場合に、これに対する実際のオーバーオールギヤ比の比率、即ちギヤ比可変比率αと車速Vとが関係付けられた制御マップ34を備えている。そして、ACT指令角演算部31は、この制御マップ34に基づいて、入力された車速Vに対応するギヤ比可変比率αを決定する。そして、操舵角θsに基づいて、このギヤ比可変比率αとなるACT角θtaの値を演算し、その値をACT指令角θta*とする。そして、ACT指令角演算部31は、そのACT指令角θta*をFB制御演算部32に出力する。
尚、本実施形態では、制御マップ34は、車速Vが低いほどギヤ比可変比率αが低く、車速Vが高いほどギヤ比可変比率αが高くなるように設定されている。従って、車速Vが低いほど、オーバーオールギヤ比を小さく(タイヤ角θt大)するようなACT指令角θta*が出力され、車速Vが高いほど、オーバーオールギヤ比を大きく(タイヤ角θt小)するようなACT指令角θta*が出力される。
図5に示すように、FB制御演算部32には、ACT指令角θta*及びACT角θtaが入力される。そして、FB制御演算部32は、ACT指令角θta*とACT角θtaとの偏差に基づくフィードバック演算により電流指令を算出する。そして、FB制御演算部32は、算出した電流指令をモータ制御信号出力部33に出力し、モータ制御信号出力部33は、その入力された電流指令に基づいて駆動回路16にモータ制御信号を出力する。
一方、駆動回路16は、モータ12の相数に対応する複数(6個)のパワーMOSFET(以下、単にFET)により構成されており、具体的にはFET35a,35dの直列回路、FET35b,35eの直列回路及びFET35c,35fの直列回路を並列接続することにより構成されている。そして、FET35a,35dの接続点36uは動力線21を介してモータ12のU相コイルに接続され、FET35c,35fの接続点36vは動力線22を介してモータ12のV相コイルに接続されている。そして、FET35b,35eの接続点36wは動力線23を介してモータ12のW相コイルに接続されている。
マイコン15(モータ制御信号出力部33)が出力するモータ制御信号は、各FET35a〜35fのゲート端子に印加される。そして、このモータ制御信号に応答して各FET35a〜35fがオン/オフすることにより、直流電源37から供給される直流電圧が三相(U,V,W)の駆動電力に変換されてモータ12へと供給される。
本実施形態では、U,V,Wの各相のうち二相を駆動相(通電がなされる相)とする矩形波通電制御が採用されており、マイコン15は、この駆動相が順次切り替わるようにモータ制御信号を出力することにより、モータ12の作動を制御する。
また、マイコン15は、各動力線21〜23のうちの何れかに断線が発生した場合に、その断線状態を検出する断線検出部38を備えている。本実施形態では、各相の出力端子39u,39v,39wには電圧センサ40u,40v,40wが設けられており、断線検出部38は、この出力端子39u,39v,39wにおける各電圧をモータ12の端子電圧として検出する。そして、断線検出部38は、この各相の端子電圧Vu,Vv,Vwに基づいて断線状態を検出する(断線検出処理)。
次に、本実施形態における断線検出の態様について説明する。
図7は正常時の各相の端子電圧の波形図であり、図8はU相に断線が生じた場合の各相の端子電圧の波形図である。
図7に示すように、各相の動力線21〜23の何れにも断線が発生していない場合、即ち正常時の非駆動相の端子電圧は、駆動相の各端子電圧の中間値となる。例えば、各駆動相の端子電圧をそれぞれ12V,0Vとすると、非駆動相の端子電圧は6Vとなる。
これに対し、図8に示すように、例えば、U相の動力線21のうちの何れか1本に断線が発生した場合、その抵抗値の増加により、U相を駆動相とするとき(U相−V相通電時,U相−W相通電時)の非駆動相の端子電圧(Vw又はVv)が変化する。
例えば、各相の巻線コイルの抵抗値を40mΩとし、各動力線21〜23の抵抗値を30mΩとすると、正常時の各相の合計抵抗値は、それぞれ70mΩとなるのに対し、U相の動力線21の何れか1本に断線が生じた場合には、U相の動力線21の抵抗値が45mΩとなるため、その合計抵抗値は85mΩとなる。
従って、U相が駆動相となるときの非駆動相の端子電圧、即ちU相−V相を駆動相とするときのW相の端子電圧Vw、又はU相−W相を駆動相とするときのV相の端子電圧Vvは、各駆動相への通電方向に応じて5.42V又は6.58Vとなる。また、U相の動力線21に2本の断線が発生、即ちU相の動力線21が残り1本になった場合、U相が駆動相となるときの非駆動相の端子電圧は、4.2V又は7.8Vとなる。
こうした各動力線21〜23での断線発生に伴う非駆動相の端子電圧Vu,Vv,Vwの変化パターン、即ち断線発生時に端子電圧Vu,Vv,Vwが変化する非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値は、その断線状態、即ち断線が発生した相及び断線した本数ごとに異なる。そして、本実施形態の断線検出部38は、こうした非駆動相の端子電圧Vu,Vv,Vwの変化パターンに基づいてその断線状態を検出する。
具体的には、図9に示すように、断線検出部38は、各動力線21〜23に断線が発生した場合に変化する非駆動相の端子電圧Vu,Vv,Vwの組み合わせ(詳しくは、駆動相への通電方向毎の組み合わせ)及びその変化率βが、その断線状態毎に記録された判定テーブル41を有している。尚、上記変化する非駆動相の端子電圧Vu,Vv,Vwの組み合わせ及びその変化率は、実験やシミュレーション等により求められて判定テーブル41に記録される。
そして、断線検出部38は、各相が非駆動相となったときのその端子電圧Vu,Vv,Vwをそれぞれ検出し、該検出された各端子電圧Vu,Vv,Vwの何れかが正常ではない場合には、その変化パターンを判定テーブル41に照合することにより、その断線が発生した相及び断線した本数を検出する。
例えば、U相−V相を駆動相とするときの非駆動相の端子電圧(Vw)が正常であり、U相からW相への通電時の非駆動相の端子電圧(Vv)及びV相からW相への通電時の非駆動相の端子電圧(Vu)が正常よりも高く、W相からU相への通電時の非駆動相の端子電圧(Vv)及びW相からV相への通電時の非駆動相の端子電圧(Vu)が正常よりも低い。そして、その変化率が±β1である場合には、W相の動力線23の何れか1本が断線したと特定することができる。
同様に、端子電圧が変化した非駆動相の組み合わせが上記の例と同一で、その変化率が±β2である場合には、W相の動力線23のうちの2本が断線した、即ちW相の動力線23が残り1本であると特定することができる。
また、図8に示すように、本実施形態では、駆動相から非駆動相への切替点pから所定の角度(電気角、例えば20°程度)を過渡項から定常項に移行するまでの整定角度θstaとし、非駆動相の端子電圧の検出点である電圧レベル検出角度θobは、切替点pからその位相が整定角度θsta以上進んだ位置に設定されている。
即ち、断線検出部38は、駆動相の切替からその端子電圧が整定される所定の角度以上経過した後に非駆動相の端子電圧を検出する。これにより、相切替に伴う電流の乱れの影響を排除して精度良く非駆動相の端子電圧を検出することが可能になる。また、本実施形態では、電圧レベル検出角度θobは、整定角度θstaと略等しい角度に設定されているが、これに限らず整定角度θsta以上であればよい。
次に、断線検出部による断線検出の処理手順について詳述する。
図10のフローチャートに示すように、断線検出部38は、先ず、U,V,Wの各相が非駆動相となったときのその端子電圧Vu,Vv,Vwを検出する。
具体的には、断線検出部38は、先ず、U相について駆動相から非駆動相への切り替えが行われたか否かを判定し(ステップ101)、その切り替えが行われた場合(ステップ101:YES)にはU相の端子電圧Vuを検出する(ステップ102)。詳しくは、切替点pから整定角度θstaを経過した後にU相の端子電圧Vuを検出する(以下、V相,W相の端子電圧Vv,Vwについても同様)。
一方、上記ステップ101において、U相について駆動相から非駆動相への切り替えが行われなかった場合(ステップ101:NO)には、次にV相について駆動相から非駆動相への切り替えが行われたか否かを判定し(ステップ103)、その切り替えが行われた場合(ステップ103:YES)にはV相の端子電圧Vvを検出する(ステップ104)。
そして、上記ステップ103において、V相について駆動相から非駆動相への切り替えが行われなかった場合(ステップ103:NO)には、次にW相について駆動相から非駆動相への切り替えが行われたか否かを判定し(ステップ105)、その切り替えが行われた場合(ステップ105:YES)にはW相の端子電圧Vwを検出する(ステップ106)。
尚、上記ステップ105において、W相について駆動相から非駆動相への切り替えが行われなかった場合(ステップ105:NO)、U,V,Wの何れかの相について駆動相から非駆動相への切り替えが行われるまで上記ステップ101,103,105の判定処理を繰り返す。
次に、上記ステップ102,104,106においてU,V,Wの何れかの相について、非駆動相となったときのその端子電圧Vu,Vv,Vwを検出した場合、断線検出部38は、続いてU,V,Wの全ての相について、非駆動相となったときのその端子電圧Vu,Vv,Vwを検出したか否かを判定する(ステップ107)。そして、このステップ107において、U,V,Wの全ての相について、非駆動相となったときのその端子電圧Vu,Vv,Vwを検出したと判定する(ステップ107:YES)まで、上記ステップ101〜ステップ107の処理を繰り返す。
上記ステップ101〜ステップ107の処理によりU,V,Wの全ての相について、非駆動相となったときのその端子電圧Vu,Vv,Vwを検出すると、次に、断線検出部38は、検出されたこれら非駆動相の端子電圧Vu,Vv,Vwの全ての値が正常であるか否かを判定する(ステップ108)。そして、非駆動相の端子電圧Vu,Vv,Vwの全ての値が正常である場合(ステップ108:YES)には、各動力線21〜23に断線は発生していない、即ち「断線なし」と判定する(ステップ109)。
一方、上記ステップ108において、非駆動相の端子電圧Vu,Vv,Vwの値の何れかが正常ではないと判定した場合(ステップ108:NO)には、その端子電圧Vu,Vv,Vwが変化した非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて、断線が発生した動力線の相及びその断線した本数を判定する(ステップ110)。そして、断線検出部38は、上記ステップ109における判定結果又はこのステップ110における判定結果を検出結果として出力する(ステップ111)。
次に、本実施形態における断線検出後の制御態様について説明する。
図5に示すように、本実施形態では、マイコン15は、車両の搭乗者に異常の発生を告知する告知制御を行う告知制御部42及びギヤ比可変アクチュエータ7をロックするためのロック制御を行うロック制御部43を備えており、断線検出部38による上記の断線検出の結果(検出結果)は、これら告知制御部42及びロック制御部43に入力される。
そして、告知制御部42は、その検出結果が、各相の動力線21〜23の何れかに断線が発生したとするものである場合、車室に設けられたウォーニングランプ44を点灯させ、ロック制御部43は、その検出結果が、各相の動力線21〜23の何れかが完全に断線したとするものである場合にはギヤ比可変アクチュエータ7をロックする。
また、断線検出部38は、上記の検出結果をACT指令角演算部31に出力する。そして、ACT指令角演算部31は、その検出結果、即ち断線状態に応じてACT角θtaの制御目標量、即ちFB制御演算部32に出力するACT指令角θta*を低減する。
さらに詳述すると、図11に示すように、本実施形態のACT指令角演算部31は、正常時に用いる上述の制御マップ34以外に、制御マップ34よりもギヤ比可変比率αの変化の割合が小さい、即ち、正常時の制御マップ34を用いた場合よりも小さなACT指令角θta*が演算されるよう設定された制御マップ34aを備えている。
そして、ACT指令角演算部31は、断線検出部38から入力された検出結果が各相の動力線21〜23の何れかに断線が発生したとするものである場合には、この制御マップ34aを使用することによりFB制御演算部32に出力するACT指令角θta*を低減する。
これにより、ACT角θtaの制御量が低減され、モータ12に供給される駆動電力も小さなものとなるため、動力線の発熱が抑制される。また、供給される駆動電力の低減により、その断線が発生した相と発生していない相との間の電流量の差分が小さくなり、トルクリップルが抑制されるため、断線発生時の操舵フィーリングが改善される。加えて、適度にトルクリップルの影響が残ることにより、その操舵フィーリングの変化を通じて運転者に異常の発生を知らしめることが可能になる。
また、ACT指令角演算部31は、断線検出部38から入力された検出結果が、各相の動力線21〜23の何れかの残り本数が1本であるとするものである場合には、ACT指令角θta*をゼロまで徐々に低減する。即ちACT指令角θta*をゼロまで徐変する。
更に本実施形態では、ロック制御部43には、断線検出部38による検出結果に加えて、ACT角θtaが入力される。そして、ロック制御部43は、断線検出部38による検出結果が、各相の動力線21〜23の何れかの残り本数が1本であるとするものであり、且つACT角θtaがゼロである場合には、ギヤ比可変アクチュエータ7をロックする。
これにより、各相の動力線21〜23の何れかの残り本数が1本となった場合には、速やかにACT角θtaをゼロとしてギヤ比可変アクチュエータ7をロックすることが可能になる。その結果、ギヤ比可変アクチュエータ7をロックする際の操舵フィーリングの変化を小さなものとすることができる。
次に、本実施形態における断線検出後の処理手順について説明する。
図12のフローチャートに示すように、マイコン15は、断線検出処理を実行(ステップ201)し、先ず、その検出結果が「断線あり」とするものであるか否かについて判定する(ステップ202)。そして、上記ステップ202において、検出結果が「断線あり」とするものである場合(ステップ202:YES)には、先ず、車両の搭乗者に異常の発生を告知すべくウォーニングランプ44を点灯させる(ステップ203)。尚、上記ステップ202において、検出結果が「断線なし」とするものである場合(ステップ202:NO)には、マイコン15は、このステップ203以下の処理を実行しない。
次に、マイコン15は、上記ステップ201の検出結果が各相の動力線21〜23の何れかが完全に断線したとするものであるか否かについて判定する(ステップ204)。そして、その検出結果が、各相の動力線21〜23の何れかが完全に断線したとするものである場合(ステップ204:YES)には、ギヤ比可変アクチュエータ7をロックし、ギヤ比可変制御を停止する(ステップ205)。
一方、上記ステップ204において、上記検出結果が各相の動力線21〜23の何れかが完全に断線したとするものではない場合(ステップ204:NO)、マイコン15は、続いて、その検出結果が、各相の動力線21〜23が少なくとも2本以上残っているとするものであるか否かを判定する(ステップ206)。そして、各相の動力線21〜23が少なくとも2本以上残っているとするものである場合(ステップ206:YES)には、制御目標量であるACT指令角θta*を低減する(ステップ207)。
また、マイコン15は、上記ステップ206において、上記検出結果が各相の動力線21〜23が少なくとも2本以上残っているとするものでない場合、即ち、何れかの残り本数が1本であるとするものである場合(ステップ206:NO)には、制御目標量であるACT指令角θta*をゼロに徐変する(ステップ208)。そして、ACT角θtaがゼロであるか否かを判定し(ステップ209)、ACT角θtaがゼロであると判定した場合(ステップ209:YES)には、ギヤ比可変アクチュエータ7をロックし、ギヤ比可変制御を停止する(ステップ210)。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)マイコン15は、各動力線21〜23の何れかに断線が発生した場合にその断線状態を検出する断線検出部38を備え、断線検出部38は、その検出結果をACT指令角演算部31に出力する。そして、ACT指令角演算部31は、その検出された断線状態に応じてACT角θtaの制御目標量であるACT指令角θta*を低減する。
このような構成とすれば、各動力線の何れかに断線が発生した場合であっても、その断線状態に応じてモータ12の制御量が抑制されるため、モータ12に供給される駆動電力も小さなものとなる。これにより、断線が発生した動力線の発熱を効果的に抑制することができる。また、供給される駆動電力の低減により、その断線が発生した相の巻線コイルと断線が発生していない相の巻線コイルとの間の電流量の差分が小さくなるため、トルクリップルが抑制される。これにより、断線発生時の操舵フィーリングを改善することができる。その結果、動力線に断線が発生した場合であっても安定的にその制御を続行することができるようになる。加えて、適度にトルクリップルの影響が残ることにより、その操舵フィーリングの変化を通じて運転者に異常の発生を知らしめることができる。
(2)断線検出部38は、端子電圧Vu,Vv,Vwが変化した非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて各動力線21〜23の断線状態を検出する。
このような構成とすれば、断線発生時に端子電圧Vu,Vv,Vwが変化する非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値は、その断線状態、即ち断線が発生した相及び断線した本数ごとに異なるため、断線が発生した動力線の相及びその本数を精度良く特定することができる。これにより、断線状態に応じてモータ12及びギヤ比可変アクチュエータ7の制御を柔軟に変更できるようになる。更に、断線発生に伴う動力線21〜23の抵抗値の変化を非駆動相の端子電圧の変化及びその値により検出する構成であるため、断線する前に生ずる部分断線による抵抗の増加やレアショートによる抵抗の低下をも検出することが可能になる。
(3)断線検出部38は、駆動相の切替からその端子電圧が整定される所定の角度以上経過した後に非駆動相の端子電圧を検出する。これにより、相切替に伴う電流の乱れの影響を排除して精度良く非駆動相の端子電圧を検出することができる。
(4)ACT指令角演算部31は、断線検出部38から入力された検出結果が、各相の動力線21〜23の何れかの残り本数が1本であるとするものである場合には、ACT指令角θta*をゼロに徐変する。
このような構成とすれば、動力線21〜23の何れかが完全に断線するおそれがある場合には、速やかにACT角θtaをゼロとしてギヤ比可変アクチュエータ7をロックすることができる。従って、ギヤ比可変制御の停止に伴う操舵フィーリングの変化を緩和することができ、更に、ACT角θtaが残った状態、即ちステアリング2がオフセットされた状態のままギヤ比可変アクチュエータ7がロックされることを防止することができる。その結果、ギヤ比可変制御の停止により運転者が感じる違和感を緩和することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態のステアリング装置45は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ47と、該EPSアクチュエータ47の作動を制御するECU48と備えた電動パワーステアリング装置である。そして、本実施形態では、ECU48が制御手段及びモータ制御装置を構成する。
本実施形態のEPSアクチュエータ47は、その駆動源であるモータ52がラック5と同軸に配置される所謂ラック型のEPSアクチュエータであり、モータ52が発生するアシストトルクは、ボール送り機構(図示略)を介してラック5に伝達される。尚、本実施形態のモータ52は、上記第1の実施形態と同様にブラシレスモータであり、三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。そして、ECU48は、このモータ52が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
ECU48は、モータ制御信号を出力するマイコン55と、モータ制御信号に基づいてモータ52に三相の駆動電力を供給する駆動回路56とを備えている。尚、駆動回路56は、第1の実施形態と同様に複線化された動力線21〜23を有するケーブル20を介してモータ52と接続されている。
本実施形態では、マイコン55には、トルクセンサ57、速度センサ58及びモータ52に設けられた回転角センサ59が接続されており、マイコン55は、これらの各センサにより検出された操舵トルクτ、車速V、及びモータ回転角(電気角)θmに基づいて駆動回路56にモータ制御信号を出力する。そして、駆動回路56は、このモータ制御信号に基づく三相の駆動電力をモータ52に供給する。
次に、本実施形態のステアリング装置の制御態様について説明する。
図14は、本実施形態のステアリング装置の制御ブロック図である。尚、図中の各制御ブロックは、第1の実施形態と同様にマイコン55が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。そして、本実施形態では、マイコン55が断線検出手段、及び制御量低減手段を構成する。
同図に示すように、マイコン55は、電流指令演算部61と、相電圧指令演算部62と、モータ制御信号出力部63とを備えている。
電流指令演算部61には、操舵トルクτ及び車速Vが入力される。そして、電流指令演算部61は、これら操舵トルクτ及び車速Vに基づいてパワーアシスト制御の目標量、即ちモータ52が発生するアシストトルクの制御目標量となるアシスト電流指令Iq*を演算し、そのアシスト電流指令Iq*を相電圧指令演算部62に出力する。
相電圧指令演算部62には、上記アシスト電流指令Iq*に加えてモータ回転角θmが入力される。そして、相電圧指令演算部62は、これらのアシスト電流指令Iq*及びモータ回転角θmに基づいてU,V,Wの相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を演算する。尚、これら各相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*は、公知のモータ電圧方程式を解くことにより求められる。そして、相電圧指令演算部62は、その演算により算出された各相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*をモータ制御信号出力部63に出力する。
モータ制御信号出力部63は、これら各相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に基づいて駆動回路56にモータ制御信号を出力する。尚、本実施形態では、モータ制御信号出力部63は、正弦波通電がなされるようモータ制御信号を出力する。そして、駆動回路56は、そのモータ制御信号に基づいてモータ52に三相(U,V,W)の駆動電力を供給する。
次に、本実施形態における断線検出の態様について説明する。
本実施形態では、断線検出部68には、上記の各電流センサ64u,64v,64wにより検出された各相電流Iu,Iv,Iwが入力される。そして、断線検出部68は、この各相電流Iu,Iv,Iwに基づいて断線状態を検出する。
詳述すると、図15に示すように、各相の動力線21〜23の何れにも断線が発生していない場合、即ち正常時の各相電流Iu,Iv,Iwは平衡である。つまり、そのピーク値Iup,Ivp,Iwpが互いに等しくなっている。
これに対し、例えば、U相の動力線21のうちの何れか1本に断線が発生した場合、図16に示すように、その抵抗値の増加によりU相以外の相電流Iv,Iwに電流低下が発生し、そのピーク値Ivp,Iwpが減少する。即ち、各相電流Iu,Iv,Iwが平衡ではなくなる。尚、線間電流では、断線が生じたU相を含む線間電流が減少する。また、ここでいう「ピーク値」はその絶対値であることはいうまでもない。
こうした各動力線21〜23での断線発生に伴う各相電流Iu,Iv,Iwの変化パターン、即ち断線発生時にそのピーク値が減少する相の組み合わせ及びその変化後の値は、その断線状態、即ち断線が発生した相及び断線した本数ごとに異なる。そして、本実施形態の断線検出部68は、こうした各相電流Iu,Iv,Iwの変化パターンに基づいてその断線状態を検出する。
尚、本実施形態の断線検出部68は、断線発生時に相電流のピーク値が減少する相の組み合わせ及びその変化率が、その断線状態毎に記録された判定テーブルを有しており、各相電流Iu,Iv,Iwが平衡ではない場合には、その変化パターンをこの判定テーブルに照合することにより、その断線が発生した相及び断線した本数を検出する。
本実施形態では、断線検出部68による上記の断線検出の結果(検出結果)は、告知制御部42及び電流指令演算部61に入力される。そして、告知制御部42は、その検出結果に基づいてウォーニングランプ44を点灯させ、電流指令演算部61は、その検出結果、即ち断線状態に応じてアシストトルクの制御目標量であるアシスト電流指令Iq*を低減する。
次に、本実施形態における断線検出及び断線検出後の処理手順について説明する。
図17のフローチャートに示すように、マイコン55は、先ず、各相電流Iu,Iv,Iwを検出し(ステップ301)、各相電流Iu,Iv,Iwが平衡であるか否か、詳しくはそのピーク値Iup,Ivp,Iwpが互いに等しいか否かを判定する(ステップ302)。
そして、各相電流Iu,Iv,Iwが平衡ではない場合(ステップ302:NO)には、各相の動力線21〜23の何れかに断線が発生したものとして、車両の搭乗者に異常の発生を告知すべくウォーニングランプ44を点灯させる(ステップ303)。尚、マイコン55は、このステップ302において、各相電流Iu,Iv,Iwが平衡であると判定した場合(ステップ302:YES)には、このステップ303以下の処理を実行しない。
次に、マイコン55は、各相電流Iu,Iv,Iwの変化、詳しくはそのピーク値が減少した相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて、断線が発生した動力線21〜23の相及びその本数の検出を行う(ステップ304)。そして、その検出結果が各相の動力線21〜23の何れかが完全に断線したとするものであるか否かについて判定し(ステップ305)、各相の動力線21〜23の何れかが完全に断線したとするものである場合(ステップ305:YES)には、パワーアシスト制御を停止する(ステップ306)。
一方、上記ステップ305において、上記検出結果が各相の動力線21〜23の何れかが完全に断線したとするものではない場合(ステップ305:NO)、マイコン55は、続いて、その検出結果が、各相の動力線21〜23が少なくとも2本以上残っているとするものであるか否かを判定する(ステップ307)。そして、各相の動力線21〜23が少なくとも2本以上残っているとするものである場合(ステップ307:YES)には、目標アシストトルク、即ちアシストトルクの制御目標量であるアシスト電流指令Iq*を低減する(ステップ308)。
そして、マイコン55は、上記ステップ307において、上記検出結果が各相の動力線21〜23が少なくとも2本以上残っているとするものでない場合、即ち、何れかの残り本数が1本であるとするものである場合(ステップ307:NO)には、パワーアシスト制御を停止する。詳しくは、アシスト電流指令Iq*をゼロまで徐々に低減、即ちゼロに徐変した後にパワーアシスト制御を停止する(ステップ309)。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)電流指令演算部61は、検出された各動力線21〜23の断線状態に応じてアシストトルクの制御目標量であるアシスト電流指令Iq*を低減する。
このような構成とすれば、各動力線の何れかに断線が発生した場合であっても、その断線状態に応じてモータ52の制御量が抑制されるため、モータ52に供給される駆動電力も小さなものとなる。これにより、断線が発生した動力線の発熱を効果的に抑制することができる。また、供給される駆動電力の低減により、その断線が発生した相の巻線コイルと断線が発生していない相の巻線コイルとの間の電流量の差分が小さくなるため、トルクリップルが抑制される。これにより、断線発生時の操舵フィーリングを改善することができる。その結果、動力線に断線が発生した場合であっても安定的にその制御を続行することができるようになる。
(2)マイコン55は、各相の動力線21〜23の何れかの残り本数が1本であるとするものである場合には、パワーアシスト制御を停止する。詳しくは、アシストトルクの制御目標量であるアシスト電流指令Iq*をゼロまで徐々に低減、即ちゼロに徐変した後にパワーアシスト制御を停止する。これにより、そのアシスト力の変化を滑らかなものとしてパワーアシスト制御の停止により運転者が感じる違和感を緩和することができる。
(3)断線検出部68は、相電流Iu,Iv,Iwのピーク値が減少した相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて各動力線21〜23の断線状態を検出する。
このような構成とすれば、断線発生に伴いその相電流Iu,Iv,Iwのピーク値が減少する相の組み合わせ及びその変化後の値は、その断線が発生した相及び断線した本数ごとに異なるため、断線が発生した動力線の相及びその本数を精度良く特定することができる。また、レアショートをも検出することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明をギヤ比可変システムを備えた車両用操舵装置(ステアリング装置)に具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図18は、本実施形態のステアリング装置の制御ブロック図である。同図に示すように、本実施形態のステアリング装置71のハードウェア構成は、上記第1の実施形態のステアリング装置1と同一であり、ECU72、詳しくはマイコン75内の制御ブロックのみが相違する。そして、本実施形態では、マイコン75が断線検出手段、及び電圧制御手段を構成する。尚、図中の各制御ブロックは、第1の実施形態と同様にマイコン75が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
本実施形態では、断線検出部78は、断線検出の結果をモータ制御信号出力部83に出力する。そして、モータ制御信号出力部83は、入力された検出結果、即ち各動力線21〜23の断線状態に基づいて、モータ12の各巻線コイルに流れる電流が平衡となるようにその各相間に印加する線間電圧を変更すべくモータ制御信号を出力する。
詳述すると、各相の動力線21〜23の何れかに断線が発生した場合、その抵抗値の増加により駆動相の巻線コイルに流れる電流が平衡ではなくなる。本実施形態のモータ制御信号出力部83は、こうした断線発生時においても各相の巻線コイルに流れる電流が平衡となるように、各相間に印加する線間電圧を変更すべくモータ制御信号を出力する。具体的には、断線発生により巻線コイルに流れる電流量が最も減少する駆動相のその電流量に、その他の駆動相の電流量が等しくなるようにモータ12の各相間に印加する線間電圧を変更する。
例えば、各相の巻線コイルの抵抗値を40mΩ、各動力線21〜23の抵抗値を30mΩとし、各駆動相の端子電圧を各12V,0V、即ち駆動相に印加する線間電圧を12Vとすると、正常時の駆動相の合計抵抗値は何れも140mΩであり、各相の巻線コイルに流れる電流は平衡となる。
[例1]
これに対し、U相の動力線21の何れか1本に断線が生じた場合(U相1本断線時)、駆動相の合計抵抗値は、その組み合わせにより以下のようになる。
・U相−V相が駆動相であるとき:155mΩ
・U相−W相が駆動相であるとき:155mΩ
・V相−W相が駆動相であるとき:140mΩ
従って、U相−V相,U相−W相が駆動相であるときには、その巻線コイルに流れる電流量は、V相−W相が駆動相であるときの値の約90.3%となる。
このとき、V相−W相に印加する線間電圧を10.84V(12V×0.903)に低減する、即ちV相−W相が駆動相であるときの各端子電圧を10.84V,0Vとすることで、その巻線コイルに流れる電流量を、巻線コイルに流れる電流量が最も減少する駆動相であるU相−V相,U相−W相と等しくすることができる。
[例2]
同様に、U相,V相の動力線21,22に各1本の断線が生じた場合(U,V相各1本断線時)、駆動相の合計抵抗は、その組み合わせにより以下のようになる。
・U相−V相が駆動相であるとき:170mΩ
・U相−W相が駆動相であるとき:155mΩ
・V相−W相が駆動相であるとき:155mΩ
従って、U相−V相が駆動相であるときには、その巻線コイルに流れる電流量は、U相−W相,V相−W相が駆動相であるときの値の約91.2%となる。
この場合、U相−W相,V相−W相に印加する線間電圧を10.94V(12V×0.912)に低減する、即ちU相−W相,V相−W相が駆動相であるときの各端子電圧を10.94V,0Vとすることにより、その巻線コイルに流れる電流量を、巻線コイルに流れる電流量が最も減少する駆動相であるU相−V相の値と等しくすることができる。
つまり、断線発生により巻線コイルに流れる電流量が最も減少する駆動相のその電流量とその他の駆動相の電流量との比率(相対的電流量比率)に基づいて、その他の駆動相に印加する線間電圧を低減することにより、各相の巻線コイルに流れる電流を平衡とすることができる。
図19に示すように、本実施形態のモータ制御信号出力部83は、こうした断線発生時の相対的電流量比率γがその断線状態毎に記録された制御テーブル84を有している。
具体的には、例えば、上記「例1(U相1本断線時)」の場合、その断線により合計抵抗の変わらなかったV相−W相が駆動相であるときに、その巻線コイルに流れる電流量を「1」とすれば、それに対するU相−V相,U相−W相が駆動相であるときのその巻線コイルに流れる電流量の相対的電流量比率γ1は「0.903」である。
また、上記「例2(U,V相各1本断線時)」の場合、その巻線コイルに流れる電流量が最も高くなるU相−W相,V相−W相が駆動相であるときのその値を「1」とすれば、それに対するU相−V相が駆動相であるときのその巻線コイルに流れる相対的電流量比率γ3は「0.912」である。そして、制御テーブル84には、このような相対的電流量比率γ(γ1,γ2,γ3,γ4,…)がその断線状態毎に記録されている。
モータ制御信号出力部83は、この制御テーブル84及び断線検出部78から入力される検出結果に基づいて、各相の巻線コイルに流れる電流が平衡となるようにモータ12に印加する線間電圧を変更すべくモータ制御信号を出力する。
具体的にはモータ制御信号出力部83は、制御テーブル84に記憶された相対的電流量比率γに基づいて、断線発生により巻線コイルに流れる電流量が最も減少する駆動相以外の駆動相に印加する線間電圧を低減するようモータ制御信号を出力する。そして、このモータ制御信号に基づいて、駆動回路16がモータ12に駆動電力を供給することにより、モータ12の各相の巻線コイルに流れる電流が平衡となる。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)モータ制御信号出力部83は、検出された各動力線21〜23の断線状態に基づいて、各相の巻線コイルに流れる電流が平衡となるようにモータ12の各相間に印加する線間電圧を変更すべくモータ制御信号を出力する。
このような構成とすれば、動力線21〜23の何れかに断線が発生した場合であっても、モータ12の各相の巻線コイルに流れる電流は平衡となるため、トルクリップルの発生を防止して操舵フィーリングを好適に維持することができる。
(2)モータ制御信号出力部83は、相対的電流量比率γに基づいて、断線発生により巻線コイルに流れる電流量が最も減少する駆動相以外の駆動相に印加する線間電圧を低減するようモータ制御信号を出力する。これにより、モータ12の各相の巻線コイルに流れる電流を平衡とすることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、各動力線21〜23は、各3本に複線化されることとしたが、その複線化の程度は、2本でも4本以上であってもよい。
・上記第1及び第3の実施形態では、本発明をギヤ比可変システムを備えた車両用操舵装置に具体化し、上記第2の実施形態では、本発明を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した。しかし、これに限らず、本発明の構成は、どのようなモータ制御装置に具体化してもよい。例えば、モータに供給される電流に基づいて断線検出を行う構成をギヤ比可変アクチュエータのECUに適用してもよく、モータの端子電圧に基づいて断線検出を行う構成や、断線状態に応じてモータに印加する線間電圧を変更する構成をEPSアクチュエータのECUに適用してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態では、モータ12(52)は、三相の駆動電力が供給されるブラシレスモータとした。しかし、これに限らず、その断線検出後の制御(制御目標量の低減)については、DCブラシ付きモータの制御装置(ECU)にて具体化してもよく、その場合には、例えば少なくとも動力線の断線本数を検出し、その断線本数に応じて制御量を低減する構成とすればよい。
・上記第2の実施形態では、モータに供給する電流に基づいて断線検出について、正弦波通電制御による場合に具体化したが、矩形波通電制御による場合に用いてもよく、その場合には、電流のピーク値として駆動相の電流量を検出する構成とすればよい。
・上記第2の実施形態では、相電流Iu,Iv,Iwに基づいて断線検出を行うこととしたが、線間電流に基づいて断線検出を行う構成としてもよい。
・上記第3の実施形態では、断線検出後の線間電圧の変更について、矩形波通電制御による場合に具体化した。しかし、これに限らず、その制御方法が電流フィードバックを伴わないものであれば正弦波通電制御による場合に用いてもよい。
・上記各実施形態における断線検出、及び上記第3の実施形態における線間電圧の変更は、上述の判定テーブルや制御テーブル以外のテーブル、例えば、各動力線21〜23の抵抗値、及びモータ12(52)の各巻線コイルの抵抗値に関するテーブルを用いて逐次演算することに行う構成としてもよい。
・上記第1の実施形態では、各相の動力線21〜23の何れかに断線が発生した場合には、使用する制御マップを制御マップ34aに切り替えることとしたが、断線発生時に使用する制御マップを複数備えることとし、その断線状態に応じて使用する制御マップを切り替える構成としてもよい。
・また、断線状態に応じて所定の係数を乗ずることにより制御目標量を低減する構成としてもよい。
次に、以上の実施形態から把握することができる請求項以外の技術的思想を記載する。
(イ)請求項3に記載のモータ制御装置において、前記三相の駆動電力は、通電がなされる二相の駆動相を順次切り替える矩形波通電により供給されるものであって、前記電圧制御手段は、前記電流量が最も減少する前記駆動相の前記電流量とそれ以外の前記駆動相の前記電流量との相対的比率に基づいて、前記電流量が最も減少する駆動相以外の駆動相に印加する線間電圧を低減すること、を特徴とするモータ制御装置。このような構成とすれば、モータの各相の巻線コイルに流れる電流を平衡とすることができる。
第1の実施形態のステアリング装置の概略構成図。 ギヤ比可変制御の説明図。 ギヤ比可変制御の説明図。 (a)(b)ケーブルの断面図。 第1の実施形態のステアリング装置の制御ブロック図。 正常時に使用する制御マップの概略構成を示す説明図。 正常時の各相の端子電圧の波形図。 U相に断線が生じた場合の各相の端子電圧の波形図。 判定テーブルの概略構成を示す説明図。 第1の実施形態における断線検出の処理手順を示すフローチャート。 断線発生時に使用する制御マップの概略構成を示す説明図。 第1の実施形態における断線検出後の処理手順を示すフローチャート。 第2の実施形態のステアリング装置の概略構成図。 第2の実施形態のステアリング装置の制御ブロック図。 正常時の相電流の波形図。 U相に断線が生じた場合の相電流の波形図。 第2の実施形態における断線検出及び断線検出後の処理手順を示すフローチャート。 第3の実施形態のステアリング装置の制御ブロック図。 制御テーブルの概略構成を示す説明図。
符号の説明
1,45,71…ステアリング装置、2…ステアリングホイール(ステアリング)、6…操舵輪、7…ギヤ比可変アクチュエータ、8,48,72…ECU、12,52…モータ、15,55,75…マイコン、21(21a〜21a),22(22a〜22a),23(23a〜23a)…動力線、31…ACT指令角演算部、38,68…断線検出部、39u,39v,39w…出力端子、40u,40v,40w…電圧センサ、47…EPSアクチュエータ、61…電流指令演算部、64u,64v,64w…電流センサ、83…モータ制御信号出力部、θta…ACT角、θta*…ACT指令角、Iq*…アシスト電流指令、Vu,Vv,Vw…端子電圧、p…切替点、θsta…整定角度、θob…電圧レベル検出角度、Iu,Iv,Iw…相電流、Iup,Ivp,Iwp…ピーク値、θs…操舵角、θts…ステア転舵角。

Claims (13)

  1. 複線化された動力線を介して駆動電力を供給することによりモータの作動を制御するモータ制御装置であって、
    前記動力線の断線状態として少なくとも断線が発生した本数を検出する断線検出手段と、
    前記検出された断線状態に応じて前記モータの制御量を低減する制御量低減手段と、
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記制御量低減手段は、前記動力線が残り1本となった場合には、前記制御量をゼロまで徐々に低減すること、を特徴とするモータ制御装置。
  3. 各相毎に複線化された動力線を介してモータに三相の駆動電力を供給するモータ制御装置であって、
    前記動力線の断線状態として断線が発生した相及びその本数を検出する断線検出手段と、
    前記検出された断線状態に基づいて前記モータの巻線コイルに流れる電流量が平衡となるように前記モータの各相間に印加する線間電圧を変更する電圧制御手段を備えること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちの何れか一項に記載のモータ制御装置において、
    断線検出手段は、前記モータの端子電圧又は前記モータに通電される電流に基づいて、前記断線状態を検出すること、を特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記駆動電力は、通電がなされる二相の駆動相を順次切り替える矩形波通電により供給されるものであって、
    前記断線検出手段は、前記端子電圧が変化した非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて前記断線状態を検出すること、を特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項5に記載のモータ制御装置において、
    前記断線検出手段は、前記駆動相の切り替えから前記端子電圧が整定される所定の角度以上経過した後に前記非駆動相の端子電圧を検出すること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  7. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記断線検出手段は、前記電流のピーク値が減少した相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて前記断線状態を検出すること、を特徴とするモータ制御装置。
  8. ステアリングホイールの操舵角に基づく操舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、
    前記伝達比可変装置を制御する制御手段として、請求項1〜請求項7のうちの何れか一項に記載のモータ制御装置と、を備えた車両用操舵装置。
  9. モータ駆動により車両の操舵系にステアリング操作を補助するアシスト力を付与するための操舵力補助装置と、
    前記操舵力補助装置を制御する制御手段として、請求項1〜請求項7のうちの何れか一項に記載のモータ制御装置と、を備えた車両用操舵装置。
  10. ブラシレスモータに三相の駆動電力を供給するために設けられ各相毎に複線化された動力線の断線状態を検出するための断線検出方法であって、
    前記ブラシレスモータの端子電圧又は前記ブラシレスモータに通電される電流に基づいて、断線が発生した前記動力線の相及びその本数を検出すること、
    を特徴とする断線検出方法。
  11. 請求項10に記載の断線検出方法において、
    前記三相の駆動電力は、通電がなされる二相の駆動相を順次切り替える矩形波通電により供給されるものであって、
    前記端子電圧が変化した非駆動相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて前記断線状態を検出すること、を特徴とする断線検出方法。
  12. 請求項11に記載の断線検出方法において、
    前記駆動相の切り替えから前記端子電圧が整定される所定の角度以上経過した後に前記非駆動相の端子電圧を検出すること、を特徴とする断線検出方法。
  13. 請求項10に記載の断線検出方法において、
    前記電流のピーク値が減少した相の組み合わせ及びその変化後の値に基づいて前記断線状態を検出すること、を特徴とする断線検出方法。
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