JP2018008340A - 研磨工具のドレス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨面が荒れた状態で研磨しないようにすること。【解決手段】研磨装置(1)は、板状ワーク(W)を研磨する研磨手段(4)における研磨工具(40)の研磨面(401a)をドレスするドレス機構(6)と、研磨手段とドレス機構とを相対的に移動させる研磨送り手段(2)及びチャックテーブル送り手段(56)とを備えている。ドレス機構は、研磨面に接触してドレスするドレス部(60)と、研磨工具の研磨面にドレス部が当接してドレス送りする際に研磨面の表面粗さに応じて発生する弾性波を検出する弾性波検出センサ(80)と、研磨送り手段及びチャックテーブル送り手段を制御する制御手段(82)とを備えている。ドレス部が研磨工具の研磨面をドレスするドレスステップにおいて、弾性波検出センサからの出力信号が制御手段の記憶部(821)に記憶された閾値を超えた場合に、その旨を報知する報知ステップが行われる。【選択図】図1
Description
本発明は、研磨工具の研磨面をドレスする研磨工具のドレス方法に関する。
研磨パッドを用いてウエーハを研磨する研磨装置では、研磨パッドが回転するとともに、研磨パッドを備える研磨ユニットが研磨ユニット送り機構によってウエーハに向けて送られ、研磨パッドの研磨面をウエーハに接触させている。研磨中は、研磨パッドの研磨面をウエーハに押し付けるため、ウエーハが研磨されることにより生じる屑が研磨パッドの研磨面に付着し、研磨面が目詰まりを起こすことがある。そこで、研磨面の目詰まりを解消するために、研磨面にドレッサーを押し当てて研磨面をドレスすることにより、研磨加工能力を維持することが行われている。このような研磨面のドレスは、例えば、中間ドレスとしてウエーハを1枚研磨する毎に行なわれている(例えば、特許文献1参照)。従って、複数枚のウエーハを研磨する場合には、これに応じて中間ドレスが複数回行われることとなる。
上記のように中間ドレスを複数回行うと、複数回のうちの初期段階の中間ドレスでは研磨面の目詰まりが解消されても、中間ドレスの回数が多くなるにつれ、温度等の条件が変化して目詰まりが改善され難くなる傾向がある。このため、ドレスを行っても研磨面が荒れた状態になり、研磨面の平坦度(TTV:Total Thickness Variation)が悪化したままになる、という問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、研磨面が荒れた状態で研磨しないようにすることができる研磨工具のドレス方法を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様の研磨工具のドレス方法は、板状ワークを保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された板状ワークを研磨する研磨工具が回転可能に装着された研磨手段と、研磨工具の研磨面をドレスするドレス機構と、研磨手段をチャックテーブルとドレス機構に対して離間及び接近する研磨送り方向に移動させる研磨送り手段と、研磨手段とドレス機構を相対的に研磨面に平行にドレス送りするドレス送り手段と、を備える研磨装置において、研磨工具を研磨するためのドレス方法であって、ドレス機構は、研磨面に接触してドレスするドレス部と、研磨工具の研磨面にドレス部が当接してドレス送りする際に研磨面の表面粗さに応じて発生する弾性波を検出する弾性波検出センサと、少なくとも研磨送り手段及びドレス送り手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、設定されたドレス条件におけるドレス完了後の研磨面の表面粗さに対応した弾性波検出センサの出力信号の値を基準とした閾値を予め記憶する記憶部を備え、ドレス部が研磨工具の研磨面を設定ドレス条件でドレスするドレスステップを含み、ドレスステップにおいて、弾性波検出センサからの出力信号が記憶部に記憶された閾値を超えた場合に、その旨を報知する報知ステップを備えること、を特徴とする。
この方法によれば、ドレス送りする際に発生する弾性波を検出し、研磨面に目詰まりや欠けが発生することに起因して検出した弾性波が閾値を超えた場合に、その旨が報知される。この報知によって、研磨面のドレスを複数回行うことで研磨面の目詰まり等が解消されない状態になっても、報知に応じて研磨加工を中断したり研磨工具を交換したりすることができる。これにより、ドレス不足で研磨面が荒れたまま研磨加工が続行されなくなり、板状ワークに対する加工品質の低下を防止することができる。
本発明によれば、ドレス時の弾性波を検出し、その検出結果に基づいて研磨面の目詰まり等の異常がある場合に報知するので、研磨面が荒れた状態で研磨しないようにすることができる。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態の研磨工具のドレス方法について説明する。先ず、本実施の形態に用いられる研磨工具を備えた研磨装置について説明する。図1は、本実施の形態の研磨装置の一例を示す斜視図である。なお、研磨装置は、本実施の形態のようにドレスの際の弾性波を検出する構造を備えた構成であればよく、図1に示す構成に限定されない。また、図1においては、説明の便宜上、一部の部材については省略して記載しているが、研磨装置が通常備える構成については備えているものとする。
図1に示す研磨装置1は、チャックテーブル52に保持された板状ワークWを、研磨工具40を備える研磨手段4によって研磨する装置である。
研磨装置1のベース10上には、チャックテーブル機構5が配設されている。チャックテーブル機構5は、実質上鉛直に延びる回転中心軸線を中心として回転自在に配設された円板形状のチャックテーブル52と、その周囲のカバー51とを含んでいる。
チャックテーブル52は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなり板状ワークWを吸着する吸着部520と、吸着部520を支持する枠体521とを備える。吸着部520は図示しない吸引源に連通し、吸引源が吸引することで生み出された吸引力が、吸着部520の露出面である保持面520aに伝達されることで、チャックテーブル520は、保持面520a上で板状ワークWを吸引保持する。また、チャックテーブル52は、カバー51によって周囲から囲まれ、図示しない回転手段により回転可能に支持されている。
ベース10上の側方(−X方向側)にはコラム11が立設されており、コラム11の前面には、研磨手段4をチャックテーブル52に対して接近及び離反する方向に移動させる研磨送り手段2が配設されている。研磨送り手段2は、鉛直方向(Z軸方向)の軸心を有するボールネジ20と、ボールネジ20と平行に配設された一対のガイドレール21と、ボールネジ20の上端に連結しボールネジ20を回動させるモータ22と、内部のナットがボールネジ20に螺合し側部がガイドレールに摺接する昇降板23と、昇降板23に連結され研磨手段4を保持するホルダ24とから構成され、モータ22がボールネジ20を回動させると、これに伴い昇降板23がガイドレール21にガイドされてZ軸方向に往復移動し、ホルダ24に保持された研磨手段4がZ軸方向に研磨送りされる。モータ22の制御は制御部82によって行われる。制御部82の構成については後述する。
研磨手段4は、マウント41を有するスピンドル42と、マウント41に装着されチャックテーブル52に保持される板状ワークWを研磨する研磨工具40と、スピンドル42に装着される研磨工具40と、スピンドル42を回転させることにより研磨工具40を回転させる回転手段43とを備えている。
図2は、本実施の形態の研磨工具の斜視図である。図2に示すように、研磨工具40は、円板形状の支持部材400と円環となる板状の研磨パッド401とから構成されている。研磨パッド401の下面が研磨面401aとなっている。支持部材400の下面は円形支持面を構成しており、研磨パッド401は、例えばエポキシ樹脂系接着剤からなる接着剤によって支持部材400の円形支持面に接合されている。研磨パッド401は、図示の実施形態においてはフエルトに砥粒を分散させ適宜のボンド剤で固定したフエルト砥石が用いられている。
図3は、本実施の形態のチャックテーブル機構、ドレス機構及び弾性波検出センサを示す斜視図である。図3に示すように、チャックテーブル機構5は、チャックテーブル52をY軸方向に移動させるチャックテーブル送り手段56を備えている。チャックテーブル送り手段56は、Y軸方向に延在するボールネジ561と、ボールネジ561の一端に連結されボールネジ561を正逆両方向に回転させるモータ562と、ボールネジ561の他端においてボールネジ561を回転可能に支持する軸受部563と、ボールネジ561と平行に配設された一対のガイドレール564と、内部のナット531がボールネジ561に螺合するとともに底部がガイドレール564に摺接する移動基台53とから構成されており、モータ562がボールネジ561を正転駆動すると移動基台53が+Y方向に移動し、モータ562がボールネジ561を逆転駆動すると移動基台53が−Y方向に移動する。移動基台53がY軸方向に移動することにより、チャックテーブル52が、チャックテーブル52に対する板状ワークの着脱が行われる領域である図1に示す着脱域100と、研磨工具40による研磨が行われる領域である研磨域101との間を移動可能となっている。また、ガイドレール564と平行にリニアスケール571が配設されるとともに、移動基台53にはリニアスケール571を読み取る読み取りヘッド572を備えており、読み取りヘッド572は、移動基台53のY軸方向の位置情報を制御部82(図1参照)に通知する。
移動基台53には、図示しない回転軸を介してチャックテーブル52に連結されたモータ54が配設されており、モータ54がチャックテーブル52を所望の回転速度で回転させる。
図1に示すように、カバー51の上面には、研磨工具40の研磨面401aをドレスするドレス機構6が配設されている。ドレス機構6は、図4に示すように、研磨面401a(図4では不図示)に接触してドレスを行うドレス部60と、ドレス60が配設されるベース61と、ベース61を昇降可能に支持する支持機構7とを備えている。ドレス部60は、ベース61から立設された支持部600と、支持部600の上端に固定されたドレスボード601とから構成されている。
支持機構7は、ベース61を支持する支持板71と、支持板71を支持する移動基板72と、図4に示した移動基台53に立設され移動基板72の上下方向の移動を案内する4本の案内ロッド73(1本は不図示)と、移動基板72を案内ロッド73に沿って移動させる昇降手段74と、移動基板72と支持板71との間に配設された水平度調整手段75とを具備している。支持板71は、矩形状に形成されており、その上面には、ベース61に設けられた3個の取付け穴611に対応する位置に3個のネジ穴711が形成されている。このネジ穴711にベース61に設けられた取付け穴611を通した皿ネジ76を螺合させることによって、支持板71上にドレス機構6が装着される。なお、支持板71上にドレス機構6を取り付けた状態において、皿ネジ76は、その頭部が取付け穴611の上部のテーパー面に嵌合してベース61の上面より低い位置に位置付けられる。
支持板71を支持する移動基板72は矩形状に形成されており、その四隅部には、上下方向に貫通する4個の被案内穴721(1個は不図示)が設けられている。この4個の被案内穴721を4本の案内ロッド73にそれぞれ挿通することにより、移動基板72が案内ロッド73に沿って上下方向に移動可能に構成される。移動基板72を案内ロッド73に沿って移動させる昇降手段74は、移動基台53(図3参照)上に配設され正転・逆転可能なパルスモータ741及びパルスモータ741によって駆動されるボールネジ742を含んでおり、パルスモータ741を正転駆動すると移動基板72が上昇し、パルスモータ741を逆転駆動すると移動基板72が下降する。また、移動基板72と支持板71との間に配設された水平度調整手段75は、支持板71の長手方向に間隔をおいて配設された2個の昇降手段751からなっている。この昇降手段751は、パルスモータおよびパルスモータによって駆動されるボールネジを含んでおり、パルスモータを正転駆動すると支持板71が上昇し、パルスモータを逆転駆動すると支持板71が下降する。2個の昇降手段751を個別に昇降させることにより、支持板71の上面に装着されたベース61の水平度を調整することができる。
ドレス機構6は、弾性波検出センサ80を更に備え、弾性波検出センサ80は、ドレス部60の下方位置であって、ベース61と支持板71と跨るように配設されている(図5参照)。弾性波検出センサ80は、ドレス部60におけるドレスボード601の上面に研磨パッド401が接触したときに発生する弾性波を検出する機能を有している。弾性波検出センサ80としては、例えばAEセンサを用いることができる。
図1に示すように、ドレス機構6は、信号処理部81及び制御手段82を更に備え、信号処理部81に弾性波検出センサ80が接続されている。信号処理部81は、弾性波検出センサ80が検出した出力信号を出力電圧に変換するアンプ等を備えている。従って、弾性波検出センサ80が検出した出力信号は、信号処理部81によって変換された出力信号(出力電圧等)として制御手段82に入力される。
ここで、制御手段82は、研磨送り手段2及びチャックテーブル送り手段56(図3参照)を含む装置各部を統括制御する。制御手段82は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成される。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。このメモリによって、弾性波検出センサ80からの出力信号と比較するための閾値を予め記憶する記憶部821が構成される。また、制御手段82は、比較部822及び報知制御部823を有しており、比較部822は、記憶部821が記憶した閾値と、弾性波検出センサ80からの出力信号とを比較し、かかる出力信号が閾値を超えたか否かを判断する。そして、比較部822の判断にて出力信号が閾値を超えた場合に、その旨を報知するよう報知制御部823が図示省略したディスプレイの表示、ランプの点灯、アラームの発生等を制御する。
図1に示した研磨装置1においては、研磨対象のウエーハWの一方の面W1にテープTが貼着される。そして、図3に示したチャックテーブル送り手段56がチャックテーブル52を着脱域100に移動させ、テープT側がチャックテーブル52の保持面520aに載置され、図示しない吸引源が吸引することで生み出された吸引力がチャックテーブル52の保持面520aに伝達されて、チャックテーブル52がテープTを介して板状ワークWを吸引保持し、被研磨面W2が露出した状態となる。
次に、チャックテーブル送り手段56がチャックテーブル52を研磨域101に移動させるとともに、図3に示したモータ54がチャックテーブル52を回転させる。そして、研磨手段4においては回転手段43がスピンドル42を回転させて研磨パッド401を回転させ、研磨送り手段2が研磨手段4をチャックテーブル52の保持面520aに接近する方向(−Z方向)に研磨送りし、回転する研磨パッド401の研磨面401aを板状ワークWの被研磨面W2に接触させて研磨を行う。このとき、図4に示した昇降手段74がドレス機構6を下降させておき、少なくともドレス部60のドレスボード601の上面がチャックテーブル52の保持面520aよりも下側(−Z方向)に位置するようにし、研磨面401aがドレスボード601に接触しないようにしておく。
続いて、本実施の形態における研磨工具40のドレス方法について説明する。上述した研磨により生じた研磨屑が研磨パッド401の研磨面401aに付着して研磨面401aが目詰まりすることを解消したり防止したりするために、適宜のタイミングで、研磨面401aにドレスボード601を押し当てて研磨面401aをドレスする(ドレスステップ)。ドレスのタイミングとしては、中間ドレスとしてウエーハを1枚研磨する毎に行うことが例示でき、複数枚のウエーハを研磨する場合、その枚数に応じた回数の中間ドレスが行われる。
ドレスステップでは、図3に示したチャックテーブル送り手段56が移動基台53をY軸方向に移動させ、ドレスボード601を研磨パッド401の下方に移動させる。
そして、図4に示した昇降手段74が支持板71を上昇させることによりベース61を上昇させ、ドレスボード601の上面を、チャックテーブル52の保持面520aよりも上側(+Z軸方向)に位置付ける。次いで、図5に示すように、例えばφ300〜500mm径となる研磨パッド401の中央における穴の直下に、ドレスボード601が位置するようにドレス機構6(二点鎖線で図示)を移動させる。その後、研磨送り手段2によって、研磨手段4をドレスボード601に接近する−Z軸方向(図1参照)に所定の送り量研磨送りさせ、研磨パッド401の研磨面401aがドレスボード601の上面より低くなる位置に位置付ける。この研磨面401aの位置は、その前に実施されたドレスの研磨面401aの位置より数μm(例えば1〜3μm)低くする。このとき、研磨パッド401中央の穴内にドレスボード601が配置された状態とされる。この状態で研磨パッド401を500〜1500rpmで回転させながら、+Y軸方向となる研磨パッド401の中央から外側に向かい20〜60mm/sの送り速度でドレスボード601をドレス送りさせる。そうすると、ドレスボード601が、回転する研磨パッド401の研磨面401aに接触した状態となり、回転する研磨パッド401の研磨面401aの全面がドレスボード601によってドレスされる。このようにドレスされる際、チャックテーブル送り手段56は、研磨手段4とドレス機構6とを研磨面401aに平行に相対的に移動させるドレス送り手段として機能する。なお、ドレスにおける上記各数値条件は、研磨パッド401の種類に応じて変更され、また、ドレスステップでは、研磨面401aの中央から外側に向かうドレスを複数回行ってもよい。
ここで、ドレスボード601の上面が回転する研磨パッド401の研磨面401aに接触すると、弾性波が発生する。弾性波の発生は、研磨面401aにドレスボード601が当接してドレス送りする際に研磨面401aの表面粗さに応じたものとなり、ドレス機構6の近傍に位置する弾性波検出センサ80は、この弾性波を検出して出力信号を出力する。
弾性波検出センサ80の出力信号の変化について図6を参照して説明する。図6は、弾性波検出センサの出力信号を出力電圧に変換した検出結果を示すグラフである。図6A及び図6Bのグラフにおいて、縦軸は弾性波検出センサ80の出力信号を変換した出力電圧であり、横軸は時間である。図6Aは、研磨パッド401のドレスが正常に完了した状態(目詰まり等を解消して正常に研磨を実施できる状態)を検出し、図6Bは、研磨パッド401のドレス後に研磨面401aが目詰まり等によって荒れた状態を検出した結果である。図6A及び図6Bのグラフを比較すると、出力信号を変換した出力電圧の波形が相違することが理解できる。更に詳述すると、図6Aに示す正常にドレスが完了した状態では、出力電圧の最大値及び最小値が概ね均一化されて出力電圧のレンジV0が設定されるグラフとなる。一方、図6Bに示す研磨面401aが荒れた状態では、かかる出力電圧のレンジV0を瞬間的に上回ったり下回ったりするグラフとなる(グラフ中二点鎖線の円内参照)。これは、研磨面401aに目詰まりや欠け、ひび、亀裂、砥粒の異常脱落等が発生するため、それらが発生した部分にドレスボード601が接触する際の衝突エネルギーの変化が大きくなり、弾性波の出力変化が大きくなるためである。
ドレスステップの準備として、制御手段82の記憶部821では、正常にドレスを完了した状態の弾性波検出センサ80からの出力電圧のレンジ(値)V0を閾値として予め記憶する。この閾値を記憶する場合のドレス条件は、ドレスステップでドレスする際に設定される研磨パッド401の種類やドレスボード601の種類、加工条件等のドレス条件(設定ドレス条件)と同一に設定する。そして、このドレス条件で予めドレスを行いつつ、弾性波検出センサ80で実際に弾性波を検出することで、閾値となるレンジV0を求める。なお、閾値となるレンジV0は、研磨加工での仕上げにて許容できる範囲にて、上述のように求めた閾値に所定係数を乗じたレンジとしてもよい。
ドレスステップにおいて研磨面401aのドレス中、制御手段82の比較部822では、記憶部821が記憶した閾値と、弾性波検出センサ80から出力されて信号処理部81を経た出力電圧(出力信号)とを比較する。この比較によって、弾性波検出センサ80の出力電圧が閾値を超えたか、つまり、レンジV0に収まらずに上回ったり下回ったりして突出した出力電圧があるか否かを判断する。そして、比較部822にて、レンジV0に収まらない突出した出力電圧があると判断した場合、研磨面401aに目詰まりや欠け等の異常がありドレスが正常に行われていない状態になる。この状態で、比較部822の判断に応じ、報知制御部823が図示省略したディスプレイ、ランプ、アラーム等を制御し、研磨面401aに異常がある旨を報知する(報知ステップ)。この報知のタイミングにおいて、作業者は、再度ドレスを行ったり、新品の研磨パッド401に交換したりする。
以上のように、本実施の形態のドレス方法では、研磨パッド401の研磨面401aをドレスする際に発生する弾性波を検出し、その検出結果と、正常なドレス完了時に検出した弾性波に基づく閾値とを比較している。これにより、弾性波が閾値となるレンジの範囲となったら、研磨面401aに欠けや目詰まりが生じていることを制御手段82で判断でき、研磨が不十分で研磨面401aが荒れた状態で研磨して加工精度が低下することを回避することができる。
ここで、板状ワークWの研磨枚数を重ねて上述した中間ドレスの回数を重ねていくと、研磨面401aが目つぶれ等するだけでなく水温等の外部要因が変化するため、中間ドレスを行ってもドレス不足で研磨面が荒れた状態になり易くなる。本実施の形態では、中間ドレスの回数が多くなっても、研磨面401aの目詰まり等を検出して対応でき、研磨面401aの平坦度を良好な状態として加工品質をより良く保つことができる。
なお、本発明の実施の形態は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
上記実施の形態では、チャックテーブル送り手段56がドレス送り手段を兼ねることとしたが、チャックテーブル送り手段とドレス送り手段とがそれぞれが単独に存在してもよい。したがって、ドレス機構6は、チャックテーブル機構5のカバー51上に配設されていなくてもよい。
また、弾性波検出センサ80の設置位置は、ドレス部60の下方位置以外で支持板71に埋め込むように設けたりする他、ベース61の上部に設けたり、研磨手段4に設けたりする等、変更してもよい。
また、上記実施の形態の研磨装置1は、いわゆるドライポリッシュ装置であるが、研磨パッドに加えてスラリーも用いて研磨を行うCMP装置にも本発明を適用することができる。
以上説明したように、本発明は、研磨面が荒れた状態で研磨しないようにドレスできるという効果を有し、特に、研磨面に複数回のドレスを行う場合に有用である。
1 研磨装置
2 研磨送り手段
4 研磨手段
40 研磨工具
401a 研磨面
52 チャックテーブル
56 チャックテーブル送り手段(ドレス送り手段)
6 ドレス機構
60 ドレス部
80弾性波検出センサ
82 制御手段
821 記憶部
W 板状ワーク
2 研磨送り手段
4 研磨手段
40 研磨工具
401a 研磨面
52 チャックテーブル
56 チャックテーブル送り手段(ドレス送り手段)
6 ドレス機構
60 ドレス部
80弾性波検出センサ
82 制御手段
821 記憶部
W 板状ワーク
Claims (1)
- 板状ワークを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された板状ワークを研磨する研磨工具が回転可能に装着された研磨手段と、該研磨工具の研磨面をドレスするドレス機構と、該研磨手段を該チャックテーブルと該ドレス機構に対して離間及び接近する研磨送り方向に移動させる研磨送り手段と、該研磨手段と該ドレス機構を相対的に該研磨面に平行にドレス送りするドレス送り手段と、を備える研磨装置において、該研磨工具を研磨するための研磨工具のドレス方法であって、
該ドレス機構は、該研磨面に接触してドレスするドレス部と、該研磨工具の該研磨面に該ドレス部が当接してドレス送りする際に該研磨面の表面粗さに応じて発生する弾性波を検出する弾性波検出センサと、少なくとも該研磨送り手段及び該ドレス送り手段を制御する制御手段と、を備え、
該制御手段は、設定されたドレス条件におけるドレス完了後の研磨面の表面粗さに対応した弾性波検出センサの出力信号の値を基準とした閾値を予め記憶する記憶部を備え、
該ドレス部が該研磨工具の該研磨面を設定ドレス条件でドレスするドレスステップを含み、
該ドレスステップにおいて、該弾性波検出センサからの該出力信号が該記憶部に記憶された該閾値を超えた場合に、その旨を報知する報知ステップを備えること、を特徴とする研磨工具のドレス方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016138341A JP2018008340A (ja) | 2016-07-13 | 2016-07-13 | 研磨工具のドレス方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016138341A JP2018008340A (ja) | 2016-07-13 | 2016-07-13 | 研磨工具のドレス方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018008340A true JP2018008340A (ja) | 2018-01-18 |
Family
ID=60994850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016138341A Pending JP2018008340A (ja) | 2016-07-13 | 2016-07-13 | 研磨工具のドレス方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018008340A (ja) |
-
2016
- 2016-07-13 JP JP2016138341A patent/JP2018008340A/ja active Pending
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