JP6251614B2 - 被加工物の研削方法 - Google Patents

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本発明は、被加工物の研削方法に関する。
半導体ウェーハや樹脂基板等の板状の被加工物の研削に、研削装置が用いられることがある。研削装置は、仕上げ厚さに至るまで研削加工中も被加工物の厚さを常に監視し、仕上げ厚さになった時点で研削加工を終了する。研削加工は、初めは速い研削送り速度で研削し、被加工物が薄くなるにしたがって徐々に研削送り速度を落とし、被加工物への研削ダメージが被加工物に残らないように加工される(例えば、特許文献1参照)。
また、研削加工では、研削加工時間をできるだけ短縮するために、研削砥石は基準位置から被加工物まで所定のマージンを持った距離まで被加工物に向かって高速で下降してから、加工速度へと減速して下降する。つまり、研削加工では、高速の下降によって研削砥石が被加工物に衝突しないようにマージンが設定されている。
特開2009−101451号公報
しかしながら、被加工物の厚さばらつきが大きい場合、厚さばらつきの最大厚さにマージンを加算した位置までしか高速で下降することができない。このため、厚さばらつきの最大厚さにマージンを加算した分、研削加工時間が長くなるという課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、研削加工時間を短縮することができる被加工物の研削方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、板状の被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、研削ホイールの研削砥石をチャックテーブルの保持面に対向配置しチャックテーブルに保持された被加工物を研削する研削手段と、研削手段をチャックテーブルに接近および離間させる研削送り手段と、チャックテーブルに保持された被加工物の厚さを検出する厚さ測定手段と、を備えた研削装置を用いて面内厚さばらつきのある被加工物を研削する研削方法であって、チャックテーブルの保持面に保持した被加工物に向かって、研削ホイールの研削砥石を第1の送り速度で研削送りして接近させ、被加工物の表面全面が研削されるまで研削する第1の研削ステップと、第1の研削ステップの後に、研削送り速度を第1の送り速度より遅い第2の送り速度に減速し、被加工物を更に研削する第2の研削ステップと、を備え、第1の研削ステップで研削中に、厚さ測定手段で測定される被加工物の厚さばらつきが所定値以下となることで被加工物の表面全面が研削されたと判定することを特徴とする。
本発明によれば、厚さばらつきが所定値より大きいうちは、研削砥石の下面と被加工物の表面との接触面積が小さく、研削砥石や被加工物への加工負荷が小さくなることから、厚さ測定手段で測定される被加工物の厚さばらつきが所定値以下となるまでは、チャックテーブルの保持面に保持した被加工物に向かって、第1の送り速度で研削砥石を研削送りすることができる。つまり、本発明によれば、高速の下降によって研削砥石が被加工物に衝突しないように設定されるマージンが不要となる。したがって、本発明によれば、研削加工時間を短縮することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る研削装置の概略構成例を示す斜視図である。 図2は、実施形態に係る研削装置の研削手段および厚さ測定手段の構成例を示す斜視図である。 図3は、実施形態に係る研削装置により研削される被加工物の表面の面内厚さばらつきの経時変化を示す図である。 図4は、実施形態に係る研削装置の研削手段による研削加工の動作に関する一例を示す図である。 図5は、実施形態に係る研削装置の制御手段による研削加工の制御に関する一例を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る研削装置の概略構成例を示す斜視図である。図2は、実施形態に係る研削装置の研削手段および厚さ測定手段の構成例を示す斜視図である。図3は、実施形態に係る研削装置により研削される被加工物の表面の面内厚さばらつきの経時変化を示す図である。図4は、実施形態に係る研削装置の研削手段による研削加工の動作に関する一例を示す図である。
図1に示す実施形態に係る研削装置1は、面内厚さばらつきのある被加工物Wを研削する加工装置であり、被加工物Wの表面Waに対して研削加工を施して、被加工物Wを所望の厚さ(仕上げ厚さ)へと薄化する加工装置である。研削装置1は、図1に示すように、カセット10と、搬出入手段20と、中心合わせ手段30と、搬送手段40と、チャックテーブル50と、研削手段60と、研削送り手段70と、洗浄・乾燥手段80と、厚さ測定手段90と、制御手段100と、を含んで構成されている。ここで、被加工物Wは、特に限定されないが、例えば、裏面Wb(表面Waとは反対側の面)にデバイスが形成された半導体ウェーハや光デバイスウェーハ、無機材料基板、延性樹脂材料基板等、各種の加工材料である。本実施形態では、被加工物Wは、平坦な円形状の板状(円板状)に形成されている。また、被加工物Wは、例えば、表面Waの面内厚さばらつきが数十μm程度となっている。
カセット10は、被加工物Wを収容する収容容器である。カセット10は、鉛直方向に間隔をおいて、複数の被加工物Wを収容する。
搬出入手段20は、カセット10に対して被加工物Wを搬出入するものである。搬出入手段20は、被加工物Wを保持する保持ハンドを有する、いわゆるロボットアームである。搬出入手段20は、カセット10から被加工物Wを取り出して、中心合わせ手段30へ搬送する。また、搬出入手段20は、洗浄・乾燥手段80から被加工物Wを取り出して、カセット10へ収容する。
中心合わせ手段30は、チャックテーブル50の保持面50aに対して、被加工物Wの中心を合わせるものである。中心合わせ手段30は、周方向に等間隔をおいて配置された複数のピンを被加工物Wの外周に当接させることで、被加工物Wの中心を合わせる。
搬送手段40は、チャックテーブル50に対して、被加工物Wを搬送するものである。搬送手段40は、第1アーム41と、第2アーム42と、を備えている。第1アーム41は、中心合わせ手段30から被加工物Wを取り出して、チャックテーブル50へ載置する。第2アーム42は、チャックテーブル50から被加工物Wを取り出して、洗浄・乾燥手段80へ搬送する。
チャックテーブル50は、被加工物Wを保持するものである。チャックテーブル50は、水平面に対してほぼ平坦な円盤状に形成されている。チャックテーブル50は、保持面50aと、環状面50bと、を有している。保持面50aは、環状面50bとともにチャックテーブル50の鉛直方向の上面を構成している。保持面50aは、鉛直方向視で、チャックテーブル50の中央に配設されている。保持面50aは、鉛直方向視で被加工物Wの外径の大きさに対応する円形に形成され、水平面に対してほぼ平坦に形成されている。保持面50aは、例えばポーラスセラミック等で構成されており、図示しない真空吸引源の負圧により被加工物Wを吸引保持する。つまり、チャックテーブル50は、板状の被加工物Wを保持面50aで保持する。環状面50bは、鉛直方向視で保持面50aの外周に沿う円環状に形成され、保持面50aと面一になっている。
また、チャックテーブル50は、ターンテーブル51に対して、ほぼ鉛直方向の回転軸で回転可能に支持されており、図示しないモータ等の駆動源により回転される。本実施形態では、チャックテーブル50は、ターンテーブル51の周方向に等間隔をおいて、二つ配設されている。ターンテーブル51は、研削手段60に対して、チャックテーブル50の保持面50aに保持された被加工物Wを鉛直方向に対向配置させるものである。ターンテーブル51は、装置本体2に対して、図示しないモータ等の駆動源より水平面内で回転される。ターンテーブル51は、水平面内で回転することにより、研削手段60により被加工物Wが研削される研削加工位置と、搬送手段40により被加工物Wがチャックテーブル50に着脱される着脱位置とに、チャックテーブル50を順次配置する。
研削手段60は、チャックテーブル50の保持面50aに対向配置し、チャックテーブル50に保持された被加工物Wを研削するものである。研削手段60は、スピンドルハウジング61と、図示しないスピンドルと、フランジ62と、研削ホイール63と、駆動手段64と、を備えている。スピンドルハウジング61は、鉛直方向に延びる筒状に形成されており、内挿されるスピンドルを回転可能に支持している。スピンドルは、スピンドルハウジング61に回転可能に収容されている。スピンドルは、駆動手段64により回転駆動される。フランジ62は、スピンドルの鉛直方向の下端に固定されており、ボルト等の締結手段により研削ホイール63を着脱可能に装着している。研削ホイール63は、研削砥石63aを有している。研削砥石63aは、チャックテーブル50に保持された被加工物Wの表面Waを研削する環状の砥石である。研削砥石63aは、例えば、ダイヤモンド砥粒をメタルボンドやレジンボンド等の結合材で固めたダイヤモンド砥石で構成されている。研削砥石63aの鉛直方向の下面63bは、ドレッシング加工により、チャックテーブル50の保持面50aに対して、平行で平坦に形成されている。駆動手段64は、例えばサーボモータ等で構成されており、スピンドルを回転駆動する。
研削送り手段70は、装置本体2に対して、研削手段60を鉛直方向に相対移動させるものである。研削送り手段70は、図示しないボールねじとナット、ガイドレール71やパルスモータ72等を含んで構成されている。研削送り手段70は、装置本体2から立設される支持基台3に対して、研削送り基台73を鉛直方向に昇降可能に支持している。研削送り基台73は、スピンドルハウジング61を支持しており、研削手段60を昇降(同図に示す矢印a、b)させる。
洗浄・乾燥手段80は、洗浄水を被加工物Wに向けて噴射して洗浄し、清浄なドライエアーを被加工物Wに向けて噴射して乾燥させるものである。
厚さ測定手段90は、チャックテーブル50の保持面50aに保持された被加工物Wの厚さを検出するものである。厚さ測定手段90は、検出可能な最小厚さが1μmより小さいことが好ましい。厚さ測定手段90は、アウタ厚みゲージ91と、インナ厚みゲージ92と、ゲージスタンド93と、を備えている。アウタ厚みゲージ91は、被加工物Wの厚さを測定するための基準となる高さ(基準高さ)を測定するものであり、チャックテーブル50の環状面50bの鉛直方向の高さを測定する厚みゲージである。アウタ厚みゲージ91は、例えば、検出可能な最小厚さが0.2〜0.4μm程度である。アウタ厚みゲージ91は、ゲージスタンド93に対して鉛直方向に揺動可能で、回転するチャックテーブル50の環状面50bと接触するプローブ91aを有している。アウタ厚みゲージ91は、環状面50bとプローブ91aとの接触点の鉛直方向の高さに対応する検出信号(基準高さ検出信号)を制御手段100へ出力する。インナ厚みゲージ92は、被加工物Wの厚さを測定するものであり、基準高さに対して、チャックテーブル50の保持面50aに保持された被加工物Wの鉛直方向の高さを測定する厚みゲージである。インナ厚みゲージ92は、例えば、検出可能な最小厚さが0.2〜0.4μm程度である。インナ厚みゲージ92は、ゲージスタンド93に対して鉛直方向に揺動可能で、回転するチャックテーブル50に保持される被加工物Wの表面Waと接触するプローブ92aを有している。インナ厚みゲージ92は、表面Waとプローブ92aとの接触点の鉛直方向の高さに対応する検出信号(変動高さ検出信号)を制御手段100へ出力する。ゲージスタンド93は、アウタ厚みゲージ91およびインナ厚みゲージ92を支持するゲージ台93aを有している。ゲージスタンド93は、図示しないモータ等の駆動源により、装置本体2に対して水平面内で正逆回転(つまり回動)可能に支持されている。ゲージスタンド93は、回動することにより、各プローブ91a、92aを環状面50bおよび表面Waから退避させることができる。
制御手段100は、研削装置1の全体の動作を制御するものである。制御手段100は、研削装置1の各部と電気的に接続されている。制御手段100は、機能概念的に、厚さ検出部101と、ばらつき判定部102と、送り速度設定部103と、厚さ判定部104と、を含んで構成されている。
厚さ検出部101は、アウタ厚みゲージ91から出力される基準高さ検出信号、およびインナ厚みゲージ92から出力される変動高さ検出信号に基づいて、被加工物Wの厚さを検出する。具体的には、厚さ検出部101は、基準高さ検出信号に対応する鉛直方向の高さ(基準高さ)と、変動高さ検出信号に対応する鉛直方向の高さ(変動高さ)との差から、被加工物Wの厚さを検出する。また、厚さ検出部101は、アウタ厚みゲージ91が回転するチャックテーブル50の環状面50bと接触し、インナ厚みゲージ92が回転するチャックテーブル50に保持される被加工物Wの表面Waと連続して接触することから、被加工物Wの表面Waの厚さばらつきを検出可能である。また、厚さ検出部101は、各ゲージ91、92の検出可能な最小厚さが0.2〜0.4μmであることから、1μmの精度で被加工物Wの厚さを検出可能である。つまり、厚さ検出部101は、被加工物Wの表面Waの厚さばらつきを、1μm以下の精度で検出可能である。
ここで、厚さばらつきは、図3に示すように、インナ厚みゲージ92のプローブ92aが接触する表面Waの周方向での最大厚さTHと最少厚さTLとの差である。また、厚さばらつきは、面内厚さばらつきとも称される。
ばらつき判定部102は、図3に示すように、厚さ検出部101により検出された厚さばらつきが所定値以下になると、被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定する。つまり、ばらつき判定部102は、厚さ測定手段90で測定される被加工物Wの厚さばらつきが所定値以下となることで被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定する。本実施形態では、被加工物Wの厚さばらつきが所定値以下になるとは、最大厚さTHと最小厚さTLとの差が1μm以下になることである。また、被加工物Wの表面Wa全面が研削されるとは、表面Waのうち最小厚さTLより厚い部分が研削砥石63aの下面63bと接触して研削され、研削砥石63aの下面63bと表面Waとがほぼ全面当たり(ほぼ全面接触)可能となることである。なお、研削砥石63aの下面63bと表面Waとがほぼ全面当たり可能となるとは、最小厚さTLより1μm以下で鉛直方向の上方に凸となる部分を残して、下面63bと表面Waとが接触可能となることである。
送り速度設定部103は、研削送り手段70により、鉛直方向の下方に向けて研削送りされる研削手段60の速度(研削送り速度)を設定するものである。つまり、送り速度設定部103は、チャックテーブル50の保持面50aに保持した被加工物Wに向かって、研削ホイール63の研削砥石63aを研削送りする速度を設定する。具体的には、送り速度設定部103は、図4に示すように、研削手段60が鉛直方向の上方の初期位置から研削送りされ、研削砥石63aの下面63bが被加工物Wの表面Waと接触して研削し、被加工物Wの厚さばらつきが所定値以下(1μm以下)となるまで(同図に示す点fから点gまで)は、研削送り手段70により研削手段60を第1の送り速度V1で研削送りさせる(同図に示す点aから点bまで)。つまり、送り速度設定部103は、ばらつき判定部102により、被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定されるまで、第1の送り速度V1を設定する。また、送り速度設定部103は、被加工物Wの厚さばらつきが所定値以下となってから、被加工物Wが所定の厚さとなるまで(同図に示す点gから点hまで)は、研削送り手段70により研削手段60を第2の送り速度V2で研削送りさせる(同図に示す点bから点cまで)。つまり、送り速度設定部103は、ばらつき判定部102により被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定されてから、厚さ検出部101により、所定の厚さが検出されるまで、第2の送り速度V2を設定する。また、送り速度設定部103は、被加工物Wの厚さが所定の厚さとなってから、被加工物Wが仕上げ厚さとなるまで(同図に示す点hから点i)は、研削送り手段70により研削手段60を第3の送り速度V3で研削送りさせる(同図に示す点cから点d)。つまり、送り速度設定部103は、厚さ検出部101により所定の厚さが検出されてから、厚さ検出部101により、仕上げ厚さが検出されるまで、第3の送り速度V3を設定する。また、送り速度設定部103は、被加工物Wの厚さが仕上げ厚さとなってから、所定の時間が経過するまで(同図に示す点iから点j)は、研削送り手段70により研削手段60を第4の送り速度V4で研削送りさせる(同図に示す点dから点e)。つまり、送り速度設定部103は、厚さ検出部101により仕上げ厚さが検出されてから、所定の時間が経過するまで、第4の送り速度V4を設定する。
ここで、第1の送り速度V1は、研削砥石63aの下面63bと被加工物Wの表面Waとを全面当たりさせると、研削砥石63aの欠けや被加工物Wの割れ等を生じる虞のある速度であり、例えば4μm/s程度の速度である。本実施形態では、第1の送り速度V1は、厚さばらつきが所定値以下となるまで、つまり研削砥石63aの下面63bと被加工物Wの表面Waとが全面当たりするまでの速度であるため、研削砥石63aの欠けや被加工物Wの割れ等を生じる虞のある速度とはならない。第2の送り速度V2は、研削砥石63aの下面63bと被加工物Wの表面Waとを全面当たりさせても欠けや割れ等が生じない速度であり、例えば3μm/s程度の速度である。第3の送り速度V3は、被加工物Wの表面Waにひずみが生じない速度であり、例えば2μm/s程度の速度である。第4の送り速度V4は、スパークアウトを実施するための速度であり、0μm/sの速度である。つまり、本実施形態では、第1の送り速度V1、第2の送り速度V2、第3の送り速度V3、第4の送り速度V4の順で、送り速度を減速する(V1>V2>V3>V4、V4=0)。
厚さ判定部104は、被加工物Wの所定の厚さ、および仕上げ厚さを判定するものである。厚さ判定部104は、厚さ検出部101により検出される被加工物Wの厚さに基づいて、被加工物Wの厚さが所定の厚さ、または仕上げ厚さであると判定する。なお、被加工物Wの所定の厚さと仕上げ厚さとは、作業員により予め設定される。
ここで、被加工物Wの所定の厚さは、仕上げ厚さまで研削した際に被加工物Wにひずみが残らない厚さであり、被加工物Wにひずみが残らない厚さに設定されている。被加工物Wの仕上げ厚さは、研削加工での目標とする被加工物Wの厚さであり、所望の厚さに設定されている。また、被加工物Wの仕上げ厚さは、所定の厚さより薄い厚さである。所定の時間は、被加工物Wの表面Waの平坦化を図ることができる、いわゆるスパークアウトのための時間であり、例えば数秒程度の時間に設定されている。
次に、図1から図5を参照して、以上のように構成された研削装置1を用いて面内厚さばらつきのある被加工物Wを研削する研削方法について説明する。図5は、実施形態に係る研削装置の制御手段による研削加工の制御に関する一例を示すフローチャートである。
研削装置1は、作業員による研削加工の指示入力に基づいて、搬出入手段20がカセット10から中心合わせ手段30へ被加工物Wを搬送し、第1アーム41が中心合わせ手段30から着脱位置のチャックテーブル50へ被加工物Wを搬送し、ターンテーブル51が着脱位置から研削加工位置へチャックテーブル50を移動させる。ここで、研削装置1では、真空吸引源の負圧により、被加工物Wをチャックテーブル50の保持面50aに吸引保持する。
次に、研削装置1は、研削手段60を第1の送り速度V1で研削送りする(ステップS1)。ここで、研削装置1では、鉛直方向の上方の初期位置(図4に示す点a)からチャックテーブル50の保持面50aに保持した被加工物Wに向かって、研削ホイール63の研削砥石63aを第1の送り速度V1(4μm/s)で研削送りして接近させる。また、研削装置1では、駆動手段64によりスピンドルを例えば3200rpm程度で回転駆動し、駆動源によりチャックテーブル50を例えば300rpm程度で回転駆動する。また、研削装置1では、スピンドルとチャックテーブル50とを例えば同方向に回転する。また、研削装置1では、厚さ測定手段90のプローブ91aが環状面50bと接触し、プローブ92aが被加工物Wの表面Waと接触する。また、制御手段100では、厚さ測定手段90から出力される基準高さ検出信号と変動高さ検出信号とに基づいて、図3に示すように、被加工物Wの厚さ、および被加工物Wの表面Waの厚さばらつきを検出する。なお、制御手段100では、上記ステップS1を実施することにより、チャックテーブル50の保持面50aに保持した被加工物Wに向かって、研削ホイール63の研削砥石63aを第1の送り速度V1で研削送りして接近させ、被加工物Wの表面Wa全面が研削されるまで研削する「第1の研削ステップ」を実施する。
次に、研削装置1は、厚さばらつきが所定値以下であるか否かを判定する(ステップS2)。ここで、制御手段100では、厚さ検出部101により検出される被加工物Wの表面Waの厚さばらつきに基づいて、ばらつき判定部102により、厚さばらつきが1μm以下であるか否かを判定する。また、研削装置1では、第1の送り速度V1で研削送りされる研削手段60、つまり第1の送り速度V1で研削送りされる研削砥石63aの下面63bと、被加工物Wの表面Waのうち鉛直方向の上方に凸となる箇所とが接触(図3および図4に示す時間t1)し、凸となる箇所を研削砥石63aで研削する。
研削装置1は、厚さばらつきが所定値以下でないと判定する(ステップS2:No)と、厚さばらつきが所定値以下となるまで、研削手段60を第1の送り速度V1で研削送りする。ここで、研削装置1では、研削砥石63aの下面63bにより、被加工物Wの表面Waのうち鉛直方向に凸となる箇所を研削する。つまり、研削装置1では、図3に示すように、被加工物Wの表面Waのうち鉛直方向に凸となる箇所が徐々に研削され、厚さばらつきが徐々に減少する。
また、研削装置1は、厚さばらつきが所定値以下であると判定する(ステップS2:Yes)と、研削手段60を第2の送り速度V2で研削送りする(ステップS3)。ここで、制御手段100では、厚さ検出部101により検出される厚さばらつきが1μm以下となる(図3および図4に示す時間t2、図4に示す点g)と、ばらつき判定部102により、被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定する。また、制御手段100では、ばらつき判定部102により被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定されると、送り速度設定部103により、研削送り速度を第2の送り速度V2(3μm/s)に設定する。また、研削装置1では、第2の送り速度V2で研削送りされる研削砥石63aで、厚さばらつきが1μm以下となった表面Waを研削する(図4に示す点b)。なお、制御手段100では、上記ステップS2:Yesを実施することにより、第1の研削ステップで研削中に、厚さ測定手段90で測定される被加工物Wの厚さばらつきが所定値以下となることで被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定する。また、制御手段100では、上記ステップS3を実施することにより、第1の研削ステップの後に、研削送り速度を第1の送り速度V1より遅い第2の送り速度V2に減速し、被加工物Wを更に研削する「第2の研削ステップ」を実施する。つまり、実施形態に係る研削方法は、第1の研削ステップと、第2の研削ステップと、を備え、第1の研削ステップで研削中に、厚さ測定手段90で測定される被加工物Wの厚さばらつきが所定値以下となることで被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定する。
次に、研削装置1は、被加工物Wが所定の厚さであるか否かを判定する(ステップS4)。ここで、制御手段100では、厚さ検出部101により検出される被加工物Wの厚さに基づいて、厚さ判定部104により、被加工物Wが所定の厚さであるか否かを判定する。
研削装置1は、被加工物Wが所定の厚さでないと判定する(ステップS4:No)と、被加工物Wが所定の厚さとなるまで、研削手段60を第2の送り速度V2で研削送りする。ここで、研削装置1では、第2の送り速度V2で研削送りされる研削砥石63aで表面Waを研削し、被加工物Wの厚さを所定の厚さに近づける。
また、研削装置1は、被加工物Wが所定の厚さであると判定する(ステップS4:Yes)と、研削手段60を第3の送り速度V3で研削送りする(ステップS5)。ここで、制御手段100では、厚さ検出部101により検出される被加工物Wの厚さが所定の厚さとなる(図3および図4に示す時間t3、図4に示す点h)と、厚さ判定部104により、被加工物Wが所定の厚さであると判定する。また、制御手段100では、厚さ判定部104により被加工物Wが所定の厚さであると判定されると、送り速度設定部103により、研削送り速度を第3の送り速度V3(2μm/s)に設定する。また、研削装置1では、第3の送り速度V3で研削送りされる研削砥石63aで、所定の厚さとなった被加工物Wの表面Waを研削する(図4に示す点c)。
次に、研削装置1は、被加工物Wが仕上げ厚さであるか否かを判定する(ステップS6)。ここで、制御手段100では、厚さ検出部101により検出される被加工物Wの厚さに基づいて、厚さ判定部104により、被加工物Wが仕上げ厚さであるか否かを判定する。
研削装置1は、被加工物Wが仕上げ厚さでないと判定する(ステップS6:No)と、被加工物Wが仕上げ厚さとなるまで、研削手段60を第3の送り速度V3で研削送りする。ここで、研削装置1では、第3の送り速度V3で研削送りされる研削砥石63aで表面Waを研削し、被加工物Wの厚さを仕上げ厚さに近づける。
また、研削装置1は、被加工物Wが仕上げ厚さであると判定する(ステップS6:Yes)と、研削手段60を第4の送り速度V4で研削送りする(ステップS7)。ここで、制御手段100では、厚さ検出部101により検出される被加工物Wの厚さが仕上げ厚さとなる(図3および図4に示す時間t4、図4に示す点i)と、厚さ判定部104により、被加工物Wが仕上げ厚さであると判定する。また、制御手段100では、厚さ判定部104により被加工物Wが仕上げ厚さであると判定されると、送り速度設定部103により、研削送り速度を第4の送り速度V4(0μm/s)に設定する。また、研削装置1では、第4の送り速度V4、つまり鉛直方向の上下に移動しない研削砥石63aで、仕上げ厚さとなった被加工物Wの表面Waに対してスパークアウトを施す(図4に示す点d)。
次に、研削装置1は、所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS8)。ここで、制御手段100は、表面Waに対してスパークアウトを施すための所定の時間(例えば数秒程度)が経過したか否かを判定する。
研削装置1は、所定の時間が経過するまで(ステップS8:No)スパークアウトを実施(図3および図4に示す時間t4、点d)し、所定の時間が経過した(図3および図4に示す時間t5、点e)と判定する(ステップS8:Yes)と、研削手段60を上昇させ(ステップS9)、被加工物Wに対する研削加工を終える。ここで、研削装置1では、チャックテーブル50の保持面50aに保持される被加工物Wが仕上げ厚さとなる(図4に示す点j)。
以上のように、実施形態に係る研削装置1を用いて面内厚さばらつきのある被加工物Wを研削する研削方法によれば、第1の研削ステップで研削中に、厚さ測定手段90で測定される被加工物Wの厚さばらつきが1μm以下となることで被加工物Wの表面Wa全面が研削されたと判定する。このため、実施形態に係る研削方法によれば、厚さばらつきが1μmより大きいうちは、研削砥石63aの下面63bと表面Waとが全面当たりする場合より接触面積が小さく、研削砥石63aや被加工物Wへの加工負荷が小さくなる。つまり、実施形態に係る研削方法によれば、厚さ測定手段90で測定される被加工物Wの厚さばらつきが1μm以下となるまでは、被加工物Wに向かって、研削砥石63aの下面63bと表面Waとが全面当たりすると欠けたり割れたりする虞のある第1の送り速度V1(4μm/s)で研削砥石63aを研削送りすることができ、研削砥石63aの下面63bが表面Waに衝突しないように設定されるマージンが不要となる。そして、実施形態に係る研削方法によれば、図3および図4に示す時間t1より十分に早い時間で研削送り速度を減速する必要がなく、研削手段60の鉛直方向の上方の初期位置から表面Wa全面が研削されるまで第1の送り速度V1で、研削手段60を研削送りすることができる。したがって、実施形態に係る研削方法によれば、研削加工時間を短縮することができるという効果を奏する。
なお、上記の実施形態では、厚さ測定手段90により被加工物Wの所定の厚さ、および仕上げ厚さを検出することで研削手段60の動作を制御していたが、これに限定されず、例えば、表面Wa全面が研削されたと判定した(上記ステップS2:Yes)時の被加工物Wの厚さに基づいて、所定の厚さ、および仕上げ厚さまで研削手段60を研削送りするために定められた研削送り量の指令値に従って制御、いわゆるシーケンス制御してもよい。このようなシーケンス制御を実施した場合であっても、厚さ測定手段90により被加工物Wの表面Waの厚さばらつきが1μm以下(所定値以下)となることを検出するように構成することで、被加工物Wに対して研削加工を施すための研削加工時間を短縮することができる。
1 研削装置
50 チャックテーブル
50a 保持面
60 研削手段
63 研削ホイール
63a 研削砥石
70 研削送り手段
90 厚さ測定手段
V1 第1の送り速度
V2 第2の送り速度
W 被加工物
Wa 表面

Claims (1)

  1. 板状の被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、研削ホイールの研削砥石を前記チャックテーブルの保持面に対向配置し前記チャックテーブルに保持された被加工物を研削する研削手段と、前記研削手段を前記チャックテーブルに接近および離間させる研削送り手段と、前記チャックテーブルに保持された被加工物の厚さを検出する厚さ測定手段と、を備えた研削装置を用いて面内厚さばらつきのある被加工物を研削する研削方法であって、
    前記チャックテーブルの保持面に保持した被加工物に向かって、前記研削ホイールの前記研削砥石を第1の送り速度で研削送りして接近させ、被加工物の表面全面が研削されるまで研削する第1の研削ステップと、
    前記第1の研削ステップの後に、研削送り速度を前記第1の送り速度より遅い第2の送り速度に減速し、被加工物を更に研削する第2の研削ステップと、を備え、
    前記第1の研削ステップで研削中に、前記厚さ測定手段で測定される被加工物の厚さばらつきが所定値以下となることで被加工物の表面全面が研削されたと判定することを特徴とする被加工物の研削方法。
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