JP7291056B2 - ウェーハの研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェーハ等の被加工物の研磨方法に関する。
例えば特許文献1に開示されているように、スラリーをウェーハに供給しつつ研磨パッドでチャックテーブルに保持されたウェーハを研磨する研磨装置は、予め設定された厚みのウェーハをチャックテーブルに保持させ研磨パッドをウェーハに押し付けて研磨している。
つまり、設定されたウェーハの厚みより僅かに上の高さ位置まで研磨パッドを高速で下降させ、その高さ位置から研磨パッドをウェーハに押し付けたときに計測できる荷重を検出可能な状態で例えば5μm/秒という遅い速度で研磨パッドを下降(エアカット下降)させ、その後、研磨パッドをウェーハに所定の荷重で押し付けてウェーハの被研磨面である上面を研磨している。
特開2016-215284号公報
上記のような研磨装置は、複数枚のウェーハを棚状に収納したウェーハカセットから、ウェーハを一枚ずつロボットで搬出しチャックテーブルに保持させて研磨パッドで研磨している。このウェーハカセットに収納されている複数枚のウェーハは、例えば100μmから200μmの厚み差がある。この複数枚のウェーハを同じ研磨除去量で、即ち、同じ研磨荷重を与えながら研磨したいという要望がある。
しかし、ウェーハの投入厚みのばらつきがある場合、即ち、例えば、設定されたウェーハの厚みより厚いウェーハをチャックテーブルに保持させた場合に、設定されたウェーハの厚みより僅かに上の高さ位置(研磨開始位置)まで研磨パッドを高速で下降させた際に、厚いウェーハに研磨パッドが接触するため、研磨パッドの下面でウェーハの上面を強く押すこととなり、ウェーハに許容値よりも大きな荷重がかかりウェーハを破損させるという問題がある。
また、設定されたウェーハの厚みより薄いウェーハをチャックテーブルに保持させた場合に、設定されたウェーハの厚みより僅かに上の高さ位置まで研磨パッドを高速で下降させた後に、例えば5μm/秒という遅い速度で研磨パッドをさらに想定よりも長い距離下降させるため、該研磨パッドの下面をウェーハの上面に接触させるまでに時間が多くかかるという問題がある。
したがって、研磨装置を用いてウェーハを研磨する場合において、ウェーハカセットに収納されている複数枚のウェーハの厚みが均一で無くても、研磨装置に設定されたウェーハ厚みより厚いウェーハ、及び設定されたウェーハ厚みより薄いウェーハを、設定された厚みのウェーハと同様に研磨、即ち、同一の研磨荷重範囲内の荷重をかけつつ研磨できるようにし、かつ、上記ウェーハの破損や研磨パッドの下面がウェーハの上面に接触するまでの時間が長くなってしまうことなどを防ぐという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、保持面でウェーハを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたウェーハの上面に研磨パッドの下面を接触させウェーハを研磨する研磨手段と、該研磨手段を該保持面に垂直な上下方向に移動させる上下動手段と、該保持面に保持されたウェーハに該研磨パッドを押し付けた荷重を測定する荷重センサと、を備えた研磨装置を用いたウェーハの研磨方法であって、該保持面に保持されたウェーハの上面と該研磨パッドの下面との間に隙間を設けた準備位置に該研磨パッドを位置づける準備位置位置づけ工程と、該準備位置に該研磨パッドを位置づけた後、該上下動手段を用いて予め設定された距離と速度で該研磨パッドを下降させて停止する下降工程と、該下降工程により該研磨パッドを停止させた後、該荷重センサで測定した荷重値が予め設定した閾値以上か否かを判断する判断工程と、該判断工程により該荷重センサで測定した荷重値が該閾値以上であると判断されるまで該下降工程と、該判断工程とを繰り返す繰り返し工程と、該判断工程により該荷重センサで測定した荷重値が該閾値以上であると判断されたら、該閾値を含む所定の荷重範囲内の荷重を該ウェーハに与えつつ該ウェーハを研磨する研磨工程と、を備えるウェーハの研磨方法である。
本発明に係るウェーハの研磨方法は、保持面に保持されたウェーハの上面と研磨パッドの下面との間に隙間を設けた準備位置に研磨パッドを位置づける準備位置位置づけ工程と、準備位置に研磨パッドを位置づけた後、上下動手段を用いて予め設定された距離と速度で研磨パッドを下降させて停止する下降工程と、下降工程により研磨パッドを停止させた後、荷重センサで測定した荷重値が予め設定した閾値以上か否かを判断する判断工程と、判断工程により荷重センサで測定した荷重値が閾値以上であると判断されるまで下降工程と、判断工程とを繰り返す繰り返し工程と、判断工程により荷重センサで測定した荷重値が閾値以上であると判断されたら、閾値を含む所定の荷重範囲内の荷重をウェーハに与えつつウェーハを研磨する研磨工程と、を備えることで、ウェーハカセットに収納されている複数枚のウェーハの厚みが均一で無くても、研磨装置に設定された厚みより厚いウェーハ及び設定された厚みより薄いウェーハを、設定された厚みのウェーハと同様に研磨、即ち、同一の研磨荷重をウェーハにかけつつ研磨できるようになり、かつ、研磨パッドの接触によるウェーハの破損や研磨パッドの下面がウェーハの上面に接触するまでの時間が長くなってしまうこと等を防ぐことが可能となる。
研磨装置の一例を示す斜視図である。 研磨手段及び保持手段の構造の一例を示す断面図である。 薄いウェーハを本発明に係るウェーハの研磨方法で研磨する場合の、研磨パッドの高さ位置を示すグラフ、及びホルダ荷重センサで測定した荷重値を示すグラフである。 設定厚みよりも薄いウェーハを従来のウェーハの研磨方法で研磨する場合の、研磨パッドの高さ位置を示すグラフ、及びホルダ荷重センサで測定した荷重値を示すグラフである。 設定厚みのウェーハを従来のウェーハの研磨方法で研磨する場合の、研磨パッドの高さ位置を示すグラフ、及びホルダ荷重センサで測定した荷重値を示すグラフである。 厚いウェーハを本発明に係るウェーハの研磨方法で研磨する場合の、研磨パッドの高さ位置を示すグラフ、及びホルダ荷重センサで測定した荷重値を示すグラフである。 設定厚みよりも厚いウェーハを従来のウェーハの研磨方法で研磨する場合の、研磨パッドの高さ位置を示すグラフ、及びホルダ荷重センサで測定した荷重値を示すグラフである。
図1に示す研磨装置1は、保持手段30の保持面300a上に保持されたウェーハWを、保持面300aに垂直な鉛直方向(Z軸方向)の軸心を備えるスピンドル70に装着された研磨パッド76で研磨する装置であり、Y軸方向に延びる装置ベース10と、装置ベース10上の後方側(-X方向側)に立設されたコラム11とを備えている。
図1に示すウェーハWは、例えば、シリコン等からなり外形が円形である半導体ウェーハを複数枚積層させた積層ウェーハであり、図1において上側を向いている上面Wbが被研磨面となる。図1において下側を向いているウェーハWの下面Waは、例えば、図示しない保護テープが貼着されて保護されている。なお、ウェーハWは本実施形態の例に限定されるものではない。
研磨装置1は、図1に示すウェーハカセット21を載置できる図示しないカセット載置台を備えており、ウェーハWは、該カセット載置台に載置されたウェーハカセット21内に複数枚棚状に収納されている。
ウェーハカセット21は、例えば、底板210と、天板211と、後壁212と、2枚の側壁213と、前方側(+X方向側)の開口214とを有しており、開口214からウェーハWを搬出入できる構成となっている。ウェーハカセット21の内部には、複数の棚部215が上下方向に所定の間隔をあけて形成されており、棚部215においてウェーハWを一枚ずつ収納することが可能となっている。なお、ウェーハカセット21の構成は本例に限定されるものではない。
例えば、ウェーハカセット21に収納されているウェーハWは、半導体ウェーハの積層枚数によって約100μmから約200μmの厚み差があり、作業者は該事実を知っている。
外形が円形の保持手段30は、例えばチャックテーブルであり、ポーラス部材等からなりウェーハWを吸着する吸着部300と、吸着部300を支持する枠体301とを備える。吸着部300は、真空発生装置等の図示しない吸引源に連通し、該吸引源が吸引することで生み出された吸引力が、吸着部300の上面(露出面)である保持面300aに伝達されることで、保持手段30は保持面300a上でウェーハWを吸引保持できる。
また、保持手段30は、カバー39により周囲を囲まれつつ、保持手段30の下方に配設された図示しない回転手段によりZ軸を軸に回転可能となっている。
保持手段30、カバー39、及びカバー39に連結された蛇腹カバー39aの下方には、保持手段30及びカバー39をY軸方向に水平移動させるY軸移動手段34が配設されている。蛇腹カバー39aは、保持手段30及びカバー39の移動に伴ってY軸方向に伸縮する。
Y軸移動手段34は、Y軸方向の軸心を有するボールネジ340と、ボールネジ340と平行に配設された一対のガイドレール341と、ボールネジ340に連結しボールネジ340を回動させるモータ342と、内部のナットがボールネジ340に螺合し底部がガイドレール341に摺接する可動板343とを備えており、モータ342がボールネジ340を回動させると、これに伴い可動板343がガイドレール341にガイドされてY軸方向に往復移動し、可動板343上に配設された保持手段30がY軸方向に往復移動する。
図2に示すように、例えば、可動板343上には、保持手段30の保持面300aの傾きを調整する傾き調整手段36が配設されている。傾き調整手段36は、例えば、可動板343の上面に周方向に等間隔空けて2つ以上設けられている。即ち、例えば保持手段30の周方向に120度間隔で、2つの傾き調整手段36と、図示しない支持柱とが配設されている。2つの傾き調整手段36は、例えば、ロッド360がシリンダ361内からZ軸方向に上下動可能である電動シリンダやエアシリンダ等であるが、これに限定されず、例えばZ軸方向に伸縮する圧電素子等で構成されていてもよい。2つの傾き調整手段36のロッド360が上下動することで、保持面300aの傾きを調整することができる。
保持手段30は、テーブルベース33上に固定された状態で、傾き調整手段36によって傾き調整が可能となっている。
下面に傾き調整手段36が連結されたテーブルベース33は、例えば、平面視円形板状の二枚のベース板331、ベース板332で構成されている。二枚のベース板331、ベース板332は、固定ボルト333によって一体化されており、上下方向から例えば3つのテーブル荷重センサ38(図2においては、2つのみ図示)を挟んだ状態となっている。
図1、2に示す保持手段30の保持面300aに保持されたウェーハWに研磨パッド76を押し付けた荷重を測定する3つのテーブル荷重センサ38は、保持手段30の周方向に120度間隔空けて、即ち、正三角形の頂点にそれぞれ位置しており、固定ボルト333によって、ベース板331とベース板332との間にねじ止めされている。したがって、テーブル荷重センサ38は、保持手段30を支持しており、保持手段30に対して+Z方向から掛かる荷重を受けて検出する。テーブル荷重センサ38は、例えば、圧電素子を用いたキスラー社製の動力計等で構成されている。
図1に示すように、コラム11の前面には研磨手段7を保持手段30の保持面300aに垂直な上下方向に移動させる上下動手段5が配設されている。上下動手段5は、Z軸方向に延在するボールネジ50と、ボールネジ50と平行に配設された一対のガイドレール51と、ボールネジ50の上端に連結しボールネジ50を回動させるモータ52と、内部のナットがボールネジ50に螺合し側部がガイドレール51に摺接する昇降板53とを備えており、モータ52がボールネジ50を回動させると、これに伴い昇降板53がガイドレール51にガイドされてZ軸方向に往復移動し、昇降板53に固定された研磨手段7がZ軸方向に研磨送りされる。
図1に示すように、研磨手段7は、軸方向がZ軸方向であるスピンドル70と、スピンドル70を回転可能に支持するハウジング71と、スピンドル70を回転駆動するモータ72と、スピンドル70の下端に接続された円形板状のマウント73と、マウント73の下面に装着される円形板状のプラテン74と、プラテン74の下面に取り付けられた研磨パッド76と、ハウジング71を支持し上下動手段5の昇降板53にその側面が固定されたホルダ75と、を備える。
平面視円形の研磨パッド76は、例えば、フェルト等の不織布からなり、プラテン74の直径と同程度の大きさとなっており、また、保持手段30に保持されるウェーハWの直径よりも大径となっている。
例えば、図2に示すように、ホルダ75の底板75bと側板75cとの間には、保持手段30の保持面300aに保持されたウェーハWに研磨パッド76を押し付けた荷重を測定するホルダ荷重センサ77が、上下から挟まれるように配設されている。3つ(図2においては、2つのみ図示)のホルダ荷重センサ77は、研磨パッド76の周方向に120度間隔空けて、即ち、正三角形の頂点にそれぞれ位置しており、固定ボルト773によって、ホルダ75の底板75bと側板75cとの間にねじ止めされている。ホルダ荷重センサ77は、例えば、圧電素子を用いたキスラー社製の動力計等で構成されている。
なお、研磨装置1は、ホルダ荷重センサ77とテーブル荷重センサ38との少なくともいずれか一方を備えていればよい。
図1に示すスピンドル70の内部からプラテン74の内部にかけては、Z軸方向に延びる図示しない研磨液流路が形成されており、この研磨液流路には研磨液を送出可能な研磨液供給源79が連通している。研磨液供給源79からスピンドル70に対して送出される研磨液は、該図示しない研磨液流路の下端の開口から研磨パッド76に供給される。研磨パッド76のウェーハWに当接する下面には、例えば図示しない格子状の溝が形成されており、研磨パッド76に供給された研磨液は主に格子状の溝内を流れて研磨パッド76の下面全面に広がっていく。
なお、研磨装置1は、研磨液を用いるCMP(化学的機械研磨)を実施する構成ではなく、ウェーハWをドライ研磨する構成となっていてもよい。
図1に示すように、研磨装置1は、例えば、装置全体の制御を行う制御手段9を備えている。CPU等で構成される制御手段9は、研磨装置1の各構成要素に電気的に接続されている。制御手段9は、例えば、上下動手段5、及び研磨手段7等に電気的に接続されており、制御手段9による制御の下で、上下動手段5による研磨手段7の上下動動作、及び研磨手段7における研磨パッド76の回転動作等が実施される。
また、研磨装置1は、メモリ等の記憶素子で構成される記憶部90を備えている。
制御手段9は、図2に示すホルダ荷重センサ77及びテーブル荷重センサ38に有線又は無線の通信経路を介して接続されている。
例えば、ホルダ荷重センサ77やテーブル荷重センサ38は、加えられた荷重によりセンサを構成する圧電素子が僅かに変形し、圧電素子には荷重に応じた電位差が発生する。圧電素子に電位差が生じることで、ホルダ荷重センサ77やテーブル荷重センサ38から荷重検出信号が制御手段9に送られる。
(ウェーハの研磨方法の実施形態1:薄いウェーハに対する研磨)
以下に、上記図1、2に示す研磨装置1を用いてウェーハWの上面Wbを研磨する場合の、各工程について説明する。
研磨装置1が研磨を実際に行うにあたり、保持手段30の保持面300aから例えば研磨パッド76の下面までのZ軸方向における相対距離を高精度に把握するセットアップがなされる。セットアップの一例としては、研磨手段7を下降させて、研磨パッド76の下面を保持手段30の保持面300aに接触させて、この接触した際の研磨手段7の研磨送り位置から制御手段9が該相対距離を把握して記憶部90に記憶する。なお、セットアップは実施されなくてもよい。
また、記憶部90には、ウェーハカセット21に収納されている複数枚の厚みが異なるウェーハWの中で、想定されるウェーハWの最も厚い厚み(例えば、厚み3.5mmとする)が、予め記憶、又は、作業者が図示しない入力手段(研磨装置1付属のタッチパネルやキーボード)を介して入力することで記憶されている。そして、最も厚いウェーハWの厚みについてのデータとセットアップによって把握された保持面300aから研磨パッド76の下面までのZ軸方向における相対距離についてのデータとから、図2に示す研磨パッド76の下面と保持手段30に保持された最も厚いウェーハWの上面Wbとの間に所定の隙間を設けた研磨パッド76の準備位置Z1(図3参照)が、制御手段9によって把握され記憶部90に記憶される。
なお、図3に示すグラフF1は、研磨パッド76の高さ位置の変化を示すグラフである。
準備位置Z1は、例えば、図1に示すウェーハカセット21に収納されている複数枚の厚みが異なるウェーハWの中で、最も厚いウェーハWの厚みが3.5mmならば、保持手段30に保持された想定される最も厚いウェーハWの上面Wbの高さ位置Z0(図3参照)よりも研磨パッド76の下面が0.1mmだけ高い位置、即ち、保持面300aより3.6mm上の高さ位置に研磨パッド76の下面が位置する位置である。
なお、研磨装置1に設定される加工条件(デバイスデータ)において、研磨前のウェーハWの厚み(投入厚み)は、例えば、想定される最も厚い厚み3.5mm(以下、想定される最も厚い厚みとする)が設定され、作業者等によって制御手段9に入力されて、記憶部90に記憶される。
(1)準備位置位置づけ工程
まず、図示しない搬送手段が、図1に示すウェーハカセット21から一枚のウェーハWを引き出し、保持手段30の中心とウェーハWの中心とが略合致するように、ウェーハWを上面Wbを上に向けた状態で保持面300a上に載置する。この状態で、図示しない吸引源が作動することで生み出された吸引力が保持面300aに伝達されることにより、保持手段30が保持面300a上でウェーハWを吸引保持する。
なお、本実施形態1において、保持手段30に保持されたウェーハWは、例えば、ウェーハカセット21内に収納されているウェーハWの平均的な厚みよりも、厚みが薄いウェーハWであるとする。
次に、薄いウェーハWを吸引保持した状態の保持手段30がY軸方向に移動して、研磨手段7の研磨パッド76と保持手段30に保持された薄いウェーハWとの位置合わせがなされる。本実施形態1における位置合わせでは、図2に示すように、研磨加工中において、常にウェーハWの上面Wb全面に研磨パッド76が当接し、かつ、研磨パッド76の中心に開口する図示しない研磨液流路がウェーハWの上面Wbで塞がれた状態になるように、保持手段30が所定位置に位置づけられる。なお、図2に示す例においては、研磨パッド76の外周とウェーハWの外周とを略合致させているが、略合致させなくてもよい。
制御手段9による制御の下で上下動手段5が、例えば原点高さ位置に位置している研磨手段7を所定の速度、即ち、研磨パッド76をウェーハWに当接させて研磨する際の下降速度よりも高速で下降させていく。また、原点高さ位置から下降し始めた研磨手段7の高さ位置は、制御手段9によって常に把握されている。
そして、図2に示す研磨手段7の研磨パッド76の下面が準備位置Z1に位置付けられ、薄いウェーハWの上面Wbと研磨パッド76の下面との間に所定の隙間が設けられる。該隙間の大きさは、保持されたウェーハWが薄いウェーハWであるので、0.1mmよりも大きな隙間となる。
なお、制御手段9による上記上下動手段5の動作制御の一例として、例えば、上下動手段5のモータ52がサーボモータである場合には、サーボモータのロータリエンコーダは、サーボアンプとしての機能も有する制御手段9に接続されており、制御手段9の出力インターフェイスからサーボモータに対して動作信号が供給された後、サーボモータの回転数をエンコーダ信号として制御手段9の入力インターフェイスに対して出力する。そして、エンコーダ信号を受け取った制御手段9は、研磨パッド76の下面の高さ位置を逐次認識しつつ、上下動手段5によって所望の下降速度で研磨手段7を下降させることができる。
また、図1、2に示すモータ72がスピンドル70を回転させるのに伴って、研磨パッド76が、所定の回転速度で回転する。
(2-1)1回目の下降工程
図2、3に示す準備位置Z1に研磨パッド76を位置づけた後、制御手段9の制御の下で、上下動手段5を用いて予め設定された距離と速度で研磨パッド76が下降されてから停止する。即ち、例えば、上下動手段5が、予め設定された距離50μm分だけ、予め設定されたエアカット下降速度である下降速度2mm/秒で研磨パッド76を下降させて停止させるステップ送りを実行する。なお、予め設定された下降速度2mm/秒は、従来の研磨方法におけるエアカット時(空切り時)のエアカット下降速度よりも速く設定されている。また、該距離及び該下降速度は、研磨パッド76の種類等によって適宜の値に変更される。また、該距離は、ウェーハWに接触していない研磨パッド76を下降させたことによりウェーハWに接触させた際に、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値より小さくなるように設定されている。つまり、該距離は、研磨パッド76の潰し代以内であればよい。
(3-1)1回目の判断工程
下降工程により研磨パッド76を停止させた後、例えば、本実施形態1においては図2に示す3つのホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値以上か否かが判断される。なお、ホルダ荷重センサ77ではなく、テーブル荷重センサ38で測定した荷重値を基に判断工程が実施されてもよい。
例えば、制御手段9の記憶部90には、予め、ウェーハWの研磨に際してホルダ荷重センサ77で測定した荷重値と比較される閾値G1N(図3参照)が記憶されている。この閾値G1Nは、実験的、経験的、又は理論的に選択された値であり、研磨パッド76のウェーハWの上面Wbに対する接触を図1、2に示す制御手段9が備える判断部91が判断するために記憶される荷重値である。
なお、図3に示すグラフF2は、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値の変化を示している。
図3に示す閾値G1Nは、例えば、所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3Nの中間値となっている。この所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3Nは、実験的、経験的、又は理論的に選択された値であり、研磨パッド76によりウェーハWの上面Wbに適切な研磨を施すために記憶部90に記憶される荷重値の範囲である。
図3に示すように、1回目の判断工程におけるホルダ荷重センサ77による1回目の荷重測定においては、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値は、閾値G1N以上ではない。したがって、ホルダ荷重センサ77から送られてくる荷重値について情報(例えば、荷重値0N)と閾値G1Nとを比較監視している制御手段9の判断部91が、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値G1N未満であると判断する。
なお、ホルダ荷重センサ77により荷重を測定中に、研磨パッド76の下降は停止されているが、この下降停止時間は、ホルダ荷重センサ77による測定を安定させるための例えば0.5秒程度と非常に短い時間となる。
(4-1)1回目の繰り返し工程
1回目の判断工程においてホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が閾値G1N未満であると判断されたため、上記下降工程と、上記判断工程とを繰り返す繰り返し工程が実施される。
(2-2)n回目の下降工程
例えば、上記下降工程と判断工程とが複数回繰り返された後、上下動手段5が、予め設定された距離50μm分だけ、2mm/秒で研磨パッド76を下降させて停止させるステップ送りを実行することで、研磨手段7の研磨パッド76の下面が図3に示す接触高さ位置Z2に位置付けられる。
(3-2)n回目の判断工程
n回目の下降工程により研磨パッド76を停止させた後、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値G1N以上か否かが判断される。
図3に示すように、n回目の判断工程におけるホルダ荷重センサ77によるn回目の荷重測定において、ホルダ荷重センサ77は、閾値G1N以上の荷重値G4Nを測定する。そして、ホルダ荷重センサ77から送られてくる荷重値G4Nについて情報と閾値G1Nとを比較監視している制御手段9の判断部91が、測定された荷重値G4Nが予め設定した閾値G1N以上であると判断する。そして、判断部91が、研磨パッド76がウェーハWの上面Wbに接触したと判断する。
なお、判断部91は、以下のように、予め設定した距離で研磨パッド76を下降させたことによって、研磨パッド76がウェーハWの上面Wbに既に接触しているがホルダ荷重センサ77で測定した荷重値G4Nが予め設定した閾値G1Nに満たない状態から、下降工程と、判断工程とを実施した後に、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値G4Nが予め設定した閾値G1N以上となった際に研磨パッド76がウェーハWに接触したと判断させてもよい。
(4-2)n回目の繰り返し工程
n回目の判断工程においてホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が閾値G1N以上であると判断されたため、下降工程と、判断工程とを繰り返す繰り返し工程は実施されず、後述する研磨工程が実施される。なお、n回目の判断工程において、3つのホルダ荷重センサ77の全てが、閾値G1N以上の荷重G4Nを測定しなくても、少なくとも1つのホルダ荷重センサ77が閾値G1N以上の荷重G4Nを測定すれば、n回目の繰り返し工程を実施せず、後述する研磨工程に移行してよい。
(5)研磨工程
n回目の判断工程によりホルダ荷重センサ77で測定した荷重値G4Nが閾値G1N以上であると判断されたため、閾値G1Nを含む所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3N内の荷重をウェーハWに与えつつウェーハWが研磨されていく。
即ち、図2に示す研磨手段7が上下動手段5により所定の研磨送り速度、即ち、例えば、準備位置Z1から接触高さ位置Z2までの下降速度であるエアカット下降速度よりも遅い速度で下降し、研磨パッド76の下面がウェーハWの上面Wbに当接しつつ研磨加工が行われる。さらに、研磨加工中は、保持手段30が所定の回転速度で回転するのに伴って、保持面300a上に保持されたウェーハWも回転し、研磨パッド76によってウェーハWの上面Wb全面が研磨される。
上記研磨加工中は、ウェーハWと研磨パッド76との接触部位にスラリー(研磨液)を供給する。即ち、図1に示す研磨液供給源79からスラリー(例えば、遊離砥粒としてSiO、Al等を含む研磨液)がスピンドル70に対して送出され、スラリーがウェーハWと研磨パッド76との接触部位に供給される。
また、上記研磨加工中は、制御手段9による制御の下で、例えば、上下動手段5のモータ52に供給される動作信号が減らされて研磨パッド76のウェーハWに対する押し付けが弱められるのと、上下動手段5のモータ52に供給される動作信号が増やされて研磨パッド76のウェーハWに対する押し付けが強められるのとが、所定の時間間隔を基準として、又は、ホルダ荷重センサ77から送られてくる荷重値の変動の判断部91による監視を基準として、閾値G1Nを含む所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3N内の荷重をウェーハWに与えつつウェーハWが研磨されていく。
そして、研磨時間の制御(研磨量の制御)がされつつ、研磨手段7の研磨パッド76の下面が図3に示す研磨終了高さ位置Z3に位置付けられることで、研磨加工が終了し、上下動手段5が研磨手段7を上昇させウェーハWから離間させる。
上記のように本発明に係るウェーハの研磨方法は、保持面300aに保持されたウェーハWの上面Wbと研磨パッド76の下面との間に隙間を設けた準備位置Z1に研磨パッド76を位置づける準備位置位置づけ工程と、準備位置Z1に研磨パッド76を位置づけた後、上下動手段5を用いて予め設定された距離と速度(例えば、従来のエアカット下降速度よりも速い速度)で研磨パッド76を下降させて停止する下降工程と、下降工程により研磨パッド76を停止させた後、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値G1N以上か否かを判断する判断工程と、判断工程によりホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が閾値G1N以上であると判断されるまで下降工程と、判断工程とを繰り返す繰り返し工程と、判断工程によりホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が閾値G1N以上であると判断されたら、閾値G1Nを含む所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3N内の荷重をウェーハWに与えつつウェーハWを研磨する研磨工程と、を備えることで、ウェーハカセット21に収納されている複数枚のウェーハWの厚みが均一で無くても、薄い厚みが異なるウェーハWを、研磨する事ができる。即ち、厚みが異なっていても、同様のエアカットを行うと共に、同一の研磨荷重(閾値G1Nを含む所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3N内の荷重)をウェーハWに与えつつ研磨できるようになる。そのため、研磨パッド76の下面がウェーハWの上面Wbに接触するまでの時間(エアカット時間)が長くなってしまうこと等を防ぐことが可能となる。
図4に示すグラフF3は、従来のウェーハW(設定厚みより薄いウェーハW)の研磨方法における研磨パッドの76の高さ位置の変化を示すグラフである。従来の研磨方法における設定厚みは、ウェーハカセット21に収容されているウェーハWの例えば平均的な厚みである。また、図4に示すグラフF4は、従来のウェーハW(設定厚みより薄いウェーハW)の研磨方法におけるホルダ荷重センサ77で測定した荷重値の変化を示すグラフである。従来のウェーハWの研磨方法では、研磨手段7の研磨パッド76の下面がエアカット開始位置Z11に位置付けられてから、上下動手段5が、研磨手段7をステップ送りせずに、本発明におけるエアカット下降速度(例えば、2mm/秒)よりも遅いエアカット下降速度(例えば、5μm/秒)で研磨手段7を下降させていく。なお、エアカット開始位置Z11は、例えば、保持手段30に設定厚みのウェーハWを保持した場合に、設定厚みのウェーハWの上面Wbに対する接触高さ位置Z4よりも研磨パッド76の下面が所定距離(例えば、0.1mm)だけ高い位置に設定されている。そして、研磨パッド76の下面がウェーハWの上面Wbに接触するまでの時間(エアカット時間)が、本発明に係るウェーハWの研磨方法に比べて長くなっており、図3に示すように、本発明に係るウェーハの研磨方法がエアカット時間を短縮できることがわかる。
エアカット時間は、例えば、ウェーハWの厚みが50μmであった場合、従来の研磨方法では、エアカット開始位置Z11であるウェーハWの上面Wbより100μm上から5μm/秒で下降するため20秒かかる。対して、本発明では、エアカット時間は、保持手段30の保持面300aより3.6mm上から2mm/秒で50μmずつステップ移動させ、ステップ送りする度に荷重値の測定するために0.2秒かかり、ステップ回数は71回実施させ、約16秒となる。
図5に示すグラフF7は、従来のウェーハW(設定厚みのウェーハW)の研磨方法における研磨パッドの76の高さ位置の変化を示すグラフである。また、図5に示すグラフF8は、従来のウェーハW(設定厚みのウェーハW)の研磨方法におけるホルダ荷重センサ77で測定した荷重値の変化を示すグラフである。従来のウェーハWの研磨方法では、研磨手段7の研磨パッド76の下面がエアカット開始位置Z11に位置付けられてから、上下動手段5が、研磨手段7をステップ送りせずに、本発明におけるエアカット下降速度(例えば、2mm/秒)よりも遅いエアカット下降速度(例えば、5μm/秒)で研磨手段7を下降させていく。なお、エアカット開始位置Z11は、例えば、保持手段30に設定厚みのウェーハWを保持した場合に、設定厚みのウェーハWの上面Wbよりも研磨パッド76の下面が所定距離(例えば、0.1mm)だけ高い位置に設定されている。そして、研磨パッド76の下面がウェーハWの上面Wbに接触するまでの時間(エアカット時間)が、本発明に係るウェーハWの研磨方法に比べて長くなる。
(ウェーハの研磨方法の実施形態2:厚いウェーハに対する研磨)
以下に、上記図1、2に示す研磨装置1を用いて厚いウェーハWの上面Wbを研磨する場合の、各工程について説明する。
研磨装置1が研磨を実際に行うにあたり、例えば、保持手段30の保持面300aから研磨パッド76の下面までのZ軸方向における相対距離を高精度に把握するセットアップがなされている。
最も厚いウェーハWの厚み(例えば、厚み3.5mm)についてのデータとセットアップによって把握された保持面300aから研磨パッド76の下面までのZ軸方向における相対距離についてのデータとから、図2に示す研磨パッド76の下面と保持手段30に保持された最も厚いウェーハWの上面Wbとの間に所定の隙間(例えば、0.1mm)を設けた研磨パッド76の準備位置Z1(図6参照)が、制御手段9によって把握され記憶部90に記憶されている。
なお、図6に示すグラフF9は、研磨パッド76の高さ位置の変化を示すグラフである。
(1)準備位置位置づけ工程
まず、図示しない搬送手段が、図1に示すウェーハカセット21から一枚のウェーハWを引き出し、さらに、保持手段30の中心とウェーハWの中心とが略合致するようにして、保持手段30が保持面300a上でウェーハWを吸引保持する。なお、本実施形態3において、保持手段30に保持されたウェーハWは、例えば、ウェーハカセット21内に収納されているウェーハWの平均的な厚みよりも厚いウェーハWであるとする。
次に、厚いウェーハWを吸引保持した状態の保持手段30がY軸方向に移動して、研磨手段7の研磨パッド76と保持手段30に保持された厚いウェーハWとの位置合わせが実施形態1と同様になされる。
制御手段9による制御の下で、上下動手段5が、例えば原点高さ位置に位置している研磨手段7を所定の速度、即ち、研磨パッド76をウェーハWに当接させて研磨する際の下降速度よりも高速で下降させていく。また、下降し始めた研磨手段7の高さ位置は、制御手段9によって常に把握されている。そして、図2、6に示す研磨手段7の研磨パッド76の下面が準備位置Z1に位置付けられ、厚いウェーハWの上面Wbと研磨パッド76の下面との間に所定の隙間が設けられる。該隙間の大きさは、0.1mmである。
また、図1に示すモータ72がスピンドル70を回転させるのに伴って、研磨パッド76が、所定の回転速度で回転する。
(2-1)1回目の下降工程
図2、6に示す準備位置Z1に研磨パッド76を位置づけた後、制御手段9の制御の下で、例えば、上下動手段5が、予め設定された距離50μm分だけ、予め設定されたエアカット下降速度2mm/秒で研磨パッド76を下降させて停止させるステップ送りを実行する。予め設定された下降速度2mm/秒は、従来の研磨方法におけるエアカット時のエアカット下降速度よりも速く設定されている。
(3-1)1回目の判断工程
下降工程により研磨パッド76を停止させた後、例えば、3つのホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値以上か否かが判断される。
制御手段9の記憶部90に記憶されている図6に示す閾値G1Nは、例えば、所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3Nの中間値となっている。そして、1回目の判断工程におけるホルダ荷重センサ77による1回目の荷重測定においては、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値は、閾値G1N以上ではないため、ホルダ荷重センサ77から送られてくる荷重値について情報(例えば、荷重値0N)と閾値G1Nとを比較監視している制御手段9の判断部91が、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値G1N未満であると判断する。
なお、図6に示すグラフF10は、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値の変化を示している。また、ホルダ荷重センサ77により荷重を測定中に、研磨パッド76の下降は一時停止されているが、この下降停止時間は、0.5秒程度と非常に短い時間となる。
(4-1)1回目の繰り返し工程
1回目の判断工程においてホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が閾値G1N未満であると判断されたため、下降工程と、判断工程とを繰り返す繰り返し工程が実施される。
(2-2)n回目の下降工程
例えば、上記下降工程と判断工程とが複数回繰り返し工程によって繰り返された後、上下動手段5が、予め設定された距離50μm分だけ、2mm/秒で研磨パッド76を下降させて停止させるステップ送りを実行することで、研磨手段7の研磨パッド76の下面が図6に示す厚いウェーハWの接触高さ位置Z6に位置付けられる。
(3-2)n回目の判断工程
n回目の下降工程により研磨パッド76を停止させた後、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値G1N以上か否かが判断される。図6に示すように、n回目の判断工程におけるホルダ荷重センサ77によるn回目の荷重測定において、ホルダ荷重センサ77は、閾値G1N以上の荷重値G4Nを測定する。そして、ホルダ荷重センサ77から送られてくる荷重値G4Nについて情報と閾値G1Nとを比較監視している制御手段9の判断部91が、測定された荷重値G4Nが予め設定した閾値G1N以上であると判断し、研磨パッド76が、ウェーハWの上面Wbに接触したと判断する。なお、判断部91は、以下のように、予め設定した距離で研磨パッド76を下降させたことによって、研磨パッド76がウェーハWの上面Wbに既に接触しているがホルダ荷重センサ77で測定した荷重値G4Nが予め設定した閾値G1Nに満たない状態から、下降工程と、判断工程とを実施した後に、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値G4Nが予め設定した閾値G1N以上となった際に研磨パッド76がウェーハWに接触したと判断させてもよい。
(4-2)n回目の繰り返し工程
n回目の判断工程においてホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が閾値G1N以上であると判断されたため、後述する研磨工程が実施される。
(5)研磨工程
n回目の判断工程によりホルダ荷重センサ77で測定した荷重値G4Nが閾値G1N以上であると判断されたため、閾値G1Nを含む所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3N内の荷重をウェーハWに与えつつウェーハWが研磨されていく。
即ち、研磨手段7が上下動手段5により所定の研磨送り速度で下降し、研磨パッド76の下面がウェーハWの上面Wbに当接することで研磨加工が行われる。また、保持手段30が回転するとともに、研磨液供給源79からスラリーがウェーハWと研磨パッド76との接触部位に供給される。
また、上記研磨加工中は、制御手段9による上下動手段5の制御によって、閾値G1Nを含む所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3N内の荷重をウェーハWに与えつつウェーハWが研磨されていく。
そして、研磨時間の制御がされつつ、研磨手段7の研磨パッド76の下面が図6に示す研磨終了高さ位置Z7に位置付けられることで、研磨加工が終了し、上下動手段5が研磨手段7を上昇させウェーハWから離間させる。
上記のように本発明に係るウェーハの研磨方法は、保持面300aに保持されたウェーハWの上面Wbと研磨パッド76の下面との間に隙間を設けた準備位置Z1に研磨パッド76を位置づける準備位置位置づけ工程と、準備位置Z1に研磨パッド76を位置づけた後、上下動手段5を用いて予め設定された距離と速度(従来のエアカット下降速度よりも速い速度)で研磨パッド76を下降させて停止する下降工程と、下降工程により研磨パッド76を停止させた後、ホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が予め設定した閾値G1N以上か否かを判断する判断工程と、判断工程によりホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が閾値G1N以上であると判断されるまで下降工程と、判断工程とを繰り返す繰り返し工程と、判断工程によりホルダ荷重センサ77で測定した荷重値が閾値G1N以上であると判断されたら、閾値G1Nを含む所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3N内の荷重をウェーハWに与えつつウェーハWを研磨する研磨工程と、を備えることで、ウェーハカセット21に収納されている複数枚のウェーハWの厚みが均一で無くても、厚いウェーハWに閾値G1Nを含む所定の荷重範囲である上限荷重値G2N~下限荷重値G3N内の荷重を与えつつ研磨できるようになり、また、エアカットを開始する前の高速で下降する研磨パッド76が、厚いウェーハWの上面Wbに高速で接触してしまうことが無いので、ウェーハWが許容値以上(上限荷重値G2N以上)の荷重を受けて割れてしまうという事態を生じさせない。
図7に示すグラフF11は、従来のウェーハW(設定厚みよりも厚いウェーハW)の研磨方法における研磨パッドの76の高さ位置の変化を示すグラフである。従来の設定厚みは、ウェーハカセット21に収容されているウェーハWの例えば平均的な厚みである。また、図8に示すグラフF12は、従来のウェーハW(設定厚みよりも厚いウェーハW)の研磨方法におけるホルダ荷重センサ77で測定した荷重値の変化を示すグラフである。従来のウェーハWの研磨方法では、研磨手段7の研磨パッド76の下面がエアカット開始位置Z11に位置付けられてから、上下動手段5が、研磨手段7をステップ送りせずに、本発明におけるエアカット下降速度(例えば、2mm/秒)よりも遅いエアカット下降速度(例えば、5μm/秒)で研磨手段7を下降させていく。しかし、その前段階において、エアカット開始位置Z11は、例えば、保持手段30に設定厚みのウェーハWを保持した場合に、設定厚みのウェーハWの上面Wbよりも研磨パッド76の下面が所定距離(例えば、0.1mm)だけ高い位置に設定されているため、保持手段30に保持されたウェーハWが設定厚みよりも厚いウェーハWであると、エアカット開始位置Z11までウェーハWに当接させて研磨する際の下降速度よりも高速で下降させた研磨パッド76が、設定厚みよりも厚いウェーハWの上面Wbに高速で接触してしまい、ウェーハWが許容値以上(上限荷重値G2N以上)の荷重を受けて割れてしまう場合がある。
本発明に係るウェーハの研磨方法は本実施形態に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている研磨装置1の構成等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
W:ウェーハ Wa:ウェーハの下面 Wb:ウェーハの上面
1:研磨装置 10:装置ベース 11:コラム
21:ウェーハカセット 215:棚部
30:保持手段 300a:保持面 39:カバー
34:Y軸移動手段 340:ボールネジ 342:モータ 343:可動板
36:傾き調整手段 33:テーブルベース 38:テーブル荷重センサ
5:上下動手段 50:ボールネジ 52:モータ 53:昇降板
7:研磨手段 70:スピンドル 71:ハウジング 72:モータ 73:マウント
76:研磨パッド 75:ホルダ 75b:底板 75c:側板 77:ホルダ荷重センサ 773:固定ボルト
9:制御手段 90:記憶部 91:判断部

Claims (1)

  1. 保持面でウェーハを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたウェーハの上面に研磨パッドの下面を接触させウェーハを研磨する研磨手段と、該研磨手段を該保持面に垂直な上下方向に移動させる上下動手段と、該保持面に保持されたウェーハに該研磨パッドを押し付けた荷重を測定する荷重センサと、を備えた研磨装置を用いたウェーハの研磨方法であって、
    該保持面に保持されたウェーハの上面と該研磨パッドの下面との間に隙間を設けた準備位置に該研磨パッドを位置づける準備位置位置づけ工程と、
    該準備位置に該研磨パッドを位置づけた後、該上下動手段を用いて予め設定された距離と速度で該研磨パッドを下降させて停止する下降工程と、
    該下降工程により該研磨パッドを停止させた後、該荷重センサで測定した荷重値が予め設定した閾値以上か否かを判断する判断工程と、
    該判断工程により該荷重センサで測定した荷重値が該閾値以上であると判断されるまで該下降工程と、該判断工程とを繰り返す繰り返し工程と、
    該判断工程により該荷重センサで測定した荷重値が該閾値以上であると判断されたら、該閾値を含む所定の荷重範囲内の荷重を該ウェーハに与えつつ該ウェーハを研磨する研磨工程と、を備えるウェーハの研磨方法。
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