JP7388893B2 - ウェーハの研削方法 - Google Patents
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Description
研削加工は、保持面に保持されたウェーハの中心から外周までの半径エリアにおいて円弧の研削領域に研削砥石を押し付けている。そのため、研削領域に研削荷重が加わったときと研削荷重がかかっていないときとでは、保持面に対する研削砥石の下面の平行度が異なるため、研削されたウェーハは、中央が削られ過ぎ断面がV字形の厚み傾向になってしまう。
したがって、ウェーハを研削する研削方法には、ウェーハを均等な厚みに研削するという解決すべき課題がある。
図1に示す研削装置1は、ウェーハWを研削する研削装置である。ウェーハWの下面Wbには保護テープTが貼着されている。
図1に示すように研削装置1は、Y軸方向に延設されたベース10と、ベース10の上における+Y方向側に立設されたコラム11とを備えている。
吸引部20には多数の細孔が形成されており、吸引部20の上面はウェーハWが保持される保持面20aとなっている。枠体21の上面21aと保持面20aとは、面一に形成されている。
上面ハイトゲージ102は第2接触子102aを備えている。例えば保持面20aにウェーハWが保持されている状態で、上面ハイトゲージ102の第2接触子102aをウェーハWの上面Waに接触させることにより、ウェーハWの上面Waの高さを測定することができる。
ウェーハWの上面Waの高さ及び保持面20aの高さは、それぞれ電気信号として該算出手段に伝達された後、該算出手段において両高さが差し引かれて、ウェーハWと保護テープTとの合計の厚みが算出されることとなる。
また、該算出手段には、予めウェーハWに貼着されている保護テープTの厚みの値が記憶されており、該算出手段においてウェーハWと保護テープTとの合計厚みが算出されると、算出されたウェーハWと保護テープTとの合計の厚みから保護テープTの厚みが差し引かれてウェーハWの厚みが算出される構成となっている。
例えば、保持面20aの上にウェーハWを吸引保持している保持手段2が、センサ72の下方に位置付けられている状態で、センサ72からウェーハWの上面Waに向けてレーザービームを照射することにより、ウェーハWの上面Waにおいて反射する光とウェーハWの内部を貫通してウェーハWと保護テープTとの界面において反射する光との干渉光をセンサ72に受光して、ウェーハWの厚みを測定することができる。
なお、ウェーハWの厚みの測定は、非接触式厚み測定手段7だけでも行うことができる。
研削ホイール34は、ホイール基台341と、ホイール基台341の下面に環状に配列された略直方体形状の複数の研削砥石340とを備えており、研削砥石340の下面340aはウェーハWを研削する研削面となっている。
支持部24は、プーリ機構を有する回転手段22に連結されている。回転手段22は、Z軸方向の軸心を有するモータ220と、支持部24及びモータ220に巻回されてモータ220と支持部24とを連結する伝動ベルト221と、を備えている。
モータ220が作動すると、モータ220の回転力が伝動ベルト221によって支持部24に伝達されて、支持部24が回転軸25を軸にして回転する。これにより、支持部24にテーブル基台23を介して連結されている保持手段2がZ軸方向の回転軸25を軸にして回転することとなる。
シャフト61は、その雄ネジ61aが環状部材64の雌ネジ64bに螺合して、第2環状部材64を支持している。
また、固定支持柱62は、環状部材64の下面に固定されている。
(1)保持工程
上記の研削装置1を用いたウェーハWの研削方法について、以下に説明する。
まず、図3に示すように、保持手段2の保持面20aにウェーハWをその上面Waを上側に向けて載置する。このとき、ウェーハWの下面Wbに貼着されている保護テープTが保持面20aに接触される。
保持面20aにウェーハWが載置されている状態で、吸引手段27を作動させて吸引力を発揮させることにより、生み出された吸引力が保持面20aに伝達されて、ウェーハWが保持面20aに吸引保持される。
ウェーハWを保持面20aに吸引保持した後、図4に示すように非接触式厚み測定手段7を用いてウェーハWの研削前厚みDiを測定する。なお、測定位置は任意である。
接触式厚み測定手段100を用いてウェーハWの研削前厚みDiを測定してもよい。
次に、図5に示すように、研削量算出手段8を用いて、上記の厚み測定工程において測定されたウェーハWの研削前厚みDiと、予め研削量算出手段8に設定されている仕上げ厚みDfとの差を研削総量G1として算出する。
そして、上記の総量算出工程において算出された研削総量G1の半分の研削量である半分研削量G2だけ、保持面20aに保持されているウェーハWを研削する。
具体的には、まず、保持面20aにウェーハWが保持されている状態で、図示しない水平移動手段を用いて保持手段2を+Y方向に移動させて、研削砥石340の下面340aの外周がウェーハWの中心Woを通るように位置合わせをする。
ウェーハWの上面Waに研削砥石340の下面340aが接触している状態で、さらに研削砥石340を半分研削量G2にあたる高さだけ-Z方向に下降させることにより、ウェーハWが仮研削される。
ウェーハWを仮研削した後、図6に示すように、研削送り手段4を用いて研削砥石340を+Z方向に移動させて、ウェーハWの上面Waから離間させる。
その後、非接触式厚み測定手段7を用いてウェーハWの中心Woと、ウェーハWの外周Weと、ウェーハWの中心Woと外周Weとの中点Whとの少なくとも3箇所の厚みを測定する。
そして、センサ72からウェーハWの中心Woに向けてレーザービームを照射して、該レーザービームのうちウェーハWの上面Waにおいて反射された反射光と、ウェーハWと保護テープTとの界面において反射された反射光との干渉光をセンサ72に受光する。これにより、ウェーハWの中心Woの厚みが測定される。
図7に示すように、傾き調整手段6を用いて、研削砥石340の下面340aに対する保持面20aの傾きを調整する。
例えば、上記の測定工程において測定されたウェーハWの外周Weの厚みの方がその中心Woの厚みよりも大きい場合には、保持面20aの+Y方向側を-Y方向側よりも上昇させる。一方、ウェーハWの中心Woの厚みの方がその外周Weの厚みよりも大きい場合には、保持面20aの+Y方向側を-Y方向側よりも下降させる。保持面20aの傾きの調整は、上記3箇所、すなわちウェーハWの中心Woと、ウェーハWの外周Weと、ウェーハWの中心Woと外周Weとの中点Whとの少なくとも3箇所の厚みを非接触式厚み測定手段7によって測定しながら行い、当該3箇所の厚みが同じになるようにする。
次に、傾き調整された保持面20aに吸引保持されており、かつ仮研削された状態のウェーハWを、上記の測定工程において測定された少なくとも3箇所の厚み、すなわちウェーハWの中心Wo、中点Wh、及び外周Weの厚みが同じ値になるように、仕上げ厚みDfまで仕上げ研削する。
具体的にはウェーハWの仮研削と同様に、保持面20aに吸引保持されているウェーハWが回転軸25を軸にして回転しており、かつ、研削砥石340が回転軸35を軸にして回転している状態で、研削送り手段4を用いて研削砥石340を-Z方向に下降させて、研削砥石340の下面340aをウェーハWの上面Waに接触させる。そして、ウェーハWの上面Waに研削砥石340の下面340aが接触している状態で、半分研削量G2にあたる高さだけさらに研削砥石340を-Z方向に下降させていき、ウェーハWを仕上げ厚みDfに研削する。
一方、ウェーハWの中心Woの厚みの方がその外周Weの厚みよりも大きい場合には、上記の傾き調整工程において、保持面20aの+Y方向側が-Y方向側よりも下に位置づけられるように傾き調整がされるため、仕上げ研削の際に、ウェーハWの中心Woの方がその外周Weよりも研削砥石340の下面340aにより多く接触して、より大きく研削される。
12:内部ベース 12a:内部ベースの下面 120:貫通孔
2:保持手段 20:吸引部 20a:保持面 21:枠体 21a:枠体の上面
22:回転手段 220:モータ 221:伝動ベルト
23:テーブル基台 24:支持部 25:回転軸 27:吸引手段
28:カバー 29:蛇腹 3:研削手段 30:スピンドル 31:ハウジング
32:スピンドルモータ 33:マウント 34:研削ホイール 340:研削砥石
340a:研削砥石の下面 341:ホイール基台 35:回転軸
4:研削送り手段 40:ボールネジ 41:ガイドレール 42:Z軸モータ
43:昇降板 44:ホルダ 45:回転軸
6:傾き調整手段 61:シャフト 61a:雄ネジ 62:固定支持柱
64:環状部材 64a:連結部 64b:雌ネジ 640:貫通孔
65:回転軸 67:ストッパー 670:貫通孔 68:駆動部
7:非接触式厚み測定手段 70:軸部 71:アーム部 72:センサ
8:研削量算出手段 100:接触式厚み測定手段 101:上面ハイトゲージ
101a:第1接触子 102:保持面ハイトゲージ 102a:第2接触子
103:筐体
W:ウェーハ Wa:ウェーハの上面 Wb:ウェーハの下面 T:保護テープ
Wo:ウェーハの中心 We:ウェーハの外周 Wh:ウェーハの中心と外周との中点
Di:研削前厚み Dh:仮研削後の厚み Df:仕上げ厚み
G1:研削総量 G2:半分研削量
Claims (1)
- 保持手段の保持面に保持され該保持面の中心を軸に回転するウェーハを研削砥石を用いて均等な所定の厚みに研削するウェーハの研削方法であって、
該保持面にウェーハを保持する保持工程と、
該保持面に保持された研削前のウェーハの厚みを測定する厚み測定工程と、
該厚み測定工程において測定されたウェーハの研削前厚みと、予め設定されている仕上げ厚みとの差を研削総量として算出する総量算出工程と、
該総量算出工程において算出された該研削総量の半分の半分研削量だけ、該保持面に保持されたウェーハを研削する仮研削工程と、
該仮研削工程において研削されたウェーハの厚みをウェーハの中心と、ウェーハの外周と、ウェーハの中心と外周との中点と、の少なくとも3箇所の厚みを測定する測定工程と、
該測定工程で測定した少なくとも3箇所の厚みが同じ値になるように該研削砥石の下面に対する該保持面の傾きを調整する傾き調整工程と、
該傾き調整された該保持面に保持され、かつ仮研削されたウェーハを、該仕上げ厚みまで研削する仕上げ研削工程と、
を備え、
該仮研削工程における研削量と該仕上げ研削工程における研削量とを同じにすることによって、該傾き調整工程の前後でウェーハにかかる研削荷重を同じにして、ウェーハを研削するウェーハの研削方法。
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