JP2018007467A - モータ制御装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転子の着磁ムラや固定子と回転子とのギャップムラ等があることによって、推定した誘起電圧の波形が歪んだ波形になってしまう。【解決手段】 定電流制御を用いて所定の回転速度ω_cでモータを駆動している状態において推定された誘起電圧Eα及びEβの振幅と前記所定の回転速度ω_cに基づいて、電圧補正テーブルを作成する。前記電圧補正テーブルに基づいて、推定された誘起電圧Eα及びEβの補正を行う。【選択図】 図8

Description

本発明は、モータの駆動を制御するモータ制御装置に関する。
従来、モータを制御する方法として、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御することによってモータを制御する、ベクトル制御と称される制御方法が知られている。具体的には、例えば、回転子の指令位相と回転位相との偏差が小さくなるように前記電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する。また、回転子の指令速度と回転速度との偏差が小さくなるように前記電流値を制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する手法もある。
ベクトル制御を用いると、モータの巻線に供給する駆動電流を、回転子が回転するためのトルクを発生させる電流成分(q軸電流)と、回転子の磁束強度に影響する電流成分(d軸電流)とに分けて制御することができる。この結果、回転子にかかる負荷トルクが変化しても、負荷トルクの変化に応じてq軸電流を制御することによって、回転に必要なトルクを効率的に発生させることができる。即ち、従来問題とされていた、回転子にかかる負荷トルクがモータの巻線に供給した駆動電流に対応した出力トルクを超えて、回転子が入力信号に同期しない制御不能な状態(脱調状態)になることを防止することができる。また、消費電力の増大や、余剰トルクに起因したモータ音の増大を抑制することができる。
ベクトル制御では、回転子の回転位相を推定する構成が必要となる。特許文献1では、モータの各相の巻線に発生する誘起電圧の比の逆正接を演算して回転子の回転位相を推定する推定方法が述べられている。
特表2012−509056号
回転子が一定速度で回転している場合における、巻線に発生する誘起電圧の値は、回転子の着磁や固定子と回転子とのギャップが均一であれば、正弦波状に変化する。しかしながら、実際には回転子の着磁ムラや固定子と回転子とのギャップムラ等があることによって、回転子が一定速度で回転している場合であっても、誘起電圧の波形は歪んだ波形になってしまう。波形の歪んだ誘起電圧に基づいて回転位相を推定すると、推定された回転位相の波形にも歪みが生じてしまう。この結果、実際の回転位相と推定された回転位相とに誤差が生じてしまう。したがって、推定された回転位相に基づいてモータを制御すると、モータの制御が不安定になってしまう。そのため、誘起電圧の波形に生じる歪みを低減するための良い構成が求められていた。
本発明は、誘起電圧の波形に生じる歪みを低減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
モータの回転子の目標位相を表す指令位相に基づいて前記モータを制御するモータ制御装置において、
前記モータの第1相の巻線及び第2相の巻線に駆動電流を供給する電流供給手段と、
前記電流供給手段を駆動する駆動電圧を生成する電圧生成手段と、
前記電流供給手段によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に供給された駆動電流の電流値を検出する電流検出手段と、
前記電圧生成手段によって生成された駆動電圧と、前記電流検出手段によって検出された電流値とに基づいて、前記モータの回転子の回転によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に誘起される誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段と、
前記誘起電圧推定手段によって推定された前記第1相の巻線及び第2相の巻線の誘起電圧の値を補正する誘起電圧補正手段と、
前記誘起電圧補正手段によって補正された前記第1相の誘起電圧の値と前記第2相の誘起電圧の値とに基づいて前記モータの回転子の回転位相を推定する位相推定手段と、
前記位相推定手段によって推定された回転位相を基準とした回転座標系における駆動電流の電流値を、前記指令位相と前記回転位相との偏差が小さくなるように制御する位相フィードバックを行うことによって前記モータを制御する第1の制御モードを備えるモータ制御手段と、
を有し、
前記誘起電圧補正手段は、前記モータ制御手段が前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値に基づいて、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値を補正することを特徴とする。
本発明によれば、誘起電圧の波形に生じる歪みを低減することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。 前記画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 A相及びB相から成る2相のモータと回転座標系のd軸及びq軸との関係を示す図である。 モータが一定速度で回転している状態においてA相の巻線及びB相の巻線に発生する誘起電圧の波形を示す図である。 指令速度ω_refの変化を示す図である。 誘起電圧の値を補正する際に用いられる電圧補正テーブルを示す図である。 前記モータ制御装置を用いて電圧補正テーブルを作成する方法を示すフローチャートである。 誘起電圧Eα及びEβを補正する方法を示すフローチャートである。 モータが一定速度で回転している状態における回転位相の波形を示す図である。 第2実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 回転位相を補正する際に用いられる位相補正テーブルを示す図である。 前記モータ制御装置を用いて位相補正テーブルを作成する方法を示すフローチャートである。 回転位相を補正する方法を示すフローチャートである。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。なお、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されるわけではない。
〔第1実施形態〕
[画像形成装置]
図1は、本実施形態で用いられている画像形成装置であるモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
以下に、図1を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。画像形成装置100には、原稿自動送り装置201、原稿読取装置202及び画像形成装置本体301が設けられている。
原稿自動送り装置201の原稿載置部203に載置された原稿は、給紙ローラ204によって1枚ずつ給紙され、搬送ガイド206に沿って原稿読取装置202の原稿ガラス台214上に搬送される。更に、原稿は、搬送ベルト208によって一定速度で搬送されて、排紙ローラ205によって原稿自動送り装置201の外部に設けられた不図示の排紙トレイへ排紙される。この間、原稿読取装置202の読取位相において照明209によって照明された原稿画像からの反射光は、反射ミラー210、211、212からなる光学系によって画像読取部101に導かれ、画像読取部101によって画像信号に変換される。画像読取部101は、レンズ、光電変換素子であるCCD、CCDの駆動回路等で構成される。画像読取部101から出力された画像信号は、ASIC等のハードウェアデバイスで構成される画像処理部112によって、各種補正処理が行われた後、画像形成装置本体301へ出力される。前述の如くして、原稿の読取が行われる。
また、読取装置202における原稿の読取モードとして、流し読みモードと固定読みモードがある。流し読みモードは、照明系209及び光学系を所定の位相に固定した状態で、原稿を一定速度で搬送しながら原稿の画像を読み取るモードである。固定読みモードは、読取装置202の原稿ガラス214上に原稿を載置し、照明系209及び光学系を一定速度で移動させながら、原稿ガラス214上に載置された原稿の画像を読み取るモードである。通常、シート状の原稿は流し読みモードで読み取られ、本や冊子等の綴じられた原稿は固定読みモードで読み取られる。
画像形成装置本体301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4の普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4の厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等が含まれる。
シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、給紙ローラ303によって給送されて、搬送ローラ306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。また、シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、給紙ローラ305によって給送されて、搬送ローラ307及び306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。
読取装置202から出力された画像信号は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含んでいる光走査装置311に入力される。また、感光ドラム309は、帯電器310によって外周面が帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、読取装置202から光走査装置311に入力された画像信号に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。なお、感光ドラムの帯電方法は、例えば、コロナ帯電器や帯電ローラを用いた帯電方法を用いる。
続いて、その静電潜像が現像器314内のトナーによって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位相(転写位相)に設けられた転写分離器315によって記録媒体に転写される。この際、レジストレーションローラ308は、トナー像にタイミングを合わせて、記録媒体を転写位相へ送り込む。
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。
片面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジストレーションローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は、排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。
また、第1面に画像形成された記録媒体を、第1面が下向きになるように反転させて画像形成装置100の外部へ排紙する場合は、定着器318を通過した記録媒体を、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送する。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に、搬送ローラ320の回転を反転させる。この結果、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体を排紙ローラ324へ向かう方向へ搬送し、画像形成装置100の外部へ排紙することができる。
以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。なお、本発明における負荷とはモータによって駆動される対象物である。例えば、給紙ローラ204、303、305、レジストレーションローラ308及び排紙ローラ319等の各種ローラ(搬送ローラ)や感光ドラム309、搬送ベルト208、317、照明系209及び光学系等は本発明における負荷に対応する。本実施形態のモータ制御装置は、これら負荷を駆動するモータに適用することができる。
図2は、画像形成装置100の制御構成の例を示すブロック図である。システムコントローラ151は、図2に示すように、CPU151a(上位装置)、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、画像処理部102、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置157、DC負荷制御部158、センサ類159、ACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置157に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが格納される。
システムコントローラ151は、画像処理部102における画像処理に必要となる、画像形成装置100の内部に設けられた各種装置の設定値データを画像処理部102に送信する。更に、システムコントローラ151は、各種装置からの信号(センサ類159からの信号)を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写分離器315等)に必要な電圧を供給する。
モータ制御装置157は、CPU151aから出力された指令に応じて、前述した負荷を駆動するモータ509を制御する。
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、前記検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいて、ACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。
システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類(以下、紙種と称する)等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、使用する紙種等のユーザが設定した情報を操作部152から受信し、前記ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数、画像形成中か否か、ジャム発生及びその発生箇所等の情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
前述の如くして、システムコントローラ151は、画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。
[ベクトル制御]
次に、本実施形態におけるモータ制御装置について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置は、ベクトル制御(第1の制御モード)と定電流制御(第2の制御モード)とのいずれの制御方法でもモータを制御することができる。なお、以下の説明においては、負荷を駆動するモータとしてステッピングモータが用いられているが、これに限定されるものではない。また、モータは2相モータであるとは限らない。更に、本実施形態におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていないものとする。
図3は、ステッピングモータ(以下、モータと称する)509を制御するモータ制御装置157の構成の例を示すブロック図である。本実施形態におけるモータ制御装置157には、定電流制御を行う定電流制御器517、ベクトル制御を行うベクトル制御器518が設けられている。さらに、モータ制御装置157には、定電流制御器517を用いてモータ509を制御するか、ベクトル制御器518を用いてモータ509を制御するかを切り替える構成が設けられている。具体的には制御切替スイッチ516a、516b、516c(以下、各スイッチと称する)等が設けられている。なお、定電流制御器517、ベクトル制御器518、各スイッチ516a、516b、516cは、本実施形態におけるモータ制御手段に対応している。また、本実施形態における第1の制御回路は、ベクトル制御器518を用いてモータ509の駆動を制御する回路に相当する。更に、本実施形態における第2の制御回路は、定電流制御器517を用いてモータ509の駆動を制御する回路に相当する。なお、本実施形態におけるモータ制御装置は、ベクトル制御を行う回路と定電流制御を行う回路とにおいて、一部共有している部分(電流制御器503、PWMインバータ506等)があるが、この限りではない。即ち、ベクトル制御を行う回路と定電流制御を行う回路とがそれぞれ独立に設けられている構成であっても良い。
まず、図3及び図4を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置157がベクトル制御を行う方法について説明する。
図4は、A相(第1相)とB相(第2相)の2相から成るモータ509と回転座標系のd軸及びq軸との関係を示す図である。図4では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸をα軸、B相の巻線に対応した軸をβ軸と定義している。また、静止座標系におけるα軸と、回転子402に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向(d軸方向)との成す角度をθと定義している。回転子402の回転位相は、角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の磁束方向に沿ったd軸と、d軸から反時計回りに90度進んだ方向に沿った(d軸と直交する)q軸とで表される、モータ509の回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。
ベクトル制御とは、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御することによってモータを制御する制御方法である。具体的には、例えば、回転子の目標位相を表す指令位相と回転位相との偏差が小さくなるように前記電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する。なお、回転子の目標速度を表す指令速度と回転速度との偏差が小さくなるように前記電流値を制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する手法もある。回転座標系における電流値とは、モータの回転子にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)の電流値と、モータの回転子の磁束強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)の電流値とに対応する。
モータ制御装置157には、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511、モータの巻線に駆動電流を供給するPWMインバータ506等が設けられている。座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、q軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、モータ509のA相及びB相の巻線に供給する駆動電流を、回転座標系において、q軸成分の電流値(q軸電流)及びd軸成分の電流値(d軸電流)を用いて表すことができる。なお、q軸電流は、モータ509の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータ509の回転子402の磁束強度に影響する励磁電流に相当し、回転子402のトルクの発生には寄与しない。モータ制御装置157は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。即ち、回転子402が回転するために必要なトルクを、効率的に発生させることができる。
モータ制御装置157は、モータ509の回転子402の回転位相θを後述する方法により推定し、その推定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU151aは、モータ509の回転子402の目標位相を表す指令位相θ_refを生成し、所定の時間周期で指令位相θ_refをモータ制御装置157へ出力する。
加算器101は、モータ509の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差を演算し、該偏差を位相制御器502に出力する。
位相制御器502は、比例(P)、積分(I)補償器から構成されている。位相制御器502は、比例(P)、積分(I)補償器を用いて、加算器101から出力された偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、比例(P)、積分(I)補償器を用いて、加算器101から出力された偏差が0になるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。なお、本実施形態における位相制御器502は、比例(P)、積分(I)補償器から構成されているが、比例(P)、積分(I)、微分(D)補償器から構成されていても良い。また、回転子402に永久磁石を用いる場合、通常は回転子402の磁束強度に影響するd軸電流指令値id_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。
モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507、508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。
A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換された駆動電流は、静止座標系における電流値iα及びiβとして、図4に示す電流ベクトルの大きさIと電流ベクトルの位相θeとを用いて次式によって表される。なお、電流ベクトルの位相θeは、d軸方向と電流ベクトルとの成す角度と定義する。
iα=I*cosθe (1)
iβ=I*sinθe (2)
これらの電流値iα及びiβは、座標変換器511とローパスフィルタ514に入力される。
座標変換器511において、電流値iα及びiβは、次式によって回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに座標変換される。
id= cosθ*iα+sinθ*iβ (3)
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (4)
前述のように、座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、q軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。
加算器102は、位相制御器502から出力されたiq_refと座標変換器511から出力された前記電流値iqとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。また、加算器103は、位相制御器502から出力されたid_refと座標変換器511から出力された前記電流値idとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、比例(P)、積分(I)補償器から構成されている。電流制御器503は、前記偏差がそれぞれ小さくなるように電流値iq*及びid*を生成する。具体的には、電流制御器503は、前記偏差がそれぞれ0になるように電流値iq*及びid*を生成する。その後、電流制御器503は、それぞれの電流値iq*及びid*に対応した駆動電圧Vq及びVdを生成して座標逆変換器505に出力する。なお、本実施形態における電流制御器503は、比例(P)、積分(I)補償器から構成されているが、比例(P)、積分(I)、微分(D)補償器から構成されていても良い。
座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに座標逆変換する。
Vα=cosθ*Vd−sinθ*Vq (5)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq (6)
座標逆変換器505は、回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに座標逆変換した後、Vα及びVβをローパスフィルタ514とPWMインバータ506に出力する。なお、本実施形態においては、電流値iq*及びid*に対応した駆動電圧Vq及びVdを生成し、前記駆動電圧Vq及びVdを座標逆変換することによって静止座標系における駆動電圧Vα及びVβを得たが、この限りではない。例えば、電流値iq*及びid*を静止座標系における電流値iα*及びiβ*に座標逆変換し、前記電流値iα*及びiβ*に対応した駆動電圧Vα及びVβを生成する構成であっても良い。
PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有している。フルブリッジ回路は座標逆変換器505から入力された駆動電圧Vα及びVβによって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータ509の各相の巻線に供給することによって、モータ509を駆動させる。なお、本実施形態においては、PWMインバータはフルブリッジ回路を有しているが、ハーフブリッジ回路等であっても良い。
次に、回転子402の回転位相θの推定方法について説明する。回転子402の回転位相θの推定には、回転子402の回転によってモータ509のA相及びB相の巻線に誘起される誘起電圧Eα及びEβの値が用いられる。誘起電圧の値は誘起電圧推定器512によって算出される。具体的には、誘起電圧推定器512が、ローパスフィルタ514によって高周波成分が除去された電流値iα及びiβと駆動電圧Vα及びVβとに基づいて、次式によって、誘起電圧Eα及びEβを演算する。
Eα=Vα−R*iα−L*diα/dt (7)
Eβ=Vβ−R*iβ−L*diβ/dt (8)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。R及びLの値は使用されているモータ509に固有の値であり、ROM151b又はモータ制御装置157に設けられたメモリ(不図示)等に予め格納されている。
誘起電圧推定器512によって演算された誘起電圧Eα及びEβは、誘起電圧補正器519に入力される。誘起電圧補正器519は、後述する方法によって、誘起電圧Eα及びEβを補正し、補正した誘起電圧Eα*及びEβ*を位相推定器513に出力する。
位相推定器513は、誘起電圧補正器519から出力された誘起電圧Eα*と誘起電圧Eβ*との比に基づいて、次式によってモータ509の回転子402の回転位相θを推定する。
θ=tan^−1(−Eβ*/Eα*) (9)
前述の如くして得られた回転子402の回転位相θは、加算器101、座標逆変換器505及び座標変換器511に入力され、その後は、前述の制御を繰り返し行う。
前述の如くして、本実施形態におけるベクトル制御では、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差が小さくなるように、回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する。ベクトル制御を用いてモータを制御することによって、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。なお、本実施形態におけるベクトル制御では、前述した位相フィードバック制御を行うことによってモータ509を制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、回転子402の回転速度ωをフィードバックしてモータ509を制御する構成であっても良い。具体的には、モータ制御装置内部に速度推定器を設け、前記速度推定器が位相推定器513から出力された回転位相θの時間変化に基づいて回転速度ωを推定する。速度の推定には、次式を用いる。
ω=dθ/dt (10)
そして、CPU151aは回転子の目標速度を表す指令速度ω_refを出力する。更に、モータ制御装置内部に速度制御器を設け、前記速度制御器が回転速度ωと指令速度ω_refとの偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する構成とする。以上のような速度フィードバック制御を行うことによって、モータ509を制御する構成であっても良い。なお、指令位相θ_refを出力する場合であっても、CPU151aは、指令位相θ_refに基づいて指令速度ω_refを算出しているものとする。
[定電流制御]
次に、図3を用いて、定電流制御について説明する。定電流制御とは、モータの巻線に所定の電流を供給することによってモータを制御する制御方法である。具体的には、モータの巻線に供給する駆動電流の大きさが一定になるように前記駆動電流を制御することによって前記モータを制御する制御方法である。なお、定電流制御においては、前記位相フィードバック制御と速度フィードバック制御とのいずれも行わない。
CPU151aは、モータ制御装置157に設けられた定電流制御器517に指令位相θ_refを出力する。定電流制御器517は、CPU151aから出力された指令位相θ_refに対応した、静止座標系における電流の指令値iα_ref及びiβ_refを生成して出力する。なお、本実施形態においては、定電流制御を行う際に指令位相θ_refを用いたが、この限りではない。例えば、指令速度ω_refを定電流制御器に出力し、定電流制御器は、指令速度ω_refに対応した、静止座標系における電流の指令値iα_ref及びiβ_refを生成して出力する、という構成であっても良い。
電流検出器507、508はモータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流を検出する。その後、検出された駆動電流は、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換され、式(1)及び(2)のように電流値iα及びiβとして表される。電流制御器503には、電流値iαと前記指令値iα_refとの偏差及び電流値iβと前記指令値iβ_refとの偏差が入力される。電流制御器503は、前記偏差が小さくなるようにiα´及びiβ´を生成して、それぞれの電流値iα´及びiβ´に対応した駆動電圧Vα及びVβを出力する。具体的には、前記偏差がそれぞれ0に近づくようにiα´及びiβ´を生成して、それぞれの電流値iα´及びiβ´に対応した駆動電圧Vα及びVβを出力する。電流制御器503から出力された駆動電圧Vα及びVβは、PWMインバータ506に入力され、PWMインバータ506は前述した方法でモータ509の各相の巻線に駆動電流を供給してモータ509を駆動させる。
[ベクトル制御と定電流制御との切替]
前述したように、本実施形態におけるモータ制御装置157には、定電流制御器517を用いてモータ509の駆動を制御するか、ベクトル制御器518を用いてモータ509の駆動を制御するかを切り替える構成が設けられている。以下に、本実施形態における、定電流制御とベクトル制御との制御切り替え方法について説明する。図3に示すように、本実施形態におけるモータ制御装置157には、定電流制御とベクトル制御とを切り替える構成が設けられている。具体的には、各スイッチ516a、516b、516c等が設けられている。
CPU151aは、各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御することによって、モータの駆動を制御する制御器を切り替える。例えば、ベクトル制御を行う場合は、CPU151aは、モータ509の駆動を制御する制御器がベクトル制御器518となるように各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御する。その結果、ベクトル制御器518によるベクトル制御が行われる。また、定電流制御を行う場合は、CPU151aは、モータ509の駆動を制御する制御器が定電流制御器517となるように各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御する。その結果、定電流制御器517による定電流制御が行われる。
[誘起電圧の補正]
図5は、本実施形態におけるA相の巻線及びB相の巻線に発生する誘起電圧の波形を示す図である。
前述のように、回転子が一定速度で回転している場合における、巻線に発生する誘起電圧の値は、回転子の着磁や固定子と回転子とのギャップが均一であれば、図5に示す一点鎖線及び二点鎖線のように、時間の経過に伴って正弦波状に変化する。しかしながら、実際には回転子の着磁ムラや固定子と回転子とのギャップムラ等があることによって、回転子が一定速度で回転している場合であっても、誘起電圧の波形は、図5に示す実線及び点線のように歪んだ波形になってしまう。即ち、誘起電圧推定器512によって推定された誘起電圧の値には、回転子の着磁ムラや固定子と回転子とのギャップムラに起因する周期的な誤差が含まれてしまう。波形の歪んだ誘起電圧に基づいて回転位相を推定すると、推定された回転位相の波形にも歪みが生じてしまう。この結果、実際の回転位相と推定された回転位相とに誤差が生じてしまう。誤差を含む回転位相に基づいてモータを制御すると、モータの制御が不安定になってしまう。そのため、誘起電圧の波形に生じる歪みを低減するための良い構成が求められている。なお、図5に示す波形は本実施形態における一例であり、これに限定されるものではない。
図3に示すように、本実施形態においては、モータ制御装置157に誘起電圧補正器519が設けられている。また、誘起電圧補正器519の内部には、誘起電圧推定器512から出力された誘起電圧等を記憶するメモリ(不図示)が設けられている。
以下、図3、図5乃至7を用いて、誘起電圧補正演算器519が誘起電圧推定器512から出力された誘起電圧Eα及びEβを補正する方法について説明する。なお、本実施形態においては、定電流制御を行っている期間も、ベクトル制御を行う回路は稼働しているものとする。即ち、定電流制御を行っている期間も、誘起電圧推定器512や誘起電圧補正器519等は稼働しているものとする。
本実施形態では、誘起電圧の値を補正する際に用いられる電圧補正テーブルを作成し、前記電圧補正テーブルに基づいて誘起電圧を補正する。
まず、電圧補正テーブルを作成する方法について説明する。
CPU151aは、モータ509の駆動を制御する制御器が定電流制御器517となるように各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御し、モータ制御装置157は定電流制御を行う。また、CPU151aは、指令位相θ_refに基づいて指令速度ω_refを算出し、誘起電圧補正器519に指令速度ω_refを出力する。
図6は、本実施形態における指令速度ω_refの変化を示す図である。なお、図6に示す指令速度の変化は一例であり、これに限定されるものではない。図6に示すように、CPU151aは、指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cと等しくなる(ω_ref=ω_c)ように指令位相θ_refを出力する。なお、所定の回転速度ω_cは、例えば、ROM151b等に格納されている。
誘起電圧補正器519は、CPU151aから出力された指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cと等しくなったら、誘起電圧推定器512から出力された誘起電圧Eα及びEβを、時刻tと対応させて所定の周期分だけ前記メモリに記憶する。なお、前記所定の周期は1周期以上であれば良い。また、指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cと等しい状態は、モータを所定の回転速度で駆動している状態に対応する。
誘起電圧補正器519は、前記メモリに記憶された所定の周期分の誘起電圧Eα及びEβの最大値又は最小値(振幅)と前記所定の回転速度ω_cに基づいて、図5に示す一点鎖線及び二点鎖線のような誘起電圧Eα´及びEβ´を算出する。具体的には、誘起電圧Eα´及びEβ´は、以下の式(11)及び(12)を用いて表される。
Eα´=A*cos(ω_c*t) (11)
Eβ´=B*sin(ω_c*t) (12)
なお、Aは誘起電圧Eαの振幅、Bは誘起電圧Eβの振幅である。
図7は、本実施形態における誘起電圧の値を補正する際に用いられる電圧補正テーブルを示す図である。
誘起電圧補正器519は、図5に示す、各時刻tにおける誘起電圧EαとEα´とを対応させることによって図7に示す電圧補正テーブルを作成し、前記メモリに記憶する。なお、誘起電圧補正器519は、B相についても同様にして電圧補正テーブルを作成し、前記メモリに記憶する。また、図7に示す電圧補正テーブルは本実施形態における一例であり、これに限定されるものではない。
なお、誘起電圧の振幅及び周期は、モータの回転速度毎に異なる。即ち、前記所定の回転速度ω_cに基づいて作成された電圧補正テーブルは、前記所定の回転速度ω_cでモータが駆動されている場合において用いられることが有効である。したがって、回転速度毎に電圧補正テーブルを作成し、モータ制御装置157がモータを駆動する際のモータの回転速度に応じた電圧補正テーブルを用いることによって、より精度良く誘起電圧を補正することができる。
図8は、モータ制御装置157を用いて電圧補正テーブルを作成する方法を示すフローチャートである。以下、図8を用いて、本実施形態における電圧補正テーブルの作成方法について説明する。このフローチャートの処理は、CPU151aからの指示を受けたモータ制御装置157によって実行される。
電圧補正テーブルを作成する動作が開始されると、S101において、CPU151aはモータ制御装置157にenable信号‘H’を出力し、モータ制御装置157はCPU151aから出力される指令に基づいてモータ509の制御を開始する。enable信号とは、モータ制御装置157の稼働を許可又は禁止する信号である。enable信号が‘L(ローレベル)’である場合は、CPU151aはモータ制御装置157の稼働を禁止する。即ち、モータ制御装置157によるモータ509の制御は終了される。また、enable信号が‘H(ハイレベル)’である場合は、CPU151aはモータ制御装置157の稼働を許可して、モータ制御装置157はCPU151aから出力される指令に基づいてモータ509の駆動制御を行う。
その後、S102において、CPU151aは、モータ509の駆動を制御する制御器が定電流制御器517となるように各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御する。その結果、定電流制御器517による定電流制御が行われる。
次に、S103において、指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cに到達すると、S104において、誘起電圧補正器519は、誘起電圧推定器512から出力された誘起電圧Eα及びEβを所定の周期分だけ前記メモリに記憶する。また、モータ制御装置157は、処理をS105に進める。
S105において、誘起電圧補正器519は、前記メモリに記憶された前記所定の周期分の誘起電圧Eα及びEβと所定の回転速度ω_cとに基づいて、誘起電圧Eα´及びEβ´を算出し、モータ制御装置157は処理をS106に進める。
S106において、誘起電圧補正器519は、誘起電圧Eα及びEβとEα´及びEβ´とに基づいて電圧補正テーブルを作成し、メモリに記憶する。その後、S107において、CPU151aがモータ制御装置157にenable信号‘L’を出力することにより、モータ制御装置157はモータの制御を終了する。この結果、モータ制御装置157による電圧補正テーブルの作成動作が終了される。
前述の如くして、誘起電圧補正器519は電圧補正テーブルを作成する。なお、本実施形態においては、誘起電圧補正器519は、前述したフローチャートの処理が全て終了されると、前記メモリに格納されている所定の周期分の誘起電圧Eα及びEβを削除するものとするが、これに限定されるものではない。例えば、前述したフローチャートの処理が開始される際に、前記メモリに格納されている所定の周期分の誘起電圧Eα及びEβを削除する構成であっても良い。
次に、誘起電圧補正器519が電圧補正テーブルに基づいて誘起電圧を補正する方法について説明する。
誘起電圧補正器519は、モータ制御装置157がモータを所定の回転速度ω_cで駆動している状態において誘起電圧推定器512によって推定された誘起電圧を、電圧補正テーブルに基づいて補正する。具体的には、誘起電圧補正器519は、モータ制御装置157がベクトル制御を行っている場合において、CPU151aから出力された指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cと等しい場合に、誘起電圧の補正を行う。
誘起電圧補正器519は、誘起電圧推定器512によって推定された誘起電圧Eαを、該誘起電圧Eαに対応する誘起電圧Eα´に置き換えることによって、誘起電圧Eαを補正する。例えば、図7に示すように、誘起電圧推定器512によって推定された誘起電圧Eαが−2である場合は、該誘起電圧Eαに対応する誘起電圧Eα´の値−4を補正後の誘起電圧Eα*として、位相推定器513に出力する。
図9は、誘起電圧補正器519が電圧補正テーブルに基づいて、誘起電圧Eα及びEβを補正する方法を示すフローチャートである。以下、図9を用いて、本実施形態における誘起電圧Eα及びEβの補正方法について説明する。このフローチャートの処理は、CPU151aからの指示を受けたモータ制御装置157によって実行される。
まず、CPU151aは、モータ509の駆動を制御する制御器がベクトル制御器518となるように各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御する。その結果、ベクトル制御器518によるベクトル制御が行われる。
その後、S201において、指令速度ω_refと所定の回転速度ω_cとが等しい場合は、S202において、誘起電圧補正器519は、誘起電圧推定器512から出力された誘起電圧Eα及びEβを前述した方法で補正する。その後、誘起電圧補正器519は、補正した誘起電圧Eα*及びEβ*を位相推定器513に出力し、モータ制御装置157は処理をS203に進める。
また、S201において、指令速度ω_refと所定の回転速度ω_cとが異なる場合は、モータ制御装置157は処理をS203に進める。即ち、本実施形態においては、指令速度ω_refと所定の回転速度ω_cとが異なる場合は、誘起電圧補正器519は、誘起電圧推定器512から出力された誘起電圧Eα及びEβを誘起電圧Eα*及びEβ*として位相推定器513に出力する。
次に、S203において、位相推定器513は、誘起電圧Eα*及びEβ*に基づいて回転位相θを推定し、モータ制御装置157は、回転位相θに基づいて、前述した方法でベクトル制御を行う。
以降、ベクトル制御が終了されるまで、前述した制御を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態においては、定電流制御を用いて所定の回転速度ω_cでモータを駆動している状態において推定された誘起電圧Eα及びEβの振幅と前記所定の回転速度ω_cに基づいて、正弦波状の誘起電圧Eα´及びEβ´を算出する。更に、各時刻tにおける誘起電圧EαとEα´とを対応させることによって電圧補正テーブルを作成する。なお、B相においても同様にして電圧補正テーブルを作成する。ベクトル制御を用いて前記所定の回転速度ω_cでモータを駆動する場合は、前記電圧補正テーブルに基づいて誘起電圧Eα及びEβを補正する。即ち、波形の歪んだ誘起電圧の値を、波形に歪みのない誘起電圧の値に置き換えることによって、波形の歪んだ誘起電圧の値を補正する。この結果、誘起電圧の波形に生じる歪みを低減することができる。また、歪みが低減された誘起電圧に基づいて回転位相を推定し、該回転位相に基づいてベクトル制御を行うため、モータの制御が不安定になることを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、定電流制御を用いた状態において推定された誘起電圧Eα及びEβの振幅と所定の回転速度ω_cに基づいて、電圧補正テーブルを作成したが、この限りではない。例えば、ベクトル制御を用いた状態において推定された誘起電圧Eα及びEβの振幅と所定の回転速度ω_cに基づいて、電圧補正テーブルを作成する構成であっても良い。
また、本実施形態においては、電圧補正テーブルは、例えば、ユーザが操作部152を用いて電圧補正テーブルを作成する指令をCPU151aに出力することによって作成される構成とするが、これに限定されるものではない。
なお、本実施形態におけるベクトル制御では、回転子402の回転位相θの推定値を基準とした回転座標系が用いられているが、これに限定されるものではない。例えば、指令位相θ_refを基準とした回転座標系が用いられても良い。
また、本実施形態においては、電圧補正テーブルを用いて誘起電圧を補正したが、これに限定されるものではない。例えば、誘起電圧Eαの値とEα´の値とに基づいてフィッティングを行うことにより誘起電圧に関する関数を作成し、前記関数に基づいて誘起電圧の補正を行っても良い。具体的には、例えば、推定された誘起電圧の値を前記関数に代入して演算し、演算された値を補正後の誘起電圧とする構成であっても良い。
〔第2実施形態〕
画像形成装置の構成は第1実施形態と同様である。
第1実施形態においては、推定された誘起電圧の値を補正する構成について説明した。本実施形態では、推定された誘起電圧の値に基づいて回転子の回転位相を推定し、推定された回転位相を補正する構成について説明する。
[位相の補正方法]
図10は、本実施形態における回転位相の波形を示す図である。
回転子が一定速度で回転している場合における回転位相は、回転子の着磁や固定子と回転子とのギャップが均一であれば、図10に示す点線のように、時間の経過に伴ってノコギリ波状に変化する。しかしながら、実際には回転子の着磁ムラや固定子と回転子とのギャップムラ等があることによって、回転子が一定速度で回転している場合であっても、回転位相の波形は、図10に示す実線のように歪んだ波形になってしまう。なお、図10に示す波形は本実施形態における一例であり、これに限定されるものではない。
図11は、本実施形態におけるモータ制御装置157の構成の例を示すブロック図である。本実施形態におけるモータ制御装置157には、位相推定器513によって推定された回転位相を補正する位相補正器520が設けられている。また、位相補正器520の内部には、位相推定器513から出力された回転位相等を記憶するメモリ(不図示)が設けられている。
以下、図10乃至12を用いて、位相補正演算器520が位相推定器513から出力された回転位相θを補正する方法について説明する。なお、本実施形態においては、定電流制御を行っている期間も、ベクトル制御を行う回路は稼働しているものとする。即ち、定電流制御を行っている期間も、誘起電圧推定器512、位相推定器513及び位相補正器520等は稼働しているものとする。また、制御方法が第1実施形態における制御方法と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、回転位相を補正する際に用いられる位相補正テーブルを作成し、前記位相補正テーブルに基づいて回転位相を補正する。
まず、位相補正テーブルを作成する方法について説明する。
CPU151aは、モータ509の駆動を制御する制御器が定電流制御器517となるように各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御し、モータ制御装置157は定電流制御を行う。また、CPU151aは、指令位相θ_refに基づいて指令速度ω_refを算出し、位相補正器520に指令速度ω_refを出力する。
位相補正器520は、CPU151aから出力された指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cと等しくなったら、位相推定器513から出力された回転位相θを時刻tと対応させて所定の周期分だけ前記メモリに記憶する。なお、前記所定の周期は1周期以上であれば良い。また、指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cと等しい状態は、モータを所定の回転速度で駆動している状態に対応する。
また、位相補正器520は、前記所定の回転速度ω_cに基づいて、図10に示す点線のような回転位相θ´を算出する。
図12は、本実施形態における回転位相を補正する際に用いられる位相補正テーブルを示す図である。
位相補正器520は、図10に示す、各時刻tにおける回転位相θとθ´とを対応させることによって図12に示す位相補正テーブルを作成し、前記メモリに記憶する。また、図12に示す電圧補正テーブルは本実施形態における一例であり、これに限定されるものではない。
なお、回転位相の周期は、モータの回転速度毎に異なる。即ち、前記所定の回転速度ω_cに基づいて作成された位相補正テーブルは、前記所定の回転速度ω_cでモータが制御されている場合において用いられることが有効である。したがって、回転速度毎に位相補正テーブルを作成し、モータ制御装置157がモータを駆動する際のモータの回転速度に応じた位相補正テーブルを用いることによって、より精度良く回転位相を補正することができる。
図13は、モータ制御装置157を用いて位相補正テーブルを作成する方法を示すフローチャートである。以下、図13を用いて、本実施形態における位相補正テーブルの作成方法について説明する。このフローチャートの処理は、CPU151aからの指示を受けたモータ制御装置157によって実行される。
位相補正テーブルを作成する動作が開始されると、S301において、CPU151aはモータ制御装置157にenable信号‘H’を出力し、モータ制御装置157はCPU151aから出力される指令に基づいてモータ509の駆動制御を開始する。
その後、S302において、CPU151aは、モータ509の駆動を制御する制御器が定電流制御器517となるように各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御する。その結果、定電流制御器517による定電流制御が行われる。
次に、S303において、指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cに到達すると、S304において、位相補正器520は、位相推定器513から出力された回転位相θを所定の周期分だけ前記メモリに記憶する。また、モータ制御装置157は、処理をS305に進める。
S305において、位相補正器520は、所定の回転速度ω_cに基づいて、回転位相θ´を算出し、モータ制御装置157は処理をS306に進める。
S306において、位相補正器520は、回転位相θとθ´とに基づいて位相補正テーブルを作成し、メモリに記憶する。その後、S307において、CPU151aがモータ制御装置157にenable信号‘L’を出力することにより、モータ制御装置157はモータの制御を終了する。この結果、モータ制御装置157による位相補正テーブルの作成が終了される。
前述の如くして、位相補正器520は位相補正テーブルを作成する。なお、本実施形態においては、位相補正器520は、前述したフローチャートの処理が全て終了されると、前記メモリに格納されている所定の周期分の回転位相θを削除するものとするが、これに限定されるものではない。例えば、前述したフローチャートの処理が開始される際に、前記メモリに格納されている所定の周期分の回転位相θを削除する構成であっても良い。
次に、位相補正器520が位相補正テーブルに基づいて回転位相を補正する方法について説明する。
位相補正器520は、モータ制御装置157がモータを前記所定の回転速度ω_cで駆動している状態において位相推定器513によって推定された回転位相を、位相補正テーブルに基づいて補正する。具体的には、位相補正器520は、モータ制御装置157がベクトル制御を行っている場合において、CPU151aから出力された指令速度ω_refが所定の回転速度ω_cと等しい場合に、回転位相の補正を行う。
位相補正器520は、位相推定器513によって推定された回転位相θを、該回転位相θに対応する回転位相θ´に置き換えることによって、回転位相θを補正する。例えば、位相補正器520は、図12に示すように、位相推定器513によって推定された回転位相θの値が−60である場合は、該回転位相θに対応する回転位相θ´の値−50を補正後の回転位相θ*として出力する。
図14は、位相補正器520が位相補正テーブルに基づいて、回転位相θを補正する方法を示すフローチャートである。以下、図14を用いて、本実施形態における回転位相θの補正方法について説明する。このフローチャートの処理は、CPU151aからの指示を受けたモータ制御装置157によって実行される。
まず、CPU151aは、モータ509の駆動を制御する制御器がベクトル制御器518となるように各スイッチ516a、516b、516cの状態を制御する。その結果、ベクトル制御器518によるベクトル制御が行われる。
その後、S401において、位相推定器513は、誘起電圧推定器512から出力された誘起電圧Eα及びEβに基づいて回転位相θを推定し、位相補正器520に出力する。
次に、S402において、指令速度ω_refと所定の回転速度ω_cとが等しい場合は、S403において、位相補正器520は、位相推定器513から出力された回転位相θを前述した方法で補正する。その後、位相補正器520は、補正した回転位相θ*を出力し、モータ制御装置157は処理をS404に進める。
また、S402において、指令速度ω_refと所定の回転速度ω_cとが異なる場合は、モータ制御装置157は処理をS404に進める。即ち、本実施形態においては、指令速度ω_refと所定の回転速度ω_cとが異なる場合は、位相補正器520は、位相推定器513から出力された回転位相θを回転位相θ*として出力する。モータ制御装置157は、前記回転位相θ*に基づいて、前述した方法でベクトル制御を行う。
以降、ベクトル制御が終了されるまで、前述した制御を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態においては、所定の回転速度ω_cに基づいて、ノコギリ波状の回転位相θ´を算出する。更に、各時刻における回転位相θとθ´とを対応させることによって位相補正テーブルを作成する。ベクトル制御を用いて前記所定の回転速度ω_cでモータを駆動する場合は、前記位相補正テーブルに基づいて回転位相θを補正する。即ち、波形の歪んだ回転位相の値を、波形に歪みのない回転位相の値に置き換えることによって、波形の歪んだ回転位相の値を補正する。この結果、誘起電圧の波形に生じる歪みに起因する回転位相の波形の歪みを低減することができる。また、歪みが低減された回転位相に基づいてベクトル制御を行うため、モータの制御が不安定になることを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、定電流制御を用いた状態において推定された回転位相θと所定の回転速度ω_cに基づいて、電圧補正テーブルを作成したが、この限りではない。例えば、ベクトル制御を用いた状態において推定された回転位相θと所定の回転速度ω_cに基づいて、電圧補正テーブルを作成する構成であっても良い。
また、本実施形態においては、位相補正テーブルは、例えば、ユーザが操作部152を用いて位相補正テーブルを作成する指令をCPU151aに出力することによって作成される構成とするが、これに限定されるものではない。
なお、本実施形態におけるベクトル制御では、回転子402の回転位相θの推定値を基準とした回転座標系が用いられているが、これに限定されるものではない。例えば、指令位相θ_refを基準とした回転座標系が用いられても良い。
また、本実施形態においては、位相補正テーブルを用いて回転位相を補正したが、これに限定されるものではない。例えば、回転位相θの値とθ´の値とに基づいてフィッティングを行うことにより回転位相に関する関数を作成し、前記関数に基づいて回転位相の補正を行っても良い。具体的には、例えば、推定された回転位相の値を前記関数に代入して演算し、演算された値を補正後の回転位相とする構成であっても良い。
157 モータ制御装置
402 回転子
502 位相制御器
503 電流制御器
506 PWMインバータ
507、508 電流検出器
509 ステッピングモータ
512 誘起電圧推定器
513 位相推定器
518 ベクトル制御器
519 誘起電圧補正器

Claims (18)

  1. モータの回転子の目標位相を表す指令位相に基づいて前記モータを制御するモータ制御装置において、
    前記モータの第1相の巻線及び第2相の巻線に駆動電流を供給する電流供給手段と、
    前記電流供給手段を駆動する駆動電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記電流供給手段によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に供給された駆動電流の電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電圧生成手段によって生成された駆動電圧と、前記電流検出手段によって検出された電流値とに基づいて、前記モータの回転子の回転によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に誘起される誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段と、
    前記誘起電圧推定手段によって推定された前記第1相の巻線及び第2相の巻線の誘起電圧の値を補正する誘起電圧補正手段と、
    前記誘起電圧補正手段によって補正された前記第1相の誘起電圧の値と前記第2相の誘起電圧の値とに基づいて前記モータの回転子の回転位相を推定する位相推定手段と、
    前記位相推定手段によって推定された回転位相を基準とした回転座標系における駆動電流の電流値を、前記指令位相と前記回転位相との偏差が小さくなるように制御する位相フィードバックを行うことによって前記モータを制御する第1の制御モードを備えるモータ制御手段と、
    を有し、
    前記誘起電圧補正手段は、前記モータ制御手段が前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値に基づいて、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値を補正することを特徴とするモータ制御装置。
  2. モータの回転子の目標速度を表す指令速度に基づいて前記モータを制御するモータ制御装置において、
    前記モータの第1相の巻線及び第2相の巻線に駆動電流を供給する電流供給手段と、
    前記電流供給手段を駆動する駆動電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記電流供給手段によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に供給された駆動電流の電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電圧生成手段によって生成された駆動電圧と、前記電流検出手段によって検出された電流値とに基づいて、前記モータの回転子の回転によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に誘起される誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段と、
    前記誘起電圧推定手段によって推定された前記第1相の巻線及び第2相の巻線の誘起電圧の値を補正する誘起電圧補正手段と、
    前記誘起電圧補正手段によって補正された前記第1相の誘起電圧の値と前記第2相の誘起電圧の値とに基づいて前記モータの回転子の回転位相を推定する位相推定手段と、
    前記位相推定手段によって推定された前記回転位相の時間変化に基づいて前記回転子の回転速度を推定する速度推定手段と、
    前記位相推定手段によって推定された回転位相を基準とした回転座標系における駆動電流の電流値を、前記指令速度と前記回転速度との偏差が小さくなるように制御する速度フィードバックを行うことによって前記モータを制御する第1の制御モードを備えるモータ制御手段と、
    を有し、
    前記誘起電圧補正手段は、前記モータ制御手段が前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値と前記所定の回転速度とに基づいて、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値を補正することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 前記モータ制御手段は、前記モータの巻線に所定の電流を供給することによって前記モータを制御する第2の制御モードを備え、
    前記誘起電圧補正手段は、前記モータ制御手段が前記第2の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値を、該誘起電圧が推定された時刻と対応させて所定の周期分だけ記憶する記憶手段を有し、
    更に、前記誘起電圧補正手段は、前記記憶手段に記憶された前記所定の周期分の誘起電圧の値と前記所定の回転速度とに基づいて、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値を補正する際に用いられる電圧補正テーブルを作成し、前記電圧補正テーブルを前記記憶手段に記憶し、
    更に、前記誘起電圧補正手段は、前記記憶手段に記憶された電圧補正テーブルに基づいて、前記誘起電圧を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記誘起電圧補正手段は、前記モータの回転速度毎に電圧補正テーブルを作成して、前記電圧補正テーブルを前記記憶手段に記憶し、
    更に、前記誘起電圧補正手段は、前記記憶手段に記憶された、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを駆動する際の前記モータの回転速度に対応する電圧補正テーブルに基づいて、前記誘起電圧を補正することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. モータの回転子の目標位相を表す指令位相に基づいて前記モータを制御するモータ制御装置において、
    前記モータの第1相の巻線及び第2相の巻線に駆動電流を供給する電流供給手段と、
    前記電流供給手段を駆動する駆動電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記電流供給手段によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に供給された駆動電流の電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電圧生成手段によって生成された駆動電圧と、前記電流検出手段によって検出された電流値とに基づいて、前記モータの回転子の回転によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に誘起される誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段と、
    前記誘起電圧推定手段によって推定された前記第1相の誘起電圧の値と前記第2相の誘起電圧の値とに基づいて前記モータの回転子の回転位相を推定する位相推定手段と、
    前記位相推定手段によって推定された回転位相を補正する位相補正手段と、
    前記位相補正手段によって補正された回転位相を基準とした回転座標系における駆動電流の電流値を、前記指令位相と前記回転位相との偏差が小さくなるように制御する位相フィードバックを行うことによって前記モータを制御する第1の制御モードを備えるモータ制御手段と、
    を有し、
    前記位相補正手段は、前記モータ制御手段が前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記位相推定手段によって推定された回転位相と前記所定の回転速度とに基づいて、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記位相推定手段によって推定された回転位相を補正することを特徴とするモータ制御装置。
  6. モータの回転子の目標速度を表す指令速度に基づいて前記モータを制御するモータ制御装置において、
    前記モータの第1相の巻線及び第2相の巻線に駆動電流を供給する電流供給手段と、
    前記電流供給手段を駆動する駆動電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記電流供給手段によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に供給された駆動電流の電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電圧生成手段によって生成された駆動電圧と、前記電流検出手段によって検出された電流値とに基づいて、前記モータの回転子の回転によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に誘起される誘起電圧を推定する誘起電圧推定手段と、
    前記誘起電圧推定手段によって推定された前記第1相の誘起電圧の値と前記第2相の誘起電圧の値とに基づいて前記モータの回転子の回転位相を推定する位相推定手段と、
    前記位相推定手段によって推定された回転位相を補正する位相補正手段と、
    前記位相補正手段によって補正された前記回転位相の時間変化に基づいて前記回転子の回転速度を推定する速度推定手段と、
    前記位相補正手段によって補正された回転位相を基準とした回転座標系における駆動電流の電流値を、前記指令速度と前記回転速度との偏差が小さくなるように制御する速度フィードバックを行うことによって前記モータを制御する第1の制御モードを備えるモータ制御手段と、
    を有し、
    前記位相補正手段は、前記モータ制御手段が前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記位相推定手段によって推定された回転位相と前記所定の回転速度とに基づいて、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記位相推定手段によって推定された回転位相を補正することを特徴とするモータ制御装置。
  7. 前記モータ制御手段は、前記モータの巻線に所定の電流を供給することによって前記モータを制御する第2の制御モードを備え、
    前記位相補正手段は、前記モータ制御手段が前記第2の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記位相推定手段によって推定された回転位相を、該位相が推定された時刻と対応させて所定の周期分だけ記憶する記憶手段を有し、
    更に、前記位相補正手段は、前記記憶手段に記憶された前記所定の周期分の回転位相と前記所定の回転速度とに基づいて、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを所定の回転速度で駆動している状態において前記位相推定手段によって推定された回転位相を補正する際に用いられる位相補正テーブルを作成し、前記電圧補正テーブルを前記記憶手段に記憶し、
    更に、前記位相補正手段は、前記記憶手段に記憶された位相補正テーブルに基づいて前記回転位相を補正することを特徴とする請求項5又は6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記位相補正手段は、前記モータの回転速度毎に位相補正テーブルを作成して、前記位相補正テーブルを前記記憶手段に記憶し、
    更に、前記位相補正手段は、前記記憶手段に記憶された、前記モータ制御手段が前記第1の制御モードを用いて前記モータを駆動する際の前記モータの回転速度に対応する位相補正テーブルに基づいて、前記回転位相を補正することを特徴とする請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 更に、前記モータ制御装置は、前記位相推定手段によって推定された回転位相に基づいて、前記電流検出手段によって検出された静止座標系の電流値を前記回転座標系の電流値へと座標変換する座標変換手段を有し、
    前記モータ制御手段は、前記指令位相と前記位相推定手段によって推定された回転位相との偏差が小さくなるように前記回転座標系における駆動電流の電流値を生成して出力し、
    前記電圧生成手段は、前記モータ制御手段から出力された電流値と前記座標変換手段によって座標変換された電流値との偏差が小さくなるように前記回転座標系の駆動電圧を生成することを特徴とする請求項1、請求項1を引用する請求項3および4、請求項5、請求項5を引用する請求項7および8のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  10. 前記モータ制御装置は、前記電圧生成手段によって生成された前記回転座標系の駆動電圧を前記静止座標系の駆動電圧に座標逆変換する座標逆変換手段を有し、
    前記電流供給手段は、前記座標逆変換手段によって座標逆変換された駆動電圧によって駆動されることを特徴とする請求項9に記載のモータ制御装置。
  11. 前記モータ制御装置は、前記速度推定手段によって推定された回転速度に基づいて、前記電流検出手段によって検出された静止座標系の電流値を前記回転座標系の電流値へと座標変換する座標変換手段を有し、
    前記モータ制御手段は、前記指令速度と前記速度推定手段によって推定された回転速度との偏差が小さくなるように前記回転座標系における駆動電流の電流値を生成して出力し、
    前記電圧生成手段は、前記モータ制御手段から出力された電流値と前記座標変換手段によって座標変換された電流値との偏差が小さくなるように前記回転座標系の駆動電圧を生成することを特徴とする請求項2、請求項2を引用する請求項3および4、請求項6、請求項6を引用する請求項7および8のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  12. 前記モータ制御装置は、前記電圧生成手段によって生成された前記回転座標系の駆動電圧を前記静止座標系の駆動電圧に座標逆変換する座標逆変換手段を有し、
    前記電流供給手段は、前記座標逆変換手段によって座標逆変換された駆動電圧によって駆動されることを特徴とする請求項11に記載のモータ制御装置。
  13. 前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値は、前記モータの回転子の着磁ムラに起因する周期的な誤差を含んでいることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  14. 前記誘起電圧推定手段によって推定された誘起電圧の値は、前記モータの回転子と固定子とのギャップムラに起因する周期的な誤差を含んでいることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  15. 前記モータ制御装置は、
    前記第1の制御モードにおける前記駆動電流の制御を実行するための第1の制御回路と、
    前記第2の制御モードにおける前記駆動電流の制御を実行するための第2の制御回路と、
    上位装置から出力される指令に基づいて、前記第1の制御回路を用いて前記モータを制御するか、前記第2の制御回路を用いて前記モータを制御するかを切り替える制御切替手段と、
    を有することを特徴とする請求項3、請求項4、請求項7乃至14のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  16. 前記駆動電流は、前記回転座標系において、前記回転子にトルクを発生させるトルク電流成分と前記回転子の磁束強度に影響する励磁電流成分とを用いて表され、
    前記第1の制御回路は、前記励磁電流成分の値を0になるように制御し、前記トルク電流成分の値を制御することによって、前記モータを制御することを特徴とする請求項15に記載のモータ制御装置。
  17. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    負荷を駆動するモータと、
    請求項1乃至16のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、前記負荷を駆動するモータの駆動を制御することを特徴とする画像形成装置。
  18. 前記負荷は、前記記録媒体を搬送する搬送ローラであることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
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