JP2018006123A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】液体燃料から水蒸気が優先して気化する現象を利用することで、水蒸気抽出手段の材料選択の自由度を広くすることができる燃料電池システムを提供すること。【解決手段】燃料電池システム2は、アノード9およびカソード10を有する単位セル28と、アノード9に接続され、液体燃料が循環する循環ライン21と、循環ライン21に介在されており、アノード9における液体燃料の反応により生成された気体と、液体燃料とを分離する気液分離タンク47と、酸素をカソード10に供給する空気供給ライン41とを備える。気液分離タンク47は、水蒸気を含む気体を液体燃料から分離する。燃料電池システム2は、さらに、気液分離タンク47内において液体燃料の水位より上方に配置され、分離された気体から水蒸気を抽出する水蒸気抽出器45を備える。水蒸気抽出器45は、空気供給ライン41に介在されている。【選択図】図1
Description
本発明は、車両などに搭載される燃料電池システムに関する。
車両などに搭載される燃料電池システムとして、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジンなどの液体燃料を使用する固体高分子形の燃料電池を備える燃料電池システムが知られている。
例えば、アノード、電解質膜およびカソードを順に有する単位セルが複数積層された燃料電池と、アノードに接続され、液体燃料が循環するクローズドラインと、クローズドラインに介在されており、アノードにおける液体燃料の反応により生成され、気液分離器として利用可能である濃度調整タンクと、濃度調整タンク内に配置される水分離器と、水分離器およびカソードに接続される空気供給ラインとを備える燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の燃料電池システムでは、水分離器は、液体燃料に浸漬されており、アノードから排出された液体燃料に含まれる水を分離している。そして、水分離器によって液体燃料から分離された水は、空気供給ラインを介して、カソードに供給され、カソードにおいて化学反応に供される。
このようにして、特許文献1では、アノードにおいて生成された水を、水分離器で分離し、そして、これをカソードで反応させることによって、水を再利用している。
しかし、水分離器は、液体燃料に浸漬されることから、液体燃料に対する高い耐腐食性(耐薬品性)が要求され、さらに液体燃料から水のみを分離する分離機能を持ち合わせる必要があり、技術的難易度が高いという不具合がある。
本発明の目的は、液体燃料から水蒸気が優先して気化する現象を利用することで、水蒸気抽出手段の材料選択の自由度を広くすることができる燃料電池システムを提供することにある。
本発明は、アノード、電解質膜およびカソードを順に有する燃料電池セルと、前記アノードに接続され、液体燃料が循環する循環路と、前記循環路に介在されており、前記アノードにおける液体燃料の反応により生成された気体と、液体燃料とを分離する気液分離器と、酸素を前記カソードに供給する供給路とを備え、前記気液分離器は、水蒸気を含む気体を液体燃料から分離し、さらに、前記気液分離器内において液体燃料の水位より上方に配置され、分離された気体から水蒸気を抽出する水蒸気抽出手段を備え、前記水蒸気抽出手段は、前記供給路に介在されている、燃料電池システムを含む。
本発明によれば、気液分離器が、液体燃料から水蒸気を含む気体を分離するので、水蒸気抽出手段を、液体燃料の水位より上方に配置することができる。そのため、水蒸気抽出手段は、液体燃料に浸漬するための高い耐腐食性を要しない。その結果、水蒸気抽出手段の材料選択の自由度を広くすることができる。
1.燃料電池システムの全体構成
図1において、電動車両1は、燃料電池およびバッテリを選択的に動力源とするハイブリッド車両であって、燃料電池システム2を搭載している。
図1において、電動車両1は、燃料電池およびバッテリを選択的に動力源とするハイブリッド車両であって、燃料電池システム2を搭載している。
燃料電池システム2は、燃料電池3と、燃料給排部4と、空気給排部5と、制御部6と、動力部7とを備えている。
(1)燃料電池
燃料電池3は、液体燃料が直接供給および排出される、例えば、アニオン交換型燃料電池であって、電動車両1の中央下側に配置されている。
燃料電池3は、液体燃料が直接供給および排出される、例えば、アニオン交換型燃料電池であって、電動車両1の中央下側に配置されている。
燃料電池3に供給され、また、燃料電池3から排出される液体燃料としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン(例えば、無水ヒドラジンや、ヒドラジン1水和物などの水加ヒドラジンなどを含む)などの燃料成分が、水(希釈水)などによって適宜の濃度に希釈された燃料成分水溶液などが挙げられる。燃料成分として、好ましくは、高出力の電気エネルギーを得る観点から、ヒドラジンが挙げられる。
なお、この一実施形態では、好ましい燃料成分として、ヒドラジンを挙げているが、ヒドラジンは、腐食性が高い。
燃料電池3は、電解質膜8と、電解質膜8の一方側に配置されたアノード9と、電解質膜8の他方側に配置されたカソード10とを有する単位セル28(燃料電池セル)が、セパレータ(図示せず)を介して複数積層されたスタック構造に形成されている。単位セル28では、アノード9、電解質膜8およびカソード10が順に配置されている。なお、図1では、積層される複数の単位セル28のうち、電動車両1の前後方向途中に配置される単位セル28だけを拡大して記載し、その他の単位セル28については簡略化して記載している。
電解質膜8は、例えば、アニオン成分が移動可能な膜であり、アニオン交換膜を用いて形成されている。
アノード9は、アノード電極11と、アノード電極11に液体燃料を供給するための燃料供給部材12とを有している。
アノード電極11は、電解質膜8の一方面に形成されている。アノード電極11の電極材料としては、例えば、触媒担持多孔質担体などが挙げられる。
燃料供給部材12は、セパレータとしても兼用され、ガス不透過性の導電性部材からなる。燃料供給部材12には、その表面から凹む葛折状の溝が形成されている。そして、燃料供給部材12は、溝の形成された表面がアノード電極11に対向接触されている。これにより、アノード電極11の一方面と燃料供給部材12の他方面(溝の形成された表面)との間には、アノード電極11全体に液体燃料を接触させるための燃料供給路13が形成される。
燃料供給路13には、液体燃料をアノード9内に流入させるための燃料供給口15が一端側(下側)に形成され、液体燃料をアノード9から排出するための燃料排出口14が他端側(上側)に形成されている。
カソード10は、カソード電極16と、カソード電極16に空気(酸素および水蒸気を含む空気)を供給するための空気供給部材17とを有している。
カソード電極16は、電解質膜8の他方面に形成されている。
カソード電極16の電極材料としては、例えば、アノード電極11の電極材料と同様の触媒担持多孔質担体などが挙げられる。
空気供給部材17は、セパレータとしても兼用され、ガス不透過性の導電性部材からなる。空気供給部材17には、その表面から凹む葛折状の溝が形成されている。そして、空気供給部材17は、溝の形成された表面がカソード電極16に対向接触されている。これにより、カソード電極16の他方面と空気供給部材17の一方面(溝の形成された表面)との間には、カソード電極16全体に空気を接触させるための空気供給路18が形成される。
空気供給路18には、空気をカソード10内に流入させるための空気供給口19が他端側(上側)に形成され、空気をカソード10から排出するための空気排出口20が一端側(下側)に形成されている。
また、このような燃料電池3において、複数の単位セル28をそれぞれ区分する1つのセパレータは、上記燃料供給部材12および上記空気供給部材17を兼ね備える。換言すると、セパレータは、その一方側面において、燃料供給部材12として作用するとともに、他方側面において、空気供給部材17として作用する。
(2)燃料給排部
燃料給排部4は、液体燃料を貯留する燃料タンク22と、燃料タンク22に接続される第1燃料供給ライン30と、第1燃料供給ライン30に接続される気液分離タンク47と、気液分離タンク47内の液体燃料をアノード9に供給する第2燃料供給ライン32と、アノード9から液体燃料を排出する燃料排出ライン31とを備えている。第2燃料供給ライン32および燃料排出ライン31の間には、アノード9が介在されている。
燃料給排部4は、液体燃料を貯留する燃料タンク22と、燃料タンク22に接続される第1燃料供給ライン30と、第1燃料供給ライン30に接続される気液分離タンク47と、気液分離タンク47内の液体燃料をアノード9に供給する第2燃料供給ライン32と、アノード9から液体燃料を排出する燃料排出ライン31とを備えている。第2燃料供給ライン32および燃料排出ライン31の間には、アノード9が介在されている。
燃料タンク22には、燃料成分が比較高濃度(気液分離タンク47内の燃料成分よりも高濃度)の液体燃料が貯蔵されている。
第1燃料供給ライン30は、その上流側端部が、燃料タンク22に接続されるとともに、その下流側端部が、気液分離タンク47に接続されている。また、第1燃料供給ライン30の流れ方向途中には、第1供給ポンプ33および燃料供給弁34が設けられている。
第1供給ポンプ33としては、例えば、送液ポンプが挙げられる。第1供給ポンプ33は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
燃料供給弁34は、第1燃料供給ライン30を開閉するための弁であって、第1供給ポンプ33の下流側に配置されている。燃料供給弁34としては、例えば、電磁弁などの開閉弁が挙げられる。また、燃料供給弁34は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
気液分離タンク47は、液体燃料に対して耐腐食性を有する材質から形成される中空の容器である。気液分離タンク47の下部には、その内外を流通させる底部流通口24が3つ形成され、気液分離タンク47の上部には、その内外を流通させる上部流通口25が1つ形成されている。
3つの底部流通口24の内の1つには、第1燃料供給ライン30の下流側端部が接続されている。
一方、3つの底部流通口24の内の2つのそれぞれには、第2燃料供給ライン32および燃料排出ライン31のそれぞれが接続されている。
他方、上部流通口25には、ガス排出管26が接続されている。また、ガス排出管26の途中には、ガス排出弁27が設けられている。
ガス排出弁27は、ガス排出管26を開放して気液分離タンク47内の圧力を開放するための弁であって、例えば、電磁弁などの開閉弁が挙げられる。ガス排出弁27は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
気液分離タンク47において、燃料タンク22から第1燃料供給ライン30を介して輸送された液体燃料(1次供給液)と、アノード9から燃料排出ライン31を介して排出された液体燃料とが、適宜の割合で混合され、燃料電池3に供給される液体燃料(2次供給液)の濃度が調整される。そのため、気液分離タンク47は、濃度調整タンクを兼ねる。
この気液分離タンク47では、液体燃料で満杯にならないように、液体燃料の液溜まり39の水位が、気液分離タンク47の高さの途中部分に位置している。また、気液分離タンク47は、水蒸気抽出器45(後述)を液溜まり39の水位より上方で配置するために、十分な高さを有する。
また、気液分離タンク47は、気液分離器として作用する。具体的には、気液分離タンク47は、後述する温度条件で用いられることから、アノード9から燃料排出ライン31を介して排出された液体燃料(排出液)から水蒸気のみが分離される。つまり、燃料成分は、気化せず、水のみが気化する。
第2燃料供給ライン32は、その上流側端部が、3つの底部流通口24の内の1つと接続され、その下流側端部が、アノード9の燃料供給口15に接続されている。第2燃料供給ライン32の流れ方向途中には、第2供給ポンプ35が設けられている。
第2供給ポンプ35としては、例えば、送液ポンプなどが挙げられる。第2供給ポンプ35は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
燃料排出ライン31は、その上流側端部が、アノード9の燃料排出口14と接続され、その下流側端部が、3つの底部流通口24の内の1つと接続されている。
そして、この燃料給排部4では、アノード9において化学反応した液体燃料が燃料排出ライン31を介して気液分離タンク47に輸送され、気液分離タンク47内において、燃料タンク22から第1燃料供給ライン30を介して輸送された高濃度の液体燃料(1次供給液)と混合されて、濃度調整される。その後、低濃度の液体燃料が、アノード9に戻ることにより、アノード9および気液分離タンク47を循環する循環路としての循環ライン21が、クローズドライン(閉流路)として形成される。
循環ライン21は、第2燃料供給ライン32および燃料排出ライン31を含み、それらの間において、アノード9および気液分離タンク47を介在している。
(3)空気給排部
空気給排部5は、酸素を含む空気をカソード10に供給する供給路としての供給ライン41と、カソード10から排出される空気を外部に排出するための空気排出ライン42とを備えている。
空気給排部5は、酸素を含む空気をカソード10に供給する供給路としての供給ライン41と、カソード10から排出される空気を外部に排出するための空気排出ライン42とを備えている。
空気供給ライン41は、その一端側(上流側)が大気中に開放され、他端側(下流側)がカソード10の空気供給口19に接続されている。空気供給ライン41の途中には、空気供給ポンプ43、空気供給弁44および水蒸気抽出手段としての水蒸気抽出器45が設けられている。
空気供給ポンプ43は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている。
空気供給弁44は、空気供給弁44の下流側に配置されている。空気供給弁44は、空気供給ライン41を開閉するための弁であって、例えば、電磁弁などの開閉弁が挙げられる。空気供給弁44は、それぞれ、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている。
水蒸気抽出器45は、空気供給ライン41に介在されている。水蒸気抽出器45は、空気供給ライン41において空気供給弁44の下流側に配置されている。また、水蒸気抽出器45は、気液分離タンク47内において、液体燃料の水位より上方に配置されている。具体的には、水蒸気抽出器45は、液体燃料からなる液溜まり39の水位より常に上方に位置するように、気液分離タンク47内の上部に配置されている。
水蒸気抽出器45は、水蒸気、窒素、二酸化炭素および酸素を含む空気から水蒸気を抽出できる一方、水蒸気以外の気体(窒素、二酸化炭素および酸素)を抽出しない(透過しない、つまり、窒素、二酸化炭素および酸素を遮断する)膜が挙げられる。また、水蒸気抽出器45は、例えば、親水性を有する。具体的には、水蒸気抽出器45は、例えば、膜式ドライヤーである。
水蒸気抽出器45は、例えば、中空糸膜からなり、具体的には、非多孔膜からなる。また、水蒸気抽出器45を形成する材料としては、例えば、液体燃料の浸漬によって劣化するような材料であってもよく、また、液体燃料に対して耐腐食性を有する材料であってもよい。好ましくは、液体燃料の飛沫がたとえ水蒸気抽出器45に接触しても水蒸気抽出器45が劣化することを抑制する観点から、フッ素系樹脂が挙げられる。
なお、好ましい燃料成分として、腐食性が高いヒドラジンを挙げているが、水蒸気抽出器45は、液体燃料の液溜まり39の水位より常に上方に位置しているため、水蒸気抽出器45が液溜まり39に浸漬されることに起因する水蒸気抽出器45の腐食が発生しない。
水蒸気抽出器45として、市販品を用いることができ、例えば、サンセップシリーズ(AGCエンジニアリング社製)などが用いられる。
水蒸気抽出器45は、気液分離タンク47内の液溜まり39の上方空間の雰囲気から水蒸気のみを抽出し、水蒸気抽出器45内に取り込む。これにより、水蒸気抽出器45内の空気が加湿される。その後、加湿された空気は、空気供給ライン41の下流側端部を介して空気供給口19からカソード10に供給される。
一方、気液分離タンク47内における、水蒸気抽出器45外の気体(主に窒素)からは、水蒸気のみが抽出される。これにより、水蒸気抽出器45外の気体は、乾燥する。その後、乾燥した空気は、ガス排出管26を介して、外部に排出される。
水蒸気は水蒸気抽出器45内に取り込まれるため、気液分離タンク47内の水蒸気の量が減少し、その分だけ、気液分離タンク47において、液体燃料から水蒸気が蒸発する。
空気供給ライン41には、さらに、バイパスライン49が備えられている。
バイパスライン49は、水蒸気抽出器45を迂回(バイパス)するように、その一端部が、空気供給ライン41における水蒸気抽出器45の上流側部分(具体的には、空気供給弁44および水蒸気抽出器45の間における空気供給ライン41)から分岐し、その他端が、空気供給ライン41における水蒸気抽出器45の下流側部分に合流する。
バイパスライン49は、水蒸気抽出器45を迂回(バイパス)するように、その一端部が、空気供給ライン41における水蒸気抽出器45の上流側部分(具体的には、空気供給弁44および水蒸気抽出器45の間における空気供給ライン41)から分岐し、その他端が、空気供給ライン41における水蒸気抽出器45の下流側部分に合流する。
また、空気供給ライン41は、バイパス弁46を備える。バイパス弁46は、空気供給ライン41におけるバイパスライン49の上流側一端部の分岐部分に介装されている。バイパス弁46は、空気供給ライン41において、空気が水蒸気抽出器45を通過する加湿経路と、空気が水蒸気抽出器45を迂回(バイパス)する迂回経路とに、切替可能な三方弁である。バイパス弁46は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。
空気排出ライン42は、その一端側(上流側)が空気排出口20に接続され、他端側(下流側)がドレンとされる。
(4)制御部
制御部6は、コントロールユニット29を備えている。
制御部6は、コントロールユニット29を備えている。
コントロールユニット29は、電動車両1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。
制御部6では、詳しくは後述するが、例えば、第1供給ポンプ33、第2供給ポンプ35、空気供給ポンプ43などの駆動および停止や、燃料供給弁34やガス排出弁27、空気供給弁44などの開閉、さらには、バイパス弁46の切替などを、適宜制御する。
(5)動力部
動力部7は、燃料電池3から出力される電気エネルギーを電動車両1の駆動力として機械エネルギーに変換するためのモータ37と、モータ37に電気的に接続されるインバータ38と、モータ37による回生エネルギーを蓄電するための動力用バッテリ40と、DC/DCコンバータ36とを備えている。
動力部7は、燃料電池3から出力される電気エネルギーを電動車両1の駆動力として機械エネルギーに変換するためのモータ37と、モータ37に電気的に接続されるインバータ38と、モータ37による回生エネルギーを蓄電するための動力用バッテリ40と、DC/DCコンバータ36とを備えている。
モータ37は、燃料電池3よりも前方、電動車両1の前側に配置されている。モータ37としては、例えば、三相誘導電動機、三相同期電動機など、公知の三相電動機が挙げられる。
インバータ38は、燃料電池3で発電された直流電力を交流電力に変換する装置であって、例えば、公知のインバータ回路が組み込まれた電力変換装置が挙げられる。また、インバータ38は、配線により、燃料電池3およびモータ37にそれぞれ電気的に接続されている。
動力用バッテリ40としては、例えば、定格電圧が100V程度のニッケル水素電池や、リチウムイオン電池など、公知の二次電池が挙げられる。また、動力用バッテリ40は、インバータ38と燃料電池3との間の配線に接続され、これにより、燃料電池3からの電力を蓄電可能、かつ、モータ37に電力を供給可能とされている。
DC/DCコンバータ36は、燃料電池3の出力電圧を昇降圧する機能を有し、燃料電池3の電力および動力用バッテリ40の入出力電力を調整する機能を有している。
DC/DCコンバータ36は、コントロールユニット29と電気的に接続されており(図1の破線参照)、これにより、コントロールユニット29から出力される出力制御信号の入力に応じて、燃料電池3の出力(出力電圧)を制御する。
また、DC/DCコンバータ36は、配線により、燃料電池3および動力用バッテリ40にそれぞれ電気的に接続されているとともに、配線の分岐により、インバータ38に電気的に接続されている。
これにより、DC/DCコンバータ36からモータ37への電力は、インバータ38において直流電力から三相交流電力に変換され、三相交流電力としてモータ37に供給される。
2.燃料電池システムによる発電
(1)燃料給排部における液体燃料の流れ、および、空気給排部における空気の流れ
燃料給排部4では、コントロールユニット29の制御により、燃料供給弁34が開かれ、第1供給ポンプ33および第2供給ポンプ35が駆動されることにより、燃料タンク22に貯留される液体燃料が、第1燃料供給ライン30を介して、気液分離タンク47に供給され、その後、液体燃料が気液分離タンク47から第2燃料供給ライン32を介してアノード9に供給される。なお、燃料供給弁34は、液体燃料が所定量供給された後に閉じられる。アノード9において化学反応した液体燃料は、燃料排出ライン31を介して、気液分離タンク47に供給される。
(1)燃料給排部における液体燃料の流れ、および、空気給排部における空気の流れ
燃料給排部4では、コントロールユニット29の制御により、燃料供給弁34が開かれ、第1供給ポンプ33および第2供給ポンプ35が駆動されることにより、燃料タンク22に貯留される液体燃料が、第1燃料供給ライン30を介して、気液分離タンク47に供給され、その後、液体燃料が気液分離タンク47から第2燃料供給ライン32を介してアノード9に供給される。なお、燃料供給弁34は、液体燃料が所定量供給された後に閉じられる。アノード9において化学反応した液体燃料は、燃料排出ライン31を介して、気液分離タンク47に供給される。
詳しくは、電動車両1の運転中において、ヒータや、電気化学反応の反応熱などにより、気液分離タンク47の液体燃料の温度が、例えば、60℃以上、例えば、80℃以下に設定されている。そのため、気液分離タンク47では、反応生成物と水(反応生成水および希釈水を含む)とを含む液体燃料(排出液)から、実質的に、水蒸気のみが分離される。つまり、上記した液体燃料における反応生成水および希釈水が気化して、水蒸気となる。
続いて、この水蒸気は、水蒸気抽出器45によって抽出される。つまり、気液分離タンク47内に存在する(発生した)水蒸気が水蒸気抽出器45内に移行する。これによって、気液分離タンク47内の水蒸気は、水蒸気抽出器45によって、気液分離タンク47内から取り除かれる。
その後、液溜まり39として気液分離タンク47に滞留される液体燃料(未反応の液体燃料および反応生成物を含む液体燃料)は、アノード9に再び供給される。
このようにして、液体燃料は、循環ライン21(第2燃料供給ライン32および燃料排出ライン31)を循環する。
一方、空気給排部5では、コントロールユニット29の制御により、空気供給弁44が開かれ、空気供給ポンプ43が駆動され、また、バイパス弁46が空気供給ライン41が加湿経路に切り替える。これにより、空気がバイパス弁46を介して水蒸気抽出器45を通過する。水蒸気抽出器45を通過する空気は、水蒸気を取り込む。つまり、空気が、加湿される。続いて、加湿された空気は、カソード10に供給される。具体的には、水蒸気および酸素が、カソード10において化学反応に供される。その後、空気は、ガス排出管26を介して外部へ排出される。
このようにして、この燃料電池システム2では、アノード9において生じた水が、気液分離タンク47によって水蒸気として分離され、続いて、かかる水蒸気が、水蒸気抽出器45によって、抽出される。抽出された水蒸気は、空気供給ライン41を通過する空気を加湿して、カソード10に供される。このようにして、水が再利用される。
また、アノード電極11およびカソード電極16のそれぞれにおいて電気化学反応が生じ、起電力が発生する。例えば、燃料成分がヒドラジンである場合には、下記式(1)〜(3)の通りとなる。
(1) N2H4+4OH−→N2+4H2O+4e− (アノード電極11での反応)
(2) O2+2H2O+4e−→4OH− (カソード電極16での反応)
(3) N2H4+O2→N2+2H2O (燃料電池3全体での反応)
すなわち、ヒドラジンが供給されたアノード電極11では、ヒドラジン(N2H4)とカソード電極16での反応で生成し、電解質膜8を透過した水酸化物イオン(OH−)とが反応して、窒素(N2)および水(H2O)が生成するとともに、電子(e−)が発生する(上記式(1)参照)。
(1) N2H4+4OH−→N2+4H2O+4e− (アノード電極11での反応)
(2) O2+2H2O+4e−→4OH− (カソード電極16での反応)
(3) N2H4+O2→N2+2H2O (燃料電池3全体での反応)
すなわち、ヒドラジンが供給されたアノード電極11では、ヒドラジン(N2H4)とカソード電極16での反応で生成し、電解質膜8を透過した水酸化物イオン(OH−)とが反応して、窒素(N2)および水(H2O)が生成するとともに、電子(e−)が発生する(上記式(1)参照)。
アノード電極11で発生した電子(e−)は、図示しない外部回路を経由してカソード電極16に到達する。つまり、この外部回路を通過する電子(e−)が、電流となる。
一方、カソード電極16では、電子(e−)と、外部からの供給もしくはアノード電極11での反応で生成し、カソード電極16にクロスリークした反応生成水(H2O)と、空気供給路18を流れる空気中の酸素(O2)とが反応して、水酸化物イオン(OH−)が生成する(上記式(2)参照)。
そして、生成した水酸化物イオン(OH−)が、電解質膜8を通過してアノード電極11に到達し、上記と同様の反応(上記式(1)参照)が生じる。
このようなアノード電極11およびカソード電極16での電気化学的反応が連続的に生じることによって、燃料電池3全体として、上記式(3)で表わされる反応が生じて、燃料電池3に起電力が発生する。
そして、発生した起電力が、配線を介して、DC/DCコンバータ36に送電され、動力部7では、インバータ38およびモータ37、および/または、動力用バッテリ40に送電される。そして、モータ37では、インバータ38により三相交流電力に変換された電気エネルギーが電動車両1の車輪を駆動させる機械エネルギーに変換される。一方、動力用バッテリ40では、その電力が充電される。
一方、水蒸気抽出器45において加湿された空気は、空気供給口19から空気供給路18に流入し、上記したように、水蒸気(H2O)および酸素がカソード電極16における反応(式(2)参照)に供される。
このようにして、水蒸気は、再利用される。
3.迂回経路への切り替え
気液分離器47内の液体燃料の量が所定よりも少ない時は、気体の混入により燃料循環が維持できなくなるため、コントロールユニット29の制御により、バイパス弁46が空気供給ライン41を迂回経路に切り替える。そうすると、空気供給ライン41およびバイパスライン49を介して、空気が、水蒸気抽出器45を通過せず、直接、カソード10に供給される。これにより、必要以上に液体燃料を減らすことなく、液体燃料の循環を維持できる。
気液分離器47内の液体燃料の量が所定よりも少ない時は、気体の混入により燃料循環が維持できなくなるため、コントロールユニット29の制御により、バイパス弁46が空気供給ライン41を迂回経路に切り替える。そうすると、空気供給ライン41およびバイパスライン49を介して、空気が、水蒸気抽出器45を通過せず、直接、カソード10に供給される。これにより、必要以上に液体燃料を減らすことなく、液体燃料の循環を維持できる。
4.作用効果
燃料電池システム2では、水蒸気抽出器45が、液体燃料から水蒸気を含む気体を分離するので、気液分離タンク47を、液体燃料からなる液溜まり39の水位より上方に配置することができる。そのため、気液分離タンク47は、液体燃料に浸漬するための高い耐腐食性を要しない。その結果、水蒸気抽出手段の材料選択の自由度を広くすることができる。
燃料電池システム2では、水蒸気抽出器45が、液体燃料から水蒸気を含む気体を分離するので、気液分離タンク47を、液体燃料からなる液溜まり39の水位より上方に配置することができる。そのため、気液分離タンク47は、液体燃料に浸漬するための高い耐腐食性を要しない。その結果、水蒸気抽出手段の材料選択の自由度を広くすることができる。
5.変形例
液溜まり39の表面または間隔を隔てた上方において、液体燃料の飛沫が水蒸気抽出器45に接触しないような飛沫飛散防止部材を配置することもできる。飛沫飛散防止部材としては、例えば、複数の貫通孔を有し、水平方向に延びるパンチングプレートなどが挙げられる。
液溜まり39の表面または間隔を隔てた上方において、液体燃料の飛沫が水蒸気抽出器45に接触しないような飛沫飛散防止部材を配置することもできる。飛沫飛散防止部材としては、例えば、複数の貫通孔を有し、水平方向に延びるパンチングプレートなどが挙げられる。
また、上記した一実施形態では、図1に示すように、気液分離タンク47は、濃度調整タンクを兼ねている。しかし、図示しないが、燃料給排部4は、濃度調整タンクを、気液分離タンク47とは別に備えることもできる。その場合には、燃料給排部4の循環ライン21において、気液分離タンク47の下流側と、燃料電池3の上流側との間に濃度調整タンク(図示せず)を介在させるとともに、濃度調整タンクに、第1燃料供給ライン30の下流側端部を接続する。
この変形例では、濃度調整タンクにおいて、気液分離タンク47から輸送された低濃度の液体燃料(排出液)と、燃料タンク22から第1燃料供給ライン30を介して輸送された高濃度の液体燃料(1次供給液)とが、適宜の割合で混合され、燃料成分の濃度が調整される。
上記した各変形例によっても、上記した一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
2 燃料電池システム
8 電解質膜
9 アノード
10カソード
21循環ライン
28単位セル
41空気供給ライン
45水蒸気抽出器
47気液分離タンク
8 電解質膜
9 アノード
10カソード
21循環ライン
28単位セル
41空気供給ライン
45水蒸気抽出器
47気液分離タンク
Claims (1)
- アノード、電解質膜およびカソードを順に有する燃料電池セルと、
前記アノードに接続され、液体燃料が循環する循環路と、
前記循環路に介在されており、前記アノードにおける液体燃料の反応により生成された気体と、液体燃料とを分離する気液分離器と、
酸素を前記カソードに供給する供給路とを備え、
前記気液分離器は、水蒸気を含む気体を液体燃料から分離し、
さらに、前記気液分離器内において液体燃料の水位より上方に配置され、分離された気体から水蒸気を抽出する水蒸気抽出手段を備え、
前記水蒸気抽出手段は、前記供給路に介在されていることを特徴とする、燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016130454A JP2018006123A (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016130454A JP2018006123A (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018006123A true JP2018006123A (ja) | 2018-01-11 |
Family
ID=60949652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016130454A Pending JP2018006123A (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018006123A (ja) |
-
2016
- 2016-06-30 JP JP2016130454A patent/JP2018006123A/ja active Pending
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