JP2014127457A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】レイアウトの自由度の向上を図ることができながら、確実にパージすることのできる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】
燃料電池システム2は、電解質層8、電解質層8の一方側に配置され、液体燃料が接触されるアノード電極11、電解質層8の他方側に配置され、空気が接触されるカソード電極16、アノード電極11に液体燃料を接触させながら通過させる燃料供給路13、および、カソード電極16に酸素を接触させながら通過させる空気供給路18を備える燃料電池3と、燃料供給路13に液体燃料を供給するための燃料給排部4と、空気供給路18に空気を供給するための空気給排部5と、空気給排部5の空気を燃料供給路13に供給するためのパージ機構70とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体燃料が供給される燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
現在まで、燃料電池としては、アルカリ形(AFC)、固体高分子形(PEFC)、リン酸形(PAFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体電解質形(SOFC)などの各種のものが知られている。なかでも、固体高分子形燃料電池は、比較的低温で運転できることから、例えば、自動車用途などの各種用途での使用が検討されている。
具体的には、燃料極としてのアノードと、酸素極としてのカソードとが、固体高分子膜からなる電解質層を挟んで対向配置される固体高分子形の燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の燃料電池では、ヒドラジン類などを液体燃料としているため、液体燃料が循環するアノードでは、窒素などのガスが生成される。
このような燃料電池を備える燃料電池システムにおいては、システムシャットダウン時に燃料電池内に液体燃料が残存すると、残存する液体燃料と、アノード触媒との接触による副反応によって、電解質層の劣化や、燃料電池内の圧力上昇、有害ガスの発生などの不具合を生じる。
そこで、システムシャットダウン時に、燃料電池内に残存する液体燃料をパージして、上記の不具合の発生を抑制することが検討されている。
特開2009−224219号公報
しかるに、上記した特許文献1に記載の燃料電池において、燃料電池内に残存する液体燃料をパージしようとする場合には、液体燃料の自重により燃料電池内に残存する液体燃料をパージすることが検討される。しかし、このような場合には、燃料電池より下方にパージした液体燃料を受けるためのタンクなどが必要となり、燃料電池システムのレイアウトの自由度が制限される。
また、燃料電池システム内で、液体燃料を循環させる場合には、燃料循環ポンプのエア噛み防止のために、ポンプをさらに下方に設置するか、あるいは、呼び水を用いる必要があるなど、燃料電池システムのレイアウトの自由度がさらに制限されたり、追加部品が必要となるなど、燃料電池システムの車両への搭載性が不良となる。
また、燃料電池内に残存する液体燃料を発電させて、生成ガスを用いてパージすることも検討される。しかし、このような場合には、燃料電池内の液体燃料が少ない状態で発電させるため、アノード触媒が劣化したり、長期的には、燃料電池内でのアノード触媒の劣化具合にばらつきが生じ、発電効率が減少するなどの不具合を生じる。
そこで、本発明の目的は、レイアウトの自由度の向上を図ることができながら、確実にパージすることのできる燃料電池システムを提供することにある。
本発明の燃料電池システムは、電解質層、電解質層の一方側に配置され、液体燃料が接触されるアノード電極、電解質層の他方側に配置され、酸素が接触されるカソード電極、アノード電極に液体燃料を接触させながら通過させるアノード流路、および、カソード電極に酸素を接触させながら通過させるカソード流路を備える燃料電池と、アノード流路に液体燃料を供給するための燃料供給手段と、カソード流路に酸素を供給するための酸素供給手段と、酸素供給手段の酸素をアノード流路に供給するためのパージ手段とを備えている。
このような燃料電池システムによれば、パージ手段によって、酸素供給手段の酸素を、アノード流路に供給することができる。
そのため、アノード流路をパージするための機構を別途設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。また、酸素供給手段から供給される酸素の圧力によって、アノード流路をパージするため、各部材の配置に制約がないので、燃料電池システムのレイアウトの自由度の向上を図ることができる。
さらに、燃料電池内に燃料が少ない状態で発電させたり、液体燃料を反応させることなく、酸素によってパージすることができるので、燃料電池が劣化することを抑制することができる。
また、本発明の燃料電池システムでは、パージ手段は、アノード流路における液体燃料の通過方向の下流側端部から、酸素を供給することが好適である。
このような燃料電池システムによれば、酸素が、液体燃料の通過方向の下流側から供給されるので、アノード流路に残存する液体燃料は、通過方向上流側に向かってパージされる。
そのため、パージされた液体燃料を、燃料供給手段に戻すことができるので、液体燃料の再利用を図ることができ、燃料電池システムの燃料効率を向上させることができる。
本発明の燃料電池システムによれば、レイアウトの自由度の向上を図ることができながら、確実にパージすることができる。
図1は、本発明の燃料電池システムの一実施形態を搭載した電動車両の概略構成図である。
図1において、電動車両1は、燃料電池およびバッテリを選択的に動力源とするハイブリッド車両であって、燃料電池システム2を搭載している。
燃料電池システム2は、燃料電池3と、燃料供給手段の一例としての燃料給排部4と、酸素供給手段の一例としての空気給排部5と、制御部6と、動力部7とを備えている。
(1)燃料電池
燃料電池3は、液体燃料が直接供給および排出される、例えば、アニオン交換型燃料電池またはカチオン交換型燃料電池であって、電動車両1の中央下側に配置されている。
燃料電池3に供給され、また、燃料電池3から排出される液体燃料としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン類(例えば、無水ヒドラジンや、ヒドラジン1水和物などの水加ヒドラジンなどを含む)などが挙げられる。
燃料電池3は、電解質層8と、電解質層8の一方側に配置され、液体燃料が供給されるアノード9と、電解質層8の他方側に配置され、空気(酸素)が供給されるカソード10とを有する単位セル(燃料電池セル)が、セパレータ(図示せず)を介して複数積層されたスタック構造に形成されている。つまり、電解質層8を介してアノード9およびカソード10が対向配置されてなる単位セルが複数積層されている。なお、図1では、積層される複数の単位セルのうち、1つだけを燃料電池3として示し、その他の単位セルについては省略している。
電解質層8は、例えば、アニオン成分またはカチオン成分が移動可能な層であり、アニオン交換膜またはカチオン交換膜を用いて形成されている。
アノード9は、アノード電極11と、アノード電極11に液体燃料を供給するための燃料供給部材12とを備えている。
アノード電極11は、電解質層8の一方面に形成されている。
アノード電極11の電極材料としては、例えば、アノード触媒が担持された多孔質担体(触媒担持多孔質担体)などが挙げられる。
燃料供給部材12は、セパレータとしても兼用され、ガス不透過性の導電性部材からなる。燃料供給部材12には、その表面から凹む葛折状の溝が形成されている。そして、燃料供給部材12は、溝の形成された表面がアノード電極11に対向接触されている。これにより、アノード電極11の一方面と燃料供給部材12の他方面(溝の形成された表面)との間には、アノード電極11全体に液体燃料を接触させながら通過させるためのアノード流路の一例としての燃料供給路13が形成される。
燃料供給路13には、液体燃料を燃料供給路13内に流入させるための燃料供給口15が一端側(下側)に形成され、液体燃料を燃料供給路13から排出するための燃料排出口14が他端側(上側)に形成されている。
カソード10は、カソード電極16と、カソード電極16に空気(酸素)を供給するための空気供給部材17とを備えている。
カソード電極16は、電解質層8の他方面に形成されている。
カソード電極16の電極材料としては、例えば、カソード触媒が担持された多孔質担体(触媒担持多孔質担体)などが挙げられる。
空気供給部材17は、セパレータとしても兼用され、ガス不透過性の導電性部材からなる。空気供給部材17には、その表面から凹む葛折状の溝が形成されている。そして、空気供給部材17は、溝の形成された表面がカソード電極16に対向接触されている。これにより、カソード電極16の他方面と空気供給部材17の一方面(溝の形成された表面)との間には、カソード電極16全体に空気を接触させながら通過させるためのカソード流路の一例としての空気供給路18が形成される。
空気供給路18には、空気を空気供給路18内に流入させるための空気供給口19が他端側(上側)に形成され、空気を空気供給路18から排出するための空気排出口20が一端側(下側)に形成されている。
また、このような燃料電池3において、複数の単位セルをそれぞれ区分する1つのセパレータは、上記燃料供給部材12および上記空気供給部材17を兼ね備える。換言すると、セパレータは、その一方側面において、燃料供給部材12として作用するとともに、他方側面において、空気供給部材17として作用する。
(2)燃料給排部
燃料給排部4は、燃料供給路13に液体燃料を供給するために設けられている。
燃料給排部4は、液体燃料を貯蔵するための燃料タンク21と、燃料タンク21から供給される液体燃料を燃料供給路13に供給するとともに、燃料電池3(具体的には、燃料供給路13)から排出される液体燃料を燃料電池3(具体的には、燃料供給路13)に還流するために還流管22とを備えている。
燃料タンク21は、燃料電池3よりも後方、電動車両1の後側に配置されている。燃料タンク21には、上記した液体燃料が貯蔵されている。
還流管22は、その一端側(下側)がシール材(ガスケットなど)を介して燃料電池3の燃料供給口15に接続され、他端側(上側)がシール材(ガスケットなど)を介して燃料電池3の燃料排出口14に接続されている。
これにより、燃料供給路13の両端(燃料排出口14および燃料供給口15)が、燃料電池3の外部に設けられた還流管22を介して密閉状態で連通する。したがって、燃料電池3と燃料給排部4との間には、燃料排出口14(上流側)から排出される液体燃料が、還流管22を介して燃料供給口15(下流側)へ流れ、燃料供給路13を介して再び燃料排出口14に戻ることによりアノード9を循環するクローズドライン(閉流路)が形成される。
また、還流管22の途中には、循環タンク23と、第1気液分離器24とが介在されている。
循環タンク23は、例えば、中空の容器からなり、その上部上面には、循環タンク23の内外を流通させる循環タンク燃料流入口25および循環タンク循環燃料流入口26が形成されている。また、循環タンク23の上部側面には、循環タンク23の内外を流通させる循環タンク気体流出口27が形成されている。また、循環タンク23の下部底面には、循環タンク23の内外を流通させる循環タンク循環燃料流出口28が形成されている。
循環タンク燃料流入口25、循環タンク循環燃料流入口26、循環タンク気体流出口27、および、循環タンク循環燃料流出口28は、循環タンク23の中空部分を介して互いに流通可能とされている。
循環タンク23は、燃料電池3よりも電動車両1の前後方向後方、かつ、電動車両1の上下方向下方において、循環タンク循環燃料流入口26と循環タンク循環燃料流出口28とが、それぞれ、シール材(ガスケットなど)を介して、還流管22に接続されることにより、還流管22に介装されている。
これによって、循環タンク23の中空部分が、クローズドラインの一部を形成している。
また、還流管22において循環タンク23の下流側、かつ、燃料電池3の上流側の途中には、燃料電池3に液体燃料を輸送するための循環燃料輸送ポンプ29が介在されている。
循環燃料輸送ポンプ29としては、例えば、ロータリーポンプ、ギヤポンプなどの回転式ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプなどの往復式ポンプなど、公知の送液ポンプが用いられる。循環燃料輸送ポンプ29は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が、循環燃料輸送ポンプ29に入力され、コントロールユニット60(後述)が、循環燃料輸送ポンプ29の駆動および停止を制御する。
循環タンク燃料流入口25には、燃料タンク21に貯蔵された液体燃料を循環タンク23に供給するための燃料供給管36が接続されている。
具体的には、燃料供給管36は、その一端側が、循環タンク燃料流入口25に、シール材(ガスケットなど)を介して接続されるとともに、他端側が、燃料タンク21に、シール材(ガスケットなど)を介して接続されている。
また、燃料供給管36の途中には、燃料供給弁37が設けられている。
燃料供給弁37は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が燃料供給弁37に入力され、コントロールユニット60(後述)が、燃料供給弁37の開閉を制御する。
また、燃料供給管36において、燃料供給弁37と燃料タンク21との間(燃料供給弁37の上流側)には、燃料輸送ポンプ38が設けられている。
燃料輸送ポンプ38としては、例えば、ロータリーポンプ、ギヤポンプなどの回転式ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプなどの往復式ポンプなど、公知の送液ポンプが用いられる。燃料輸送ポンプ38は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が、燃料輸送ポンプ38に入力され、コントロールユニット60(後述)が、燃料輸送ポンプ38の駆動および停止を制御する。
循環タンク気体流出口27には、循環タンク23内で分離されたガス(気体)を外部に排出するための第1ガス排出管40が接続されている。
第1ガス排出管40は、その一端側(上流側)が、シール材(ガスケットなど)を介して循環タンク気体流出口27に接続され、その他端側(下流側)がドレンとされる。
また、第1ガス排出管40の途中には、排気処理器41が設けられている。
排気処理器41は、液体燃料から分離された気体に含まれる有害成分(後述するアンモニア)を無害化処理するために設けられている。
第1ガス排出管40において、循環タンク23の下流側、かつ、排気処理器41の上流側の途中には、第1ガスパージ弁42が設けられている。
第1ガスパージ弁42は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が第1ガスパージ弁42に入力され、コントロールユニット60(後述)が、第1ガスパージ弁42の開閉を制御する。
第1気液分離器24は、例えば、中空の容器からなり、その上部側面には、第1気液分離器24の内外を流通させる第1循環燃料流入口30、第2循環燃料流入口31、および、第1気体流出口32が形成されている。また、第1気液分離器24の下部底面には、第1気液分離器24の内外を流通させる第1液体流出口33が形成されている。
第1循環燃料流入口30、第2循環燃料流入口31、第1気体流出口32、および、第1液体流出口33は、第1気液分離器24の中空部分を介して互いに流通可能とされている。
第1気液分離器24は、燃料電池3よりも電動車両1の前後方向後方、かつ、電動車両1の上下方向上方において、第1循環燃料流入口30と第1液体流出口33とが、それぞれ、シール材(ガスケットなど)を介して、還流管22に接続されることにより、還流管22に介装されている。
これによって、第1気液分離器24の中空部分が、クローズドラインの一部を形成している。
また、還流管22において第1気液分離器24の下流側、かつ、循環タンク23の上流側の途中には、燃料循環弁34が設けられている。
燃料循環弁34は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が燃料循環弁34に入力され、コントロールユニット60(後述)が、燃料循環弁34の開閉を制御する。
第2循環燃料流入口31には、後述するが、燃料回収装置52の燃料還流管54の下流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して、接続されている。
第1気体流出口32には、第1気液分離器24内で分離されたガス(気体)を排気処理器41を介して排出するための第2ガス排出管43が設けられている。
第2ガス排出管43の一方側(上流側)端部は、シール材(ガスケットなど)を介して、第1気液分離器24の第1気体流出口32に接続され、第2ガス排出管43の他方側(下流側)端部は、シール材(ガスケットなど)を介して、排気処理器41に接続されている。
また、第2ガス排出管43の途中には、第2ガスパージ弁44が設けられている。
第2ガスパージ弁44は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が第2ガスパージ弁44に入力され、コントロールユニット60(後述)が第2ガスパージ弁44の開閉を制御する。
(3)空気給排部
空気給排部5は、空気を空気供給路18に供給するための空気供給管47と、空気供給路18から排出される空気を外部に排出するための空気排出管48とを備えている。
空気供給管47は、その一端側(上流側)が大気に開放され、他端側(下流側)が空気供給口19に接続されている。空気供給管47の途中には、空気供給ポンプ49が介在されている。
空気供給ポンプ49としては、例えば、エアコンプレッサなど、公知の送気ポンプが用いられる。空気供給ポンプ49は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が、空気供給ポンプ49に入力され、コントロールユニット60(後述)が、空気供給ポンプ49の駆動および停止を制御する。
空気供給管47において空気供給ポンプ49の下流側には、空気供給弁50が設けられている。
空気供給弁50は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が空気供給弁50に入力され、コントロールユニット60(後述)が、空気供給弁50の開閉を制御する。
空気排出管48は、その一端側(上流側)が空気排出口20に接続され、他端側(下流側)がドレンとされる。
空気排出管48には、空気排出弁51が設けられている。
空気排出弁51は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が空気排出弁51に入力され、コントロールユニット60(後述)が、空気排出弁51の開閉を制御する。
また、空気排出管48において、空気排出弁51と燃料電池3との間(空気排出弁51の上流側)には、燃料回収装置52が設けられている。
燃料回収装置52は、詳しくは後述するが、燃料供給路13に供給された液体燃料がアノード9において反応することなく電解質層8を透過し、空気供給路18に漏出する場合(すなわち、クロスオーバー現象が惹起される場合)に、その漏出した液体燃料を空気供給路18から回収するための装置であって、第2気液分離器53と、燃料還流管54とを備えている。
第2気液分離器53は、例えば、中空の容器からなり、その上部側面には、第2気液分離器53の内側を流通させる第2気体流入口55および第2気体流出口56が形成されている。また、第2気液分離器53の下部底面には、第2気液分離器53の内側を流通させる第2液体流出口57が形成されている。
第2気体流入口55、第2気体流出口56、および、第2液体流出口57は、第2気液分離器53の中空部分を介して互いに流通可能とされている。
第2気液分離器53は、燃料電池3よりも電動車両1の前後方向前方、かつ、電動車両1の上下方向下方において、第2気体流入口55と第2気体流出口56とが、それぞれ、シール材(ガスケットなど)を介して、空気排出管48に接続されることにより、空気排出管48に介装されている。
すなわち、第2気体流入口55と第2気体流出口56とのそれぞれに対して空気排出管48が密嵌され、第2気体流入口55に密嵌された上流側の空気排出管48と、第2気体流出口56に密嵌された下流側の空気排出管48とが第2気液分離器53の中空部分を介して連通している。
燃料還流管54は、第2気液分離器53によって分離された液体燃料を燃料給排部4(具体的には、第1気液分離器24)に還流させるために設けられており、その一方側(上流側)端部が、シール材(ガスケットなど)を介して、第2気液分離器53の第2液体流出口57に接続されており、燃料還流管54の他方側(下流側)端部は、シール材(ガスケットなど)を介して、第1気液分離器24の第2循環燃料流入口31に接続されている。
また、燃料還流管54の途中には、燃料還流弁58が設けられている。
燃料還流弁58は、コントロールユニット60(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60(後述)からの制御信号が燃料還流弁58に入力され、コントロールユニット60(後述)が、燃料還流弁58の開閉を制御する。
(4)制御部
制御部6は、燃料電池システム2のコントロールユニット60を備えている。
コントロールユニット60は、電動車両1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。
(5)動力部
動力部7は、燃料電池3から出力される電気エネルギを電動車両1の駆動力として機械エネルギに変換するためのモータ61と、モータ61に電気的に接続されるインバータ62と、モータ61による回生エネルギを蓄電するための動力用バッテリ63と、DC/DCコンバータ64とを備えている。
モータ61は、燃料電池3よりも前方、電動車両1の前側に配置されている。モータ61としては、例えば、三相誘導電動機、三相同期電動機など、公知の三相電動機が挙げられる。
インバータ62は、モータ61と燃料電池3との間に配置されている。インバータ62は、燃料電池3で発電された直流電力を交流電力に変換する装置であって、例えば、公知のインバータ回路が組み込まれた電力変換装置が挙げられる。また、インバータ62は、配線により、燃料電池3およびモータ61にそれぞれ電気的に接続されるとともに、図示しないが、コントロールユニット60と電気的に接続されており、これにより、燃料電池3の発電を制御している。
動力用バッテリ63としては、例えば、定格電圧が100V程度のニッケル水素電池や、リチウムイオン電池など、公知の二次電池が挙げられる。また、動力用バッテリ63は、インバータ62と燃料電池3との間の配線に接続され、これにより、燃料電池3からの電力を蓄電可能、かつ、モータ61に電力を供給可能とされている。
DC/DCコンバータ64は、動力用バッテリ63と燃料電池3との間に配置されている。DC/DCコンバータ64は、燃料電池3の出力電圧を昇降圧する機能を有し、燃料電池3の電力および動力用バッテリ63の入出力電力を調整する機能を有している。
そして、DC/DCコンバータ64は、図示しないが、コントロールユニット60と電気的に接続されており、これにより、コントロールユニット60から出力される出力制御信号の入力に応じて、燃料電池3の出力(出力電圧)を制御する。
また、DC/DCコンバータ64は、配線により、燃料電池3および動力用バッテリ63にそれぞれ電気的に接続されているとともに、配線の分岐により、インバータ62に電気的に接続されている。
これにより、DC/DCコンバータ64からモータ61への電力は、インバータ62において直流電力から三相交流電力に変換され、三相交流電力としてモータ61に供給される。
2.燃料電池システムによる発電
上記した燃料電池システム2では、コントロールユニット60の制御により、燃料供給弁37が開かれ、燃料輸送ポンプ38が駆動されることによって、燃料タンク21に貯留される液体燃料が、燃料供給管36を通過して、循環タンク燃料流入口25から循環タンク23に流入する。
燃料供給弁37の開閉は、循環タンク23の液体燃料の循環タンク液溜まり66の水面が循環タンク気体流出口27まで達しないように制御されており、具体的には、例えば、循環タンク23の水位が所定値に達したとき、または、一定の時間間隔で、燃料供給弁37が開かれる。
そして、コントロールユニット60の制御により、循環燃料輸送ポンプ29が駆動されることによって、循環タンク23に貯留される液体燃料が、還流管22を介して、燃料供給路13に供給される。
一方、コントロールユニット60の制御により、空気供給弁50および空気排出弁51が開かれ、空気供給ポンプ49が駆動されることによって、空気が空気供給管47を介して空気供給部材17に供給される。
アノード9では、液体燃料が、アノード電極11と接触しながら燃料供給路13を通過する。一方、カソード10では、空気が、カソード電極16と接触しながら空気供給路18を通過する。
そして、各電極(アノード電極11およびカソード電極16)において電気化学反応が生じ、起電力が発生するとともに、この電気化学反応によって、液体燃料中にガス(気泡)が発生する。例えば、液体燃料がヒドラジンである場合には、下記式(1)〜(3)の通りとなる。
(1) N+4OH→N+4HO+4e (アノード電極11での反応)
(2) O+2HO+4e→4OH (カソード電極16での反応)
(3) N+O→N+2HO (燃料電池3全体での反応)
すなわち、ヒドラジンが供給されたアノード電極11では、ヒドラジン(N)とカソード電極16での反応で生成した水酸化物イオン(OH)とが反応して、窒素(N(ガス))および水(HO)が生成するとともに、電子(e)が発生する(上記式(1)参照)。
また、上記した(1)で示される反応では、実際には、窒素(N(ガス))および水(HO)に加えて、アンモニア(NH)が副生する。
そして、上記と同様、アノード電極11で発生した電子(e)は、図示しない外部回路を経由してカソード電極16に到達する。つまり、この外部回路を通過する電子(e)が、電流となる。
一方、カソード電極16では、電子(e)と、外部からの供給もしくは燃料電池3での反応で生成した水(HO)と、空気供給路18を流れる空気中の酸素(O)とが反応して、水酸化物イオン(OH)が生成する(上記式(2)参照)。
そして、生成した水酸化物イオン(OH)が、電解質層8を通過してアノード電極11に到達し、上記と同様の反応(上記式(1)参照)が生じる。
このようなアノード電極11およびカソード電極16での電気化学的反応が連続的に生じることによって、燃料電池3全体として、上記式(3)で表わされる反応が生じて、燃料電池3に起電力が発生する。
そして、発生した起電力が、配線を介して、DC/DCコンバータ64に送電され、動力部7では、インバータ62およびモータ61、および/または、動力用バッテリ63に送電される。そして、モータ61では、インバータ62により三相交流電力に変換された電気エネルギが電動車両1の車輪を駆動させる機械エネルギに変換される。一方、動力用バッテリ63では、その電力が充電される。
また、燃料給排部4では、燃料供給路13から排出される液体燃料が、還流管22(燃料電池3の下流側、かつ、第1気液分離器24の上流側の還流管22)を通過して、第1循環燃料流入口30から第1気液分離器24に流入する。
第1気液分離器24では、水位が第1循環燃料流入口30、第2循環燃料流入口31、および、第1気体流出口32よりも下方位置に保持される液体燃料の第1液溜まり67が、第1気液分離器24の中空部分に生じるとともに、第1液溜まり67に含まれるガス(例えば、液体燃料がヒドラジンである場合に上記式(1)の反応により生成する窒素(N)やアンモニア(NH)など)の一部が第1液溜まり67の上方空間へ分離される。その一方で、第1液溜まり67の一部が、第1液体流出口33から、第1気液分離器24の下流側の還流管22に流出する。そして、コントロールユニット60の制御により、燃料循環弁34が開かれることにより、還流管22に流出する液体燃料は、還流管22(第1気液分離器24の下流側、かつ、循環タンク23の上流側の還流管22)を通過して、循環タンク循環燃料流入口26から循環タンク23に流入し、貯留される。
このとき、循環タンク23に貯留される液体燃料は、ガス(気泡)、具体的には、第1気液分離器24において上方空間へ分離されたガスの残部のガス(気泡)を含有する。
また、燃料循環弁34の開閉は、第1気液分離器24の液体燃料の第1液溜まり67の水面が、第1循環燃料流入口30、第2循環燃料流入口31、および、第1気体流出口32まで達しないように制御されており、具体的には、例えば、第1気液分離器24の液体燃料の第1液溜まり67の水位が所定値に達したとき、または、一定の時間間隔で、燃料循環弁34が開かれる。
そして、第1気液分離器24から循環タンク23に流入し、貯留された液体燃料は、燃料タンク21から循環タンク23に流入する液体燃料とともに、循環燃料輸送ポンプ29の駆動により、還流管22を通過し、燃料供給路13に供給される。
つまり、燃料タンク21から供給される液体燃料と、還流管22を循環する液体燃料とは、循環タンク23において合流され、燃料供給路13に供給される。
このようにして、液体燃料が、クローズドライン(還流管22、第1気液分離器24、循環タンク23、および、燃料供給路13)を循環する。
循環タンク23では、水位が循環タンク気体流出口27よりも下方位置に保持される液体燃料の循環タンク液溜まり66が、循環タンク23の中空部分に生じるとともに、循環タンク液溜まり66に含まれるガス(窒素(N)やアンモニア(NH)など)の一部が液体燃料の循環タンク液溜まり66の上方空間へ分離される。循環タンク23で分離されたガスは、コントロールユニット60の制御により、第1ガスパージ弁42が開かれることによって、排気処理器41に流入し、無害化処理された後、第1ガス排出管40を介して外部へ排出される。
また、第1気液分離器24で分離されたガスは、コントロールユニット60の制御により、第2ガスパージ弁44が開かれることによって、第2ガス排出管43を介して排気処理器41に流入し、循環タンク23から排気処理器41に流入するガスとともに、無害化処理された後、外部へ排出される。
一方、空気給排部5では、コントロールユニット60の制御により、空気排出弁51が開かれ、カソード10から排出される空気(反応に寄与した酸素を除く空気)が、空気排出管48および第2気液分離器53を介して、外気に排出される。
3.クロスオーバー現象および液体燃料の再利用
上記のような発電では、燃料供給路13に供給された液体燃料が、燃料供給路13において反応することなく電解質層8を透過し、空気供給路18に漏出する場合がある(クロスオーバー現象)。
しかし、上記した燃料電池システム2では、空気供給路18に漏出した液体燃料を、燃料回収装置52によって回収し、再利用できる。
具体的には、クロスオーバー現象が惹起され、燃料供給路13に供給された液体燃料が、空気供給路18に漏出する場合には、その液体燃料は、空気供給路18から排出される空気とともに、空気排出管48(燃料電池3の下流側、かつ、第2気液分離器53の上流側の空気排出管48)を通過して、第2気体流入口55から第2気液分離器53に流入する。
第2気液分離器53では、水位が第2気体流入口55および第2気体流出口56よりも下方位置に保持される液体燃料の第2液溜まり68が、第2気液分離器53の中空部分に生じるとともに、第2液溜まり68に含まれるガス(例えば、カソード10から排出される空気など)の一部が第2液溜まり68の上方空間へ分離される。分離されたガスは、空気排出弁51が開かれることにより、空気とともに、空気排出管48を介して外部へ排出される。
一方、コントロールユニット60の制御により、燃料還流弁58が開かれることによって、第2液溜まり68の一部が、第2液体流出口57から、燃料還流管54に流出し、第2循環燃料流入口31から第1気液分離器24に流入する。第1気液分離器24に流入された液体燃料は、再び燃料電池3に供給され、再利用される。
なお、このとき、燃料還流弁58が開かれることにより生じる圧力によって、液体燃料が第1気液分離器24に還流されるが、圧力不足により十分に還流させることができない場合などには、例えば、空気排出弁51の開度を調整し、圧力を調整することができる。
また、燃料還流弁58の開閉は、第2気液分離器53の液体燃料の第2液溜まり68の水面が第2気体流入口55および第2気体流出口56まで達しないように制御されており、具体的には、例えば、第2気液分離器53の液体燃料の第2液溜まり68の水位が所定値に達したとき、または、一定の時間間隔で、燃料還流弁58が開かれる。
なお、上記した説明では、燃料還流管54を第2気液分離器53および第1気液分離器24に接続させ、クロスオーバー現象によって空気供給路18に漏出された液体燃料を、第1気液分離器24に還流させたが、例えば、燃料還流管54の下流端を、還流管22(第1気液分離器24と燃料電池3との間の還流管22)に接続させ、クロスオーバー現象によって空気供給路18に漏出された液体燃料を、還流させることができる。
4.燃料供給路および空気供給路のパージ
上記のような燃料電池システム2では、システムシャットダウン時には、燃料供給路13への液体燃料の供給は停止されるが、液体燃料が燃料供給路13内に残存する場合がある。また、クロスオーバーにより、空気供給路18に漏出した液体燃料が、空気供給路18内に残存する場合がある。
このような場合には、燃料供給路13および空気供給路18をパージする。
具体的には、コントロールユニット60により、第2ガスパージ弁44、空気排出弁51、燃料供給弁37、および、燃料循環弁34を閉じる。一方、コントロールユニット60の制御により、第1ガスパージ弁42、空気供給弁50、および、燃料還流弁58を開く。
次いで、コントロールユニット60の制御により、空気供給ポンプ49を駆動する。
そうすると、空気供給ポンプ49から供給された空気は、空気供給管47を通過し、空気供給口19から、空気供給路18に供給される。さらに、空気供給路18内の空気は、空気排出口20から、空気排出管48(燃料電池3と第2気液分離器53の間の空気排出管48)を通過し、第2気液分離器53に供給される。
これにより、空気供給路18内に残存する液体燃料は、第2気液分離器53に貯留される、すなわち、空気供給路18はパージされる。
そして、第2気液分離器53内の液体燃料は、空気供給ポンプ49から供給される空気の圧力により、燃料還流管54を介して、すべて、第1気液分離器24に流入する。
また、第2気液分離器53に供給された空気も、第2液体流出口57から、燃料還流管54を通過し、第2循環燃料流入口31から第1気液分離器24に供給される。
第1気液分離器24内には、第2気液分離器53から流入した液体燃料が貯留されるが、第1循環燃料流入口30、第2循環燃料流入口31、および、第1気体流出口32まで達しないように、燃料循環弁34の開閉が制御されている。そのため、第1循環燃料流入口30と第2循環燃料流入口31とは、第1気液分離器24の液体燃料の第1液溜まり67の上方空間において、連通されている。
そして、第1気液分離器24に供給された空気は、第1循環燃料流入口30から、還流管22(第1気液分離器24と燃料電池3との間の還流管22)を通過し、燃料排出口14から、燃料供給路13に供給される。さらに、燃料供給路13内の空気は、燃料供給口15から、還流管22(燃料電池3と循環タンク23との間の還流管22)を通過し、循環タンク循環燃料流出口28から、循環タンク23に供給される。つまり、燃料供給路13における液体燃料の供給される方向と反対方向から、空気が通過する。
これにより、燃料供給路13内に残存する液体燃料は、循環タンク23に貯留される、すなわち、燃料供給路13はパージされる。
そして、循環タンク23内の空気は、第1ガス排出管40を介して、外部に排出される。
つまり、上記したように、空気供給ポンプ49から供給された空気が、空気供給路18および燃料供給路13をパージし、外部に排出されるまでの経路、および、その経路に空気を導くために開閉される各弁が、パージ手段の一例としてパージ機構70を構成する。
具体的には、パージ機構70は、空気供給ポンプ49、空気供給管47、空気供給弁50、空気排出管48(燃料電池3と第2気液分離器53との間の空気排出管48)、第2気液分離器53、空気排出弁51、燃料還流管54、燃料還流弁58、第1気液分離器24、第2ガスパージ弁44、還流管22(第1気液分離器24と循環タンク23との間を除く還流管22)、循環タンク23、第1ガス排出管40、第1ガスパージ弁42、および、排気処理器41から構成されている。
5.作用効果
上記のような燃料電池システム2によれば、パージ機構70によって、空気給排部5の空気供給ポンプ49から空気を、燃料供給路13に供給することができる。
そのため、燃料供給路13をパージするための機構を別途設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。また、燃料供給路13から液体燃料を自重によりパージする場合には、パージした燃料を受けるためのタンクなどを、燃料電池3よりも下方に設ける必要があるが、空気供給ポンプ49から供給される空気の圧力によって、燃料供給路13をパージするため、各部材の配置に制約がないので、燃料電池システム2のレイアウトの自由度の向上を図ることができる。
さらに、燃料電池3内に燃料が少ない状態で発電させたり、液体燃料を反応させることなく、空気によって燃料供給路13をパージすることができるので、燃料電池3が劣化することを抑制することができる。
また、このような燃料電池システム2によれば、空気供給ポンプ49からの空気が、燃料排出口14から供給されるので、燃料供給路13に残存する液体燃料は、燃料供給口15に向かってパージされる。
そのため、パージされた液体燃料を、燃料給排部4の循環タンク23に戻すことができるので、液体燃料の再利用を図ることができ、燃料電池システム2の燃料効率を向上させることができる。
また、このような燃料電池システム2によれば、パージ機構70によって、空気供給路18と燃料供給路13とをまとめて、パージすることができる。
そのため、効率よく燃料供給路13と空気供給路18とをパージすることができ、燃料電池3が劣化することを、より抑制することができる。
6.変形例
上記した実施形態では、空気供給ポンプ49から供給された空気が、空気供給路18を通過した後、燃料供給路13に供給され、燃料供給路13をパージしたが、例えば、空気供給管47を分岐させて、空気供給路18を通過することなく、燃料供給路13をパージすることもできる。
具体的には、空気給排部5において、空気供給管47(空気供給ポンプ49と空気供給弁50との間)から分岐する分岐管72(図1の仮想線参照)を設ける。そして、分岐管72の下流側端部を還流管22(第1気液分離器24と燃料電池3との間)に接続させる。
分岐管72の途中には、分岐弁73(図1の仮想線参照)が設けられている。
分岐弁73は、コントロールユニット60に電気的に接続されている。(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット60からの制御信号が分岐弁73に入力され、コントロールユニット60が、分岐弁73の開閉を制御する。
発電時には、コントロールユニット60の制御により、分岐弁73を閉じる。
そして、燃料供給路13をパージする場合には、上記したパージ機構70に対し、空気供給弁50および燃料還流弁58を閉じる。一方、コントロールユニット60の制御により、分岐弁73を開く。
これにより、空気供給ポンプ49から供給された空気は、空気供給管47から分岐管72を通過し、還流管22(第1気液分離器24と燃料電池3との間)に供給される。
そして、還流管22(第1気液分離器24と燃料電池3との間)内の空気は、燃料排出口14から、燃料供給路13に供給される。さらに、燃料供給路13内の空気は、燃料供給口15から、還流管22(燃料電池3と循環タンク23との間の還流管22)を通過し、循環タンク循環燃料流出口28から、循環タンク23に供給される。つまり、燃料供給路13における液体燃料の供給される方向と反対方向から、空気が通過する。
こうして、燃料供給路13内に残存する液体燃料は、循環タンク23に貯留される、すなわち、燃料供給路13はパージされる。
このような燃料電池システム2の変形例によれば、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。
2 燃料電池システム
3 燃料電池
4 燃料給排部
5 空気給排部
8 電解質層
11 アノード電極
13 燃料供給路
16 カソード電極
18 空気供給路
70 パージ機構

Claims (2)

  1. 電解質層、前記電解質層の一方側に配置され、液体燃料が接触されるアノード電極、前記電解質層の他方側に配置され、酸素が接触されるカソード電極、前記アノード電極に前記液体燃料を接触させながら通過させるアノード流路、および、前記カソード電極に前記酸素を接触させながら通過させるカソード流路を備える燃料電池と、
    前記アノード流路に前記液体燃料を供給するための燃料供給手段と、
    前記カソード流路に前記酸素を供給するための酸素供給手段と、
    前記酸素供給手段の前記酸素を前記アノード流路に供給するためのパージ手段と
    を備えていることを特徴とする、燃料電池システム。
  2. 前記パージ手段は、前記アノード流路における前記液体燃料の通過方向の下流側端部から、前記酸素を供給することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018137199A (ja) * 2017-02-24 2018-08-30 ダイハツ工業株式会社 燃料電池システム

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