JP2018004921A - 眼鏡レンズ及び眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents
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Description
55重量%〜80重量%、好ましくは60〜70重量%の、その主鎖の一端のみに少なくとも1つのシラノール基又はシラノール前駆体を含む好ましくはパーフルオロ化合物であるフッ素化合物及びそれらの混合物のうちから選ばれる第1成分A、及び
45重量%〜20重量%、好ましくは40〜30重量%の、その主鎖の両端に少なくとも1つのシラノール基又はシラノール前駆体を含む、好ましくはパーフルオロ化合物である線状フッ素化合物及びそれらの混合物のうちから選ばれる第2成分B、ただし、第1成分Aと第2成分Bとで100重量%とする、
前記第1成分A及び第2成分Bは合計で、上記膜の全重量の少なくとも50重量%、好ましくは60重量%を占める。
が記載されている。
本発明の一実施例は、優れた撥水性を有し、皮脂の拭き取りが容易な眼鏡レンズ、及びその製造方法を提供することに関する。
[1]表面にフッ素含有防汚膜を有する眼鏡レンズにおいて、
表面自由エネルギーが10.0mJ/m2以下であり、
表面自由エネルギーの塩基成分が0.95mJ/m2以下である、眼鏡レンズ。
[2]5μLの水の滑落角が30°以下である、[1]に記載の眼鏡レンズ。
[3]フッ素含有防汚膜が、フッ素含有シラン化合物により形成される、[1]又は[2]に記載の眼鏡レンズ。
[4]フッ素含有シラン化合物が、片末端に反応性シリル基を有し、他の末端にパーフルオロアルキル基を有する、[3]に記載の眼鏡レンズ。
[5]フッ素含有防汚膜の膜厚が、1〜20nmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の眼鏡レンズ。
[6]下記工程1〜3を有する、表面にフッ素含有防汚膜を有する眼鏡レンズの製造方法。
工程1:フッ素含有シラン化合物を含む防汚剤により眼鏡レンズに膜を形成する工程
工程2:防汚剤により膜が形成された眼鏡レンズを加熱処理する工程
工程3:フッ素系溶剤で防汚剤の未反応分を除去する工程
[7]工程1において、膜が蒸着により形成される、[6]に記載の眼鏡レンズの製造方法。
[8]工程1のフッ素含有シラン化合物が、片末端に反応性シリル基を有し、他の末端にパーフルオロアルキル基を有する、[6]又は[7]に記載の眼鏡レンズの製造方法。
[9]フッ素含有防汚膜の膜厚が、1〜20nmである、[6]〜[8]のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
[10]工程2の加熱処理の温度が、40〜90℃である、[6]〜[9]のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
本発明の眼鏡レンズは、表面にフッ素含有防汚膜を有する眼鏡レンズにおいて、表面自由エネルギーが10.0mJ/m2以下であり、表面自由エネルギーの塩基成分が0.95mJ/m2以下である。本発明によれば、優れた撥水性を有し、皮脂の拭き取りが容易な眼鏡レンズが得られる。
表面自由エネルギーの塩基成分は、皮脂の拭取りの容易性を高める観点から、0.95mJ/m2以下であり、より好ましくは0.90mJ/m2以下、更に好ましくは0.70mJ/m2以下、更に好ましくは0.60mJ/m2以下、更に好ましくは0.50mJ/m2以下、更に好ましくは0.40mJ/m2以下、更に好ましくは0.30mJ/m2以下である。表面自由エネルギーの塩基成分は、その下限値は特に限定されないが、好ましくは0.10mJ/m2以上である。
接触角測定用液体として、水とジヨードメタンとエチレングリコールを使用し、基材表面に各液体を2μL滴下し、接触角を協和界面科学株式会社製「DM700」により測定する。測定した接触角から、酸塩基理論による表面自由エネルギー計算式によって表面自由エネルギーとそれを構成する各成分値を求める。
表面自由エネルギー、及び表面自由エネルギーの塩基成分は、例えば、フッ素含有防汚膜の組成及びその製造条件の調整によって、上記の範囲に設定することができる。
水の滑落角は、水5μLを眼鏡レンズに滴下し、眼鏡レンズを水平から80°まで一定速度で傾斜させ、液滴が滑落を開始する眼鏡レンズの角度(滑落角)を求める。
眼鏡レンズ(以下、機能層を除く眼鏡レンズを意味して、単に「基材」ともいう)に通常使用される材料としては、例えば、ポリウレタン系材料(例えばポリウレタン、ポリウレタンウレア、ポリチオウレタン)、ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のプラスチック、無機ガラス、等が挙げられる。基材の厚さ及び直径は、特に限定されるものではない。通常、厚さは1〜30mm程度、直径は50〜100mm程度である。眼鏡レンズが視力矯正用の眼鏡レンズの場合、基材としては、屈折率neが1.5〜1.8程度のものを使用することが通常である。基材としては、通常無色のものが使用されるが、透明性を損なわない範囲で着色したものを使用することもできる。また、基材の表面形状は特に限定されず、平面、凸面、凹面等のいずれであってもよい。
本発明の眼鏡レンズは、眼鏡レンズの最表面、つまり、ハードコート層上又は反射防止層上にフッ素含有防汚膜を有する。
フッ素含有防汚膜は、少なくとも1種のフッ素含有シラン化合物により形成され、2種以上のシラン化合物により形成されることが好ましい。
シラン化合物は、片末端に撥水性基を有する化合物が好ましい。当該撥水性基としては、パーフルオロアルキル基が挙げられる。パーフルオロアルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、その炭素数は、好ましくは1〜16、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜3である。
パーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、又はヘプタフルオロプロピル基が好ましい。
Yの低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
R1は、好ましくは、ハロゲン、−OR3、−OCOR3、−OC(R3)=C(R4)2、−ON=C(R3)2、又は−ON=CR5であり、さらに好ましくは、塩素、−OCH3、又は−OC2H5である。ここでR3は脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、R4は水素又は低級脂肪族炭化水素基であり、R5は炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基である。R1は、好ましくは、−OR3であり、R3は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基である。
R2は水素又は不活性な一価の有機基であるが、好ましくは、炭素数1〜4の一価の炭化水素基である。
a、b、c、dは、それぞれ独立に、好ましくは1〜50である。
m及びnは、それぞれ独立に、好ましくは0である。
pは好ましくは1〜10の整数である。
フッ素含有シラン化合物の分子量は、好ましくは5×102〜1×105、より好ましくは5×102〜1×104である。
他の機能層としては、ハードコート層、プライマー層、干渉縞抑制層、偏光層、フォトクロミック層等を挙げることができる。
また、当該ハードコート層の上に、更に必要に応じて、反射防止層、撥水層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、フォトクロミック層、帯電防止層等の機能層を設けることもできる。
これらの中でも、反射防止層を有することが好ましい。反射防止層は、好ましくはシリカ及びジルコニア等の無機酸化物からなり、より好ましくはシリカ及びジルコニアを交互に積層してなる。
本発明の眼鏡レンズの製造方法は、特に限定されないが、好ましくは下記工程1〜3を有する。
工程1:フッ素含有シラン化合物を含む防汚剤により眼鏡レンズに膜を形成する工程
工程2:防汚剤により膜が形成された眼鏡レンズを加熱処理する工程
工程3:フッ素系溶剤で防汚剤の未反応分を除去する工程
工程1では、フッ素含有シラン化合物を含む防汚剤により眼鏡レンズに膜を形成する。膜を形成する方法は、例えば、蒸着又は塗工により形成することができるが、好ましくは蒸着により形成する。
なお、工程1における眼鏡レンズは、好ましくは基材と機能層とを備える眼鏡レンズであり、より好ましくは基材とハードコート層とを備える眼鏡レンズであり、更に好ましくは基材とハードコート層と反射防止層とを備える眼鏡レンズである。
多孔性材料としては、溶融シリカ多孔体、銅やステンレスなどの熱伝導性の高い金属粉末を焼結した焼結フィルターを用いることが好ましい。焼結フィルターは、適度な蒸着速度を得るという観点からそのメッシュを40〜200ミクロン、好ましくは、80〜120ミクロンとすることが適当である。
その他、銅容器にスチールウールを充填させたペレットも好適に用いられる。
蒸着材料は、防汚剤をそのまま、又は溶液にして、多孔質材料に含浸させて使用する。
塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、フロー法、ドクターブレード法、ロールコート塗装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装等が用いられる。
有機溶剤としては、後述のフッ素系溶剤を例示することができる。
工程2(以下「アニール工程」ともいう)では、防汚剤と眼鏡レンズ表面との反応を進行させるため、防汚剤により膜が形成された眼鏡レンズを加熱処理する。当該加熱処理を行うことで、眼鏡レンズ表面の払拭や洗剤の付着など日常使用での物理的、化学的負荷による撥水性の低下を抑制して耐久性を高めることができる。
加熱処理の温度は、好ましくは40〜90℃、より好ましくは50〜80℃、更に好ましくは55〜70℃である。
加熱処理の時間は、特に限定されないが、例えば0.5〜10時間である。
膜を形成した後、未反応分子や反応が完了していない分子を膜から除去する処理ため、好ましくは、フッ素系溶剤で防汚剤の未反応分を除去する工程を行う。当該工程を行うことで、眼鏡レンズ表面の撥水性を高めることができる。
フッ素系溶剤としては、パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−4−メトキシブタン、パーフルオロ−4−エトキシブタン、メタキシレンヘキサフロライド等が挙げられる。また、パーフルオロエーテル油、クロロトリフルオロエチレンオリゴマー油を使用することができる。その他に、フロン225(CF3CF2CHCl2とCClF2CF2CHClFの混合物)を例示することができる。これらのフッ素系溶剤の1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、パーフルオロ基を有し、炭素数が4以上の有機化合物が好ましい。
フッ素系有機溶媒を用いて防汚剤の未反応分を除去する方法としては、薬剤をしみこませた紙あるいは布によって拭き洗浄する方法か、薬剤を入れた容器(洗浄槽)中にレンズを浸漬し、揺動あるいは超音波等物理的なエネルギーを加えることによって行う。
上記の製造方法によれば、優れた撥水性を有し、皮脂の拭き取りが容易な眼鏡レンズが得られる。
また、実施例に記載した組成に対し、発明の詳細な説明に記載した組成に調整を行えば、クレームした組成範囲全域にわたって実施例と同様に発明を実施することができる。
1.防汚膜蒸着用ペレットの準備
防汚剤は、信越化学工業株式会社製「X−71−195」(以下、単に「X−71−195」ともいう)を使用した。
なお、表面自由エネルギーと汚れ拭き取り性の関係を明らかにするため、信越化学工業株式会社製「KY−130」(以下、単に「KY−130」ともいう)を種々の組成で混合した。KY−130は、撥水基にパーフルオロアルキル基を有し、分子両末端に反応性基を持つフッ素含有シラン化合物である。
X−71−195とKY−130を後述する表3に記載の種々の組成で混合した20質量%液を溶媒蒸発後の固形分量が15mgとなるように、金属製ペレット(銅容器にスチールウールを充填したもの)に含浸させた。
20質量%液を含浸後、80℃に設定したオーブンで20分間加熱することにより溶媒を蒸発させ、固形分15mgとした。
ガラス製容器に、コロイダルシリカ(スノーテックス−40、日産化学工業株式会社)90質量部、有機ケイ素化合物のメチルトリメトキシシラン81.6質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン176質量部、0.5N塩酸2.0質量部、酢酸20質量部、水90質量部を加えた液を、室温にて8時間攪拌後、室温にて16時間放置して加水分解溶液を得た。この溶液に、イソプロピルアルコール120質量部、n−ブチルアルコール120質量部、アルミニウムアセチルアセトン16質量部、シリコーン系界面活性剤0.2質量部、紫外線吸収剤0.1質量部を加え、室温にて8時間攪拌後、室温にて24時間熟成させコーティング液を得た。アルカリ水溶液で前処理したプラスチックレンズ基材(HOYA株式会社製、商品名EYAS、処方S0.00、C0.00、眼鏡用プラスチックレンズ)を、上述のコーティング液の中に浸漬させ、浸漬終了後、引き上げ速度20cm/分で引き上げたプラスチックレンズを120℃で2時間加熱して硬化膜を形成しハードコート層(A層とする)を形成した。次に、ハードコート層の上に、真空蒸着法にて、シリカと、ジルコニアを交互に積層した反射防止層を形成した。
反射防止層蒸着後、表面を活性化するためにイオンガン処理を行った。イオンガン処理は以下の条件とした。
加速電圧:500V
加速電流:230mA
導入ガス:酸素(20sccm)
イオン照射時間:30秒
その後、基材をセットしたドームを防汚剤を蒸着するチャンバーに移動した。当該チャンバーには1で準備した防汚剤含浸ペレットをハロゲンヒーター加熱台にセットした。ハロゲンヒーターで加熱し、ペレット中の防汚剤を蒸着した。加熱時の到達温度は約600℃であった。
防汚剤蒸着後の基材を取り出し、60℃に設定したオーブンに投入し、4時間保持した(アニール工程)。
オーブンから取り出した基材をフッ素系溶剤で払拭した。フッ素系溶剤は3M社製「ノベック7200」を使用した。フッ素系溶剤で払拭前後の接触角の変化を表1に示した。払拭後の接触角が増加した。
また、アニール有/無での耐久性の違いを表2に示した。初期の接触角は同じであるが、アニール無では耐久性試験後の接触角の低下が大きかった。これは、アニールを行わないと基材と防汚剤分子の反応の進行が遅いため、フッ素系溶剤で払拭した際に未反応分子が多く脱落したためと考えられる。
表面特性の測定には、協和界面科学株式会社製「DM700」を使用した。眼鏡レンズに形成した防汚膜表面の接触角を測定した。接触角測定用液体として、水とジヨードメタンとエチレングリコールを使用した。眼鏡レンズ表面に各液体を2μL滴下し、接触角を測定した。測定した接触角から、酸塩基理論による表面自由エネルギー計算式によって表面自由エネルギーとそれを構成する各成分値を求めた。結果を表3に示す。
次に滑落法による水の動的接触角を測定した。
水は5μLを眼鏡レンズに滴下し、眼鏡レンズを水平から80°まで一定速度で傾斜させ、液滴が滑落を開始する眼鏡レンズの角度(滑落角)を求めた。結果を表3に示す。
以下の組成で人工皮脂を調製した。
コレステロール:2質量%
スクアレン:2質量%
パルミチン酸:2質量%
トリオレイン:4質量%
エタノール:90質量%
これをスピンコートでガラス基板上に塗布した。このガラス基板に対して、事前に#240の研磨紙で研磨して粗面化したシリコン栓を2kg荷重で押し付け、人工皮脂をシリコン栓端部に付着させた。
次に評価対象となる眼鏡レンズに対して、シリコン栓を2kg荷重で押し付けた。なお、ここでは、評価用眼鏡レンズとして、上記で得られた眼鏡レンズを使用した。
次に、この眼鏡レンズを摩擦摩耗試験機にセットした。この摩擦摩耗試験機は、一定荷重、一定速度、一定ストロークで、被評価基板を摺動試験することができるように設計されたものである。試験に使用するメディア(摺動端子)は、消しゴムにシルボン紙を巻きつけたものを使用した。
これを摩擦摩耗試験機に取り付け、評価用眼鏡レンズに500g荷重で押し付け、ストロークを30mmに設定し、10往復摺動つまり払拭させた。10往復摺動させる毎に人工皮脂の拭き取り状態を調べた。
拭き取り状態は、ヘイズ値を測定し数値化した。結果を表3に示す。比較例4のKY-130組成100%と比較すると、人工皮脂付着時のヘイズが低いことから、汚れが付着しにくくなっていることがわかる。また、摺動に伴うヘイズの減少が早く汚れ拭き取り性が優れていることがわかる。
50往復摺動後のヘイズが1以下であると、指紋はほとんど目立たなかった。
これより、表面自由エネルギーの塩基成分が1.0以下、合計が10以下であれば良いことがわかる。
また、水5μLの滑落角が30°以下であれば、指紋の拭き取り性が良好である。
結果を表3に示した。
防汚剤として、X−71−195の代わりに、ダイキン工業株式会社製「UF501」を使用し、表4に示すようにした以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作成した。結果を表4に示した。
これによって、酸塩基理論による表面自由エネルギーが10.0mJ/m2以下、その塩基成分が0.95mJ/m2の膜が形成できる。また、水5μLの滑落角が30°以下の膜が形成できる。
表面自由エネルギーが10.0mJ/m2以下となることによって、汚れが付着しにくくなる。
また、実施例1と実施例5との対比により、同等の表面自由エネルギーであっても、表面自由エネルギーの塩基成分の値が低くなることで、指紋付着によるヘイズ値が低下し、指紋の拭き取り性が向上することがわかる。
表面自由エネルギーが10.0mJ/m2以下であり、
表面自由エネルギーの塩基成分が0.95mJ/m2以下である、眼鏡レンズ。
シラン化合物は、片末端に反応性基を有する化合物が好ましい。反応性基としては、好ましくは反応性シリル基であり、より好ましくはトリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基である。
シラン化合物は、片末端に撥水性基を有する化合物が好ましい。撥水性基としては、パーフルオロアルキル基が挙げられ、好ましくは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、及びヘプタフルオロプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。
工程1:フッ素含有シラン化合物を含む防汚剤により眼鏡レンズに膜を形成する工程
工程2:防汚剤により膜が形成された眼鏡レンズを加熱処理する工程
工程3:フッ素系溶剤で防汚剤の未反応分を除去する工程
Claims (10)
- 表面にフッ素含有防汚膜を有する眼鏡レンズにおいて、
表面自由エネルギーが10.0mJ/m2以下であり、
表面自由エネルギーの塩基成分が0.95mJ/m2以下である、眼鏡レンズ。 - 5μLの水の滑落角が30°以下である、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
- 前記フッ素含有防汚膜が、フッ素含有シラン化合物により形成される、請求項1又は2に記載の眼鏡レンズ。
- 前記フッ素含有シラン化合物が、片末端に反応性シリル基を有し、他の末端にパーフルオロアルキル基を有する、請求項3に記載の眼鏡レンズ。
- 前記フッ素含有防汚膜の膜厚が、1〜20nmである、請求項1〜4のいずれかに記載の眼鏡レンズ。
- 下記工程1〜3を有する、表面にフッ素含有防汚膜を有する眼鏡レンズの製造方法。
工程1:フッ素含有シラン化合物を含む防汚剤により眼鏡レンズに膜を形成する工程
工程2:前記防汚剤により膜が形成された眼鏡レンズを加熱処理する工程
工程3:フッ素系溶剤で防汚剤の未反応分を除去する工程 - 前記工程1において、膜が蒸着により形成される、請求項6に記載の眼鏡レンズの製造方法。
- 前記工程1のフッ素含有シラン化合物が、片末端に反応性シリル基を有し、他の末端にパーフルオロアルキル基を有する、請求項6又は7に記載の眼鏡レンズの製造方法。
- 前記フッ素含有防汚膜の膜厚が、1〜20nmである、請求項6〜8のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
- 前記工程2の加熱処理の温度が、40〜90℃である、請求項6〜9のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
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