JP2018004745A - 音データ生成装置および音データ生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な操作により任意のパターンで音色を変化させつつ音を発生させることを可能にする音データ生成装置および音データ生成方法を提供する。
【解決手段】音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々について、3次元座標系で移動可能な制御操作子21およびパラメータ指標24の位置が検出される。検出された制御操作子21およびパラメータ指標24の位置に基づいて、当該タイムスロットに音色データを構成する音響効果パラメータの値が設定される。再生時に、複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて音データが順次生成される。
【選択図】図2
【解決手段】音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々について、3次元座標系で移動可能な制御操作子21およびパラメータ指標24の位置が検出される。検出された制御操作子21およびパラメータ指標24の位置に基づいて、当該タイムスロットに音色データを構成する音響効果パラメータの値が設定される。再生時に、複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて音データが順次生成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、音データを生成するための音データ生成装置および音データ生成方法に関する。
近年、情報通信機器に搭載されたループシーケンサを用いて音楽の制作が行われることがある。ループシーケンサは、素材として準備された比較的短い音響信号(オーディオデータ)を所望の順序で配列することにより単一の曲を生成するアプリケーションプログラムである。例えば、特許文献1には、ループシーケンサを有する曲編集装置が記載されている。
特許文献1の曲編集装置においては、ある時間長の再生期間を分割した複数のタイムスロットと、オーディオ波形を示す複数の素片データとが予め準備される。また、曲編集装置には、第1および第2の座標軸からなる2次元座標系が設定される。第1の座標軸方向の第1の座標値はタイムスロットの番号に対応し、第2の座標軸方向の第2の座標値は素片データの番号に対応する。ユーザは、第1および第2の座標値を任意に指示することにより、各タイムスロットに所望の素片データが割り当てられたシーケンスデータを生成することができる。
高い独自性を有する音楽を制作するためには、任意のパターンで音色を変化させつつ楽音を発生させることが望まれる。しかしながら、特許文献1の曲編集装置においては、簡単な操作により任意のパターンで音色を変化させつつ楽音を発生させることは困難である。
本発明の目的は、簡単な操作により任意のパターンで音色を変化させつつ音を発生させることを可能にする音データ生成装置および音データ生成方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る音データ生成装置は、n次元座標系(nは2以上の整数)で移動可能な音色設定操作子の位置を検出する検出手段と、検出された位置に基づいて、音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々に音色データを構成する音響効果パラメータの値を設定する設定手段と、再生時に、複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて音データを順次生成する生成手段とを備える。
この音データ生成装置においては、音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々について、n次元座標系で移動可能な音色設定操作子の位置が検出される。検出された音色設定操作子の位置に基づいて、当該タイムスロットに音色データを構成する音響効果パラメータの値が設定される。再生時に、複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて音データが順次生成される。したがって、ユーザは、簡単な操作により任意のパターンで音色を変化させつつ音を発生させることが可能になる。
(2)生成手段は、最後のタイムスロットに対応する音データを生成した後、最初のタイムスロットに対応する音データを生成するように音データの生成を繰り返してもよい。この場合、予め設定された音色の変化のパターンが繰り返される。
(3)音データ生成装置は、各タイムスロットから次のタイムスロットへ音響効果パラメータの値が連続的に変化するように音響効果パラメータの値を変化させる変化手段をさらに備えてもよい。この場合、隣り合うタイムスロットに対応する音色を滑らかに変化させることができる。
(4)音データ生成装置は、ユーザの操作を受け付ける受付手段をさらに備え、変化手段は、受け付けられる操作に基づいて、音響効果パラメータの値の変化の連続性の程度を調整してもよい。この場合、ユーザは、簡単な操作で音色の変化の連続性の程度を調整することができる。
(5)音データ生成装置は、再生時に、音響効果パラメータの値の変化をn次元座標系での音色設定操作子の位置の変化で表示する表示手段をさらに備えてもよい。この場合、ユーザは、表示手段に表示される音色設定操作子の位置を視認することにより、音響効果パラメータの値の変化を容易に認識することができる。
(6)表示手段は、再生時に、音色設定操作子の位置が連続的に変化するように音色設定操作子を表示してもよい。この場合、隣り合うタイムスロットに対応する音色設定操作子の位置を滑らかに変化させることができる。
(7)音色設定操作子は、基準軸を含むn次元座標系を有する空間に配置される仮想的な制御操作子と、制御操作子上に配置されるパラメータ指標とを含み、制御操作子は、n次元座標系で少なくとも一方向に回転可能であり、パラメータ指標は、制御操作子とともに回転し、検出手段は、基準軸に基づくパラメータ指標の位置を検出してもよい。
この場合、ユーザは、制御操作子を回転させることにより、パラメータ指標を移動させることができる。これにより、ユーザは、より簡単な操作で複数のタイムスロットに対応する音響効果パラメータの値を変化させることができる。
(8)音データ生成装置は、発音指示に含まれる音高に基づいてアルペジオパターンを生成するアルペジオ手段をさらに備え、生成手段は、再生時に、生成されたアルペジオパターンの音データの音色を複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて順次変化させてもよい。この場合、発音指示に含まれる音高の音データに基づいて予め設定されたパターンで音色を変化させつつ時間的に分散したタイミングで音を発生させることができる。
(9)生成手段は、発音指示の状態に応じて複数のタイムスロットに設定された音響パラメータの値に基づく音色の変化を開始または停止してもよい。この場合、発音指示の状態に応じて最初のタイムスロットに対応する音色から順に音色を変化させることができる。
(10)第2の発明に係る音データ生成方法は、n次元座標系(nは2以上の整数)で移動可能な音色設定操作子の位置を検出するステップと、検出された位置に基づいて、音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々に音色データを構成する音響効果パラメータの値を設定するステップと、再生時に、複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて音データを順次生成するステップとを含む。
本発明によれば、簡単な操作により任意のパターンで音色を変化させつつ音を発生させることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態に係る音データ生成装置および音データ生成方法について図面を用いて詳細に説明する。
(1)電子音楽装置の構成
図1は本発明の実施の形態に係る音データ生成装置を含む電子音楽装置の構成を示すブロック図である。図1の電子音楽装置1によれば、ユーザは演奏を行うことができるとともに楽曲の制作等の音楽制作を行うことができる。また、電子音楽装置1は、音色を変化させつつループシーケンサとして楽音信号を繰り返し再生する音データ生成装置100を含む。音データ生成装置100は、音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々に音色データを設定することができる。
図1は本発明の実施の形態に係る音データ生成装置を含む電子音楽装置の構成を示すブロック図である。図1の電子音楽装置1によれば、ユーザは演奏を行うことができるとともに楽曲の制作等の音楽制作を行うことができる。また、電子音楽装置1は、音色を変化させつつループシーケンサとして楽音信号を繰り返し再生する音データ生成装置100を含む。音データ生成装置100は、音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々に音色データを設定することができる。
電子音楽装置1は、演奏データ入力部2、入力I/F(インタフェース)3、設定操作子4、検出回路5、タッチパネルディスプレイ6、検出回路7および表示回路8を備える。演奏データ入力部2は、鍵盤またはマイク等を含み、入力I/F3を介してバス19に接続される。ユーザの演奏動作に基づく演奏データが演奏データ入力部2により入力される。設定操作子4は、オンオフ操作されるスイッチ、回転操作されるロータリエンコーダ、またはスライド操作されるリニアエンコーダ等を含み、検出回路5を介してバス19に接続される。この設定操作子4は、音量の調整、電源のオンオフおよび各種設定を行うために用いられる。
タッチパネルディスプレイ6は、検出回路7および表示回路8を介してバス19に接続される。タッチパネルディスプレイ6には、後述する図2のメイン画面25および各種情報が表示される。ユーザは、タッチパネルディスプレイ6を操作することにより各種操作を指示することができる。また、ユーザは、演奏データ入力部2またはタッチパネルディスプレイ6を操作することにより所望の音高の発音を指示するためのノートオンイベント(発音指示信号)を発生させることができる。
電子音楽装置1は、RAM(ランダムアクセスメモリ)9、ROM(リードオンリメモリ)10、CPU(中央演算処理装置)11、タイマ12および記憶装置13をさらに備える。RAM9、ROM10、CPU11および記憶装置13はバス19に接続され、タイマ12はCPU11に接続される。外部記憶装置15等の外部機器が通信I/F(インタフェース)14を介してバス19に接続されてもよい。RAM9、ROM10、CPU11およびタイマ12がコンピュータを構成する。
RAM9は、例えば揮発性メモリからなり、CPU11の作業領域として用いられるとともに、各種データを一時的に記憶する。ROM10は、例えば不揮発性メモリからなり、システムプログラム、音データ生成プログラムおよび等のコンピュータプログラムを記憶する。音データ生成プログラムは、音色データ設定プログラムおよび再生プログラムを含む。CPU11は、ROM10に記憶された音データ生成プログラムをRAM9上で実行することにより後述する音データ生成処理を行う。音データ生成処理は、音色データ設定処理および再生処理を含む。タイマ12は、現在時刻等の時間情報をCPU11に与える。
記憶装置13は、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含む。この記憶装置13には、一または複数の楽曲データが記憶される。楽曲データは、楽曲を表す音響信号(オーディオデータ)である。ここで、音響信号は、楽曲の音の変化を表す波形信号を所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより得られる複数のサンプリング値からなる。演奏データ入力部2から入力される演奏データに基づいて楽曲データが生成され、記憶装置13に記憶されてもよい。上記の音データ生成プログラムが記憶装置13に記憶されてもよい。
外部記憶装置15は、記憶装置13と同様に、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含み、楽曲データ等の各種データまたは音データ生成プログラムを記憶してもよい。
なお、本実施の形態における音データ生成プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納された形態で提供され、ROM10または記憶装置13にインストールされてもよい。また、通信I/F14が通信網に接続されている場合、通信網に接続されたサーバから配信された音データ生成プログラムがROM10または記憶装置13にインストールされてもよい。
電子音楽装置1は、音源16、効果回路17およびサウンドシステム18をさらに備える。音源16および効果回路17はバス19に接続され、サウンドシステム18は効果回路17に接続される。音源16は、演奏データ入力部2またはタッチパネルディスプレイ6から与えられる発音指示信号、演奏データ入力部2から入力される演奏データ、記憶装置13から与えられる楽曲データ等に基づいて楽音信号を生成する。
効果回路17は、複数の音響効果パラメータの値(以下、パラメータ値と呼ぶ。)を音響効果データとして記憶する複数のレジスタを含む。この効果回路17は、各レジスタに格納されるパラメータ値に基づいて、音源16により生成される楽音信号に音響効果を付与する。本実施の形態では、音響効果データはパラメータ値そのものであるが、音響効果データがパラメータ値に基づいて生成されたデータであってもよい。
サウンドシステム18は、デジタルアナログ(D/A)変換回路、増幅器およびスピーカを含む。このサウンドシステム18は、音源16から効果回路17を通して与えられる楽音信号をアナログ音信号に変換し、アナログ音信号に基づく音を発生する。それにより、楽音信号が再生される。電子音楽装置1において、主としてタッチパネルディスプレイ6、RAM9、ROM10、CPU11、記憶装置13および効果回路17が音データ生成装置100を構成する。
ここで、音色データは、複数の音響効果パラメータにより構成される。複数の音響効果パラメータは、複数の音響効果タイプに分類される。音響効果タイプとしては、例えば、“Filter”(フィルタ)、“Envelope”(エンベロープ)、“Oscillator”(オッシレータ)、“LFO”(低周波発信器)等がある。“Filter”の音響効果パラメータとしては、“Cutoff”(カットオフ)、“Resonance”(レゾナンス)、“EG(Envelope Generator Depth)”(EGデプス)、“LFODepth”(LFOデプス)等がある。“Envelope”の音響効果パラメータとしては、“Attack”(アタック)、“Decay”(ディケイ)、“Sustain”(サステイン)、“Release”(リリース)等がある。
(2)メイン画面
図2はタッチパネルディスプレイ6に表示されるメイン画面の一例を示す図である。メイン画面25には、制御操作子21、複数(本例では12個)の鍵26および複数(本例では16個)のスロットボタン27、アルペジオボタン28、保存ボタンb1および終了ボタンb2が表示される。メイン画面25においては、制御操作子21は、タッチパネルディスプレイ6の略中央部に配置される。
図2はタッチパネルディスプレイ6に表示されるメイン画面の一例を示す図である。メイン画面25には、制御操作子21、複数(本例では12個)の鍵26および複数(本例では16個)のスロットボタン27、アルペジオボタン28、保存ボタンb1および終了ボタンb2が表示される。メイン画面25においては、制御操作子21は、タッチパネルディスプレイ6の略中央部に配置される。
複数の鍵26は、複数の音高にそれぞれ対応し、タッチパネルディスプレイ6の下部に配置される。例えば図2の例では、最も左に表示される鍵26は、「C3」の音高に対応する。ユーザは所望の鍵26を押すことにより、対応する音高を含むノートオンイベントを発生させることができる。
複数のスロットボタン27は、音色データ列に関する複数(本例では16個)のタイムスロットにそれぞれ対応し、タッチパネルディスプレイ6の上部に配置される。ユーザは、制御操作子21を操作することにより、当該スロットボタン27に対応するタイムスロットに複数の音響効果パラメータのパラメータ値を設定することができる。それにより、所望のタイムスロットに音色データを設定することができる。
ユーザは、アルペジオボタン28を操作することにより、アルペジオ動作をオンにすることができる。アルペジオ動作では、鍵26が押されたときに、予め設定されたアルペジオパターンに従う発音タイミングおよび消音タイミングで音を時間的に分散させて発生する。アルペジオ動作には、鍵26が押されている間において音を分散的に発生される動作と、鍵26が押された後に解除された後にも音を分散的に発生される動作とがある。
(3)音響効果パラメータの調整
図3はメイン画面25の制御操作子21の一例を示す図である。制御操作子21は、3次元の仮想空間に配置され、仮想的に球形状を有する。仮想空間内の位置は、X軸、Y軸およびZ軸を有する3次元座標系で表される。メイン画面25には、制御操作子21の上半分の半球部分が表示される。この制御操作子21は、ユーザの操作により仮想空間内で全方向に回転可能に表示される。具体的には、ユーザは、タッチパネルディスプレイ6の表面に指を接触させて動かすことにより制御操作子21を任意の方向に回転させることができる。
図3はメイン画面25の制御操作子21の一例を示す図である。制御操作子21は、3次元の仮想空間に配置され、仮想的に球形状を有する。仮想空間内の位置は、X軸、Y軸およびZ軸を有する3次元座標系で表される。メイン画面25には、制御操作子21の上半分の半球部分が表示される。この制御操作子21は、ユーザの操作により仮想空間内で全方向に回転可能に表示される。具体的には、ユーザは、タッチパネルディスプレイ6の表面に指を接触させて動かすことにより制御操作子21を任意の方向に回転させることができる。
制御操作子21上には、一または複数のパラメータ指標24が配置される。制御操作子21が球形状を有するので、制御操作子21の外表面の中心に位置するパラメータ指標24は半球上の最も高い位置にあるので最も大きく表示され、制御操作子21の外周21a上に位置するパラメータ指標24は最も小さく表示される。
各パラメータ指標24には、それぞれ音響効果パラメータが割り当てられる。ここで、複数のパラメータ指標24をそれぞれパラメータ指標p1〜p3と呼ぶ。
図4はパラメータ指標24の構成を示す模式図である。図4に示すように、パラメータ指標24は、円形のボタンBUを有する。ボタンBUの外周に沿ってパラメータ値を表示するための部分円環状のパラメータ値表示領域Drが配置される。パラメータ値表示領域Drの一端MINがパラメータ値の最小値に対応し、パラメータ値表示領域Drの他端MAXがパラメータ値の最大値に対応する。
パラメータ値表示領域Dr内にパラメータ値を示すパラメータ値表示Dpが表示される。パラメータ値表示Dpの長さは、パラメータ値に応じて変化する。この場合、パラメータ値表示Dpの一端C1の位置がパラメータ値を表す。ボタンBUには、パラメータ値表示Dpの一端C1を指すようにパラメータ値表示C2が表示される。ユーザは、パラメータ値表示Dpの一端C1に指を接触させて移動させることによりパラメータ値表示Dpの長さを変更することができる。あるいは、ボタンBUを指で回転させることによりパラメータ値表示C2の向きを変更することができる。それにより、パラメータ値を調整することができる。
本実施の形態では、パラメータ値の調整可能範囲が設定される。調整可能範囲はパラメータ値のとり得る範囲である。調整可能範囲を設定することによりパラメータ値の不適切な調整による音楽的な破綻を防止でき、ユーザの回転等の操作によるパラメータ値の極端な変化を防止することができる。パラメータ値表示領域Drの外周に沿ってパラメータ値の調整可能範囲を示す部分円環状の調整可能範囲表示Daが配置される。調整可能範囲表示Daの一端Loは調整可能範囲の下限値に対応し、他端Upは調整可能範囲の上限値に対応する。ユーザは、調整可能範囲表示Daの一端Loに指を接触させて移動させることによりパラメータ値の調整可能範囲の下限値を変更することができる。また、ユーザは、調整可能範囲表示Daの他端Upに指を接触させて移動させることによりパラメータ値の調整可能範囲の上限値を変更することができる。
図3において、ユーザが制御操作子21を回転させると、制御操作子21上のパラメータ指標24の位置が変化する。本実施の形態では、Z軸が基準軸に相当する。パラメータ指標24の基準位置(例えば、ボタンBUの中心)のZ座標値がパラメータ値に対応する。制御操作子21の回転によりパラメータ指標24の基準位置のZ座標値が変化しパラメータ値が変化する。したがって、ユーザは、制御操作子21を回転させることにより制御操作子21上のパラメータ指標24に対応するパラメータ値を調整することができる。
本実施の形態では、制御操作子21の外周21aのZ座標値は0である。制御操作子21の最上部(外表面の中心)のZ座標値が最大値となる。制御操作子21上のパラメータ指標24が制御操作子21上の最上部に位置するときに、対応するパラメータ値が調整可能範囲の上限値となる。また、制御操作子21上のパラメータ指標24が制御操作子21上の外周21aに位置するときに、対応するパラメータ値が調整可能範囲の下限値となる。
制御操作子21の回転により制御操作子21上のパラメータ指標24が外周21aに到達すると、ユーザがさらに制御操作子21を回転させてもそのパラメータ指標24は外周21aに維持され、当該パラメータ指標24のZ座標値は負にならず、0で維持される。したがって、対応するパラメータ値は下限値で維持される。一方、外周21aよりも内側に位置する他のパラメータ指標24は、制御操作子21の回転により外周21aに達するまで移動することができる。
次に、制御操作子21の操作例について説明する。図5は制御操作子21の操作例を説明するための図である。ユーザが図2の状態で制御操作子21を図5の実線の矢印A0の方向に回転させると、制御操作子21上のパラメータ指標p1,p2,p3の位置が変化する。パラメータ指標p1は制御操作子21の最上部から遠ざかるので、パラメータ指標p1の位置のZ座標値の減少に伴い、対応するパラメータ値も減少する。パラメータ指標p3は制御操作子21の最上部に近づくので、パラメータ指標p3の位置のZ座標値の増加に伴い、対応するパラメータ値も増加する。パラメータ指標p2は制御操作子21の外周21aに到達するので、パラメータ指標p2の位置のZ座標値が0となり、対応するパラメータ値は下限値で維持される。
(4)音色データ記憶領域
図1のRAM9または記憶装置13には、複数のタイムスロットに対応する音色データを記憶する音色データ記憶領域が確保される。ここで、複数のタイムスロットをタイムスロットTS1〜TS16と呼ぶ。図6は音色データ記憶領域の構成を示す模式図である。図6の音色データ記憶領域MDTは、複数のタイムスロットTS1〜TS16に対応する複数のスロット記憶領域MS1〜MS16を含む。複数のスロット記憶領域MS1〜MS16には、後述する音色データ設定処理によりそれぞれ音色データDT1〜DT16が記憶される。音色データDT1〜DT16の各々は、複数の音響効果パラメータのパラメータ値により構成される。図6の例では、音響効果パラメータA,B,Cのパラメータ値が示される。
図1のRAM9または記憶装置13には、複数のタイムスロットに対応する音色データを記憶する音色データ記憶領域が確保される。ここで、複数のタイムスロットをタイムスロットTS1〜TS16と呼ぶ。図6は音色データ記憶領域の構成を示す模式図である。図6の音色データ記憶領域MDTは、複数のタイムスロットTS1〜TS16に対応する複数のスロット記憶領域MS1〜MS16を含む。複数のスロット記憶領域MS1〜MS16には、後述する音色データ設定処理によりそれぞれ音色データDT1〜DT16が記憶される。音色データDT1〜DT16の各々は、複数の音響効果パラメータのパラメータ値により構成される。図6の例では、音響効果パラメータA,B,Cのパラメータ値が示される。
図7(a)〜(e)は、複数のタイムスロットと一の音響効果パラメータのパラメータ値との関係を示す図である。図7(b)〜(e)においては、横軸は経過時間を示し、縦軸はパラメータ値を示す。本実施の形態においては、図7(a)に示すように、タイムスロットTS1〜TS16にビートB1〜B16が割り当てられる。この場合、16個のタイムスロットTS1〜TS16の各々は16分音符に相当し、テンポの既定値は120である。ビートB1〜B16の各々は、480個のティックT1〜T480に分割される。
ここで、再生処理の開始からの経過時間が図1のタイマ12により計測される。経過時点に対応するタイムスロットTS1〜TS16に設定された各音響効果パラメータのパラメータ値が1ティックごとに順次取得され、音源16の音源メモリに転送される。これにより、音源16にタイムスロットTS1〜TS16に対応する音色データが順次設定される。
最後のタイムスロットTS16に対応する音色データが音源16に設定された後、最初のタイムスロットTS1に対応する音色データが音源16に設定されるように音源16への音色データの設定が繰り返される。これにより、音データ生成装置100が音色を繰り返して変化させるループシーケンサとして動作する。再生時には、タイムスロットTS1〜TS16に設定された各パラメータ値の変化が、図2のメイン画面25において、制御操作子21およびパラメータ指標24の位置の変化により表示される。
ユーザは、タッチパネルディスプレイ6を操作することにより、隣り合う各2つのタイムスロットTS1〜TS16間における各パラメータ値の変化の連続性の程度を調整することができる。本実施の形態においては、連続性の程度を「step」、「直線補間」、「B(ビート)の値の後50%の値が変化しない」および「smooth」から選択することができる。
「step」が選択されたときには、図7(b)に示すように、各タイムスロットに設定されたパラメータ値が当該タイムスロットの全てのティックT1〜T480に割り当てられる。そのため、隣り合う各2つのタイムスロットTS1〜TS16間でパラメータ値が不連続となる。
「直線補間」が選択されたときには、図7(c)に示すように、各タイムスロットに設定された各パラメータ値が、当該タイムスロットの最初のティックT1に割り当てられる。また、各タイムスロットの最初のティックT1のパラメータ値が次のタイムスロットの最初のティックT1のパラメータ値と直線で結ばれるように、各タイムスロットのティックT2〜T480のパラメータ値が直線補間される。
「Bの値の後50%の値が変化しない」が選択されたときには、図7(d)に示すように、各タイムスロットに設定されたパラメータ値が、当該タイムスロットの前半のティックT1〜T240に割り当てられる。また、各タイムスロットのティックT240のパラメータ値が次のタイムスロットの最初のティックT1のパラメータ値と線形に結ばれるように、対応するビートのティックT241〜T480のパラメータ値が直線補間される。
「smooth」が選択されたときには、図7(e)に示すように、各タイムスロットに設定されたパラメータ値が、当該タイムスロットの最初のティックT1に割り当てられる。また、各タイムスロットの最初のティックT1のパラメータ値が直前および次のタイムスロットの最初のティックT1のパラメータ値と滑らかに結ばれるように、当該タイムスロットのティックT2〜T480のパラメータ値がスプライン補間される。
「直線補間」、「Bの値の後50%の値が変化しない」または「smooth」の設定を総称して連続設定と呼ぶ。上記のように、連続設定が選択されたときには、各タイムスロットから次のタイムスロットへパラメータ値が連続的に変化するように、設定されたパラメータ値が対応するビートのT1〜T480ごとに調整される。これにより、隣り合うタイムスロットTS1〜TS16に対応する音色を滑らかに変化させることができる。また、再生時には、図2のメイン画面25において、制御操作子21およびパラメータ指標24の位置が連続的に変化する。
なお、音データ生成装置100がループシーケンサとして動作する場合には、最後のタイムスロットTS16と最初のタイムスロットTS1とが隣り合う各2つのタイムスロットとして扱われてもよい。この場合、タイムスロットTS16,TS1間でも、図7(b)〜(e)と同様にティックT1〜T480ごとにパラメータ値の調整が行われる。
このように、図7(b)〜(e)の例は、複数のタイムスロットTS1〜TS16のティックごとのパラメータ値の変化の例を示している。図6の音色データ記憶領域MDTのスロット記憶領域MS1〜MS16に記憶された複数の音響効果パラメータのパラメータ値に基づいてティックごとの各パラメータ値の変化がパラメータ値変化テーブルとして作成される。作成された複数の音響効果パラメータについてのパラメータ値変化テーブルがRAM9または記憶装置13に記憶される。
(5)音データ生成装置100の機能的な構成
図8は本発明の実施の形態に係る音データ生成装置100の機能的な構成を示すブロック図である。図8に示すように、音データ生成装置100は、記憶部101、表示制御部102、検出部103、決定部104、設定部105、受付部106、変化部107、音色データ供給部108、イベント供給部109およびアルペジオ部110を含む。図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された音データ生成プログラムを実行することにより図8の各構成部の機能が実現される。
図8は本発明の実施の形態に係る音データ生成装置100の機能的な構成を示すブロック図である。図8に示すように、音データ生成装置100は、記憶部101、表示制御部102、検出部103、決定部104、設定部105、受付部106、変化部107、音色データ供給部108、イベント供給部109およびアルペジオ部110を含む。図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された音データ生成プログラムを実行することにより図8の各構成部の機能が実現される。
記憶部101は、図1のRAM9および記憶装置13により構成される。この記憶部101には、図6の音色データ記憶領域MDTが確保されるとともに、上記の複数の音響効果パラメータについてのパラメータ値変化テーブルが記憶される。表示制御部102は、タッチパネルディスプレイ6に図2のメイン画面25等の種々の画面を表示させるとともに、制御操作子21およびパラメータ指標24の表示を変更する。
検出部103は、図1のタッチパネルディスプレイ6に表示されるメイン画面25等の操作を検出する。具体的には、検出部103は、制御操作子21を回転させる操作、パラメータ指標24の調整可能範囲表示Daおよびパラメータ値表示Dp,C2を変更する操作等を検出する。また、検出部103は、制御操作子21上のパラメータ指標24の位置を検出する。さらに、検出部103は、複数の鍵26、複数のスロットボタン27、アルペジオボタン28、保存ボタンb1および終了ボタンb2等の操作を検出する。
決定部104は、検出部103により検出された位置のZ座標に基づいて各音響効果パラメータのパラメータ値を決定する。設定部105は、決定部104により決定された複数の音響効果パラメータのパラメータ値を音色データとして複数のタイムスロットTS1〜TS16の各々に設定する。
受付部106は、各音響効果パラメータのパラメータ値の変化の連続性の程度を選択するための操作をユーザから受け付ける。変化部107は、受付部106により受け付けられる操作に基づいて、パラメータ値の変化の連続性の程度を調整することにより、複数の音響効果パラメータについてのパラメータ値変化テーブルを作成する。連続設定の選択が受付部106により受け付けられた場合には、変化部107は、各タイムスロットから次のタイムスロットへパラメータ値が連続的に変化するようにパラメータ値を変化させる。
音色データ供給部108は、再生時に、複数の音響効果パラメータについてのパラメータ値変化テーブルからパラメータ値を順次取得し、取得した複数のパラメータ値により構成される音色データを音源16に順次設定する。イベント供給部109は、鍵26の操作に基づいてノートオンイベントおよびノートオフイベントを発生し、発生したノートオンイベントおよびノートオフイベントを音源16に供給する。アルペジオ部110は、検出部103により検出された操作に基づいて、アルペジオ動作を行う。
(6)音色データ設定処理
図9は音データ生成装置100により行われる音色データ設定処理を示すフローチャートである。図9の音色データ設定処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された音色データ設定プログラムを実行することにより行われる。
図9は音データ生成装置100により行われる音色データ設定処理を示すフローチャートである。図9の音色データ設定処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された音色データ設定プログラムを実行することにより行われる。
まず、CPU11は、図2のメイン画面25においていずれかのスロットボタン27の操作が検出されたか否かを判定する(ステップS1)。いずれのスロットボタン27も操作されない場合には、CPU11は、いずれかのスロットボタン27が操作されるまで待機する。いずれかのスロットボタン27が操作された場合には、CPU11は、操作されたスロットボタン27の番号を検出する(ステップS2)。本実施の形態では、タイムスロットTS1〜TS16にそれぞれ番号が16個のスロットボタン27に割り当てられている。その後、CPU11は、後述する図10のパラメータ調整処理を実行し(ステップS3)、ステップS4に進む。
ステップS4で、CPU11は、図2のメイン画面25の保存ボタンb1が操作されたか否かを判定する(ステップS4)。保存ボタンb1が操作されない場合には、CPU11はステップS3に戻る。保存ボタンb1が操作された場合には、CPU11は、検出された番号に対応するスロット記憶領域に複数のパラメータ値を記憶する(ステップS5)。それにより、スロット記憶領域に音色データが設定される。
その後、CPU11は、図2のメイン画面25の終了ボタンb2が操作されたか否かを判定する(ステップS6)。終了ボタンb2が操作されない場合には、CPU11はステップS1に戻る。終了ボタンb2が操作された場合には、CPU11は、音色データ設定処理を終了する。
なお、図2のメイン画面25に保存ボタンb1および終了ボタンb2が設けられなくてもよい。この場合、ステップS4,S6の処理は省略される。また、ステップS5において、パラメータ調整処理により変化する複数のパラメータ値が逐次記憶される。この構成においては、ユーザはステップS3のパラメータ調整処理で所定の操作を続けることにより、選択したスロットボタン27に対応する複数のパラメータ値を調整し続けることができる。一方で、ユーザは他のスロットボタン27を操作することにより、音色データ設定処理をステップS1に戻し、当該スロットボタン27に対応する複数のパラメータ値を調整することができる。
次に、図10を参照しながら図9のステップS3のパラメータ調整処理を説明する。図10はパラメータ調整処理を示すフローチャートである。CPU11は、制御操作子21への回転操作を検出したか否かを判定する(ステップS11)。制御操作子21への回転操作を検出しない場合には、CPU11はステップS19に進む。
制御操作子21への回転操作を検出した場合には、CPU11は、制御操作子21上の各パラメータ指標24の現在位置(X座標値、Y座標値およびZ座標値)を算出する(ステップS12)。また、CPU11は、制御操作子21の回転情報として方向および角度を検出し(ステップS13)、回転情報および各パラメータ指標24の現在位置に基づいて各パラメータ指標24の移動の軌跡および到達位置を算出する(ステップS14)。
次に、CPU11は、到達位置のZ座標値が下限値より小さいパラメータ指標24があるか否かを判定する(ステップS15)。下限値より小さいパラメータ指標24がある場合には、CPU11は、該当するパラメータ指標24について軌跡中でZ座標値が下限値となるときのX座標値およびY座標値を算出する(ステップS16)。さらに、CPU11は、算出されたX座標値、Y座標値およびZ座標値に到達位置を変更し(ステップS17)、ステップS18に進む。それにより、パラメータ指標24の位置が制御操作子21の外周21aで維持される。ステップS15で下限値より小さいパラメータ指標24がない場合にも、CPU11はステップS18に進む。
ステップS18では、CPU11は、制御操作子21上の各パラメータ指標24を算出した軌跡に沿って現在位置から到達位置まで移動させ、表示位置および表示サイズを変更する。また、CPU11は、制御操作子21上の各パラメータ指標24について到達位置のZ座標値に基づいて、パラメータ値を決定する(ステップS19)。その後、CPU11は、決定されたパラメータ値に基づいて、制御操作子21上の各パラメータ指標24のパラメータ値表示Dp,C2を更新し(ステップS20)、対応するパラメータ指標24のパラメータ値表示Dp,C2を更新する(ステップS21)。
(7)再生処理
図11は音データ生成装置100により行われる再生処理を示すフローチャートである。図11の再生処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された再生プログラムを実行することにより行われる。
図11は音データ生成装置100により行われる再生処理を示すフローチャートである。図11の再生処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された再生プログラムを実行することにより行われる。
まず、CPU11は、図6の音色データ記憶領域MDTに記憶された音色データに基づいて、複数の音響効果パラメータに対応する複数のパラメータ値変化テーブルを作成する(ステップS31)。次にCPU11は、図2のメイン画面25をタッチパネルディスプレイ6に表示させ(ステップS32)、変数nの値を1に設定するとともに変数mの値を1に設定する(ステップS33)。ここで、変数nはビートB1〜B16の番号を示し、変数mはティックT1〜T480の番号を示す。
その後、CPU11は、各パラメータ値変化テーブルからn番目のビートのm番目のティックに対応するパラメータ値を取得する(ステップS34)。また、CPU11は、取得した複数のパラメータ値からなる音色データを音源16に設定する(ステップS35)。
次に、CPU11は、メイン画面25の終了ボタンb2が操作されたか否かを判定する(ステップS36)。終了ボタンb2が操作された場合には、CPU11は、再生処理を終了する。終了ボタンb2が操作されない場合には、後述する図12のノートオン/オフ処理を実行し(ステップS37)、ステップS38に進む。
ステップS38では、CPU11は、メイン画面25の制御操作子21およびパラメータ指標24の位置をステップS34で取得した各パラメータ値に対応する位置に更新する(ステップS38)。その後、CPU11は、テンポに応じて1ティック分だけ待機する(ステップS39)。具体的には、CPU11は、テンポを示すテンポ設定情報を読み込み、読み込まれたテンポに対応する1ティック分だけ待機する。これにより、ユーザが再生処理中にテンポを変更した場合でも、変更後のテンポで再生処理を続行することができる。その後、CPU11は、変数mの値を1だけ増加させる(ステップS40)。
ここで、CPU11は、変数mの値が480以下であるか否かを判定する(ステップS41)。変数mの値が480以下である場合には、CPU11はステップS34に戻る。一方、変数mの値が480より大きい場合には、CPU11は、変数nの値を1だけ増加させるとともに変数mの値を1にリセットする(ステップS42)。次に、CPU11は、変数nの値が16以下であるか否かを判定する(ステップS43)。変数nの値が16以下である場合には、CPU11はステップS34に戻る。一方、変数nの値が16より大きい場合には、CPU11は、変数nの値を1にリセットし(ステップS44)、ステップS34に戻る。
次に、図12を参照しながら図11のステップS37のノートオン/オフ処理を説明する。図12はノートオン/オフ処理を示すフローチャートである。CPU11は、メイン画面25において鍵26が押されたこと(以下、押鍵と呼ぶ。)が検出されたか否かを判定する(ステップS51)。押鍵が検出された場合には、CPU11は、押されている鍵26に対応する音高を含むノートオンイベントを音源16に供給する(ステップS52)。それにより、ノートオンイベントに含まれる音高を有しかつ設定された音色データに対応する音色を有する音データ(音響信号)が音源16により生成される。その結果、サウンドシステム18から音データに基づく楽音が発生される。その後、CPU11はステップS53に進む。ステップS51で押鍵を検出しない場合にも、CPU11はステップS53に進む。
ステップS53で、CPU11は、鍵26が離されたこと(以下、押鍵の解除と呼ぶ。)が検出されたか否かを判定する(ステップS53)。押鍵の解除が検出された場合には、CPU11は、押されていた鍵26に対応するノートオフイベントを音源16に供給し(ステップS54)、ノートオン/オフ処理を終了する。それにより、音源16による音データの生成が終了する。その結果、サウンドシステム18からの楽音の発生が停止する。押鍵の解除が検出されない場合には、CPU11は、アルペジオボタン28がオン状態である否かを判定する(ステップS55)。アルペジオボタン28がオフ状態である場合、CPU11はノートオン/オフ処理を終了する。アルペジオボタン28がオン状態である場合、CPU11は、アルペジオパターンに基づく消音または発音の処理を行い(ステップS56)、ノートオン/オフ処理を終了する。
(8)実施の形態の効果
本実施の形態に係る音データ生成装置100においては、音色データ列に関する複数のタイムスロットTS1〜TS16の各々について、3次元座標系で移動可能な制御操作子21の位置が検出される。検出された制御操作子21上の位置に基づいてパラメータ指標24の位置が検出され、パラメータ指標24の位置に基づいて当該タイムスロットに音色データを構成する音響効果パラメータの値が設定される。再生時に、複数のタイムスロットTS1〜TS16に設定された音色データに基づいて音データが順次生成される。したがって、ユーザは、簡単な操作により任意のパターンで音色を変化させつつ楽音を発生させることが可能になる。
本実施の形態に係る音データ生成装置100においては、音色データ列に関する複数のタイムスロットTS1〜TS16の各々について、3次元座標系で移動可能な制御操作子21の位置が検出される。検出された制御操作子21上の位置に基づいてパラメータ指標24の位置が検出され、パラメータ指標24の位置に基づいて当該タイムスロットに音色データを構成する音響効果パラメータの値が設定される。再生時に、複数のタイムスロットTS1〜TS16に設定された音色データに基づいて音データが順次生成される。したがって、ユーザは、簡単な操作により任意のパターンで音色を変化させつつ楽音を発生させることが可能になる。
(9)他の実施の形態
図13は再生処理の他の例を示すフローチャートである。図13の再生処理が図11の再生処理と異なるのは、図11のステップS32,S33間にステップS32aを有する点および図11のステップS36の代わりにステップS36aを有する点である。ステップS32aでは、CPU11は、メイン画面25において1つ以上の音高の押鍵が検出されたか否かを判定する(ステップS32a)。1つの音高の押鍵も検出されない場合には、CPU11は、1つ以上の音高の押鍵が検出されるまで待機する。1つ以上の押鍵が検出された場合には、CPU11はステップS33に進む。
図13は再生処理の他の例を示すフローチャートである。図13の再生処理が図11の再生処理と異なるのは、図11のステップS32,S33間にステップS32aを有する点および図11のステップS36の代わりにステップS36aを有する点である。ステップS32aでは、CPU11は、メイン画面25において1つ以上の音高の押鍵が検出されたか否かを判定する(ステップS32a)。1つの音高の押鍵も検出されない場合には、CPU11は、1つ以上の音高の押鍵が検出されるまで待機する。1つ以上の押鍵が検出された場合には、CPU11はステップS33に進む。
ステップS36aでは、全ての音高の押鍵の解除が検出されたか否かを判定する(ステップS36a)。全ての音高の押鍵の解除が検出された場合には、CPU11は、再生処理を終了する。全ての音高の押鍵の解除が検出されない場合には、CPU11はステップS37に進む。なお、ステップS36aにおいては、CPU11は、全ての音高の押鍵の解除が所定時間以上継続したか否かを判定してもよい。所定時間は、例えば0.2秒であってもよいし、テンポに応じた60ティック分の時間であってもよい。この構成によれば、瞬間的に全ての音高の押鍵が解除された場合でも、再生処理が終了することが防止される。
図13の再生処理においては、押鍵により最初のタイムスロットTS1に対応する音色の楽音が発生し、押鍵の継続中に、発生する楽音の音色が複数のタイムスロットTS1〜TS16に対応する音色に順次かつ繰り返し変化する。全ての音高の押鍵の解除により楽音の発生が停止した後、押鍵が行われると最初のタイムスロットTS1に対応する音色から順に音色が変化する。
上記実施の形態では、制御操作子21が球形状を有するが、制御操作子21が楕円体形状、多面体形状、円錐形状、円柱形状等の他の立体形状を有してもよい。上記実施の形態では、制御操作子21がタッチパネルディスプレイ6の画面上で回転操作されるが、制御操作子21がタッチパネルディスプレイ6とは別に設けられたコントローラ等により回転操作されてもよい。上記実施の形態では、制御操作子21が一点を中心として全方向に回転可能であるが、制御操作子21が一方向または複数の方向に回転可能であってもよい。上記実施の形態では、制御操作子21が立体形状を有するが、制御操作子21が平面形状を有してもよい。
上記実施の形態では、Z軸が基準軸に相当し、パラメータ指標24のZ座標値がパラメータ値に対応しているが、X軸またはY軸が基準軸に相当し、パラメータ指標24のX座標値またはY座標値がパラメータ値に対応していてもよい。例えば、パラメータ指標24のX座標値がパラメータ値に対応している場合は、パラメータ指標24が制御操作子21のX軸方向の一端(例えば左端)に位置するときにパラメータ値が最小となり、パラメータ指標24が制御操作子21のX軸方向の他端(例えば右端)に位置するときにパラメータ値が最大となる。
上記実施の形態では、制御操作子21上にパラメータ指標24が個別に配置されるが、複数の音響効果パラメータが例えばグループ化されて一括して制御操作子21上に配置されてもよい。上記実施の形態では、パラメータ指標24が制御操作子21の上半分の半球部分で移動可能であるが、パラメータ指標24が制御操作子21の球の全体で移動可能であってもよい。この場合、パラメータ指標24は制御操作子21の下半分の半球部分でも移動することができる。
上記実施の形態では、制御操作子21を回転させ過ぎた場合にパラメータ指標24のZ座標値が下限値よりも小さくならないようにパラメータ指標24の位置が維持されるが、逆に、パラメータ指標24のZ座標値が上限値よりも大きくならないようにパラメータ指標24の位置が維持されてもよい。
上記実施の形態では、ステップS53で押鍵の解除が検出された場合にはステップS54の処理が実行されたその時点における変数n,mの値を用いて再生処理が続行されるが、押鍵の解除が検出された場合にはステップS33に戻って変数n,mの値がそれぞれ1にリセットされてもよい。上記実施の形態では、制御操作子21およびパラメータ指標24は3次元座標系で移動可能であるが、2次元座標系で移動可能であってもよいし、4次元以上の座標系で移動可能であってもよい。
上記実施の形態では、各タイムスロットは16分音符に相当するが、例えば8分音符に相当してもよいし、32分音符に相当してもよい。各タイムスロットが8分音符に相当する場合には8個のスロットボタン27がメイン画面25に表示され、各タイムスロットが32分音符に相当する場合には32個のスロットボタン27がメイン画面25に表示される。
上記実施の形態では、音色データが設定されないタイムスロットについては、直前のタイムスロットに設定された音色データと同じ音色データが自動的に設定されてもよい。この場合、複数のタイムスロットについて1つおきに音色データを設定することにより、隣り合う2つのタイムスロットはそれぞれ8分音符に相当する。
上記実施の形態では、音データ生成装置100が電子音楽装置1に設けられているが、音データ生成装置100がパーソナルコンピュータ、スマートデバイス(smart device)、ゲーム機器等の電子機器に適用されてもよい。上記実施の形態に係る音データ生成装置100は、CPU11等のハードウエアおよび音響効果データ生成プログラム等のソフトウエアにより実現されるが、図7の音データ生成装置100の各構成要素が電子回路等のハードウエアにより実現されてもよい。
(10)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることができる。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることができる。
上記実施の形態では、制御操作子21およびパラメータ指標24が音色設定操作子の例であり、検出部103が検出手段の例であり、タイムスロットTS1〜TS16がタイムスロットの例である。設定部105が設定手段の例であり、音源16が生成手段の例であり、音データ生成装置100が音データ生成装置の例であり、変化部107が変化手段の例であり、受付部106が受付手段の例である。表示制御部102が表示手段の例であり、制御操作子21が制御操作子の例であり、パラメータ指標24がパラメータ指標の例であり、アルペジオ部110がアルペジオ手段の例である。
本発明は、種々の音データの生成に有効に利用することができる。
1…電子音楽装置、2…演奏データ入力部、3…入力I/F、4…設定操作子、5,7…検出回路、6…タッチパネルディスプレイ、8…表示回路、9…RAM、10…ROM、11…CPU、12…タイマ、13…記憶装置、14…通信I/F、15…外部記憶装置、16…音源、17…効果回路、18…サウンドシステム、19…バス、21…制御操作子、21a…外周、24,p1〜p3…パラメータ指標、25…メイン画面、26…鍵、27…スロットボタン、28…アルペジオボタン、100…音データ生成装置、101…記憶部、102…表示制御部、103…検出部、104…決定部、105…設定部、106…受付部、107…変化部、108…音データ供給部、109…イベント供給部、110…アルペジオ部、A0…矢印、B1〜B16…ビート、b1…保存ボタン、b2…終了ボタン、BU…ボタン、C1,Lo…一端、C2,Da…調整可能範囲表示、Dp…パラメータ値表示、Dr…パラメータ値表示領域、MDT…音色データ記憶領域、DT1〜DT16…音色データ、MS1〜MS16…スロット記憶領域、T1〜T480…ティック、TS1〜TS16…タイムスロット、Up…他端
Claims (10)
- n次元座標系(nは2以上の整数)で移動可能な音色設定操作子の位置を検出する検出手段と、
検出された位置に基づいて、音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々に音色データを構成する音響効果パラメータの値を設定する設定手段と、
再生時に、前記複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて音データを順次生成する生成手段とを備える、音データ生成装置。 - 前記生成手段は、最後のタイムスロットに対応する音データを生成した後、最初のタイムスロットに対応する音データを生成するように音データの生成を繰り返す、請求項1記載の音データ生成装置。
- 各タイムスロットから次のタイムスロットへ音響効果パラメータの値が連続的に変化するように音響効果パラメータの値を変化させる変化手段をさらに備える、請求項1または2記載の音データ生成装置。
- ユーザの操作を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記変化手段は、前記受け付けられる操作に基づいて、音響効果パラメータの値の変化の連続性の程度を調整する、請求項3記載の音データ生成装置。 - 再生時に、音響効果パラメータの値の変化を前記n次元座標系での前記音色設定操作子の位置の変化で表示する表示手段をさらに備える、請求項3または4記載の音データ生成装置。
- 前記表示手段は、再生時に、前記音色設定操作子の位置が連続的に変化するように前記音色設定操作子を表示する、請求項5記載の音データ生成装置。
- 前記音色設定操作子は、基準軸を含むn次元座標系を有する空間に配置される仮想的な制御操作子と、前記制御操作子上に配置されるパラメータ指標とを含み、
前記制御操作子は、n次元座標系で少なくとも一方向に回転可能であり、
前記パラメータ指標は、前記制御操作子とともに回転し、
前記検出手段は、前記基準軸に基づく前記パラメータ指標の位置を検出する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の音データ生成装置。 - 発音指示に含まれる音高に基づいてアルペジオパターンを生成するアルペジオ手段をさらに備え、
前記生成手段は、再生時に、生成されたアルペジオパターンの音データの音色を前記複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて順次変化させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の音データ生成装置。 - 前記生成手段は、発音指示の状態に応じて前記複数のタイムスロットに設定された音響パラメータの値に基づく音色の変化を開始または停止する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の音データ生成装置。
- n次元座標系(nは2以上の整数)で移動可能な音色設定操作子の位置を検出するステップと、
検出された位置に基づいて、音色データ列に関する複数のタイムスロットの各々に音色データを構成する音響効果パラメータの値を設定するステップと、
再生時に、前記複数のタイムスロットに設定された音響効果パラメータの値に基づいて音データを順次生成するステップとを含む、音データ生成方法。
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