JP2018004391A - タイムインジケーター - Google Patents

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由美子 萩尾
高橋 敦
Atsushi Takahashi
敦 高橋
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Abstract

【課題】経過時間を目視によって容易に把握できる、タイムインジケーターを提供する。【解決手段】第1のバリア層、酸素吸収層、及び第2のバリア層をこの順で積層した状態で具備しており、酸素吸収層が、熱可塑性樹脂、及び酸素を吸収して変色する酸素吸収剤を含有しており、第1のバリア層の少なくとも一部が光透過性を有し、それによって酸素吸収層の少なくとも一部を、第1のバリア層の少なくとも一部を通して目視により観察することができ、かつ使用時に酸素吸収層の側面の少なくとも一部を大気中に露出させ、それによって酸素吸収層の大気中に露出された部分から酸素を吸収させて酸素吸収層を連続的に変色させる、タイムインジケーター。【選択図】図1

Description

本発明は、タイムインジケーターに関する。
近年、商品の有効期限等を表す方法として、種々の方法が検討されている。このような方法の一態様として、大気中の酸素による色変化によって所定の時間の経過を表すタイムインジケーターが提案されている。
特許文献1においては、基体の片面又は両面に、酸素との反応により速やかに変色する化合物を含む変色層を積層し、変色層の上に、酸素ガス透過制御層を積層してなることを特徴とする、タイムインジケーターが開示されている。特許文献1では、酸素ガス透過制御層により、変色層へと透過する酸素の量を一定とし、それによって安定して正確な所定の時間の経過を表すことができるとしている。
特開平11−14616号公報
特許文献1に記載のタイムインジケーターを用いた場合、変色層全体が酸素と反応して変色するため、その色を見本等と比較することにより、酸素と反応を開始した時から所定の時間が経過したことは把握できるものの、色の感じ方は個人差が大きいため、酸素と反応を開始した時からの経過時間を、目視により把握することは容易ではない。
そこで、経過時間を目視によって容易に把握できる、タイムインジケーターを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈1〉 第1のバリア層、酸素吸収層、及び第2のバリア層をこの順で積層した状態で具備しており、
上記酸素吸収層が、熱可塑性樹脂、及び酸素を吸収して変色する酸素吸収剤を含有しており、
上記第1のバリア層の少なくとも一部が光透過性を有し、それによって上記酸素吸収層の少なくとも一部を、上記第1のバリア層の少なくとも一部を通して目視により観察することができ、かつ
使用時に上記酸素吸収層の側面の少なくとも一部を大気中に露出させ、それによって上記酸素吸収層の大気中に露出された部分から酸素を吸収させて上記酸素吸収層を連続的に変色させる、
タイムインジケーター。
〈2〉 上記酸素吸収剤が、酸素欠損を有する酸化セリウムである、上記〈1〉項に記載のタイムインジケーター。
〈3〉 時間の経過を示す表示を有する、上記〈1〉又は〈2〉項に記載のタイムインジケーター。
〈4〉 上記酸素吸収層が、上記表示と上記第2のバリア層との間に存在するように、上記表示が存在している、上記〈3〉項に記載のタイムインジケーター。
〈5〉 上記表示の少なくとも一部が、上記酸素吸収層が積層されている領域外に存在している、上記〈3〉項に記載のタイムインジケーター。
〈6〉 上記表示の色と、酸素吸収前の酸素吸収層の色との間において、JIS Z 8781に準拠するL表色系で、
明度差ΔLの絶対値が10.0以下であり、かつ
色差ΔEabの値が20.0以下である、
上記〈3〉〜〈5〉項のいずれか一項に記載のタイムインジケーター。
〈7〉 円形であり、かつ
使用時に上記酸素吸収層の側面全体を大気中に露出させ、それによって上記酸素吸収層の側面全体から酸素を吸収させて、上記酸素吸収層を側面全体から連続的に変色させ、それによって上記タイムインジケーターの外形及び上記酸素吸収層のうちの変色していない領域が同心円を形成するようにする、
上記〈1〉〜〈6〉項のいずれか一項に記載のタイムインジケーター。
〈8〉 上記酸素吸収層が、長方形であり、かつ側面全体が封止されており、かつ
使用時に、上記酸素吸収層の一辺の側面を大気中に露出させ、それによって上記酸素吸収層の側面から酸素を吸収させて、上記酸素吸収層を直線的に変色させる、
上記〈1〉〜〈6〉項のいずれか一項に記載のタイムインジケーター。
〈9〉 使用時に、一部を切り取ることにより、上記酸素吸収層の側面を大気中に露出させる、
上記〈8〉項に記載のタイムインジケーター。
〈10〉 上記酸素吸収層の側面が、易剥離性バリア積層体により封止されており、かつ
使用時に、上記易剥離性バリア積層体を剥離することにより、上記酸素吸収層の側面を大気中に露出させる、
上記〈8〉項に記載のタイムインジケーター。
本発明によれば、経過時間を目視によって容易に把握できる、タイムインジケーターを提供することができる。
図1は、本発明のタイムインジケーターの層構成の例を示す概略断面図である。 図2は、本発明のタイムインジケーターにおける酸素吸収層の変色原理の説明図である。 図3(a)は、本発明の第1の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。図3(b)は、図3(a)の線IIIb−IIIbにおける概略断面図である。 図4は、使用時の、本発明の第1の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。 図5(a)は、本発明の第2の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。図5(b)は、図5(a)の線Vb−Vbにおける概略断面図である。 図6は、使用時の、本発明の第2の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。 図7(a)は、本発明の第3の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。図7(b)は、図7(a)の線VIIb−VIIbにおける概略断面図である。図7(c)は、図7(a)の線VIIc−VIIcにおける概略断面図である。図7(d)は、図7(a)の線VIId−VIIdにおける概略断面図である。 図8は、使用時の、本発明の第3の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。 図9は、本発明の第4の実施態様のタイムインジケーターの概略断面図である。
《タイムインジケーター》
本発明のタイムインジケーターは、図1に示すように、第1のバリア層(10)、酸素吸収層(40)、及び第2のバリア層(20)をこの順で積層した状態で具備している。酸素吸収層は、熱可塑性樹脂、及び酸素を吸収して変色する酸素吸収剤を含有している。また、第1のバリア層の少なくとも一部が光透過性を有し、それによってこの酸素吸収層の少なくとも一部を、第1のバリア層の少なくとも一部を通して目視により観察することができる。
本発明のタイムインジケーターは、使用時に酸素吸収層の側面(端面)の少なくとも一部を大気中に露出させ、それによって酸素吸収層の大気中に露出された部分から酸素を吸収させて酸素吸収層を連続的に変色させる。
図2(a)を参照して具体的に説明すると、使用時においては、酸素吸収前の酸素吸収層(40)の側面の少なくとも一部が大気中に露出している一方で、酸素吸収層(40)の積層面は、第1のバリア層(10)及び第2のバリア層(20)で封止されている。その結果、大気中の酸素は、酸素吸収層(40)の大気中に露出された部分から酸素吸収層(40)の内部に入り込むことができる一方で、第1のバリア層(10)側及び第2のバリア層(20)側からは酸素吸収層(40)に入り込むことができない。
側面から酸素吸収層(40)の内部に入り込んだ酸素は、図2(b)に示すように、酸素吸収層(40)の内部の酸素吸収剤と反応して、酸素吸収後の酸素吸収層、すなわち変色している領域(40b)へと連続的に変化し、やがて図2(c)に示すように、全てが変色している領域(40b)となる。
そして、第1のバリア層(10)を通して、酸素吸収層のうちの変色していない領域(40a)及び変色している領域(40b)を目視することにより、酸素吸収前の酸素吸収層(40a)と酸素吸収後の酸素吸収層(40b)との境界の位置によって、酸素吸収層の側面の少なくとも一部が大気中に露出された時からの時間を把握することができる。
以下では、本発明のタイムインジケーターの種々の実施態様について、図面を参照して説明する。なお、本発明のタイムインジケーターの実施態様は、下記の実施態様に限定されるものではなく、また下記の実施態様の全部又は一部を、当業者は適宜組み合わせることができる。
〈第1の実施態様〉
本発明の第1の実施態様のタイムインジケーターは、円形である。この実施態様では、使用時には、酸素吸収層の側面全体を大気中に露出させ、それによって酸素吸収層の側面全体から酸素を吸収させて、酸素吸収層を、側面全体から円の中心に向かって連続的に変色させる。それによってタイムインジケーターの外形及び酸素吸収層のうちの変色していない部分が同心円を形成するようにする。この第1の実施態様について、図3及び4を参照して説明する。
図3(a)は、本発明の第1の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。図3(b)は、図3(a)の線IIIb−IIIbにおける概略断面図である。図4は、使用時の、本発明の第1の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。
図3(a)に示すように、本発明の第1の実施態様のタイムインジケーター(200)は、円形である。また、このタイムインジケーターは、時間の経過を示す表示(50a、50b)を有していてよい。
時間の経過を示す表示(50a、50b)の位置は、第1のバリア層(10)側から酸素吸収層(40)とともに目視により観察できれば特に限定されない。
特に、本発明の第1の実施態様のタイムインジケーター(200)においては、これらの表示(50a、50b)は、酸素吸収層(40)が、表示(50a、50b)と第2のバリア層(40)との間に存在するように存在していてよい。これらの表示(50a、50b)が上記の位置に存在することにより、これらの表示(50a、50b)が、酸素吸収層(40)よりも第1のバリア層(10)側に存在し、かつ図3(a)に示すようにこれらの表示(50a、50b)と酸素吸収層(40)とが重なることとなる。
これらの表示(50a、50b)は、例えば図3(b)に示すように、第1のバリア層(10)の最表面に存在していてもよく、第1のバリア層(10)と酸素吸収層(40)との間に存在していてもよく、又は第1のバリア層(10)の内部に存在していてもよい。
時間の経過を示す表示(50a、50b)は、図3(a)に示すような文字情報であってもよく、又は複数の同心円状若しくは直線状等の目盛であってもよい。
また、時間の経過を示す表示の色は、特に限定されないが、酸素吸収前の酸素吸収層の色と判別がしにくい色であることが、酸素吸収前においては表示の色が酸素吸収層の色と同化して視認しにくくなる一方で、酸素吸収後においては視認しやすくなるため、好ましいことがある。
ここで、「酸素吸収前の酸素吸収層の色と判別がしにくい色」とは、表示の色と、酸素吸収前の酸素吸収層の色との間において、JIS Z 8781に準拠するL表色系で、明度差ΔLの絶対値が、10.0以下、8.0以下、6.5以下、5.0以下、3.0以下、1.0以下、又は0.5以下であり、かつ色差ΔEabの値が、20.0以下、15.0以下、10.0以下、8.0以下、6.5以下、5.0以下、3.0以下、1.0以下、又は0.5以下であることを意味するものである。
ここで、時間の経過を示す表示のL値、a値及びb値をそれぞれL 、a 及びb とし、かつ酸素吸収前の酸素吸収剤のL値、a値及びb値をそれぞれL 、a 及びb とすると、表示の色と酸素吸収前の酸素吸収剤の色との間の色差ΔEabの値は、以下の式で表される。
Figure 2018004391
次に、使用時の本発明の第1の実施態様のタイムインジケーターについて、図4を参照して説明する。
第1の実施態様のタイムインジケーターは、使用前には、バリア性の高い包装袋等に封入しておくことができる。そして、使用時には、包装袋等から取り出し、変色前の酸素吸収層(40)の側面全体を大気中に露出させ、それによって酸素吸収層(40)の側面全体から酸素を吸収させる。
それによれば、図4(b)に示すように、酸素の吸収に伴い、酸素吸収層が、側面全体から連続的に変色した領域(40b)となり、そしてタイムインジケーターの外形及び酸素吸収層のうちの変色していない領域(40a)が同心円を形成する。
また、酸素の吸収が進行すると、図4(b)に示すように、時間の経過を示す1つ目の表示(50a)が、上面から見たときに、酸素吸収層のうちの変色していない領域(40a)の領域外に確認できる状態になる。特に、この表示(50a)が酸素吸収前の酸素吸収層の色と判別がしにくい色である場合には、この状態で初めてこの表示(50a)が視認できるようになる。酸素の吸収が更に進行すると、やがて、図4(c)に示すように、時間の経過を示す2つ目の表示(50b)が、上面から見たときに、酸素吸収層のうちの変色していない領域(40a)の領域外に確認できる状態になる。
このようにして、第1のバリア層上の時間の経過を示す表示(50a、50b)と、酸素吸収層のうちの変色していない領域(40a)及び変色している領域(40b)との位置関係を目視で認識できることにより、酸素吸収層の側面が大気中に露出された時からの時間の経過を把握することができる。
〈第2の実施態様〉
本発明の第2の実施態様のタイムインジケーターは、酸素吸収層が、長方形であり、かつ側面全体がバリア層により封止されている。使用時には、酸素吸収層の一部を切り取ることにより、酸素吸収層の側面を大気中に露出させ、それによって酸素吸収層の側面から酸素を吸収させて、酸素吸収層を直線的に変色させる。この第2の実施態様について、図5及び6を参照して説明する。
図5(a)は、本発明の第2の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。図5(b)は、図5(a)の線Vb−Vbにおける概略断面図である。図6は、使用時の、本発明の第2の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。
図5(a)に示すように、本発明の第2の実施態様のタイムインジケーター(300)は、酸素吸収層(40)が長方形である。また、このタイムインジケーター(300)は、図5(b)に示すように、酸素吸収層(40)の側面全体が封止されている。この封止は、例えば第3のバリア層(30)及び第4のバリア層(60)により行われていてよい。
このタイムインジケーター(300)は、図5(a)に示すように、時間の経過を示す表示(50)及び時間の経過を示さない表示(52)を有していてよい。これらの表示は、第1のバリア層(10)側から酸素吸収層(40)とともに目視により観察できれば特に限定されない。特に、本発明の第2の実施態様のタイムインジケーター(200)においては、これらの表示(50、52)は、図5(a)に示すように、表示(50、52)の少なくともの一部が、酸素吸収層が積層されている領域外に存在していてよく、例えば第3のバリア層(30)及び/又は第4のバリア層(60)上に存在していてよい。また、図示していないが、第1の実施態様の場合と同様に、酸素吸収層が、表示と第2のバリア層との間に存在するように、これらの表示が存在していてもよい。
そして、使用時には、このタイムインジケーター(300)を、例えば酸素吸収層(40)の一辺と平行な直線、特に図5(a)に示すような切断予定線(70)に沿って切断することにより、酸素吸収層(40)の一辺の側面を大気中に露出させる。切断予定線(70)は、印刷により画定してもよく、又は切り裂ききっかけ用のタブを設けて直線状に酸素吸収層(40)を切り裂けるようにしてもよい。また、切断予定線(70)は、に図5(a)に示すように酸素吸収層(40)を横断するように存在していてもよく、又は酸素吸収層(40)の大気中に露出させる側の一辺に重なるように存在していてもよい。
次に、使用時の本発明の第2の実施態様のタイムインジケーターについて、図6を参照して説明する。
本発明の第2の実施態様のタイムインジケーター(300)を、切断予定線(70)に従って切断すると、図6(a)に示すように、酸素吸収層(40)のうちの切断した部分に対応する一辺の側面は大気中に露出し、酸素吸収層(40)は、この一辺の側面からは酸素を吸収できるのに対し、他の側面、すなわち残りの三辺に対応する側面は封止されているため、酸素吸収層(40)は、これらの側面からは酸素を吸収できない。
その結果、図6(b)に示すように、酸素吸収層(40)は、酸素吸収層(40)のうちの切断した部分に対応する側面から、変色した領域(40b)へと直線的に変化する。このようにして、時間の経過を示す表示(50)と、酸素吸収層のうちの変色していない領域(40a)及び変色している領域(40b)との位置関係を目視で認識できることにより、酸素吸収層の側面が大気中に露出された時からの時間の経過を把握することができる。
〈第3の実施態様〉
本発明の第3の実施態様のタイムインジケーターは、酸素吸収層が、長方形であり、かつ側面全体がバリア層により封止されている。酸素吸収層の一辺に対応する側面は、易剥離性バリア積層体により封止されている。使用時には、易剥離性バリア積層体を剥離することにより、酸素吸収層のこの一辺に対応する側面を大気中に露出させ、それによって酸素吸収層のこの一辺に対応する側面から酸素を吸収させて、酸素吸収層を直線的に変色させる。この第3の実施態様について、図7及び8を参照して説明する。
図7(a)は、本発明の第3の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。図7(b)は、図7(a)の線VIIb−VIIbにおける、本発明の第3の実施態様のタイムインジケーターの概略断面図である。図7(c)は、図7(a)の線VIIc−VIIcにおける、本発明の第3の実施態様のタイムインジケーターの概略断面図である。図7(d)は、図7(a)の線VIId−VIIdにおける、本発明の第3の実施形態のタイムインジケーターの概略断面図である。図8は、使用時の本発明の第3の実施態様のタイムインジケーターの上面図である。
図7(a)に示すように、本発明の第3の実施態様のタイムインジケーター(400)は、酸素吸収層(40)が長方形である。また、このタイムインジケーター(400)は、図7(b)〜(d)に示すように、側面全体が封止されている。酸素吸収層の一辺に対応する側面の封止は、図7(d)に示すように、易剥離性バリア積層体(80)により行われている。他の三辺に対応する側面の封止は、図7(b)〜(d)に示すように、例えば第3のバリア層(30)及び第4のバリア層(60)により行われていてよい。
このタイムインジケーター(400)は、図示しないが、時間の経過を示す表示(50)及び時間の経過を示さない表示(52)を有していてよい。
そして、使用時には、易剥離性バリア積層体(80)を剥離することにより、酸素吸収層の(40)の側面を大気中に露出させる。
次に、使用時の本発明の第3の実施態様のタイムインジケーターについて、図8を参照して説明する。
易剥離性バリア積層体を剥離すると、図8(a)に示すように、酸素吸収層(40a)のうちの易剥離性バリア積層体により封止されていた1つの側面は大気中に露出し、酸素吸収層(40a)は、この側面からは酸素を吸収できるのに対し、他の側面、すなわち他の3つの側面は封止されているため、酸素吸収層(40a)は、これらの側面からは酸素を吸収できない。
その結果、図8(b)に示すように、酸素吸収層(40)は、酸素吸収層(40)のうちの易剥離性バリア積層体により封止されていた側面から、変色した領域(40b)へと直線的に変色する。このようにして、酸素吸収層のうちの変色していない領域(40a)及び変色している領域(40b)、並びにこれらと随意の時間の経過を示す表示との位置関係を目視で認識できることにより、酸素吸収層の1つの側面が大気中に露出された時からの時間の経過を把握することができる。
〈第4の実施態様〉
本発明の第4の実施態様のタイムインジケーターを、図9を参照して説明する。図9は、本発明の第4の実施態様のタイムインジケーターの概略断面図である。
図9に示すタイムインジケーター(500)は、酸素吸収層(40)が、第1のバリア層及び第2のバリア層により封止されている。すなわち、上記の第1〜第3の実施態様における第3のバリア層及び第4のバリア層の役割を、第1のバリア層及び第2のバリア層がそれぞれ担ってもよい。
次いで、本発明のタイムインジケーターの各構成要素について説明する。
〈第1のバリア層〉
第1のバリア層は、少なくとも一部が光透過性を有する。これにより、酸素吸収層の少なくとも一部を、第1のバリア層の少なくとも一部を通して目視により観察することができる。
ここで、本明細書において、「光透過性を有する」とは、例えばJIS−K−7361に準拠する全光線透過率が、10%以上、20%以上、又は30%以上であることを言うものである。全光線透過率が上記の範囲であることにより、酸素吸収前の酸素吸収剤の色及び酸素吸収後の酸素吸収剤の色を識別できる。
また、「一部が光透過性を有する」とは、例えば第1のバリア層が印刷を有しており、一部だけ窓開きになっている状態等を言うものである。この場合においては、第1のバリア層が窓開きになっている部分を通して、酸素吸収層の一部を目視により観察することができる。
第1のバリア層としては、光透過性を有し、かつ酸素透過度が小さい層であれば、特に限定されず、例えば酸化ケイ素蒸着フィルム、酸化アルミニウム蒸着フィルム、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等を単層又は複数積層させて用いることができる。
第1のバリア層の、JIS K 7126−2に準拠して測定した25℃、50%Rh(相対湿度)における酸素透過度は、15mL/m・24hr・atm以下、10mL/m・24hr・atm以下、5mL/m・24hr・atm以下、3mL/m・24hr・atm以下、又は1mL/m・24hr・atm以下であることができる。
第1のバリア層の厚さは、7μm以上、又は10μm以上であることができ、また100μm以下、50μm以下、30μm以下、又は20μm以下であることができる。
また、第1のバリア層は、随意のシーラント層及び接着層を具備していてもよい。
シーラント層は、酸素吸収層に第1のバリア層をヒートシールするための層である。シーラント層の存在により、第1のバリア層と、酸素吸収層又は酸素吸収層とを密着させ、その結果、層間からの意図しない酸素侵入を防止することができる。
シーラント層としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−メタクリル酸コポリマー(EMAA)、エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマーなどの樹脂を用いることができる。
また、シーラント層としては、これらの樹脂で構成されていない、市販のイージーピール樹脂やイージーピールシーラントフィルムを用いてもよい。
接着層は、第1のバリア層にシーラント層を接着させるための随意の層である。接着層としては、例えば、ドライラミネート接着剤、アンカーコート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
〈酸素吸収層〉
酸素吸収層は、熱可塑性樹脂、及び酸素吸収剤を含有している。
酸素吸収層中の酸素吸収剤の含有量は、酸素吸収層の質量を基準として、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上又は50質量%以上であることができ、また75質量%以下、70質量%以下、又は60質量%以下であることができる。酸素吸収層中の酸素吸収剤の含有量が上記の範囲内であることにより、酸素吸収前後にわたる良好な色変化及び酸素吸収層の成形性を両立させることができる。また、本発明のタイムインジケーターにおいては、酸素吸収剤の含有量及び/又は熱可塑性樹脂の種類を調節することにより、酸素吸収層全体が酸素吸収により変色するまでの時間を調節することができる。
酸素吸収層の厚さは、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、又は50μm以上であることが、端面の酸素暴露の影響を大きくして、その結果、酸素吸収剤と酸素との反応を良好にする観点から好ましい。また、150μm以下、120μm以下、又は100μm以下であることができる。
{熱可塑性樹脂}
熱可塑性樹脂としては、酸素透過性を有する熱可塑性樹脂を用いることができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
本発明に関して、ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマーを有するポリマーを意味するものであり、したがってオレフィン系モノマーのみからなるポリマー(ポリオレフィン)だけでなく、オレフィン系モノマーと、(メタ)アクリル酸、アクリレートモノマー、酢酸ビニル等の他のモノマーから構成されるポリマーも意味する。また、ポリオレフィン系樹脂は、酸変性されていても、酸変性されていなくてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特にポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、アイオノマー、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
熱可塑性樹脂の熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレート(MFR)が、JIS K7210に準拠して測定した場合に、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であってもよく、100g/10min以下、50g/10min以下、30g/10min以下、20g/10min以下、又は15g/10min以下、又は10g/10min以下であってもよい。
{酸素吸収剤}
酸素吸収剤は、酸素を吸収して変色する酸素吸収剤である。このような酸素吸収剤としては、酸素欠損を有する酸化セリウム、酸化チタン等が挙げられる。また、酸素吸収剤は、高い酸素吸収能を発揮するため、粉体で用いることができる。酸素吸収剤の平均粒子径としては、0.01〜20μmのものを使用できる。ここで平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布装置によって測定される。
ここで、酸化セリウムの酸素欠損は、強還元雰囲気下での還元処理によって、以下の式(1)で表されるように、酸化セリウムの結晶格子中から酸素が強制的に引き抜かれて酸素欠損状態(CeO2−x、0<x<2)となることによりもたらされる。還元処理は、例えば水素ガスなどの還元性雰囲気下、1000℃などの高温で熱処理すること等により行うことができる。
CeO+xH→CeO2−x+xHO ・・・(1)
そして、以下の式(2)に示すように、酸素が欠損した部分が、酸素と反応することにより、酸素吸収剤としての効果が発揮される。
CeO2−x+(x/2)O→CeO ・・・(2)
上記のxの値は、1.0以下の正数であることができ、中でも0.7以下の正数であることが好ましい。上記の式(2)に示すように、酸化セリウムは酸素との反応において雰囲気中に水が存在することは必要とされない。したがって、本発明の酸素吸収性フィルムは、水分を嫌う内容物に特に有効である。
また、酸素吸収層は、随意のスキン層を更に具備していてもよい。スキン層は、酸素吸収層の一方又は両方の面に存在していてよい。スキン層の存在により、酸素吸収層の表面を平滑にし、他の層との間の隙間をなくし、その結果隙間からの意図しない酸素侵入を防止することができる。
スキン層は、熱可塑性樹脂で構成されていてよい。熱可塑性樹脂としては、酸素吸収層に関して挙げた熱可塑性樹脂を用いることができる。スキン層を構成する熱可塑性樹脂は、酸素吸収層を構成する熱可塑性樹脂と同種であっても異なっていてもよい。
スキン層の厚さは、3μm以上、5μm以上、7μm以上、又は10μm以上であることができ、また30μm以下、又は20μm以下であることができる。
スキン層を構成する熱可塑性樹脂の熱特性としては、例えば、そのメルトマスフローレート(MFR)が、JIS K7210に準拠して測定した場合に、0.1g/10min以上、0.5g/10min以上、1.0g以上、3.0g/10min以上、又は1.5g/10min以上であってもよく、30g/10min以下、20g/10min以下、又は15g/10min以下、10g/10min以下、8g/10min以下、又は5.0g/10min以下であってもよい。
〈第2のバリア層〉
第2のバリア層は、光透過性を有していてもよく、又は光透過性を有していなくてもよい。
第2のバリア層としては、第1のバリア層に関して挙げたものに加え、アルミニウム箔等の金属箔、アルミニウム等の有色蒸着層等を用いることができる。
第2のバリア層の厚さは、3μm以上、5μm以上、7μm以上、又は10μm以上であることができ、また100μm以下、50μm以下、30μm以下、又は20μm以下であることができる。
また、第2のバリア層は、随意のシーラント層、樹脂層、及び接着層を具備していてよい。
接着層及びシーラント層としては、第1のバリア層に関して挙げた接着層及びシーラント層を用いることができる。第2のバリア層における接着層及びシーラント層は、第1のバリア層における接着層及びシーラント層と同一であっても異なっていてもよい。
樹脂層としては、例えば耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた樹脂を使用することができる。例えば、これに限られないが、特に、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、延伸又は無延伸ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロンMXD6等のポリアミド等を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。
樹脂層の厚さとしては、10μm以上、又は12μm以上であることができ、また100μm以下、80μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、又は20μm以下であることができる。
〈表示〉
表示としては、時間の経過を示す表示、及び時間の経過を示さない表示が挙げられ、これらは例えば印刷によって得ることができる。
時間の経過を示す表示としては、例えば目盛、文字等、及びこれらの組合せ等が挙げられる。
時間の経過を示さない表示としては、例えば使用期間、使用方法等を示す文字情報、切断等の操作位置を示す図形情報、及びこれらの組合せ等が挙げられる。
〈他の層〉
本発明のタイムインジケーターは、随意の他の層を有していてもよい。他の層としては、例えば図面を参照した上記の説明において言及した第3のバリア層、第4のバリア層、及び易剥離性バリア積層体、並びに第1〜第4のバリア層及び酸素吸収層の間の接着層等が挙げられる。
{第3のバリア層}
第3のバリア層は、酸素吸収層を封止するために用いる随意の層である。この層は、光透過性を有することにより、酸素吸収層を、この層を通して第1のバリア層側から目視により観察することができる。
第3のバリア層としては、第1のバリア層に関して挙げた材料を用いることができる。
{第4のバリア層}
第4のバリア層としては、第2のバリア層に関して挙げた材料を用いることができる。すなわち、第4のバリア層は、光透過性を有していてもよく、又は光透過性を有していなくてもよい。
{易剥離性バリア層}
易剥離性バリア層は、バリア層、及び粘着層を少なくとも有する随意の層である。
バリア層としては、第2のバリア層に関して挙げたものを用いることができる。すなわち、このバリア層は、光透過性を有していてもよく、又は光透過性を有していなくてもよい。
粘着層としては、例えば公知の粘着剤を用いることができる。
{接着層}
第1〜第4のバリア層及び酸素吸収層の間の接着層としては、第1のバリア層に関して挙げた接着層を用いることができる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《タイムインジケーターの作製》
〈実施例1〉
酸素欠損を有する酸化セリウムの粉体75質量部と、低密度ポリエチレン25質量部とを混合し、酸素吸収層用マスターバッチを作製した。スキン層用としては、直鎖状低密度ポリエチレンを用いた。
上記の材料を、2種3層フィルムのインフレーション成膜機を用いて、スキン層10μm/酸素吸収層30μm/スキン層10μmとなるようにして、酸素吸収層を作製した。
透明ハイバリアフィルム(マックスバリア、三井化学東セロ株式会社、酸素透過度0.8mL/m・24hr/MPa)と、シーラント層としての40μmのLDPEフィルム(三井化学東セロ(株)製、FCD−NP、三井化学東セロ株式会社)とを、ドライラミネートにより貼合し、第1のバリア層を作製した。
樹脂層としての12μmのPETフィルムと、9μmのアルミニウム箔をドライラミネートにより貼合し、更にこのアルミニウム箔側に、シーラント層としてのLDPEフィルム(三井化学東セロ(株)製、FCD−NP、三井化学東セロ株式会社)をドライラミネートにより貼合し、第2のバリア層を作製した。
第1のバリア層及び第2のバリア層のシーラント層側を酸素吸収性積層体に向け、第1のバリア層、酸素吸収層、第2のバリア層の順となるようにこれらを積層し、熱シールテスターで130℃、0.5秒、0.3Mpaの条件下で溶着させ、実施例1のタイムインジケーターを作製した。
〈実施例2〉
可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの粉体40質量部と、低密度ポリエチレン60質量部とを混合し、酸素吸収層用マスターバッチを作製したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2のタイムインジケーターを作製した。
〈実施例3〉
可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの粉体35質量部と、低密度ポリエチレン65質量部とを混合し、酸素吸収層用マスターバッチを作製し、かつ酸素吸収層の厚さを70μmとしたことを除き、実施例1と同様にして、実施例3のタイムインジケーターを作製した。
〈実施例4〉
可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの粉体30質量部と、低密度ポリエチレン70質量部とを混合し、酸素吸収層用マスターバッチを作製したことを除き、実施例1と同様にして、実施例4のタイムインジケーターを作製した。
〈比較例〉
第1のバリア層としての透明ハイバリアフィルムの代わりに、PETフィルムを用いたことを除き、実施例1と同様にして、比較例のタイムインジケーターを作製した。
《大気曝露前後の外観変化の評価》
得られた実施例1〜4及び比較例のタイムインジケーターを、ポンチを用いて8mmφの小片に打ち抜いて、すぐに小片中央のL値、a値及びb値を測定した。L値、a値及びb値は、分光測色計(NF555、日本電色工業株式会社)を用い、視野角2°、光源Cの条件で測定した。さらに、この小片を23℃の大気中に14日間保存した後、小片側面からの変色距離を測定し、また小片中央のL値、a値及びb値を測定して、14日経過前後での明度差ΔL及び色差ΔEabを算出した。
《大気曝露前後の表示の視認可能性の評価》
まず、表2に「PANTONE No」として言及する色となるように調整したインキを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に印刷し、そのL値、a値及びb値を測定した。次いで、これらの各インキと実施例1のタイムインジケーターの、酸素吸収前の酸素吸収層の色との間における、明度差ΔL及び色差ΔEabを、上記と同様にして算出した。ここで、表2の「PANTONE No」は、株式会社ユナイテッド・カラー・システムズのフォーカラープロセスガイド・セットにおける色番号を言及するものである。また、表2では、これらの色の系統を示すため、http://www.color−blindness.com/color−name−hue/で示される色の名前を「ColorName」として併記している。
また、前記各インキを印刷したPETフィルムを、酸素吸収前の実施例1のタイムインジケーターの第1のバリア層側から重ね合わせて、インキ層と酸素吸収前の酸素吸収層とが部分的に重なるようにし、これらを目視により観察し、インキの色と、酸素吸収前の酸素吸収層の色とを判別できるか否かを評価した。表2においては、この結果を、「非判別性」として言及している。「非判別性」の評価においては、インキの色が、酸素吸収前の酸素吸収層の色と判別がしにくい色であった場合を○とし、容易に判別できる色であった場合を×とした。
次いで、実施例1のタイムインジケーターを、23℃の大気中に14日間保存した後、上記のインキの色と、酸素吸収後の酸素吸収層の変色した部分の色との間における、明度差ΔL及び色差ΔEabを、上記と同様にして算出した。
また、インキを印刷したPETフィルムを、酸素吸収後の実施例1のタイムインジケーターの第1のバリア層側から重ね合わせて、インキ層と酸素吸収後の酸素吸収層の変色した部分とが重なるようにし、これらを目視により観察し、インキの色と、酸素吸収後の酸素吸収層の変色した部分の色とを判別できるか否かを評価した。表2においては、この結果を、「判別性」として言及している。「判別性」の評価においては、インキの色が、酸素吸収前の酸素吸収層の変色した部分の色と容易に判別できる色であった場合を○とし、判別がしにくい色であった場合を×とした。
上記と同様の評価を、実施例2〜4の積層体についても行った。実施例2〜4についての評価を、それぞれ表3〜5に示す。
結果を表1〜5に示す。
Figure 2018004391
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表1から、第1のバリア層、酸素吸収層、及び第2のバリア層をこの順で具備している実施例1〜4のタイムインジケーターは、14日経過後の中央の外観が変化していないこと、すなわちタイムインジケーターの側面以外の領域から酸素が侵入していないことが理解できよう。
また、実施例1〜4のタイムインジケーターを比較すると、酸素吸収層中の酸化セリウム含有量が増加するにしたがって、14日経過後の側面からの変色距離が小さくなること、すなわち酸素吸収層全体が酸素吸収により変色するまでの時間が長くなることが理解できよう。
また、表2から、インキの色と、酸素吸収前の酸素吸収層の色との間において、明度差ΔLの絶対値が10.0以下であり、かつ色差ΔEabの値が20.0以下である場合には、インキの色が酸素吸収前の酸素吸収層の色と判別がしにくい色となっており、その結果、このインキを表示として印刷した場合には、表示の色が酸素吸収前の酸素吸収層の色と同化して視認しにくくなることが理解できよう。その一方で、明度差ΔLの絶対値及び色差ΔEabの値が上記の範囲内であるインキの色であっても、酸素吸収後においては視認しやすくなっていることが理解できよう。そして、このことは、酸素吸収層の酸化セリウムの含有量を変更した場合においても当てはまることが、表3〜5から理解できよう。
10 第1のバリア層
20 第2のバリア層
30 第3のバリア層
40、40a、40b 酸素吸収層
50、50a、50b 時間の経過を示す表示
52 時間の経過を示さない表示
60 第4のバリア層
70 切断予定線
80 易剥離性バリア積層体
100、200、300、400、500 タイムインジケーター

Claims (10)

  1. 第1のバリア層、酸素吸収層、及び第2のバリア層をこの順で積層した状態で具備しており、
    前記酸素吸収層が、熱可塑性樹脂、及び酸素を吸収して変色する酸素吸収剤を含有しており、
    前記第1のバリア層の少なくとも一部が光透過性を有し、それによって前記酸素吸収層の少なくとも一部を、前記第1のバリア層の少なくとも一部を通して目視により観察することができ、かつ
    使用時に前記酸素吸収層の側面の少なくとも一部を大気中に露出させ、それによって前記酸素吸収層の大気中に露出された部分から酸素を吸収させて前記酸素吸収層を連続的に変色させる、
    タイムインジケーター。
  2. 前記酸素吸収剤が、酸素欠損を有する酸化セリウムである、請求項1に記載のタイムインジケーター。
  3. 時間の経過を示す表示を有する、請求項1又は2に記載のタイムインジケーター。
  4. 前記酸素吸収層が、前記表示と前記第2のバリア層との間に存在するように、前記表示が存在している、請求項3に記載のタイムインジケーター。
  5. 前記表示の少なくとも一部が、前記酸素吸収層が積層されている領域外に存在している、請求項3に記載のタイムインジケーター。
  6. 前記表示の色と、酸素吸収前の酸素吸収層の色との間において、JIS Z 8781に準拠するL表色系で、
    明度差ΔLの絶対値が10.0以下であり、かつ
    色差ΔEabの値が20.0以下である、
    請求項3〜5のいずれか一項に記載のタイムインジケーター。
  7. 円形であり、かつ
    使用時に前記酸素吸収層の側面全体を大気中に露出させ、それによって前記酸素吸収層の側面全体から酸素を吸収させて、前記酸素吸収層を側面全体から連続的に変色させ、それによって前記タイムインジケーターの外形及び前記酸素吸収層のうちの変色していない領域が同心円を形成するようにする、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のタイムインジケーター。
  8. 前記酸素吸収層が、長方形であり、かつ側面全体が封止されており、かつ
    使用時に、前記酸素吸収層の一辺の側面を大気中に露出させ、それによって前記酸素吸収層の側面から酸素を吸収させて、前記酸素吸収層を直線的に変色させる、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のタイムインジケーター。
  9. 使用時に、一部を切り取ることにより、前記酸素吸収層の側面を大気中に露出させる、
    請求項8に記載のタイムインジケーター。
  10. 前記酸素吸収層の側面が、易剥離性バリア積層体により封止されており、かつ
    使用時に、前記易剥離性バリア積層体を剥離することにより、前記酸素吸収層の側面を大気中に露出させる、
    請求項8に記載のタイムインジケーター。
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