JP2018003409A - 型枠ユニット及び基礎断熱工法 - Google Patents
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一方で、型枠と断熱材とを別部材とし、間隔をおいて立設する型枠片の間に断熱材を配置し、コンクリートを断熱材と一体的に打設して基礎を構築した後に、断熱材のみを残置しつつ型枠を撤去する工法もある。
そして、断熱材付き基礎を構築したときには、断熱材の基礎からの張り出しに合わせて水切り材を取り付ける都合上、基礎の高さと断熱材の高さを調製する必要がある。
また、段差を有する基礎を構築可能な天端型枠が特許文献3に記載されている。
より具体的には、本発明の目的は、型枠片間の間隔が異なる場合にも同じサイズの保持板を共通して使用可能にすることにある。
また、本発明の目的は、断熱材上に水切り材等を配置するスペースを確保するため、所定の高さの断熱材付き基礎を構築することにある。
また、本発明の目的は、型枠ユニットの設置作業を容易にすることにある。
上記構成によれば、垂下片が、第一型枠片と第二型枠片との間の空間のうち、断熱材の上方の空間と立ち上がり部の形成空間とを隔てるように、空間内において鉛直方向に延在していることで、第二型枠片と垂下片の間に打設されるコンクリートが断熱材の上方に流れ込むことを制限でき、断熱材との間で段差を有する基礎本体を構築することができる。そして、このように段差を設けることで、段差によって基礎本体よりも低められた断熱材の上方に水切り材等を取り付けるためのスペースを形成することができ、他の部材の取り合いに適した断熱材付き基礎を構築しやすくなる。
上記構成によれば、支持部材が、第一型枠片の上部又は保持板に、ピンによって接続されていることで、第一型枠片又は保持板に対して、ピンの抜き挿しによって支持部材の接続・分離を容易に行うことができ、型枠ユニットの設置作業が容易となる。
上記構成によれば、断熱材にピンを挿し込むことによって、断熱材の移動をより確実に抑制することができる。
また、断熱材の上方に水切り材等を取り付けるためのスペースを形成することができ、他の部材の取り合いに適した断熱材付き基礎を構築しやすくなる。
さらに、第一型枠片又は保持板に対して、ピンの抜き挿しによって支持部材の接続・分離を容易に行うことができ、型枠ユニットの設置作業が容易となる。
また、断熱材の移動をより確実に抑制することができる。
また、本発明に係る基礎断熱工法によれば、断熱材を設ける分だけ第一型枠片と第二型枠片との間隔が広がっていても、保持板を共通して使用することができる。
以下に、本発明の実施形態に係る型枠ユニット及び基礎断熱工法について説明する。
つまり、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には各実施形態、変形例に係る特徴を組み合わせたもの、その等価物が含まれることは勿論である。そして、各図に示された各部材は、説明の便宜を考慮して示されており、その形状、大きさ、厚さ等に係る具体的な実施形式に関しては、同一のものに限定されず、異なるものも含むものである。
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る型枠ユニットUについて説明する。なお、図1は、コンクリートを打設する前の状態における型枠ユニットUの一部を示す斜視図である。そして、図2は、基礎本体10の構築想像図を一部に含んで、型枠ユニットUを示す図であり、図1のII-II断面を示す断面図、図3は、アングル5近傍を示す図であり、図2のIII部を拡大して示す拡大断面図である。
また、第一型枠片1aにおける第二型枠片1b側に対向する面には、断熱材4が沿って取り付けられており、一方、第一型枠片1cにおける第二型枠片1b側に対向する面には断熱材4が取り付けられていない。この断熱材4は、図2に示す吊止金具7上に取り付けられた図示せぬ断熱材留め金具によって固定されている。
つまり、第一型枠片1aと第一型枠片1cとは、図1に示すように、第二型枠片1bに平行に延在しており、第一型枠片1aの方は、第一型枠片1cよりも第二型枠片1bから離れて配設されている。
このように、アングル5,25により、断熱材4の上方の空間11aと、コンクリートの打設後に立ち上がり部10aが形成されることとなる空間11b(立ち上がり部10aの形成空間に相当)とが隔てられている。
図2を参照して前述したように、第一型枠片1aと第二型枠片1bとの間の空間11の幅11wは、断熱材4の厚み4tと構築される立ち上がり部10aの厚み10tとを足し合わせた分の幅と等しい。
また、アンカープレート3における、空間11の幅方向に配置された両側の取付部3aにある取付孔3c間の長さ3x(取付孔3cに挿し込まれる係止ピン9の間の長さ)は、空間11の幅11wより短い。よって、アンカープレート3は、アングル5を介さなければ、第一型枠片1aと第二型枠片1bとに跨らせて取り付けることはできない。
逆にいえば、アングル5を配置することによってアンカープレート3を空間11に跨らせて取り付けることが可能となる。つまり、アングル5を配置することで、アンカープレート3を空間11上で支持することが可能となる。よって、第一型枠片1aと第二型枠片1bとの間の空間11の幅11w、第一型枠片1aと第一型枠片1cとの間の空間21の幅に応じて、大きさの異なるアンカープレート3を用意する必要がない。換言すると、断熱材4の有無や、断熱材4の厚さの違いに応じて、大きさの異なるアンカープレート3を用意する必要がない。
次に、図4及び図5を参照して、断熱材4と立ち上がり部10aの天端面10b(上端面)との段差部15について説明する。なお、図4は、建築された家屋における断熱材付き基礎20の部分を示す断面図である。また、図5は、立ち上がり部10aの天端面10b及びモルタル10cと断熱材4との段差部15を利用して水切りカバー14を設けた状態を、図4のV部を拡大して示す拡大断面図である。
そこで、断熱材4の上端は、立ち上がり部10aの天端面10bよりも下方に配置されるように、天端面10bと断熱材4との間に段差部15が形成されるように構成されている。
上記のように、アングル5,25は第一型枠片1aに係止ピン9によって係止されており、アングル5,25の垂下片5b,25bが、第一型枠片1aと第二型枠片1bとの間の空間11の上部を、断熱材4の上方の空間11aと他の空間11bとに隔てている。
このように形成された垂下片5b,25bによって、コンクリートを空間11bに打設する際に、断熱材4の上方の空間11aまでコンクリートが進出することを防止できる。このため、アングル5,25によって、立ち上がり部10aの天端面10bが断熱材4の上端よりも高い位置となるように、立ち上がり部10aを構築することができることとなる。
上記、型枠ユニットUを用いた基礎断熱工法について説明する。
まず、型枠ユニットUを建築現場に持ち込んで、基礎構築のための用意をする。その後、設置工程として、鉄筋ベース6、不図示の鉄筋、鉄筋ベース6上に吊止金具7等を設置し、その上に第一型枠片1a及び第二型枠片1bを取り付け、第一型枠片1aと第二型枠片1bとの間に断熱材4を設置する。
その後、プレート取付工程として、空間11の幅方向においてアングル5,25と第二型枠片1bの上部とに跨るようにアンカープレート3を配置して取り付ける。具体的には、アンカープレート3の取付孔3c、及びアングル5,25の取付片5a,25aの図示せぬ取付孔に係止ピン9を通すことによって、アンカープレート3をアングル5,25及び第二型枠片1bの上部に取り付ける。この結果、アンカープレート3がアングル5,25の上面に載置されるようになり、当該アングル5,25がアンカープレート3を下方から支持するようになる。
上記の基礎断熱工法によれば、アングル5,25を用いることによって、断熱材付き基礎20を構築するための特別なアンカープレート3を用いずに、断熱材無しの基礎用のアンカープレート3を用いて、容易に断熱材付き基礎20を構築することができる。
さらに、アンカープレート3を保持する部材としてアングル5,25の2種類の部材を例に説明した。しかし、本願発明はこのような構成に限定されず、1種類のアングルから成るものであってもよく、より複雑な形状の型枠1にも対応可能なように、複数種類のアングルから成るものでもよい。さらには、各アングルの大きさを空間11の幅方向の長さに適する大きさに変更してもよい。
1a,1c 第一型枠片
1b 第二型枠片
3 アンカープレート(保持板)
3a 取付部
3b 架橋部
3c 取付孔
3d 保持孔
3x 長さ
4 断熱材
4t 厚み
5 アングル(支持部材)
5a 取付片
5b 垂下片
6 鉄筋ベース
7 吊止金具
9 係止ピン
10 基礎本体
10a 立ち上がり部
10b 天端面
10c モルタル
10t 厚み
11,11a,11b 空間
11w 幅
12 アンカーボルト
13 壁パネル
13a 面材
14 水切りカバー
15 段差部
20 断熱材付き基礎
21 空間
25 アングル(支持部材)
25a 取付片
25b 垂下片
U 型枠ユニット
Claims (5)
- 立ち上がり部を有する基礎本体と該基礎本体の前記立ち上がり部に沿って取り付けられた断熱材とを有する断熱材付き基礎を構築するために用いられる型枠ユニットであって、
前記断熱材の厚みと前記基礎本体の前記立ち上がり部の厚みとを足し合わせた分の幅を有する空間を挟んで並ぶ第一型枠片及び第二型枠片と、
前記基礎本体中に一部が埋設されるアンカーボルトを保持する保持板と、
前記第一型枠片の上部に取り付けられ、前記空間の幅方向において、前記第二型枠片側に張り出しており、前記第一型枠片の上部と前記第二型枠片の上部との間に配置されて前記保持板を支持する支持部材と、を備え、
前記保持板は、前記支持部材と前記第二型枠片の上部とに跨って設置されていることを特徴とする型枠ユニット。 - 前記支持部材は、前記第一型枠片の上部に取り付けられる取付片と、該取付片から略垂直に延在する垂下片と、を備え、
該垂下片は、前記取付片が前記第一型枠片の上部に取り付けられた状態で、前記空間のうち、前記断熱材の上方の空間と前記立ち上がり部の形成空間とを隔てるように、前記空間内において鉛直方向に延在していることを特徴とする請求項1に記載の型枠ユニット。 - 前記支持部材と、前記第一型枠片の上部又は前記保持板とは、ピンによって接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の型枠ユニット。
- 前記ピンは、前記空間内に配置された前記断熱材に挿し込まれていることを特徴とする請求項3に記載の型枠ユニット。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の型枠ユニットを用意し、
前記第一型枠片と前記第二型枠片との間に前記断熱材を設置する設置工程と、
該設置工程の後に、前記第一型枠片の上部に、前記第二型枠片側に張り出すように前記支持部材を取り付ける支持部材取付工程と、
該支持部材取付工程の後に、前記空間の幅方向において前記支持部材と前記第二型枠片の上部とに跨るように前記保持板を取り付けるプレート取付工程と、
を備えることを特徴とする基礎断熱工法。
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