JP3210858U - 鉄筋コンクリート構造物用型枠 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単に搬送でき、かつ、簡単に施工することができる鉄筋コンクリート構造物用型枠を提供する。【解決手段】第1断熱部材10と第2断熱部材20との間にセパレータ30が配設されている。セパレータ30には、第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとが1つの組として形成されており、その間隔は25mm以上35mm以下の範囲内である。セパレータ30の高さ方向の位置に応じて、水平方向の鉄筋M1を第1鉄筋配設凹部34A又は第2鉄筋配設凹部34Bに配設し、第1鉄筋配設凹部34Aに配設した水平方向の鉄筋M1と、第2鉄筋配設凹部34Bに配設した水平方向の鉄筋M1との間に、垂直方向の鉄筋を挿入して配設する。【選択図】図1
Description
本考案は、鉄筋コンクリート構造物用型枠に関する。
家屋の基礎を構築する場合には、例えば、家屋の荷重を受ける布基礎などをコンクリートで構築する。その際、従来は、屋外にある施工場所に、鉄筋、型枠用板材、コンクリート材料などを持ち込んで、鉄筋を組み立て、型枠用板材を配設して、コンクリートを打設していた。しかし、従来の方法では、鉄筋の組み立てや、型枠用板材の配設に熟練が必要であり、また、屋外で作業を行うため、品質が安定していなかった。そこで、近年では、予め工場で鉄筋を溶接により組み立てておき、この組み立てた鉄筋を施工場所に運んで建込み、型枠用板材を配置する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、鉄筋を組み立てた状態で施工場所に運ぶので、大きさが大きくなり、搬送が大変であるという問題があった。また、施工場所においては、組み立てた鉄筋を建込んだのち、鉄筋にセパレータを掛止し、セパレータの両端に型枠用板材を配置して、ねじにより固定するので、作業が煩雑で時間がかかるという問題もあった。
本考案は、このような問題に基づきなされたものであり、簡単に搬送でき、かつ、簡単に施工することができる鉄筋コンクリート構造物用型枠を提供することを目的とする。
本考案の鉄筋コンクリート構造物用型枠は、第1断熱部材と第2断熱部材とをセパレータにより接続するものであって、第1断熱部材には、セパレータを着脱可能に配設する第1配設部材が埋設され、第2断熱部材には、セパレータを着脱可能に配設する第2配設部材が埋設され、セパレータには、水平方向の鉄筋を配設するための複数の鉄筋配設凹部が設けられたものである。
本考案の鉄筋コンクリート構造物の構築方法は、第1断熱部材と第2断熱部材とをセパレータにより接続し、第1断熱部材には、セパレータを着脱可能に配設する第1配設部材が埋設されると共に、第2断熱部材には、セパレータを着脱可能に配設する第2配設部材が埋設され、セパレータには、水平方向の鉄筋を配設するための複数の鉄筋配設凹部が設けられた鉄筋コンクリート構造物用型枠を用い、第1断熱部材と第2断熱部材との間にコンクリートを打設したのち、その鉄筋コンクリート構造物用型枠を鉄筋コンクリート構造物の一部として用いるものである。
本考案によれば、第1断熱部材と第2断熱部材とをセパレータにより接続し、セパレータを着脱可能とするようにしたので、第1断熱部材及び第2断熱部材とセパレータとを分離して、容易に搬送することができる。また、施工に際しては、セパレータを第1配設部材及び第2配設部材に配設することにより、容易に組み立てることができる。更に、セパレータに水平方向の鉄筋を配設するための複数の鉄筋配設凹部を設けるようにしたので、この鉄筋配設凹部を利用することにより、熟練に関係なく、容易に短時間で水平方向の鉄筋を配設することができる。加えて、第1断熱部材及び第2断熱部材を用いるようにしたので、コンクリートを打設した後は、第1断熱部材及び第2断熱部材を除去せずに、そのまま断熱材として使用することができる。
更にまた、セパレータに、第1鉄筋配設凹部と第2鉄筋配設凹部とを1つの組として形成し、第1鉄筋配設凹部と第2鉄筋配設凹部との間隔を25mm以上35mm以下の範囲内とするようにすれば、セパレータの高さ方向の位置に応じて、水平方向の鉄筋を第1鉄筋配設凹部又は第2鉄筋配設凹部に配設することにより、第1鉄筋配設凹部に配設された水平方向の鉄筋と、第2鉄筋配設凹部に配設された水平方向の鉄筋との間に、垂直方向の鉄筋を挿入して配設することができる。よって、熟練に関係なく、容易に短時間で垂直方向の鉄筋を配設することができる。
加えてまた、第1配設部材、第2配設部材、及び、セパレータをプラスチックにより構成するようにすれば、軽量化することができ、搬送および施工をより容易とすることができる。
以下、本考案の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本考案の一実施の形態に係る鉄筋コンクリート構造物用型枠1の図2に示したI−I線に沿った縦方向の部分断面構成を表すものである。図2は、図1に示した鉄筋コンクリート構造物用型枠1のII−II線に沿った横方向の断面構成を表すものである。図3は、図1に示した鉄筋コンクリート構造物用型枠1から一部を取り出して表すものであり、(A)は横方向からみた構成を表し、(B)は(A)に示したIII方向からみた構成を表すものである。この鉄筋コンクリート構造物用型枠1は、コンクリートを打設する際に用いるものであり、第1断熱部材10と第2断熱部材20とを間隔をあけて配置し、セパレータ30により接続した構成を有している。
第1断熱部材10と第2断熱部材20とは、例えば、同様の構成を有している。第1断熱部材10及び第2断熱部材20は、例えば、矩形厚板状又は矩形ブロック状であり、厚み方向を水平とし、間隔を開けて平行に対向して配設されている。第1断熱部材10及び第2断熱部材20は、例えば、発泡スチロールなどの断熱性材料により構成されており、コンクリートを打設した後は、第1断熱部材10及び第2断熱部材20を除去せずに、そのまま断熱材として使用することができるようになっている。
第1断熱部材10及び第2断熱部材20の上面11,21及び下面12,22には、例えば、鉄筋コンクリート構造物用型枠1を積層する際に位置合わせをするための上下嵌合部13,23がそれぞれ形成されている。上下嵌合部13,23は、例えば、凸条と溝条との組み合わせ、又は、段差状、又は、格子状に配置された凹凸状であり、上面11,21の凸部と下面12,22の凹部、又は、上面11,21の凹部と下面12,22の凸部とが対応するように形成されている。
また、第1断熱部材10及び第2断熱部材20の横方向において対向する一対の端部側面14,15,24,25には、例えば、鉄筋コンクリート構造物用型枠1を横方向に連続させて配置する際に位置合わせをするための側部嵌合部16,26がそれぞれ形成されている。側部嵌合部16,26は、例えば、凸条と溝条との組み合わせにより構成されており、一方の端部側面14,24に凸条が形成され、これに対応して他方の端部側面15,25に溝条が形成されている。
第1断熱部材10には、セパレータ30を着脱可能に配設する第1配設部材40が埋設され、第2断熱部材20には、セパレータ30を着脱可能に配設する第2配設部材50が埋設されている。第1配設部材40と第2配設部材50とは、例えば、同様の構成を有している。第1配設部材40及び第2配設部材50は、例えば、強化プラスチックなどのプラスチックにより構成されていることが好ましい。軽量化することができるからである。第1配設部材40は、例えば、第1断熱部材10に埋設された第1支持部41と、第1支持部41に設けられた第1取付部42とを有しており、第2配設部材50は、例えば、第2断熱部材20に埋設された第2支持部51と、第2支持部51に設けられた第2取付部52とを有している。
第1支持部41及び第2支持部51は、例えば、高さ方向に伸長された柱状であり、断面形状がH形とされていることが好ましい。強度を向上させることができるからである。第1支持部41及び第2支持部51の高さは、例えば、第1断熱部材10又は第2断熱部材20の高さとほぼ同一とされている。なお、第1支持部41及び第2支持部51は、例えば、全体が第1断熱部材10又は第2断熱部材20に埋設されていてもよいが、第1取付部42又は第2取付部52が設けられた側の表面、又は、第1取付部42又は第2取付部52が設けられた側の一部が露出されていてもよい。
第1取付部42及び第2取付部52は、セパレータ30を取り付けるためのものである。第1取付部42は、例えば、第1断熱部材10の表面から突出しており、第1支持部41に対して、高さ方向に間隔をあけて複数設けられている。第2取付部52は、例えば、第2断熱部材20の表面から突出しており、第2支持部51に対して、高さ方向に間隔をあけて複数設けられている。第1取付部42と第2取付部52とは、例えば、互いに対向する位置に配設されている。なお、第1取付部42は、第1支持部41の側の一部が第1断熱部材10に埋設されていてもよく、第2取付部52は、第2支持部51の側の一部が第2断熱部材20に埋設されていてもよい。
各第1取付部42及び各第2取付部52の高さ方向における間隔は、例えば、80mから150mmの範囲内、より好ましくは90mmから110mmの範囲内であることが好ましい。この範囲内において、セパレータ30の高さ方向における間隔と、水平方向の鉄筋M1との間隔を合わせることができるからである。第1取付部42及び第2取付部52には、例えば、セパレータ30の挿入取付部31を挿入して取り付ける挿入受部43,53がそれぞれ設けられている。挿入受部43,53は、例えば、高さ方向に貫通された孔状であってもよく、また、高さ方向において上方から下方に向かって窪み又は溝が形成された凹状であってもよい。
第1配設部材40及び第2配設部材50は、例えば、第1断熱部材10又は第2断熱部材20に対して、高さ方向に伸長させた状態で、横方向に間隔をあけて複数埋設されていることが好ましい。各第1配設部材40及び第2配設部材50の横方向における間隔は、例えば、150mmから250mmの範囲内、より好ましくは190mmから210mmの範囲内であることが好ましい。この範囲内において、セパレータ30の横方向における間隔と、垂直方向の鉄筋M2との間隔を合わせることができるからである。
セパレータ30は、例えば、強化プラスチックなどのプラスチックにより構成すれば軽量化することができるので好ましいが、特に限定されるものではなく、鉄などの金属により構成されてもよい。セパレータ30は、例えば、第1取付部42及び第2取付部52に対して取り付けられることにより、第1断熱部材10と第2断熱部材20との間に配設され、それらを接続している。セパレータ30は、第1取付部42及び第2取付部52の位置に応じて、横方向及び高さ方向にそれぞれ間隔をあけて複数ずつ配設されている。なお、セパレータ30は、全ての第1取付部42及び第2取付部52に対して配設するようにしてもよいが、一部に対して配設するようにしてもよい。
セパレータ30は、例えば、第1断熱部材10と第2断熱部材20との間に伸長された本体部32を有しており、本体部32の両端には、例えば、第1配設部材40及び第2配設部材50の挿入受部43,53に挿入して取り付けるための挿入取付部31が配設されている。本体部32は、例えば、水平方向に伸長された板状である。挿入取付部31は、例えば、垂直方向に伸長された板状であり、本体部32に対して垂直に配設されている。本体部32は、挿入取付部31の近傍から挿入取付部31の方に向かい、幅が広くなるように形成されていることが好ましい。強度を向上させることができるからである。
本体部32の上側には、例えば、水平方向の鉄筋M1を配設するための複数の鉄筋配設凹部34が設けられた鉄筋支持部35が配設されている。鉄筋支持部35は、例えば、本体部32の伸長方向に沿って、本体部32に対して垂直に伸長された板状であり、上辺の一部を円弧状に切り欠くことにより、鉄筋配設凹部34が形成されている。鉄筋配設凹部34は、例えば、第1断熱部材10と第2断熱部材20との対向方向に間隔をあけて設けられた第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとを1つの組として有している。
セパレータ30の高さ方向の位置に応じて、水平方向の鉄筋M1を第1鉄筋配設凹部34A又は第2鉄筋配設凹部34Bに配設することにより、第1鉄筋配設凹部34Aに配設された水平方向の鉄筋M1と、第2鉄筋配設凹部34Bに配設された水平方向の鉄筋M1との間に、垂直方向の鉄筋M2を挿入して配設することができるように構成することができるからである。第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとの間隔は、例えば、25mm以上35mm以下の範囲内であることが好ましい。25mmよりも狭いと垂直方向の鉄筋M2を挿入することが難しく、35mmよりも広いと垂直方向の鉄筋M2の配置が不安定となってしまうからである。
なお、第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとの間隔というのは、第1鉄筋配設凹部34Aの中心位置と、第2鉄筋配設凹部34Bの中心位置との間の距離である。また、本実施の形態では、1つのセパレータ30に、2組の第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとを設ける場合について示したが、1組でもよく、3組以上でもよい。第断熱部材10と第2断熱部材20との間隔に応じて決定される。
図4は、本考案の一実施の形態に係る鉄筋コンクリート構造物の構築方法の工程を表す流れ図である。この鉄筋コンクリート構造物の構築方法は、本実施の形態に係る鉄筋コンクリート構造物用型枠1を用いて、例えば、次のようにして鉄筋コンクリート構造物を構築する。
まず、例えば、第1断熱部材10及び第2断熱部材20を目的とする鉄筋コンクリート構造物の形状に応じて横方向に複数並べて配置する(ステップS101;断熱部材配置工程)。具体的には、例えば、1つの第1断熱部材10及び第2断熱部材20の一方の端部側面14,24と、他の1つの第1断熱部材10及び第2断熱部材20の他方の端部側面15,25とを対向させ、側部嵌合部16,26を嵌合させて当接させることにより配置する。
次いで、例えば、第1取付部42の挿入受部43及び第2取付部52の挿入受部53にセパレータ30の挿入取付部31を挿入することにより、第1断熱部材10と第2断熱部材20との間に、セパレータ30を横方向及び高さ方向にそれぞれ間隔をあけて複数ずつ配置すると共に、セパレータ30の第1鉄筋配設凹部34A又は第2鉄筋配設凹部34Bに水平方向の鉄筋M1を配置する(ステップS102;水平方向鉄筋配置工程)。なお、セパレータ30は、全ての第1取付部42、第2取付部52に対して取り付けてもよいが、一部に対して取り付けるようにしてもよい。また、水平方向の鉄筋M1についても、全てのセパレータ30に対して配置するようにしてもよいが、一部に対して配置するようにしてもよい。
続いて、必要に応じて、配置した第1断熱部材10及び第2断熱部材20の上に、他の第1断熱部材10及び第2断熱部材20を積層して配置する(ステップS103;断熱部材積層工程)。すなわち、高さ方向に積層する。具体的には、例えば、1つの第1断熱部材10及び第2断熱部材20の上面11,21と、他の1つの第1断熱部材10及び第2断熱部材20の下面12,22とを対向させ、上下嵌合部13,23を嵌合させて当接させることにより配置する。また、横方向については、上述した断熱部材配置工程(ステップS101)と同様にして第1断熱部材10及び第2断熱部材20を並べて配置する。
次に、例えば、上述した水平方向鉄筋配置工程(ステップS102)と同様にして、第1断熱部材10と第2断熱部材20との間にセパレータ30を横方向及び高さ方向にそれぞれ間隔をあけて複数ずつ配置すると共に、セパレータ30の第1鉄筋配設凹部34A又は第2鉄筋配設凹部34Bに水平方向の鉄筋M1を配設する(ステップS104;水平方向鉄筋配置工程)。このようにして、鉄筋コンクリート構造物用型枠1を高さ方向に必要な高さまで複数積層し、水平方向の鉄筋M1を配置する。
なお、水平方向鉄筋配置工程(ステップS102,ステップS104)においては、例えば、セパレータ30の高さ方向の位置に応じて、1つの組の第1鉄筋配設凹部34A又は第2鉄筋配設凹部34Bのどちらかに水平方向の鉄筋M1を配置することにより、鉄筋コンクリート構造物用型枠1を必要な高さまで複数積層して高さ方向から見た時に、第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとの両方に水平方向の鉄筋M1が位置するようにすることが好ましい。
具体的な例としては、例えば、鉄筋コンクリート構造物用型枠1を複数積層した状態の高さ方向において、下側と上側の2箇所、例えば、1番下と1番上、又は、下から2番目と上から2番目について、1つの組の第1鉄筋配設凹部34A及び第2鉄筋配設凹部34Bの一方に水平方向の鉄筋M1を配置し、他は他方に水平方向の鉄筋M1を配置する場合が挙げられる。また、鉄筋コンクリート構造物用型枠1の積層数が多い場合には、例えば、下側と上側の2箇所に加えて、その間の中間部における1箇所又は複数個所についても、1つの組の第1鉄筋配設凹部34A及び第2鉄筋配設凹部34Bの一方に水平方向の鉄筋M1を配置するようにしてもよい。
そののち、例えば、セパレータ30の近傍において、第1鉄筋配設凹部34Aに配設した水平方向の鉄筋M1と、第2鉄筋配設凹部34Bに配設した水平方向の鉄筋M1との間に、垂直方向の鉄筋M2を挿入して配設する(ステップS105;垂直方向鉄筋配置工程)。本実施の形態では、例えば、水平方向の鉄筋M1を1つの組の第1鉄筋配設凹部34A及び第2鉄筋配設凹部34Bのどちらかに配置するようにしたので、両方に水平方向の鉄筋M1を配置する場合に比べて、垂直方向の鉄筋M2を水平方向の鉄筋M1の間に容易に挿入することができる。
なお、垂直方向の鉄筋M2は固定せず、水平方向の鉄筋M1及びセパレータ30により支える。本実施の形態では、例えば、第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとの間隔を25mm以上35mm以下とするようにしたので、水平方向の鉄筋M1の間に垂直方向の鉄筋M2を挿入しやすく、かつ、水平方向の鉄筋M1により垂直方向の鉄筋M2を安定して支えることができる。
垂直方向の鉄筋M2を配置したのち、例えば、第1断熱部材10及び第2断熱部材20との間にコンクリートを打設する(ステップS106;打設工程)。第1断熱部材10及び第2断熱部材20は、例えば、コンクリートを打設した後も除去せずに、そのまま断熱材として使用する。
このように、本実施の形態によれば、第1断熱部材10と第2断熱部材20とをセパレータ30により接続し、セパレータ30を着脱可能とするようにしたので、第1断熱部材10及び第2断熱部材20とセパレータ30とを分離して、容易に搬送することができる。また、施工に際しては、セパレータ30を第1配設部材40及び第2配設部材50に配設することにより、容易に組み立てることができる。更に、セパレータ30に水平方向の鉄筋M1を配設するための複数の鉄筋配設凹部34を設けるようにしたので、この鉄筋配設凹部34を利用することにより、熟練に関係なく、容易に短時間で水平方向の鉄筋M1を配設することができる。加えて、第1断熱部材10及び第2断熱部材20を用いるようにしたので、コンクリートを打設した後は、第1断熱部材10及び第2断熱部材20を除去せずに、そのまま断熱材として使用することができる。
更にまた、セパレータ30に、第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとを1つの組として形成し、第1鉄筋配設凹部34Aと第2鉄筋配設凹部34Bとの間隔を25mm以上35mm以下の範囲内とするようにすれば、セパレータ30の高さ方向の位置に応じて、水平方向の鉄筋M1を第1鉄筋配設凹部34A又は第2鉄筋配設凹部34Bに配設することにより、第1鉄筋配設凹部34Aに配設された水平方向の鉄筋M1と、第2鉄筋配設凹部34Bに配設された水平方向の鉄筋M1との間に、垂直方向の鉄筋M2を挿入して配設することができる。よって、熟練に関係なく、容易に短時間で垂直方向の鉄筋M2を配設することができる。
加えてまた、第1配設部材40、第2配設部材50、及び、セパレータ30をプラスチックにより構成するようにすれば、軽量化することができ、搬送および施工をより容易とすることができる。
以上、実施の形態を挙げて本考案を説明したが、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素を備えていなくてもよく、また、他の構成要素を備えていてもよい。
配筋しコンクリートを打設して鉄筋コンクリート構造物を構築する際に用いることができる。
1…鉄筋コンクリート構造物用型枠、10…第1断熱部材、11…上面、12…下面、13…上下嵌合部、14,15…端部側面、16…側部嵌合部、20…第2断熱部材、21…上面、22…下面、23…上下嵌合部、24,25…端部側面、26…側部嵌合部、30…セパレータ、31…取付突部、32…本体部、34…鉄筋配設凹部、34A…第1鉄筋配設凹部、34B…第2鉄筋配設凹部、35…鉄筋支持部、40…第1配設部材、41…第1支持部、42…第1取付部、43…挿入部、50…第2配設部材、51…第2支持部、52…第2取付部、53…挿入部、M1…水平方向の鉄筋、M2…垂直方向の鉄筋
Claims (4)
- 第1断熱部材と第2断熱部材とをセパレータにより接続する鉄筋コンクリート構造物用型枠であって、
前記第1断熱部材には、前記セパレータを着脱可能に配設する第1配設部材が埋設され、
前記第2断熱部材には、前記セパレータを着脱可能に配設する第2配設部材が埋設され、
前記セパレータには、水平方向の鉄筋を配設するための複数の鉄筋配設凹部が設けられ、
前記第1配設部材は、前記第1断熱部材に埋設された第1支持部と、前記第1断熱部材の表面から突出して前記第1支持部に設けられ、前記セパレータが取り付けられる第1取付部とを有し、
前記第1取付部は、前記第1支持部に対して、高さ方向に間隔をあけて複数設けられ、
前記第2配設部材は、前記第2断熱部材に埋設された第2支持部と、前記第2断熱部材の表面から突出して前記第2支持部に設けられ、前記セパレータが取り付けられる第2取付部とを有し、
前記第2取付部は、前記第2支持部に対して、高さ方向に間隔をあけて、前記第1取付部と対向する位置に複数設けられ、
前記セパレータは、前記鉄筋配設凹部として、第1鉄筋配設凹部と第2鉄筋配設凹部とを1つの組として有し、
前記第1鉄筋配設凹部と前記第2鉄筋配設凹部との間隔は、25mm以上35mm以下の範囲内である
ことを特徴とする鉄筋コンクリート構造物用型枠。 - 前記セパレータは、前記第1断熱部材と前記第2断熱部材との間に、横方向及び高さ方向にそれぞれ間隔をあけて複数ずつ配設され、高さ方向の位置に応じて、水平方向の鉄筋を前記第1鉄筋配設凹部又は前記第2鉄筋配設凹部に配設することにより、前記第1鉄筋配設凹部に配設された水平方向の鉄筋と、前記第2鉄筋配設凹部に配設された水平方向の鉄筋との間に、垂直方向の鉄筋を挿入して配設することができるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の鉄筋コンクリート構造物用型枠。
- 前記第1断熱部材及び前記第2断熱部材は、発泡スチロールよりなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鉄筋コンクリート構造物用型枠。
- 前記第1配設部材、第2配設部材、及び、前記セパレータはプラスチックよりなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の鉄筋コンクリート構造物用型枠。
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