JP2018001554A - 赤外線反射性積層体および閉鎖部材 - Google Patents

赤外線反射性積層体および閉鎖部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2018001554A
JP2018001554A JP2016130412A JP2016130412A JP2018001554A JP 2018001554 A JP2018001554 A JP 2018001554A JP 2016130412 A JP2016130412 A JP 2016130412A JP 2016130412 A JP2016130412 A JP 2016130412A JP 2018001554 A JP2018001554 A JP 2018001554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
laminate
metal layer
light diffusion
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016130412A
Other languages
English (en)
Inventor
麻理衣 西川
Marie Nishikawa
麻理衣 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016130412A priority Critical patent/JP2018001554A/ja
Publication of JP2018001554A publication Critical patent/JP2018001554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

【課題】遮熱性および断熱性を発揮する、ぎらつきの少ない赤外線反射性積層体の提供。
【解決手段】赤外線反射性を有し、基材1と、基材1の一方の表面側に配置された金属層2と、を有する積層体10であって、基材1の他方の表面側、並びに基材1及び金属層2の間、の少なくとも一方に光拡散層3が配置されている、積層体10。好ましくは、可視光11の正反射率が6%以下である積層体10。更に光拡散層3が粘着性を有する光拡散粘着層3であることが好ましい積層体10。構造体の開口部に配置される閉鎖部材であって、積層体10を有する、閉鎖部材。
【選択図】図1

Description

本開示は、赤外線反射性積層体に関する。
例えば窓ガラスの断熱を目的として、薄膜の金属層を有する赤外線反射性積層体を設置する場合がある。特許文献1には、ベースフィルムと、ベースフィルムに積層される赤外線カットオフ層と有する赤外線カットオフフィルムが開示されている。さらに、特許文献1には、赤外線カットオフ層が、Al、Au、Ag、SnO、錫含有酸化インジウム、ZnOのうちの少なくとも1つを含む金属薄膜からなることが開示されている。
一方、金属層を有する赤外線反射性積層体ではないものの、特許文献2には、可視光線を透過し赤外線を反射する多層ポリマーフィルムを備える光拡散日射制御フィルムが開示されている。なお、特許文献3には、感圧接着剤マトリックスと、感圧接着剤マトリックスの屈折率よりも低い屈折率を備えた粒子とを含む光透過性接着剤が開示されている。
特開2000−034451号公報 特表2012−503077号公報 特許第5513373号明細書
薄膜の金属層を有する赤外線反射性積層体が遮熱性および断熱性を発揮するためには、金属層による赤外線反射が重要であるが、実際には、金属層による可視光反射も同時に生じ得る。そのため、例えば、晴天時の昼間に屋外から窓を見ると、金属層による可視光反射が生じ、ミラー調の「ぎらつき」が生じる場合がある。このような現象は、外観として好まれない場合があり、赤外線反射性積層体が適用される建物等の対象が限られてしまう場合がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ぎらつきの少ない赤外線反射性積層体を提供することを主目的とする。なお、赤外線反射性積層体を、単に積層体と称する場合がある。
上記課題を解決するために、本開示の一つは、赤外線反射性を有し、基材と、上記基材の一方の表面側に配置された金属層と、を有する積層体であって、上記基材の他方の表面側、および、上記基材および上記金属層の間、の少なくとも一方に光拡散層が配置されている、積層体を提供する。
本開示の他の一つは、構造体の開口部に配置される閉鎖部材であって、上述した積層体を有する、閉鎖部材を提供する。
本開示の赤外線反射性積層体は、ぎらつきが少ないという効果を奏する。
本開示の積層体の一例を示す概略断面図である。 本開示の積層体の他の例を示す概略断面図である。 本開示の積層体の他の例を示す概略断面図である。 本開示の積層体の他の例を示す概略断面図である。 本開示の積層体の他の例を示す概略断面図である。 本開示における金属層を例示する概略平面図である。 本開示における金属層を例示する概略平面図である。 本開示の積層体の他の例を示す概略断面図である。 本開示の積層体の他の例を示す概略断面図である。 本開示の積層体の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本開示の閉鎖部材を例示する模式図である。 本開示の閉鎖部材を例示する模式図である。 本開示の閉鎖部材を例示する概略斜視図である。
以下、本開示の積層体、および、閉鎖部材について、詳細に説明する。
A.積層体
図1は、本開示の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示される積層体10は、赤外線反射性を有し、基材1と、基材1の一方の表面側に配置された金属層2と、基材1の他方の表面側に配置された光拡散層3とを有する。なお、図1における光拡散層3は、板状部材(例えばガラス板)31との密着性を向上させる粘着層4としての機能を兼ね備えている。また、金属層2の基材1側の表面に、他の層(例えば誘電体層)が配置されていても良い。
本開示によれば、光拡散層を設けることで、ぎらつきの少ない積層体とすることができる。例えば、図1においては、屋外から入射される可視光11が金属層2によって反射された場合であっても、光拡散層3を設けることで、可視光11の反射光が拡散される。このように、光拡散層を設けることで、可視光(特に、金属層を基準とした場合における基材側からの可視光)の正反射を拡散反射に変換することができ、ぎらつきを抑制できる。
また、図2および図3は、本開示の積層体の他の例を示す概略断面図である。図2(a)、(b)に示されるように、積層体10は、基材1の他方の表面側(金属層2とは反対の表面側)に、光拡散層3のみを有していても良く(図2(a))、基材1の他方の表面側に、光拡散層3および粘着層4を有していても良い(図2(b))。また、図3(a)、(b)に示されるように、積層体10は、基材1および金属層2の間に、光拡散層3を有していても良く(図3(a))、基材1および金属層2の間と、基材1の他方の表面側との両方に、2つの光拡散層3を有していても良い(図3(b))。また、金属層2の基材1側の表面には、他の層(例えば誘電体層)が配置されていても良い。
以下、本開示の積層体について、構成ごとに説明する。
1.基材
基材は、後述する金属層等を保持する部材である。基材の材料は、特に限定されないが、例えば、樹脂を挙げることができる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートが好ましい。
基材の厚さは、例えば、10μm以上200μm以下であり、20μm以上100μm以下であっても良い。基材の厚さが小さすぎると、金属層または誘電体層を形成する際に、ハンドリング性が悪化する場合があり、基材の厚さが大きすぎると、可視光透過率が低下する場合がある。
基材の製造方法は特に限定されないが、例えば、原料の樹脂をフィルム状に溶融押出しするか、溶液押出しすることで、フィルム状に成形する方法を挙げることができる。得られたフィルムに対して、必要に応じて、延伸処理、熱固定処理、および、熱弛緩処理の少なくとも一つの処理を行っても良い。また、延伸処理は、長手方向の処理であっても良く、幅方向の処理であっても良く、長手方向および幅方向の処理であっても良い。
2.金属層
金属層は、赤外線反射性を付与する部材であり、基材の一方の表面側に配置される。金属層は、基材と直接接触するように配置されていても良く、基材との間に他の層(例えば誘電体層)を介して配置されていても良い。金属層の材料は、特に限定されないが、例えば、Ag、Al、Cu、Pd、Au、Pt、Ni、Bi、Ge、Ga等の金属、および、これらの金属の少なくとも一種を含有する合金を挙げることができる。中でも、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金が好ましい。これらは、高い自由電子密度を有するため、薄膜であっても、高い赤外線反射性を得ることができる。
金属層の厚さは、例えば、5nm以上50nm以下である。金属層の厚さが小さすぎると、赤外線反射性が低下する場合があり、金属層の厚さが大きすぎると、可視光透過率が低下する場合がある。
図4(a)に示すように、金属層2は、開口を有しない層(いわゆるベタ層)であっても良い。この場合、高い赤外線反射性を得ることができる。また、図4(b)に示すように、金属層2は、金属部21および開口部22を有する層であっても良い。開口部22を設けることで、赤外線Aを反射する性質と、電波Bを透過する性質とを兼ね備えた積層体とすることができる。金属部は、それぞれ、電気的に独立していても良く、電気的に独立していなくても良いが、前者が好ましい。電波透過性が向上するからである。
また、積層体は、金属層を1層のみ有していても良く、2層以上有していても良い。後者の場合、それぞれの金属層は、他の層(例えば誘電体層)を介して積層されていることが好ましい。例えば、図5においては、第一金属層2xおよび第二金属層2yが、誘電体層5を介して積層されている。また、第一金属層2xの開口部22xと、第二金属層2yの開口部22yとは、平面視上、重複しないように配置されている。これにより、赤外線反射率の低下が抑制される。
金属層が、金属部および開口部を有する層である場合、金属部は、平面視上、帯状形状を有することが好ましい。金属部の帯状形状は、特に限定されないが、例えば、直線状、曲線状を挙げることができる。また、複数の金属部の長手方向は、それぞれ、同じであっても良く、異なっていても良い。例えば、図6(a)では、複数の金属部21の長手方向Dが、それぞれ、同じである。一方、図6(b)では、複数の金属部21の長手方向Dが、それぞれ、異なっており、ランダムである。
金属部の帯状形状は、屈曲部を有していても良く、有していなくても良い。例えば、図6(c)では、金属部21の帯状形状が、屈曲部αを有している。この場合、屈曲部αによって金属部21の長手方向Dが変化する。金属部の帯状形状は、曲線状であっても良い。曲線状とは、金属部が曲線部を少なくとも有することをいう。例えば、図6(d)では、金属部21の帯状形状が、波形の曲線状である。この場合、曲線の進行方向Pを、金属層21の長手方向Dとする。
金属部の帯状形状は、連続的形状であっても良く、不連続的形状であっても良い。連続的形状としては、例えば図6に示した形状を挙げることができる。一方、不連続的形状としては、例えば、ドット状を挙げることができる。図7(a)〜(d)は、それぞれ図6(a)〜(d)に示す形状が不連続的形状である場合に該当する。
また、複数の金属部が、金属部の長手方向に交差する方向にそれぞれ配置されていることで、パターンが得られる。複数の金属部から構成されるパターン形状としては、例えば、ストライプ状を挙げることができる。また、金属部の幅、および、隣り合う金属部の幅は、それぞれ、10μm以上5mm以下であることが好ましい。
金属層が、金属部および開口部を有する層である場合、開口部の開口率は、特に限定されないが、例えば、0.5%以上30%以下であり、0.5%以上10%以下であっても良く、0.7%以上2%以下であっても良い。なお、開口率とは、開口部の面積を含む金属層全体の面積に対する開口部の面積をいう。
3.誘電体層
積層体は、誘電体層を有していても良い。誘電体層の材料は、可視光に対する屈折率が、例えば1.4以上であることが好ましい。良好な干渉効果が得られるからである。誘電体層の材料としては、例えば、Ti、Zr、Hf、Nb、Zn、Al、Ga、In、Tl、Ga、Sn、Si等の金属の酸化物、および、これらの金属の少なくとも一種を含有する複合酸化物を挙げることができ、中でも、TiO、ZnOおよびSiOが好ましい。
誘電体層の配置場所は特に限定されない。例えば、図8(a)、(b)に示すように、誘電体層10は、金属層2を覆うように配置されていても良く(図8(a))、基材1および金属層2の間に配置されていても良い(図8(b))。また、例えば、図5に示すように、誘電体層10は、複数の金属層(2x、2y)の間に配置されていても良い。また、誘電体層の厚さは、例えば5nm以上100nm以下である。
4.光拡散層
光拡散層は、基材の他方の表面側(金属層とは反対の表面側)、および、基材および金属層の間、の少なくとも一方に光拡散層が配置されていることが好ましい。また、後者の場合、光拡散層は、基材の金属層側の表面に直接配置されていても良い。なお、光拡散層は、基材の他方の表面側(金属層とは反対の表面側)に配置され、基材および金属層の間に配置されていなくても良い。同様に、光拡散層は、基材の他方の表面側(金属層とは反対の表面側)に配置されおらず、基材および金属層の間に配置されていても良い。
光拡散層としては、例えば、粒子(フィラー)を含有する層、表面に凹凸を有する層、多孔質シート等を挙げることができる。
粒子を含有する光拡散層は、通常、粒子(フィラー)および樹脂を含有する層である。上記粒子としては、例えば、アクリル、ポリスチレン、シリコーン、ポリウレタン等の有機粒子、シリカ等の無機粒子を挙げることができる。粒子の形状としては、例えば、球状、真球状、針状等を挙げることができる。上記樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を挙げることができる。
表面に凹凸を有する光拡散層としては、例えば、サンドブラスト処理やエンボス加工等により表面に凹凸が形成された層を挙げることができる。例えば、基材の表面に凹凸を付与することにより、基材は光拡散層の機能を兼ね備えることになる。この場合、基材は、金属層側の表面に凹凸を有していても良く、金属層とは反対側の表面に凹凸を有していても良く、両面に凹凸を有していても良い。一方、基材とは別に、表面に凹凸を有する光拡散層を設けても良い。
光拡散層の全線透過率は、例えば、80%以上であり、90%以上であっても良い。全光線透過率は、波長範囲を380nm以上780nm以下と設定し、JIS K 7361−1に準拠した方法により測定することで特定できる。
光拡散層のヘイズは、例えば、1%以上あり、3%以上であっても良い。一方、光拡散層のヘイズは、例えば、40%以下あり、20%以下であっても良い。ヘイズは、JIS K 7136に準拠した方法により測定することで特定できる。
光拡散層の厚さは、例えば、0.5μm以上500μm以下であり、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
5.粘着層
積層体は、粘着層を含有していても良い。粘着層は、後述する板状部材(例えばガラス板)に積層体を密着させる層であることが好ましい。粘着層の材料は、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂を挙げることができる。具体的には、式A−B−A(式中、AおよびBはそれぞれ異なる重合体ブロックを表し、Aはメタクリル酸アルキルエステル単位からなり、Bはアクリル酸アルキルエステル単位からなる)で表されるトリブロック共重合体を含むアクリル系樹脂を挙げることができる。
上述した光拡散層は、粘着性を有する光拡散粘着層であっても良い。すなわち、光拡散層は、粘着層を兼ね備えていても良い。粘着層の厚さは、例えば、50μm以上2000μm以下である。
6.積層体
積層体は、基材の他方の表面側(金属層とは反対の表面側)、および、基材および金属層の間、の少なくとも一方に光拡散層を有する。上述した図2は、前者の例示であり、上述した図3は、後者の例示である。
また、後者の他の例として、基材および金属層の間に光拡散層が配置され、上記光拡散層上に、パターン状光拡散層が配置され、上記パターン状光拡散層の開口部に上記金属層が配置されている積層体を挙げることができる。例えば、図9においては、基材1および金属層2の間に光拡散層3が配置され、光拡散層3上に、パターン状光拡散層3xが配置され、パターン状光拡散層3xの開口部に金属層2が配置されている。これにより、金属層のパターンに由来するぎらつきを低減できる。上述したように、金属層に開口部を設けることで、電波透過性の向上を図ることができるが、光拡散層がない場合、金属のある金属部と、金属のない開口部とでは、可視光の透過率が異なる。そのため、パターンが視認しやすく、視野を確保したい用途においては敬遠される可能性がある。これに対して、上記構成の場合、金属層の可視光透過率と、光拡散層の可視光透過率とを合わせることが可能であり、透過光についてはパターンを不可視化することができる。
積層体は、可視光透過率が高いことが好ましい。良好な視認性が得られるからである。可視光透過率は、例えば、70%以上であり、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。可視光透過率の測定方法の詳細については、後述する。
積層体は、可視光の正反射率が低いことが好ましい。ぎらつきを抑制できるからである。可視光の正反射率は、例えば、6%以下であり、5以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましい。可視光の正反射率の測定方法の詳細については、後述する。
積層体は、赤外線反射率が高いことが好ましい。赤外線反射率は、例えば、60%以上であり、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。赤外線反射率は、測定波長500nm以上2200nm以下で測定したときの、各波長における反射率の平均値として特定される。
積層体は、遮蔽係数が低いことが好ましい。良好な遮熱性が得られるからである。遮蔽係数は、例えば0.8以下であり、0.7以下であることが好ましい。遮蔽係数の測定方法の詳細については、後述する。
積層体は、熱貫流率が低いことが好ましい。良好な断熱性が得られるからである。熱貫流率は、例えば4.5以下であり、4.0以下であることが好ましい。熱貫流率の測定方法の詳細については、後述する。
積層体は、電波透過性を有することが好ましい。積層体の電波遮蔽係数は、例えば、10dB以下であり、7dB以下であることが好ましい。電波遮蔽係数は、電磁波シールド効果評価器TSES−KEC(テクノサイエンスジャパン製)を用い、KEC法により、周波数30MHz以上1GHz以下の範囲で測定し、1GHzにおける数値(dB)を求めることにより特定する。
積層体の厚さは、特に限定されないが、例えば、3mm以下であり、1mm以下であっても良く、500μm以下であっても良い。また、積層体は、フィルム状であることが好ましい。
積層体の用途は、特に限定されないが、構造体の開口部に配置される閉鎖部材に用いることが好ましい。閉鎖部材としては、例えば窓部材を挙げることができる。構造体としては、例えば、建造物、および、自動車、電車等の移動体を挙げることができる。
図10は、本開示の積層体の製造方法の一例を示す概略断面図である。図10においては、まず、基材1を準備する(図10(a))。次に、例えば蒸着法により金属層2を形成する(図10(b))。次に、必要に応じて、金属層2を覆うように誘電体層5を形成する(図10(c))。次に、金属層2とは反対側の基材1に、光拡散層3を形成する(図10(d))。これにより、積層体が得られる。
金属層を形成する方法は特に限定されないが、例えば、蒸着法を挙げることができる。蒸着法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、電子線蒸着法等のドライプロセスを挙げることができる。また、マスクを用いた蒸着法により、金属層を形成しても良い。マスクを用いることで、成膜およびパターニングを同時に行うことができる。
誘電体層の形成方法は特に限定されないが、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、電子線蒸着法等のドライプロセスを挙げることができる。なお、金属層の形成と、誘電体層の形成とが、ともにドライプロセスであると、インラインで金属層および誘電体層の形成ができるという利点がある。
光拡散層の形成方法は特に限定されないが、例えばシート状の光拡散層を用いる場合、接着層を介して基材等貼り合せる方法、熱ラミネート、真空ラミネート、ロールラミネート等のラミネートにより積層する方法等を挙げることができる。また、光拡散層の形成方法の他の例としては、粒子、樹脂および溶媒を含む塗工液を塗布する方法を挙げることができる。
B.閉鎖部材
図11および図12は、本開示の閉鎖部材を例示する模式図である。なお、図12(a)は、閉鎖部材の一例を示す概略平面図であり、図12(b)は、図12(a)のA−A断面図に該当する。図11に示すように、閉鎖部材30は、構造体40の開口部に配置される部材であり、典型的には窓部材である。また、図12(a)、(b)に示される閉鎖部材30は、板状部材31と、板状部材31を囲む枠部材32と、板状部材31上に配置された積層体10と、を有する。
本開示によれば、上述した積層体を用いることで、ぎらつきの少ない閉鎖部材とすることができる。
以下、本開示の閉鎖部材について、構成ごとに説明する。
閉鎖部材は、通常、「A.積層体」に記載した積層体を少なくとも有する。さらに、必要に応じて、板状部材および枠部材を有していても良い。板状部材は、通常、積層体を保持する部材である。板状部材の材料としては、例えば、ガラス板を挙げることができる。なお、積層体の基材が、板状部材を兼ね備えていても良い。一方、枠部材は、通常、板状部材を囲み、閉鎖部材を構造体の開口部に固定する部材である。枠部材の材料としては、例えば、金属を挙げることができる。
閉鎖部材は、金属部の長手方向が、水平方向に対して±45°の範囲内にあっても良い。具体的には、図12(a)に示すように、金属部21の長手方向Dが、水平方向Dに対して±45°の範囲内にあっても良い。これにより、鉛直方向の直線偏波の透過性低下を抑制した閉鎖部材とすることができる。一般的に、電波には、直線偏波と円偏波とが存在する。直線偏波は、例えば、携帯電話、VICS(Vehicle Information and Communication System)に使用されている。一方、円偏波は、例えば、ETC(Electronic Toll Collection system)、GPS(Grobal Position System)に使用されている。
帯状形状の金属部21を有する積層体を閉鎖部材に用いた場合、積層体の配置状態によって、鉛直方向の直線偏波の透過性が影響を受ける。例えば、図13(a)に示すように、金属部21の長手方向Dが、水平方向Dに直角である場合、鉛直方向の直線偏波33は、金属部21を透過できず、開口部22のみ透過できる。
これに対して、図13(b)に示すように、金属部21の長手方向Dが、水平方向Dと一致している場合、鉛直方向の直線偏波33は、波長が十分に大きいため、金属部21を透過することができる。そのため、鉛直方向の直線偏波の透過性低下を抑制した閉鎖部材とすることができる。Dは、Dに対して、±30°の範囲内にあることが好ましく、±15°の範囲内にあることがより好ましい。
同様に、閉鎖部材は、金属部の長手方向が、鉛直方向に対して±45°の範囲内にあっても良い。これにより、水平方向の直線偏波の透過性低下を抑制した閉鎖部材とすることができる。その場合、金属部の長手方向Dは、鉛直方向Dに対して、±30°の範囲内にあることが好ましく、±15°の範囲内にあることがより好ましい。
また、上述した閉鎖部材を有する構造体を提供することもできる。構造体としては、例えば、自動車、電車等の移動体、および、建造物等を挙げることができる。
以下、実施例を用いて、さらに具体的に説明する。
[実施例1]
<赤外線反射層の作製>
二軸配向透明PETフィルム(東洋紡績社製、A4100、厚み50μm、Tg67℃)をキャノンアネルパ製スパッタ装置SPC−350UHVに、PETの平滑面側に成膜されるよう設置した。ターゲットをSiとし、チャンバ内圧力が2.0×10−3Pa以下となるまで排気し、Arを10sccm、Oを5sccm導入し、全流量を15sccmとした。その後、チャンバ内圧力を0.4Paに調節し、直流スパッタリング法を用いて放電電流を0.3Aとした。この時、基材(PETフィルム)温度は室温とした。これにより、SiO層(厚み30nm、誘電体層)を成膜した。
次に、ターゲットをAg、Pd、Cuとし、チャンバ内圧力が2.0×10−3Pa以下となるまで排気し、放電ガスとしてArを25sccm導入した。その後、チャンバ内圧力を0.4Paに調節し、直流スパッタリング法を用いて放電電流を0.2Aとした。この時、基材(PETフィルム)温度は室温とした。これにより、SiO層上に金属層(厚み10nm、APC層、ベタ層)を成膜した。
次に、ターゲットをSiに交換し、チャンバ内圧力が2.0×10−3Pa以下となるまで排気し、Arを10sccm、Oを5sccm導入し、全流量を15sccmとした。その後、チャンバ内圧力を0.4Paに調節し、直流スパッタリング法を用いて放電電流を0.3Aとした。この時、基材(PETフィルム)温度は室温とした。これにより、APC層上にSiO(厚み30nm、誘電体層)を成膜した。このようにして、基材(PET)上に、誘電体層、金属層および誘電体層がこの順に積層された赤外線反射層を得た。
<光拡散粘着層の作製>
アクリル系粘着剤A(商品名:SK2094、固形分:25%、綜研化学社製)100質量部に対して、架橋剤(商品名:E5XM、固形分:5%、綜研化学社製)を0.25質量部配合した。これに、耐候性向上剤として、トリアジン系紫外線吸収剤A(商品名:Tinuvin400、固形分:100%、BASF社製)を塗工液全量の固形分100質量%中に0.2質量%(固形分量)となるように、また、光拡散剤として、シリカ含有塗料組成物(商品名:EXG40−77、固形分:60%、大日精化社製)を塗工液全量の固形分100質量%中に15質量%(固形分量)となるように、トルエン−メチルエチルケトン混合溶媒(商品名:KT11、質量比1:1、DICグラフィックス社製)6mlに溶解および分散させた溶液を添加し、光拡散粘着層用の塗工液を得た。
次に、赤外線反射層とは反対側のPET表面に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように、上記塗工液をアプリケータにより全面塗工し、乾燥させた。これにより、光拡散粘着層を作製した。続いて、得られた光拡散粘着層上に剥離フィルム(PETセパレーター、商品名:セラピールMFA、膜厚:38μm、東レフィルム加工社製)をラミネートし、40℃オーブンにて3日間放置後、エージング処理を行うことで、積層体を得た。
[実施例2、3]
光拡散粘着層を、それぞれ、光拡散剤の含有量が12質量%の層(ヘイズ10%)、光拡散剤の含有量が9質量%の層(ヘイズ5%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、積層体を得た。
[実施例4]
まず、実施例1と同様の方法により、基材(PET)上に、誘電体層、金属層および誘電体層がこの順に積層された赤外線反射層を得た。次に、光拡散層用の塗工液を作製した。具体的には、バインダーとして、クリア樹脂(商品名:TAC−D105、固形分:70%、大日精化社製)に対して、光拡散剤として、シリカ含有塗料組成物(商品名:EXG40−77、固形分:60%、大日精化社製)を塗工液全量の固形分100質量%中に25質量%(固形分量)となるように添加し、レベリング剤(商品名:セイカビーム10−28、固形分:10%、大日精化社製)を塗工液全量の固形分100質量%中に0.01質量%となるように添加した。さらに、トルエンを塗工液全量に対して30質量%、MIBK(メチルイソブチルケトン)を塗工液全量に対して6%質量となるように添加し、溶解、分散させて光拡散層用の塗工液を得た。
次に、赤外線反射層とは反対側のPET表面に、乾燥後の塗膜量が3.7g/mとなるように、上記塗工液をアプリケータにより全面塗工し、60℃に加熱したオーブンで1分間仮乾燥させ、フュージョン製Hバルブにて窒素パージ環境で1250±150mJ/cmの紫外線を照射して光拡散層を形成した。
次に、光拡散層の表面に、クリア粘着層を形成した。まず、シリカ含有塗料組成物を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして粘着層用の塗工液を得た。次に、光拡散層の表面に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように、上記塗工液をアプリケータにより全面塗工し、乾燥させた。これにより、粘着層を作製した。続いて、得られた粘着層上に剥離フィルム(PETセパレーター、商品名:セラピールMFA、膜厚:38μm、東レフィルム加工社製)をラミネートし、40℃オーブンにて3日間放置後、エージング処理を行うことで、積層体を得た。
[実施例5、6]
光拡散層を、それぞれ、光拡散剤の含有量が18質量%の層(ヘイズ10%)、光拡散剤の含有量が15質量%の層(ヘイズ5%)に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、積層体を得た。
[比較例1]
光拡散性粘着剤を用いなかったこと以外は、実施例4と同様にして、積層体を得た。
[比較例2]
光拡散層の形成場所を、PET表面から、赤外線反射層の表面に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、積層体を得た。
[評価]
実施例1〜6および比較例1、2で得られた積層体を用いて、可視光特性、遮熱性および断熱性を評価した。これらの測定は全てJIS A 5759:2008に基づいて行った。具体的には、建築用窓に屋内側から施工した場合を想定し、可視光の透過率、反射率、正反射率、遮蔽係数については、フィルムを3mm厚のソーダガラスに貼合し、ガラス側(屋外側)から測定した。一方、熱貫流率については、屋内の暖房効果を反映するため、フィルム側(屋内側)から測定した。可視光の透過率、反射率、正反射率、および、遮蔽係数については、分光光度計(商品名:UV−2600/2700、島津製作所製)にて測定した。熱貫流率の算出に必要な遠赤外線(波長5μm以上25μm以下)の反射率については、赤外分光光度計(商品名:FTS7000、DigiLab社製)で測定した。
Figure 2018001554
表1に示すように、実施例1〜6では、比較例1、2に比べて、可視光の正反射率が低くなり、ぎらつきを低減できた。さらに、実施例1〜6は、良好な遮熱性よび断熱性を示した。
1…基材
2…金属層
3…光拡散層
4…粘着層
5…誘電体層
10…積層体

Claims (5)

  1. 赤外線反射性を有し、基材と、前記基材の一方の表面側に配置された金属層と、を有する積層体であって、
    前記基材の他方の表面側、および、前記基材および前記金属層の間、の少なくとも一方に光拡散層が配置されている、積層体。
  2. 可視光の正反射率が6%以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記光拡散層が前記基材の他方の表面側に配置され、
    前記光拡散層が粘着性を有する光拡散粘着層である、請求項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 前記金属層が、金属部および開口部を有する層である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  5. 構造体の開口部に配置される閉鎖部材であって、
    請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の積層体を有する、閉鎖部材。
JP2016130412A 2016-06-30 2016-06-30 赤外線反射性積層体および閉鎖部材 Pending JP2018001554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016130412A JP2018001554A (ja) 2016-06-30 2016-06-30 赤外線反射性積層体および閉鎖部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016130412A JP2018001554A (ja) 2016-06-30 2016-06-30 赤外線反射性積層体および閉鎖部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018001554A true JP2018001554A (ja) 2018-01-11

Family

ID=60945642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016130412A Pending JP2018001554A (ja) 2016-06-30 2016-06-30 赤外線反射性積層体および閉鎖部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018001554A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020038878A (ja) * 2018-09-03 2020-03-12 リンテック株式会社 電磁波吸収シート用の反射フィルム、電磁波吸収シート

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009198934A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Daio Paper Corp 銘板作製用積層体
JP2009258685A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Lintec Corp プラズマディスプレイ用光学積層体
JP2015099397A (ja) * 2015-02-19 2015-05-28 デクセリアルズ株式会社 光学体、壁材、建具、および日射遮蔽装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009198934A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Daio Paper Corp 銘板作製用積層体
JP2009258685A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Lintec Corp プラズマディスプレイ用光学積層体
JP2015099397A (ja) * 2015-02-19 2015-05-28 デクセリアルズ株式会社 光学体、壁材、建具、および日射遮蔽装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020038878A (ja) * 2018-09-03 2020-03-12 リンテック株式会社 電磁波吸収シート用の反射フィルム、電磁波吸収シート
JP7175142B2 (ja) 2018-09-03 2022-11-18 リンテック株式会社 電磁波吸収シート用の反射フィルム、電磁波吸収シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8199406B2 (en) Optical element and method for manufacturing the same
WO2016125823A1 (ja) 遮熱フィルム、遮熱合わせガラスおよびその製造方法
JP2007148330A (ja) 近赤外線反射基板およびそれを用いた近赤外線反射合わせガラス
JP6549044B2 (ja) 自動車用遮熱合わせガラス
CN108369368B (zh) 反射型透明屏幕
KR20200009786A (ko) 스마트 윈도우 필름 및 이의 제조방법
JP2012256041A (ja) 熱線遮蔽材、貼合せ構造体及び合わせガラス
JP6287533B2 (ja) 熱線遮蔽合わせガラス
CN113666645A (zh) 一种具有隔音隔热功能的红外和雷达兼容隐身视窗玻璃
WO2014156889A1 (ja) 積層フィルム及びそのフィルムロール、並びにそれから得られうる光透過性導電性フィルム及びそれを利用したタッチパネル
JP2016144930A (ja) 遮熱フィルム、遮熱合わせガラス、遮熱フィルムの製造方法および遮熱合わせガラスの製造方法
KR20190002776A (ko) 열차단 필름
JP2014194535A (ja) 積層フィルム
US20200369003A1 (en) Solar control composite film
JP2015001578A (ja) 低放射率部材
JP2018001554A (ja) 赤外線反射性積層体および閉鎖部材
JP2010138659A (ja) 窓貼りシート
JP2014141015A (ja) 積層フィルム
JP2017181911A (ja) 電波透過性赤外線反射積層体および閉鎖部材
JP2010243981A (ja) 透明熱線反射シート及びこれを用いた熱線遮断窓ガラス
US20210197530A1 (en) Solar control composite film
KR102442291B1 (ko) 홀 패턴층 기반의 복사 냉각 소자
JP7255179B2 (ja) 熱線遮蔽合わせガラス
JP2005104793A (ja) 電波透過熱線反射合わせ構造体およびその製造方法
JP2018002534A (ja) 合わせガラスおよび閉鎖部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201222