JP2018001539A - 積層体、及び積層体を用いた包装材 - Google Patents

積層体、及び積層体を用いた包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】 再生可能な資源、且つ環境負荷が少ない紙をベースとし、ガスバリア機能もあり、加えて軟包装にも使用できる積層体を提供することにある。また、該積層体からなる包装材を提供することにある。さらには積層体を構成する接着剤として無溶剤型接着剤を用いることでより環境へ配慮した積層体を提供することにある。
【解決手段】 ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)を含有してなるガスバリア性接着剤層、及び紙層を有する積層体であって、
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体による。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紙を用いた積層体、及び該積層体を用いた包装材に関する。
食品や飲料等の軟包装材は殆どが石油由来のプラスチックから構成されるため、高環境負荷、長期的には原料の枯渇より高価格化が課題になると想定されている。一方、セルロースを用いた紙を使用した包装材があれば、非石油かつ、再生可能な木材がベースであり、安価なため上記の課題を解決できる。しかし、紙を使用した包装材の内、軟包装材は極めてすくない。その理由は高吸収による接着剤層、コート層付与などの加工適性不良の問題があるためである。
また、軟包装等の用途の場合は、酸素などのガスバリア機能があると内容物保護のために有効である。セルロール由来のバリア素材としては、例えば特許文献1、2等にナノサイズのセルロースファイバー(セルロースナノファイバー)を用いたバリア素材についての記載がある。しかしながらこれらの技術はセルロースをナノサイズに離解するための工程に大きな負荷がかかるため、高コストである問題がある。しかしながら、これらの技術はセルロース素材が、ガスバリア特性が高い素材であることも示している。

その一方で、セルロース由来の紙は隙間が多く、それらがガスの通過ルートとなるためガスバリア機能は全く無い。こうした紙類にたいしてバリア機能を付与する方法としては、特許文献3には、紙基材層、結晶性芳香族ポリアミド系樹脂層、および最内層としての熱接着性樹脂層を積層してなる積層材が記載されている。
また、特許文献4には最外層、紙基材、接着剤層、基材フィルムの一方の面に金属または無機酸化物の蒸着膜を設けた構成からなるバリア性層、耐ピンホ−ル性樹脂層、および、最内層を順次に積層して積層材を構成し、更に、該積層材を使用し、これを製函してなることを特徴とする紙容器が記載されている。
しかしこれらの技術は、何れもバリア機能を持つ紙容器であるが、製函を前提としており、バリア機能を持つ軟包装を紙主体の原料により提供することはできていない。また、樹脂フィルムを必須としており製法が煩雑な問題がある。
特開2011−73174号公報 特開2011−57912号公報 特開2004−074785号公報 特開2005−35571号公報
発明が解決しようとする課題は、再生可能な資源、且つ環境負荷が少ない紙をベースとし、ガスバリア機能もあり、加えて軟包装にも使用できる積層体を提供することにある。また、該積層体からなる包装材を提供することにある。
本発明者らは、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)を含有してなるガスバリア性接着剤層、及び紙層を有する積層体であって、
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体、を見出すことにより前記課題を解決した。
本発明によれば、紙を用い一定以上のバリア機能を持つ積層体、及びその積層体からなる包装材を提供することができる。
本発明は、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)を含有してなるガスバリア性接着剤層、及び紙層を有する積層体であって、
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体である。
即ち、本発明は以下の項目から構成される。
1.ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)を含有してなるガスバリア性接着剤層、及び紙層を有する積層体であって、
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体、
2.オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物が、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物からなる群から選ばれる、1.に記載の積層体、
3.ポリオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、又はグリセリンから選ばれる1.又は2.に記載の積層体、
4.酸成分中に占めるオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物の含有率が、50〜100質量%である1.〜3.の何れかに記載の積層体、
5.ポリイソシアネート化合物(B)が芳香族環を有するポリイソシアネートを含有するものである1.〜4.の何れかに記載の積層体、
6.芳香族環を有するポリイソシアネートが、メタキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、又はメタキシレンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコール、又はトルエンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコールとの反応生成物である5.に記載の積層体、
7.ガスバリア性接着剤が溶剤型である1.〜6.の何れかに記載の積層体、
8. 1.〜7.の何れかに記載の積層体を用いた包装材
[ポリエステルポリオール(A)]
本発明で使用するポリエステルポリオール(A)は、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物で構成されることに特徴を有する。
[多価カルボン酸の必須成分:オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物]
本発明では、前記多価カルボン酸成分が、ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を主成分とする。
本発明で用いるコーティング材を構成するポリエステルポリオールは、多価カルボン酸成分と、多価アルコール成分とを重縮合して用いる。
[多価カルボン酸成分:オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物]
本発明で用いるポリエステルポリオールを構成する多価カルボン酸成分は、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含むことに特徴を有する。
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していてもよい。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。また、これらのポリカルボン酸全成分に対する使用率が50〜100質量%であるポリエステルポリオールであると、バリア性の向上効果が高い上に、コーティング材として好ましい溶媒溶解性に優れることから特に好ましい。
[多価カルボン酸成分:その他の成分]
本発明で用いるポリエステルポリオール(A)は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独であるいは二種以上の混合物で使用することができる。中でも、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。また、三価以上の多価カルボン酸として、トリメリット酸およびその酸無水物、ピロメリット酸及びその酸無水物等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価カルボン酸としては三価カルボン酸が好ましい。
[多価アルコール成分:好ましい成分]
本発明で用いる接着層で使用する多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、中でもエチレングリコールを使用することが最も好ましい。
[多価アルコール成分:その他の成分]
本発明では前述の多価アルコール成分を使用することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコール成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族ジオールとしては1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。三価以上の多価アルコールとして、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価アルコールとしては三価アルコールが好ましい。
次に、本発明の酸成分とポリオール化合物の反応は以下の様にして行う。
原材料として用いる多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分を一括して仕込んだ後、攪拌混合しながら昇温し、脱水縮合反応させる。JIS−K0070に記載の酸価測定法にて5.0mgKOH/g以下、同じくJIS−K0070に記載の水酸基価測定方法にて得られる水酸基価ZmgKOH/gが下記式(b)の右辺の数値(mgKOH/g)の±5%以内に入るまで反応を継続することで目的とするポリエステル樹脂を得ることができる。
Figure 2018001539
(式(a)中、Mnは所定の2官能ポリエステル樹脂の設定数平均分子量を表す)
Figure 2018001539
(式(b)中、Mnは所定のN(Nは1以上の自然数)官能ポリエステル樹脂の設定数平均分子量を表す)
或いは、各々の原料を多段階に分けて反応させてもよい。また、反応温度にて揮発してしまったジオール成分を追加しながら、水酸基価を±5%以内に入るように調製してもよい。
本発明での樹脂合成に用いられる触媒としては、モノブチル酸化錫、ジブチル酸化錫等錫系触媒、テトラ−イソプロピル−チタネート、テトラ−ブチル−チタネート等のチタン系触媒、テトラ−ブチル−ジルコネート等のジルコニア系触媒等の酸触媒が挙げられる。前記触媒のうち数種類を組み合わせて用いることもできる。前記触媒量は、使用する反応原料全質量に対して1〜1000ppm用いられ、より好ましくは10〜100ppmである。1ppmを下回ると触媒としての効果が得られにくく、1000ppmを上回ると後のウレタンとの反応を阻害する傾向がある。
本発明で使用するポリエステルポリオール(A)は、ガラス転移温度が−50℃〜80℃の範囲が好ましい。より好ましくは−20℃〜60℃である。ガラス転移温度が80℃よりも高い場合、室温付近でのポリエステルポリオールの柔軟性が低くなることにより、基材への密着性が劣ることで接着力が低下するおそれがある。又、多価カルボン酸にオルトフタル酸又はその無水物を含むので、ガラス転移温度が−50℃よりも低い場合、常温付近でのポリエステルポリオールの分子運動が激しいことにより十分なガスバリア性が出ないおそれがある。
(ポリイソシアネート化合物(B))
本発明で用いるコーティング材は、前述の通りポリイソシアネート化合物を含有してもよい。本発明で用いられるポリイソシアネート化合物は、ポリエステルが水酸基を有する場合、少なくとも一部が反応し、ウレタン構造を作ることで樹脂成分として高極性化し、ポリマー鎖間を凝集させることでガスバリア機能を更に強化できる。
また、コーティング材の樹脂が直鎖型の樹脂である場合に、3価以上のポリイソシアネートで架橋することで、耐熱性や、耐摩耗性を付与することができる。本発明で用いられるポリイソシアネート化合物としてはジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよいが、骨格の一部に芳香族環、または脂肪族環を含有するとガスバリア向上機能の観点から好ましい。たとえば、芳香族環を持つイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、脂肪族環を持つイソシアネートとしては、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルンジイソシアネート、あるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
[ポリイソシアネート化合物の3官能化部分の構造]
本発明では3官能のポリイソシアネートを用いても良い。これらの3官能化のための分岐構造を付与する骨格としては、アロファネート、ヌレート、ビュレット、アダクト体が挙げられる。本発明ではいずれの3官能化部分の構造をもつポリイソシアネートを用いてもよいが、中でもヌレート骨格はコーティング塗膜に乾燥後の粘着性がでにくくコーティング材に適しているため特に好ましく用いられる。中でも、ポリイソシアネート化合物(B)が、メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、及びイソホロンジイソシアネートのヌレート体、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、及びトルエンジイソシアネートのヌレート体からなる群から選ばれるものが特に好ましい。
(ブロックイソシアネート)
また、芳香族環、脂肪族環を含有しているポリイソシアネート化合物であれば、ブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えば芳香族を含有しているものであれば、フェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
前記ポリエステルポリオール(A)と前記ポリイソシアネート化合物(B)とは、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との割合がポリエステルポリオール(A)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)の反応成分とが1/0.5〜1/10(当量比)となるように配合することが好ましく、より好ましくは1/1〜1/5である。該範囲を超えてポリイソシアネート成分が過剰な場合、余剰なポリイソシアネート成分が残留することで接着後に接着層からブリードアウトするおそれがあり、一方ポリイソシアネート成分が不足の場合には接着強度不足のおそれがある。
前記硬化剤は、その種類に応じて選択された公知の硬化剤或いは促進剤を併用することもできる。例えば接着促進剤としては、加水分解性アルコキシシラン化合物等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂等が挙げられる。シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤は、各種フィルム材料に対する接着剤を向上させる意味でも好ましい。
(接着剤 その他の成分)
本発明で用いる接着剤は、ガスバリア性を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤、層状無機化合物、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤等が例示できる。層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。膨潤性無機層状化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
また、接着剤層の耐酸性を向上させる方法として公知の酸無水物を添加剤として併用することもできる。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、コハク酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドラフタル酸無水物、テトラプロムフタル酸無水物、テトラクロルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸2無水物、5−(2,5−オキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
また、必要に応じて、更に酸素捕捉機能を有する化合物等を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
また、塗布直後の各種フィルム材料に対する粘着性を向上させるために、必要に応じてキシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の総量100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましい。
(その他の成分)
本発明で用いる接着剤は、ガスバリア補助機能を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤、無機材料を用いる場合には分散剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、レベリング剤、スリップ向上剤等が例示できる。
本発明で用いるポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物との硬化塗膜のガラス転移温度が−30℃〜80℃の範囲が好ましい。より好ましくは−20℃〜60℃である。ガラス転移温度が80℃よりも高い場合、室温付近でのポリエステルポリオールの柔軟性が低くなることにより、基材への密着性が劣ることで接着力が低下するおそれがある。一方−30℃よりも低い場合、常温付近でのポリエステルポリオールの分子運動が激しいことにより十分なガスバリア性が出ないおそれがあるほか、硬化塗膜の凝集力不足の為、十分な接着強度、シール強度等も得られない恐れがある。
(接着剤の形態)
本発明の接着剤の基本的な使用形態は溶剤(ドライラミネート)型である。しかし、無溶剤型接着剤としても使用することができる。溶剤型の場合、溶剤はポリエステルポリオール及び硬化剤の製造時に反応媒体として使用してもよい。使用できる溶剤としては例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。これらのうち通常は酢酸エチルやメチルエチルケトンを使用するのが好ましい。また、無溶剤で使用する場合は必ずしも有機溶剤に可溶である必要は無いと考えられるが、合成時の反応釜の洗浄やラミネート時の塗工機等の洗浄を考慮すると、有機溶剤に対する溶解性があると好ましい。
(紙層)
本発明の積層体は紙層を持つ。
(紙の原料素材)
本発明で用いる紙の原料素材には特に限定はなく、汎用性が最も高いセルロースの他、各種樹脂類、炭素材料、金属類、綿、動物の毛、各種無機材料、など繊維状の素材を抄紙工程により自立膜とできるのであれば限定されない。中でも、セルロース素材の紙は汎用性が高い上、安価、非石油由来、包装材料としてみた場合に意匠性が高いため、特に好ましく用いられる。セルロースの原料としても特に制限がなく広く用いられている針葉樹、広葉樹の他、竹、ケナフ、藁類等の各種植物由来原料を例示することができる。
(紙のコート層、樹脂含浸の有無)
本発明で用いる紙としては塗工(コート)紙、微塗工紙、非塗工紙、樹脂含浸紙のいずれでも良い。非塗工紙としては各種印刷用紙、グラビア用紙、クラフト紙、ケント紙、コピー紙、更紙、新聞紙などが例示される。また、塗工紙としては微塗工紙、アート紙、上質コート紙、中質コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、マットコート紙などが例示できる。また、樹脂含浸紙としてはパラフィン紙などが例示される。
(紙の種類毎の特徴)
非塗工紙の場合は吸収性が高いため接着剤を吸収しやすく取り扱いが難しい点はあるが、元来バリア機能があるセルロース成分を接着剤由来のバリア樹脂層で充填できるため高バリア化させやすい特徴がある。一方、塗工紙の場合はコート成分が設けられているためコーティング材を過剰に吸収せず取り扱いが容易な特徴がある一方、バリア樹脂がセルロースを充填しにくいためバリア機能を出しにくい点がある。中でも微塗工紙を用いる場合には本発明で用いる接着剤の紙への浸透が抑制され表面平滑性を高くできると同時に、元来バリア機能があるセルロース成分をバリア樹脂層で充填できるため、表面平滑性とバリア特性とのバランスが取れるため特に好ましい。また、樹脂含浸紙も樹脂フィルムに似ているため取り扱い性が特に容易であるため特に好ましく用いられる。
(紙の厚み)
本発明で用いられる紙の厚みとしては特に制限はない。50μm以下の薄い紙でも、1mm以上にある板紙を用いても差し支えない。しかし軟包装的に紙を用いるのであれば200μm以下が好ましく、更に好ましくは150μm以下である。1mm以上ある板紙を用いた場合はガスバリア機能を持つ紙函として用いる事ができる。
(紙以外に使用するフィルム:非ガスバリアフィルム)
本発明での積層体に紙と併用(即ちラミネート)するフィルムには、特に限定はなく、所望の用途に応じた熱可塑性樹脂フィルムを適宜選択することができる。例えば食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:リニア低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、シクロオレフィンコポリマフィルム等が挙げられる。これらのフィルムには延伸処理があっても、無くても好ましく用いることができる。延伸処理をほどこしているフィルム類は寸法安定性、剛性より接着剤の塗布操作が容易で使いやすい利点がある。また、未延伸フィルムはヒートシール機能を積層体に付与できるため好ましく用いられる。
(紙以外に使用するフィルム:ガスバリアフィルム)
本発明では、更に高いバリア機能を付与するためにポリビニルアルコールや、エチレン・ビニールアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムや、各種蒸着フィルムの他、アルミ箔などの金属箔を併用して、より高いバリア機能を付与しても良い。特に本発明で用いる接着層を用いてラミネートする際に、蒸着フィルムの蒸着面側とラミネートすることにより蒸着面の欠陥をふさぐことにより、極めて高いバリア機能をだせる場合があり、特に好ましく用いられる。蒸着フィルムの蒸着層としては、アルミニウムなどの金属蒸着フィルム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物蒸着フィルム、が例示できる。またフィルムの種類としては延伸フィルムでも、未延伸フィルムでもよい。
[塗工ラミネート方式]
本発明の積層体を製造するための塗工ラミネート方式としては、紙に接着層を塗工できるのであれば特に制限はない。具体的な方法としては、ロールコート、フレキソコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、ラミネートに用いる装置についても特に限定はないが、基本的には溶剤型のラミネーター(ドライラミネーター)が好ましく用いられる
[接着層の膜厚]
本発明の積層体中での接着剤を塗布する膜厚は特に制限はない。しかし、本発明で用いる接着層は紙パルプの絡み合いにある欠陥をふさぐことでガスバリア機能を付与する。そのため、紙の抄紙欠陥を塞ぐ厚みは必要であり、一般には接着層の硬化後に2μm以上あると好ましい。好ましい厚み範囲としては、欠陥が生じにくいことと、乾燥性とのバランスより好ましくは2μm〜10μmの範囲、更に好ましくは3〜8μmの範囲である。
(層の設置方向)
本発明の積層体の製造には、接着剤層を塗工する面には特に制限はない。接着剤層を紙側に施すと本来ガスバリア機能を持つセルロースの穴部分を効率よく穴埋めすることにより、優れたバリア向上機能を付与することができる。しかし、ラミネートするフィルムに塗工した場合には、接着層の紙への吸液性が少ないためラミネート強度を高くしやすいため差し支えない。特に紙とラミネートするフィルムが蒸着フィルムの場合は蒸着面が接着剤層と接触すると、蒸着欠陥を効率よく補強できることで高バリアフィルムとできるため特に好ましい。
(本発明の積層体での一例)
本発明の積層体として以下の例が例示できる。
・紙/接着層/シーラントフィルム層:一定のガスバリア機能を持ち、ヒートシールができる積層体
・紙/接着層/蒸着シーラント層:高いガスバリア機能を持ち、ヒートシールができる積層体。
また、以上全ての例で紙と類似な高い意匠性がある積層体とできる。
(透過を遮断できるガス成分種類)
本発明の積層体が遮断できるガスとしては、酸素、水蒸気の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等の香り成分を例示することができる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。例中断りのない限り、「部」「%」は質量基準である。
<ポリエステル製造例>
(製造例1)エチレングリコールとフタル酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA 0.9K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを879.37部、無水フタル酸1580.52部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=125、水酸基価から計算される数平均分子量898のポリエステル樹脂「EGoPA 0.9K」を得た。
(製造例2)無水フタル酸、コハク酸、とエチレングリコールとからなるポリエステルポリオール EGoPASuA1.8Kの製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸103部、コハク酸 30部、エチレングリコール75.3部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.02部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が2mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、水酸基価から計算される数平均分子量1800のポリエステルポリオールを得た。
(製造例3)エチレングリコールとグリセロールと無水フタル酸とからなるポリエステル樹脂「GlyEGoPA 0.9K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸1364部、エチレングリコール332.6部、グリセロール462.6部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.22部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が20mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、水酸基価が206mgKOH/gの、数平均分子量900のポリエステルポリオールを得たポリエステルポリオールを得た。
(製造例4)ネオペンチルグリコールと無水フタル酸からなるポリエステル樹脂「NPGoPA 0.6K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸148.1部、ネオペンチルグリコール153.4部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.03部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を205℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、水酸基価が150mgKOH/g、数平均分子量600のポリエステルポリオールを得た。
(製造例5)エチレングリコールとテレフタル酸からなるポリエステル樹脂「EGtPA 0.9K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを879.37部、テレフタル酸1408.62部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=124、水酸基価から計算される理論数平均分子量900のポリエステル樹脂「EGtPA 0.9K」を得た。
製造例1〜5で得られた実施例、比較例用のポリエステルポリオールの原料仕込み量、樹脂の数平均分子量、原料モノマー中のオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の多価カルボン酸全成分に対する含有率(オルト配向芳香環含有率(質量%)と称する)、を表1に示す。
(実施例1〜6)
前記製造方法1〜4で得たポリエステルポリオール樹脂と、硬化剤として使用した後述のポリイソシアネートを表2に示す様に配合した溶剤型接着剤を得て、これを表2に示した基材で貼り合わせた。また、これらを後述の評価に供した。配合時はまずはポリエステルポリオールを、常温下で酢酸エチルに溶解させ、溶解できたところで硬化剤としてポリイソシアネートを添加、攪拌し均一溶液とした。
(比較例1〜6)
比較例1では、前記製造方法5で得たポリエステルポリオールを溶剤型接着剤に適応しようとして、酢酸エチルへの溶解を試みたが、ポリエステルポリオールが酢酸エチルに完全溶解させることができなかったため、以降の評価をおこなうことができなかった。また、比較例2〜6の積層体の接着剤として、DICグラフィックス(株)社製の溶剤型接着剤用のポリオール含有液LX−500を用いた。LX−500はポリエーテル系樹脂であるが、原料酸成分として、フタル酸骨格を含有していない。
(溶剤型接着剤の塗工、及びフィルムラミネート方法)
各実施及び、比較例2〜6ではドライラミネート型接着剤によりシーラント層の積層を行なった。実施例1〜4、比較例2〜5ではシーラントフィルムとして、直鎖状ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ(株)製「TUX-HC」、厚み60μm)、また実施例5,6、比較例6ではアルミ蒸着未延伸ポリプロピレンフィルム(VMCPP)(東レフィルム加工(株)製2203、厚み25μm)の蒸着処理面にバーコーター#7で塗工し、ドライヤで80℃の熱風により溶媒を揮発させた。塗布面を後述の各種紙類(コート紙の場合はコート面側)とラミネートし、紙/接着層/LLDPE、または、フィルム紙/接着層/VM−CPPフィルムの層構成を有する積層体を作製した。次いで、この複合フィルムを40℃×3日間のエージンングを行い、接着剤の硬化を行って、本発明の積層体を完成させた。
(ラミネート強度評価方法)
エージングが終了した積層フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、紙層とLLDPEまたはVM−CPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度をラミネート強度とした。ラミネート強度の単位はN/15mmとした。測定中フィルム破断となる場合は結果にF及びピーク値を記載した。
(使用した紙基材)
以上の実施例、比較例、参考例で使用した紙基材は以下の通りである。
コート紙:OKコートLエコグリーン、厚み54μm、王子製紙株式会社製
微塗工紙:OKクリスタルライトBダル、厚み53μm、王子製紙株式会社製
非塗工紙:OKアドニスラフ70 厚み110μm、王子製紙株式会社製
パラフィン紙:白パラフィン紙、厚み21μm、株式会社東京日本油紙製
(使用したポリイソシアネート)
D−110N:三井化学(株)製「タケネートD−110N」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発成分:75%、NCO%:11.5%、溶媒:酢酸エチル)
・KW-75:DIC株式会社製「ディックドライKW75」(トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発成分75%、NCO%:14.0%、溶媒酢酸エチル)
(参考例)
参考例として、上記のコート紙、微塗工紙、非塗工紙、未コート紙、パラフィン紙の酸素透過率を後述の方法で測定したが、何れも紙でも測定がレンジオーバーとなりガスバリア機能が無い事を確認した。また、シーラントフィルムとして用いたLLDPEフィルムも同じくレンジオーバーとなった。尚、VM−CPPフィルムでは酸素透過率として17cc/m・日・atmを示した。
(評価方法)
(1)酸素透過率
各種実施例、比較例で得られた積層体及び、参考例として紙を、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN1/50を用いてJIS−K7126(等圧法)に準じ、23℃0%RHの雰囲気下で測定した。なお、RHは相対湿度を示す。本評価は全ての実施例、比較例、参考例で行なった。なお、本測定では、酸素透過率(OTR)が400cc/m・日・atmをオーバーした場合はレンジオーバーとなり測定不可能である。尚、表3中のROとはレンジオーバーを示す。
(2)ラミネート強度
エージングが終了した積層フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、紙層とLLDPEまたはVM−CPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度をラミネート強度とした。ラミネート強度の単位はN/15mmとした。測定中フィルム破断となる場合は結果にF及びピーク値を記載した。
Figure 2018001539
Figure 2018001539
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実施例1〜4の通り、各種紙とシーラントフィルムLLDPEを本発明で用いるバリア性の接着剤でラミネートした積層体は、酸素透過率84cc以下の一定の酸素バリア機能と、2N以上のラミネート強度を示した。また、実施例5〜6の通りシーラントフィルムにVM−CPPを用いた際は、酸素透過率0.5cc>の高いバリア機能と、1N以上のラミネート強度とを示した。また、これらは紙をベースとした高い意匠性を示した。
一方、比較例1のオルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有せずに、テレフタル酸成分のみから成るポリエステルポリオールでは溶媒溶解性に欠けたため、接着剤としての評価ができなかった。また比較例2〜5の各種紙とシーラントフィルムLLDPEを本発明の範囲外の汎用の接着剤でラミネートした場合には、ラミネート強度はあったものの酸素透過率はレンジオーバー(RO)となり酸素バリア性を示さなかった。また、比較例6の通り、VM-CPPでラミネートした場合では酸素透過率は、8ccと本発明の同フィルム構成の積層体に比べて1桁以上高い酸素透過率となり、バリア機能が不十分な結果となった。
本発明の積層体は汎用の紙を主成分として用い且つ、一定のガスバリア機能がある包装材とすることができる。このため、内容物保存性に加え、非石油由来、生分解性、且つ安価な包装資材として、食品類を中心とした内容物の軟包装に広く用いることができる。

Claims (8)

  1. ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)を含有してなるガスバリア性接着剤層、及び紙層を有する積層体であって、
    ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体。
  2. オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物が、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の積層体。
  3. ポリオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、又はグリセリンから選ばれる請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 酸成分中に占めるオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物の含有率が、50〜100質量%である請求項1〜3の何れかに記載の積層体。
  5. ポリイソシアネート化合物(B)が芳香族環を有するポリイソシアネートを含有するものである請求項1〜4の何れかに記載の積層体。
  6. 芳香族環を有するポリイソシアネートが、メタキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、又はメタキシレンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコール、又はトルエンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコールとの反応生成物である請求項5に記載の積層体。
  7. ガスバリア性接着剤が溶剤型である請求項1〜6の何れかに記載の積層体。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の積層体を用いた包装材。
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