JP2018001539A - 積層体、及び積層体を用いた包装材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)を含有してなるガスバリア性接着剤層、及び紙層を有する積層体であって、
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体による。
【選択図】 なし
Description
その一方で、セルロース由来の紙は隙間が多く、それらがガスの通過ルートとなるためガスバリア機能は全く無い。こうした紙類にたいしてバリア機能を付与する方法としては、特許文献3には、紙基材層、結晶性芳香族ポリアミド系樹脂層、および最内層としての熱接着性樹脂層を積層してなる積層材が記載されている。
しかしこれらの技術は、何れもバリア機能を持つ紙容器であるが、製函を前提としており、バリア機能を持つ軟包装を紙主体の原料により提供することはできていない。また、樹脂フィルムを必須としており製法が煩雑な問題がある。
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体、を見出すことにより前記課題を解決した。
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体である。
1.ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)を含有してなるガスバリア性接着剤層、及び紙層を有する積層体であって、
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体、
2.オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物が、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物からなる群から選ばれる、1.に記載の積層体、
3.ポリオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、又はグリセリンから選ばれる1.又は2.に記載の積層体、
4.酸成分中に占めるオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物の含有率が、50〜100質量%である1.〜3.の何れかに記載の積層体、
5.ポリイソシアネート化合物(B)が芳香族環を有するポリイソシアネートを含有するものである1.〜4.の何れかに記載の積層体、
6.芳香族環を有するポリイソシアネートが、メタキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、又はメタキシレンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコール、又はトルエンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコールとの反応生成物である5.に記載の積層体、
7.ガスバリア性接着剤が溶剤型である1.〜6.の何れかに記載の積層体、
8. 1.〜7.の何れかに記載の積層体を用いた包装材
本発明で使用するポリエステルポリオール(A)は、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物で構成されることに特徴を有する。
本発明では、前記多価カルボン酸成分が、ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を主成分とする。
[多価カルボン酸成分:オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物]
本発明で用いるポリエステルポリオールを構成する多価カルボン酸成分は、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含むことに特徴を有する。
本発明で用いるポリエステルポリオール(A)は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独であるいは二種以上の混合物で使用することができる。中でも、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。また、三価以上の多価カルボン酸として、トリメリット酸およびその酸無水物、ピロメリット酸及びその酸無水物等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価カルボン酸としては三価カルボン酸が好ましい。
本発明で用いる接着層で使用する多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、中でもエチレングリコールを使用することが最も好ましい。
本発明では前述の多価アルコール成分を使用することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコール成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族ジオールとしては1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。三価以上の多価アルコールとして、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価アルコールとしては三価アルコールが好ましい。
原材料として用いる多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分を一括して仕込んだ後、攪拌混合しながら昇温し、脱水縮合反応させる。JIS−K0070に記載の酸価測定法にて5.0mgKOH/g以下、同じくJIS−K0070に記載の水酸基価測定方法にて得られる水酸基価ZmgKOH/gが下記式(b)の右辺の数値(mgKOH/g)の±5%以内に入るまで反応を継続することで目的とするポリエステル樹脂を得ることができる。
或いは、各々の原料を多段階に分けて反応させてもよい。また、反応温度にて揮発してしまったジオール成分を追加しながら、水酸基価を±5%以内に入るように調製してもよい。
本発明で用いるコーティング材は、前述の通りポリイソシアネート化合物を含有してもよい。本発明で用いられるポリイソシアネート化合物は、ポリエステルが水酸基を有する場合、少なくとも一部が反応し、ウレタン構造を作ることで樹脂成分として高極性化し、ポリマー鎖間を凝集させることでガスバリア機能を更に強化できる。
本発明では3官能のポリイソシアネートを用いても良い。これらの3官能化のための分岐構造を付与する骨格としては、アロファネート、ヌレート、ビュレット、アダクト体が挙げられる。本発明ではいずれの3官能化部分の構造をもつポリイソシアネートを用いてもよいが、中でもヌレート骨格はコーティング塗膜に乾燥後の粘着性がでにくくコーティング材に適しているため特に好ましく用いられる。中でも、ポリイソシアネート化合物(B)が、メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、及びイソホロンジイソシアネートのヌレート体、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、及びトルエンジイソシアネートのヌレート体からなる群から選ばれるものが特に好ましい。
また、芳香族環、脂肪族環を含有しているポリイソシアネート化合物であれば、ブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えば芳香族を含有しているものであれば、フェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
本発明で用いる接着剤は、ガスバリア性を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤、層状無機化合物、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤等が例示できる。層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。膨潤性無機層状化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
本発明で用いる接着剤は、ガスバリア補助機能を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤、無機材料を用いる場合には分散剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、レベリング剤、スリップ向上剤等が例示できる。
本発明の接着剤の基本的な使用形態は溶剤(ドライラミネート)型である。しかし、無溶剤型接着剤としても使用することができる。溶剤型の場合、溶剤はポリエステルポリオール及び硬化剤の製造時に反応媒体として使用してもよい。使用できる溶剤としては例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。これらのうち通常は酢酸エチルやメチルエチルケトンを使用するのが好ましい。また、無溶剤で使用する場合は必ずしも有機溶剤に可溶である必要は無いと考えられるが、合成時の反応釜の洗浄やラミネート時の塗工機等の洗浄を考慮すると、有機溶剤に対する溶解性があると好ましい。
本発明の積層体は紙層を持つ。
本発明で用いる紙の原料素材には特に限定はなく、汎用性が最も高いセルロースの他、各種樹脂類、炭素材料、金属類、綿、動物の毛、各種無機材料、など繊維状の素材を抄紙工程により自立膜とできるのであれば限定されない。中でも、セルロース素材の紙は汎用性が高い上、安価、非石油由来、包装材料としてみた場合に意匠性が高いため、特に好ましく用いられる。セルロースの原料としても特に制限がなく広く用いられている針葉樹、広葉樹の他、竹、ケナフ、藁類等の各種植物由来原料を例示することができる。
本発明で用いる紙としては塗工(コート)紙、微塗工紙、非塗工紙、樹脂含浸紙のいずれでも良い。非塗工紙としては各種印刷用紙、グラビア用紙、クラフト紙、ケント紙、コピー紙、更紙、新聞紙などが例示される。また、塗工紙としては微塗工紙、アート紙、上質コート紙、中質コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、マットコート紙などが例示できる。また、樹脂含浸紙としてはパラフィン紙などが例示される。
非塗工紙の場合は吸収性が高いため接着剤を吸収しやすく取り扱いが難しい点はあるが、元来バリア機能があるセルロース成分を接着剤由来のバリア樹脂層で充填できるため高バリア化させやすい特徴がある。一方、塗工紙の場合はコート成分が設けられているためコーティング材を過剰に吸収せず取り扱いが容易な特徴がある一方、バリア樹脂がセルロースを充填しにくいためバリア機能を出しにくい点がある。中でも微塗工紙を用いる場合には本発明で用いる接着剤の紙への浸透が抑制され表面平滑性を高くできると同時に、元来バリア機能があるセルロース成分をバリア樹脂層で充填できるため、表面平滑性とバリア特性とのバランスが取れるため特に好ましい。また、樹脂含浸紙も樹脂フィルムに似ているため取り扱い性が特に容易であるため特に好ましく用いられる。
本発明で用いられる紙の厚みとしては特に制限はない。50μm以下の薄い紙でも、1mm以上にある板紙を用いても差し支えない。しかし軟包装的に紙を用いるのであれば200μm以下が好ましく、更に好ましくは150μm以下である。1mm以上ある板紙を用いた場合はガスバリア機能を持つ紙函として用いる事ができる。
本発明での積層体に紙と併用(即ちラミネート)するフィルムには、特に限定はなく、所望の用途に応じた熱可塑性樹脂フィルムを適宜選択することができる。例えば食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:リニア低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、シクロオレフィンコポリマフィルム等が挙げられる。これらのフィルムには延伸処理があっても、無くても好ましく用いることができる。延伸処理をほどこしているフィルム類は寸法安定性、剛性より接着剤の塗布操作が容易で使いやすい利点がある。また、未延伸フィルムはヒートシール機能を積層体に付与できるため好ましく用いられる。
本発明では、更に高いバリア機能を付与するためにポリビニルアルコールや、エチレン・ビニールアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムや、各種蒸着フィルムの他、アルミ箔などの金属箔を併用して、より高いバリア機能を付与しても良い。特に本発明で用いる接着層を用いてラミネートする際に、蒸着フィルムの蒸着面側とラミネートすることにより蒸着面の欠陥をふさぐことにより、極めて高いバリア機能をだせる場合があり、特に好ましく用いられる。蒸着フィルムの蒸着層としては、アルミニウムなどの金属蒸着フィルム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物蒸着フィルム、が例示できる。またフィルムの種類としては延伸フィルムでも、未延伸フィルムでもよい。
本発明の積層体を製造するための塗工ラミネート方式としては、紙に接着層を塗工できるのであれば特に制限はない。具体的な方法としては、ロールコート、フレキソコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、ラミネートに用いる装置についても特に限定はないが、基本的には溶剤型のラミネーター(ドライラミネーター)が好ましく用いられる
本発明の積層体中での接着剤を塗布する膜厚は特に制限はない。しかし、本発明で用いる接着層は紙パルプの絡み合いにある欠陥をふさぐことでガスバリア機能を付与する。そのため、紙の抄紙欠陥を塞ぐ厚みは必要であり、一般には接着層の硬化後に2μm以上あると好ましい。好ましい厚み範囲としては、欠陥が生じにくいことと、乾燥性とのバランスより好ましくは2μm〜10μmの範囲、更に好ましくは3〜8μmの範囲である。
本発明の積層体の製造には、接着剤層を塗工する面には特に制限はない。接着剤層を紙側に施すと本来ガスバリア機能を持つセルロースの穴部分を効率よく穴埋めすることにより、優れたバリア向上機能を付与することができる。しかし、ラミネートするフィルムに塗工した場合には、接着層の紙への吸液性が少ないためラミネート強度を高くしやすいため差し支えない。特に紙とラミネートするフィルムが蒸着フィルムの場合は蒸着面が接着剤層と接触すると、蒸着欠陥を効率よく補強できることで高バリアフィルムとできるため特に好ましい。
本発明の積層体として以下の例が例示できる。
・紙/接着層/シーラントフィルム層:一定のガスバリア機能を持ち、ヒートシールができる積層体
・紙/接着層/蒸着シーラント層:高いガスバリア機能を持ち、ヒートシールができる積層体。
また、以上全ての例で紙と類似な高い意匠性がある積層体とできる。
本発明の積層体が遮断できるガスとしては、酸素、水蒸気の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等の香り成分を例示することができる。
(製造例1)エチレングリコールとフタル酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA 0.9K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを879.37部、無水フタル酸1580.52部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=125、水酸基価から計算される数平均分子量898のポリエステル樹脂「EGoPA 0.9K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸103部、コハク酸 30部、エチレングリコール75.3部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.02部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が2mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、水酸基価から計算される数平均分子量1800のポリエステルポリオールを得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸1364部、エチレングリコール332.6部、グリセロール462.6部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.22部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が20mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、水酸基価が206mgKOH/gの、数平均分子量900のポリエステルポリオールを得たポリエステルポリオールを得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸148.1部、ネオペンチルグリコール153.4部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.03部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を205℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、水酸基価が150mgKOH/g、数平均分子量600のポリエステルポリオールを得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを879.37部、テレフタル酸1408.62部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=124、水酸基価から計算される理論数平均分子量900のポリエステル樹脂「EGtPA 0.9K」を得た。
前記製造方法1〜4で得たポリエステルポリオール樹脂と、硬化剤として使用した後述のポリイソシアネートを表2に示す様に配合した溶剤型接着剤を得て、これを表2に示した基材で貼り合わせた。また、これらを後述の評価に供した。配合時はまずはポリエステルポリオールを、常温下で酢酸エチルに溶解させ、溶解できたところで硬化剤としてポリイソシアネートを添加、攪拌し均一溶液とした。
比較例1では、前記製造方法5で得たポリエステルポリオールを溶剤型接着剤に適応しようとして、酢酸エチルへの溶解を試みたが、ポリエステルポリオールが酢酸エチルに完全溶解させることができなかったため、以降の評価をおこなうことができなかった。また、比較例2〜6の積層体の接着剤として、DICグラフィックス(株)社製の溶剤型接着剤用のポリオール含有液LX−500を用いた。LX−500はポリエーテル系樹脂であるが、原料酸成分として、フタル酸骨格を含有していない。
各実施及び、比較例2〜6ではドライラミネート型接着剤によりシーラント層の積層を行なった。実施例1〜4、比較例2〜5ではシーラントフィルムとして、直鎖状ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ(株)製「TUX-HC」、厚み60μm)、また実施例5,6、比較例6ではアルミ蒸着未延伸ポリプロピレンフィルム(VMCPP)(東レフィルム加工(株)製2203、厚み25μm)の蒸着処理面にバーコーター#7で塗工し、ドライヤで80℃の熱風により溶媒を揮発させた。塗布面を後述の各種紙類(コート紙の場合はコート面側)とラミネートし、紙/接着層/LLDPE、または、フィルム紙/接着層/VM−CPPフィルムの層構成を有する積層体を作製した。次いで、この複合フィルムを40℃×3日間のエージンングを行い、接着剤の硬化を行って、本発明の積層体を完成させた。
エージングが終了した積層フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、紙層とLLDPEまたはVM−CPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度をラミネート強度とした。ラミネート強度の単位はN/15mmとした。測定中フィルム破断となる場合は結果にF及びピーク値を記載した。
以上の実施例、比較例、参考例で使用した紙基材は以下の通りである。
コート紙:OKコートLエコグリーン、厚み54μm、王子製紙株式会社製
微塗工紙:OKクリスタルライトBダル、厚み53μm、王子製紙株式会社製
非塗工紙:OKアドニスラフ70 厚み110μm、王子製紙株式会社製
パラフィン紙:白パラフィン紙、厚み21μm、株式会社東京日本油紙製
D−110N:三井化学(株)製「タケネートD−110N」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発成分:75%、NCO%:11.5%、溶媒:酢酸エチル)
・KW-75:DIC株式会社製「ディックドライKW75」(トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発成分75%、NCO%:14.0%、溶媒酢酸エチル)
参考例として、上記のコート紙、微塗工紙、非塗工紙、未コート紙、パラフィン紙の酸素透過率を後述の方法で測定したが、何れも紙でも測定がレンジオーバーとなりガスバリア機能が無い事を確認した。また、シーラントフィルムとして用いたLLDPEフィルムも同じくレンジオーバーとなった。尚、VM−CPPフィルムでは酸素透過率として17cc/m2・日・atmを示した。
(1)酸素透過率
各種実施例、比較例で得られた積層体及び、参考例として紙を、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN1/50を用いてJIS−K7126(等圧法)に準じ、23℃0%RHの雰囲気下で測定した。なお、RHは相対湿度を示す。本評価は全ての実施例、比較例、参考例で行なった。なお、本測定では、酸素透過率(OTR)が400cc/m2・日・atmをオーバーした場合はレンジオーバーとなり測定不可能である。尚、表3中のROとはレンジオーバーを示す。
エージングが終了した積層フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、紙層とLLDPEまたはVM−CPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度をラミネート強度とした。ラミネート強度の単位はN/15mmとした。測定中フィルム破断となる場合は結果にF及びピーク値を記載した。
Claims (8)
- ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)を含有してなるガスバリア性接着剤層、及び紙層を有する積層体であって、
ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を必須として含有する酸成分とポリオール成分との反応物である、積層体。 - オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物が、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の積層体。
- ポリオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、又はグリセリンから選ばれる請求項1又は2に記載の積層体。
- 酸成分中に占めるオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物の含有率が、50〜100質量%である請求項1〜3の何れかに記載の積層体。
- ポリイソシアネート化合物(B)が芳香族環を有するポリイソシアネートを含有するものである請求項1〜4の何れかに記載の積層体。
- 芳香族環を有するポリイソシアネートが、メタキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、又はメタキシレンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコール、又はトルエンジイソシアネートと2個以上の水酸基を有するアルコールとの反応生成物である請求項5に記載の積層体。
- ガスバリア性接着剤が溶剤型である請求項1〜6の何れかに記載の積層体。
- 請求項1〜7の何れかに記載の積層体を用いた包装材。
Priority Applications (1)
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