JP2022145735A - 積層体及びこれを用いた包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いバリア性を有するとともに、手切れ性及びデッドホールド性に優れた積層体及びこれを用いた包装体を提供する。【解決手段】積層体10は、紙基材層11と、紙基材層11の一方の面側に設けられ、金属又は無機酸化物の蒸着層13を備えるシーラント層12と、紙基材層11と蒸着層13との間に設けられ、紙基材層11及び蒸着層13を接合するバリア性接着剤層14とを備え、JIS K 7126-2に準拠して23℃、90%RHで測定した酸素透過度が3.0cc/m2/day/atm以下であり、紙基材層11の1m2当たりの質量をt1とし、蒸着層13を備えるシーラント層12の1m2当たりの質量をt2としたときに、1.0≦t1/t2≦5.0を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、紙基材層と、蒸着層を備えるシーラント層と、を有する積層体、及びこれを用いた包装体に関する。
従来、紙基材層を用いた積層体包装材料において、バリア性が必要なものは、例えば、紙基材層とシーラント層の間に、金属等の蒸着層を備えた樹脂フィルム(例えば、アルミニウム蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂フィルム)等が積層配置されている構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような構成の積層体包装材料は、バリア性は十分に担保できるものの、蒸着層の基材となるPETなどの延伸樹脂フィルムが中間層として介在しているため、例えば、この積層体を包装袋等の包装体として用いる際に、手切れ性や、デッドホールド性(保形性)が悪いという問題がある。
特開2008-094426号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決すべく、高いバリア性を有するとともに、手切れ性及びデッドホールド性に優れた積層体及びこれを用いた包装体を提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、紙基材層と、前記紙基材層の一方の面側に設けられ、金属又は無機酸化物の蒸着層を備えるシーラント層と、前記紙基材層と前記蒸着層との間に設けられ、前記紙基材層及び前記蒸着層を接合するバリア性接着剤層とを備え、JIS K 7126-2に準拠して23℃、90%RHで測定した酸素透過度が3.0cc/m/day/atm以下であり、前記紙基材層の1m当たりの質量をt1とし、前記蒸着層を備える前記シーラント層の1m当たりの質量をt2としたときに、1.0≦t1/t2≦5.0を満たす積層体である。
第2の発明は、前記紙基材層の坪量は、30g/m以上100g/m以下である第1の発明の積層体である。
第3の発明は、前記シーラント層は、厚さが20μm以上である第1の発明又は第2の発明の積層体である。
第4の発明は、前記シーラント層は、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムである第1の発明から第3の発明までのいずれかの積層体である。
第5の発明は、前記未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムは、未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、前記未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムは、バイオマスポリエチレンを含む第4の発明の積層体である。
第6の発明は、前記バリア性接着剤層は、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物と、を含む樹脂組成物の硬化物であり、前記樹脂の主骨格がポリエステル又はポリエステルポリウレタンであって、ポリエステル構成モノマー成分としてオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物を含む第1の発明から第5の発明までのいずれかの積層体である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの積層体を用いて形成される、包装体である。
本発明によれば、高いバリア性を有するとともに、手切れ性及びデッドホールド性に優れた積層体及びこれを用いた包装体を提供することができる。
実施形態の積層体の断面図である。 実施形態の積層体を用いた包装体の例を示す図である。 実施形態の積層体を用いた包装体の他の例を示す図である。 実施形態の積層体を用いた包装体の他の例を示す図である。 実施形態の積層体を用いた包装体の他の例を示す図である。 実施形態の積層体を用いた包装体の他の例を示す図である。
本発明による積層体について、図面を参照しながら説明する。本発明による積層体の断面図の例を図1に示す。
<実施形態の積層体>
積層体10は、例えば、食品等を包装するために用いられる包装材料である。図1に示すように、本発明の一例である実施形態の積層体10は、紙基材層11と、紙基材層11の一方の面側に設けられた蒸着層13を備えるシーラント層12と、蒸着層13と紙基材層11とを接合するバリア性を有するバリア性接着剤層14とを有する。すなわち、積層体10は、紙基材層11、バリア性接着剤層14、蒸着層13、シーラント層12が順次、積層されている。
以下、積層体10を構成する各層について説明する。
(紙基材層)
紙基材層11は、蒸着層13を備えるシーラント層12を支持する基材層であり、坪量が100g/mよりも大きい紙カップ用のカップ原紙や、紙容器用のミルクカートン原紙とは異なり、可撓性のある、いわゆる紙軟包装を構成する紙基材である。具体的には、紙基材層の坪量が30g/m以上100g/m以下であることが好ましく、35g/m以上70g/m以下であることがより好ましい。紙基材層の坪量が30g/m以上100g/m以下であると、機械的強度が強く、優れた手切れ性及びデッドホールド性を有し、包装袋等の包装体としての可撓性を有する。紙基材層11としては、クラフト紙、上質紙、コート紙、バリア性を付与した紙(バリアコート紙)などが例示できる。
ここで、紙基材層11のバリア性接着剤層14とは反対側の面には、必要に応じて絵柄層、表面層を順次設けてもよい。
(絵柄層)
絵柄層は、紙基材層11のバリア性接着剤層14とは反対側の面に設けられ、絵柄を印刷した印刷層である。ここで、絵柄とは、紙基材層11に記録または印刷され得る種々の態様の記録対象のことであり、特に限定されることなく、図、文字、模様、パターン、記号、柄、マーク等を広く含む。とりわけ、積層体10が、食品を内包することが意図された包装袋等の包装体に用いられる場合、絵柄として、内容物の図や、内容物の商品名、賞味期限、製造日、製造番号等の情報を示す文字が用いられる。
(表面層)
表面層は、絵柄層上に設けられた層であり、積層体10を包装袋等の包装体に使用した場合、最も容器外方側に位置する層である。表面層は、例えば、オーバープリントニス(OPニス)により形成されており、絵柄層の擦れ等による消失を抑制したり、絵柄の改ざんを抑制したりすることができる。
なお、上述の説明では、紙基材層11に絵柄層、表面層を順次設ける例を説明したが、絵柄層、表面層は、それぞれ必要に応じて適宜省略してもよい。
(シーラント層)
シーラント層12は、積層体10の紙基材層11とは反対側の面に表出する層である。シーラント層12は、積層体10を用いて包装袋等の包装体を形成した場合に、最内層となる層であり、加熱による接着特性を有するヒートシール性を有する。また、シーラント層12は、紙基材層11側に蒸着層13を備える。蒸着層13の詳細については後述する。
シーラント層12を構成する樹脂フィルムは、ヒートシール性を有する未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムが好ましく用いられる。特に、本発明においては、未延伸ポリエチレン系樹脂フィルムまたは未延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを好適に使用することができる。
未延伸ポリエチレン系樹脂フィルムを構成する樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)などが例示できる。これらのホモポリマーのみならず、エチレンの一部を他のモノマーに置き換えた共重合ポリオレフィンであってもよい。
ここで、高密度ポリエチレンは、0.942g/cmを超える密度を有するポリエチレンをいい、中密度ポリエチレンは、0.925g/cmを超え0.942g/cm以下の密度を有するポリエチレンをいう。また、低密度ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンとも称することができ、高圧法エチレン単独重合体であり、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができ、0.925g/cm以下の密度を有するポリエチレンである。また、直鎖状低密度ポリエチレンは、チーグラー・ナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒またはメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンとα-オレフィンとの共重合体であり、密度が0.925g/cm以下の密度を有するポリエチレンである。
なお、本発明において、密度は、JIS K7112に準拠した手法から測定したものである。
未延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム(CPPフィルム)を構成する樹脂としては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなどが例示できる。プロピレンの一部を他のモノマーに置き換えた共重合ポリプロピレンであってもよい。
また、上記ポリプロピレン系樹脂フィルムには、ポリエチレンが含有されていてもよく、その含有されるポリエチレンが植物由来のバイオマスポリエチレンを含むことが望ましい。ここで、未延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムにバイオマスポリエチレンを含む場合、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、バイオマスポリエチレンが5~30質量部の範囲で含有されているのが望ましい。
<バイオマス由来のエチレン>
バイオマスポリエチレンの原料となるバイオマス由来のエチレンの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により得ることができる。以下、バイオマス由来のエチレンの製造方法の一例を説明する。
バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することが可能である。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されるものでなく、従来公知の植物を用いることも可能である。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、およびマニオクを用いることができる。
バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物またはその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールをいう。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、および抽出等の従来公知の方法を適用することが可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、または膜分離等により水分を除去する等の方法を適用することができる。
上記エチレンを得るために、この段階で、エタノール中の不純物総量が1ppm以下にする等の高度な精製を更に行うようにしてもよい。
エタノールの脱水反応によりエチレンを得る場合には触媒が用いられるが、この触媒は、特に限定されるものでなく、従来公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、例えば、γ―アルミナ等が好ましい。
この脱水反応は吸熱反応であるため、通常加熱条件により行う。商業的に有用な反応速度により反応が進行するのであれば、加熱温度は限定されないが、100℃以上が好ましく、250℃以上がより好ましく、300℃以上が更に好ましい。上限も特に限定されないが、エネルギー収支および設備等の観点から、500℃以下が好ましく、400℃以下がより好ましい。
エタノールの脱水反応においては、原料として供給するエタノール中に含まれる水分量によって反応の収率が左右される。一般的に、脱水反応を行う場合には、水の除去効率を考えると水が無いほうが好ましい。しかしながら、固体触媒を用いたエタノールの脱水反応の場合、水が存在しないと他のオレフィン、特にブテンの生成量が増加する傾向にあることが判明した。恐らく、少量の水が存在しないと脱水後のエチレン二量化を押さえることができないためと推察される。許容される水の含有量の下限は、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上必要である。上限は特に限定されないが、物質収支上および熱収支の観点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
このようにしてエタノールの脱水反応を行うことによって、エチレン、水および少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。これは公知の方法により行うことができる。
気液分離により得られたエチレンは更に蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外は、蒸留方法、操作温度、および滞留時間等は特に制約されない。
原料がバイオマス由来のエタノールの場合、得られたエチレンには、エタノール発酵工程で混入した不純物であるケトン、アルデヒド、およびエステル等のカルボニル化合物並びにその分解物である炭酸ガスや、酵素の分解物・夾雑物であるアミンおよびアミノ酸等の含窒素化合物並びにその分解物であるアンモニア等が極微量含まれる。エチレンの用途によっては、これら極微量の不純物が問題となるおそれがあるので、精製により除去してもよい。精製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。好適な精製操作としては、例えば、吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は特に限定されず、従来公知の吸着剤を用いることができる。例えば、高表面積の材料が好ましく、吸着剤の種類としては、バイオマス由来のエタノールの脱水反応により得られるエチレン中の不純物の種類・量に応じて選択される。
なお、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用してもよい。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。
<バイオマスポリエチレン>
バイオマスポリエチレンは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるものである。バイオマス由来のエチレンには、上記の製造方法により得られたものを用いることが好ましい。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはバイオマス由来となる。バイオマスポリエチレンとしては、例えば、Braskem社製のバイオマス直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:SLL318、密度:0.918g/cm(918kg/m)、MFR:2.7g/10分、バイオマス度87%)、Braskem社製のバイオマス低密度ポリエチレン(商品名:SEB853、密度:0.923g/cm(923kg/m)、MFR:2.7g/10分、バイオマス度95%)等を用いることができる。なお、ポリエチレンの原料モノマーは、バイオマス由来のエチレンを100質量%含むものでなくてもよい。
なお、本発明において、メルトフローレイト(MFR)は、JIS K6921(190℃)に準拠して測定したものである。
本発明の目的を損なわない範囲であれば、バイオマスポリエチレンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレンを更に含むようにしてもよい。
大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えば、とうもろこし中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明において、「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の重量比率を示すものである。以下、特に断りのない限り、「バイオマス度」とはバイオマス由来成分の重量比率を示したものとする。
本発明においては、理論上、ポリエチレンの原料として、全てバイオマス由来のエチレンを用いれば、バイオマス由来のエチレン濃度は100%であり、バイオマスポリエチレンのバイオマス度は100%となる。また、化石燃料由来の原料のみで製造された化石燃料ポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度は0%であり、化石燃料ポリエチレンのバイオマス度は0%となる。
本発明において、バイオマスポリエチレンやバイオマス由来の樹脂層は、バイオマス度が100%である必要はない。樹脂フィルムの一部にでもバイオマス由来の原料が用いられていれば、従来に比べて化石燃料の使用量を削減するという趣旨に沿うからである。
本樹脂フィルム(シーラント層12)は、バイオマス度が、5%以上であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性をより向上することができる。樹脂フィルムのバイオマス度は、5%以上90%以下であることがより好ましく、5%以上50%以下であることが更に好ましく、10以上25%以下であることが更により好ましい。
未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムは単層であっても多層であってもよい。未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムには、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、ごく微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等が挙げられる。
未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムの、蒸着層を形成する側の表面には、詳細を後述する表面処理がなされていてもよい。
未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムは、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、また、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等、公知の手段により得ることができる。
また、シーラント層12を構成する樹脂フィルムは、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムの代わりに、生分解性を有するポリ乳酸(PLA)樹脂や、ポリブチレンサクシネート(PBS)樹脂を用いることも可能である。
<ポリ乳酸(PLA)樹脂>
例えば、シーラント層12は、ポリ乳酸樹脂により構成してもよい。ポリ乳酸樹脂は、例えば、L-、D-、またはDL-乳酸単位を主成分とする重合体で、透明性を有し、軟質タイプのポリオレフィン系樹脂と類似物性を有する生分解性ポリエステルを使用することができる。
上記のポリ乳酸樹脂は、メルトフローレイト(MFR)が、1.0~20.0g/10分、好ましくは、1.5~12.0g/10分(190℃、2.16kg)の範囲内で、密度が、約1.10~1.30g/cmの範囲内で、融点が、150~170℃の範囲内で、更に、非晶タイプにおいては、Tg=50~70℃の範囲内であるものが好適に使用することができる。
ポリ乳酸樹脂としては、基本的には、比較的に軟質性を有し、熱により溶融し,ヒートシール性を有し、更に、溶融張力および延伸性等に優れ、後述する共押出成形適性を有するものが好ましく、このため、ポリ乳酸樹脂を単独で用いることも可能だが、柔軟性を向上させる観点から、シーラント層12として機能を損なわない程度に柔軟化改質剤を添加するのが好ましい。柔軟化改質剤を添加する場合、ポリ乳酸樹脂と柔軟化改質剤とは、前者65~95質量%、後者5~35質量%の配合割合で混練することが好ましい。具体的には、例えば、ポリ乳酸樹脂以外の他の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂用可塑剤、または、ポリエステル系エラストマー等の1種ないし2種以上を使用することができる。
ポリ乳酸樹脂以外の他の脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸単位と脂肪族ジオール単位を主成分とする重合体を使用することができ、具体的には、例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリブチレンサクシネートアジペート、その他等を使用することができる。
ポリ乳酸樹脂用可塑剤としては、例えば、アジピン酸エステル等を使用することができる。アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸と高級アルコールとのジエステル化物からなる可塑剤等を使用することができる。具体的には、大八化学工業株式会社製のアジピン酸エステルからなるポリ乳酸樹脂用可塑剤(商品名、DAIFATTY-101)等を使用することができる。
ポリエステル系エラストマーとしては、例えば、高融点(Tm)のポリエステル部分をハードセグメントとし、低融点(Tm)ないし低ガラス転移温度(Tg)のポリエーテルまたはポリエステル部分をソフトセグメントとするポリエステル系エラストマーを使用することができる。具体的には、東レ・デュポン株式会社製の商品名、ハイレトルト4057等のポリエステル系エラストマー等を使用することができる。
<ポリブチレンサクシネート(PBS)樹脂>
また、シーラント層12は、ポリブチレンサクシネート(PBS)樹脂により構成する場合、例えば、メルトフローレイト(MFR)が、1.0~30.0g/10分、好ましくは、3.0~20.0g/10分(190℃、2.16kg)の範囲内で、密度が、約1.20~1.30g/cmの範囲内で、融点が、80~120℃の範囲内にあるポリブチレンサクシネートを使用することができる。
上記のポリブチレンサクシネートとしては、具体的には、1.4-ブタンジオールとコハク酸とを使用し、それらを主成分とし、直接脱水重縮合させてなる脂肪族ポリエステル系樹脂からなり、軟質性の、ポリオレフィン系樹脂と類似物性を有する生分解性ポリエステルを使用することができる。
なお、他の成分としては、例えば、乳酸等を使用することができる。
シーラント層12は、加熱により隙間なくヒートシールされる観点から、その厚みは、20μm以上40μm以下であることが望ましい。シーラント層12の厚みが、20μm以上であれば、例えば、積層体10を用いて後述の包装袋1A(図2参照)を作製するときに、特に、積層体が3枚以上重なる部位(例えば、背シール部と上又は下側シール部とが重なる部位)においてヒートシール強度を維持することができる。また、シーラント層12の厚みが、40μm以下とすることで、優れた手切れ性やデッドホールド性を維持することができる。
(蒸着層)
蒸着層13は、積層体10を透過する酸素や水蒸気の透過を抑制するために設けられたバリア層である。本実施形態の蒸着層13は、上述したように、シーラント層12の紙基材層11側の面上に設けられ、金属、又は、無機酸化物により形成されている。本発明における蒸着層とは、広義の蒸着法により形成された膜を意味し、真空蒸着法のみならず、スパッタリングなどによって形成された膜も含む。
ここで、蒸着層13に適用される金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、金(Au)、クロム(Cr)等を使用することができる。特に、包装体用としては、アルミニウムの蒸着膜を備えることが好ましい。
蒸着層13に適用される無機酸化物としては、上記の金属の金属酸化物である、酸化アルミニウムや酸化チタン等の他、シリコン(Si)の酸化物であるシリカが例示できる。特に、包装体用としては、酸化アルミニウムの蒸着膜を備えることが好ましい。
蒸着層13の膜厚としては、使用する金属の種類等によって異なるが、例えば、50Å以上2000Å以下、好ましくは、100Å以上1000Å以下の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。更に具体的に説明すると、アルミニウムの蒸着膜の場合には、膜厚50Å以上600Å以下、更に、好ましくは、100Å以上450Å以下が望ましい。
蒸着層13の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
蒸着層13は、例えば、上述の金属、又は、無機酸化物をシーラント層12に対して直接、上述の真空蒸着法等を適用することよって形成することができる。
上述のように蒸着層13がシーラント層12の直上に設けられている場合、シーラント層12の表面には、必要に応じて前処理が可能であり、具体的には、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的な処理や、化学薬品などを用いて処理する酸化処理などの化学的な処理を施してもよい。蒸着層13がシーラント層12の直上に設けられている場合、蒸着層13を備えるシーラント層12として、市販品、例えば、東レフィルム加工株式会社製のVM-CPP(アルミニウム蒸着CPPフィルム)を適用することができる。このような蒸着層13が直接形成されたシーラント層12の厚みは、両層合わせて20μm以上40μm以下であることが望ましい。
なお、蒸着層13を備えるシーラント層12は、上記形態に限定されるものでなく、例えば、シーラント層12と蒸着層13との間に、両層の密着性をより強固にするアンカー層となる中間層が更に設けられるようにしてもよい。
蒸着層13を備えるシーラント層12の、JIS K 7126-2に準拠して23℃、90%RHで測定した酸素透過度は、例えば、上記の市販のアルミニウム蒸着CPPフィルムを用いた場合、5cc/m/day/atm以上、20cc/m/day/atm以下程度であり、酸素遮断性は十分でない。このため、後述するバリア性接着層との組み合わせによって、酸素バリア性を向上させる必要がある。
(バリア性接着剤層)
バリア性接着剤層14は、酸素や、水蒸気の透過を抑制するバリア性を有する接着剤により構成される層であり、紙基材層11及び蒸着層13の間に設けられ、紙基材層11と蒸着層13とを接合する。バリア性接着剤層14は、積層体を透過する酸素や、水蒸気のうち上述の蒸着層13で抑制しきれない分を更に抑制するために設けられている。具体的には、蒸着層13の表面には微細な凹凸形状が形成されており、微細レベルでは、蒸着層13の厚みは均一でなく、相対的に薄い部分のバリア性が低くなり、全体としてバリア性が非均一となるが、バリア性接着剤層14が、蒸着層13に接することにより、凹凸形状が埋められ平坦化されるため、バリア性を均一にするとともに、酸素や、水蒸気の透過の抑制効果をより高めることができる。
バリア性接着剤層14は、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(ポリオール)と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(ポリイソシアネート)と、を含む樹脂組成物の硬化物である、ウレタン結合を有するウレタン系接着剤であることが好ましい。ウレタン系接着剤は、2液硬化型であることが好ましい。上記樹脂組成物においてバリア性を付与する構成としては、上記樹脂組成物を構成する樹脂にバリア性を有する骨格を導入する方法(バリア性有機接着剤)、上記樹脂組成物にリン酸変性化合物を含有させる方法、上記樹脂組成物に板状無機化合物を含有させる方法(バリア性無機接着剤)、などが挙げられ、これらの1又は2以上を組み合わせることができる。
上記樹脂組成物を構成する樹脂にバリア性を有する骨格を導入する方法としては、樹脂(ポリオール)の主骨格がポリエステル又はポリエステルポリウレタンであって、ポリエステル構成モノマー成分としてオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物を含むものが好ましい。
樹脂は、1分子内に水酸基を2個以上有し、主骨格は、ポリエステル構造又はポリエステルポリウレタン構造を有する。主骨格構造のポリエステル部分は、多価カルボン酸と多価アルコールとを公知慣用の方法で重縮合反応させて得られたものである。
多価カルボン酸としては、脂肪族多価カルボン酸と芳香族多価カルボン酸が挙げられる。具体的な脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
具体的な芳香族多価カルボン酸としては、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p‘-ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の多塩基酸等が挙げられる。多価カルボン酸は、これらを単独で或いは2種以上を併用することができる。
本発明においては、バリア性を有する構成として、多価カルボン酸として、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物を含むことが好ましい。オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物は、ポリエステル構成モノマー成分の多価カルボン酸全成分に対して、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の含有率が70~100質量%であることが好ましい。
具体的なオルト配向芳香族ジカルボン酸としては、オルトフタル酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、及びこれらジカルボン酸の無水物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコールと芳香族多価フェノールが挙げられる。脂肪族多価アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等を例示することができる。
芳香族多価フェノールとしては、具体的には、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらの、エチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族等を例示することができる。
イソシアネート化合物(ポリイソシアネート)は、分子内にイソシアネート基を2個以上有し、芳香族または脂肪族のどちらでもよく、低分子化合物または高分子化合物のどちらでもよく、イソシアネート基が2個のジイソシアネート化合物や、3個以上のポリイソシアネート化合物等の公知の化合物が使用できる。イソシアネート化合物としては、公知のイソシアネートブロック化剤を用いて公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られたブロック化イソシアネート化合物であってもよい。
なかでも、接着性や耐レトルト性の観点から、ポリイソシアネート化合物が好まれ、酸素バリア性付与という点では、芳香族環を有するものが好ましく、特に、メタキシレン骨格を含むイソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート化合物の具体的な化合物としては、たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート或いはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3-ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4-ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタキシリレンジアミンなどの低分子活性水素化合物およびそのアルキレンオキシド付加物、各種ポリエステル樹脂類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られるアダクト体、ビュレット体、アロファネート体等が挙げられる。
(リン酸変性化合物)
樹脂組成物には、上記の樹脂の他、リン酸変性化合物を含有していてもよい。リン酸変性化合物は、無機系部材に対する接着強度を向上させる効果を有するものであり、公知慣用のものを用いることができる。
具体的には、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
(板状無機化合物)
樹脂組成物には、上記の樹脂の他、板状無機化合物を含有してもよい。板状無機化合物は、バリア性接着剤層14を介した積層体のラミネート強度と酸素バリア性を向上させる効果を有する。
板状無機化合物(M)としては、具体的には、カオリナイト-蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト-タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
バリア性接着剤層14の厚さは、0.5~8.0μmであり、好ましくは1.0~5.0μmであり、更に好ましくは2.0~4.5μmである。上記範囲よりも薄いとガスバリア性が不十分になりやすく、上記範囲よりも厚いと耐折り曲げ性に劣りやすく、折り曲げ後のガスバリア性が低下することにつながりやすい。
バリア性接着剤層14は、溶剤系の接着剤により構成されていてもよく、無溶剤系(ノンソルベント系)の接着剤により構成されていてもよい。バリア性接着剤層14に溶剤系の接着剤を用いる場合、例えば、バリア性有機接着剤であるDIC社製のPASLIM VM001/108CPを適用することができ、紙基材層11と蒸着層13を備えるシーラント層12とを、ドライラミネート法により接合することができる。バリア性接着剤層14に無溶剤系の接着剤を用いる場合、例えば、バリア性有機接着剤であるDIC社製のPASLIM NSRD011/NSRD006を適用することができ、紙基材層11と蒸着層13を備えるシーラント層12とを、ノンソルベントラミネート法により接合することができる。
また、他のバリア性有機接着剤としては、特開2003-300271号公報および特開平2010-012769号公報に開示され、非ビスフェノールA系ポリエポキシ樹脂を主剤とし、ポリアミンを硬化剤とする接着剤であって、三菱ガス化学株式会社からガスバリア性接着剤として上市されている「マクシーブ(登録商標)」を用いることもできる。
(積層体)
本実施形態の積層体10は、上述のバリア性を有するバリア性接着剤層14と、蒸着層13を備えるシーラント層12とを有していることにより、積層体10を透過する酸素や、水蒸気を大幅に抑制することができる。
酸素のバリア性をより有効に確保する観点から、積層体10は、積層体全体として、JIS K 7126-2に準拠して23℃、90%RHで測定した酸素透過度が3.0cc/m/day/atm以下であることが望ましい。
また、水蒸気のバリア性をより有効に確保する観点から、積層体10は、積層体全体として、40℃、90%RHの測定条件で、JIS K 7129 B法に準拠して測定した水蒸気透過度が、シーラント層12に未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを用いた場合、2.0g/m/day/atm以下であることが望ましく、シーラント層にポリエチレン樹脂フィルムを用いた場合、5.0g/m/day/atm以下であることが望ましい。
本実施形態の積層体10は、積層体全体として優れた手切れ性、デッドホールド性を確保する観点から、紙基材層11の1m当たりの質量(坪量)をt1とし、蒸着層13を備えるシーラント層12の1m当たりの質量(坪量)をt2としたときに、以下の式(1)の関係を満たすことが望ましい。ここで、t2は、蒸着層13がシーラント層12の直上に設けられている場合は、シーラント層12及び蒸着層13の坪量を示し、シーラント層12と蒸着層13との間にアンカー層等の中間層が存在する場合、シーラント層12、蒸着層13、中間層の合計の坪量を示すものとする。
式(1) 1.0≦t1/t2≦5.0
仮に、t1/t2が1.0未満である場合、積層体10における蒸着層13を備えるシーラント層12の紙基材層11に対する割合が大きくなり過ぎてしまい、積層体10のデッドホールド性が低下してしまうので望ましくない。また、t1/t2が5.0よりも大きい場合、積層体10における蒸着層13を備えるシーラント層12の紙基材層11に対する割合が小さくなり過ぎてしまい、積層体10の手切れ性が低下してしまうとともに、シーラント層12が薄くなり過ぎてしまい十分なヒートシール性能を得ることができなくなるので望ましくない。
なお、シーラント層12の厚みは、上述のように20μm以上であれば、十分なヒートシール性を得ることができる。
また、より優れた手切れ性、デッドホールド性を確保するために、積層体10の紙基材層11は、上述したように、坪量が30g/m以上100g/m以下であり、好ましくは35g/m以上70g/m以下であることが望ましい。
仮に、紙基材層11の坪量が、100g/mより大きい場合、紙基材層が厚くなり過ぎてしまい、積層体の手切れ性が低下してしまい望ましくない。また、紙基材層11の坪量が、30g/m未満である場合、紙基材層が薄くなり過ぎてしまい、積層体のデッドホールド性が低下してしまい望ましくない。
(積層体を用いた包装体)
図2は、本実施形態の積層体を用いた包装体を示す図である。図2(A)は、本実施形態の積層体10を用いた包装体の一例である包装袋1Aを示す図であり、図2(B)は、本実施形態の積層体10を用いた包装体の他の例である包装袋1Bを示す図である。
図3は、本実施形態の積層体を用いた包装体の他の例を示す図である。図3(A)は、本実施形態の積層体10を用いた包装体の一例である包装袋1Cを示す平面図であり、図3(B)は、図3(A)のB部断面図である。
図4は、本実施形態の積層体を用いた包装体の他の例を示す図である。図4(A)は、本実施形態の積層体10を用いた包装体の一例である包装袋1Dを示す平面図であり、図4(B)は、図4(A)のB部断面図である。
図5は、本実施形態の積層体を用いた包装体の他の例を示す図である。図5(A)は、本実施形態の積層体10を用いた包装体の一例である包装袋1Eを示す図であり、図5(B)は、図5(A)のB部断面図であり、図5(C)は、包装袋1Eの使用形態を説明する図である。
図6は、本実施形態の積層体を用いた包装体の他の例を示す図である。図6(A)は、本実施形態の積層体10を用いた包装体の一例であるボックス型の包装体1Fを示す図であり、図6(B)は、本実施形態の積層体10を用いた包装体の他の例であるボックス型の包装体1Gを示す図である。
本実施形態の積層体10は、例えば、図2(A)に示すピロー型の包装袋1Aや、図2(B)に示す平パウチ型の包装袋1Bに適用することができる。図2(A)に示すピロー型の包装袋1Aは、1枚の矩形状の積層体10の対向する一対の辺のシーラント層12同志をヒートシールして背シール部2を形成することにより筒状にし、筒状の上下の開口部をそれぞれヒートシールして上側シール部3、下側シール部4を形成することにより作製される。
また、図2(B)に示す包装袋1Bは、1枚の矩形状の積層体10をシーラント層12が対面するようにして二つ折りにし、折り線5以外の3辺をヒートシールしてシール部6を形成することにより作製される。
また、図3に示す包装袋1Cは、図2(B)に示す平パウチ型の包装袋の開封部にチャックによる開閉部を設けた包装袋である。具体的には、図3(A)に示すように、包装袋1Cの上シール部21近傍の内側に、上シール部21に沿うようにしてチャック部24が設けられている。チャック部24は、図3(B)に示すように、例えば、互いに嵌合可能な雄型部材24Aと、雌型部材24Bから構成され、包装袋1Cの表面側の積層体の内面に雄型部材24Aが、対面する裏面側の積層体の内面に雌型部材24Bが配置され、互いに嵌合することにより、チャック部24が閉状態となる。
また、上シール部21とチャック部24との間において、包装袋1Cの両端の側部シール部22、23の一部を切り欠いた開封用のノッチ部25が設けられている。このように構成することによって、包装袋1Cは、ノッチ部25により上シール部21を包装袋1Cの本体から切り離して開封した後は、チャック部24により開閉自在にすることができる。
本実施形態の積層体は、図4に示すように、スタンドパウチ型の包装袋1Dに使用することも可能である。図4に示す包装袋1Dは、矩形状の2枚の積層体10A、10Bをシーラント層12が対面するようにして重ね、上辺及び両側辺がヒートシールされている。また、下辺側には二つ折りにされた積層体10Cを、2枚の積層体10A、10Bの間にシーラント層12が対面するようにして挟み込んで、積層体10Cの外周縁と積層体10A、10Bとをヒートシールすることにより形成される。このような形態とすることにより、内容物が充填された包装袋1Dは、積層体10Cが底面となって自立可能なパウチ、いわゆるスタンディングパウチとなる。
なお、上述の図3に示す包装袋1Cと同様に、上シール部21に沿うようにしてチャック部24を設け、チャック部24と上シール部21との間における側部シール部22、23の一部にノッチ部25を設けて、包装袋の開封後に開封口を開閉可能にしてもよい。
また、本実施形態の積層体10は、図5に示すように、中間シール部31を備える包装袋1Eに適用することも可能である。包装袋1Eは、図5(A)、図5(B)に示すように、長尺状の積層体10Aを表面側と裏面側とで長さが異なるようにして二つ折りにし、短い側(表面側)の上端縁と矩形状の積層体10Bの下端縁とをヒートシールにより接合して中間シール部31としている。また、長い側(裏面側)の上端縁と矩形状の積層体10Bの上端縁とをヒートシールにより接合して上シール部32とし、接合された積層体10A、10Bの両側縁をヒートシールにより接合して側部シール部33、34とすることにより形成される。
包装袋1Eは、上シール部32と中間シール部31との間における側部シール部33、34の一部に開封用のノッチ部35が形成されており、このノッチ部35をきっかけに上シール部32を包装袋の本体から切り離すことにより、包装袋1Eを開封することができる。開封された包装袋1Eは、図5(C)に示すように、中間シール部31が上端に位置するように、包装袋1Eの中間シール部31よりも上側の部位を、下側の部位に重なるようにして折り曲げることによって、開封部を閉じることができる。包装袋1Eに用いられる積層体は、上述のように、紙基材層を有しているため、デッドホールド性に優れており、折り曲げた状態を適切に維持することができ、包装袋の内容物が開封口から漏れ出たり、外気に触れてしまったりするのを極力抑制することができる。
なお、包装袋1Eは、必要に応じて上述の包装袋1D(図4参照)のように、底部を形成する積層体を設け、自立可能なスタンディング型に形成するようにしてもよい。
本実施形態の積層体10は、図6に示すように、ボックス型の包装体1Fに適用することも可能である。図6(A)に示す包装体1Fは、5枚の積層体10から構成された箱型の包装体であり、底部を形成する積層体10Aと、前面部、背面部をそれぞれ形成する積層体10B、10Cと、側部を形成する積層体10D、10Eとから形成される。各積層体は、シーラント層12が包装体1Fの内側となるようにして、隣り合う積層体の端縁同志をヒートシールにより接合されることによって、ボックス型の包装体1Fが形成される。
また、図6(A)に示す包装体1Fは、上部と、上側の側縁が、前面部を形成する積層体10Bと、背面部を形成する積層体10Cとが、直接ヒートシールされ、上シール部41、側部シール部42、43が形成されており、底部側に比して上部側が先細るような形状に形成されている。
なお、包装体1Fには、上シール部41に沿うようにして、開閉可能なチャック部44と、包装体1Fを開封するためのノッチ部45が、チャック部44と上シール部41との間の側部シール部42、43の一部に設けられている。これにより、ノッチ部45により上シール部41を包装体1Fの本体から切り離して開封した後は、チャック部44により開閉自在にすることができる。
ボックス型の包装体1Fは、図6(A)の例に限定されるものでなく、図6(B)に示すように、直方体や、立方体等の立体形状に形成されるようにしてもよい。
本実施形態の積層体10は、従来の包装材料に比して、上述のように手切れ性や、デッドホールド性に優れているため、このような包装袋に用いることによって、包装袋の開封部分を手で切って、容易に開封することができる。また、開封した開口部を折り曲げて塞ぎ、塞いだ状態を維持することができる。
なお、包装袋の形態は、上述のピロー型や、平パウチ(3方パウチ)型等に限定されるものでなく、ガゼット型の包装袋であってもよい。
また、本実施形態の積層体10は、包装体の別な例として、容器の開口部を閉じる蓋部材として用いることも可能であり、更に、蓋部材だけでなく立体的な容器自体を積層体により形成するようにしてもよい。上述のように本実施形態の積層体10は、デッドホールド性に優れているので、容器等の立体形状を維持することができる。
なお、本発明における「包装体」とは、本発明の積層体を包装材料として用いた場合の総称であり、包装袋はもちろんのこと、容器形状をなしているものも含まれ、蓋材等の包装容器の一部を構成する部材であっても「包装体」の範囲内である。
以下、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
実施例1の積層体は、紙基材層として、コート紙55g/m(リュウオウコート 大王製紙社製)を用い、このコート紙の非コート面にグラビアインキであるサイアスHR(DICグラフィックス社製)を用いて乾燥厚さ1μmでグラビア印刷を行って、絵柄層を形成した。次いで、グラビア印刷(絵柄層)上にOP(オーバープリント)ニスとしてKS-10(DICグラフィックス社製)を乾燥厚さ1μmで塗工して表面層を形成した。
次いで、紙基材層の非印刷面(コート面)にノンソルベント系バリア性接着剤(PASLIM NSRD011/NSRD006 DIC社製)を乾燥厚さ3μmとなるように塗布してバリア性接着剤層を形成した。その後、蒸着層を備えるシーラント層となる、アルミニウム蒸着CPPフィルム25μm(東レフィルム加工株式会社製のVM-CPP 2703)の蒸着面とノンソルベントラミネート法によって貼り合せて、40℃で3日間エージングすることによって、実施例1の積層体を得た。
[実施例2]
実施例2の積層体は、紙基材層を、コート紙37g/m(塗工耐油紙 大王製紙社製)に、アルミニウム蒸着CPPフィルムの厚みを40μmに変更した以外は実施例1の積層体と同様である。
[実施例3]
実施例3の積層体は、紙基材層であるコート紙のコート層側に印刷を行って、絵柄層を形成し、非コート面にノンソルベント系バリア性接着剤(PASLIM NSRD011/NSRD006 DIC社製)を塗工した以外は実施例1の積層体と同様である。
[実施例4]
実施例4の積層体は、接着剤を溶剤系バリア性接着剤(PASLIM VM001/108CP DIC社製)を乾燥厚さ4μmとなるように塗布・乾燥したのちに、蒸着層を備えるシーラント層となるアルミニウム蒸着CPPフィルム25μm(東レフィルム加工株式会社製のVM-CPP 2703)の蒸着面とドライラミネート法によって貼り合せた以外は実施例1の積層体と同様である。
[実施例5]
実施例5の積層体は、紙基材層であるコート紙のコート層側に印刷を行って、絵柄層を形成し、非コート面に溶剤系バリア性接着剤(PASLIM VM001/108CP DIC社製)を塗工した以外は実施例4の積層体と同様である。
[実施例6]
実施例6の積層体は、紙基材層として、コート紙55g/m(リュウオウコート 大王製紙社製)を用い、このコート紙のコート面にグラビアインキであるサイアスHR(DICグラフィックス社製)を用いて乾燥厚さ1μmでグラビア印刷を行って、絵柄層を形成した。次いで、グラビア印刷(絵柄層)上にOP(オーバープリント)ニスとしてKS-10(DICグラフィックス社製)を乾燥厚さ1μmで塗工して表面層を形成した。
次いで、蒸着層を備えるシーラント層としてアルミニウム蒸着CPPフィルム25μm(東レフィルム加工株式会社製のVM-CPP 2703)の蒸着面に溶剤系バリア性接着剤(PASLIM VM001/108CP DIC社製)を乾燥厚さ4μmとなるように塗布・乾燥したのちに、コート紙の非印刷面とドライラミネート法によって貼り合せて、40℃で3日間エージングし、実施例6の積層体を得た。
[実施例7]
実施例7の積層体は、紙基材層の坪量を98g/mに変更した以外は、実施例1の積層体と同様である。
[実施例8]
実施例8の積層体は、紙基材層を、バリアコート紙(日本製紙シールドプラス)66g/mに変更した以外は実施例1の積層体と同様である。
[比較例1]
比較例1の積層体は、紙基材層を、コート紙34g/m(塗工耐油紙 大王製紙社製)に変更し、また、アルミニウム蒸着CPPフィルム(蒸着層を備えるシーラント層)の厚みを40μmに変更した以外は、実施例1の積層体と同様である。
[比較例2]
比較例2の積層体は、紙基材層の坪量を120g/mに変更した以外は実施例1の積層体と同様である。
[比較例3]
比較例3の積層体は、ノンソルベント系バリア性接着剤を、汎用のノンソルベント系エステル接着剤(A-695/A-95 三井化学社製)に変更した以外は実施例1の積層体と同様である。
[比較例4]
比較例4の積層体は、バリア接着剤を、汎用の溶剤系エステル接着剤(A-315/A-50 三井化学社製)に変更した以外は実施例4の積層体と同様である。
実施例及び比較例の各積層体の評価結果を以下の表1にまとめる。
Figure 2022145735000002
[バリア性の評価]
作成した実施例及び比較例の積層体を、JIS K 7126-2に準拠して23℃、90%RHにより酸素透過度を測定したところ、表1に示すように、バリア性接着剤ではない汎用のノンソルベント系接着剤、汎用の溶剤系接着剤を使用した比較例3及び比較例4の積層体は、他の実施例、比較例1及び比較例2の積層体に比して大幅に酸素透過量が多いことが確認された。これにより、各実施例の積層体は、バリア性接着剤層により酸素透過度が格段に向上していることが確認された。なお、酸素透過率測定装置(モコン社製、製品名「オクストラン(OXTRAN)」)を用いた。
また、実施例及び比較例の積層体を、JIS K 7129 B法に準拠して40℃、90%RHにより水蒸気透過度を測定したところ、酸素の場合と同様に、バリア性接着剤層を有さない比較例3及び比較例4の積層体は、他の実施例、比較例1及び比較例2の積層体に比して大幅に水蒸気透過量が多いことが確認された。これにより、各実施例の積層体は、バリア性接着剤層により水蒸気透過度が格段に向上していることが確認された。なお、水蒸気透過率測定装置(モコン社製、製品名「パーマトラン」)を用いた。
[手切れ性の評価]
手切れ性の評価は、作成した各実施例、各比較例の積層体を、実験者により手で適正に切れるか否かを判定する感応評価であり、表1において、予定したラインで適切に切れた場合を「◎」とし、ある程度、予定したラインに沿って切れた場合を「〇」とし、切れない又は予定しない方向に切れてしまう場合を「×」とした。
表1に示すように、比較例2の積層体は、紙基材層の坪量t1と、蒸着層を備えるシーラント層の坪量t2との比(t1/t2)が、5.33であり、紙基材層の坪量t1が、蒸着層を備えるシーラント層の坪量t2に比して大きくなり過ぎたため、手切れ性の評価が「×」になった。
これに対して、各実施例の積層体は、それぞれ手切れ性の評価が「〇」又は「◎」であり、それぞれのt1/t2が、好ましい範囲(1.00以上5.00以下)を満たすことが確認された。また、各実施例の積層体は、それぞれの紙基材層の坪量が、好ましい範囲(30g/m以上100g/m以下)を満たすことも確認された。
[デッドホールド性の評価]
デッドホールド性の評価は、作成した各実施例、各比較例の積層体を二つ折りにし、5分、静置した後、折った時の形態が維持されているか否かを実験者により判定する感応評価であり、表1においては、二つ折りにした後、静置した状態でも折った時の形態が維持されている場合を「◎」とし、静置した状態において折った形態が若干折る前の形態に戻るが、二つ折りの形態をほぼ維持できた場合を「〇」とし、折っても元に戻ってしまったり、若干折り目等が残るが、ほぼ折る前の形態に戻ってしまったりする場合を「×」とした。
表1に示すように、比較例1の積層体は、紙基材層の坪量t1と、蒸着層を備えるシーラント層の坪量t2との比(t1/t2)が、0.94であり、紙基材層の坪量t1が、蒸着層を備えるシーラント層の坪量t2に比して小さくなり過ぎたため、デッドホールド性の評価が「×」になったものと考えられる。
これに対して、各実施例の積層体は、それぞれデッドホールド性の評価が「〇」又は「◎」であり、それぞれのt1/t2が、好ましい範囲(1.00以上5.00以下)を満たすことが確認された。
1(1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G) 包装袋(包装体)
10 積層体
11 紙基材層
12 シーラント層
13 蒸着層
14 バリア性接着剤層
第1の発明は、紙基材層と、前記紙基材層の一方の面側に設けられ、金属又は無機酸化物の蒸着層を備えるシーラント層と、前記紙基材層と前記蒸着層との間に設けられ、前記紙基材層及び前記蒸着層を接合する無溶剤系のバリア性接着剤層とを備え、
JIS K 7126-2に準拠して23℃、90%RHで測定した酸素透過度が3.0cc/m/day/atm以下であり、前記紙基材層の1m当たりの質量をt1とし、前記蒸着層を備える前記シーラント層の1m2当たりの質量をt2としたときに、1.0≦t1/t2≦5.0を満たす積層体である。
第3の発明は、前記シーラント層は、厚さが20μm以上40μm以下である第1の発明又は第2の発明の積層体である。
本実施形態の積層体10は、従来の包装材料に比して、上述のように手切れ性や、デッドホールド性に優れているため、このような包装袋に用いることによって、包装袋の開封部分を手で切って、容易に開封することができる。また、開封した開口部を折り曲げて塞ぎ、塞いだ状態を維持することができる。
なお、包装袋の形態は、上述のピロー型や、平パウチ(3方パウチ)型等に限定されるものでなく、ガゼット型の包装袋であってもよい。
また、本実施形態の積層体10は、包装体の別な例として、容器の開口部を閉じる蓋部材として用いることも可能であり、更に、蓋部材だけでなく立体的な容器自体を積層体により形成するようにしてもよい。上述のように本実施形態の積層体10は、デッドホールド性に優れているので、容器等の立体形状を維持することができる。
なお、本発明における「包装体」とは、本発明の積層体を包装材料として用いた場合の総称であり、包装袋はもちろんのこと、容器形状をなしているものも含まれ、蓋材等の包装容器の一部を構成する部材であっても「包装体」の範囲内である。
<他の態様>
本発明の他の態様においては、
(1) 紙基材層と、前記紙基材層の一方の面側に設けられ、金属又は無機酸化物の蒸着層を備えるシーラント層と、前記紙基材層と前記蒸着層との間に設けられ、前記紙基材層及び前記蒸着層を接合するバリア性接着剤層とを備え、JIS K 7126-2に準拠して23℃、90%RHで測定した酸素透過度が3.0cc/m /day/atm以下であり、前記紙基材層の1m 当たりの質量をt1とし、前記蒸着層を備える前記シーラント層の1m 当たりの質量をt2としたときに、1.0≦t1/t2≦5.0を満たす積層体であってもよい。
(2) (1)において、前記紙基材層の坪量は、30g/m 以上100g/m 以下である積層体であってもよい。
(3) (1)又は(2)において、前記シーラント層は、厚さが20μm以上である積層体であってもよい。
(4) (1)から(3)のいずれかにおいて、前記シーラント層は、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムであってもよい。
(5) (4)において、前記未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムは、未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、前記未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムは、バイオマスポリエチレンを含む積層体であってもよい。
(6) (1)から(5)のいずれかにおいて、前記バリア性接着剤層は、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物と、を含む樹脂組成物の硬化物であり、前記樹脂の主骨格がポリエステル又はポリエステルポリウレタンであって、ポリエステル構成モノマー成分としてオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物を含む積層体であってもよい。
(7) (1)から(6)のいずれかの積層体を用いて形成される、包装体であってもよい。

Claims (1)

  1. 紙基材層と、
    前記紙基材層の一方の面側に設けられ、金属又は無機酸化物の蒸着層を備えるシーラント層と、
    前記紙基材層と前記蒸着層との間に設けられ、前記紙基材層及び前記蒸着層を接合するバリア性接着剤層とを備え、
    JIS K 7126-2に準拠して23℃、90%RHで測定した酸素透過度が3.0cc/m/day/atm以下であり、
    前記紙基材層の1m当たりの質量をt1とし、
    前記蒸着層を備える前記シーラント層の1m当たりの質量をt2としたときに、
    1.0≦t1/t2≦5.0を満たす
    積層体。
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