JP2015089619A - 多層フィルム及びこれを用いる包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 方向性のある易引き裂き性を有し、ヒートシール強度、低温落下衝撃性や包装機械適性に優れるとともに、内容物からの揮発成分の吸着や浸透を抑制することができる、単体またはラミネート用シーラントフィルムとして使用でき、後者の場合はさらに接着剤成分の内容物への移行を効果的に抑制する多層フィルム及びこれを用いた包装材を提供すること。【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂層(A)、密度0.92g/cm3〜0.965g/cm3のポリエチレン系樹脂を主成分とする中間層(B)、環状ポリオレフィン系樹脂(c)を70質量%以上含有する中間層(C)、ポリオレフィン系樹脂(d)を主成分とするシール層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順に積層してなる多層フィルム(I)であって、層(B)の厚み比率が30%以上、且つ層(D)の厚み比率が30%以下である多層フィルム、これを用いた包装材。【選択図】 なし

Description

本発明は、食品、薬品、工業部品、医薬品、化粧品、サニタリー用品、雑貨、雑誌等を包装する包装材に関するものであって、詳しくは単体での使用、並びに延伸基材をラミネートするシーラントフィルムとしても使用可能な、低吸着性、易開封性、ヒートシール性、耐低温落下衝撃性、包装機械適性のバランスに優れ、包装材として好適に用いることができる多層フィルムに関する。
従来、包装材には内容物の保護の観点から、高ヒートシール強度、耐ピンホール性が要求される。また包装機械による自動包装の観点からは、熱源であるシールバーに接する層と熱融着によりシールされる、内面のシール層の融点との差は大きいほうが好ましく、更に腰のある高剛性フィルムは包装機にも簡単にセットし易い等の理由から、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、2軸延伸ポリエステル(OPET)、2軸延伸ポリアミド(OPA)等の延伸基材フィルムと、シール性に優れる無延伸ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム等を接着剤で貼り合せたラミネートフィルムが多く使用されてきた。
しかし、近年の環境への配慮から、包装資材の削減・減量化、それによるコストダウンは、包装材メーカとしては解決すべき課題であると共に、エンドユーザーからの関心も高くなっている。即ち、要求性能さえクリアーできれば、ラミネート無し、すなわち単体で使用可能な包装形態・設計が望まれている。更には、単体としての使用も、ラミネート用シーラントフィルムとしての使用も可能なフィルムであれば、包装形態の変更に伴う材料変更の手間がかからない上、変更によって無駄となる廃棄物削減にも効果を発揮することができる。
一方、近年のユニバーサルデザイン化傾向の中で、社会的弱者(高齢者、幼児、障害者等)に対しての配慮のため、易開封性、易引き裂き性が重要視されつつある。しかしながら、易開封性、易引き裂き性を向上しようとすると、包装材本来の機能であるヒートシール強度、落下衝撃性等が低下する問題があった。
上記の問題を解決するものとして、環状オレフィン系樹脂を主成分とした環状オレフィン系樹脂組成物から形成された第1の層と、オレフィン系(共)重合体またはそれを含む組成物から形成された第2の層との少なくとも2層が積層されてなるポリオレフィン系多層積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記特許文献1で提供される積層体は柔軟性に乏しい環状オレフィン系樹脂を主成分とするため、屈曲に対する耐ピンホール性に問題があった。又実施例において製造されている多層積層体の厚さは100μm以上であり、手で引き裂くことができても直線カット性はなく、思わぬ方向に引き裂かれるため、内容物が飛び出して破損したり、内容物が手や衣服等にかかり汚れたりする等の問題があった。
また、脂環式構造含有重合体からなる層の両面にその他の熱可塑性樹脂からなる層を積層した包装フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この包装フィルムは、20〜40μmと薄いため引き裂き性は良好であるが、環状オレフィン系樹脂を100%使用しているため上記のポリオレフィン系多層積層体と同様に柔軟性に乏しく、低温衝撃性や耐ピンホール性に問題があった。
これらの問題点を解決する方法として、本発明者は既に低密度ポリエチレンと環状オレフィン系樹脂とを併用してなる樹脂層の両面に、低密度ポリエチレンを主成分とする樹脂層を積層することで、柔軟性に優れ、耐ピンホール性・直線カット性が良好な多層フィルムを提供した(例えば、特許文献3〜5参照)。しかしながら、これらの多層フィルムを単体で使用する際には、剛性が不足したり、ヒートシール層と表面層が同一系の樹脂からなることからシール強度を充分に上げようとすると表面にもシワや収縮が起きたりすることがあり、実質的にはラミネートフィルムとして使用されるものである。更に、このカット性は方向性を有さないことから、思わぬ方向にもカット性が発現されるため、特に袋の上部を横に引き裂き開封した後、その後も引き続き内容物を保存する等の使用形態においては不向きになることがあった。
特開平08−72210号公報 特開2000−334890号公報 特開2007−055234号公報 特開2007−076300号公報 特開2007−245612号公報
本発明の課題は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、方向性のある易引き裂き性を有し、十分なヒートシール強度、低温落下衝撃性や包装機械適性のバランスに優れるとともに、内容物からの揮発成分の吸着や浸透を抑制することができる、単体としての使用も可能な多層フィルムであって、且つ、ラミネート用シーラントフィルムとして使用する場合には、上記性能に加え、接着剤成分の内容物への移行を効果的に抑制することもできる多層フィルム及び該フィルムを用いてなる包装材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂層、特定密度範囲のポリエチレン系樹脂層、環状ポリオレフィン系樹脂層、ヒートシール層の順に積層してなる多層構成を有する多層フィルムであって、各樹脂層の厚みを制御することによって、重量物の包装にもある程度耐えられるヒートシール強度を有し、低温落下衝撃性、横方向での直線カット性を備えた易引き裂き性、耐カール性に優れると共に、包装機械適性、低吸着性、低移行性等の性能も有し、単体での使用も、ラミネート用シーラントフィルムとしての使用も可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂(a)を主成分とする樹脂層(A)、密度0.92g/cm〜0.965g/cmのポリエチレン系樹脂(b)を主成分とする中間層(B)、環状ポリオレフィン系樹脂(c)を樹脂成分として70質量%以上含有する中間層(C)、環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂(d)を主成分とするシール層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順に積層してなる多層構成を有する多層フィルム(I)であって、樹脂層(B)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が30%以上であり、且つシール層(D)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が30%以下であることを特徴とする多層フィルム及び該フィルムを用いてなる包装材を提供するものである。
本発明の多層フィルムは、横方向に高い直線カット性及び易引き裂き性を有するため、余分な力を掛けることなく、社会的弱者にも簡単に裂ける方向性のある易開封性を有する。また、シール可能な温度幅が広くかつシール部の収縮やシワが入りくいなど優れた包装機械適性、低温落下衝撃性、重量物の包装にも耐えられるヒートシール強度や適度な剛性、耐カール性を有し、単体として使用しても、ラミネート用シーラントフィルムとしても使用可能であって、包装材として多用途へ使用することが可能である。
本発明の多層フィルムの樹脂層(A)で用いる、環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂(a)としては、安価及び工業的入手容易性の観点より、ポリプロピレン系樹脂(a1)又はポリエチレン系樹脂(a2)を用いることが好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂(a1)としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、たとえばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。望ましくはプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体であり、特にメタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィンランダム重合体が好ましい。これらのポリプロピレン系樹脂を樹脂層(A)として用いた場合には、フィルムの耐熱性が向上する。更に、単体で使用する場合には、この樹脂層(A)が表面層となることから、光沢を有した包装材とすることができる。
また、これらのポリプロピレン系樹脂は、MFR(230℃)が0.5〜30.0g/10分で、融点が110〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、MFR(230℃)が2.0〜15.0g/10分で、融点が115〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、フィルムの成膜性が向上する。
前記その他のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1等が挙げられ、これらの2種以上を同時に共重合したものであっても良い。共重合形式としてはランダム共重合、ブロック共重合のいずれもでも使用できる。
これらの中でも、エチレンとの共重合体であることが好ましい。また、共重合体におけるその他のα−オレフィンの含有率としては、2.0〜23モル%が好ましく、より好ましくは2.5〜15モル%である。
ポリエチレン系樹脂(a2)としては、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、線状高密度ポリエチレン(LHDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−ブテンーゴム共重合体(EBR)、エチレン−プロピレンーゴム共重合体(EPR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられ、単独でも、2種類以上を混合して使用して良い。これらの中でも易引き裂き性、耐熱性、落下衝撃性等とのバランスが良好なことからLDPE、LMDPE、LHDPE、LLDPE、MDPE、HDPEを用いることが好ましい。
LDPEとしては高圧ラジカル重合法で得られる分岐状低密度ポリエチレンであれば良く、好ましくは高圧ラジカル重合法によりエチレンを単独重合した分岐状低密度ポリエチレンである。
LLDPEとしては、シングルサイト触媒を用いた低圧ラジカル重合法により、エチレン単量体を主成分として、これにコモノマーとしてブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン等のα−オレフィンを共重合したものである。LLDPE中のコモノマー含有率としては、0.5〜10モル%の範囲であることが好ましく、1〜7モル%の範囲であることがより好ましい。なお、コモノマーとしてブテン−1を用いた場合、透明性、耐衝撃性、易引き裂き性等が向上するので好ましく、このとき該ブテン単量体の含有率は、1〜5モル%の範囲であることが最も好ましい。
前記シングルサイト触媒としては、周期律表第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せ等のメタロセン触媒系などの種々のシングルサイト触媒が挙げられる。また、シングルサイト触媒は活性点が均一であるため、活性点が不均一なマルチサイト触媒と比較して、得られる樹脂の分子量分布がシャープになるため、フィルムに成膜した際に低分子量成分の析出が少なく、層間接着性や耐ブロッキング適性に優れた物性の樹脂が得られるので好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂(a2)の密度としては、0.920〜0.965g/cmの範囲であることが好ましく、特に0.925〜0.960g/cmの範囲であることがより好ましい。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。また、融点は100〜140℃の範囲であることが好ましく、110〜135℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、加工安定性、耐熱性が向上する。また、前記ポリエチレン系樹脂(a1)のMFR(190℃、21.18N)は2〜20g/10分であることが好ましく、3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、フィルムの押出成形性が向上する。
樹脂層(A)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が高すぎると、易引き裂き性が低下し、目的とする横裂け性が発現しないことがある。一方、この比率が低すぎると、フィルムの剛性や耐熱性が低下し、単体で使用する場合、包装機械の熱シ-ルバーに樹脂が付着する現象が発生し、包装機械適性が低下し、作業性が悪化することがある。これらの観点から、樹脂層(A)の多層フィルム(I)に対する厚み比率としては、10〜40%の範囲であることが好ましく、特に10〜30%の範囲であることが好ましい。
樹脂層(A)に用いるポリオレフィン樹脂(a)としては前述のポリプロピレン系樹脂(a1)および/又はポリエチレン系樹脂(a2)を主成分とすることが好ましいものであり、本発明の効果を損なわない範囲で共押出可能なその他の樹脂を併用しても良い。なお、「主成分とする」とは具体的には樹脂層(A)に用いる樹脂成分のうちの70質量%以上がポリオレフィン系樹脂(a)であることをいうものであり、90質量%以上がポリオレフィン系樹脂(a)であることが好ましい。
本発明の多層フィルム(I)の中間層(B)で用いるポリエチレン系樹脂(b)としては、密度が0.92〜0.965g/cmのポリエチレン系樹脂であればよく、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、線状高密度ポリエチレン(LHDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−ブテンーゴム共重合体(EBR)、エチレン−プロピレンーゴム共重合体(EPR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられ、単独でも、2種類以上を混合して使用して良い。これらの中でも易引き裂き性、耐熱性、落下衝撃性等とのバランスが良好なことからLDPE、LMDPE、LHDPE、LLDPE、MDPE、HDPE、EBRを用いることが好ましい。
前述のようにポリエチレン系樹脂(b1)の密度は0.92〜0.965g/cmであるが、0.920〜0.960g/cmの範囲であることがより好ましい。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。また、融点は100〜135℃の範囲であることが好ましく、110〜130℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、加工安定性が向上する。また、前記ポリエチレン系樹脂(b)のMFR(190℃、21.18N)は2〜20g/10分であることが好ましく、3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、フィルムの押出成形性が向上する。
このようなポリエチレン系樹脂(b)は剛性が高く、機械強度が弱いため、他のポリオレフィン系樹脂と比べて比較的もろく引き裂き性が良好になる上、後述する環状オレフィン系樹脂(c)と積層した際の透明性を維持することができる。また接着性樹脂等を使用することなく、樹脂層(A)と中間層(B)と中間層(C)との層間接着強度も保持でき、柔軟性も有しているため、耐ピンホール性も良好となる。さらに、耐ピンホール性を向上させる場合はLMDPEを用いることが好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂(b)を主成分とする中間層(B)の多層フィルム(I)に対する厚み比率としては、方向性のある易開封性と、その他の性能バランス、特に耐低温衝撃性の観点より、30%以上であることを必須とするものであり、特に40〜65%の範囲であることが好ましい。
本発明の多層フィルム(I)の中間層(C)で用いる環状ポリオレフィン系樹脂(c)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」という。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のオレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」という。)等が挙げられる。さらに、COP及びCOCの水素添加物は、特に好ましい。また、環状ポリオレフィン系樹脂(c)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
前記ノルボルネン系重合体と原料となるノルボルネン系単量体は、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体である。このようなノルボルネン系単量体としては、例えば、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデテトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、ジメタノテトラヒドロフルオレン、フェニルノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、メトキシカルボニルテトラシクロドデセン等が挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
前記ノルボルネン系共重合体(COC)は、前記ノルボルネン系単量体と共重合可能なオレフィンとを共重合したものであり、このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素原子数2〜20個を有するオレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、それぞれ単独でも、2種類以上を併用することもできる。
また、前記ノルボルネン系共重合体(COC)中のノルボルネン系単量体の含有比率は、40〜90モル%が好ましく、より好ましくは50〜80モル%である。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引き裂き性、加工安定性が向上する。
前記環状ポリオレフィン系樹脂(c)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、チコナ(TICONA)社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。
本発明の多層フィルム(I)の中間層(C)は、前述の環状ポリオレフィン系樹脂(c)を樹脂成分として70質量%以上含有するものである。70質量%未満になると横裂け性能が低下すると共に縦裂き性能も発現し、横に引き裂こうとした際、力加減で縦方向にも引き裂けが生じ、直線カット性にはならず、斜め方向になる場合がある。環状ポリオレフィン系樹脂(c)と混合する樹脂としては、相溶性や汎用性の面から前述のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
前記環状ポリオレフィン系樹脂(c)としては、その60質量%以上は、押出適性・コスト・易裂け性の観点からガラス転移点が100℃以下のノルボルネン系共重合体であることが好ましい。
また、中間層(C)の多層フィルム(I)に対する厚み比率としては、コスト面と成膜性やフィルムのカール性の観点より、30%以下であることが好ましく、後述する共押出積層法による成膜が良好であることより、5%以上であることが好ましい。このような比較的薄い中間層(C)であっても、環状ポリオレフィン系樹脂が本来有する揮発成分の低吸着性、耐浸透性を、多層フィルムの性能として発現させることが可能である。
本発明の多層フィルム(I)におけるシール層(D)は、環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂(d)であり、前記樹脂層(A)、中間層(B)、中間層(C)と積層できるものであれば特に限定されるものではないが、前述のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。シール層(D)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が30%を超えると、横裂け性能が低下する傾向がある。一方、この比率が低すぎると、シール強度が極度に低下する現象が発生する。そのため、厚み比率としては、30%以下であることが必須であり、好ましくは10〜25%の範囲である。
層(D)はシール層であることから、強度や密封性、包装機械適性の観点から、密度が0.89〜0.93g/cmのポリエチレン系樹脂あるいはメタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体であるポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。
また、特に単体で包装機械を使用して包装する場合には、多層フィルム(I)の表面層に相当する樹脂層(A)と、シール層(D)とで、融点に差がある樹脂を用いることが、シールバーの温度を高くすることができ、シール強度を向上できる観点より好ましく、具体的には、樹脂層(A)で用いるポリオレフィン系樹脂(a)の融点が、シール層(D)で用いるポリオレフィン系樹脂(d)の融点より10℃以上高いものを用いることが好ましい。
本発明の多層フィルム(I)の層構造は、前記層(A)、(B)、(C)及び(D)を、(A)/(B)/(C)/(D)の順で積層したものであって、層(B)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が30%以上であり、且つシール層(D)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が30%以下である。多層フィルムの全厚に対する樹脂層(B)、(D)の厚さの比率がこの範囲であれば、透明性、方向性のある易引き裂き性、低温落下衝撃、ヒートシール性等がバランスよく発現し得る。
さらに、本発明の多層フィルム(I)は、フィルムの厚さが20〜60μmのものが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。フィルムの厚さがこの範囲であれば、安定したシール強度、包装機械適性、優れた耐ピンホール性能、易引き裂き性能等が得られる。
前記の各樹脂層(A)、(B)、(C)又は(D)には、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、樹脂層(A)及び(D)の摩擦係数は1.5以下、中でも1.0以下であることが好ましいので、樹脂層(A)及び(D)には、滑剤やアンチブロッキング剤を適宜添加することが好ましい。
本発明の多層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂層(A)、中間層(B)、中間層(C)、シール層(D)に用いる各樹脂又は樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)/(C)/(D)の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明の中間層(B)で用いるポリエチレン系樹脂は、その他の層で使用する高密度ポリエチレンや、環状ポリオレフィン系樹脂との軟化点(融点)の差が大きいため、相分離やゲルを生じることがある。このような相分離やゲルの発生を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
本発明の多層フィルム(I)は、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形も可能となる。
さらに、印刷インキとの接着性や、ラミネート用シーラントフィルムとして使用する場合のラミネート適性を向上させるため、前記樹脂層(A)に表面処理を施すことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明の多層フィルムからなる包装材としては、食品、薬品、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。
前記包装袋は、本発明の多層フィルム(I)のシール層(D)をヒートシール層として、シール層(D)同士を重ねてヒートシール、あるいは樹脂層(A)とシール層(D)とを重ね合わせてヒートシールすることにより形成した包装袋であることが好ましい。例えば当該多層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填しヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらには自動包装機によりロール状のフィルムを円筒形に端部をシールした後、上下をシールすることにより包装袋を形成することも可能である
また、シール層(D)とヒートシール可能な別のフィルムを重ねてヒートシールすることにより包装袋・容器を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA等のフィルムを用いることができる。また、LDPE、EVA等のフィルムと、比較的引き裂き性の良い延伸フィルム、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等とを貼り合わせたラミネートフィルムも用いることができる。
本発明の多層フィルムは、他の基材と貼りあわせても使用できる。この時使用することができる他の基材としては、特に限定されるものではないが、本発明の効果を容易に発現させる観点から、高剛性、高光沢を有するプラスチック基材、特には二軸延伸された樹脂フィルムを用いることが好ましい。また透明性を必要としない用途の場合はアルミ箔を単独あるいは組み合わせて使用することもできる。
延伸された樹脂フィルムとしては、易引裂き性等の観点から、例えば、二軸延伸ポリエステル(PET)、易裂け性二軸延伸ポリエステル(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を中心層とした共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートした共押出二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、単独あるいは複合化して使用しても良い。
上記の製造方法によって得られた多層フィルムに前記基材を積層し、ラミネートフィルムとする場合の積層方法としては、例えば、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーション等の方法が挙げられる。
前記ドライラミネーションで用いる接着剤としては、例えば、ポリエーテル−ポリウレタン系接着剤、ポリエステル−ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。また各種の粘着剤を使用することもできるが、感圧性粘着剤を用いることが好ましい。感圧性粘着剤としては、例えば、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、これらの混合物をベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンのような有機溶剤に溶解したゴム系粘着剤、或いは、これらゴム系粘着剤にアビエチレン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体などの粘着付与剤を配合したもの、或いは、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸n−ブチル共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体などのガラス転移点が−20℃以下のアクリル系共重合体を有機溶剤で溶解したアクリル系粘着剤などを挙げることができる。
特に、ラミネート用の接着剤は、ポリオール/イソシアネートによる硬化が一般的であり、レトルト用途等の高機能用途には多く利用されている。また従来、貼り合わせはアルミ箔とシーラントフィルムの組み合わせが一般的であった。ところが、透明蒸着技術の登場によりバリア性と透明性を兼備した各種の透明蒸着フィルムが市販されるようになっており、加えて内容物の視認性向上の要求から、透明蒸着フィルムとシーラントフィルムの貼り合わせが多くなっている。
そのために、これらシーラントフィルムと蒸着フィルムとの密着性を付与するために、接着剤にはエポキシシランやアミノシランシラン等のシランカップリング剤を添加することが一般的となっている。
しかしながら、密着性を保持するためにエポキシシランを増量すれば、エポキシシランの食品への溶出は増大する。さらに、同じ接着剤を蒸着のないフィルムのラミネートに使用するとシランカップリング剤の溶出は蒸着構成の場合より多くなり、構成により接着剤を交換する必要性が出てくる。
ラミネート用接着剤に用いられるポリオールとしては、例えば、後述するポリオールそのもの、或いはポリオールと後述するポリカルボン酸類とを反応させて得られるポリエステルポリオール、或いは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の活性水素原子を2個有する化合物類を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマー類を付加重合したポリエーテル類等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等のグリコール類、プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の活性水素原子を2個有する化合物類を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマー類を付加重合したポリエーテル類等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、イソシアネート基を分子内に少なくとも2つ有する有機化合物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート;これらのポリイソシアネートのアダクト体、これらのポリイソシアネートのビュレット体、または、これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体などのポリイソシアネートの誘導体(変性物)などが挙げられる。
また、前記イソシアネートと前記ポリオールとをイソシアネート基が過剰となる混合比で反応したものを用いてもよい。
接着剤において、前記ポリオールの水酸基当量と前記ポリイソシアネートのイソシアネート当量との当量比ポリオール/イソシアネートが0.5〜5.0であることが好ましい。
前記エポキシシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン系シランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
<欧州の規制について>
スイスでは、Swiss Ordinance SR817.023.21として、食品に接触しないインキやコーティング剤に関する溶出規制を法制化しており、現状では世界で唯一の食品非接触材料のポジティブリスト(PL)となっている。本PLでは、物質の毒性データが既知であるか、未知であるかで区分され、各々Specific Migration Limit(SML)が設けられている。
エポキシシランは毒性データが未知であり、SMLは10μg/kg−food未満とされている。本発明の多層フィルム(I)は、後述するようにエポキシシラン溶出量の測定を行ったところ、この規制を満たすことが確認できており、食品包装材、医薬品用包装材としての適用も可能である。
本発明の多層フィルムを用いた包装材には、初期の引き裂き強度を弱め、開封性を向上するため、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成することが好ましい。
本発明の多層フィルムは、方向性のある易引き裂き性を有することから、包装形態としては、包装体の上部をテープや金具や樹脂製のクロージャー等で結束した巾着用包装やフィルムの流れ方向と垂直な方向(TD)に再封機能を有したチャック、ジッパー等の線ファスナーを付着した再封性包装に好適である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。
実施例1
樹脂層(A)用樹脂として、ホモポリプロピレン〔密度:0.900g/cm、融点、162℃、MFR:7g/10分(230℃、21.18N)、;以下、「PP(1)」という。)を用いた。中間層(B)用樹脂として、直鎖状中密度ポリエチレン〔密度:0.930g/cm、融点125℃、MFR:5g/10分(190℃、21.18N);以下、「LMDPE」という。〕を用いた。中間層(C)用樹脂として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体〔三井化学株式会社製「アペル APL8008T」、MFR:15g/10分(260℃、21.18N)、ガラス転移点:70℃;以下、「COC(1)」という。〕を用いた。シール層(D)用樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.915g/cm、融点110℃、MFR:5g/10分(190℃、21.18N);以下、「LLDPE」という。〕を用いた。これらの樹脂をそれぞれ、樹脂層(A)用押出機(口径50mm)、中間層(B)用押出機(口径50mm)、中間層(C)用押出機(口径40mm)、シール層(D)用押出機(口径40mm)に供給して200〜250℃で溶融し、その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が(A)/(B)/(C)/(D)の4層構成で、各層の厚さが9μm/15μm/3μm/3μm(合計30μm)である多層フィルム(1)を得た後、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側にウレタン系接着剤を3.5g/mになるよう塗工後、二軸延伸ポリエステル(厚さ12μm)(融点260℃、東洋紡製)をドライラミネートし、ラミネートフィルム(1)を得た。
実施例2
樹脂層(A)用樹脂としてPP(1)50質量部とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体〔密度:0.900g/cm、融点 135℃、MFR:7g/10分(230℃、21.18N)、;以下、「PP(2)」という。)50質量部との樹脂混合物を用いた。中間層(C)用樹脂としてはCOC(1)60質量部とノルボルネン系モノマーの開環重合体〔〔三井化学株式会社製「アペル APL6015T」、MFR:10g/10分(260℃、21.18N)、ガラス転移温度:145℃;以下、「COC(2)」という。〕40質量部との樹脂混合物を用いた。中間層(B)、シール層(D)は、実施例1と同様にしてフィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=3μm/18μm/3μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして多層フィルム(2)を作製し、表面層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルム(2)を得た。
実施例3
樹脂層(A)用樹脂として、PP(1)80質量部と、直鎖状中密度ポリエチレン〔密度:0.93g/cm、融点125℃、MFR:5g/10分(190℃、21.18N);以下、「LMDPE」という。〕20質量部との樹脂混合物を用いた。中間層(B)用樹脂としては、LMDPE95質量部とCOC(1)5質量部との樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=7μm/29μm/4μm/10μm(合計50μm)となるように実施例1と同様にして多層フィルム(3)を作製し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルム(3)を得た。
実施例4
樹脂層(A)用樹脂としてPP(1)、中間層(B)用樹脂としてLMDPE50質量部と高密度ポリエチレン〔密度:0.966g/cm、融点128℃、MFR:10g/10分(190℃、21.18N);以下、「HDPE」という。〕50質量部との樹脂混合物を用いた。中間層(C)用樹脂としてCOC(1)85質量部とLMDPE15質量部との樹脂混合物を用いた。シール層(D)として、LLDPE70質量部とメタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体〔密度:0.900g/cm、融点130℃、MFR:4g/10分(230℃、21.18N)、;以下、「MRCP」という。)30質量部を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=6μm/15μm/3μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして多層フィルム(4)を作製し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルム(4)を得た。
実施例5
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE70質量部と高密度ポリエチレン(HDPE)30質量部との樹脂混合物を用いた。また中間層(B)用樹脂として、LMDPEを用いた。中間層(C)用樹脂としてCOC(1)を用いた。シール層(D)用樹脂として、MRCP85質量部と、エチレンブテンラバー〔密度:0.890g/cm、融点66℃、MFR:3g/10分(190℃、21.18N);以下、「EBR」という。〕15質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=6μm/16μm/5μm/3μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして多層フィルム(5)を作製し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルム(5)を得た。
実施例6
樹脂層(A)用樹脂として、直鎖状高密度ポリエチレン〔密度:0.947g/cm、融点 130 ℃、MFR:6g/10分(190℃、21.18N);以下、「LHDPE」という。〕80質量部と高密度ポリエチレン(HDPE)20質量部との樹脂混合物を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、LMDPE80質量部とCOC(1)10質量部とHDPE10質量部との樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=9μm/15μm/3μm/5μm(合計32μm)となるように実施例1と同様にして多層フィルム(6)を作製し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルム(6)を得た。
比較例1
樹脂層(A)用樹脂としてPP(1)、中間層(B)用樹脂として、LMDPEを用いた。中間層(C)用樹脂として、COC(1)を用いた。シール層(D)用樹脂として、LLDPEを用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=20μm/4μm/3μm/3μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして多層フィルムを作製し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
比較例2
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPEを用いた。中間層(B)用樹脂として、超低密度ポリエチレン〔密度:0.880g/cm、融点85℃、MFR:5g/10分(190℃、21.18N)、;以下、「VLLDPE」という。〕を用いた。中間層(C)用樹脂としてCOC(1)50質量部とLMDPE50質量部との樹脂混合物を用いた。シール層(D)用樹脂として超低密度ポリエチレン(VLLDPE)を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=6μm/16μm/6μm/2μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして多層フィルムを作製し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
比較例3
樹脂層(A)用樹脂としてPP(1)を用いた。中間層(B)、(C)用樹脂としてLMDPEを用いた。シール層(D)用樹脂としてVLLDPEを用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=10μm/30μm/3μm/7μm(合計50μm)となるように、実施例1と同様にして多層フィルムを作成し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
比較例4
樹脂層(A)用樹脂としてLMDPE50質量部とVLLDPE50質量部との樹脂混合物を用いた。中間層(B)用樹脂としてPP(1)を用いた。中間層(C)用樹脂としてCOC(1)を用いた。シール層(D)用樹脂としてVLLDPEを用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=6μm/29μm/5μm/10μm(合計50μm)となるように、実施例1と同様にして多層フィルムを作成し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
比較例5
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPEを用いた。中間層(B)用樹脂としてVLLDPEを用いた。中間層(C)用樹脂としてノルボルネン系モノマーの開環重合体〔三井化学株式会社製「アペル APL6015T」、MFR:10g/10分(260℃、21.18N)、ガラス転移点:145℃;以下、「COC(2)」という。〕を用いた。シール層(D)用樹脂としてPP(1)を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=10μm/5μm/3μm/12μm(合計30μm)となるように、実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作成し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
比較例6
樹脂層(A)用樹脂として、PP(1)を用いた。中間層(B)用樹脂としてLMLDPEを用いた。中間層(C)用樹脂としてCOC(1)を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=12μm/3μm/10μm/5μm(合計30μm)となるように、実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作成し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dynexxxx/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
比較例7
樹脂層(A)用樹脂として、PP(1)を用いた。中間層(B)用樹脂としてLMLDPEを用いた。中間層(C)用樹脂としてCOC(1)60質量部とLMDPE40質量部との樹脂混合物を用いた。シール層(D)用樹脂としてLLDPEを用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)/(D)=7μm/14μm/2μm/7μm(合計30μm)となるように、実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作成し、樹脂層(A)表面にコロナ処理を施した。濡れ試薬による表面張力は40dyne/cmであった。処理面側に実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルをドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
手切れ性試験
得られたラミネート前の多層フィルムを、JIS K7128に準拠して、それぞれ63mm×76mmの大きさの試験片に切り出し、エルメンドルフ引裂試験機(テスター産業株式会社製)を用いて、引裂強さを測定した。得られた引裂強さから、下記の基準によって手切れ性を評価した。更に実際手で引き裂いた際、カット面の状況を観察した。
○:引裂強さが410未満またはカット面が、直線で引き裂かれている。
×:引裂強さが410以上またはカット面が、ゆがみ直線的に引き裂かれていない。
耐カール性
得られたラミネート前の多層フィルムを、縦横10cm四方に切り出し、40℃湿度90%下に24時間保存した。平面にフィルムを広げ両端面が捲り上がった高さを測定し下記の基準によって評価した。
○:高さ3cm未満
△:高さ3cm以上
×:フィルム両端が重なり完全に丸まってしまう
包装機械適性
得られたラミネート前の多層フィルムを自動包装機にて、下記縦ピロー包装を行い、製袋した。
包装機:合理化技研株式会社 ユニパッカーNUV472
縦(封筒貼り)シール:速度30袋/分、横ヒートシール温度150℃、エアーゲージ圧4kg/cm、縦ヒートシール温度130℃から160℃まで10℃刻みで変更しながらシール層(D)と樹脂層(A)とを重ね合わせながらシールした。縦200mm×横150mmの平袋とした。
横(合掌貼り)シール:速度30袋/分、縦ヒートシール温度150℃、エアーゲージ圧4kg/cm、横ヒートシール温度120℃から150℃まで10℃刻みで変更しながらシール層(D)同士をシールした。縦200mm×横150mmの平袋とした。
収縮・シワ試験
横(合掌貼り)シール、縦(封筒貼り)シールを行なった平袋のシール部の外観観察により収縮およびヒートシールバーにフィルムが融着しシワ等の入り具合により評価した。尚、120℃の結果は横シールのみ、160℃の結果は縦シールのみであるが、130、140、150℃の結果は両者の結果を示している。
○:シール部の収縮およびシワ等なし
△:シール部の収縮およびシワ等若干あり
×:シール部の収縮およびシワ等あり
横シール(合掌貼り)
横(合掌貼り)シールで製袋したフィルムを23℃で自然冷却後、15mm幅の短冊状に試験片を切り出した。この試験片を23℃、50%RHの恒温室において引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー製)を用いて、300mm/分の速度で180°剥離を行い、ヒートシール強度を測定した。得られたヒートシール強度の値から、下記の基準によってヒートシール性を評価した。
○:ヒートシール強度が300g/15mm幅以上。
×:ヒートシール強度が300g/15mm幅未満。
低温落下衝撃試験
上記包装機で、最適条件で縦300mm×横200mmのサイズになるよう、うどん400gを充填しながら包装し、実包品を作成した。一昼夜0℃で保存した包装うどんを1.5mの高さから、鉄板上に落下させ、破袋する回数を数え、低温時の落下衝撃テストを実施した。
○:破袋するまでの落下回数が10回以上
×:破袋するまでの落下回数が10回未満
光沢度試験
JIS−K7105の方法に準拠し、樹脂層A側の表面光沢をUGV−5D(スガ試験株式会社)にて測定した。得られた数値から、下記の基準によって表面光沢として評価した。
○:数値110以上
×:数値110未満
シール強度試験(ラミネート後)
各ラミネートフィルムを縦100mm×横100mmの三方シールパウチを作成後、質量を測定後、サリチル酸メチルを2g入れ、開口部をヒートシールにより密閉した。密閉容器中に45℃恒温条件で2週間放置後、シール強度を測定し強度低下率を求めた。
○:5%未満
×:5%以上
ラミネート強度
上記吸着試験で使用したラミネートフィルムの前後のラミネート強度を測定し、強度の低下率を求めた。
○:10%未満
×:10%以上
外観(ラミネート後)
各ラミネートフィルムを縦100mm×横100mmの三方シールパウチを作成後、0.5%リモネン液(100%エタノール希釈)を10ml入れ、開口部をヒートシールにより密閉した。密閉容器中に25℃恒温条件で2週間放置後、接着剤部のラミネートの浮きやデラミネーションによる外観変化を観察した。
○:外観変化無し
×:ラミネーションの浮き等の外観変化あり
吸着性試験
各ラミネートフィルムを縦100mm×横100mmの三方シールパウチを作成後、質量を測定後、サリチル酸メチル(吸着試験1)及び二酸化塩素〔クレペリンゲル:大幸薬品〕(吸着試験2)を2g入れ、開口部をヒートシールにより密閉した。密閉容器中に25℃恒温条件で2週間放置後、開封し内容物を除去しパウチの質量を測定し、変化率から吸着率を求めた。
○:数値5%未満
×:数値5%以上
接着剤成分(エポキシシラン)の溶出試験(EN13130準拠)
アルミ箔12μmと多層フィルムとを、エポキシシランを含有した特定の接着剤(下記調製例参照)でラミネートする。接着剤塗布量2.2g/m2、40℃×24時間エージング。内容物との接触面積が200cm2になるようパウチを作成し、食品擬似溶媒として95%エタノール100mlを充填、密封した。作成したパウチを60℃で5日間保管後、内容物のエタノールを濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC−MS)でシラン化合物を定量する。
GC−MS:島津製作所製 GC2100A
カラム:ポリジメチルシロキサン系
○:エポキシシラン 溶出量 3μg/kg−food未満
×:エポキシシラン 溶出量 3μg/kg−food以上
<接着剤>
調整例1〔主剤調製例〕
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール10.0部、ネオペンチルグリコール21.1部、1,6−ヘキサンジオール10.0部、ツノダイム216を8.0部、イソフタル酸21.5部、テレフタル酸21.5部、アジピン酸23.4部及びチタン触媒0.006部を仕込み、精留管上部温度が100℃を越えないように徐々に加熱して内温を240℃に保持した。酸価2mgKOH/g以下になるまでさらに反応を続けた。10mmHg以下に減圧し、1.5時間保持してエステル化反応を終了し、水酸基価28の中間体ポリエステルポリオールを得た。得られた中間体ポリエステルポリオールの100部に対し、イソホロンジイソシアネートを8.9部加え120℃に加熱してNCO%が3.1になるまでウレタン化の反応を行ってポリエステルウレタンポリイソシアネートを得た。これを酢酸エチル111.9部で希釈した後に40℃まで温度を下げて、50℃で約1時間保持し、不揮発分60%のポリウレタンポリエステルポリオール樹脂溶液Uを得た。
調整例2〔添加剤〕
エポキシシランは3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)、アミノシランは3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−903)、燐酸は和光純薬工業社製85%リン酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA)は和光純薬工業社製Mw7,500の試薬を使用した。
接着剤組成:ポリオールU100質量部、ポリイソシアネートI10質量部、エポキシシラン1質量部、酢酸エチル160質量部
上記で得られた結果を表1〜2に示す。
Figure 2015089619
Figure 2015089619
本発明の多層フィルムは、方向性のある易カット性を有する。また、優れた包装機械適性、屈曲による耐ピンホール性、重量物の包装にも耐えられるヒートシール強度・剛性、耐カール性をも有している。したがって、本発明の多層フィルムは、食品、薬品、工業部品、雑貨、雑誌等を包装する包装材に好適である。

Claims (14)

  1. 環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂(a)を主成分とする樹脂層(A)、密度0.92g/cm〜0.965g/cmのポリエチレン系樹脂(b)を主成分とする中間層(B)、環状ポリオレフィン系樹脂(c)を樹脂成分として70質量%以上含有する中間層(C)、環状構造を有さないポリオレフィン系樹脂(d)を主成分とするシール層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順に積層してなる多層構成を有する多層フィルム(I)であって、樹脂層(B)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が30%以上であり、且つシール層(D)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が30%以下であることを特徴とする多層フィルム。
  2. 前記多層フィルム(I)の樹脂層(A)で用いるポリオレフィン樹脂(a)の融点が、シール層(D)で用いるポリオレフィン系樹脂(d)の融点より10℃以上高いものである請求項1記載の多層フィルム。
  3. 前記オレフィン系樹脂(a)、(d)が、ポリプロピレン系樹脂及び/又はポリエチレン系樹脂である請求項1又は2記載の多層フィルム。
  4. 前記多層フィルム(I)の中間層(C)の多層フィルム(I)に対する厚み比率が30%以下である請求項1〜3の何れか1項記載の多層フィルム。
  5. 前記環状ポリオレフィン系樹脂(c)が、ノルボルネン系重合体である請求項1〜4の何れか1項記載の多層フィルム。
  6. 前記環状ポリオレフィン系樹脂(c)の60質量%以上が、ガラス転移点が100℃以下のノルボルネン系重合体である請求項5記載の多層フィルム。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂(d)が、密度が0.89g/cm〜0.93g/cmの範囲のポリエチレン系樹脂である請求項1〜6の何れか1項記載の多層フィルム。
  8. 前記ポリオレフィン系樹脂(d)が、メタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体である請求項1〜6の何れか1項記載の多層フィルム。
  9. 前記多層フィルム(I)が共押出積層法で積層されたものである請求項1〜8の何れか1項記載の多層フィルム。
  10. 前記多層フィルム(I)の全厚が20〜60μmの範囲である請求項1〜9の何れか1項記載の多層フィルム。
  11. 請求項1〜10の何れか1項記載の多層フィルムを用いてなることを特徴とする包装材。
  12. 包装袋の上部が冶具で結束された巾着用包装袋用である請求項11記載の包装材。
  13. 線ファスナーを付着した再封性包装袋用である請求項11記載の包装材。
  14. 食品用又は医薬品用である請求項11〜13の何れか1項記載の包装材。
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