JP2018001398A - 円すいころ用研磨工具及び円すいころの研磨方法、並びに、円すいころ軸受の製造方法 - Google Patents

円すいころ用研磨工具及び円すいころの研磨方法、並びに、円すいころ軸受の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】円すいころ軸受の回転トルクの低減を図り易い構造を実現する。
【解決手段】円すいころ用研磨工具14の内径側傾斜面部15と、外径側部材25の外径側傾斜面部26との間に、複数個の円すいころ4を保持器5aに保持した状態で転動自在に配置する。円すいころ4に軸方向の押圧力が付与された状態で、円すいころ用研磨工具14と外径側部材25とを相対回転させることにより、円すいころ4の大径側端面10に研磨加工を施す。
【選択図】図3

Description

本発明は、円すいころに研磨加工を施すための円すいころ用研磨工具、及び、円すいころ用研磨工具を使用した円すいころの研磨方法、並びに、円すいころ軸受の製造方法に関する。
工作機械、産業機械などの回転機械のうち、大きなラジアル荷重及びスラスト荷重が加わる回転支持部分には、図9に示すような円すいころ軸受1が組み込まれている。円すいころ軸受1は、外輪2と、内輪3と、複数個の円すいころ4と、保持器5とを備える。外輪2は、内周面に部分円すい凹面状の外輪軌道6を有する。内輪3は、外輪2の内径側に外輪2と同軸に配置されており、外周面に部分円すい凸面状の内輪軌道7を有する。内輪3の大径側端部には、径方向外方に突出した大径側鍔部8が設けられており、内輪3の小径側端部には、径方向外方に突出した小径側鍔部9が設けられている。それぞれの円すいころ4は、転動面として機能する外周面を備え、円すいころ4の外周面の直径は、軸方向片端部から軸方向他端部に向けて漸次大きくなっている。なお、円すいころ4の軸方向片端部は尾部と称され、円すいころ4の軸方向他端部は頭部と称される。それぞれの円すいころ4は、軸方向片端面である小径側端面12と、軸方向他端面である大径側端面10とを備える。それぞれの円すいころ4は、外輪軌道6と内輪軌道7との間に、転動自在に配置された状態で、大径側端面10を、大径側鍔部8の内側面11に摺接させるとともに、小径側端面12を、小径側鍔部9の内側面13に隙間を介して対向させている。保持器5は、複数個の円すいころ4を保持している。
それぞれの円すいころ4の大径側端面10には、内輪3を構成する大径側鍔部8の内側面11との間の摺動抵抗を小さくするために、砥石による研磨加工が施されている。なお、研磨加工には、削り取る量が多い研削加工を含むものとする。円すいころの大径側端面に研磨加工を施す方法は、例えば特開2011−152597号公報に開示されている。
特開2011−152597号公報
ただし、特開2011−152597号公報に開示された従来技術では、円すいころを1個ずつ研磨する必要がある。研磨後の円すいころは、必要に応じて洗浄などの処理が施された後、搬送用のトレーに入れられて組立工程に送られ、外輪、内輪及び保持器と組み合わされて円すいころ軸受を構成する。このため、円すいころ軸受を組み立てる前の、トレーによる搬送中に円すいころ同士がぶつかって、円すいころの大径側端面に傷などの損傷を生じる可能性がある。このような損傷が生じると、円すいころの大径側端面と、内輪の大径側鍔部の内側面との摺動抵抗が大きくなって、円すいころ軸受の回転トルクが増大したり、損傷の程度が著しい場合には、組立後の円すいころ軸受を不良品として廃棄する必要が生じたりする。なお、回転トルクの増大は、円すいころ軸受の回転数が500rpm以下の低回転領域で顕著になり易い。
本発明は、上述のような事情に鑑み、円すいころ軸受の回転トルクの低減を図り易い、円すいころ用研磨工具の構造及び円すいころの研磨方法を実現することを目的としている。
本発明の円すいころ用研磨工具及び円すいころの研磨方法の対象となる複数個の円すいころはそれぞれ、軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って外径が大きくなる円すい台形状を有し、転動面である外周面と、軸方向片端面である小径側端面と、軸方向他端面である大径側端面とを備える。
複数個の円すいころは、外輪と、内輪と、保持器と組み合わされて円すいころ軸受を構成する。
前記外輪は、内周面に、軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい凹面状の外輪軌道を有する。
前記内輪は、前記外輪の内径側に該外輪と同軸に配置されており、外周面のうち、前記外輪軌道に対向する部分に設けられ、軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って外径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい凸面状の内輪軌道と、軸方向他端部である大径側端部に径方向外方に突出した状態で設けられた大径側鍔部とを有する。
前記保持器は、前記複数個の円すいころを保持するためのものである。
本発明の円すいころ用研磨工具は、前記複数個の円すいころのそれぞれの大径側端面に研磨加工を施すためのものであり、内径側傾斜面部と、大径側鍔部相当部と、大径側端面研磨部とを備える。
前記内径側傾斜面部は、外周面に設けられ、かつ、軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って外径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい凸面状を有する。
前記大径側鍔部相当部は、軸方向他端部である大径側端部に径方向外方に突出した状態で設けられている。
前記大径側端面研磨部は、前記大径側鍔部相当部の軸方向片側面に設けられた、前記複数個の円すいころのそれぞれの前記大径側端面に研磨加工を施すための部分である。
本発明の円すいころ用研磨工具を実施する場合、前記内径側傾斜面部に設けられた、前記円すいころの転動面に研磨加工を施すための転動面研磨部をさらに備えることが好ましい。
本発明の円すいころの研磨方法では、上述のような本発明の円すいころ用研磨工具を使用して、1個の円すいころ軸受に組み込まれる1セットの円すいころに研磨加工を施す。具体的には、前記円すいころ用研磨工具の周囲に、前記円すいころ用研磨工具と同軸に、内周面に軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい凹面状の外径側傾斜面部を有する外径側部材を配置する。前記円すいころ用研磨工具の前記内径側傾斜面部と、前記外径側部材の前記外径側傾斜面部との間には、複数個の円すいころを保持器に保持した状態で転動自在に配置する。この状態で、前記1セットの円すいころを、前記内径側傾斜面部と前記外径側傾斜面部との間で軸方向に押圧しつつ、前記円すいころ用研磨工具と前記外径側部材とを相対回転させる。これにより、前記1セットの円すいころのそれぞれの少なくとも前記大径側端面、好ましくは、該大径側端面に加えて前記転動面に、研磨加工を施す。
上述のような本発明の円すいころの研磨方法を実施する場合には、前記円すいころ用研磨工具及び前記外径側部材の軸方向を鉛直方向に一致させるとともに、前記円すいころ用研磨工具を鉛直方向上側に配置し、前記外径側部材を鉛直方向下側に配置することが好ましい。ただし、前記円すいころ用研磨工具及び前記外径側部材の軸方向を鉛直方向に一致させるともに、前記円すいころ用研磨工具を鉛直方向下側に配置し、前記外径側部材を鉛直方向上側に配置することもできる。
本発明の円すいころ軸受の製造方法では、本発明の円すいころの研磨方法により研磨加工が施された1セットの円すいころを、外輪の内周面に設けられた外輪軌道と、内輪の外周面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に配置して、円すいころ軸受を組み立てる。
上述のような本発明の円すいころ用研磨工具及び円すいころの研磨方法によれば、1個の円すいころ軸受に組み込む1セットの円すいころを保持器に組み込んだ状態で、該1セットの円すいころにまとめて研磨加工を施すことができる。このため、複数個の円すいころに対して1個ずつ研磨加工を施す場合のように、研磨後の円すいころをトレーにより組立工程に搬送する必要がない。したがって、円すいころ軸受の組み立て前に、円すいころの大径側端面に傷などの損傷が生じることを防止できる。この結果、円すいころの大径側端面と、内輪の大径側鍔部の軸方向片側面との摺動抵抗を小さく抑え、前記円すいころ軸受の回転トルクの低減を図り易くできる。
図1(A)は、本発明の実施の形態の第1例の円すいころ用研磨工具を示す斜視図であり、図1(B)は、本発明の実施の形態の第1例の円すいころ用研磨工具を示す側面図であり、図1(C)は、図1(B)の下方から見た端面図であり、図1(D)は、図1(B)の上方から見た端面図である。 図2は、図1の(C)のX−X断面図である。 図3(A)は、本発明の実施の形態の第1例において、円すいころに研磨加工を施す方法を説明するための断面図であり、図3(B)は、図3(A)のY部拡大図である。 図4は、本発明の実施の形態の第1例において、円すいころに研磨加工を施す方法の別例を示す断面図である。 図5(A)は、本発明の実施の形態の第2例の円すいころ用研磨工具を示す斜視図であり、図5(B)は、本発明の実施の形態の第2例の円すいころ用研磨工具を示す側面図であり、図5(C)は、図5(B)の下方から見た端面図であり、図5(D)は、図5(B)の上方から見た端面図である。 図6は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図である。 図7は、本発明の実施の形態の第2例について、図3の(B)に相当する図である。 図8は、本発明の効果を確認するために行った実験の測定結果を示す図である。 図9は、本発明の研磨工具及び研磨方法の対象となる円すいころを組み込んだ円すいころ軸受の従来構造の1例を示す、部分切断斜視図である。
[実施の形態の第1例]
図1〜図3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。なお、本例を含め、本発明の特徴は、1個の円すいころ軸受1を構成する1セットの円すいころ4に、一度に研磨加工を施すための構造にある。円すいころ4それぞれの構成、及び、円すいころ4を組み込んだ円すいころ軸受1の構造は、基本的には、前述の図9に示した従来構造と同様である。すなわち、円すいころ軸受1は、外輪2と、内輪3と、複数個の円すいころ4と、保持器5とを備える。外輪2は、内周面に部分円すい凹面状の外輪軌道6を有する。内輪3は、外輪2の内径側にこの外輪2と同軸に配置されており、外周面に部分円すい凸面状の内輪軌道7を有する。内輪3の大径側端部には、径方向外方に突出した大径側鍔部8が設けられており、内輪3の小径側端部には、径方向外方に突出した小径側鍔部9が設けられている。それぞれの円すいころ4は、軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って外径が大きくなる円すい台形状を有し、転動面である外周面と、軸方向片端面(円すいころ4の尾部側の端面)である小径側端面12と、軸方向他端面(円すいころ4の頭部側の端面)である大径側端面10とを備える。円すいころ4は、保持器5に保持された状態で、外輪軌道6と内輪軌道7との間に、転動自在に配置されている。この状態では、円すいころ4のそれぞれの大径側端面10が、大径側鍔部8の内側面11に摺接し、円すいころ4のそれぞれの小径側端面12が、小径側鍔部9の内側面13に隙間を介して対向する。
本例の円すいころ用研磨工具14は、1個の円すいころ軸受1を構成する1セットの円すいころ4の大径側端面10に、円すいころ4を保持器5aに組み込んだ状態でまとめて研磨加工を施すためのものである。円すいころ用研磨工具14は、全体を筒状に構成されており、軸方向中間部外周面に、軸方向片側(図1(A)、図1(B)、図2及び図3の上側)から軸方向他側(図1(A)、図1(B)、図2及び図3の下側)に向かう程外径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい状で、特許請求の範囲に記載した傾斜面部に相当する内径側傾斜面部15を有している。円すいころ用研磨工具14の軸方向他端部である大径側端部には、径方向外方に突出した大径側鍔部相当部16が設けられており、円すいころ用研磨工具14の軸方向片端部である小径側端部には、軸方向に関して外径が変化しない小径側円筒面部17が設けられている。内径側傾斜面部15と、大径側鍔部相当部16の軸方向片側面との連続部には、逃げ凹部28が全周に亙り設けられている。
円すいころ用研磨工具14の大径側鍔部相当部16の軸方向片側面には、円すいころ4の大径側端面10に研磨加工を施すための大径側端面研磨部18が全周に亙って設けられている。本例では、円すいころ用研磨工具14は、軸受鋼などの硬質金属材料製の本体部分19と、砥石20とから構成されている。本体部分19は、全体を筒状に構成されており、軸方向中間部外周面に設けられた内径側傾斜面部15と、軸方向片端部に設けられた小径側円筒面部17と、内径側傾斜面部15の軸方向他側に隣接する部分に設けられた大径側円筒面部21と、軸方向他端部に径方向外方に全周にわたり突出した状態で設けられた鍔部30とを備える。鍔部30の軸方向片側面には、段部22が設けられている。砥石20は、断面略台形状で、全体を円環状に構成されており、軸方向片側面の形状を、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面である内側面11の形状と同じにしている。砥石20は、円周方向に分割された、それぞれが部分円筒形である複数の砥石素子を組み合わせることにより、全体を円筒状に構成されている。砥石20は、軸方向他側面を段部22に突き当てることにより軸方向の位置決めを図った状態で、内周面が大径側円筒面部21に接着により外嵌固定されている。すなわち、本例では、砥石20と鍔部30とにより大径側鍔部相当部16が構成されており、砥石20の軸方向片側面により大径側端面研磨部18が構成されている。砥石20としては、例えば、ダイヤモンド系砥粒又は立方晶窒化ホウ素系砥粒をビリファイドボンドで結合した超砥粒超仕上砥石であって、粒度が#1200〜24000、結合度がH〜U、集中度が80〜180のものを使用できる。
本例の円すいころ用研磨工具14では、研磨加工の際に、円すいころ4の転動面と転がり接触する部分である内径側傾斜面部15の形状は、円すいころ軸受1を構成する内輪3の内輪軌道7の形状と同じとなっている。すなわち、円すいころ用研磨工具14の軸方向に対する内径側傾斜面部15の傾斜角度は、内輪3の軸方向に対する内輪軌道7の傾斜角度と同じであり、かつ、内径側傾斜面部15の軸方向寸法及び外径は、内輪3の内輪軌道7の軸方向寸法及び外径と同じとなっている。また、円すいころ4の大径側端面10と摺接する部分である大径側端面研磨部18の形状は、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面の形状と同じとなっている。すなわち、円すいころ用研磨工具14の軸方向に直交する仮想平面に対する大径側端面研磨部18の傾斜角度は、内輪3の軸方向に直交する仮想平面に対する大径側鍔部8の内側面11の傾斜角度と同じとなっている。また、大径側端面研磨部18の外径は、大径側鍔部8の内側面11の外径と同じなっている。
上述のような本例の円すいころ用研磨工具14を使用して、1個の円すいころ軸受1を構成する1セットの円すいころ4の大径側端面10に研磨加工を施す方法について、図3を参照しつつ説明する。
まず、円すいころ用研磨工具14を、この円すいころ用研磨工具14の軸方向を鉛直方向に一致させるとともに、小径側端部が鉛直方向上方を向き、大径側端部が鉛直方向下方を向いた状態で回転テーブル23の上面に設置する。この状態で、回転テーブル23の上面に設けた凸部24の外周面を、円すいころ用研磨工具14の軸方向他端部内周面に、トルクの伝達を可能に内嵌することにより、円すいころ用研磨工具14を回転テーブル23により回転駆動可能とする。次に、円すいころ用研磨工具14の内径側傾斜面部15の周囲に、1個の円すいころ軸受1に組み込まれる1セットの円すいころ4が保持器5aに保持された状態で設置される。なお、円すいころ4の大径側端面10に研磨加工を施す以前の状態では、円すいころ4の大径側端面10は、曲率半径が大きい部分球面状の凸面である。次いで、円すいころ4の周囲に、円すいころ軸受1を構成する外輪2の内面形状と同じ内面形状を有する外径側部材25が、円すいころ用研磨工具14と同軸に配置される。すなわち、外径側部材25の内周面には、軸方向片側から他側に向かう程内径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい状で、特許請求の範囲に記載した外側傾斜面部に相当する外径側傾斜面部26が設けられている。外径側部材25の軸方向に対する外径側傾斜面部26の傾斜角度は、外輪2の軸方向に対する外輪軌道6の傾斜角度と同じである。なお、上述の各工程は、矛盾を生じない範囲で、順番を入れ替えることができる。
上述のようにして、円すいころ用研磨工具14の内径側傾斜面部15と、外径側部材25の外径側傾斜面部26との間に、1セットの円すいころ4が、保持器5aにより保持された状態で転動自在に配置される。この状態で、外径側部材25が鉛直方向下方に押圧され、内径側傾斜面部15と外径側傾斜面部26との間で円すいころ4が軸方向に押圧される。円すいころ4に軸方向の押圧力が付与された状態で、回転テーブル23が回転駆動され、円すいころ用研磨工具14が回転駆動される。これにより、円すいころ4の大径側端面10のうち、円すいころ軸受1を構成した状態で、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面と摺接する部分が、前記大径側端面研磨部18により研磨される。具体的には、例えば、円すいころ4の大径側端面10と、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面との合成表面粗さσが、0.05μm以下となるように、円すいころ4のそれぞれの大径側端面10が研磨される。なお、合成表面粗さσは、円すいころ4の大径側端面10の二乗平均平方根粗さσと、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面の二乗平均平方根粗さσとの二乗和平方根である。
本例では、円すいころ4の大径側端面10に研磨加工を施している間中、内径側傾斜面部15と、前記外径側傾斜面部26との間の部分に、この部分の鉛直方向上側開口からクーラントが供給される。研磨後の円すいころ4は、1セットとして組み合わせたまま、必要に応じて洗浄などの処理を施された後、外輪2、内輪3及び保持器5と組み合わされて円すいころ軸受1を構成する。
本例の円すいころ用研磨工具14を用いた円すいころの研磨方法によれば、1個の円すいころ軸受1に組み込む1セットの円すいころ4に、円すいころ4を保持器5aに組み込んだ状態で、まとめて研磨加工を施すことができる。このため、円すいころ4を円すいころ軸受1に組み込む直前に、円すいころ4の大径側端面10に研磨加工を施すことができる。要するに、円すいころ4に1個ずつ研磨加工を施す場合のように、研磨後の円すいころ4をトレーにより組立工程に搬送する必要がないため、円すいころ軸受1の組み立て前に、円すいころ4の大径側端面10に傷などの損傷が生じることを防止できる。この結果、円すいころ4の大径側端面10と、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面との摺動抵抗を小さく抑え、円すいころ軸受1の回転トルクの低減を図り易い。また、円すいころ4の大径側端面10と、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面との摺接部の初期なじみに要する時間を低減できる。
本例の円すいころ用研磨工具14では、内径側傾斜面部15の形状を、内輪3の内輪軌道7の形状と同じにするとともに、大径側鍔部相当部16の軸方向片側面の形状を、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面の形状と同じとしている。このため、円すいころ4の大径側端面10のうち、内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面と摺接する部分を、組立後の円すいころ軸受1の摺接状態と同じ摺接状態を実現した状態で、効率良く研磨できる。
なお、円すいころ4の大径側端面10に研磨加工を施す際に使用する、外径側部材25や保持器5aは、円すいころ軸受1を構成する外輪2や保持器5を使用することもできるし、研磨加工専用のものを使用することもできる。外径側部材25や保持器5aとして、円すいころ軸受1を構成する外輪2や保持器5を使用すれば、円すいころ軸受1の組立工程を簡略化できる。
さらに、本例では、研磨加工の際に、円すいころ用研磨工具14を鉛直方向下方に配置し、外径側部材25を鉛直方向上方に配置して、円すいころ4の大径側端面10を大径側端面研磨部18に、鉛直方向上方から押し付けるようにしている。このため、大径側端面研磨部18が、円すいころ4の大径側端面10になじみ易い。さらに、研磨屑が、円すいころ4の転動面と、内径側傾斜面部15及び外径側傾斜面部26との転がり接触部に入り込みにくくできる。ただし、図4に示すように、円すいころ用研磨工具14を鉛直方向上方に配置し、外径側部材25を鉛直方向下方に配置することもできる。或いは、円すいころ用研磨工具の軸方向を水平方向に一致させるようにしても良い。
[実施の形態の第2例]
図5〜図7は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の円すいころ用研磨工具14aは、軸受鋼などの硬質金属材料製で円筒状の円筒状部材31に、円すいころ軸受1を構成する内輪3の外面形状と同じ外面形状を有する砥石20aを接着により外嵌固定することにより構成されている。砥石20aは、全体を筒状に構成されており、軸方向中間部外周面に設けられた内径側傾斜面部15aと、軸方向他端部である大径側端部に設けられ、径方向外方に突出した大径側鍔部相当部16aと、軸方向片端部である小径側端部に設けられ、径方向外方に突出した小径側鍔部相当部29とを備える。内径側傾斜面部15aは、軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って外径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい凸面状を有する。大径側鍔部相当部16aの軸方向片側面により大径側端面研磨部18aが構成されており、内径側傾斜面部15aにより、複数個の円すいころ4の転動面に研磨加工を施すための転動面研磨部27が構成されている。本例の円すいころ用研磨工具14aは、1個の円すいころ軸受1を構成する1セットの円すいころ4の大径側端面10に加え、転動面にも、まとめて研磨加工を施すことができる。
本例の円すいころ用研磨工具14aを使用して、円すいころ4に研磨加工を施す方法については、上述の実施の形態の第1例の場合と同様である。すなわち、円すいころ用研磨工具14aの内径側傾斜面部15aと、外径側部材25の外径側傾斜面部26(図4参照)との間に、円すいころ4が保持器5aにより保持された状態で転動自在に配置される。この状態で、外径側部材25が鉛直方向下方に押圧され、内径側傾斜面部15aと外径側傾斜面部26との間で円すいころ4が軸方向に押圧される。内径側傾斜面部15aと外径側傾斜面部26との間で円すいころ4に軸方向の押圧力が付与された状態で、円すいころ用研磨工具14aが回転駆動されて、円すいころ4の大径側端面10及び転動面に研磨加工が施される。
本例の円すいころ用研磨工具14aを使用した円すいころの研磨方法によれば、実施の形態の第1例と同様に、1セットの円すいころ4を1個の円すいころ軸受1に組み込む直前に、円すいころ4にまとめて研磨加工を施すことができる。したがって、研磨後の円すいころ4をトレーにより組立工程に搬送する必要がなく、円すいころ軸受1の組み立て前に、円すいころ4の大径側端面10に傷などの損傷が生じるのを防止できる。さらに、本例の円すいころ用研磨工具14aによれば、円すいころ4の大径側端面10に加えて、転動面にも研磨加工を施すことができる。このため、円すいころ4の転がり抵抗を小さく抑えることができて、円すいころ軸受1の回転トルクの低減を、より図り易くなる。さらに、円すいころ4の転動面と、外輪2の外輪軌道6及び内輪3の内輪軌道7との転がり接触部の初期なじみに要する時間の低減も図れる。
本例では、1セットの円すいころ4の大径側端面10と転動面とにまとめて研磨加工を施すため、円すいころ4の転動面の形状、すなわち、大径側端面10を基準とした軸方向位置が同じである場合の転動面の外径のばらつきを小さく抑えられる。したがって、円すいころ4を円すいころ軸受1に組み込んだ場合に、円すいころ4の転動面と、外輪2の外輪軌道6及び内輪3の内輪軌道7との転がり接触部の接触面圧を安定させられる。ただし、本例のように、1セットの円すいころ4の大径側端面10と転動面とにまとめて研磨加工を施す場合には、研磨加工後の円すいころ4の形状が所望のものとなるように、大径側端面10及び転動面のそれぞれについて、前工程である粗研削における研削量と、研磨加工における研磨量とを適切に調整する。その他の部分の構成及び作用については、実施の形態の第1例と同様である。
本発明の効果を確認するために行った実験について説明する。実験では、実施例1及び実施例2と、比較例との3種類の試料について、回転トルクの大きさを求める実験を行った。実施例1及び実施例2に係る円すいころ軸受1に組み込まれた円すいころ4の大径側端面10には、前述の図4に示す、本発明の円すいころの研磨方法により、研磨加工が施されている。一方、比較例に係る円すいころ軸受1に組み込まれた円すいころ4の大径側端面10には、研磨加工は施されていない。すなわち、比較例は、研磨前の円すいころ4を、組立工程への搬送により大径側端面に傷などの損傷が発生した状態と仮定した例である。各試料の諸元は、以下のとおりである。
「すべての試料で共通する条件」
呼び番号 :HR32008XJ
外径 :68[mm]
内径 :40[mm]
幅 :19[mm]
円すいころの大径側端部の直径:7.038[mm]
接触角 :28°20’
内輪3の大径側鍔部8の軸方向片側面の二乗平均平方根粗さ:0.065[μm]
「大径側端面10の研磨条件」
(実施例1)
砥石20の種類:ダイヤモンド系ビトリファイド
砥石20の粒度:#12000
押圧力F :2.2[kN]
回転テーブル23の回転速度:125[min−1
加工時間 :3.4[秒]
(実施例2)
砥石20の種類:ダイヤモンド系ビトリファイド
砥石20の粒度:#12000
押圧力F :0.5[kN]
回転テーブル23の回転速度:125[min−1
加工時間 :15[秒]
上記条件により、研磨加工を施したところ、円すいころ4の大径側端面10の算術平均表面粗さRaは、実施例1では0.018[μm]であり、実施例2では0.026[μm]であった。一方、比較例では、円すいころ4の大径側端面10の算術平均表面粗さRaは、0.07[μm]であった。
それぞれが上述のような使用を有する3種類の円すいころ軸受1は、外輪2の回転が阻止された状態で実験装置に組み込まれる。本実験では、内輪3に4[kN]のアキシャル荷重を付加した状態で、内輪3の回転速度を変化させつつ、内輪3の回転トルクがロードセルにて連続的に測定される。なお、内輪3を回転させている間中、外輪2の内周面と内輪3の外周面との間の空間には、十分量の潤滑油が貫流している。潤滑油の種類、油温及び流量については、以下の通りである。
潤滑油の種類:出光興産株式会社製ダフニーメカニックオイル VG32
油温 :58±1[度]
流量 :1.0[l/min]
図8は、内輪3の回転トルクを試料毎に示している。図8から明らかなとおり、内輪3の回転速度が500[min−1]以下である低回転領域では、実施例1及び実施例2の方が比較例よりも内輪3の回転トルクを低減できている。具体的には、例えば、内輪3の回転速度が250[min−1]である場合の回転トルクは、実施例1及び実施例2では何れも0.13[Nm]であるのに対し、比較例では0.19[Nm]である。
本発明の対象となる円すいころは、前述の図9に示すようなラジアル円すいころ軸受に限らず、スラスト円すいころ軸受に組み込んで使用することもできる。
1 円すいころ軸受
2 外輪
3 内輪
4 円すいころ
5、5a 保持器
6 外輪軌道
7 内輪軌道
8 大径側鍔部
9 小径側鍔部
10 大径側端面
11 内側面
12 小径側端面
13 内側面
14、14a 円すいころ用研磨工具
15、15a 内径側傾斜面部
16、16a 大径側鍔部相当部
17 小径側円筒面部
18、18a 大径側端面研磨部
19 本体部分
20、20a 砥石
21 大径側円筒面部
22 段部
23 回転テーブル
24 凸部
25 外径側部材
26 外径側傾斜面部
27 転動面研磨部
28 逃げ凹部
29 小径側鍔部相当部
30 鍔部
31 円筒状部材

Claims (5)

  1. 複数個の円すいころの大径側端面に研磨加工を施すための円すいころ用研磨工具であって、
    外周面に設けられ、かつ、軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って外径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい状の傾斜面部と、
    軸方向他端部に径方向外方に突出した状態で設けられた大径側鍔部相当部と、
    該大径側鍔部相当部の軸方向片側面に設けられた、前記円すいころの前記大径側端面に研磨加工を施すための大径側端面研磨部とを備える
    円すいころ用研磨工具。
  2. 前記傾斜面部に設けられた、前記円すいころの転動面に研磨加工を施すための転動面研磨部をさらに備える、請求項1に記載した円すいころ用研磨工具。
  3. 請求項1〜2のうちの何れか1項に記載の円すいころ用研磨工具を使用して、1個の円すいころ軸受に組み込まれる1セットの円すいころに研磨加工を施す、円すいころの研磨方法であって、
    前記円すいころ研磨工具の周囲に、該円すいころ用研磨工具と同軸に、内周面に軸方向片側から軸方向他側に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜した部分円すい状の外側傾斜面部を有する外径側部材を配置し、
    前記円すいころ用研磨工具の前記傾斜面部と、前記外径側部材の前記外側傾斜面部との間に、複数個の円すいころを保持器に保持した状態で転動自在に配置し、
    前記1セットの円すいころを、前記傾斜面部と前記外側傾斜面部との間で軸方向に押圧しつつ、前記1セットの円すいころ用研磨工具と前記外径側部材とを相対回転させることにより、前記円すいころに研磨加工を施す、円すいころの研磨方法。
  4. 前記円すいころ用研磨工具及び前記外径側部材の軸方向を鉛直方向に一致させるとともに、前記円すいころ用研磨工具を鉛直方向上側に配置し、前記外径側部材を鉛直方向下側に配置する、請求項3に記載した円すいころの研磨方法。
  5. 請求項3〜4のうちの何れか1項に記載の円すいころの研磨方法により研磨加工が施された1セットの円すいころを、外輪の内周面に設けられた外輪軌道と、内輪の外周面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に配置して、円すいころ軸受を組み立てる、円すいころ軸受の製造方法。
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