JP2021127834A - 円錐ころ軸受 - Google Patents

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智弘 元田
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曜平 村田
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【課題】円錐ころ軸受の低回転域のトルクを低減する。【解決手段】内輪1と外輪2と円錐ころ3とを有する円錐ころ軸受10において、内輪1の大鍔面11aと円錐ころ3の大径端面3aとのうち少なくともいずれかが下記の要件(a)〜(c)の少なくとも(a)、(b)を満たす。(a)粗さ曲線の算術平均高さ(Ra)が0.002μm≦Ra≦0.1μmを満たす。(b)粗さ曲線の負荷曲線より求まる実際の突出山部高さ(Actual peak height:APH)の突出山部平均高さ(Rpk)に対する比(APH/Rpk)が0.5≦APH/Rpk≦2.1を満たす。(c)粗さ曲線のクルトシス(Rku)が7.5≦Rku≦30を満たし、粗さ曲線のスキューネス(Rsk)が−5≦Rsk≦−0.5を満たす。【選択図】図1

Description

この発明は、円錐ころ軸受に関する。
円錐ころ軸受は、外周面に軌道面を有する内輪と、内周面に軌道面を有する外輪と、内輪の軌道面および外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円錐ころを有する。
円錐ころは、円錐体の尖端部が、底面と平行な面で切断された形状を有し、底面の直径が切断面の直径よりも大きい。つまり、円錐ころは大径の端面(大径端面)と小径の端面(小径端面)とを有する。この円錐ころの大径端面と接触可能とされている大鍔面と小径端面と接触可能とされている小鍔面が、内輪の大鍔部および小鍔部にそれぞれ設けられている。
円錐ころ軸受の作動中は、内輪の大鍔面と円錐ころの大径端面とが摺接するため、接触面間に摩擦が発生する。低回転域では、トルク損失の大部分が、円錐ころの大径端面と内輪の大鍔面とのすべり摩擦に起因する。
図8は、このような円錐ころ軸受が使用されている、特許文献1中にその従来技術として記載された自動車のトランスファー100の一例を示したものである。このトランスファー100は、ケーシング(ギヤボックス)101内に、傘ピニオン軸105と、リングギヤ106と、デファレンシャル(ディファレンシャル)107が配置されている。傘ピニオン軸105は、互いに間隔をおかれた2つの円錐ころ軸受111、112を介して、ケーシング101に支承されている。これらの円錐ころ軸受111、112は、ねじ山付き部材110により軸方向に予圧が付与されている。
デファレンシャル107は、デフケース171と、デフケース171に固定されたピニオンシャフト172の両端に回転自在に支持されたピニオンギヤ(デファレンシャルギヤ)173と、各ピニオンギヤ173と噛み合うサイドギヤ174とで構成されている。各サイドギヤ174にアクスルシャフト108の一端が結合され、アクスルシャフト108の他端側は、それぞれ不図示の等速ジョイント等を介して、駆動輪と連結されている。
傘ピニオン軸105の先端の傘ピニオンギヤ151が、リングギヤ106と噛み合っている。このリングギヤ106は、デフケース171のフランジ部171aに固定されている。デフケース171の両端の円筒部171bは、一対の円錐ころ軸受113、113を介してケーシング101に支承されている。傘ピニオン軸105の回転により、傘ピニオンギヤ151とリングギヤ106を介して、デファレンシャル107が駆動する。
このトランスファー100には、傘ピニオン軸105を支持する円錐ころ軸受111、112を構成する円錐ころの端面と内輪の縁部との間に摩耗が生じて、滑り摩擦が発生するという問題がある。特許文献1には、この問題を解決するために、すなわちトルク低減のために内輪または外輪の軌道面、ころの転動面、ころの端面、およびころの端面と接触する鍔面の少なくともいずれかである対象面を以下の要件を満たすものとすることが記載されている。
その要件とは、直径10μm以上50μm以下の円形の開口部を有する多数のくぼみが10μm以上200μm以下の間隔で形成され、表面粗さを示す粗さ曲線の算術平均高さ(Ra)が0.1〜0.2μmであり、スキューネス(Rsk)が−1.0〜−0.2であり、クルトシス(Rku)が3〜7である。
また、対象面が上記要件を満たすようにするための表面処理方法として、被処理面に対して、モース硬度が6以上であり、直径が10μm以上100μm以下の球状粒子(例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、鋼製粒子)を投射することで凹凸を形成するショットブラスト工程を行うことが記載されている。さらに、上述の表面処理方法として、ショットブラスト工程を行った後に、ショットブラスト工程で生じた凸部を除去する凸部除去工程を行う方法も記載されている。
特開2011−196543号公報
ところで、図8に示すトランスファー100において、デファレンシャル107をケーシング101に回動自在に支持している一対の円錐ころ軸受113、113は、不図示の駆動輪と同じ回転速度で回転する。従い、市街地走行時(信号停車〜約60km/h)においては、低回転域で使用される頻度が多くなる。低回転域では、前述したとおりトルク損失の大部分が、円錐ころの大径端面と内輪の大鍔面とのすべり摩擦に起因する。このため、このすべり摩擦を低減させることで、低回転域における必要なトルクを低減でき、動力伝達の高効率化や省燃費化に貢献することが可能となる。
本発明の課題は、円錐ころ軸受の低回転域のトルクを低減することである。
本発明の上記課題は、下記の構成により達成される。
(1)外周面に軌道面を有する内輪と、
内周面に軌道面を有する外輪と、
前記内輪の軌道面および前記外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円錐ころと、
前記内輪に形成され、前記円錐ころの大径端面に接触する大鍔面を有する大鍔部を備え、
前記大鍔面と前記大径端面とのうち少なくともいずれかは、下記の要件(a)〜(c)の少なくとも(a)、(b)を満たす円錐ころ軸受。
(a)粗さ曲線の算術平均高さ(Ra)が0.002μm≦Ra≦0.1μmを満たす。
(b)粗さ曲線の負荷曲線より求まる実際の突出山部高さ(Actual peak height:APH)の突出山部平均高さ(Rpk)に対する比(APH/Rpk)が0.5≦APH/Rpk≦2.1を満たす。
(c)粗さ曲線のクルトシス(Rku)が7.5≦Rku≦30を満たし、粗さ曲線のスキューネス(Rsk)が−5≦Rsk≦−0.5を満たす。
この発明の円錐ころ軸受によれば、内輪または外輪の大鍔面と円錐ころの大径端面とのうち少なくともいずれかを、表面粗さパラメータが特定の範囲になるようにすることで、低回転域のトルクを低減することができる。
この発明の一実施形態に相当する円錐ころ軸受の一部を示す断面図である。 実施例の円錐ころの大径端面の粗さ曲線を示すグラフである。 図2の粗さ曲線から得られた負荷曲線を示すグラフである。 比較例の円錐ころの大径端面の粗さ曲線を示すグラフである。 図4の粗さ曲線から得られた負荷曲線を示すグラフである。 実施例で行った試験で使用した縦型内輪回転式試験機を示す断面図である。 実施例の試験で得られた結果( トルク) を示すグラフである。 従来のトランスファーの一例を示す図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。図1の円錐ころ軸受10は、外周面に軌道面1aを有する内輪1と、内周面に軌道面2aを有する外輪2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配置された複数の円錐ころ3と、円錐ころ3を一つずつ保持するポケット41を有する保持器4で構成されている。円錐ころ3は、大径端面3aと小径端面3bを有する。
内輪1の外周面の軸方向で軌道面1aを挟んだ両側に、大鍔部11と小鍔部12が形成されている。大鍔部11は、円錐ころ3の大径端面3aと接触可能な大鍔面11aを有する。小鍔部12は、円錐ころ3の小径端面3bと接触可能な小鍔面12aを有する。
円錐ころ3の大径端面3aは、下記の要件(a)〜(c)の全てを満たす。
(a)粗さ曲線の算術平均高さ(Ra)が0.002μm≦Ra≦0.1μmを満たす。
(b)粗さ曲線の負荷曲線より求まる実際の突出山部高さ(Actual peak height:APH)の突出山部平均高さ(Rpk)に対する比(APH/Rpk)が0.5≦APH/Rpk≦2.1を満たす。
粗さ曲線の負荷曲線については、JIS B0671−2:2002/ISO13565−2:1966に定められている。APHは、粗さ曲線のコア部の上にある実際の突出山部の高さであり、粗さ曲線の負荷曲線から求めることができる。Rpkは、粗さ曲線のコア部の上にある突出山部の平均高さである。
(c)粗さ曲線のクルトシス(Rku)が7.5≦Rku≦30を満たし、粗さ曲線のスキューネス(Rsk)が−5≦Rsk≦−0.5を満たす。
<要件(a)について>
算術平均高さ(Ra)が大きいほど表面に摩耗や焼き付きが生じ易くなるため、円錐ころ3の大径端面3aの算術平均高さ(Ra)は小さい方がよいが、小さすぎると円錐ころ3の大径端面3aにかじりが発生する可能性があり、加工コストの点でも不利になる。算術平均高さ(Ra)が0.002μm≦Ra≦0.1μmの範囲内であると、この範囲を外れる場合よりも、表面性能とコスト面で有利になる。
つまり、要件(a)を満たすことで、円錐ころ3の大径端面3aに、摩耗や焼き付き、かじりが発生しにくくすることができる。また、より好ましくは0.00μm≦Ra≦0.06μmであるとさらに表面性能とコスト面で有利になる。
<要件(b)について>
JISでは、コア部の上にある突出高さを表すパラメータとして、実際の突出山部の高さではなく、「突出山部の平均高さRpk」を採用している。その理由は、平均高さを用いることで、異常に高い突起の影響を排除し、値のばらつきを抑えるためと考えられる。
しかし、周囲より異常に高い突起の存在は、固体間の直接接触を引き起し、高い摩擦や焼き付き、異常摩耗の原因となる。
そこで、本発明者等は、JISでは定められていない「実際の突出山部の高さAPH」を用い、APH/Rpkをパラメータとして採用することにした。APHとRpkが近い値であることは、摩擦や摩耗に悪影響を及ぼす異常に高い突起が表面に存在しないことを表すため、APH/Rpkは表面の潤滑特性を示すパラメータとなる。
APH/Rpkが2.1を超えることは、摩擦や摩耗に悪影響を及ぼす異常に高い突起(突出山部)が表面に多く存在することを表す。また、通常の表面ではAPH/Rpkが0.5未満になることはない。つまり、0.5≦APH/Rpk≦2.1を満たす表面は、良好な潤滑特性を示す表面であると言える。
よって、要件(b)を満たすことで、円錐ころ3の大径端面3aと内輪1の大鍔面11aとの間の潤滑性が良好になり、高い摩擦や焼き付き、異常摩耗を抑制することが期待できる。つまり、APH/Rpkをパラメータとして採用し、その範囲を特定することが、低トルク化の実現に寄与する。また、0.5≦APH/Rpk≦2.0の範囲にあるのがより好ましい。
<要件(c)について>
Rkuは表面の高さ分布の尖り具合を表すパラメータであって、突出した山部や谷部が存在して尖っている場合、Rkuの値は大きくなる。要件(b)を満たす表面には異常に高い突起(突出山部)が存在しないため、Rkuの値が大きいことは突出した谷部が存在することを示す。この谷部は潤滑剤を接触面に供給するリザーバー(油溜まり)となる。
Rkuの値が小さい場合、油溜まりとなる突出した谷部の数が少ないため、接触面を十分に潤滑することが難しくなる。一方、Rkuの値が大き過ぎる場合には、突出した谷部の尖り具合が大きく谷部の幅が狭いため、十分な量の潤滑剤を保持することが困難になる。7.5≦Rku≦30を満たす表面は、油溜まりとして適当な数および尖り具合の谷部を有する表面となる。また、より好ましくは8≦Rku≦15であると最適な谷部を有する表面となる。
Rskは、平均線を中心としたときの山部と谷部の対称性を表すパラメータであって、突出した山部が多い場合はRskの値が大きくなり、突出した谷部が多い場合はRskの値が小さくなる。突出した山部が少ないほど固体間の直接接触が防止できるため、表面の潤滑特性を良好にするためには、Rskの値は小さい方がよい。ただし、現実的な表面ではRskの値に下限があり、−5≦Rsk≦−0.5が適切な範囲となる。また、より好ましくは−3≦Rsk≦−0.9である。
よって、要件(b)と要件(c)の両方を満たすことで、要件(b)を満たすが要件(c)を満たさない場合と比較して、円錐ころ3の大径端面3aと内輪1の大鍔面11aとの間の潤滑性が良好になる。
以上の説明から分かるように、この実施形態の円錐ころ軸受10によれば、円錐ころ3の大径端面3aを要件(a)〜(c)を全て満たす表面にすることで、低回転域のトルクを低減することができる。
また円錐ころ軸受を潤滑する潤滑油の粘度が50cSt@40℃以下のように低くすることで、潤滑油の攪拌抵抗が下がり低トルクになる。但しこのような場合、良好な潤滑を維持することが難しく、焼付きや磨耗といった表面損傷が発生する可能性がある。しかしながら、要件(a)〜(c)を全て満たす表面にすることで、たとえ潤滑油の粘度が50cSt@40℃ 以下といった低粘度潤滑下でも低いトルクを維持できる。
高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)からなる素材に対して一般的な熱処理が施された円錐ころ3の場合、大径端面3aのみを要件(a)〜(c)の全てを満たす表面にする方法としては、以下の方法が挙げられる。その一例は、大径端面3aを目の粗い砥石で研磨することで、大径端面3aの表面に比較的大きな凹凸を形成した後に、目の細かい砥石で研磨して、表面の凸部を除去する方法である。他の例は、大径端面3aを目の粗い砥石で研削することで、大径端面3aの表面に比較的大きな凹凸を形成した後に、ショットピーニング、バレル加工、ラップ研磨、またはバフ研磨を行って表面の凸部を除去する工程を行う方法である。
なお、上記実施形態では、円錐ころ3の大径端面3aのみを要件(a)〜(c)の全てを満たす表面にしているが、図1の円錐ころ軸受10の場合には、内輪1の大鍔面11aのみを要件(a)〜(c)全てを満たす表面にしてもよいし、これら両方を要件(1)〜(3)の全て満たす表面にしてもよい。
また、内輪ではなく外輪に鍔を設けてもよい(図示しない)。この場合円錐ころ3の小径端面3bおよび外輪に形成された円錐ころの小径端面に接触可能とされた鍔部の少なくともいずれか、もしくは両面を要件(a)〜(c)の全てを満たす表面としてもよい。
図1の構造を有する円錐ころ軸受10として、呼び番号HR32008XJ(軸受内径:40mm、軸受外径:68mm、最大幅:19mm)の円錐ころ軸受を試験用に作製した。
内輪1、外輪2、円錐ころ3は、以下のようにして作製した。先ず、SUJ2からなる素材を各形状に加工した後、油焼入れと焼戻しを行った。これにより、内輪1、外輪2、円錐ころ3の硬さがHRC58〜64(Hv650〜800)の範囲となるようにした。また、円錐ころ3の大径端面3a以外に対しては通常の研削工程および仕上げ工程を行った。
次に、サンプル1〜6(実施例1〜6)では、円錐ころ3の大径端面3aのみを、目の粗い砥石で研削することで、大径端面3aの表面に凹凸を形成した後に、目の細かい砥石で研磨またはバフ研磨にて表面の凸部を除去する工程を行った。図2は、大径端面3aの粗さ曲線(JIS B0601:2001に基づいて測定)の一例を示したものである。この粗さ曲線と、この粗さ曲線からJIS B0671−2:2002に基づいて得られた図3に示す負荷曲線から、Ra、APH、Rpk、Rku、Rskを得た。また、APH/Rpkを算出した。
サンプル7〜9(比較例1〜3)では、円錐ころ3の大径端面3aのみを、目の細かい砥石で研削することで大径端面3aの表面に凹凸を形成し、表面の凸部を除去する工程は行っていない。図4は、大径端面3aの粗さ曲線(JIS B0601:2001に基づいて測定)の一例を示したものである。この粗さ曲線と、この粗さ曲線からJIS B0671−2:2002に基づいて得られた図5に示す負荷曲線から、Ra、APH、Rpk、Rku、Rsk、RSmを得た。また、APH/Rpkを算出した。
なお、計測にはテイラーホブソン社製非接触式測定器(CCI MPーHS)を使用した。Ra、Rku、Rskの計測の際にはカウシアンフィルタ(フィルタサイズ0.08mm)を使用し,APH、Rpkを計測の際にはダブルガウシアンフィルタ(フィルタサイズ0.08mm)を使用した。
上述のようにして得られた内輪1、外輪2、およびサンプル1〜9の各円錐ころ3と、SPCC製のかご形保持器4を用いて、実施例および比較例の円錐ころ軸受10を組み立て、図6に示す装置を用いて回転試験を行った。図6の装置は、縦型内輪回転式試験機であり、主軸21と、主軸21を回転自在に支持する支持軸受22と、本体部23と、静圧軸受24とからなる。静圧軸受24は、本体部23の軸方向上端面に設けてある。この試験機は、試験軸受である円錐ころ軸受10の内輪1を主軸21の軸方向一端部21aに外嵌させ、外輪2を本体部23に内嵌させて使用される。
静圧軸受24の上方からアキシャル荷重Faが付与できる。本体部23の側面に棒材25を介してロードセル26が接続されている。このロードセル26で本体部23に加わる動摩擦トルクが検出できる。本体部23には、試験軸受の内部に潤滑油Jを供給する通路27が形成されている。この通路27は、本体部23の側面に開口している。試験軸受の温度を測定する熱電対28も備えている。
この装置に、試験軸受として実施例および比較例の円錐ころ軸受10をそれぞれ取り付けて、温度58℃±1℃の鉱油(粘度グレード:ISO VG32)を、供給速度1000ml/minで供給しながら、Fa=4kN、回転速度250min-1の条件で内輪1を回転させて、トルクを測定した。また、比較例1の円錐ころ軸受のトルク測定値を「1」としたトルク比を算出した。
これらの結果を表1に示す。表1中の円錐ころの大径端面の表面粗さパラメータは、円錐ころ軸受に組み立てられる円錐ころの平均値である。HR32008XJの場合、円錐ころは22本あり、22本の円錐ころ大径端面を測定し、その平均値を表1に示した。また、トルク比を図7にグラフで示す。
Figure 2021127834
この結果から以下のことが分かる。円錐ころ3の大径端面3aの表面粗さの違いだけで、円錐ころ軸受10の低回転域のトルクに差が生じる。大径端面3aのRaが0.002μm≦Ra≦0.1μmであり、APH/Rpkが0.5≦APH/Rpk≦2.1であり、Rkuが7.5≦Rku≦30であり、Rskが−5≦Rsk≦−0.5である実施例の円錐ころ軸受は、低回転域のトルクを比較例の円錐ころ軸受より低減することができる。
なお、本発明の用途は、従来例として例示したトランスファーに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、トランスミッション用等低回転域のトルク低減を必要とする用途に使用することができる。
1 内輪
1a 内輪の軌道面
11 大鍔部
12 小鍔部
11a 大鍔面
12a 小鍔面
2 外輪
2a 外輪の軌道面
3 円錐ころ
3a 大径端面
3b 小径端面
4 保持器
10 円錐ころ軸受

Claims (1)

  1. 外周面に軌道面を有する内輪と、
    内周面に軌道面を有する外輪と、
    前記内輪の軌道面および前記外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円錐ころと、
    前記内輪に形成され、前記円錐ころの大径端面に接触する大鍔面を有する大鍔部を備え、
    前記大鍔面と前記大径端面とのうち少なくともいずれかは、下記の要件(a)〜(c)の少なくとも(a),(b)を満たす円錐ころ軸受。
    (a)粗さ曲線の算術平均高さ(Ra)が0.002μm≦Ra≦0.1μmを満たす。(b)粗さ曲線の負荷曲線より求まる実際の突出山部高さ(Actual peak height:APH)の突出山部平均高さ(Rpk)に対する比(APH/Rpk)が0.5≦APH/Rpk≦2.1を満たす。
    (c)粗さ曲線のクルトシス(Rku)が7.5≦Rku≦30を満たし、粗さ曲線のスキューネス(Rsk)が−5≦Rsk≦−0.5を満たす。
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