JP2017537221A - 回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の回収方法の目的の1つは、従来の技術に関連する問題を実質的に克服すること、または最低でも有用な代替法を提供することである。【解決手段】リチウムを含有する雲母含量が豊富な鉱物からリチウムを回収する方法であって、1つ以上のリチウムを含有する雲母含量が豊富な鉱物を含む鉱石(1)を少なくとも1つの前処理工程(50)に付すことと、前処理された鉱石を酸浸出工程(60)に付すことで貴浸出溶液を生産することと、貴浸出溶液を一連の処理工程(80、140、160、180、200)に供することで1つ以上の不純物金属を取り除くことと、リチウム含有塩の生成物(44)としてリチウムを回収することとを含む方法。【選択図】なし

Description

本発明は、雲母含量の豊富な鉱物からリチウムを回収する方法に関する。より詳細には、本発明の方法は、レピドライト(lepidolite)およびチンワルダイト(zinnwaldite)などのリチウム含量の多い雲母鉱物から、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素やアルミニウムを生成物として回収可能とすることを意図している。
本発明の方法は、作業工程の新たな、改良した組み合わせから構成されている。これら作業工程のいくつかは、選鉱処理および湿式精錬処理において、他の組み合わせで、かつ他の目的のために、以前より用いられていた可能性もある。
商業採掘されるLiCOの主要供給源は、旧来より、ブライン溶液およびリシア輝石(spodumene)を含む鉱石である。今日まで、レピドライトの豊富な鉱石や精鉱から商業的にLiCOが生産された例はない。レピドライトは多くのペグマタイト鉱床に存在し、いくつかのペグマタイト鉱床では、リシア輝石と共存している場合もある。レピドライトの存在は、リシア輝石精鉱からLiCOを生産する精製業者にとって問題となる。そのため、レピドライトのリチウム含量にはなんの価値もなく、リシア輝石選鉱の過程で廃棄される。
研究室および1件の商業的応用において、レピドライトからリチウムを回収する取り組みは何度か試みられた。重要なことに、これらの先行する技術的取り組みのいずれも、鉱物の直接浸出は行っていない。
レピドライトからリチウムを抽出しLiOHを生産する方法は、1958年に掲げられた特許文献1に記載されている。同方法はAmerican Potash & Chemical Co(American Lithium Chemicals Coとして操業)によって、1955〜1960年の期間において実施された。レピドライトは質量比3対1の割合で石灰岩と混合してから、湿式ボールミルにかける。ミルからの排出物を濾過し、濾過ケーキを回転窯にて911℃で焙焼する。排出物は、向流ミキサーセトラシステムにて、急冷、粉砕した後、浸出する。アルミニウムの不純物は、石灰添加によって沈殿させ、沈殿物は濾過により取り除く。続いて濾液を蒸発させ、比較的純度の低いLiOH.HOを強制的に結晶化させる。これらの結晶を再結晶化によって精製し、商品価値をもつ生成物を生産する。本方法は、電力消費を抑え、石灰岩の費用が妥当であることに依存しているため、広範な利用には著しい制限が課される。
特許文献2には、鉱物を硫酸と反応させることで、レピドライトなどのリチウム低含量の鉱物からリチウムを回収し、最終的に溶液から沈殿させるとする方法が記載されている。本方法では、まずレピドライトを酸で鉱泥化し、140℃〜200℃、望ましくは150℃〜170℃(酸ベーク)の温度に加熱する。これは、存在し得る脈石を避け、レピドライトのみと反応させるための手法とされる。ベークは最大4時間にわたって実行され、これによって低量のアルミニウムおよびカリウムが溶解するとされる。含有される水分の大半はベーク中に蒸発し、いわゆるスラリーとは異なる、主に濃いペースト状の生成物が残される。このペーストにさらに水を加えて再鉱泥化し、続いてアルカリまたはアルカリ土類炭素塩を加えてアルミニウムを沈殿させて、pHを3.5〜4.5まで上昇させる。
米国特許第2,940,820号 米国特許第3,189,407号
本発明の回収方法の目的の1つは、従来の技術に関連する問題を実質的に克服すること、または最低でも有用な代替法を提供することである。
背景技術に関するこれまでの議論は、本発明のみに対する理解を促進することを意図したものである。本出願の優先日時点で、言及された資料のいずれかが、オーストラリアまたはその他の国地域における常識的な一般知識の一部であることを、本議論によって認知または承認するものではないことは留意すべきである。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたり、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という用語は、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」等の活用形も含めて、言明された整数または整数群を含むことを示唆するが、その他の整数または整数群を除外するものではないと理解されるものとする。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたり、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「雲母(mica)」、「雲母(micas)」という用語は、その明らかな関連語も含めて、シート状または板状構造に結晶化する、一連の複雑な含水性のアルミノケイ酸塩鉱物を指し示すと理解されるものとする。具体的には、本明細書にて言及される雲母は、リチウムを含有する雲母と理解されるべきである。
本発明に従って、リチウムを含有する雲母含量が豊富な鉱物からリチウムを回収する方法が提供される。本方法は、リチウムを含有する雲母含量が豊富な鉱物を1つ以上含む鉱石を少なくとも1つの前処理工程に付すことと、前処理された鉱石を酸浸出工程に付すことで貴浸出溶液(Pregnant Leach Solution:PLS)を生産することと、貴浸出液を一連の処理工程に供することで1つ以上の不純物金属を取り除くことと、リチウム含有塩生成物としてリチウムを回収することと、を有する。
リチウム含有塩はLiCOであることが望ましい。付加的な生成物は、カリウム含有塩、限定されないが好ましくはKSO、ルビジウム含有塩、限定されないが好ましくは、RbSO、セシウム含有塩、限定されないが好ましくは、CsSO、フッ化塩、塩またはアルミナとしてのアルミニウム、およびシリカ含有物、好ましくは、NaSiOを含むことが望ましい。
フッ化塩は、フッ化アルミニウムおよびアルミナの混合物を含むことが望ましい。このような混合物は、現在用いられているフッ化アルミニウムよりも、アルミニウム生産に使用される電解槽内の供給成分としての利用に適していると考えられる。電解槽に加えられる混合物は実質的に不純物を含まない必要があるため、従来使用されるフッ化アルミニウムは、一般的に、水酸化アルミニウムをフッ化水素と反応させることで調製される。
雲母含量が豊富な鉱物は、レピドライトおよび/またはチンワルダイトを含むことが望ましい。
前処理工程は、濃縮工程および粉砕工程の一方または両方を含むことが望ましい。粉砕工程は、微細粉砕工程であることが望ましい。濃縮工程は、浮遊選鉱(flotation)工程としてもよい。
粉砕工程による生成物の粒径について、P80が150ミクロン未満(<P80 150ミクロン)であることがさらに望ましい。
粉砕工程(ii)による生成物の粒径について、P80が75ミクロン未満(<P80 75ミクロン)であることがよりさらに望ましい。
浸出工程中に濃硫酸を添加することが望ましい。
酸浸出工程では、含有されるリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの少なくとも一部が溶液へと抽出され、それによって貴浸出溶液(「PLS」)を形成することがさらに望ましい。
浸出残渣はシリカを含むことが望ましく、主に非晶質シリカを含むことが望ましい。さらには、シリカの濃度が60〜90%の範囲であることが望ましい。
浸出工程は大気条件下で実行されることが望ましい。
浸出工程は沸点に近い温度、例としては120℃で、あるいはその前後で実行されることが望ましい。
浸出工程は、約50g/LのHSOを上回る遊離酸濃度となるよう、HSOが過剰な状態で実行することが望ましい。
総硫酸塩濃度は、浸出温度において溶液の飽和限界付近であることがより望ましい。例としては、>90℃で6.0MのSなどが挙げられる。
浸出工程では、約12時間の保持時間で、約90%を上回る金属抽出が達成されることがよりさらに望ましい。
選択的結晶化を利用することで、蒸発による冷却、または蒸発によらない冷却で、貴浸出溶液から1価のミョウバン(alum)塩の混合物を沈殿させることが望ましい。沈殿する塩類が、KAl(SO.12HO、RbAl(SO.12HO、およびCsAl(SO.12HOを含むことが望ましい。KSO、RbSO、および/またはCsSOを添加することで、Alの回収量を増加させてもよい。
1価のミョウバン塩類は、ミョウバンの結晶化の後に、濾過またはデカンテーションによって溶液から分離されることが望ましい。形成された濾液には、原鉱石または精鉱に含まれていたリチウムの大部分が含まれることが望ましく、約95%以上が含まれることが望ましい。
リチウムを含有する濾液に存在する不純物は、低pH不純物除去工程にて、塩基を添加することで沈殿させて除去することがなお望ましい。塩基は、望ましくは、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩または水酸化物塩の1つ以上である。沈殿する不純物が、硫酸、アルミニウム、クロム、および鉄を含むことが望ましい。
低pH不純物除去工程で生じた固体は、同伴リチウムを回収するために、水で洗浄されることが望ましい。
低pH不純物除去工程で生じた濾液は、高pH不純物除去工程へと送られ、塩基の添加によって、不純物の卑金属が沈殿させられる。塩基は、石灰および/または1価の水酸化物塩が望ましい。不純物の卑金属としては、マンガンおよびマグネシウムを含むことが望ましい。
カルシウムは、1価の炭酸塩を添加することで、高pH不純物除去工程の濾過生成物から沈殿させることが望ましい。炭酸塩は、LiCO、NaCOまたはKCOのいずれかであることが望ましい。
炭酸リチウムは、1価の炭酸塩をカルシウム沈殿の濾過生成物に加えることで沈殿させることがより望ましい。炭酸塩としては、NaCOまたはKCOのいずれかが望ましい。炭酸リチウムの分離は、濾過またはデカンテーションによって行うことが望ましい。
1価のミョウバン塩の混合物は、水に再溶解させ、選択的沈殿に付してAl(OH)を沈殿させることが望ましい。選択的沈殿は、石灰岩、石灰、1価の炭酸塩および水酸化物塩のいずれか1つ以上を加えることによりもたらされてもよい。
選択的沈澱により沈殿したAl(OH)は、濾過またはデカンテーションによって分離し、その結果生じる濾液に1価のカチオン塩が含まれることが望ましい。1価のカチオン塩は、選択的結晶化によって分離することが望ましい。
任意のルビジウムおよびセシウムの硫酸塩について、さらに処理することでその他の塩類を生成することがより望ましい。本発明の1形態では、ルビジウムおよびセシウムの硫酸塩をさらに処理することで、ギ酸塩が生成される。
本発明の1形態は、リチウム含有雲母を豊富に含む鉱物からリチウムを回収する方法として、
(i)第1の前処理工程であるフロス浮選(froth flotation)でリチウム含有鉱物であるレピドライトを脈石鉱物から分離して、精鉱を生成することと、
(ii)第2の前処理工程で、精鉱を微細粉砕することと、
(iii)大気条件下にて硫酸溶液中で浸出して、貴浸出溶液を生成し、かつリチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびアルミニウムを可溶性の硫酸塩に変換し、かつ任意の残留フッ素を抽出することと、
(iv)蒸発による冷却、または蒸発によらない冷却で、1価のミョウバン塩の混合物を選択的に結晶化することと、
(v)濾過またはデカンテーションによって、1価のミョウバン塩を液体から分離し、その結果生じる濾液に原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させることと、
(vi)HSO、アルミニウム、クロム、および鉄を含む、リチウム含有濾液に残留する不純物を、石灰石、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を含む適切な塩基を用いることで沈殿させて取り除くことと、
(vii)濾過またはデカンテーションによって、液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液に貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させ、かつ、固体を水で洗浄することで同伴リチウムを回収することと、
(viii)石灰または1価の水酸化物塩などの塩基を用いて、マンガンおよび/またはマグネシウムを含む卑金属不純物を沈殿させることと、
(ix)濾過またはデカンテーションによって、液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液に貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させ、かつ、固体を水で洗浄することで同伴リチウムを回収することと、
(x)1価の炭酸塩を添加することでカルシウムイオンを沈殿させることと、
(xi)濾過またはデカンテーションによって、液体からカルシウム塩の沈殿物を分離し、その結果生じる濾液に貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させることと、
(xii)1価の炭酸塩を添加することで、炭酸リチウムを沈殿させ、濾過またはデカンテーションによって、液体からリチウム塩を分離することと、
(xiii)塩析および/または蒸発によって、濾液から1価の硫酸塩を結晶化することと、
(xiv)工程(iv)の1価のミョウバン塩の混合物を水に再溶解し、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を用いて同混合物を選択的沈澱に供して、Al(OH)を沈殿させることと、
(xv)濾過またはデカンテーションによって、液体から沈殿したAl(OH)を分離し、その結果生じる濾液に1価のカチオン塩を含有させることと、
(xvi)選択的結晶化によって1価のカチオン塩を分離することと、
を含む。
ルビジウムおよびセシウム硫酸塩にさらに処理を施すことで、その他の塩類を生成させることが望ましい。本発明の1形態では、ルビジウムおよびセシウム硫酸塩はさらに処理され、ギ酸塩が生成する。
(vii)、(ix)および(xi)の各工程で詳述された、貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分は、約95%を超えるものとなることが望ましい。
(ii)の粉砕工程では、レピドライト鉱石または粒径について150ミクロン未満(<P80 150ミクロン)の精鉱が生成されることが望ましい。
さらには、(ii)の粉砕工程では、レピドライト鉱石または粒径について75ミクロン未満(<P80 75ミクロン)の精鉱が生成されることがより望ましい。
浸出残渣には、高濃度のシリカが含まれることが望ましい。このシリカは商業的に有用な生成物であると考えられる。
(iii)の浸出工程は、大気条件下にて沸点に近い温度で実施し、遊離酸濃度が>50g/LのHSOとなるように、HSOが過剰な状態で行うことが望ましい。
さらには、硫酸塩の総濃度は、浸出温度での溶液の飽和限界に近いものであることがより望ましい。例として、>90℃で6.0MのSなどが挙げられる。これらの条件下では、12時間以内に>90%の金属抽出が達成される。
1価のミョウバン塩が結晶化される(ix)の選択的結晶化工程は、浸出温度未満の温度で実施し、蒸発による液体の濃縮および/または1価の硫酸塩(望ましくはCsSO)の添加によって、収量を増加させることが望ましい。
さらに望ましくは、(ix)の結晶化工程は、浸出溶液を強制冷却することでも達成可能である。浸出段階から温度が低下することで、ミョウバンが結晶化を開始する。結晶は濾過によって回収し、水または1価のミョウバン塩を含む溶液によって洗浄する。
(vii)の低pH不純物除去段階は、石灰岩を用いることで7未満のpHにて実施することが望ましい。石灰岩は安価な塩基であり、硫酸塩を石こうとして除去するため推奨される。
(viii)の高pH不純物除去段階は、石灰を用いることで9より高いpHにて実施することが望ましい。石灰は安価な塩基であり、硫酸塩を石こうとして除去するため推奨される。
(x)のカルシウム沈殿工程は、LiCO生成物を添加することで実行し、沈殿したCaCOは(vi)の段階へと再利用されることが望ましい。沈殿を洗浄する必要はない。
(xii)のLiCO沈殿段階は温度を上昇させて実施し、蒸発によって溶液量を減少させることが望ましい。これによって、回収されるリチウム量が増加する。例えば、90℃より高い温度であってもよい。
本発明の1形態では、フッ化物の回収が可能となる。本形態では、以下のさらなる工程が利用される:
a)浸出溶液から1価のミョウバン塩を分離することで生じる濾液から、フッ化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムの複塩であるカーデマイト(khademite)を選択的に結晶化させること;および
b)濾過またはデカンテーションによって、液体からカーデマイトを分離し、その結果生じる濾液に貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させること。
カーデマイトを水に再溶解し、Al(OH)を用いて水酸化アルミニウムフッ化物を沈殿させることが望ましい。このAl(OH)は、本発明の処理における他の部分で生成されたものを用いるのが望ましい。
水酸化アルミニウムフッ化物は、濾過またはデカンテーションによって液体から分離し、その結果生じる濾液に硫酸アルミニウムを含有させるのが望ましい。この硫酸アルミニウムは、前記工程(i)に供するのが望ましい。硫酸アルミニウムを添加することで、カーデマイトの回収量の増加が可能になることが理解される。
さらには、前記工程(ii)におけるリチウムの大部分は、約95%を超えるものであることがより望ましい。
水酸化アルミニウムフッ化物は、350℃から600℃の温度範囲で焼成し、フッ化アルミニウムと酸化アルミニウムの混合物を生成するのが望ましい。
本発明の1形態では、カーデマイトを700℃より高い温度で焙焼し、AlFおよびAlの混合物を生成する。このカーデマイトは、必要ならばさらに精製されてもよい。
カーデマイトは、結晶化率を上げるために、前記工程(i)のカーデマイトを種として添加した液体を連続攪拌することで初期回収することが望ましい。
本発明のさらなる実施形態においては、ケイ酸塩生成物は、以下の方法の工程を利用して、酸浸出残渣から回収されてもよい:
(i)リチウム含有雲母を豊富に含む鉱物の酸浸出によって生じる、シリカの豊富な浸出残渣を得ること;
(ii)水酸化ナトリウム溶液でシリカが豊富な残渣を浸出させて、浸出スラリーを生成すること;および
(iii)浸出スラリーを濾過および洗浄することで、非晶質シリカを枯渇させた浸出残渣およびケイ酸ナトリウムを含有する浸出溶液を生成すること。
浸出物中の水酸化ナトリウムの濃度および/または固体の割合を変更することで、異なる等級またはSiO/NaO比の生成が可能となることが望ましい。浸出は、約15分以内で進行させることが望ましい。より高温にするほど、より高い抽出率が達成できる。非晶質シリカの抽出率としては、70〜95%の範囲が望ましい。さらには、SiO/NaOの比率は、最大3.5:1であることがより望ましい。
図1は、本発明に従って雲母含量が豊富な鉱物からリチウムを回収する方法を描写した工程図である。本図は、ある特定の実施形態について、酸浸出、ミョウバン結晶化、不純物除去、LiCO回収、Al(OH)沈殿、カーデマイト沈殿、および硫酸ルビジウム、硫酸セシウム、および硫酸カリウムの結晶化によって、リチウム、ルビジウム、セシウム、カリウム、フッ素、およびアルミニウムをレピドライト鉱石または精鉱から回収する方法を示している。 図2は、図1の方法における浸出段階を詳細に描写したフロー図である。 図3は、図1の方法における酸浸出残渣からケイ酸塩生成物を回収する方法について描写したフロー図である。 図4は、ルビジウムおよびセシウム生成物を回収する、本発明の第3の実施形態に従ったフロー図である。
以下に、単なる例として、1つの実施形態とそれに付随する図面を参照して、本発明の方法を説明する。
本発明の方法は、新たに改良した組み合わせの作業工程を有する。これら作業工程のいくつかは、選鉱処理および湿式精錬処理において、他の組み合わせで、かつ他の目的のために、以前より用いられていた可能性もある。
ごく一般的に言えば、本発明の1実施形態において、リチウム含有鉱物であるレピドライトは、必要に応じて、浮遊選鉱(flotation)などの鉱物分離方法によって、事前に濃縮される。続いてレピドライトの鉱石または精鉱を、微細粉砕などを含む前処理工程に供する。レピドライトに存在するリチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素、およびアルミニウムは、濃硫酸による浸出で抽出し、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素、およびアルミニウムを含む浸出溶液、ならびにシリカを含む浸出残渣を生成する。浸出溶液に含まれるカリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素、およびアルミニウムの大部分は、硫酸塩の混合物としてリチウムから分離される。選択的沈殿および結晶化などの湿式精錬技術によって、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素、およびアルミニウムを硫酸塩混合物から分離し、Al(OH)およびKSO、RbSO、AlFSOおよびCsSOを含むがこれらに限定されない潜在的に商品価値のある生成物とする。選択的沈殿および結晶化などの湿式精錬技術によって、硫酸、アルミニウム、鉄、マンガン、カルシウム、ルビジウム、セシウム、およびカリウムを含むがこれらに限定されない残留不純物をリチウムから分離し、商品価値のあるLiCOを生成する。
レピドライトは薄紫がかった灰色またはバラ色のフィロケイ酸リチウム(雲母族)の鉱物であり、ポリリシオ雲母(polylithionite)−トリリシオ雲母(trilithionite)系列に属している。レピドライトの標準的な化学式はK(Li,Al)(Al,Si)O10(F,OH)であるが、これは変動し得ることが知られている。レピドライトは、花こう岩ペグマタイト、高温の石英脈、グライゼン(greisens)、および花こう岩中に発生する。関連する鉱物としては、石英、長石、リシア輝石、アンブリゴナイト(amblygonite)、トルマリン、コルンバイト(columbite)、スズ石、トパーズ、および緑柱石が挙げられる。レピドライトは、最大で7.7%のLiOを含有する。ペグマタイト鉱石内のレピドライトは、浮遊選鉱または分類によって脈石鉱物から分離される。
本発明の諸方法は、レピドライトだけでなくチンワルダイトも含む、任意のリチウム含有雲母鉱石に適用可能であると考えられる。チンワルダイトは、一般的に薄茶色、灰色または白色で、化学式がKLiFeAl(AlSi)O10(OH,F)となる雲母族のリチウム含有ケイ酸塩鉱物である。
本発明の1形態の方法は、以下の工程を含む:
(i)リチウム含有鉱物であるレピドライトを、必要に応じてフロス浮選によって、石英や長石などの脈石鉱物から分離し、レピドライトの精鉱を生成すること;
(ii)レピドライト精鉱を微細粉砕すること;
(iii)大気条件下にて十分な硫酸溶液でレピドライトを浸出することで、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびアルミニウムを可溶性の硫酸塩に変化させるとともに、任意の残留フッ素を抽出して貴浸出溶液を生成すること;
(iv)蒸発による冷却、または蒸発によらない冷却で、KAl(SO.12HO、RbAl(SO.12HOおよびCsAl(SO.12HOを含む1価のミョウバン塩の混合物を選択的に結晶化すること(必要に応じて、KSO、RbSO、および/またはCsSOを添加して、AIの回収量を増加させることができる);
(v)濾過またはデカンテーションによって、液体から1価のミョウバン塩を分離し、その結果生じる濾液にレピドライトの原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させること;
(vi)リチウム含有濾液に存在する、HSO、アルミニウム、クロム、および鉄などの不純物を、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩(石灰岩が望ましい)などの適切な塩基を用いることで沈殿させて除去すること(塩基の添加によって溶液のpHを上昇させて中和し、不純物を沈殿させる);
(vii)濾過またはデカンテーションによって、液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液にレピドライトの原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させること(固体を水で洗浄することで、同伴リチウムを回収する);
(viii)マンガンおよびマグネシウムを含むがこれらに限定されない不純物卑金属を、石灰または1価の水酸化物塩(石灰が望ましい)などの適切な塩基を用いて沈殿させること;
(ix)濾過またはデカンテーションによって、液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液にレピドライトの原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させること(固体を水で洗浄することで、同伴リチウムを回収する);
(x)LiCO、NaCOまたはKCOなど、1価の炭酸塩を添加することでカルシウムイオンを沈殿させること;
(xi)濾過またはデカンテーションによって、液体からカルシウム塩の沈殿物を分離し、その結果生じる濾液にレピドライトの原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させること;
(xii)NaCOまたはKCOなど、1価の炭酸塩を添加することでLiCOを沈殿させること(濾過またはデカンテーションによって、液体からリチウム塩を分離する);
(xiii)塩析および/または蒸発によって、濾液から1価の硫酸塩を結晶化させること;
(xiv)1価のミョウバン塩の混合物を水に再溶解し、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を用いた、選択的沈殿をはじめとする従来の湿式精錬法によって、Al(OH)を沈殿させること;
(xv)濾過またはデカンテーションによって、液体から沈殿したAl(OH)を分離し、その結果生じる濾液に1価のカチオン塩を含有させること;
(xvi)選択的結晶化によって1価のカチオン塩を分離すること(ルビジウムおよびセシウムの硫酸塩は、必要に応じてさらに処理を行うことで、ギ酸塩など他の塩類を生成することができる)。
フッ化物の回収は、本発明の方法における状況において、次の付加的な処理工程によって達成できる。
c)フッ化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムの複塩であるカーデマイトを、濾液から選択的に結晶化すること。結晶は以下の工程(v)にて回収される。カーデマイトは、結晶化率を上昇させるために、カーデマイトを種として添加した液体を連続攪拌することで回収される。
d)濾過またはデカンテーションによって、液体からカーデマイトを分離し、その結果生じる濾液にLi雲母の原鉱石または精鉱に含まれるLiの大部分を含有させること。
e)カーデマイトは必要に応じてさらに精製することができる。
f)カーデマイトは水に再溶解させて、工程(vii)で回収されたAl(OH)を用いた水酸化アルミニウムフッ化物の沈殿に供することができる。この反応は次のように進行すると理解されている。
6AlSO(aq)+Al(OH)3(s)→3AlFOH(s)+2Al(SO3(aq)
g)濾過またはデカンテーションによって、液体から水酸化アルミニウムフッ化物を分離し、その結果生じる濾液に硫酸アルミニウムを含有させること。この硫酸アルミニウムは工程(i)に供される。硫酸アルミニウムの添加によって、カーデマイトの回収量が増加する。
h)水酸化アルミニウムフッ化物を、350℃から600℃の温度範囲で焼成し、フッ化アルミニウムと酸化アルミニウムの混合物を生成する。および、
i)カーデマイトを700℃より高い温度で焙焼し、AlFおよびAlの混合物を生成することができる。
本発明のさらなる実施形態においては、ケイ酸塩生成物は、次の処理工程によって酸浸出残渣から回収されてもよい。
(iv)シリカの豊富な残渣を、水酸化ナトリウム溶液によって浸出することで浸出スラリーを生成すること。および、
(v)浸出スラリーを濾過および洗浄することで、非晶質シリカを枯渇させた浸出残渣およびケイ酸ナトリウムを含有する浸出溶液を生成すること。
水酸化ナトリウムは、酸浸出残渣に存在する非晶質シリカと発熱反応して、ケイ酸ナトリウム溶液を生成する。浸出物中の水酸化ナトリウムの濃度および/または固体の割合を変更することで、異なる等級またはNaO/SiO比の生成が可能となる。浸出速度は迅速で、15分以内に平衡に到達する。より高温にするほど、より高い抽出率が達成できる。ケイ酸ナトリウム生成物は商品価値をもつ。この方法による、酸浸出残渣からケイ酸ナトリウムの生産は、従来のケイ酸ナトリウム生産経路よりも有意に複雑性が低いことが理解される。
レピドライトの鉱石または精鉱は、図1に示される本発明に従って処理される。レピドライト中の金属の相対等級は、単なる例として記述されたものであり、本発明の方法は、等級にかかわらず、任意のレピドライト含有素材、および任意のリチウム含有雲母を処理可能であると期待される。
図1に示されるフロー図は、本発明に従ったものであり、描写された実施形態では、特にレピドライト含有鉱石または精鉱1の処理を対象として、リチウムをLiCO 44として、カリウム、ルビジウム、およびセシウムを分離した硫酸塩19として、ならびにアルミニウムをAl(OH) 17として回収する。
レピドライト含有鉱石または精鉱1を、水2を用いた粉砕工程50に付す。この工程では、鉱石または精鉱を粉砕し、粒径、例えばP80を150ミクロン未満、望ましくは75ミクロン未満まで減少させて、含有レピドライトを迅速に溶解可能な状態とする。粉砕処理されたレピドライトスラリー3を浸出工程60に供する。この工程では、含有されたリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの少なくとも一部を溶液へと抽出し、貴浸出溶液(「PLS」)を生成する。濃縮されたHSO 4を浸出段階に添加する。浸出工程60にて使用された浸出反応装置を蒸気5によって加熱することで、金属抽出の増加および保持時間の相対的短縮が可能になる。浸出工程60は、90〜130℃の温度で、保持時間は6〜24時間で実施する。
浸出スラリー6を、浸出工程60から固液分離工程、例えばベルトフィルター70に付すことにより、浸出スラリーが浸出温度またはその付近で濾過される。濾過段階では、抽出されたリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの大半を含有するPLS 9、およびケイ酸含量の多い浸出残渣8が生成される。浸出残渣8は水7で洗浄される。洗浄濾液はPLS 9と組み合わせることが可能だが、浸出残渣8については、廃棄されるか、販売用に貯蔵されるか、または商品価値をもつシリカ含有生成物を生産するためにさらに処理されるかのいずれかとなる。
浸出工程60における総硫酸塩濃度は、浸出温度での溶液の飽和限界に近い。例えば、これは、90℃を超える温度で6.0MのSであり得る。出願人らは、これらの条件下で、12時間以内に90%を超える金属抽出が達成されることに気付いた。
フィルター70より得られたPLS 9を、1価のミョウバンの結晶化段階80に付す。陰圧を加えること、および/または冷却水などを用いた間接冷却によって、温度を低下させる。
1価のミョウバンの結晶化スラリー10は、ベルトフィルターなどによる固液分離工程90を通過する。この工程では、約5℃〜40℃など、結晶化工程の温度で、またはその付近で固体と液体が分離される。濾液21をフッ化物結晶化工程140に付し、固体を水11で洗浄する。
洗浄された1価のミョウバン12は、ミョウバン溶解工程100にて水13に溶解され、ミョウバン溶液14が生成される。アルミニウムは、アルミニウム沈殿工程110にて、石灰岩15を添加することで溶液から沈殿される。沈殿スラリー16を固液分離工程120に付し、ここで不溶性の水酸化アルミニウム17が液体18から分離される。液体18は、鉱石または精鉱中のカリウム、セシウム、およびルビジウムの大半を含有しており、選択的結晶化工程130へと供される。硫酸カリウム生成物は、硫酸ルビジウムおよび硫酸セシウムの混合生成物と共に回収され、これは集合的に19と示される。ルビジウムとセシウムの混合生成物は、必要に応じてさらに処理され、ルビジウムおよびセシウムのギ酸塩など、他の生成物を生成できる。
濾過工程90から得られる1価のミョウバンの結晶化濾液21は、レピドライト鉱石または精鉱1に含まれるリチウムの大半、一般的には99%を超えるものを含有している。この濾液は、フッ化物結晶化工程140にて、カーデマイト(AlFSO.5HO)を種(図示せず)として添加して混合することで、フッ化物含有の複塩を結晶化する。結晶化スラリー22を、固液分離工程150などの濾過処理に付し、ここでカーデマイト含有固体であるフッ化物中間体23が、フッ化物枯渇液体、すなわち濾液24から分離される。カーデマイト固体23は、さらに処理することで、必要に応じて商品価値をもつフッ化物生成物を生産できる。
SOは中和され、鉄やアルミニウムなどの不純物元素は、低pH不純物除去工程160にて、石灰岩25および蒸気26の添加によって、フッ化物結晶化濾液24から沈殿される。工程160から得られるスラリー27を、固液分離170に付し、水29で洗浄される。そして、不純物固体30は廃棄される。
低pH不純物除去工程160は、以下の条件下で実行される。溶液からフッ化物を沈殿させるために、ミョウバン石(NaAl(SO(OH))の沈殿を標的とする。フッ化物は化学構造中のOHと置換して、(NaAl(SO(F))を形成する。出願人らの予測では、ここでミョウバン石の両形態が存在する。これにより、ナトリウムやカリウムといった1価のカチオン添加が必要となる。カリウム、ルビジウム、およびセシウムは、ミョウバン石構造中のナトリウムを置換できるのに対して、リチウムはミョウバン石を形成しない。カリウム、ルビジウム、およびセシウムは、雲母から得られる液体中に存在する。ナトリウムは、リチウム沈殿濾液中に(硫酸ナトリウムとして)存在しており、これは、スラリー(石灰岩スラリーまたは石灰スラリー)として試薬を調製するために用いられる。これによって、本発明の方法における本工程にて、ナトリウムの添加が可能となる。
ミョウバン石は、高温(>90℃)およびpHが2〜3(約2.50が望ましい)の範囲で沈殿する。出願人らが行った試験では、ミョウバン石が一貫して生成され、フッ素濃度は5g/Lから2g/L未満まで低下した。
次の高pH不純物除去工程にて、リチウムがフッ化リチウムとして沈殿する可能性があるため、この工程でフッ化物を除去しておくのが望ましい。ミョウバン石は濾過および脱水しやすいため、フッ化物の捕集に使えるだけでなく、取り扱いも容易である。
低pH不純物除去工程160から得られる濾液28は、レピドライト鉱石または精鉱1中に含有されるリチウムの大半を含んでおり、これを高pH不純物除去工程180に付す。石灰31は、マンガンおよびマグネシウムなどの不純物卑金属の沈殿に用いられる。工程180から得られるスラリー32を、固液分離工程190に付し、水33で洗浄する。ここで生じた高pH不純物除去固体36は、廃棄される。
高pH不純物除去工程180から得られる濾液35は、レピドライト鉱石または精鉱1中に含有されるリチウムの大半を含んでおり、カルシウム除去工程200へと供される。この工程では、沈殿とイオン交換を組み合わせて実施する場合もある。炭酸ナトリウム溶液37を使用して、溶液からカルシウムをCaCO 40の形で沈殿させる。工程200から得られるスラリー38を、固液分離工程210に付す。そこから、沈澱したCaCO 40および残渣リチウムを、低pH不純物除去工程160で再利用する。
カルシウム沈殿から得られる濾液39は、必要に応じてイオン交換処理(図示せず)によって、さらにカルシウムを除去することができる。
カルシウム除去工程200から得られる濾液39は、レピドライト鉱石または精鉱1中に含有されるリチウムの大半を含み、不純物量も少ないため、リチウム回収工程220へと供される。この溶液は、必要に応じて、蒸発によって予備濃縮される(図示せず)。NaCO 41を濾液39へ添加して、LiCO 44を強制的に沈殿させる。工程220で使用された反応装置(図示せず)を、例えば約90度まで加熱することで、高収量のリチウム回収が可能となる。
工程220から得られるスラリー42を、固液分離工程230に付し、洗浄する。工程230から得られる濾液43は、硫酸ナトリウム結晶化工程240に供されて、NaSO 45が回収される。本工程から得られる濾液46は、低pH不純物除去工程160で再利用される。
図2は、本発明の浸出工程60に従ったフロー図を示す。同一の数字は、同一の部品、工程、または方法を指し示している。レピドライト含有鉱石または精鉱1は、粉砕工程50に付される。ここで鉱石または精鉱は、上記のように、粒径を減少させて、含有レピドライトの迅速な溶解を可能とするために、水2によって粉砕される。または、粉砕工程50は乾式粉砕法である。粉砕レピドライト3は、浸出工程60における4つの浸出反応装置の1つめ、例えば第1浸出反応装置61に供される。浸出反応装置61では、雲母中の関連するカチオンとの硫酸塩を形成するのに必要な硫酸イオンを提供する割合、および浸出溶液中の残留硫酸濃度が50g/Lより大きくなる過剰量にて、濃硫酸4が添加される。すなわち、酸はおおむね供給量に応じた比率制御として添加される。また、蒸気5を添加して、標的温度の120℃を達成できるよう担保してもよい。雲母含有浸出フィードの固体の割合も、最終浸出溶液にて特定の硫黄濃度を目指すために制御される。
浸出スラリーは、第1浸出反応装置61から排出され、第2浸出反応装置71に進入する。その後、スラリーは第2浸出反応装置71中を沈下して、第3浸出反応装置81へと入り、続いて、第4浸出反応装置91に付される。必要な保持時間を確保し、雲母から貴重な成分を十分に抽出し、スラリーの固液分離工程70への短絡を最小限とするために、数個の浸出反応装置61、71、81、および91が必要となる。浸出工程60における保持時間は、約18時間未満、例えば6〜18時間の間であり、1形態では約12時間である。標的温度を維持するために必要な場合は、反応装置71、81、および91のそれぞれに蒸気を添加してもよい。
液体中の硫酸濃度の範囲は、特に反応装置61および71などの初期反応装置を脱するときの>500g/LのHSOから、減少し、最終反応装置91から出るときの>50g/LのHSOまで及ぶ。遊離酸の濃度は、雲母フィード中の固体の割合、および浸出溶液中の標的硫黄濃度に依存しているが、>50g/Lであることが望ましい。
第4反応装置91から得られるスラリーは、固液分離工程70へと付され、浸出温度またはその付近での浸出スラリーの濾過が可能となる。濾過工程では、抽出されたリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの大部分を含有するPLS 9、およびケイ酸含量の多い浸出残渣8が生成される。これは水で洗浄される。洗浄濾液はPLS 9と組み合わせることが可能だが、浸出残渣8については、廃棄されるか、販売用に貯蔵されるか、または商品価値をもつシリカ含有生成物を生産するためにさらに処理されるかのいずれかとなる。
図3は、本発明の第2実施形態に従ったフロー図であり、ケイ酸ナトリウム生成物51の生産を示している。同一の数字は、同一の部品、工程、または方法を指し示している。レピドライト含有鉱石または精鉱1は、粉砕工程50へと付される。ここで鉱石または精鉱は、上記のように、粒径を減少させて、含有レピドライトの迅速な溶解を可能とするために粉砕される。粉砕レピドライト3は酸浸出工程60へ供され、含有されたリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの少なくとも一部が溶液へと抽出されて、貴浸出溶液(「PLS」)が生成される。濃HSO 4は、必要に応じて蒸気5と共に浸出工程60へと添加される。
酸浸出スラリー6は、浸出工程60から、例えばベルトフィルターなどの、固液分離工程70へと付され、浸出スラリー6が浸出温度またはその付近で濾過される。濾過工程では、シリカ含量の多い酸浸出残渣8が生成され、これは水7で洗浄することで、同伴する浸出溶液が除去される。
酸浸出残渣8は、アルカリ浸出工程240へ供され、含有シリカの少なくとも一部が抽出されて、ケイ酸ナトリウム溶液が生成される。濃水酸化ナトリウム溶液47が、例えば50%w/wなどの濃度で、アルカリ浸出工程で添加される。浸出工程240は、大気条件下、および上昇した温度であるが沸点未満の温度で実施される。浸出スラリー48は、固液分離工程180へ付され、不溶性残渣49から濾液として商品価値をもつケイ酸ナトリウム生成物51が分離される。不溶性残渣49は水48で洗浄され、同伴するケイ酸ナトリウムが回収される。これはケイ酸ナトリウム生成物51と一緒にされるか、またはアルカリ浸出工程240で再利用される。
アルカリ浸出工程240にて、固体の割合および水酸化ナトリウム濃度を、たとえば20〜50%w/wの範囲で変化させることで、様々な等級のケイ酸ナトリウムを生産できる。
図4は、本発明の第3実施形態に従ったフロー図であり、カリウム、ルビジウム、およびセシウム生成物の回収を示している。同一の数字は、同一の部品、工程、または方法を指し示している。洗浄された1価のミョウバン12は水13に溶解される。アルミニウムは、アルミニウム沈殿工程110にて、石灰岩15を添加することで溶液から沈殿する。沈殿スラリーは固液分離工程120へ付され、濾液または液体18から不溶性の水酸化アルミニウム17が分離される。液体18には、鉱石または精鉱から得られるカリウム、セシウム、およびルビジウムの大部分が含まれており、下記の選択的結晶化へと供される。
硫酸カリウム生成物は、硫酸カリウム晶析装置130によって強制的に結晶化されて回収される。結晶化スラリー20は固液分離工程250へ付され、硫酸カリウム252が液体から分離される。濾液254は第2結晶化工程260へ付され、残存硫酸カリウムの大部分、およびルビジウムならびにセシウム硫酸塩のある程度が結晶化される。結晶化工程260から得られるスラリー256は、固液分離工程270へ付され、硫酸塩が液体から分離され、再利用固体258としてミョウバン溶解工程100で再利用されて、塩類が回収される。
混合結晶化工程260から得られる濾液272は、比較的に硫酸カリウム含量が少なく、原鉱石または精鉱1から得られるルビジウムおよびセシウムの大部分が含まれている。濾液272はRb/Cs晶析装置280にて結晶化に供され、ルビジウムおよびセシウムが硫酸塩の形で回収される。その結果生じるスラリー274は固液分離工程290へ付され、硫酸塩276が液体または再利用濾液278から分離される。また、ミョウバン溶解工程100でも再利用される。ルビジウムおよびセシウムの混合生成物は、必要に応じてさらに処理されて、ルビジウムおよびセシウムのギ酸塩など、その他の生成物が生産される。
上記の説明より明らかなとおり、本発明の方法は、作業工程の新たな、改良した組み合わせを提供する。これら作業工程のいくつかは、選鉱工程および湿式精錬工程において、他の組み合わせで、かつ他の目的のために、以前より用いられていた可能性もある。リチウム含有鉱物であるレピドライトは、必要に応じて、鉱物分離法によって、事前に濃縮することができる。レピドライトに含まれるリチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ化物、およびアルミニウムは、濃硫酸による浸出によって抽出され、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ化物、およびアルミニウムを含む浸出溶液、およびシリカを含有する浸出残渣が生成される。浸出溶液に含まれるアルミニウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフッ素の大部分は、硫酸塩の混合物としてリチウムから分離される。選択的沈殿および結晶化などの湿式精錬の技術を実行することで、アルミニウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフッ素を硫酸塩混合物から分離して、潜在的に商品価値をもつ生成物とすることも可能である。そのような商品価値をもつ生成物としては、Al(OH)、AlFおよびKSO、RbSOならびにCsSOなどが挙げられるが、これらに限定はされない。本発明の諸方法では、リチウムが硫酸、アルミニウム、鉄、マンガン、カルシウム、ルビジウム、セシウム、およびカリウムを含むがこれらに限定されない残渣不純物から、選択的沈殿および結晶化などの湿式精錬技術によって分離され、代わりに商品価値のあるLiCOが生成される。上述のとおり、有用なギ酸塩およびケイ酸塩生成物を得てもよく、また、有用なルビジウムおよびセシウム生成物を得てもよい。
本発明に従って生成されたフッ化塩は、一般的に、フッ化アルミニウムおよびアルミナの混合物を含む。このような混合物は、現在用いられているフッ化アルミニウムよりも、アルミニウム生産に使用される電解槽内の供給成分としての利用に適していると考えられる。電解槽に加えられる混合物は実質的に不純物を含まない必要があるため、従来使用されるフッ化アルミニウムは、一般的に、水酸化アルミニウムをフッ化水素と反応させることで調製される。
浸出へ供される飼料は、少なくともリチウム含有雲母を含むものと考えられるが、リシア輝石の鉱石および/または使用済みリチウム電池生成物などのその他成分が存在する可能性もある。前処理工程としては、焙焼が含まれる場合もあると考えられる。
当業者にとって明白な修正および改変については、本発明の範囲に該当するものとみなされる。
本発明は、雲母含量の豊富な鉱物からリチウムを回収する方法に関する。より詳細には、本発明の方法は、レピドライト(lepidolite)およびチンワルダイト(zinnwaldite)などのリチウム含量の多い雲母鉱物から、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素やアルミニウムを生成物として回収可能とすることを意図している。
本発明の方法は、作業工程の新たな、改良した組み合わせから構成されている。これら作業工程のいくつかは、選鉱処理および湿式精錬処理において、他の組み合わせで、かつ他の目的のために、以前より用いられていた可能性もある。
商業採掘されるLiCOの主要供給源は、旧来より、ブライン溶液およびリシア輝石(spodumene)を含む鉱石である。今日まで、レピドライトの豊富な鉱石や精鉱から商業的にLiCOが生産された例はない。レピドライトは多くのペグマタイト鉱床に存在し、いくつかのペグマタイト鉱床では、リシア輝石と共存している場合もある。レピドライトの存在は、リシア輝石精鉱からLiCOを生産する精製業者にとって問題となる。そのため、レピドライトのリチウム含量にはなんの価値もなく、リシア輝石選鉱の過程で廃棄される。
研究室および1件の商業的応用において、レピドライトからリチウムを回収する取り組みは何度か試みられた。重要なことに、これらの先行する技術的取り組みのいずれも、鉱物の直接浸出は行っていない。
レピドライトからリチウムを抽出しLiOHを生産する方法は、1958年に掲げられた特許文献1に記載されている。同方法はAmerican Potash & Chemical Co(American Lithium Chemicals Coとして操業)によって、1955〜1960年の期間において実施された。レピドライトは質量比3対1の割合で石灰岩と混合してから、湿式ボールミルにかける。ミルからの排出物を濾過し、濾過ケーキを回転窯にて911℃で焙焼する。排出物は、向流ミキサーセトラシステムにて、急冷、粉砕した後、浸出する。アルミニウムの不純物は、石灰添加によって沈殿させ、沈殿物は濾過により取り除く。続いて濾液を蒸発させ、比較的純度の低いLiOH.HOを強制的に結晶化させる。これらの結晶を再結晶化によって精製し、商品価値をもつ生成物を生産する。本方法は、電力消費を抑え、石灰岩の費用が妥当であることに依存しているため、広範な利用には著しい制限が課される。
特許文献2には、鉱物を硫酸と反応させることで、レピドライトなどのリチウム低含量の鉱物からリチウムを回収し、最終的に溶液から沈殿させるとする方法が記載されている。本方法では、まずレピドライトを酸で鉱泥化し、140℃〜200℃、望ましくは150℃〜170℃(酸ベーク)の温度に加熱する。これは、存在し得る脈石を避け、レピドライトのみと反応させるための手法とされる。ベークは最大4時間にわたって実行され、これによって低量のアルミニウムおよびカリウムが溶解するとされる。含有される水分の大半はベーク中に蒸発し、いわゆるスラリーとは異なる、主に濃いペースト状の生成物が残される。このペーストにさらに水を加えて再鉱泥化し、続いてアルカリまたはアルカリ土類炭素塩を加えてアルミニウムを沈殿させて、pHを3.5〜4.5まで上昇させる。
米国特許第2,940,820号 米国特許第3,189,407号
本発明の回収方法の目的の1つは、従来の技術に関連する問題を実質的に克服すること、または最低でも有用な代替法を提供することである。
背景技術に関するこれまでの議論は、本発明のみに対する理解を促進することを意図したものである。本出願の優先日時点で、言及された資料のいずれかが、オーストラリアまたはその他の国地域における常識的な一般知識の一部であることを、本議論によって認知または承認するものではないことは留意すべきである。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたり、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という用語は、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」等の活用形も含めて、言明された整数または整数群を含むことを示唆するが、その他の整数または整数群を除外するものではないと理解されるものとする。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたり、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「雲母(mica)」、「雲母(micas)」という用語は、その明らかな関連語も含めて、シート状または板状構造に結晶化する、一連の複雑な含水性のアルミノケイ酸塩鉱物を指し示すと理解されるものとする。具体的には、本明細書にて言及される雲母は、リチウムを含有する雲母と理解されるべきである。
本発明に従って、リチウムを含有する雲母含量が豊富な鉱物からリチウムを回収する方法が提供される。本方法は、リチウムを含有する雲母含量が豊富な鉱物を1つ以上含む鉱石を少なくとも1つの前処理工程に付すことと、前処理された鉱石を酸浸出工程に付すことで浸出スラリーを生産し、次に浸出スラリーを固液分離工程に付して、当該分離工程により浸出残渣および貴浸出溶液(Pregnant Leach Solution)を生産することと、貴浸出液を一連の処理工程に供することで1つ以上の不純物金属を取り除くことと、リチウム含有塩生成物としてリチウムを回収することと、を有する。
リチウム含有塩はLiCOであることが望ましい。付加的な生成物は、カリウム含有塩、限定されないが好ましくはKSO、ルビジウム含有塩、限定されないが好ましくは、RbSO、セシウム含有塩、限定されないが好ましくは、CsSO、フッ化塩、塩またはアルミナとしてのアルミニウム、およびシリカ含有物、好ましくは、NaSiOを含むことが望ましい。
フッ化塩は、フッ化アルミニウムおよびアルミナの混合物を含むことが望ましい。このような混合物は、現在用いられているフッ化アルミニウムよりも、アルミニウム生産に使用される電解槽内の供給成分としての利用に適していると考えられる。電解槽に加えられる混合物は実質的に不純物を含まない必要があるため、従来使用されるフッ化アルミニウムは、一般的に、水酸化アルミニウムをフッ化水素と反応させることで調製される。
雲母含量が豊富な鉱物は、レピドライトおよび/またはチンワルダイトを含むことが望ましい。
前処理工程は、濃縮工程および粉砕工程の一方または両方を含むことが望ましい。粉砕工程は、微細粉砕工程であることが望ましい。濃縮工程は、浮遊選鉱(flotation)工程としてもよい。
粉砕工程による生成物の粒径について、P80が150ミクロン未満(<P80 150ミクロン)であることがさらに望ましい。
粉砕工程(ii)による生成物の粒径について、P80が75ミクロン未満(<P80 75ミクロン)であることがよりさらに望ましい。
浸出工程中に濃硫酸を添加することが望ましい。
酸浸出工程では、含有されるリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの少なくとも一部が溶液へと抽出され、それによって貴浸出溶液(「PLS」)を形成することがさらに望ましい。
上記浸出残渣はシリカを含むことが望ましく、主に非晶質シリカを含むことが望ましい。さらには、シリカの濃度が60〜90%の範囲であることが望ましい。
浸出工程は大気条件下で実行されることが望ましい。
浸出工程は沸点に近い温度、例としては120℃で、あるいはその前後で実行されることが望ましい。
浸出工程は、約50g/LのHSOを上回る遊離酸濃度となるよう、HSOが過剰な状態で実行することが望ましい。
総硫酸塩濃度は、浸出温度において溶液の飽和限界付近であることがより望ましい。例としては、>90℃で6.0MのSなどが挙げられる。
浸出工程では、約12時間の保持時間で、約90%を上回る金属抽出が達成されることがよりさらに望ましい。
選択的結晶化を利用することで、蒸発による冷却、または蒸発によらない冷却で、貴浸出溶液から1価のミョウバン(alum)塩の混合物を沈殿させることが望ましい。沈殿する塩類が、KAl(SO.12HO、RbAl(SO.12HO、およびCsAl(SO.12HOを含むことが望ましい。KSO、RbSO、および/またはCsSOを添加することで、Alの回収量を増加させてもよい。
1価のミョウバン塩類は、ミョウバンの結晶化の後に、濾過またはデカンテーションによって溶液から分離されることが望ましい。形成された濾液には、原鉱石または精鉱に含まれていたリチウムの大部分が含まれることが望ましく、約95%以上が含まれることが望ましい。
リチウムを含有する濾液に存在する不純物は、低pH不純物除去工程にて、塩基を添加することで沈殿させて除去することがなお望ましい。塩基は、望ましくは、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩または水酸化物塩の1つ以上である。沈殿する不純物が、硫酸、アルミニウム、クロム、および鉄を含むことが望ましい。
低pH不純物除去工程で生じた固体は、同伴リチウムを回収するために、水で洗浄されることが望ましい。
低pH不純物除去工程で生じた濾液は、高pH不純物除去工程へと送られ、塩基の添加によって、不純物の卑金属が沈殿させられる。塩基は、石灰および/または1価の水酸化物塩が望ましい。不純物の卑金属としては、マンガンおよびマグネシウムを含むことが望ましい。
カルシウムは、1価の炭酸塩を添加することで、高pH不純物除去工程の濾過生成物から沈殿させることが望ましい。炭酸塩は、LiCO、NaCOまたはKCOのいずれかであることが望ましい。
炭酸リチウムは、1価の炭酸塩をカルシウム沈殿の濾過生成物に加えることで沈殿させることがより望ましい。炭酸塩としては、NaCOまたはKCOのいずれかが望ましい。炭酸リチウムの分離は、濾過またはデカンテーションによって行うことが望ましい。
1価のミョウバン塩の混合物は、水に再溶解させ、選択的沈殿に付してAl(OH)を沈殿させることが望ましい。選択的沈殿は、石灰岩、石灰、1価の炭酸塩および水酸化物塩のいずれか1つ以上を加えることによりもたらされてもよい。
選択的沈澱により沈殿したAl(OH)は、濾過またはデカンテーションによって分離し、その結果生じる濾液に1価のカチオン塩が含まれることが望ましい。1価のカチオン塩は、選択的結晶化によって分離することが望ましい。
任意のルビジウムおよびセシウムの硫酸塩について、さらに処理することでその他の塩類を生成することがより望ましい。本発明の1形態では、ルビジウムおよびセシウムの硫酸塩をさらに処理することで、ギ酸塩が生成される。
本発明の1形態は、リチウム含有雲母を豊富に含む鉱物からリチウムを回収する方法として、
(i)第1の前処理工程であるフロス浮選(froth flotation)でリチウム含有鉱物であるレピドライトを脈石鉱物から分離して、精鉱を生成することと、
(ii)第2の前処理工程で、精鉱を微細粉砕することと、
(iii)大気条件下にて硫酸溶液中で浸出して浸出スラリーを生成し、次に浸出スラリーを固液分離工程に付して、当該分離工程により浸出残渣、および可溶性のリチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびアルミニウムの硫酸塩、ならびに抽出されたフッ素を含有する貴浸出溶液を生産することと、
(iv)蒸発による冷却、または蒸発によらない冷却で、1価のミョウバン塩の混合物を選択的に結晶化することと、
(v)濾過またはデカンテーションによって、1価のミョウバン塩を液体から分離し、その結果生じる濾液に原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させることと、
(vi)HSO、アルミニウム、クロム、および鉄を含む、リチウム含有濾液に残留する不純物を、石灰石、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を含む適切な塩基を用いることで沈殿させて取り除くことと、
(vii)濾過またはデカンテーションによって、液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液に貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させ、かつ、固体を水で洗浄することで同伴リチウムを回収することと、
(viii)石灰または1価の水酸化物塩などの塩基を用いて、マンガンおよび/またはマグネシウムを含む卑金属不純物を沈殿させることと、
(ix)濾過またはデカンテーションによって、液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液に貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させ、かつ、固体を水で洗浄することで同伴リチウムを回収することと、
(x)1価の炭酸塩を添加することでカルシウムイオンを沈殿させることと、
(xi)濾過またはデカンテーションによって、液体からカルシウム塩の沈殿物を分離し、その結果生じる濾液に貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させることと、
(xii)1価の炭酸塩を添加することで、炭酸リチウムを沈殿させ、濾過またはデカンテーションによって、液体からリチウム塩を分離することと、
(xiii)塩析および/または蒸発によって、濾液から1価の硫酸塩を結晶化することと、
(xiv)工程(iv)の1価のミョウバン塩の混合物を水に再溶解し、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を用いて同混合物を選択的沈澱に供して、Al(OH)を沈殿させることと、
(xv)濾過またはデカンテーションによって、液体から沈殿したAl(OH)を分離し、その結果生じる濾液に1価のカチオン塩を含有させることと、
(xvi)選択的結晶化によって1価のカチオン塩を分離することと、
を含む。
ルビジウムおよびセシウム硫酸塩にさらに処理を施すことで、その他の塩類を生成させることが望ましい。本発明の1形態では、ルビジウムおよびセシウム硫酸塩はさらに処理され、ギ酸塩が生成する。
(vii)、(ix)および(xi)の各工程で詳述された、貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分は、約95%を超えるものとなることが望ましい。
(ii)の粉砕工程では、レピドライト鉱石または粒径について150ミクロン未満(<P80 150ミクロン)の精鉱が生成されることが望ましい。
さらには、(ii)の粉砕工程では、レピドライト鉱石または粒径について75ミクロン未満(<P80 75ミクロン)の精鉱が生成されることがより望ましい。
浸出残渣には、高濃度のシリカが含まれることが望ましい。このシリカは商業的に有用な生成物であると考えられる。
(iii)の浸出工程は、大気条件下にて沸点に近い温度で実施し、遊離酸濃度が>50g/LのHSOとなるように、HSOが過剰な状態で行うことが望ましい。
さらには、硫酸塩の総濃度は、浸出温度での溶液の飽和限界に近いものであることがより望ましい。例として、>90℃で6.0MのSなどが挙げられる。これらの条件下では、12時間以内に>90%の金属抽出が達成される。
1価のミョウバン塩が結晶化される(ix)の選択的結晶化工程は、浸出温度未満の温度で実施し、蒸発による液体の濃縮および/または1価の硫酸塩(望ましくはCsSO)の添加によって、収量を増加させることが望ましい。
さらに望ましくは、(ix)の結晶化工程は、浸出溶液を強制冷却することでも達成可能である。浸出段階から温度が低下することで、ミョウバンが結晶化を開始する。結晶は濾過によって回収し、水または1価のミョウバン塩を含む溶液によって洗浄する。
(vii)の低pH不純物除去段階は、石灰岩を用いることで7未満のpHにて実施することが望ましい。石灰岩は安価な塩基であり、硫酸塩を石こうとして除去するため推奨される。
(viii)の高pH不純物除去段階は、石灰を用いることで9より高いpHにて実施することが望ましい。石灰は安価な塩基であり、硫酸塩を石こうとして除去するため推奨される。
(x)のカルシウム沈殿工程は、LiCO生成物を添加することで実行し、沈殿したCaCOは(vi)の段階へと再利用されることが望ましい。沈殿を洗浄する必要はない。
(xii)のLiCO沈殿段階は温度を上昇させて実施し、蒸発によって溶液量を減少させることが望ましい。これによって、回収されるリチウム量が増加する。例えば、90℃より高い温度であってもよい。
本発明の1形態では、フッ化物の回収が可能となる。本形態では、以下のさらなる工程が利用される:
a)浸出溶液から1価のミョウバン塩を分離することで生じる濾液から、フッ化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムの複塩であるカーデマイト(khademite)を選択的に結晶化させること;および
b)濾過またはデカンテーションによって、液体からカーデマイトを分離し、その結果生じる濾液に貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させること。
カーデマイトを水に再溶解し、Al(OH)を用いて水酸化アルミニウムフッ化物を沈殿させることが望ましい。このAl(OH)は、本発明の処理における他の部分で生成されたものを用いるのが望ましい。
水酸化アルミニウムフッ化物は、濾過またはデカンテーションによって液体から分離し、その結果生じる濾液に硫酸アルミニウムを含有させるのが望ましい。この硫酸アルミニウムは、前記工程(i)に供するのが望ましい。硫酸アルミニウムを添加することで、カーデマイトの回収量の増加が可能になることが理解される。
さらには、前記工程(ii)におけるリチウムの大部分は、約95%を超えるものであることがより望ましい。
水酸化アルミニウムフッ化物は、350℃から600℃の温度範囲で焼成し、フッ化アルミニウムと酸化アルミニウムの混合物を生成するのが望ましい。
本発明の1形態では、カーデマイトを700℃より高い温度で焙焼し、AlFおよびAlの混合物を生成する。このカーデマイトは、必要ならばさらに精製されてもよい。
カーデマイトは、結晶化率を上げるために、前記工程(i)のカーデマイトを種として添加した液体を連続攪拌することで初期回収することが望ましい。
本発明のさらなる実施形態においては、ケイ酸塩生成物は、以下のさらなる方法の工程を利用して、上記酸浸出残渣から回収されてもよい:
(i)水酸化ナトリウム溶液でシリカ含有浸出残渣を浸出させて、浸出スラリーを生成すること;および
ii)浸出スラリーを濾過および洗浄することで、非晶質シリカを枯渇させた浸出残渣およびケイ酸ナトリウムを含有する浸出溶液を生成すること。
浸出物中の水酸化ナトリウムの濃度および/または固体の割合を変更することで、異なる等級またはSiO/NaO比の生成が可能となることが望ましい。浸出は、約15分以内で進行させることが望ましい。より高温にするほど、より高い抽出率が達成できる。非晶質シリカの抽出率としては、70〜95%の範囲が望ましい。さらには、SiO/NaOの比率は、最大3.5:1であることがより望ましい。
図1は、本発明に従って雲母含量が豊富な鉱物からリチウムを回収する方法を描写した工程図である。本図は、ある特定の実施形態について、酸浸出、ミョウバン結晶化、不純物除去、LiCO回収、Al(OH)沈殿、カーデマイト沈殿、および硫酸ルビジウム、硫酸セシウム、および硫酸カリウムの結晶化によって、リチウム、ルビジウム、セシウム、カリウム、フッ素、およびアルミニウムをレピドライト鉱石または精鉱から回収する方法を示している。 図2は、図1の方法における浸出段階を詳細に描写したフロー図である。 図3は、図1の方法における酸浸出残渣からケイ酸塩生成物を回収する方法について描写したフロー図である。 図4は、ルビジウムおよびセシウム生成物を回収する、本発明の第3の実施形態に従ったフロー図である。
以下に、単なる例として、1つの実施形態とそれに付随する図面を参照して、本発明の方法を説明する。
本発明の方法は、新たに改良した組み合わせの作業工程を有する。これら作業工程のいくつかは、選鉱処理および湿式精錬処理において、他の組み合わせで、かつ他の目的のために、以前より用いられていた可能性もある。
ごく一般的に言えば、本発明の1実施形態において、リチウム含有鉱物であるレピドライトは、必要に応じて、浮遊選鉱(flotation)などの鉱物分離方法によって、事前に濃縮される。続いてレピドライトの鉱石または精鉱を、微細粉砕などを含む前処理工程に供する。レピドライトに存在するリチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素、およびアルミニウムは、濃硫酸による浸出で抽出し、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素、およびアルミニウムを含む浸出溶液、ならびにシリカを含む浸出残渣を生成する。浸出溶液に含まれるカリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素、およびアルミニウムの大部分は、硫酸塩の混合物としてリチウムから分離される。選択的沈殿および結晶化などの湿式精錬技術によって、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ素、およびアルミニウムを硫酸塩混合物から分離し、Al(OH)およびKSO、RbSO、AlFSOおよびCsSOを含むがこれらに限定されない潜在的に商品価値のある生成物とする。選択的沈殿および結晶化などの湿式精錬技術によって、硫酸、アルミニウム、鉄、マンガン、カルシウム、ルビジウム、セシウム、およびカリウムを含むがこれらに限定されない残留不純物をリチウムから分離し、商品価値のあるLiCOを生成する。
レピドライトは薄紫がかった灰色またはバラ色のフィロケイ酸リチウム(雲母族)の鉱物であり、ポリリシオ雲母(polylithionite)−トリリシオ雲母(trilithionite)系列に属している。レピドライトの標準的な化学式はK(Li,Al)(Al,Si)O10(F,OH)であるが、これは変動し得ることが知られている。レピドライトは、花こう岩ペグマタイト、高温の石英脈、グライゼン(greisens)、および花こう岩中に発生する。関連する鉱物としては、石英、長石、リシア輝石、アンブリゴナイト(amblygonite)、トルマリン、コルンバイト(columbite)、スズ石、トパーズ、および緑柱石が挙げられる。レピドライトは、最大で7.7%のLiOを含有する。ペグマタイト鉱石内のレピドライトは、浮遊選鉱または分類によって脈石鉱物から分離される。
本発明の諸方法は、レピドライトだけでなくチンワルダイトも含む、任意のリチウム含有雲母鉱石に適用可能であると考えられる。チンワルダイトは、一般的に薄茶色、灰色または白色で、化学式がKLiFeAl(AlSi)O10(OH,F)となる雲母族のリチウム含有ケイ酸塩鉱物である。
本発明の1形態の方法は、以下の工程を含む:
(i)リチウム含有鉱物であるレピドライトを、必要に応じてフロス浮選によって、石英や長石などの脈石鉱物から分離し、レピドライトの精鉱を生成すること;
(ii)レピドライト精鉱を微細粉砕すること;
(iii)大気条件下にて十分な硫酸溶液でレピドライトを浸出することで、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびアルミニウムを可溶性の硫酸塩に変化させるとともに、任意の残留フッ素を抽出して貴浸出溶液を生成すること;
(iv)蒸発による冷却、または蒸発によらない冷却で、KAl(SO.12HO、RbAl(SO.12HOおよびCsAl(SO.12HOを含む1価のミョウバン塩の混合物を選択的に結晶化すること(必要に応じて、KSO、RbSO、および/またはCsSOを添加して、AIの回収量を増加させることができる);
(v)濾過またはデカンテーションによって、液体から1価のミョウバン塩を分離し、その結果生じる濾液にレピドライトの原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させること;
(vi)リチウム含有濾液に存在する、HSO、アルミニウム、クロム、および鉄などの不純物を、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩(石灰岩が望ましい)などの適切な塩基を用いることで沈殿させて除去すること(塩基の添加によって溶液のpHを上昇させて中和し、不純物を沈殿させる);
(vii)濾過またはデカンテーションによって、液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液にレピドライトの原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させること(固体を水で洗浄することで、同伴リチウムを回収する);
(viii)マンガンおよびマグネシウムを含むがこれらに限定されない不純物卑金属を、石灰または1価の水酸化物塩(石灰が望ましい)などの適切な塩基を用いて沈殿させること;
(ix)濾過またはデカンテーションによって、液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液にレピドライトの原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させること(固体を水で洗浄することで、同伴リチウムを回収する);
(x)LiCO、NaCOまたはKCOなど、1価の炭酸塩を添加することでカルシウムイオンを沈殿させること;
(xi)濾過またはデカンテーションによって、液体からカルシウム塩の沈殿物を分離し、その結果生じる濾液にレピドライトの原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させること;
(xii)NaCOまたはKCOなど、1価の炭酸塩を添加することでLiCOを沈殿させること(濾過またはデカンテーションによって、液体からリチウム塩を分離する);
(xiii)塩析および/または蒸発によって、濾液から1価の硫酸塩を結晶化させること;
(xiv)1価のミョウバン塩の混合物を水に再溶解し、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を用いた、選択的沈殿をはじめとする従来の湿式精錬法によって、Al(OH)を沈殿させること;
(xv)濾過またはデカンテーションによって、液体から沈殿したAl(OH)を分離し、その結果生じる濾液に1価のカチオン塩を含有させること;
(xvi)選択的結晶化によって1価のカチオン塩を分離すること(ルビジウムおよびセシウムの硫酸塩は、必要に応じてさらに処理を行うことで、ギ酸塩など他の塩類を生成することができる)。
フッ化物の回収は、本発明の方法における状況において、次の付加的な処理工程によって達成できる。
c)フッ化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムの複塩であるカーデマイトを、濾液から選択的に結晶化すること。結晶は以下の工程(v)にて回収される。カーデマイトは、結晶化率を上昇させるために、カーデマイトを種として添加した液体を連続攪拌することで回収される。
d)濾過またはデカンテーションによって、液体からカーデマイトを分離し、その結果生じる濾液にLi雲母の原鉱石または精鉱に含まれるLiの大部分を含有させること。
e)カーデマイトは必要に応じてさらに精製することができる。
f)カーデマイトは水に再溶解させて、工程(vii)で回収されたAl(OH)を用いた水酸化アルミニウムフッ化物の沈殿に供することができる。この反応は次のように進行すると理解されている。
6AlSO(aq)+Al(OH)3(s)→3AlFOH(s)+2Al(SO3(aq)
g)濾過またはデカンテーションによって、液体から水酸化アルミニウムフッ化物を分離し、その結果生じる濾液に硫酸アルミニウムを含有させること。この硫酸アルミニウムは工程(i)に供される。硫酸アルミニウムの添加によって、カーデマイトの回収量が増加する。
h)水酸化アルミニウムフッ化物を、350℃から600℃の温度範囲で焼成し、フッ化アルミニウムと酸化アルミニウムの混合物を生成する。および、
i)カーデマイトを700℃より高い温度で焙焼し、AlFおよびAlの混合物を生成することができる。
本発明のさらなる実施形態においては、ケイ酸塩生成物は、次の処理工程によって酸浸出残渣から回収されてもよい。
iii)シリカの豊富な残渣を、水酸化ナトリウム溶液によって浸出することで浸出スラリーを生成すること。および、
iv)浸出スラリーを濾過および洗浄することで、非晶質シリカを枯渇させた浸出残渣およびケイ酸ナトリウムを含有する浸出溶液を生成すること。
水酸化ナトリウムは、酸浸出残渣に存在する非晶質シリカと発熱反応して、ケイ酸ナトリウム溶液を生成する。浸出物中の水酸化ナトリウムの濃度および/または固体の割合を変更することで、異なる等級またはNaO/SiO比の生成が可能となる。浸出速度は迅速で、15分以内に平衡に到達する。より高温にするほど、より高い抽出率が達成できる。ケイ酸ナトリウム生成物は商品価値をもつ。この方法による、酸浸出残渣からケイ酸ナトリウムの生産は、従来のケイ酸ナトリウム生産経路よりも有意に複雑性が低いことが理解される。
レピドライトの鉱石または精鉱は、図1に示される本発明に従って処理される。レピドライト中の金属の相対等級は、単なる例として記述されたものであり、本発明の方法は、等級にかかわらず、任意のレピドライト含有素材、および任意のリチウム含有雲母を処理可能であると期待される。
図1に示されるフロー図は、本発明に従ったものであり、描写された実施形態では、特にレピドライト含有鉱石または精鉱1の処理を対象として、リチウムをLiCO 44として、カリウム、ルビジウム、およびセシウムを分離した硫酸塩19として、ならびにアルミニウムをAl(OH) 17として回収する。
レピドライト含有鉱石または精鉱1を、水2を用いた粉砕工程50に付す。この工程では、鉱石または精鉱を粉砕し、粒径、例えばP80を150ミクロン未満、望ましくは75ミクロン未満まで減少させて、含有レピドライトを迅速に溶解可能な状態とする。粉砕処理されたレピドライトスラリー3を浸出工程60に供する。この工程では、含有されたリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの少なくとも一部を溶液へと抽出し、貴浸出溶液(「PLS」)を生成する。濃縮されたHSO 4を浸出段階に添加する。浸出工程60にて使用された浸出反応装置を蒸気5によって加熱することで、金属抽出の増加および保持時間の相対的短縮が可能になる。浸出工程60は、90〜130℃の温度で、保持時間は6〜24時間で実施する。
浸出スラリー6を、浸出工程60から固液分離工程、例えばベルトフィルター70に付すことにより、浸出スラリーが浸出温度またはその付近で濾過される。濾過段階では、抽出されたリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの大半を含有するPLS 9、およびケイ酸含量の多い浸出残渣8が生成される。浸出残渣8は水7で洗浄される。洗浄濾液はPLS 9と組み合わせることが可能だが、浸出残渣8については、廃棄されるか、販売用に貯蔵されるか、または商品価値をもつシリカ含有生成物を生産するためにさらに処理されるかのいずれかとなる。
浸出工程60における総硫酸塩濃度は、浸出温度での溶液の飽和限界に近い。例えば、これは、90℃を超える温度で6.0MのSであり得る。出願人らは、これらの条件下で、12時間以内に90%を超える金属抽出が達成されることに気付いた。
フィルター70より得られたPLS 9を、1価のミョウバンの結晶化段階80に付す。陰圧を加えること、および/または冷却水などを用いた間接冷却によって、温度を低下させる。
1価のミョウバンの結晶化スラリー10は、ベルトフィルターなどによる固液分離工程90を通過する。この工程では、約5℃〜40℃など、結晶化工程の温度で、またはその付近で固体と液体が分離される。濾液21をフッ化物結晶化工程140に付し、固体を水11で洗浄する。
洗浄された1価のミョウバン12は、ミョウバン溶解工程100にて水13に溶解され、ミョウバン溶液14が生成される。アルミニウムは、アルミニウム沈殿工程110にて、石灰岩15を添加することで溶液から沈殿される。沈殿スラリー16を固液分離工程120に付し、ここで不溶性の水酸化アルミニウム17が液体18から分離される。液体18は、鉱石または精鉱中のカリウム、セシウム、およびルビジウムの大半を含有しており、選択的結晶化工程130へと供される。硫酸カリウム生成物は、硫酸ルビジウムおよび硫酸セシウムの混合生成物と共に回収され、これは集合的に19と示される。ルビジウムとセシウムの混合生成物は、必要に応じてさらに処理され、ルビジウムおよびセシウムのギ酸塩など、他の生成物を生成できる。
濾過工程90から得られる1価のミョウバンの結晶化濾液21は、レピドライト鉱石または精鉱1に含まれるリチウムの大半、一般的には99%を超えるものを含有している。この濾液は、フッ化物結晶化工程140にて、カーデマイト(AlFSO.5HO)を種(図示せず)として添加して混合することで、フッ化物含有の複塩を結晶化する。結晶化スラリー22を、固液分離工程150などの濾過処理に付し、ここでカーデマイト含有固体であるフッ化物中間体23が、フッ化物枯渇液体、すなわち濾液24から分離される。カーデマイト固体23は、さらに処理することで、必要に応じて商品価値をもつフッ化物生成物を生産できる。
SOは中和され、鉄やアルミニウムなどの不純物元素は、低pH不純物除去工程160にて、石灰岩25および蒸気26の添加によって、フッ化物結晶化濾液24から沈殿される。工程160から得られるスラリー27を、固液分離170に付し、水29で洗浄される。そして、不純物固体30は廃棄される。
低pH不純物除去工程160は、以下の条件下で実行される。溶液からフッ化物を沈殿させるために、ミョウバン石(NaAl(SO(OH))の沈殿を標的とする。フッ化物は化学構造中のOHと置換して、(NaAl(SO(F))を形成する。出願人らの予測では、ここでミョウバン石の両形態が存在する。これにより、ナトリウムやカリウムといった1価のカチオン添加が必要となる。カリウム、ルビジウム、およびセシウムは、ミョウバン石構造中のナトリウムを置換できるのに対して、リチウムはミョウバン石を形成しない。カリウム、ルビジウム、およびセシウムは、雲母から得られる液体中に存在する。ナトリウムは、リチウム沈殿濾液中に(硫酸ナトリウムとして)存在しており、これは、スラリー(石灰岩スラリーまたは石灰スラリー)として試薬を調製するために用いられる。これによって、本発明の方法における本工程にて、ナトリウムの添加が可能となる。
ミョウバン石は、高温(>90℃)およびpHが2〜3(約2.50が望ましい)の範囲で沈殿する。出願人らが行った試験では、ミョウバン石が一貫して生成され、フッ素濃度は5g/Lから2g/L未満まで低下した。
次の高pH不純物除去工程にて、リチウムがフッ化リチウムとして沈殿する可能性があるため、この工程でフッ化物を除去しておくのが望ましい。ミョウバン石は濾過および脱水しやすいため、フッ化物の捕集に使えるだけでなく、取り扱いも容易である。
低pH不純物除去工程160から得られる濾液28は、レピドライト鉱石または精鉱1中に含有されるリチウムの大半を含んでおり、これを高pH不純物除去工程180に付す。石灰31は、マンガンおよびマグネシウムなどの不純物卑金属の沈殿に用いられる。工程180から得られるスラリー32を、固液分離工程190に付し、水33で洗浄する。ここで生じた高pH不純物除去固体36は、廃棄される。
高pH不純物除去工程180から得られる濾液35は、レピドライト鉱石または精鉱1中に含有されるリチウムの大半を含んでおり、カルシウム除去工程200へと供される。この工程では、沈殿とイオン交換を組み合わせて実施する場合もある。炭酸ナトリウム溶液37を使用して、溶液からカルシウムをCaCO 40の形で沈殿させる。工程200から得られるスラリー38を、固液分離工程210に付す。そこから、沈澱したCaCO 40および残渣リチウムを、低pH不純物除去工程160で再利用する。
カルシウム沈殿から得られる濾液39は、必要に応じてイオン交換処理(図示せず)によって、さらにカルシウムを除去することができる。
カルシウム除去工程200から得られる濾液39は、レピドライト鉱石または精鉱1中に含有されるリチウムの大半を含み、不純物量も少ないため、リチウム回収工程220へと供される。この溶液は、必要に応じて、蒸発によって予備濃縮される(図示せず)。NaCO 41を濾液39へ添加して、LiCO 44を強制的に沈殿させる。工程220で使用された反応装置(図示せず)を、例えば約90度まで加熱することで、高収量のリチウム回収が可能となる。
工程220から得られるスラリー42を、固液分離工程230に付し、洗浄する。工程230から得られる濾液43は、硫酸ナトリウム結晶化工程240に供されて、NaSO 45が回収される。本工程から得られる濾液46は、低pH不純物除去工程160で再利用される。
図2は、本発明の浸出工程60に従ったフロー図を示す。同一の数字は、同一の部品、工程、または方法を指し示している。レピドライト含有鉱石または精鉱1は、粉砕工程50に付される。ここで鉱石または精鉱は、上記のように、粒径を減少させて、含有レピドライトの迅速な溶解を可能とするために、水2によって粉砕される。または、粉砕工程50は乾式粉砕法である。粉砕レピドライト3は、浸出工程60における4つの浸出反応装置の1つめ、例えば第1浸出反応装置61に供される。浸出反応装置61では、雲母中の関連するカチオンとの硫酸塩を形成するのに必要な硫酸イオンを提供する割合、および浸出溶液中の残留硫酸濃度が50g/Lより大きくなる過剰量にて、濃硫酸4が添加される。すなわち、酸はおおむね供給量に応じた比率制御として添加される。また、蒸気5を添加して、標的温度の120℃を達成できるよう担保してもよい。雲母含有浸出フィードの固体の割合も、最終浸出溶液にて特定の硫黄濃度を目指すために制御される。
浸出スラリーは、第1浸出反応装置61から排出され、第2浸出反応装置71に進入する。その後、スラリーは第2浸出反応装置71中を沈下して、第3浸出反応装置81へと入り、続いて、第4浸出反応装置91に付される。必要な保持時間を確保し、雲母から貴重な成分を十分に抽出し、スラリーの固液分離工程70への短絡を最小限とするために、数個の浸出反応装置61、71、81、および91が必要となる。浸出工程60における保持時間は、約18時間未満、例えば6〜18時間の間であり、1形態では約12時間である。標的温度を維持するために必要な場合は、反応装置71、81、および91のそれぞれに蒸気を添加してもよい。
液体中の硫酸濃度の範囲は、特に反応装置61および71などの初期反応装置を脱するときの>500g/LのHSOから、減少し、最終反応装置91から出るときの>50g/LのHSOまで及ぶ。遊離酸の濃度は、雲母フィード中の固体の割合、および浸出溶液中の標的硫黄濃度に依存しているが、>50g/Lであることが望ましい。
第4反応装置91から得られるスラリーは、固液分離工程70へと付され、浸出温度またはその付近での浸出スラリーの濾過が可能となる。濾過工程では、抽出されたリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの大部分を含有するPLS 9、およびケイ酸含量の多い浸出残渣8が生成される。これは水で洗浄される。洗浄濾液はPLS 9と組み合わせることが可能だが、浸出残渣8については、廃棄されるか、販売用に貯蔵されるか、または商品価値をもつシリカ含有生成物を生産するためにさらに処理されるかのいずれかとなる。
図3は、本発明の第2実施形態に従ったフロー図であり、ケイ酸ナトリウム生成物51の生産を示している。同一の数字は、同一の部品、工程、または方法を指し示している。レピドライト含有鉱石または精鉱1は、粉砕工程50へと付される。ここで鉱石または精鉱は、上記のように、粒径を減少させて、含有レピドライトの迅速な溶解を可能とするために粉砕される。粉砕レピドライト3は酸浸出工程60へ供され、含有されたリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの少なくとも一部が溶液へと抽出されて、貴浸出溶液(「PLS」)が生成される。濃HSO 4は、必要に応じて蒸気5と共に浸出工程60へと添加される。
酸浸出スラリー6は、浸出工程60から、例えばベルトフィルターなどの、固液分離工程70へと付され、浸出スラリー6が浸出温度またはその付近で濾過される。濾過工程では、シリカ含量の多い酸浸出残渣8が生成され、これは水7で洗浄することで、同伴する浸出溶液が除去される。
酸浸出残渣8は、アルカリ浸出工程240へ供され、含有シリカの少なくとも一部が抽出されて、ケイ酸ナトリウム溶液が生成される。濃水酸化ナトリウム溶液47が、例えば50%w/wなどの濃度で、アルカリ浸出工程で添加される。浸出工程240は、大気条件下、および上昇した温度であるが沸点未満の温度で実施される。浸出スラリー48は、固液分離工程180へ付され、不溶性残渣49から濾液として商品価値をもつケイ酸ナトリウム生成物51が分離される。不溶性残渣49は水48で洗浄され、同伴するケイ酸ナトリウムが回収される。これはケイ酸ナトリウム生成物51と一緒にされるか、またはアルカリ浸出工程240で再利用される。
アルカリ浸出工程240にて、固体の割合および水酸化ナトリウム濃度を、たとえば20〜50%w/wの範囲で変化させることで、様々な等級のケイ酸ナトリウムを生産できる。
図4は、本発明の第3実施形態に従ったフロー図であり、カリウム、ルビジウム、およびセシウム生成物の回収を示している。同一の数字は、同一の部品、工程、または方法を指し示している。洗浄された1価のミョウバン12は水13に溶解される。アルミニウムは、アルミニウム沈殿工程110にて、石灰岩15を添加することで溶液から沈殿する。沈殿スラリーは固液分離工程120へ付され、濾液または液体18から不溶性の水酸化アルミニウム17が分離される。液体18には、鉱石または精鉱から得られるカリウム、セシウム、およびルビジウムの大部分が含まれており、下記の選択的結晶化へと供される。
硫酸カリウム生成物は、硫酸カリウム晶析装置130によって強制的に結晶化されて回収される。結晶化スラリー20は固液分離工程250へ付され、硫酸カリウム252が液体から分離される。濾液254は第2結晶化工程260へ付され、残存硫酸カリウムの大部分、およびルビジウムならびにセシウム硫酸塩のある程度が結晶化される。結晶化工程260から得られるスラリー256は、固液分離工程270へ付され、硫酸塩が液体から分離され、再利用固体258としてミョウバン溶解工程100で再利用されて、塩類が回収される。
混合結晶化工程260から得られる濾液272は、比較的に硫酸カリウム含量が少なく、原鉱石または精鉱1から得られるルビジウムおよびセシウムの大部分が含まれている。濾液272はRb/Cs晶析装置280にて結晶化に供され、ルビジウムおよびセシウムが硫酸塩の形で回収される。その結果生じるスラリー274は固液分離工程290へ付され、硫酸塩276が液体または再利用濾液278から分離される。また、ミョウバン溶解工程100でも再利用される。ルビジウムおよびセシウムの混合生成物は、必要に応じてさらに処理されて、ルビジウムおよびセシウムのギ酸塩など、その他の生成物が生産される。
上記の説明より明らかなとおり、本発明の方法は、作業工程の新たな、改良した組み合わせを提供する。これら作業工程のいくつかは、選鉱工程および湿式精錬工程において、他の組み合わせで、かつ他の目的のために、以前より用いられていた可能性もある。リチウム含有鉱物であるレピドライトは、必要に応じて、鉱物分離法によって、事前に濃縮することができる。レピドライトに含まれるリチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ化物、およびアルミニウムは、濃硫酸による浸出によって抽出され、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フッ化物、およびアルミニウムを含む浸出溶液、およびシリカを含有する浸出残渣が生成される。浸出溶液に含まれるアルミニウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフッ素の大部分は、硫酸塩の混合物としてリチウムから分離される。選択的沈殿および結晶化などの湿式精錬の技術を実行することで、アルミニウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフッ素を硫酸塩混合物から分離して、潜在的に商品価値をもつ生成物とすることも可能である。そのような商品価値をもつ生成物としては、Al(OH)、AlFおよびKSO、RbSOならびにCsSOなどが挙げられるが、これらに限定はされない。本発明の諸方法では、リチウムが硫酸、アルミニウム、鉄、マンガン、カルシウム、ルビジウム、セシウム、およびカリウムを含むがこれらに限定されない残渣不純物から、選択的沈殿および結晶化などの湿式精錬技術によって分離され、代わりに商品価値のあるLiCOが生成される。上述のとおり、有用なギ酸塩およびケイ酸塩生成物を得てもよく、また、有用なルビジウムおよびセシウム生成物を得てもよい。
本発明に従って生成されたフッ化塩は、一般的に、フッ化アルミニウムおよびアルミナの混合物を含む。このような混合物は、現在用いられているフッ化アルミニウムよりも、アルミニウム生産に使用される電解槽内の供給成分としての利用に適していると考えられる。電解槽に加えられる混合物は実質的に不純物を含まない必要があるため、従来使用されるフッ化アルミニウムは、一般的に、水酸化アルミニウムをフッ化水素と反応させることで調製される。
浸出へ供される飼料は、少なくともリチウム含有雲母を含むものと考えられるが、リシア輝石の鉱石および/または使用済みリチウム電池生成物などのその他成分が存在する可能性もある。前処理工程としては、焙焼が含まれる場合もあると考えられる。
当業者にとって明白な修正および改変については、本発明の範囲に該当するものとみなされる。

Claims (87)

  1. リチウムを含有する雲母含量が豊富な鉱物からリチウムを回収する方法であって、
    リチウムを含有する雲母含量が豊富な鉱物を1つ以上含む鉱石を少なくとも1つの前処理工程に付すことと、
    前記前処理された鉱石を酸浸出工程に付すことで貴浸出溶液を生産することと、
    前記貴浸出溶液を一連の処理工程に供することで1つ以上の不純物金属を取り除くことと、
    リチウム含有塩の生成物としてリチウムを回収することとを含む、方法。
  2. 前記リチウム含有塩はLiCOである、請求項1に記載の方法。
  3. 付加的な生成物が、カリウム含有塩、ルビジウム含有塩、セシウム含有塩、フッ化塩、塩またはアルミナとしてのアルミニウム、およびシリカ含有物のうち1つ以上を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記付加的な生成物は、それぞれKSO、RbSO、CsSO、およびNaSiOである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記フッ化塩はフッ化アルミニウムとアルミナの混合物を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記雲母含量の豊富な鉱物は、レピドライトおよび/またはチンワルダイトを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記前処理工程が、濃縮工程および粉砕工程のいずれか1つまたは両方を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記粉砕工程は微細粉砕工程である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記濃縮工程は浮遊選鉱工程である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記粉砕工程によって、粒径P80が150ミクロン未満の生成物が生成される、請求項7または8に記載の方法。
  11. 前記粉砕工程(ii)によって、粒径P80が75ミクロン未満の生成物が生成される、請求項7または8に記載の方法。
  12. 濃硫酸が浸出工程中に添加される、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 酸浸出工程によって、含有されるリチウム、カリウム、アルミニウム、ルビジウム、フッ素、およびセシウムの少なくとも一部が溶液へと抽出され、それによって前記貴浸出溶液が生成される、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 浸出残渣がシリカを含有する、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記浸出残渣は主に非晶質シリカを含有する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記浸出工程は大気条件下で実行される、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記浸出工程は沸点に近い温度で実行される、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記温度は120℃あるいはその前後である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記浸出工程はHSO過剰な状態で実行されて、遊離酸濃度が約50g/LのHSOより高くなる、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 総硫酸塩濃度が、浸出温度における前記溶液の飽和限界に近くなる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記総硫酸塩濃度は>90℃で約6.0MのSである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記浸出工程の保持時間が約18時間未満である、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記浸出工程の保持時間が約6〜18時間の間である、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記浸出工程の保持時間が約12時間である、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記浸出工程にて、約12時間の保持時間で約90%を超える金属抽出が達成される、請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 選択的結晶化を利用して、蒸発による冷却、または蒸発によらない冷却によって、貴浸出溶液から1価のミョウバン塩の混合物を沈殿させる、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 沈殿する塩類が、KAl(SO.12HO、RbAl(SO.12HO、およびCsAl(SO.12HOのいずれか1つ以上を含む、請求項26に記載の方法。
  28. SO、RbSO、および/またはCsSOの添加によって、Alの回収量が増加される、請求項26または27に記載の方法。
  29. ミョウバンを結晶化させた後に、1価のミョウバン塩が、濾過またはデカンテーションによって、前記溶液から分離される、請求項26から28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 形成された濾液は、原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 形成された前記濾液は、原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの約95%より多くを含む、請求項30に記載の方法。
  32. 低pH不純物除去工程にて、リチウム含有濾液に存在する不純物を、塩基を添加することで沈殿させて除去する、請求項30または31に記載の方法。
  33. 前記塩基は石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩のいずれか1つ以上である、請求項32に記載の方法。
  34. 沈殿する前記不純物は、硫酸、アルミニウム、クロム、および鉄を含む、請求項32または33に記載の方法。
  35. 前記低pH不純物除去工程で得られる固体が水で洗浄され、同伴リチウムが回収される、請求項32から34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記低pH不純物除去工程で生じた濾液を高pH不純物除去工程に付し、塩基の添加によって、不純物卑金属を沈殿させる、請求項32から35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記塩基は石灰および/または1価の水酸化物塩である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記不純物卑金属としては、マンガンおよびマグネシウムを含む、請求項36または37に記載の方法。
  39. 1価の炭酸塩を添加することで、カルシウムを前記高pH不純物除去工程の濾過生成物から沈殿させる、請求項36から38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記炭酸塩はLiCO、NaCOまたはKCOのいずれか1つである、請求項39に記載の方法。
  41. 1価の炭酸塩をカルシウム沈殿の前記濾過生成物に添加することで、炭酸リチウムを沈殿させる、請求項39または40に記載の方法。
  42. 前記炭酸塩はNaCOまたはKCOのいずれか1つである、請求項41に記載の方法。
  43. 前記炭酸リチウムの分離が濾過またはデカンテーションによって実施される、請求項41または42に記載の方法。
  44. 前記1価のミョウバン塩の混合物を水に再溶解し、選択的沈殿に付してAl(OH)を沈殿させる、請求項26から43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 石灰岩、石灰、1価炭酸塩、および水酸化物塩のいずれか1つ以上を添加することで、前記選択的沈殿が実施される、請求項44に記載の方法。
  46. 前記選択的沈殿から得られるAl(OH)の沈殿物を、濾過またはデカンテーションによって分離させて、その結果生じる濾液に1価のカチオン塩が含まれる、請求項44または45に記載の方法。
  47. 前記1価のカチオン塩は選択的結晶化によって分離される、請求項46に記載の方法。
  48. 任意のルビジウムおよびセシウム硫酸塩をさらに処理することで、その他の塩類を生成する、請求項46または47に記載の方法。
  49. 前記ルビジウムおよびセシウム硫酸塩をさらに処理することで、ギ酸塩を供する、請求項48に記載の方法。
  50. リチウム含有雲母を豊富に含む鉱物からリチウムを回収する方法であって、
    (i)第1の前処理工程であるフロス浮選でリチウム含有鉱物であるレピドライトを脈石鉱物から分離して、精鉱を生成することと、
    (ii)第2の前処理工程で、前記精鉱を微細粉砕することと、
    (iii)大気条件下にて硫酸溶液中で浸出して、貴浸出溶液を生成し、かつリチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびアルミニウムを可溶性の硫酸塩に変換し、かつ任意の残留フッ素を抽出することと、
    (iv)蒸発による冷却、または蒸発によらない冷却で、1価のミョウバン塩の混合物を選択的に結晶化することと、
    (v)濾過またはデカンテーションによって、前記1価のミョウバン塩を液体から分離し、その結果生じる濾液に原鉱石または精鉱に含まれるリチウムの大部分を含有させることと、
    (vi)HSO、アルミニウム、クロム、および鉄を含む、リチウム含有濾液に残留する不純物を、石灰石、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を含む適切な塩基を用いることで沈殿させて取り除くことと、
    (vii)濾過またはデカンテーションによって、前記液体から不純物金属および硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液に前記貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させ、かつ、固体を水で洗浄することで同伴リチウムを回収することと、
    (viii)石灰または1価の水酸化物塩などの塩基を用いて、マンガンおよび/またはマグネシウムを含む卑金属不純物を沈殿させることと、
    (ix)濾過またはデカンテーションによって、前記液体から前記不純物金属および前記硫酸塩を分離し、その結果生じる濾液に前記貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させ、かつ、前記固体を水で洗浄することで同伴リチウムを回収することと、
    (x)1価の炭酸塩を添加することでカルシウムイオンを沈殿させることと、
    (xi)濾過またはデカンテーションによって、前記液体からカルシウム塩の沈殿物を分離し、その結果生じる濾液に前記貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させることと、
    (xii)1価の炭酸塩を添加することで、炭酸リチウムを沈殿させ、かつ、濾過またはデカンテーションによって、前記液体からリチウム塩を分離することと、
    (xiii)塩析および/または蒸発によって、濾液から1価の硫酸塩を結晶化することと、
    (xiv)工程(iv)の1価のミョウバン塩の混合物を水に再溶解し、かつ、石灰岩、石灰、または1価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を用いて同混合物を選択的沈澱に供して、Al(OH)を沈殿させることと、
    (xv)濾過またはデカンテーションによって、前記液体から沈殿したAl(OH)を分離し、その結果生じる濾液に1価のカチオン塩を含有させることと、
    (xvi)選択的結晶化によって前記1価のカチオン塩を分離することと、
    を含む方法。
  51. ルビジウムおよびセシウム硫酸塩をさらに処理することで、その他塩類を生成する、請求項50に記載の方法。
  52. 前記ルビジウムおよび前記セシウム硫酸塩をさらに処理することで、ギ酸塩を生成する、請求項51に記載の方法。
  53. (vii)、(ix)、および(xi)の各工程で詳述された前記貴浸出溶液中に含有されるリチウムの大部分が、約95%を超えるものである、請求項50から52のいずれか1項に記載の方法。
  54. 前記粉砕工程(ii)にて、粒径P80が150ミクロン未満のレピドライト鉱石または精鉱が生成される、請求項50から53のいずれか1項に記載の方法。
  55. 前記粉砕工程(ii)にて、粒径P80が75ミクロン未満のレピドライト鉱石または精鉱が生成される、請求項54に記載の方法。
  56. 浸出残渣が高濃度のシリカを含む、請求項50から55のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記浸出工程(iii)を、大気条件下で沸点に近い温度、かつ遊離酸濃度が>50g/LのHSOとなるように、HSOが過剰な状態で実施する、請求項50から56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 総硫酸塩濃度が、浸出温度における前記溶液の飽和限界に近くなる、請求項57に記載の方法。
  59. 前記総硫酸塩濃度は>90℃で約6.0MのSである、請求項58に記載の方法。
  60. 12時間以内に>90%の金属抽出が達成される、請求項57から59のいずれか1項に記載の方法。
  61. 前記1価のミョウバン塩が結晶化される前記選択的結晶化工程(ix)が、浸出温度より低い温度で実行される、請求項50から60のいずれか1項に記載の方法。
  62. 蒸発による液体の濃縮および/または1価硫酸塩の添加によって、収量を増加させる、請求項61に記載の方法。
  63. 前記1価の硫酸塩はCsSOである、請求項62に記載の方法。
  64. 結晶化工程(ix)は、浸出溶液の強制冷却によって達成される、請求項50から63のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記浸出工程から温度が低下することで、ミョウバンの結晶化が開始する、請求項64に記載の方法。
  66. ミョウバン結晶を濾過によって回収し、かつ、水または1価のミョウバン塩を含む溶液によって洗浄する、請求項65に記載の方法。
  67. 石灰岩を用いてpHを<7にした状態で、低pH不純物除去段階(vii)を実行する、請求項50から66のいずれか1項に記載の方法。
  68. 石灰岩によって、硫酸塩が石こうとして除去される、請求項67に記載の方法。
  69. 石灰を用いてpHを>9にした状態で、高pH不純物除去段階(viii)を実行する、請求項50から68のいずれか1項に記載の方法。
  70. 前記石灰によって、硫酸塩が石こうとして除去される、請求項69に記載の方法。
  71. カルシウム沈殿工程(x)をLiCO生成物の添加によって実行し、沈殿したCaCOを段階(vi)に送って再利用する、請求項50から70のいずれか1項に記載の方法。
  72. LiCO沈殿段階(xii)を温度を上昇させて実行し、蒸発によって前記液体の容積を減少させる、請求項50から71のいずれか1項に記載の方法。
  73. LiCO沈殿段階(xii)を>90℃で実行する、請求項72に記載の方法。
  74. リチウム含有雲母を豊富に含む鉱物からフッ化物も回収する方法であって、
    a)前記浸出溶液から1価のミョウバン塩を分離することで生じる濾液から、フッ化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムの複塩であるカーデマイトを選択的に結晶化することと、
    b)濾過またはデカンテーションによって、前記液体からカーデマイトを分離し、その結果生じる濾液に前記貴浸出溶液に含まれるリチウムの大部分を含有させることと、
    の付加的な方法の工程を含む、請求項1から73のいずれか1項に記載の方法。
  75. 前記カーデマイトを水に再溶解し、かつ、Al(OH)を用いた水酸化アルミニウムフッ化物の沈殿に供する、請求項74に記載の方法。
  76. 使用する前記Al(OH)が処理における他の部分で生成される、請求項75に記載の方法。
  77. 前記水酸化アルミニウムフッ化物を、濾過またはデカンテーションによって前記液体から分離し、その結果生じる濾液に硫酸アルミニウムが含有される、請求項75または76に記載の方法。
  78. 前記硫酸アルミニウムが前記工程a)に供される、請求項77に記載の方法。
  79. 前記工程b)におけるリチウムの大部分が、約95%より高いものである、請求項78に記載の方法。
  80. 前記水酸化アルミニウムフッ化物を、350℃から600℃の温度範囲で焼成し、フッ化アルミニウムと酸化アルミニウムの混合物を生成する、請求項75から79のいずれか1項に記載の方法。
  81. 前記カーデマイトを>700℃の温度で焙焼し、AlFおよびAlの混合物を生成する、請求項80に記載の方法。
  82. 結晶化率を上げるために、前記工程a)のカーデマイトを種として添加した液体を連続攪拌することで、カーデマイトを初期回収する、請求項74から81のいずれか1項に記載の方法。
  83. 酸浸出残渣からケイ酸塩生成物を回収する方法であって、
    (i)リチウム含有雲母を豊富に含む鉱物の酸浸出によって生じる、シリカの豊富な浸出残渣を得ることと、
    (ii)水酸化ナトリウム溶液でシリカが豊富な残渣を浸出し、浸出スラリーを生成することと、
    (iii)前記浸出スラリーを濾過および洗浄することで、非晶質シリカを枯渇させた浸出残渣およびケイ酸ナトリウムを含有する浸出溶液を生成することと、
    を含む方法。
  84. 前記水酸化ナトリウムの濃度および/または前記浸出における固体の割合を変更することで、異なる等級またはSiO/NaO比の生成を可能とする、請求項83に記載の方法。
  85. 前記浸出は約15分以内で継続する、請求項83または84に記載の方法。
  86. 非晶質シリカの抽出が70〜95%の範囲である、請求項83から85のいずれか1項に記載の方法。
  87. SiO/NaOの比率が最大3.5:1である、請求項83から86のいずれか1項に記載の方法。
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