本発明の態様を、以下の説明、および本発明の特定の実施形態を対象とする関連図面において開示する。「本発明の実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態に、論じられている特徴、利点、プロセスまたは作動モードが含まれることを必要とするわけではなく、また本発明の範囲から逸脱することなく代替的実施形態が考えられ得る。加えて、本発明の周知の要素は、詳しく説明されないか、またはより関連性のある他の詳細が曖昧にならない程度に省略される場合もある。
現在、Liイオン技術が優勢で広く受け入れられていることから、以下の説明では、Liイオン電池を背景とする例をいくつか紹介する。しかし、そのような例は単に基礎的技法の理解と例示に役立つよう提示されるにすぎないこと、ならびにこれらの技法は他の様々な金属イオン電池(Naイオン、Caイオン、Kイオン、Mgイオンおよび他の金属イオン電池など)、異なるイオンを負極および正極に採用する様々な電池、固体電解質を使用する様々な電池(2つの電解質を有し、1つを負極に使用し、もう1つを正極に使用するものを含む)、液体電解質を使用する様々な電池(例えば、有機電解質、様々なpHの水性電解質、イオン性液体に基づく様々な液体電解質、あるいは上記の成分を含めた様々な成分の混合物を含む様々な液体電解質を使用する電池を含む)にも応用され得ることが理解される。
また、本開示の一部の態様が他の分野にも適用され得ることも理解される。そのような応用の例として触媒粒子などの触媒作用が挙げられ、この場合、「活物質」は触媒粒子を指してもよく、また「骨格材料」は触媒担体を指してもよい。
本開示は、「容積変動性」、「高容量」および「高融点」の活物質をその中に組み入れた十分な導電性を有する「骨格」マトリクス材料を含む、電池電極用の先進的な複合粉末材料を提供するものである。複合粉末中の活物質の適切な割合は、約20重量%から約99重量%の範囲である。「高容量」活物質は、特定の材料の容量が負極材料の場合は約400mAh/gを超え、正極材料の場合は約220mAh/gを超える、活物質を指す。そのような活物質の大部分がいわゆる「変換」材料群に属し、活物質の化学構造は充電中および放電中に変化する。本明細書で使用されるとき、いわゆる「合金化」型負極材料は、より広範な区分での「変換」型の負極材料および正極材料の一部と見なされる。「高融点」の活物質は、融点が約250℃を超える活物質を指す。変換型活物質は様々なレベルでの充電中および放電中に異なる融点を示し得ることから、上記の「高融点」は、粒子合成過程での材料の状態を指す。「容積変動性」の活物質は、充電中または放電中に約8容積%を超える変化が生じる活物質を指す。骨格マトリクス材料は、セル内での複合電極の作動電圧(電位)範囲内で使用する場合に高容量活物質と比べ、大幅に(少なくとも50%)少ない容量または大幅に(少なくとも50%)少ないエネルギー密度を示し得る。
以下にてさらに詳しく論ずる通り、「高容量」および「高融点」の活物質を好ましくは固体の導電性骨格材料マトリクスに組み込むことにより、従来の設計と比べていくつかの利点がもたらされ得る。例えば、骨格マトリクスの内部に活物質を堆積させると(表面堆積とは対照的に)、望ましくないことが多い各活性粒子の凝集の回避に役立つ。骨格マトリクスの一部は、露出したままにしておいてもよいため、(ポリマー)バインダーの安定した付着に使用するか、または安定した固体電解質界面(SEI)の形成に役立ち得る。より安定した粒子−バインダー界面またはより安定したSEIは、より安定した電極性能に繋がり得る。
電解質と活物質との間の直接接触が望ましくない場合(例えば、活物質の(少なくとも)一部の溶解または電解質の分解などの、好ましくない反応の場合)、骨格マトリクスの外側表面域をイオン伝導性(かつ電解質溶媒不透過性)の外側シェルの堆積に使用することにより、骨格マトリクスの内部に堆積させた活物質を密閉し、望ましくないことが多い、活物質と電解質溶媒分子との接触を回避することもできる。
同様に、代替的構成において電解質と活物質との間の直接接触が望ましくない場合(例えば、Liイオン電池に使用する変換型または合金化型の高容量電極材料など)、骨格材料が活物質を完全に封入し、電解質と活物質との直接接触を防止し得る。この場合、骨格材料に十分なイオン伝導性および十分な導電性の両方を持たせて、(任意の用途について)適度に高速な充電および放電を可能にすることが有利となり得る。一部の構成では、充電中および放電中に小さい容積変化(好ましくは約8容積%未満)を示す一方で、骨格材料が付加的に電荷(イオン)を貯蔵し、「活性」であることが好適となり得る。
活物質が粒子合成中の材料の状態からセル作動中にさらなる膨張を経る場合、「骨格材料−活物質」複合体の内部に、複合粒子の断裂を生じることなく、かかる容積膨張の約20容積%から約100容積%に適応できる十分な細孔容積を提供することが有利となり得る。骨格材料内で活物質の膨張に利用可能な容積が、必要な容積の100%に満たない場合、複合粒子の断裂を引き起こすことなく残りの容積に弾性的または塑性的に適応することに繋がる材料特性を骨格材料が示すことが有利となり得る。
電池サイクルによって高容量活物質の容積変化が誘発された際の断裂および破壊を防ぐため、骨格材料に十分な弾性係数、機械強度および靱性を持たせることも同様に有利となり得る。
毎回のセル作動サイクル中に活物質がその初期容積を大幅に(例えば8容積%を超えて)超過するわけではない場合(例えば、活物質が既に最大量のLiを含有し、Liイオン電池に使用される場合)、「骨格材料−活物質」複合体の容積容量が最大となるよう、活物質に余分な細孔がほとんどまたは全く存在しないことが有利となり得る。
骨格マトリクスは、各活性(ナノ)粒子の電気接続にも使用され得、電気接続は活性粒子を一層活用する上で重要となり得る。さらに、骨格マトリクスは、イオンの挿入および抽出中(充電中および放電中などの、電池作動中)に活性粒子の寸法が変化する場合であっても、そのような電気的接続性を維持する能力を有し得る。
骨格マトリクス材料(または骨格マトリクス材料の少なくとも一部)が、単一の骨格マトリクス材料−活物質複合粒子内で単一体または単一固体粒子を形成する(例えば骨格マトリクス材料原子が化学結合を介して連結される状態)と、(単一複合粒子内での各骨格マトリクス材料粒子の弱い凝集とは対照的に)有利となり得る。この場合、複合体は、取り扱い中および電池作動中、(特に容積変動性活物質における容積変化によって)大幅に高い堅牢性を示し得る。
前述の通り、骨格マトリクス材料は多孔質材料として選択され得る。このマトリクス内の細孔は高容量活物質で完全に満たされて(例えば、容積膨張のための付加的空間が全く必要ない)いても、または高容量活物質で部分的に満たされて(例えば、充電−放電のサイクル過程で容積膨張に適応するための付加的な細孔空間が必要である)いても、どちらであってもよい。
骨格マトリクス内の細孔は、閉鎖状態または開放状態(相互接続状態)いずれであってもよい。電解質と活物質との間の直接接触が望ましくない場合(例えば、直接接触すると活物質の劣化に繋がる場合)、以下の構成が有利となり得る:(i)骨格マトリクス内の細孔のほとんどが閉鎖状態である、(ii)骨格マトリクス材料内の複数の相互接続状態/開放状態の細孔が一体的に閉鎖された状態である(一部の構成では、単一粒子内で相互接続状態の細孔がすべて、電解質不透過性であるが活性イオン透過性のシェル内に封入され得る)、または(iii)細孔が別の材料で塞がれ、この状態を使用して(骨格マトリクス材料中に浸透した)活物質(の少なくとも大部分)が電極と直接接触することを防ぐことができる。
骨格材料は、電荷貯蔵に参加する電解質イオン(Liイオン電池の場合のLiイオンなど)に対して十分に透過性であってもよい。この場合、たとえ(i)開放状態(相互接続状態)の細孔が骨格マトリクス材料内に全く存在しないか、(ii)細孔は相互接続状態であるが電解質へアクセス可能ではない(例えば、付加的なイオン透過性シェルにより、電解質が骨格中に浸透することができない場合、もしくは細孔が別の材料で塞がれている状態)か、または(iii)電荷貯蔵に参加する活性イオンについての活物質の拡散係数が低い(例えば約10−11cm2/S未満)であっても、電解質からのイオンが(任意の用途について)適度な充電率および放電率を十分に維持できる時間内に、マトリクスに封入された高容量活物質すべてに到達することが重要となり得る。これは前述の複合体から成る骨格マトリクスにおける最小限の十分なイオン移動性(拡散係数)およびイオン伝導性の決定要因となる。骨格マトリクスのイオン伝導性の最小値は、複合粒子のサイズ、骨格マトリクスの壁の厚さ、活物質/骨格マトリクス界面のイオン抵抗性および系のその他のパラメーターに依存する。ほとんどの実際的事例において、骨格マトリクスは放電率が「1C」(電極材料がその全容量を提供すると想定した場合に電極材料を1時間以内に放電させることができる電流密度に相当する)で複合体の最大放電容量の少なくとも50%を維持する、十分な伝導性を有することが望ましい。
溶媒と高容量活物質との間で望ましくない反応が存在しない場合、(i)多孔質イオン伝導性骨格材料の壁は依然、電解質溶媒分子に対して透過性である(例えば、より高いイオン伝導性を骨格マトリクスに提供し、セルのレート特性向上を可能にする)か、または(ii)骨格マトリクスの細孔が開放状態(相互接続状態)であることにより、電解質で満たされた開放細孔を介してイオンが活物質にまで伝播し得る、いずれかの状態であり得る。
図1A〜1Dは、ある特定の実施形態例による、骨格マトリクス材料102、103、104および骨格マトリクス102、103、104内に閉じ込められた高容量活物質101を含む、複合粒子組成物の例を示す図である。一部の設計では、粒子組成物は細孔105を形成する一定の未充填空間を保持し得る。図1Aは、細孔が実質的に完全に高容量活物質101で満たされた、細孔閉鎖型骨格マトリクス粒子を示す図である。この場合、骨格マトリクス材料102は活性イオン(Liイオン電池の場合におけるLiイオンなど)に対して透過性である。図1Bは、細孔が部分的に高容量活物質101で満たされた(したがっていくつかの未充填細孔105を残す)、細孔閉鎖型骨格マトリクス粒子を示す図である。この場合、骨格マトリクス材料102はやはり活性イオン(Liイオン電池の場合におけるLiイオンなど)に対して透過性であるが、電気化学反応(電池サイクル)中に活物質101が膨張するための付加的な細孔容積が利用可能である。図1Cは、高容量活物質101で満たされた細孔閉鎖型骨格マトリクス粒子を示す図であるが、骨格マトリクス材料103が多孔質であり、電解質溶媒分子に対して透過性である。多孔質炭素(例えばポリマー前駆体の炭化によって製造されるもの)は、そのようなマトリクス材料の一例である。図1Dは、細孔105が部分的に高容量活物質101で満たされた、細孔開放型骨格マトリクス粒子を示す図である。この場合、骨格マトリクス材料104内の細孔は相互接続状態である。
Liイオン電池用途に適切な「容積変動性」、「高容量」および「高融点」の活物質としては、限定されるものではないが、以下のものが挙げられ:(i)変換型電極、例えば様々な金属フッ化物(リチウムフッ化物(例えばLiF)、フッ化鉄(FeF3またはFeF2)、フッ化マンガン(MnF3)、フッ化コバルト(CoF3またはCoF2)、フッ化銅(CuF2)、フッ化ニッケル(NiF2)、フッ化鉛(PbF2)、フッ化ビスマス(BiF3またはBiF5)、フッ化スズ(SnF2またはSnF4)、フッ化アンチモン(SbF3またはSbF5)、フッ化カドミウム(CdF2)、フッ化亜鉛(ZnF2)および他の金属フッ化物など)、様々な金属カルコゲン化物(硫化リチウム(Li2S)、リチウムセレニド(Li2Se)、リチウムテルリド(Li2Te)など)、(ii)様々な変換型金属塩化物(塩化リチウム(例えばLiCl)、塩化鉄(FeCl3またはFeCl2)、塩化マンガン(MnCl3)、塩化コバルト(CoCl3またはCoCl2)、塩化銅(CuCl2)、塩化ニッケル(NiCl2)、塩化鉛(PbCl2)、塩化ビスマス(BiCl3またはBiCl5)、塩化スズ(SnCl2またはSnCl4)、塩化アンチモン(SbCl3またはSbCl5)、塩化カドミウム(CdCl2)、塩化亜鉛(ZnCl2)および他の金属塩化物など)、(iii)変換型金属臭化物(臭化リチウム(LiBr)など)、(iv)変換型金属ヨウ化物(ヨウ化リチウム(LiI)など)、(iv)様々な変換型混合金属フッ化物、混合金属塩化物、混合金属臭化物、混合金属ヨウ化物、混合金属ハロゲン化物(CuF2とFeCl2またはCuF2とFeF3など、2種以上の金属ハロゲン化物の混合物)、(v)様々なオキシハロゲン化物、(vi)他の様々な変換型電極、これらの組合せおよび混合物(例えば硫化物、酸化物、窒化物、ハロゲン化物、リン化物、水素化物など)、(vii)インターカレーション型Liイオン電池活物質と変換型活物質との混合物および組合せ、ならびに(viii)様々な、融点の高い(前述の通り)、高容量(前述の通り)のインターカレーション型活物質。これらの変換型活物質を、リチウム不在または部分リチオ化もしくは完全リチオ化のいずれの状態でも活用できることが理解される。一部の事例において、部分リチオ化状態または完全リチオ化状態の活物質の使用が、選択される合成プロセスについて特に重要となり得る(例えば、特定の処理/合成経路について、リチオ化状態だけが十分に安定している場合)。部分リチオ化状態または完全リチオ化状態の変換型活物質は複合体であってもよいことが理解される。一部の例において、そのような複合体は金属を含み得る。例えば、金属ハロゲン化物(例えばCuF2またはFeF3など)は、完全リチオ化されると、リチウムハロゲン化物(例えば金属フッ化物の場合のLiF)と、該当する金属フッ化物の金属クラスター(またはナノ粒子)(例えば、Cu−Fe混合物の場合のCu、FeもしくはCuFe、FeF3、またはCuFe2−FeF3混合物)との混合物(複合体)となる。
Liイオン電池用途に適切な他の「容積変動性」、「高容量」および「高融点」の活物質としては、限定されるものではないが、以下のものが挙げられる:(i)シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)、アンチモン(An)、マグネシウム(Mg)など、様々な合金化型(Li挿入過程で、Liが電気化学的に負極と一緒に合金化する)負極材料(変換型電極材料の一バージョンと捉えてもよい)。これらの材料はドープ状態または高濃度ドープ状態または「超高濃度」ドープ状態であってもよいことが理解され、例えばSiの場合、高濃度ドープ状態または超高濃度ドープ状態のシリコンとして、(i)高含有量の、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)もしくはタリウム(Tl)などの第III族元素、または、高含有量の、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)もしくはビスマス(Bi)などの第V族元素でドープされた、シリコン(「高濃度ドープ状態」および「超高濃度ドープ状態」という場合は、ドーピング原子の含有量が典型的に組成物全体のうち3,000ppm(1ppmは100万分の1)から700,000ppm、または約0.3%から70%の範囲であると理解される)、(ii)Si(またはSn、Ge、Al、Mgなど)と他の金属との様々な二成分合金(または混合物)、(iii)Si(またはSn、Ge、Al、Mgなど)と金属との様々な三成分合金(または混合物)、ならびに(iv)Liとの合金を形成する他の金属および金属合金が挙げられる。より高容量の負極材料の形成に使用される第IV族元素として、Ge、Sn、Pb、およびこれらの混合物(例えば、様々な合金または機械的混合物)または複合体が挙げられ、混合物または複合体は、一般式Sia−Geb−Snc−Pbd−Ce−Df(式中、a、b、c、d、eおよびfはゼロまたは非ゼロであってもよく、Dは周期表の第III族または第V族から選択されるドーパントである)で表わされることが理解される。シリコンと金属との二成分合金(または混合物)の場合、シリコン含有率は約20%から99.7%の範囲であってもよい。そのような合金(または混合物)の例として以下が挙げられるが、これらに限定されない:Mg−Si、Al−Si、Ca−Si、Sc−Si、Ti−Si、V−Si、Cr−Si、Mn−Si、Fe−Si、Co−Si、Ni−Si、Cu−Si、Zn−Si、Sr−Si、Y−Si、Zr−Si、Nb−Si、Mo−Si、Tc−Si、Ru−Si、Rh−Si、Pd−Si、Ag−Si、Cd−Si、Ba−Si、Hf−Si、Ta−Si、およびW−Si。そのような二成分合金は付加的に、第III族元素および第V族元素でドープ(または高濃度ドープ)され得る。代替的に、シリコンの代わりに他の第IV族元素を使用して、金属との同様の合金または混合物を形成させてもよい。様々な第IV族元素の組合せを、金属とのそのような合金または混合物の形成に使用してもよい。三成分のシリコンと金属との合金(または混合物)の場合も、シリコン含有率は約20%から99.7%の範囲であってもよい。そのような三成分合金は、第III族元素および第V族元素でドープ(または高濃度ドープ)され得る。シリコンの代わりに他の第IV族元素を使用して、金属との同様の合金または混合物を形成させてもよい。様々な第IV族元素の組合せを、金属とのそのような合金または混合物の形成に使用してもよい。リチウムのとの合金を形成する他の金属および金属合金の例としてMg、Al、Ga、In、Ag、Zn、Cdなどのほか、これらの金属、これらの酸化物などから形成される様々な組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
これらの合金化型活物質を、リチウム不在または部分リチオ化または完全リチオ化のいずれの状態でも活用できることが理解される。
他の金属イオン(非Li)電池用途に適切な「容積変動性」、「高容量」および「高融点」の活物質としては、上記の材料と同様の材料が挙げられるが、Liの代わりに他の金属イオンが使用される。例えば、Naイオン電池の場合、LiBrの代わりにNaBrを、高容量、容積変動性、高融点の活物質として使用することができる。
他の種類の電池の場合、他の「容積変動性」、「高容量」および「高融点」の材料を使用することができる。例えば、アルカリ電池の場合、様々な金属(Fe、Zn、Cd、Niもしくは他の金属など)、様々な金属酸化物、様々な金属水素化物、様々な金属水酸化物およびオキシ水酸化物、または他の既知の変換型活性電極材料を、高容量の負極材料または正極材料として使用することができる。
一部の構成では(例えば、様々な水性電池の場合)、設計の一部の態様(複合粒子の種類、骨格マトリクスの種類、電解質からの活物質の保護、粉末の機械的安定性または導電性の強化、電極または粉末の製造プロセスなど)を、相変化が発生しない活物質または非常に高い容量を有するわけではない(例えば、比容量が、正極の場合は90〜220mAh/g程度、または負極の場合は90〜440mAh/g程度しかない)活物質と併用することができる。
前述の通り、適切な骨格マトリクス材料の有利な特性として、高い導電性(例えば10−2S/m超)、良好な機械的強度および靱性係数、ならびに一部の事例における(前述の通り)イオン輸送向けの高い拡散係数(例えば10−9cm2/s超)が挙げられる。導電性が0.1mS/cm(=0.01mS/mm=0.01S/m)より高ければ特に有利となり得る。骨格マトリクス材料の曲げ強度および圧縮強度が1kPaより高ければ特に有利となり得る。骨格マトリクスの熱的特性に関する仕様は、一般的に複合体合成プロセスに依存する。骨格マトリクス内への活物質の浸透、または細孔の一部の事後処理もしくは密閉、または他の必要もしくは好適な製造ステップが昇温状態で行われるのであれば、例えば、骨格マトリクスはそのような処理に耐えられる十分な熱的安定性を有するべきである。
複数の一般的な区分の骨格マトリクス材料が、適切であると認められた。これらの材料として(i)炭素(ドープされた炭素を含む)、(ii)伝導性ポリマー(特に、セル作動中に伝導性を維持するもの)、および(iii)十分な伝導性を有するセラミック材料(混合または複合金属酸化物を含めた金属酸化物、リン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩など)を含む材料が挙げられるが、これらに限定されない。一部の事例において、金属は骨格マトリクスとしても適切となり得る。しかし、金属は一般的に、腐食、遅いイオン輸送および限られた表面積に見舞われる。したがって、金属の使用は一定の用途に限定され得る。
サイクル中のLi/Li+に対する平均電位が約4.0V未満であるLiイオン電池用の複合電極材料の場合、骨格マトリクスとしての炭素は、導電性が高く(主に、グラフェン、黒鉛、ナノチューブ、活性炭、炭素繊維、カーボンブラックおよび他の伝導性炭素材料などの、sp2結合炭素)、Liイオンに対する移動性が高く、強度が高く、密度が低く、(一部の事例において必要な場合に)熱的安定性に優れることから、特に魅力的となり得る。
フレーク状、楕円形または球形のほか、不規則な形状も含め、(活物質で満たされた骨格マトリクスで構成される)様々な形状の複合粒子が、設計の違いに応じて適切となり得る。しかし、本質的に楕円形またはほぼ球形(回転楕円体)の粒子は、圧縮された電極内の粒子間空間を介した迅速なイオン輸送を可能にすることから、そのような粒子の使用が有益となり得る。さらに、複合粒子が溶媒不透過性シェルを含有する場合、合成過程で狭い粒子サイズ分布を維持し、その結果、シェルの厚さに対する粒子直径の比率を狭い範囲で制御することが、有益となり得る。この場合、粒子の特性をより精密に最適化することができ、より高いエネルギー密度を同等の信頼性/サイクル寿命で達成することができる(またはより長いセルのサイクル寿命を同等のエネルギー密度レベルで達成することができる)。したがって、(D90−D10)/D50の比率を4未満(またはより一層好ましくは3未満)に維持することが有利となり得る。合成後、様々なサイズが混在する粒子を実際の電極に使用して、電極の充填密度および強度を強化することができる(例えば、より大型の粒子を付加的に、より小さい複数の粒子と接触させると、電極強度を高めることができる)。
本明細書に記載の様々な複合粒子は多様な形で形成され得ることが理解される。活物質融合型骨格マトリクスの製造方法の例のいくつかを、以下に記載する。これらの製造技法は、例えば融点が高いかまたは融点がない(材料が高温で簡単に分解すると想定される場合)、電気化学的に活性の高容量電池材料のナノ粒子を、効率的に制御された状態で、一例として炭素マトリクスなど多孔質骨格マトリクス内に組み込むことを可能にするものである。
一例では、予め製造済みの多孔質骨格マトリクス(例えば炭素)粒子内へ、化学蒸着(CVD)または原子層堆積(ALD)または他の蒸着技法を介して活物質を導入することができる。多孔質炭素粒子は、ポリマー前駆体粒子の化学合成もしくは沈殿駆動型製造、または化学的方法と沈殿法との組合せ、熱分解(熱処理)および活性化(相互接続状態の細孔の容積を導入または増大させるための部分的酸化)によって製造することができる。細孔の望ましいサイズおよび分布は、例えばポリマー前駆体における多孔性と炭素活性化プロセスとの組合せによって達成され得る。多孔質炭素骨格を生成させる別の方法の例として、大型ポリマーモノリスを合成し、このモノリスを炭化させ、炭素モノリスを機械的研磨によって望ましい形状の粒子にするという方法が挙げられる。活性化プロセスには、酸素含有ガス(CO2、H2O、空気、O2など)との物理的酸化、化学的活性化(例えばKOH、KNO3、ZnCl2、Zn(NO3)2、Zn3(PO4)2、H3PO4、または他の適切な化学物質による活性化)、またはこれらのアプローチの組合せが関係し得る。活性化は熱処理中または熱処理後に行ってもよい。ミクロ細孔およびメソ細孔(前述の通り、一部の事例において有益となり得る)の両方を導入するため、炭素活性化を異なる温度(例えば約800℃および約1000℃)で行うか、または異なる活性化剤(例えばCO2およびH2O)を使用してもよい。一部の事例において、ポリマー前駆体粒子内で2つのポリマーまたはブロック・コポリマーの混合物(あるいは有機液体またはポロゲンとの炭素産出ポリマー混合物)の活用により、メソ細孔を多孔質炭素に導入することが有益となり得る。一部の事例において、有機液体はポリマーにとって非溶媒であってもよく、またはポリマーを有機液体中で膨張させてもよい。液体の性質が非溶媒または溶媒のどちらであるかが、細孔のサイズおよび分布を定義する。これらのポリマーのうち1つは、選択的抽出によってポリマー粒子合成後に除去されてもよく、あるいはこれらのポリマーのうち1つは、本質的に低い熱的安定性を示すものであってもよく、または炭化中もしくは活性化後、もしくは両方の段階での炭素産出量が非常に少ないものであってもよい。一部の事例において、細孔を高密度炭素粒子(合成黒鉛または人工黒鉛、メソカーボン・マイクロビーズなど)の表面に導入することができる。一例では、金属または他の無機ナノ粒子を炭素の表面に予め堆積させて、炭素内の細孔のエッチングまたは酸化の触媒の役割を果たさせることができる。別の例では、抽出可能な非炭化性粒子を、炭化の対象となる前駆体(例えばポリマー)粒子に導入することができる。一部の例では、そのようなナノ粒子は、金属塩、金属酸化物または金属を含み得る。一部の用途では、例えば金属ナノ粒子を多孔質炭素合成プロセスのどこかの時点で細孔鋳型向けに使用する場合、約100℃から700℃の範囲の融点を示す金属を使用することが有利となり得る。この金属が空気に曝露されても可燃性を帯びないものであれば、さらに有利となり得る。In、Sn、Cd、TeおよびZnが、適切な金属の例である。この金属が示す毒性が低ければ、さらに有利となり得る(したがってCdは好適度が低くなり得る)。一部の例では、そのような金属ナノ粒子は該当する金属塩の(例えば炭素による)還元後に形成され得る。一部の例では、この還元プロセスにより、ミクロ細孔(例えば2nmより小さい細孔)が炭素材料に導入され得る。金属に加え、金属塩、金属酸化物および他の鋳型も細孔形成に使用され得る。他の例では、無機材料から作製された高度に多孔質の骨格表面への炭素堆積(例えばCVD)により(場合によっては炭素堆積後にエッチングを施した上で)炭素多孔質骨格が作製され得る。シリカエアロゲルは、炭素堆積向けのそのような無機骨格の一例である。他の例では、多孔質炭素骨格マトリクスは、天然素材(いくつかの例を挙げると、木材、藁、堅果殻、天然多糖類、石炭、蔗糖、石油コークス、ピッチ、ピートおよびリグナイト)から生成された活性炭であってもよい。他の例では、多孔質炭素骨格マトリクスは、有機前駆体の熱水性炭化ならびにこれに続く焼鈍および活性化によって生成された活性炭であってもよい。さらに他の例では、多孔質炭素骨格マトリクスは、無機前駆体(カーバイドなど)から生成された多孔質炭素であってもよい。そのような多孔質炭素合成の一例は、カーバイドの塩素化が関係する。多孔質炭素に関して多様な他の既知の方法を活用することができる。
別の方法例によれば、蒸気浸透および/または毛管凝縮を介して、予め製造済みの多孔質炭素マトリクスに活性粒子を導入することができる。このアプローチは、適度に高温(例えば約1000℃未満)の条件で高い蒸気圧(例えば約0.1Pa超)を有する材料の場合、特に魅力的となり得る。
別の方法例によれば、(i)活性粒子または活性粒子前駆体を溶媒中に溶解させ、(ii)予め製造済みの多孔質炭素マトリクスの細孔に、常圧下、加圧下または真空下で溶液を浸透させ、(iii)溶媒を蒸発させ、(iv)(必要な場合は)(例えば加熱後または反応性の気体もしくは液体との反応後に)前駆体を活性粒子へと変換することにより、活性粒子を導入することができる。一部の事例において、上記ステップの一部を繰り返して、多孔質炭素マトリクスに導入される活物質ナノ粒子の総量を増やすことができる。
別の方法例によれば、(i)活性粒子または活性粒子前駆体を溶媒中に溶解させ、(ii)予め製造済みの多孔質炭素マトリクスの細孔に、常圧下、加圧下または真空下で溶液を浸透させ、(iii)例えば、非溶媒を添加すること、溶液のイオン強度もしくはpHを変化させること、または系の温度/圧力を変化させることによって、溶液から内側炭素表面上にナノ粒子を不均一に沈殿させ、(iv)(必要な場合は)前駆体を活性粒子へと変換することにより、活性粒子を導入することができる。一部の事例において、上記ステップの一部を繰り返すか、または組み合わせて、多孔質炭素マトリクスに導入される活物質ナノ粒子の総量を増やすことができる。
別の方法例によれば、常圧下、加圧下または真空下で懸濁浸透法を使用して、予め形成済みの多孔質炭素の細孔に活物質のナノ粒子を浸透させることにより、活性粒子を導入することができる。
別の方法例によれば、(i)まず、(例えば活性ナノ粒子の表面およびポリマー前駆体ナノ粒子の表面上で反対の電荷を導入することによって)炭素形成のためのポリマー前駆体ナノ粒子表面上に活性ナノ粒子を吸着させ、(ii)ポリマー前駆体の炭化と、活性ナノ粒子、炭素およびナノ細孔を含むナノ複合体の形成とを誘発する熱処理を行い、(iii)(任意選択で)細孔の容積を増やすための活性化を行うことができる。別の例では、ナノ粒子堆積後、粒子の表面電荷とは反対の表面電荷を有するポリマーの静電吸着により、別の炭素形成性ポリマー層または非炭素形成性ポリマー層で複合ポリマー粒子を覆うことができる。
別の方法例によれば、(i)溶液/懸濁液から活性ナノ粒子およびポリマー前駆体ナノ粒子を不均一に凝固させて、より大きい複合前駆体粒子を形成し、(ii)炭素および細孔内にナノ粒子が均一に分布しているナノ複合体を形成するための熱焼鈍(または炭素マトリクスを生成させる場合は「炭化」)を行い、(iii)任意選択で細孔の容積を増やすための活性化を行うことができる。
別の方法例によれば、以下の通り行うことができる:(i)まず、モノマーまたはポリマー溶液中で活性ナノ粒子を分散させることができ、(ii)生成された懸濁液を(例えば水中で)乳化して、水中で球状ナノ粒子ポリマーコロイドを生成させることができ、(iii)コロイド中のモノマーを重合させて(またはポリマー溶液から溶媒を抽出して)、活性ナノ粒子およびポリマーで構成される球状複合粒子を生成させることができ、(iv)水の蒸発後、複合粒子を炭化させることができ、(v)生成された炭素−活性ナノ粒子複合体を(任意選択で)活性化して細孔の容積を増やすことができる。別の例では、合成中のポリマーの非溶媒であるモノマーの非水溶媒中で重合を実施することができる。重合中、沈殿機構によってポリマー粒子が形成され得る。沈殿過程で、活性ナノ粒子の重合がポリマー粒子内に捕捉されるようになる。粒子が分離すると、複合粒子を炭化することができる。
別の方法例によれば、以下の通り行うことができる:(i)活性粒子前駆体を有する水をモノマー溶液中で乳化することができ、(ii)生成された混合物を再び水中で乳化して、モノマー溶液のコロイド(このコロイド中に活性粒子前駆体のコロイドが存在する)を生成させることができ、(iii)モノマーを重合させ、活性粒子の前駆体の分布を含む球形に近いポリマー粒子を生成させることができ、(iv)生成された乳液を乾燥させ、焼成/炭化して、活物質のナノ粒子が組み込まれた多孔質炭素粒子を生成させることができ、(v)生成された炭素−活性ナノ粒子複合体を(任意選択で)活性化して、細孔の容積を増やすことができる。前述の通り、非水媒体中で同様のアプローチを実現させることができる。
別の方法例によれば、以下の通り行うことができる:(i)有機溶媒中で活性粒子前駆体を適切な炭素形成性ポリマーと共に溶解させることができ、(ii)この均一溶液を、粒子前駆体およびポリマーについて過剰な非溶媒と混合することができ、かつ沈殿によって複合粒子を形成させることができ、(iii)生成された粒子を乾燥させ、焼成/炭化して、活物質のナノ粒子が組み込まれたる多孔質炭素粒子を生成させることができる。別の例では、溶液のイオン強度もしくはpHを変化させるか、または系の温度/圧力を変化させることにより、沈殿を実施することができる。
別の方法例によれば、骨格マトリクス材料−活物質複合粒子を以下の手順により生成すせることができる:(i)活性粒子または活性粒子前駆体を溶媒中で溶解させ、(ii)骨格マトリクス材料または骨格マトリクス材料前駆体を、活物質の溶解に使用したものと同じ溶媒中で溶解させ、(iii)2つの溶液を一緒に混合し、(iv)溶媒を蒸発させ、その結果、活物質(または活性粒子前駆体)の沈殿物を骨格マトリクス内(または骨格材料前駆体内)で形成させ、(v)(必要な場合は)活物質前駆体から活性粒子への変換および/または骨格材料前駆体から骨格材料への変換を(例えば不活性ガス中または真空中での熱処理により)行う。この例では、骨格材料−活物質前駆体溶液を(a)共同溶媒の蒸発によって粒子へと変換させ(多くの場合、粒子は凝集して大型顆粒となる)、続いて(任意選択で)機械的製粉加工によって望ましいサイズの複合粒子を産出させるか、または(b)噴霧乾燥によって望ましいサイズの粒子を形成させ、続いて(必要な場合は)活物質前駆体から活性粒子への変換および/または骨格材料前駆体から骨格材料への変換を(例えば不活性ガス中または真空中での熱処理により)行うことができる。
炭素ベースの骨格マトリクス材料または炭素ベースの骨格マトリクス材料−活物質複合体を製造するための上記の方法の使用に加え、他の(非炭素または非純粋炭素)骨格マトリクス材料または骨格マトリクス材料−活物質複合体も、同様の技法または同様の技法からの単純な派生的方法によって製造することができる。
前述の粒子組成物に戻ると、一部の設計では、骨格マトリクス材料の組成が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。一例では、骨格マトリクスは炭素(C)、酸素(O)、および水素(H)の原子を含み得る。一例では、複合粒子がC、OおよびHの原子の相対的含有率の勾配を示す場合、有利となり得る。一例では、マトリクスのコアがより多くのOおよびHを含有し得る(したがって、例えば活物質の一部に対して、より高い親和性を示す一方、サイクル中の活物質内での容積変化に適応する十分な柔軟性を保持する)一方、粒子の周縁付近の外側領域はほとんどがC原子を含むことにより、より高い導電性と、より高い弾性係数とを達成する。同様の骨格マトリクスの別の例では、骨格の最外層(粒子周縁付近)がバインダー材料と十分に結合する組成を有するか、または(例えばLiイオン電池電極の場合など、電解質の分解が発生し、これに伴って固体分解生成物が形成される場合)SEIと十分に結合し、その結果、サイクル中の複合電極の安定性を改善し得る。マトリクスの最外層は、高容量活物質に対する密着力が比較的弱い(あるいは界面エネルギーが高いか、湿潤が弱いか、または核形成時間がより長い)ことから、粒子が合成された後に粒子の周縁付近に位置する容積変動性活物質がより少なく、その結果、より安定性が高い、そのような粒子が生成され得る組成も有し得る。前述の通り、一部の設計では、イオン伝導性シェルによって複合粒子が電解質から隔離されると有利となり得る(その結果、例えば活物質と電解質との間の好ましくない相互作用が最小化または回避される)。骨格マトリクス組成の勾配を形成することにより、たとえ骨格マトリクス内の細孔が完全に活物質で満たされず、一部の細孔が空の状態を維持して、サイクル中における活物質の容積変化に適応する場合であっても、そのようなシェル層を堆積させやすくすることができる。一例では、マトリクスの最外層は活性イオン透過性シェル材料に対して比較的強い相互作用/密着力(低界面エネルギー)を有し(または活物質浸透向けに蒸着技法を使用する場合は活物質もしくは活物質前駆体について高い粘着係数および短い核形成時間を示し)、その結果、シェル材料が、短い距離(例えば粒子直径の10%未満)内で外側の細孔を密閉し、前述の活物質と電解質溶媒との望ましくない直接接触を防ぐことができる。
図2A〜2Eは、ある特定の実施形態例による、傾斜組成を有する骨格マトリクス材料202および骨格マトリクス202内に閉じ込められた高容量活物質201を含む、複合粒子組成物の例の様々な態様を示す図である。図2A〜2Bは、そのような粒子において、活性イオン透過性シェル203を有さない場合(図2A)と、有する場合(図2B)とを示す図である。図2C〜2Eは、ある特定の実施形態例による組成プロファイル例を示す図であり、図2Cおよび2Dでは組成が粒子の中心(コア)(領域「A」)から粒子の周縁(領域「B」)にかけて変化し、図2Eでは上部表面層(領域「C」)がさらに異なる組成を有する(例えば、図2Bに示される粒子の形成を補助するため、または電池セルに使用される場合の電極もしくは粒子の特性を改善するため)。
一部の設計では、骨格マトリクス材料の機械特性が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。例えば、粒子の中心付近では骨格マトリクス材料がより低い弾性係数またはより低い硬度を示す結果、粒子の中心ではサイクル中における高容量材料の容積膨張に適応しやすくなる。同時に、例えば粒子の周縁付近では骨格マトリクス材料がより高い弾性係数およびより高い強度を示す結果、複合粒子は、サイクル中に活物質内で容積が大幅に変化するにもかかわらず(この変化は、例えばマトリクス材料の細孔および変形可能部分によって適応され得る)、小さい容積変化を示す能力を有し得る(この能力は形状およびサイズの保持に役立ち得る)。
図3A〜3Dは、ある特定の実施形態例による、(複合粒子組成物の)骨格マトリクス材料の選択された機械特性のプロファイル例を示す図である。図3Aおよび3Bは、骨格マトリクス材料のコア(「Hc」)から表面(「Hs」)に至る複合粒子の半径に沿った平均硬度(「H」)の変化のプロファイル例を示す図である。図3Cおよび3Dは、骨格マトリクス材料のコア(「Ec」)から表面(「Es」)を経て上部表面(「Ets」)に至る複合粒子の半径に沿った平均弾性係数(「E」)の変化のプロファイル例を示す図である。
一部の設計では、骨格マトリクス材料内の欠陥濃度または不規則度が粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。例えば、粒子の中心付近では骨格マトリクス材料がより高い欠陥濃度または特定の官能基の濃度を示す場合があり、これらが今度は、活物質がさらに浸透するための核形成部位の役割を果たし得る(骨格材料細孔内での活物質の堆積)。したがって、核形成誘発性の欠陥の濃度が高くなると、粒子の中心付近での容積変動性活物質の含有率も高くなり、今度は、所与の活物質重量分率についての複合粒子の総体的な容積変化が少なくなり、電極の安定性(サイクル寿命)の向上に繋がり得る。粒子の周縁付近では、骨格マトリクス材料は核形成誘発性欠陥の濃度の低下を示し得る。(前述の)イオン透過性シェル材料が骨格マトリクスに使用される材料と同等である場合(例えばいずれもほとんどが炭素原子で作製されている場合)、粒子の周縁付近でマトリクス内の核形成性欠陥の濃度が低下すると、(例えば粒子直径の10%未満など、短い距離内で外側の細孔を密閉するために)そのようなシェル層の迅速な堆積を補助し、前述の活物質と電解質溶媒との望ましくない直接接触を防ぐことができる。これは、均等エピタキシャル堆積の場合(不均等エピタキシャル堆積とは対照的に)、基質表面の欠陥濃度が低下すると、被堆積層の成長が速くなり、品質が向上する(空孔、穴などが減少する)結果となるからである。したがって、たとえ骨格マトリクス内の細孔が完全に活物質で満たされていない場合(例えば一部の細孔が空の状態を維持して、サイクル中における活物質の容積変化に適応する場合)であっても、骨格マトリクス−活物質複合粒子の薄い表面層内の細孔を密閉すれば、(活物質の容積変化に適応するよう)大きな容積の細孔をそのままの状態に保持しながら、溶媒と活物質との間の望ましくない相互作用を総じて防ぐことができる。
一部の設計では、骨格マトリクス材料内の特定の官能基の濃度が粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。活物質堆積のための核形成部位の役割を果たす官能基の場合、骨格マトリクス材料の中心での濃度が高くなると、最終の複合粒子の中心付近における容積変動性活物質の含有率上昇を達成する上で有利となり得る。対照的に、骨格マトリクス材料の細孔内での活物質の核形成を防ぐ官能基の場合、骨格マトリクス材料の周縁での濃度が高くなると、同様に、周縁部での核形成が遅延され得ることから、骨格マトリクス材料粒子の中心における活物質濃度が上昇する結果となり得る。
一部の構成では、複合粒子表面上での活物質の堆積または他の処理(例えば熱処理、または密閉性シェル材料など別の材料の堆積)の後、骨格マトリクス材料内で特定の官能基が消失するか、または検出不能となり得る。したがって、特定の官能基の濃度の勾配が、合成過程において主として重要となり、骨格マトリクス−活物質複合粒子内での活物質濃度の勾配または他の適切な勾配を複合粒子に導入するための革新的な合成方法ステップを構成し得る。
図4A〜4Dは、一部の実施形態例による、複合粒子の半径に沿った、骨格マトリクス材料の欠陥または官能基の平均濃度のプロファイル例を示す図である。図4Aおよび4Bは、骨格マトリクス材料のコア(「Nc」)から表面(「Ns」)に至る複合粒子の半径に沿った欠陥濃度(「N」)の変化のプロファイル例を示す図である。図4Cおよび4Dは、骨格マトリクス材料のコア(「Nc」)から表面(「Ns」)に至る複合粒子の半径に沿った平均官能基濃度(「N」)のプロファイル例を示す図である。
一部の設計では、骨格マトリクス材料の細孔(完全または部分的に「容積変動性」、「高容量」および「高融点」の活物質で満たされ得る)の平均間隔またはサイズが、複合粒子の中心から周縁にかけて変化する。一例では、複合粒子のコア付近で骨格マトリクス材料が示す、活物質を充填するために利用可能な細孔がより大きくなり得る。これは、活性粒子の大型化と、場合によっては粒子の中心付近で高容量活物質が占める割合の増大に繋がり得る。この粒子構造は、サイクル中における粒子および電極の安定性を改善させることが認められている。残りの骨格細孔(および細孔内で分散した活物質のほとんど)を保護的なイオン透過性シェル材料層(前述の通り)で密閉することが望ましいと考えられる場合、粒子の周縁付近に存在するより小さい細孔が、短い距離(例えば粒子直径の10%未満)内でそのように密閉するのに役立ち得る。前述の通り、(骨格マトリクス−活物質)複合粒子の薄い表面層内の細孔を密閉すれば、(活物質の容積変化に適応するよう)大きな容積の細孔をそのままの状態に保持しながら、溶媒と活物質との間の望ましくない相互作用を総じて防ぐことができる。
別の例では、活物質の最外層が最大の細孔を示し得る。これらの大きな細孔は大抵、活物質に関して(または必要な場合は密閉性シェル材料に関して)空の状態を維持し、潜在的に例として以下のような多様な目的に役立ち得る:(i)シェルの堆積中/堆積後における粒子の一体的な焼結(接着)の防止(シェルを堆積させる場合)、(ii)粒子粗度の増大、および粒子−バインダーの結合強度、粒子間結合強度、または粒子−SEIの結合強度の改善(これらはすべて典型的に、そのような複合体で作製された電極のサイクル安定性および他の性能特性を改善する)、(iii)電極内の複合粒子の電気接続(骨格マトリクス材料が導電性である場合)、ならびに(iv)1つの電極において粒子が相互に均等に離れるようにすることへの貢献(これは特に、粒子が最初のサイクルと後続サイクルの間に膨張する場合に電極内での応力最小化に役立つ可能性があり、また電極容量負荷が約2mAh/cm2を超える場合および電極活物質が約8容積%を超えて膨張する場合は一層重要となり得る)。
一部の設計では、骨格マトリクスの細孔(完全または部分的に「容積変動性」、「高容量」および「高融点」の活物質で満たされ得る)の平均容積が、複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。
図5A〜5Cは、ある特定の実施形態例による、骨格マトリクス材料502の平均細孔サイズが中心(コア)から周縁に至る粒子半径に沿って変化する、複合粒子および骨格マトリクス組成物の例を示す図である。図5Aは複合粒子を示す図であり、例えば骨格マトリクス502は高容量活物質501で満たされた閉鎖状態の細孔を有し、骨格細孔サイズが粒子の中心から周縁にかけて減少する。図5Bは、関連部分において、例えば開いた相互接続状態の細孔503を有する(複合粒子の)骨格マトリクス502のみを示す図であり、細孔サイズが粒子の中心から周縁にかけて減少する。図5Cは、関連部分において、例えば開いた相互接続状態の細孔503を有する(複合粒子の)骨格マトリクス502のみを示す図であり、細孔サイズが最初は粒子の中心から表面に近付くにつれ減少した後、粒子の表面(周縁)で再び増大する結果、最小の細孔サイズを有する「埋没層」を形成する。
一部の設計では、「表面層」の割合または「埋没層」の割合は、粒子の総容積の約1容積%から約50容積%の範囲であってもよい。
骨格マトリクスにおいて小さい細孔を有する層(「表面層」または「埋没層」など)の厚さは、複合粒子の化学および用途に応じて変動し得る。しかし、2nmから500nmの範囲の厚さが、多数の用途において良好に機能することが認められている。
図6A〜6Cは、ある特定の実施形態例による、骨格マトリクス組成物例の内部での粒子半径に沿った平均細孔サイズのプロファイル例を示す図である。図6Aおよび6Bは骨格マトリクスの平均細孔サイズのプロファイル例を示す図であり、細孔サイズが粒子の周縁に近付くにつれ小さくなる。適切な細孔サイズ(「D」)分布は複合体内における活物質の特定の化学およびイオン移動性に依存し得るが、典型的に粒子の中心での適切な平均細孔サイズ(「Dc」)は2から800nmの範囲であってもよい一方、表面層での適切な平均細孔サイズ(「Ds」)は0.3から100nmの範囲であってもよい。一部の実施形態では、Dcが少なくともDsの2倍の大きさであれば有利となり得る。図6Cは骨格マトリクスの平均細孔サイズのプロファイル例を示す図であり、骨格マトリクスの最上部表面層の細孔が「埋没した小さい細孔層」(骨格マトリクスの細孔が相互接続状態であり、活物質がこれらの細孔を完全に埋めるわけではない場合、シェル材料で密閉され得る)よりも大きい。粒子の上部表面層での平均細孔サイズ(「Dts」)は、例えば1.5から50nmの範囲であってもよく、これは多数の用途において良好に機能することが認められている。
図7A〜7Cは、ある特定の実施形態例による、骨格マトリクス組成物例の内部での粒子半径に沿った平均細孔容積のプロファイル例を示す図である。図7Aおよび7Bは骨格マトリクスの平均細孔容積のプロファイル例を示す図であり、細孔容積が粒子の周縁に近付くにつれ小さくなる。適切な細孔容積(「V」)分布は複合体内における活物質の特定の化学(および関連する容積膨張)およびイオン移動性に依存し得るが、典型的に粒子の中心での適切な平均細孔容積(「Vc」)は約0.2から約10cc/gの範囲であってもよく、これは一部の用途において良好に機能することが認められている一方、表面層での適切な平均細孔容積(「Vs」)は0.01から5cc/gの範囲であってもよく、これも一部の用途において良好に機能することが認められている。粒子の中心での細孔容積が0.2cc/gより小さいと、これらの細孔に十分な量の容積変動性材料を配置できない可能性があることから、複合体の容積容量の望ましくない減少に繋がるおそれがある。一部の実施形態では、Vcが少なくともVsの2倍の大きさであれば有利となり得る。図7Cは骨格マトリクスの平均細孔容積のプロファイル例を示す図であり、骨格マトリクスの最上部表面層では、「細孔容積がより小さい埋没層」(骨格マトリクスの細孔が相互接続状態であり、活物質がこれらの細孔を完全に埋めるわけではない場合、シェル材料で密閉され得る)と比べ、細孔数が多い(細孔容積が大きい)。粒子の上部表面層での平均細孔容積(「Vts」)は、約0.4から20cc/gの範囲であってもよく、これは多数の用途において良好に機能することが認められている。
一部の設計では、骨格マトリクス材料の複数の特性(例えば前述の特性のうち複数)が複合粒子の中心から複合粒子の周縁にかけて変化し得る。一実施形態例では、骨格マトリクスが、例えば、粒子の中心から周縁にかけて細孔サイズの変化を示し得るのに加え、粒子の中心から周縁にかけて組成の変化も示し得る。これは、骨格を含む複合粒子が生成され電池に使用される場合に、特性が好ましい形で組み合わされることを促す。
一部の設計では、複合粒子内の骨格材料細孔の配向が粒子の中心から粒子の周縁にかけて変化し得る。例えば、粒子の中心では、細孔が不規則な配向であるか、または半径方向に沿って好適な配向であってもよい一方、粒子の周縁(表面)付近では、細孔(例えばスリット状の細孔)が優先的に粒子表面と平行な(したがって半径方向に対して直角の)配向であってもよい。細孔配向のそのような変化は、多様な便益をもたらし得る。薄いシェル層内の内部細孔を密閉することが望ましいと考えられる場合、粒子の外側から粒子の中心へのシェル前駆体分子の輸送を減速させることが必要となり得る。スリット状の細孔の配向を表面と平行にすることにより、シェル前駆体分子の拡散経路を効率的に増やすことができる。言い換えれば、粒子表面付近でのそのように細孔を配向させると、粒子の中心へ向かう経路の屈曲度が増大する。そのようなシェル層が例えば蒸気相から堆積される場合、前駆体分子の分解(およびシェル材料の堆積)前の平均移動距離を超えるレベルにまで実際の経路を例えば1桁増やせば、直径の少ない割合(例えば約10%)の範囲内で内部粒子細孔を密閉することが可能となる。密閉性の「シェル」相が堆積される範囲内に存在するスリット状の(例えばより小さい)細孔相を、「密閉可能多孔質層」と称することができる。別の例では、前述の「密閉可能多孔質層」の外側の粒子の表面に、不規則な配向または放射状の配向の(例えばより大きい)細孔の相を設けることが望ましい場合がある。この多孔質層は、堆積された後、活物質および密閉性シェル材料がいずれもほとんど存在しない状態を維持してもよく、潜在的に(前述の通り)以下を含む多様な目的に役立ち得る:(i)「密閉可能多孔質層」内でのシェルの堆積中/堆積後における粒子の一体的な焼結(接着)の防止、(ii)粒子粗度の増大、および粒子−バインダーの結合強度、粒子間結合強度、または粒子−SEIの結合強度の改善、ならびに(iii)電極内の複合粒子の電気接続(多孔質の外側層が導電性である場合)。
図8A〜8Bは、ある特定の実施形態例による、骨格マトリクス材料802の細孔配向が中心(コア)から周縁に至る粒子半径に沿って変化する、複合粒子および骨格マトリクス組成物の例を示す図である。図8Aは(複合粒子の)骨格マトリクス802を示す図であり、骨格マトリクス粒子の中心(コア)のほとんどが不規則な配向(または球形)の細孔を示し、これらの細孔は徐々に向きを変えて半径方向に沿った配向となり、さらに向きを変えて骨格粒子の上部表面では半径方向に対して直角の配向となる。図8Bは(複合粒子の)骨格マトリクス802を示す図であり、骨格マトリクス粒子の中心(コア)は半径方向に沿った配向または不規則な配向のいずれかであり、これらの細孔は向きを変えて骨格粒子の表面付近で半径方向に対して直角の配向となり、粒子の上部表面では不規則な配向(または半径方向に沿った配向)となる。
骨格マトリクスにおいて、半径方向に対して優先的に直角な配向の細孔を有する層の厚さは、複合粒子の化学および用途に応じて変動し得る。しかし、2nmから200nmの範囲の厚さが、多数の用途において良好に機能することが認められている。
一部の設計では、骨格マトリクス材料が2種以上の材料を含む複合体であることが有利となり得る。そのような材料は異なる(例えば補完的な)機能性を提供し、電子的特性、イオン特性、熱的特性、化学的特性、機械特性または他の特性の違いを示し得る。例えば、複合体の成分のうち1つはより優れた機械的強度を示し得る一方、別の成分はより優れた導電性を示すか、または望ましくない活物質の副次的反応を防ぐ、より優れた保護を示すか、または複合体合成中の活物質にとって、より好ましい不均一な核形成部位を提供するか、または別の有用な機能もしくは複数の機能の組合せを提供し得る。一部の設計では、そのような複合骨格マトリクス材料の成分のうち少なくとも1つが、骨格マトリクス材料の中心から周縁にかけて、少なくとも1つの特性(密度、導電性、イオン伝導性、熱的安定性、化学組成、弾性係数、硬度、または別の特性)の漸進的変化を示すことが有利となり得る。
様々な方法を活用して、可変性の組成を有する骨格粒子を生成させることができる。複合粒子を形成するための一部の適切な方法によれば、組成が徐々に変化する骨格マトリクス粒子を最初に生成させ、続いて活物質と、任意選択で保護層(固体でも液体でもよい)および/または保護シェルとを浸透させることができる。複合粒子を形成するための他の方法によれば、可変性の組成を有する骨格マトリクスを複合粒子の形成と同時に生成させることができる。
骨格マトリクスが粒子の半径に沿って可変性の組成を示す場合の、骨格マトリクスを含む複合粒子の合成の適切な一方法は、例えば(i)マトリクス材料の前駆体のうち1つの組成物(骨格マトリクス前駆体の一種(以下、一般性を考慮して「タイプA」の骨格前駆体という)など)で被覆された活物質ナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(ii)マトリクス材料の前駆体のうち別の組成物(別の種類の骨格マトリクス前駆体(以下、一般性を考慮して「タイプB」の骨格前駆体という)など)で被覆された活物質ナノ粒子の別の懸濁物を形成させるステップと、(iii)ナノ粒子懸濁物からタイプAの前駆体で被覆された活物質ナノ粒子の漸進的凝集を誘発するステップと、(iv)ナノ粒子懸濁物からタイプBの前駆体で被覆された活物質ナノ粒子の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、ますます多くのタイプBの前駆体で被覆されたナノ粒子が凝集粒子の外側層に付着するようにするステップと、(v)任意選択で凝集粒子の外側層を別のナノ粒子(シェル層)またはタイプA,タイプB、もしくは別の(「タイプC」)前駆体マトリクス材料の層で被覆するステップと、(vi)形成された凝集粒子(骨格マトリクス前駆体の組成が中心から外側周縁にかけて徐々に変化する)を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(vii)マトリクスの前駆体材料を(例えば熱処理により)適切な骨格マトリクス材料へと変換する結果、骨格の組成が(粒子の中心から粒子の周縁にかけて)徐々に変化する凝集粒子を得るステップであって、複合凝集粒子それぞれの骨格マトリクス材料が活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助する状態となるステップとを含み得る。
骨格マトリクスが粒子の半径に沿って可変性の組成を示す場合の、骨格マトリクスを含む複合粒子の合成の適切な別の方法例は、例えば(i)マトリクス材料の前駆体のうち1つの種類(以下、一般性を考慮して「タイプA」の骨格前駆体という)の溶液(またはナノクラスター懸濁物)を形成させるステップと、(ii)マトリクス材料の前駆体のうち別の種類(以下、一般性を考慮して「タイプB」の骨格前駆体という)の溶液(またはナノクラスター懸濁物)を形成させるステップと、(iii)タイプAの前駆体の漸進的凝集を誘発する結果、骨格マトリクス前駆体粒子の成長を引き起こすステップと、(iv)タイプBの前駆体の溶液(またはナノクラスター懸濁物)を長時間にわたり添加することにより、ますます多くのタイプBの前駆体を凝集粒子の外側層に付着させて外側層の組成を徐々に変えるステップと、(v)任意選択で凝集A−B複合前駆体凝集粒子の外側層を別の(「タイプC」)前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(vi)形成された骨格マトリクス前駆体凝集粒子(骨格マトリクス前駆体の組成が中心から外側周縁にかけて徐々に変化する)を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(vii)マトリクスの前駆体材料を(例えば、活性化による多孔性増進を含み得る酸化および熱処理により)適切な骨格マトリクス材料へと変換する結果、骨格の組成が(粒子の中心から粒子の周縁にかけて)徐々に変化する凝集粒子を得るステップと、(viii)骨格マトリクス材料を活物質で満たし、任意選択で活物質の表面を保護層で被覆し、また任意選択で活物質が(貯蔵中またはスラリー製造中に)周囲の空気と反応すること、または(電池作動中に)電解質と反応することを防止または最小化するための保護層を形成させるステップとを含み得る。
骨格マトリクスが粒子の半径に沿って可変性の組成を示す場合の、骨格マトリクスを含む複合粒子の合成の適切なさらに別の方法例は、例えば(i)マトリクス材料の前駆体のうち1つの種類(以下、一般性を考慮して「タイプA」の骨格前駆体という)から成る粒子を蒸着(CVDまたはALDなど)プロセスにより(例えば管状炉内で)核形成させるステップと、(ii)マトリクス材料の前駆体のうち別の種類(以下、一般性を考慮して「タイプB」の骨格前駆体という)を徐々に量を増やしながら反応装置に沿って導入し、同時の粒子成長および粒子組成の漸進的変化を引き起こすステップと、(iii)任意選択で凝集A−B複合前駆体凝集粒子の外側層を別の(「タイプC」)前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(iv)マトリクスの前駆体材料を(例えば、活性化による多孔性増進を含み得る酸化および付加的な熱処理により)適切な骨格マトリクス材料へと変換する結果、骨格の組成が(粒子の中心から粒子の周縁にかけて)徐々に変化する凝集粒子を得るステップと、(v)骨格マトリクス材料を活物質で満たし、任意選択で活物質の表面を保護層で被覆し、また任意選択で活物質が(貯蔵中またはスラリー製造中に)周囲の空気と反応すること、または(電池作動中に)電解質と反応することを防止または最小化するための保護層を形成させるステップとを含み得る。骨格マトリクス材料を活物質で満たすステップを、骨格粒子が形成される反応装置内への活性粒子前駆体の供給によって骨格粒子形成と同時に実施してもよいことが理解される。
骨格マトリクスの堅牢性、弾性係数、硬度または他の機械特性を(半径に沿って)調節可能な複合粒子を形成させる場合、骨格マトリクスの組成を調節可能な複合粒子を製造する場合と同様の方法を使用することができる。ただしこの場合、関心の的となる機械特性が前駆体組成の変動に応じて大幅に変動することが有益となり得る。
骨格マトリクスの微細構造を(半径に沿って)調節可能な複合粒子を形成させる場合、骨格マトリクスの組成を調節可能な複合粒子を製造する場合と同様の方法を使用することができる。ただしこの場合、(たとえ骨格マトリクス材料の組成が同様の、例えばCHyOzNwSuPvCltFs(式中、y、z、w、u、v、tおよびsの数字は約0から約5の範囲であり、これらの数字はこの組成におけるCの原子分率により正規化される)であっても)骨格材料の微細構造が前駆体組成に変動に応じて大幅に変動することが有益となり得る。
様々な方法を活用して、粒子の半径に沿って細孔の形状および配向が変化する骨格粒子を生成させることができる。これらの方法は骨格マトリクス材料の望ましい制御度および組成に応じて変動し得る。例えば、骨格マトリクスの大部分が炭素を含む場合、骨格マトリクス粒子は有機前駆体粒子の熱処理(特定の化学に応じて任意選択で酸化および活性化を行う、制御された環境での焼鈍)により製造され得る。骨格マトリクス粒子における細孔の形状および配向は、前駆体粒子の特性および構造的配向に依存することが多い。したがって、前駆体の組成および配向がコアから表面にかけて変化する前駆体粒子を最初に製造することにより、粒子の半径に沿って細孔の形状および配向が変化する骨格粒子を生成させることができる。さらに、多孔質炭素骨格前駆体を、例えばCVDによって生成された非多孔質炭素の活性化によって生成させることもできる。CVD堆積炭素(特に50トール未満の低圧または500℃超の高温で堆積させたもの)は典型的に、ある程度の粒子配向(規則化)を示す。そのようなCVD堆積炭素において活性化による細孔を誘発する場合、細孔はCVD炭素内の元来の粒子配向と平行な好ましい方向で生成させることができる。したがって、(i)まず炭化ポリマー粒子の表面に1つの層をCVD堆積させることにより、粒子表面とほぼ平行な粒子配向を有するCVD炭素被覆を生成させ、次いで(ii)CVD−C被覆粒子を(例えば物理的および化学的活性化により)活性化することにより、骨格粒子のこの表面層内で(表面と平行な)半径方向に対して総じて直角に配向された細孔を有する炭素骨格マトリクス粒子を生成させることができる。同時に、骨格マトリクスの大部分において、細孔は例えば不規則な配向であってもよい。
様々な方法を活用して、粒子の半径に沿って細孔のサイズ(または容積)が変化する骨格粒子を生成させることができる。これらの方法は骨格マトリクス材料の望ましい制御度および組成に応じて変動し得る。例えば、骨格マトリクスの大部分が炭素を含む場合、前述の通り、骨格マトリクス粒子は有機前駆体粒子の熱処理により製造され得る。骨格マトリクス粒子における細孔のサイズおよび容積は典型的に、(所定の熱処理条件についての)前駆体粒子の特性および構造的配向に依存する。例えば、前駆体材料の一部は大型細孔の形成を誘発し、一部はより小さい細孔の形成を誘発し、一部は特定の熱処理中にほぼ完全に消失し、一部はより大きい細孔容積を誘発し、一部はより小さい容積を誘発し得る。したがって、(前述の通り)前駆体の組成がコアから表面にかけて変化する骨格前駆体粒子を最初に製造することにより、粒子の半径に沿って細孔サイズおよび細孔容積が変化する骨格粒子を生成させることができる。別の適切な方法例では、(例えば適切なポリマーを炭素前駆体として使用する場合)炭素前駆体の炭化収率は、炭化(焼鈍)手順の前に実施される酸化に依存し得る。炭素前駆体粒子の中心から周縁にかけて(例えば前駆体粒子の周縁/表面から前駆体粒子の中心までの拡散距離の制御に使用され得る適切な液体または気体の酸化剤に対する前駆体粒子の曝露の時間および温度の制御により)酸化度に勾配を導入することにより、炭化後の炭素多孔性において望ましいレベルの勾配を達成することができる。付加的な活性化ステップにより、付加的な細孔容積を形成させることができる。
既に形成された炭素粒子の活性化により、付加的な多孔性を炭素粒子に導入する場合、様々な活性化プロセスの速度により、望ましい細孔サイズ分布を創出することができる。粒子を構成する炭素前駆体の化学的性質を変えることにより、活性化速度を調節することができる。
一部の設計では、高容量活物質の組成が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。この組成変化は、複合材料を電池に使用する場合に様々な利点をもたらす。
例えば、Liイオン電池材料では、様々な高容量材料は、(Li電池の操作および費用に関して重要となり得る)様々なパラメーターによって、いくつかの例を挙げると、容量、費用、Li挿入および抽出時の容積変化、Li挿入および抽出のための平均電位、ならびに液体電解質と接触する際の反応性(または溶解性)などによって、区別される。複合粒子は、例えば、(最大の容積変化を示す)より高容量の材料を粒子の中心により多く浸透させ、別の(より小さい容量変化を示す)より低容量の材料を複合粒子の表面層により多く浸透させる場合、有利となり得る。この場合、粒子の総体的安定性が改善され得る。例示的な一例において、金属フッ化物を骨格マトリクス内の高容量Liイオン正極材料として使用する場合、複合体のコアは例えば容積変化がより大きい(かつより高容量の)FeF3を豊富に含む一方、表面は例えば容積変化がより小さい(かつより低容量の)FeF2を豊富に含み得る。別の例では、より高容量(またはエネルギー密度がより高い)(しかし潜在的に電解質との反応性がより高い)材料が複合粒子のコアにより多く、電解質との反応性がより低い(または電解質中での溶解性がより低い)材料が表面付近により多い場合(たとえそのような材料がセルに提供する容量がより低いかまたはエネルギー密度がより低い場合であっても)、有利となり得る。この場合も同じく、総体的な電極および/またはセルの安定性が大幅に改善され得る。金属フッ化物を骨格マトリクス内の高容量Liイオン正極材料として使用する場合、複合体のコアは例えば高溶解性(かつエネルギー密度がより高い)CuF2(または完全リチオ化状態のフッ化銅を粒子の合成もしくは設計に使用する場合はCu−LiF複合体)を豊富に含む一方、表面は例えば溶解性が大幅に低い(かつより低容量の)FeF2またはFe−F−O(鉄オキシフッ化物)(または完全リチオ化状態のフッ化鉄を粒子の設計に使用する場合はFe−LiFもしくはFeO2−LiF−Li2O複合体)を豊富に含み得る。さらに別の例では、(一部の用途において)放電レベルがより低い条件で活性である材料を複合粒子のコアにより多く含み、放電レベルがより高い条件で活性である材料を表面付近により多く含む場合、有利となり得る。この場合、放電中、粒子のコアにおける活物質の容積が最初に変化する一方、粒子表面付近の活物質の容積は、放電レベルが上昇した場合に限り、大幅に変化する。浅い放電サイクルの数は深い放電サイクルより典型的に多いことから、複合粒子表面付近の活物質の大幅な容積変化の頻度が少なくなり、その結果、セルの安定性が高くなる。金属フッ化物を骨格マトリクス内の高容量Liイオン正極材料として使用する場合、複合体のコアは例えばCuF2(Liとの電気化学反応中の平均電位がより高い)(または完全リチオ化状態のフッ化銅を粒子の合成もしくは設計に使用する場合はCu−LiF複合体)を豊富に含む一方、表面は例えばBiF3またはBi−O−F(ビスマスオキシフッ化物)(平均電位がより低い)またはこれらを部分的もしくは完全にリチオ化させた類似物を豊富に含み得る。一部の例では、複合体内での異なる活性物質(例えば、金属フッ化物、あるいはフッ化物ベースの活物質を充電式のLiイオン電池など金属イオン電池またはLi電池など充電式の金属電池に使用する場合はLiF−金属混合物)の混合を、(固溶体中または固溶体およびクラスター化の混合物の場合と同様に)原子レベルで行ってもよい。高容量のフッ素含有活物質を使用する場合、一部の例では金属(例えばCuまたはFe)に対するLiFの相対分率が複合粒子の中心から周縁にかけて勾配することが、電池での用途向けに有利となり得る。高容量のLiイオン負極材料を骨格マトリクス内に閉じ込める場合、複合体のコアは例えばSi(リチオ化シリコンからのLi抽出物の平均電位が比較的低い)を豊富に含む一方、表面は例えばSi−O(部分酸化シリコン)、Sn、Sn−O(部分酸化スズ)、Si−Sn−O(部分酸化シリコン−スズ合金)、Si−Mg、P(リン)、As(ヒ素)、Bi(ビスマス)、またはその他のLi抽出物の平均電位が比較的高い高容量材料を豊富に含み得る。
図9A〜9Dは、ある特定の実施形態例による、活物質の組成が中心(コア)から周縁に至る粒子半径に沿って変化する、骨格マトリクスの内部に閉じ込められた活物質の組成物の例を示す図である。例示では、様々な活物質の組成を陰影の違いで記号化している。図9Aおよび9Cは、骨格マトリクス902が均一である実施形態例を示す図である一方、図9Bおよび9Dは、骨格マトリクス903も粒子の中心から周縁にかけて変化する実施形態例を示す図である。図9Aおよび9Bは、活物質901が骨格細孔を完全に満たす実施形態例を示す図である一方、図9Cおよび9Dは、活物質901が骨格細孔の一部だけを満たし、電池作動中に活物質が膨張するための細孔904の容積を多少残す実施形態例を示す図である。
図10A〜10Cは、ある特定の実施形態例による、活物質が骨格マトリクスの内部に閉じ込められた状態での、中心(コア)から周縁に至る粒子半径に沿った活物質の平均的な組成の変化のプロファイル例を示す図である。図示の通り、組成は粒子のコア(「領域A」)から表面(領域「B」)を経て、さらに上部表面(領域「C」)部分に至るまで、様々な形で変化し得る。
一部の設計では、高容量活物質の硬度が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。この硬度変化(特に活物質が膨張した状態での硬度変化)は、複合材料を電池に使用する場合に様々な利点をもたらす。総体的に、高容量活物質が(特に膨張状態で)低い硬度を示す(軟質である)結果、膨張中に塑性変形することができ、骨格マトリクス材料細孔の形状に対して、より良好に適応できることが、有利となり得る。しかし、ほとんどの用途において、そのような高容量活物質が大幅な容積変化を示す場合、活物質が複合粒子のコアよりも表面付近で軟質であることが、より重要となり得る。実際、活物質が表面付近でより硬質であるほど(活物質の所与の細孔容積および分率について)表面付近での容量変化がより大きくなり、今度は、(例えばバインダーとの接触の分断が原因で)電極内での亀裂の形成および粒子の分離を誘発するおそれがある。
一部の設計では、高容量活物質の弾性係数が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。活物質の弾性係数値が低くなると、弾性変形に対する複合体の抵抗性が低下する結果となり、これは電極の圧延(緻密化)および活物質膨張時の複合体容積変化の最小化の双方について重要となり得る。したがって、弾性係数値の低下は、電極容積容量の最大化(および結果的なセルエネルギー密度の最大化)およびサイクル中の電極安定性の最大化(および結果的なセルのサイクル寿命の最大化)の双方について重要となり得る。しかし、弾性係数がより低い材料が必ずしも、セルに使用される場合に最高のエネルギー密度を示すとは限らない。したがって、粒子表面付近での弾性係数平均値の低減が、コアでの低減よりも重要となり得る。したがって、一部の電池用途の場合、粒子表面付近での活物質の弾性係数がより低い複合粒子を活用することが有利となり得る。
図11A〜11Dは、ある特定の実施形態例による、活物質が骨格マトリクスの内部に閉じ込められた状態での、中心(コア)から周縁に至る粒子半径に沿った活物質の選択された機械特性(例えば図11Aおよび11Bでは硬度、ならびに図11Cおよび11Dでは係数)の変化のプロファイル例を示す図である。図11Aおよび11Bは、活物質のコア(「Hc」)から表面(「Hs」)に至る複合粒子の半径に沿った平均硬度(「H」)の変化のプロファイル例を示す。図11Cおよび11Dは、活物質のコア(「Ec」)から表面(「Es」)を経て上部表面(「Ets」)に至る複合粒子の半径に沿った平均弾性係数(「E」)の変化のプロファイル例を示す。
一部の設計では、高容量活物質の密度が複合粒子の中心から複合粒子の周縁にかけて変化し得る。複合粒子のコアでの活物質密度がより高いと、複合粒子のコアの密度も上昇する結果となり得る。そのような粒子は、より均一な電極を得られ、今度は、典型的にセルの性能特性向上に繋がる。粒子の周縁付近での活物質密度の低下は、そのような活物質内での細孔の存在にも関連付けることができる。細孔の存在は、今度は活物質の硬度、弾性係数および総体的容量変化を低減させ、これは(前述の通り)複合粒子の中心よりも表面付近での最小化について重要となり得る。
一部の設計では、複合粒子の密度が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。一例では、密度が複合粒子の中心付近で最高となり得る。電極へと加工が進むと、そのような粒子は、セルのより安定した性能をもたらし得る。
図12A〜12Bは、ある特定の実施形態例による、活物質が骨格マトリクスの内部に閉じ込められた状態での、中心(コア)から周縁に至る粒子半径に沿った活物質の密度の変化のプロファイル例を示す図である。図示の通り、密度(「d」)はコア(「dc」)から表面(「ds」)にかけて様々な形で変化し得る。
一部の設計では、高容量活物質の(複合体の総重量に対する)重量分率が複合粒子の中心から複合粒子の周縁にかけて変化し得る。複合粒子の周縁付近で高容量活物質の割合が低下し、骨格マトリクス材料の割合が上昇すると、典型的に、(例えば複合粒子の表面層内での容積変化の最小化により)サイクル中の粒子の安定性が向上する。一部の用途では、粒子のコア付近で高容量活物質の割合が上昇すると、そのような粒子に基づく電極のエネルギー密度が上昇する一方、典型的に、サイクル安定性がごくわずか低下する。
図13A〜13Bは、ある特定の実施形態例による、活物質が骨格マトリクスの内部に閉じ込められた状態での、中心(コア)から周縁に至る粒子半径に沿った骨格マトリクス(「Wsm」)(または骨格マトリクス、ならびに複合体中に存在する場合は保護被覆および保護シェルまたは付加的な充填材料を含む、複合体の残り部分)と相対的な活物質(「Wa」)の相対重量分率(Wa/Wsm)の変化のプロファイル例を示す図である。適切な相対重量分率は、粒子のコア((Wa/Wsm)c)または表面付近((Wa/Wsm)s)において、用途および特定の化学に応じて変動し得る。しかし、多数の用途について、(Wa/Wsm)cは好ましくは0.5から30の範囲であってもよく、(Wa/Wsm)sは好ましくは0から5の範囲であってもよい。
一部の設計では、高容量活物質の(複合体の総容積に対する)容積分率が複合粒子の中心から複合粒子の周縁にかけて変化し得る。複合粒子の周縁付近で高容量活物質の容積分率が低下すると、粒子表面付近でのサイクルに起因する応力が減少し、これによりサイクル中の電極の安定性が向上し、したがってセルのサイクル寿命が長くなる。例えば、Liイオン電池向けに高容量負極材料(例えばSi含有材料)を使用する場合、細孔容積と骨格マトリクス材料の占有容積とをいずれも増やすと、そのような複合電極粒子を含むセルのサイクル安定性が大幅に向上する。骨格および細孔におけるそのような相対容積増加は、活性粒子表面付近で、より重要となり得る。理論上のエネルギー密度が同一である均一な複合粒子と比べ、中心での活物質の容積分率がより高い複合粒子は一般的に、より優れたサイクル安定性など、より優れた性能特性を示す。
図14A〜14Bは、ある特定の実施形態例による、活物質が骨格マトリクスの内部に閉じ込められた状態での、中心(コア)から周縁に至る粒子半径に沿った複合体の総容積(「Vo」)と相対的な活物質(「Va」)の相対容積分率(Va/Vo)の変化のプロファイル例を示す図である。適切な相対容積分率は、粒子のコア((Va/Vo)c)または表面付近((Va/Vo)s)において、用途および特定の化学、ならびに活物質が既に膨張状態であるか否かに応じて変動し得る。しかし、多数の用途について、(Va/Vo)cは好ましくは0.1から60の範囲であってもよく、(Va/Vo)sは好ましくは0から6の範囲であってもよい。複合体内での活物質の相対容積分率の適切な平均値は、0.1超60未満であるべきである。活物質の平均容積分率が0.1未満だと、複合体ベースの電極の容積容量、およびそのような複合体を活用する電池セルの得られるエネルギー密度を大幅に制限するおそれがある。活物質の平均容積分率が60を超えると、典型的に複合粒子の安定性または速度性能を不満足なレベルにまで制限してしまう。
様々な方法を活用して、活物質の組成が粒子半径に沿って変化する活物質−骨格複合粒子を生成させることができる。一部の複合粒子形成方法では、骨格マトリクス粒子を最初に生成させ、続いて組成が変化する活物質を徐々に浸透させ、さらに任意選択で保護層および保護シェルを浸透させることができる。他の複合粒子形成方法では、組成が変化する活物質を複合粒子の形成と同時に生成させることができる。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の組成を示す場合の、複合粒子を含む骨格マトリクスおよび活物質の合成の適切な一方法は、例えば(i)骨格マトリクス材料の前駆体(例えば骨格マトリクス前駆体の一種)で被覆された活物質「A」(または活物質Aの前駆体)のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(ii)マトリクス材料の前駆体で被覆された活物質「B」(または活物質Bの前駆体)のナノ粒子の懸濁物を別に形成させるステップと、(iii)ナノ粒子懸濁物からタイプAの活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の漸進的凝集を誘発するステップと、(iv)タイプBの活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、ますます多くのタイプBで被覆されたナノ粒子が凝集粒子の外側層に付着するようにするステップと、(v)任意選択で凝集粒子の外側層を前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(vi)形成された凝集粒子を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(vii)マトリクスの前駆体材料(および該当する場合は前駆体活物質)を(例えば熱処理により)活物質で満たされた適切な骨格マトリクス複合体へと変換する結果、活物質の組成が(粒子の中心から粒子の周縁にかけて)徐々に変化する凝集粒子を得るステップであって、複合凝集粒子それぞれの骨格マトリクス材料が活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助する状態となるステップとを含み得る。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の組成を示す場合の、骨格マトリクスを含む複合粒子の合成の適切なさらに別の方法例は、例えば(i)骨格マトリクス材料粒子を形成させるステップと、(ii)骨格マトリクス材料を湿潤させる1種類(タイプ「A」)の活物質前駆体の溶液を形成させるステップと、(iii)別の種類(タイプ「B」)の活物質前駆体の溶液を形成させるステップと、(iv)溶液Aをマトリクス粒子のコアに浸透させ、この溶液を乾燥させるステップ(毛管凝縮作用により、活物質前駆体Aはほとんどが多孔質マトリクス粒子のコア内に沈殿する)と、(v)(例えば熱処理により)前駆体を活物質Aへと変換するステップと、(vi)ステップ(iv)および(v)を複数回繰り返し、前駆体溶液Aの少なくとも一部を徐々に前駆体溶液Bと入れ替える結果、(粒子の中心から粒子の周縁にかけて)組成が徐々に変化する活物質で満たされた骨格マトリクス粒子を生成させるステップと、(vii)任意選択で活物質の表面を保護層で被覆するステップと、(viii)任意選択で活物質が(電池作動中に)電解質と反応することを防止または最小化するための保護シェルを形成させるステップとを含み得る。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の組成を示す場合の、骨格マトリクスを含む複合粒子の合成の適切な別の方法例は、例えば(i)マトリクス材料の前駆体のうち1つの種類から成る粒子をCVDプロセスにより管状炉内で核形成させるか、または予め形成済みの骨格マトリクス材料粉末を炉内に導入するステップと、(ii)活物質前駆体(以下、一般性を考慮して「タイプA」の活物質前駆体という)を、骨格粒子が形成される反応装置に供給することにより、骨格に活物質A(またはその前駆体A)を浸透させるステップと、(iii)別の活物質前駆体(以下、一般性を考慮して「タイプB」の活物質前駆体という)を後の段階で反応装置に供給し、前駆体A(または活物質A)を予め浸透させた骨格粒子(例えばほとんどが粒子のコアに存在するもの)に後で活物質B(または前駆体B)を浸透させる結果、各複合粒子内に望ましい活物質勾配(A−B)を形成できるようにするステップと、(iv)任意選択でA−B−骨格材料複合粒子の外側層を別の(例えば「タイプC」)前駆体マトリクス材料から成るシェル層で被覆するステップと、(v)必要な場合はマトリクスの前駆体材料を適切な骨格マトリクス材料へと変換する結果、活物質の組成が(粒子の中心から周縁にかけて)徐々に変化する骨格マトリクス粒子を得るステップとを含み得る。
活物質の硬度、弾性係数、または他の機械特性を(半径に沿って)調節可能な複合粒子を形成させる場合、活物質の組成を調節可能な複合粒子を製造する場合と同様の方法を使用することができる。ただしこの場合、選択される活物質の組成変動に応じて関心の的となる機械特性が大幅に変動することが有益となり得る。
様々な方法を活用して、活物質粒子のサイズが粒子半径に沿って変化する複合骨格マトリクス−活物質粒子を生成させることができる。これらの方法は骨格マトリクス材料および活物質双方の望ましい制御度および組成に応じて変動し得る。
一例では、骨格マトリクス粒子を最初に製造した後、表面化学または細孔サイズの特性を徐々に変化させることができる。この場合、(気相堆積または溶液化学浸透のいずれかを通じ、続いて任意選択で熱処理を行うことにより)骨格マトリクス粒子を活物質で満たすと、活物質粒子の望ましいサイズ勾配を誘発することができる。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の粒子サイズを示す場合の、複合粒子を含む骨格マトリクスおよび活物質の合成の別の方法例は、例えば(i)前駆体骨格マトリクス材料で被覆された活物質のサイズ「1」(例えば大きい)のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(ii)前駆体骨格マトリクス材料で被覆された活物質(またはその前駆体)のサイズ「2」(例えばより小さい)のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(iii)前駆体骨格マトリクス材料で被覆された活物質(またはその前駆体)のサイズ「3」(例えばさらに小さい)のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(iv)ナノ粒子懸濁物からサイズ1の活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の漸進的凝集を誘発するステップと、(v)サイズ2の活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、ますます多くのサイズ2の被覆ナノ粒子が凝集粒子の外側層に付着するようにするステップと、(vi)サイズ3の活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、ますます多くのサイズ3の被覆ナノ粒子が凝集粒子の外側層に付着するようにするステップと、(vii)任意選択で凝集粒子の外側層を前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(viii)形成された凝集粒子を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(ix)マトリクスの前駆体材料(および該当する場合は前駆体活物質)を(例えば熱処理により)活物質で満たされた骨格マトリクス複合体へと変換する結果、活物質のサイズが(粒子の中心から周縁にかけて)徐々に変化する凝集粒子を得るステップであり、複合凝集粒子それぞれの骨格マトリクス材料が活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助する状態となるステップとを含み得る。
細孔サイズが徐々に変化する骨格粒子を最初に形成させる場合、活物質を懸濁物の形で粒子に浸透させることができる。(前述の通り)粒子サイズが1、2および3の活物質懸濁物を活用すると、骨格粒子内での望ましい活性粒子サイズ分布を達成する能力をもたらすことができる。
様々な方法を活用して、活物質粒子の重量分率が粒子半径に沿って変化する複合骨格マトリクス−活物質粒子を生成させることができる。これらの方法は骨格マトリクス材料および活物質双方の望ましい制御度および組成に応じて変動し得る。
一例では、骨格マトリクス粒子を最初に製造した後、細孔のサイズまたは容積を徐々に変化させることができる。この場合、(気相堆積または溶液化学浸透のいずれかを通じ、続いて任意選択で熱処理を行うことにより)骨格マトリクス粒子を活物質で満たすと、粒子の半径方向に沿った活物質粒子の望ましい重量分率勾配を誘発することができる。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の重量分率を示す場合の、複合粒子を含む骨格マトリクスおよび活物質の合成の別の方法例は、例えば(i)所与の厚さの前駆体骨格マトリクス材料層で被覆された活物質のサイズ「1」のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(ii)サイズ1と同じ厚さの前駆体骨格マトリクス材料で被覆された活物質(またはその前駆体)のサイズ「2」のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(iii)ナノ粒子懸濁物からサイズ1の活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の漸進的凝集を誘発するステップと、(iv)ナノ粒子懸濁物からサイズ2の活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、ますます多くのサイズ2の被覆ナノ粒子が凝集粒子の外側層に付着するようにする(骨格材料前駆体の厚さはいずれのサイズの粒子についても同じであってもよいことから、サイズ2の活物質ナノ粒子の漸進的添加により、活物質の重量分率が徐々に変化する結果となる)ステップと、(v)任意選択で凝集粒子の外側層を前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(vi)形成された凝集粒子を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(vii)マトリクスの前駆体材料(および該当する場合は前駆体活物質)を(例えば熱処理により)活物質で満たされた骨格マトリクス複合体へと変換する結果、活物質の重量分率が(粒子の中心から粒子の周縁にかけて)徐々に変化する凝集粒子を得るステップであり、複合凝集粒子それぞれの骨格マトリクス材料が活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助する状態となるステップとを含み得る。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の重量分率を示す場合の、複合粒子を含む骨格マトリクスおよび活物質の合成の別の方法例は、例えば(i)厚さ「T1」の前駆体骨格マトリクス材料層で被覆された活物質のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(ii)異なる厚さ「T2」の前駆体骨格マトリクス材料で被覆された活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(iii)第1のナノ粒子懸濁物からサイズ1の活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の漸進的凝集を誘発するステップと、(iv)活物質(またはその前駆体)のナノ粒子の第2の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、ますます多くの異なる厚さの層の被覆ナノ粒子が凝集粒子の外側層に付着するようにする(骨格材料前駆体被覆の厚さは両方の懸濁物について異なり得ることから、第2の種類の活物質ナノ粒子の漸進的添加により、活物質の重量分率が徐々に変化する結果となる)ステップと、(v)任意選択で凝集粒子の外側層を前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(vi)形成された凝集粒子を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(vii)マトリクスの前駆体材料(および該当する場合は前駆体活物質)を(例えば熱処理により)活物質で満たされた適切な骨格マトリクス複合体へと変換する結果、活物質の重量分率が(粒子の中心から粒子の周縁にかけて)徐々に変化する凝集粒子を得るステップであり、複合凝集粒子それぞれの骨格マトリクス材料が活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助する状態となるステップとを含み得る。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の重量分率を示す場合の、骨格マトリクスを含む複合粒子の合成の別の方法例は、例えば(i)予め形成済みの骨格材料「A」の粒子を使用するか、または前駆体マトリクス材料のうち1つの種類から成る骨格粒子(以下、一般性を考慮して「タイプA」の骨格前駆体という)をCVDプロセスにより管状炉内で核形成させるかのいずれかのステップと、(ii)別の種類の前駆体マトリクス材料(以下、一般性を考慮して「タイプB」の骨格前駆体という)を増量して反応装置に沿って添加し、粒子組成の漸進的変化を引き起こすステップと、(iii)活物質前駆体を、骨格粒子が形成される反応装置に供給して、粒子における望ましい活物質重量分率分布を達成するステップと、(iv)任意選択で活物質で満たされた凝集A−B複合粒子の外側層を別の(例えば「タイプC」)前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(v)マトリクスの前駆体材料を適切な骨格マトリクス材料へと変換する結果、活物質の重量分率が(粒子の中心から周縁にかけて)徐々に変化する骨格マトリクス粒子を得るステップとを含み得る。
様々な方法を活用して、活物質粒子の容積分率が粒子半径に沿って変化する複合骨格マトリクス−活物質粒子を生成させることができる。これらの方法は骨格マトリクス材料および活物質双方の望ましい制御度および組成に応じて変動し得る。
一例では、骨格マトリクス粒子を最初に製造した後、細孔サイズを徐々に変化させるかまたは細孔容積を徐々に変化させることができる。この場合、制御下で(気相堆積または溶液化学浸透のいずれかを通じ、続いて任意選択で熱処理を行うことにより)骨格マトリクス粒子を活物質で満たすと、粒子の半径方向に沿った活物質粒子の望ましい容積分率勾配を誘発することができる。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の容積分率を示す場合の、複合粒子を含む骨格マトリクスおよび活物質の合成の別の方法例は、例えば(i)変換後または熱処理後に得られる活物質の重量分率が異なる2つの活性材料前駆体(以下、一般性を考慮して前駆体「A」および「B」という)を特定するステップと、(ii)前駆体骨格マトリクス材料層で被覆されたタイプAの前駆体のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(iii)前駆体骨格マトリクス材料層で被覆されたタイプBの前駆体のナノ粒子の懸濁物を形成させるステップと、(iv)ナノ粒子懸濁物からタイプAの活物質前駆体ナノ粒子の漸進的凝集を誘発するステップと、(v)ナノ粒子懸濁物からタイプBの被覆活物質前駆体ナノ粒子の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、ますます多くのタイプBの被覆ナノ粒子が凝集粒子の外側層に付着するようにするステップと、(vi)任意選択で凝集粒子の外側層を前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(vii)形成された凝集粒子を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(viii)前駆体活物質AおよびBを(例えば熱処理により)活物質で満たされた適切な骨格マトリクス複合体へと変換するステップとを含み得る。異なる前駆体が容積分率の異なる活物質を産出することから、この方法で得られる凝集粒子は活物質の容積分率の(粒子の中心から粒子の周縁にかけての)漸進的変化を示し、複合凝集粒子それぞれの骨格マトリクス材料が活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助する。
活物質が粒子の半径に沿って可変性の容積分率を示す場合の、複合粒子を含む骨格マトリクスおよび活物質の合成の別の方法例は、例えば(i)骨格マトリクス材料と混和性のある細孔形成因子(例えば分解後に細孔を生成するか、または熱処理など特定の刺激を加えられると完全に分解するか、または骨格材料前駆体および活物質に溶解しない溶媒もしくは好ましくない影響を及ぼさない溶媒中で完全に溶解し得る材料)を特定するステップと、(ii)前駆体骨格マトリクス材料層で被覆された活物質ナノ粒子(または活物質前駆体ナノ粒子)の懸濁物を形成させるステップと、(iii)前駆体骨格マトリクス材料と細孔形成材料との混合物から成る層で被覆された活物質ナノ粒子(または活物質前駆体ナノ粒子)の懸濁物を形成させるステップと、(iv)前駆体骨格マトリクス材料と細孔形成材料との混合物から成る層で被覆された活物質ナノ粒子(または活物質前駆体ナノ粒子)の懸濁物から活物質(またはその前駆体)ナノ粒子の漸進的凝集を誘発するステップと、(v)通常のナノ粒子懸濁物から被覆活物質(または前駆体)ナノ粒子の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、凝集粒子の外側層に組み込まれる細孔形成材料がますます少なくなるようにするステップと、(vi)任意選択で凝集粒子の外側層を前駆体マトリクス材料から成る別のもの(シェル層)で被覆するステップと、(vi)形成された凝集粒子を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(vii)前駆体材料を(例えば熱処理により)活物質で満たされた適切な骨格マトリクス複合体へと変換するステップとを含み得る。細孔形成因子は細孔容積を増大させることから、この方法で得られる凝集粒子は活物質の容積分率の(粒子の中心から粒子の周縁にかけての)漸進的変化を示し、複合凝集粒子それぞれの骨格マトリクス材料が活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助する。
同様に、骨格前駆体「A」および「B」を活用し、同時に活物質をCVD前駆体に供給するCVDプロセスもまた、複合粒子を含む骨格マトリクスおよび活物質の別の適切な合成方法であり得、活物質は粒子の半径に沿って可変性の容積分率を示す。
一部の設計では、活物質の複数の特性(例えば前述の特性のうち複数)を、複合粒子の中心から周縁にかけて変化するように構成することができる。一例として、活物質は粒子の中心から周縁にかけて粒子サイズまたは粒子形状の変化を示し得るのに加え、粒子の中心から周縁にかけて組成の変化も示し得る。これは、活物質−骨格マトリクス複合粒子が生成され電池に使用される場合、様々な特性が好ましい形で組み合わされることを可能にする。
一部の設計では、高容量活物質および骨格マトリクスの両方が、複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。この場合、骨格マトリクスの特性(組成、構造、多孔性、細孔形状、細孔サイズ、細孔配向、細孔容積、弾性係数、密度、硬度など)のうち少なくとも1つが複合粒子の中心から複合粒子の周縁にかけて変化し得、また活物質の特性(組成、構造、多孔性、サイズ、弾性係数、密度、硬度など)のうち少なくとも1つが複合粒子の中心から複合粒子の周縁にかけて変化し得る。これは、そのような複合粒子が生成され電池に使用される場合、様々な特性が好ましい形で組み合わされることを可能にする。図9Bおよび9Dは、単一の複合粒子内で骨格マトリクスおよび活物質の特性がそのように同時に変化する2つの例を示す図である。
一部の設計では、骨格マトリクス材料内に閉じ込められた(例えば浸透状態)の高容量活物質を、いわゆる「保護」材料から成る薄い、場合によっては共形の層で被覆することができる。そのような保護層の目的の範囲は、活物質と周囲空気との反応(酸化など)の防止から、活物質と電解質との好ましくない反応の防止にまで及び得る。保護層は、約0.2nmから約10nmの範囲の厚さであれば良好に機能することが認められている。保護層の組成は活物質およびセルの特定の化学に依存する。例えば、Si、Sn、Sb、Al、Fe、および他の金属ベースの活物質において、C原子および場合によってはH原子を含む保護層を使用する(例えばC原子が保護層組成の原子分率の少なくとも20%を占める)場合、良好に機能することが認められている。
前述の通り、関心の的となる一部の活物質の場合(例えばLiイオン電池の場合のシリコン負極または金属ハロゲン化物正極)、これらのイオン(例えばLiイオン電池におけるLiイオン)の保存および放出が原因で活物質の容積が大幅に変化し、これは従来型設計では不可逆的な機械的損傷に繋がり、究極的に個々の電極粒子間、または電極と下層の集電体との間の接触の喪失に至るおそれがある。さらに、そのような容積変動性粒子の周囲、特に負極表面でのSEIの連続的成長に繋がるおそれもある。SEI成長が今度はLiイオンを消費し、セル容量を低減させる。骨格−活物質複合体の形成は、これらの課題を克服するか、またはその影響を大幅に低減する。本明細書に記載の一部の設計では、電極の安定性を「シェル」被覆によってさらに増進させることができ、そのような被覆は活性イオン(例えば、Liイオン電池の場合のLiイオンなど金属イオン電池の場合の金属イオン)に対して透過性であるが、電解質溶媒に対しては不透過性である。そのようなシェルは、活物質と電解質との好ましくない相互作用を防止する。そのようなシェル層は、平均厚さが約1nmから約200nm(好ましくは3nmから60nm)の範囲であれば良好に機能することが認められている。
一部の設計では、このシェル層は複合粒子の近辺または表面に配置され得る。一部の構成では、そのようなシェル層が複合粒子の周縁付近の骨格マトリクス材料部分の範囲内に残っている空(細孔)のスペースを充填し得る。この場合、シェル層による近傍の複合粒子の望ましくない焼結(または接着)を、複合粒子の外側ではなく内部にシェル層を堆積させる際のシェル形成中に回避することができる。
一部の設計では、骨格マトリクス材料がシェル材料を実質的に貫通し得る。例えば、この設計を骨格マトリクスに使用してシェルを強化することができる。別の例として、骨格マトリクスが高い電解質イオン伝導性を示す場合、この骨格マトリクスの貫通により、粒子の速度性能、およびそのような粒子を使用して生成された電極と一緒に組み立てられる該当するセルの速度性能が強化される。別の例として、骨格マトリクスが高い電解質イオン伝導性を示す一方で密閉性シェル層材料がより低い導電性を示す場合、骨格マトリクスによるシェル層のこの貫通により、粒子の容量利用度および速度性能の両方が強化される。一部の構成では(例えば骨格マトリクス材料の表面または全体のイオン伝導性が十分に高い場合)、シェル材料(複合粒子の周縁で骨格マトリクスと相互に貫通し合う)はイオン伝導性を帯びなくてもよい。一部の構成では、シェル材料は固体であってもよい。一部の構成では(例えばシェル材料が示す電解質との混和性が低い場合)、シェル材料は液体であってもよい。
保護シェルは、骨格マトリクスの特定領域において有利に堆積させることができる。一部の設計では、保護「シェル」被覆は、粒子のコア内の細孔と比べ骨格材料の細孔が小さいことによって特徴付けられる複合粒子の表面または表面近辺領域内で多孔質骨格マトリクス(部分的に活物質粒子で事前に満たされたもの)を浸透させることができる。一部の設計では、保護シェル被覆は、骨格材料細孔が粒子表面と優先的に平行な配向であることによって特徴付けられる複合粒子の表面または表面近辺領域内で多孔質骨格マトリクス(部分的に活物質粒子で事前に満たされたもの)を浸透させることができる。一部の設計では、保護シェル被覆は、粒子のコアと比べ欠陥濃度が低いことによって特徴付けられる複合粒子の表面または表面近辺領域内で多孔質骨格マトリクス(部分的に活物質粒子で事前に満たされたもの)を浸透させることができる。
一部の設計では、シェル材料は少なくとも部分的に、蒸着法を介して蒸気相から堆積させることができる。そのような方法の例として化学蒸着(CVD)(化学蒸気浸透を含む)、原子相堆積(ALD)、プラズマ強化ALD、プラズマ強化CVD、蒸気浸透などが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の設計では、シェル材料は少なくとも部分的に、溶液から堆積させることができる。そのような適切な方法の例としてゾル−ゲル、多層堆積、ポリマー吸着、表面開始型重合、ナノ粒子吸着による相形成などが挙げられる。
一部の設計では、シェル材料はポリマーを含み得る。一部の構成では、そのようなポリマーがイオン伝導性ポリマーであることが有利となり得る。骨格マトリクス材料(高容量活物質を浸透させたマトリクス材料を含む)の表面にそのようなポリマー材料を堆積させるため、多様な経路を活用することができる。例えば、標的ポリマーがグラフトされることになる多孔質粒子の表面に重合開始剤を付着させることにより、ポリマーの薄膜(または被覆)を形成させることができる。別の例として、ポリマーを溶液中で最初に製造した後、「表面グラフト」法を使用して粒子の表面に付着させることができる。ポリマー膜の厚さは、ポリマーの分子量の変更によって調節することができる。別の方法例では、CVD堆積経路を使用してポリマーを堆積させることができる。
一部の設計では、シェルは例えばある閾値(例えば約60〜100℃)を超える昇温に対して反応し、そのような温度に達した後、複合粒子と他の粒子および集電体との電気的接続性、または複合粒子と電解質とのイオン接続性のいずれかを効果的に(例えばそのような伝導性を大幅に、例えば約2分の1〜約2,000,000,000,000分の1にまで)防止することができる、「スマート」複合体であってもよい。そのような特性は、低電位負極(例えばSi、C、Li、Sn、Sb、Alなど)を有するLiイオン電池など、熱暴走が発生し得る可燃性有機電解質を使用する電池の場合に特に有用となり得る。この場合、スマートシェルは粒子レベルの安全機構の役割を果たすことができ、セルが過熱状態になると電池セル内の電気化学反応を停止させる。
様々な機構を活用して、高温で導電性を低減するそのようなスマート複合体シェルを形成させることができる。例えば、そのようなシェルは導電性かつ熱応答性のポリマー「A」と電気的絶縁性および熱的安定性のある材料「B」(例えばセラミック粒子またはナノワイヤーまたは別のポリマー)とで構成される、高密度のブラシ型被覆を含んでいてもよく、Aの各ポリマー鎖が片方の端部から粒子表面に繋がれ、通常の状態で材料Bを超えて延伸する。周囲温度条件ではポリマーAを豊富に含む領域が導電性ワイヤーの役割を果たし、粒子相互および集電体を接続する。しかし、温度がある比較的高い値(例えば約80〜120℃)を超えて一旦上昇し、ポリマーAの長さが短くなる(収縮する)と、被覆の外側表面が絶縁性のBとなる結果、個々の粒子の電気接続を止め、電気化学反応を停止させる(または反応速度を激減させる)。
様々な機構を活用して、昇温条件でイオン伝導性を低減するそのようなスマート複合体シェルを形成させることもできる。例えば、そのようなシェルはA−B型ブロックポリマーを含み得、Aはイオン伝導性ポリマーであり、Bは非イオン伝導性ポリマーである。円柱形態(円柱がシェルに対して直角の配置)を得るための最適な比率を求めるため、ブロックAの容積比を約10%〜30%の範囲で調節することができる。そのような構造ではブロックAの円柱をブロックBのマトリクス内に配置することができる。これらの円柱は寸法が数十ナノメートルであり、粒子間のイオン転送用チャネルとして使用され得る。媒体の温度がブロック・コポリマーの秩序/無秩序温度を超えて一旦上昇すると、円柱形伝導性チャネルが分解状態となり、Bブロックと混合される結果、シェルのイオン伝導性を止めるか、または大幅に減少させる。
図15A〜15Dは、ある特定の実施形態例による、骨格マトリクス材料1502と、骨格マトリクス1502の内部に閉じ込められた高容量活物質1501と、複合粒子を包囲し、電解質溶媒または周囲環境との好ましくない相互作用から活物質を保護する保護シェル1503とを含む、複合粒子組成物の例を示す図である。図15A〜15Cは、複合粒子の表面にシェル1503が堆積される複合粒子形成の例を示す図である。図15Dは、骨格マトリクス1502の外側部分の範囲内で複合粒子の表面下にシェル1503が堆積される複合粒子形成の例を示す図である。
一部の設計では、複合電極粒子の外側層が、高い粗度もしくは高い表面積または両方を示し得る。前述の通り、複合粒子(高容量、高容積変動性の材料を骨格マトリクスに浸透させたものを含む)は、高容量材料自体と比べ、セル作動中に容積変動の大幅な低減を示し得る。しかし、それらの複合粒子はインターカレーション型材料と比べ、やや大きい容積変化(また時々、平均粒子サイズの減少)に見舞われることもあり得る。保護シェルは、そのような粒子に加えられると、一体的に結合し、大きな凝集体を形成する傾向となることが多い。これらの望ましくない要因は、それらの望ましくないほど速い劣化、電力低下、および容積エネルギー貯蔵特性の低下に寄与し得る。そのような粒子表面における高い粗度の形成は、粒子の欠点の克服および電池セル内での性能改善に繋がり得る。例えば、高い粗度は、バインダーに対する粒子表面の結合、および場合によっては(表面層を形成する粒子表面で電解質が分解する場合)SEI層に対する粒子表面の結合を増進する。高い粗度は、シェル層堆積中の粒子の一体的接着、粉末凝集体の形成も防止し得る(または少なくともそのような接着を非常に弱くし、粒子に損傷を与えることなく分断しやすくする)。結合の弱い凝集体は、軽微な製粉加工事後処理によって分断することができる。一部の事例では、高い粗度により、電子の間隔が比較的狭い(約5〜10nm未満)場合、1つの粒子から隣の粒子への電子のトンネル移動がより容易になり得る。これは高い粗度が、丘陵の先端付近に電界集中領域を誘発する結果、真空エネルギーレベルを曲げ、トンネル移動の可能性を高め得るからである。粒子表面の0.5nm〜500nmの粗度高低差は、良好に機能することが認められている。上部層の高い表面積も同様に、バインダーまたはSEIとの粒子結合を増進し、場合によっては十分な粗度および電界集中を効果的に誘発して、電子トンネル移動を増進する結果、電極の伝導性(および速度性能)を強化し得る。内部表面積が複合粒子周縁の幾何学表面積の2倍〜200倍であれば、良好に機能することが認められている。平均細孔サイズが2〜50nmの多孔質材料被覆(例えば多孔質炭素被覆)は、良好に機能することが認められている。
一部の設計では、複合電極粒子の外側の粗い層または高表面積層が導電性であってもよい。粗い層の適切な材料の例としては、金属、炭素、伝導性ポリマー、および伝導性セラミック(伝導性の酸化物および窒化物など)が挙げられるが、これらに限定されない。Liイオン電池用の高容量複合負極材料の場合、この層の組成に電気陰性元素が含まれていなければ、最初のサイクル損失を最小化することができる。一部の設計では、複合電極粒子の外側の粗い層または高表面積層が極性表面を有し得る。この場合、そのような表面はSEIおよび典型的なLiイオン電池電極に使用されるバインダーのほとんどと良好に結合する。複合粒子向けの表面被覆を選定する場合、電子作動中に被覆材料が電解質または電解質イオンと(化学的または電気化学的に)好ましくない形で反応しないことを確保することが有益となり得る。例えば、AlはLiと電気化学的に反応することから、Liイオン電池での負極ではなく正極用の被覆材料として良好に機能する。同様に、CuまたはNi(特にCu)も一部のLiイオン電池負極向けに良好に機能し得るが、高電圧(約3〜3.5V超)正極に使用すると腐食(酸化)するおそれがある。
図16A〜16Dは、ある特定の実施形態例による、骨格マトリクス材料1602および骨格マトリクス内に閉じ込められた高容量活物質1601(および任意選択で保護シェル)を含み、粗いまたは高表面積の外側表面を有する、複合粒子組成物の例を示す図である。図16Aは、多孔質(好ましくは導電性)表面層1603を有する複合粒子の例を示す図である。図16Bは、(好ましくは導電性の)ナノ粒子1604で被覆された複合粒子の例を示す図である。図16Cは、好ましくは導電性の材料1605の粗い表面被覆を示す複合粒子の、さらに別の例を示す図である。図16Dは、好ましくは導電性の材料1606のナノフレーク、ナノワイヤーまたはナノチューブで被覆された複合粒子の、さらに別の例を示す図である。
一部の設計では、複合粒子表面の保護シェル層(電解質と活物質との間での望ましくない相互作用を防ぐ)は電気遮蔽性もしくはイオン絶縁性(Liイオン電池の場合のLiイオンなど、活性イオンを伝導しない)、または両方を有し得る。電池作動中は(電気化学反応が進行できるよう)電子およびイオン双方へのアクセスが必要となり得る一方、そのような機能を、コア−シェル粒子の表面またはコアに堆積され、シェル材料層を貫通するナノワイヤー、ナノチューブ、またはナノシートが果たし得る。この場合、これらのワイヤー/チューブ/シート/粒子は(i)コア−シェル複合粒子の内側部分を電解質とイオン接続するか、(ii)複合粒子の内側部分を他の粒子および集電体と電気接続するか、または(iii)両方の機能を果たす(コア−シェル複合粒子の内側部分に至る電気およびイオンの経路を提供する)。シェル材料が電子もしくはイオンまたは両方について伝導性でない場合、これはそのような材料の選定における柔軟性を高める結果、コア−シェル複合体の費用を低減し、その機械特性を改善し得る。加えて、複合体を低電圧負極(例えばSi含有負極)に使用する場合、シェルの導電性を低減すると、形成される総SEIも低減される結果、セルの最初のサイクル損失も低減され得る。
図17A〜17Cは、ある特定の実施形態例による、骨格マトリクス材料1702および骨格マトリクス内に閉じ込められた高容量活物質1701および保護シェル1703を含み、伝導性要素1704(例えばワイヤー、チューブ、シート、または粒子)が、細孔1705を有しないシェル層1703を貫通する場合(図17A〜17B)または細孔1705を有するシェル層1703を貫通する場合(図17C)の複合粒子組成物の例を示す図である。
一部の設計では、保護シェルは、100℃超に加熱されると導電性またはイオン伝導性のいずれかが変化する結果、電池(可燃性Liイオン電池など)向けに粒子レベルの安全機構を提供する応答性複合体であってもよい。
一部の設計では、活物質の少なくとも1つの特性が複合粒子の中心から複合粒子の周縁にかけて変化し得ると同時に、複合粒子が粗い表面または高表面積の表面を示し得る。複合粒子の全体および表面の特性のそのような組合せは、セル内での複合粒子の性能を増進させ得る。一例として、活物質は粒子の中心から周縁にかけて粒子サイズの変化を示し得るのに加え、(図16B、16Cおよび16Dに示す通り)粗い(好ましくは伝導性の)外側表面も示し得る。
一部の設計では、骨格マトリクス材料の少なくとも1つの特性が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得ると同時に、複合粒子が粗い表面または高表面積の表面を示し得る。複合粒子の全体および表面の特性のそのような組合せは、セル内での複合粒子の性能も同様に増進させ得る。一例として、骨格マトリクス材料は粒子の中心から周縁にかけて細孔サイズ、細孔配向、または細孔密度の変化を示し得るのに加え、(図16Bおよび16Dに示す通り)粗い(好ましくは伝導性の)外側表面も示し得る。
一部の設計では、骨格マトリクス材料の少なくとも1つの特性が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得ると同時に、活物質の少なくとも1つの特性が複合粒子の中心から周縁にかけて変化し得る。複合粒子の全体および表面の特性のそのような組合せは、セル内での複合粒子の性能も同様に増進させ得る。
様々な方法を活用して、粒子に粗い表面を形成させることができる。例えば、多孔質骨格の外側部分を、様々な形状の粒子(粗い樹枝状粒子およびほぼ球形の粒子を含む)、繊維、ナノワイヤー、またはナノフレークで電着により被覆することができる。別の例として、多孔質骨格材料の外側部分を、触媒支援型CVD、プラズマ支援型CVDなどを含む化学蒸着(CVD)を含む様々な蒸着技法により、粒子、ナノファイバー、ナノワイヤー、ナノフレーク、または粗い樹枝状粒子で被覆することができる。
様々な方法を活用して、複合粒子の表面に多孔質被覆層を形成させることができる。例えば、多孔質骨格の外側部分を電解質に曝露させてもよい。別の例として、導電性材料の多孔質層を、電着により蒸着させることができる。別の例として、ポリマー(またはポリマー混合物)層の堆積ならびにこれに続く焼鈍(および部分分解)ならびに任意選択での活性化により、多孔質層を生成させることができる。
LiBrおよびLiIは従来、液体電解質を含むLiイオン電池の活性正極材料として使用されていないが、電解質溶媒中でのこれらの塩の高い溶解性と、低い導電性が理由である。しかし、そのような材料は、高い容量およびエネルギー密度を示す。加えて、LiBrは比較的廉価である。本明細書に記載の実施形態は、LiBr(およびLiI)特有の制限を克服し、高容量活性正極材料としてこれらを使用できるようにする目的で使用され得る。前述の通り、一部の設計では、骨格マトリクス−活物質複合体は、LiBrまたはLiIをLiイオン電池正極向けの高容量活物質として含み得る。この場合、骨格マトリクス内の細孔は(好ましくは電解質中でのBr2およびLiBrの溶解を避けるため)閉鎖状態であるか、もしくはセル組み立ての前に外部シェル材料層で密閉されるか、または両方に該当してもよい(両方に該当する場合、骨格マトリクスの閉鎖細孔内に閉じ込められたLiBrの周囲に外部シェルを堅牢性の強化、伝導性の強化またはスラリー中での分散もしくは他の機能の強化ために追加してもよい)。さらに、LiBr(またはLiI)を含む骨格材料複合体は空の状態の細孔を示さないことが好適となり得る。
骨格マトリクス内にLiBr(またはLiI)を含む複合材料の場合、Liの抽出後に生成される液体Br2(またはI2)との望ましくない反応が骨格材料に一切関係しないことが有益となり得る。したがって、ほとんどの金属が骨格材料としては良好に機能しないと考えられる。代わりに、金属酸化物、伝導性炭素、および選択される伝導性ポリマーが良好に機能し得る。しかし、IおよびBrはほとんどの伝導性ポリマーに浸透するのに加え、場合によってはその伝導性が低減してしまい、これは望ましくない。伝導性炭素は、骨格材料としてもシェル材料としても良好に機能する。一部の用途では、複合粒子が金属酸化物を含む付加的シェルを有することが有利となり得る。そのような付加的シェル層は、従来のインターカレーション型正極材料も含み、好ましくはLiBr(またはLiI)の場合と同等の電圧範囲でのLi挿入および抽出を示し得る。リン酸鉄リチウムは、適切なインターカレーション型正極材料の一例である。この場合、IまたはBrが炭素層経由で電解質中に拡散する(および最終的に負極で不可逆的に還元される)確率を最小化することができる。
強化された特性を有する複合粒子を含む電池電極組成物を製造するための様々な方法も提供される。
一部の設計では、適切な方法は例えば(i)粒子の中心から粒子の周縁にかけて(物理的、ミクロ構造的、機械的または化学的)特性が変化する、多孔質、導電性の骨格マトリクス粒子(例えば多孔質炭素粒子)を形成させるステップと、(ii)骨格マトリクス粒子を部分的に、電池作動中にイオンを貯蔵および放出する活物質で満たすことにより、イオンの貯蔵および放出が活物質における実質的な容積変化を引き起こさせるステップであって、骨格マトリクスが活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助するステップと、(iii)複合粒子を(例えば化学蒸着法を使用することにより)保護層材料で被覆するステップと、(iv)生成された複合粒子をバインダー溶液および導電性添加剤と混合し、伝導性金属集電体上で成型するステップとを含み得る。
別の適切な方法はまた、例えば(i)マトリクス材料前駆体で被覆された(例えば炭素マトリクス材料の前駆体としてのポリマー層で被覆された)活物質の均一ナノ粒子の懸濁物を複数形成させるステップと、(ii)ナノ粒子懸濁物から活物質の最大の被覆ナノ粒子の漸進的凝集を誘発するステップと、(iii)ますます小さくなる被覆ナノ粒子の懸濁物を長時間にわたり添加することにより、そのようなますます小さくなる粒子が凝集粒子の外側層に付着するようにするステップと、(iv)任意選択で凝集粒子の外側層をナノ粒子または前駆体マトリクス材料層で被覆するステップと、(v)形成された凝集粒子(ナノ粒子の基本的要素のサイズが中心から外側周縁にかけて変化する)を懸濁物中で安定化させ、溶媒から分離するステップと、(vi)マトリクスの前駆体材料を(例えば熱処理により)導電性骨格マトリクス材料へと変換する結果、(粒子の中心から周縁にかけて)特性が徐々に変化する凝集粒子を得るステップであり、複合凝集粒子それぞれの骨格マトリクス材料が活物質を構造的に支持し、活物質を電気的に相互接続し、活物質の容積が変化しても凝集粒子の容積変化の最小化を補助するステップと、(vii)任意選択で粒子の表面上(または上部層内)に蒸着技法(例えば化学蒸着)によって付加的な保護層を堆積させるステップと、(viii)生成された複合粒子をバインダー溶液および導電性添加剤と混合し、伝導性金属集電体上で成型するステップとを含み得る。
骨格マトリクス材料の有用な機能の一例として、複合粒子の寸法を定義することが挙げられる。骨格マトリクス粒子のサイズ分布を制御する結果、複合粒子のサイズ分布を制御することができる。そのような複合粒子を含む電極の容積容量を増やすには、電極中の複合粒子の充填密度を増やすよう、異なるサイズの粒子を活用することが有利となり得る。例えば、より小さい複合粒子を、より大きい粒子の格子間位置にある電極に配置してもよい。より小さい粒子は、拡散距離がより短い状況での電流パルス需要に対する電極の応答を加速させることもできる。電極により小さい粒子を添加すると、電極の機械的強度および弾性も増進し得る。より小さい骨格マトリクス粒子およびより大きい骨格マトリクス粒子に使用する材料が示す特性が異なる(例えば小さい粒子のほうが剛性または伝導性が高い)ことも有利となり得る。より小さい骨格マトリクス粒子およびより大きい骨格マトリクス粒子に使用する材料が示す特性または組成が異なる(例えばより小さい粒子とより大きい粒子において活物質が異なるか、または分率が異なる)ことも、セル(または電極)レベルで最も好ましい性能が達成されるために有利となり得る。一方法例では、より好ましい特性を有する電極を、(i)平均サイズ「1」(一般性を考慮)の骨格マトリクス材料粉末を生成させ、(ii)平均サイズ「2」の骨格マトリクス材料粉末を生成させ、(iii)平均サイズ1の骨格マトリクス材料粉末から複合粒子Aを生成させ、(iv)平均サイズ2の骨格マトリクス材料粉末から複合粒子Bを生成させ、(v)複合粒子/粉末AおよびBの混合物から電極を生成させることにより、生成させることができる。
一部の構成では、電極のうち少なくとも1つに、その電極に適合する(室温で)固体の電解質を浸透させることにより、液体電解質と電極活物質との間での望ましくない副次的反応(副次的反応のいくつかの例を挙げると、サイクル中の活物質溶解または不可逆的な溶媒もしくは塩の分解など)を防ぐことができる。
図18および19は、2つの異なる電解質がそれぞれ負極および正極に使用され、少なくとも1つの電解質が固体であり、電極の各粒子間の細孔に浸透する、電池(例えばLiイオン電池)の基本的要素の例を示す図である。図18の基本的要素の例1800には、(i)正極粒子1802で構成される電極で被覆し、適切な固体電解質1803を浸透させた正極集電体1801、および(ii)負極粒子1805で構成される電極で被覆し、適切な固体または液体の電解質1804を浸透させた負極集電体1806が含まれる。別の例では、正極粒子1802で構成される電極で被覆した正極集電体1801に適切な液体電解質を浸透させることができる一方、負極粒子1805で構成される電極で被覆した負極集電体1806に適切な固体電解質1804を浸透させることができる。図19の基本的要素の例1900には、(i)正極粒子1902で構成される電極で被覆し、適切な固体電解質1903を浸透させた正極集電体1901、および(ii)金属負極層1905で被覆し、適切な固体電解質1904を浸透させた負極集電体1906が含まれる。別の例では、正極粒子1902で構成される電極で被覆した正極集電体1901に適切な液体電解質を浸透させることができる一方、金属負極層1905で被覆した負極集電体1906を、適切な液体電解質1904を浸透させた分離膜で被覆することができる。
活物質と固体電解質との間での良好な適合性は、活物質の損傷防止、ならびに幅広いセル作動温度範囲にわたる電極レベルまたはセルレベルでの好ましい性能の達成、および広範囲に及ぶ電極操作の潜在性の達成に役立ち得る。適切な一例では、ハロゲン化物ベースの変換正極(例えばフッ化物ベースの正極)に、ハロゲン化物ベース(またはオキシハロゲン化物ベース)の固体電解質を溶解浸透(または蒸気浸透)させることができる。ハロゲン化物電解質の組成は、融点範囲が約100℃から約600℃の範囲となるよう(例えばハロゲン化物電解質の共晶組成の選択により)選択され得る。固体電解質も、約0℃から約100℃の温度範囲で十分に高いLiイオン伝導性(例えば0.005mS/cm超)を示すよう好ましくは選択され得る。別の適切な例では、ハロゲン化物ベースの変換正極(例えばフッ化物ベースの正極)に、硝酸塩ベースの固体電解質を溶解浸透(または蒸気浸透)させることができる。硝酸塩電解質の組成は、融点が約100℃から約500℃の範囲となるよう選択され得る。同様に、固体電解質も、好ましくは、約0℃から約100℃の温度範囲で十分に高いLiイオン伝導性(例えば0.005mS/cm超)を示すよう選択され得る。さらに別の例では、硫化物ベースの変換正極に、硫化物ベースの固体電極を浸透させることができる。そのような浸透は、一連の蒸気および液体の浸透ステップを介して行うことができ、続いて電解質の組成に応じて約80℃から約600℃の温度範囲で電極の焼鈍を行うことができる。さらに別の例では、約140から約340mAh/gの範囲の比容量を示す、高電圧インターカレーション型正極(例えば平均作動電位がLi/Li+に対して約3.9から約5.5Vの範囲である正極)に、融点が約100℃から約600℃の範囲であるハロゲン化物ベース(またはオキシハロゲン化物ベース)の固体電解質を溶解浸透させることができる。固体電解質は、好ましくは、約0℃から約100℃の温度範囲で十分に高いLiイオン伝導性(例えば0.005mS/cm超)を示すよう選択され得る。
前述の電解質の一部は既に調査済みと考えられる(例えばLi、Liイオン、Fイオン、Clイオンおよび他の種類の電池の場合)一方、これらを前述の高エネルギー正極材料と組み合わせ、溶解浸透ステップまたは蒸気浸透ステップを実施すれば、セルの安定性およびエネルギー密度の大幅な改善に繋がる。さらに、本開示はそのような電解質および低電位(例えばLi/Li+に対して0〜1.5V)負極を含む多数のセルに特有の制限を、セルの負極側に適切な液体または適切な固体の電解質を活用することによって克服する手段を提供するものである。
負極に(固体電解質を浸透させた正極と組み合わせて)使用するための適切な液体電解質の選定は、関連する負極および固体電解質の化学に依存する。以下に挙げるのは、多数のLiイオン電池、Naイオン電池、充電式Li電池および充電式Na電池について(固体電解質を浸透させた正極と組み合わせて)良好に機能する適切な液体電解質の要素となり得る区分の溶媒の具体例である:(i)エステル、(ii)スルホン、(iii)スルホキシド、(iv)ニトリル、(v)リンベースの溶媒、(vi)シリコンベースの溶媒、(vii)エーテルベースの溶媒、および(viii)炭酸塩ベースの溶媒。エステル、エーテルベースの溶媒、および炭酸塩ベースの溶媒は、低電位(Li/Li+に対して0〜1.5V)負極に使用する電解質の場合、特に魅力的と考えられる。そのような負極の具体例としていくつか挙げると、Si、Al、Snおよび他の合金化型負極材料、C(例えば黒鉛)およびLi(例えばLiまたはLi合金として)を含む負極が挙げられる。エーテルまたはエーテルベースの化合物を含む溶媒は、Liを含む負極を有する電池セルの場合、特に魅力的と考えられる。Liイオン電池、Naイオン電池、充電式Li電池および充電式Na電池について(固体電解質を浸透させた正極と組み合わせて)適切な液体電解質の要素となり得る塩の具体例として以下のいくつかの適切なLi塩(および類似のNa塩)が挙げられる:LiPF6、LiBF4、LiClO4、リチウムイミド(例えばCF3SO2N−(Li+)SO2CF3、CF3CF2SO2N−(Li+)SO2CF3、CF3CF2SO2N−(Li+)SO2CF2CF3、CF3SO2N−(Li+)SO2CF2OCF3、CF3OCF2SO2N−(Li+)SO2CF2OCF3、C6F5SO2N−(Li+)SO2CF3、C6F5SO2N−(Li+)SO2C6F5またはCF3SO2N−(Li+)SO2PhCF3など)、リチウムハロゲン化物(例えばLiF、LiI、LiCl、LiBr)、他のリン酸リチウム(例えばリチウムトリス[1,2−ベンゼンジオラート(2−)−O,O’]ホスフェート、リチウムトリス[3−フルオロ−1,2,2−ベンゼンジオラート(2−)−O,O’]ホスフェート、リチウムトリス(オキサレート)ホスフェート、リチウムテトラフルオロオキサラートホスフェートなど)、他のホウ酸リチウム(例えばリチウムパーフルオロエチルトリフルオロボレート、リチウム(マロネートオキサラート)ボレート、リチウムビス(ポリフルオロジオラート)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボレート、リチウムテトラシアノボレート、ジリチウムドデカフルオロドデカボレートなど)、アルミン酸リチウム(例えばリチウムテトラ(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−イソ−プロピル)アルミネート、リチウムテトラ(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ブチル)アルミネート、リチウムテトラ(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルフェニル)アルミネート、リチウムテトラ(パーフルオロブチル)アルミネートなど)、およびこれらの組合せ。LiPF6、LiBF4、LiClO4、リチウムイミドまたはリチウムハロゲン化物を含む塩は、Li(Naを含む負極の場合は類似のNa塩)を含む負極を有する電池セルの場合、特に魅力的と考えられる。従来のLiイオン電池または充電式Li電池では、Liベースの塩のみ(大抵はLiPF6)を活用する。しかし、Liと非Li塩との混合物(例えば(i)La、Y、Sc、Ceなど希土類元素の塩、(ii)Mg、Ca、Sr、Cs、Baなど適切なアルカリ金属の一部の塩、および(iii)Zr、Hf、Ta、Cuなど適切な遷移金属の一部の塩)は、本開示の一部の態様について有利となり得る。これはNaイオン電池または充電式Na電池にも当てはまると考えられる。従来のLiイオン電池、Naイオン電池または充電式Li電池もしくは充電式Na電池では、液体電解質塩濃度は典型的に約0.8Mから約1.2Mの範囲である。しかし、より高い塩濃度(例えば約1.5Mから約6Mの範囲)は、本開示の一部の態様について有利となり得る。
一部の構成では、低電位(Li/Li+に対して0〜1.5V)負極(例えばSi、Al、Sn、または他の合金化型負極材料、C(例えば黒鉛)またはLi(例えばLiまたはLi合金)など)向けに、液体電解質の代わりにポリマー電解質を使用してもよい。一部の構成では、ポリマー電解質の浸透が液相中で進行し得る。
正極に(固体電解質を浸透させた負極または固体電解質で被覆した負極と組み合わせて)使用するための適切な液体電解質の選定は、関連する負極、正極および固体電解質の化学に依存する。以下に挙げるのは、多数のLiイオン電池、Naイオン電池、充電式Li電池および充電式Na電池について(固体電解質を浸透させた負極、または固体電解質で被覆した負極と組み合わせて)良好に機能する適切な液体電解質の要素となり得る区分の溶媒の具体例である:(i)エステル、(ii)スルホン、(iii)スルホキシド、(iv)ニトリル、(v)リンベースの溶媒、(vi)シリコンベースの溶媒、(vii)エーテルベースの溶媒、(viii)炭酸塩ベースの溶媒、(ix)これらの溶媒のフッ素化類縁体、およびこれらの組合せ。エステル、エーテルベースの溶媒、および炭酸塩ベースの溶媒は、中電位(Li/Li+に対して1.5〜4.0V)正極(例えばフッ化物ベースまたは硫化物ベースの正極)に使用する電解質の場合、良好に機能すると考えられる。ニトリルおよび一部のフッ素化溶媒は、高電位(Li/Li+に対して4.0〜5.5V)正極(例えばポリアニオンベースの正極)に使用する電解質の場合、特に良好に機能すると考えられる。Liイオン電池、Naイオン電池、充電式Li電池および充電式Na電池について(固体電解質を浸透させた負極、または固体電解質で被覆された負極と組み合わせて)適切な液体電解質の要素となり得る塩の具体例として以下のいくつかの適切なLi塩(および類似のNa塩)が挙げられる:LiPF6、LiBF4、LiClO4、リチウムイミド(例えばCF3SO2N−(Li+)SO2CF3、CF3CF2SO2N−(Li+)SO2CF3、CF3CF2SO2N−(Li+)SO2CF2CF3、CF3SO2N−(Li+)SO2CF2OCF3、CF3OCF2SO2N−(Li+)SO2CF2OCF3、C6F5SO2N−(Li+)SO2CF3、C6F5SO2N−(Li+)SO2C6F5またはCF3SO2N−(Li+)SO2PhCF3など)、リチウムハロゲン化物(例えばLiF、LiI、LiCl、LiBr)、他のリン酸リチウム(例えばリチウムトリス[1,2−ベンゼンジオラート(2−)−O,O’]ホスフェート、リチウムトリス[3−フルオロ−1,2,2−ベンゼンジオラート(2−)−O,O’]ホスフェート、リチウムトリス(オキサレート)ホスフェート、リチウムテトラフルオロオキサラートホスフェートなど)、他のホウ酸リチウム(例えばリチウムパーフルオロエチルトリフルオロボレート、リチウム(マロネートオキサラート)ボレート、リチウムビス(ポリフルオロジオラート)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボレート、リチウムテトラシアノボレート、ジリチウムドデカフルオロドデカボレートなど)、アルミン酸リチウム(例えばリチウムテトラ(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−イソ−プロピル)アルミネート、リチウムテトラ(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ブチル)アルミネート、リチウムテトラ(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルフェニル)アルミネート、リチウムテトラ(パーフルオロブチル)アルミネートなど)およびこれらの組合せ。LiPF6、LiBF4またはリチウムイミドを含む塩は、高電圧(Li/Li+に対して4〜5.5V)正極(およびNaイオン電池および充電式Na電池の場合は類似のNa塩)を含む負極を有する電池セルの場合、特に魅力的と考えられる。従来のLiイオン電池または充電式Li電池では、Liベースの塩のみ(大抵はLiPF6)を活用する。しかし、Liと非Li塩との混合物(例えば(i)La、Y、Sc、Ceなど希土類元素の塩、(ii)Mg、Ca、Sr、Cs、Baなど適切なアルカリ金属の一部の塩、および(iii)Zr、Hf、Ta、Cuなど適切な遷移金属の一部の塩)は、本開示の一部の態様について有利となり得る。これはNaイオン電池または充電式Na電池にも当てはまると考えられる。従来のLiイオン電池、Naイオン電池または充電式Li電池もしくは充電式Na電池では、液体電解質塩濃度は典型的に約0.8Mから約1.2Mの範囲である。しかし、より高い塩濃度(例えば約1.5Mから約6Mの範囲)は、本開示の一部の態様について有利となり得る。
一部の構成では、セルを組み立てる前に電極のうち1つに固体電解質を浸透(充填)させることができる一方、別の電極には第2の種類の電解質(固体でも液体でもよい)をセルスタックの組み立て後、ただし最終密閉処理の前に浸透させる。
1つの検討事項は、2種類の電解質間で好ましくない相互作用が生じないことである。負極および正極に異なる電解質を組み合わせて使用することの論拠は、これらの電解質の適合性に関連すると考えられる。例えば、ハロゲン化物またはオキシハロゲン化物(および場合によっては硝酸塩、亜硝酸塩、および窒化物)の電解質の使用は、変換型正極(例えば金属フッ化物ベースの正極)および場合によっては(例えば多数のハロゲン化物またはオキシハロゲン化物の電極の場合)高電圧ポリアニオン・インターカレーション型正極(特に平均Li抽出電位がLi/Li+に対して約3.9から約5.5Vのもの)の場合に有利となり得るが、該当する電圧範囲(例えばLi/Li+に対して約2から約5.5V)におけるほとんどのハロゲン化物電解質の安定性が理由である。硝酸塩ベースの電解質は一般的にLi/Li+に対して約4〜4.5Vの範囲の電圧に対して安定性がある。
多数のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、窒化物および他の電解質を溶解浸透させ、その結果、高い容積容量を電極に与えることができる。しかし、一部のハロゲン化物ベースの電解質および一部のポリマー電解質は、一部の負極の低電位(例えばLi/Li+に対して約0から約1.5V)の場合に安定性を欠き、これが原因でセル内でのそのような負極との直接の電気的接触が妨げられるおそれがある。対照的に、多数の既知の液体電解質および一部の固体(例えばポリマーベース、硝酸塩、亜硝酸塩および窒化物)の電解質は低電位負極材料(例えばサイクル中にLi/Li+に対して約0から約2Vの電圧範囲で作動するもの)との適合性を、少なくともこれらの負極表面にいわゆる固体電解質界面(SEI)層を形成させた後、有し得る。しかし、これらの電解質は高電位(例えばLi/Li+に対して約4V超)で酸化する結果、気体をセルに導入するか、または正極活物質との望ましくない相互作用(例えばそのような活物質の少なくとも一部の溶解、または望ましくない相間種の形成)を誘発するおそれがある。
別の例では、所与の固体電解質を電極の多孔質構造中へ、その容積容量を減らすことなく浸透させることが困難となり得る。一部の構成では、そのような電解質を平坦な金属負極(例えばLiセルの場合のLi金属またはLi含有負極)と併用し、また(例えばそのような電解質を液体状態に浸透させることができる場合)正極の容積容量を減らすことなく正極中へ首尾よく効率的に浸透させることができる別の電解質を使用(そのような負極との併用は有用でない)することが好ましい場合がある。他の例では、2種類の固体電解質を負極および正極それぞれに効果的に溶解浸透させることができる(例えばハロゲン化物電解質を高電圧または変換型の正極に浸透させる場合や、Li3Nを合金化型負極に浸透させる場合)。そのような構成はすべて、充電式金属セルおよび金属イオンセル(Liイオンセルおよび充電式Liセル)向けに特に有用となり得る。
図20は、本明細書に記載の成分、材料、方法および他の技法、またはこれらの組合せが様々な実施形態に応じて応用され得る金属イオン(例えばLiイオン)電池の例を示す図である。この図には例示目的で円柱形電池が示されているが、角柱型または袋型(積層型)電池を含め、他の種類の配列も、所望により使用することができる。例示の電池2000は、負の負極2002、正の正極2003、負極2002と正極2003との間に挿入されたセパレーター2004、セパレーター2004に浸透する電解質(図示せず)、電池ケース2005、および電池ケース2005を密閉する密閉部材2006を含む。
一部の設計では、電池電極組成物が提供され、電極の特性(例えば組成、機械特性、微細構造、密度、多孔性、平均細孔サイズなど)が電極表面から集電体(金属箔など)との界面にかけて変化する。一部の構成では、電極レベルでの勾配の生成を、粒子レベルでの特性勾配と有利に組み合わせることができる。
一部の設計では、本明細書に記載の電極特性の変化を粒子ベースの電極中で達成することができ、例えば異なる粒子(例えば異なるサイズ、異なる特性、異なる密度の粒子など)、異なる量(または相対分率または組成)のバインダー、または異なる量(または相対分率または組成)の伝導性添加剤を、電極の厚さ全体にわたり使用することができる。そのようなアプローチは電極製造を少し複雑化し得るが、多様な便益をもたらす。例えば、電極表面付近で多孔率がより高い(各粒子間の開放空間がより大きい)と、内側の(より深い)電極領域への電解質のアクセスが改善される結果、電極の速度性能が向上し得る。密度が同じだが均質な電極と比べ、勾配特性を合理的に最適化された電極はより高い速度を示し得るだけでなく、サイクル寿命も長く、これはサイクル中に電極粒子に掛かる応力(充電−放電)がより均等であるからである(例えばLiイオン電池の場合、より均等にリチオ化および脱リチオ化される)。高容量材料の過充電または過放電は、劣化の加速を誘発することが既知である。したがって、電極粒子の一部(例えば電極の上部/表面層の近辺)が劣化すると、セル全体が急速に衰弱し得る。個々の高容量粒子内での容積変化が約8%を超えると、集電体(例えば低電位Liイオン電池負極の場合のCu、またはLiイオン電池の正極の場合のAl)との界面に著しい応力を誘発する結果、集電体の塑性変形または断裂、あるいは電極/集電体界面の破壊が生じ得る。したがって、そのような界面付近で示す容積変化がより少ない電極を提供すれば、セルの安定性を大幅に改善することができる。
電極の厚さの範囲内で様々なプロファイルを、複数の(より薄い)層中での電極成型(各層を、制御された組成の別々のスラリーから成型することができる)または複数の層(各層は別々のスラリー・コンテナから押出成型される)を組み込むことができる特別設計の押出成型装置を使用した成型を含む、様々なアプローチによって生成させることができる。第1のアプローチ(望ましい厚さの単一の電極を成型し、続いて電極組成物から成る複数の、より薄い層を塗布し乾燥させる)は、スラリー溶媒乾燥時間の短縮と、そのような乾燥プロセスの途中で発生する電極内での応力の最小化という付加的な利点がある。乾燥時間の短縮は、電極製造費用の大幅な低減に繋がり得る。結果として、より厚い電極(厚さ全体にわたり組成が変化する)は、より優れた特性を示すと同時に、より低コストで生成させることができる。
一部の設計では、前述の電極の厚さ全体にわたる電極特性(密度、多孔性、組成など)の変化を、ポリマー結合された個々の粒子に基づくのではなく、一体型である電極中で達成することができる。この場合、電極を単一の大型シート状複合粒子と捉えることができる。
上記の説明は、当業者であれば誰でも本発明の実施形態を実施または使用することができるよう記載されている。しかしながら、これらの実施形態の様々な修正が当業者にとって容易に明らかであり、本発明は本明細書で開示される特定の定式化、プロセスステップおよび材料に限定されないことが、理解される。すなわち、本明細書で定義される一般原則を、本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態にも適用することができる。