JP2017530047A - 移動機構、外部ミラー装置および車両 - Google Patents
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Abstract
本発明は、相互に挿入されてボールヒンジ構造を形成するベース要素と支持要素とを備えた移動機構に関し、この支持要素はベース要素に対して少なくとも第1の仮想軸の周りを回転することができる。第1の仮想軸は、ボールヒンジ構造の仮想中心を実質的に通過する。支持要素には、該支持要素をベース要素に対して移動させる駆動手段が設けられており、この駆動手段は、第1の電気モータと、出力歯車を備えた第1の駆動列と、を含む。駆動手段は、支持要素がベース要素に対して動かされたときに、支持要素と共に移動するように、支持要素内に収容される。第1の駆動列の出力歯車は、支持要素内に配置された非直線の、曲線状の第1の駆動ロッドと係合し、この第1の駆動ロッドには、支持要素がベース要素に対して動かされるときに、第1の駆動ロッドが支持要素と共に移動しないように、ベース要素に接続されたアンカー部が設けられている。
Description
本発明は、移動機構、特に車両のリヤビュー装置用の移動機構に関する。移動機構は、ミラー調整機構および/または車両用外部ミラー用の移動機構とすることができる。その代りにまたは追加的に、移動機構は、少なくとも部分的なリヤビューを車両の運転者に提供する電子的リヤビュー装置(好ましくは、カメラおよび/またはディスプレイ)であり得る。移動機構は、好ましくは実質的に車体の外部に配置された、ミラープレート、カメラおよび/またはディスプレイ等の、車両に取り付けられた少なくともリヤビュー装置を調整する調整機構であり得る。このような移動機構は、相互に挿入されてボールヒンジ構造を形成するベース要素と支持要素とを備え、支持要素は少なくとも第1の仮想軸の周りでベース要素に対して回転可能であり、該第1の仮想軸は、ボールヒンジ構造の仮想中心を実質的に貫通し、支持要素は、支持要素を前記ベース要素に対して移動させる駆動手段を備え、該駆動手段は、支持要素に収容され、支持要素がベース要素に対して動かされるときに支持要素と共に移動する。
このような移動機構は、例えば、支持要素が、例えば、外部ミラー装置のケーシング内に固定的に設置されたベース要素に対して、1つまたは2つの(仮想)軸の周りを移動するように使用することができる。例えば、ミラープレートは、支持要素上に設けられるが、ベース要素が設けられるミラー装置ケーシングは、例えば車両に固定される。駆動手段が支持要素に設けられるので、移動機構のかなりコンパクトなビルドアップ(buildup)が得られ、これは、そのような移動機構および外部ミラー装置の寸法の観点で課される絶え間なく増大する要件を考えると、非常に重要である。
上記のような移動機構は、国際公開第00/69685号に、2軸周りの移動として知られ、前記公報に記載されたボールヒンジ構造では、中間シェルがベース要素と支持要素との間に存在する。この移動機構は、かなりコンパクトなビルドアップを得ているが、かなり複雑な設計を有し、製造および/または組み立てが比較的困難であり、比較的高価であり、比較的故障し易い。さらに、実際には、移動機構は、適切に振動がないものではなく、比較的遊びが大きいことが判明している。
本発明の目的は、別の移動機構および/または別の外部ミラー装置の提供することにある。特に、本発明は、既知の移動機構および/または外部ミラー装置の1つまたは複数の欠点を低減または排除することができる移動機構および/または外部ミラー装置を提供する。いくつかの態様において、本発明は、よりコンパクトな移動機構を提供する。さらに、本発明は、一方では、比較的単純な設計を有し、使用の際に比較的振動がなく、および/または比較的遊びの小さい移動機構を提供することを代替的または追加的に意図しているが、他方では、移動機構のコンパクトなビルドアップが維持され、特定の実施形態ではそれをさらに改善することができる。
第1の態様では、本発明は、第1の電気モータと、出力歯車を有する第1の駆動列と、を備える駆動手段を設けた移動機構を提供する。出力歯車は、支持要素に配置された非直線第1の駆動ロッドに係合し、該第1の駆動ロッドには、支持要素がベース要素に対して動かされるときに、第1の駆動ロッドが支持要素と共に移動しないように、ベース要素に(例えば、ベース要素にはめ込まれる等して)接続された第1のアンカー部が設けられている。
非直線第1の駆動ロッドが、直線から外れた形状を有し、特に曲がったまたは湾曲した形状を有することは、当業者に明らかであろう。例えば、第1の駆動ロッドは、円弧の一部に沿って、例えば、ベース要素または支持要素によって形成される球状部分の実質的に凸面または凹面の上にまたはそれに沿って、延在し得る。追加的またはその代わりに、第1の駆動ロッドは、リングセグメントとして形成してもよい。
第1の駆動ロッドは、第1の駆動列の出力歯車の歯に係合する歯を備えていてもよい。第1の駆動ロッドは、曲がったまたは湾曲したラックとすることができる。
支持要素に設けられた第1の駆動列の出力歯車は、第1の駆動ロッドをベース要素にアンカー部を介して接続することにより、駆動ロッドを介してベース要素から動き出す支持要素を第1の軸の周りでベース要素に対して旋回させる。このようにして、本発明は、比較的簡単なビルドアップと比較的コンパクトな移動機構を提供することができる。さらに、この移動機構のビルドアップにより、中間シェルを省略することができる。その結果、移動機構の遊びが少なくなり、比較的振動のない使用が可能となる。
好ましい実施形態では、本発明の一態様によれば、支持要素は、第2の仮想軸の周りでベース要素に対して回転可能である。第2の仮想軸は、ボールヒンジ構造の仮想中心を実質的に通過する。支持要素内に収容された駆動手段は、第2の出力歯車を有する第2の駆動列を備え、第2の出力歯車は、支持要素内に配置された第2の非直線駆動ロッドと係合し、第2の駆動ロッドは、支持要素がベース要素に対して動かされるとき、第2の駆動ロッドが支持要素と共に移動しないように、例えば、ベース部にはめ込まれる等して、ベース部分に接続された第2のアンカー部を備えている。
このような移動機構によって、例えばミラー面、ディスプレイおよび/またはカメラなど、支持要素によって支持される任意の物体または要素が、少なくとも2つの移動度を有することができ、それにより、前記物体または要素の位置決めまたは微調整に関する車両の運転者の要求および/または希望に応じた比較的良い調整が可能となる。
非直線第2の駆動ロッドが、直線から外れた形状を有し、特に曲がったまたは湾曲した形状を有し得ることは、当業者に明らかであろう。例えば、第2の駆動ロッドは、円弧の一部に沿って、例えば、ベース要素または支持要素によって形成される球状部分の実質的に凸面または凹面の上に、またはそれに沿って延在し得る。追加的またはその代わりに、第2の駆動ロッドを、リングセグメントとして形成してもよい。
第2の駆動ロッドは、第2の駆動列の出力歯車の歯に係合する歯を備えていてもよい。第2の駆動列は、曲がったまたは湾曲したラックであり得る。
本発明の一態様に係るさらなる好ましい実施形態では、第1のアンカー部は、ベース要素の凹部に第2の仮想軸に対してある程度回転可能に設けられている。第2の仮想軸は、ボールヒンジ構造の上記仮想中心を実質的に通過し、第2の仮想軸は、両方の仮想軸が実質的に位置する平面において第1の仮想軸と約90°の角度をなす。したがって、この平面はボールヒンジ構造の仮想中心を実質的に通過する。好ましくは、第2のアンカー部は、ベース要素の第2の凹部に第1の仮想軸に対してある程度回転可能に設けられている。
第1および/または第2の駆動ロッドは、リングセグメントの形状を有し得る。
リングセグメント形状の第1の駆動ロッドは、第1の仮想軸と実質的に一致する仮想中心軸を有し、および/またはリングセグメント形状の第2の駆動ロッドは、第2の仮想軸と実質的に一致する仮想中心軸を有する。
例えば、第1の駆動列の第1の電気モータと第2の駆動列の第2の電気モータとを比較的簡単に平行に配置することができるので、スペースの理由から、第1および/または第2の駆動ロッドは、第3の仮想軸に対して回転可能なリングセグメントの形状を有し得る。ここで、第3の仮想軸は、前記ボールヒンジ構造の仮想中心を実質的に通過し、第3の仮想軸および前記第1の仮想軸および/または前記第2の仮想軸が実質的に位置する平面内で、第1の仮想軸と約45°の角度および/または第2の仮想軸と約45°の角度をなす。
しかしながら、スペースの点では有利なこの実施形態は、第3の仮想軸が実質的に第1の仮想軸に対して45°の角度で延在するため、問題を有している。支持要素がこの第1の仮想軸の周りを回転すると、第1のアンカー部は、意図せずに機構をロックし、機構に十分な遊びがない場合、この回転を防止し得る。この問題を解決すべく、さまざまなオプションを見出した。
したがって、第1に、第1の凹部は、例えば、スロット孔の形状を有することができ、第1のアンカー部は、スロット孔内で回転可能な好ましくは円筒形の軸(シャフト)の形態であり、スロット孔の長さ方向にスライド可能である。最も好ましくは、スロット孔の長さは、実質的に仮想中心の周りの方向に、実質的に両方の仮想軸が実質的に位置する平面内に配向することができる。
第2に、第1の駆動ロッドは、例えば、支持要素が第1の仮想軸の周りを回転する際に、第1のアンカー部の比較的小さな変位が可能となるように、支持要素内に配置してもよい。好ましくは、実質的に両方の仮想軸が実質的に位置する平面において、この比較的小さな変位は、仮想中心の周りの比較的小さな旋回運動であり得る。
第3に、ベース要素には、支持要素が第1の仮想軸の周りを回転する際に、第1の凹部および/またはそこに配置された第1のアンカー部の比較的小さな変位が可能となるように、例えば、ベース要素に移動可能に配置された第1の凹部を設けることができる。好ましくは、この比較的小さな変位は、両方の仮想軸が実質的に位置する平面内に実質的に位置することができ、この比較的小さな変位は、仮想中心の周りの比較的小さな旋回運動であり得る。
しかしながら、第1のアンカー部要素が意図せずに移動機構をロックする可能性があるという問題を解決できる上記3つの例では、移動機構に遊びが導入されている。
有利な実施形態では、第2のアンカー部が第1の仮想軸に対してある程度回転できるように、かつ、ベース要素に対する第1の仮想軸および/または第2のアンカー部の変位(移動)を防止するように、第2の凹部およびそこに配置された第2のアンカー部を構成することによって、不必要な遊びを見事に相殺することができる。驚くべきことに、第2の凹部は、第2のアンカー部の周りに比較的密接に、例えば円形の孔として形成することができるので、第2の凹部は、スロット孔または変位可能な孔として設ける必要はない。それどころか、このようにしないで、そのような方法で第1の凹部のみを設けることは実際には有益であり得る。この手段は、ベース要素および支持要素が、2つの仮想軸によって画定された平面を実質的に横切る軸の周りで互いに望ましくないように回転する可能性を見事に回避することができる。支持要素とそれによって支持されるミラー面、および/またはそれによって支持された他の要素(例えば、ディスプレイまたはカメラ)の回転が実質的に抑えられ、例えばミラー面またはディスプレイの望ましくない回転および/または振動を強く相殺することができる。
本発明は、移動機構だけでなく、かかる移動機構を備えた車両用の外部ミラーにも関する。また、本発明は、車両にも関する。
本発明のさらなる有利な実施形態は従属項に記載されている。
図面に示された例示的な実施形態に基づいて本発明をさらに説明する。
図面は、本発明の好ましい実施形態の単なる概略図を示す。図面において、同様のまたは対応する部分(部品)は、同じまたは対応する参照番号で示されている。
図1〜4の実施形態に係る移動機構は、互いに挿入されてボールヒンジ構造を形成する、ベース要素2および支持要素3を含む。そのために、ベース要素2および支持要素3は、対応する(mating)球状部分2a、3aを備え、一方の球状部分3aは、凸面球状部分であり、それにフィットする他の球状部分2aは凹面球状部分であり得る。球状部分に関して、2つの球状部分2aのうちの1つは、球の比較的小さい部分を覆い、例えば、実質的にリング状の球状部分によって形成されてもよく、他の球状部分3a内にまたはその周囲に移動自在に、好ましくは、密着して配置される。
ベース要素2および支持要素3が、互いに対して取り付けられていてもよい。
さらに、ここに示す実施例では、支持要素3がベース要素2に挿入されているが、別の実施形態では、逆に、ベース要素2を、例えば、支持要素3内に移動自在に配置してもよい。そのような場合、ベース要素2の球状部分は、例えば凸面球状部分として形成し、支持要素3は、それと協働する凹面球状部分を含むことができる。
図1〜4に示す実施例の支持要素3は、ボールヒンジ構造の仮想中心または中間点Mを実質的に通過する少なくとも第1の仮想軸Aの周りをベース要素2に対して回転可能である。この仮想中心Mは、ベース要素2の球状部分2aが一部である仮想球の中心によって、および/または支持要素3の一部である球状部分3aが一部を形成する球の中心によって、形成することができる。最も好ましくは、2つの球状部分2a、3aの中心は実質的に一致することができる。
支持要素3は、支持要素3をベース要素2に対して移動させる駆動手段16、18a、18b、18c、18d、11を備えている。駆動手段は、第1の電気モータ16と、出力歯車11を備えた第1の駆動列10と、を含む。駆動手段16、18a、18b、18c、18d、11は、支持要素3と共に移動するように支持要素3内に収容されている。これは、支持要素3がベース要素2に対して動かされたときに、それら(駆動手段16、18a、18b、18c、18d、11)が、支持要素3と共に移動することを意味する。駆動手段16、18a、18b、18c、18d、11は、例えば支持要素3に吊り下げられるか、支持要素に配置された支持構造内に吊り下げられ、該支持構造は好ましくは支持要素内に固定されている。駆動手段16、18a、18b、18c、18d、11のそれぞれの例は、例えば、支持要素3および/または支持構造内に固定されていてもよく、または例えば、そこに回転可能に吊り下げられていてもよく、さらに別の方法でそこに配置されていてもよい。
例えば、インボリュート(involute)または他の外歯を備えていてもよい出力歯車11は、支持要素3内に配置された非直線第1の駆動ロッド13と係合し、該第1の駆動ロッド13は例えばインボリュートまたは他の内歯を備えることができる。図4に示すように、第1の駆動ロッド13は、ベース要素2に(はめ込まれる等して)接続されたアンカー部14を備えているので、第1の駆動ロッド13は、支持要素3がベース要素2に対して動かされるときに、支持要素3と共に移動しない。
駆動ロッド13は、例えばここに示す実施例のように、実質的に支持要素3の内側に配置されてもよい。アンカー部14は、(好ましくはスロット状の)開口部12を通ってベース要素2まで延在し得る。あるいは、駆動ロッド13を別の場所に配置することもできる。例えば、駆動ロッド13を、支持要素3の外側に設けられたスロットに配置してもよい。そのような場合、(好ましくはスロット状の)開口部が支持要素3に設けられて、出力歯車11の駆動ロッド13への係合を促す。
非直線駆動ロッド13は、例えば、駆動ロッド13の横方向の変位(移動)を防止することができる2つの表面4または2つのリブ4の間に配置することができる。
その代わりにまたは追加的に、駆動ロッド13に、例えば滑り軸受等の軸受を取り付けてもよい。また、第1の出力歯車11には、例えば、軸部11aが設けられているが、該軸部11aには、駆動ロッド13の溝に半径方向に軸受が取り付けられている。
例えば、図4に正しく見られるように、駆動列10は、多数の協働要素、好ましくは歯車18a〜18d、11を備えているが、それらは、好ましくは多数の減速段階(reduction stage)を規定し得る。ここに示す実施例では、第1のモータ16の出力または被動軸16aには、例えばスリップカップリングを用いて実質的に回転不能に取り付けられた第1の歯車18aが設けられ、該第1の歯車18aは、例えば、ウォーム(worm)18aとして実施される。この第1の歯車18aは、第2の歯車18bを駆動することができ、該第2の歯車18bは、それと実質的に回転不能に接続された第3の歯車18c(例えばウォーム18c等)を介して、第4の歯車18dを駆動することができる。この第4の歯車18dは、例えば第5の歯車と実質的に回転不能に接続されて、第1の駆動列10の出力歯車11を形成してもよい。
好ましくは、駆動列10の回転軸および歯車18a〜18d、11は、実質的に、支持要素3内で軸方向にも横方向にも動くことができない。
例えば、Y軸とX軸の両方の周りのミラーガラスの回転が可能となるように、例えば2つの軸の周りの支持要素3の調整を可能にすべく、支持要素3は、第2の仮想軸Bの周りでベース要素2に対して回転可能であることが最も好ましい。この第2の仮想軸Bは、好ましくは、実質的にボールヒンジ構造の仮想中心Mを通って延びる。支持要素3に収容された駆動手段は、第2の出力歯車21を有する第2の駆動列20を備えることができ、該第2の出力歯車21は、支持要素3内に位置された非直線第2の駆動ロッドに係合する。
好ましくは、第2の駆動列20は、例えば、支持要素3において第1の電気モータ16と実質的に平行に配置された第2の電気モータ26によって駆動される。第2の駆動列20は、例えば、第1の駆動列10に実質的に対応して構成してもよい。
第1の電気モータ16および/または第2の電気モータ26は、最も好ましくは、関連する電気モータのコイル制御のためのロータ位置の機械的またはセンサーによる位置フィードバックを備えた電気モータである。
好ましくは、第1および/または第2の電気モータは、例えば、ブラシ付きの直流モータ等のブラシ付きの電気モータとして実施してもよい。
例えば、移動機構1を比較的安価な設計にするには、第1および/または第2の電気モータがステッピングモータではないことが有利であり得る。
また、図3および図4に示すように、第2の非直線駆動ロッド23は、第2の(好ましくはスロット状の)開口部22が見えるように省略されている。スロット状であり得る第1および第2の開口部12、22は、細長いものとすることができ、また第1および第2の仮想軸A、Bが配置され、かつ、各々の開口部12、22を通って延びるアンカー部14、24を通過する各々の仮想軸B、Aに沿って延在する平面に垂直な平面内に実質的に配置された長さ方向に沿って延在することができる。
例えば、第1の駆動ロッド13と同様に、第2の駆動ロッド23は、例えばベース要素2にはめ込まれる等してベース要素2に接続された独自のアンカー部24を備えることで、支持要素3がベース要素2に対して動かされるときに、第2の駆動ロッドが支持要素3と共に移動しないようにすることもできる。
第1のアンカー部14は、ベース要素2の、好ましくはわずかに細長い、凹部15において、第2の仮想軸Bに対してある程度回転可能に設けることができる。第2の仮想軸Bは、実質的にボールヒンジ構造の仮想中心Mを通って延び、第2の仮想軸Bは、仮想軸A、Bの両方が実質的に位置する平面において第1の仮想軸Aと約90°の角度をなすことができる。
追加的またはその代わりに、第2のアンカー部24は、ベース要素2の第2の、好ましくは円形の、凹部25において、第1の仮想軸Aに対してある程度回転可能に設けることができる。
第1および/または第2の駆動ロッド13、23は、第3の仮想軸Cに対して回転可能なリングセグメントの形態を有し得る。ここで、第3の仮想軸Cは、実質的にボールヒンジ構造の仮想中心Mを通って延び、かつ、第3の仮想軸Cと第1の仮想軸Aおよび/または第2の仮想軸Bとが実質的に配置された平面において、第1の仮想軸Aと約45°の角度をなし、および/または第2の仮想軸Bと約45°の角度をなす。
ここに示す実施例では、ボールヒンジ構造の仮想中心Mは、概して支持要素3の上面5にあり、第3の仮想軸Cは、概してこの上面5に存在し得る。しかし、別の実施形態では、上面は、ボールヒンジ構造の仮想中心Mの下または上に位置してもよく、第3の仮想軸Cは、例えば、上面5の上または下に存在してもよい。追加的またはその代わりに、第3の仮想軸Cは、上面5に対して斜めに延びることもあり得る。
支持要素3に関して、好ましくは、その上面5は、ミラー面または例えばカメラまたはディスプレイなどの他の要素または物体を支持するように構成してもよい。この目的のために、例えば、支持要素3に、例えば支持要素3の上にミラー面を画定するミラーガラスを固定するために、ネジ穴、ブッシュ、ピンおよび/またはアイ(eye)6などの締結手段を設けることもできる。その代りにまたは追加的に、支持要素3は、例えばミラー面を支持要素3の上面5にコーティングするなどして、ミラー面を直接支持することもできる。
図4に示すように、そして、図2により良好に示すように、第1の凹部15は、多少細長い孔またはスロット孔15として形成することができる。また、第1のアンカー部14は、好ましくはスロット孔15内で回転可能な円筒形の軸14の形状を有していてもよく、スロット孔15の長さ方向に沿ってスライド可能である。スロット孔15の長さは、好ましくは、仮想中心Mを中心とする実質的に円弧の一部を形成する方向に実質的に配向することができ、円弧の該部分は、両方の仮想軸A、Bが実質的に位置する平面に実質的に配置されるのが最も好ましい。追加的またはその代わりに、第1のアンカー部14および/または第2の仮想軸Bは、両方の仮想軸A、Bが実質的に配置された平面内に仮想中心Mの周りに異なる程度に回転するように設けることができる。これは、例えば、円形の孔として形成することができる凹部15をベース要素2に対して移動させることによって達成することができる。これは、例えば、ベース要素に対してスライド自在のスライド要素に第1の凹部を設けることで、スライド要素が、例えば仮想中心Mの周りの円弧の一部を実質的に形成する方向にスライド可能であるが、円弧の該部分は両方の仮想軸A、Bが実質的に位置する平面内に実質的に配置されることが最も好ましい。
非常に有利なことに、図2に適切に示されたように、第2の凹部25およびそこに配置された第2のアンカー部24は、第2のアンカー部24が第1の仮想軸Aに対して少なくともある程度回転できるように、かつ、ベース要素2に対する第2のアンカー部24の移動(変位)および/または第1の仮想軸Aの移動(変位)を防止するように、構成することができる。有利な実施形態では、第2の凹部25は、例えば、第1の凹部15とは対照的に、ベース要素2内の固定された、実質的に移動不可能な箇所に設けられた丸孔25として形成することができる。上記実施形態では、第1の凹部15は、例えば、多少細長い設計である点で、移動可能であり、および/または遊びを可能にする。
また、本発明は、本発明の一態様に係る移動機構を備えた、車両用の外部ミラー装置に関する。このミラー装置では、ベース要素2を、例えば、ミラー装置のミラーハウジングおよび/またはフレームに設けてもよい。ベース要素は、例えば、その中またはその上に実質的に固定されていてもよい。あるいは、ベース要素2は、例えば、このようなミラーハウジングまたはフレームの一体化された部分を構成してもよい。
さらに、本発明は、本発明の一態様に係る移動機構および/または外部ミラー装置を備えた車両、好ましくは、自動車、トラック、キャンパーまたはバスに関する。
明瞭化および簡潔な説明のために、異なる態様および実施形態の要素および/または特徴は、同じまたは異なる例示的な実施形態の一部として本明細書に記載されているが、本発明の範囲は、記載された要素および/または特徴の全てまたは一部の明示的に記載されていない組み合わせを含む実施形態をも含む。したがって、図示されおよび記載された移動機構の上述した要素および/または特徴の各々は、別々に記載および図示されていると理解され、また、個々におよび/または1以上の他の要素との組み合わせとして適用することができると理解され、本明細書にそのように記載されていると理解される。
さらに、本発明は、ここで説明される例示的な実施形態に限定されない。多くの変形が可能である。
例えば、第2の駆動ロッドは、第1の駆動ロッドについて説明したように実施、配置および/または軸受を取り付けることができる。これらおよび他の変形は、当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲に記載されているように、本発明の範囲内であると理解される。
1 移動機構
2 ベース要素
3 支持要素
10 第1の駆動列
11 出力歯車
13 第1の駆動ロッド
14 第1のアンカー部
A 第1の仮想軸
B 第2の仮想軸
M 仮想中心
2 ベース要素
3 支持要素
10 第1の駆動列
11 出力歯車
13 第1の駆動ロッド
14 第1のアンカー部
A 第1の仮想軸
B 第2の仮想軸
M 仮想中心
Claims (15)
- 移動機構であって、
相互に挿入されてボールヒンジ構造を形成するベース要素と支持要素とを含み、
前記支持要素は、前記ボールヒンジ構造の仮想中心を実質的に通過する少なくとも第1の仮想軸の周りで前記ベース要素に対して回転可能であり、
前記支持要素には、前記支持要素を前記ベース要素に対して移動させる駆動手段が設けられ、
前記駆動手段は、第1の電気モータと、出力歯車を有する第1の駆動列と、を備え、
前記駆動手段は、前記支持要素が前記ベース要素に対して動かされるときに、前記支持要素と共に移動するように、前記支持要素内に収容され、
前記第1の駆動列の前記出力歯車は、前記支持要素に配置された非直線の、曲線状の第1の駆動ロッドに係合し、
前記第1の駆動ロッドには、前記支持要素が前記ベース要素に対して動かされるときに、前記第1の駆動ロッドが前記支持要素と共に移動しないように、前記ベース要素に接続された第1のアンカー部が設けられている、移動機構。 - 前記支持要素は、前記ボールヒンジ構造の前記仮想中心を実質的に通過する第2の仮想軸の周りで前記ベース要素に対して回転可能であり、
前記支持要素内に収容された前記駆動手段は、第2の出力歯車を備えた第2の駆動列を備え、
前記第2の出力歯車は、前記支持要素内に配置された、非直線の、曲線状の第2の歯車前記第2の駆動ロッドに係合し、
前記第2の駆動ロッドには、前記支持要素が前記ベース要素に対して動かされるときに、前記第2の駆動ロッドが前記支持要素と共に移動しないように、前記ベース要素に接続された第2のアンカー部が設けられている、請求項1に記載の移動機構。 - 第1のアンカー部は、前記ベース要素の凹部に第2の仮想軸に対してある程度回転可能に設けられ、
前記第2の仮想軸は、前記ボールヒンジ構造の前記仮想中心を実質的に通過し、そして、
前記第1および第2の仮想軸が実質的に位置する平面において、前記第2の仮想軸は、前記第1の仮想軸と約90°の角度をなす、請求項1または2に記載の移動機構。 - 前記第2のアンカー部は、前記ベース要素の第2の凹部に前記第1の仮想軸に対してある程度回転可能に設けられている、請求項2または3に記載の移動機構。
- 前記第1の駆動ロッドは、仮想中心軸が前記第1の仮想軸と実質的に一致するリングセグメントの形態を有している、請求項1から4のいずれか一項に記載の移動機構。
- 前記第2の駆動ロッドは、仮想中心軸が前記第2の仮想軸と実質的に一致するリングセグメントの形態を有している、請求項2〜5のいずれか一項に記載の移動機構。
- 前記第1および/または第2の駆動ロッドは、第3の仮想軸に対して回転可能なリングセグメントの形態を有し、前記第3の仮想軸は、前記ボールヒンジ構造の前記仮想中心を実質的に通過し、前記第3の仮想軸および前記第1の仮想軸および/または第2の仮想軸が実質的に位置する平面において、前記第1の仮想軸とは約45°の角度をなし、および/または、前記第2の仮想軸とは約45°の角度をなす、請求項1〜4のいずれか一項に記載の移動機構。
- 前記第1の凹部は、スロット孔の形態であり、前記第1のアンカー部は、好ましくは円筒形であり、前記第1のアンカー部の軸は、前記スロット孔内で回転可能であり、前記スロット孔の長さ方向に沿ってスライド可能であり、好ましくは、前記スロット孔の長さは、前記第1および第2の仮想軸が実質的に位置する平面内で実質的に前記仮想中心の周りの方向に配向されている、請求項3〜7のいずれか一項に記載の移動機構。
- 前記第1の駆動ロッドは、前記支持要素内に配置されて、前記支持要素が前記第1の駆動ロッドの周りを回転すると、前記第1のアンカー部の比較的小さな変位が可能となり、好ましくは、前記第1および第2の仮想軸が実質的に位置する平面において、前記比較的小さな変位が前記仮想中心を中心とする比較的小さな旋回運動である、請求項3〜8のいずれか一項に記載の移動機構。
- 前記ベース要素には、前記ベース要素内に移動可能に配置された第1の凹部が設けられて、前記支持要素が前記第1の仮想軸の周りを回転すると、前記第1の凹部および/またはそこに位置する前記第1のアンカー部の比較的小さな変位が可能になり、好ましくは、前記比較的小さな変位が、前記第1および第2の仮想軸が実質的に位置する平面内に実質的に位置し、前記仮想中心を中心とする比較的小さな旋回運動に関係する、請求項9に記載の移動機構。
- 前記第2凹部およびそこに位置する前記第2のアンカー部は、前記第2のアンカー部が前記第1の仮想軸に対してある程度回転できるように、かつ、前記ベース要素に対する前記第2のアンカー部および/または第1の仮想軸の移動を防止するように、構成されている、請求項8〜10のいずれか一項に記載の移動機構。
- 前記第1の駆動ロッドおよび/または前記第2の駆動ロッドは、各出力歯車の歯と噛み合う歯を備え、前記各出力歯車は、前記各駆動ロッドの溝内に半径方向に配置された軸部を備えているか、前記軸部上に設けられている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の移動機構。
- 前記支持要素が、好ましくは前記支持要素に対して実質的に不動に固定された、ミラー面、ディスプレイ、および/またはカメラを支持する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の移動機構。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の移動機構を備えた車両用外部ミラー装置。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の移動機構および/または請求項14に記載の外部ミラー装置を備えた車両、特に自動車。
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