発明の詳細な説明
本発明の第1の態様では、式(I)の化合物またはその塩:
(式中、RはHまたはFを表す)
が提供される。
式(I)の1つの化合物は、4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(IA)またはその塩である:
一実施形態において、式(IA)の化合物は、4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸の薬学上許容される塩である。
一実施形態において、式(IA)の化合物は、式(IA1):
を有し、(R)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸、またはその薬学上許容される塩である。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(IA2):
を有し、(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸、またはその薬学上許容される塩である。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(IA3):
を有し、(S)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸、またはその薬学上許容される塩である。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(IA4):
を有し、(R)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸、またはその薬学上許容される塩である。
式(I)の別の化合物は、4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸(IB)またはその塩である:
一実施形態において、式(IB)の化合物は、4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸の薬学上許容される塩である。
一実施形態において、式(IB)の化合物は、(IB1):
の式を有し、(R)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸、またはその薬学上許容される塩である。
別の実施形態において、式(IB)の化合物は、(IB2):
の式を有し、(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸、またはその薬学上許容される塩である。
別の実施形態において、式(IB)の化合物は、(IB3):
の式を有し、(S)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸、またはその薬学上許容される塩である。
別の実施形態において、式(IB)の化合物は、(IB4):
の式を有し、(R)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸、またはその薬学上許容される塩である。
式(I)の化合物は、塩基性アミン基とカルボン酸基の両方を有し、結果として内部塩、すなわち、両性イオンまたは分子内塩を形成し得る。従って、ある実施形態において、式(I)の化合物は、両性イオン塩形態にある。別の実施形態において、式(IA)の化合物は、両性イオン塩形態の4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸もしくは4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸または化合物IA1、IA2、IA3、IA4、IB1、IB2、IB3もしくはIB4のいずれか1つである。別の実施形態において、式(I)の化合物は、非両性イオン形態の4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸または4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸または化合物IA1、IA2、IA3、IA4、IB1、IB2、IB3もしくはIB4のいずれか1つである。
本発明は親化合物としての、両性イオンとしての(親化合物はそのカルボン酸基により内部がプロトン化され、通常、両性イオンとして存在する)、およびその塩としての、例えば、その薬学上許容可能な塩としての式(I)の化合物を包含することが認識されるであろう。一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩に関する。
適切な塩の総説としては、Berge et al., J. Pharm. Sci., 66:1-19, (1977)を参照。適切な薬学上許容可能な塩は、P H Stahl and C G Wermuth編, Handbook of Pharmaceutical Salts; Properties, Selection and Use, Weinheim/Surich: Wiley- VCH/VHCA, 2002に列挙されている。適切な薬学上許容可能な塩には、例えば、塩酸、臭化水素酸、オルトリン酸、硝酸、リン酸、もしくは硫酸などの無機酸、または例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、サリチル酸、マレイン酸、グリセロリン酸、酒石酸、安息香酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸などのナフタレンスルホン酸、ヘキサン酸、もしくはアセチルサリチル酸などの有機酸との酸付加塩が含まれ得る。特に好適な酸は、フマル酸およびマレイン酸である。一般に、薬学上許容可能な塩は、適当であれば所望の酸または塩基を使用することによって容易に調製することができる。得られた塩は、溶液から沈澱させ、濾取することができるか、または溶媒の蒸発により回収することができる。
他の薬学上許容されない塩、例えば、ギ酸塩、シュウ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩も、式(I)の化合物を単離する際に使用することができ、本発明の範囲内に含まれる。
薬学上許容可能な塩基付加塩を、場合により好適な溶媒中で、式(I)の化合物を好適な有機塩基(例えば、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、コリン、アルギニン、リシンもしくはヒスチジン)と反応させることにより形成して塩基付加塩を得ることができ、この塩基付加塩を通常、例えば、結晶化および濾過により単離する。薬学上許容可能な無機塩基塩には、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウムの塩などのアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウムの塩などのアルカリ土類金属、ならびにイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミンおよびN−メチル−D−グルカミンなどの第一級、第二級および第三級アミンの塩を含む有機塩基との塩が含まれる。
本発明は、その範囲内に、総ての可能な化学量論的および非化学量論的形態の式(I)の化合物の塩を含む。
式(I)の化合物は、結晶形または非晶質形であり得る。さらに、式(I)の化合物の結晶形の一部は多形として存在することもあり、これらも本発明の範囲内に含まれる。式(I)の化合物の多形形態は、限定されるものではないが、X線粉末回折(XRPD)パターン、赤外(IR)スペクトル、ラマンスペクトル、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TGA)、および固相核磁気共鳴(SSNMR)を含むいくつかの従来の分析技術を使用して、特性評価および識別を行うことができる。
式(I)の化合物はまた、原体の安定性および溶解度を高めるために噴霧乾燥分散(SDD)法を用い、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのポリマーマトリックス中の非晶質分子分散物として製造してもよい。
多くの有機化合物は、それらが反応される、またはそれらが沈澱もしくは結晶化される溶媒と複合体を形成することができることが認識されるであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られる。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られる。水、キシレン、N−メチルピロリジノン、メタノールおよびエタノールなどの、高沸点を有しかつ/または水素結合を形成することができる溶媒を、溶媒和物を形成するために使用することができる。溶媒和物を同定するための方法には、限定されるものではないが、NMRおよび微量分析が含まれる。結晶形態は場合により、例えば、薬学上許容可能な溶媒和物、例えば、化学量論水和物ならびに変動量の水を含有する化合物であり得る水和物を形成するように溶媒和され得ることが認識されるであろう。溶媒和物には、化学量論溶媒和物および非化学量論的溶媒和物が含まれる。式(I)の化合物は、溶媒和形態または非溶媒和物形態で存在し得る。
本明細書に記載の化合物は2個の不斉中心を含有するので、光学異性体、例えば、ジアステレオ異性体および鏡像異性体が形成され得る。従って、本発明は、他の異性体を実質的に含まないように単離された(すなわち、純粋な)個々の異性体としてであれ、または混合物としてであれ、式(I)の化合物の異性体を包含する。他の異性体を実質的に含まないように単離された(すなわち、純粋な)個々の異性体は、10%未満、特に、約1%未満、例えば約0.1%未満の他の異性体が存在するように単離され得る。
当業者には、ある特定のジアステレオ異性体は他のものよりも活性が劣ることがあり、個々のジアステレオ異性体の活性は選択限界を下回ることもあることが理解されるであろう。
異性体の分離は、当業者に公知の従来の技術、例えば、分別結晶、クロマトグラフィー、HPLCまたはこれらの技術の組合せなどによって達成され得る。
式(I)の化合物は、いくつかの互変異性形の1つで存在し得る。本発明は、個々の互変異性体としてであれ、またはそれらの混合物としてであれ、式(I)の化合物の総ての互変異性体を包含すると理解される。
以上から、式(I)の化合物およびその塩の溶媒和物、異性体および多形形が本発明の範囲内に含まれることが認識されるであろう。
化合物の製造
本発明の化合物は、標準的な化学作用を含む様々な方法によって製造することができる。従前に定義された変項はいずれも、そうではないことが示されない限り、従前に定義された意味を有し続ける。一般合成法の実例を以下に示し、次いで、具体的な本発明の化合物を、実施例において調製する。
当業者には、2つの幾何異性体で存在し得る数種の中間化合物の(E)または(Z)型が微量成分として他の幾何異性体に含まれてもよいことが認識されるであろう。
構造式(I)の化合物は、構造式(II):
(式中、R2は、C1〜C6アルキル基、例えば、tert−Bu、エチルまたはメチル基である。あるいは、R2は、キラルアルコール、例えば、(−)−メントール[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノール]である)
の化合物の第1の脱保護、すなわち、エステル基の切断、続いて、塩への変換を伴う工程によって製造され得る。
本発明の第6の態様は、式(II)の化合物を提供する。
R2がメチル、エチル、メントールなどのキラルアルコール、またはtert−Buである構造式(II)の化合物の脱保護は、例えば、ジクロロメタン、2−メチル−テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンもしくはシクロペンチルメチルエーテルまたは水などの不活性溶媒中、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、またはトリフルオロ酢酸を用いた酸加水分解により達成され得る。
あるいは、R2がメチル、エチルまたはメントールなどのキラルアルコールである構造式(II)の化合物の脱保護は、好適な溶媒、例えば、水性メタノールなどの水性溶媒中、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いた塩基加水分解によっても達成され得る。
エステル基の切断後、得られた生成物は、当業者に周知の方法により必要な塩に変換され得る。
一実施形態において、両性イオンのフマル酸塩への変換は、両性イオンのエタノール溶液をフマル酸のエタノール溶液で処理し、得られた塩溶液を40℃に加熱し、結晶化させるために5℃に冷却することにより達成される。
別の実施形態において、両性イオンのマレイン酸塩への変換は、両性イオンのアセトニトリル溶液をマレイン酸水溶液で処理し、得られた溶液を40℃に加熱し、結晶化させるために5℃に冷却することにより達成される。
構造式(II)の化合物は、構造式(III):
(式中、R2は上記で定義された通り)
の化合物から、構造式(IV):
(式中、Rは、HまたはFである)
のボロン酸化合物との反応により得られ得る。
あるいは、ピナコールエステルなどのボロン酸エステルを用いてもよく、これによりin situで親ボロン酸を提供する。構造式(IV)の化合物は、例えば、Enamine LLC, Princeton Corporate Plaza, 7 Deer Park Drive Ste. 17−3, Monmouth Jct. NJ (USA) 08852, Manchestetr OrganicsまたはFluorochemから市販されている。構造式(III)と(IV)の化合物間の反応は、1,4−ジオキサンなどの水混和性溶媒中、50〜95℃などの高温下、ロジウム触媒、例えば、ロジウム(1,5−シクロオクタジエン)クロリドの二量体である[Rh(COD)Cl]2などの好適な触媒、およびホスフィンリガンドなどの添加剤、例えば、ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)の存在下、好ましくは、水酸化カリウムなどの塩基の存在下で行うことができる。この反応は、好ましくは、反応混合物が窒素などの不活性ガスでパージされ、減圧下で排気され、この排気および窒素でのパージが3回繰り返された厳密な嫌気性好気性で行われる。あるいは、この反応は、マイクロ波バイアル内で行ってもよく、混合物はマイクロ波反応器内、高温下で加熱される。この反応は、通常は1:1の比で異性体混合物を生じる。生成された異性体の混合物は、クロマトグラフィー、HPLCまた結晶化により分離することができる。不斉合成は、ロジウム化合物に基づく触媒の存在下、キラルリガンド、例えば、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(R−BINAP)の1つの鏡像異性体を含めることによって達成することができる。構造式(III)の化合物における二重結合の幾何学は、(E)または(E)異性体と(Z)異性体の混合物、好ましくは、純粋な(E)異性体であり得る。
式(III)の化合物の1つの鏡像異性体と式(IV)の化合物の間の反応は、2つのジアステレオ異性体をおよそ1:1比で生じ、これらは結晶化、クロマトグラフィー、またはHPLCにより分離することができる。好ましい分離方法は、ChiralpakまたはChiracelカラムなどのキラル支持体上でのキラルHPLCである。形成されるジアステレオ異性体の比は、約10%の添加剤、例えば、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン[(R)−BINAP]の存在下で例えばおよそ80:20、またはそれを越えるまでに実質的に高まり得、生物学的により活性なジアステレオ異性体が主要な異性体として得られる。
あるいは、当業者によりまたは多数の組合せをスクリーニングすることにより選択される、化合物(III)とキラルR2基、リガンド、ボロン酸(IV)、触媒および溶媒の種々の組合せは、より高い比率のジアステレオ異性体をもたらし得る。
ジアステレオ異性体比は、キラルHPLCにより、または結晶化により、例えば99:1を越えるまでにさらに高めることができる。
構造式(III)の化合物は、構造式(V):
の化合物から、構造式(VI)
(式中、R2は上記で定義される通り)
の化合物と、ジクロロメタンなどの溶媒中、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(「DIPEA」)などの有機塩基および好適なパラジウム系触媒、例えば、ジクロロメタンとの錯体としてのPdCl2(dppf)−CH2Cl2[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下で反応させることにより得ることができる。式(V)の化合物は親化合物として使用することができ、または第三級アミン塩基の存在下、二塩酸塩などの塩からin situで生成させることもできる。
構造式(VI)の化合物は、本明細書に記載の方法によって製造され得る。例として、R2がメチルであり、二重結合が(E)幾何学を有する構造式(VI)の化合物は、高温下、例えば、50℃で、アセトニトリル中、市販の4−ブロモクロトン酸メチルおよび酢酸ナトリウムまたはカリウムから出発し、下記に示す方法によって製造することができる。
構造式(V)の化合物は、構造式(VII):
の化合物から、例えば、エタノールまたは酢酸エチルなどの不活性溶媒中、炭素上に沈着させたパラジウム触媒を用いた触媒的水素化分解により得ることができる。
構造式(VII)の化合物は、構造式(VIII):
の化合物から、例えば、DMFなどの好適な溶媒中、130℃などの高温下、炭酸カリウムなどの塩基の存在下でベンゼンスルホニルヒドラジドから生じるジイミド還元によって得ることができる。
構造式(VIII)の化合物は、異性体、例えば、(E)または(Z)型として存在し、 純粋な異性体としてまたは混合物として使用され得る。構造式(VIII)の化合物は、構造式(IX):
の既知の市販(例えば、Wuxi App Tec, 288 Fute Zhong Road, Waigaoquiao Free Trade, Shanghai 200131, China製)化合物から出発して得ることができ、これを例えばピリジン中三酸化硫黄で酸化して対応する構造式(X):
のアルデヒドとすることができる。
この構造式(X)の化合物を、次に、式(X)の化合物を単離せずに、構造式(XI):
のイリドと反応させ、それにより、幾何異性体(E)および(Z)の混合物として存在する式(VIII)の化合物が生成され得る。当業者には、アルデヒド(X)から式(VIII)の化合物を生成するために他の方法もあることが認識されるであろう。幾何異性体は、クロマトグラフィーにより分離することもできるし、または次の工程で混合物として使用することもできる。構造式(I)の化合物の製造のためのこの全スキームをスキーム(I)として以下に示す。
スキーム(I):
構造式(XI)のイリドは、式(XII):
(Fluorochemから入手可能)の化合物から出発して作製することができ、これを次に、まず塩酸と反応させ、その後、重炭酸ナトリウムで中和することによって構造式(XIII):
のアルデヒドに変換することができ、これを、例えば水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元し、対応する構造式(XIV):
のアルコールとすることができ(式(XIV)のアルコールの製造に関してはUS−A−20040092538に開示されている経路も参照)、これを次に、例えば三臭化リンを用いて臭素化し、対応する構造式(XV):
のブロモ化合物を生成することができ、これを、アセトニトリルなどの溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させることにより臭化トリフェニルホスホニウム(XVI)に変換することができる。
上述の構造式(XI)のイリド化合物は、構造式(XVI)の化合物を、THFなどの不活性溶媒中、カリウムtert−ブトキシドの溶液などの塩基と反応させることにより得ることができる。構造式(XI)のイリドは単離され得るか、または好ましくはin situで形成され、事前に単離せずに、同じ容器内で構造式(X)のアルデヒドと反応させることができる。
構造式(XI)のイリドの製造のための全スキームををスキーム(II)として以下にまとめる。
スキーム(II)
式(IX)の化合物の2つの市販の鏡像異性体のそれぞれは、他方よりも強力な式(I)の化合物の一方のジアステレオ異性体を提供する。
上記の経路のいずれにおいても、1以上の官能基を保護することが有利であり得ることが認識されるであろう。保護基およびそれらの除去のための手段の例は、T. W. Greene ‘Protective Groups in Organic Synthesis’ (第3版, J. Wiley and Sons, 1999)に見出すことができる。好適なアミン保護基としては、アシル(例えば、アセチル、カルバメート(例えば、2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニル)およびアリールアルキル(例えば、ベンジル)が含まれ、これらは、適当であれば、加水分解(例えば、ジオキサン中の塩酸、もしくはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸などの酸を使用)によって、または還元的に(例えば、ベンジルもしくはベンジルオキシカルボニル基の水素化分解、または酢酸中で亜鉛を使用する2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル基の還元的除去)によって除去することができる。他の好適なアミン保護基としては、トリフルオロアセチル(−COCF3)が含まれ、これは塩基触媒による加水分解によって除去することができる。
上記いずれの経路でも、様々な基および部分が分子に導入される合成段階の正確な順序は可変であることが認識されるであろう。この工程の一段階で導入される基または部分が、その後の変換および反応によって影響を受けないように保証し、それに応じて合成段階の順序を選択することは当業者の技術の範囲内である。
式(III)、(V)〜(VIII)、(X)、(XI)、(XV)および(XVI)の特定の化合物もまた新規であると考えられ、従って、本発明のなおさらなる態様を成す。
化合物(I)の絶対立体配置は、既知の絶対立体配置の中間体からの独立したエナンチオ選択的合成に従って得ることができる。あるいは、鏡像異性体的に純粋な式(I)の化合物は、絶対立体配置が既知の化合物に変換され得る。いずれの場合にも、分光分析データ、旋光度および分析的HPLCカラムでの保持時間の比較を絶対立体配置の確認に使用することができる。実現可能であれば、第3の選択肢として、X線結晶構造からの絶対立体配置の決定がある。
使用方法
式(I)の化合物およびその塩は、αvインテグリンアンタゴニスト活性、特に、αvβ6受容体活性を有すると考えられ、従って、αvβ6アンタゴニストが指示される疾患または病態の治療において潜在的有用性を有する。
従って、本発明は、療法において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩は、αvβ6インテグリンアンタゴニストが指示される疾患または病態の治療において使用することができる。
従って、本発明は、αvβ6インテグリンアンタゴニストが指示される疾患または病態の治療において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。
また、αvβ6インテグリンアンタゴニストが指示される疾患または病態の治療のための医薬の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の使用も提供される。
また、必要とする対象においてαvβ6インテグリンアンタゴニストが指示される疾患または病態を治療する方法であって、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を投与することを含んでなる方法が提供される。
好適には、それを必要とする対象は哺乳動物、特に、ヒトである。
本明細書で使用する場合、用語「有効な量」は、例えば、研究者または臨床家が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬物または薬剤の量を意味する。さらに、用語「治療有効な量」は、そのような量を受容していない対応する対象と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の治療、治癒、予防、もしくは寛解の改善、または疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、その範囲内に、正常な生理学的機能を増進するために有効な量に含む。
線維性疾患は、修復過程または反応過程にある器官または組織において過剰な線維性結合組織の形成を伴う。αvβ6アンタゴニストは、αvβ6インテグリン機能およびαvインテグリンを介してのトランスフォーミング増殖因子βの活性化に依存するものを含む、様々なそのような疾患または病態の治療において有用であると考えられる。疾患には、限定されるものではないが、肺線維症(例えば、特発性肺線維症、非特異的間質性肺炎(NSIP)、通常型間質性肺炎(UIP)、Hermansky−Pudlak症候群、進行性塊状線維症(炭坑夫塵肺症の合併症)、結合組織疾患関連肺線維症、喘息およびCOPDでの気道線維症、ARDS関連線維症、急性肺損傷、放射線誘発線維症、家族性肺線維症、肺高血圧);腎線維症(糖尿病性腎障害、IgA腎障害、狼瘡性腎炎、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、移植腎障害、自己免疫腎障害、薬物誘発性腎障害、高血圧関連腎障害、腎性全身性線維症);肝線維症(ウイルス誘発性線維症(例えば、C型またはB型肝炎)、自己免疫肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝臓疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む非アルコール性脂肪肝疾患、先天性肝線維症、原発性硬化性胆管炎、薬物誘発性肝炎、肝硬変);皮膚線維症(肥厚性瘢痕、強皮症、ケロイド、皮膚筋炎、好酸球性筋膜炎、Dupytrens拘縮、Ehlers−Danlos症候群、Peyronie病、栄養障害型表皮水疱症、口腔粘膜下線維症);眼線維症(加齢黄斑変性(AMD)、糖尿病性黄斑浮腫、ドライアイ、緑内障);角膜瘢痕化、角膜損傷および角膜創傷治癒、線維柱帯切除術後の濾過胞瘢痕化の予防;心臓線維症(鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、心内膜心筋線維症、肥大性心筋症(HCM))、ならびに他の多種の線維性病態(縦隔線維症、骨髄線維症、腹膜後線維症、クローン病、神経線維腫症、子宮平滑筋腫(線維性)、慢性臓器移植拒絶)が含まれ得る。αvβ1、αvβ5またはαvβ8インテグリンのさらなる阻害に関するさらなる利点も存在し得る。
加えて、αvβ6インテグリンに関連する前癌病変または癌も治療することができる(これらには、限定されるものではないが、子宮内膜癌、基底細胞癌、肝臓癌、結腸癌、子宮頸癌、口腔癌、膵臓癌、乳癌および卵巣癌、カポジ肉腫、巨細胞腫瘍、ならびに癌関連間質が含まれ得る)。血管新生に対する作用から利点を得ることができる病態も、利益を受け得る(例えば、固形腫瘍)。
用語「αvβ6アンタゴニストが指示される疾患または病態」は、上記病的状態のいずれかまたは総てを含むことが意図される。
一実施形態において、αvβ6アンタゴニストが指示される疾患または病態は、特発性肺線維症である。
別の実施形態において、αvβ6アンタゴニストが指示される疾患または病態は、角膜瘢痕化、角膜損傷および角膜創傷治癒から選択される。
組成物
療法において使用するために、式(I)の化合物ならびにその薬学上許容可能な塩を、そのままの化学物質として投与してもよいが、有効成分を医薬組成物として提供することが一般的である。
従って、本発明は、さらなる態様で、式(I)の化合物またその薬学上許容可能な塩と1種以上の薬学上許容可能な担体、希釈剤および/または賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。式(I)の化合物および薬学上許容可能な塩は上記の通りである。担体、希釈剤または賦形剤は、組成物の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で許容されなければならない。
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を、1種以上の薬学上許容可能な担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む、医薬組成物の調製方法も提供される。医薬組成物は、本明細書に記載の病態のいずれかの治療において使用することができる。
さらに、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる、αvβ6インテグリンアンタゴニストが指示される疾患または病態を治療するための医薬組成物も提供される。
さらに、0.01〜3000mgの式(I)の化合物またはその薬学的塩と0.1〜2gの1種以上の薬学上許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含んでなる医薬組成物も提供される。
式(I)の化合物は医薬組成物における使用を意図されているので、それらがそれぞれ、好ましくは実質的に純粋な形態で、例えば、少なくとも純度60%、より好適には少なくとも純度75%、好ましくは少なくとも純度85%、特には少なくとも純度98%(重量に対する重量の%)で提供されることが容易に理解されるであろう。
医薬組成物は、単位用量当たり所定量の有効成分を含有する単位投与形で提供され得る。好ましい単位投与組成物は、有効成分の1日用量もしくは部分用量、またはその適切な分数を含有するものである。従って、そのような単位用量は、1日2回以上投与することができる。好ましい単位投与組成物は、本明細書の上記で挙げたような1日用量もしくは部分用量(1日2回以上投与するため)、または適切なその分数の有効成分を含有するものである。
医薬組成物は、任意の適切な経路、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、吸入、鼻腔内、局所(頬側、舌下または経皮を含む)、膣、目または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)経路による投与に適合させることができる。そのような組成物は、薬学分野で知られている任意の方法によって、例えば、有効成分を担体または賦形剤と会合させることによって製造することができる。
一実施形態において、医薬組成物は経口投与に適合される。
経口投与に適合させた医薬組成物は、カプセル剤もしくは錠剤などの分離した単位;散剤もしくは顆粒;水性液もしくは非水性液中の溶液もしくは懸濁液;可食フォームまたはホイップ;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして提供され得る。
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与では、有効薬物成分を、エタノール、グリセロール、水などの経口用の非毒性で薬学上許容可能な不活性担体と合わせることができる。錠剤またはカプセル剤に組み込むために適した散剤は、化合物を好適な微細な粒径(例えば、微粉化によって)に縮小し、例えば、デンプンまたはマンニトールなどの可食炭水化物などの同様に調製された医薬担体と混合することによって調製され得る。香味剤、保存剤、分散剤および着色剤も存在することができる。
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を調製し、成形ゼラチンシースに充填することによって製造することができる。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの、流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に、粉末混合物に添加することができる。カプセル剤が摂取される際に、医薬のアベイラビリティを改善するために、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を添加することもできる。
さらに、所望の場合または必要な場合には、好適な結合剤、流動促進剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、崩壊剤および着色剤も、混合物に組み込むことができる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然の糖(グルコースまたはベータ−ラクトースなど)、トウモロコシ甘味剤、天然および合成ゴム(アラビアガム、トラガカントガムまたはアルギン酸ナトリウムなど)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。
これらの投与形で使用される滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。
崩壊剤には、限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒またはスラグとし、滑沢剤および崩壊剤を添加し、打錠することによって製剤化する。粉末混合物は、適切に微粉化された化合物を、上記のように希釈剤または基剤、ならびに任意選択でカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの吸収促進剤、および/またはベントナイト、カオリンもしくリン酸二カルシウムなどの吸収剤と混合することによって調製される。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アラビアゴム漿またはセルロースもしくはポリマー材料の溶液などの結合剤で湿らせ、篩に通すことによって顆粒化することができる。造粒の代わりに、粉末混合物を、打錠機に掛けることができ、結果として不完全に形成されたスラグが破砕されて顆粒となる。顆粒剤は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を添加することによって、錠剤成形金型に粘着することを防止するために滑沢化することができる。次いで、滑沢化された混合物を打錠する。本発明の化合物は、流動性不活性担体と混合して、造粒またはスラグ化工程を行うことなく直接、打錠することもできる。セラックのシールコート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスの艶出コーティングからなる透明または不透明の保護コーティングを施すことができる。異なる単位用量を識別するために、これらのコーティングに染料を添加することができる。
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口用液体は、所定量が、予め決定された量の化合物を含有するように、単位投与形で調製することができる。シロップは、化合物を適宜矯味した水溶液に溶かすことによって調製することができ、エリキシルは、非毒性アルコールビヒクルの使用によって調製する。懸濁剤は、化合物を非毒性ビヒクルに分散させることによって製剤化することができる。エトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの香味添加剤、または天然甘味剤もしくはサッカリンもしくは他の人口甘味剤なども添加することができる。
適当であれば、経口投与用の用量単位組成物を、マイクロカプセル化することができる。処方物は、例えば、粒子材料をポリマー、ワックスなどでコーティングまたはそれに包埋することによって、放出を延長また持続させるように調製することもできる。
本発明の化合物は、小単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞および多重ラメラ小胞などのリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成することができる。
経皮投与に適合させた医薬組成物は、長期間にわたってレシピエントの表皮と密着して接触して留まるように意図された別個のパッチ剤として提供することができる。
局所投与に適合させた医薬組成物は、軟膏、クリーム、懸濁剤、ローション、散剤、液剤、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして製剤化することができる。
眼または他の外部組織、例えば、口および皮膚の治療では、組成物は、好ましくは、局所用軟膏またはクリームとして塗布される。軟膏に製剤化する場合、有効成分を、パラフィン系または水混和性軟膏剤基剤のいずれかとともに使用することができる。あるいは、有効成分を、水中油型クリームまたは油中水型基剤を用いてクリーム剤に製剤化することができる。本発明の化合物は、局所用点眼剤として投与することができる。本発明の化合物は、1日より長い投与間隔を要する結膜下、房内または硝子体内経路を介して投与することができる。
眼への局所投与に適合させた医薬組成物には、有効成分が好適な担体、特に、水性溶媒に溶解または懸濁している点眼剤が含まれる。眼に投与される処方物は、眼科的に適合するpHおよびモル浸透圧濃度を有する。酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、および乳酸ナトリウムなどの塩基;ならびにクエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウムおよび塩化アンモニウムなどのバッファーを含め、1種以上の眼科的に許容可能なpH調整剤および/または緩衝剤が本発明の組成物に含まれ得る。このような酸、塩基、およびバッファーは、組成物のpHを眼科的に許容可能な範囲に維持するのに必要な量で含まれ得る。1以上の眼科的に許容可能な塩は、組成物のモル浸透圧濃度を眼科的に許容可能な範囲とするのに十分な量で組成物を含み得る。このような塩としては、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム陽イオンおよび塩化物、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸または重亜硫酸陰イオンを有するものが含まれる。
眼送達デバイスは、複数の定義された放出速度ならびに持続的用量動態および透過性を持った1種以上の治療薬の放出制御のために設計することができる。放出制御は、生分解性/声帯浸食性ポリマー(例えば、ポリ(エチレンビニル)アセテート(EVA)、超加水分解PVA)、ヒドロキシアルキルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリカプロラクトン、ポリ(グリコール)酸、ポリ(乳)酸、ポリ無水物の、薬物の拡散、腐食、溶解および浸透を増強するポリマー分子量、ポリマー結晶度、共重合体比、加工条件、表面仕上げ、幾何学、賦形剤添加およびポリマーコーティングの、種々の選択および特性を組み込んだポリマーマトリックスの設計を通して得ることができる。
眼用デバイスを用いた薬物送達のための処方物は、1種以上の有効薬剤と指示される投与経路に適当なアジュバントを組み合わせることができる。例えば、有効薬剤を、任意の薬学上許容可能な賦形剤、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、アラビアガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジン、および/またはポリビニルアルコールと混合し、従来の投与向けに錠剤化またはカプセル化することができる。あるいは、本化合物をポリエチレングリコール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、エタノール、トウモロコシ油、落花生油、綿実油、ゴマ油、トラガカントガム、および/または種々のバッファーに溶解させてもよい。本化合物はまた、生分解性および非生分解性ポリマーの両方の組成物および時間遅延特性を有する担体または希釈剤と混合してもよい。生分解性組成物の代表例としては、アルブミン、ゼラチン、デンプン、セルロース、デキストラン、多糖類、ポリ(D、L−ラクチド)、ポリ(D、L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(アルキルカーボネート)およびポリ(オルトエステル)およびそれらの混合物が挙げられる。非生分解性ポリマーの代表例としては、EVAコポリマー、シリコーンゴムおよびポリ(メチルアクリレート)、およびそれらの混合物が挙げられる。
眼送達用の医薬組成物はまた、in situゲル化可能水性組成物も含む。このような組成物は、眼または涙液と接触した際にゲル化を促進するのに効果的な濃度でゲル化剤を含んでなる。好適なゲル化剤としては、限定されるものではないが、熱硬化性ポリマーが含まれる。用語「in situゲル化可能」とは、本明細書で使用する場合、眼または涙液と接触した際にゲルを形成する低粘度の液体を含むだけでなく、眼に投与した際に実質的に高い粘度またはゲル強度を示す半液体およびチキソトロピックゲルなどのより粘稠な液体も含む。例えば、眼への薬物送達に使用するためのポリマーの例の教示の目的で引用することにより本明細書の一部とされるLudwig (2005) Adv. Drug Deliv. Rev. 3; 57:1595-639を参照。
口腔中への局所投与に適合させた医薬組成物には、ロゼンジ剤、香錠および洗口液が含まれる。
直腸投与に適合させた医薬組成物は、坐剤または浣腸として提供することができる。
鼻腔または吸入投与用の投与形は、好都合には、エアロゾル、溶液、懸濁液、ゲルまたはドライパウダーとして処方され得る。
膣投与に適合させた医薬組成物は、膣坐剤、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたは噴霧処方物として提供され得る。
非経口投与に適合させた医薬組成物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および組成物を、意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有してよい、水性および非水性無菌液、ならびに懸沈殿防止剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁剤が含まれる。組成物を、単位用量または多回用量容器、例えば、密封アンプルおよびバイアル中で提供してもよく、使用直前に、無菌液体担体、例えば注射水を添加するだけのフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してもよい。即時注射溶液および懸濁液は、無菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
皮下または筋肉内投与に適合された医薬組成物には、徐放性を提供するために、有効医薬成分を含有する微粒子を形成するためのポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)共重合体が含まれる。
本発明の化合物の治療上有効な量は、例えば、対象の齢および体重、治療を必要とする厳密な病態およびその重篤度、処方物の性質、ならびに投与経路を含む複数の因子によって決まり、最終的には担当の医師または獣医の裁量にある。本医薬組成物では、経口または非経口投与の各用量単位は、好ましくは、0.01〜3000mg、より好ましくは0.1〜2000mgの両イオン性親化合物として計算される本発明の化合物の化合物を含有する。
本発明の薬学上許容可能な化合物は、例えば、両性イオンとして計算される式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩1日当たり0.01mg〜3000mg、もしくは1日当たり0.5〜1000mgの経口もしくは非経口用量の1日用量(成人患者)で投与することができる。この量は、1日当たり単回用量で、またはより通常には、全1日用量は同じであるように1日当たり複数回(2回、3回、4回、5回もしくは6回)の部分用量で与えてよい。有効量のその塩は、有効量の式(I)の化合物自体の割合として決定することができる。
本発明の化合物は、単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用することができる。従って、本発明による併用療法は、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の投与、および少なくとも1種の他の薬学上活性な薬剤の使用を含んでなる。好ましくは、本発明による併用療法は、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩、および少なくとも1種の他の薬学上活性な薬剤の投与を含んでなる。本発明の1または複数の化合物および1または複数の他の薬学上活性な薬剤は、一緒に単一の医薬組成物で、または別個に投与することができ、別個に投与される場合には、これを同時にまたは任意の順序で逐次に行うことができる。本発明の1または複数の化合物および他の1または複数の薬学上活性な薬剤の量、ならびに投与の相対的なタイミングは、所望の併用治療効果が達成されるように選択される。
よって、さらなる態様では、本発明の化合物と少なくとも1種の他の薬学上活性な薬剤を含んでなる組合せが提供される。
従って、一態様において、本発明による化合物および医薬組成物は、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患の療法、抗線維性療法および閉塞性気道疾患の療法、糖尿病性眼疾患の療法、ならびに角膜瘢痕化、角膜損傷の療法および角膜創傷治癒を含む、1種以上の他の治療薬と組み合わせて使用し得るか、それを含み得る。
抗アレルギー療法としては、抗原免疫療法(例えば、ハチ毒液、花粉、牛乳、落花生、CpGモチーフ、コラーゲンの成分および断片、口腔または舌下抗原として投与され得る細胞外マトリックスの他の成分)、抗ヒスタミン薬(例えば、セチリジン、ロラチジン、アクリバスチン、フェキソフェナジン、クロルフェナミン)、およびコルチコステロイド(例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロン、フルニソリド、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン)が含まれる。
抗炎症療法としては、NSAID(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン)、ロイコトリエンモジュレーター(例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト)、および他の抗炎症療法(例えば、iNOS阻害剤、トリプターゼ阻害剤、IKK2阻害剤、p38阻害剤(ロスマピモド、ジルマピモド)、エラスターゼ阻害剤、β2アゴニスト、DP1アンタゴニスト、DP2アンタゴニスト、pI3Kδ阻害剤、ITK阻害剤、LP(リゾホスファチジン酸)阻害剤またはFLAP(5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質)阻害剤(例えば、ナトリウム3−(3−(tert−ブチルチオ)−1−(4−(6−エトキシピリジン−3−イル)ベンジル)−5−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)−1H−インドール−2−イル)−2,2−ジメチルプロパノエート);アデノシンa2aアゴニスト(例えば、アデノシンおよびリガデノソン)、ケモカインアンタゴニスト(例えば、CCR3アンタゴニストまたはCCR4アンタゴニスト)、メディエーター放出阻害剤が含まれる。
自己免疫疾患の療法としては、DMARDS(例えば、メトトレキサート、レフルノミド、アザチオプリン)、生物薬剤療法(例えば、抗IgE、抗TNF、抗インターロイキン(例えば、抗IL−1、抗IL−6、抗IL−12、抗IL−17、抗IL−18)、受容体療法(例えば、エタネルセプトおよび類似の薬剤);抗原非特異的免疫療法(例えば、インターフェロンまたは他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体モジュレーター、サイトカインアゴニストまたはアンタゴニスト、TLRアゴニストおよび類似の薬剤)が含まれる。
他の抗線維性療法としては、TGFβ合成の阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、血管内皮増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)および線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体キナーゼを標的とするチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、ニンテダニブ(BIBF−1120)およびメシル酸イマチニブ(グリベック))、エンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、アンブリセンタンまたはマシテンタン)、酸化防止剤(例えば、N−アセチルシステイン(NAC);広域抗生物質(例えば、コトリモキサゾール、テトラサイクリン(塩酸ミノサイクリン))、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤(例えば、シルデナフィル)、抗αvβx抗体および薬物(例えば、抗αvβ6モノクローナル抗体(例えば、WO2003100033A2に記載されているもの);インテツムマブ、シレンジチド)が併用可能である。
閉塞性気道疾患の療法としては、短期作用型β2−アゴニスト(例えば、サルブタモール)、長期作用型β2−アゴニスト(例えば、サルメテロール、フォルモテロールおよびビランテロール)、短期作用型ムスカリン性アンタゴニスト(例えば、臭化イプラトロピウム)、長期作用型ムスカリン性アンタゴニスト(例えば、チオトロピウム、ウメクリジニウム)などの気管支拡張薬が含まれる。
いくつかの実施形態において、治療はまた、本発明の化合物と他の既存の治療様式、例えば、糖尿病性眼疾患の治療のための既存の薬剤、例えば、抗VEGF療法、例えば、ルセンティス(登録商標)、アバスチン(登録商標)、およびアフリバーセプト、ならびにステロイド、例えば、トリアムシノロン、およびフルオシノロンアセトニド含有ステロイドインプラントの組合せも含み得る。
いくつかの実施形態において、治療はまた、本発明の化合物と他の既存の治療様式、例えば、角膜瘢痕化、角膜損傷の治療または角膜創傷治癒のための既存の薬剤、例えば、ゲンテル(Gentel)(登録商標)、ウシ血液抽出物、レボフロキサシン(登録商標)、およびオフロキサシン(登録商標)の組合せも含み得る。
本発明の化合物および組成物は、癌を治療するために単独で、または化学療法、放射線療法、標的薬剤、免疫療法および細胞もしくは遺伝子療法を含む癌療法と組み合わせて使用され得る。
適当であれば、治療成分の活性および/または安定性および/または溶解度などの物理的特徴を最適化するために、他の治療成分を、塩の形態で、例えば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩もしくは酸付加塩として、またはプロドラッグ、またはエステル、例えば低級アルキルエステル、または溶媒和物、例えば水和物として使用することができることは、当業者には明らかである。適当であれば、治療成分を、光学的に純粋な形態で使用することができることもまた明らかである。
上記で言及した組合せは、好都合には、医薬組成物の形態で使用するために提供することができ、従って、上記で定義されたような組合せを薬学上許容可能な希釈剤または担体とともに含んでなる医薬組成物は本発明のさらなる態様を表す。そのような組合せの個々の化合物を順次、または個別もしくは組み合わせた医薬組成物として同時に投与することができる。好ましくは、個々の化合物が、組み合わせた医薬組成物として同時に投与される。公知の治療薬の適切な用量は、当業者には容易に分かる。
本発明の化合物が、通常、吸入、静脈内、経口、鼻腔内、眼内局所、または他の経路よって投与される1種以上の他の治療上有効な薬剤と組み合わせて投与される場合には、結果としての医薬組成物も同じ経路によって投与され得ることが認識されるであろう。あるいは、本組成物の個々の成分は異なる経路によって投与されてもよい。
以下、本発明を単に例により示す。
略語
以下のリストは、本明細書で使用される特定の略語の定義を示す。このリストは排他的ではなく、本明細書の下記で定義されていない略語の意味は当業者には容易に分かることが認識されるであろう。
Ac(アセチル)
BCECF−AM(2’,7’−ビス−(2−カルボキシエチル)−5−(および−6)−カルボキシフルオレセインアセトキシメチルエステル)
BEH(エチレン架橋ハイブリッド技術)
Bu(ブチル)
CBZ(カルボキシベンジル)
CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート)
Chiralcel OD−H(5μmシリカゲル上のセルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)コーティング)
Chiralpak AD−H(5μmシリカゲル上のアミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)コーティング)
Chiralpak ID(5μmシリカゲル上に固定されたアミローストリス(3−クロロフェニルカルバメート))
Chiralpak AS(5μmシリカゲル上のアミローストリス((S)−α−メチルベンジルカルバメート)コーティング)
CDI(カルボニルジイミダゾール)
CSH(表面チャージハイブリッド技術)
CV(カラム体積)
DCM(ジクロロメタン)
DIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
DMSO(ジメチルスルホキシド)
DSC(示差操作比色法)
Et(エチル)
EtOH(エタノール)
EtOAc(酢酸エチル)
h(時間)
HCl(塩酸)
HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)
LCMS(液体クロマトグラフィー質量分析)
M(モル)
MDAP(質量分析自動分取HPLC)
MDCK(Madin−Darbyイヌ腎臓)
Me(メチル)
MeCN(アセトニトリル)
MeI(ヨウ化メチル)
MeOH(メタノール)
min(分)
MS(質量スペクトル)
PdCl2(dppf)−CH2Cl2 [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II),ジクロロメタンとの錯体
Ph(フェニル)
iPr(イソプロピル)
(R)−BINAP (R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン
[Rh(COD)Cl]2(クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)二量体)
SPE(固相抽出)
TBME(tert−ブチルメチルエーテル)
TEA(トリエチルアミン)
TFA(トリフルオロ酢酸)
TGA(熱重量分析)
TGA−IR(赤外線インターフェース熱重量分析装置)
THF(テトラヒドロフラン)
TLC(薄層クロマトグラフィー)
UPLC(超高速液体クロマトグラフィー)
XRPD(X線粉末回折)
ブラインという場合には総て、塩化ナトリウムの飽和水溶液を指す。
実験の詳細
分析的LCMS
分析的LCMSを、次のシステムAまたはB1つで行った。
総てのシステムに対するUV検出は、220nm〜350nmの波長の平均シグナルであり、質量スペクトルは、交互スキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を使用する質量分析計で記録した。
本明細書において言及するLCMSシステムA〜Cの実験の詳細は以下の通りである。
システムA
カラム: 50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18カラム
流速: 1mL/分
温度: 40℃
溶媒: A:アンモニア溶液でpH10に調整した水中10mM重炭酸アンモニウム
B:アセトニトリル
勾配: 時間(分) A% B%
0 99 1
1.5 3 97
1.9 3 97
2.0 99 1
システムB
カラム: 50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18カラム
流速: 1mL/分
温度: 40℃
溶媒: A:水中0.1%v/vギ酸溶液
B:アセトニトリル中0.1%v/vギ酸溶液
勾配: 時間(分) A% B%
0 97 3
1.5 0 100
1.9 0 100
2.0 97 3
システムC
カラム: 50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC CSH C18カラム
流速: 1mL/分
温度: 40℃
溶媒: A:アンモニア溶液でpH10に調整した水中10mM重炭酸アンモニウム
B:アセトニトリル
勾配: 時間(分) A% B%
0 97 3
1.5 5 95
1.9 5 95
2.0 97 3
中間体1:7−(ブロモメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(化合物(XV))
0℃、窒素下で、無水アセトニトリル(50mL)中、(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)メタノール(化合物(XIV)):US20040092538、第80頁[0844]参照)(820mg、4.99mmol)の懸濁液に、三臭化リン(0.565mL、5.99mmol)を滴下した。添加の際に濃橙色の沈澱が生じ、これは淡橙色となった。この反応混合物を0℃で1時間撹拌し、この時までに反応は完了していたた。この混合物を真空濃縮し、残渣を酢酸エチル(250mL)と飽和 NaHCO3水溶液(250mL)とで分液した。水相をさらに酢酸エチル(250mL)で抽出した。合わせた有機溶液を疎水性フリットに通した後、真空濃縮して標題化合物(1.05g、93%)を綿毛状のクリーム色の固体として得た:LCMS (システムC) RT=0.95分, ES+ve m/z 227, 229 (M+H)+。
中間体2:トリフェニル((5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)メチル)ホスホニウムブロミド(化合物(XVI))
アセトニトリル(98mL)中、7−(ブロモメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(化合物(XV)、製造については中間体1を参照)(1.00g、4.40mmol)の溶液をトリフェニルホスフィン(1.270g、4.84mmol)で処理し、溶液を室温、窒素下で一晩撹拌した。この混合物を真空濃縮して暗クリーム色の固体を得、次にこれをジエチルエーテルで摩砕し、標題化合物(2.139g、99%)を淡クリーム色の固体として得た:LCMS (システムC) RT= 1.23分, ES+ve m/z 409 (M+H)+。
中間体3:3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)ビニル)ピロリジン−1−カルボン酸(E,Z)ベンジル(化合物(VIII))
窒素下、DCM(3mL)およびDMSO(0.3mL)中、3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(+)−ベンジル(化合物(IX):Wuxi App Tecから入手可能)(260mg、1.03mmol)の撹拌溶液を、DIPEA(0.896mL、5.13mmol)で処理した。0〜5℃(氷浴)に冷却後、三酸化硫黄ピリジン(327mg、2.05mmol)をおよそ5分かけて少量ずつ加えてアルコール化合物(IX)を酸化し、対応するアルデヒド化合物(X)を得、これは単離しなかった。冷却浴を除去した後、撹拌を0.5時間続けた。同時に、窒素下、無水DCM(10mL)中、トリフェニル((5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)メチル)ホスホニウムブロミド(化合物(XVI)、製造については中間体2を参照)(553mg、1.13mmol)の溶液を、カリウムtert−ブトキシド(THF中1M)(1.232mL、1.232mmol)でおよそ5分かけて滴下処理し、橙色の溶液を得た。撹拌を10分間続けた後、このアルデヒド(式(X))溶液を一度にイリド溶液に加え、この混合物を周囲温度で22時間撹拌した。この反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)た後、真空蒸発させた。暗褐色の残渣を20gシリカSPEカートリッジでのクロマトグラフィーにより精製し、30分かけて0〜100%酢酸エチル−シクロヘキサンの勾配で溶出させ、標題化合物を2つの幾何異性体として得た:
異性体1:わら色のガム(123.4mg、31%);LCMS (システムA) RT=1.28分, 95%, ES+ve m/z 382 (M+H)+および
異性体2:わら色のガム(121.5mg、31%);LCMS (システムA) RT=1.22分, 91%, ES+ve m/z 382 (M+H)+
総収量=244.9mg、62.5%。
その後、中間体3の立体配置は(R)であることが示され、2つの幾何異性体は、3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)ビニル)ピロリジン−1−カルボン酸(R,E)−ベンジルおよび3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)ビニル)ピロリジン−1−カルボン酸(R,Z)−ベンジル塩である。
中間体4:3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(化合物(VII))
DMF(2mL)中、3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)ビニル)ピロリジン−1−カルボン酸(E/Z)ベンジル(化合物VIII、製造については中間体3を参照)(1:1、E:Z)(244mg、0.640mmol)の溶液をベンゼンスルホニルヒドラジド(Alfa Aesarから入手可能)(275mg、1.60mmol)および炭酸カリウム(354mg、2.56mmol)で処理した。この反応混合物を1時間130℃に加熱した後、冷却し、DCMと水とで分液した。有機相を水で洗浄し、疎水性フリットを通して乾燥させた。有機溶液を真空蒸発させ、残った橙色油状物を20分かけて0〜50%[(3:1 EtOAc:EtOH)−EtOAc]の勾配で溶出するシリカカートリッジ(20g)でのクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合わせ、真空蒸発させ、標題化合物(150mg、61%)を淡黄色ガムとして得た:LCMS (システムA) RT=1.24分, 90%, ES+ve m/z 384 (M+H)+。その後、中間体4の絶対立体配置は(S)であることが推論により示され、従って、この化合物は3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−ベンジルである。中間体3の(R)から中間体4の(S)への変化は、二重結合の除去時に優先する変化である。
中間体5:7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(化合物(V))
10%パラジウム炭素(0.50g)を含有するエタノール(70mL)中、3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(化合物(VII、製造については中間体4を参照)(4.67g、12.2mmol)の撹拌溶液を水素雰囲気下で7時間撹拌した。LCMSは不完全な脱保護を示し、さらに10%パラジウム炭素(0.25g)を追加し、この混合物を水素雰囲気下で一晩撹拌した。この反応混合物は暗灰色の懸濁液として存在したので、この混合物が黒色となるまでDCMを加え、この材料を溶解させた。触媒をセライトパッドで濾去し、濾液および洗液を真空蒸発させた。残渣をDCMから蒸発させ、標題化合物を橙色油状物として得た(3.28g):LCMS (システムA) RT=0.79分, 90%, ES+ve m/z 250 (M+H)+。その後、中間体5の立体配置は(S)であることが推論により確定され、化合物の名称は、(S)−7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンである。
中間体6[7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(化合物(V))メタンスルホン酸塩
化合物(V)のこの塩は、上記の化合物(V)の精製方法と同様に製造および結晶化され得る。
2−ブタノール(5mL)を7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(化合物(V)、製造については中間体5を参照)(1.0g、4.0mmol)に加え、この混合物を完全な溶解が達成されるまで加熱した。この温溶液にメタンスルホン酸(0.260mL、4.01mmol)を加え、混合物を撹拌しながら80℃に加熱した。次に、溶液を周囲温度まで冷却した。沈澱形成はすぐには明らかでなかったので、この溶液をさらに冷蔵庫(およそ4℃)で冷却した。3日後、相当量の固体が見られた。この固体を濾過により単離し、冷2−ブタノールで洗浄し、真空でさらに乾燥させ、標題化合物(600mg、43%)を淡黄色固体として得た:LCMS (システムA) RT=0.80分, 100%, ES+ve m/z 250 (M+H)+;分析的キラルHPLC 40%EtOH−ヘプタン(0.2%イソプロピルアミン含有)で溶出し、流速1mL/分、235nmで検出するChiralpak ADカラム(250mm×4.6mm)でRT=8.41分、99.6%およびRT=12.03分、0.4%、。その後、中間体6の立体配置は(S)として推論により確定され、化合物の名称は、(S)−7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンメタンスルホン酸塩である。
中間体7:4−アセトキシブト−2−エン酸(E)−メチル(化合物(VI))
MeCN(30mL)中、酢酸ナトリウム(3.5g、42mmol)の懸濁液を4−ブロモクロトン酸メチル(Aldrichから入手可能)(3.33mL、5g、28mmol)で処理し、この混合物を3日間50℃に加熱した。この混合物をエーテルで希釈した後、濾過した。この固体をエーテルで洗浄し、合わせた濾液および洗液をを減圧下で蒸発させた。蒸発後、残渣をエーテルと水とで分液した。有機相を重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させ、淡橙色油状物を得た。NMRは生成物と出発材料の混合物を示したので、この残留油状物に酢酸ナトリウム(3.44g、42mmol)、次いで、MeCN(10mL)を加え、この混合物を週末にかけて70℃に加熱した。この混合物を減圧下濃縮し、残渣をエーテルと水とで分液した。有機溶液を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過した。濾液を減圧下で蒸発させ、標題化合物(3.55g、80%)を橙色油状物として得た:NMR δ (CDCl3) 6.92 (1H, dt, J 16, 5 Hz), 6.01 (1H, dt, J 16, 2 Hz), 4.72 (2H, dd, J 5, 2 Hz), 3.73 (3H, s), 2.10 (3H, s)。
中間体8:4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)ブト−2−エン酸(E)−メチル(化合物(III)
DCM(2mL)中、4−アセトキシブト−2−エン酸(E)−メチル(化合物(VI)、製造については中間体7を参照)(127mg、0.802mmol)、7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(化合物(V)、製造については中間体5を参照)(200mg、0.802mmol)およびPdCl2(dppf)−CH2Cl2付加物(65.7mg、0.080mmol)の混合物を周囲温度で2時間撹拌した。LCMSは50%前後の変換率を示し、DIPEA(0.279mL、1.60mmol)を加え、この溶液を室温で2時間撹拌した。LCMSは、生成物へのほとんど完全な変換を示した。この材料をそのままカラムにロードし、20分かけてシクロヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出するクロマトグラフィー(20gアミノプロピルカートリッジ)により精製した。適当な画分を合わせ、蒸発させ、標題化合物(101.4mg、収率36%)を得た:LCMS (システムC) RT=1.08分, 95%, ES+ve m/z 348 (M+H)+。中間体8の立体配置は(S)として、名称は4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)ブト−3−エン酸(S,E)−メチルとして、推論により確定された。
中間体9:4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸メチル 異性体Aおよび異性体B)
4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)ブト−2−エン酸(E)−メチル(化合物(III)、製造については中間体8を参照)(145mg、0.334mmol)、(R)−BINAP(31mg、0.05mmol)、[Rh(COD)Cl]2(10mg、0.020mmol)、(3−モルホリノフェニル)ボロン酸(例えば、CombiBlocks、Manchester OrganicsまたはFluorochemから入手可能)(259mg、1.251mmol)および3.8M KOH(0.22mL、0.836mmol)をマイクロ波バイアル内で、1,4−ジオキサン(2mL)に溶かし、この溶液をマイクロ波オーブン(100分、95℃)にて加熱した。この反応混合物をセライトで濾過し、EtOAc(10mL)で洗浄し、濃縮した。この反応混合物をMeOH(300μL)に懸濁させ、逆相クロマトグラフィー(C18、40g、10mM重炭酸アンモニウム中5〜95%MeCN(0.1%アンモニアを含有)、20CV)により精製した。適当な画分を合わせ、蒸発させ、標題化合物(II)(99mg、58%)のジアステレオマー混合物をガムとして得た。
この混合物をEtOH(2mL)およびヘプタン(1mL)に溶かし、ジアステレオ異性体を30%EtOH(0.2%イソプロピルアミン含有)−70%ヘプタン(流速=30mL/分、215nmで検出)で溶出するChiralcel OD−Hカラム(3cm×25cm)でのキラルHPLCにより分離し、化合物(II)の2つのジアステレオ異性体を得た。
異性体A(17mg、10%):分析的キラルHPLC Chralcel OD−Hカラム(4.6mm id×25cm)(30%EtOH(0.2%イソプロピルアミン含有)−ヘプタンで溶出、流速=1.0mL/分、215nmで検出)でRT=8.0分、>99.5%;LCMS (システムA) RT=1.21分, 99%, ES+ve m/z 511 (M+H)+; 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.17 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.88-6.84 (m, 1H), 6.76 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 3.87-3.81 (m, 4H), 3.58 (s, 3H), 3.42-3.36 (m, 2H), 3.17 - 3.10 (m, 4H), 2.90-2.49 (m, 12H), 2.11-1.84 (m, 6H), 1.38-1.28 (m, 2H)。
異性体B(77mg、45 %):分析的キラルHPLC Chiralcel OD−Hカラム(4.6mm id×25cm)(30%EtOH(0.2%イソプロピルアミン含有)−ヘプタン、流速=1.0mL/分、215nmで検出)でRT=17.2分、>99.5%;1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.18 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.13-7.07 (m, 1H), 6.89-6.77 (m, 2H), 6.74 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 3.87-3.75 (m, 4H), 3.57 (s, 3H), 3.40-3.34 (m, 2H), 3.28-3.20 (m, 1H), 3.16-3.07 (m, 4H), 2.91-2.74 (m, 4H), 2.74-2.44 (m, 9H), 2.07-1.91 (m, 3H), 1.91-1.80 (m, 2H)。
中間体9の2つの異性体の絶対立体配置がその後、主異性体(異性体B)4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(S)−メチルおよび副異性体(異性体A)4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(R)−メチルに関して推論により確定された。
中間体10:3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)ビニル)ピロリジン−1−カルボン酸(S,E,Z)−ベンジル(化合物(XXIII))
ジクロロメタン(60mL)およびDMSO(5.86mL、83mmol)中、3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−(−)−ベンジル[(−)−化合物(IX)](Wuxi App Tecから入手可能)(4.18g、16.50mmol)の撹拌溶液を、窒素下、DIPEA(14.41mL、83mmol)で処理した。氷浴中で0〜5℃に冷却した後、三酸化硫黄ピリジン(5.40g、33.9mmol)をおよそ5分かけて少量ずつ加えた。溶液は淡黄色に変わり、撹拌をおよそ0.5時間続けると黄色溶液となった。この溶液を希HCl(50mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。次に、トリフェニル((5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)メチル)ホスホニウムブロミド(化合物XVI、製造については中間体2を参照)(8.06g、16.47mmol)および少量のDCM(およそ5mL)を加え、その後、シクロヘキサン(3.81mL)を加えて淡橙色溶液を得た。この溶液にカリウムtert−ブトキシド(19.80mL、19.80mmol)を滴下したところ、クリーム色の懸濁液となった。1時間後、この反応混合物DCM(200mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、その後、真空蒸発させた。暗橙色油状物を一晩固化させ、ジエチルエーテル(およそ30mL)で摩砕した後、濾過し、クリーム色の固体と黄色濾液を得た。濾液を真空蒸発させて橙色油状物を得、これを330g順相シリカカートリッジに適用し、シクロヘキサン/酢酸エチル勾配(50分で0〜100%酢酸エチル)で溶出させた。適当な画分を真空蒸発させ、標題化合物(3.953g、63%)をわら色のガムとして得た:LCMS (システムC) RT=1.28分, 50% and 1.34分, 46% ES+ve m/z 382 (M+H)+。
中間体11:3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−ベンジル
DMF(40mL)中、3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)ビニル)ピロリジン−1−カルボン酸(S,EおよびZ)−ベンジル(化合物XXIII、製造については中間体10を参照)(3.814g、10.00mmol)の撹拌溶液を窒素下、炭酸カリウム(5.53g、40.0mmol)、次いで、ベンゼンスルホノヒドラジド(4.38g、25.4mmol)で処理し、黄色の液体を得た。この混合物を1時間100℃に加熱した後、周囲温度まで冷却し、セライトで濾過した。濾液を真空蒸発させ、クリーム色のスラリーを得た。これを水(100mL)と酢酸エチル(100mL)とで分液し、有機層を水(4×100mL)でさらに洗浄し、乾燥させた(MgSO4)後、真空蒸発させ、黄色油状物(3.261g)を得た。これを週末にかけて高真空ライン上に置いた(2.982g)。この油状物を最少量のDMSO(およそ3mL)に溶かし、120g逆相カートリッジに適用し、10mM重炭酸アンモニウム水溶液中、10〜100%(0.1%NH3を含有するアセトニトリル)の勾配で12CVにわたって溶出させた。画分6〜9を部分的に真空蒸発させてアセトニトリルを除去した。残った溶液を水(40mL)およびDCM(60mL)で希釈した後、分離した。水層をDCM(3×30mL)でさらに抽出し、有機抽出液を合わせ、乾燥させた(MgSO4)後、真空蒸発させて標題化合物(2.145g、56%)を淡黄色油状物として得た。LCMS (システムC): RT=1.25分, ES+ve m/z 384 (M+H)+。
中間体12:(R)−7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン
エタノール(50mL)中、3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−ベンジル(製造については中間体11を参照)(2.334g、6.09mmol)の溶液を10%パラジウム炭素(250mg、0.235mmol)に加え、この混合物を水素雰囲気下で3時間撹拌し、この時点でさらなるパラジウム炭素(107.2mg)を追加した。この反応物を一晩撹拌した。DCM(およそ30mL)を加え、混合物を窒素下、セライトで濾過した。濾液を真空蒸発させ、標題化合物(1.575g)を黄色油状物として得た:LCMS (システムC) RT=0.83分, ES+ve m/z 250 (M+H)+。
中間体13:4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)ブト−2−エン酸(R,E)−メチル
4−アセトキシブト−2−エン酸(E)−メチル(0.951g、6.01mmol)(化合物(IV)、製造については中間体7を参照)、(R)−7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(製造については中間体12を参照)(1.520g、6.10mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加物(0.242g、0.331mmol)および酢酸カリウム(2.083g、21.22mmol)をDCM(25mL)に溶かし、この反応混合物を窒素下で20時間撹拌し、橙色の液体(2.188g)を得た。この反応混合物をDCM(50mL)と水(50mL)とで分液し、もう一度DCM(50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をDCMに溶かし、20分で0〜100%酢酸エチル−シクロヘキサンの勾配を用いるアミノプロピルカートリッジ(50g)で精製した。適当な画分を合わせ、真空蒸発させ、標題化合物(1.59g、75%)を黄色油状物として得た。LCMS (システムC): RT=1.07分, ES+ve m/z 348 (M+H)+。
中間体14 (R)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸メチルおよび(S)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸メチル
4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)ブト−2−エン酸(R,E)−メチル(製造については中間体13を参照)(429mg、0.988mmol)、[Rh(COD)Cl]2(29.7mg、0.060mmol)、(3−モルホリノフェニル)ボロン酸(716mg、3.46mmol)および3.8M KOH(0.647mL、2.46mmol)を1,4−ジオキサン(2mL)に溶かし、この溶液をマイクロ波反応器(高出力、100分、95℃)内で加熱した。この反応混合物をセライトで濾過し、EtOAc(10mL)で洗浄し、濃縮した。この反応混合物をMeOH(300μL)に懸濁させ、10mM重炭酸アンモニウム水溶液中30〜85%MeCN(0.1%アンモニア含有)の勾配、30CVで溶出する逆相クロマトグラフィー(C18、40g)により精製した。適当な画分を合わせ、蒸発させ、生成物をジアステレオ異性体の混合物として得た(214mg、収率42%)。この混合物をヘプタン中30%EtOH(0.2%イソプロピルアミン含有)で溶出するChiralcel OD−Hカラム(30mm×25cm)、流速=30mL/分、215nmでの検出による分取キラルHPLCにより分離し、標題化合物の2つのジアステレオ異性体を得た。
異性体1 メチル(R)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(29mg、6%)LCMS (システムB) RT=0.54分, ES+ve m/z 511 (M+H)+;分析的キラルHPLC 0.2%イソプロピルアミン含有30%EtOH−ヘプタン、流速1mL/分で溶出するOD−Hカラム(4.6 mm×25cm)でRT=7.5分、>99.5%。
異性体2 メチル(S)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(138mg、27%): LCMS (システムB) RT=0.57分, ES+ve m/z 511 (M+H)+;分析的キラルHPLC 30% 0.2%イソプロピルアミン含有EtOH−ヘプタン、流速1mL/分で溶出するCiralcel OD−Hカラム(4.6mm×25cm)でRT=13.9分、>99.5%。
中間体15.4−(4−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)モルホリン
4−(4−フルオロフェニル)モルホリン(Roiban, G-D. Eur. J. Org. Chem. 2014, 2070-2076)(85g、469mmol)をシクロヘキサン(1.2L)に溶かし、フラスコを30分間アルゴンでパージした。得られた溶液に、アルゴン下で[Ir(COD)OMe]2(31.1g、46.9mmol)、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジン(25.2g、94mmol)および4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(60.0g、469mmol)を加え、70℃で18時間撹拌した。この反応をTLC(ヘキサン中10%EtOAc Rf=0.2、UVで検出)によりモニタリングした。この反応混合物に酢酸エチル(500mL)およびブライン(200mL)を加え、有機相を分離した。水相を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機相を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残った液体(80g)を、3%EtOAc−ヘキサンで溶出するシリカゲル(100〜200メッシュ)カラムにロードした。適当な画分を合わせ、真空蒸発させた。残渣(60g)をペンタン(100mL)で摩砕して55gの生成物を得、これをさらに冷ペンタンで摩砕し、標題化合物(50.3g、35%)を白色固体として得た:LCMS ES+ve m/z 308 (M+H)+。
中間体16. 4−(S)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸(S)メチル
フラスコに、1,4−ジオキサン(3mL)中、(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ボロン酸(製造については中間体15を参照)(216mg、0.958mmol)、4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)ブト−2−エン酸(S,E)−メチル(製造については中間体8を参照)(111mg、0.319mmol)およびKOH(水溶液)(0.252mL、0.958mmol)を装填した。この溶液を、窒素を用いて脱気した。[Rh(COD)Cl]2(7.88mg、0.016mmol)および(R)−BINAP(23.87mg、0.038mmol)を1,4−ジオキサン(3mL)に溶かし、溶液を脱気した。これら2つの溶液を混合し、脱気し、窒素下、90℃で1時間加熱した。LCMSは、生成物への変換は最小で、多くの両出発材料が残存していたことを示した。この溶液に[Rh(COD)Cl]2(7.88mg、0.016mmol)および(R)−BINAP(23.87mg、0.038mmol)を加え、溶液を2時間50℃に加熱した。LCMSは、生成物へのさらなる変換を示したが、変換率はなお20%前後に過ぎなかった。さらなる量の(R)−BINAP(23.87mg、0.038mmol)、[Rh(COD)Cl]2(7.88mg、0.016mmol)、(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ボロン酸(216mg、0.958mmol)およびKOH(水溶液)(0.252mL、0.958mmol)を加えた。この溶液を50℃で2時間加熱した。LCMSは、必要とする生成物へのさらなる変換を示したので、反応を停止した。この反応混合物をセライト(10g)に通し、3CVのMeOHで洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を40〜85%アセトニトリル−10mM重炭酸アンモニウム水溶液で溶出するBiotage SNAPカートリッジ(30g)での逆相クロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を回収し、真空下で蒸発させ、標題化合物(116.9mg、69%)を得た。LCMS (システムA) RT=1.23分, 94%, ES+ve m/z 529 (M+H)+; 分析的キラルHPLC OD−H(250mm×4.6mm)クロマトグラフィーカラムでの20% EtOH(0.2%イソプロピルアミン含有)−ヘプタンによる溶出、流速1mL/分、215nmでの検出でRT=9.5分、>95%。
実施例の製造
実施例1:(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸
4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(S)−メチル(製造については中間体9を参照、異性体B)(77mg、0.15mmol)をMeOH(1mL)に溶かした。この反応混合物にLiOH(aq)(1M、0.452mL)を加えた。この反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。この反応混合物にHCl(aq)(2 M、0.226mL)を加えた後、それをMeOH(2CV)、次いで、MeOH中2M NH3(2CV)で溶出するプレコンディショニングSCXカラムにロードした。アンモニア画分を合わせ、蒸発させた。残渣を逆相クロマトグラフィー(C18、10mM重炭酸アンモニウム中5〜95%MeCN(0.1%アンモニアを含有)、15CV)を用いて精製した。適当な画分を回収し、蒸発させ、標題化合物をガムとして得た(61mg、収率81%):分析的キラルHPLC 50%EtOH−ヘプタンで溶出するChiralpak AS−Hカラム(4.6mm id×25cm)、流速=1.0mL/分、215nmでの検出でRT=7.06分、>99.5%;LCMS (システムA) RT=0.76分, 98%, ES+ve m/z 497 (M+H)+; 1H NMR (CD3OD, 600 MHz) 7.27-7.20 (m, 2H), 6.89 (s, 1H), 6.86 (dd, J=8.3, 2.0 Hz, 1H), 6.78 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.45 (d, J=7.3 Hz, 1H), 3.88-3.80 (m, 4H), 3.49-3.28 (m, 6H), 3.25-3.18 (m, 2H), 3.17-3.13 (m, 4H), 3.03 (d, J=8.1 Hz, 1H), 2.82 (dd, J=16.1, 8.8 Hz, 1H), 2.77-2.68 (m, 4H), 2.67-2.56 (m, 1H), 2.25 (d, J=3.3 Hz, 1H), 2.20-2.09 (m, 3H), 1.90 (quin, J=6.0 Hz, 2H)。
実施例1の不斉中心の絶対立体配置を決定したところ、この化合物は構造式(IA2)(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸であることが判明した。
実施例2:(S)−4−(R)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸
メタノール(1mL)中、(S)−4−(R)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸メチル(製造については中間体14を参照 異性体2)(138mg、0.270mmol)の溶液をLiOH水溶液(1M、0.811mL)で処理し、この反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。次に、この反応混合物に2M HCl(0.405mL、0.811mmol)を加え、プレコンディショニングSCXカートリッジに適用した。次に、このカートリッジをMeOH(2CV)、次いで、メタノール中2Mアンモニア(2CV)で洗浄した。アンモニア画分を合わせ、蒸発させ、残渣を、10mMアンモニウム重炭酸水溶液中、5〜95%MeCN(0.1%アンモニア含有)(15CV)で溶出する逆相クロマトグラフィー(C18カートリッジを用いて精製した。適当な画分を蒸発させ、標題化合物(121mg、90%)をガムとして得た。このガムをジエチルエーテル(2mL)に溶かした後、シクロヘキサン(約5mL)を滴下した。固体が現れ、この懸濁液を減圧下で蒸発させて標題化合物を得た:LCMS (システムA) RT=0.77分, ES+ve m/z 497 (M+H)+; 1H NMR (DMSO-d6, 600 MHz) 7.12 (t, J=7.5 Hz, 1H), 7.02 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.82-6.81 (m, 1H), 6.76-6.73 (m, 1H), 6.69-6.67 (m, 1H), 6.28 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.26-6.24 (m, 1H), 3.74-3.69 (m, 4H), 3.25-3.21 (m, 2H), 3.15-3.09 (m, 1H), 3.09-3.05 (m, 4H), 2.87-2.65 (m, 4H), 2.64-2.56 (m, 3H), 2.56-2.45 (m, 4H+ (溶媒により不明瞭)), 2.40 (dd, J=16, 8.5 Hz, 1H), 2.04-1.81 (m, 4H), 1.74 (quin, J=6.0 Hz, 2H)。
実施例2の不斉中心の絶対立体配置を決定したところ、この化合物は構造式(IA3)(S)−4−(R)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸であることが判明した。
実施例3:(S)−4−(S)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸マレイン酸塩
MeCN(0.2mL)を(S)−4−(S)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(製造については実施例1を参照)(19.8mg)に加え、次いで、マレイン酸(水中3M溶液、0.0133mL)を加えた。この溶液の温度を48時間40℃と5℃の間で循環させ、各サイクル間を1時間保持した。結晶性固体を、0.45μmフィルターを取り付けた遠心フィルターチューブを用いて単離し、結晶性マレイン酸塩を得た。
MeCN(3.5mL)を(S)−4−(S)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(製造については実施例1を参照)(349.6mg、0.70mmol)に加えた。この油性溶液に、マレイン酸(水中3Mの溶液、1.0当量)を加え、これは橙色溶液となった。結晶のシード(製造については上記を参照)を加えた。この溶液を40℃で1時間撹拌し、1時間5℃に冷却し、室温で一晩撹拌した。結晶性マレイン酸塩を真空濾過により単離し、15分間風乾した。結晶性マレイン酸塩の収量は(269.6mg、62%)であった:mp 184.5℃(融解開始、DSC)。
別の製法:(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(製造については実施例1を参照)(1.146g、2.308mmol)にアセトニトリル(11.5mL)を加えた。この撹拌油性溶液に水中3.0Mマレイン酸(0.769mL、2.308mmol)を加えると淡橙色溶液となった。この溶液を40℃に加熱し、結晶性マレイン酸塩のシード(製造については上記を参照)を加えた。この混合物を40℃で1時間加熱し、現れた白色固体は1時間かけて淡桃色となった。この混合物を氷/水浴中で1時間冷却した。この懸濁液を室温で18時間撹拌した後、固体を濾取し、でアセトニトリル(2mL)洗浄し、真空乾燥させ、標題化合物(751mg、53%)を淡桃色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6, 600MHz) 7.27 (1H, d, CH), 7.17 (1H, t, CH), 6.92 (1H, br.s, NH), 6.89 (1H, t, CH), 6.80 (1H, dd, CH), 6.75 (1H, br.d, CH), 6.44 (1H, d, CH), 6.04 (2H, s, CH [マレイン酸塩]), 3.73 (4H, br.t, 2xCH2), 3.31 (2H, t, CH2), 3.29-3.20 (2H, CH+1/2 CH2), 3.17-3.07 (7H, br.t + m, 2xCH2 +3X1/2 CH2), 3.04 (1H, br.m, 1/2 CH2), 2.98 (1H, br.m, 1/2 CH2), 2.75 (1H, dd, 1/2 CH2), 2.68-2.59 (4H, m, 2xCH2), 2.49 (1H, dd, 1/2 CH2), 2.17-1.98 (4H, m, 2xCH2), 1.78 (2H, m, CH2)。
実施例4:(S)−4−(S)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸フマル酸塩
MeCN(0.2mL)を(S)−4−(S)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(製造については実施例1を参照)(19.7mg)に加え、次いで、フマル酸(EtOH中0.2M溶液、198.3μL)を加えた。この溶液の温度を48時間40℃と5℃の間で循環させ、各サイクル間を1時間保持した。溶媒を減圧下で蒸発させ、MeCN(0.2mL)を加えた。この生成物の温度を一晩(約16時間)40℃と5℃の間で循環させ、各サイクル間を1時間保持したところ、ガムとなった。マレイン酸塩のシード(製造については実施例3を参照)をこのガムに加え、懸濁液を室温で一晩撹拌したところ、ガムと結晶性固体の混合物が得られた。
EtOH(0.5mL)を(S)−4−(S)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(製造については実施例1を参照)(344.2mg、0.69mmol)を加えた。この油性溶液に、フマル酸(EtOH中0.2M溶液、1.0当量)をフマル酸塩のシード(製造については上記を参照)とともに加え、灰白色沈澱を得た。この懸濁液を40℃で1時間撹拌し、1時間5℃まで冷却し、室温で一晩撹拌した。結晶性フマル酸塩を真空濾過により単離し、15分間風乾した。結晶性フマル酸塩の収量は(345.9mg、81%)であった:mp171.℃(融解開始、DSC)。
別の製法:
(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(製造については実施例1を参照)(1.24g、2.50mmol)にEtOH(1.8mL)を加えた。この撹拌油性溶液にEtOH中0.2Mフマル酸(12.48mL、2.5mmol)および結晶性フマル酸塩(製造については上記を参照)を加え、橙色溶液およびガムを得た。これを1時間40℃に加熱した。白色固体が1時間かけて沈殿した。この懸濁液を氷/水浴で冷却し、1時間撹拌した。次に、この懸濁液を室温で18時間撹拌した。固体を濾取し、エタノールで洗浄した(2mL)。固体を真空乾燥させ、標題化合物(1.34g、88%)を白色固体として得た:1H NMR (DMSO-d6, 600MHz) 7.13 (1H, t, CH), 7.08 (1H, d, CH), 6.82 (1H, t, CH), 6.78 (1H, br.s, NH), 6.75ppm (1H, dd, CH), 6.69 (1H, br.d, CH), 6.61 (2H, s, CH [フマル酸塩]), 6.31 (1H, d, CH), 3.72 (4H, br.t, 2xCH2), 3.25 (2H, br.t, CH2), 3.13 (1H, m, CH), 3.08 (4H, br.t, 2xCH2), 2.85-2.69 (5H, m, CH2+3x 1/2 CH2), 2.61 (2H, t, CH2), 2.58-2.48 (4H, m, CH2+2x1/2CH2), 2.41 (1H, dd, CH), 2.03-1.85 (4H, m, 2xCH2), 1.75 (2H, m, CH2)。
実施例5.(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸
THF中、4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸(S)メチル(製造については中間体16を参照)(116.9mg、0.221mmol)の溶液をLiOH水溶液(1M、1.1mL、1.1mmol)で処理した。この溶液を25℃で5時間撹拌した。LCMSは、生成物への完全な変換を示した。この溶液に2M HCl(0.663mL、1.327mmol)を加えた後、この溶液をMeOH(3CV)中3CV 2M NH3で溶出するプレコンディショニングSCXカラム(10g)にロードした。適当な画分を回収し、減圧下で蒸発させ、標題化合物(114.3mg、100%)を桃色固体として得た:LCMS (システムA) RT=0.77分, 98%, ES+ve m/z 515 (M+H)+; NMR (D2O, 400MHz) 7.37 (d, J=7 Hz, 1H), 7.06 (t, J=9 Hz, 1H), 6.99-6.92 (m, 2H), 6.49 (d, J=7 Hz, 1H), 3.88-3.80 (m, 4H), 3.67-3.39 (m), 3.36-3.20 (m), 3.10-3.03 (m, 4H), 2.76-2.62 (m, 5H), 2.51 (dd, J=15, 7 Hz, 1H), 2.38-2.07 (m, 4H), 1.85-1.77 (m, 2H)。
実施例6.(S)−4−(S)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸クエン酸塩水和物
MeCN(0.2mL)を(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(製造については実施例1を参照)(20.4mg)に加え、次いで、クエン酸(THF中1M溶液、41.1μL)を加え、ガムを得た。このガム残渣の温度を48時間40℃と5℃の間で循環させ、各サイクル間を1時間保持した。溶媒を減圧下で蒸発させ、MeCN(0.2mL)を加えた。得られた生成物の温度を一晩(約16時間)40℃と5℃の間で循環させ、各サイクル間を1時間保持し、結晶性クエン酸塩を得た。
MeCN(6.0mL)を(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(製造については実施例1を参照)(349.5mg)のサンプルに加えた。この油性溶液に、クエン酸(THF中1M溶液、0.704mL)を5アリコートで加え、ガム状の材料を得た。結晶性クエン酸塩のシード(製造については上記を参照)を加えた。このガム状の懸濁液を40℃で1時間撹拌し、1時間5℃まで冷却し、室温で一晩撹拌した後、この懸濁液の温度を2日間40℃と5℃の間で循環させた。結晶性クエン酸塩を真空濾過により単離し、15分間風乾した。結晶性クエン酸塩の収量は(315.9mg、65%)であった:mp121.4℃(DSCによる融解開始)。TGAデータは、25℃と135℃の間で約2.7重量%の損失を示した。発生ガスのTGA−IR分析は水の存在を明らかにし、このクエン酸塩が水和物であったことを示す(1当量の水の理論的重量%は2.6%である)。
結晶性メシル酸塩および二コハク酸塩は、それぞれアセトン−トルエンおよびアセトニトリルから同様に製造され、これらもまた水和したことが判明した。
実施例7.(R)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸
マイクロ波バイアル(0.5〜2ml)に、0℃で、4−ブロモブト−2−エン酸(E)−メチル(製造については中間体7を参照)(113mg、0.634mmol)、(S)−7−(2−(3−フルオロピロリジン−3−イル)エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(製造については中間体5を参照)(166.4mg、0.667mmol)、DIPEA(0.233mL、1.33mmol)およびジクロロメタン(1mL)を加えた。この溶液を0℃で3時間撹拌した。LCMSは、アルキル化中間体への妥当な変換を示した。次に、この溶液を窒素下で蒸発させた。マイクロ波バイアルに3.8M KOH(水溶液)(0.351mL、1.335mmol、[Rh(COD)Cl]2(15mg、0.030mmol)、(3−モルホリノフェニル)ボロン酸(276mg、1.335mmol)およびR−BINAP(50mg、0.080mmol)を加え、このバイアルをマイクロ波内に置いた(5時間、50℃、高出力)。LCMSはいくらかの変換と、出発材料とボロン酸の両方がなお存在していたことを示した。このバイアルを再びマイクロ波内に置いた(1時間、70℃)。LCMSは、エステルへのさらなる変換およびボロン酸の完全なプロトデボリレーション(protodeborylation)を示した。このバイアルにR−BINAP(50mg、0.080mmol)、[Rh(COD)Cl]2(15mg、0.030mmol)、(3−モルホリノフェニル)ボロン酸(276mg、1.335mmol)および3.8M KOH(水溶液)(0.351mL、1.33mmol)を加え、バイアルをマイクロ波内に置いた(1時間、85℃)。LCMSは、いくらかの変換を示したが、収量を高めるためにさらなるR−BINAP(50mg、0.080mmol)、[Rh(COD)Cl]2(15mg、0.030mmol)、(3−モルホリノフェニル)ボロン酸(276mg、1.335mmol)および3.8M KOH(水溶液)(0.351mL、1.33mmol)を加え、このバイアルを再びマイクロ波内に置いた(1時間、100℃)。LCMSは、十分な変換を示し、この混合物をセライト(10g、20mL MeOH)に通し、濾液を真空下で蒸発させた。このサンプルをMeOH:DMSO(1:1)中でロードし、10CVにわたって10mM重炭酸アンモニウム中50〜95%MeCN(0.1%アンモニア含有)勾配を用いる逆相(C18)カラム(30g)で精製した。適当な画分を合わせ、真空蒸発させ、必要な中間体を得た。丸底フラスコに3.8M KOH(3.34mL、12.69mmol)を加え、この溶液をテトラヒドロフラン(2mL)に懸濁させた(一晩25℃で撹拌した)。LCMSは、カルボン酸塩への最小の変換を示した。1M LiOH(水溶液)(3.34mL、3.34mmol)を加え、この反応物を25℃で撹拌した。この反応混合物に2M HCl(水溶液)(8.34mL、16.68mmol)を加えた後、それを予め湿らせたSCXカラム(10g、1CV MeOH、次いで、1CV MeCNで予め湿らせた)にロードし、その後、2CV MeCN、次いで、2CV MeOH中NH3で洗浄した。適当な画分を減圧下で蒸発させた。このサンプルを10:10:1 MeOH:DMSO:H2O(2.4mL)に溶かし、MDAP(周囲温度で、アセトニトリル−アンモニア溶液でpH10に調整した10mM重炭酸アンモニウム(ammonium bicarbondate)の勾配で溶出するXBridge C18カラム(一般に100mm×30mm i.d.充填径5μm)で実施)により精製した。溶媒を窒素流下で蒸発させ、必要な生成物をジアステレオ異性体の混合物として得た。この混合物を15mL/分の流速にてヘプタン中50%EtOHで溶出し、215nmで検出するDaicel Chiralpak ASカラム(20mm×250mm)での分取キラルHPLCにより分離した。副次的な、後に溶出する異性体を含有する画分から溶媒を蒸発させ、標題化合物(7mg、2%)を得た。分析的キラルHPLC ヘプタン中50%EtOHで溶出し、流速=1.0mL/分、215nmで検出するDaicel Chiralpak ASカラム(4.6mm×25cm)でRT=8.15分;LCMS (システムC) RT=0.76分, 98.9%, ES+ve m/z 497 (M+H)+。
実施例8.(R)−4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸
4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)ブト−2−エン酸(R,E)−メチル(製造については中間体13を参照)(110mg、0.253mmol)を窒素下で1,4−ジオキサン(2mL)に溶かした。次に、この反応混合物に(3−モルホリノフェニル)ボロン酸(157mg、0.760mmol)を加えた。[Rh(COD)Cl]2(13.4mg、0.027mmol)を1,4−ジオキサン(1mL)に溶かし、窒素を2分間バブリングさせた。この暗赤色溶液をメイン反応フラスコに加えた。3.8M KOH(水溶液)(0.2mL、0.76mmol)を加えた後、この反応混合物を1時間50℃に加熱した。LCMSは、生成物へのいくらかの変換を示した。この反応混合物を50℃で1時間撹拌した。LCMSは、生成物へのさらなる変換を示さなかった。この反応混合物を冷却し、セライトで濾過した。カラムをEtOH(10mL)で洗浄した。溶液を減圧下で蒸発させた後、1M LiOH(水溶液)(1mL、1mmol)および1,4−ジオキサン(1mL)に懸濁させた。この反応混合物を一晩撹拌した。LCMSは、生成物への変換を示した。この反応混合物を2M HCl(水溶液)(0.5mL)で酸性化した。粗混合物をSCXカートリッジにロードし、MeOH中2M NH3で溶出した。アンモニア画分を蒸発させ、粗混合物をMeOH(1mL)に懸濁させた。この材料を10mM重炭酸アンモニウム中、5〜70%MeCN(0.1%アンモニアを含有)の勾配10CVで溶出するC18カラム(30g)での逆相クロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合わせ、蒸発させた。残渣を15mL/分の流速にてヘプタン中50%EtOHで溶出し、215nmで検出するDaicel Chiralpak ASカラム(20mm×25cm)にてキラルHPLCにより精製した。後に溶出する異性体を含有する画分から溶媒を蒸発させ、標題化合物(6mg、5%)を得た。分析的キラルHPLC ヘプタン中50%EtOHで溶出し、流速=1.0mL/分、215nmで検出するDaicel Chiralpak AS−Hカラム(4.6mm×25cm)でRT=26.5分;LCMS (システムA) RT=0.81分, 100%, ES+ve m/z 497 (M+H)+。
実施例9.4−((R)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(2−フルオロ−5−モルホリノフェニル)ブタン酸
4−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)ブト−2−エン酸(R,E)−メチル(製造については中間体13を参照)(145mg、0.417mmol)、[Rh(COD)Cl]2(10.29mg、0.021mmol)、R−BINAP(31.2mg、0.050mmol)、4−(4−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)モルホリン(製造については中間体15を参照)(256mg、0.835mmol)および3.8M KOH(水溶液)(0.220mL、0.835mmol)を1,4−ジオキサン(2mL)に溶かし、溶液をマイクロ波(高出力、1時間、100℃)にて加熱した。この溶液を週末にかけて放置し、LCMSは、生成物への変換がないことを示した。この反応を、R−BINAP(31.2mg、0.050mmol)、[Rh(COD)Cl]2(10.29mg、0.021mmol)および3.8M KOH(水溶液)(0.220mL、0.835mmol)を加えて繰り返した。LCMSは、反応が十分進行したことを示し、この混合物をセライトに通し(MeOH、3CV)、減圧下で蒸発させた。生成物を10mM重炭酸アンモニウム中35〜95%MeCN(0.1%アンモニア含有)(10CV)で溶出するC18(40g)カラムでの逆相クロマトグラフィー(1:1 MeOH/DMSO中でロード)により精製した。適当な画分を減圧下で蒸発させた後、生成物をテトラヒドロフラン(2mL)に溶かし、1M LiOH(水溶液)(2.087mL、2.087mmol)(室温、2時間)と反応させた。LCMSは、反応が完全に進行したことを示した。2M HCl(水溶液)(1.5mL、3mmol)を加え、この混合物を予め湿らせたSCXカラム(10g、1CV MeOH、次いで、1CV MeCNでプレコンディショニングし、サンプルをロードし、2CV MeCN、次いで、2CVのMeOH中2M NH3で洗浄した)にロードした。適当な画分を減圧下で蒸発させた。生成物を10mM重炭酸アンモニウム中15〜55%MeCN(0.1%アンモニア含有)(10CV)で溶出する逆相C18カラム(12g)にロードした。適当な画分を減圧下で蒸発させ、標題化合物(12mg、6%)を得た。LCMS (システムA) RT=0.77分, 98%, ES+ve m/z 515(M+H)+。
生物学的アッセイ
細胞間接着アッセイ
使用した試薬および方法は記載の通りであり[Ludbrook et al, Biochem. J. 2003, 369, 311およびにαvβ8関してはMacdonald et al. ACS MedChemLett 2014, 5, 1207-1212)、以下に明瞭化の点を示す。以下の細胞株を使用し、括弧内にリガンドを示す:、K562−αvβ3(LAP−b1)、K562−αvβ5(ビトロネクチン)、K562−αvβ6(LAP−b1)、K562−αvβ8(LAP−b1)、A549−αvβ1(LAP−b1)。接着を促進するために使用した二価陽イオンは2mM MgCl2であった。接着を、蛍光色素BCECF−AM(Life TecHnologies)での細胞標識によって定量化し、その際、3×106細胞/mLの細胞懸濁液を、0.33μL/mLの30mM BCECF−AMとともに37℃で10分間インキュベートし、その後、50μL/ウェルを96ウェルアッセイプレートに分注した。アッセイの終了時に、接着した細胞を、H2O中0.5%Triton X−100を50μL/ウェルで使用して溶解し、蛍光を放出させた。蛍光強度を、Envision(登録商標)プレートリーダー(Perkin Elmer)を使用して検出した。このアッセイにおいて活性なアンタゴニストについて、IC50決定のために、データを4パラメーターロジスティック方程式にフィットさせた。
細胞間接着アッセイにおける実施例1の効力(pIC50)は、αvβ6 pIC50=8.0;αvβ3 pIC50=6.9;αvβ5 pIC50=7.1;αvβ8 pIC50=7.6;αvβ1 pIC50=7.0であった。
細胞間接着アッセイにおける実施例2の効力(pIC50)は、αvβ6 pIC50=7.9;αvβ3 pIC50=6.2;αvβ5 pIC50=6.8;αvβ8 pIC50=7.6であった。
細胞間接着アッセイにおける実施例3の効力(pIC50)は、αvβ6 pIC50=8.2;αvβ3 pIC50=6.9;αvβ8 pIC50=7.6;αvβ1 pIC50=7.1であった。
細胞間接着アッセイにおける実施例4の効力(pIC50)は、αvβ6 pIC50=8.1;αvβ3 pIC50=6.8;αvβ8 pIC50=7.6;αvβ1 pIC50=7.0であった。
細胞間接着アッセイにおける実施例5の効力(pIC50)は、αvβ6 pIC50=7.8;αvβ3 pIC50=6.1;αvβ5 pIC50=6.5;αvβ8 pIC50=7.6;αvβ1 pIC50=6.8であった。
細胞間接着アッセイにおける実施例7の親和性(pIC50)は、αvβ6 pIC50=6.3;αvβ3 pIC50=5.5;αvβ5 pIC50=6.0;αvβ8 pIC50=5.9であった。
細胞間接着アッセイにおける実施例8の親和性(pIC50)は、αvβ6 pIC50=6.5;αvβ3 pIC50<5.0であった。
細胞間接着アッセイにおける実施例9の親和性(pIC50)は、αvβ6 pIC50=7.6;αvβ3 pIC50=5.1;αvβ5 pIC50=6.5;αvβ8 pIC50=7.1であった。
図は、平均pIC50値を示す。
MDCK細胞における透過性
実施例1、実施例2および実施例5(総て両性イオンとして)の受動的膜透過性を、Madin−Darbyイヌ腎臓−多剤耐性1(MDCKII−MDR1)細胞においてpH7.4、強力なP−糖タンパク質阻害剤GF120918の存在下で決定した。各化合物を、各試験の場合で3・Mの濃度にて2反復でインキュベートした。このアッセイにおいて、実施例1の受動的な見掛けの透過性(Papp)は68nm/秒(試験回数n=2)であり、実施例2は20nm/秒(試験回数n=1)であった。実施例5 Pappは90nm/秒(±26nm/秒;試験回数n=3)であった。
2つのジアステレオ異性体、実施例1と実施例2は、in vitroでのαvβ6細胞間接着アッセイでは同等の親和性を持っていたが(実施例1 pIC50=8.0;実施例2 pIC50=7.9、それらはMDCK細胞では異なる透過性を持っていた(実施例1 P=68 nm/秒および実施例2 P=20nm/秒)ことが認められた。このことは、in vivoでの薬物動態試験において実施例1が実施例2よりも高い経口アベイラビリティを有することにより現れていると思われる。
構造式(I)の化合物の絶対立体配置の同定
3−フルオロピロリジン不斉中心の絶対立体配置の同定
目的分子(IA)の合成は、それぞれ構造式(IX)の中間体の各鏡像異性体で開始した。この材料はWuxi App Tecから3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(+)−ベンジルまたは3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(−)−ベンジルとして購入し、それぞれのものは(IA)の主要ジアステレオ異性体を提供し、これは副ジアステレオ異性体よりも強力であった。3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(IX)の鏡像異性体のそれぞれの絶対立体配置は未知であり、それらの立体配置を確定するためにスキーム3に概略を示す以下の実験を行った。
1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−フルオロピロリジン−3−カルボン酸(XVII)ラセミ混合物[Chemical Abstracts登録番号1001754−59−1](Wuxi App Tecから入手可能)を、この酸(XVII)とまずカルボニルジイミダゾール(CDI)、次いで、(+)−(R)−α−メチルベンジルアミンとの反応によりN−α−メチルベンジルアミドに変換した。これによりシリカゲルでのクロマトグラフィーにより分離可能なアミドのジアステレオ異性体混合物が得た(P.K. Mykhailiuk et. al. Convenient synthesis of enantiopure (R) - and (S)-3-fluoro-3-aminomethylpyrrolidines, Tetrahedron 2014, 70, 3011-3017)。極性の高い異性体の立体配置は、Mykhailiukおよび本発明者らによってX線回折により独立に確定され、3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル[化合物(XVIII)](図1)であり、従って、極性の低い異性体は3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル[化合物(XIX)]であることが示された。さらに、これにより、スキームIIIに示す順序によって得られる化合物と比較するための参照材料も得られた。極性異性体[化合物(XVIII)]についての本発明者らのX線データは、Mykhailiukらにより報告されているX線結晶構造と一致したが、その1H NMRスペクトルは本発明者らが得たスペクトルとは異なっていた。この2つのジアステレオ異性体[化合物(XVIII)と(XIX)]のスペクトルは極めて類似していたが、ピロリジンC4プロトンに関して小さな識別の違いがあった。本発明者らは、それを2.22ppmに認めている。Mykhailiukはそれを2.15ppmであると報告していた。
(IA)実施例2のジアステレオ異性体を提供した構造式(IX)の化合物の(−)−鏡像異性体[3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(−)−ベンジル]は、CBZ保護基を除去するためにエタノール中10%Pd/C上で水素化し、得られたアミン(XX)を二炭酸ジ−tert−ブチルで保護して3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(−)−tert−ブチル(XXI)を得た。前記をアセトニトリル−水中、三塩化ルテニウムおよび過ヨウ素酸ナトリウムで酸化した。次に、得られたカルボン酸(XXII)を従前のようにCDIおよび(+)−(R)−α−メチルベンジルアミンを用いてアミドに変換した。このアミドを参照アミドサンプル(XVIII)および(XIX)と比較し、NMR分光法、旋光度およびキラルHPLCによって3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(XIX)と同一であることが判明した。(IX)の(−)−鏡像異性体は、ジアステレオ異性体(IA3)および(IA4)を提供する異性体であり、これらはピロリジン不斉中心に(R)−立体配置を有する。(IX)の(+)−鏡像異性体は、(IA1)および(IA2)を提供し、ピロリジン不斉中心に絶対立体配置(S)を有する。
スキームIII.3−フルオロピロリジン不斉中心の絶対立体配置の同定
ベンジル不斉中心の絶対立体配置の同定
実施例1のベンジル不斉中心の絶対立体配置は、スキームIVで示す分解実験によって得られた。従って、実施例1をDCM中、ヨウ化メチルで、室温にて一晩処理してピロリジン窒素を第四級化した後、炭酸カリウムを加え、マイクロ波反応器内で1時間120℃に加熱し、(S)−4−(3−モルホリノフェニル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物XXIII)を得た。この分解生成物を、古典的な林の不斉反応(T. Hayashi et. al. Tetrahedron Asymmetry, 1999, 10, 4047-4056)を用い、触媒としてのビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレートおよびキラル配位子としての(R)−BINAPを用いて、(3−モルホリノフェニル)ボロン酸をフラン−2(5H)−オンを付加することによって製造した真正な(R)−4−(3−モルホリノフェニル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物XXIV)と比較し、分解生成物の鏡像異性体であることを示し、従って、そのベンジル中心における実施例1の立体配置を(S)と確定した。
スキームIV.試薬および条件:i)MeI、DCM、室温、18時間;ii)K2CO3、120℃、1時間;iii)ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレートおよび(R)−BINAP、KOH、1,4−ジオキサン、100℃、1時間
さらに、化合物XXIIIの立体配置をX線回折試験によって独立に確認し、(S)であることを示した(図2)。
構造式(I)の化合物中の各不斉中心の絶対立体配置を特定するための上記試験に基づけば、実施例の絶対立体配置は次のようにまとめられる:
実施例1は、構造式(IA2)の化合物(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸であり、実施例2は、構造式(IA3)の化合物(S)−4−(R)−(3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸である。
実験
3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(化合物XVIII)および3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(化合物XIX)
THF(70mL)中、(±)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−フルオロピロリジン−3−カルボン酸(化合物XVII[Chemical Abstracts登録番号1001754−59−1](Wuxi App Tecから入手可能)(3.00g、12.9mmol)の溶液を、室温にて固体CDI(2.5g、15.4mmol)で処理した後、この混合物を1.5時間80℃に加熱した。(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(Flukaから入手可能)(1.6g、13.2mmol)をこの温度で加えた後、この混合物をさらに1.5時間80℃で加熱した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、希HCl、NaHCO3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、室温でゆっくり蒸発さえた。この混合物は、固体が析出しなかったので最終的に減圧下で濃縮した。残渣を40分かけて0〜25%EtOAc−シクロヘキサンで溶出するシリカ(2×100g)カートリッジでのクロマトグラフィーにより精製した。最初に溶出する化合物は白色泡沫として得られた(1.54g、36%):LCMS (システムA) RT=1.17分, ES+ve m/z 337 (M+H)+; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) 1.43-1.49 (m, 9H), 1.54 (d, J=7.0 Hz, 3H), 2.08-2.19 (m, 1H), 2.37-2.62 (m, 1H), 3.43-3.56 (m, 1H), 3.61-3.93 (m, 3H), 5.14 (quin, J=7.1 Hz, 1H), 6.71-6.76 (m, 1H), 7.27-7.39 (m, 5H)、約10%の極性の高いジアステレオ異性体を含有する;[α]D 20+61(MeOH中c=1.27);分析的キラルHPLC 10%EtOH−ヘプタンで溶出し、流速=1mL/分、215nmで検出するChiralpak ADカラム(250mm×4.6mm)で、RT=7.58分、90%、およびRT=9.53分、10%。50mg部のこのサンプルを20分かけて0〜25%EtOAc−シクロヘキサンで溶出するシリカカートリッジ(20g)でさらに精製した。適当な画分を減圧下で蒸発させ、3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(化合物XIX)の分析上純粋なサンプル(30mg)を得たLCMS (システムC) RT=1.16分, ES+ve m/z 337 (M+H)+および(M+NH4)+ならびにES-ve m/z 335 (M-H)- ; [α]D 20 +63 (MeOH 中c=0.933)。
このカラムから溶出する第2の化合物(極性の高いジアステレオ異性体)(1.2g、28%)をエーテルから結晶化させて、3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(化合物XVIII)の白色結晶を得た:mp=113〜115℃;LCMS (システムC) RT=1.16分, ES+ve m/z 337 (M+H)+; 1H NMR (500 MHz, CDCl3) 1.43 - 1.48 (m, 9H), 1.54 (d, J=7.0 Hz, 3H), 2.14-2.26 (m, 1H), 2.44-2.70 (m, 1H), 3.46-3.55 (m, 1H), 3.56-3.87 (m, 3H), 5.14 (quin, J=7.1 Hz, 1H), 6.73 (br s, 1H), 7.27-7.40 (m, 5H);[α]D 20+73(MeOH中c=0.876);分析的キラルHPLC 10%EtOH−ヘプタンで溶出し、流速=1mL/分、215nmで検出するChiralpak ADカラム(250mm×4.6mm)でRT=9.50分、100%。このジアステレオ異性体の絶対立体配置をX線回折試験から確定した。
(R)−(−)−(3−フルオロピロリジン−3−イル)メタノール(化合物XX)
化合物(IX)の(−)−異性体である(−)−N−CBZ−3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン(Wuxi App Tecから入手可能)(4.0g、15.8mmol)の溶液を、エタノール(150mL)中、10%Pd/C(400mg)上で一晩水素化した。触媒をセライトで濾去し、エタノールで洗浄した。濾液および洗液を減圧下で蒸発させ、標題化合物(2.0gm、106%、NMRによればいくらかのエタノールを含有)を黄色油状物として得、これは固化して蝋状固体となった:LCMS (システムC) RT=0.22分, ES+ve m/z 120 (M+H)+およびES-ve m/z 118 (M-H)-。生成物をさらにブローダウンユニットに窒素下、40℃で乾燥させた。1H NMR (500 MHz, CDCl3) 3.82 (dd, J=18.7, 12.5 Hz, 1H), 3.73 (dd, J=22.0, 12.2 Hz, 1H), 3.22-3.15 (m, 1H), 3.23-3.14 (m, 1H), 2.99-2.92 (m, 1H), 2.91 (dd, J=29.1, 13.2 Hz, 1H), 2.66 (br s, 2H), 2.10-1.98 (m, 1H), 1.94-1.81 (m, 1H);[α]D 20=-4 (EtOH中c=1.19)。
3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−(−)−tert−ブチル(化合物XXI)
DCM(15mL)およびジイソプロピルエチルアミン(4.13mL、23.7mmol)中、(R)−(3−フルオロピロリジン−3−イル)メタノール(化合物XX)(1.88g、15.8mmol)の溶液を二炭酸ジ−tert−ブチル(3.79g、17mmol)で処理し、混合物を20℃で3時間撹拌した。この混合物を2M HClとDCMとで分液し、相分離カートリッジで分離した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣を40分で0〜50%EtOAc−シクロヘキサンの勾配で溶出するシリカカートリッジ(70g)でのクロマトグラフィーにより精製した。画分をシリカでのTLC(50%EtOAc−シクロヘキサン)により確認し、KMnO4溶液で染色した。適当な画分を合わせ、減圧下で蒸発させ、標題化合物(2.73g、79%)を無色の油状物として得た:LCMS (システムC) RT=0.79分, ES+ve m/z 220 (M+H)+ and 439 (2M+H)+; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 (s, 9H), 1.96-2.14 (m, 2H), 3.32-3.41 (m, 2H), 3.42-3.50 (m, 2H), 3.54-3.61 (m, 1H), 3.62-3.69 (m, H), 4.90 (t, J=5.8 Hz, 1H); [α]D 20 = -28 (CHCl3中c=3.51)。
3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(化合物XIX)
MeCN(1mL)および水(1mL)中、3−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(−)−tert−ブチル(化合物XXI)(200mg、0.9mmol)の溶液をRuCl3(9.5mg、0.05mmol)および過ヨウ素酸ナトリウム(976mg、4.5mmol)で処理し、この混合物を20℃で16時間撹拌した。この混合物を1M HCl(5mL)で酸性化し、DCMで分液した。水相をDCMで2回再抽出し、相分離カートリッジで相を分離した。有機溶液をブローダウンユニットで蒸発させ、(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−フルオロピロリジン−3−カルボン酸(化合物XXII)(125mg、59%)を得た:MS ES-ve m/z 232 (M-H)-。この酸(125mg、0.54mmol)を酢酸エチル(10mL)に溶かし、CDI(360mg、2.2mmol)で処理し、この混合物を室温で1時間撹拌した後、50℃で0.5時間加熱した。この混合物をブローダウンユニットで濃縮し、残渣をTHF(6mL)に溶かし、(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(200mg、1.9mmol)で処理し、20℃で1.5時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、2M HCl溶液で2回、次いで、ブラインで洗浄した。有機溶液を乾燥させ(MgSO4)、減圧下で蒸発させ、灰色の固体を得た(290mg)。この残渣をMeOH−DMSO(1:1;3mL)に溶かし、周囲温度で、30〜85%(アンモニア水溶液でpH10に調整した水中10mM重炭酸アンモニウム−アセトニトリル)の勾配で溶出し、30分流動し、254nmで検出し、RT=17.4分のピークで回収するXSELECT CSH C18カラム(150mm×30mm i.d.充填径5μm)でのMDAPにより精製したES+ve m/z 337(M+H)+。この画分を45℃、窒素下、ブローダウンユニットで濃縮し、残った懸濁液をEtOAcで抽出した。有機溶液を2M HClで2回、次いで、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で蒸発させ、黄色ガムを得た(35mg)。このガムを、周囲温度で、アンモニア水溶液でpH10に調整した水中10mM重炭酸アンモニウム−アセトニトリル)の勾配で溶出し、25分流動し、254nmで検出し、最初の画分(RT=10分)を回収するXBridge C18カラム(100mm×19mm i.d.充填径5μm)でのMDAPにより再精製した。溶媒をブローダウンユニットにて窒素下、45℃で除去し、標題化合物(16mg、5%)を無色のガムとして得た:LCMS (システムC) RT=1.16分, ES+ve m/z 337 (M+H)+, 354 (M+NH4)+;分析的キラルHPLC 10%EtOH−ヘプタンで溶出し、流速=1mL/分、215nmで検出するChiralpak ADカラム(250mm×4.6mm)でRT=7.58分、97.7%;[α]D 20+63(MeOH中c=1.15)。1H NMRスペクトル(500MHz、CDCl3)ならびに旋光度およびキラルHPLC RTは総て、3−フルオロ−3−(((R)−1−フェニルエチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(化合物XIX)のものと一致する。
(+)−(S)−4−(3−モルホリノフェニル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物XXIII)への分解による実施例1のベンジル不斉中心の絶対立体配置の決定
室温で、DCM(8mL)中、(S)−4−((S)−3−フルオロ−3−(2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリノフェニル)ブタン酸(実施例1)(100mg、0.201mmol)の溶液をヨードメタン(0.195mL、3.13mmol)で処理し、18時間撹拌した。この反応物を真空濃縮した(過剰なヨードメタンを除去するため)。残渣をDCM(5mL)中に再溶解させ、炭酸カリウム(122mg、0.884mmol)を加えた。この反応物をマイクロ波反応器内、120℃で1時間加熱した。溶液を濾過し、真空濃縮した。残った油状物をシクロヘキサン中0〜100%TBMEの勾配で溶出するシリカ(10g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。関連画分を真空濃縮し、(S)−4−(3−モルホリノフェニル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物XXIII)(32mg、64%)を白色固体として得た:LCMS (システムC) RT=0.82分, 100%, ES+ve m/z 247 (M+H)+; 1H NMR (400MHz, CDCl3) 7.32-7.26 (m, 1H), 6.89-6.84 (m, 1H), 6.79-6.73 (m, 2H), 4.67 (dd, J=9, 8 Hz, 1H), 4.30 (dd, J=9.06, 7.5 Hz, 1H), 3.92-3.85 (m, 4H), 3.76 (quin, J=8.31 Hz, 1H), 3.21-3.17 (m, 4H), 2.93 (dd, J=17.5, 8.7 Hz, 1H), 2.93 (dd, J=17.5, 8.7 Hz, 1H), 2.70 (dd, J =17.5, 8.7 Hz, 1H); [a]D 22 = +37.1 (c = 1.40 in CHCl3);キラルHPLC 20%イソプロパノール−ヘプタンで溶出し、流速1mL/分、215nmで検出するChiralpak IDカラム(25cm×4.6mm)でRT=25.4分。化合物XXIIIの一部を緩慢な結晶化によりクロロホルムから再結晶化させ、X線回折試験に好適な結晶を得た。
化合物(XXIII)と比較するための真正な(R)−4−(3−モルホリノフェニル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物XXIV)の合成
1,4−ジオキサン(10mL)中、テトラフルオロホウ酸ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)(Aldrichから入手可能)(18.70mg、0.05mmol)および(3−モルホリノフェニル)ボロン酸(1035mg、5.00mmol)の溶液をフラン−2(5H)−オン(0.142mL、2.0mmol)およびKOH溶液(3.8M、1.053mL、4.00mmol)で処理した。得られた溶液をマイクロ波反応器にて1時間100℃に加熱した。この反応物を放冷し、真空濃縮し、褐色油状物を得た。残渣を45分でシクロヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出するクロマトグラフィー(50g KPNHカートリッジ)により精製した。関連画分を真空濃縮し、(R)−4−(3−モルホリノフェニル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(化合物XXIV)(132mg、27%)を白色固体として得た:LCMS (システムC) RT= 0.82分, 100%, ES+ve m/z 248 (M+H)+; [a]D 22 = -28.3 (CHCl3中c = 1.70); キラルHPLC 20%イソプロパノール−ヘプタンで溶出し、流速1mL/分、215nmで検出するChiralpak IDカラム(25cm×4.6mm)でRT=23.4分、94%、RT=25.4分 6%。