JP2017528483A - Val66Met(SNP rs6265)遺伝子型特異的投薬レジメン及びうつ病の治療のための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、うつ病(好ましくは、治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための方法及び投薬レジメンであって、患者の遺伝子型を決定して、BDNFにおける患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定することと、患者の遺伝子型に合致する投薬レジメンに従って、ケタミン、好ましくはエスケタミン、好ましくは経鼻投与エスケタミンを投与することと、を含む、方法及び投薬レジメンに関する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)のもと、その開示が参照により全体として本明細書に援用されている2014年9月15日に出願された米国特許仮出願第62/050,439号に対する優先権の利益を主張する。
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みの配列表を含み、配列表は、全体として、参照により本明細書に援用されている。2015年8月14日に作成された前記ASCIIコピーは、「PRD3353WOPCT_SL.txt」というファイル名で、サイズは2,483バイトである。
(発明の分野)
本発明は、うつ病(好ましくは治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための方法及び投薬レジメンであって、患者の遺伝子型を決定して、BDNFにおける患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定することと、患者の遺伝子型に適合する投薬レジメンに従って、ケタミン、好ましくはエスケタミン、好ましくは経鼻投与エスケタミンを投与することと、を含む、方法及び投薬レジメンに関する。
大うつ病性障害は、精神病性疾患又は双極性疾患の主要因ではない多数の大うつ病エピソードのうち1つが存在することとして定義されている。大うつ病エピソードは、同じ2週間の間に以下の判定基準のうち5つ以上と一致することによって特徴付けられ、その判定基準は、機能の変化を表し、かつ少なくとも抑うつ的/悲しい気分若しくは興味及び喜びの欠如、無関心若しくは無気力、又は興奮性を含み、また、睡眠パターン、食欲、及び体重、運動性激越(motor agitation)若しくは遅滞、倦怠感、集中及び意思決定における機能障害、恥辱感若しくは罪の意識、並びに死若しくは死に方を考えることを含む、多数の自律神経系機能における変化に通常関連する(Harrison’s Principles of Internal Medicine、2000)。うつ病エピソードの症状には、憂うつ感、一日の大半の活動の全体、又はほとんどすべてにおいて、顕著に低下した興味若しくは喜び、食事療法をしていないときの体重減少若しくは体重増加、又は略毎日の食欲の低下若しくは増進、略毎日の不眠症又は過睡眠、略毎日の精神運動性激越又は遅滞、略毎日の倦怠感又は活力の欠如、略毎日の無気力又は過剰な若しくは不穏当な罪の感情、略毎日の思考若しくは集中力の低下、又は優柔不断、死について繰り返し考えること、具体的な計画がない反復自殺念慮、又は自殺企図若しくは自殺する具体的な計画が挙げられる。更に、症状は、社会、職業、又は機能の他の重要な領域において、臨床的に有意な困難若しくは障害の原因となる。(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th Edition,American Psychiatric Association,1994)
単極性うつ病に対する現在の治療選択肢には、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)、三環系抗うつ薬(TCA)、セロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(NRI)、「天然物」(カヴァカヴァ、セイヨウオトギリソウなど)、栄養補助食品(s−アデノシンメチオニンなど)などを含む様々な種類の薬剤を用いる単剤療法又は併用療法が挙げられる。より具体的には、うつ病の治療に使用される薬剤には、イミプラミン、アミトリプチリン、デシプラミン、ノルトリプチリン、ドキセピン、プロトリプチリン、トリミプラミン、マプロチリン、アモキサピン、トラゾドン、ブプロピオン、クロミプラミン、フルオキセチン、シタロプラム、セルトラリン、パロキセチン、チアネプチン、ネファゾドン、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、レボキセチン、ミルタザピン、フェネルジン、トラニルシプロミン、及び/又はモクロベミドが挙げられるが、これらに限定されない。これらの薬剤のいくつかにはまた、うつ病及び不安神経症が共存する場合、不安抑うつなどでも使用されるセロトニン再取り込み阻害薬が挙げられるが、これらに限定されない。
臨床現場では、抗うつ治療を最初に処方されたうつ病患者の40〜50%は、うつ症状の時宜にかなった寛解を経験していない。この集団は、レベル1の治療抵抗性うつ病、すなわち、「適切な」治療の試みに対して「適切な」反応(すなわち、十分な期間、治療の十分な強度)を示さないことの代表例である。更に、うつ病患者の約30%は、併用療法を含む少なくとも2種類の抗うつ治療に対して部分的又は完全に治療抵抗性のままである。治療抵抗性うつ病の治療は、抗精神病薬(クエチアピン、アリピプラゾール、オランザピン、リスペリドンなど)、リチウム、カルバマゼピン、及びトリヨードサイロニンなどの薬物を用いる治療、補助的な電気けいれん療法、補助的な経頭蓋磁気刺激法などを含む増強戦略を、ますます含むようになっている。
自殺既遂としてもまた知られる自殺は、「自身の命を絶つ行為」である。自殺未遂又は非致死性自殺行動は、死をもたらさない、自身の命を絶つという願望を伴う自傷である。自殺念慮は、自殺についての願望若しくは自殺に異常に執着すること、又は自身の命を絶とうという若しくはこれ以上生きたくないという願望の医学用語であるが、必ずしも自殺を行うという積極的ないかなる試みのことも言うわけではない。
自殺念慮の範囲は、一過性のものから慢性的なもの及び詳細な計画、ロールプレイング、及び失敗した試みへの進展まで多岐にわたり、これらは、失敗するか若しくは発見されるように意図的に構成されてもよく、又は死をもたらすように十分に意図されてもよい。自殺念慮を有する者のすべてが自殺企図に進展するわけでないが、相当な割合が自殺を試みている。自殺念慮は、(すべての症例のうち約60〜70%で)うつ病と概ね関連付けられる。
例えば、自殺願望を含むことができる自殺念慮はまた、他の関連する兆候及び症状を含むことができる。いくつかの症状又は併発状態としては、意図しない体重減少、無力感、孤独感、過労、自尊心の低下、持続的躁状態(consistent mania)の存在、過剰な冗舌、潜伏していた目標への没頭、いろいろな思いが駆け巡るような感情が挙げられる。これらの影響の除去又は対処不能に伴うこれらと同様の症状の発症、すなわち、精神的硬直性の起こりうる形態は、自殺念慮に関連付けられた可能性のある1つの特性である。これらはまた、自殺念慮と関連付けられた別の症状である精神的苦痛の原因となる場合がある。精神的硬直性、反復パターン、又は精神的苦痛と関連するこれらと同様の症状は、いくつかの症例では、自殺念慮の発症の原因となる場合がある。他の可能性のある症状及び前兆には、無力感、無快感症、不眠症、うつ病、重度の不安、懸念、集中力の低下、精神運動性激越、パニック発作、及び重度の悔恨(severe remorse)が挙げられる。
自殺念慮の評価に使用される評価尺度には、自殺念慮のベック評価尺度(Beck Scale for Suicide Ideation)(BSS)、コロンビア自殺重症度評価尺度(Columbia Suicide Severity Rating Scale)(C−SSRS)、自殺念慮及び自殺行動評価ツール(Suicidal Ideation and Behavioral Assessment Tool)(SIBAT)、及びケスラー心理的苦痛評価尺度(Kessler Psychological Distress Scale)(K10が挙げられ、これらの検査は、自殺念慮を直接測定しないが、自殺念慮の早期識別法としてその適用において有用性があり得る。精神的苦痛の高スコアはまた、いくつかの症例では、自殺念慮と関連付けられている。
自殺念慮と併発又は自殺念慮の危険性を大幅に増加させると思われる重度の精神疾患もまた存在する。以下の疾患、すなわち、大うつ病性障害(MDD)、気分変調、双極性障害は、危険性が最大限まで増大している自殺念慮/疾患の最も強力な予測因子とみられてきた。自殺傾向及び/又は自殺念慮の主な治療法には、入院、外来治療、及び投薬が挙げられる。入院は、患者を安全で管理された環境に置いて、患者の自殺念慮が自殺企図に転じることを防止する。たいていの症例では、個人は、どの治療法が自身に適合すると思われるのかを選択する自由がある。しかしながら、個人を非自発的に入院させることができる重大な状況が存在し、州法によって、個人が自身又は他者に危険をもたらす状況、個人が自身のケアをできないという状況が挙げられる。
外来治療は、個人が自身の居住地にとどまり、必要なとき又は計画に基づいて治療を受けることができる。外来治療を伴う自由を患者に認める前に、医師は、患者のいくつかの因子を評価する。これらの因子には、患者の社会支援のレベル、衝動抑制、及び判断力の質が挙げられる。患者が評価に合格した後、患者は、「自殺しない契約(no-harm contract)」への同意を多くの場合求められる。これは、医師及び患者の家族によって策定される契約書である。この契約書の中で、患者は、自身を傷つけないこと、通院を続けること、及び必要なときに医師に連絡することに同意する。その後、これらの患者は、患者が自身の契約を遵守し、問題を起こす行動に関わっていないことを確認するために定期的に検査される。
自殺念慮を患う者に対する多数の様々な薬理学的治療選択肢もまた存在する。しかし、自殺念慮を治療するための薬剤を処方することは、困難な場合がある。その理由の1つは、多くの薬剤は、患者の活力の程度を高めた後に患者の気分を高める。これにより、患者は、自殺の試みを遂行する多大なリスクにさらされる。加えて、患者が併発する精神疾患を有する場合、精神疾患と自殺念慮との両方に対処する薬剤を見出すことは困難である場合がある。したがって、1人の自殺念慮患者に処方された薬剤は、別の患者に処方された薬剤と完全に異なる場合がある。研究は、うつ病に関連付けられた自殺念慮の治療に対して抗うつ薬の使用を支持しているにもかかわらず、いくつかの症例では、抗うつ薬について、自殺念慮の増強に関連付けられると主張している。抗うつ薬の使用の開始にあたり、多くの臨床医は、場合により、自殺念慮の突然発症が治療に伴って生じる場合があることを注意することとなる。このことで、米国食品医薬品局(FDA)は、場合により抗うつ薬の使用が自殺念慮の考えを実際に増大させる場合があるという注意喚起を発表している。
ケタミン(対応するS−及びR−エナンチオマーのラセミ混合物)は、用量に応じて、例えば、鎮痛、麻酔、幻覚、解離性効果、血圧上昇、及び気管支拡張を含むヒトにおける広範な影響を有するNMDA受容体アンタゴニストである。ケタミンは、全身麻酔の導入及び維持に主に使用される。他の使用には、集中治療における鎮静、(特に緊急医療及び気管支けいれんの治療における鎮痛が挙げられる。ケタミンはまた、うつ病の治療において(特に他の抗うつ治療に反応しなかった患者において)有効であると示されてきた。大うつ病性障害を持つ患者では、ケタミンは、2時間以内に作用する迅速な抗うつ効果を生じることが更に示されてきた。
S−ケタミンエナンチオマー(又はS−(+)−ケタミン若しくはエスケタミン)は、より高い有効性又はNMDA受容の親和性を有し、したがって、より少ない用量を潜在的に可能にしている。これらは、国によっては、商品名KETANEST Sで医学的用途で入手可能である。
脳由来神経栄養因子(BDNF)は、分泌タンパク質であり、ヒトでは、BDNF遺伝子によってコードされる。BDNFは、標準的な「神経成長因子」、すなわち、NGFに関連する成長因子の「神経栄養因子」ファミリーのメンバーである。BDNFは、中枢神経系(CNS)及び末梢神経系(PNS)の特定のニューロンに作用して、既存のニューロンの生存を維持し、新しいニューロン及びシナプスの増殖及び分化を促進する。脳内では、BDNFは、学習、記憶、及び高次思考に不可欠な領域である海馬、大脳皮質、及び前脳基底部において活性である。BDNFはまた、長期記憶にとって重要でもある。BDNFタンパク質は、BDNFとも称される遺伝子によってコードされる。ヒトでは、この遺伝子は、11番染色体上に位置する。Val66Met(rs6265)は、アデニン及びグアニンの対立遺伝子が変異した遺伝子内の一塩基多型であり、コドン66でバリン(Val)とメチオネ(methione)(Met)との間の変異をもたらす。
内側前頭前皮質(mPFC)及び他の領域における脳由来神経栄養因子(BDNF)発現の減少は、大うつ病のBDNF仮説を生み出した。proBDNFタンパク質におけるコドン66(Val66Met)でのバリン・メチオニン置換の原因となるBDNF遺伝子におけるヒト遺伝子多型は、一般的な白人集団の約30%(及びアジア人集団の約60〜80%)が保因し、軽度認知障害及び可能性として海馬体積の減少と関連付けられてきた。加えて、Met遺伝子多型を保因する個人は、ストレス関連の大うつ病のリスク増加があると報告されていた。Val66Met遺伝子多型は、シナプス部位でのBDNFの活動依存性分泌を阻害し、BDNFメッセンジャーRNA(mRNA)の樹状突起への細胞内移動を低減する。
BDNFのVal66Met遺伝子多型は、11:27658369染色体上に発生するrs6265[Homo sapiens]としてdbSNPに登録されており、以下の配列、すなわち、配列番号1によって定義されている。
ATCATTGGCTGACACTTTCGAACAC[A/G]TGATAGAAGAGCTGTTGGATGAGGA
[配列中、[A/G]は、変異の位置を明示する]。
標準的な抗うつ薬、電気けいれん療法、及び経頭蓋磁気刺激法などの脳刺激技法はすべて、末梢BDNFレベルを増加させ、運動もまた、BDNF分泌促進効果を有する。
論文査読付き専門誌のBiological Psychiatryに公表された投書である、LAJE,G.,Biol.Psychiatry,2012は、大うつ病エピソードを経験した患者におけるケタミンへの反応に対するrs6265(Val66Met SNP)の効果の解析を報告している。その結果は、「rs6265でVal/Val BDNF対立遺伝子を有する大うつ病性障害(MDD)患者は、Met保因体よりもケタミンに対して抗うつ反応をより示しやすいことを示唆する」というものである。この効果は、LIU,R−Y.,Biol.Psychiatry,2012,pp996〜1005,Vol.71により最初に示唆され、この著者もまた、Met/Metノックインマウスは、Val/Valマウスと比較してケタミンへの鈍化した抗うつ様反応、並びにシナプス形成の減少を見せたことを提示した(LIU,R−Y.,et al.)。全体として、この証拠は、BDNF rs6265遺伝子型の決定が、ケタミンへの反応の可能性と関連付けられることが考えられること、及びこの遺伝子型に基づいてケタミンへの反応のより高い可能性を有する被験体を分離することが可能であり得ることを、更に示唆している。
うつ病、より具体的には、治療抵抗性うつ病、及び/又は自殺傾向、自殺念慮の治療、及び自殺の予防に対する効果的な治療法を、特に、強い自殺念慮、願望の発症後の最初の数時間及び数日間に提供することが依然として必要である。
本発明は、うつ病(好ましくは治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための方法であって、
うつ病を患う患者を遺伝子的に検査して(又は遺伝子型決定をして)、BDNF遺伝子における患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定する(すなわち、患者がVal/Valホモ接合体か、Val/Metヘテロ接合体か、又はMet/Metホモ接合体かを決定する)工程Aと、
エスケタミン投薬レジメンを投与する工程Bであって、エスケタミンは、好ましくは経鼻で投与され、投薬レジメンは、
(i)導入投薬期であって、
導入期は、2〜8週(好ましくは2〜6週、好ましくは2〜4週、例えば、2週間、3週間、4週間、6週間、又は8週間)の治療期間を含み、
エスケタミンは、週に1〜5回(好ましくは、週に1〜3回、好ましくは週に1回又は2回、好ましくは週に2回)の投薬頻度で投与され、
患者がVal/Valホモ接合体である場合、エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、
患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、
導入期の間、Val/Valホモ接合体である患者に対する用量及び/又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である患者(すなわち、患者は、Met保因体である)に対する投薬量及び/又は投薬頻度とは異なる(好ましくは、投薬量が異なる)、導入投薬期と、
(b)維持期であって、
維持期は、少なくとも6週(好ましくは少なくとも8週、好ましくは少なくとも10週、より好ましくは少なくとも12週、より好ましくは少なくとも14週)の治療期間を含み、
患者がVal/Valホモ接合体である場合、エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、エスケタミンは、2週ごとに1回から4週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、エスケタミンは、週に1回から2週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
維持期の間、Val/Valホモ接合体である患者に対する投薬量及び/又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である患者(すなわち、患者は、Met保因体である)に対する投薬量及び/又は投薬頻度とは異なり(好ましくは、投薬量が異なり)、
(臨床医又は医師により判断されるとおり)更なる治療が不要となるまで、維持期は好ましくは継続する、維持期と、を含む、工程Bと、を含む、方法に関する。
本発明は、うつ病(好ましくは治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための方法であって、
うつ病を患う患者を遺伝子的に検査して(又は遺伝子型を決定して)、BDNF遺伝子における患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定する(すなわち、患者がVal/Valホモ接合体か、Val/Metヘテロ接合体か、又はMet/Metホモ接合体かを決定する)工程Aと、
導入期レジメンに従って、エスケタミンを、好ましくは経鼻で投与する、工程Bであって、
導入期は、2〜8週(好ましくは2〜6週、好ましくは2〜4週、例えば、2週間、3週間、4週間、6週間、又は8週間)の治療期間を含み、
エスケタミンは、週に1〜5回(好ましくは、週に1〜3回、好ましくは週に1回又は2回、好ましくは週に2回)の投薬頻度で投与され、
患者がVal/Valホモ接合体である場合、エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、
患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、
導入期の間、Val/Valホモ接合体である患者に対する投薬量及び/又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である患者(すなわち、患者は、Met保因体である)に対する投薬量及び/又は投薬頻度とは異なる(好ましくは、投薬量が異なる)、工程Bと、を含む、方法に更に関する。
本発明は、うつ病(好ましくは治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための方法であって、
うつ病を患う患者を遺伝子的に検査して(又は遺伝子型を決定して)、BDNF遺伝子における患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定する(すなわち、患者がVal/Valホモ接合体か、Val/Metヘテロ接合体か、又はMet/Metホモ接合体かを決定する)工程Aと、
維持期レジメンに従って、エスケタミンを、好ましくは経鼻で投与する、工程Bであって、
維持期は、少なくとも6週(好ましくは少なくとも8週、好ましくは少なくとも10週、より好ましくは少なくとも12週、より好ましくは少なくとも14週)の治療期間を含み、
患者がVal/Valホモ接合体である場合、エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、エスケタミンは、2週ごとに1回から4週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、エスケタミンは、週に1回から2週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
維持期の間、Val/Valホモ接合体である患者に対する投薬量及び/又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である患者(すなわち、患者は、Met保因体である)に対する投薬量及び/又は投薬頻度とは異なり(好ましくは、投薬量が異なり)、
維持期は、(臨床医又は医師により判断されたとおり)更なる治療が不要となるまで、好ましくは継続する、工程Bと、を含む、方法に更に関する。
本発明は、うつ病(好ましくは、治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための投薬レジメンであって、
A)エスケタミン投薬レジメンを投与することであって、エスケタミンは、好ましくは経鼻で投与され、投薬レジメンは、
(i)導入投薬期であって、
導入期は、2〜8週(好ましくは2〜6週、好ましくは2〜4週、例えば、2週間、3週間、4週間、6週間、又は8週間)の治療期間を含み、
エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、
エスケタミンは、週に1〜5回(好ましくは、週に1〜3回、好ましくは週に1回又は2回、好ましくは週に2回)の投薬頻度で投与される、導入投薬期と、
(b)維持期であって、
維持期は、少なくとも6週(好ましくは少なくとも8週、好ましくは少なくとも10週、より好ましくは少なくとも12週、より好ましくは少なくとも14週)の治療期間を含み、
エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、
エスケタミンは、2週ごとに1回から4週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
(臨床医又は医師により判断されるとおり)更なる治療が不要となるまで、維持期は好ましくは継続する、維持期と、を含む、ことを含む、投薬レジメンに更に関する。
本発明は、うつ病(好ましくは、治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための投薬レジメンであって、
A)導入期レジメンに従って、好ましくは経鼻でエスケタミンを投与することであって、
導入期は、2〜8週(好ましくは2〜6週、好ましくは2〜4週、例えば、2週間、3週間、4週間、6週間、又は8週間)の治療期間を含み、
エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、
エスケタミンは、週に1〜5回(好ましくは、週に1〜3回、好ましくは週に1回又は2回、好ましくは週に2回)の投薬頻度で投与される、こと、を含む、投薬レジメンに更に関する。
本発明は、うつ病(好ましくは、治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための投薬レジメンであって、
A)維持期レジメンに従って、エスケタミンを、好ましくは経鼻で投与することであって、
維持期は、少なくとも6週(好ましくは少なくとも8週、好ましくは少なくとも10週、より好ましくは少なくとも12週、より好ましくは少なくとも14週)の治療期間を含み、
エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、
エスケタミンは、2週ごとに1回から4週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
(臨床医又は医師により判断されるとおり)更なる治療が不要となるまで、維持期は好ましくは継続する、ことを含む、投薬レジメンに更に関する。
本発明は、うつ病(好ましくは、治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための投薬レジメンであって、
A)エスケタミン投薬レジメンを投与することであって、エスケタミンは、好ましくは経鼻で投与され、投薬レジメンは、
(i)導入投薬期であって、
導入期は、2〜8週(好ましくは2〜6週、好ましくは2〜4週、例えば、2週間、3週間、4週間、6週間、又は8週間)の治療期間を含み、
エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、
エスケタミンは、週に1〜5回(好ましくは、週に1〜3回、好ましくは週に1回又は2回、好ましくは週に2回)の投薬頻度で投与される、導入投薬期と、
(b)維持期であって、
維持期は、少なくとも6週(好ましくは少なくとも8週、好ましくは少なくとも10週、より好ましくは少なくとも12週、より好ましくは少なくとも14週)の治療期間を含み、
エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、
エスケタミンは、週に1回から2週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
(臨床医又は医師により判断されるとおり)更なる治療が不要となるまで、維持期は好ましくは継続する、維持期と、を含む、ことを含む、投薬レジメンに更に関する。
本発明は、うつ病(好ましくは、治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための投薬レジメンであって、
A)導入期レジメンに従って、エスケタミンを好ましくは経鼻で投与することであって、
導入期は、2〜8週(好ましくは2〜6週、好ましくは2〜4週、例えば、2週間、3週間、4週間、6週間、又は8週間)の治療期間を含み、
エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、
エスケタミンは、週に1〜5回(好ましくは、週に1〜3回、好ましくは週に1回又は2回、好ましくは週に2回)の投薬頻度で投与される、ことを含む、投薬レジメンに更に関する。
本発明は、うつ病(好ましくは、治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための投薬レジメンであって、
A)維持期レジメンに従って、エスケタミンを好ましくは経鼻で投与することであって、
維持期は、少なくとも6週(好ましくは少なくとも8週、好ましくは少なくとも10週、より好ましくは少なくとも12週、より好ましくは少なくとも14週)の治療期間を含み、
エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、
エスケタミンは、週に1回から2週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
(臨床医又は医師により判断されるとおり)更なる治療が不要となるまで、維持期は好ましくは継続する、ことを含む、投薬レジメンに更に関する。
本発明の実施形態では、エスケタミンは、約28mg〜約84mgの範囲の用量(例えば、約28mg、約56mg、又は約84mg)で、抗うつ反応が持続する最低頻度で投与される。
本発明の別の実施形態では、投薬レジメンの維持用量において又は維持期の間、エスケタミンは、約28mg〜約84mgの範囲の用量(例えば、約28mg、約56mg、又は約84mg)で、抗うつ反応が持続する最低頻度で投与される。
Val/Val又はMet保因体による最初の注入及びプラセボ又はアクティブによる最初の注入後のベースラインからのMADRSトータルスコアの平均的変化を示す図である。 Val/Val又はMet保因体による17日目後の、1日目の無作為化によるエスケタミンのレスポンダーでの反応の継続期間の生存曲線を示す図である。 17日目後にエスケタミンに対する全レスポンダーにおけるVal/Val又はMet保因体による反応の継続期間の生存曲線を示す図である。 Val/Val又はMet保因体による、かつケタミン又はプラセボによる最大15日目までの経時的なベースラインからのMADRSトータルスコアの平均的変化を示す図である。 ケタミンのレスポンダーのうちVal/Val又はMet保因体による29日目及び最大44日目までの反応の継続期間の生存曲線を示す図である。
本発明は、うつ病(好ましくは治療抵抗性うつ病)の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、並びに/又は自殺傾向(例えば、自殺念慮)の治療及び/若しくは予防のための方法及び投薬レジメンであって、これらを必要とする患者の遺伝子型を決定することと、被験体のVal66Met rs6265 BDNF遺伝子型に基づき、かつ本明細書により詳細に説明するように、前記患者に対して選択された(好ましくは最適化された)投薬レジメンに従って、ケタミン、好ましくはエスケタミン、好ましくは経鼻投与エスケタミンを投与することと、を含む、方法及び投薬レジメンに関する。
本発明の投薬レジメンの維持期は、例えば、臨床医、医師、精神科医、精神解析医、又は他の好適な医療専門家によって判定されるとおり、かつ(例えば、うつ病に関連付けられる1つ又は2つ以上の症状の寛解を含む)例えば、うつ病の長期寛解、通常若しくは発病前のレベルまでの社会的かつ/又は職業上の(複数の)機能改善、又はうつ病の他の既知の測定によって指示されるとおり、更なる治療が不要となるまで継続することとなることを当業者は理解するであろう。
本発明の方法及び投薬レジメンにおいて、患者における抗うつ反応の維持は、例えば、臨床医、医師、精神科医、精神解析医、又は他の好適な医療専門家によって決定することができることを当業者は更に理解するであろう。加えて、抗うつ反応の維持は、例えば、うつ病(又はうつ病の1つ若しくは2つ以上の症状)の再発がないことによって、うつ病に対する追加若しくは代替的な(複数の)治療の必要がないことによって、うつ病の悪化がないことによって、自殺企図に対して若しくは自殺を防止するための入院の必要がないことによって、又はMADRSスコアによって評価される場合、約22未満のMADRSスコアの維持及び/又は任意に連続する2週間の間に22を超えるMADRSスコアがないことによって、確定することができる。
本明細書で使用されるとき、用語「うつ病」は、大うつ病性障害、単極性うつ病、治療抵抗性うつ病、不安苦痛を伴ううつ病、双極性うつ病及び(気分変調性障害とも称する)気分変調を含むように定義されるものとする。好ましくは、うつ病は、大うつ病性障害、単極性うつ病、治療抵抗性うつ病、不安苦痛を伴ううつ病、又は双極性うつ病である。より好ましくは、うつ病は、大うつ病性障害、単極性うつ病、治療抵抗性うつ病、及び双極性うつ病である。より好ましくは、うつ病は、治療抵抗性うつ病である。
一実施形態では、本発明は、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療の方法及び投薬レジメンに関する。用語「自殺傾向のある患者におけるうつ病」は、自殺傾向の少なくとも1つの症状、例えば、自殺念慮及び/又は自殺行動(例えば、意図、企図など)もまた示すことを患者において診断されたとき、本明細書において定義したとおり、任意の種類のうつ病を含むものとすることを当業者は理解するであろう。したがって、「自殺傾向のある患者におけるうつ病」には、自殺傾向のある患者における大うつ病性障害、自殺傾向のある患者における単極性うつ病、自殺傾向のある患者における治療抵抗性うつ病、自殺傾向のある患者における不安苦痛を伴ううつ病、自殺傾向のある患者における双極性うつ病、及び自殺傾向のある患者における気分変調が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、「自殺傾向のある患者におけるうつ病」は、自殺傾向のある患者における大うつ病性障害、自殺傾向のある患者における単極性うつ病、及び自殺傾向のある患者における治療抵抗性うつ病からなる群より選択される。より好ましくは、「自殺傾向のある患者におけるうつ病」は、自殺傾向のある患者における治療抵抗性うつ病である。
本明細書で使用されるとき、用語「難治性又は治療抵抗性うつ病」及び略語「TRD」は、少なくとも2種類の抗うつ薬計画又は治療法に反応しない大うつ病性障害として定義されるものとする。
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、用語「抗うつ薬」は、うつ病の治療に使用することができる任意の医薬品を意味するものとする。好適な例には、フェネルジン、トラニルシプロミン、モクロベミドなどのモノアミン酸化酵素阻害薬、イミプラミン、アミトリプチリン、デシプラミン、ノルトリプチリン、ドキセピン、プロトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン、アモキサピンなどの三環系、マプロチリンなどの四環系、ノミフェンシンなどの非環式、トラゾドンなどのトリアゾロピリジン、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシトラプラム、フルボキサミンなどのセロトニン再取り込み阻害薬、ネファザドンなどのセロトニン受容体アンタゴニスト、ベンラファキシン、ミルナシプラン、デスベンラファキシン、デュロキセチンなどのセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、ミルタザピンなどのノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性薬、レボキセチン、エディボキセチンなどのノルアドレナリン再取り込み阻害薬、ブプロピオンなどの非定型抗うつ薬、カヴァカヴァ、セイヨウオトギリソウなどの天然物、s−アデノシルメチオニンなどの栄養補助食品、及び甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンなどの神経ペプチド、ニューロキニン受容体アンタゴニストなどの神経ペプチド受容体を標的とした化合物、及びトリヨードサイロニンなどのホルモンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、抗うつ薬は、フルオキセチン、イミプラミン、ブプロピオン、ベンラファキシン、及びセルタリンからなる群から選択される。
抗うつ薬(例えば、モノアミン酸化酵素阻害薬、三環系、セロトニン再取り込み阻害薬、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性薬、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、天然物、栄養補助食品、神経ペプチド、神経ペプチド受容体を標的とした化合物、ホルモン、及び本明細書に記載の医薬品)の治療的に効果がある用量レベル及び投薬レジメンは、当業者により容易に決定されてもよい。例えば、販売が承認されている医薬品の治療的投薬量及び投薬レジメンは、公的に利用可能であり、例えば、包装ラベル、標準的な投薬指針、Physician’s Desk Reference(Medical Economics Company若しくはhttp:///www.pdrel.comにてオンラインで)などの標準的な投薬参考文献、又は他の出典に列挙されている。
本明細書で使用されるとき、用語「抗精神病薬」には、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
(a)フェノチアジン系(例えば、クロルプロマジン、チオリダジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、レボメプロマジン)、チオキサンテン系(例えば、チオチキセン、フルペンチキソール)、ブチロフェノン系(例えば、ハロペリドール)、ジベンゾオキサゼピン系(例えば、ロキサピン)、ジヒドロインドロン系(例えば、モリンドン)、置換ベンズアミド系(例えば、スルピリド、アミスルピリド)などの、定型の又は第一世代抗精神病薬、及び、
(b)パリペリドン、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ゾテピン、ジプラシドン、イロペリドン、ペロスピロン、ブロナンセリン、セルチンドール、ORG−5222(Organon)などの、非定型の又は第二世代抗精神病薬、並びに、ソネピプラゾール、アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、ネモナプリド、SR−31742(Sanofi)、CX−516(Cortex)、SC−111(Scotia)、NE−100(Taisho)などのその他の抗精神病薬。
一実施形態では、「非定型抗精神病薬」は、アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、リスペリドン、及びパリペリドンからなる群より選択される。別の実施形態では、非定型抗精神病薬は、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、及びリスペリドンからなる群より選択され、好ましくは、非定型抗精神病薬は、アリピプラゾール、クエチアピン、及びオランザピンからなる群より選択される。
当業者は、本発明が、自殺傾向の治療及び/又は予防のための方法又は投薬レジメンに関し、前記方法及び投薬レジメンは、自殺念慮、自殺行動、自殺企図、及び/又は自殺の予防を含むが、これらに限定されないことを理解するであろう。
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、用語「エスケタミン」は、ケタミンの(S)−エナンチオマーを意味するものとし、その対応する塩酸塩、式(I)
の化合物であり、(S)−2−(2−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)シクロヘキサノン塩酸塩としても既知である。
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、用語「Met保因体」は、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体のいずれか一方である患者又は被験体を意味するものとし、BDNFにおけるVal66Met rs6265遺伝子多型に関する前記患者又は被験体の検査による決定に従う。
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、「治療する」、及び「治療」などの用語は、疾病、病状、又は疾患の治療を目的とする、被験体又は患者(好ましくは哺乳類、より好ましくはヒト)の管理及びケアを含み、また、症状又は合併症の発生の予防、症状又は合併症の緩和、又は疾病、病状、若しくは疾患の排除のための、本発明の化合物の投与を含むものとする。
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、用語「予防」は、(a)1つ若しくは2つ以上の症状の頻度の低減、(b)1つ若しくは2つ以上の症状の重篤化の低減、(c)別の症状の発現の遅延若しくは回避、及び/又は(d)疾患若しくは病状の発現の遅延又は回避を含むものとする。
本発明が予防法を目的とする場合、この方法を必要とする被験体(すなわち、予防を必要とする被験体)が、予防される疾患、疾病、若しくは病状のうち少なくとも1つの症状を経験又は示している任意の被験体又は患者(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)をも含むこととなることを当業者は認識するであろう。更に、この方法を必要とする被験体は、加えて、予防されるべき疾患、疾病、又は病状の任意の症状も示していないが、それらの疾患、疾病、又は病状の進行のリスクがあると医師、臨床医、又は他の医療専門家によってみなされている被験体(好ましくは哺乳類、より好ましくはヒト)であることができる。例えば、特に限定されるものではないが、被験体の、家族歴、素因、併発(重複)疾患又は併発(重複)症状、遺伝子検査などを内包する被験体の医療歴の結果として、被験体を、疾患、疾病、又は病状の発現の危険性がある(それ故に予防又は予防的治療の必要がある)とみなし得る。
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、「被験体」及び「患者」という用語は、治療、観察、又は実験に付されている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。好ましくは、被験体又は患者は、治療及び/又は予防するべき疾病又は疾患の少なくとも1つの症状を経験及び/又は示している。本発明の治療又は予防の方法及び投薬レジメンは、かかる治療、予防、若しくは投薬レジメンを必要とする被験体又は患者、より具体的には、種類若しくは根本問題とは無関係に、うつ病の少なくとも1つの症状を有することが診断されたか、若しくは症状を示す(好ましくは、大うつ病性障害若しくはエピソードの判定基準に合致する)被験体又は患者に関することを、当業者は更に理解するであろう。
本発明の一実施形態では、それらを必要とする被験体又は患者は、うつ病の少なくとも1つの症状を有することが診断されたか、若しくは症状を示す(好ましくは、大うつ病性障害若しくはエピソードの判定基準に合致する)被験体又は患者であり、かつ、自殺傾向の少なくとも1つの症状(例えば、自殺念慮及び/又は自殺行動)を有すると更に診断されたか又はこの症状を示す者である。
用語「治療的有効量」は、本明細書で使用する場合(例えば、経鼻投与エスケタミンを用いる単剤療法を説明するとき)、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医により求められている、治療を受けている疾病又は疾患の症状の緩和を含む、組織系、動物、又はヒトにおける生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は医薬剤の量を意味する。
本発明は、薬剤の組み合わせによる治療に関し、「治療的有効量」は、併用効果が所望の生体反応又は医薬反応を引き出すように一緒に服用される薬剤の組み合わせの量を意味するものとする。例えば、エスケタミンとセロトニン再取り込み阻害薬とを含む、併用療法の治療的有効量は、一緒に服用される場合、又は順次服用される場合に、治療的に有効な併用効果を有するエスケタミンの量及びセロトニン再取り込み阻害薬の量であり、より好ましくは、併用効果は、相乗的である。更に、治療的有効量での併用療法の事例では、その組み合わせのそれぞれの成分の量は、個々に治療的に有効であってもよいか、又は有効でなくてもよいことが当業者によって認識されるであろう。
本発明が、組み合わせの投与に関する場合、化合物は、同時に、連続的に、別個に、又は1つの医薬組成物で一緒に投与することができる。化合物が別個に投与される場合、1日あたりに与えられる各化合物の投薬回数は、必ずしも同じでなくてもよく、例えば、ある化合物が、活性の持続時間が長い場合があり、それ故に、少ない頻度で投与されてもよい。更に、化合物は、同じ投与経路又は異なる投与経路で、一連の治療の間に同時に又は異なるときに、分割された形態又は単一の組み合わせた形態で同時に投与されてもよい。したがって、本発明は、同時治療又は交互の治療のすべてのレジメンを包含することが理解され、「投与する」という用語は、それに従って解釈されるべきである。
本明細書で使用するとき、「併用療法」、「組み合わせ療法」、「補助治療」、「補助療法」、「併用治療」という用語は、エスケタミンを、1つ又は2つ以上の(複数の)抗うつ薬と組み合わせて、更に、任意選択的に、1つ又は2つ以上の非定型抗精神病薬と組み合わせて投与することによる、治療が必要な患者の治療を意味するものとし、エスケタミン及び(複数の)抗うつ薬は、任意の好適な手段によって、同時に、連続して、別個に、又は1つの医薬製剤で投与される。エスケタミン及び(複数の)抗うつ薬が個別の剤形で投与されるとき、各化合物について1日に投与される投薬回数は、同じであってもよいか、又は異なっていてもよい。エスケタミン及び(複数の)抗うつ薬は、同一又は異なる投与経路を介して投与されてもよい。投与の好適な方法の例には、経口、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮、及び直腸が挙げられるが、これらに限定されない。化合物はまた、頭蓋内又は椎骨内針及び/又はポンプ装置を備えるカテーテル又はこれを備えないカテーテルを介して送達することにより、脳内、脳室内、側脳室内、くも膜下腔内、嚢内、脊髄内及び/又は脊髄周辺投与経路が挙げられるが、これらに限定されない神経系に直接投与してよい。エスケタミン及び(複数の)抗うつ薬は、同時又は交互に行う投薬レジメンに従って、治療過程中の同じ時点又は異なる時点で、分割された形態又は単一の形態で一斉に投与されてもよい。
投与される最適用量は、当業者によって容易に決定することができ、かつ使用される具体的な1つ以上の化合物、投与方法、調製物の強度及び病状の進行と共に変化するだろう。それに加え、患者の性別、年齢、体重、食事、投与時間及び付随する疾患を含む、治療される具体的な患者と関連する因子が、用量を調整する必要性をもたらす。
当業者は、適切で既知の一般的に受け入れられている細胞及び/又は動物モデルを使用したインビボ及びインビトロ試験の両方で、所与の疾患を治療又は予防するための試験化合物の性能が予測されることを認識するであろう。
当業者であれば、健常な患者及び/又は所与の疾患に罹患している患者を対象としたファースト・イン・ヒューマン試験、用量範囲及び効力試験を含むヒト臨床試験を、臨床及び医学分野で周知の方法に従って実施することができることを更に認識するであろう。
本明細書で使用するとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、並びに直接的又は間接的に特定の成分の特定の量の組み合わせから生じる任意の生成物を包含するよう意図されている。
より簡潔な説明を提供するために、本明細書で与えられる量的表現の一部は、用語「約」により修飾されていない。用語「約」が明確に用いられていようといまいと、本明細書に記載するすべての量はその実際の所与の値を指すことを意味し、またかかる所与の値の実験及び/又は測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理的に推測されるかかる所与の値の近似値を指すことも意味することが理解される。
より正確な記載を提供するため、本明細書において、定量的表現の一部は約X量から約Y量の範囲として引用される。範囲が挙げられている場合、その範囲は、挙げられている上限及び下限に限定されず、約X量から約Y量の全範囲、又はその範囲内の任意の量若しくは範囲を含むと理解される。
薬剤での使用に関し、本発明の化合物の塩類は、非毒性の「薬剤として許容される塩類」を示す。しかしながら、他の塩類が本発明による化合物又はこれらの医薬的に許容できる塩類の調整に有用であってもよい。化合物の好適な医薬的に許容できる塩類としては、酸付加塩類が挙げられ、酸付加塩類は例えば、化合物の溶液を塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酢酸、酒石酸、炭酸又はリン酸等の医薬的に許容できる酸の溶液と混合することにより形成できる。更に、本発明の化合物が酸性部分を担持する場合、これらの好適な医薬的に許容できる塩類としては例えば、アルカリ金属塩類、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩類、例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩、及び好適な有機配位子で形成した塩類、例えば、第四級アンモニウム塩類を挙げることができる。したがって、代表的な医薬的に許容できる塩類としては、次のもの:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩(estolate)、エシル酸塩(esylate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、硝酸メチル、硫酸メチル、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、及び吉草酸塩が挙げられるがこれらに限定されない。
医薬的に許容できる塩の製造に使用され得る代表的な酸としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルコロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸(sebaic acid)、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸などの酸。
医薬的に許容できる塩の調製に使用され得る代表的な塩基には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン及び水酸化亜鉛などの塩基。
Val66Met rs6265
Val66Met SNP rs6265は、配列番号2によって定義することができる(配列中、Rは、遺伝子多型の位置を示す)。

>gnl|dbSNP|rs6265|allelePos=318|totalLen=1458|taxid=9606|snpclass=1|alleles=「A/G」|mol=Genomic|build=138
Val66Met rs6265遺伝子型検査
BDNFにおけるVal66Met rs6265遺伝子多型に関する遺伝子型検査は、既知の方法、例えば、PECINA M.,et al.,「Valence−specific effects of BDNF Val66Met polymorphism on dopaminergic stress and reward processing in humans」,J Neurosci.,2014 Apr 23,pp 5874〜81,Vol 34(17)、及びLIM,Y.Y,et al.,(Australian Imaging,Biomarkers and Lifestyle(AIBL)Research Group),「BDNF Val66Met,Aβ amyloid,and cognitive decline in preclinical Alzheimer‘s disease」,Neurobiol Aging,2013 Nov,pp 2457〜2464,Vol.34(11)に従って、完了することができる。
加えて、BDNFにおけるVal66Met rs6265遺伝子多型に関する遺伝子型検査は、Life Technologies(商標)(Thermo Fischer Scientificの商標)で入手可能なTaqMan(登録商標)SNP Genotyping Assay Kit(カタログ番号4351379、rs6265、BDNF−AS、位置11番染色体:27679916、転位置換、ミスセンス、変異、遺伝子内)(例えば、http://www.lifetechnologies.com/order/genome−database/browse/genotyping/keyword/RS6265を参照)又はVal66Met rs6265の遺伝子的検査を実施するために使用できる他の市販及び実験的検査キットを使用して実現することができる。
ケタミン及びエスケタミン治療に対するBDNFにおけるVal66Met rs6265遺伝子多型及び患者の反応
エスケタミン及びケタミンに対する臨床的反応へのBDNF遺伝子におけるVal66Met rs6265遺伝子多型の影響は、それぞれ以下の臨床試験、ESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002の遡及的解析によって調査された。完全な試験計画、有効性エンドポイント、及び薬理遺伝学的検査の詳細は、米国国立衛生研究所臨床試験登録システム(www.clinicaltrials.gov)で入手可能であり、本明細書で以下に記載される実施例1に要約されている。
この解析から、BDNF遺伝子におけるVal66Met rs6265遺伝子多型のMet対立遺伝子は、急性の単一用量のケタミン又はエスケタミン投与に対するより小さな臨床反応と関連付けられることが判明した。両方の試験では、MADRSスケールを用いて評価されたうつ病重症度の低下及び反応率(すなわち、標準臨床判断基準に基づく反応又は寛解を示した被験体の割合)は、最初の1〜2用量のケタミン又はエスケタミンに対して、Met保因体遺伝子型ではより小さかった。Met保因被験体における少なくとも1つのMet対立遺伝子の存在は、シナプス可塑性の低下をもたらし得るBDNF放出能の低下を意味すると理論化され、これは、臨床的には気分を改善する能力の低下として、最終的に現れる。更に、KETIVTRD2002試験では、Met保因体において、薬物による改善は、Valホモ接合体患者において繰り返し投与後に達成された反応に「追いついている」。ESKETIVTRD2001試験では、Valホモ接合体における臨床的改善は、最初の1〜2回の投与後(7日目)にMet保因体において見られた臨床的改善よりも大きい。KETIVTRD2002試験では、Met保因体において見られた臨床的改善は、7日目後にValホモ接合体の臨床的改善ともはや異なることはなく、ケタミンの繰り返し投与後の研究エンドポイント(29日目)では、うつ病スコアは、変化し、反応率及び寛解率は、遺伝子型に基づく2つの下位群の間で同様である。最後に、最終薬剤投与に続く臨床反応の継続性への遺伝子型の影響もまた見られた。ESKETIVTRD2001では、Met保因体群において良好なままであったエスケタミン被験体の割合は、21日目に(6体から3体に)半減した。対照的に、Val/Val被験体の全7体は、35日目まで良好なままである。KETIVTRD2002では、Met保因体群において良好なままであった被験体の割合はまた、39日目に(これもまた7体から4体に)半減した。その一方で対照的に、Val/Val被験体の大部分(14体中12体)は、44日目まで良好なままである。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために記載するものであり、本明細書に付属する「特許請求の範囲」に記載される発明をいかなる意味においても限定することを目的としたものではなく、またそのように解釈されるべきではない。
(実施例1)
BDNFにおけるVal66Met rs6265遺伝子多型の影響
エスケタミン(ESKETIVTRD2001)及びケタミン(KETIVTRD2002)臨床試験の遡及的解析
ESKETIVTRD2001臨床試験計画及び目的:
本臨床試験は、TRDを有する成人被験体30体における二重盲検、二重無作為化、プラセボ対照、複数用量漸増試験であった。本試験は、最大2週間までのスクリーニング期、7日の二重盲検(DB)治療期(1日目〜7日目)、及び処置後4週間の(任意選択的な非盲検[OL]、追跡調査[FU]の間のエスケタミン0.40mg/kg、7、10、14、及び17日目に投与を伴う)の3つの期間からなる。試験薬物の投薬の最初と最後との間の間隔は3日であった。TRDを有する成人被験体約30体が無作為抽出されて、1日目に1:1:1の比で処置された(エスケタミン0.40mg/kg、エスケタミン0.20mg/kg、又はプラセボを静脈内注入した)。
エスケタミン0.40mg/kgの用量が1日目及び/又は4日目に良好な忍容性を示さない場合、容量は、0.3mg/kgまで低減してもよい。1日目の投薬後にレスポンダーであった被験体は、4日目に同じ処置を再び受けた。レスポンダーは、2、3、又は4日目に(投薬前に)ベースラインに対して>50%のMADRSトータルスコアの減少が見られた被験体であった。
1日目の投薬後にレスポンダーではなかった被験体に関して、以下の規則を4日目の処置に対して適用した。
・1日目にプラセボ:再度無作為抽出し、エスケタミン0.40mg/kg又はエスケタミン0.20mg/kgを4日目に静脈内注入した。
・1日目にエスケタミン0.20mg/kg:エスケタミン0.40mg/kgを用いた処置を4日目に静脈内注入で行った。
・1日目にエスケタミン0.40mg/kg:エスケタミン0.40mg/kgを用いた処置を再び4日目に静脈内注入で行った。
二重盲検治療期の終了の後1週間(7日)(14日目)に、被験体は、追跡調査通院のための部門に来院した。電話往診は、二重盲検治療期の終了後の3日(すなわち、10日目)、10日(すなわち、17日目)、14日(すなわち、21日目)、21日(すなわち、28日目)、及び28日(すなわち、35日目)に行われた。電話往診を選択した被験体に関して、治験責任医師と合意したとき、エスケタミン0.40mg/kg(又は必要な場合より少ない量)の任意選択的な非盲検治療は、7、10、14、及び17日目に、スポンサーによって利用可能とされた。各被験体の全試験継続期間は、最大7週であった。試験の終了は、試験における最後の被験体の最後の研究評価の日として規定された。
本試験の第1の目的は、TRDを有する患者における静脈内注入によるエスケタミンの安全性及び忍容性を調査すること、及び0.40mg/kg及び0.20mg/kgの静脈内(i.v.)注入として投与された1日目の投薬後24時間でのエスケタミンの有効性を、プラセボと比較して、モントゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)を使用して、TRDを有する患者におけるうつ病の症状の改善について評価することであった。
臨床的エンドポイント:
・最初の注入後のMADRSトータルスコアにおけるベースラインからの変化(投薬前最大4日目まで)
・2、7、17、及び35日目のレスポンダーの割合(%)(MADRSトータルスコアの減少がベースラインから>50%)
・OL期(17日目から最大35日目まで)の終了後のエスケタミン反応の継続期間
・2、7、17、及び35日目の寛解体の割合(%)(MADRSトータルスコア≦10)
注記:ESKETIVTRD2001臨床試験に関して、OL期(17日目〜35日目)の終了後、レスポンダー全員は、「良好」と認められた(すなわち、エスケタミン治療に反応した)。前記レスポンダーは、再発の有意な数を観察するため、すなわち、(MADRSトータルスコア≧22として経験的に定義される)再発までの時間を決定するために、試験後に十分な期間、追跡調査されなかった。したがって、このパラメータは、本解析には含まれなかった。
加えて、MADRS自殺願望測定は、ESKETIVTRD2001臨床試験の過程中、採用されたにもかかわらず、登録時に自殺念慮(例えば、自殺願望)を示す被験体/患者は、明確に排除された。MADRS自殺願望尺度によって測定されるとした自殺傾向へのVal66Met遺伝子多型の影響の解析は、それ故に、自殺念慮を有する被験体に適用可能ではなく、かつ一般化できない(例えば、臨床的意義がない)と判断された。
KETIVTRD2002臨床試験の計画及び目的:
本臨床試験は、治療抵抗性うつ病を有する成人被験体における週に2回又は3回投薬されたケタミンの安全性及び有効性を評価するための、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、並行群試験であった。本試験は、最大4週までのスクリーニング期、4週の二重盲検治療期(1日目〜29日目)、任意選択的な2週の非盲検治療期、及び最大3週までの治療後(追跡調査)期の最大4つまでの期間からなる。
二重盲検治療期の1日目に、被験体は、無作為抽出されて、4週間にわたって、週2回のプラセボの静脈内注入又は週3回のプラセボの静脈内注入又は週2回のケタミン0.50mg/kgの静脈内注入又は週3回のケタミン0.50mg/kgの静脈内注入のうちいずれか1つを受けた。
15日目の通院の完了後であるが、29日目の通院前に、(治験責任医師の臨床的判断に基づいて)有効性がないため本研究の二重盲検治療期を継続しなかった被験体は、同じ投薬頻度の非盲検ケタミン処置を更に2週間受けることができた。早期終了通院の完了後、被験体は、試験薬剤の最後の投薬後1週間に実施された1回の追跡調査通院に続いて、任意選択的な非盲検治療期に関する時間とイベントのスケジュールのとおりに試験評価を受けた。各被験体の全試験継続期間は、約13週間であった。
本試験の第1の目的は、TRDを有する被験体における0.50mg/kgの静脈内(i.v.)注入として投与されたケタミンの4週間にわたる複数投薬の安全性及び忍容性を評価すること、及びTRDの治療のために、4週間にわたって週に2回又は3回、0.50mg/kgの静脈内(i.v.)注入として投与されたケタミンの有効性を、プラセボと比較して、モントゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)を使用して、1日目(投薬前)と15日目にわたる(投薬前)評価との間で評価することであった。
臨床的エンドポイント:
・DB期の間のベースラインからのMADRSトータルスコアの変化(最大29日目まで)
・DB期の間(3又は4、8、15、18、29日目、及びエンドポイント[DB])のレスポンダーの割合(%)(MADRSトータルスコアの減少がベースラインから>50%)
・DB期(29日目から最大47日目までの終了後のケタミン反応の継続期間
・3又は4、8、15、及び29日目の寛解体の割合(%)(MADRSトータルスコア≦10)
注記:KETIVTRD2002臨床試験に関して、二重盲検期(29日目〜47日目)の終了後、レスポンダー全員は、「良好」と認められた(すなわち、ケタミン治療に反応した)。前記レスポンダーは、再発の有意な数を観察するため、すなわち、(MADRSトータルスコア≧22として経験的に定義される)再発までの時間を決定するために、試験後に十分な期間、追跡調査されなかった。したがって、このパラメータは、本解析には含まれなかった。
加えて、MADRS自殺願望測定は、KETIVTRD2002臨床試験の過程中、採用されたにもかかわらず、登録時に自殺念慮(例えば、自殺願望)を示した被験体/患者は、明確に排除された。MADRS自殺願望尺度によって測定されるとした自殺傾向へのVal66Met遺伝子多型の影響の解析は、それ故に、自殺念慮を有する被験体に適用可能ではなく、かつ一般化できない(例えば、臨床的意義がない)と判断された。
統合臨床的エンドポイント(ESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002から得られた結果の組み合わせ)
・最初の注入(ESKETIVTRD2001の2日目及びKETIVTRD2002の3日目又は4日目)後のベースラインからのMADRSトータルスコアの変化
・最初の注入後のレスポンダーの割合(%)(ESKETIVTRD2001の2日目でのMADRSトータルスコアの減少>50%及びKETIVTRD2002の3日目又は4日目でのMADRSトータルスコアの減少≧50%)
・複数投薬(ESKETIVTRD2001の7日目及びKETIVTRD2002の8日目)後のレスポンダーの割合(%)
・最初の注入(ESKETIVTRD2001の2日目及びKETIVTRD2002の3日目又は4日目)後の寛解体の割合(%)
ESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002臨床試験における患者の薬理遺伝学的(DNA)評価:
ESKETIVTRD2001試験に関して、被験体は、(地方条例が許可する)本試験の薬理遺伝学要素の第1部のみ、第2部のみ、両方の部に参加するか、又はいずれの部にも参加しない選択肢が与えられた。KETIVTRD2002試験に関して、10mLの血液サンプルが、全登録被験体から採取された。薬理遺伝学的研究の第1部への被験体の参加は、本試験への参加を必要とした。第2部への被験体の参加は、任意選択的であった。
第1部は、ケタミン又は大うつ病性障害(MDD)の理解に役立つ遺伝子研究を可能にする、薬理遺伝学的サンプルの採取を含んでいた。DNAサンプルは、ケタミン又はMDDに関する遺伝子研究にのみ使用された。遺伝子研究は、ケタミン又はMDD臨床的エンドポイントに関する、1つ若しくは2つ以上の候補遺伝子の解析、又は(必要に応じて)ゲノム全体にわたる遺伝子マーカーの解析からなった。ケタミン又はMDDと潜在的に関連した候補遺伝子の一覧は、本試験プロトコルにおいて提供された。被験体は、科学的発見がなされると、将来の研究用に自身の任意選択的なサンプルを保管することに同意する個別の選択肢を提示された。
薬理遺伝学的研究の第2部は、ケタミン又は発症する(複数の)症状に関連した将来の遺伝子研究用にDNAサンプルを保管することを可能にした。保管されたDNAサンプル及び関連臨床データは、研究が将来なされる前に非特定化された。この非特定化は、個人特定情報を削除することと、遺伝子データを被験体の身元に結びつける可能性を制限するために、新しい番号で試験被験体の特定情報を置換することと、を含んでいた。
遺伝的エンドポイントは、患者の脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子/遺伝子多型SNP(rs6265)の決定であった。対立遺伝子及び遺伝子型頻度(カウント)は、統合されたESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002試験由来の被験体全員について算出された。観察されたマイナー対立遺伝子A(又はT)頻度及び遺伝子型頻度は、報告された頻度と比較された(ヨーロッパ人集団では、マイナー対立遺伝子A(又はT)の頻度は、約20%、A/A(又はT/T)、A/G(又はT/C)、及びVal/Val G/G(又はC/C)は、それぞれ約3%、約34%、及び約64%)。
有効性エンドポイント解析:
Val/Val又はMet保因体による、かつ治療レジメンによるMADRSトータルスコアの変化に関する要約統計は、試験ごとに別個に(ESKETIVTRD2001では投薬前最大4日目まで、またKETIVTRD2002では最大29日目まで)、並びに2つの試験を統合して決定された(最初の注入後、ESKETIVTRD2001では2日目、及びKETIVTRD2002では3日目又は4日目)。Val/Val又はMet保因体による、かつ治療レジメンによる経時的なMADRSトータルスコアの変化の平均プロットは、試験ごとに別個に決定された(ESKETIVTRD2001では投薬前最大4日目まで、またKETIVTRD2002では15日目及び29日目)。個々のMADRSトータルスコア並びにMADRSトータルスコアの変化は、試験ごとに別個に決定された(非盲検期後、ESKETIVTRD2001では17日目、二重盲検期後、KETIVTRD2002では29日目)。
(ESKETIVTRD2001に対する1日目の無作為化による)Val/Val又はMet保因体による、かつ治療レジメンによる様々な時点でのレスポンダー又は寛解体の割合は、試験ごとに別個に計算された(ESKETIVTRD2001では2、7、17、及び35日目、KETIVTRD2002では3又は4、8、15、及び29日目)。同様に、EDKETIVTRD2001のすべての被験体(統合されたプラセボ及びエスケタミン)でのVal/Val又はMet保因体によるレスポンダー又は寛解体の割合が算出された。加えて、KETIVTRD2002における18日目(FU)及びエンドポイント(DB)での反応率が計算された。
ベースラインからのMADRSトータルスコアの変化(TESKETIVRD2001では2日目、KETIVTRD2002では3日目又は4日目)とSNP(rs6265)との間の関連性は、ベースラインMADRSトータルスコア及び遺伝子型を有する支配的モデルの下でANCOVAモデルを使用して、プラセボ群(ESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002から統合)及びアクティブ群(ESKETIVTRD2001からエスケタミン及びKETIVTRD2002のケタミンを統合)において評価された。
レスポンダーの割合(%)又は寛解体の割合(%)(ESKETIVTRD2001では2日目、KETIVTRD2002では3日目又は4日目)とSNP(rs6265)との間の関連性は、ベースラインMADRSトータルスコア及び遺伝子型を有する支配的モデルの下でロジスティック回帰モデルを使用して、プラセボ群(ESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002から統合)及びアクティブ群(ESKETIVTRD2001からエスケタミン及びKETIVTRD2002のケタミンを統合)において評価された。
反応の継続期間(非盲検期後、ESKETIVTRD2001では17日目、また二重盲検期後、KETIVTRD2002では29日目)は、保因体(Val/Val又はMet保因体)の階層を有するカプラン・マイヤー法を使用して評価した。Val/Val又はMet保因体による反応の継続期間の生存曲線は、試験ごとに個別にプロットされた。
全レスポンダーにおける再発までの時間(非盲検期後、EDKETIVTRD2001では17日目、また二重盲検期後、KETIVTRD2002では29日目)は、保因体(Val/Val又はMet保因体)の階層を有するカプラン・マイヤー法を使用して評価した。Val/Val又はMet保因体による再発までの時間の生存曲線は、試験ごとに個別にプロットされた。
解析結果
解析集団は、被験体93体を含み、プラセボに41体、ESKETIVTRD2001に17体、及びKETIVTRD2002に35体を含んでいた。ハーディー・ワインベルグ平衡(HWE)解析から、2つの臨床試験において観察された遺伝子型頻度がヨーロッパ人集団において報告された頻度と一致したことが判明した。解析は、ESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002臨床試験の患者に対して個々に完了し、統合され、以下に詳細に示す結果となった。
統合されたESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002臨床試験解析の結果
A)MADRSスコア:Val/Val又はMet保因体による最初の注入(TRD2001では2日目、TRD2002では3日目又は4日目)後のベースラインからのMADRSトータルスコアの平均変化は、以下の表P−1に列挙したとおりであった。Val/Val被験体では、プラセボ及びアクティブ(エスケタミン又はケタミン)の両方についてMet保因体と比較して、より大幅な減少が観察された。
B)レスポンダーの割合(%):Val/Val又はMet保因体による、かつプラセボ又はアクティブによる、かつエスケタミン又はケタミンによる最初の注入(TRD2001では2日目、TRD2002では3日目又は4日目)後のレスポンダーの割合(%)は、以下の表P−2に列挙したとおりであった。反応率は、Val/Val被験体では、Met保因体よりも高かった。
C)寛解体の割合(%):Val/Val又はMet保因体による、プラセボ又はアクティブによる最初の注入(TRD2001では2日目、またTRD2002では3日目又は4日目)後の寛解体の割合(%)は、以下の表P−3に列挙したとおりであった。寛解率は、Val/Val被験体では、Met保因体よりも高かった。
関連性解析(要約結果):
有効性エンドポイントとSNP rs6265との間の関連性解析は、プラセボ被験体(ESKETIVTRD2001及びKETIVTRD2002から統合)及び同時にアクティブ被験体(ESKETIVTRD2001由来のエスケタミン被験体及びKETIVTRD2002由来のケタミン被験体を統合)において実施された。単一用量後のベースラインからのMADRSトータルスコアの変化は、(ESKETIVTRD2001について)2日目及び(KETIVTRD2002について)3日目又は4日目を基にした。
単一用量後のベースラインからのMADRSトータルスコアの変化とSNP rs6265との間の関連性は、ベースラインMADRSトータルスコア及び分類された遺伝子型(Val/Val又はMet保因体)を有する支配的モデルの下でANCOVAモデルを使用して、プラセボ被験体及びアクティブ被験体において評価された。統計学的に有意な結果は、アクティブ被験体において見られた(p=0.02)。しかしながら、MADRSトータルスコアの変化とSNP rs6265との間の関連性の証拠は、プラセボ被験体において見られなかった(p=0.14)。
単一用量後のレスポンダーの割合(%)とSNP rs6265との間の関連性は、ベースラインMADRSトータルスコア及び分類された遺伝子型(Val/Val又はMet保因体)を有する支配的モデルの下でロジスティック回帰モデルを使用して、プラセボ被験体及びアクティブ被験体において評価された。統計学的に有意な結果は、アクティブ被験体において見られた(p=0.03)。しかしながら、レスポンダーの割合(%)とSNP rs6265との間の関連性の証拠は、プラセボ被験体において見られなかった(p=0.68)。
単一用量後の寛解体の割合(%)とSNP rs6265との間の関連性は、ベースラインMADRSトータルスコア及び分類された遺伝子型(Val/Val又はMet保因体)を有する支配的モデルの下でロジスティック回帰モデルを使用して、プラセボ被験体並びにアクティブ被験体において評価された。寛解体の割合(%)とSNP rs6265との間の関連性の証拠は、プラセボ被験体又はアクティブ被験体において見られなかった。
ESKETIVTRD2001の解析結果
A)MADRSスコア:Val/Val被験体では、プラセボ及びエスケタミンの両方についてMet保因体と比較して、MADRSトータルスコアのより大幅な減少が観察された。Val/Val又はMet保因体による、かつプラセボ又はアクティブ(エスケタミン0.2mg/kg及び0.4mg/kgを統合、1日目の無作為化による)における最初の注入(最大4日目まで)後のベースラインからのMADRSトータルスコアの平均変化は、図1にプロットし、以下の表E−1に列挙したとおりである。
B)レスポンダーの割合(%):Val/Val又はMet保因体による、かつプラセボ又はアクティブ(1日目の無作為化によるが、患者全員は、4日目から続けてアクティブなエスケタミンを得た)による2、7、17、及び35日目のレスポンダーの割合(%)は、以下の表E−2に列挙したとおりであった。エスケタミン被験体において、反応率は、Val/Val被験体では、Met保因体よりも高かった。
*「プラセボ」として列挙された患者全員は、4日目以降からアクティブなエスケタミンを受けた。したがって、(1日目の無作為化による)プラセボとして7日目以降からここに報告された反応率は、エスケタミンに対する反応を反映する。
C)反応の継続期間:エスケタミンレスポンダー(17日目)でのVal/Val又はMet保因体による非盲検アクティブ治療期(17日目)後の1日目の無作為化によるエスケタミンレスポンダーでの反応の継続期間に関する生存曲線は、図2及び以下の表E−3に示したとおりであった。(1日目の無作為化による)エスケタミン被験体では、17日目に13体のレスポンダーが見られた(Val/Valが7体、及びMet保因体が6体)。これらのレスポンダーの中で、全7体のVal/Val被験体(100%)は、最大35日目まで、すなわち、最後の投薬後18日目まで、反応状態を維持した。Met保因体に関して、6体のうち2体(33.3%)は、最大35日目まで反応状態を維持した。
ケタミンに対する全レスポンダー(17日目)のうちVal/Val又はMet保因体による上述した反応の継続期間に関する生存曲線は、図3(図3B)及び以下の表E−4に示したとおりであった。全被験体の中で、17日目に19体のレスポンダーが見られた(Val/Valが12体、及びMet保因体が7体)。それらのレスポンダーの中で、Val/Val12体のうち11体(91.7%)は、最大35日目まで反応状態を維持した。Met保因体に関して、7体のうち3体(42.9%)は、最大35日目まで反応状態を維持した。
B)寛解体の割合(%):Val/Val又はMet保因体による、かつプラセボ又はアクティブ(1日目の無作為化による)による、2、7、17、及び35日目の寛解体の割合(%)は、以下の表E−5に列挙したとおりであった。エスケタミン被験体において、寛解率は、Val/Val被験体では、Met保因体よりもすべての時点で高かった。寛解は、Val/Val被験体では、Met保因体よりも長く維持された(35日目)。
*「プラセボ」として列挙された患者全員は、4日目以降からアクティブなエスケタミンを受けた。したがって、(1日目の無作為化による)プラセボとして7日目以降からここに報告された寛解率は、エスケタミンに対する寛解を反映する。
KETIVTRD2002の解析結果
A)MADRSスコア:Val/Val保因体では、プラセボ及びケタミンの両方(2x/wk及び3x/wkを統合)についてそれらのMet保因体と比較して、ほとんどの時点にわたって、MADRSトータルスコアのより大幅な減少が観察された。Val/Val又はMet保因体による、かつケタミン2x/wk、ケタミン3x/wk、又はプラセボによる、経時的なMADRSトータルスコアに関する要約統計は、以下の表K−1に列挙したとおりであった。
同様に、Val/Val又はMet保因体による、かつケタミン又はプラセボによる、15日目の主要エンドポイントまでの経時的な(二重盲検期中の)ベースラインからのMADRSトータルスコアの平均変化を図4に示した。(注記:試験は、15日目を越えて継続したが、15日目以降の結果は、15日目から以後は表示されていない。ノンレスポンダーは、臨床試験計画によって、非盲検ケタミンを受けることを許可された。)Val/Val又はMet保因体による、かつケタミン(2x/wk及び3x/wkを統合)、又はプラセボによる、ベースラインからのMADRSスコアの平均変化に関する要約統計は、以下の表K−1に列挙したとおりであった。
B)レスポンダーの割合(%):ケタミン被験体の中で、反応率は、3日目又は4日目及び15日目に、Val/Val被験体ではMet保因体よりも高かった一方で、8日目及び29日目には、Val/Val被験体ではMet保因体と同様であった。Val/Val又はMet保因体による、かつケタミン(2x/wk及び3x/wkを統合)、又はプラセボによる、二重盲検期中のレスポンダーの割合(%)は、以下の表K−2に列挙したとおりであった。
C)反応の継続期間:29日目のケタミンレスポンダーのうちVal/Val又はMet保因体による二重盲検期後の29日目から最大44日目まで(すなわち、最後の投薬後最大15日まで)の反応の継続期間の生存曲線は、図5に示したとおりであり(図中、x軸上で、0は、29日目での開始点を表し、15は、44日目を表す)、以下の表K−3に列挙したとおりであった。29日目に22体のレスポンダーが見られた(Val/Valが14体、及びMet保因体が8体)。それらのレスポンダーの中で、追跡調査期中に、Val/Valでは、14体のうち9体(64.3%)は、反応状態を維持し、それに対して、Met保因体では、8体のうち5体(62.5%)は、反応状態を維持している。
D)寛解体の割合(%):ケタミン被験体の中で、寛解率は、3日目又は4日目を除いて、Met保因体ではVal/Val被験体よりも高かった。プラセボ被験体の中に、Met保因体での寛解体は見られなかった。Val/Val又はMet保因体による、かつケタミン(2x/週及び3x/週を統合)又はプラセボによる、寛解体の割合(%)に関する結果は、表K−4に示したとおりであった。
製剤実施例1−仮想例
S−ケタミン塩酸塩を(161.4mg/mLの濃度で)水と混合し、次いで、1N NaOH(aq)を加えてpH5.0とすることによってS−ケタミン塩酸塩の水性製剤を調製する。
製剤実施例2−仮想例
S−ケタミン塩酸塩を(161.4mg/mLの濃度で)水と混合し、次いで、10mg/mLのタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)を加えることによってS−ケタミン塩酸塩の水性製剤を調製する。生じた混合物に1N NaOH(aq)を加えてpH4.5とする。
上記の明細書は説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれるすべての通常の変形例、適合例及び/又は改変例が包含される点は理解されるであろう。

Claims (50)

  1. うつ病の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、自殺傾向の治療、又は自殺傾向の予防のための方法であって、
    うつ病を患う患者を遺伝子的に検査して、BDNF遺伝子における該患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定する工程Aと、
    導入期レジメンに従って、エスケタミンを投与する、工程Bであって、
    該導入期は、2〜8週の治療期間を含み、
    該エスケタミンは、週に1〜5回の投薬頻度で投与され、
    該患者がVal/Valホモ接合体の場合、該エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、
    該患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体の場合、該エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、
    該導入期の間、Val/Valホモ接合体である該患者に対する投薬量又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である該患者に対する投薬量又は投薬頻度とは異なる、工程Bと、を含む、方法。
  2. うつ病の治療のための、請求項1に記載の方法。
  3. うつ病の治療のための、請求項1に記載の方法であって、該うつ病は治療抵抗性うつ病である、方法。
  4. 自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療のための、請求項1に記載の方法。
  5. 自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療のための、請求項1に記載の方法であって、該うつ病は治療抵抗性うつ病である、方法。
  6. 自殺傾向の治療又は予防のための、請求項1に記載の方法。
  7. 前記エスケタミンは、経鼻で投与される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記導入期は、2〜6週の治療期間を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記導入期は、4週の治療期間を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記エスケタミンは、週に1〜3回の投薬頻度で投与される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記エスケタミンは、週に1〜2回の投薬頻度で投与される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記患者がVal/Valホモ接合体の場合、前記エスケタミンは、約28mgの用量で投与され、前記エスケタミンは、週に2回の投薬頻度で投与される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、約56mgの用量で投与され、前記エスケタミンは、週に2回の投薬頻度で投与される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記エスケタミンは、経鼻で投与され、前記導入期は、4週の治療期間を含み、前記エスケタミンは、週に1〜2回の投薬頻度で投与される、請求項1に記載の方法。
  15. うつ病の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、自殺傾向の治療、又は自殺傾向の予防のための方法であって、
    うつ病を患う患者を遺伝子的に検査して、BDNF遺伝子における該患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定する工程Aと、
    維持期レジメンに従って、エスケタミンを投与する、工程Bであって、
    該維持期は、少なくとも6週の治療期間を含み、
    該患者がVal/Valホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で、2週ごとに1回から4週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
    該患者がVal/Metヘテロ接合体又はMate/Metホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で、週に1回から2週ごとに1回の範囲内の投薬頻度で投与され、
    該維持期の間、Val/Valホモ接合体である該患者に対する投薬量又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である該患者に対する投薬量又は投薬頻度とは異なり、
    該維持期は、更なる治療が不要となるまで継続する、工程Bと、を含む、方法。
  16. うつ病の治療のための、請求項15に記載の方法。
  17. うつ病の治療のための、請求項15に記載の方法であって、該うつ病は治療抵抗性うつ病である、方法。
  18. 自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療のための、請求項15に記載の方法。
  19. 自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療のための、請求項15に記載の方法であって、該うつ病は治療抵抗性うつ病である、方法。
  20. 自殺傾向の治療又は予防のため、請求項15に記載の方法。
  21. 前記エスケタミンは、経鼻で投与される、請求項15に記載の方法。
  22. 前記維持期は、少なくとも8週の治療期間を含む、請求項15に記載の方法。
  23. 前記維持期は、少なくとも12週の治療期間を含む、請求項15に記載の方法。
  24. 前記患者がVal/Valホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、28mgの用量で投与され、前記エスケタミンは、2週ごとに1回の投薬頻度で投与される、請求項15に記載の方法。
  25. 前記患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、56mgの用量で投与され、前記エスケタミンは、週に1回の投薬頻度で投与される、請求項15に記載の方法。
  26. 前記エスケタミンは、抗うつ反応が維持される最低投薬頻度で投与される、請求項15に記載の方法。
  27. 前記エスケタミンは、抗うつ反応が維持される最低投薬量で投与される、請求項15に記載の方法。
  28. 前記エスケタミンは、経鼻で投与され、前記患者がVal/Valホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、28mgの用量で、2週ごとに1回の投薬頻度で投与され、前記患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、56mgの用量で、週に1回の投薬頻度で投与される、請求項15に記載の方法。
  29. うつ病の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、自殺傾向の治療、又は自殺傾向の予防のための方法であって、
    うつ病を患う患者を遺伝子的に検査して、BDNF遺伝子における該患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定する工程Aと、
    エスケタミン投薬レジメンを投与する、工程Bであって、該エスケタミン投薬レジメンは、
    (i)導入投薬期であって、
    該導入期は、2〜8週の治療期間を含み、
    該エスケタミンは、週に1〜5回の投薬頻度で投与され、
    該患者がVal/Valホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で投与され、
    該患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で投与され、
    該導入期の間、Val/Valホモ接合体である該患者に対する用量又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である該患者に対する用量又は投薬頻度とは異なる、導入投薬期と、
    (b)維持期であって、
    該維持期は、少なくとも6週の治療期間を含み、
    該患者がVal/Valホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約28mg〜約56mgの範囲内の量の用量で、2週ごとに1回から4週ごとに1回の範囲内の頻度で投与され、
    該患者がVal/Metヘテロ接合体又はMate/Metホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約56mg〜約84mgの範囲内の量の用量で、週に1回から2週ごとに1回の範囲内の頻度で投与され、
    該維持期の間、Val/Valホモ接合体である該患者に対する投薬量又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である該患者に対する投薬量又は投薬頻度とは異なり、
    該維持期は、更なる治療が不要となるまで継続する、維持期と、を含む、工程Bと、を含む、方法。
  30. うつ病の治療のための、請求項29に記載の方法。
  31. うつ病の治療のための、請求項29に記載の方法であって、該うつ病は治療抵抗性うつ病である、方法。
  32. 自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療のための、請求項29に記載の方法。
  33. 自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療のための、請求項29に記載の方法であって、該うつ病は治療抵抗性うつ病である、方法。
  34. 自殺傾向の治療又は予防のための、請求項29に記載の方法。
  35. 前記エスケタミンは、経鼻で投与される、請求項29に記載の方法。
  36. 前記導入期は、2〜6週の治療期間を含む、請求項29に記載の方法。
  37. 前記導入期は、4週の治療期間を含む、請求項29に記載の方法。
  38. 前記導入期の間、前記エスケタミンは、週に1〜3回の投薬頻度で投与される、請求項29に記載の方法。
  39. 前記導入期の間、前記エスケタミンは、週に1〜2回の投薬頻度で投与される、請求項29に記載の方法。
  40. 前記導入期の間、前記患者がVal/Valホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、約28mgの用量で、週に2回の投薬頻度で投与される、請求項29に記載の方法。
  41. 前記導入期の間、前記患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、約56mgの用量で、週に2回の投薬頻度で投与される、請求項29に記載の方法。
  42. 前記維持期は、少なくとも8週の治療期間を含む、請求項29に記載の方法。
  43. 前記維持期は、少なくとも12週の治療期間を含む、請求項29に記載の方法。
  44. 前記維持期の間、前記患者がVal/Valホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、28mgの用量で、2週ごとに1回の投薬頻度で投与される、請求項29に記載の方法。
  45. 前記維持期の間、前記患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、前記エスケタミンは、56mgの用量で、週に1回の投薬頻度で投与される、請求項29に記載の方法。
  46. 前記維持期の間、前記エスケタミンは、抗うつ反応が維持される最低投薬頻度で投与される、請求項29に記載の方法。
  47. 前記維持期の間、前記エスケタミンは、抗うつ反応が維持される最低投薬量で投与される、請求項29に記載の方法。
  48. 治療抵抗性うつ病の治療又は自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療のための方法であって、
    うつ病を患う患者を遺伝子的に検査して、BDNF遺伝子における該患者のVal66Met rs6265遺伝子多型を決定する工程Aと、
    エスケタミン投薬レジメンを投与する、工程Bであって、該エスケタミンは、経鼻で投与され、該投薬レジメンは、
    (i)導入投薬期であって、
    該導入期は、4週の治療期間を含み、
    該エスケタミンは、週に1〜2回の投薬頻度で投与され、
    該患者がVal/Valホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約28mgの用量で投与され、
    該患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約56mgの用量で投与され、
    該導入期の間、Val/Valホモ接合体である前記患者に対する投薬量又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である該患者に対する投薬量及又は投薬頻度とは異なる、導入投薬期と、
    (b)維持期であって、
    該維持期は、少なくとも12週の治療期間を含み、
    該患者がVal/Valホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約28mgの量の用量で、2週ごとに1回の投薬頻度で投与され、
    該患者がVal/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である場合、該エスケタミンは、約56mgの量の用量で、週に1回の投薬頻度で投与され、
    該維持期の間、Val/Valホモ接合体である該患者に対する投薬量又は投薬頻度と、Val/Metヘテロ接合体又はMet/Metホモ接合体である該患者に対する投薬量又は投薬頻度とは異なる、維持期と、を含む、工程Bと、を含む、方法。
  49. 本明細書に記載された、うつ病の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、自殺傾向の治療、又は自殺傾向の予防のための方法。
  50. 本明細書に記載された、うつ病の治療、自殺傾向のある患者におけるうつ病の治療、自殺傾向の治療、又は自殺傾向の予防のための投薬レジメン。
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