JP6977029B2 - レット症候群を治療するためのプリドピジンの使用 - Google Patents

レット症候群を治療するためのプリドピジンの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6977029B2
JP6977029B2 JP2019514217A JP2019514217A JP6977029B2 JP 6977029 B2 JP6977029 B2 JP 6977029B2 JP 2019514217 A JP2019514217 A JP 2019514217A JP 2019514217 A JP2019514217 A JP 2019514217A JP 6977029 B2 JP6977029 B2 JP 6977029B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
predopidine
subject
use according
administered
mecp2
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019514217A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019532926A (ja
JP2019532926A5 (ja
Inventor
ゲヴァ、ミカル
ローファー、ラルフ
ヘイデン、マイケル
Original Assignee
プリレニア ニューロセラピューティクス リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by プリレニア ニューロセラピューティクス リミテッド filed Critical プリレニア ニューロセラピューティクス リミテッド
Publication of JP2019532926A publication Critical patent/JP2019532926A/ja
Publication of JP2019532926A5 publication Critical patent/JP2019532926A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6977029B2 publication Critical patent/JP6977029B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P21/00Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/445Non condensed piperidines, e.g. piperocaine
    • A61K31/451Non condensed piperidines, e.g. piperocaine having a carbocyclic group directly attached to the heterocyclic ring, e.g. glutethimide, meperidine, loperamide, phencyclidine, piminodine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system

Description

本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月16日に出願された米国仮特許出願第62/395,854号の利益を主張する。
本出願は、「170915_88973−A−PCT_Sequence_Listing_JTC.txt」(サイズ3キロバイト)という名前のファイルに存在するヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列を参照により組み込んでおり、これは、2017年9月15日に、MS−Windowsとの互換性のあるオペレーティングシステムを有するIBM−PCマシンフォーマットで作成されており、本出願の一部として、2017年9月15日に出願されたテキストファイルに含まれている。
本出願全体に、様々な刊行物が、最初の著者および刊行年によって参照される。これらの刊行物の完全な引用は、請求項の直前にある「参考文献」の項に記載されている。本明細書に記載の発明の日付時点での最新技術をより完全に記載するために、参考文献の項に引用した刊行物の開示内容は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
レット症候群
レット症候群(RTT)は、全ての人種および民族の集団において、10,000人から15,000人の出生女児中1人が罹患すると推定されている神経障害である(Amaral 2007)。
95〜97%の症例では、RTTは、X染色体上にあるメチル−CpG結合タンパク質2(MeCP2)遺伝子内での突然変異によって引き起こされる(Isaias 2014)。突然変異は、通常、ランダムであり、かつ自然発生的である。記録された症例の1%未満では、この突然変異は遺伝するか、またはある世代から次の世代に継承される。MeCP2遺伝子は、メチルシスチン結合タンパク質2(MeCP2)タンパク質の産生に関与している。MeCP2タンパク質は、標的遺伝子のプロモーター領域内のCpG部位でメチルシトシンおよび5−ヒドロキシメチルシトシンに結合し、コリプレッサーおよびコアクチベータを動員することによってそれらの転写を制御する(Pozzo−Miller 2015)。
珍しい症例では、RTTは、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、フォークヘッドボックスタンパク質G1(FOXG1)、およびまだ同定されていないと考えられる他の遺伝子など、他の遺伝子において部分的な遺伝子の欠失または突然変異によっても引き起こされ得る。
RTTは、調整不良、知的低下(intellectual decline)、歩行異常、および発作を伴って現れる(Weng 2011)。現在、RTTの治療法は存在していない。
プリドピジン
プリドピジン(4−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピル−ピペリジン)(以前はACR16として公知であった)は、ハンチントン病の治療のために開発中の薬物である。プリドピジンの化学名は、4−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−1−プロピルピペリジンであり、その化学登録番号はCAS 346688−38−8(CSID:7971505 2016)である。塩酸プリドピジンの化学物質登録番号は、882737−42−0(CSID:25948790 2016)である。
プリドピジンは、活動亢進を抑制するかまたは活動低下を増強することのいずれかによって運動活動を調節することが示されている。プリドピジンの神経保護特性は、シグマ−1受容体(S1R、結合IC50〜100nM)に対するその高い親和性に起因することが示唆されているが、その一方で、プリドピジンの運動活性は、主にドーパミンD2受容体(D2R)(結合IC50〜10μM)におけるその低親和性の拮抗活性によって媒介され得る(Ponten 2010)。プリドピジンは、マイクロモル範囲内の追加の受容体に対して低親和性の結合を示す。
S1Rは、細胞の分化、神経可塑性、神経保護および脳内の認知機能に関与している小胞体(ER)シャペロンタンパク質である。近年では、ラット線条体のトランスクリプトーム分析では、プリドピジン処理が、神経可塑性および生存を促進し、HDでは損なわれていることが公知であるBDNF、ドーパミン受容体1(D1R)、グルココルチコイド受容体(GR)、およびセリン−トレオニンキナーゼプロテインキナーゼB(Akt)/ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)経路の発現を活性化することを示した。さらに、プリドピジン遺伝子発現プロファイルは、Q175ノックイン(Q175 KI)HDマウスモデルにおいてHD疾患遺伝子発現プロファイルの逆パターンを示した(Geva 2016)。プリドピジンはまた、神経芽細胞腫細胞株における神経保護性脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌をS1R依存的様式で増大させる(Geva 2016)。
本発明は、対象を治療するために有効量のプリドピジンを対象に投与することを含む、レット症候群(RTT)に罹患している対象を治療するための方法を提供する。
本発明はまた、RTTに罹患している対象を治療するのに使用するための、ある量のプリドピジンを含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、RTTに罹患している対象を治療するのに有用な単位剤形の医薬組成物を提供する。
本発明はまた、RTTに罹患している対象を治療するための医薬品の製造におけるある量のプリドピジンの使用を提供する。
本発明はまた、RTTに罹患している対象を治療するためのある量のプリドピジンの使用を提供する。
また、本発明は、
(a)ある量のプリドピジンおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物と、
(b)RTTに罹患している対象を治療するための医薬組成物の使用説明書と、を含む、パッケージを提供する。
本発明はまた、RTTに罹患している対象に投薬するための、またはRTTに罹患している対象への投薬に使用するための治療用パッケージであって、
(a)各単位投与量がRTTに罹患している対象を治療するのに有効な量のプリドピジンを含む、1つ以上の単位投与量と、
(b)そのための完成した医薬容器であって、単位投与量(複数可)を収容し、対象を治療する際のパッケージの使用を指示するラベルをさらに収容するかまたは含む医薬容器と、を含む、パッケージを提供する。
本発明はまた、RTTに罹患している対象における脳由来神経栄養因子(BDNF)血清レベルを上昇させるための方法であって、対象に有効量のプリドピジンを投与し、それによって対象におけるBDNF血清レベルを上昇させる方法を提供する。本発明はまた、RTTに罹患している対象においてBDNF血清レベルまたはBDNF脳レベルを上昇させる薬剤の製造のためのプリドピジンの使用を提供する。
特徴値と特徴ランクの差を示す図である(四角で囲まれている曲線)。2つの異なるセットにおける特徴値間の相対差(%)を計算し、特徴ランクに対応する順序でそれらのランクを0から100%まで変化させてプロットする。 ランク付けされた無相関特徴空間において、2値を識別する可視化を示す図である。2つの最上位ランクの無相関特徴は、可視化を目的とした2D座標平面を形成するために選択される。それぞれの円または四角はマウスを表す。対照群のマウスは円として示され、疾患群のマウスは四角として示される。他の(規模の観点から)簡便ではあるが、クラウドの重なりから得られる同等の尺度は、識別確率=1−重なりである。これは、分類者がA群とB群との間でチャンスレベルを超えて識別するためにどれだけ確実に訓練され得るかを測定するものであり、ゼロは、100%の重なりに対応し、チャンスレベルを超える2つの群を識別することができず、100%はエラーのない識別を意味する。 8週目の後肢握りを示したマウスの割合を示す図である(WTおよびプリドピジン30mg/kgでは、握りが見られなかった)。WTと比較してp<0.05、HET−ビヒクル群と比較して^p<0.06。 ロータロッドから落下するまでの時間を示す図である。データは平均±SEMとして表す。WT−ビヒクル群と比較してp<0.05。 落下時のロータロッドの速度を示す図である。データは平均±SEMとして表す。WT−ビヒクル群と比較してp<0.05。 平均驚愕反応を示す図である。データは平均±SEMとして表す。WT−ビヒクル群と比較してp<0.05。HET−ビヒクル群と比較してp<0.05。 処理中の全マウスの体重を示す図である。データは平均値±SEMとして表す。HET−ビヒクル群とWT−ビヒクル群とを比較して、###p<0.001、##p<0.01、p<0.05。HET−ビヒクル群とHET−プリドピジン群とを比較して、***p<0.001。 8週齢のプリドピジン(3mg/kg)によるMeCP2(BIRD)マウスの歩行特徴の回復分析のまとめを示す図である。クラウドグラフは、最適識別特徴空間におけるWT(上のクラウド)、HETマウス(右下のクラウド)、およびHET+処理(左下のクラウド)の関係を可視化するために使用される。棒グラフは、さまざまな処理の回復率を示すが、図8Aでは回復がない。 8週齢のプリドピジン(30mg/kg)によるBIRDマウスの歩行特徴の回復分析のまとめを示す図である。クラウドグラフは、最適識別特徴空間におけるWT(上のクラウド)、HETマウス(右下のクラウド)、およびHET+処理(左下のクラウド)の関係を可視化するために使用される。棒グラフは、さまざまな処理の回復率(最も濃い色)を示し、55%が回復している。 12週齢のプリドピジン(3mg/kg)によるBIRDマウスの歩行特徴の回復分析のまとめを示す図である。クラウドグラフは、最適識別特徴空間におけるWT(上のクラウド)、HETマウス(左下のクラウド)、およびHET+処理(右下のクラウド)の関係を可視化するために使用される。棒グラフは、さまざまな処理の回復率を示すが、図9Aでは回復がない。 12週齢のプリドピジン(30mg/kg)によるBIRDマウスの歩行特徴の回復分析のまとめを示す図である。クラウドグラフは、最適識別特徴空間におけるWT(上のクラウド)、HETマウス(左下のクラウド)、およびHET+処理(右下のクラウド)の関係を可視化するために使用される。棒グラフは、さまざまな処理の回復率(最も濃い色)を示し、55%が回復している。 (A)〜(C)よりなり、全脳ハウスキーピング遺伝子の相対的mRNAの発現を示す。ATP5B(A)、GAPDH(B)、およびRPL13A(C);それぞれ、他の2つの遺伝子の幾何平均に正規化されている。カラムAはビヒクル処理MeCP2wtマウスを表し、カラムBはビヒクル処理MeCP2 HETマウスを表し、カラムCはプリドピジン処理MeCP2マウス(3mg/kg)を表し、カラムDはプリドピジン処理MeCP2マウス(30mg/kg)を表す。 (A)及び(B)よりなり、全脳におけるBDNF Iの相対的mRNAの発現を示す。MeCP2(Rett)マウスモデルにおける薬物有効性(A)、MeCP2_WTと比較したBDNF I転写物レスキューの程度、ビヒクル処理群(B)。カラムAはビヒクル処理MeCP2wtマウスを表し、カラムBはビヒクル処理MeCP2 HETマウスを表し、カラムCはプリドピジン処理MeCP2マウス(3mg/kg)を表し、カラムDはプリドピジン処理MeCP2マウス(30mg/kg)を表す。 (A)及び(B)よりなり、全脳におけるBDNF IVの相対的mRNAの発現を示す。MeCP2(Rett)マウスモデルにおける薬物有効性(A)、MeCP2_WTと比較したBDNF IV転写物レスキューの程度、ビヒクル処理群(B)。カラムAはビヒクル処理MeCP2wtマウスを表し、カラムBはビヒクル処理MeCP2 HETマウスを表し、カラムCはプリドピジン処理MeCP2マウス(3mg/kg)を表し、カラムDはプリドピジン処理MeCP2マウス(30mg/kg)を表す。 (A)及び(B)よりなり、全脳におけるBDNF VIの相対的mRNAの発現を示す。MeCP2マウスモデルにおける薬物有効性(A)、MeCP2_WTと比較したBDNF VI転写物レスキューの程度、ビヒクル処理群(B)。カラムAはビヒクル処理MeCP2wtマウスを表し、カラムBはビヒクル処理MeCP2 HETマウスを表し、カラムCはプリドピジン処理MeCP2マウス(3mg/kg)を表し、カラムDはプリドピジン処理MeCP2マウス(30mg/kg)を表す。 (A)及び(B)よりなり、全脳におけるBDNF IX(全長)の相対的mRNA発現を示す。MeCP2マウスモデルにおける薬物有効性(14A)、MeCP2_WTと比較したBDNF IX転写物レスキューの程度、ビヒクル処理群(14B)。カラムAはビヒクル処理MeCP2wtマウスを表し、カラムBはビヒクル処理MeCP2 HETマウスを表し、カラムCはプリドピジン処理MeCP2マウス(3mg/kg)を表し、カラムDはプリドピジン処理MeCP2マウス(30mg/kg)を表す。
本発明は、レット症候群(RTT)に罹患している対象を治療するための方法であって、対象を治療するために有効量のプリドピジンを対象に投与することを含む、方法を提供する。
一実施形態では、対象はヒト患者である。一実施形態では、ヒト患者は女性である。
一実施形態では、対象は、メチルCpG結合タンパク質2(MECP2)遺伝子に突然変異を有する。一実施形態では、対象は、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)遺伝子に突然変異を有する。一実施形態では、対象は、フォークヘッドボックスタンパク質G1(FOXG1)遺伝子に突然変異を有する。
一実施形態では、プリドピジンは、塩酸プリドピジンである。
一実施形態では、プリドピジンは、経口、経鼻、吸入、皮下注射、または静脈内、腹腔内、筋肉内、鼻腔内、口腔内、膣内、直腸内、眼内、髄腔内、局所もしくは皮内経路で投与される。一実施形態では、プリドピジンは経口投与される。
一実施形態では、プリドピジンは、エアロゾル、吸入用粉末、注射用、液体、ゲル、固体、カプセル、または錠剤の形態で投与される。
一実施形態では、プリドピジンは、定期的に投与される。
一実施形態では、プリドピジンは、1日1回未満の頻度で投与される。一実施形態では、プリドピジンは、毎日投与される。一実施形態では、プリドピジンは、1日1回投与される。別の実施形態では、プリドピジンは、1日1回以上の頻度で投与される。一実施形態では、プリドピジンは、1日2回投与される。
一実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、10mg/日〜315mg/日である。一実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、90mg/日〜315mg/日である。一実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、90mg/日〜225mg/日である。一実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、180mg/日〜225mg/日である。別の実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、約20mg/日、22.5mg/日、約45mg/日、約67.5mg/日、約90mg/日、約100mg/日、約112.5mg/日、約125mg/日、約135mg/日、約150mg/日、約180mg/日、約200mg/日、約225mg/日、約250mg/日、または約315mg/日である。一実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、45mg/日である。一実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、90mg/日である。一実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、180mg/日である。一実施形態では、投与されるプリドピジンの量は、225mg/日である。
一実施形態では、プリドピジンの量は、1日1回の投与量で投与される。一実施形態では、プリドピジンの量は、1日2回の投与量で投与される。
一実施形態では、ある投与量で投与されるプリドピジンの量は、約10mg、約22.5mg、約45mg、約67.5mg、約90mg、約100mg、約112.5mg、約125mg、約135mg、約150mg、約180mg、約200mg、約250mg、または約315mgである。一実施形態では、ある投与量で投与されるプリドピジンの量は、45mgである。一実施形態では、ある投与量で投与されるプリドピジンの量は、10〜45mgである。
一実施形態では、プリドピジンの量は、1回の投与量あたり45mgの量で1日2回の投与量で投与される。
一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後1日以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後1週間以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後1ヶ月以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後3ヶ月以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後6ヶ月以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後9ヶ月以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後12ヶ月以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後18ヶ月以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後3年以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後5年以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後10年以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後15年以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後20年以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後25年以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後30年以内に最初に投与される。一実施形態では、プリドピジンは、対象の生後30年以上後に最初に投与される。
一実施形態では、プリドピジンの定期的な投与が、少なくとも3日間、少なくとも30日間、少なくとも42日間、少なくとも8週間、少なくとも12週間、少なくとも24週間、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも5年、少なくとも10年、少なくとも15年、少なくとも20年、少なくとも25年、または30年以上継続する。
一実施形態では、プリドピジンは、対象における症状の発症を遅らせることによって対象を治療する。
一実施形態では、プリドピジンは、対象における少なくとも1つの症状の悪化を防止することによって対象を治療する。一実施形態では、プリドピジンは、対象における少なくとも1つの症状の悪化を遅らせることによって対象を治療する。一実施形態では、プリドピジンは、対象における少なくとも1つの症状を改善することによって対象を治療する。
一実施形態では、症状は、運動スキルの習得の遅延である。一実施形態では、症状は、座ること、這うこと、および/または歩くことの遅延である。一実施形態では、症状は、習得した運動スキルの部分的または完全な喪失である。一実施形態では、症状は、座る、這う、および/または歩く能力の低下である。一実施形態では、運動スキルは運動協調スキルである。
一実施形態では、症状は歩行異常である。一実施形態では、症状は運動失調症である。一実施形態では、症状は失行症である。一実施形態では、症状は筋力低下である。一実施形態では、症状は痙縮である。一実施形態では、症状は硬直性である。一実施形態では、症状は歩行障害の始まりである。
一実施形態では、症状は異常な筋緊張である。一実施形態では、症状は低緊張症である。一実施形態では、症状は末梢血管運動障害である。一実施形態では、症状は脊柱側弯症である。一実施形態では、症状は歩行障害の始まりである。
一実施形態では、症状は、意図的な手の技能の習得の遅延である。一実施形態では、症状は、習得した意図的な手の技能の部分的または完全な喪失である。一実施形態では、症状は異常な手の動きである。一実施形態では、異常な手の動きは、手を捻ること、絞ること、拍手すること、洗うこと、叩くこと、擦ること、および/または繰り返し口に手を持っていくことである。
一実施形態では、症状は、コミュニケーションスキルの習得の遅延である。一実施形態では、症状は、習得したコミュニケーションスキルの部分的または完全な喪失である。一実施形態では、コミュニケーションスキルは、言語スキルである。一実施形態では、言語スキルは、音声言語スキルである。一実施形態では、コミュニケーションスキルは、アイコンタクトである。
一実施形態では、症状は眼球運動異常である。一実施形態では、眼球運動異常は、長期にわたる凝視、過度の瞬き、斜視、および/または一度に片眼を閉じることである。
一実施形態では、症状は、呼吸の不規則性である。一実施形態では、呼吸の不規則性は、対象が起きているときに生じる。一実施形態では、呼吸の不規則性は、無呼吸である。一実施形態では、呼吸の不規則性は、過換気である。
一実施形態では、症状は、対象が起きているときの歯ぎしりである。
一実施形態では、症状は、過敏性の増大、警戒心の低下、および/または注意期間の短縮である。一実施形態では、症状は不適切な笑い声および/または叫び声である。
一実施形態では、症状は発作である。
一実施形態では、症状は心臓の異常である。一実施形態では、心臓の異常は徐脈である。一実施形態では、心臓の異常は頻脈である。
一実施形態では、症状は、疼痛に対する反応の低下である。一実施形態では、症状は、発育遅延である。一実施形態では、症状は、小頭症である。一実施形態では、症状は、睡眠パターンの障害である。一実施形態では、症状は、低栄養性の冷たい青い足である。
一実施形態では、プリドピジンが、症状を少なくとも20%改善する。一実施形態では、プリドピジンが、症状を少なくとも30%改善する。一実施形態では、プリドピジンが、症状を少なくとも50%改善する。一実施形態では、プリドピジンが、症状を少なくとも80%改善する。一実施形態では、プリドピジンが、症状を100%改善する。
一実施形態では、プリドピジンは、日常生活の活動を行う、家事を行う、財政を管理する、および/または作業を行う対象の能力を改善することによって対象を治療する。一実施形態では、プリドピジンは、対象が必要とする看護ケアのレベルを低下させることによって対象を治療する。
一実施形態では、プリドピジンは、日常生活の活動を行う、家事を行う、財政を管理する、および/または作業を行う対象の能力を維持することによって対象を治療する。
一実施形態では、プリドピジンは、対象のBDNF血清レベルを上昇させるのに有効である。一実施形態では、プリドピジンは、対象の脳内のBDNFレベルを上昇させるのに有効である。一実施形態では、プリドピジンは、対象のBDNF血清レベルを維持するのに有効である。
本発明はまた、RTTに罹患している対象を治療するのに使用するための、ある量のプリドピジンを含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、RTTに罹患している対象を治療するのに有用な単位剤形の医薬組成物を提供する。
一実施形態では、プリドピジンの量は、10mg〜315mgである。一実施形態では、プリドピジンの量は、90mg〜315mgである。一実施形態では、プリドピジンの量は、90mg〜225mgである。別の実施形態では、プリドピジンの量は、約22.5mg、約45mg、約67.5mg、約90mg、約100mg、約112.5mg、約125mg、約135mg、約150mg、約180mg、約200mg、約225mg、約250mg、または約315mgである。一実施形態では、プリドピジンの量は、45mgである。一実施形態では、プリドピジンの量は、90mgである。一実施形態では、プリドピジンの量は、180mgである。一実施形態では、プリドピジンの量は、225mgである。
本発明はまた、RTTに罹患している対象を治療するための医薬品の製造におけるある量のプリドピジンの使用を提供する。
本発明はまた、RTTに罹患している対象を治療するためのある量のプリドピジンの使用を提供する。
また、本発明は、
(a)ある量のプリドピジンおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物と、
(b)RTTに罹患している対象を治療するための医薬組成物の使用説明書と、を含む、パッケージを提供する。
RTTに罹患している対象に投薬するための、またはRTTに罹患している対象への投薬に使用するための治療用パッケージであって、
(a)各単位投与量がRTTに罹患している対象を治療するのに有効な量のプリドピジンを含む、1つ以上の単位投与量と、
(b)そのための完成した医薬容器であって、単位投与量(複数可)を収容し、対象を治療する際のパッケージの使用を指示するラベルをさらに収容するかまたは含む、医薬容器と、を含む。
本発明はまた、RTTに罹患している対象におけるBDNF血清レベルを上昇させる方法であって、対象に有効量のプリドピジンを投与することを含み、それによって対象におけるBDNF血清レベルを上昇させる方法を提供する。本発明はまた、RTTに罹患している対象におけるBDNF脳レベルを上昇させる方法であって、対象に有効量のプリドピジンを投与することを含み、それにより対象にBDNF脳レベルを上昇させる方法を提供する。
前述の実施形態について、本明細書に開示されている各実施形態は、他の開示されている実施形態のそれぞれに適用可能であることが企図される。さらに、方法の実施形態に記載の要素は、本明細書に記載の医薬組成物、使用、およびパッケージの実施形態に使用することができ、その逆もまた同様である。
用語
本明細書で使用されるとき、また他に述べられない限り、以下の用語の各々は、以下に記載される定義を有するものとする。
本明細書で使用されるとき、「プリドピジン」は、プリドピジン塩基またはその薬学的に許容される塩、ならびに誘導体、例えば重水素富化プリドピジンおよび塩を意味する。重水素富化プリドピジンおよびその塩の例ならびにそれらの調製方法は、米国特許出願公開第2013/0197031号、同第2016/0166559号および同2016/0095847号に見いだすことができ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
「重水素富化」とは、化合物の任意の関連部位における重水素の存在量が、その化合物のある量においてその部位に天然に存在する重水素の存在量より多いことを意味する。天然に存在する重水素の分布は、約0.0156%である。したがって、「重水素富化」化合物では、その関連部位のいずれかにおける重水素の存在量が、0.0156%超であり、また0.0156%超〜100%の範囲であってもよい。重水素富化化合物は、水素を重水素と交換するか、または化合物を重水素富化出発物質と合成することによって得てもよい。
本発明に従って使用するための活性化合物は、意図された投与に好適である任意の形態で提供することができる。好適な形態としては、本発明の化合物の薬学的に許容される塩、およびプレドラッグまたはプロドラッグの形態が挙げられる。
「これらの塩」は、化合物の酸性塩または塩基性塩を作ることによって修飾されている即時化合物(instant compound)の塩である。これに関して「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的使用に好適である本発明の化合物の比較的非毒性である無機のおよび有機の酸または塩基付加塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野において周知であり、記載されている手順によって形成することができる。このような塩を調製する1つの手段は、本発明の化合物を無機塩基で処理することによる。
本発明の化合物の酸付加塩の例としては、これらに限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコネート、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸、クエン酸塩、エンボン酸塩(embonate)、エナンタート(enantate)、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホネート、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホネートなど、が挙げられる。特定の実施形態では、プリドピジンは、HCl塩または酒石酸塩の塩などの薬学的に許容される塩である。好ましくは、本明細書に記載の本発明の任意の実施形態では、プリドピジンはその塩酸塩の塩の形態である。
本明細書で使用されるとき、ミリグラム単位で測定される場合のプリドピジンの「量」または「投与量」とは、調製物の形態に関係なく、調製物中に存在するプリドピジン(4−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピル−ピペリジン)のミリグラムを指す。例えば、「90mgプリドピジン」を含む単位投与量は、調製物の形態にかかわらず、調製物中のプリドピジンの量が90mgであることを意味する。したがって、塩、例えば塩酸プリドピジンの形態である場合、90mgの投与量のプリドピジンを提供するのに必要な塩形態の重量は、塩が存在するために90mgよりも多くなる。
本明細書で使用されるとき、「単位投与量(複数可)」および「単位剤形(複数可)」は、単一の薬物の投与実体(複数可)を意味する。「単位投与量(複数可)」および「単位剤形(複数可)」は、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉剤および顆粒剤などの経口剤形用に調製することができる。
本明細書で使用されるとき、数値または数値範囲の文脈における「約」は、列挙または特許請求されている数値または数値範囲の90〜110%を意味する。
「対象へ投与すること」または「(ヒト)患者へ投与すること」とは、病的状態などの状態に関連する症状を遅延、軽減、治癒、または軽減するための対象/患者への医薬品、薬物または治療薬の付与、投薬または適用を意味する。経口投与は、即時化合物を対象に投与する1つの方法である。
本発明による化合物は、塩基形態または薬学的に許容される塩の形態で、好ましくは1つ以上のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、および/または他の慣用の医薬助剤と一緒に医薬組成物中で投与することができる。
「薬学的に許容される担体」とは、高くない利益/危険率に相当する過度の有害な副作用(毒性、刺激、およびアレルギー反応など)なく、ヒトおよび/または動物と共に使用するのに好適である担体または賦形剤を指す。これは、即時化合物を対象に送達するための薬学的に許容される溶媒、懸濁剤またはビヒクルであってもよい。
投与は、定期的投与であってもよい。本明細書で使用されるとき、「定期的投与」は、期間によって分けられる繰り返し/反復投与を意味する。投与間の期間は、随時一定であることが好ましい。定期的投与は、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、毎週、週2回、週3回、週4回などの投与を含み得る。
本明細書で使用される「治療する(treat)」または「治療すること(treating)」は、RTTに罹患している対象における身体的、精神的または感情的な限界を軽減すること、低減させること、これらの重症度を低下させること、これらを消失させるか、もしくは実質的に消失させること、または改善することを含む。治療することはまた、症状を遅らせることもしくは防止すること、または疾患に関連する欠陥を減少させることを指す。
本明細書で使用されるとき、目標を達成するのに有効な量にあるような「有効な」とは、本開示の様式で使用された場合の高くない利益/危険比に相当する過度の有害な副作用(毒性、刺激、またはアレルギー反応など)なく、指示された治療応答を生じるのに十分な成分の量を意味する。例えば、RTTの症状を治療するのに有効である量。具体的な有効量は、治療されている特定の状態、患者の身体状態、治療されている哺乳動物の種類、治療期間、併用療法の性質(ある場合)、および採用された特定の製剤、および化合物またはその誘導体の構造などの要因によって変動する。
パラメータ範囲が提供される場合、その範囲内の全ての整数、およびそれらの整数の10分の1もまた本発明によって提供されることが理解される。例えば、「22mg〜300.0mg」は、22.0mg、22.1mg、22.2mg、22.3mg、22.4mgなど、最大300.0mgまでを含む。
本発明は、以下の実験の詳細を参照することによってよりよく理解されるであろうが、詳述された特定の実験は、その後に続く特許請求の範囲においてより十分に記載されている発明の単なる例示であることを当業者は容易に認識する。
実験の詳細
実施例1:レット症候群のMeCP2マウスモデルにおけるプリドピジンの有効性の評価
この調査の目標は、RTTの雌MeCP2(BIRD)マウスモデルにおけるプリドピジンの効果を査定することであった(Guy 2001)。
材料:
プリドピジン(3および30mg/kg)を10ml/kgの投与量で1日2回(投与間6時間)経口投与した。試験の日には、試験の30分前にプリドピジンを投与した。
マウスが約5.5週齢のときに投薬を開始し、行動試験終了まで継続した。行動試験は、8週齢および12週齢に行った。
雌MeCP2(MeCP1_HET、HET)マウスおよび野生型(MeCP2_WT、WT)同腹仔を、Jackson Laboratoriesから約4.5週齢の2つのコホートで受け取った。それらは固有の識別番号を割り当てられ、opti−MICE cage(Animal Care Systems,CO)にグループ収容された。十分な健康状態および適合性を保証し、かつ操作に関連する非特異的ストレスを最小限に抑えるために、開始前および全調査中の全動物を調べて体重を測定した。調査期間中、12/12の明/暗サイクルを維持した。相対湿度を約50%に維持しながら、室温を20〜23℃に維持した。調査期間中、固形飼料および水を自由に摂取させた。試験は、動物の明サイクル中に行った。
方法:
治療群:
・WTマウス−ビヒクル(週1回皮下、食塩水)、n=24(n=20コホート1;n=4コホート2)
・HET MeCP2マウス−ビヒクル(週1回皮下、食塩水)、n=24(n=20コホート1;n=4コホート2)
・HET MeCP2マウス−プリドピジン(3mg/kg;1日2回経口投与)、n=20(コホート2)
・HET MeCP2マウス−プリドピジン(30mg/kg;1日2回経口投与)、n=20(コホート1)
体重:
・体重は、週2回評価した。
行動試験:
(1)NeuroCube(登録商標)システムを用いた歩行分析
NeuroCube(登録商標)システムは、コンピュータビジョンを使用して、神経疾患、疼痛および神経障害のげっ歯類モデルにおける歩行形態および歩行動態の変化を検出するプラットフォームである。このプラットフォームは、以下の理由から歩行試験に独自のものである。
・完全に自動化されているために、バイアスまたは主観性が除去される。
・このシステムでは、歩行形態および歩行動態(立脚、スイング、推進力など)の両方を取得する。
マウスを5分間試験するためにNeuroCubeに入れた。疾患表現型(症状記述子)を定義する、集められた特徴のうち最も優勢なものが同定され、かつランク付けされた。複雑なバイオインフォマティックアルゴリズムを使用して、WTマウスとBIRDマウスとの間の識別確率を計算し、疾患表現型を逆転させる試験化合物の能力を検出した。試験化合物で治療したHETマウスにおける突然変異体と野生型との識別、ならびに疾患の特徴の回復を計算した。
(2)握り
握りは、四肢の筋肉の筋力を査定するために使用する。マウスを尾で保持し、前脚が反対面からちょうど持ち上がるまで穏やかに持ち上げた。実験者は脚を観察し、四肢の握りまたは広がりを判定した。試験後、動物を試験またはホームケージに戻した。後肢の握り率を決定し、報告した。
(3)ロータロッド
マウスを実験室に連れて行き、ロータロッド装置に置いた。ロッドは、4rpmの一定または可変の加速速度で回転する。マウスがバランスを失い、下にあるプラットフォームに落ちると、タイマーは自動的に停止した。ペーパータオルまたはおむつパッドを使用して落下を和らげた。動物が落下するのに要した時間(秒)または各マウスの持久時間は、装置が自動的に記録した。マウスを毎回定速で試験しながら装置に曝して、5分間トレーニングし、各落下後にロッドに戻した。少なくとも1時間の休止期間の後、動物を試験のためにロータロッド装置に戻した。試験セッション中の全ての動物をロッドに載せて、ロータロッド装置を5分間かけて加速速度(0〜40rpm)に置き、最初に落下するまでの時間を記録した。落下速度および落下までの時間を記録した。
(4)驚愕反応/プレパルス抑制(PPI)
音響驚愕では、外部の聴覚刺激に対する無条件反射反応を測定する。弱い聴覚刺激またはプレパルス提示後の聴覚刺激に対する抑制された驚愕反応(振幅の減少)からなるプレパルス抑制(PPI)は、統合失調症に見られるものなどの感覚運動ゲーティングにおける欠陥を査定するためのツールとして使用されてきた。これは聴覚発作を呈さない動物にのみ実施される任意の試験である。
マウスは、5分間のホワイトノイズ(70dB)に順化するために、PPIチャンバ(Med Associates)に入れた。順応期間の後、試験セッションは自動的に開始した。セッションは、驚愕刺激のみ6回提示される順化ブロック、続いて6つの異なる種類の治験の10のPPIブロックにより開始した。
治験の種類は、ヌル(刺激なし)、驚愕(120dB)、驚愕+プレパルス(暗雑音に対して4、8および12dB、すなわち74、78または82dB)およびプレパルス単独(82dB)であった。治験の種類は、各ブロック内でランダムに提示された。各治験は、ベースラインの動きが記録されている50ミリ秒のゼロ期間から開始した。その後の20ミリ秒の間にプレパルス刺激が提示され、プレパルスに対する応答が測定された。さらに100ミリ秒後、驚愕刺激を40ミリ秒間提示し、驚愕発生から100ミリ秒間、反応を記録した。応答は、1ミリ秒ごとにサンプリングした。治験間の間隔は、平均15秒(10から20秒の範囲)で変動した。
驚愕単独治験では、基本聴覚驚愕を測定し、プレパルス+驚愕治験では、正常驚愕の阻害量を決定し、最初の順化ブロックの驚愕反応を除いて、(驚愕単独治験からの)基本驚愕反応の割合(百分率)として表した。
脳の採取:
全ての行動試験が完了した後、脳試料をプリドピジン投薬の60分後に採取した。マウスを頸椎脱臼により安楽死させ、断頭した。10匹のマウス/治療群から、全脳を採取し、秤量し、次にドライアイス上で凍結した。試料は、脳由来神経栄養因子(BDNF)の分析まで、−80℃で保存した。
残りの10個の脳から、全脳を採取し、次に矢状に切断した。左半球から、線条体、PFC、および海馬を解剖し、RNAlaterに入れた。右半球から、線条体、PFC、および海馬を採取し、ドライアイス上で瞬間凍結し、タンパク質分析のために後援の指定試験所に出荷するまで−80℃で貯蔵した。
BDNF分析:
トータルRNA抽出:
組織(全脳)を、TissueLyser(Qiagen,Valencia,CA)および5mmステンレススチールビーズ(カタログ番号69989、Qiagen,Valencia,CA)とともに、750μLのQIAzol Lysis Reagent(カタログ番号79306、Qiagen,Valencia,CA)中、25Hzで2x1分間均質化した。組織が破壊されたら、試料を室温で5分間インキュベートした。
RNAの抽出には、RNA単離用のRNeasy 96 Universal Tissue Kit(カタログ番号74881、Qiagen,Valencia,CA)の製造業者のプロトコルに従った。簡単に説明すると、150μLのクロロホルム(カタログ番号C2432、Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)を添加し、試料を15秒間激しく振盪した後、室温で3分間インキュベートした。水相は、6,000xg(Beckman Coulter Avanti J−30I)、4℃で15分間遠心分離することにより、有機相から分離した。次に水相を新しい96ウェルブロックに移し、トータルRNAを等容量の70%エタノールで沈殿させた。内容物をRNeasy 96ウェルプレートに移し、続いて6,000xg(Beckman Coulter Avanti J−30I)で4分間室温で遠心分離した。カラム膜に結合したトータルRNAをRNase−Free DNaseセット(カタログ番号79254、Qiagen,Valencia,CA)で30分間処理し、続いてRW1緩衝液およびRPE緩衝液(RNeasy 96 Universal Tissue Kitで提供される)で3回洗浄ステップを行った。RNAをRNase−Free waterで溶出した。
トータルRNAの定量と逆転写:
試料は、NanoDrop 8000(Thermo Scientific)を用いて定量した。1μgのトータルRNAを、総容量20μLで、3.2μgのランダムヘキサマー(カタログ番号11034731001,Roche Applied Science,Indianapolis,IN)、各dNTP 1mM(カタログ番号11814362001),Roche Applied Science,Indianapolis,IN)、20U Protector RNase Inhibitor(カタログ番号03335402001,Roche Applied Science,Indianapolis,IN)、1X転写産物逆転写反応緩衝液および10U転写体逆転写酵素(カタログ番号03531287001,Roche Applied Science,Indianapolis,IN)を用いてcDNAに逆転写した。
各RNA試料について、最大3つの独立したRT反応を実施した。反応を室温で10分間、55℃で30分間進行させ、次いでGeneAmp PCR Systems 9700thermal cycler(Applied Biosystems,Foster City,CA)において85℃で5分間不活性化した。qPCR分析のために、cDNA試料をRNase−Free waterで10倍希釈した。
定量的PCR(qPCR):
Universal Probe Library Probesを利用する全ての反応について、25μLの反応容量中、5μlの希釈cDNAを12.5μLの2xFastStart Universal Probe Master Rox(カタログ番号04914058001、Roche Applied Science,Indianapolis,IN)、0.5μLのUniversal Probe Library Probe(Roche Applied Science,Indianapolis,IN)、200nMの遺伝子特異的プライマー−HPLC精製(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)で増幅した。反応は、ABI 7900HT配列検出システム(Applied Biosystems,Foster City,CA)で行った。qCPR条件は、FastStart Taq DNAポリメラーゼの活性化のために95℃で10分間、続いて95℃で15秒間および60℃で1分間の40サイクル行った。qPCRに使用されるプライマーおよびUniversal Probe Libraryについては、以下の表1を参照されたい。
Figure 0006977029
qPCRデータ解析
WTビヒクル処理動物のプール試料から調製した全脳cDNAを、標準化したプレートごとの変動に対するキャリブレータ(キャリブレータは試料cDNAと同じように希釈する)として使用した。この調査で使用されたqPCRアッセイのPCR効率については、上記の表1を参照のこと。
各cDNA試料(1:10希釈)を3回アッセイし、Ct値を平均化した。平均の0.5標準偏差よりも大きい値は捨てた。
PCR産物の相対量(キャリブレーターに対する)は、以下の数1の式のように計算した。
Figure 0006977029
3つのハウスキーピング遺伝子の幾何平均は次の数2の式のように算出した。
Figure 0006977029
標的遺伝子の相対レベルは以下の数3の式のように計算した。
Figure 0006977029
次いで、標的遺伝子の相対レベルをWTビヒクル群に対して正規化した。
統計分析:
標準試験のデータを、遺伝子型(t検定)ごと、および治療(ANOVA)ごと、続いて必要に応じて事後比較により分析した。いくつかの尺度(すなわち体重およびPPI)については、繰り返し尺度ANOVAを実施した。握りデータについては、N−1 2比例検定を実施した。p<0.05の場合、効果は有意であると見なした。全てのデータを、平均値と平均値に対する標準誤差(s.e.m)として表す。平均から±2の標準偏差値は、異常値と見なした。
NeuroCubeからのデータ解析:
NeuroCubeの出力結果は、バイオインフォマティクスで使用される機械学習技術を用いる解析のために提出された一連の数十の行動的特徴である。これらの特徴の多くは相関している(例:飼育数およびサポートされている飼育数)。したがって、PGIは、2つの群をより効果的に識別する元の特徴の統計的に独立した組み合わせを形成する(非相関特徴とも呼ばれる)。
無相関である各特徴が、元の特徴のクラスタ全体から情報を抽出するために、新しい特徴空間はより低い次元を有する。次に、PGIは独自の特徴ランク付けアルゴリズムを適用して、各特徴の識別力(2つの群、例えば、対照と疾患とを分ける能力)のスコア付けを行う。
ランク付けは、それぞれの特徴の変化をその関連性によって重み付けするため、解析の重要な部分である。特定の表現型について測定された、いくつかの無関係な特徴に大きな変化がある場合、低いランクのこうした特徴は、分析内におけるこうした変化の影響を自動的に減少させるため、従来の「特徴選択」アプローチに頼って、情報量の少ない特徴に埋め込まれている情報を破棄する必要はない。ランク付けアルゴリズムは、主要な対照と疾患との差に関する洞察を得るために、元の特徴または新しい特徴のいずれかに適用できる(図1を参照)。
特徴の分析:疾患表現型の定量的評価
新しい特徴空間では、「クラウド」(ランク付けされた無相関特徴空間内のマウスの群を近似させるガウス分布)間の重なりが、二群間の分離可能性(「識別可能性」)の定量的尺度として機能する(図2参照)。可視化を目的として、各クラウドは、対応する寸法に沿った1つの標準偏差に等しいその半軸でプロットした。
結果:
図3〜図6において、左側の黒いカラムはビヒクル処理野生型動物を表し、薄灰色のカラムはビヒクル処理HET動物を表し、より暗灰色のカラムは、プリドピジン処理HET動物(3mg/kg)を表し、右側の最も暗い灰色のカラムは、プリドピジン処理HET動物(30mg/kg)を表す。
行動試験:
(1)握り
8週目および12週目の握りに対するプリドピジンの効果を図3に示す。ビヒクル処理HETマウスは、WTマウスと比較して有意により強い握りを示した。プリドピジン(3mg/kg BID)は、この測定値に有意な効果を及ぼすことはなかった。しかしながら、プリドピジン(30mg/kg BID)は、8週目でこの挙動を正常化する傾向があった(p<0.06)が、この効果は12週目では見られなかった(8週目では、野生ビヒクル処理動物およびプリドピジン処理(30mg、kg)動物を表すカラムはなく、12週目では、野生ビヒクル処理動物を表すカラムはない)。
(2)ロータロッド
回転しているロッドから落下するまでの時間および落下速度に対する試験化合物の効果を、それぞれ図4および図5に示す。MeCP2_HETマウスは、WTマウスと比較してより急速に、かつより遅い回転速度で落下した。これらの処理のいずれにも治療の効果はなかった。
(3)驚愕反応/PPI
驚愕反応に対するプリドピジンの効果を図6に示す。ビヒクル処理HETマウスは、ビヒクル処理WTマウスと比較して驚愕が少なかった。プリドピジン(30mg/kg BID)は、この測定値に有意な効果を及ぼすことはなかった。しかしながら、プリドピジン(3mg/kg BID)で処理したHETマウスは、いずれの週齢においてもビヒクル処理したHETマウスと比較して高い驚愕反応を示した。プレパルス抑制反応では遺伝子型または治療効果はいずれも観察されなかったが、この反応は歴史的に可変のものであり、この試験の主要な尺度としては使用されていないが、試験の過程で集められている。
(4)体重
処理期間中の全マウスの体重の変化率を図7に示す。繰り返し測定ANOVAでは、有意な遺伝子型効果および遺伝子型x時間相互作用を発見した。調査の第2週から調査完了までの間、BWの増加率は、WTマウスと比較してHETマウスにおいて高かった。
HETマウスでは、繰り返し測定ANOVAにより有意な治療効果が見られた。プリドピジン(3mg/kgおよび30mg/kg BID)で処理した群は両方とも、ビヒクルと比較して処理後1.5週間以降、ほとんど体重増加を示さなかった。図中、薄灰色の丸はビヒクル処理野生型マウスを表す。薄灰色の四角はビヒクル処理MeCP2 HETマウスを表し、濃灰色の菱形はプリドピジン処理MeCP2 HETマウス(3mg/kg)を表し、濃灰色の丸はプリドピジン処理MeCP2 HETマウス(30mg/kg)を表す。
(5)NeuroCube(登録商標)
8週齢および12週齢のWTマウスとHETマウスとの間の識別確率は、それぞれ90%および94%であった。WTとHETとを識別した上位の歩行特徴のいくつかは、8週齢のHETマウスと比較して、より長いストライドおよび歩幅、より狭い基底幅、およびより少ない足強度のWTマウスが含まれる。12週齢では、WTマウスはまた、HETマウスと比較して、長いストライド長、ストライド時間、およびスイング時間、大きい足面積、および低い足強度を示した。8週目での歩行能力に対するプリドピジンの効果を図8に示す。12週目での歩行能力に対するプリドピジンの効果を図9に示す。プリドピジン(30mg/kg)は、8週目および12週目で全体的な歩行特徴の有意な回復を示した(それぞれ45%および55%)。
さらなる分析では、以下の表2に示すように、いくつかの歩行領域において有意差が示された。MeCP2_HETマウスは、全ての歩行特徴において、全体としてWT対照マウスと有意に異なっていた(8週目での律動性を除く)。8週目のデータは、プリドピジン(3および30mg/kg BID)で処理したMeCP2_HETマウスが両方の週齢で身体動作に対して有効性を示したことを示唆している。プリドピジン(30mg/kg BID)では、12週間の時点で、歩行単独に対する有意な効果も見られた。
Figure 0006977029
BDNF分析
WTマウスおよびHETマウスの脳試料における相対的BDNF発現に対するプリドピジンの効果を図10〜14に示す。
全脳ハウスキーピング遺伝子mRNA発現レベルは、調査した異なる動物群処理間で変化はなかった(図10参照)。
BDNF I mRNA発現は、MeCP2_WT(ビヒクル)と比較して、MeCP2_HET(ビヒクル)処理群において有意に減少した。MeCP2_HETビヒクル処理群と比較して、MeCP2_HET処理群において有意な変化は観察されなかった(図11参照)。
MeCP2_WT(ビヒクル)と比較して、BDNF IV mRNA発現は、MeCP2_HET(ビヒクル)処理群において有意に減少した。プリドピジン処理(3または30mg/kg)は、MeCP2_HETマウスにおいて、MeCP2_WTレベルに近い下方制御されたBDNF IV mRNAをレスキューした(図12参照)。
MeCP2_WT(ビヒクル)と比較して、BDNF VI mRNA発現は、MeCP2_HET(ビヒクル)処理群において有意に減少した。MeCP2_HETビヒクル処理群と比較して、MeCP2_HET処理群において有意な変化は観察されなかった(図13参照)。
MeCP2_WT(ビヒクル)と比較して、BDNF IX mRNA発現は、MeCP2_HET(ビヒクル)処理群において有意に減少した。プリドピジン処理(3または30mg/kg)は、MeCP2_HETマウスにおいて、MeCP2_WTレベルに近い下方制御されたBDNF IX mRNAをレスキューした(図14参照)。
結論
本調査では、MeCP2_HETマウスにおける歩行、握り、ロータロッド、および驚愕/PPIに対するプリドピジンの慢性皮下投与の効果を評価した。
プリドピジン(3mg/kg BID)は、歩行測定においてビヒクル処理突然変異体と有意に異なっていた。さらに、プリドピジン(3mg/kg BID)で処理したHETマウスは、両方の試験時点でビヒクル処理HETマウスと比較して驚愕反応が増大したことを示した。プリドピジン(30mg/kg BID)で処理したMeCP2_HETマウスは、歩行特徴の有意な回復を示し、8週齢で握りを正常化する傾向があった。
発明者らの以前のデータは、選択的スプライシングから生成されたが同じタンパク質を産生する、BDNF I、IV、VI、IXアイソフォームをコードする転写物が、4ヶ月齢のヘテロ接合MeCP2ノックアウトマウスの脳において下方制御されることを示した。
ビヒクル処理MeCP2_HETマウスおよびWTマウスの脳におけるこれらの転写物の相対的mRNA発現レベルを比較することによって、以前の観察結果が再現された。
MeCP2マウスでは、いずれの処理も、BDNF IおよびBDNF VI mRNA発現レベルに対する有意な効果を有することはなかった。両方の投与量のプリドピジン(3および30mg/kg BID)による処理は、BDNF IVおよびBDNF IXの下方制御されたmRNAレベルを完全にレスキューした。BDNF mRNAの発現に対するプリドピジンの好ましい効果は、行動パラダイムにおいて観察された改善と一致する。
実施例2:プリドピジン処理MeCP2マウスのRNA分析
約4.5週齢の雌MeCP2(HET、ヘテロ接合)マウスおよび野生型同腹仔を、プリドピジンまたはビヒクルのいずれかで処理した。プリドピジン(3および30mg/kg)を10ml/kgの投与量で1日2回(投与間6時間)経口投与した。4つの治療群が存在した:1.WTマウス−ビヒクル、2.HET MeCP2マウス−ビヒクル、3.HET MeCP2マウス−プリドピジン(3mg/kg;1日2回PO)、4.HET MeCP2マウス−プリドピジン(30mg/kg;1日2回PO)。
RNAは、プリドピジン処理マウスおよびビヒクル処理マウスの線条体、海馬、および皮質組織から単離した。次に、HiSeq 2x50ntペアエンドシークエンシングを備えたIllumina TruSeq Stranded mRNA Kitを用いてRNAaseqを実施した。fastqファイルをダウンロードし、GRCm38プライマリアセンブリアノテーションおよび標準オプションを有するStar alignerを使用して、fastqファイルを整列させた。遺伝子は、GeneCode vM7のFeatureCountsでカウントした。feature_typeおよびgroup_byについては、「gene」を使用し、「reverse」を撚り合わせに使用した。読み取り数を単一の行列および他の全ての下流の計算処理にマージされており、これは、R統計プログラミング言語で行われる。試料の1番目および2番目の主成分を示すプロットを使用して、外れ値を選択した。平均して1遺伝子あたり10リード未満の転写物は、除外した。edgeR RパッケージのCalcNormFactorsを使用して、TMM法で数を正規化した。limma Rパッケージを使用して、遺伝子レベルの定量化データを変換し、モデル化した。limma::voomを使用して、カウントデータを100万あたりのlog 2カウントに変換し、平均分散関係を計算した。
未だ完了していない示差的発現分析では、limma::lmFitを用いて、各遺伝子について、実験計画マトリックスに基づいて線形モデルをフィッティングし、バッチ情報を補正するための追加用語を用いる。limma::eBayesを使用して、コントラストの有意性について経験的ベイズ緩和t統計量を計算する。多重仮説により調整されたp値はlimma::toptableを使用して計算され、FDRを制御するためにBenjamini−Hochberg手順を実行した。未処理のMeCP2 HET試料と未処理のWT試料、処理済みMeCP2 HET試料と未処理のMeCP2 HET試料との間の差次的発現コントラストは、3つの組織全てについて独立して計算する。関連する生物学的サインについて、治療遺伝子発現サインが富化されているかどうかを試験するために、遺伝子セット濃縮分析(GSEA)を使用する。遺伝子は、与えられたコントラストに対して、limma生成t統計量によってランク付けされる。Enrichrは、経路解析に使用する。
期待される結果および潜在的な用途
この実験は、プリドピジンがMeCP2 HETマウスで観察された異常な転写を逆転させるかどうかを査定するために設計した。これは、疾患の文脈において、混乱している遺伝子のリストを取り、プリドピジンがこれらの遺伝子の発現をそれらの野生型レベルまで回復させるかどうかを試験することによって行われる。さらに、レット病マウスモデルの文脈においてプリドピジンが遺伝子発現にどのような影響を与えるかという問題に対する答えが求められている。経路分析は、関連経路、転写因子、またはRTTにおけるプリドピジンの潜在的な作用機序を示すキナーゼの富化をもたらし得る。BDNF経路、および他の関連経路が具体的に照会される。レット症候群の文脈におけるプリドピジン遺伝子発現のサインは、薬力学的バイオマーカー(PDバイオマーカー)の開発を助けるために使用される。線条体、海馬、または皮質で観察される治療的に関連のあるプリドピジン誘導遺伝子発現の変化は、臨床試験中により接近しやすい組織において観察可能であり得る。
これらの実験は、RTTに罹患している対象の治療におけるプリドピジンの使用を裏付けるために行う。
実施例3:RTTに罹患している患者の治療におけるプリドピジンの有効性の評価
RTTに罹患している患者にプリドピジンを定期的に(例えば、毎日または毎日2回)静脈内または経口投与することは、患者を治療するのに有効である。
プリドピジンを投与することは、RTT患者における症状の発症を効果的に遅らせる。
プリドピジンを投与することは、RTT患者における少なくとも1つの症状の悪化を効果的に防止するか、もしくは遅延させるか、または改善する。
プリドピジンを投与することは、RTT患者の運動スキルの悪化を効果的に防止するか、もしくは遅延させるか、または改善する。プリドピジンを投与することは、RTT患者の習得した運動スキルの部分的または完全な喪失を効果的に防止する。
プリドピジンを投与することは、RTT患者の悪化を効果的に防止するか、もしくは遅延させるか、または歩行を改善する。
プリドピジンを投与することは、RTT患者における運動失調、失行、筋力低下、痙縮、および/または硬直性を効果的に防止するか、遅延させるか、または改善する。プリドピジンを投与することは、RTT患者における歩行障害の始まりを効果的に防止するか、遅延させるか、または改善する。
プリドピジンを投与することは、RTT患者における異常な筋緊張、末梢血管運動障害、および/または脊柱側弯症を効果的に防止するか、遅延させるか、または改善する。
プリドピジンを投与することは、RTT患者における意図的な手の技能の悪化を効果的に防止するか、もしくは遅延させるか、または改善する。プリドピジンを投与することは、これらに限定されないが、手を捻ること、絞ること、拍手すること、洗うこと、叩くこと、擦ること、および繰り返し口に手を持っていくことを含む、異常な手の動きを効果的に防止するか、遅延させるかまたは改善する。プリドピジンを投与することは、RTT患者の習得した意図的な手の技能の部分的または完全な喪失を効果的に防止する。
プリドピジンを投与することは、発話および通常のアイコンタクトを含むがこれらに限定されない、RTT患者のコミュニケーションスキルの悪化を効果的に防止するか、もしくは遅延させるか、または改善する。プリドピジンを投与することは、RTT患者の習得したコミュニケーションスキルの部分的または完全な喪失を効果的に防止する。
プリドピジンを投与することは、発育遅延、発作、心臓の異常、呼吸の不規則性、睡眠パターンの障害、起きている間の歯ぎしり、疼痛に対する反応の低下、低栄養性の冷たい青い足、過敏性の増大、警戒心の低下、注意力の低下、不適切な笑い、および/または不適切な叫び声を効果的に防止するか、遅延させるか、または改善する。
参考文献
Amaral, M.D., et al. (2007) "TRPC channels as novel effectors of BDNF signaling: Potential implications for Rett syndrome". Pharmacol Ther, 113(2):394−409.
CSID:25948790, www.chemspider.com/Chemical−Structure.25948790.html (accessed 23:27, Jul 15, 2016).
CSID:7971505, www.chemspider.com/Chemical−Structure.7971505.html (accessed 23:33, Jul 15, 2016).
Geva , M. et al. Pridopidine activates neuroprotective pathways impaired in Huntington Disease. Human Molecular Genetics, 2016, 25(18):3975-3987
Guy J, Hendrich B, Holmes M, Martin JE, Bird A. (2001) A mouse MeCP2−null mutation causes neurological symptoms that mimic Rett syndrome. Nat Genet. 27(3):322-326.
Isaias, I.U., et al. (2014). "Gait Initiation in Children with Rett Syndrome." PLoS One, 9(4): e92736.
Ponten H, Kullingsjo J, Lagerkvist S, Martin P, Pettersson F, Sonesson C, Waters S, Waters N. In vivo pharmacology of the dopaminergic stabilizer pridopidine. (2010) Eur J Pharmacol. 644(1−3):88−95.
Pozzo−Miller, L., Pati S., & Percy, A.K. (2015). "Rett Syndrome: Reaching for Clinical Trials." Neurotherapeutics, 12(3):631−40.
U.S. Publication No. 2013/0267552 A1 (Teva Pharmaceuticals International GMBH), published October 10, 2013.
U.S. Publication No. 2014/0378508 (Teva Pharmaceuticals International GMBH), published December 25, 2014.
U.S. Publication No. 2015/0202302 (Teva Pharmaceuticals International GMBH), published July 23, 2015.
U.S. Patent No. 7,923,459 (Teva Pharmaceuticals International GMBH), issued April 12, 2011.
U.S. Patent No. 6,903,120 (Teva Pharmaceuticals International GMBH), issued June 7, 2015.
Weng, S.M. et al. (2011). "Rett Syndrome: From Bed to Bench." Pediatrics and Neonatology, 52:309−316.

Claims (18)

  1. レット症候群(RTT)に罹患している対象を治療するための薬剤の製造のためのプリドピジンまたはその薬学的に許容される塩の使用であって、
    前記対象における少なくとも1つの前記レット症候群の症状の発症を遅らせること、悪化を防止すること、悪化を遅らせること、または改善することによって前記対象を治療するための使用であり、
    前記症状は、歩行異常、運動失調症、歩行障害の始まり、意図的な手の技能の習得の遅延もしくは習得した意図的な手の技能の部分的もしくは完全な喪失、異常な手の動き、這うこともしくは歩くことの遅延、這う若しくは歩く能力の低下、または、眼球運動異常の少なくとも1つである、使用。
  2. 前記塩が塩酸プリドピジン、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコネート、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナンタート、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホネート、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩またはトルエン−p−スルホネートである、請求項1に記載の使用。
  3. 前記薬剤が、経口、経鼻、吸入、皮下注射、または静脈内、腹腔内、筋肉内、鼻腔内、口腔内、膣内、直腸内、眼内、鞘内、局所もしくは皮内経路によって投与されるように構成された、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記薬剤が経口投与されるように構成された、請求項3に記載の使用。
  5. 前記薬剤が、エアロゾル、吸入粉末、注射剤、液体、ゲル、固体、カプセルまたは錠剤の形態である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 前記薬剤が1日1回より少ない頻度、1日1回または1日2回投与されるように構成された、請求項5に記載の方法。
  7. 前記薬剤は、投与される前記プリドピジンの量が、10mg/日〜315mg/日であるように構成された、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  8. 前記薬剤は、ある投与量で投与される前記プリドピジンの量が、10mg、22.5mg、45mg、67.5mg、90mg、100mg、112.5mg、125mg、135mg、150mg、180mg、200mg、250mg、または315mgであるように構成された、請求項7に記載の使用。
  9. 前記薬剤は、ある投与量で投与される前記プリドピジンの量が、10mg〜45mgであるように構成された、請求項8に記載の使用。
  10. 前記症状が、這うこと、および/または歩くことの遅延である、請求項1に記載の使用。
  11. 前記症状が、這う、および/または歩く能力の低下である、請求項1に記載の使用。
  12. 前記異常な手の動きが、手を捻ること、絞ること、拍手すること、洗うこと、叩くこと、擦ること、および/または繰り返し口に手を持っていくことである、請求項1に記載の使用。
  13. 前記眼球運動異常が、長期にわたる凝視、過度の瞬き、斜視、および/または一度に片眼を閉じることである、請求項1に記載の使用。
  14. 前記薬剤が、前記症状を少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも80%、または100%改善する、請求項1に記載の使用。
  15. 前記薬剤が、日常生活の活動を行う、家事を行う、財政を管理する、および/または作業を行う前記対象の能力を改善または維持することによって前記対象を治療する、請求項1に記載の使用。
  16. 前記薬剤が、前記対象が必要とする看護ケアのレベルを低下させることによって前記対象を治療する、請求項1に記載の使用。
  17. 前記薬剤が、前記対象におけるBDNF血清レベルを上昇させるかもしくは維持するために、および/または前記対象においてBDNF脳レベルを上昇させるために有効である、請求項1に記載の使用。
  18. 前記対象が、メチルCpG結合タンパク質2(MeCP2)遺伝子、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)遺伝子またはフォークヘッドボックスタンパク質G1(FOXG1)遺伝子のうちの少なくとも1つにおいて突然変異を有する、請求項1に記載の使用。
JP2019514217A 2016-09-16 2017-09-15 レット症候群を治療するためのプリドピジンの使用 Active JP6977029B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662395854P 2016-09-16 2016-09-16
US62/395,854 2016-09-16
PCT/US2017/051803 WO2018053280A1 (en) 2016-09-16 2017-09-15 Use of pridopidine for treating rett syndrome

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019532926A JP2019532926A (ja) 2019-11-14
JP2019532926A5 JP2019532926A5 (ja) 2019-12-26
JP6977029B2 true JP6977029B2 (ja) 2021-12-08

Family

ID=61619744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019514217A Active JP6977029B2 (ja) 2016-09-16 2017-09-15 レット症候群を治療するためのプリドピジンの使用

Country Status (13)

Country Link
EP (2) EP3512506B1 (ja)
JP (1) JP6977029B2 (ja)
CN (1) CN109982686A (ja)
AU (1) AU2017326013B2 (ja)
BR (1) BR112019005040A2 (ja)
CA (1) CA3036984C (ja)
DK (1) DK3512506T3 (ja)
ES (1) ES2909557T3 (ja)
HU (1) HUE058314T2 (ja)
IL (1) IL265342B2 (ja)
MX (1) MX2019003069A (ja)
PL (1) PL3512506T3 (ja)
WO (1) WO2018053280A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102316933B1 (ko) 2013-06-21 2021-10-26 프리레니아 뉴로테라퓨틱스 엘티디. 헌팅턴병 치료를 위한 프리도피딘의 용도
US11090297B2 (en) 2013-06-21 2021-08-17 Prilenia Neurotherapeutics Ltd. Pridopidine for treating huntington's disease
EP3504187A4 (en) 2016-08-24 2020-05-06 Prilenia Neurotherapeutics Ltd. USE OF PRIDOPIDINE FOR THE TREATMENT OF FUNCTIONAL DECLINE
MX2019002190A (es) 2016-08-24 2019-09-11 Prilenia Therapeutics Dev Ltd Uso de pridopidina para tratar distonías.
CA3036984C (en) 2016-09-16 2023-07-18 Prilenia Therapeutics Development Ltd. Use of pridopidine for treating rett syndrome
CN116472043A (zh) * 2020-10-20 2023-07-21 普瑞尼亚神经治疗有限公司 普利多匹定和类似物用于治疗焦虑和抑郁的用途

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE9904724D0 (sv) * 1999-12-22 1999-12-22 Carlsson A Research Ab New modulators of dopamine neurotransmission I
WO2006040155A1 (en) 2004-10-13 2006-04-20 Neurosearch Sweden Ab Process for the synthesis of 4-(3-methanesulfonylphenyl)-1-n-propyl-piperidine
CA2810092A1 (en) 2010-09-03 2012-03-08 IVAX International GmbH Deuterated analogs of pridopidine useful as dopaminergic stabilizers
US9012476B2 (en) * 2011-12-08 2015-04-21 IVAX International GmbH Hydrobromide salt of pridopidine
CA2869145A1 (en) 2012-04-04 2013-10-10 IVAX International GmbH Pharmaceutical compositions for combination therapy
KR102316933B1 (ko) 2013-06-21 2021-10-26 프리레니아 뉴로테라퓨틱스 엘티디. 헌팅턴병 치료를 위한 프리도피딘의 용도
US20150202302A1 (en) 2014-01-22 2015-07-23 IVAX International GmbH Modified release formulations of pridopidine
HUE060353T2 (hu) * 2015-02-25 2023-02-28 Prilenia Neurotherapeutics Ltd Pridopidin alkalmazása memória javítására
WO2016138135A1 (en) * 2015-02-25 2016-09-01 Teva Pharmaceuticals International Gmbh Sigma-1 receptor modulators for treating huntington's disease
CA3036984C (en) 2016-09-16 2023-07-18 Prilenia Therapeutics Development Ltd. Use of pridopidine for treating rett syndrome

Also Published As

Publication number Publication date
ES2909557T3 (es) 2022-05-09
AU2017326013A1 (en) 2019-04-11
HUE058314T2 (hu) 2022-07-28
AU2017326013B2 (en) 2020-12-24
WO2018053280A1 (en) 2018-03-22
EP3512506B1 (en) 2022-01-26
MX2019003069A (es) 2019-09-02
EP4005570A1 (en) 2022-06-01
DK3512506T3 (da) 2022-04-19
JP2019532926A (ja) 2019-11-14
EP3512506A4 (en) 2020-05-27
CN109982686A (zh) 2019-07-05
BR112019005040A2 (pt) 2019-07-16
IL265342B2 (en) 2023-06-01
EP3512506A1 (en) 2019-07-24
PL3512506T3 (pl) 2022-05-30
CA3036984A1 (en) 2018-03-22
CA3036984C (en) 2023-07-18
IL265342A (en) 2019-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6977029B2 (ja) レット症候群を治療するためのプリドピジンの使用
JP5875191B2 (ja) Cmt及び関連障害を処置するための新たな組成物
AU2018342072B2 (en) Use of fenfluramine formulation in reducing number and frequencies of convulsive seizures in patient populations
JP7347743B2 (ja) トラジピタントによるアトピー性皮膚炎の改善された治療
JP6286696B2 (ja) Drd2又はankk1のsnp遺伝子型に基づく抗精神病治療
KR20160037169A (ko) 레트 증후군 및 그를 위한 치료
WO2019067413A1 (en) USE OF A FENFLURAMINE FORMULATION TO REDUCE THE NUMBER AND FREQUENCIES OF CONVULSIVE CRISES IN PATIENT POPULATIONS
BR112019010470A2 (pt) métodos de realce de resposta imune com everolimo, dactolisib ou ambos
Younger et al. Childhood spinal muscular atrophy
US20230117508A1 (en) Enhancement of camp signaling as a combination drug strategy for the treatment of psychiatric and neurological disorders in which depressive, anhedonia, motivation-related or cognition-related dysfunction exists
JP2022514659A (ja) ドーパミン作動性cns障害の治療におけるly3154207の使用のための用量レジメン
US20210106572A1 (en) Use of pridopidine for the treatment of anxiety and depression
JP2023550093A (ja) レット症候群を治療するためのプリドピジンまたはその類似体の使用
CA3083341A1 (en) Cyclobenzaprine treatment for agitation, psychosis and cognitive decline in dementia and neurodegenerative conditions
Ardizzone et al. Antipsychotic medication in adolescents suffering from schizophrenia: a meta-analysis of randomized controlled trials
US20230414596A1 (en) Use of pridopidine and analogs for treating rett syndrome
Litzenburger et al. 32 Safety, pharmacokinetics and pharmacodynamics of BI 705564, a covalent inhibitor of brutons tyrosine kinase in phase 1 clinical trials in healthy volunteers
Badadhe et al. Huntington Disease: Brief Overview
JP2017507941A (ja) 機械的な神経損傷を処置するための新規組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191018

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211012

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6977029

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150