JP2017523190A - フィリリンの化学合成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、フィリリンの化学合成方法に関する。本発明の方法は、以下の工程を含む:まず、1)グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体を第一の有機溶媒に溶解したのち、グリコシル化して、テトラアシルフィリリンを得る、つぎに、2)テトラアシルフィリリンを第二の有機溶媒に溶解したのち、脱アシル化反応のためにナトリウムメトキシドを添加し、酸性のpH調整剤を添加して反応混合液のpH値を中性に調整し、精製してフィリリンを得る。本願発明のフィリリンの化学合成方法の利点及び実用的な価値は、原料が入手し易く、グリコシル化のための触媒が安価で入手し易く、製造費を大幅に減らせ、工業的製造に使用できることである。

Description

本発明は、薬理化学分野に属し、特に、フィリリン(Phillyrin)の化学合成方法に関係する。
本願発明のフィリリンの化学合成方法の利点及び実用的な価値は、原料が入手し易く、グリコシル化のための触媒が安価で入手し易く、製造費を大幅に減らせ、工業的製造に使用できることである。
連翹(Fructus Forsythiae)は、モクセイ科(Oleaceae)、レンギョウ属(Forsythia)に属する植物である連翹(Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl (Oleaceae))の乾燥果実であり、この植物は、中国の河南省、山西省、陝西省、山東省に主に生育し、中国の他の地域、湖北省、河北省、四川省、甘粛省にも生育している。連翹は、急性風熱感冒(acute wind-heat common cold)、よう及び痛み(carbuncle and sore)、結核性リンパ節炎(tuberculous lymphadenitis)、尿路感染症(urinary tract infection)の治療等に一般的に使用される。連翹の主な成分は、抗ウイルス性、抗菌性、抗酸化物質、フリーラジカル除去、抗腫瘍及び他の薬理効果を有するフィリリンである。現在、天然の連翹からフィリリンを抽出する多くの研究が報告されており、薬用植物資源はますます不足するようになり、有効成分の含有量は比較的低い、そのため、フィリリン化学合成は製造費用を大きく減らせ、収率を向上し、植物資源の保護の役目も果たす。
Figure 2017523190
フィリリンの化学合成は研究されており、2014年には、Fan Hongyuらが、相間移動触媒及び塩基の触媒作用によってグリコシル化するため、1-ブロモ-テトラ-o-アセチル-α-D-グルコース及びフィリゲニン(phillygenin)を利用し、脱保護のためにナトリウムメトキシドを利用して、フィリリンを生成した[Fan Hongyu, Fu Li, Synthesis and Structure Characterization of Phillyrin, Liaoning Chemical Industry, 2014, 43, 241-243]、ただ、この方法の合成収率は比較的低く、ペンタ-アセチル-β-D-グルコース及び33%臭素酸を含む酢酸水溶液が、1-ブロモ-テトラ-o-アセチル-α-D-グルコースを得るため臭素化される必要があり、臭素酸の腐食性のため、臭素酸は取扱が易しくない。
本発明は、フィリリンの化学合成プロセスに存在する技術的課題を解決することを目的とするフィリリンの合成方法を提供する。本発明の方法は、合成産物であるフィリリンを高収率化し、従来技術の問題点を克服できる。本発明の方法は、処理手順及び技術プロセスが単純で、製造期間が短く、合成生産物中のフィリリン濃度が高く、高収率で及びフィリリンの製造費用を明白に低下させ、バッチ処理及び工業生産に適用できる。
本発明の目的ため、一つの態様は、下記の工程を含むフィリリン化学合成方法を提供する、
1)グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体を第一の有機溶媒に溶解したのち、グリコシル化して、テトラアシルフィリリンを得る、
2)テトラアシルフィリリンを第二の有機溶媒に溶解したのち、脱アシル化反応のためにナトリウムメトキシドを添加し、酸性のpH調整剤を添加して反応混合液のpH値を中性に調整し、精製してフィリリンを得る。
ここで、工程1)におけるグリコシル化の温度は0-20℃であり、好ましくは0-10℃であり、より好ましくは0℃である。工程1)におけるグリコシル化の反応時間は、4-15時間であり、好ましくは8-10時間であり、さらに好ましくは10時間である。
具体的には、2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミドダート(2,3,4,6-tetra-O-acyl-D-glucopyranosyl trichloroacetimidate)がグリコシル基供与容体として使用され、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2-ジクロロエタン又はトルエン、好ましくはジクロロメタンが第一の有機溶媒として使用される。
より具体的には、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダート(2,3,4,6-tetra-O-acetyl-D-glucopyranosyl trichloroacetimidate)又は2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダート(2,3,4,6-tetra-O-benzoyl-D-glucopyranosyl trichloroacetimidate)が、2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとして使用される。
ここで、2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとフィリゲニンとのモル比は、1.0-5.0:1である。
具体的には、本発明のグリコシル化において、グリコシル基供与容体である2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートの使用量は少なく、グリコシル化物の収率は低く、使用量が増加しても副産物が増加するので、グリコシル基供与容体2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとフィリゲニンとのモル比は、1.5-2.5:1が好ましい。
具体的には、グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体は、グリコシル化のための有機溶媒に溶解され、触媒が添加されたのち、グリコシル化される。
ここで、ルイス酸が触媒として使用される。
具体的には、C3-C9ハロゲンアセトアミド(haloacetamide)、C2-C8シリルフルオロヒドロカルビルスルホン酸塩(silyl fluorohydrocarbyl sulfonate)、C1-C6フルオロヒドロカルビルスルホン酸銀(silver fluorohydrocarbyl sulfonate)及び三フッ化ホウ素エーテラート(boron trifluoride etherate)、好ましくはN-ヨードスクシンイミド(N-iodosuccinimide)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(silver trifluoromethanesulfonate)、トリメチルシリルトリフラート(trimethylsilyl triflate)又は三フッ化ホウ素エーテラート(boron trifluoride etherate)、さらに好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸銀(silver trifluoro methanesulfonate)、トリメチルシリルトリフラート(trimethylsilyl triflate)及び三フッ化ホウ素エーテラート(boron trifluoride etherate)の内の一種又は複数が、ルイス酸触媒として使用される。
ここで、ルイス酸触媒とグリコシル基供与容体である2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は、1:1.0-10.0である。
ルイス酸触媒の使用量が少なければ、グリコシル基供与容体である2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートが分解して収率が低下する、ルイス酸触媒の使用量が多ければ、グリコシル基供与容体、テトラアシルフィリリンが分解し、収率が低下する。
具体的には、ルイス酸触媒とグリコシル基供与容体である2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は、好ましくは1:5.0-10.0、より好ましくは1:5-6、さらに好ましくは1:5である。
具体的には、グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体は、グリコシル化のための有機溶媒に溶解され、触媒が添加されたのち、不活性ガスの保護下でグリコシル化される。
ここで、不活性な保護ガスとしては、窒素、アルゴン又はヘリウムが挙げられ、中でも窒素が好ましい。
具体的には、グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体は、グリコシル化のための有機溶媒に溶解され、触媒及び分子篩が添加されたのち、不活性ガスの保護下でグリコシル化される。
ここで、アルミノケイ酸塩分子篩又はアルミノケイ酸塩粉末が分子篩として使用される。
具体的には、アルミノケイ酸塩分子篩として、3Å-5Åタイプのアルミノケイ酸塩分子篩が挙げられ、4Åタイプのアルミノケイ酸塩分子篩が、アルミノケイ酸塩分子篩として使用されるのが好ましい。
より具体的には、分子篩の使用量は、分子篩とフィリゲニンとの質量比が1-10:1、好ましくは2:1の条件に合致する必要がある。
具体的には、本発明の方法は、テトラアシルフィリリンが第二の有機溶媒に溶解される前に、クエンチ剤(quenching agent)によって、グリコシル化をクエンチ(quench)する工程1A)を含んでいてもよい。
ここで、トリメチルアミン、トリエチルアミン又はチオ硫酸ナトリウムが、クエンチ剤として使用できる。
具体的には、クエンチ剤の使用量は、クエンチ剤とルイス酸とのモル比が1:1-3、好ましくは1:1-1.5、より好ましくは1:1の条件に合致する必要がある。
ここで、ジクロロメタンとメタノールの混合液が、工程2)における第二の有機溶媒として使用される。
具体的には、ジクロロメタンとメタノールの混合液におけるジクロロメタンとメタノールの体積比は、1:1-10、好ましくは1:2である。
ここで、ナトリウムメトキシドと2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は、1:300-500であり、1:375-500が好ましい。
具体的には、脱アシル化時間は、4-12時間であり、4時間が好ましい。
具体的には、酢酸、プロピオン酸又は塩酸、好ましくは酢酸が酸性のpH調整剤として使用される。
より具体的には、反応混合液のpH値は6-7に調整する。
本発明におけるフィリリン化学合成の化学反応式は、以下のとおりである。
Figure 2017523190
ここで、構造式Aはフィリゲニン、構造式Bは2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダート、構造Cはテトラアシルフィリリン、構造式Dはフィリリンである。
本願発明のフィリリンの化学合成方法の利点及び実用的な価値は、原料が入手し易く、グリコシル化のための触媒が安価で入手し易く、製造費を大幅に減らせ、工業的製造に使用できることである。
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。しかし、以下の実施例は単に本発明の例示のためのものであり、これらは本発明の範囲への如何なる限定としても解釈されない。加えて、実施例における試薬及び原料は商業的に商業的に入手でき、述べられていないとしても、有機合成ガイドライン、薬物投与のガイドライン、及び機器及び試薬について対応する製造業者の指示等が参照される。
<実施例1>
1)グリコシル化
フィリゲニン(372mg,0.001mol)及び2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダート(738mg,0.0015mol)が100mLの三つ口フラスコに入れられ、ここで、フィリゲニンと2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:1.5である、無水ジクロロメタン20mL及び4Åタイプのアルミノケイ酸塩分子篩(744mg)がフラスコに添加されたのち、不活性ガスによる保護のため不活性ガスである窒素がフラスコに導入され、続いて0.5時間撹拌され、均一に混ぜられたのち、ルイス酸触媒であるトリメチルシリルトリフラート(TMSOTf,0.06mL,0.312mmol)が液滴に添加され、ここで、ルイス酸触媒と2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:5であり、分子篩とフィリゲニンとの質量比は2:1である、得られた混合物はグリコシル化するために0℃で10時間撹拌された。
反応基質であるフィリゲニンの水酸基がルイス酸によって脱水素化して得られた反応中間体は、酸素にさらされると酸化されるかもしれない、酸素にさらされる可能性は正常な反応を確保するための不活性ガスによる保護によって取り除かれる。グリコシル化は水を生成するかもしれないので、反応によって生成した水を反応系から除き、正常な反応を確保するため、分子篩が添加される。それとともに、TMSOTfは水によって分解されるかもしれないので、より正常な反応を確保するため、分子篩が添加される。
2)クエンチ処理
クエンチ剤であるトリエチルアミン(0.312mmol)がグリコシル化をクエンチするため、反応混合液に添加される、ここで、クエンチ剤であるトリエチルアミンとルイス酸触媒であるトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(すなわち、トリメチルシリルトリフラート)のモル比は1:1である。その後、クエンチされたグリコシル化混合物はブフナー漏斗によって濾過され、濾過物はシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3:2(v/v))によって濃縮、精製され、テトラアセチルフィリリンが得られる。
3)脱アシル化処理
3−1)テトラアセチルフィリリンは、ジクロロメタン及びメタノールの混合液30mlに溶解され、ここで、混合液のジクロロメタンとメタノールとの体積比は1:2であり、その後、ナトリウムメトキシド(0.22mg,0.004mmol)が添加され、ナトリウムメトキシドと2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:375であり、続いて撹拌しながら4時間脱アシル化反応したのち、pH調節剤である酢酸を加えて脱アシル化反応混合物のpHをpH6に調整する。
本発明の脱アシル化反応において、添加されたナトリウムメトキシドは、アルカリ性誘導によるグリコシド結合の破壊をせず、脱アシル化反応においてアシル保護基を除去するための塩基として働き、グリコシル化を促進する。脱アシル化反応の反応時間は、少なくとも4時間、好ましくは4-12時間である。
本発明において、酢酸は、pHを調整するため、過剰なナトリウムメトキシドを中和するため、反応を停止するため、さらには、反応を和らげるために脱アシル化混合物に添加され、酢酸は生成したグリコシド結合を破壊せず、生成物の収率を増加できる。
3−2)反応混合物は、ロータリーエバポレーターによる真空下での溶媒の蒸発によって溶媒除去・濃縮され、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=8:2(v/v))によって精製され、400.5mgの白色固体であるフィリリンが、全収率79.8%で得られる。
白色固体の融点は181-183℃であり、クロロホルム及びメタノールに溶解する。白色固体は、フィリリン標準物質(The National Institute For Food and drug Controlから入手した)と同じ物理特性を有しており、フィリリン標準物質と混合したあとも融点は変わらず、そのスペクトルデータ及び質量分析データは論文に発表されているフィリリンのものと一致する、そのため、この化合物はフィリリンと同定される。
中国薬局方(ChP,2000)の第1巻の付録VIDに記載のHPLC分析に従ったところ、精製したフィリリンの純度は99.5%である。
ESI-MSによるm/z[M-H]が533であることから、その分子量は534である。
1HNMR(600MHz,d6-DMSO)δ:7.66(br,1H,OH),7.49(d,1H,J=8.43Hz),7.21(br,2H),7.14(s,1H),7.13(s,1H),7.01(d,1H.J=7.89Hz),6.92(d,1H,J=8.12Hz),6.88(d,1H,J=8.34Hz),6.54(br,1H),5.60(d,1H,J=7.03Hz),4.82(d,1H,J=5.92Hz),4.54(d,1H,J=6.78Hz),4.42(d,1H,J=11.43Hz),4.25(m,4H),4.13(d,1H,J=9.18Hz),4.01(br,1H),3.90(t,1H,J=8.72Hz),3.75(dd,1H,J=8.99Hz,6.43Hz),3.68(s,3H),3.65(s,3H),3.64(s,3H),3.44(t,1H,J=8.72Hz),3.27(m,1H),2.82(q,1H,J=6.78Hz).
13CNMR(150MHz,d6-DMSO)δ:50.65(C-9),55.33(C-31),56.04(C-32),56.09(C-8),56.12(C-11),62.50 C-29),70.20(C-12),71.38(C-34),71.43(C-13),75.03(C-33),78.69(C-10),79.04(C-30),82.43(C-2),88.07(C-21),102.53(C-25),110.52(C-6),111.20(C-3),112.47(C-5),116.37(C-27),118.58(C-4),119.22(C-23),132.29(C-17),136.40(C-20),147.60(C-36),149.09(C-38),150.35(C-28),150.38(C-24).
<実施例2>
1)グリコシル化
フィリゲニン(372mg,0.001mol)及び2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダート(1.11g,0.0015mol)が100mLの三つ口フラスコに入れられ、ここで、フィリゲニンと2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:1.5である、無水ジクロロメタン20mL及び3Åタイプのアルミノケイ酸塩分子篩(744mg)が添加されたのち、不活性ガスによる保護のため、不活性ガスであるアルゴンが導入され、続いて0.5時間撹拌され、ルイス酸触媒であるトリフルオロメタンスルホン酸銀80mg(0.312mmol)が液滴に添加され、ここで、ルイス酸触媒と2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:5である、分子篩とフィリゲニンとの質量比は2:1である、得られた混合物はグリコシル化するために10℃で8時間撹拌される。
分子篩は、反応の促進を確実にするため、反応により生成した水を除去する目的で添加される。
2)クエンチ処理
グリコシル化をクエンチするため、クエンチ剤であるチオ硫酸ナトリウム(0.312mmol)が反応混合液に添加される、ここで、クエンチ剤であるチオ硫酸ナトリウムとルイス酸触媒であるトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルのモル比は1:1である、その後、クエンチしたグリコシル化した混合物は、ブフナー漏斗によって濾過され、濾過物はシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=2:1(v/v))によって濃縮・精製され、テトラ-ベンゾイル-フィリリンが得られる。
3)脱アシル化処理
3−1)テトラ-ベンゾイル-フィリリンは、ジクロロメタン及びメタノールの混合液30mlに溶解され、ここで、混合液のジクロロメタンとメタノールとの体積比は1:2であり、その後、ナトリウムメトキシド(0.22mg,0.004mmol)が添加され、ここで、ナトリウムメトキシドと2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:375であり、続いて撹拌しながら4時間脱アシル化反応したのち、pH調節剤である酢酸を加えて脱アシル化反応混合物のpHをpH7に調整する。
3−2)反応混合物は、ロータリーエバポレーターによる真空下での溶媒の蒸発によって溶媒除去・濃縮され、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=8:2(v/v))によって精製され、373.8mgの白色固体であるフィリリンが、全収率70%で得られる。
精製された白色固体産物の物理化学的特性、スペクトルデータ及び質量分析データは、論文に発表されているフィリリンのものと一致する、そのため、この化合物はフィリリンと同定される。
<実施例3>
1)グリコシル化
フィリゲニン(372mg,0.001mol)及び2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダート(1.23g,0.0025mol)が100mLの三つ口フラスコに入れられ、ここで、フィリゲニンと2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:2.5である、無水ジクロロメタン20mL及び5Åタイプのアルミノケイ酸塩分子篩(744mg)が添加されたのち、不活性ガスによる保護のため、不活性ガスである窒素が導入され、続いて0.5時間撹拌されたのち、ルイス酸触媒であるトリメチルシリルトリフラート(0.08mL,0.416mmol)が液滴に添加され、ここで、ルイス酸触媒と2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとモル比は1:6である、分子篩とフィリゲニンとの質量比は2:1である、得られた混合物はグリコシル化するために0℃で10時間撹拌される。
2)クエンチ処理
グリコシル化をクエンチするため、クエンチ剤であるトリエチルアミン(0.416mmol)が反応混合液に添加される、ここで、クエンチ剤であるトリエチルアミンとルイス酸触媒であるトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルとのモル比は1:1である、その後、クエンチしたグリコシル化混合物はブフナー漏斗によって濾過され、濾過物はシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3:2(v/v))によって濃縮・精製され、テトラ-アセチルフィリリンが得られる。
3)脱アシル化処理
3−1)テトラ-アセチルフィリリンは、ジクロロメタン及びメタノールの混合液30mlに溶解され、ここで、混合液のジクロロメタンとメタノールとの体積比は1:2であり、その後、ナトリウムメトキシド(0.337mg,0.00625mmol)が添加され、ここで、ナトリウムメトキシドと2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:400である、続いて撹拌しながら4時間脱アシル化反応したのち、pH調節剤である酢酸を加えて脱アシル化反応混合物のpHをpH6に調整する。
3−2)反応混合物は、ロータリーエバポレーターによる真空下での溶媒の蒸発によって溶媒除去・濃縮され、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製され(溶離液:クロロホルム/メタノール=8:2(v/v))、384.4mgの白色固体であるフィリリンが、全収率72%で得られる。
精製された白色固体産物の物理化学的特性、スペクトルデータ及び質量分析データは、論文に発表されているフィリリンのものと一致する、そのため、この化合物はフィリリンと同定される。
<実施例4>
1)グリコシル化
フィリゲニン(372mg,0.001mol)及び2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダート(492.6mg,0.001mol)が100mLの三つ口フラスコに入れられ、ここで、フィリゲニンと2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:1である、無水ジクロロメタン20mL及び4Åタイプのアルミノケイ酸塩分子篩(744mg)がフラスコに添加されたのち、不活性ガスによる保護のため、不活性ガスである窒素が導入される、続いて0.5時間撹拌され、ルイス酸触媒である三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体(0.025mL,0.2mmol)が液滴に添加され、ここで、ルイス酸触媒と2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:5であり、ここで、分子篩とフィリゲニンとの質量比は2:1であり、得られた混合物はグリコシル化するために0℃で10時間撹拌される。
2)クエンチ処理
グリコシル化をクエンチするため、クエンチ剤であるトリエチルアミン(0.2mmol)が反応混合液に添加される、ここで、クエンチ剤であるトリエチルアミンとルイス酸触媒である三フッ化ホウ素エーテラートとのモル比は1:1であり、その後、クエンチされたグリコシル化混合物はブフナー漏斗によって濾過され、濾過物はシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3:2(v/v))によって濃縮・精製され、テトラ-アセチルフィリリンが得られる。
3)脱アシル化処理
3−1)テトラアセチルフィリリンは、ジクロロメタン及びメタノールの混合液30mlに溶解され、ここで、混合液のジクロロメタンとメタノールとの体積比は1:2であり、その後、ナトリウムメトキシド(0.11mg,0.002mmol)が添加され、ナトリウムメトキシドと2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比は1:500であり、続いて撹拌しながら12時間脱アシル化反応したのち、pH調節剤である酢酸を加えて脱アシル化反応混合物のpHをpH7に調整する。
3−2)反応混合物は、ロータリーエバポレーターによる真空下での溶媒の蒸発によって溶媒除去・濃縮され、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=8:2(v/v))によって精製され、400.5mgの白色固体であるフィリリンが、全収率75%で得られる。
精製された白色固体産物の物理化学的特性、スペクトルデータ及び質量分析データは、論文に発表されているフィリリンのものと一致する、そのため、この化合物はフィリリンと同定される。
試験例:フィリリンの抗ウイルス活性試験
1 試験管内抗ウイルス試験
1.1 試験材料
(1)薬物:以下の薬物は、すべて精製水に溶解され、濾過され、殺菌され、分注され、使用するまで4℃で保管された。
1)フィリリン:Dalian Fusheng Natural Medicinal Development Co.,Ltd.から入手可能な白色固体である。2つの高速液体クロマトグラフィー検出器、すなわち、紫外線検出器及び蒸発光散乱検出器(ELSD)で面積正規化法により測定された純度は99.1%であった。
2)リバビリン注射剤:Henan Runhong Pharmaceutical Co.,Ltd.により製造された無色透明の液体である、製品ロット番号は1206261であり、中国医薬品許可番号はH19993553であり、その濃度は100mg/mlであり、本試験では陽性対照薬として使用される。
3)リン酸オセルタミビル:中国薬品生物製品検定所(National Institute for the Control of Pharmaceutical and Biological Products)から入手可能である。製品ロット番号は101096-200901であり、100mg/注入量であり、本試験では陽性対照薬として使用される。
(2)細胞株
ベロ細胞(アフリカミドリザル腎細胞)の細胞株は、吉林大学(Jilin University)の基礎医学院(College of Basic Medical Sciences)に保管されていた。
(3)ウイルス株
1)インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス及び呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、何れも中国予防医学科学院(Chinese Academy of Preventive Medicine)のウイルス研究所(Virology Institute)から商業的に入手できた。
2)コクサッキーウイルスB3型(CVB3)株は、アメリカに由来し、我々の教育及び研究オフィス(teaching and research office)に保管されていた。
3)コクサッキーウイルスA16型(CoxA16)株及びエンテロウイルスEV71株は、日本の国立仙台病院により贈与され、我々の教育及び研究オフィスで保管されていた。
4)アデノウイルス(AdV)は、吉林大学のノーマン・ベチューン医科大学の第一病院(The First Hospital of Norman Bethune Health Science Center)の小児科研究部から入手できた。
5)単純ヘルペスウイルスI型(HSV-I)は、厚生省の薬品生物製品検定所(The Institute for the Control of Pharmaceutical and Biological Products, Ministry of Health)から購入した。
(4)主な機器及び試薬
生物学的安全キャビネット BHC−1300IIA/B3,AIRTECH
炭酸ガスインキュベーター MCO−18AIC,三洋電機
倒立顕微鏡 CKX41,オリンパス
電子化学てんびん AR1140/C,DHAUS
培地 DMEM,HyClone
ウシ胎仔血清 HyClone
トリプシン Gibco
MTT Sigma
DMSOは、Tianjin Beilian Fine Chemicals Development Co., Ltd.から入手できた。
1.2 試験方法
(1)細胞の調製
ベロ細胞を1〜2日間継代培養して製膜した。培養細胞は、その後、明瞭な境界線、強い立体感及び視度が示されたのち、トリプシン消化された。トリプシン消化は、細胞表面に針状の孔が生じたあとに停止され、その後、細胞は数ミリリットルの培養液に分散され、計数され、培養液(10%のウシ胎仔血清を含有するDMEM)で約5×107 cells/Lまで希釈され、96ウェル培養プレートに播種されたのち、単層になるまで培養された。
(2)薬物毒性の測定
細胞毒性試験:薬物は、細胞毒性を測定するために表1−1に示す濃度に従って希釈された。
Figure 2017523190
維持培地(2%のウシ胎仔血清を含有するDMEM)で異なる濃度に希釈された前記薬物が、各ウェルに0.2mlずつ、各濃度に対してそれぞれ6つの重複ウェルができるように、ベロ単層細胞に滴下された。加えて、正常対照(薬物の添加なし)の6つのウェル及びブランク対照(培地のみ)の6つのウェルを設けられた。細胞は、37℃、5%炭酸ガス中で培養された。CPEが、毎日、微鏡で観察され記録された。72時間後、20μL(5mg・mL-1)のMTT溶液が各ウェルに添加され、4時間培養された。各ウェル内の培養液は吸引・廃棄され、100μLのDMSOが各ウェルに添加された。その後、培養液は5分間振盪され、492nmでのOD値が測定され、細胞生存率を算出された。細胞生存率がSPSS18.0統計ソフトウェアのプロビット回帰分析を使用して分析され、ベロ細胞に対する薬物の最大非毒性濃度(TC0)及び50%細胞毒性濃度(TC50)が算出された。
(3)種々のウイルスのTCID50の測定
10-1、10-2、10-3、10-4、10-5、及び10-6の異なる希釈度を有するように、各ウイルスが10倍段階で順次希釈された。単層ベロ細胞を含む96ウェル培養プレートの6つの重複ウェルは、正常細胞対照群とともに、100μLの順次希釈液で培養された。培養プレートは、5%炭酸ガス中、37℃で2時間培養されたのち、ウイルス液が廃棄され、100μLの細胞維持液が各ウェルに添加され、5%炭酸ガス中、37℃で培養された。細胞変性効果は、3日目から顕微鏡で観察され、結果は7日目から8日目に測定され記録された。ウイルス力価は、細胞ウェルの50%に陽性病変が起こるところを終点とする最高希釈度に基づいて、Karber法により算出された。
Figure 2017523190
(4)薬物のウイルス誘発細胞変性への影響
単層細胞で覆われた培養プレートの培養液を吸引して、100TCID50となる量の攻撃ウィルスが細胞が細胞に接種され、5%炭酸ガス中、37℃で2時間置かれ、特定の濃度(およそ最大非毒性濃度)の種々の薬物液が添加された。濃度ごとに6つの重複ウェル、200μL/ウェルで試験された。リバビリン注射剤及びリン酸オセルタミビルが陽性薬物対照群、正常対照群(ウイルス及び薬物が添加されていない。)及びウイルス対照群(ウイルスは添加されているが、薬物は添加されていない。)が、薬物のウイルス誘発CPEに与える影響を調べるために、用意された。72時間後、492nm波長下でのOD値が、MTT比色法を使用して測定され、薬物の抗ウイルス有効率(ER%)が算出された。SPSS18.0統計ソフトウェアの分散分析法(ANOVA)が、薬物間で抗ウイルス有効性に有意差があるかを否かを調べるために使用された。
Figure 2017523190
1.3 試験結果
(1)種々のウイルスのTCID50
Figure 2017523190
(2)薬物毒性の測定
1)薬物の細胞毒性の測定
ベロ細胞に対する薬物の最大非毒性濃度(TC0)、50%細胞毒性濃度(TC50)及び薬物の抗ウイルス試験に使用される濃度を表1−2に示された。
Figure 2017523190
2)ウイルス誘発性細胞障害における薬物保護効果の結果
種々のウイルスに抵抗する薬物の有効率及び一元配置分散分析法(ANOVA)の結果は、表1−3に示された。
Figure 2017523190
表1−3の結果は、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、コクサッキーウイルスB3(CVB3)、コクサッキーウイルスA16(CoxA16)、エンテロウイルスEV71、アデノウイルス(AdV)及び単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)に対するフィリリンの阻害効果が大きかったこと、ここで、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス及び単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)に対する阻害効果がリバビリン及びリン酸オセルタミビル(Tamiflu)等の抗ウイルス剤の陽性対照薬物と同等だったこと、コクサッキーウイルスB3(CVB3)、コクサッキーウイルスA16(CoxA16)、エンテロウイルスEV71及びアデノウイルス(AdV)に対する阻害効果がリバビリン及びリン酸オセルタミビル(Tamiflu)等の抗ウイルス剤の陽性対照薬物よりも優れていたこと、を示した。
2.生体内の抗ウイルス試験
2.1 実験材料
(1)実験動物
医薬用動物No.10-5219である昆明マウスは、吉林大学のノーマン・ベチューン健康科学センター(Norman Bethune Health Science Center)の実験動物センターにより提供された。
(2)実験機器
定量PCR装置 7300 ABI
PCR装置 ES-60J Shenyang Longteng Electronic
Weighing Instrument Co.,Ltd.
電子化学てんびん FA1004 Shenyang Longteng Co.,Ltd.
炭酸ガスインキュベーター HG303-5 Nanjing Experimental Instrument Factory
スーパークリーンベンチ SW-CJ-IF Suzhou Antai Air Tech Co.,Ltd.
倒立顕微鏡 CKX41 オリンパス
-80℃超低温フリーザー TECON-5082 オーストラリア
水浴振盪器 HZS-H Harbin Donglian Electronic
technology Development Co., Ltd.
マイクロプレートリーダ TECAN A-5082 オーストラリア
分光光度計 7550モデル 日本
2.2 実験方法
(1)インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスの感染により誘発された肺炎へのフィリリンの影響の研究
1)実験動物及び群分け
140匹の4週令の昆明マウスが2つの試験のために選ばれた。インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスに感染したマウスに対するフィリリン投与後の肺指数及び肺指数阻害率を測定するために、マウスは14群にランダムに分けられた(各群10匹)。
2)感染方法
脱脂綿の栓がビーカー(200〜300mL)に入れられ、綿が湿るまで適切な量のエーテルが添加された。麻酔をかけるためにマウスがそこに入れられる前に、脱脂綿が入ったビーカーは上下逆さまにされた。マウスが極度に興奮し明らかに弱ったのち、マウスが仰向けにされ、15LD50のインフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスを0.03ml/鼻孔の量で感染させられた。正常対照群では、ウイルス懸濁液は生理食塩液によって置き換えられた。
3)投与方法及び投与量
各マウスは、フィリリン、リバビリン及びリン酸オセルタミビルを感染1日前に経胃的に投与された。フィリリンは、13.0mg/kgの高用量、6.5mg/kgの中用量、及び3.25mg/kgの低用量が投与され、陽性薬物であるリバビリン及びリン酸オセルタミビルは、それぞれ19.5mg/kg及び58.5mg/kgが投与された。投与は、1日1回、連続した5日間なされた。ウイルス対照群は、同量の生理食塩液を飲ませられた。
4)肺指数測定
薬物がマウスに投与されてから5日後、8時間水を飲ませることを止めたのち、マウスは秤量され、眼球摘出による放血により殺された。その後、肺は、胸腔を開いて取り出され、続いて、生理食塩液で2度洗浄され、肺の表面の水分が濾紙により除去され、秤量された。肺指数及び肺指数阻害率は以下の式に従って算出された。
Figure 2017523190
2.3 実験結果及び分析
マウスがインフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスに感染させられたのち、得られた肺指数の平均値は、3.25〜13.0mg/kg/dの範囲の濃度のフィリリンが、2つの肺指数を大きく低下させるとともに、インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスに感染したマウス肺組織の相当な保護を提供すること、を示した。結果は、表2−1及び表2−2に示された。
Figure 2017523190
Figure 2017523190
2.4 結論
生体内の抗ウイルス試験は、フィリリンが、インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスによって誘発されるマウスのウイルス性肺炎に対して、3.25mg/kg/d〜13.0mg/kg/dの用量範囲で比較的顕著な阻害効果を有し、肺指数及び赤血球凝集価を著しく低減することができ、ウイルス対照群と比較して有意差を有すること、を示した。

Claims (10)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とするフィリリンの化学合成方法、
    1)グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体を第一の有機溶媒に溶解したのち、グリコシル化して、テトラアシルフィリリンを得る、
    2)テトラアシルフィリリンを第二の有機溶媒に溶解したのち、脱アシル化反応のためにナトリウムメトキシドを添加し、酸性のpH調整剤を添加して反応混合液のpH値を中性に調整し、精製してフィリリンを得る。
  2. 請求項1に記載の方法であって、工程1)において、2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートがグリコシル基供与容体として使用することを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法であって、グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体が、グリコシル化のための有機溶媒に溶解され、触媒が添加されたのち、グリコシル化されることを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、ルイス酸が触媒として使用されることを特徴とする方法。
  5. 請求項3又は4に記載の方法であって、触媒とグリコシル基供与容体である2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートとのモル比が、1:1-10であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1又は2に記載の方法であって、グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体が、グリコシル化のための有機溶媒に溶解され、触媒及び分子篩が添加されたのち、グリコシル化されることを特徴とする方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、アルミノケイ酸塩分子篩又はアルミノケイ酸塩粉末が分子篩として使用されることを特徴とする方法。
  8. 請求項1又は2に記載の方法であって、グリコシル基受容体であるフィリゲニン及びグリコシル基供与容体が、グリコシル化のための有機溶媒に溶解され、触媒及び分子篩が添加されたのち、不活性ガスの保護下でグリコシル化されることを特徴とする特徴とする方法。
  9. 請求項1又は2に記載の方法であって、テトラアシルフィリリンが第二の有機溶媒に溶解される前に、クエンチ剤によってグリコシル化をクエンチする工程1A)を含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項1又は2記載の方法であって、工程2)におけるナトリウムメトキシドと2,3,4,6-テトラ-O-アシル-D-グルコピラノシルトリクロロアセトイミダートのモル比が1:300-500であることを特徴とする方法。
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