JP2017500400A - シラン変性エラストマー性ポリマー - Google Patents

シラン変性エラストマー性ポリマー Download PDF

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Abstract

本発明は、主鎖変性エラストマー性ポリマーに関する。本発明は同様に、このような変性ポリマーを含むポリマー組成物、加硫ポリマー組成物の調製におけるこのような組成物の使用、及びこのポリマーから調製された物品に関する。変性ポリマーは、比較的低いヒステリシス損失を有する加硫すなわち架橋エラストマー性組成物の調製において有用である。このような加硫組成物は、例えば耐摩耗性及び引張強度などの他の所望される物理的及び化学的特性間の優れたバランスと組合わされた形で、低い発熱性、低い転がり抵抗、優れたウェットグリップ及びアイスグリップを有するタイヤトレッドを含めた多くの物品において有用である。その上、未加硫ポリマー組成物は、優れた加工性を示す。

Description

本発明は、主鎖変性(主鎖官能化)ポリマーに関する。本発明は同様に、このような変性ポリマーを含むポリマー組成物、加硫ポリマー組成物の調製におけるこのような組成物の使用、及びこのポリマーから調製された物品に関する。変性ポリマーは、比較的低いヒステリシス損失を有する加硫すなわち架橋エラストマー性組成物の調製において有用である。このような組成物は、例えば耐摩耗性及び引張強度及び優れた加工性などの他の所望される物理的及び化学的特性間の優れたバランスと組合わされた形で、低い発熱、低い転がり抵抗、優れたウェットグリップ及びアイスグリップを有するタイヤトレッドを含めた多くの物品において有用である。
原油価格の高騰及び自動車による二酸化炭素排出量の削減を求める国の法律は、タイヤ及びゴム生産業者に「燃料効率の良い」タイヤの生産を余儀なくさせている。燃料効率の良いタイヤを得るための1つの一般的アプローチは、ヒステリシス損失を低減させるタイヤ調合物を生産することにある。加硫エラストマー性ポリマーにおける主要なヒステリシス源は、遊離ポリマー鎖末端、すなわち、最後の架橋とポリマー鎖の末端との間のエラストマー性ポリマー鎖の区間に起因すると考えられる。ポリマーの遊離端は、効率の良い弾性的に回復可能なプロセスに参与せず、その結果、ポリマーのこの区間に伝達されるエネルギーは失われる。この消散エネルギーは、動的変形下で顕著なヒステリシスを導く。加硫エラストマー性ポリマーにおけるもう1つのヒステリシス源は、加硫エラストマー性ポリマー組成物中の充填剤粒子の分布が不充分であることに起因すると考えられる。架橋エラストマー性ポリマー組成物のヒステリシス損失は、その60℃におけるtanδ値に関係づけされる(「ISO4664−1:2005;ゴム、加硫または熱可塑性ゴム;動的特性の決定−第1部:一般的ガイダンス」を参照のこと)。概して、比較的小さい60℃tanδを有する加硫エラストマー性ポリマー組成物は、ヒステリシス損失が比較的低いものとして好まれる。最終的タイヤ製品において、このことは、より低い転がり抵抗及び優れた燃料節約の形で現われる。
転がり抵抗のより低いタイヤは、ウェットグリップ特性の低下と引き換えに製造できるということが、一般に受入れられている。例えば、ランダム溶液スチレン−ブタジエンゴム(ランダムSSBR)中で、ポリスチレン単位濃度が合計ポリブタジエン単位濃度に対して相対的に低下し、1,2−ポリジエン単位濃度が恒常に保たれている場合、SSBRガラス転移温度は低下し、その結果、60℃でのtanδ及び0℃でのtanδの両方共が減少し、これは一般に、タイヤの転がり抵抗の改善及びウェットグリップ性能の低下に対応している。同様にして、ランダム溶液スチレン−ブタジエンゴム(ランダムSSBR)において、1,2−ポリブタジエン単位濃度が合計ポリブタジエン単位濃度に対して相対的に低下し、ポリスチレン単位濃度が恒常に保たれている場合、SSBRガラス転移温度は低下し、その結果、60℃でのtanδ及び0℃でのtanδの両方共が減少する。したがって、ゴム加硫物の性能を正しく査定する場合、60℃でのtanδに関係する転がり抵抗及び0℃でのtanδに関係するウェットグリップの両方を、タイヤの発熱と共に監視しなければならない。
WO2007/047943は、タイヤトレッドにおいて使用するための加硫エラストマー性ポリマー組成物中に使用できる鎖末端変性エラストマー性ポリマーを生産するための硫化シランオメガ鎖末端変性剤の使用について記載している。硫化シラン化合物をアニオン開始型リビングポリマーと反応させて、「鎖末端変性」ポリマーが生産され、このポリマーは、次に充填剤、加硫剤、促進剤または油伸展剤とブレンドされて、低いヒステリシス損失を有する加硫エラストマー性ポリマー組成物が生産される。変性剤が2つまたは3つのアルコキン基を含む場合、結果として得られる官能化ポリマーは、−Si−OR基及び−S−SiR3基を含み、これらの基は充填剤と官能化ポリマーの反応性混合中に典型的に存在するような条件下では、シラノール基(−Si−OH)及びチオール基(−S−H)に変換される。シラノール基とチオール基は、シリカなどのシラノール表面基を含む充填剤に対して反応性を有し、一方チオール基は、容易にチオラジカルに変換される。こうして、官能化ポリマー−シリカ結合及び官能化ポリマー−ポリマー結合の形成が予想される。硬化ゴムのヒステリシス特性はこの技術によって著しく改善できるものの、変性剤化合物では唯一つのポリマー鎖末端しか官能化できないことから、その影響は限定的である。その上、1つの鎖末端において硫化シラン変性剤によって変性されたポリマーと第2のポリマー鎖末端またはポリマー主鎖において他の変性剤で変性されたポリマーの何らかの協働効果についての開示は全く無い。
JP2010168528は、ポリブタジエン画分が80%以上のシス−1,4含有量と20%以下の1,2含有量とを有するポリブタジエンゴムのヒドロシリル化について記載している。ポリマーは、遷移金属のメタロセン錯体の存在下で、1,3−ブタジエンを重合することによって作製される。ヒドロシリル化ポリブタジエン及びシリカを含むゴム調合物は、50℃でのtanδ値を低減し、発熱を低下させる結果をもたらすものとして報告されている。改良型ゴム調合物は、トリエトキシシラン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンまたはジメチルシリルジエチルアミンでヒドロシリル化されたポリブタジエンを含む。JP2010168528の実施例は、0.25〜1mol/molのSiH/ビニル変性度を使用する。より高い変性度は、シラン分子の反応ひいては添加効率の低下を導くと言われている。JP2010168528は、ヒドロシリル化ポリマーと末端封止剤などの他の変性剤との協働効果について全く実証していない。
EP0874001は、充填剤としてのカーボンブラック及びシリカと変性ポリマーを含む加硫エラストマー性ゴム組成物ならびに特異的シランを用いた、75〜96%のトランス−1,4含有量及び5〜20%の1,2含有量を有する結晶質ポリブタジエンの変性について記載している。加硫ゴム組成物は、詳細には対応する非変性ポリマーに基づく化合物と比べて50℃でのtanδを示すものとして記載されている。しかしながら、硬化ゴム試料の性能利点は専ら、タイヤの転がり抵抗の低減の指標である50℃でのtanδの値の低減にしか反映されていない。硬化ゴムの発熱、60℃における反発弾性またはペーン効果の測定値は全く存在しない。その上、硬化シリカ充填ゴム試料の他の重要な性能基準、特にタイヤのウェットグリップ性能の指標としての0℃におけるtanδ、タイヤのアイスグリップ性能指標としての−10℃におけるtanδ及び耐摩耗性についての指摘は全く存在しない。
一般に、SSBRは、不活性有機溶媒中で有機リチウム開始剤を用いてスチレン(芳香族ビニル化合物)及び1,3−ブタジエン(共役ジエン)のアニオン重合を介して、工業的に生産される。こうして得られたポリマー鎖末端は、アニオン性または「リビング」鎖末端である。リビング鎖末端を官能化剤(変性剤(modifierまたはmodifying agent)と反応させると、鎖末端変性ポリマー鎖が導かれる。それでも、鎖末端官能化は、ポリマー鎖1つにつき1つの変性または官能基しか生産せず、より大量の変性剤を使用することによって鎖末端変性の効果を増大させることはできない。その上、ポリマーの加工性を改善するために一般に使用されるカップリング剤の使用は、鎖末端官能化により利用可能なリビング鎖末端の量を削減する。
本発明によると、ポリマー鎖の主鎖における変性によって、ポリマー1個あたり2つ以上の官能基を導入し、それに付随して変性剤の効果を増大させることが可能であることが発見された。
第1の態様において、本発明は、
i) 少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するブタジエンのホモポリマーまたは、共役ジエンまたは芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上のコモノマーとブタジエンとのコポリマーであって、コポリマーが少なくとも10wt%のブタジエン単位と少なくとも総量で40wt%の共役ジエン単位(ブタジエンを含む)とを含み、前記コポリマーのポリブタジエン画分が少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するコポリマーと、
ii) 下記式
(H)nSi(X)m(R1p(式1)
によって表わされるシラン変性剤との反応生成物である変性エラストマー性ポリマーを提供し、
式中、
Xが独立して、Cl、−OR2、−SR3及び−NR45から選択されており;
1が独立して、(C1〜C6)アルキル及び(C6〜C18)アリールから選択されており;
nが、1、2及び3から選択される整数であり;m及びpが各々独立して、0、1、2及び3から選択される整数であり;n+m+p=4であり:
2とR3が独立して、水素、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びMR678から選択され;
4及びR5が独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びMR91011から選択され;R4及びR5が共に結合されて、窒素原子と共に環構造を形成してよく、この環構造はさらに環の内部に−O−、−S−、>NH及び>NR12から選択される1つ以上の基を追加で含んでいてよく;
Mがケイ素またはスズであり;
6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が独立して(C1〜C6)アルキルから選択される。
第2の態様において、本発明はさらに、本明細書中に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法(主鎖変性プロセス)において、
i) 少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するブタジエンのホモポリマーまたは、共役ジエン及び芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上のコモノマーとブタジエンとのコポリマーであって、コポリマーが少なくとも10wt%のブタジエン単位と少なくとも総量で40wt%の共役ジエン単位(ブタジエンを含む)とを含み、前記コポリマーのポリブタジエン画分が少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するコポリマーと、
ii) 本明細書中に記載の式1によって表わされるシラン変性剤とを反応させるステップを含む方法を提供している。
第3の態様において、本発明は、
1) 本明細書中に記載の本発明の変性エラストマー性ポリマーと、
2) (i)前記ポリマーを製造するために使用される重合プロセス及び/または主鎖変性プロセスに添加されるかまたはその結果として形成される構成成分、(ii)重合及び/または主鎖変性プロセスから溶媒除去後に残留している構成成分、ならびに(iii)重合及び/または主鎖変性プロセスの完了後にポリマーに添加される構成成分から選択される1つ以上のさらなる構成成分と、
を含む、非硬化ポリマー組成物を提供している。
第4の態様において、本発明はさらに、本発明の非硬化ポリマー組成物を加硫することによって得られる、すなわち、
1) 本明細書中に記載の本発明の変性エラストマー性ポリマーと、
2) (i)前記ポリマーを製造するために使用される重合プロセス及び/または主鎖変性プロセスに添加されるかまたはその結果として形成される構成成分、(ii)重合及び/または主鎖変性プロセスから溶媒除去後に残留している構成成分、ならびに(iii)重合及び/または主鎖変性プロセスの完了後にポリマーに添加される構成成分から選択される1つ以上のさらなる構成成分と、
3) 少なくとも1つの加硫剤と、
の反応生成物を含む加硫ポリマー組成物を提供している。
第5の態様において、本発明は、本発明の加硫ポリマー組成物から形成される少なくとも1つの構成成分を含む物品を提供する。
本発明の第1の態様の変性エラストマー性ポリマーは、ブタジエンのホモポリマーまたは、共役ジエンまたは芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上のコモノマーとブタジエンとのコポリマーであって、該コポリマーが少なくとも10wt%のブタジエン単位と少なくとも総量で40wt%の共役ジエン単位(ブタジエンを含む)とを含み、前記コポリマーのポリブタジエン画分が少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するコポリマーと、本明細書に記載の式1によって表わされるシラン化合物との反応生成物である。
式1のシラン変性剤(主鎖変性剤)
主鎖変性剤(backbone modifier agentまたはbackbone modirying agent)とも呼ばれる本発明において使用されるシラン変性剤は、本明細書中に記載の式1の化合物である。
式1のシラン変性剤中、Xは好ましくは独立して、Cl、−OR2及び−NR45から、より好ましくは−OR2及び−NR45から選択される。Xが−OR2である場合、R2は好ましくは、(C1〜C18)アルキルから、より好ましくは(C1〜C12)アルキルから、そしてさらに一層好ましくは(C1〜C8)アルキルから選択される。Xが−SR3である場合、R3は好ましくは(C1〜C18)アルキルから、より好ましくは(C1〜C12)アルキルから、そしてさらに一層好ましくは(C1〜C8)アルキルから選択される。Xが−NR45である場合、R4及びR5は好ましくは独立して(C1〜C18)アルキルから、より好ましくは(C1〜C12)アルキルから、そしてさらに一層好ましくは(C1〜C8)アルキルから選択される。−N445の具体的な好ましい実施形態としては、−NMe2、−NEt2、−NPr2、−NBu2、−N(CH2Ph)2、−N(ペンチル)2、−N(シクロヘキシル)2、−N(オクチル)2、モルホリノ[−N(CH22O]、ピペリジノ[−N(CH25]、N−メチルピペラジノ[−N(CH22NMe]及びピロリジノ[−N(CH24]]が含まれる。
式1のシラン変性剤中、R1は好ましくは独立してメチル、エチル、プロピル、ブチル及びフェニルから選択される。
式1のシラン変性剤中、好ましくは、nは1であり、mは1、2及び3から選択される整数であり、pは0、1及び2から選択される整数である。
具体的実施形態において、Xは独立して、−OR2及び−NR45から選択され、R1は独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル及びフェニルから選択され、nは1であり、mは1、2及び3から選択される整数であり、pは0、1及び2から選択される整数である。
本発明において使用されるシラン変性剤の具体的な好ましい例としては、HSi(OMe)3、HSi(Me)(OMe)2、HSi(Me)2(OMe)、HSi(Et)(OMe)2、HSi(Et)2(OMe)、HSi(Pr)(OMe)2、HSi(Pr)2(OMe)、HSi(Bu)(OMe)2、HSi(Bu)2(OMe)、HSi(Ph)(OMe)2、HSi(Ph)2(OMe)、HSi(OEt)3、HSi(Me)(OEt)2、HSi(Me)2(OEt)、HSi(Et)(OEt)2、HSi(Et)2(OEt)、HSi(Pr)(OEt)2、HSi(Pr)2(OEt)、HSi(Bu)(OEt)2、HSi(Bu)2(OEt)、HSi(Ph)(OEt)2、HSi(Ph)2(OEt)、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、HSi(Cl)3、H2Si(Cl)2、HSi(Me)(Cl)2、HSi(Me)2(Cl)、HSi(Et)(Cl)2、HSi(Et)2(Cl)、HSi(Pr)(Cl)2、HSi(Pr)2(Cl)、HSi(Bu)(Cl)2、HSi(Bu)2(Cl)、HSi(Ph)(Cl)2、HSi(Ph)2(Cl2)、H2Si(Ph)(Cl)、HSi(Ph)(Me)(Cl)、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、(Me)2NSi(H)(Me)2、(Et)2NSi(H)(Me)2、(Pr)2NSi(H)(Me)2、(Bu)2NSi(H)(Me)2、((Me)2N)2Si(H)(Me)、((Et)2N)2Si(H)(Me)、((Pr)2N)2Si(H)(Me)、((Bu)2N)2Si(H)(Me)、((Me)2N)3Si(H)、((Et)2N)3Si(H)、((Pr)2N)3Si(H)、((Bu)2N)3Si(H)、(Me)2NSi(H)(Ph)2、(Et)2NSi(H)(Ph)2、(Pr)2NSi(H)(Ph)2、(Bu)2NSi(H)(Ph)2、((Me)2N)2Si(H)(Ph)、((Et)2N)2Si(H)(Ph)、((Pr)2N)2Si(H)(Ph)、((Bu)2N)2Si(H)(Ph)、(Me)2NSi(H)(Cl)2、(Et)2NSi(H)(Cl)2、(Pr)2NSi(H)(Cl)2、(Bu)2NSi(H)(Cl)2、((Me)2N)2Si(H)(Cl)、((Et)2N)2Si(H)(Cl)、((Pr)2N)2Si(H)(Cl)及び((Bu)2N)2Si(H)(Cl)が含まれる。
未変性ポリマー及び構成するモノマー
本発明において主鎖変性を受ける未変性ポリマーは、ブタジエンのホモポリマーまたは、共役ジエン(共役ジエンモノマー)及び芳香族ビニル化合物(芳香族ビニルモノマー)から選択される1つ以上のコモノマーとブタジエンとのコポリマーである。コポリマーは、少なくとも10wt%、好ましくは少なくとも20wt%、そしてより好ましくは少なくとも30wt%のブタジエンを含み、総量で少なくとも40wt%、好ましくは少なくとも50wt%の共役ジエン(単複)(ブタジエンを含む)を含む。(ブタジエンの)ホモポリマーまたはコポリマーのポリブタジエン画分は、少なくとも20wt%、好ましくは少なくとも30wt%のビニル基含有量を有する。
本発明において有用である例示的共役ジエン(1,3−ブタジエン(「ブタジエン」)以外)としては、2−(C1〜C5アルキル)−1,3−ブタジエン、例えばイソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン及び1,3−シクロオクタジエンが含まれる。2つ以上の共役ジエンを、組合せた形で使用してもよい。好ましい共役ジエンとしては、イソプレン及びシクロペンタジエンが含まれる。
本発明において有用である例示的芳香族ビニル化合物としては、モノビニル芳香族化合物、すなわち1つの芳香族基に付着した単一のビニル基有する化合物、及び1つの芳香族基に付着した2つ以上のビニル基を有するジ−以上のビニル芳香族化合物が含まれる。例示的芳香族ビニル化合物としては、スチレン、C1〜C4アルキル−置換スチレン、例えば2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン及び4−tert−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、Ν,Ν−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジン及びジビニル芳香族化合物、例えば1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン及び1,4−ジビニルベンゼンが含まれる。2つ以上の芳香族ビニル化合物を組合せて使用してもよい。好ましい芳香族ビニル化合物は、モノビニル芳香族化合物、好ましくはスチレンである。1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン及び1,4−ジビニルベンゼンを含むジビニルベンゼンなどのジ−以上のビニル芳香族化合物を、(ポリマーを製造するために使用されるモノマーの合計モル重量に基づいて)総量で1wt%以下だけ使用してよい。1つの好ましい実施形態においては、1,4−ジビニルベンゼンが、ブタジエン、芳香族ビニル化合物としてのスチレン及び任意には共役ジエンモノマーとしてのイソプレンと組合せて使用される。
大部分の利用分野について、芳香族ビニル化合物(単複)は、合計モノマー含有量の5〜60重量%、そしてより好ましくは10〜50重量%を構成する。5重量%未満の含有量は、ウェットスキッド特性、耐摩耗性及び引張強度の低下を導く可能性があり、一方60重量%超の含有量は、ヒステリシス損失の増大を導く可能性がある。
エラストマー性コポリマーは、ブロックまたはランダムコポリマーであってよく、芳香族ビニル化合物単位の好ましくは40重量%以上が単独で連結され、好ましくは、10重量%以下は、8つ以上の芳香族ビニル化合物が隣接して連結されている「ブロック」である。この範囲外にあるコポリマーは、多くの場合、ヒステリシス損失の増大を示す。隣接連結された芳香族ビニル単位の長さは、Tanakaらにより開発されたオゾン分解−ゲル浸透クロマトグラフィ法(Polymer、第22巻、1721〜1723頁(1981))により測定可能である。
本発明のエラストマー性コポリマーを調製する上で使用可能である共役ジエン及び芳香族ビニル化合物以外のコモノマーとしては、アクリルモノマー、例えばアクリロニトリル、アクリレート類、例えばアクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート及びブチルアクリレート、ならびにメタクリレート類、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート及びブチルメタクリレートが含まれる。このような他のコモノマーの総量は、好ましくは、全てのモノマーの10wt%を上回らず、より好ましくはその5wt%を上回らない。最も好ましい実施形態において、共役ジエン及び芳香族ビニル化合物以外のコモノマーは一切使用されない。
本発明において使用するための好ましい未変性ポリマー及びコポリマーとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン−イソプレンゴム及びブタジエン−イソプレンースチレンゴム、より好ましくは、合計モノマー含有量の5〜60重量%、より好ましく合計モノマー含有量の10〜50重量%のスチレン含有量を伴うスチレン−ブタジエンゴムが含まれる。
車両のタイヤを生産するためには、以下のポリマーが、本発明に係る主鎖変性にとって特に有利である:天然ゴム;−50℃超のガラス転移温度を有するエマルジョンSBR及び溶液SBRゴム;少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するポリブタジエンゴム;及びこれらのうち2つ以上の組合せ。
重合
本発明において使用される未変性ポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)は、ポリマー技術における従来公知の実践法にしたがった構成モノマーの(共)重合によって調製される。エラストマー性ポリマーは、概して、アニオン、ラジカルまたは遷移金属を触媒とする重合を介して調製可能であるが、好ましくはアニオン重合によって調製される。重合は、溶媒中で行なわれてよく、鎖末端変性剤、変性カップリング剤を含めたカップリング剤、ランダム化剤化合物及び重合促進剤化合物のうちの1つ以上と共に実施されてよい。好適な重合技術、開始剤の反応度を増大させ、芳香族ビニル化合物をランダムに配列し、ポリマー内に導入される1,2−ポリブタジエンまたは1,2−ポリイソプレンまたは3,4−ポリイソプレン単位をランダムに配列するための構成成分、各構成成分の量、及び好適なプロセス条件は、例えば、その全体が参照により本明細書中に援用されているWO2009/148932中に記載されている。
重合は、バッチ式、連続または半連続条件下で行なうことができる。重合プロセスは、好ましくは、結果として得られるポリマーが反応混合物中で実質的に可溶である溶液重合としてか、またはポリマーが反応触媒中で実質的に不溶である懸濁液/スラリー重合として実施される。重合溶媒としては、開始剤、触媒または活性ポリマー鎖を不活性化しない炭化水素溶媒が従来使用されている。重合溶媒は、2種以上の溶媒の組合せであってよい。例示的炭化水素溶媒としては、脂肪族及び芳香族溶媒が含まれる。具体例としては、(想定可能な全ての構造異性体を含めて)以下のものがある:プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブテン、プロペン、ペンテン、ヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン及びキシレン。
開始剤
上述のモノマーの重合は、典型的には、アニオン開始剤化合物、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムまたはマグネシウム原子を少なくとも1つ有する有機金属化合物、1〜約20個の炭素原子を含む有機金属化合物(ただしこれらに限定されない)によって開始される。2つ以上の開始剤化合物は組合せて使用してよい。有機金属化合物は、好ましくは少なくとも1つのリチウム原子を含み、例示的化合物としては、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ヘキシルリチウム、1,4−ジリチオ−n−ブタン、1,3−ジ(2−リチオ−2−ヘキシル)ベンゼン及び1,3−ジ(2−リチオ−2−プロピル)ベンゼン、好ましくはn−ブチルリチウム及びsec−ブチルリチウムが含まれる。開始剤化合物の量は、重合すべきモノマー及びポリマーの標的分子量に基づいて調整される。開始剤の総量は、モノマー(合計重合可能モノマー)100グラムあたり、典型的に0.1〜10mmol、好ましくは0.2〜5mmolである。
ランダム化剤
ランダム化剤とも呼ばれる極性配位化合物を任意に重合に添加して、(ポリブタジエン画分のビニル結合含有量を含めた)共役ジエン部分の微細構造を調整するか、または芳香族ビニル化合物の組成物分布を調整して、ランダム化剤構成成分として役立たせてよい。2つ以上のランダム化剤を組合わせて使用してもよい。例示的ランダム化剤は、ルイス塩基であり、エーテル化合物、例えばジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、アルキルテトラヒドロフリルエーテル類、例えばメチルテトラヒドロフリルエーテル、エチルテトラヒドロフリルエーテル、プロピルテトラヒドロフリルエーテル、ブチルテトラヒドロフリルエーテル、ヘキシルテトラヒドロフリルエーテル、オクチルテトラヒドロフリルエーテル、テトラヒドロフラン、2,2−(ビステトラヒドロフルフリル)プロパン、ビステトラヒドロフルフリルホルマル、テトラヒドロフルフリルアルコールのメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのブチルエーテル、α−メトキシテトラヒドロフラン、ジメトキシベンゼン及びジメトキシエタン、及び第3級アミン化合物、例えばトリエチルアミン、ピリジン、Ν,Ν,Ν’,Ν’−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、N,N−ジエチルエタノールアミンのメチルエーテル、Ν,Ν−ジエチルエタノールアミンのエチルエーテル及びN,N−ジエチルエタノールアミンを含むが、これらに限定されない。好ましいランダム化剤化合物の例は、参照によりその全体が本明細書に援用されているWO2009/148932中で特定されている。ランダム化剤(単複)は典型的に、0.012:1〜10:1、好ましくは0.1:1〜8:1そしてより好ましくは0.25:1〜約6:1のランダム化剤化合物対開始剤のモル比で添加される。
カップリング剤
ポリマーの分子量及びポリマーの特性をさらに制御するために、1つのカップリング剤(「連結剤」)または2つ以上のカップリング剤の組合せを使用することができる。好適なカップリング剤には、四塩化スズ、四臭化スズ、四フッ化スズ、四ヨウ化スズ、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、三ハロゲン化アルキルスズ及びアルキルケイ素または二ハロゲン化ジアルキルスズ及びジアルキルケイ素が含まれる。四ハロゲン化スズまたはケイ素とカップリングされたポリマーは、最大4本の腕を有し、三ハロゲン化アルキルスズ及びアルキルケイ素とカップリングされたポリマーは最大3本の腕を有し、二ハロゲン化ジアルキルスズ及びジアルキルケイ素とカップリングされたポリマーは最大2本の腕を有する。ヘキサハロジシランまたはヘキサハロジシロキサンもカップリング剤として使用でき、結果として最大6本のアームを伴うポリマーをもたらす。有用なヘキサハロジシラン及びジシロキサンとしては、Cl3Si−SiCl3、Cl3Si−O−SiCl3、Cl3Sn−SnCl3及びCl3Sn−O−SnCl3が含まれる。スズ及びケイ素のカップリング剤のさらに有用な例としては、Sn(OMe)4、Si(OMe)4、Sn(OEt)4及びSi(OEt)4が含まれる。最も好ましいカップリング剤はSnCl4、SiCl4、Sn(OMe)4及びSi(OMe)4である。カップリング剤の好適な組合せには、Bu2SnCl2とSnCl4;Me2SiCl2とSi(OMe)4;Me2SiCl2とSiCl4;SnCl4とSi(OMe)4;及びSnCl4とSiCl4が含まれる。
カップリング剤は、重合中に、間欠的に(規則的なまたは不規則な間隔で)または連続的に添加されてよいが、好ましくは、重合の転換率が80wt%以上に達した時点で一度に、そしてより好ましくは転換率が90wt%以上に達した時点で一度に添加される。例えば、カップリング剤は、非対称カップリングが所望される場合、重合中に連続的に添加され得る。この連続的添加は、通常、バルク重合が発生しているゾーンから分離した反応ゾーン内で行なわれる。カップリング剤は、分配及び反応のため好適な混合を伴って、例えばシクロヘキサンなどの炭化水素溶液の形で重合混合物に対して添加され得る。ポリマーカップリング反応は、0℃〜150℃、好ましくは15℃〜120℃、さらに一層好ましくは40℃〜100℃の温度範囲内で実施されてよい。カップリング反応の持続時間については、全く制限がない。しかしながら、例えばバッチ重合プロセスの場合などのように経済的な重合プロセスでは、カップリング反応は通常、カップリング剤の添加後、約5〜60分で停止される。
好ましくは、実質的割合のポリマー鎖末端は、カップリング剤との反応に先立ち終端されていない。すなわち、リビングポリマー鎖末端が存在し、ポリマー鎖カップリング反応においてカップリング剤と反応することができる。カップリング反応は、鎖末端変性剤のあらゆる添加の前、後または添加中に起こる。カップリング反応は、鎖末端変性剤のあらゆる添加前に完了していることが好ましい。一実施形態においては、カップリング反応の結果として、リビングポリマー鎖の80パーセント以下、好ましくは65パーセント以下、より好ましくは50パーセント以下が、カップリング剤と反応させられる。
使用されるカップリング剤の総量は、カップリングされたポリマーのムーニー粘度に影響を及ぼし、典型的には、4.0モルのリビング、ひいてはアニオンポリマー鎖末端毎に0.01〜2.0モル、好ましくは0.02〜1.5モル、より好ましくは0.04〜0.6モルの範囲内にある。
シリカ及びカーボンブラックの両方を含むタイヤトレッド化合物中でスズ及びケイ素カップリング剤の組合せを使用することが、特に所望される。このような場合、エラストマー性ポリマーをカップリングするために用いられるスズ対ケイ素化合物のモル比は、通常20:80〜95:5;より典型的には40:60〜90:10、そして好ましくは60:40〜85:15の範囲内にある。最も典型的には、エラストマー性ポリマー100グラムあたり総量で約0.001〜4.5mmolのカップリング剤が用いられる。100グラムのポリマーあたり約0.05〜約0.5mmolのカップリング剤を使用して、所望されるムーニー粘度を得、かつ残留リビングポリマー画分の後続する鎖末端官能化を可能にすることが、通常好まれる。これより大きい量は、末端反応性基を含むポリマーまたは不充分なカップリングを生成する傾向をもち、不充分な鎖末端変性しか可能にしない。
促進剤化合物
重合は、任意には、開始剤の反応度を増大させるため(ひいては重合速度を上昇させるため)、ポリマー内に導入された芳香族ビニル化合物をランダムに配列するため、または芳香族ビニル化合物の単一鎖を提供してリビングアニオンエラストマー性コポリマー内の芳香族ビニル化合物の分布に影響を及ぼすために促進剤を含むことができる。2つ以上の促進剤化合物の組合せを使用してもよい。促進剤の好適な例としては、ナトリウムアルコキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムアルコキシド及びカリウムフェノキシド、好ましくはカリウムアルコキシド及びカリウムフェノキシド、例えばカリウムイソプロポキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウムt−アミロキシド、カリウムn−ヘプチルオキシド、カリウムベンジルオキシド、カリウムフェノキシド;カルボン酸類、例えばイソ吉草酸、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、安息香酸、フタル酸及び2−エチルヘキサン酸のカリウム塩類;有機スルホン酸類、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸及びオクタデシルベンゼンスルホン酸のカリウム塩類;及び有機亜リン酸のカリウム塩類、例えば亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジブチル及び亜リン酸ジラウリルが含まれる。促進剤化合物は、開始剤1.0グラム原子当量あたり0.005〜0.5モルの総量で添加してよい。0.005モル未満が添加される場合、充分な効果が達成されないかもしれない。その一方で、促進剤化合物の量が約0.5モル超である場合、鎖末端変性反応の生産性及び効率は、著しく削減され得る。
停止剤
停止剤は、アニオン「解離」ポリマー鎖末端と反応し、そのプロトン化を結果としてもたらすことのできる少なくとも1つの活性水素原子を含む。重合プロセスにおいては、単一の停止剤または2つ以上の停止剤の組合せを使用してよい。好適な停止剤としては、水、アルコール、アミン、メルカプタン及び有機酸、好ましくはアルコール、より好ましくはC1〜C4アルコールがある。
停止剤は、重合中に、間欠的に(規則的なまたは不規則な間隔で)または連続的に添加されてよいが、好ましくは、重合の転換率が80wt%以上に達した時点で一度に、そしてより好ましくは転換率が90wt%以上に達した時点で一度に添加される。例えば、停止剤は、広い分子量分布が所望される場合、重合中に連続的に添加され得る。停止剤は、未希釈状態で、または例えばシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒中に溶解させて重合混合物に添加することができる。
主鎖変性
式1のシラン変性剤は、ブタジエンと任意の共役ジエン(単複)及び芳香族ビニル化合物(単複)との重合中に、間欠的に(規則的なまたは不規則な間隔で)または連続的に添加されてよいが、好ましくは、重合の転換率が80wt%以上に達した時点で一度に、より好ましくは転換率が90wt%以上に達した時点で一度に添加される。好ましくは、ポリマー鎖末端の大部分、特に少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%は、主鎖変性剤の添加に先立ち停止させられる。すなわち、リビングポリマー鎖末端は存在せず、ポリマー鎖末端変性反応において主鎖変性剤と反応することができない。ポリマー鎖末端の停止は、カップリング剤または停止剤の作用によって、鎖末端官能化によって、または他の手段、例えば重合プロセスにおける不純物などによって、あるいは鎖間または鎖内反応によってもたらすことができる。主鎖変性剤の添加は、(使用される場合)カップリング剤の添加の前、後または添加中、及び(使用される場合)鎖末端変性剤の添加の前、後または添加中、及び(使用される場合)停止剤の添加の前、後または添加中に実施されてよい。好ましくは、主鎖変性剤は、カップリング剤、鎖末端変性剤及び停止剤のあらゆる添加の後に添加される。一部の実施形態において、リビングポリマー鎖末端の3分の1超がカップリング剤と反応させられ、続いて鎖末端変性剤が添加され反応させられ、その後主鎖変性剤が添加される。
主鎖変性剤は、希釈無し(ニート)で、ポリマー溶液(重合溶液)に直接添加されてよい。ただし、不活性溶媒(例えばシクロヘキサン)などの中に溶解させた状態で主鎖変性剤を添加するのが有益であるかもしれない。重合に添加される主鎖変性剤の量は、モノマーの種、主鎖変性剤の種、反応条件及び所望の末端特性に応じて変動するが、一般にポリマー(すなわちいかなる溶媒、油、充填剤及び水も無い未変性ポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー))の重量に基づいて0.001〜5重量百分率、好ましくは0.01〜3重量百分率、そして最も好ましくは0.05〜2重量百分率である。主鎖変性(ヒドロシリル化)は、0℃〜150℃、好ましくは15℃〜100℃、そしてさらに一層好ましくは25℃〜80℃の温度範囲内で実施されてよい。概して、官能化反応の持続時間及びタイミングについて、制限は全く無い。ポリマーは、当業者が容易に設定する通り、典型的には数秒から48時間、または最長24時間、好ましくは最長12時間、より好ましくは最長4時間、または最長2時間の範囲内の好適な時間中、シラン変性剤と反応させられる。ポリマーとシラン変性剤との間のヒドロシリル化反応は、部分的にまたは完全に、ポリマー溶液に対するシラン変性剤の添加後、ポリマーのワークアッププロセス中、ポリマー配合の間、またはポリマー化合物の加硫プロセスにおいて発生し得る。しかしながら、ポリマーのワークアップ前にポリマー溶液内でシラン変性剤化合物を分布させることが非常に重要である。
ヒドロシリル化反応は、当該技術分野において公知の通りに実施され得、通常、ヒドロシリル化触媒の存在下で実施される。好ましくは、当該技術分野において公知である通り、触媒は、遷移金属または遷移金属化合物、より好ましくは白金またはロジウムまたは白金またはロジウム化合物である。2つ以上の触媒化合物を組合せて使用してもよい。白金触媒の典型的な例は、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、好ましくはカールシュテット触媒またはアルコールで変性された塩化白金酸である。ロジウム系触媒の例としては、RhCl(PPh33、RhCl(CO)(PPh32、RhH(CO)(PPh33及び塩化Rh(I)のオレフィン錯体(例えばエチレンまたは1,5−シクロオクタジエンを伴うもの)が含まれる。触媒は、シラン変性剤の添加の前、後または同時に添加されてよい。好ましくは、ヒドロシリル化触媒は、シラン変性剤と共に添加される。ヒドロシリル化触媒の総量は、添加されるシラン変性剤の量によって左右されるが、概して、シラン変性剤のモル量との関係において、0.001〜5mol%、好ましくは0.005〜2mol%、そしてより好ましくは0.01〜1mol%である。より少ない量のヒドロシリル化触媒では、シラン変性剤の転換が低すぎる場合があり、その量がさらに多くなると経済的に不利であるかもしれない。
変性ポリマー
本発明の変性エラストマー性ポリマーは、前述のホモポリマーまたはコポリマーと式1のシラン変性剤との反応生成物である。
概して、ケイ素原子に直接結合した少なくとも1つの水素原子を含むシラン化合物を、共役ジエンの1,2−付加の結果として得られるペンダントエチレン不飽和基を含み共役ジエンに基づくポリマーに対して添加することにより、主に、前記不飽和基のヒドロシリル化が導かれる。したがって、1,2−付加共役ジエン単位を含むエラストマー性ポリマーと式1に係るシラン変性剤との間のヒドロシリル化反応は、下記式11−aまたは11−b、
の構造基を有する主鎖変性エラストマー性ポリマーを結果としてもたらすと考えられている
式中、R1、X、n、m、pは本明細書中に記載の通りであり、Rは(使用される共役ジエンに応じて)H及びC1〜C5アルキルから独立して選択される。
好ましい態様では、ヒドロシリル化反応は、エラストマー性ポリマーのビニル基と式1に係るシラン変性剤との間で発生し、下記式11−cまたは11−d、
の構造基を結果としてもたらすと考えられている
式中R1、X、n、m、pは本明細書に記載の通りである。
ホモポリマーまたはコポリマーのポリブタジエン画分中の1,2−ビニル基含有量が20%未満の場合、ヒドロシリル化反応の収量減少が導かれる。
鎖末端変性剤及び鎖末端変性
ポリマー特性をさらに制御するために、1つ以上の鎖末端変性剤を使用することができる。特に好適な鎖末端変性剤ならびにその調製及び使用方法としては、各々参照により本明細書に全体が援用されているPCT/EP2012/068120、WO2007/047943、WO2008/032417、WO2009/148932及びUS6,229,036、JP2000−230082及びWO2011/042507中に開示されているものが含まれる。
好ましい鎖末端変性剤は、下記式2、
のものである
式中、
1はケイ素原子またはスズ原子であり;
Tは、少なくとも2価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、または(C1〜C18)アルキルであり、各基は、アミン基、シリル基、(C7〜C18)アラルキル基及び(C6〜C18)アリール基の1つ以上で置換されてよく;
14及びR18は各々独立して、(C1〜C4)アルキルから選択され;
13、R15、R16及びR17は、同じかまたは異なるものであり、各々独立して(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アラルキルから選択され;
a及びcは、各々独立して0、1及び2の整数から選択され;b及びdは各々独立して1、2及び3の整数から選択され、aとbの和は3であり(a+b=3);cとdの和は3である(c+d=3)。
WO2007/047943中で開示され請求されている鎖末端変性剤、すなわち下記式3、
のものが、本発明における使用のために極めて好ましい
式中、
2はケイ素原子またはスズ原子であり;
Uは少なくとも2価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリールまたは(C1〜C18)アルキルであり、各々の基は、アミン基、シリル基、(C7〜C18)アラルキル基及び(C6〜C18)アリール基から選択される1つ以上と置換されてよく;
19は、独立して(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アラルキル及びR24−(C24O)g−O−から選択され、ここでR24は独立して(C5〜C23)アルキル、(C5〜C23)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C25)アラルキルから選択され、gは4、5及び6から選択される整数であり;
20は、独立して(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アラルキルから選択され;
21、R22及びR23は各々独立して(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アラルキルから選択され;
eは0、1または2から選択される整数であり、fは1、2または3から選択される整数であり;e+f=3である。
式3の鎖末端変性剤の具体的な好ましい種としては、
(MeO)3Si−(CH23−S−SiMe3、(EtO)3Si−(CH23−S−SiMe3、(PrO)3Si−(CH23−S−SiMe3、(BuO)3Si−(CH23−S−SiMe3、(MeO)3Si−(CH22−S−SiMe3、(EtO)3Si−(CH22−S−SiMe3、(PrO)3Si−(CH22−S−SiMe3、(BuO)3Si−(CH22−S−SiMe3、(MeO)3Si−CH2−S−SiMe3、(EtO)3Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)3Si−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−S−SiMe3、(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、((MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、((MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe3、(PrO)Me)2Si−(CH23−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、((MeO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(MeO)3Si−(CH23−S−SiEt3、(EtO)3Si−(CH23−S−SiEt3、(PrO)3Si−(CH23−S−SiEt3、(BuO)3Si−(CH23−S−SiEt3、(MeO)3Si−(CH22−S−SiEt3、(EtO)3Si−(CH22−S−SiEt3、(PrO)3Si−(CH22−S−SiEt3、(BuO)3Si−(CH22−S−SiEt3、(MeO)3Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)3Si−CH2−S−SiEt3、(PrO)3Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)3Si−CH2−S−SiEt3、(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(BuO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、((MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(BuO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−(CH23−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−(CH22−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、((MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−(CH23−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−(CH23−S−SiEt3、(PrO)Me)2Si−(CH23−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−(CH23−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−(CH22−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si
−(CH22−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−(CH22−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−(CH22−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、((MeO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(MeO)3Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(EtO)3Si−(CH23−S−SiMe2 tΒu、(PrO)3Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(ΒuO)3Si−(CΗ23−S−SiMe2 tBu、(MeO)3Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(EtO)3Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(PrO)3Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(BuO)3Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(MeO)3Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(EtO)3Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(PrO)3Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(BuO)3Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(ΜeO)3Si−CΗ2−CMe2−CΗ2−S−SiMe2 tBu、(EtO)3Si−CΗ2−CMe2−CΗ2−S−SiMe2 tBu、(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(BuO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(BuO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(BuO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(BuO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(MeO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(EtO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(PrO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(BuO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(BuO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(BuO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(MeO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(EtO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(PrO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(BuO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe2 tBu、(MeO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(EtO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(PrO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(BuO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe2 tBu、(MeO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(EtO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(PrO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(BuO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe2 tBu、(MeO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(EtO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(PrO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(BuO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe2 tBu、(MeO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu、(EtO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBu及び(PrO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe2 tBuが含まれるが、これらに限定されない。
鎖末端変性剤は、重合中に、間欠的に(規則的なまたは不規則な間隔で)または連続的に添加されてよいが、好ましくは、重合の転換率が80wt%以上に達した時点で一度に、そしてより好ましくは転換率が90wt%以上に達した時点で一度に添加される。好ましくは、実質的な量のポリマー鎖末端が、鎖末端変性剤との反応以前に停止されない。すなわち、リビングポリマー鎖末端は存在し、末端変性剤と反応することができる。鎖末端変性反応は、カップリング剤の添加の前、後または添加中に発生してよい。鎖末端変性反応は、カップリング剤の添加後に完了するのが好ましい。例えば、参照により本明細書に援用されているWO2009/148932を参照のこと。
一実施形態においては、重合プロセス中に形成されるGPCにより決定されたポリマー鎖の20パーセント超、好ましくは35パーセント超、そしてさらに一層好ましくは50パーセント超が、ポリマー鎖末端変性プロセス中に鎖末端変性剤と反応させられる。
一実施形態において、GPCにより決定されるポリマー鎖末端の20パーセント超、好ましくは35パーセント超、さらに一層好ましくは50パーセント超、そして好ましくは最高80パーセントが、鎖末端変性剤(単複)の添加に先立ちカップリング剤(単複)と反応させられる。
一実施形態において、GPCにより決定される(カップリング反応後になお残留している)アルファ変性リビングポリマー高分子の50パーセント超、好ましくは60パーセント超、そしてより好ましくは75パーセント超が、鎖末端変性剤と反応する。
鎖末端変性剤は、希釈無しで、ポリマー溶液に直接添加されてよい。ただし、不活性溶媒(例えばシクロヘキサン)中などに溶解した形で作用物質を添加するのが有益であるかもしれない。重合に添加される鎖末端変性剤の量は、モノマーの種、カップリング剤、鎖末端変性剤のタイプ、反応条件及び所望の生成物特性に応じて調整されるが、一般に開始剤化合物中のアルカリ金属の1モル当量あたり0.05〜5モル当量、好ましくは0.1〜2.0モル当量、そして最も好ましくは0.2〜1.5モル当量である。鎖末端変性反応は、0℃〜150℃、好ましくは15℃〜120℃、そしてさらに一層好ましくは25℃〜100℃の温度範囲内で実施されてよい。鎖末端変性反応の持続時間について、制限は全く無い。しかしながら、例えば、バッチ重合プロセスの場合などの経済的な重合プロセスに関しては、鎖末端変性反応は通常、変性剤の添加後約5〜60分で停止させられる。
非硬化ポリマー組成物−反応性配合
本発明の第3の態様の非硬化ポリマー組成物は、本発明の変性エラストマー性ポリマーと、(i)前記ポリマーを製造するために使用される重合プロセス及び/または主鎖変性プロセスに添加されるかまたはその結果として形成される構成成分、(ii)重合及び/または主鎖変性プロセスから溶媒除去後に残留している構成成分、ならびに(iii)重合及び/または主鎖変性プロセスの完了後にポリマーに添加される構成成分[したがって、機械式ミキサーを使用することなどによって「溶媒を含まない」ポリマーに添加される構成成分を含む]から選択される1つ以上のさらなる構成成分と、を含む。好ましい実施形態において、非硬化ポリマー組成物は、本発明の変性エラストマー性ポリマーと1つ以上の充填剤を含み、より好ましくは、それは本発明の変性エラストマー性ポリマーと1つ以上の充填剤及び1つ以上の伸展油を含む。
本発明のポリマー組成物において、本発明の変性エラストマー性ポリマーは、好ましくは、存在する合計ポリマーの少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも25重量%、そしてさらに一層好ましくは少なくとも35重量%を構成する。ポリマーの残留部分は、未変性エラストマー性ポリマーまたは本発明によって変性されていないポリマーである。好ましい未変性エラストマー性ポリマーの例は、WO2009/148932中で仕訳されており、好ましくは、スチレン−ブタジエンコポリマー、天然ゴム、ポリイソプレン及びポリブタジエンを含む。未変性ポリマーが、20〜200、好ましくは25〜150の範囲内のムーニー粘度(上述の通り、ASTM D1646(2004)にしたがって測定された100℃、ML1+4)を有することが所望される。
本発明のポリマー組成物において、本発明の変性エラストマー性ポリマーは、好ましくは、合計組成物の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、そしてさらに一層好ましくは少なくとも15重量%を構成する。
一実施形態において、非硬化(非架橋または未加硫)ポリマー組成物は、重合及び/または主鎖変性プロセスにおいて得た反応混合物の従来のワークアップによって得られる。ワークアップ(work−up)とは、水蒸気蒸留または真空蒸発技術を用いた溶媒の除去を意味する。
別の実施形態では、本発明の非硬化ポリマー組成物は、好ましくはゴムベール(すなわち、内部ミキサー内での及び/または二本ロールミルを用いた従来の配合プロセスの製品)の形をした(本発明のポリマーを含む)ワークアップ済みの反応混合物、ならびに少なくとも1つの充填剤が関与するさらなる機械式混合プロセスの結果として得られる。さらなる詳細は、F.Rothemeyer、F.Sommer、Kautschuk Technologie:Werkstoffe−Verarbeitung−Produkte、第3版、(Hanser Verlag、2013)及びその中で引用されている参考文献中に記載されている。
上述の構成成分(i)、(ii)及び(iii)の例としての以下の構成成分は通常、タイヤに使用するための非硬化組成物中で用いられている。すなわち、充填剤、伸展油、加工助剤、シランカップリング剤、安定剤、さらなるポリマー、加硫剤。
充填剤
好ましい実施形態において、本発明の変性エラストマー性ポリマーは、1つ以上の充填剤と組合わされ、反応させられる。充填剤は、ポリマー組成物中で補強剤として役立ち、カーボンブラック、シリカ、カーボン−シリカ2相充填剤、カーボンナノチューブ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リグニン、非晶質充填剤、例えばガラス粒子系充填剤、粘土(層状ケイ酸塩)、例えばマガディアイト、及びデンプン系充填剤から選択されてよい。
充填剤の例は、全体が参照により本明細書に援用されているWO2009/148932中に記載されている。本発明で使用するための具体的実施形態は、カーボンブラックとシリカの組合せ;単独またはカーボンブラック及び/またはシリカと組合せたカーボン−シリカ2相充填剤である。
カーボンブラックは、従来から炉方法により製造され、一部の実施形態では50〜200m2/g、好ましくは60〜150m2/gの窒素吸着(N2A)比表面積及び80〜200ml/100グラムのDBP吸油量を有するカーボンブラック、例えばFEF;HAF、ISAFまたはSAFクラスのカーボンブラックが使用される。より低いN2A値は、補強効果の低下を結果としてもたらす場合があり、一方、N2A値がより高くなると、ヒステリシス損失の増加及びゴム化合物の加工性の低下が導かれるかもしれない。一部の実施形態では、高凝集タイプのカーボンブラックが使用される。カーボンブラックは典型的には、合計エラストマー性ポリマーの100重量部あたり2〜100重量部、一部の実施形態では5〜100重量部、一部の実施形態では10〜100重量部、そして一部の実施形態では10〜95重量部の量で添加される。
シリカ充填剤の例としては、湿式法シリカ、乾式法シリカ、合成ケイ酸塩タイプのシリカ及びそれらの組合せであるが、これらに限定されない。小さい粒径と大きい表面積を有するシリカは、高い補強効果を示す。小径高凝集タイプのシリカ(すなわち大きい表面積と高い吸油性を有するシリカ)は、所望される特性及びより優れた加工性を表わす、エラストマー性ポリマー組成物中における卓越した分散性を示す。一次粒子径で表わしたシリカの平均粒径は、一部の実施形態においては5〜60nm、一部の実施形態では10〜35nmである。さらに、シリカ粒子の比表面積(BET法で測定したN2A)は、一部の実施形態において35〜300m2/gである。一部の実施形態において、シリカは、150〜300m2/gの表面積を有する。より低いN2A値は、不利に低い補強効果を導くかもしれず、一方より高いN2A値は、粘度が増加し加工性が低下したゴム化合物を提供する場合がある。好適なシリカ充填剤の直径、粒度及びBET表面積については、WO2009/148932を参照されたい。シリカは、合計エラストマー性ポリマー100重量部に対して、10〜100重量部、一部の実施形態では30〜100重量部、そして一部の実施形態では30〜95重量部の量で添加される。
カーボンブラックとシリカを一緒に添加してもよく、その場合、カーボンブラックとシリカの総量は、合計エラストマー性ポリマー100重量部あたり、30〜100重量部、そして一部の実施形態では30〜95重量部である。このような充填剤がエラストマー組成物中で均一に分散しているかぎり、(上述の範囲内で)数量を増加させると結果として、卓越した転がり及び押出し加工性を有する組成物、ならびに有利なヒステリシス損失特性、転がり抵抗、改善されたウェットスキッド抵抗、耐摩耗性及び引張強度を示す加硫製品が得られる。
カーボン−シリカ2相充填剤は、本教示にしたがって、独立した形あるいはカーボンブラック及び/またはシリカと組合わせた形のいずれで使用してもよい。カーボン−シリカ2相充填剤は、単独で添加した場合でも、カーボンブラックとシリカの組合せ使用によって得られるものと同じ効果を示すことができる。カーボン−シリカ2相充填剤は、カーボンブラックの表面にシリカをコーティングすることによって製造されるいわゆるシリカ被覆カーボンブラックであり、商標CRX2000、CRX2002またはCRX2006(CabotCo.製品)の下で市販されている。カーボン−シリカ2相充填剤は、シリカに関して上述したものと同じ量で添加される。カーボン−シリカ2相充填剤は、カーボンブラック、シリカ、粘土、炭酸カルシウム、カーボンナノチューブ、炭酸マグネシウム及びそれらの組合せを含む(ただしこれらに限定されない)他の充填剤と組合せて使用可能である。一部の実施形態では、カーボンブラック及びシリカが、個別にまたは組合せた形で使用される。
伸展油
粘度またはムーニー値を低減させるため、または変性エラストマー性ポリマーの加工性ならびに(加硫)組成物のさまざまな性能特性を改善するために、変性エラストマー性ポリマーと共に油(伸展油とも呼ばれる)を使用してよい。
好適な油の代表例及び分類については、各々その全体が参照により本明細書に援用されているWO2009/148932及び米国特許出願公開第2005/0159513号を参照されたい。
代表的油には、MES(軽度抽出溶媒和物)、TDAE(処理留出物芳香族抽出物)、T−RAE及びS−RAEを含む(ただしこれらに限定されない)RAE(残留芳香族抽出物)、T−DAE及びNAP(軽質及び重質ナフテン油)を含むDAE、例えばNytex4700、Nytex8450、Nytex5450、Nytex832、Tufflo2000、及びTufflo1200が含まれるが、これらに限定されない。さらに伸展油として、植物油を含む(ただしこれらに限定されない)天然油を使用することができる。代表的油には、上述の油の官能化された変形形態、詳細にはエポキシ化油またはヒドロキシル化油も含まれる。上述の油は、可変的濃度の多環式芳香族化合物、パラフィン系物質、ナフテン系物質及び芳香族物質を含み、異なるガラス転移温度を有する。これらの油タイプの特性決定については、Kautschuk Gummi Kunststoffe、第52巻、799〜805頁を参照のこと。
加工助剤
任意には、本発明のポリマー組成物に対して加工助剤を添加することができる。通常、加工助剤はポリマー組成物の粘度を低下させるために添加される。その結果、混合期間は短縮されかつ/または、混合ステップの数が削減され、その帰結として消費エネルギーは少なくなり、かつ/またはゴム化合物押出し加工プロセス中により高い処理能力が得られる。代表的な好適な加工助剤は、各々その全体が参照により本明細書に援用されている、Rubber Handbook、SGF、The Swedish Institution of Rubber Technology 2000及びWerner Kleemann、Kurt Weber、Elastverarbeitung−Kennwerte und Berechnungsmethoden、Deutscher Verlag fur Grundstoffindustrie(Leipzig、1990)中に記載されている。加工助剤は以下の通りに分類することができる:
(A)オレイン酸、プリオレーン、プリステレン及びステアリン酸を含む(ただしこれらに限定されない)脂肪酸;
(B)Aktiplast GT、PP、ST、T、T−60、8、F;Deoflow S;Kettlitz Dispergator FL、FL Plus;Dispergum 18、C、E、K、L、N、T、R;Polyplastol 6、15、19、21、23;Struktol A50P、A60、EF44、EF66、EM16、EM50、WA48、WB16、WB42、WS180、WS280及びZEHDL;を含む(ただしこれらに限定されない)脂肪酸塩;
(C)Aflux 12、16、42、54、25;Deoflow A、D;Deogum 80;Deosol H;Kettlitz Dispergator DS、KB、OX;Kettlitz−Mediaplast 40、50、Pertac/GR;Kettlitz−Dispergator SI;Struktol FL及びWB 212を含む(ただしこれらに限定されない)分散剤及び加工助剤;ならびに
(D)Struktol W33及びWB42を含む(ただしこれらに限定されない)極めて活性の高い白色充填剤用の分散剤。
2官能化シラン及び単官能基シラン(本明細書中では「シランカップリング剤」とも呼ばれている)も同様に、任意には加工助剤して言及されるが、以下で個別に説明する。
シランカップリング剤
一部の実施形態において、変性エラストマー性ポリマー及び充填剤の相溶化のために、1つ以上のシランカップリング剤を使用することができる。シランカップリング剤の典型的な総量は、シリカ及び/またはカーボン−シリカ2相充填剤の総量100重量部あたり1〜20重量部であり、一部の実施形態においては、5〜15重量部である。
シランカップリング剤は、Fritz Rothemeyer、Franz Sommer:Kautschuk Technologie、(Carl Hanser Verlag 2006)にしたがって、以下の通りに分類することができる:
(A)Si230(EtO)3Si(CH23Cl、Si225(EtO)3SiCH=CH2、A189(EtO)3Si(CH23SH、[(EtO)3Si(CH23x(CH23Si(OEt)3][式中、X=3.75(Si69)または2.35(Si75)]、Si264(EtO)3Si−(CH23SCN及びSi363(EtO)Si((CH2−CH2−O)5(CH212(CH32(CH2)3SH)(Evonic Industries AG)、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)を含む(ただしこれらに限定されない)2官能化シラン;及び
(B)Si203(EtO)3−Si−C37、及びSi208(EtO)3−Si−C817を含む(ただしこれらに限定されない)単官能基シラン。
シランカップリング剤のさらなる例は、WO2009/148932に記載されており、ビス−(3−ヒドロキシ−ジメチルシリループロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピル)−ジスルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−ジメチルシリル−エチル)テトラスルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−ジメチルシリル−エチル)ジスルフィド、3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド及び3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドを含むもののこれらに限定されるわけではない。
安定剤
分子酸素によるエラストマー性ポリマーの劣化を防止するため、重合プロセスの停止前または後にポリマーに対し、任意に1つ以上の安定剤(酸化防止剤)を添加することができる。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6,6’−メチレンビス(2−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソトリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2’−エチリデンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート及び2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートなどの立体障害性フェノール系の酸化防止剤及び4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール及びペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などのチオエステル系の酸化防止剤が、典型的に使用される。好適な安定剤のさらなる例は、F.Rothemeyer、F.Sommer、Kautschuk Technologie、第2版、(Hanser Verlag、2006)340〜344頁及びその中に引用されている参考文献中に見出すことができる。
さらなるポリマー
本発明のポリマー及び任意には伸展油(単複)、充填剤(単複)など以外に、本発明のポリマー組成物はさらに1つ以上のさらなるポリマー、特に1つ以上のさらなるエラストマー性ポリマーを含んでいてよい。さらなるポリマーは、ポリマーブレンドのワークアップに先立ち、発明力あるポリマーの溶液に対し溶液として添加されてもよいし、あるいは例えばブラベンダーミキサー内などでの機械的混合プロセス中に添加されてもよい。
加硫剤
硬化(加硫)する予定の本発明の非硬化ポリマー組成物は、さらに、1つ以上の加硫剤を含むことになる。硫黄、硫黄供与体として作用する硫黄含有化合物、硫黄−促進剤系及び過酸化物が、最も一般的な加硫剤である。硫黄供与体として作用する硫黄含有化合物の例としては、ジチオジモルホリン(DTDM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、及びジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)が含まれるが、これらに限定されない。硫黄促進剤の例としては、アミン誘導体、グアニジン誘導体、アルデヒドアミン縮合生成物、チアゾール類、硫化チウラム類、ジチオカルバメート類及びチオホスフェート類が含まれるが、これらに限定されない。加硫剤として使用される過酸化物の例としては、ジ−tert.−ブチル−ペルオキシド類、ジ−(tert.−ブチル−ペルオキシ−トリメチル−シクロヘキサン)、ジ−(tert.−ブチル−ペルオキシ−イソプロピル−)ベンゼン、ジクロロ−ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド類、tert.−ブチル−クミル−ペルオキシド、ジメチル−ジ(tert.−ブチル−ペルオキシ)ヘキサン、ジメチル−ジtert.−ブチル−ペルオキシ)ヘキシン及びブチル−ジ(tert.−ブチル−ペルオキシ)バレレート(Rubber Handbook、SGF、The Swedish Institution of Rubber Technolgy 2000)が含まれるが、これらに限定されない。さらなる例及び加硫剤に関する追加情報は、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical technology 第3版、(Wiley Interscience、N.Y.1982)、第20巻、365〜468頁(具体的には「Vulcanizing Agents and Auxiliary Materials」390−402頁)中に見出すことができる。加硫剤は、典型的には、合計エラストマー性ポリマー100重量部あたり、0.5〜10重量部、そして一部の実施形態においては1〜6重量部の総量で、ポリマー組成物に添加される。
スルフェンアミド型、グアニジン型またはチウラム型の1つ以上の加硫促進剤を、必要に応じて加硫剤と共に使用することができる。加硫促進剤の例及び総ポリマーとの関係における追加促進剤量は、WO2009/148932中に記されている。硫黄促進剤系は、亜鉛を含んでいてもいなくともよい。酸化亜鉛(亜鉛白)を硫黄−促進剤系の1構成成分として使用することが好ましい。
加硫ポリマー組成物
本発明の第4の態様の加硫ポリマー組成物は、当該技術分野において従来公知の条件下で、従来公知の機械類を用いて、1つ以上の加硫剤を含む本発明の非加硫ポリマー組成物を加硫することによって得られる。
未架橋エラストマー性ポリマーを含む化合物(加硫前の化合物)が優れた加工特性を維持する一方で、架橋(加硫)されたポリマー組成物は、発熱の低下、60℃におけるtanδ値の低減、60℃における反発弾性値の上昇、−10℃におけるtanδの上昇、そして引張強度、弾性率及び引裂のうちの1つ以上を含む物理特性間の良好なバランスを示す。本発明の組成物は、良好な摩耗特性を維持しながら、より低い転がり抵抗、より高いウェットグリップ、より高いアイスグリップ及びより低い発熱を示すタイヤトレッドの調製において有用である。タイヤの調製においては、カーボンブラック、シリカ、粘土、カーボン−シリカ2相充填剤、加硫剤などを含む本発明の組成物、及び本発明の加硫エラストマー性ポリマー組成物が特に有用である。
加硫ポリマー組成物を含む物品
本発明の加硫ポリマー組成物は、低い転がり抵抗、低い動的発熱及びウェットグリップの増加を示すことから、例えばタイヤトレッド、サイドウォール及びタイヤカーカスを含めたタイヤまたはタイヤ部品、ならびにベルト、ホース、振動ダンパー及び履物構成要素などを製造する上で使用するのに好適である。こうして、本発明の第5の態様の物品は、本発明の加硫ポリマー組成物(本発明の第4の態様)から形成された少なくとも1つの構成要素を含む。物品は、例えばタイヤ、タイヤトレッド、タイヤサイドウォール、タイヤカーカス、ベルト、ガスケット、シール、ホース、振動ダンパー、ゴルフボールまたは履物構成要素、例えば靴底であってよい。
定義
本明細書中で使用される1,2−付加ブタジエン(または「ビニル基」または「1,2−結合」)とは、ポリマーの主鎖に懸垂するビニル(エチリデン)基を結果としてもたらすモノマー分子の第1及び第2の炭素原子を介してポリマー鎖内に取込まれた1,3−ブタジエンモノマーを意味する。1,2−付加ブタジエンの含有量(またはビニル基含有量)は、ポリマー中のブタジエンの総量との関係におけるパーセント(または重量パーセント)として表現される。ビニル基含有量及びスチレン含有量を決定するためには1H−NMR分光法が用いられる。この目的で、ポリマー試料は、重水素化クロロホルム中に溶解され、Bruker 400MHz分光計を用いてスペクトルが得られる。ビニル基含有量VCは、ポリマーのポリブタジエン画分中に含まれる1,2−ポリブタジエンを意味する。
本明細書で使用される「リビングアニオンエラストマー性ポリマー」とは、少なくとも1つの反応性または「リビング」アニオン末端基を有するポリマーを意味する。
本明細書で定義されているアルキル基は、そのままの状態であるかまたはアルキルアリールまたはアルコキシなどの他の基と会合状態にあるかに関わらず、直鎖アルキル基、例えばメチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(Pr)、n−ブチル(Bu)、n−ペンチル、n−ヘキシルなど、分岐アルキル基、例えばイソプロピル、tert.−ブチル(tBu)など、及び環状アルキル基、例えばシクロアルキルを共に含んでいる。
本明細書で定義されているアルコキシ基は、メトキシ(MeO)、エトキシ(EtO)、プロポキシ(PrO)、ブトキシ(BuO)、イソプロポキシ、イソブトキシ、ペントキシなどを含む。
本明細書で定義されているアリール基は、フェニル、ビフェニル及び他のベンゼノイド化合物を含む。アリール基は、好ましくは1個のみの芳香族環を含み、最も好ましくはC6芳香族環を含む。
本明細書で定義されているアルカリアリール基は、例えばアルキル−アリール、アリール−アルキル、アルキル−アリール−アルキル及びアリール−アルキル−アリールの形での、1つ以上のアルキル基に結合した1つ以上のアリール基の組合せを意味する。アルキルアリール基は好ましくは、わずか1個の芳香族環を含み、最も好ましくはC6芳香族環を含む。
本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するように意図されたものではない。
以下の実施例は、本発明をさらに解説するために提供され、本発明の限定とみなされるべきものではない。実施例は、変性エラストマー性ポリマーの調製及び試験;及び未架橋ポリマー組成物ならびに加硫ポリマー組成物とも呼ばれる架橋または硬化ポリマー組成物の調製及び試験を含む。別段の記載のないかぎり、全ての部及び百分率は、重量ベースで表現されている。「室温」とは、20℃の温度を意味する。全ての重合は、湿気及び酸素を排除した窒素雰囲気内で実施した。
ポリブタジエン画分中のビニル基含有量は、上述の通りの1H−NMR法を用いた検量判定に基づいて、赤外吸光分光法(Morello法、Bruker Analytic GmbHのIFS66FT−IR分光計)により立証された。膨潤剤としてCS2を用いて、IR試料を調製した。
結合スチレン含有量:赤外分光スペクトル(Bruker Analytik GmbH製の(IR(IFS66FT−IR分光計)により、検量曲線を作成した。CS2を膨潤剤として使用して、IR試料を調製した。スチレン−ブタジエンコポリマー中の結合スチレンのIR判定のためには、次の4つの吸収帯を検査した:a)966cm-1でのトランス−1,4−ポリブタジエン単位についての吸収帯、b)730cm-1でのシス−1,4−ポリブタジエン単位についての吸収帯、c)910cm-1での1,2−ポリブタジエン単位についての吸収帯、及びd)700cm-1での結合スチレン(スチレン芳香族結合)についての吸収帯。吸収帯高さは、適切な消光係数にしたがって正規化し、合計100%まで要約した。正規化は1H−及び13C−NMR(Bruker Analytik GmbHのAvance400、1H=400MHz;13C=100MHz)を介して行なった。
Perkin Elmer製のICP OES Optima2100DV上でICR測定を実施した。試料を、マイクロ波援用酸抽出により調製した。
GPC法:狭分布ポリスチレン標準を用いて較正されたSEC。
試料の調製
a )10mLサイズの褐色バイアルを用いて、約9〜11mgの乾燥ポリマー試料(含水量<0.6%)を、10mLのテトラヒドロフラン中に溶解させた。200μ/分で20分間バイアルを振盪することによって、ポリマーを溶解させた。
b) 0.45μmの使い捨てフィルターを用いて、2ml入りバイアル内にポリマー溶液を移した。
c) GPC−分析のため、試料採取器上に2ml入りバイアルを設置した。
溶出速度:1.00mL/分
注入体積:100.00μm
分子量分布幅の尺度として、多分散性(Mw/Mn)を使用した。粘度検出を伴うSEC上でのゲル透過クロマトグラフィにより、MwとMn(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn))の値を測定した(汎用較正)。測定はTHF内において40℃で実施した。計器:Agilent Serie 1100/1200;モジュール設定:イソポンプ、オートサンプラー、サーモスタット、VW−検出器、RI−検出器、脱ガス装置;カラムPLミックスB/HPミックスB。
各GPC−装置内で、接続モードで3本のカラムを使用した。各カラムの長さ:300mm;カラムタイプ:79911GP−MXB,Plgel10μmミックス−B GPC/SECカラム、Fa.Agilent Technologies。
GPC標準:EasiCal PS−1ポリスチレン標準、スパチュラA+B
スチレン標準メーカー:Polymer Laboratories、現Varian,Inc.の独立事業体。
Mp値は最高強度を有するピークで測定した(最大ピーク)分子量に対応する。最大ピーク分子量は、最大ピーク強度の位置におけるピークの分子量を意味する。Mp1、Mp2及びMp3は、それぞれ、GPC曲線の第1、第2及び第3のピークにおいて測定した(最大ピーク)分子量に対応する(最初のピークMp1(最低分子量)は曲線の右側にあり、最後のピーク(最高の分子量)は曲線の左側にある)。最大ピーク分子量は、最大ピーク強度の位置におけるピークの分子量を意味する。Mp2及びMp3は、1つの高分子にカップリングされた2つまたは3つのポリマー鎖である。Mp1は、1つのポリマー鎖である(基本分子量−1つの高分子に対する2つ以上のポリマー鎖のカップリング無し)
合計カップリング率は、全てのカップリングされたポリマー及び未カップリングポリマーの重量分率の和を含む合計ポリマー重量に対するカップリングされたポリマーの重量分率の和を表わす。合計カップリング率は、以下のように計算される:
CR(合計)=(Σ全てのカップリングされたピークの面積分率[最大のMp2を有するピーク対最高の指標付きピーク最大値を有するピーク])/(Σ全てのピークの面積分率[ピーク最大Mp1を有するピーク対最高の指標付きピーク最大値を有するピーク])。
2段階混合プロセスにしたがって、380ml入りバンバリーミキサー(Brabender GmbH&Co KG製Labstation 350S)内で、下表5に列挙された構成成分を組合わせることによってゴム化合物を調製した。段階1−加硫パッケージの構成成分を除く全ての構成成分を一緒に混合して、第1段階調合物を形成した。段階2−加硫パッケージの構成成分を第1段階調合物中に混合して、第2段階調製物を形成した。
Alpha Technologies UK製のMV2000E上で、100℃の温度[ML1+4(100℃)]で、1分間の予熱時間及び4分間の回転子動作時間で、ASTM D1646(2004)にしたがってムーニー粘度を測定した。ゴムのムーニー粘度測定を、乾燥(無溶媒)未加工ポリマー(未加硫ゴム)について実施した。未加工ポリマーのムーニー値は表6に列挙されている。
未加硫レオロジー特性の測定は、硬化までの時間(TC)を測定するのに回転子無しのせん断レオメータ(Alpha Technologies UK製のMDR2000E)を用いて、ASTM D5289−95(2001年再承認済)にしたがって実施した。レオメータ測定は、表5にしたがって、未加硫の第2段階ポリマー調合物について、160℃の恒常な温度で実施した。ポリマー試料の量は、約4.5gである。試料の形状及び形状調製は、標準化され、測定装置(Alpha Technologies UK製のMDR2000E)により定義される。
「TC50」、「TC90」及び「TC95」値は、加硫反応の50%、90%及び95%転換率を達成するのに必要とされるそれぞれの時間である。トルクは、反応時間の一関数として測定される。加硫転換は、生成されたトルク対時間曲線から自動的に計算される。
Zwick Z010上のダンベルダイC試験を用いて、ASTM D412−98A(2002年再承認済)にしたがって、引張強度、破断点伸び及び300%の伸びにおける弾性率(モジュラス300)を測定した。厚み2mmの標準化されたダンベルダイC試験片を使用した。表6にしたがって調製した硬化された第2段階ポリマー試料について、室温で引張強度測定を実施した。160℃〜TC95(95%の加硫転換)で16〜25分以内で、第2段階調合物を加硫した(表6中の硬化データを参照のこと)。
Doli「Goodrich」−Flexometer上で、ASTM D623、方法Aにしたがって、発熱を測定した。発熱の測定は、表6にしたがって、加硫した第2段階ポリマー試料について実施した。第2段階調合物を、160℃〜TC95(95%の加硫転換)で加硫した(表6中の硬化データを参照のこと)。
Zwick 5109上で0℃及び60℃でDIN53512にしたがって、反発弾性を測定した。表5にしたがって調製した硬化した第2段階ポリマー試料について、測定を実施した。第2段階調合物を160℃〜TC95(95%の加硫転換)で加硫させた(表6中の硬化データを参照のこと)。0℃での指標が小さければ小さいほど、ウェットスキッド抵抗は良い(より低い=より良い)。60℃での指標が大きければ大きいほど、ヒステリシス損失は低くなり、転がり抵抗も低くなる(より高い=より良い)。
60℃でのtanδ及び0℃でのtanδ、ならびに−10℃でのtanδの測定は、それぞれの温度で、2Hzの周波数で0.2%の圧縮動歪みを適用することにより、Gabo Qualimeter Testanlagen GmbH(ドイツ)製の動的機械式熱分光計「Eplexor 150N」を用いて、円筒形の標本に対して実施した。60℃の温度での指標が小さくなればなるほど、転がり抵抗は低くなる(より低い=より良い)。同じ設備及び負荷条件を用いて、0℃と−10℃で、0℃でのtanδ及び−10℃でのtanδを測定した。0℃での指標が大きくなればなるほど、ウェットスキッド抵抗は良くなり、−10℃での指標が大きくなればなるほど、アイスグリップ特性は良くなる(より高い=より良い)。60℃でのtanδ及び0℃でのtanδならびに−10℃でのtanδを判定した(表7を参照のこと)。第2段階調合物を160℃〜TC95(95%の加硫転換)で加硫した(表6の硬化データを参照のこと)。このプロセスにより、「直径60mm」及び「高さ10mm」の視覚的に「気泡の無い」均質な硬化ゴムディスクが形成される。標本は、上述の皿からドリル加工により切り出されたものであり、そのサイズは「直径10mm」及び「高さ10mm」である。
一般に、破断点伸び、引張強度、モジュラス300及び0℃でのtanδ、60℃での反発弾性が高くなればなるほど、試料の性能は良くなり;一方、60℃でのtanδ、発熱及び反発弾性が低くなればなるほど、試料の性能は良くなる。
トリエトキシシラン(S1)、トリメトキシシラン(S2、Acros Organicsより購入)、ジメチルシリルジエチルアミン(S3)及び白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(ABCRより購入)というシラン変性剤を使用した。
オリゴマー高ビニル結合ポリブタジエン(ビニル基含有量84%)は、Sigma−Aldrichから購入した。ポリマーSSBR−1及びSSBR−2は、Sprintan SLR4601及びSLR4602という商標を有するStyron製の市販グレードのポリマーである。
鎖末端変性剤E1を、以下の通りに調製した:
調製経路1(E1):
100mL入りのSchlenkフラスコに、25mlのテトラヒドロフラン(THF)、79.5mg(10mmol)の水素化リチウム、そしてその後、Cromton GmbH製の1.96g(10mmol)のガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン[Silquest A−189]を投入した。反応混合物を、室温で24時間、そして50℃でさらに2時間撹拌した。次に、10gのTHF中にtert−ブチルジメチクロロシラン(1.51g(10mmol))を溶解させ、結果として得た溶液を次にSchlenkフラスコに対し滴下により添加した。塩化リチウムが沈殿した。室温で約24時間、そして50℃でさらに2時間、懸濁液を撹拌した。THF溶媒を真空下で除去した。その後、シクロヘキサン(30ml)を添加した。続いて、濾過により白色沈殿物を分離した。真空下(減圧下)でシクロヘキサン溶媒を除去した。結果として得た無色の液溶体は、GCによって99%の純度を有することがわかり、したがってさらなる精製は不要であった。収量2.9g(9.2mmol)の変性カップリング剤(E1)を得た。
代替的調製経路2(E1):
100mL入りのSchlenkフラスコに、Cromton GmbH製の1.96g(10mmol)のガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン[Silquest A−189]、25mlのテトラヒドロフラン(THF)、そしてその後10mLのTHF中に溶解した0.594g(11mmol)のナトリウムメタノレート(NaOMe)を投入した。反応混合物を、室温で18時間撹拌した。次に、10gのTHF中にtert−ブチルジメチクロロシラン(1.51g(10mmol))を溶解させ、結果として得た溶液を次にSchlenkフラスコに対し滴下により添加した。塩化ナトリウムが沈殿した。室温で約24時間、そして50℃でさらに2時間、懸濁液を撹拌した。THF溶媒を真空下で除去した。その後、シクロヘキサン(30ml)を添加した。続いて、濾過により白色沈殿物を分離した。真空下(減圧下)でシクロヘキサン溶媒を除去した。結果として得た無色の液溶体は、GCによって89%の純度を有することがわかった。さらなる精製は分別蒸留からなるものであり、収量2.2g(7.2mmol)の変性カップリング剤E1を得た。
オリゴマー高ビニルポリブタジエンの主鎖変性(実施例O1〜O4)
5mLのシクロヘキサン中に、高ビニルポリブタジエンオリゴマー(0.5g)を溶解させた。その後、シランと白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(キシレン中溶液、0.1mol/L Pt)を添加し、混合物を撹拌した。試薬の量、反応時間及び反応温度は表1中にまとめられている。所望の反応時間の後、全ての揮発性物質を減圧下で除去した。実施例O3及びO4を室温で1時間シクロヘキサン/メタノール(3mL/0.5mL)混合物で処理して−SiCl3基を−Si(OMe)3基に転換した。さらに、全ての揮発性物質を真空下で除去した。NMRにより、実施例O1〜O4のオリゴマー残留物を分析して、ヒドロシリル化の転換を判定した。
SSBRの主鎖変性(実施例B1〜B3)
機械式攪拌器を供えた2L入りのガラス反応装置に対して、56gのSSBR−1(Sprintan(登録商標)SLR4601)を添加した。反応装置に300gのシクロヘキサンを充填し、60℃で2時間ポリマーを溶解させた。ポリマー溶液を、1.7L入り鋼製ボトルに移した。ボトルを蒸発させ、窒素を充填して空気を除去した。その後、トリエトキシシラン(S1)と白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(キシレン中の溶液、0.1mol/L Pt)を添加し、ボトルを65℃で75分間、水浴中で回転させた。結果として得たポリマー溶液を、次に1時間水蒸気蒸留して溶媒及び他の揮発性物質を除去し、30分間70℃で、そしてその後さらに室温で1〜3日間、オーブン内で乾燥させた。表2は、試料B1−B3についての結果及び試料の量をまとめている。
SSBRの主鎖変性(実施例B4〜B5)
機械式攪拌器を供えた2L入りのガラス反応装置に対して、40gのSSBR−2(Sprintan(登録商標)SLR4602)を添加した。反応装置に210gのシクロヘキサンを充填し、60℃で2時間ポリマーを溶解させた。ポリマー溶液を、1.7L入り鋼製ボトルに移す。ボトルを蒸発させ、窒素を充填して空気を除去した。その後、トリメトキシシラン(S2)と白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(キシレン中の溶液、0.1mol/L Pt)を添加し、ボトルを65℃で75分間、水浴中で回転させた。結果として得たポリマー溶液を、次に1時間水蒸気蒸留して溶媒及び他の揮発性物質を除去し、30分間70℃で、そしてその後さらに室温で1〜3日間、オーブン内で乾燥させた。表2は、試料B4−B5についての結果及び試料の量をまとめている。
1,3−ブタジエンとスチレンの共重合−実施例(C1)
有機溶媒、モノマー、極性配位化合物、開始剤化合物または他の構成成分を添加する前に、最初に窒素でパージされた10リットル入りの2重壁鋼製反応装置内で、共重合を実施した。別段の記述の無いかぎり、重合反応装置を40℃に調節した。その後、次の順で以下の構成成分を添加した。シクロヘキサン溶媒(4600グラム);ブタジエンモノマー(12.89モル)、スチレンモノマー(1.783モル)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)。混合物を1時間撹拌し、続いて、n−ブチルリチウムで滴定して、水分または他の不純物の痕跡を除去した。重合反応を開始するため、n−ブチルリチウムを重合反応装置に添加した。重合を80分間実施し、重合温度が60℃を超えないようにした。その後、ブタジエンモノマー総量の0.5%を添加し、それに続いてカップリング剤を添加した。混合物を10分間撹拌した。その後、ブタジエンモノマー総量の1.8%を添加し、それに続いて鎖末端変性剤を添加した。混合物を20分間撹拌した。重合プロセスを停止するため、ポリマー用安定剤としての2.20gのIRGANOX1520と共に、n−ブチルリチウム1モルあたり1モルのメタノールを添加した。この混合物を15分間撹拌した。次に、結果として得たポリマー溶液を1時間水蒸気蒸留して、溶媒と他の撹拌性物質を除去し、オーブン内において70℃で30分間、そして次にさらに室温で1〜3日間、乾燥させた。
1,3−ブタジエンとスチレンの共重合及びその後のヒドロシリル化−実施例P1〜P4
比較例C1の調製にしたがって、共重合を実施した(試薬の量は表3にまとめられている)。さらにメタノールで重合反応を停止させた後、反応装置の温度を70℃まで上昇させ、これに続いてシクロヘキサン中に溶解した触媒及びシランを添加した。混合物をこの温度で40分間撹拌した。ポリマー溶液を、比較例C1の場合と同様にワークアップした。
結果として得られたポリマーの組成及びその特性のいくつかが、下表3及び4にまとめられている。
ポリマー組成物
380mL入りの内部バッチミキサー(Brabender350S)中で、下表5に列挙されている化合物を組合わせることにより、ポリマー組成物を調製し、20分間160℃で加硫させた。加硫プロセスデータ及び物理的特性は、表6及び表7中にまとめられている。
本発明の1つの重要な利用分野は、「0℃でのtanδ」、「−10℃でのtanδ」値(より高い=より良い)及び0℃での反発弾性値(より低い=より良い)が改善されているかまたは同様のレベルにある一方で、より低い発熱、より低い「60℃でのtanδ」値及びより高い「60℃での反発弾性」値を有する加硫(エラストマー性)ポリマー組成物の生産にある。タイヤの転がり抵抗に関係する3つの値(発熱、60℃でのtanδ、60℃での反発弾性)の1つが改善される場合、主要なタイヤ性能特性を改善するために、タイヤウェットグリップ(0℃でのtanδ、0℃での反発弾性)性能及びタイヤアイスグリップ(−10℃でのtanδ)性能に関係する他の3つの値がマイナスの影響を受けてはならない。より低い発熱、より低い「60℃でのtanδ」及びより高い60℃での反発弾性値を有するポリマー組成物で製造されたタイヤトレッドは、対応するより低い転がり抵抗を有し、一方より高い「0℃でのtanδ」及びより低い0℃での反発弾性を有するタイヤトレッドは、対応するより良いウェットスキッド特性を有し、一方、より高い「−10℃でのtanδ」値を有するタイヤトレッドは、対応するより良いアイスグリップ特性を有する。
本発明に係る主鎖変性を実証するために、a)実施例として、変性低分子量高ビニルポリブタジエンが作製され(上述の通り、実施例O1〜O4)、b)実施例として変性SSBRが作製された(上述の通り、実施例B1〜B5)。変性ポリブタジエンオリゴマーのヒドロシリル化度は、NMR分光法により判定し、一方SSBRのヒドロシリル化度は、ICP分光法により判定した。試薬の量及びa)ポリブタジエンオリゴマーとb)SSBRの変性の転換は、表1及び2にまとめられている。
(本明細書中に記載の)本発明に係るシランを用いたSSBRのヒドロシリル化は、エラストマー性ポリマー組成物の調製のため、そしてさらには加硫エラストマー性ポリマー組成物の調製のために使用可能な主鎖変性ポリマーを生産することが発見された。本発明のシラン化合物を用いて主鎖変性により作製されたポリマーに基づく加硫エラストマー性ポリマー組成物(表6及び表7中の実施例3A参照)は、本発明に係る主鎖変性を含まない、他のポリマーに基づく加硫エラストマー性ポリマー組成物(表6及び表7中の比較例C1Aを参照)と比較した場合、60℃でのtanδ及び0℃での反発弾性について相対的に低い(または低減された)値;60℃での反発弾性及び−10℃でのtanδについて相対的に高い(または増大した)値、そして相対的に減少したタイヤ発熱を示す。本発明のシランS3で変性された変性ポリマー3に基づく例示的加硫組成物3Aは、60.6%という60℃での反発弾性、0.4455という−10℃でのtanδ値そして0.1098という60℃でのtanδ値を有し、一方、非主鎖変性ポリマーC1に基づく加硫組成物C1Aは、57.0%という相対的に低い60℃で反発弾性値、0.3976という相対的に低い−10℃でのtanδ値、そして0.1286という相対的に高い60℃でのtanδ値を有する。
シリカ含有ポリマー組成物及びそれから形成された加硫物の調製において使用されるポリマーのポリマー調製及びポリマー特性は、表3及び表4にまとめられている。配合及び加硫調合物は、表5にまとめられている。表5に示されている通り、「シリカ含有」ポリマー組成物は、本発明に係るシラン化合物を使用することにより主鎖変性されたポリマーから調製される。
表3及び表4において、ポリマー1、2、3及び4は、本発明の代表実施例である。
本発明のポリマーは、ポリマー組成物へと転換され得([シリカ充填剤が変性ポリマーに添加される混合ステップを表わす]第1段階の混合、及び本発明に係る変性ポリマーとシリカ充填剤を含む表5にしたがった第2の段階の混合)、その後、例えば表5にしたがった第2段階の混合結果が本明細書に記載の通り20分間160℃で硬化された場合に形成される加硫ポリマー組成物へとさらに転換され得る。単一の作業員により同じ日に同一の条件下で調製された表6及び表7中に列挙されたポリマー組成物及び加硫ポリマー組成物は、大文字Aで識別される。加硫ポリマー組成物中に含まれるポリマーは、ポリマー番号、例えば1、2などにより反映されている。その結果、ポリマー組成物C1A、1A、2A及び3Aを互いに直接比較することのできる1つの加硫ポリマー組成物シリーズが存在する。
表6に示されているように、「60℃でのtanδ」が低下し(表9及び11)、60℃での反発弾性が増大する一方で、本発明の加硫ポリマー組成物の動的変形の間の「発熱」は削減される。ポリマーの「発熱」の削減は、加硫物ヒステリシスエネルギー損失を削減し、転がり抵抗の低下及び全体的弾性の増大を導くと考えられている。「60℃でのtanδ」の低下及び60℃での反発弾性の増加は、転がり抵抗の減少を導く加硫物ヒステリシスエネルギー損失の低減を表わす。「0℃でのtanδ」または「−10℃でのtanδ」値は、増大するかまたは少なくとも類似の範囲内で比較用ポリマーC1の加硫物と比較され、湿った表面または凍った表面上での改善されたまたは少なくとも類似のグリップ特性を表わしている。「引張強度」及び「モジュラス300」は、基準ポリマーと比べて低下していないかまたは著しく低下しておらず、機械的応力下でより高い耐性を有する安定したポリマー網の形成を示唆している。「破断点伸び」値はわずかに減少しているものの、tanδ、発熱及び耐摩耗性の値の改善度を考慮すると、これはなお充分に容認できるものである。
表6に示されているように、「60℃でのtanδ」が低下し(表9及び11)、60℃での反発弾性が増大する一方で、本発明の加硫ポリマー組成物の動的変形の間の「発熱」は削減される。ポリマーの「発熱」の削減は、加硫物ヒステリシスエネルギー損失を削減し、転がり抵抗の低下及び全体的弾性の増大を導くと考えられている。「60℃でのtanδ」の低下及び60℃での反発弾性の増加は、転がり抵抗の減少を導く加硫物ヒステリシスエネルギー損失の低減を表わす。「0℃でのtanδ」または「−10℃でのtanδ」値は、増大するかまたは少なくとも類似の範囲内で比較用ポリマーC1の加硫物と比較され、湿った表面または凍った表面上での改善されたまたは少なくとも類似のグリップ特性を表わしている。「引張強度」及び「モジュラス300」は、基準ポリマーと比べて低下していないかまたは著しく低下しておらず、機械的応力下でより高い耐性を有する安定したポリマー網の形成を示唆している。「破断点伸び」値はわずかに減少しているものの、tanδ、発熱及び耐摩耗性の値の改善度を考慮すると、これはなお充分に容認できるものである。
(態様)
(態様1)
i) 少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するブタジエンのホモポリマーまたは、共役ジエンまたは芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上のコモノマーとブタジエンとのコポリマーであって、前記コポリマーが少なくとも10wt%のブタジエン単位と少なくとも総量で40wt%の共役ジエン単位とを含み、前記コポリマーのポリブタジエン画分が少なくとも20wt%、好ましくは少なくとも30wt%のビニル基含有量を有するコポリマーと、
ii) 下記式
(H) Si(X) (R (式1)
によって表わされるシラン変性剤との反応生成物である変性エラストマー性ポリマーであって、式中、
Xが独立して、Cl、−OR 、−SR 及び−NR から選択されており;
が独立して、(C1〜C6)アルキル及び(C6〜C18)アリールから選択されており;
nが、1、2、及び3から選択される整数であり;m及びpが各々独立して、0、1、2及び3から選択される整数であり;n+m+p=4であり;
とR が独立して、水素、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びMR から選択され;
及びR が独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びMR 10 11 から選択され;R 及びR が共に結合されて、窒素原子と共に環構造を形成してよく、この環構造はさらに前記環の内部に−O−、−S−、>NH及び>NR 12 から選択される1つ以上の基を追加で含んでいてよく;
Mがケイ素またはスズであり;
、R 、R 、R 、R 10 、R 11 及びR 12 が独立して(C1〜C6)アルキルから選択される;
前記変性エラストマー性ポリマー。
(態様2)
Xが独立して、−OR 及び−NR から選択され、R が独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル及びフェニルから選択され、nが1であり、mが1、2及び3から選択される整数であり、pが0、1及び2から選択される整数である、態様1に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様3)
式1の前記シラン変性剤がHSi(OMe) 、HSi(Me)(OMe) 、HSi(Me) (OMe)、HSi(Et)(OMe) 、HSi(Et) (OMe)、HSi(Pr)(OMe) 、HSi(Pr) (OMe)、HSi(Bu)(OMe) 、HSi(Bu) (OMe)、HSi(Ph)(OMe) 、HSi(Ph) (OMe)、HSi(OEt) 、HSi(Me)(OEt) 、HSi(Me) (OEt)、HSi(Et)(OEt) 、HSi(Et) (OEt)、HSi(Pr)(OEt) 、HSi(Pr) (OEt)、HSi(Bu)(OEt) 、HSi(Bu) (OEt)、HSi(Ph)(OEt) 、HSi(Ph) (OEt)、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、HSi(Cl) 、H Si(Cl) 、HSi(Me)(Cl) 、HSi(Me) (Cl)、HSi(Et)(Cl) 、HSi(Et) (Cl)、HSi(Pr)(Cl) 、HSi(Pr) (Cl)、HSi(Bu)(Cl) 、HSi(Bu) (Cl)、HSi(Ph)(Cl) 、HSi(Ph) (Cl )、H Si(Ph)(Cl)、HSi(Ph)(Me)(Cl)、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、(Me) NSi(H)(Me) 、(Et) NSi(H)(Me) 、(Pr) NSi(H)(Me) 、(Bu) NSi(H)(Me) 、((Me) N) Si(H)(Me)、((Et) N) Si(H)(Me)、((Pr) N) Si(H)(Me)、((Bu) N) Si(H)(Me)、((Me) N) Si(H)、((Et) N) Si(H)、((Pr) N) Si(H)、((Bu) N) Si(H)、(Me) NSi(H)(Ph) 、(Et) NSi(H)(Ph) 、(Pr) NSi(H)(Ph) 、(Bu) NSi(H)(Ph) 、((Me) N) Si(H)(Ph)、((Et) N) Si(H)(Ph)、((Pr) N) Si(H)(Ph)、((Bu) N) Si(H)(Ph)、(Me) NSi(H)(Cl) 、(Et) NSi(H)(Cl) 、(Pr) NSi(H)(Cl) 、(Bu) NSi(H)(Cl) 、((Me) N) Si(H)(Cl)、((Et) N) Si(H)(Cl)、((Pr) N) Si(H)(Cl)及び((Bu) N) Si(H)(Cl)から選択される。態様1に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様4)
前記共役ジエンが、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン及び1,3−シクロオクタジエンから選択され、好ましくはイソプレン及びシクロペンタジエンから選択される、態様1〜3のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様5)
前記芳香族ビニル化合物が、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、Ν,Ν−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジン、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン及び1,4−ジビニルベンゼン、好ましくはスチレンから選択される、態様1〜4のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様6)
前記芳香族ビニル化合物(単複)が、ポリマーの合計モノマー含有量の5〜60wt%を構成する、態様1〜5のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様7)
前記ホモポリマーまたはコポリマーが、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム及びブタジエン−イソプレン−スチレンゴム、好ましくは、合計モノマー含有量の5〜60重量%、さらに好ましくは合計モノマー含有量の10〜50重量%のスチレン含有量を有するスチレン−ブタジエンゴムから選択される、態様1〜6のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様8)
下記式11−a及び11−b;
の一方または両方の構造基を含み、式中、R 、X、n、m、pが態様1に記載の通りであり、Rが独立してH及びC1〜C5アルキルから独立して選択される、態様1〜7のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様9)
下記式11−c及び11−d;
の一方または両方の構造基を含み、式中、R 、X、n、m、pが態様1に記載の通りである、態様1〜7のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様10)
さらに1つ以上の鎖末端変性剤で変性される、態様1〜9のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
(態様11)
態様1〜10のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法であって、
i) 少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するブタジエンのホモポリマーまたは、共役ジエンまたは芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上のコモノマーとブタジエンとのコポリマーであって、前記コポリマーが少なくとも10wt%のブタジエン単位と少なくとも40wt%の共役ジエン単位とを含み、前記コポリマーのポリブタジエン画分が少なくとも20wt%、好ましくは少なくとも30wt%のビニル基含有量を有するコポリマーと、
ii) 態様1、2または3に記載の通り、式1によって表わされるシラン変性剤とを反応させるステップを含む、前記方法。
(態様12)
式1の前記シラン変性剤が、ブタジエンと任意の共役ジエン及び芳香族ビニル化合物の重合中に間欠的にまたは連続的に添加される、態様11に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法。
(態様13)
式1のシラン変性剤が、重合の転換率が80wt%以上に達した時点で一度に添加される、態様11または12に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法。
(態様14)
式1の前記シラン変性剤が、ホモポリマーまたはコポリマーの重量に基づいて0.001〜5wt%の総量で使用される、態様11〜13のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法。
(態様15)
態様1〜10のいずれか一項に記載の本発明の変性エラストマー性ポリマーと、(i)前記ポリマーを製造するために使用される重合プロセス及び/または主鎖変性プロセスに添加されるかまたはその結果として形成される構成成分、(ii)重合及び/または主鎖変性プロセスから溶媒を除去した後に残留している構成成分、ならびに(iii)重合及び/または主鎖変性プロセスの完了後にポリマーに添加される構成成分、から選択される1つ以上のさらなる構成成分とを含む、非硬化ポリマー組成物。
(態様16)
1つ以上の充填剤を含む、態様15に記載の非硬化ポリマー組成物。
(態様17)
1つ以上の伸展油を含む、態様15または16に記載の非硬化ポリマー組成物。
(態様18)
前記変性エラストマー性ポリマーが、存在する合計ポリマーの少なくとも15wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、さらに一層好ましくは少なくとも35wt%を構成する、態様15〜17のいずれか一項に記載の非硬化ポリマー組成物。
(態様19)
1つ以上の加硫剤を含む、態様15〜18のいずれか一項に記載の非硬化ポリマー組成物。
(態様20)
態様19に記載の非効果ポリマー組成物を加硫処理することによって得られる加硫ポリマー組成物。
(態様21)
態様20に記載の加硫ポリマー組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む製品。
(態様22)
タイヤ、タイヤトレッド、タイヤサイドウォール、タイヤカーカス、ベルト、ガスケット、シール、ホース、振動ダンパー、ゴルフボール、または履物構成要素である、態様21に記載の製品。

Claims (22)

  1. i) 少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するブタジエンのホモポリマーまたは、共役ジエンまたは芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上のコモノマーとブタジエンとのコポリマーであって、前記コポリマーが少なくとも10wt%のブタジエン単位と少なくとも総量で40wt%の共役ジエン単位とを含み、前記コポリマーのポリブタジエン画分が少なくとも20wt%、好ましくは少なくとも30wt%のビニル基含有量を有するコポリマーと、
    ii) 下記式
    (H)nSi(X)m(R1p(式1)
    によって表わされるシラン変性剤との反応生成物である変性エラストマー性ポリマーであって、式中、
    Xが独立して、Cl、−OR2、−SR3及び−NR45から選択されており;
    1が独立して、(C1〜C6)アルキル及び(C6〜C18)アリールから選択されており;
    nが、1、2、及び3から選択される整数であり;m及びpが各々独立して、0、1、2及び3から選択される整数であり;n+m+p=4であり;
    2とR3が独立して、水素、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びMR678から選択され;
    4及びR5が独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びMR91011から選択され;R4及びR5が共に結合されて、窒素原子と共に環構造を形成してよく、この環構造はさらに前記環の内部に−O−、−S−、>NH及び>NR12から選択される1つ以上の基を追加で含んでいてよく;
    Mがケイ素またはスズであり;
    6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が独立して(C1〜C6)アルキルから選択される;
    前記変性エラストマー性ポリマー。
  2. Xが独立して、−OR2及び−NR45から選択され、R1が独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル及びフェニルから選択され、nが1であり、mが1、2及び3から選択される整数であり、pが0、1及び2から選択される整数である、請求項1に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  3. 式1の前記シラン変性剤がHSi(OMe)3、HSi(Me)(OMe)2、HSi(Me)2(OMe)、HSi(Et)(OMe)2、HSi(Et)2(OMe)、HSi(Pr)(OMe)2、HSi(Pr)2(OMe)、HSi(Bu)(OMe)2、HSi(Bu)2(OMe)、HSi(Ph)(OMe)2、HSi(Ph)2(OMe)、HSi(OEt)3、HSi(Me)(OEt)2、HSi(Me)2(OEt)、HSi(Et)(OEt)2、HSi(Et)2(OEt)、HSi(Pr)(OEt)2、HSi(Pr)2(OEt)、HSi(Bu)(OEt)2、HSi(Bu)2(OEt)、HSi(Ph)(OEt)2、HSi(Ph)2(OEt)、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、HSi(Cl)3、H2Si(Cl)2、HSi(Me)(Cl)2、HSi(Me)2(Cl)、HSi(Et)(Cl)2、HSi(Et)2(Cl)、HSi(Pr)(Cl)2、HSi(Pr)2(Cl)、HSi(Bu)(Cl)2、HSi(Bu)2(Cl)、HSi(Ph)(Cl)2、HSi(Ph)2(Cl2)、H2Si(Ph)(Cl)、HSi(Ph)(Me)(Cl)、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、(Me)2NSi(H)(Me)2、(Et)2NSi(H)(Me)2、(Pr)2NSi(H)(Me)2、(Bu)2NSi(H)(Me)2、((Me)2N)2Si(H)(Me)、((Et)2N)2Si(H)(Me)、((Pr)2N)2Si(H)(Me)、((Bu)2N)2Si(H)(Me)、((Me)2N)3Si(H)、((Et)2N)3Si(H)、((Pr)2N)3Si(H)、((Bu)2N)3Si(H)、(Me)2NSi(H)(Ph)2、(Et)2NSi(H)(Ph)2、(Pr)2NSi(H)(Ph)2、(Bu)2NSi(H)(Ph)2、((Me)2N)2Si(H)(Ph)、((Et)2N)2Si(H)(Ph)、((Pr)2N)2Si(H)(Ph)、((Bu)2N)2Si(H)(Ph)、(Me)2NSi(H)(Cl)2、(Et)2NSi(H)(Cl)2、(Pr)2NSi(H)(Cl)2、(Bu)2NSi(H)(Cl)2、((Me)2N)2Si(H)(Cl)、((Et)2N)2Si(H)(Cl)、((Pr)2N)2Si(H)(Cl)及び((Bu)2N)2Si(H)(Cl)から選択される。請求項1に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  4. 前記共役ジエンが、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン及び1,3−シクロオクタジエンから選択され、好ましくはイソプレン及びシクロペンタジエンから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  5. 前記芳香族ビニル化合物が、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、Ν,Ν−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジン、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン及び1,4−ジビニルベンゼン、好ましくはスチレンから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  6. 前記芳香族ビニル化合物(単複)が、ポリマーの合計モノマー含有量の5〜60wt%を構成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  7. 前記ホモポリマーまたはコポリマーが、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム及びブタジエン−イソプレン−スチレンゴム、好ましくは、合計モノマー含有量の5〜60重量%、さらに好ましくは合計モノマー含有量の10〜50重量%のスチレン含有量を有するスチレン−ブタジエンゴムから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  8. 下記式11−a及び11−b;
    の一方または両方の構造基を含み、式中、R1、X、n、m、pが請求項1に記載の通りであり、Rが独立してH及びC1〜C5アルキルから独立して選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  9. 下記式11−c及び11−d;
    の一方または両方の構造基を含み、式中、R1、X、n、m、pが請求項1に記載の通りである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  10. さらに1つ以上の鎖末端変性剤で変性される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマー。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法であって、
    i) 少なくとも20wt%のビニル基含有量を有するブタジエンのホモポリマーまたは、共役ジエンまたは芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上のコモノマーとブタジエンとのコポリマーであって、前記コポリマーが少なくとも10wt%のブタジエン単位と少なくとも40wt%の共役ジエン単位とを含み、前記コポリマーのポリブタジエン画分が少なくとも20wt%、好ましくは少なくとも30wt%のビニル基含有量を有するコポリマーと、
    ii) 請求項1、2または3に記載の通り、式1によって表わされるシラン変性剤とを反応させるステップを含む、前記方法。
  12. 式1の前記シラン変性剤が、ブタジエンと任意の共役ジエン及び芳香族ビニル化合物の重合中に間欠的にまたは連続的に添加される、請求項11に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法。
  13. 式1のシラン変性剤が、重合の転換率が80wt%以上に達した時点で一度に添加される、請求項11または12に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法。
  14. 式1の前記シラン変性剤が、ホモポリマーまたはコポリマーの重量に基づいて0.001〜5wt%の総量で使用される、請求項11〜13のいずれか一項に記載の変性エラストマー性ポリマーの製造方法。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の本発明の変性エラストマー性ポリマーと、(i)前記ポリマーを製造するために使用される重合プロセス及び/または主鎖変性プロセスに添加されるかまたはその結果として形成される構成成分、(ii)重合及び/または主鎖変性プロセスから溶媒を除去した後に残留している構成成分、ならびに(iii)重合及び/または主鎖変性プロセスの完了後にポリマーに添加される構成成分、から選択される1つ以上のさらなる構成成分とを含む、非硬化ポリマー組成物。
  16. 1つ以上の充填剤を含む、請求項15に記載の非硬化ポリマー組成物。
  17. 1つ以上の伸展油を含む、請求項15または16に記載の非硬化ポリマー組成物。
  18. 前記変性エラストマー性ポリマーが、存在する合計ポリマーの少なくとも15wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、さらに一層好ましくは少なくとも35wt%を構成する、請求項15〜17のいずれか一項に記載の非硬化ポリマー組成物。
  19. 1つ以上の加硫剤を含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載の非硬化ポリマー組成物。
  20. 請求項19に記載の非効果ポリマー組成物を加硫処理することによって得られる加硫ポリマー組成物。
  21. 請求項20に記載の加硫ポリマー組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む製品。
  22. タイヤ、タイヤトレッド、タイヤサイドウォール、タイヤカーカス、ベルト、ガスケット、シール、ホース、振動ダンパー、ゴルフボール、または履物構成要素である、請求項21に記載の製品。
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