JP2017500054A - フルーツ片保存用の食用コーティングとその製造および塗布方法 - Google Patents

フルーツ片保存用の食用コーティングとその製造および塗布方法 Download PDF

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Abstract

フルーツ片保存用の食用コーティングとその製造および塗布方法において、食用コーティングは、アルギン酸塩の第1水溶液と、架橋剤および酸化防止剤を含有する第2水溶液とを用いてフルーツに塗布される。アルギン酸塩は、250mPa.sを超える高粘度であるとともに、第1水溶液の総重量に対して0.05重量%から1重量%の低濃度である。架橋剤は、アルギン酸塩のゲル化を引き起こすアスコルビン酸カルシウムまたは乳酸カルシウムであり、酸化防止剤は、クエン酸あるいはクエン酸とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせである。第2水溶液は、抗菌剤としてリンゴ酸をさらに含有していてもよい。クエン酸と、場合によってはリンゴ酸とは、金属イオンキレート剤として機能する。

Description

本発明は、産業規模で適用可能な食用コーティングを施すことによってカットしたての生のフルーツを保存することに関する。この食用コーティングは多糖類基材を有し、ガス交換および水分減少を選択的に遮断することによって、カットしたてのフルーツの食感と味を保つことができる。このコーティングは、製造時の準備加工において、切ったり、皮を剥いたり、小さくカットしたりして最終的にパック詰めをする必要のあるどんな種類のフルーツにも塗布できるが、特にパイナップルやメロンやイチゴなどの内部に水分を多く含むフルーツに対する塗布に適している。
生のフルーツはすぐに劣化する。皮を剥いてカットしたフルーツのように、果肉が環境に晒される場合は特にそうである。それに伴い、褐変や軟化、不味そうな外観、微生物の増殖などが起こり、カットしたてのフルーツの賞味期限が短くなる。
フルーツの製造加工中のこのような劣化反応を遅らせるために、洗浄したり、皮を剥いたり、小さくカットしたり、パック詰めしたりする作業は8度未満の冷温下で連続して行われる。そうすることによって、切断された組織の呼吸率が低下して、変色や食感の低下過程に関係する酵素が弱まり、さらには変質を引き起こす微生物の増殖が最小限に抑えられる。
低温の利用と組み合わせることによってフルーツの保存を助長する保存料の使用にも常に頼っている。したがって、例えば米国特許第3754938号や米国特許第4011348号、米国特許第4818549号、国際公開第1997/023138号、欧州特許出願公開第746207号、独国特許出願公開第3624035号、スペイン第2011757号、英国特許出願公開第2100575号の場合のように、成分中にアスコルビン酸塩およびカルシウムを含有する、カルシウムおよび酸化防止剤の溶液に基づくフルーツ用保存料の使用が知られている。
例えば、国際公開第1994012041号には、皮を剥いてカットした生のフルーツを保持するための保存料が開示されている。この保存料は、カルシウムイオンおよびアスコルビン酸イオンおよび水を含んでおり、アスコルビン酸の割合と塩化カルシウムの割合は、どちらの場合も、0.25%から2%であると考えられる。この保存料は、水を除いた乾燥重量で0.5%以上の割合で、(キレート剤として特定されている)金属イオン複合体形成物質を含有している。
一方で、スペイン第2307473号は、皮を剥いてカットした生のフルーツの保存方法を開示している。その保存方法では、上記国際公開第1994012041号と同様に、使用される保存料が、カルシウムおよびアスコルビン酸イオンおよび水からなる溶液によって構成される。また、アスコルビン酸イオンとカルシウムイオンとが、上記国際公開第1994012041号と同じイオン比率で存在する。しかし、上記国際公開第1994012041号とは異なり、保存料中の金属イオンキレート剤の量は、水を除く成分の重量の0.5%未満である。この文献では、カルシウムイオンは、水酸化カルシウム、カルシウム塩、あるいは両者の混合物から得られる一方、アスコルビン酸イオンは、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩あるいはエリソルビン酸塩から得られる。また、アスコルビン酸カルシウムまたはエリソルビン酸カルシウムを、カルシウムイオンおよびアスコルビン酸イオンの原料として使用する可能性についても記述がある。
これらのカルシウム塩系酸化防止保存料によって酵素的褐変を防止することができ、フルーツの保存期間が延びることは周知である。しかし、これらの化合物は、例えばひとたび組織がカットされると発生する組織の表面脱水など、カットフルーツ特有の問題を防ぐものではない。
したがって、最近では、食用コーティングの使用(特に多糖類基材の使用)が普及している。食用コーティングによってフルーツの表面に透明な膜が形成されて、製品の表面脱水を防止できるとともに、フルーツ内部の水分損失を制限するバリアを形成できる。これらの多糖類系食用コーティングは、ゲル化して被膜を形成できる任意のポリマーを用いて形成してもよい。そのようなポリマー群の中でも最もよく使用されているのは、マルトデキストリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、アルギン酸塩またはゲランである。また、食用コーティングは酸化防止剤や抗菌剤などの活性成分のキャリアとして機能して、広い意味でカットフルーツの賞味期限を延ばすことを可能にしている。
食用コーティングの調整に用いられる主要な多糖類は粉末で市販されており、製品に塗布する水溶液を作るにはそれらを水に溶かす必要がある。そのような多糖類を水に溶かしてその溶液をコーティングとして適正に機能するものにするためには、溶液の水を50℃よりも高い温度に熱する必要がある。このことは、アルギン酸塩またはペクチンを多糖類基材として用いたコーティングにとって重要であり、これらの種類の多糖類の製造業者自身が、それらを正常に溶解するには温水に分散することを勧めている。
科学的に証明された保存作用があるにも関わらず生フルーツの加工においてこの種の食用コーティングが産業規模で適用されていないのは、多糖類の溶解には加熱が必要であるからに他ならない。というのは、それら多糖類を使用するためには、溶液の加熱用装置が使用可能でなくてはならず、また、装置類の入手や組立てやそれに伴うメンテナンスにコストがかかり、さらにはそれに伴うエネルギー消費にもつながるからである。一方で、フルーツの加工は全て低温(8℃未満)で行われるため、多糖類溶液が冷えてフルーツに塗布できるようになるまで待たなくてはならない。
米国特許出願公開第2013/0029012号はフルーツ用食用コーティングを開示している。このフルーツ用食用コーティングは、カラギーナンおよびゲランおよびアルギン酸塩およびペクチンからなる群より選択される多糖類と、この多糖類をゲル化する架橋剤としてのカルシウムと、アスコルビン酸カルシウム(正確には、クエン酸、アスコルビン酸、または両者の組み合わせなどの酸化防止剤)と、アルギン酸塩の使用に伴う味のマスキング剤および抗菌剤としてのバニリンとから構成される。
この文献の実施形態の実施例から分かるように、上記食用コーティングは、2種の溶液を用いてフルーツ片に塗布される。第1溶液の調整では、濃度が1%(w/w)から1.5%(w/w)の間のアルギン酸ナトリウムと、濃度が0.1%(w/w)のバニリンエッセンスとを50℃の水で希釈する必要がある。その後、カットフルーツ片に塗布できるように、この溶液を10℃まで冷却しなくてはならない。アルギン酸ナトリウムをゲル化させるために、第1溶液でコーティングされたカットフルーツ片を、濃度15%(w/w)のアスコルビン酸カルシウム第2溶液に入れる。上記各濃度は、水を含む溶液の総重量に対する重量パーセント(wt.%)で表している。
多糖類を温水に溶解する工程は公知である。実際に、十分に溶解するために同様に加熱を必要とするアルギン酸塩系食用コーティングについての記述を含む、本発明と同じ発明者によるさまざまな科学出版物を以下に列挙する。
Rojas-Grau, M.A., Tapia, M.S., Martin-Belloso, O. 2008. “Using polysaccharide-based edible coatings to maintain quality of fresh-cut Fuji apples”. Lebensm-Wiss Technol. 41, 139-147;
Rojas-Grau, M.A., Raybaudi-Massilia, R.M, Soliva-Fortuny, R., Avena-Bustillos, R.J., McHugh, T.H., and Martin-Belloso, O. 2007. “Apple puree-alginate coating as carrier of antimicrobial agents toprolong shelf life of fresh-cut apples”. Postharvest Biol. Technol. 45:254-264;
Montero-Calderon, M., Rojas-Grau, M.A., and Martin-Belloso, O. 2008. “Effect of packaging conditions on quality and shelf-life of fresh-cut pineapple (Ananascomosus)”. Postharvest Biology and Technology, 50, 182-189;
Robles-Sanchez, R.M., Rojas-Grau, M.A.,Odriozola-Serrano, I., Gonzalez-Aguilar, G.,Martin-Belloso, O. “Influence of Alginate-Based Edible Coating as Carrier of Antibrowning Agents on Bioactive Compounds and Antioxidant Activity in Fresh-cut Kent Mangoes”. 2013. LWT - Food Science and Technology;
Tapia, M.S., Rojas-Grau, M.A., Rodriguez, F.J., Ramirez, J., Carmona, A., and Martin-Belloso, O. 2007. “Alginate and gellan based edible films for probiotic coatings on fresh-cut fruits”. Journal of Food Science, 72, E190-E196;
Raybaudi-Massilia, R.M., Rojas-Grau, M.A.,Mosqueda-Melgar, J., Martin-Belloso, O. “Comparative Study on Essential Oils Incorporated into an Alginate-Based Edible Coating To Assure the Safety and Quality of Fresh-Cut Fuji Apples”. 2008. Journal of Food Protection,71, 6;
Tapia, M.S., Rojas-Grau, M.A. ,Carmona, A.,Rodriguez, F. J.,Soliva-Fortuny, R.,Martin-Belloso, O. “Use of alginate- and gellan-based coatings for improving barrier, texture and nutritional properties of fresh-cut papaya”. 2008. Food Hydrocolloids 22, 8, 1493-1503;
Rojas-Grau, M.A., Tapia, M.S., Rodriguez, F.J., Carmona, A.J., Martin-Belloso,O., 2007. “Alginate and gellan-based edible coatings as carriers of antibrowning agents applied on fresh-cut Fuji apples”. Food Hydrocolloids 21, 118-127.
したがって、多糖類溶液の加熱を不要にすることによって生フルーツの製造加工においてフルーツへの直接塗布が可能なフルーツ片用の食用コーティングが求められている。
本発明は、製造加工において洗浄や皮剥きやスライスなど最小限の加工が施された生フルーツ片に塗布する食用コーティングを目的とする。本発明は、この食用コーティングの調整方法およびフルーツ片への塗布にも関する。
フルーツ片保存用のこの食用コーティングは、2種類の水溶液を用いて塗布される。すなわち、多糖類系の第1水溶液と、架橋剤と酸化防止剤とさらに抗菌剤とを含む第2水溶液とを用いて塗布される。両水溶液を塗布することによって、フルーツ片の乾燥や褐変や水分減少を防いで保護する保護バリアを形成する。
第1水溶液の多糖類基材として、高粘度のアルギン酸塩を使用する。この高粘度のアルギン酸塩は第1水溶液中に超低濃度で存在している。使用されるアルギン酸塩の粘度は250mPa.sを超えており、第1水溶液の総重量に対して0.05重量%から1重量%という低濃度で存在している。このアルギン酸塩の濃度は第1水溶液の総重量に対して0.1重量%から0.6重量%であることが好ましい。
第1水溶液の多糖類基材には、アルギン酸塩に加えて低メトキシルペクチンが含まれていてもよい。したがって、第1水溶液には、適正な粘度のペクチンも超低濃度で存在する。使用されるペクチンのメトキシル化度は35%から45%であり、第1水溶液の総重量に対して0.05重量%から1重量%の低濃度で存在する。このペクチンの濃度は第1水溶液の総重量に対して0.1重量%から0.5重量%であることが好ましい。
すでに背景技術で引用したように、第2水溶液は、第1水溶液の多糖類基材をゲル化する架橋剤として機能するカルシウムイオンを含む粉末状の固形成分を水に溶かしたものである。したがって、コーティングされるフルーツの種類によっては、第2水溶液にはカルシウム架橋剤を使用する。このカルシウム架橋剤は、アスコルビン酸カルシウムまたは乳酸カルシウムであってもよい。
架橋剤としてアスコルビン酸カルシウムを使用するときは、第2水溶液の総重量に対して2重量%から15重量%の濃度とする。アスコルビン酸カルシウムの濃度は、第2水溶液の総重量に対して3重量%から12重量%であることが好ましい。
架橋剤として乳酸カルシウムを使用するときは、第2水溶液の総重量に対して2重量%から8重量%の濃度とする。乳酸カルシウムの濃度は、第2水溶液の総重量に対して2.5重量%から6重量%であることが好ましい。
第2水溶液は、酸化防止剤として、クエン酸またはクエン酸とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせを含む。また、第2水溶液は抗菌剤としてリンゴ酸を含んでいてもよい。
クエン酸のみの濃度またはリンゴ酸とクエン酸との組み合わせの濃度は、第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して0.5重量%を超える濃度である。
クエン酸(場合によってはリンゴ酸)は金属イオンキレート剤として機能する。キレート剤は金属イオンと配位結合してこれらを捕捉することで、金属イオンがその他の工程において遊離したままの状態を防ぎ、また、間接的に抗菌剤として機能し得ることが知られている。
クエン酸の濃度は、第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して1重量%から20重量%である。クエン酸の濃度は、第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して7重量%から12重量%であることが好ましい。
アスコルビン酸ナトリウムの濃度は、第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して5重量%から80重量%である。アスコルビン酸ナトリウムの濃度は、第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して25重量%から50重量%であることが好ましい。
抗菌剤としてリンゴ酸を使用するときは、リンゴ酸の濃度は第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して1重量%から45重量%である。リンゴ酸の濃度は、第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して10重量%から30重量%であることが好ましい。
本発明の目的に従い、食用コーティングの成分の保存およびフルーツの保存から始まり、1種類または複数種類の多糖類の溶解(今までは加熱によって溶解していた)を経て、コーティング後のフルーツの保管とパック詰めに至るまでの全工程を、フルーツの製造加工温度である4℃から8℃の冷温下で行う。
現在公知の形態では、多糖類と水の混合物を非常に高い温度(50℃を超える温度)に加熱する必要があった。本発明の提案によると、1種類または複数種類の多糖類を低温で溶解することができる。したがって、加熱機を使用する必要がないため、保存料製造設備の組み立てと維持にかかるコストを削減できるとともに、上記混合物を加熱する必要がないため、エネルギー消費も削減できる。このことは、産業規模でかなりのエネルギー削減となる。
また、フルーツ保存において最良の結果を得るためにはフルーツの食用コーティングを低温で行わなくてはならないため、コーティング溶液の調整後に中断時間を設けなくてもよいように、コーティングの調整の前段階も低温で行えることが非常に大切である。
実際に、本発明では、1種類または複数種類の多糖類および残存成分を低温で溶解するので、加熱した場合のように1種類または複数種類の多糖類の溶液が冷めるのを待つ必要がなく、溶解直後にこの溶液はフルーツ片に塗布される。そのため、処理間の時間と工程全体の時間とが短縮される。また、酸化しやすい感光性化合物であるアスコルビン酸カルシウムを使用する場合は、処理間の時間短縮が特に重要である。さらに、高温にしないことで、コーティング内およびコーティングされたフルーツにおいて好ましくない反応が促進されることを防ぐ。
本発明は、以下の工程を含むフルーツ片用の食用コーティング製造方法をさらに対象とする。この製造方法は、
1種類または複数種類の多糖類を4℃から8℃の冷水と混合して当該1種類または複数種類の多糖類が完全に溶解するまで絶え間なくかき混ぜることにより多糖類系の第1水溶液を調整する工程と、
カルシウム架橋剤と、酸化防止剤と、場合によっては抗菌剤とを含む第2水溶液を、粉末状のカルシウムと粉末状の酸化防止剤と粉末状の抗菌剤とを混合して、これらの粉末成分が十分に混ざったところで、この混合物を4℃から8℃の冷水中で絶え間なくかき混ぜながら溶解することによって調整する工程と、
を含む。
フルーツ片に食用コーティングを塗布する方法は、以下の工程を含む。この方法は、
フルーツの洗浄と皮剥きとスライスの全てを約4℃で行う工程と、
4℃から8℃の低温の多糖類系第1水溶液をフルーツ片に40秒間から120秒間塗布する工程と、
第1水溶液の余分なコーティングを除去する工程と、
カルシウム架橋剤と、酸化防止剤と、場合によっては抗菌剤とを含有する4℃から8℃の低温の第2水溶液をフルーツ片に40秒間から120秒間塗布する工程と、
第2水溶液の余分なコーティングを除去する工程と、
コーティングされたフルーツをパック詰めする工程と
を含む。
溶液は、フルーツ片を溶液に浸すことによって、あるいはフルーツ片に溶液を吹き付けることによって、あるいはフルーツ片をコーティングできるその他同様の方法によって塗布され得る。
これら全工程によると、高粘度で低濃度の1種類または複数種類の多糖類を使用して、それらをフルーツが通常製造加工されるときの温度である4℃から8℃の低温で溶解することによって、溶液を加熱するという従来の問題を克服したフルーツ片保存用の食用コーティングが得られる。
また、高粘度で低濃度の1種類または複数種類の多糖類を使用することで、余分なコーティングの乾燥・除去工程を選択的に省略できる。その結果、利用者が視覚でも味覚でも感知できない食用コーティングが得られる。この食用コーティングは、十分な保存特性を持つとともに、アルギン酸塩の濃度が低いので風味が加えられることがなく、従来のように溶液にバニリンなどのマスキング剤を使用する必要がない。
本発明の食用コーティングは、連続して塗布されてフルーツ片を覆う2種類の水溶液で構成される。第1水溶液は、アルギン酸塩またはアルギン酸塩とペクチンとの組み合わせを冷水(4℃から8℃)に溶解することによって得る。
第2水溶液は、カルシウム架橋剤と酸化防止剤とを冷水(4℃から8℃)に溶解することによって得る。カルシウムは第1水溶液中のアルギン酸塩をゲル化させるか、あるいは、場合によっては、アルギン酸塩とペクチンとをゲル化させる。カルシウムは、アスコルビン酸カルシウムまたは乳酸カルシウムから得てもよい。どちらを使用するかは、コーティングするフルーツの種類によって異なる。酸化防止剤はフルーツの色を保つとともに、褐変を遅らせる。酸化防止剤として、クエン酸あるいはクエン酸とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせを用いる。また、第2水溶液は抗菌剤としてリンゴ酸を含んでいてもよい。リンゴ酸には、フルーツ片の保管中にカビや酵母菌などの微生物が増殖することを防ぐ働きがある。
以下に示す表に、本発明にかかる食用コーティングを得るために各溶液(これら溶液によってフルーツ片はコーティングされる)に含まれ得る成分と、各水溶液において検討された各水溶液中のそれら成分の重量パーセントとを示す。この表は本発明を限定するものではない。
割合は、各水溶液の総重量に対する成分の重量(%w/w)で表している。一方の列には、水を除く各溶液における各成分の重量パーセントを示しており、もう一方の列には、水を含む各溶液における各成分の重量パーセントを示している。
Figure 2017500054
使用したアルギン酸塩は、粘度が250mPa.sを超える高粘度のアルギン酸塩である。測定した粘度は、1%w/wアルギン酸塩水溶液の粘度であり、Nahita 801 N/SC88808粘度計(2番スピンドル、30rpm、温度21℃)を使用して測定した。
高粘度アルギン酸塩と低濃度という関係にすることによって、物理的にも化学的にも適切なフルーツ片用食用コーティングを得ることができる。得られた食用コーティングは、フルーツ片の適切なコーティングおよび保存を保証するもので、利用者に気づかれることがない。つまり、目に見えず、食べたときに食感にも味にも影響しない。
本発明に係るフルーツ片用食用コーティングの実施例を以下に説明する。これら実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1:食用コーティングの接触時間がメロン片の官能的品質に与える影響
カンタロープメロンを複数個使用した。これらの表面を洗い、次亜塩素酸ナトリウム(80ppm)溶液に浸して殺菌した。殺菌後、これらメロンの皮を剥いてカットし、中から種を取り除いた。このようにして得られたメロンをサイコロ状に手作業でカットした。
食用コーティングは2種類の溶液で構成した。第1溶液は0.5%w/wのアルギン酸塩溶液によって構成し、第2溶液は3%w/wの乳酸カルシウムと、0.5%w/wのクエン酸と、3%w/wのリンゴ酸との混合物によって構成した。
アルギン酸塩溶液は、冷水1リットルにつき5.03gの多糖類をこの冷水に直接溶解して、この溶液を、多糖類が完全に溶解するまで絶え間なくかき混ぜることによって調製した。この溶液の平均粘度は45mPa.sであった。これは、Nahita 801 N/SC88808粘度計(2番スピンドル、30rpm、温度21℃)を使用して測定した。
第2溶液では、1リットルの水につき32.09gの乳酸カルシウムと、5.35gのクエン酸と、32.09gのリンゴ酸とを溶解した。どちらの溶液も水温は6oCであり、コーティングとして使用するまでこの温度に保っておいた。
メロン片をアルギン酸塩溶液に1分間浸した。その後、メロンを1分間水切りして余分なコーティングを除去し、その後、酸化防止剤とカルシウムとで構成される第2溶液に入れた。第2溶液への浸漬時間は1分から4分であった。第2溶液に浸した後、メロン片をパック詰めの前に1分間水切りした。コーティングされたメロンを、調整雰囲気を使用せずにプラスチック(PET)容器に手作業でパック詰めし、4℃で10日間保管した。
この期間中、製品の官能評価を行って、製品の品質特性(主に味、食感、液体損失)が接触時間によってどのように変化するのかを確かめた。評価尺度は1から5とした。味の場合、5は酸味がないこと(メロンの自然な味)を表し、1は非常に酸味があることを表す。食感の場合、5は非常にしっかりした食感のフルーツであることを表し、1は非常に柔らかい食感のフルーツであることを表す。最後に、液体の蓄積については、5はパックに液体がないことを表し、1はパックに過剰に液体が蓄積されていることを表す。
次の表からも分かるように、フルーツと食用コーティングの第2溶液との接触時間は、メロン片の品質に直接的に影響した。接触時間が4分であったフルーツでは、保管期間全体を通して強烈な酸味が認められた。強烈な酸味の他にも、フルーツ片の硬さにも若干の影響を確認できた。すなわち、保管期間が長くなるほど硬さが減った。また、接触時間が4分であったメロン片を収容するサンプルは、組織がより破壊されたために、より多くの液体がパックに蓄積されたことは明らかであった。総じて、第2コーティング溶液との接触時間が1分であったメロン片は、10日間の保管期間中、カットしたてのものと同様の味と食感の特徴を維持した。1分というのは、コーティングを施すための時間である。
Figure 2017500054
実施例2:食用コーティングの使用がカットパイナップル片の賞味期限に与える影響
最低限の加工をするのに適した熟れ具合のパイナップルを複数個使用した。これらのパイナップルの表面を丸ごと洗ってから、次亜塩素酸ナトリウム(80ppm)に5分間浸して殺菌した。その後、パイナップルの皮を剥き、芯を取り除き、縦方向にカットしてカヌー形状のパイナップル片にした。続いて、これらのパイナップル片をサイコロ状にカットした。
これらのパイナップル片を、2種の溶液によって構成される食用コーティングでコーティングした。第1溶液は0.6%w/wアルギン酸塩溶液によって構成した。この溶液は、6℃の冷水1リットルにつきアルギン酸塩6.04gを、完全に溶解するまで絶え間なくかき混ぜながら溶かすことによって調製した。この第1溶液の平均粘度は65mPa.sであった。これは、Nahita 801 N/SC88808粘度計(2番スピンドル、30rpm、温度21℃)を使用して測定した。
第2溶液は、3%w/wのアスコルビン酸カルシウムと、2%w/wのクエン酸と、3%w/wのリンゴ酸から構成される溶液とした。この溶液を得るために、冷水1リットルにつき、32.61gのアスコルビン酸カルシウムと、21.74gのクエン酸と、32.61gのリンゴ酸とを溶解した。どちらの溶液も6℃で調整およびコーティングした。
これらの溶液を得てから、パイナップル片をアルギン酸塩溶液に1分間浸した。その後、パイナップルを1分間水切りして余分なコーティングを除去した。次に、パイナップルを第2溶液に入れて、一分間浸したままにした。第2溶液に浸した後、パイナップル片を1分間水切りしてから、調整雰囲気を使用せずにプラスチック(PET)容器に手作業でパック詰めした。パック詰めした後、パイナップルが入った容器を4℃で10日間保管した。
コーティングしていないパイナップル片を使用して、コーティングが最終製品に与える影響を比較できるようした。この場合、パイナップル片を冷水に1分間浸けた後に、パイナップルをコーティングする場合と同じ条件下でパック詰めした。食用コーティングが低加工パイナップル片に与える影響を確認するために、保管期間中、食用コーティングを含む製品と含まない製品の官能評価を行った。パック詰め製品の色や、食感や、液体損失などの特性を評価した。評価尺度は1から10とした。10は評価された品質パラメータの最高点(すなわち、カットしたての製品と同じ品質)であり、1は低品質の製品ということを表す。
アルギン酸塩と複数の活性剤との混合物によって構成された食用コーティングをパイナップル片にコーティングすることによって、製品はカットしたてのパイナップルと同じ品質を10日間保つことができた。対照パイナップルと比較して、コーティングした製品では、保管期間全体を通して色や味や香りや食感が維持された。さらには、パイナップル片が収められたパック内に液体が蓄積されることがなかった。一方、表3に示すように、コーティングされていないパイナップル片は褐色を帯びて食感がより柔らかくなるとともに、パック内に液体が多く溜まった。また、発酵に特有の味や香りが検出されており、10日間の保管期間全体を通して対照サンプル内に発酵の代謝物質が存在することは明らかであった。
Figure 2017500054
実施例3:食用コーティングの使用が低加工メロン片の品質および微生物学的な賞味期限に与える影響
食用コーティングがメロン片の品質および微生物学的な賞味期限に与える影響を確かめるために、カンタロープメロンを複数個使用した。これらの表面を洗い、次亜塩素酸ナトリウム(80ppm)溶液に浸して殺菌した。殺菌後、これらメロンの皮を剥いてカットし、中から種を取り除いた。このようにして得られたメロンをサイコロ状に手作業でカットした。
カットメロンを用意した後、2種類の溶液で構成される食用コーティングを調整した。第1溶液は0.5%w/wアルギン酸塩溶液によって構成し、第2溶液は4%w/wのアスコルビン酸カルシウムと、0.5%w/wのクエン酸と、3%w/wのリンゴ酸との混合物によって構成した。アルギン酸塩溶液は、冷水1リットルにつき5.03gの多糖類をこの冷水に直接溶解して、この溶液を、多糖類が完全に溶解するまで絶え間なくかき混ぜることによって調製した。この溶液の平均粘度は45mPa.sであった。これは、Nahita 801 N/SC88808粘度計(2番スピンドル、30rpm、温度21℃)を使用して測定した。第2溶液では、1リットルの水につき43.24gのアスコルビン酸カルシウムと、5.41gのクエン酸と、32.43gのリンゴ酸とを溶解した。どちらの溶液も水温は6oCであり、コーティングとして使用するまでこの温度に保っておいた。
メロン片をアルギン酸塩溶液に1分間浸した後、余分なコーティングを除去するために水切りした(1分間)。第2溶液への浸漬時間は1分とした。第2溶液を施した後、メロン片をパック詰めの前に1分間水切りした。コーティングされたメロンを、調整雰囲気を使用せずにプラスチック(PET)容器に手作業でパック詰めした。全てのサンプルを4℃で10日間保管した。対照サンプルについては、メロン片を水に1分間浸してから、コーティングする場合と同じ条件下でパック詰めした。
製品の官能品質を保管期間全体を通して追跡調査して、硬さ、味、香りを中心に評価した。製品の賞味期限の終了時には微生物学的な分析も行って、好気性中温菌やカビや酵母菌の増殖に対抗する抗菌剤のキャリヤとしての食用コーティングの有効性を測定した。
全体として、保管期間を通して、食用コーティングをしたメロン片の質はおおむね維持された。つまり、コーティングしたサンプルにはしっかりとした食感があり、味も良く、発酵代謝物(悪臭)がないことが確認された。例えば表4から分かるように、10日間保管した後では、コーティングしたメロンサンプル中の好気性中温菌やカビや酵母菌の数は、対照サンプルにおいて確認されたそれらの数よりも少なかった。食用コーティングは、メロンの品質特性を維持するのに有効であるだけではなく、低加工メロンの微生物学的な賞味期限を延ばすこともできる。
Figure 2017500054
実施例4:食用コーティングが低加工イチゴの賞味期限に与える影響
中程度に熟れたイチゴを複数個使用した。これらの表面を洗ったあと、次亜塩素酸ナトリウム(80ppm)に1分間浸して殺菌した。その後、イチゴを清浄水ですすいで過剰な次亜塩素酸ナトリウムを除去した。それと同時に、これらのイチゴの緑色のがく片を取り除いた。
これらのイチゴを2種類の溶液でコーティングした。第1溶液は多糖類の混合物(0.3%w/wのアルギン酸塩と0.2%w/wの低メトキシルペクチン)で構成した。この溶液は、冷水(6℃)1リットルにつき3.02gのアルギン酸塩と2.01gのペクチンとをこれらが完全に溶解するまで絶え間なくかき混ぜながら溶解することによって調製した。第1溶液の平均粘度は20mPa.sであった。これは、Nahita 801 N/SC88808粘度計(1番スピンドル、30rpm、温度21℃)を使用して測定した。第2溶液は、アスコルビン酸カルシウム(3%w/w)と、アスコルビン酸ナトリウム(6%w/w)と、クエン酸(1.5%w/w)との混合物で構成した。この溶液を得るために、冷水(6℃)1リットルにつき、33.52gのアスコルビン酸カルシウムと、67.04gのアスコルビン酸ナトリウムと、16.76gのクエン酸とを溶解した。どちらの溶液も6℃でイチゴに塗布した。
汚れを取り除いた後、イチゴをまず多糖類の第1溶液に1分間浸した。その後、1分間水切りして余分なコーティングを除去した。次にイチゴを第2溶液に1分間入れてから1分間水切りした。その後、調整雰囲気を使用せずにプラスチック(PET)容器に手作業でパック詰めした。パック詰めした後、イチゴが入った容器を4℃で10日間保管した。コーティングしていないイチゴを使用して、コーティングが最終製品に与える影響を比較できるようにした。この場合、イチゴを冷水に浸して水切りした後、コーティングする場合と同じ条件下でパック詰めした。
食用コーティングが低加工イチゴに与える影響を確認するために、保管期間中、食用コーティングを含む製品と含まない製品の官能評価を行った。パック詰め製品の色や食感、味、品質などの特性を評価した。
多糖類の混合物で構成された食用コーティングを低加工イチゴに塗布することによって、10日間保存した後も品質が良好な製品を得ることができた。保管中、コーティングされたイチゴは本来の濃い赤色のままであり、製品にはしっかりとした食感があって、味や香りも良かった。一方で、コーティングされていないイチゴは、保管期間全体を通して、かなりくすんだ赤色で暗い色調であり、食感が著しく損なわれていることは明らかであった。また、保管の終了時には、コーティングされていない製品において発酵過程に特有の匂いが蓄積していることも確認された。

Claims (14)

  1. 多糖類系の第1水溶液と、当該第1水溶液の多糖類のゲル化を引き起こすカルシウム架橋剤を含有する第2水溶液とを用いてフルーツ片に塗布される、フルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    多糖類基材として、250mPa.sを超える高粘度であるとともに、上記第1水溶液の総重量に対して0.05重量%から1重量%の低濃度であるアルギン酸塩を使用し、
    上記架橋剤として、アスコルビン酸カルシウムまたは乳酸カルシウムを使用し、
    上記第2水溶液は、酸化防止剤としてクエン酸、あるいはクエン酸とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせを含有し、
    上記第2水溶液は、抗菌剤としてリンゴ酸をさらに含有していてもよく、
    上記クエン酸と、場合によっては上記リンゴ酸とは、金属イオンキレート剤として機能する
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  2. 請求項1に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記アルギン酸塩の濃度は、上記第1水溶液の総重量に対して0.1重量%から0.6重量%である
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  3. 請求項1に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記多糖類系の第1水溶液は、上記アルギン酸塩に加えて、35%から45%の低メトキシルペクチン(MD)を含有し、当該低メトキシルペクチンは上記第1水溶液の総重量に対して0.05重量%から1重量%の低濃度である
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  4. 請求項3に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記ペクチンの濃度は、上記第1水溶液の総重量に対して0.1重量%から0.5重量%である
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  5. 請求項1に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記アスコルビン酸カルシウムの濃度は、上記第2水溶液の総重量に対して2重量%から15重量%である
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  6. 請求項5に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記アスコルビン酸カルシウムの濃度は、上記第2水溶液の総重量に対して3重量%から12重量%である
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  7. 請求項1に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記乳酸カルシウムの濃度は、上記第2水溶液の総重量に対して2重量%から8重量%である
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  8. 請求項7に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記乳酸カルシウムの濃度は、上記第2水溶液の総重量に対して2.5重量%から6重量%である
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  9. 請求項1に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記クエン酸のみの濃度または上記クエン酸と上記リンゴ酸との組み合わせの濃度は、上記第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して0.5重量%を超える
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  10. 請求項1に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングであって、
    上記クエン酸の濃度は、上記第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して7重量%から12重量%であり、
    上記リンゴ酸が使用される場合、上記リンゴ酸の濃度は、上記第2水溶液の水を除く成分の総重量に対して10重量%から30重量%である
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティング。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングの製造方法であって、
    1種類または複数種類の多糖類を4℃から8℃の冷水と混合して当該1種類または複数種類の多糖類が完全に溶解するまで絶え間なくかき混ぜることにより上記多糖類系の第1水溶液を調整する工程と、
    粉末状の上記カルシウム架橋剤と、粉末状の上記酸化防止剤と、場合によっては粉末状の上記抗菌剤とを混合して、これらの粉末成分が十分に混ざったところで、この混合物を4℃から8℃の冷水において絶え間なくかき混ぜながら溶解することによって上記第2水溶液を調整する工程と
    を備えることを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティングの製造方法。
  12. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングの塗布方法であって、
    フルーツの洗浄と皮剥きとスライスの全てを約4℃で行う工程と、
    4℃から8℃の低温の多糖類系第1水溶液をフルーツ片に40秒間から120秒間塗布する工程と、
    上記第1水溶液の余分なコーティングを除去する工程と、
    上記カルシウム架橋剤と、上記酸化防止剤と、場合によっては上記抗菌剤とを含有する4℃から8℃の低温の第2水溶液をフルーツ片に40秒間から120秒間塗布する工程と、
    上記第2水溶液の余分なコーティングを除去する工程と、
    コーティングされたフルーツをパック詰めする工程と
    を備えることを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティングの塗布方法。
  13. 請求項12に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングの塗布方法であって、
    上記各水溶液を吹き付けることによって上記食用コーティングと上記フルーツ片とを接触させる
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティングの塗布方法。
  14. 請求項12に記載のフルーツ片保存用の食用コーティングの塗布方法であって、
    上記各水溶液に浸すことによって上記食用コーティングと上記フルーツ片とを接触させる
    ことを特徴とするフルーツ片保存用の食用コーティングの塗布方法。
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