JP2017228551A - 金属−セラミックス接合基板およびその製造方法 - Google Patents

金属−セラミックス接合基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板がセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス接合基板において、半導体チップなどを半田付けする際などの加熱によるベース板の反りのばらつきを抑制することができる、金属−セラミックス接合基板およびその製造方法を提供する。【解決手段】金属−セラミックス接合基板は、平面形状が略矩形のセラミックス基板10と、このセラミックス基板10の一方の面(回路パターン側の面)の周縁部と側面および他方の面(裏面)の全面に直接接合した平面形状が略矩形のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板12と、セラミックス基板10の一方の面の周縁部に直接接合したベース板12から離間してセラミックス基板10の一方の面に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用金属板14とを備えている。【選択図】図1C

Description

本発明は、金属−セラミックス接合基板およびその製造方法に関し、特に、金属部材がセラミックス基板に接合した金属−セラミックス接合基板およびその製造方法に関する。
電気自動車、電車、工作機械などの大電流を制御するために使用される従来のパワーモジュールでは、ベース板と呼ばれる金属板または複合材の一方の面に金属−セラミックス絶縁基板が半田付けにより固定されるとともに、この金属−セラミックス絶縁基板上に半導体チップが半田付けにより固定され、ベース板の他方の面(裏面)に熱伝導グリースを介してねじ止めなどにより金属製の放熱フィンや冷却ジャケットが取り付けられている。
この金属−セラミックス絶縁基板へのベース板や半導体チップの半田付けは加熱により行われるため、半田付けの際に接合部材間の熱膨張係数の差によりベース板の反りが生じ易い。また、半導体チップから発生した熱は、金属−セラミックス絶縁基板と半田とベース板を介して放熱フィンや冷却ジャケットにより空気や冷却水に逃がされるため、半田付けの際にベース板の反りが生じると、放熱フィンや冷却ジャケットをベース板に取り付けたときのクリアランスが大きくなり、放熱性が極端に低下する。
このような問題を解消して、金属−セラミックス絶縁基板の信頼性を高めるため、降伏応力が非常に低いアルミニウムをベース板に使用した金属−セラミックス回路基板、例えば、耐力が320MPa以下であり且つ厚さが1mm以上のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板を溶湯法によってセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス回路基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−76551号公報(段落番号0015−0017)
しかし、アルミニウムの降伏応力を小さくするためにはアルミニウムの純度を高くする必要があるが、溶湯法ではアルミニウムの結晶粒径を制御し難く、10mm以上の大きな結晶粒径しか得ることができない。このように結晶粒径が大きいと、結晶粒度分布にばらつきが起こり、半導体チップなどを半田付けする際などの加熱によるアルミニウムベース板の反りにばらつきがある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板がセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス接合基板において、半導体チップなどを半田付けする際などの加熱によるベース板の反りのばらつきを抑制することができる、金属−セラミックス接合基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、鋳型内にセラミックス基板を配置し、このセラミックス基板の両面の所定の部分に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に溶湯を冷却して固化させることにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板をセラミックス基板の一方の面の周縁部と側面および他方の面の全面に形成してセラミックス基板に直接接合させるとともに、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用金属板をベース板から離間してセラミックス基板の一方の面に形成してセラミックス基板に直接接合させることによって、半導体チップなどを半田付けする際などの加熱によるベース板の反りのばらつきを抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による金属−セラミックス接合基板の製造方法は、鋳型内にセラミックス基板を配置し、このセラミックス基板の両面の所定の部分に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に溶湯を冷却して固化させることにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板をセラミックス基板の一方の面の周縁部と側面および他方の面の全面に形成してセラミックス基板に直接接合させるとともに、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用金属板をベース板から離間してセラミックス基板の一方の面に形成してセラミックス基板に直接接合させることを特徴とする。
この金属−セラミックス接合基板の製造方法において、鋳型内にセラミックス基板を配置する際に、鋳型内にセラミックス基板と強化部材とを互いに離間して配置し、溶湯を注湯する際に、鋳型内の強化部材の全面に溶湯を接触させ、ベース板を形成してセラミックス基板に直接接合させる際に、鋳型内の強化部材がベース板に取り囲まれるように強化部材をベース板に直接接合させてもよい。この場合、強化部材は、ベース板の材料より融点が高い金属またはセラミックス材料からなるのが好ましい。また、鋳型が上側鋳型部材と下側鋳型部材とからなり、強化部材の端部が上側鋳型部材と下側部材に挟持されて強化部材が鋳型に支持され、下側鋳型部材の底面から突出して形成された複数の基板支持部にセラミックス基板の端部の底面および側面が当接して支持され、複数の基板支持部の少なくとも一つのセラミックス基板の端部の側面に当接する部分の上面が、複数の基板支持部に支持されたセラミックス基板の上面より高くなっているのが好ましい。
また、鋳型内にセラミックス基板を配置する際に、鋳型内にセラミックス基板と電子部品とを互いに離間して配置し、溶湯を注湯する際に、電子部品の一方の面に溶湯を接触させ、回路パターン用金属板を形成してセラミックス基板に直接接合させる際に、回路パターン用金属板に電子部品を直接接合させてもよい。また、ベース板を形成してセラミックス基板に直接接合させる際に、ベース板の回路パターン用金属板と反対側の面に、互いに略平行に且つ一定の間隔で離間して配置された複数の板状フィンをベース板と一体に形成してもよい。あるいは、ベース板を形成してセラミックス基板に直接接合させる際に、ベース板の回路パターン用金属板と反対側の面に、互いに離間して突出する多数の柱状突起部をベース板と一体に形成してもよい。また、ベース板および回路パターン用金属板をセラミックス基板に直接接合させた後、回路パターン用金属板の不要部分をエッチングにより除去して所望の回路パターンを形成することができる。
また、本発明による金属−セラミックス接合基板は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面の周縁部と側面および他方の面の全面に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板と、このベース板から離間してセラミックス基板の一方の面に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用金属板とを備えたことを特徴とする。
この金属−セラミックス接合基板において、ベース板の内部に、板状の強化部材が、セラミックス基板から離間して且つセラミックス基板と略平行に配置して、ベース板に直接接合してもよい。この場合、強化部材は、ベース板の材料より融点が高い金属またはセラミックス材料からなるのが好ましい。また、回路パターン用金属板のセラミックス基板と反対側の面に、電子部品が直接接合してもよい。また、ベース板のセラミックス基板と反対側の面に、複数の板状フィンを、互いに略平行に且つ一定の間隔で離間して配置して、ベース板と一体に形成してもよい。さらに、ベース板のセラミックス基板と反対側の面に、互いに離間して突出する多数の柱状突起部を、ベース板と一体に形成してもよい。また、ベース板のセラミックス基板の側面に隣接した部分に、セラミックス基板の厚さより深い凹部を形成してもよい。
本発明によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板がセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス接合基板において、半導体チップなどを半田付けする際などの加熱によるベース板の反りのばらつきを抑制することができる。
本発明による金属−セラミックス接合基板の第1の実施の形態を示す平面図である。 図1Aの金属−セラミックス接合基板の側面図である。 図1Aの金属−セラミックス接合基板のIC−IC線断面図である。 図1A〜図1Cに示す金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型内にセラミックス基板を配置した状態を示す断面図である。 図2の鋳型の下側鋳型部材の平面図である。 図3Aの下側鋳型部材のIIIB−IIIB線断面図である。 図3Aの下側鋳型部材のIIIC−IIIC線断面図である。 図3Aの下側鋳型部材のIIID−IIID線断面図である。 図3Aの下側鋳型部材のIIIE−IIIE線断面図である。 図1A〜図1Cに示す金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型の変形例にセラミックス基板を配置した状態を示す断面図である。 図4の鋳型の下側鋳型部材を示す平面図である。 図5Aの下側鋳型部材のVB−VB線断面図である。 図5Aの下側鋳型部材のVC−VC線断面図である。 図5Aの下側鋳型部材のVD−VD線断面図である。 図5Aの下側鋳型部材のVE−VE線断面図である。 本発明による金属−セラミックス接合基板の第2の実施の形態を示す平面図である。 図6Aの金属−セラミックス接合基板の側面図である。 図6Aの金属−セラミックス接合基板のVIC−VIC線断面図である。 図6A〜図6Cに示す金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型内にセラミックス基板を配置した状態を示す断面図である。 図7の鋳型の下側鋳型部材の平面図である。 図8Aの下側鋳型部材のVIIIB−VIIIB線断面図である。 図8Aの下側鋳型部材のVIIIC−VIIIC線断面図である。 図8Aの下側鋳型部材のVIIID−VIIID線断面図である。 図8Aの下側鋳型部材のVIIIE−VIIIE線断面図である。 本発明による金属−セラミックス接合基板の第3の実施の形態を示す平面図である。 図9Aの金属−セラミックス接合基板の側面図である。 図9Aの金属−セラミックス接合基板のIXC−IXC線断面図である。 図9A〜図9Cに示す金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型内にセラミックス基板を配置した状態を示す断面図である。 図10の鋳型の下側鋳型部材の平面図である。 図11Aの下側鋳型部材のXIB−XIB線断面図である。 図11Aの下側鋳型部材のXIC−XIC線断面図である。 図11Aの下側鋳型部材のXID−XID線断面図である。 図11Aの下側鋳型部材のXIE−XIE線断面図である。 本発明による金属−セラミックス接合基板の第4の実施の形態を示す平面図である。 図12Aの金属−セラミックス接合基板の側面図である。 図12Aの金属−セラミックス接合基板のXIIC−XIIC線断面図である。 図12A〜図12Cに示す金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型内にセラミックス基板を配置した状態を示す断面図である。 本発明による金属−セラミックス接合基板の第5の実施の形態を裏面側を示す斜視図である。 図14Aの金属−セラミックス接合基板の裏面を示す平面図である。 図14Bの金属−セラミックス接合基板のXIVC−XIVC線断面図である。 本発明による金属−セラミックス接合基板の第5の実施の形態の変形例を示す平面図である。 図15Aの金属−セラミックス接合基板の側面図である。 図15Aの金属−セラミックス接合基板のXVC−XVC線断面図である。 図15A〜図15Cに示す金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型内にセラミックス基板を配置した状態を示す断面図である。 図16の鋳型の下側鋳型部材の平面図である。 図17Aの下側鋳型部材のXVIIB−XVIIB線断面図である。 図17Aの下側鋳型部材のXVIIC−XVIIC線断面図である。 図17Aの下側鋳型部材のXVIID−XVIID線断面図である。 図17Aの下側鋳型部材のXVIIE−XVIIE線断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明による金属−セラミックス接合基板の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1A〜図1Cは、本発明による金属−セラミックス接合基板の第1の実施の形態を示し、図2および図3A〜図3Eは、その金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型を示している。
図1A〜図1Cに示すように、本発明による金属−セラミックス接合基板の第1の実施の形態は、平面形状が略矩形のセラミックス基板10と、このセラミックス基板10の一方の面(回路パターン側の面)の周縁部と側面および他方の面(裏面)の全面に直接接合した平面形状が略矩形のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板12と、セラミックス基板10の一方の面の周縁部に直接接合したベース板12から離間してセラミックス基板10の一方の面に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる1以上(図示した実施の形態では2つ)の回路パターン用金属板14とを備えている。
本実施の形態の金属−セラミックス接合基板は、図2に示すような鋳型20内にセラミックス基板10を配置し、セラックス基板10の両面のベース板12と回路パターン用金属板14に対応する部分に接触するように、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで冷却することによって製造することができる。
図2に示すように、鋳型20は、(多孔質の)カーボンまたは多孔質金属などの(溶湯不透過の)通気性材料からなり、それぞれ平面形状が略矩形の下側鋳型部材22と上側鋳型部材24とから構成されている。
図2および図3A〜図3Eに示すように、下側鋳型部材22の上面には、ベース板を形成するための凹部(ベース板形成部)22aが形成されている。
このベース板形成部22aの底面の略中央部には、この底面から略垂直方向に隆起した平面形状が略矩形の隆起部22bが形成されている。この隆起部22bの上面の略中央部には、回路パターン用金属板を形成するための1以上(図示した実施の形態では2つ)の凹部(回路パターン用金属板形成部)22cが形成されている。この回路パターン用金属板形成部22cは、隆起部22bを介してベース板形成部22aから離間しており、ベース板12(の回路パターン側の部分)と回路パターン用金属板14との間の絶縁を確保するようになっている。
また、ベース板形成部22aの底面には、セラミックス基板10の長手方向両端部を支持する平面形状が略矩形の複数(図示した実施の形態では2対)の基板支持部(長手方向基板支持部)22dと、セラミックス基板10の幅方向両端部を支持する平面形状が略矩形の複数(図示した実施の形態では2対)の基板支持部(幅方向基板支持部)22eが、その底面から略垂直方向に突出して形成されている。これらの基板支持部22dおよび22eは、セラミックス基板10の一方の面(回路パターン側の面)の周縁部と側面に当接してセラミックス基板10を所定の位置で支持するために、それぞれ略L字型の断面を有するように段差が設けられている。これらの基板支持部22dおよび22e上にセラミックス基板10を配置すると、ベース板形成部22aの底面の略中央部に形成された隆起部22bの上面にセラミックス基板10が当接して載置されるようになっている。このようにセラミックス基板10を隆起部22bの上面に載置すると、セラミックス基板10によって回路パターン用金属板形成部22cの開口部が塞がれるとともに、セラミックス基板10の一方の面(回路パターン側の面)の周縁部と側面および他方の面(裏面)の全面の周囲にベース板形成部22aが確保されるようになっている。
なお、上側鋳型部材24には、(図示しない)注湯ノズルから下側鋳型部材22のベース板形成部22a内に溶湯を注湯するための(図示しない)注湯口が形成されているとともに、下側鋳型部材22には、ベース板形成部22aと回路パターン用金属板形成部22cとの間に延びる(図示しない)溶湯流路が形成されて、セラミックス基板10を隆起部22bの上面に載置したときにもベース板形成部22aと回路パターン用金属板形成部22cとの間が連通するようになっている。
このような鋳型20を使用して図1A〜図1Cに示す実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するためには、まず、下側鋳型部材22の基板支持部22dおよび22e上にセラミックス基板10を配置した後、上側鋳型部材24を下側鋳型部材22に被せる。この状態で鋳型20内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで冷却すると、セラミックス基板10の一方の面(回路パターン側の面)の周縁部と側面および他方の面(裏面)の全面にベース板12が直接接合するとともに、そのベース板12(の回路パターン側の部分)から離間してセラミックス基板10に回路パターン用金属板14が直接接合した金属−セラミックス接合基板を製造することができる。なお、ベース板12には、基板支持部22dおよび22eに対応する複数の凹部12b(図1A参照)が形成されるが、これらの凹部12bは小さいため、金属−セラミックス接合基板の信頼性や熱伝導率に殆ど影響しない。
図4および図5A〜図5Eは、本発明による金属−セラミックス接合基板の製造方法の第1の実施の形態を製造するために使用する鋳型の変形例を示している。
この変形例の鋳型120では、セラミックス基板10の長手方向一端部を支持する複数(図示した実施の形態では2つ)の長手方向基板支持部22dに代えて、鋳型120の幅方向(セラミックス基板10の幅方向)に延びる平面形状が略矩形の細長基板支持部122fが形成されている。この細長基板支持部122fは、セラミックス基板10の一方の面(回路パターン側の面)の周縁部と側面に当接してセラミックス基板10を所定の位置で支持するために、略L字型の断面を有するように段差が設けられている。この細長基板支持部122fは、高い側の高さが長手方向基板支持部22dより高く且つセラミックス基板10の上面より高くなっている。その他の構成は、上述した実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型と略同一であるので、参照符号に100を加えてその説明を省略する。なお、ベース板12には、細長基板支持部122fに対応する(図示しない)凹部が形成されるが、この凹部は小さいため、金属−セラミックス接合基板の信頼性や熱伝導率に殆ど影響しない。
[第2の実施の形態]
図6A〜図6Cは、本発明による金属−セラミックス接合基板の第2の実施の形態を示し、図7および図8A〜図8Eは、その金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型を示している。
図6A〜図6Cに示すように、本発明による金属−セラミックス接合基板の第2の実施の形態では、ベース板212の内部に、平面形状が略矩形の1以上(図示した実施の形態では1つ)の板状の強化部材216がセラミックス基板210から離間して且つセラミックス基板210と略平行に配置されている。この強化部材216は、ベース板212の内部を(セラミックス基板210の幅方向に)貫通して延びており、端部が外部に露出し、ベース板212の内部を貫通して延びている部分の全面(端部以外の全面)がベース板212に直接接合している。この強化部材216は、ベース板212の材料(アルミニウムまたはアルミニウム合金)より融点が高い材料からなり、ニッケル、コバルト、銅およびマンガンからなる群から選ばれる1種以上と鉄を含有する金属、あるいはアルミナ、ジルコニア、アルミナとジルコニアの複合材、窒化アルミニウム、窒化珪素および炭化珪素からなる群から選ばれる1種以上のセラミックスなどの材料からなるのが好ましい。このような強化部材216をベース板212の内部に配置させることにより、セラミックス基板210に生じる応力を小さくすることができるとともに、金属−セラミックス接合基板の反りを小さくすることができるため、ベース板212を厚くすることができるので、ベース板212の熱容量を大きくして放熱性を向上させることができる。その他の構成は、上述した第1の実施の形態の金属−セラミックス接合基板と略同一であるので、参照符号に200を加えてその説明を省略する。
本実施の形態の金属−セラミックス接合基板は、図7に示すような鋳型220内にセラミックス基板210と強化部材216とを互いに離間して配置し、強化部材216の略全面と、セラックス基板210の両面のベース板212と回路パターン用金属板214に対応する部分に接触するように、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで冷却することによって製造することができる。
図8A〜図8Eに示すように、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型220では、下側鋳型部材222の上面には、(ベース板212の回路パターン側の部分を形成するための凹部である)ベース板形成部222aの幅方向の両側面に、強化部材216の長手方向の両端部と略同一の形状および大きさでその両端部(の回路パターン側の部分)を収容するための1対以上(図示した実施の形態では1対)の凹部(強化部材支持部)222gが形成されている。一方、図7に示すように、上側鋳型部材224の下面には、ベース板212を形成するための凹部(ベース板形成部)224aが形成されるとともに、このベース板形成部224aの幅方向の両側面に、強化部材216の長手方向の両端部と略同一の形状および大きさでその両端部(の回路パターン側と反対側の部分)を収容するための1対以上(図示した実施の形態では1対)の凹部(強化部材支持部)が形成されている。なお、下側鋳型部材222のベース板形成部222aと上側鋳型部材224のベース形成部224aによって画定された空間内にベース板212が形成されるようになっている。また、下側鋳型部材222の強化部材支持部222gに強化部材216を収容した後に上側鋳型部材224を下側鋳型部材222に被せると、強化部材216が下側鋳型部材222の強化部材支持部222gと上側鋳型部材224の強化部材支持部によって挟持されるようになっている。このように強化部材216を挟持することにより、強化部材216を所定の位置(ベース板212の主面に沿った方向および厚さ方向の所定の位置)に精度良く固定することができる。その他の構成は、上述した第1の実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型と略同一であるので、参照符号に200を加えてその説明を省略する。
[第3の実施の形態]
図9A〜図9Cは、本発明による金属−セラミックス接合基板の第3の実施の形態を示し、図10および図11A〜図11Eは、その金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型を示している。
図9A〜図9Cに示すように、本発明による金属−セラミックス接合基板の第3の実施の形態では、回路パターン用金属板314の上面に電子部品318が直接接合している。その他の構成は、上述した第1の実施の形態の金属−セラミックス接合基板と略同一であるので、参照符号に300を加えてその説明を省略する。
本実施の形態の金属−セラミックス接合基板は、図10に示すような鋳型320内に電子部品318とセラミックス基板310とを互いに離間して配置し、電子部品318の一方の面と、セラックス基板310の両面のベース板312と回路パターン用金属板314に対応する部分に接触するように、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで冷却することによって製造することができる。
図11A〜図11Eに示すように、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型320では、回路パターン用金属板形成部322cのそれぞれの底面に、電子部品318と略等しい形状および大きさの1つまたは複数(図示した実施の形態ではそれぞれ1つ)の凹部(電子部品収容部)322hが形成されている。その他の構成は、上述した第1の実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型と略同一であるので、参照符号に300を加えてその説明を省略する。
このように、半田を使用しないで電子部品318をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用金属板314に直接接合することにより、熱伝導率を向上させて放熱性を向上させることができる。また、半田を使用した場合に生じ易いボイドが生じ難くなり、アルミニウムまたはアルミニウム合金は半田より熱伝導率が高いため、放熱性および信頼性を向上させることができる。また、鉛フリー化が難しい高温半田を使用する必要がないので、鉛フリー化を図ることができる。さらに、半田濡れ性を向上させるために回路パターン用金属板314にめっきを施す必要もない。なお、電子部品318は、金属溶湯を反応して合金または化合物を生成しない物質からなるものであれば、半導体チップ、抵抗体チップおよびコンデンサチップなどのいずれの電子部品でもよい。
[第4の実施の形態]
図12A〜図12Cは、本発明による金属−セラミックス接合基板の第4の実施の形態を示し、図13は、その金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型を示している。
図12A〜図12Cに示すように、本発明による金属−セラミックス接合基板の第4の実施の形態では、平面形状が略矩形の複数の板状フィン412aが、互いに略平行に且つ一定の間隔で離間して、ベース板412の底面に対して略垂直方向に延びるようにその底面に一体に形成されている。その他の構成は、上述した第1の実施の形態の金属−セラミックス接合基板と略同一であるので、参照符号に400を加えてその説明を省略する。
本実施の形態の金属−セラミックス接合基板は、図13に示すような鋳型420内にセラミックス基板410を配置し、セラックス基板410の両面のベース板412と回路パターン用金属板414に対応する部分に接触するように、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで冷却することによって製造することができる。
図13に示すように、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型420では、上側鋳型部材424の下面に、複数の板状フィン412aを形成するための凹部(放熱フィン形成部)424aが形成されている。なお、下側鋳型部材422のベース板形成部422aと上側鋳型部材424の放熱フィン形成部424aによって画定された空間内に、ベース板412が板状フィン412aと一体に形成されるようになっている。その他の構成は、上述した第1の実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型と略同一であるので、参照符号に400を加えてその説明を省略する。
[第5の実施の形態]
図14A〜図14Cは、本発明による金属−セラミックス接合基板の第5の実施の形態を示している。
図14A〜図14Cに示すように、本発明による金属−セラミックス接合基板の第5の実施の形態では、(放熱フィンとしての)多数の柱状突起部512aが、ベース板512の底面から突出するようにベース板512と一体に形成されている。
各々の柱状突起部512aは、略円柱形状または略円錐台形状(略円錐の上端を底面と略平行に切断した形状)を有し、ベース板512の底面に対して略垂直方向に延びている。また、柱状突起部512aは、それぞれ所定の間隔で離間して一列に配置された柱状突起部512aの複数列が互いに平行に且つ隣接する柱状突起部512aの列と互いに半ピッチ(隣接する柱状突起部512aの中心線(柱状突起部512aが延びる軸線)間の距離の半分)ずれるように配置され、隣接する柱状突起部512aの間隔を確保しながらより多くの柱状突起部512aが配置されるようにしているが、隣接する柱状突起部512aの間隔を確保しながら多数の柱状突起部512aを配置することができれば、他の配置でもよい。その他の構成は、上述した第1の実施の形態の金属−セラミックス接合基板と略同一であるので、参照符号に500を加えてその説明を省略する。
本実施の形態の金属−セラミックス接合基板は、図13に示す鋳型420の複数の板状フィン412aを形成するための凹部(放熱フィン形成部)424aに代えて、多数の柱状突起部512aを形成するための凹部(柱状突起形成部)を上側鋳型部材224の下面に形成した以外は、図13に示す鋳型420と同様の鋳型内にセラミックス基板を配置し、セラックス基板の両面のベース板512と回路パターン用金属板に対応する部分に接触するように、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで冷却することによって製造することができる。
なお、上述した第1〜第5の実施の形態を組み合わせてもよい。例えば、第1の実施の形態の変形例の細長基板支持部122fを第2〜第5の実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型に適用してもよい。また、第2の実施の形態の強化部材216を第3〜第5の実施の形態の金属−セラミックス接合基板に適用してもよい。また、第3の実施の形態の電子部品収容部322hを第2、第4および第5の実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型に適用してもよい。
例えば、本発明による金属−セラミックス接合基板の第5の実施の形態の変形例として、図15A〜図15C、図16および図17A〜図17Eに示すように、第1の実施の形態およびその変形例と、第2の実施の形態と、第5の実施の形態とを組み合わせてもよい。この変形例の構成は、上述した第1の実施の形態およびその変形例と、第2の実施の形態と、第5の実施の形態の金属−セラミックス接合基板およびその金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型の構成と略同一であるので、第1の実施の形態に対応する部分には参照符号に600を加え、第1の実施の形態の変形例に対応する部分には参照符号に500を加え、第2の実施の形態に対応する部分には参照符号に400を加え、第5の実施の形態に対応する部分には参照符号に100を加えてその説明を省略する。また、参照符号612cは、細長基板支持部622fに対応してベース板612に形成された凹部を示し、参照符号624bは、凹部(放熱ピン形成部)を示している。なお、細長基板支持部622fは、高い側の高さが長手方向基板支持部622dより高く且つセラミックス基板610の上面より高くなっており、鋳型620内に溶湯を注湯した際に、セラミックス基板610と強化部材616との間に残留し易いガスを外部に放出してボイド(空隙)が発生するのを防止するためのガス抜き部としても作用することができる。
以下、本発明による金属−セラミックス接合基板およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
長さ77mm×幅56mm×厚さ0.6mmのセラミックス基板としてのAlN板を、図2に示す鋳型20と同様の鋳型内に収容した後、鋳型内を窒素雰囲気にした状態で加熱し、アルミニウム溶湯をその表面の酸化膜を取り除きながら鋳型内に注湯し、その後、鋳型を冷却して溶湯を凝固させることによって、セラミックス基板の一方の面の周縁部(の幅1.5mmの部分)と側面および他方の面の全面に(長さ79mm、幅58mm、厚さ1.7mmの)ベース板が一体に形成されるとともに、このベース板(のセラミックスの一方の面の周縁部に形成された部分)から(2mm)離間してセラミックス基板の一方の面に長さ70mm×幅49mm×厚さ0.6mmの回路パターン用アルミニウム板が形成されたベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製した。なお、セラミックス基板の側面に形成されたベース板の幅(セラミックス基板の側面からベース板の側面までの距離)は1mm、他方の面に形成されたベース板の厚さは0.5mm、一方の面の周縁部に形成されたベース板の厚さは0.6mmであった。
この金属−セラミックス接合基板について、レーザー顕微鏡による3次元の高低差マップの最大値を反りとみなして、セラミックス基板の一方の面側(回路パターン用アルミニウム板側)の反りを測定したところ、セラミックス基板の他方の面側(ベース板側)が凸状に反っているときを+(プラス)として、約+130μmであった。
[比較例1]
セラミックス基板の一方の面の周縁部にベース板を形成しないで、セラミックス基板の一方の面側のベース板と回路パターン用アルミニウム板の間隔を3.5mmとした以外は、実施例1と同様の方法により、ベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製し、その反りを測定したところ、約+180μmであった。
[実施例2]
長さ71mm×幅72mm×厚さ0.6mmのセラミックス基板としてのAlN板と、長さ71mm×幅79mm×厚さ0.6mmの強化部材としてのAlN板を、図16に示す鋳型620と同様の鋳型内に収容した後、鋳型内を窒素雰囲気にした状態で加熱し、アルミニウム溶湯をその表面の酸化膜を取り除きながら鋳型内に注湯し、その後、鋳型を冷却して溶湯を凝固させることによって、セラミックス基板の一方の面の周縁部(の幅1mmの部分)と側面および他方の面の全面に(長さ98mm、幅78mm、厚さ4mmの)ベース板が一体に形成され、このベース板(のセラミックス基板の一方の面の周縁部に形成された部分)から(2mm)離間してセラミックス基板の一方の面に長さ65mm×幅66mm×厚さ0.4mmの回路パターン用アルミニウム板が形成されるとともに、ベース板の内部に強化部材がセラミックス基板から1.9mm離間して且つセラミックス基板と略平行に配置されたベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製した。なお、セラミックス基板の側面に形成されたベース板の幅(セラミックス基板の側面からベース板の側面までの距離)は長さ方向両端の側面では13.5mm、幅方向両端の側面では3mmであり、他方の面に形成された(内部に強化部材を含む)ベース板の厚さは3mm、一方の面の周縁部に形成されたベース板の厚さは0.4mmであった。また、ベース板の回路パターン用アルミニウム板と反対側の面に形成された柱状突起部(放熱ピン)の高さは8mm、直径は2mm、間隔は3mm、本数は525本であった。
また、ベース板および回路パターン用アルミニウム板をセラミックス基板に直接接合させた後、回路パターン用アルミニウム板の不要部分をエッチングにより除去して(2つのアイランドからなる)回路パターンを形成した。このようにしてベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製し、その反りを実施例1と同様の方法により測定したところ、約+100μmであった。
また、このベース一体型の金属−セラミックス接合基板のベース板の4つの角部の各々において長さ方向および幅方向のそれぞれの端部から6mm離間した位置を中心とする直径6mmのねじ穴を機械加工によりベース板を厚さ方向に延びるように形成し、柱状突起部(放熱ピン)を覆うように水冷ジャケットをねじ止めし、金属−セラミックス接合基板と水冷ジャケットによって画定された空間に水を流したところ、水漏れの問題はなかった。
[比較例2]
セラミックス基板の一方の面の周縁部にベース板を形成しないで、セラミックス基板の一方の面側のベース板と回路パターン用アルミニウム板の間隔を3mmとした以外は、実施例2と同様の方法により、ベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製し、その反りを測定したところ、±100μmであり、反りの方向が安定しなかった。また、実施例2と同様の方法により、水冷ジャケットをねじ止めして水を流したところ、水漏れが発生した。
[実施例3]
長さ70mm×幅71mm×厚さ0.6mmのセラミックス基板としてのAlN板と、長さ70mm×幅84mm×厚さ0.6mmの強化部材としてのAlN板を、図16に示す鋳型620と同様の鋳型内に収容した後、鋳型内を窒素雰囲気にした状態で加熱し、アルミニウム溶湯をその表面の酸化膜を取り除きながら鋳型内に注湯し、その後、鋳型を冷却して溶湯を凝固させることによって、セラミックス基板の一方の面の周縁(の幅0.4mmの部分)部と側面および他方の面の全面に(長さ98mm、幅81mm、厚さ3.9mmの)ベース板が一体に形成され、このベース板(のセラミックス基板の一方の面の周縁部に形成された部分)から(2mm)離間してセラミックス基板の一方の面に長さ65mm×幅66mm×厚さ0.6mmの回路パターン用アルミニウム板が形成されるとともに、ベース板の内部に強化部材がセラミックス基板から1.5mm離間して且つセラミックス基板と略平行に配置されたベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製した。なお、セラミックス基板の側面に形成されたベース板の幅(セラミックス基板の側面からベース板の側面までの距離)は長さ方向両端の側面では14mm、幅方向両端の側面では5mmであり、他方の面に形成された(内部に強化部材を含む)ベース板の厚さは2.7mm、一方の面の周縁部に形成されたベース板の厚さは0.6mmであった。また、ベース板の回路パターン用アルミニウム板と反対側の面に形成された柱状突起部(放熱ピン)の高さは8mm、直径は2mm、間隔は3mm、本数は525本であった。
このようにして作製した30個のベース一体型の金属−セラミックス接合基板の各々の反りを実施例1と同様の方法により測定したところ、平均約+150μmであった。また、作製したベース一体型の金属−セラミックス接合基板の断面をX線検査装置で観察したところ、ボイドは確認されなかった。
また、このベース一体型の金属−セラミックス接合基板のベース板の4つの角部の各々において長さ方向および幅方向のそれぞれの端部から6mm離間した位置を中心とする直径6mmのねじ穴を機械加工によりベース板を厚さ方向に延びるように形成し、柱状突起部(放熱ピン)を覆うように水冷ジャケットをねじ止めし、金属−セラミックス接合基板と水冷ジャケットによって画定された空間に水を流したところ、水漏れの問題はなかった。
なお、細長基板支持部622fの高い側の高さを長手方向基板支持部622dと同じ高さでセラミックス基板610の上面より低くした以外は、図16に示す鋳型620と同様の鋳型を使用して、実施例3と同様の方法により、30個のベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製して、反りとボイドの発生を確認したところ、反りは平均約+150μmであったが、いずれもセラミックス基板と強化部材の間にボイドが確認された。
[実施例4]
長さ70mm×幅71mm×厚さ0.6mmのセラミックス基板としてのAlN板と、長さ70mm×幅84mm×厚さ0.6mmの強化部材としてのAlN板を、図7に示す鋳型220と同様の鋳型内に収容した後、鋳型内を窒素雰囲気にした状態で加熱し、アルミニウム溶湯をその表面の酸化膜を取り除きながら鋳型内に注湯し、その後、鋳型を冷却して溶湯を凝固させることによって、セラミックス基板の一方の面の周縁部(の幅0.4mmの部分)と側面および他方の面の全面に(長さ98mm、幅81mm、厚さ3.9mmの)ベース板が一体に形成され、このベース板(のセラミックス基板の一方の面の周縁部に形成された部分)から(2mm)離間してセラミックス基板の一方の面に長さ65mm×幅66mm×厚さ0.6mmの回路パターン用アルミニウム板が形成されるとともに、ベース板の内部に強化部材がセラミックス基板から1.5mm離間して且つセラミックス基板と略平行に配置されたベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製した。なお、セラミックス基板の側面に形成されたベース板の幅(セラミックス基板の側面からベース板の側面までの距離)は長さ方向両端の側面では14mm、幅方向両端の側面では5mmであり、他方の面に形成された(内部に強化部材を含む)ベース板の厚さは2.7mm、一方の面の周縁部に形成されたベース板の厚さは0.6mmであった。
このようにして作製したベース一体型の金属−セラミックス接合基板の反りを実施例1と同様の方法により測定したところ、約+150μmであった。
また、このベース一体型の金属−セラミックス接合基板のベース板の4つの角部の各々において長さ方向および幅方向のそれぞれの端部から6mm離間した位置を中心とする直径6mmのねじ穴を機械加工によりベース板を厚さ方向に延びるように形成し、柱状突起部(放熱ピン)を覆うように水冷ジャケットをねじ止めし、金属−セラミックス接合基板と水冷ジャケットによって画定された空間に水を流したところ、水漏れの問題はなかった。
10、210、310、410、510、610 セラミックス基板
12、212、312、412、512、612 ベース板
12b、212b、312b、412b、612b、612b 凹部
14、214、314、414、514、614 回路パターン用金属板
20、120、220、320、420、620 鋳型
22、122、222、322、422、622 下側鋳型部材
22a、122a、222a、322a、422a、622a ベース板形成部
22b、122b、222b、322b、422b、622b 隆起部
22c、122c、222c、322c、422c、622c 凹部(回路パターン用金属板形成部)
22d、122d、222d、322d、422d、622d 長手方向基板支持部
22e、122e、222e、322e、622e、622e 幅方向基板支持部
24、124、224、324、424、624 上側鋳型部材
122f、622f 細長基板支持部
222g、622g 凹部(強化部材支持部)
224a、624a 凹部(ベース板形成部)
216、616 強化部材
318 電子部品
322h 凹部(電子部品収容部)
412a 板状フィン
424a 凹部(放熱フィン形成部)
512a、612a 柱状突起部
612c 凹部
624b 凹部(放熱ピン形成部)

Claims (15)

  1. 鋳型内にセラミックス基板を配置し、このセラミックス基板の両面の所定の部分に接触するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に溶湯を冷却して固化させることにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板を前記セラミックス基板の一方の面の周縁部と側面および他方の面の全面に形成して前記セラミックス基板に直接接合させるとともに、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用金属板を前記ベース板から離間して前記セラミックス基板の前記一方の面に形成して前記セラミックス基板に直接接合させることを特徴とする、金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  2. 前記鋳型内に前記セラミックス基板を配置する際に、前記鋳型内に前記セラミックス基板と強化部材とを互いに離間して配置し、前記溶湯を注湯する際に、前記鋳型内の強化部材の略全面に前記溶湯を接触させ、前記ベース板を形成して前記セラミックス基板に直接接合させる際に、前記鋳型内の強化部材が前記ベース板に取り囲まれるように強化部材を前記ベース板に直接接合させることを特徴とする、請求項1に記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  3. 前記強化部材が、前記ベース板の材料より融点が高い金属またはセラミックス材料からなることを特徴とする、請求項2に記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  4. 前記鋳型が上側鋳型部材と下側鋳型部材とからなり、前記強化部材の端部が上側鋳型部材と下側部材に挟持されて前記強化部材が前記鋳型に支持され、下側鋳型部材の底面から突出して形成された複数の基板支持部に前記セラミックス基板の端部の底面および側面が当接して支持され、複数の基板支持部の少なくとも一つの前記セラミックス基板の端部の側面に当接する部分の上面が、複数の基板支持部に支持された前記セラミックス基板の上面より高くなっていることを特徴とする、請求項2または3に記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  5. 前記鋳型内に前記セラミックス基板を配置する際に、前記鋳型内に前記セラミックス基板と電子部品とを互いに離間して配置し、前記溶湯を注湯する際に、電子部品の一方の面に前記溶湯を接触させ、前記回路パターン用金属板を形成して前記セラミックス基板に直接接合させる際に、前記回路パターン用金属板に電子部品を直接接合させることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  6. 前記ベース板を形成して前記セラミックス基板に直接接合させる際に、前記ベース板の前記回路パターン用金属板と反対側の面に、互いに略平行に且つ一定の間隔で離間して配置された複数の板状フィンを前記ベース板と一体に形成することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  7. 前記ベース板を形成して前記セラミックス基板に直接接合させる際に、前記ベース板の前記回路パターン用金属板と反対側の面に、互いに離間して突出する多数の柱状突起部を前記ベース板と一体に形成することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  8. 前記ベース板および前記回路パターン用金属板を前記セラミックス基板に直接接合させた後、前記回路パターン用金属板の不要部分をエッチングにより除去して所望の回路パターンを形成することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  9. セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面の周縁部と側面および他方の面の全面に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース板と、このベース板から離間して前記セラミックス基板の前記一方の面に直接接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路パターン用金属板とを備えたことを特徴とする、金属−セラミックス接合基板。
  10. 前記ベース板の内部に、板状の強化部材が、前記セラミックス基板から離間して且つセラミックス基板と略平行に配置して、前記ベース板に直接接合していることを特徴とする、請求項9に記載の金属−セラミックス接合基板。
  11. 前記強化部材が、前記ベース板の材料より融点が高い金属またはセラミックス材料からなることを特徴とする、請求項10に記載の金属−セラミックス接合基板。
  12. 前記回路パターン用金属板の前記セラミックス基板と反対側の面に、電子部品が直接接合していることを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板。
  13. 前記ベース板の前記セラミックス基板と反対側の面に、複数の板状フィンが、互いに略平行に且つ一定の間隔で離間して配置して、前記ベース板と一体に形成されていることを特徴とする、請求項9乃至12のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板。
  14. 前記ベース板の前記セラミックス基板と反対側の面に、互いに離間して突出する多数の柱状突起部が、前記ベース板と一体に形成されていることを特徴とする、請求項9乃至13のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板。
  15. 前記ベース板の前記セラミックス基板の側面に隣接した部分に、前記セラミックス基板の厚さより深い凹部が形成されていることを特徴とする、請求項9乃至14のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板。
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