JP2023067188A - 金属-セラミックス接合基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックス板を破損させずに複数のフィンをベースプレートに円滑に取り付けることができる金属-セラミックス接合基板およびその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】セラミックス板10の一方の面に放熱フィン13を備えたベースプレートが接合された金属-セラミックス接合基板1であって、放熱フィン13はベースプレート20に取り付けられた複数のフィン部材21からなり、フィン部材21の基端部には、フィン部材21の側面から両外側に突出した幅広部46が形成され、幅広部46の表面側をベースプレート20に当接させた状態で、前記幅広部46の裏面をベースプレートに設けた押え部56で押さえることにより、フィン部材21がベースプレート20に取り付けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体チップなどの発熱体を冷却するための放熱フィンを備えた金属-セラミックス接合基板およびその製造方法に関する。
パワー半導体チップなど発熱量の大きい電子部品は、放熱フィンへ熱を逃がすことによって冷却される。現状の放熱フィンを備えたベースプレート(ベース板)と回路基板の一体型構造の金属-セラミックス接合基板では、水冷前提のピンフィン形状の放熱フィンが多用されているが、その一方で、空冷構造の放熱フィンもニーズが少なくない。空冷構造の放熱フィンの場合、熱交換効率の関係で、フィンの表面積を大きくする必要がある。具体的には、板状の高い(30mm以上の長さの)フィンが必要となる。
ここで、溶湯接合法で一体型の金属(アルミニウム)-セラミックス接合基板を作る場合、フィン部のアルミニウムの鋳型離型のためには、フィンに一定のテーパー角を設けることが必要になり、フィンの間隔を小さくすることは難しい。また、凝固時の溶湯供給が難しくなるなど、30mmを超える長さの板状のフィンを形成することが困難である。
このため、例えば特許文献1には、ベースプレートに対し、複数のフィンをプレス機でカシメて取り付ける技術が開示されている。また、特許文献2には、溶湯にフィンを挿入し、凝固させてフィンを取り付ける技術が開示されている。また、特許文献3には、フィンをベースプレートにろう付けし、放熱フィンを作る技術が開示されている。この特許文献3の技術では、ろう材の溶解に誘導加熱を利用している。
しかしながら、特許文献1のようにベースプレートに対し、複数のフィンをカシメ(加締め)て取り付ける技術では、フィンの側面を水平方向に挟み込む形のため、強度を得るために強い加重でベースプレートの一部を変形させる必要がある。そのため例えばセラミックス板を備えた一体型構造の金属-セラミックス接合基板等に適用した場合、セラミックス板が割れてしまう可能性が高い。また、特許文献2のように溶湯を凝固させてフィンを取り付ける技術では、フィンが溶けないように制御するのが困難である。また、特許文献3のようにフィンを誘導加熱によりろう付する技術では、ろう材の材料費やろう材を配置する工程が必要であること、誘導加熱のためにベース部材に磁性体を形成したクラッド材などを準備する等で製造コストが高くなり、さらに誘導加熱は部位による温度分布が大きくなりやすいのでフィンの接合状態を均一に制御するのが難しい。
したがって、本発明はセラミックス板を破損させずに複数のフィンをベースプレートに円滑に取り付けることができる金属-セラミックス接合基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、セラミックス板の一方の面に放熱フィンを備えたベースプレートが接合された金属-セラミックス接合基板であって、前記放熱フィンは、前記ベースプレートに取り付けられた複数のフィン部材からなり、前記フィン部材の基端部には、前記フィン部材の側面から両外側に突出した幅広部が形成され、前記幅広部の表面側が前記ベースプレートに当接し、前記幅広部の裏面が前記ベースプレートに設けられた押え部で固定されて、前記フィン部材が前記ベースプレートに取り付けられている、金属-セラミックス接合基板が提供される。
この金属-セラミックス接合基板において、前記フィン部材の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金であっても良い。また、前記ベースプレートの材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金であっても良い。また、前記セラミックス板の他方の面に、金属回路板が形成されていても良い。また、前記金属回路板の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金であっても良い。また、前記ベースプレートの内部に強化部材が形成されていても良い。
また、本発明によれば、セラミックス板の一方の面に放熱フィンを備えたベースプレートが接合された金属-セラミックス接合基板を製造する方法であって、前記放熱フィンは、前記ベースプレートに取り付けられる複数のフィン部材からなり、前記フィン部材の基端部には、前記フィン部材の側面から両外側に突出した幅広部が形成され、前記ベースプレートには、前記幅広部の表面側を当接させる複数の受容部と、各受容部に隣接する突出部が形成され、前記幅広部の表面側を前記受容部に当接させた状態で、前記突出部を押圧して変形させた押え部で前記幅広部の裏面を押さえ、前記フィン部材を前記ベースプレートに固定する、金属-セラミックス接合基板の製造方法が提供される。
この金属-セラミックス接合基板の製造方法において、前記複数のフィン部材を治具で並列に配置した状態で、前記複数のフィン部材の幅広部の表面側を前記受容部にそれぞれ当接させ、前記突出部を押圧して変形させても良い。また、前記フィン部材の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなっても良い。また、前記フィン部材が押し出し成型材であっても良い。また、前記ベースプレートの材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなっても良い。また、前記セラミックス板の他方の面に金属回路板を備えていても良い。また、前記金属回路板の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金であっても良い。また、 前記ベースプレートの内部に強化部材が形成されていても良い。また、前記セラミックス板と前記ベースプレートを溶湯接合法により接合しても良い。また、前記セラミックス板と前記金属回路板を溶湯接合法により接合しても良い。
本発明によれば、セラミックス板を破損させずに複数のフィンをベースプレートに円滑に取り付けることができる金属-セラミックス接合基板およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の一例を、図面を参照にして説明する。なお、本明細書において、実質的に同様の構成要素については、同じ符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
<金属-セラミックス接合基板>
図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1は、(例えば略矩形の)セラミックス板15の一方の面(図1では、セラミックス板15の下の面)には、ベースプレート20を介して放熱フィン13を備えている。また、セラミックス板15の他方の面(図1では、セラミックス板15の上の面)に1または2以上の金属回路板12が接合された構造を有している。図示の形態では、セラミックス板15の上面に(例えば略矩形の)2つの金属回路板12が接合されている。
図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1は、(例えば略矩形の)セラミックス板15の一方の面(図1では、セラミックス板15の下の面)には、ベースプレート20を介して放熱フィン13を備えている。また、セラミックス板15の他方の面(図1では、セラミックス板15の上の面)に1または2以上の金属回路板12が接合された構造を有している。図示の形態では、セラミックス板15の上面に(例えば略矩形の)2つの金属回路板12が接合されている。
金属回路板12には、パワー半導体チップなど発熱量の大きい電子部品が搭載されるため、金属回路板12は、電気伝導性、熱伝導性に優れた金属が好ましく、例えば、銅、アルミニウムなどの単一金属、銅合金、アルミニウム合金などの合金からなるのが好ましい。金属回路板12に搭載される電子部品は発熱体であり、その熱をセラミックス板15の反対側に備えている放熱フィン13へベースプレート20を介して逃がすことによって冷却される。
セラミックス板15は、アルミナやシリカなどを主成分とする酸化物、または窒化アルミニウムや窒化ケイ素や炭化ケイ素などを主成分とする非酸化物からなることが好ましい。
放熱フィン13は、ベースプレート20に取り付けられた複数のフィン部材21からなる。放熱フィン13(複数のフィン部材21)は、熱伝導性に優れ、また押し出し加工しやすいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることが好ましい。ベースプレート20は、後述の溶湯接合法によりセラミックス板15に接合でき、熱伝導が高いアルミニウムまたはアルミニウム合金(例えばA6063合金等)が好ましい。
図1に示すベースプレート20は、金属層17と強化部材16からなり、金属層17の内部にベースプレート20の反りを抑制するための強化部材16が形成(接合)されている例である。強化部材16の主面(板面)はセラミックス板15の主面(板面)と略平行の位置関係を有している。強化部材16の材質は、例えば窒化アルミニウムや窒化珪素を主成分とするセラミックス板、炭素鋼等からなる板材などが好ましい。
金属層17は、金属回路板12に搭載される電子部品(発熱体)に発生する熱をフィン部材21へ円滑に伝導できるように、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることが好ましい。
金属層17は、金属回路板12に搭載される電子部品(発熱体)に発生する熱をフィン部材21へ円滑に伝導できるように、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることが好ましい。
複数のフィン部材21は、ベースプレート20の外面(ベースプレート20のセラミックス板15に接合される面と反対側の面(図1では金属層17の下面))において、互いに所定の間隔を空けて平行に並べて配置されており、複数のフィン部材21の表面全体で熱を逃がせるようになっている。後述するように、フィン部材21の基端部には、フィン部材21の側面から両外側に突出した幅広部46が形成されており、その幅広部46の表面側がベースプレート20(の受容部40)に当接し、幅広部46の裏面がベースプレート20に設けられた押え部56で固定されて、フィン部材21がベースプレート20に取り付けられている(図10、図11、図12参照)。
<金属-セラミックス板の製造方法>
次に、本発明の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1の製造方法の一例を説明する。なお一例として、図1に示したように、金属回路板12と、セラミックス板15と、内部に強化部材16が形成された金属層17からなる積層構造を有するベースプレート20を用いた製造方法を説明する。
次に、本発明の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1の製造方法の一例を説明する。なお一例として、図1に示したように、金属回路板12と、セラミックス板15と、内部に強化部材16が形成された金属層17からなる積層構造を有するベースプレート20を用いた製造方法を説明する。
図2に示すように、まず、上型30と下型31からなるカーボン製の鋳型32の空隙部33に、セラミックス板15と、例えば材質がセラミックスであり板状の強化部材16(図2ではセラミックス板)を予め所定の隙間を空けてそれぞれの板面が略平行になるようにセットする。この鋳型32では、図1において上に示したセラミックス板15を鋳型32の空隙部33において下側に配置し、図1において下に示した強化部材16を上側に配置している。なお、図示はしないが、強化部材16は、図2における前後方向(紙面と直交する方向)において、上型30と下型31の間でその端部を挟み込んで保持している。また、セラミックス板15は下型31の突起(図示せず)に載せることで所定の位置に配置させている。
こうして鋳型32の空隙部33に、セラミックス板15、強化部材16(セラミックス板)を予め所定の隙間を空けてセットした後、タンク部35に所定のアルミ原料を投入する。そして、タンク部35に蓋36を載せ、鋳型32を(図示しない)加熱炉に搬入した後、窒素雰囲気中でアルミの融点以上の温度まで加熱する。アルミが融解したら、100kPa程度の圧力のN2ガスでタンク部35を加圧し、タンク部35のアルミを湯道34より空隙部33に移送して、強化部材16の外側(図2では、強化部材16の上側)、セラミックス板15と強化部材16の間、セラミックス板15の外側(図2では、セラミックス板15の下側)にアルミを充填させる。なお、アルミを移送する際、湯道34の一部に設けられた(図示しない)狭隘部を通過させてアルミの表面の酸化物を除去しながら、空隙部33に移送する。
こうして空隙部33の全体にアルミを充填した状態で、タンク部35から離れた位置において鋳型32の側方(図2では、鋳型32の左側方)に水冷の銅ブロック(図示せず)を接触させ、鋳型32の側方から抜熱することで、空隙部33に充填されたアルミを指向性凝固させる。この時、タンク部35から100kPa程度でN2ガス加圧をし、アルミの凝固収縮による引け巣を防ぐ目的でアルミを補給する。
そして、空隙部33内のアルミを常温まで冷却し、鋳型32を解体して、アルミとセラミックス板15、強化部材16を一体型に溶湯接合法により接合させた接合体を取り出す。こうして得られた接合体において、湯道部等の余剰のアルミを切断するなどの後処理を行い、金属層17の内部に強化部材16が接合した積層構造のベースプレート20の表面に、他方の面に回路用金属板を備えたセラミックス板15を形成する。なお、筐体などの取付穴として、機械加工で例えば直径6mm程度の貫通穴をベースプレート20の四隅付近の4か所に設けてもよい。なお、セラミックス板15と強化部材16(本例ではセラミックス板)の板面は互いに平行に位置している。
また、強化部材16の外側に接合されたアルミ(の金属層17)は、鋳型32で接合体を製造する際に、図3、図4に示すように複数の受容部40と、各受容部に隣接する突出部41が形成されたベースプレート20の表面形状になっている。
すなわち鋳型32の上型30の表面には、(図示しない)前記複数の受容部40と、(図示しない)各受容部に隣接する突出部41に対応する、凸状形状および凹状形状等が形成されている。
すなわち鋳型32の上型30の表面には、(図示しない)前記複数の受容部40と、(図示しない)各受容部に隣接する突出部41に対応する、凸状形状および凹状形状等が形成されている。
そして、セラミックス板15の外側に接合された回路用金属板であるアルミには所定の回路形状のマスキングをし、エッチング液として塩化鉄を含む水溶液をスプレーし、セラミックス板の端部や回路パターン間のアルミなどの不要部分を溶解(エッチング)するなどして、金属回路板12を形成する。なお、エッチング後、不要となったマスキング部材は薬液で剥離する。
このようにして基板半製品2を作製する。
また、金属回路板12の表面に電子部品をはんだ付け等により搭載(接合)するために電気Niメッキ或いは無電解Ni-Pメッキ等のNiめっきを施しても良い。また、電子部品を銀シンターにより搭載(接合)する際には、Niめっきの表面にさらに電気Auめっき或いは無電解Auメッキを施しても良い。
このようにして基板半製品2を作製する。
また、金属回路板12の表面に電子部品をはんだ付け等により搭載(接合)するために電気Niメッキ或いは無電解Ni-Pメッキ等のNiめっきを施しても良い。また、電子部品を銀シンターにより搭載(接合)する際には、Niめっきの表面にさらに電気Auめっき或いは無電解Auメッキを施しても良い。
基板半製品2の製造条件の組み合わせ例1~4を表1に示す。表1中、アルミ材は、セラミックス板15、強化部材16の接合および回路用金属板と金属層17の形成に用いたアルミの組成であり数値は質量%を示す。すなわち例1、2はAlを99.9質量%以上含有する純アルミであり、例3、4は0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含み残部がAlであるアルミ合金である。
また、各層厚は、セラミックス板15の外側に接合されたアルミの回路用金属板、セラミックス板15、セラミックス板15と強化部材16の間のアルミの金属層17、強化部材16、強化部材16の外側に接合された(強化部材16と、受容部40及び突出部41が形成されている領域を除くベースプレート20外周部の表面との間の)アルミの金属層17、の各層の厚さ(mm)である。さらにセラミックス板15の材質、強化部材16(本例ではセラミックス板)の材質についても併記している。すなわち例1、3のセラミックス板15および強化部材16の材質は窒化アルミニウム、例2、4のセラミックス板15および強化部材16の材質は窒化珪素、のセラミックス板である。
また、各層外形サイズは、セラミックス板15の外側に接合されたアルミの回路用金属板、セラミックス板15、セラミックス板15と強化部材16の間のアルミの金属層17、強化部材16、強化部材16の外側に接合されたアルミの金属層17の各層の外形サイズ(いずれも長方形であり、短辺(mm)×長辺(mm))をそれぞれ示す。なお、接合方法は何れも公知の前述のアルミ溶湯接合法である。金属層17は強化部材17を取り囲んでおり、強化部材17と接合している。
また、各層厚は、セラミックス板15の外側に接合されたアルミの回路用金属板、セラミックス板15、セラミックス板15と強化部材16の間のアルミの金属層17、強化部材16、強化部材16の外側に接合された(強化部材16と、受容部40及び突出部41が形成されている領域を除くベースプレート20外周部の表面との間の)アルミの金属層17、の各層の厚さ(mm)である。さらにセラミックス板15の材質、強化部材16(本例ではセラミックス板)の材質についても併記している。すなわち例1、3のセラミックス板15および強化部材16の材質は窒化アルミニウム、例2、4のセラミックス板15および強化部材16の材質は窒化珪素、のセラミックス板である。
また、各層外形サイズは、セラミックス板15の外側に接合されたアルミの回路用金属板、セラミックス板15、セラミックス板15と強化部材16の間のアルミの金属層17、強化部材16、強化部材16の外側に接合されたアルミの金属層17の各層の外形サイズ(いずれも長方形であり、短辺(mm)×長辺(mm))をそれぞれ示す。なお、接合方法は何れも公知の前述のアルミ溶湯接合法である。金属層17は強化部材17を取り囲んでおり、強化部材17と接合している。
図3、4に示すように、基板半製品2において強化部材16の外側に接合されたベースプレート20の金属層17には、基板半製品2の短辺方向に延びる溝状の受容部40が複数並列に設けられている。各受容部40は外側(図3、4において上側)に向かって広がるように台形の断面形状を有しており、図示の形態では、底部の幅L1は2mm、上部の幅L2は3mm、深さH1は1mmに設定されている。なお、溝状の受容部40は、後述のフィン部材21の基端部の幅広部46が収容できる形状であればよく、例えば長方形や正方形等の断面形状としてもよい。断面を台形とするとフィン部材21の幅広部46の収容が容易になるので好ましい。上記底部の幅L1は1~10mm、上部の幅L2は1~20mm、深さは0.5~3mmの範囲とするのが実用上好ましい。
また、前記隣接する溝状の受容部40の上部と上部の間隔は2mmに設定されている。受容部40の上部と上部の間隔は1~10mmの範囲とするのが好ましい。
また、基板半製品2の短辺方向における各受容部40の長さL3は70mmに設定されている。各受容部40の長さL3はフィン部材21の大きさに準ずるが、例えば30~150mmの範囲とするのが好ましい。
また、前記隣接する溝状の受容部40の上部と上部の間隔は2mmに設定されている。受容部40の上部と上部の間隔は1~10mmの範囲とするのが好ましい。
また、基板半製品2の短辺方向における各受容部40の長さL3は70mmに設定されている。各受容部40の長さL3はフィン部材21の大きさに準ずるが、例えば30~150mmの範囲とするのが好ましい。
また、各受容部40の両側には、受容部40と同様に基板半製品2の短辺方向に延びる突出部41がそれぞれ形成されている。各突出部41の基板半製品2の短辺方向における長さL4は66mmに設定されている。各突出部41の長さL4はフィン部材21の大きさに準ずる、例えば30~150mmの範囲とするのが好ましい。
また、後述の治具50にフィン部材21を配置する関係で、各突出部41の長さL4は各受容部40の長さL3より1~10mm短いことが好ましい。各突出部41は各受容部40の両側に形成されない部分があることが好ましく、治具50の支持部51の間隔と同等以下であることが好ましい。
各突出部41は三角形の断面形状を有しており、図示の形態では、断面形状において高さH2は2mmで底辺(幅)1mmの2個の直角三角形の斜辺が対向して並んだ形状に設定されている。
各突出部41は、後述のパンチ55で各突出部41を押圧したときに、変形してフィン部材21を固定できればよいので、断面形状は三角形に限らず長方形や半円形等でもよい。また各突出部41の断面形状において高さH2は1~5mmの範囲とするのが好ましい。
また、後述の治具50にフィン部材21を配置する関係で、各突出部41の長さL4は各受容部40の長さL3より1~10mm短いことが好ましい。各突出部41は各受容部40の両側に形成されない部分があることが好ましく、治具50の支持部51の間隔と同等以下であることが好ましい。
各突出部41は三角形の断面形状を有しており、図示の形態では、断面形状において高さH2は2mmで底辺(幅)1mmの2個の直角三角形の斜辺が対向して並んだ形状に設定されている。
各突出部41は、後述のパンチ55で各突出部41を押圧したときに、変形してフィン部材21を固定できればよいので、断面形状は三角形に限らず長方形や半円形等でもよい。また各突出部41の断面形状において高さH2は1~5mmの範囲とするのが好ましい。
図5、6に示すように、ベースプレート20に取り付けられる略板状のフィン部材21は、直方体をなすフィン本体部45を有しており、フィン部材21(フィン本体部45)の基端部には、フィン部材21の側面から両外側に突出した幅広部46が形成されている。フィン部材21の側面から両外側に突出した幅広部46とは、前記直方体をなすフィン本体部45の基端部に形成された、図6に示すようにフィン本体部45の厚さTよりも厚さが大きくなっている部分である。この幅広部46はフィン部材21の長さ方向に垂直な断面において同じ形状をなしていることが好ましい。
図示の形態では、フィン本体部45の幅L10は70mm、高さH10は30mm、厚さTは1mmに設定されている。フィン本体部45の長さL10は、例えば30~150mm、高さH10は20~50mmの範囲とするのが好ましい。
図示の形態では、フィン本体部45の幅L10は70mm、高さH10は30mm、厚さTは1mmに設定されている。フィン本体部45の長さL10は、例えば30~150mm、高さH10は20~50mmの範囲とするのが好ましい。
フィン部材21(フィン本体部45)の基端部は、幅広部46が形成されることにより、略T字形状をなしている。幅広部46は、外側(図5、6において上側)に向かって広がるように台形の断面形状を有しており、図示の形態では、底部の幅L11は2mm、上部の幅L12は3mm(上部の各張出長さL13は1mm)、高さH10は1mmに設定されている。
なお、フィン部材21の幅広部46は、例えば長方形や正方形等の断面形状としてもよい。断面を台形とするとベースプレート20の受容部40への収容が容易になるので好ましい。
上記底部の幅L11は1~10mm、上部の幅L12は3~20mm(上部の各張出長さL13は1~8mm)、高さH11は0.5~3mmの範囲とするのが実用上好ましい。
なお、フィン部材21の幅広部46は、例えば長方形や正方形等の断面形状としてもよい。断面を台形とするとベースプレート20の受容部40への収容が容易になるので好ましい。
上記底部の幅L11は1~10mm、上部の幅L12は3~20mm(上部の各張出長さL13は1~8mm)、高さH11は0.5~3mmの範囲とするのが実用上好ましい。
図7に示すように、フィン部材21は治具50で保持することができる。治具50は、一対の支持部51、51を有しており、これら支持部51、51は、バー部材52によって、フィン部材21(フィン本体部45)の幅L10(70mm)よりも狭い所定の間隔をあけて平行に配置して固定されている。支持部51の高さは、フィン部材21(フィン本体部45)の高さH10(30mm)と同程度に設定されている。
支持部51、51同士の向かい合う内面には、複数のスロット部53が一定の等間隔で対向して設けられている。スロット部53は、フィン本体部45を通すが、幅広部46は通さない幅に設定されている。このため、図7に示すように、フィン部材21の幅広部46を上にした姿勢で、フィン本体部45の両側方を支持部51、51同士の内面に設けられた対をなすスロット部53、53に上から差し込むことにより、治具50でフィン部材21を支持することができる。なお、スロット部53は、フィン本体部45を通すが、幅広部46は通さない幅を有するため、このようにフィン本体部45の両側方をスロット部53、53に上から差し込むことにより、幅広部46が支持部51に当接した状態で支持されることとなる。そして、支持部51、51の内面に一定の等間隔で対向して設けられた複数のスロット部53のそれぞれにフィン部材21を支持することにより、複数のフィン部材21を治具50で並列に配置した状態で保持することが可能となる。
本発明の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1の製造方法にあっては、このように複数のフィン部材21を治具50で並列に配置した状態で、各フィン部材21の幅広部46の表面側(図5、6において幅広部46の下側、底面47)を、基板半製品2のベースプレート20に設けられた複数の受容部40の底面にそれぞれ当接させる。この場合、図7に示すように、幅広部46を上にした姿勢として、複数のフィン部材21を治具50で並列に配置した後、基板半製品2のベースプレート20で、治具50で並列配置された複数のフィン部材21の幅広部46を上から押さえた状態で、治具50と基板半製品2を一緒に上下反転させる。これにより、図8に示すように、基板半製品2のベースプレート20の上に、治具50で保持された複数のフィン部材21を並列配置することができる。このように、基板半製品2のベースプレート20の上に複数のフィン部材21を並列配置することにより、フィン部材21の幅広部46が下に向いた姿勢となり、各幅広部46の表面側(図5、6において幅広部46の下側、底面47)が、基板半製品2のベースプレート20に設けられた複数の受容部40にそれぞれ受容されて当接した状態となる。このとき幅広部46の表面側の側面48も受容部40に当接した状態とするのが好ましい。なお、各幅広部46の表面側がベースプレート20の受容部40にそれぞれ受容されて当接した状態を図10に示す。
次に、図9、10に示すように、このように基板半製品2のベースプレート20の上に治具50で保持された複数のフィン部材21を並列配置した状態のまま(治具50で複数のフィン部材21を保持したまま)、各フィン部材21の間にプレス機(図示せず)のパンチ55を挿入する。そして、図11に示すように、各受容部40の両側に設けられた突出部41をパンチ55の下端でそれぞれ押圧し、幅広部46の裏面49(幅広部46の表面側と反対の面)(図11において幅広部46の上側の面)を押さえるように変形させた押え部56を形成する。こうして、図12に示すように、ベースプレート20に複数のフィン部材21が一体的に固定された放熱フィン13を形成し、治具50およびパンチ55を除去することで、本発明の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1を得ることができる。
こうして製造された本発明の実施の形態にかかる金属-セラミックス接合基板1にあっては、ベースプレート20に複数のフィン部材21を固定する際、突出部41はベースプレート20に対して直交する方向(板厚方向)に押圧されて変形するので、ベースプレート20に水平方向(板の長手方向または幅方向)に押圧されることがなく、セラミックス板15、強化部材16に過度の負荷がかからなくなる。その結果、セラミックス板15や強化部材16の割れを回避できる。また、フィン部材21を溶融させることなく金属-セラミックス接合基板1を得ることができる。また、前記治具を用いることでフィン部材21を整列させた後、上記プレスによりベースプレートに円滑且つ容易に取り付けることができ、フィン部材21の取り付けの製造コストも抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限られない。例えば、図4、図8において、ベースプレート20の受容部40の底面は強化部材16が露出した状態が示されているが、強化部材17の表面が金属層17で覆われている、即ち受容部40の底面が金属層17であってもよい。また、突出部41の断面形状は三角形でなくてもよく、パンチ55により押え部56が形成され、フィン部材21がベースプレート20に固定できれば、例えば長方形や半円形などどのような形状でもかまわない。
また、例えば、図1、2等では、金属層17の内部に強化部材16を介在させた積層構造のベースプレート20を示したが、金属層17のみで構成されるベースプレート20を用いても良い。
図13は、回路用金属板と、セラミックス板15と、(内部に強化部材16を有していない)金属層17のみで構成されるベースプレート20(金属板)を有する基板半製品2を溶湯(接合)法によって製造する例を示す。
また、その場合の、基板半製品2の製造条件の組み合わせ例5~8を表2に示す。すなわち鋳型内に強化部材16(セラミックス)を配置しなかった以外は、例1~4と同様に基板半製品2を作製した。その後、例1~4と同様のフィン部材21と治具50を用い、同様の製造方法で基板半製品2のベースプレート20にフィン部材21を固定して形成することができ、金属-セラミックス接合基板1を完成させた。
また、例えば、図1、2等では、金属層17の内部に強化部材16を介在させた積層構造のベースプレート20を示したが、金属層17のみで構成されるベースプレート20を用いても良い。
図13は、回路用金属板と、セラミックス板15と、(内部に強化部材16を有していない)金属層17のみで構成されるベースプレート20(金属板)を有する基板半製品2を溶湯(接合)法によって製造する例を示す。
また、その場合の、基板半製品2の製造条件の組み合わせ例5~8を表2に示す。すなわち鋳型内に強化部材16(セラミックス)を配置しなかった以外は、例1~4と同様に基板半製品2を作製した。その後、例1~4と同様のフィン部材21と治具50を用い、同様の製造方法で基板半製品2のベースプレート20にフィン部材21を固定して形成することができ、金属-セラミックス接合基板1を完成させた。
1 金属-セラミックス接合基板
2 基板半製品
10 セラミックス板
12 金属回路板
13 放熱フィン
15 セラミックス板
16 強化部材
17 金属層
20 ベースプレート
21 フィン部材
30 上型
31 下型
32 鋳型
33 空隙部
34 湯道
35 タンク部
36 蓋
40 受容部
41 突出部
45 フィン本体部
46 幅広部
47 底面
48 側面
49 裏面
50 治具
51 支持部
52 バー部材
53 スロット部
55 パンチ
56 押え部
2 基板半製品
10 セラミックス板
12 金属回路板
13 放熱フィン
15 セラミックス板
16 強化部材
17 金属層
20 ベースプレート
21 フィン部材
30 上型
31 下型
32 鋳型
33 空隙部
34 湯道
35 タンク部
36 蓋
40 受容部
41 突出部
45 フィン本体部
46 幅広部
47 底面
48 側面
49 裏面
50 治具
51 支持部
52 バー部材
53 スロット部
55 パンチ
56 押え部
Claims (16)
- セラミックス板の一方の面に放熱フィンを備えたベースプレートが接合された金属-セラミックス接合基板であって、
前記放熱フィンは前記ベースプレートに取り付けられた複数のフィン部材からなり、
前記フィン部材の基端部には、前記フィン部材の側面から両外側に突出した幅広部が形成され、
前記幅広部の表面側が前記ベースプレートに当接し、
前記幅広部の裏面が前記ベースプレートに設けられた押え部で固定されて、
前記フィン部材が前記ベースプレートに取り付けられている、金属-セラミックス接合基板。 - 前記フィン部材の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金である、請求項1に記載の金属-セラミックス接合基板。
- 前記ベースプレートの材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金である、請求項1または2に記載の金属-セラミックス接合基板。
- 前記セラミックス板の他方の面に、金属回路板が形成されている、請求項1~3のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板。
- 前記金属回路板の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金である、請求項4に記載の金属-セラミックス接合基板。
- 前記ベースプレートの内部に強化部材が形成されている、請求項1~5のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板。
- セラミックス板の一方の面に放熱フィンを備えたベースプレートが接合された金属-セラミックス接合基板を製造する方法であって、
前記放熱フィンは前記ベースプレートに取り付けられる複数のフィン部材からなり、
前記フィン部材の基端部には、前記フィン部材の側面から両外側に突出した幅広部が形成され、
前記ベースプレートには、前記幅広部の表面側を当接させる複数の受容部と、各受容部に隣接する突出部が形成され、
前記幅広部の表面側を前記受容部に当接させた状態で、前記突出部を押圧して変形させた押え部で前記幅広部の裏面を押さえ、前記フィン部材を前記ベースプレートに固定する、金属-セラミックス接合基板の製造方法。 - 前記複数のフィン部材を治具で並列に配置した状態で、前記複数のフィン部材の幅広部の表面側を前記受容部にそれぞれ当接させ、前記突出部を押圧して変形させる、請求項7に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
- 前記フィン部材の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、請求項7または8に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
- 前記フィン部材が押し出し成型材である、請求項9に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
- 前記ベースプレートの材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、請求項7~10のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
- 前記セラミックス板の他方の面に金属回路板を備えている、請求項7~11のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
- 前記金属回路板の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金である、請求項12に記載の金属-セラミックス接合基板の製造方法。
- 前記ベースプレートの内部に強化部材が形成されている、請求項7~13のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板。
- 前記セラミックス板と前記ベースプレートを溶湯接合法により接合する、請求項7~14のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板。
- 前記セラミックス板と前記金属回路板を溶湯接合法により接合する、請求項12~15のいずれかに記載の金属-セラミックス接合基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021178214A JP2023067188A (ja) | 2021-10-29 | 2021-10-29 | 金属-セラミックス接合基板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2023067188A true JP2023067188A (ja) | 2023-05-16 |
Family
ID=86325862
Family Applications (1)
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JP2021178214A Pending JP2023067188A (ja) | 2021-10-29 | 2021-10-29 | 金属-セラミックス接合基板およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023067188A (ja) |
-
2021
- 2021-10-29 JP JP2021178214A patent/JP2023067188A/ja active Pending
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