JP2017228392A - ヒーターの生産方法ならびにヒーターおよび保持炉 - Google Patents

ヒーターの生産方法ならびにヒーターおよび保持炉 Download PDF

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晃 前嶋
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愼一郎 白岩
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Abstract

【課題】加熱部材の周辺にすきまが設定された構成のヒーターを、溝が設けられたセラミックス製の円筒体を用いることなく生産できるようにする。
【解決手段】被覆ステップと、埋め込みステップと、加熱ステップとを含む複数のステップを行う。被覆ステップにおいては、加熱部材を、加熱により消失させることができる消失性物質により被覆された状態で用意する。埋め込みステップにおいては、被覆ステップによって用意された加熱部材を焼結材料の中に埋め込まれた状態とする。加熱ステップにおいては、埋め込みステップを経た焼結材料を、この焼結材料に埋め込まれた加熱部材と一緒に加熱することで、焼結材料を焼結体に焼結するとともに、加熱部材を被覆する消失性物質を消失させて焼結体と加熱部材との間にすきまを設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、加熱部材が焼結体の中に内蔵された構成のヒーターの生産方法、ならびに、加熱部材が焼結体の中に内蔵された構成のヒーター、および、このヒーターを有する保持炉に関する。
例えばアルミニウムあるいはマグネシウムなどの金属の鋳造は、一般には、金属を融解させて溶湯とするステップと、溶湯を保持炉に入れて介在物の除去および温度の調整を行うステップと、保持炉内の溶湯を鋳型に注湯して鋳造物を得るステップとを含む複数のステップによって実現される。ここで、保持炉には、溶湯の温度を調整する際に、焼結体(例えばセラミックス)の中に加熱部材が収容された構成のヒーターを溶湯に浸漬させて、このヒーターにより溶湯を加熱するものが存在する。
上記したヒーターに関しては、例えば下記の特許文献1に記載された浸漬型ヒーターの技術が知られている。この浸漬型ヒーターは、セラミックスによって有底管形状に形成された保護管に、外周面につるまき線状の金属発熱体が装着されたセラミックス製の円筒体を挿入することで、金属発熱体を保護管に収容させた構成となっている。ここで、上記浸漬型ヒーターは、円筒体に装着されて保護管に当接される支持部材によって保護管の内壁面と金属発熱体との間に設定されるすきまにより、金属発熱体が保護管の内壁面に押圧されることを抑えるようになっている。
特許第5371784号公報
焼結体の中に加熱部材が内蔵された構成のヒーターにおいて、加熱部材と焼結体との間にすきまを設定する構成は、加熱部材と焼結体とが互いに押し当てられた際のヒーターの破損を抑える、という作用効果を得るために必要な構成である。ここで、上記浸漬型ヒーターの技術においては、セラミックス製の保護管の内壁面と金属発熱体との間にすきまを確保するため、金属発熱体を円筒体の外表面に設けられたつるまき線状の溝に外側から嵌め入れられた状態に装着させる。このため、上記浸漬型ヒーターを生産するためには、外表面につるまき線状の溝が設けられたセラミックス製の円筒体を生産することが必要となる。
ところで、焼結体としてのセラミックスは、硬くもろい性質を有するために塑性変形させることができず、対象物に微細なひびを多数入れてこの対象物の一部を剥落させる削り出し以外の手段によっては成形加工をすることができない。このため、上記セラミックス製の円筒体を生産する手法としては、焼結材料を溝のある形状に成形した後に焼結する手法と、既に焼結体となっている円筒体に削り出しによって溝を成形する手法と、が考えられる。
このうち、前者の手法においては、成形から焼結が完了するまでの間にセラミックスに生じる収縮および変形のために、溝に金属発熱体を嵌め入れられない不良品の円筒体が作られる可能性がある。また、後者の手法においては、上記溝の削り出しに際して入れられるひびが拡大して生じた割れまたは欠けを有する不良品の円筒体が作られる可能性がある。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、加熱部材の周辺にすきまが設定された構成のヒーターを、溝が設けられたセラミックス製の円筒体を用いることなく生産できるようにすることを目的とする。
本発明は、焼結材料を焼結してなる焼結体の中に金属製の加熱部材を内蔵した構成のヒーターの生産方法である。このヒーターの生産方法は、後述する被覆ステップと、後述する埋め込みステップと、後述する加熱ステップとを含む複数のステップを有している。ここで、上記被覆ステップにおいては、加熱部材を、加熱により消失させることができる消失性物質により被覆された状態で用意する。また、上記埋め込みステップにおいては、上記被覆ステップによって用意された加熱部材を焼結材料の中に埋め込まれた状態とする。また、上記加熱ステップにおいては、上記埋め込みステップを経た焼結材料を、この焼結材料に埋め込まれた加熱部材と一緒に加熱することで、焼結材料を焼結体に焼結するとともに、加熱部材を被覆する消失性物質を消失させて焼結体と加熱部材との間にすきまを設定する。
また、焼結体の中にこの焼結体とは熱膨張係数が異なる物質からなる加熱部材を埋め込まれた状態に内蔵した構成のヒーターの発明も提供される。このヒーターにおいて、上記焼結体と上記加熱部材の外表面との間には、上記加熱部材が加熱を行っていない状態において上記外表面を取り巻いた状態となるように設定されたすきまがある。このすきまの大きさは、上記加熱部材が加熱を行っている状態における、加熱部材の焼結体に対する相対的な熱変位によって焼結体と加熱部材とが密着される大きさに設定されている。
上記ヒーターの発明における好ましい実施形態の1つにおいては、上記加熱部材は、らせんの軸が延びる方向に向かって延びながらこのらせんの軸の周りを複数回取り巻く形状であるつるまき線形状を呈するつるまき部分を有する。ここで、上記らせんの軸が延びる方向に並ぶ上記つるまき部分の各巻きは、互いに離間された状態となるように配設される。また、この実施形態において、上記焼結体は、上記つるまき線形状に対応する形状の筒をなして、上記つるまき部分の全体が埋め込まれた状態に内蔵される本体部分に、上記らせんの軸が延びる方向に並ぶつるまき部分の各巻きの間に位置されて、この各巻きを互いに隔てる隔て部分を有している。
また、上記ヒーターを有する保持炉の発明も提供される。この保持炉は、金属の溶湯が入れられて、この溶湯に上記ヒーターの少なくとも一部が浸漬された状態に上記溶湯を貯留することが可能な保持室を有する。また、上記保持炉は、ヒーターに電気エネルギーを供給してヒーターを駆動させる電源であるフィーダーを有する。また、上記保持炉は、上記フィーダーがヒーターに供給する電気エネルギーを増減させることで、ヒーターを制御する制御装置を有する。そして、上記保持炉は、上記ヒーターによって上記溶湯を加熱することで、この溶湯の温度が所定の設定温度に保持する。
本発明のヒーターの生産方法は、ヒーターの加熱部材を焼結材料の中に埋め込んで内蔵させるため、不良品の発生要因となる、溝が設けられたセラミックス製の円筒体を用いることなくヒーターを生産することができる。また、生産されたヒーターにおいては焼結体と加熱部材の外表面との間にこの外表面を取り巻くようにすきまが設定されるため、加熱部材がその熱変位により焼結体を押圧することによって焼結体あるいは加熱部材が破損されることを抑えることができる。
また、ヒーターの加熱部材が加熱を行っている状態において、加熱部材と焼結体とが相対的に熱変位することで密着されるようにした場合には、加熱部材に発生される熱を効率よく焼結体に放熱することができる。したがって、ヒーターにおいて加熱部材が過熱状態となってダメージを受けることを抑えることができる。また、このヒーターを上記保持炉に適用したときには、加熱を行っている状態のヒーターにおける温度の変動が抑えられるため、その加熱部材と焼結体との相対的な熱変位による密着の状態が変化することを抑えることができる。
また、ヒーターにおいて、加熱部材をつるまき部分を有するものとし、焼結体を本体部分と隔て部分とを有するものとした場合には、加熱部材におけるつるまき部分の各巻きがその熱変位により互いに接触されることを抑えることができる。したがって、加熱部材の熱変位によりヒーターが破損されることを抑えることができる。
本発明の一実施形態にかかるヒーターの生産方法によって生産されたヒーター10を有する保持炉90の構成を表した平面図である。 図1のII−II線断面矢視図である。 図2のIII−III線断面矢視図である。 図2のA部拡大図である。 本発明の一実施形態にかかるヒーターの生産方法を表したフローチャートである。 図5のステップS10を説明する説明図である。 図5のステップS20を説明する説明図である。 図5のステップS30を説明する説明図である。 図5のステップS40を説明する説明図である。 図5のステップS60を説明する説明図である。
以下に、本発明の代表的な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下において、保持炉90への溶湯90A(図2参照)の供給を実現させる構成などの付随的な構成については、その図示および詳細な説明を省略する。
始めに、本発明の一実施形態にかかるヒーターの生産方法によって生産されたヒーター10を有する保持炉90の構成について、図1を用いて説明する。この保持炉90は、その内部に備えられた保持室90Bに金属(例えばアルミニウム)の溶湯90Aが入れられて、この溶湯90Aの温度を注湯に適した所定の設定温度(例えば720[℃])に保持するようになっている。
すなわち、保持炉90は、溶湯90Aが入れられる保持室90Bと、溶湯90Aを冷めないように加熱するヒーター10と、このヒーター10が過熱状態となるのを抑える空気の流れ93Aを生み出すブロワーファン93とを備えた構成とされている。このブロワーファン93およびヒーター10は、それぞれ、電源であるフィーダー91が供給する交流の電気エネルギー91A(交流電力)によって駆動されて、制御装置92によって独立に制御されるようになっている。この制御装置92は、ヒーター10を含む保持炉90の各構成の温度分布を測定するサーモグラフィーカメラ92Aを備えている。そして、制御装置92は、サーモグラフィーカメラ92Aの測定結果に基づいてフィーダー91に制御信号92Bを送ってブロワーファン93およびヒーター10に供給される電気エネルギー91Aを増減させることで、ブロワーファン93およびヒーター10を制御する。なお、制御装置92の各構成は、フィーダー91が供給する直流の電気エネルギー91Bによって動作される。
ついで、ヒーター10の構成について、主に図2ないし図4を用いて説明する。このヒーター10は、図2および図3に示すように、絶縁性の焼結体11(具体的には例えばαアルミナの焼結体)の中に、長尺線状の加熱部材12を埋め込まれた状態に内蔵した構成となっている。ここで、焼結体11は、上下に開口された筒形状の本体部分11Bを有して、この本体部分11Bの下部が保持室90B(図2参照)に貯留された溶湯90Aに浸漬されることで、この溶湯90Aを本体部分11Bの中に入り込ませるようになっている。この構成によれば、制御装置92のサーモグラフィーカメラ92A(図1参照)は、焼結体11の上側の開口10Bを介して溶湯90Aの温度を測定することができる。
また、加熱部材12は、焼結体11の焼結に必要な最高温度(例えば1500[℃])に耐える導電性の物質(例えば二けい化モリブデン)を成形したものである。ここで、加熱部材12は、平面視(図3参照)で円を描くつるまき線形状をなすつるまき部分12Bの上下各端部から、焼結体11の筒が延びる方向(図2では上方向)に沿って延び出し部分12Cを延び出させた形状を呈する。なお、上記「つるまき線形状」は、らせんの軸12Dが延びる方向(図2では上下方向)に向かって延びながら、このらせんの軸12Dの周りを複数回取り巻く形状のことである。なお、図2に示すように、つるまき部分12Bは、その全体が焼結体11の本体部分11Bに埋め込まれた状態に内蔵されている。また、つるまき部分12Bにおいて、らせんの軸12Dが延びる方向に向かって並ぶ各巻きは、互いに離間された状態となるように配設されている。なお、上各巻きの太さは、例えば10[mm]〜15[mm]のオーダーとすることができる。
また、加熱部材12は、その延び出し部分12Cを介してフィーダー91から交流の電気エネルギー91Aが供給されることで、つるまき部分12Bの周囲に交番磁場(図示せず)を発生させるようになっている。この交番磁場は、保持炉90内の溶湯90Aに作用してこの溶湯90Aに誘導電流(図示せず)を発生させる。この誘導電流は、溶湯90A内を流れてジュール熱を発生させることで、加熱部材12による溶湯90Aの加熱を実現させる。なお、加熱部材12を流れる電気エネルギー91Aは、この加熱部材12においてジュール熱を発生させる。このジュール熱の少なくとも一部は、加熱部材12から焼結体11を介して溶湯90Aに伝熱される。
さて、焼結体11をなす物質(例えばαアルミナ)と加熱部材12をなす物質(例えば二けい化モリブデン)とは、一般に熱膨張係数が異なるものである(例えばαアルミナの熱膨張係数は7.2×10-6[1/K]、二けい化モリブデンの熱膨張係数は8.5×10-6[1/K])。このため、加熱部材12は、図4の仮想線に示すように、この加熱部材12が溶湯90Aを加熱している状態において、焼結体11に対して相対的に熱変位するようになっている。なお、本明細書において、「熱変位」は、物体がその温度変化に応じて膨張あるいは収縮をすることと、この膨張あるいは収縮にともなって物体が変形することと、の両方を含む概念である。
ここで、焼結体11と加熱部材12の外表面12Aとの間には、加熱部材12が加熱を行っていない状態(図4の実線を参照)において外表面12Aを取り巻いた状態となるように設定されたすきま10Aがある。このすきま10Aは、加熱部材12が加熱を行っている状態(図4の仮想線を参照)において、焼結体11に対して相対的に熱変位された(図4では相対的に膨張された)加熱部材12が焼結体11を押圧することを抑える機能を発揮する。これにより、焼結体11あるいは加熱部材12が破損されることが抑えられたヒーター10を提供することができる。
この場合において、保持炉90のブロワーファン93は、図2に示すように、ヒーター10が過熱状態となるのを抑える空気の流れ93Aを、ヒーター10のすきま10Aに通すようにするものにすることができる。この構成によれば、ヒーター10における加熱部材12の全体を空気の流れ93Aによって空冷して、この空気の流れ93Aがヒーター10の過熱状態を抑える能率を向上させることができる。
なお、すきま10Aの大きさは、加熱部材12が溶湯90Aを加熱しながらこの溶湯90Aの温度を上述した設定温度に保持する定常状態において、加熱部材12が焼結体11に対する相対的な熱変位によって焼結体11と密着される大きさに設定することが好ましい。この構成によれば、上記定常状態において、加熱部材12と焼結体11とがその相対的な熱変位により密着されるため、加熱部材12に発生される熱(例えば加熱部材12への通電に際して発生されるジュール熱)を効率よく焼結体11に放熱することができる。したがって、加熱部材12が過熱状態となってダメージを受けることを抑えることができる。ここで、上記定常状態において加熱部材12と焼結体11とを密着させるようにする構成によれば、加熱を行っている状態のヒーター10における温度の変動が抑えられるため、その加熱部材12と焼結体11との相対的な熱変位による密着の状態が変化することを抑えることができる。なお、上記すきま10Aの大きさは、例えば0.1[mm]〜0.2[mm]のオーダーとすることができる。
ところで、加熱部材12を埋め込まれた状態に内蔵する焼結体11の本体部分11Bは、図2に示すように、らせんの軸12Dが延びる方向(図2では上下方向)に並ぶつるまき部分12Bの各巻きの間に、この各巻きを互いに隔てる隔て部分11Aを備えた構成となっている。この隔て部分11Aは、図4の仮想線に示すように、加熱部材12が加熱を行っている状態においてそのつるまき部分12Bの各巻きが熱変位された場合に、この各巻きが互いに接触されることを抑える機能を発揮する。これにより、加熱部材12の熱変位によるショートが発生しにくくされて、より破損しにくくされたヒーター10を提供することができる。
続いて、上述したヒーター10を生産する方法について、主に図5ないし図10を用いて説明する。なお、以下においては、加熱部材12(図6参照)を成形するステップなどの付随的なステップについて、その詳細な説明を省略する。
ヒーター10を生産するに際しては、生産者は、図5に示すステップS10を実行する。
このステップS10においては、生産者は、図6に示すように、成形された加熱部材12を粘体状のこんにゃくのり20Aの中に浸漬させて引き上げる操作により、加熱部材12の外表面12Aにこんにゃくのりの皮膜20をつける。このこんにゃくのりの皮膜20は、少なくとも加熱部材12において焼結体11(図2参照)に内蔵される部分の外表面12A全体を被覆するようにつけられる。
続いて、生産者は、図5に示すステップS20を実行する。
このステップS20においては、生産者は、図7に示すように、こんにゃくのりの皮膜20がつけられた加熱部材12を石灰乳21Aで煮る。ここで、石灰乳21Aは、水酸化カルシウムの飽和水溶液に水酸化カルシウムの粉末を懸濁させたものであり、こんにゃくのりを膨潤された状態のこんにゃくに変質させる凝固剤として機能されるものである。このため、加熱部材12につけられたこんにゃくのりの皮膜20は、石灰乳21Aで煮られることでこんにゃくの皮膜21に変質される。
なお、ステップS20は、こんにゃくのりを膨潤された状態のこんにゃくに変質させる性質を有する別の凝固剤とこんにゃくのりの皮膜20とを反応させてこんにゃくの皮膜21を生成するステップに置き換えることができる。ここで、上記「別の凝固剤」には、例えば炭酸ナトリウムの水溶液または水酸化ナトリウムの水溶液が含まれる。
上記ステップS10およびステップS20によれば、生産者は、加熱部材12を膨潤された状態のこんにゃくの皮膜21により被覆された状態で用意することができる。ここで、こんにゃくの皮膜21は、セラミックス用の焼成炉23(図10参照)で加熱することで焼失により消失させることができるものであり、本発明における「消失性物質」に相当する。このため、上記ステップS10とステップS20とをあわせたステップは、以下においては「被覆ステップ」とも称する。
上記被覆ステップに続いて、生産者は、図5に示すステップS30を実行する。
このステップS30においては、生産者は、図8に示すように、焼結体11(図2参照)に対応した形状に開けられた穴であるキャビティー22Aを有する型22を用意し、そのキャビティー22Aの中にこんにゃくの皮膜21がつけられた加熱部材12をセットする。ここで、加熱部材12は、上記キャビティー22Aがなす焼結体11に対応した形状において、加熱部材12の配設位置となる場所にセットされる。なお、型22は、粉体が液体の分散媒に懸濁された泥しょうが接触されたときに、この泥しょうから上記分散媒を毛細管現象によって奪い取る空隙22Cを多数有する物質(具体的には例えば石こう)を成形してなるものである。
続いて、生産者は、図5に示すステップS40を実行する。
このステップS40においては、生産者は、図9に示すように、加熱部材12がセットされた状態の型22のキャビティー22Aに、泥しょうの状態とされた焼結材料22Bを注ぎ入れる泥しょう鋳込みを行う。ここで、焼結材料22Bは、焼結体11(図2参照)として焼結させることが可能な物質の粉体(例えばαアルミナの粉体)を、水を主成分として含有する分散媒に懸濁させることで泥しょうの状態としたものである。このため、上記泥しょう鋳込みにおいて、型22は、そのキャビティー22Aに注がれた焼結材料22Bから上記分散媒を奪い取り、この焼結材料22Bを泥しょうの状態から固まった状態(図示せず)に変化させる。
上記ステップS30およびステップS40によれば、生産者は、加熱部材12を固まった状態の焼結材料22Bの中に埋め込まれた状態とすることができる。このため、上記ステップS10とステップS20とをあわせたステップは、以下においては「埋め込みステップ」とも称する。
上記埋め込みステップに続いて、生産者は、図5に示すステップS50を実行する。
このステップS50においては、生産者は、固まった状態の焼結材料22Bを、この焼結材料22Bに埋め込まれた状態の加熱部材12と一緒に型22のキャビティー22Aから分離させて乾燥させる(図示せず)。これにより、焼結材料22Bは、焼結体11の焼結温度(例えば900[℃]〜1500[℃])にさらされたときに破裂する性質を有する状態から、上記焼結温度において破裂することなく焼結される性質を有する状態に変質される。
なお、上記乾燥に際して、焼結材料22Bはその全体の大きさが収縮されるが、加熱部材12はほとんど膨張あるいは収縮をしない。ここで、加熱部材12を被覆するこんにゃくの皮膜21は、上記乾燥に際して膨潤された状態から乾燥収縮されることで、収縮される焼結材料22Bが収縮されない加熱部材12に押圧されて割れることを抑える機能を発揮する。
続いて、生産者は、図5に示すステップS60を実行する。
このステップS60においては、生産者は、乾燥された焼結材料22Bを、この焼結材料22Bに埋め込まれた状態の加熱部材12と一緒にセラミックス用の焼成炉23(図10参照)に入れて加熱する。この加熱は、焼結材料22Bを焼結体11(図10参照)として焼結させるように行われることで、ヒーター10を完成させる。
このとき、加熱部材12を被覆するこんにゃくの皮膜21は、図10に示すように、焼失により消失されることで焼結体11と加熱部材12との間にすきま10Aを設定する。このため、上記ステップS60は、以下においては「加熱ステップ」とも称する。なお、上記加熱ステップにおいて、設定されるすきま10Aは、こんにゃくの皮膜21が焼失により消失されることで生じた煙23Aを外部に逃がす機能を発揮する。
上述したヒーター10の生産方法によれば、ヒーター10の加熱部材12は、焼結材料22Bの中に埋め込まれて内蔵される。このため、不良品の発生要因となる、溝が設けられたセラミックス製の円筒体を用いることなくヒーター10を生産することができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明した。しかしながら、当業者であれば、本発明の目的を逸脱することなく種々の代用、手直し、あるいは変更が可能であることは明らかである。すなわち、本発明を実施するための形態は、本明細書に添付した特許請求の範囲の精神および目的を逸脱しない全ての代用、手直し、あるいは変更を含みうるものである。例えば、本発明を実施するための形態として、以下のような各種の形態を採用することができる。
(1)加熱部材を中空パイプで構成し、この中空パイプの中にブロワーファンからの空気の流れを通すことで、加熱部材の空冷を実現させる構成を採用することができる。
(2)加熱部材を、焼結体の焼結に必要な最高温度(例えば1500[℃])に耐える、二けい化モリブデンとは別の導電性の物質(例えば炭化けい素)からなるものとした構成を採用することができる。ここで、加熱部材をなす物質の熱膨張係数は、焼結体をなす物質の熱膨張係数よりも小さくてもよい。具体的には、例えば加熱部材を炭化けい素(熱膨張係数が3.7×10-6[1/K])とし、焼結体をαアルミナ(熱膨張係数が7.2×10-6[1/K])の焼結体としてもよい。この場合において、加熱部材の外表面と焼結体との間のすきまは、加熱部材が加熱を行っている状態において、焼結体に対して相対的に収縮された加熱部材が焼結体を押圧することを抑える機能を発揮する。
(3)上述した被覆ステップにおいて、こんにゃくのりと凝固剤とを混ぜ合わせたものを加熱部材の外表面に付着させて、この外表面をこんにゃくの皮膜で被覆された状態にする手法を採用することができる。
(4)上述した被覆ステップにおいて、焼結材料を焼結する際の加熱により消失させることが可能な、こんにゃくとは別種の消失性物質により被覆された状態の加熱部材を用意することができる。ここで、上記「消失性物質」には、具体的には例えばフルモールド鋳造法において使用される発泡プラスチック、ろう型鋳造法において使用されるみつろう、および、インヴェストメント鋳造法において使用されるワックスが含まれる。なお、上記みつろうを消失性物質として使用した場合には、加熱部材を溶融されたみつろうの中に浸漬させて引き上げる操作により、加熱部材をみつろうの皮膜で被覆された状態にすることができる。また、上記みつろうまたは上記ワックスを消失性物質として使用し、かつ、上述した加熱ステップが比較的低温(例えば100[℃]〜600[℃])での加熱を行う脱脂の段階を含む場合には、消失性物質を焼失させることなく消失させることができる。すなわち、上記脱脂の段階において消失性物質を焼失させることなく液体状または気体状とし、この消失性物質を加熱部材と焼結体との間のすきまから流し出すことで消失させることができる。
(5)本発明のヒーターの生産方法は、金属の溶湯に誘導電流を発生させてこの溶湯を加熱するヒーターのみならず、例えば加熱部材への直流電力の通電によるジュール熱のみによって油などの絶縁物を加熱するヒーターを生産する際にも適用することができる。この場合において、加熱部材にこの加熱部材からの漏電を防止する絶縁構造が備えられているときには、加熱部材が内蔵される焼結体を、金属の粉末を粉末冶金の手法によって焼結させた金属製の焼結体に変更することができる。
10 ヒーター
10A すきま
10B 開口
11 焼結体
11A 隔て部分
11B 本体部分
12 加熱部材
12A 外表面
12B つるまき部分
12C 延び出し部分
12D らせんの軸
20 こんにゃくのりの皮膜
20A こんにゃくのり
21 こんにゃくの皮膜(消失性物質)
21A 石灰乳
22 型
22A キャビティー
22B 焼結材料
22C 空隙
23 焼成炉
23A 煙
90 保持炉
90A 溶湯
90B 保持室
91 フィーダー
91A 電気エネルギー
91B 電気エネルギー
92 制御装置
92A サーモグラフィーカメラ
92B 制御信号
93 ブロワーファン
93A 空気の流れ

Claims (4)

  1. 焼結材料を焼結してなる焼結体の中に金属製の加熱部材を内蔵した構成のヒーターの生産方法であって、
    前記加熱部材を、加熱により消失させることができる消失性物質により被覆された状態で用意する被覆ステップと、
    前記被覆ステップによって用意された前記加熱部材を前記焼結材料の中に埋め込まれた状態とする埋め込みステップと、
    前記埋め込みステップを経た前記焼結材料を、当該焼結材料に埋め込まれた前記加熱部材と一緒に加熱することで、前記焼結材料を前記焼結体に焼結するとともに、前記加熱部材を被覆する前記消失性物質を消失させて前記焼結体と前記加熱部材との間にすきまを設定する加熱ステップと、
    を含む複数のステップを有している、
    ヒーターの生産方法。
  2. 焼結体の中に当該焼結体とは熱膨張係数が異なる物質からなる加熱部材を埋め込まれた状態に内蔵した構成のヒーターであって、
    前記焼結体と前記加熱部材の外表面との間には、前記加熱部材が加熱を行っていない状態において前記外表面を取り巻いた状態となるように設定されたすきまがあり、
    前記すきまの大きさは、前記加熱部材が加熱を行っている状態における、当該加熱部材の前記焼結体に対する相対的な熱変位によって当該焼結体と前記加熱部材とが密着される大きさに設定されている、
    ヒーター。
  3. 請求項2に記載されたヒーターであって、
    前記加熱部材は、らせんの軸が延びる方向に向かって延びながら当該らせんの軸の周りを複数回取り巻く形状であるつるまき線形状を呈するつるまき部分を有し、
    前記らせんの軸が延びる方向に並ぶ前記つるまき部分の各巻きは、互いに離間された状態となるように配設され、
    前記焼結体は、前記つるまき線形状に対応する形状の筒をなして、前記つるまき部分の全体が埋め込まれた状態に内蔵される本体部分に、前記らせんの軸が延びる方向に並ぶ前記つるまき部分の各巻きの間に位置されて、この各巻きを互いに隔てる隔て部分を有している、
    ヒーター。
  4. 請求項2または請求項3のいずれか1項に記載されたヒーターと、
    金属の溶湯が入れられて、当該溶湯に前記ヒーターの少なくとも一部が浸漬された状態に前記溶湯を貯留することが可能な保持室と、
    前記ヒーターに電気エネルギーを供給して前記ヒーターを駆動させる電源であるフィーダーと、
    前記フィーダーが前記ヒーターに供給する前記電気エネルギーを増減させることで、前記ヒーターを制御する制御装置と、
    を有し、
    前記ヒーターによって前記溶湯を加熱することで、当該溶湯の温度を所定の設定温度に保持する、
    保持炉。
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