JP6588316B2 - 電磁撹拌装置および電磁撹拌装置を設けた溶融金属槽 - Google Patents

電磁撹拌装置および電磁撹拌装置を設けた溶融金属槽 Download PDF

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Description

本発明は、溶融金属槽に保持される溶融アルミニウム等の溶融金属を撹拌するために電磁力を発生させる誘導子を備えた電磁撹拌装置および電磁撹拌装置を設けた溶融金属槽に関し、特に溶融金属からの熱を断熱した状態で発生電磁力の低下を招く誘導子の温度上昇を抑え、連続稼働が可能な電磁撹拌装置および電磁撹拌装置を設けた溶融金属槽に関する。
従来、電磁撹拌装置を設ける溶融金属槽は、耐腐食材料のセラミック製坩堝等の容器からなり、この容器内にアルミニウム等の金属が溶解保持される。また、この容器の外面側には、バーナやヒータ等の加熱手段が設けられており、これらの加熱手段によって容器を介して金属が加熱され溶解保持される。
そして、炉内溶融金属がダイカスト等の鋳造装置に使用されて溶融金属が少なくなってくると、その溶融金属中に溶融金属と同材質のインゴット(鋳塊)を挿入して、前記加熱手段により溶融金属中で追加インゴットを加熱溶解させる。この時、溶融金属を撹拌させることで坩堝と溶融金属間の熱伝達率と溶融金属とインゴット間の熱伝達率をそれぞれ上げることができ、これによりインゴットの溶解を促進させることができる。
電磁撹拌装置は、このような撹拌をするための装置であり、例えば磁性体性のヨークにコイルを巻いた誘導子により移動磁界を発生させて、電磁誘導作用により溶融金属に推力を与え、この推力により溶融金属を撹拌する電磁式の撹拌手段である。
この種の電磁撹拌装置として、例えば特許文献1には、溶融金属を保持する容器と、容器の外から溶融金属に対して容器の上又は下方向に移動磁界発生させるコイルと、コイルと容器との間に配置される帯状の磁性体ヨークを備え、上又は下方向の電磁力と周方向の圧力勾配により溶融金属中に上又は下方向運動と回転運動とが重畳した流れを生じさせて撹拌する電磁撹拌装置が開示されている。
また、特許文献2には、溶融金属の撹拌に必要な電磁力を発生させる電磁撹拌装置であって、電磁力を発生させる電磁石と、電磁石に交流電流を供給する電源と、電磁石を冷却する液化ガスと、電磁石及び液化ガスを収容する断熱容器を備え、断熱容器の導電性物質に面した断熱壁は反対側の断熱壁よりも断熱性能を低くして、液化ガスの冷熱が溶融金属に伝わるようにして溶融金属の冷却を早め凝固する金属組織を微細化する電磁撹拌装置が開示されている。
特開2007−069264号公報 特開2009−066651号公報
溶融金属槽に設ける加熱手段は、溶融金属槽容器外面の上部から底部に亘り設けることにより、容器内の溶融金属を効率よく加熱することができる。
しかしながら、上記の各特許文献1、2に開示の撹拌装置では、溶融金属槽容器外面の一部にコイルを含む電磁石からなる移動磁界発生手段を設けているために、溶融金属槽容器外面の上部から底部に亘り加熱手段を設けることができず、容器内の溶融金属を効率よく加熱できないという問題が生ずる。
この問題を解決するためには、移動磁界発生手段を容器の内側に設けることが必要となり、このためには、移動磁界発生手段を、溶融金属から断熱をした上で、連続稼働できるようにすることが求められる。
本発明の目的は、移動磁界発生手段である誘導子を溶融金属から断熱し、その誘導子中の鉄製ヨーク温度が非磁性を示すキュリー点温度(約750℃)に近づくと磁力の低下を招くので、誘導子の温度上昇を防ぎ、連続稼働が可能な電磁撹拌装置および電磁撹拌装置を溶融金属中に設ける溶融金属槽を提供することにある。
本発明の電磁撹拌装置100は、保護管33と、該保護管33内に設けられる誘導子44とからなり、その誘導子44によって発生する電磁力で溶融金属42を撹拌する電磁撹拌装置100において、
誘導子44の内側に誘導子44を上下に貫通するダクト40を設け、ダクト40内に冷却ガスを流す冷却ガス供給手段20と、保護管33と誘導子44と間に設けられる円筒薄箔状のセラミック断熱材60と、そのセラミック断熱材60に依って溶融金属42から熱を遮断しながら、誘導子44の内側ダクト40に冷却ガスを冷却ガス供給手段20から吹き込んで誘導子44を冷却することを特徴とするものである。
本発明の誘導子44は、電磁撹拌装置100を溶融金属42に浸漬する前に誘導子44に通電して誘導子44の自己発熱で保護管33を予熱して、保護管33を溶融金属42に浸漬する時に保護管33の熱衝撃並びに保護管33の表面に溶融金属の凝固層発生を避ける自己予熱機能を持った誘導子44であることを特徴とするものである。
本発明の電磁撹拌装置100のセラミック断熱材60は、薄箔状マイカ等が保護管33の内面に取付けられることを特徴とするものである。
本発明の電磁撹拌装置100のセラミック断熱材60の底部には、半球状の断熱部材62が取付けられることを特徴とするものである。
本発明の溶融金属槽200は、電磁撹拌装置100が溶融金属42中に設けられる溶融金属槽200において、
電磁撹拌装置100は、溶融金属槽200内の溶融金属42中に浸漬する保護管33と、該保護管33内に設けられる誘導子44と、誘導子44の内側に上下貫通して設けられるダクト40と、ダクト40内に冷却ガスを流す冷却ガス供給手段20と、保護管33と誘導子44と間に設けられる円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱材60と、
その薄箔状マイカ等のセラミック断熱材60が保護管33の内面に取付けられ、セラミック断熱材60によって溶融金属42からの熱を断熱しながら、電磁力を発生する為に必要なコイル電流で発熱する誘導子44を冷却ガス供給手段20により冷却ガスをダクト40内に流したことより冷却されることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶融金属からの熱を断熱した状態で発生電磁力の低減を防ぎ、連続稼働が可能な電磁撹拌装置および電磁撹拌装置が溶融金属中に設けられる溶融金属槽を提供することができる。
本発明の一実施形態である電磁撹拌装置および電磁撹拌装置が溶融金属中に設けられる溶融金属槽の断面図である。 図1における電磁撹拌装置の上部拡大断面図である。 図1における電磁撹拌装置の下部拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施例と称する。)である電磁撹拌装置および電磁撹拌装置が溶融金属中に設けられる溶融金属槽の断面図である。また、図2、図3は、図1における電磁撹拌装置の部分拡大断面図である。
本実施例の電磁撹拌装置100は、主に、保護管33と、この保護管33内に設けられる誘導子44と、誘導子44の内側の上端部から下端部まで装填されたダクト40と、ダクト40内に冷却ガスを流す冷却ガス供給手段20と、保護管33と誘導子44と間に設けられる円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱材60とからなる。以下、図1〜3を用いて電磁撹拌装置100の詳細の構成を説明する。
保護管33は、図1に示すように、架台32の温度上昇防止と誘導子44の冷却ガス排気流路(隙間53)確保の為、架台32に取付けられた保護管押し金具321とダクト吊り金具322によって支持されて、溶融金属槽200に収容される溶融金属42中に浸漬される。
また、保護管33の中には溶融金属42に対して上下方向の移動磁界を発生させる誘導子44が配置される。
保護管33は、上端部37が開口した円筒形で、下端部47は閉じている。それにより、保護管33内に配置される誘導子44は、溶融金属42と直接接触しないようになっている。保護管33の上端部37の開口部中心からダクト40が装入されている。図1、図2に示すように、保護管33の上端部37はフランジ形状となっている。
また、図1、図3に示すように、保護管33の下端部47は、特に高温に晒されるため、電気絶縁性及び600℃以上の高温に耐えうる耐熱性に優れたセラミック接着剤やマイカ等からなる半球状セラミック断熱材331が取り付けられている。
保護管33は非磁性体で、セラミックス等の耐熱性、耐蝕性のある材料からなる。この非磁性体製保護管33の中の誘導子44は、櫛型のヨーク45の開口部が放射方向に開口した状態で外からコイル46が巻き付けられたことで、誘導子44から発生する磁界は保護管33の外側に形成することができる。この発生磁界は、図1で示すような下方向の移動磁界が出来るように結線をし、この移動磁界によって溶融金属42中に誘起される誘導電流とその移動磁界自身との相互作用によって電磁力が発生し、この電磁力によって溶融金属42を撹拌する。
この誘導子44は、コイル46の導電線の電気抵抗による自己発熱とコイル46のシースの自己電磁誘導加熱により溶融金属42の固相温度近傍以上(アルミ合金によって固相温度は520℃から580℃と違っておりその固相温度より50℃低い温度以上)に加熱することによって、保護管33も全体的に加熱されることになる。これにより、溶融金属42の凝固や保護管33の熱衝撃破損を防ぐことができる。
また、誘導子44の温度が耐熱温度以上に加熱されないように上から、冷却ガス供給手段20によって、冷却ガスがダクト40を通って、保護管33の底に向けて供給され、保護管33の底で冷却ガスの流れが反転上昇し、誘導子44を冷却する構造になっている。図中の矢印(Air)はダクト40を通って保護管30の下方に送り込まれる冷却ガスである空気の流れを示している。ここで、冷却ガスは窒素やアルゴンガス等であってもよく、誘導子44を冷却できるものであれば別のものを冷却ガスとして用いてもよい。この種の電磁攪拌装置における冷却ガスとしては、主に空気が用いられるので、本実施例については、冷却ガスとして空気を用いる例について以下説明する。また、ダクトは、以下空気ダクトと称する。
空気ダクト40には、接続部35を介して冷却ガス供給手段20から圧縮空気が供給される。冷却ガス供給手段20から空気ダクト40への空気の供給を制御する制御弁38(例えば電磁弁)が制御部(図示せず)に接続され、コイル温度(コイル温度計は図示せず)に応じて空気ダクト40への空気の供給が制御される。
その詳細は後述するが、空気ダクト40を通して供給された空気は、保護管33の下端を通り、保護管33とコイル46との隙間51を通り、保護管33の上端と架台32との問の隙間53を通って、外部に排出される。このとき、保護管33とコイル46との隙間51のみならず、隙間を調整しコイル46と空気ダクト40との隙間52や隙間53を通り外部に排出されるようにしてもよい。本実施例では、空気が隙間51及び隙間52を通った後、隙間53を通って外部に排出される構成の例について説明する。
次に、誘導子44を構成するヨーク45とコイル46について説明する。複数の磁性体製のヨーク45が、保護管33内の空気ダクト40を囲むようにその外周側に嵌め込まれており、このヨーク45の外周に三相コイルを構成するコイル46が巻回されている。ヨーク45は、外周方向に開口した櫛型の形状であるため、外側からコイル46を巻き付けることにより、外側に磁界が発生する。また、ヨーク45は、保護管33とコイル46との間に隙間51を有するように形成され、巻回されたコイル46と空気ダクト40との間に隙間52が設けられるように形成されている。
コイル46には耐熱性シースを有する無機絶縁ケーブル(図示せず)が巻線として使用されている。この無機絶縁ケーブルは、細いステンレスチューブ等からなる耐熱金属シースの中に導電線を収納し、この導電線とシース間にマグネシア粉末等の無機絶縁粉末を充填したものである。いわゆるシースケーブルと呼ばれる。このような無機絶縁ケーブルは、耐熱性が高く、800℃の温度にも耐える。
また、保護管33の中にある空気ダクト40の上端は、架台32に嵌め込まれており、この空気ダクト40は、空気ダクト40に取り付けられた3本以上の支持金具341によって支えられ、ねじ342で固定されている。また、架台32には、保護管押し金具321が嵌め込まれて固定されており、保護管33の上端部37を上部から押えている。この保護管押し金具321は、複数本、バランスよく設置されており、本実施例では4本設置されている。別の本数にしてもよい。
また、保護管33の上端部37の外周には、3本以上のダクト吊り金具322が架台32の穴に嵌め込まれており、ダクト吊り金具322が引き上げバネ323よって引き上げられている。更に外周には保温材39が保護管33の上端部37の外周面を囲むように設置されている。ダクト吊り金具322も保護管押し金具321と同様に、複数本、バランスよく設置されており、本実施例では4本設置されている。保護管押し金具321とダクト吊り金具322は、別の本数であってもよい。ダクト吊り金具322は、保護管33の上端部37の外周面と接合されている。また、保温材39の下端面とダクト吊り金具322の下端には、下部保温材391が保護管33の下端部の外周面を囲むように設置されている。保温材39と下部保温材391を設けることによって、保護管33の熱が外部に放出されるのを低減する効果がある。更に、架台32の下には、ダクト吊り金具322の動きを妨げない柔らかい綿状の断熱材324が図示なし吊り金具で架台32に取り付けられている。柔らかい綿状の断熱材324が上昇してくる冷却ガスでほぐれない様に板金325が取り付けられていて、隙間53側に冷却ガスが流れるようにしてある。
このようにして、保護管33は、その上端部37が保護管押し金具321とダクト吊り金具322によって、上下から挟持されて固定されている。
次に空気ダクト40の詳細について説明する。空気ダクト40の上部には主に、圧縮空気を発生させる冷却ガス供給手段20に接続する接続部35、圧力計36、制御弁38、空気入口部34、空気流増幅器49が備えられている。電磁撹拌装置100を使用する際には、冷却流体である圧縮空気を空気ダクト40内に供給するため、接続部35が冷却ガス供給手段20に接続される。その際、圧力計36により、供給された圧縮空気の圧力を確認することができる。制御弁38は、冷却ガス供給手段20から空気ダクト40への空気供給量と供給時間を制御するものである。制御弁38には、例えば電磁弁が使用される。
空気入口部34は、電磁撹拌装置100の周囲から空気を取り込む入口であり、周囲の空気流から微粒子を除去するためのフィルタが備えられている。空気流増幅器49は、圧空装置から供給される空気流を使用して、空気入口部34から空気ダクト40内へ圧縮空気量以上の外気を取り込む風量増幅器である。これにより、圧空装置から供給される圧縮空気の消費量を減らすことができる。空気流増幅器49は、圧空装置から供給される空気を空気ダクト40の方向(下方)へ曲げるような形状となっており、空気入口部34から周囲の空気を取り込んで、流速を上昇させて空気ダクト40内へ空気を送る。また、空気流増幅器49は、モーター等の電気部品を用いたものではなく駆動源は圧縮空気のみであり、故障がなどの不具合なく使用することができ経済的である。空気流増幅器49は、いかなるものを用いても良い。
溶融金属42を撹拌する際には、まず誘導子44に三相交流を通電し、誘導子44を溶融金属42の固相温度近傍以上に昇温し保護管33を予熱した後、一旦通電を止めてから電磁撹拌装置100を溶融金属42に浸漬する。その後再度誘導子44に三相交流を通電し保護管33の外側に図示するように下方向の移動磁界を発生させ、これにより溶融金属42を移動させて図示するように撹拌する。保護管33を浸漬する前の誘導子の予熱における固相温度近傍とは、誘導子44を固相温度以上の予熱するのが望ましいが、アルミニウム合金の場合は固相温度より50℃程度低くても溶融金属に潜熱があるので保護管33の周囲に凝固層はできない温度を言う。
誘導子44のコイル46は、耐熱性のあるシースケーブルからなるため、大きな電流を通電するのに適している。また、この誘導子44に前記とは逆位相の三相交流を通電すると、上記とは逆方向の移動磁界を発生することができ、もって溶融金属42を逆方向に撹拌することができる。しかし、上方向に移動磁界を発生させて撹拌すると、溶融金属42が吹き上がり、溶融金属表面にスポンジ状の酸化物が出来るので、吹き上がりが発生せず僅かに湯面が下がる下方向に移動磁界を発生させて撹拌するのが良い。
また、本実施例の電磁撹拌装置100は、前述のように、撹拌力を大きくする為にはコイル46に大電流を通電するためコイル46の温度も上昇し、保護管33を通じて高温の溶融金属42からの熱により、コイル46が加熱され過ぎる場合がある。温度が高くなり過ぎないように、空気ダクト40に前述の冷却ガス供給手段20によって冷却ガスである空気が供給される構造になっているが、溶融金属42の温度は700℃以上と高温であり誘導子44への入熱量は非常に多く、冷却ガスによる誘導子44の冷却では足らずコイル46の温度が高くなり過ぎる場合があり、この場合自動で通電を停止するように制御されている。コイル温調とコイル温度警報のためには、コイル46に熱電対などの温度センサ(図示せず)を設置しており、制御部が、温度センサによる検知信号を受けて、誘導子44に供給される電力を制御調整したり、また、空気ダクト40への空気供給を制御する電磁弁38を全開したりすることで、コイル46が加熱され過ぎるのを防いでいる。さらに、コイル46が加熱され過ぎるのを防ぐために、予め連続運転可能時間を設定する場合もある。
以上の溶融金属42側からの入熱を低減するために熱伝導率が低く熱遮蔽に適したセラミック材料の円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱材60を保護管33と誘導子44と間に設け、保護管33の内面に沿って貼り付けられることで保護管33に取付ける。この円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱材60は、厚みが0.5mm程度の薄箔状で、円筒の薄箔状に形成されている。主要材料のマイカは、このように薄い厚みであっても外部からの輻射熱の断熱効果を奏することができる。また、保護管33と誘導子44と間に設けた円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱材60は、絶縁材なので誘導電流が発生せず磁気浸透低減効果も無く誘導子44で発生する移動磁界を低減しない。
このように、本実施例の電磁撹拌装置100は、円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱60を保護管33と誘導子44との間に設けることにより、電磁撹拌装置100による溶融金属42の撹拌中に、円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱60によって溶融金属42からの熱を断熱することができ、保護管33内部の誘導子44の加熱を防ぐことができるので、冷却ガス供給手段20だけで誘導子44の冷却を行うことで、電磁撹拌装置100を長時間連続的に稼働させることができる。更に、溶融金属42からの入熱を抑えることによって溶融金属42の冷却防止にもなる。
また、本実施例の電磁撹拌装置100は、上述のように、誘導子44を溶融金属42中に設けることとなる。これによって、誘導子を溶解保持炉などの耐熱容器の外部に設ける従来の電磁攪拌装置と比較して、溶解保持炉の外側にヒータ自由に設置することが出来て、且つ誘導子44と溶融金属42の間の距離が少なく近接することになり、誘導子44への電流も少ない電流で大きな電磁力を溶融金属42により効果的に伝達させることができるようになるので、もって電磁撹拌装置100による溶融金属42の撹拌を効果的にできる。
また、円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱60は、図に示すように保護管33の底部47が曲面となっている箇所については、曲げて形成することができないので、図3に示すように、半球状の断熱部材62が設けられる。この断熱部材62は、マイカ等からなるセラミック断熱60と同様に外部からの輻射熱を断熱することができる材料が用いられる。例えば、金属製網にセラミック接着剤が塗布されたものや金属薄膜積層板で良い。この部分には誘導子が無いので、薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱60より厚くても構わないが、円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱60との繋ぎ目は、印籠構造にする必要がある。
本実施例における電磁撹拌装置100は、この断熱部材62を設けることにより、保護管33の外部からの溶融金属42からの熱を万遍なく断熱することができ、誘導子44の過熱を防ぐことができる。更に、溶融金属42からの入熱を抑えることによって溶融金属42の冷却防止にもなる。
本実施例における電磁撹拌装置100は、以上のようにして、誘導子44による電磁力が円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱60と保護管33を貫通して溶融金属42に伝達されると共に、円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱60による溶融金属42からの熱を断熱している状態で、電磁力により加熱された誘導子44が冷却ガス供給手段20により空気ダクト40内に流入した冷却ガスにより冷却される。
また、上述の本実施例における電磁撹拌装置100によれば、図1に示す本実施例の溶融金属槽200は、次の構成を備えることとなる。
本実施例の溶融金属槽200は、電磁撹拌装置100が溶融金属42中に設けられる溶融金属槽200において、電磁撹拌装置100は、溶融金属槽200内の溶融金属42中に設けられる保護管33と、該保護管33内に設けられる誘導子44と、誘導子44の内側の上端部から底部まで貫通された空気ダクト40と、空気ダクト40内に冷却ガスを流入する冷却ガス供給手段20と、保護管33と誘導子44と間に設けられる円筒薄箔状マイカ等からなるセラミック断熱材60等からなり、マイカ等からなるセラミック断熱材60は、薄箔状でこのマイカ等からなるセラミック断熱材60が保護管33の内面に取付けられ、誘導子44による電磁力がマイカ等からなるセラミック断熱材60と保護管33を貫通して溶融金属42に伝達されると共に、マイカ等からなるセラミック断熱材60による溶融金属42からの熱を断熱している状態で、電磁力により加熱された誘導子44が冷却ガス供給手段20により空気ダクト40内に流入した冷却ガスにより冷却される攪拌機付き溶融金属槽200となる。
以上の本実施例の溶融金属槽200によれば、上述の電磁撹拌装置100と同様の効果を奏することができる溶融金属槽200を提供することができる。
このように、本実施例の電磁撹拌装置および電磁撹拌装置が溶融金属中に設けられる溶融金属槽によれば、溶融金属からの熱を断熱した状態で発生磁界の減衰を防ぎ、連続稼働が可能な電磁撹拌装置および電磁撹拌装置が溶融金属中に設けられる溶融金属槽を提供することができる。
32 架台
33 保護管
34 空気入口部
35 接続部
37 保護管の上端部
38 制御弁
40 ダクト(空気ダクト)
41 接続口
42 溶融金属
44 誘導子
45 ヨーク
46 コイル
47 保護管の下端部
49 空気流増幅器
51 保護管とコイルとの隙間
52 コイルと空気ダクトとの隙間
53 保護管の上端と架台との間の隙間
60 マイカ
62 カップ形状の断熱部材
100 電磁撹拌装置
200 溶融金属槽
321 保護管押し金具
322 ダクト吊り金具

Claims (5)

  1. 保護管(33)と、該保護管(33)内に設けられる誘導子(44)とからなり、誘導子(44)による電磁力で溶融金属(42)が撹拌される電磁撹拌装置(100)において、
    誘導子(44)の内側に設けられ、誘導子(44)の上端部から底部まで開口されたダクト(40)と、
    ダクト(40)内に冷却ガスを流入する冷却ガス供給手段(20)と、
    保護管(33)と誘導子(44)と間に設けられる円筒薄箔状のマイカからなるセラミック断熱材(60)と、からなり、
    誘導子(44)による電磁力がマイカからなるセラミック断熱材(60)と保護管(33)を貫通して溶融金属(42)に伝達されると共に、マイカからなるセラミック断熱材(60)による溶融金属(42)からの熱を断熱している状態で、コイル電流により加熱された誘導子(44)が冷却ガス供給手段(20)によりダクト(40)内に流入した冷却ガスにより冷却されること
    を特徴とする電磁撹拌装置(100)。
  2. 電磁撹拌装置(100)を溶融金属(42)に浸漬する前には、予め誘導子(44)を溶融金属(42)の固相温度近傍に予熱することを特徴とする請求項1記載の電磁撹拌装置(100)。
  3. マイカからなるセラミック断熱材(60)は、薄箔状とされ、該マイカからなるセラミック断熱材(60)が保護管(33)の内面に取付けられることを特徴とする請求項1記載の電磁撹拌装置(100)。
  4. マイカからなるセラミック断熱材(60)の底部に半球形状の断熱部材(62)が取付けられることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁撹拌装置(100)。
  5. 電磁撹拌装置(100)が溶融金属(42)中に設けられる溶融金属槽(200)において、
    電磁撹拌装置(100)は、溶融金属槽(200)内に収容された溶融金属(42)中に浸漬される保護管(33)と、該保護管(33)内に設けられる誘導子(44)と、誘導子(44)の内側に設けられ、誘導子(44)の上端部から底部まで開口されたダクト(40)と、ダクト(40)内に冷却ガスを流入する冷却ガス供給手段(20)と、保護管(33)と誘導子(44)と間に設けられる円筒薄箔状のマイカからなるセラミック断熱材(60)と、からなり、
    マイカからなるセラミック断熱材(60)は、薄箔状とされ、該マイカ等からなるセラミック断熱材(60)が保護管(33)の内面に取付けられ、
    誘導子(44)による電磁力がマイカ等からなるセラミック断熱材(60)と保護管(33)を貫通して溶融金属(42)に伝達されると共に、マイカからなるセラミック断熱材(60)による溶融金属(42)からの熱を断熱している状態で、コイル電流により加熱された誘導子(44)が冷却ガス供給手段(20)によりダクト(40)内に流入した冷却ガスにより冷却されること
    を特徴とする溶融金属槽(200)。
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