JP5745588B2 - 誘導加熱炉用坩堝 - Google Patents

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Description

本発明は、金属、特に高融点金属を溶解するのに好適な誘導加熱炉用坩堝に関するものである。
アルミニウムなどの低融点金属を溶解・保持する容器としては、黒鉛やカーボンを主成分とした坩堝(黒色坩堝)が一般に使用されている。一方で、鋳鉄、鋳鋼、特殊鋼、銅合金などの高融点金属を溶解・保持する場合、黒色坩堝は高温雰囲気下で長期間使用すると酸化による損耗が激しく、また、溶解する鋳鉄などと反応して汚染するため、黒色坩堝は使用できない。よって、アルミナやシリカなどを主成分とした耐熱性及び高融点金属に対する耐食性に優れた耐火物からなる坩堝(白色坩堝)が使用されている。
この白色坩堝を用いて高融点金属を溶解させるには、図11に示すように、白色坩堝100の周囲に誘導コイル101を配置し、白色坩堝100と誘導コイル101との間に珪砂などのバックサンド(不定形材)102を配置する。また、誘導コイル101の内面に絶縁材103を配置する。白色坩堝100内に高融点金属Mを収容し、白色坩堝100の周囲に配置された誘導コイル101に電圧を印加すると、白色坩堝100内の高融点金属Mが電磁誘導作用により誘導加熱されることで溶解する(例えば特許文献1を参照)。
特開2009−228919号公報
しかしながら、白色坩堝100は、電磁誘導作用により発熱することはなく、白色坩堝100内に高融点金属Mを投入して溶解を開始する際には、白色坩堝100は常温の状態である。そのため、白色坩堝100が昇温するまで、誘導加熱される高融点金属Mから白色坩堝100に熱が奪わるおそれがある。また、高融点金属Mの溶解が終了し、溶解した高融点金属(溶融金属)を取り出して次の高融点金属Mの溶解を行う際も、操業サイクルにより程度の差はあるが、溶融金属排出後に白色坩堝100は冷却されるため、同様に高融点金属Mから熱が奪われるおそれがある。よって、高融点金属Mを加熱・溶解するのに時間がかかるうえエネルギーコストが嵩み、効率よく加熱・溶解することができないおそれがある。加えて、アルミナやシリカは、黒鉛と比べて熱伝導性が低く、予熱が不充分であると、白色坩堝100の内面側と外面側との間に大きな温度差を生じるため、特に鋳鉄などの高融点金属Mを溶解する場合には、熱衝撃によって亀裂が入り易くなるおそれもある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたもので、効率よく高融点金属を加熱・溶解することができるとともに、耐久性の高い誘導加熱炉用坩堝を提供することを目的とする。
本発明の前記目的は、誘導コイルからの誘導加熱により金属を溶解する誘導加熱炉用坩堝であって、金属を収容する耐火物からなる容器状の内側層と、前記内側層の少なくとも側壁部を覆い、誘導加熱により発熱する発熱体からなる外側層と、を備え、前記外側層は、前記内側層の外周面に黒鉛シート、炭素繊維ペーパー又は炭素繊維フェルトを貼り付ける、もしくは、カーボン及び黒鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を主に含むスラリーを前記内側層の外周面に塗布することによって形成される誘導加熱炉用坩堝により達成される。
上記構成の誘導加熱炉用坩堝において、前記耐火物が、二酸化珪素、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、炭化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を主に含むことが好ましい。
また、前記外側層の電気比抵抗値が100×10−3Ωcm以下であることが好ましい。
また、前記外側層が、前記内側層の側壁部のみを覆う円筒状に形成されていることが好ましい。
本発明の誘導加熱炉用坩堝によれば、効率よく高融点を有する導電性金属を加熱・溶解することができるので、操業時間の短縮が可能である上、省エネルギーを実現できる。
本発明の一実施形態に係る誘導加熱炉用坩堝を模式的に示す断面図である。 本実施例の誘導加熱炉用坩堝により高融点金属を加熱する際の金属表面温度の変化を表すグラフである。 比較例の誘導加熱炉用坩堝により高融点金属を加熱する際の金属表面温度の変化を表すグラフである。 本実施例の誘導加熱炉用坩堝により高融点金属を加熱する際の電力出力状況(1回目)の変化を表すグラフである。 本実施例の誘導加熱炉用坩堝により高融点金属を加熱する際の電力出力状況(2回目)の変化を表すグラフである。 比較例の誘導加熱炉用坩堝により高融点金属を加熱する際の電力出力状況(1回目)の変化を表すグラフである。 比較例の誘導加熱炉用坩堝により高融点金属を加熱する際の電力出力状況(2回目)の変化を表すグラフである。 本実施例の誘導加熱炉用坩堝により高融点金属を加熱する際の内側層外面温度の変化を表すグラフである。 比較例の誘導加熱炉用坩堝により高融点金属を加熱する際の坩堝外面温度の変化を表すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る誘導加熱炉用坩堝を模式的に示す断面図である。 従来例の誘導加熱炉用坩堝を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る誘導加熱炉用坩堝1(以下、単に「坩堝1」という)の一例として示す誘導炉10の縦断面図である。この誘導炉10は、鋳鉄、鋳鋼、特殊鋼、銅合金などの高融点(例えば1000℃以上)の金属Mの溶解に特に好適に用いることができるが、アルミニウム、亜鉛などの低融点金属の溶解にも用いることができる。
誘導炉10は、坩堝1の外側に、誘導コイル11が配置されており、坩堝1と誘導コイル11との間に、ジルコニア、アルミナ、マグネシア、珪砂などのバックサンド(不定形材)12が配置されている。また、誘導コイル11の内周面に、断熱材13が配置されている。坩堝1は、高融点金属Mを収容する容器状の内側層2と、内側層2の少なくとも側壁部20を覆う外側層3と、を備えている。
内側層2は、上部に開口を有する有底筒状に形成されており、円筒状や角筒状など任意の形状とすることができる。内側層2は、鋳鉄などの高融点金属Mを収容することから、耐熱性、高温強度、溶解する高融点金属(溶融金属)に対する耐食性などに優れた耐火物からなり、その材料としては、二酸化珪素(シリカ、石英)、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、窒化珪素などを好ましく例示することができるが、その他の添加物や不純物を含んでいてもよい。内側層2は、流し込み成形やCIP成形、振動成形などの種々の成形法により形成することができる。例えば流し込み成形で形成する場合には、上記した材料を一種又は所定の混合比で複数種混合して加水混錬したもの(流し込み材)を、内部に型枠が配置された筒状の外側層3の型枠との間に流し込み、養生、固化、乾燥させた後、型枠を脱枠することにより形成される。
なお、内側層2は、必ずしも上記した材料で100%形成されている必要はなく、耐熱性や強度などの特性を確保できていればよい。内側層2の厚みは、内側層2の大きさにより変わってくるが、側壁部20が例えば10mm〜70mm程度であり、底壁部21が例えば10mm〜100mm程度である。
また、溶解した高温の溶融金属に対する耐熱性及び耐食性を良好なものとするために、内側層2の内周面に、例えば特開2009−228919号公報に記載されているような窒化珪素−アルミナ系材料からなる保護層をコーティングするようにしてもよい。
外側層3は、本実施形態では、内側層2の側壁部20のみを覆う円筒状に形成されている。外側層3は、誘導コイル11からの誘導加熱により発熱する発熱体からなり、その材料としては、導電性を有しかつ熱伝導率が高い、カーボンや黒鉛などの導電性材料を好ましく例示することができるが、その他の添加物や不純物を含んでいてもよい。外側層3は、電気比抵抗値が100×10−3Ωcm以下、好ましくは50×10−3Ωcm以下であることが好ましい。電気比抵抗値が100×10−3Ωcmよりも大きいと、発熱性が弱いからである。
外側層3の厚みは、例えば5mm〜30mm程度であり、内側層2の側壁部20の厚み以下であることが好ましい。誘導炉10では、溶解する金属Mの溶解効率を良好とするためには、金属Mと誘導コイル11との間に配置される耐火物(坩堝1やバックサンド12)の厚みをできる限り小さくする必要がある。ただし、坩堝1の内側層2(側壁部20)の厚みは内側層2の寿命に大きく影響し、必要な寿命を得るためには可能な限り厚くする必要がある。また、バックサンド12は、熱に対する誘導コイル11の保護や、坩堝1が割れたときのバックアップ材として必要な厚み(例えば、大きさによって変わるが10mm〜50mm)を設定する必要がある。外側層3の厚みは、上記した事情を考慮しながら設定するが、溶融金属の出湯後の坩堝1保温の為には、熱容量が大きいほうが好ましいので、厚いほうがよいが、バックサンド12の厚みとの兼ね合いで最適な厚みとする必要があり、そうすると、内側層2(側壁部20)の厚み以下となるのが好ましくなる。
外側層3は、CIP成形や流し込み成形、振動成形などの種々の成形法により形成することができる。例えばCIP成形で形成する場合には、上記した黒鉛などの導電性材料と二酸化珪素などの絶縁材料とを、所定の混合比で混合し、若干のバインダーを加えて静水圧成形機で成形した後、例えば約1200℃で焼成することで、形成することができる。
なお、外側層3は、上記した黒鉛などの導電性材料と二酸化珪素などの絶縁材料とを、所定の混合比で混合して水ガラスなどのバインダーを加えて作成したスラリーを、例えばCIP成形や流し込み成形で形成した内側層2の外周面にスプレーや刷毛などで塗布・吹き付けした後、約200℃で熱処理を施すことによっても形成することができる。また、外側層3は、黒鉛シート、炭素繊維ペーパーや炭素繊維フェルトなどを、例えばCIP成形や流し込み成形で形成した内側層2の外周面に貼り付けることによっても形成することができる。さらに、外側層3は、CIP成形や流し込み成形などの成形法により、内側層2を内部にすっぽりと収容可能な大きさの容器状に形成することもできる。この場合には、外側層3内に内側層2を嵌め込むことにより、内側層2の外周面に加えて底面にも外側層3が一体化された2層構造の坩堝1を製造できる。
また、内側層2を、CIP成形などで形成後、それを型枠の一部として、外側層3を流し込み成形などで形成して、2層を一体化させてもよい。または、CIP成形や流し込み成形をする際に、内側層2及び外側層3の材料を、型枠内に分けて充填し、内側層2及び外側層3を同時に成形してもよい。
以上の構成を備えた坩堝1は以下のようにして使用される。まず、坩堝1内に鋳鉄、鋳鋼、特殊鋼、銅合金などの高融点金属M(形状は任意の形状)を収容する。そして、誘導コイル11に高周波電流を通電する。これにより誘導コイル11の周囲に磁界が形成され、この磁界が坩堝1内の高融点金属Mを透過する結果、高融点金属Mが電磁誘導作用により発熱して温度上昇する。加えて、坩堝1の外側層3に対しても、誘導コイル11からの磁界が透過しかつ浸透することで、外側層3を構成する発熱体が発熱して温度上昇する。その結果、外側層3は800℃以上の高温となり、その熱が熱伝導により内側層2に伝達されることで内側層2が高温となる。これらの両方の作用により、高融点金属Mが耐火物から冷却されることなく加熱され、高融点金属Mが溶解して溶融金属となり、溶融状態で保温される。
本実施形態の坩堝1によれば、通電した誘導コイル11からの磁界により、発熱体からなる外側層3を発熱させ、熱伝導により内側層2を加熱することで内側層2内に収容された高融点金属Mを加熱するようにしている。よって、内側層2内の高融点金属Mは、通電した誘導コイル11からの磁界により、高融点金属M自体が発熱して温度上昇するとともに、内側層2からの熱伝導による加熱によっても温度上昇するので、素早く融点に達して溶解する。その結果、効率よく高融点金属Mを加熱・溶解することができるので、操業時間の短縮が可能である上、省エネルギーを実現できる。
加えて、内側層2は外側層3からの熱伝導により外面が加熱されるので、溶解した高温の溶融金属と接する内面側と外面側との間の温度差がほとんど生じない。よって、内側層2の内面側と外面側との間の温度差に伴う熱衝撃によって、内側層2が損傷を受けることを防止することができるので、内側層2の耐久性を高めることができ、坩堝1の長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の坩堝の実施例を示すが、本発明がこの実施例に限定されないことは言うまでもない。実施例の坩堝は、図1に示すような、アルミナ−シリカ系材料からなる容器状の内側層2と、内側層2の側壁部20を覆うように配置した円筒状の黒鉛−炭化珪素系材料からなる外側層3とからなる2層構造のものである。内側層2の大きさは、外径が150mm、内径が125mm、高さが125mmであり、外側層3の大きさは、外径が170mm、内径が150mm、高さが125mmである。内側層2及び外側層3を構成する主な材料の組成は、以下の表1に示す。実施例の坩堝は、まず、円筒状の外側層3をCIP成形及び1200℃での焼成により形成した後、外側層3を型枠として、外側層3の内部に内側層2を流し込み成形(120℃で乾燥)することで、形成した。誘導加熱炉としては高周波誘導炉(3000Hz×50Kw、直流電圧を160Vに設定)を用い、溶解する高融点金属Mとしては、円柱状(径が80m、高さが100mm)の鋳鉄を用いた。外側層3の周囲には、シリカからなるバックサンド12(厚み:約30mm)及び絶縁シート13(厚み:約5mm)を配置した。比較例の坩堝は、図11に示すような、アルミナ−シリカ系材料からなる1層構造のものであり、大きさは、外径が170mm、内径が125mm、高さが125mmである。なお、比較例の坩堝を構成する材料の組成は、以下の表1に示す。
評価方法としては、鋳鉄が溶解するまでの時間、鋳鉄が溶解するまでの消費電力(直流電圧×直流電流×時間)、及び、実施例及び比較例の坩堝の所定部位における温度推移(実施例及び比較例ともに金属表面温度、実施例の坩堝では内側層2の外面温度、比較例の坩堝では坩堝の外面温度)を測定した。鋳鉄の溶解作業は、まず、1回目の鋳鉄の溶解を行い、坩堝内に溶解した鋳鉄(溶湯)を30分間保持した後、溶湯を出湯し、30分間の坩堝の冷却時間をおいて、2回目の鋳鉄の溶解を行った。坩堝の冷却は、上部の開口をオープン状態にした空冷により行った。この測定結果を、表2、表3、及び図2〜図9に示す。
図2、図3及び表2によると、実施例と比較例とで、坩堝内で溶解する高融点金属の表面温度が1000℃に到達するまでの時間が、実施例では約10分(1回目)、約8分(2回目)であるのに対し、比較例では約14分(1回目)、約10分(2回目)であり、坩堝内の高融点金属の昇温速度に大きな差が生じていることが確認された。これに伴い、坩堝内の高融点金属が完全に溶解するまでの時間も、実施例では約17分(1回目)、約12分(2回目)であるのに対し、比較例では約30分(1回目)、約23分(2回目)であり、実施例のほうが比較例よりも、効率よく高融点金属を加熱することができ、溶解時間(操業時間)の大幅な短縮(40%〜50%の短縮)が可能であることが確認された。また、比較例との対比で、実施例の2回目の溶解時間は1回目の溶解時間よりもさらに短縮されているが、これは、1回目の高融点金属の溶解時に内外から良好に加熱されたことによる内側層2の蓄熱量が、比較例よりも増大していることによる効果であると思われる。
また、図6〜図9及び表3によると、実施例と比較例とで、坩堝内の高融点金属の溶解時の電流値は、実施例のほうが外側層3にも通電させていることから比較例よりも高くなっているにも関わらず、高融点金属を完全に溶解させるのに必要な消費電力は、実施例のほうが溶解時間が大幅に短縮されているために、1回目及び2回目ともに、比較例よりも大幅に減少していることが確認された。これにより、実施例のほうが比較例よりも、省エネルギーを実現でき、エネルギーコストも低減できることが確認された。
さらに、図4及び図5によると、比較例では、坩堝の外面温度が1回目及び2回目とも500度〜600度程度までしか上昇しておらず、坩堝内の溶融金属の温度(1100度〜1200度)との間に大きな温度差が生じている。これに対して、実施例では、坩堝の内側層2の外面温度が1回目及び2回目ともに1100度〜1200度まで上昇しており、内側層2内の溶融金属の温度(1100度〜1200度)との間で温度差はほとんど生じていない。よって、実施例では、内側層2の内面側と外面側との間の温度差に伴う熱衝撃による損傷を内側層2が受けることを防止でき、内側層2の耐久性を向上可能であることが確認された。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、図10に示すように、坩堝1の内側層2の上端部に径方向外側に延びるリング状のフランジ部22を形成し、外側層3が外気に露出することを防止するような構成とすることができる。この構成によると、高融点金属の溶解時において、カーボンや黒鉛などで構成される外側層3がバックサンド12に完全に埋設されるので、外側層3の酸化を防止することができる。
1 誘導加熱炉用坩堝
2 内側層
3 外側層
20 側壁部

Claims (4)

  1. 金属を誘導コイルからの誘導加熱により溶解する誘導加熱炉用坩堝であって、
    金属を収容する耐火物からなる容器状の内側層と、
    前記内側層の少なくとも側壁部を覆い、誘導加熱により発熱する発熱体からなる外側層と、を備え
    前記外側層は、前記内側層の外周面に黒鉛シート、炭素繊維ペーパー又は炭素繊維フェルトを貼り付ける、もしくは、カーボン及び黒鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を主に含むスラリーを前記内側層の外周面に塗布することによって形成される誘導加熱炉用坩堝。
  2. 前記耐火物が、二酸化珪素、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、炭化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を主に含む請求項1に記載の誘導加熱炉用坩堝。
  3. 前記外側層の電気比抵抗値が100×10−3Ωcm以下である請求項1又は2に記載の誘導加熱炉用坩堝。
  4. 前記外側層が、前記内側層の側壁部のみを覆う円筒状に形成されている請求項1〜のいずれかに記載の誘導加熱炉用坩堝。
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