JP2017227504A - 炉心槽の検査装置および検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原子炉の炉心槽の周方向に沿って延在する溶接ビードを検査するための装置は、前記溶接ビードを検出するためのビードセンサと、前記溶接ビードを撮像するための撮像ユニットと、前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットを支持するとともに、前記炉心槽の前記周方向に移動可能に構成されたキャリアと、前記ビードセンサによる前記溶接ビードの検出中において、前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットを前記炉心槽の軸方向に沿って移動させるように構成された第1アクチュエータと、前記撮像ユニットによる前記溶接ビードの撮像中において、前記ビードセンサによる前記溶接ビードの検出位置にて前記キャリアを前記周方向に移動させるように構成された第2アクチュエータと、備える。
【選択図】 図3
Description
また、炉心槽の検査においては、狭隘部における検査の実施も求められる場合があり、例えば特許文献2及び3では、狭隘部において溶接部を検査する方法が開示されている。この方法では、炉心槽の外周側に配置された熱遮へい体の上端部に沿って移動する走行ローラにファイバスコープ及びUTプローブを垂下させ、ファイバスコープによって溶接部の目視検査を行うと共に、UTプローブを用いて溶接部の非破壊検査を行うようになっている。
この点、特許文献1〜3においては、炉心槽の経年変化により溶接部の視認性が低下した場合において、撮像ユニットを用いた溶接部の検査を適切に行うための手法について開示がない。
原子炉の炉心槽の周方向に沿って延在する溶接ビードを検査するための装置であって、
前記溶接ビードを検出するためのビードセンサと、
前記溶接ビードを撮像するための撮像ユニットと、
前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットを支持するとともに、前記炉心槽の前記周方向に移動可能に構成されたキャリアと、
前記ビードセンサによる前記溶接ビードの検出中において、前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットを前記炉心槽の軸方向に沿って移動させるように構成された第1アクチュエータと、
前記撮像ユニットによる前記溶接ビードの撮像中において、前記ビードセンサによる前記溶接ビードの検出位置にて前記キャリアを前記周方向に移動させるように構成された第2アクチュエータと、
を備える。
また、ビードセンサ及び撮像ユニットの移動機構として、ビードセンサによる溶接ビードの検出中において、ビードセンサ及び撮像ユニットを軸方向に沿って移動させるように構成された第1アクチュエータと、撮像ユニットによる溶接ビードの撮像中において、ビードセンサによる溶接ビードの検出位置にてキャリアを周方向に移動させるように構成された第2アクチュエータと、を備えている。第1アクチュエータにより軸方向に移動されるビードセンサによって溶接ビードの高さ方向位置を検出し、その高さ方向位置において第2アクチュエータにより撮像ユニットをキャリアとともに周方向に移動させることによって、例えば炉心槽の水平方向に延在する溶接ビードのように、炉心槽に水平方向に沿って延在する長尺な溶接ビードを確実に検出し、適切に撮像することができる。
前記炉心槽の半径方向に関して位置決めされた状態で、前記周方向に沿って前記炉心槽に取り付けられた走行レールをさらに備え、
前記キャリアは、前記走行レールに沿って走行可能に構成される。
前記走行レールは、前記炉心槽の上部フランジに取り付けられている。
前記走行レールは、前記炉心槽に形成された複数の位置決め用の凸部又は凹部とそれぞれ嵌合可能な嵌合部を複数有する。
前記走行レールは、
前記周方向に連続した環状レール部と、
前記環状レール部に交差するように設けられた少なくとも一本のブリッジ部と、
を含む。
前記走行レールは、前記環状レール部又は前記ブリッジ部の少なくとも一方に設けられたリブをさらに含む。
前記環状レール部の中心上において前記少なくとも一本のブリッジ部に回動可能に一端が固定され、他端が前記キャリアに連結された走行ガイドロッドをさらに備える。
前記ビードセンサと、前記撮像ユニットと、前記キャリアの少なくとも一部とが、前記炉心槽の外周側に設けられた熱遮へい体と前記炉心槽との間の隙間内にアクセス可能に構成される。
前記検査装置は、前記隙間内の前記溶接ビードを検査するための狭隘部検査用キャリアと、前記熱遮へい体によって覆われていない領域における前記溶接ビードを検査するための非狭隘部検査用キャリアと、を含む複数の前記キャリア間で交換可能に構成される。
前記第1アクチュエータは、前記第2アクチュエータによる前記キャリアの移動中、前記炉心槽の外周側に設けられた熱遮へい体と前記炉心槽との間の隙間内における少なくとも一本のピンが位置する周方向位置範囲に前記撮像ユニットが差し掛かったとき、前記少なくとも一本のピンを前記撮像ユニットが回避するように前記撮像ユニットを前記軸方向に移動させるように構成される。
前記キャリアに取り付けられたカウンタウェイトをさらに備える。
前記ビードセンサは、前記撮像ユニットに対してずれた位置において前記キャリアに取り付けられている。
前記検査装置は、
前記ビードセンサに接続されるセンサ送りケーブルと、
前記撮像ユニットに接続される撮像ユニット送りケーブルと、をさらに備え、
前記キャリアは、前記センサ送りケーブル及び前記撮像ユニット送りケーブルが挿通されるガイド管を含み、
前記第1アクチュエータは、前記ガイド管内において前記センサ送りケーブル及び前記撮像ユニット送りケーブルを進退させて、前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットを前記軸方向に沿って移動させるように構成される。
前記ガイド管の先端部は、前記炉心槽の外周側に設けられた熱遮へい体と前記炉心槽との間の隙間内に挿入可能に構成されており、
前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットは、それぞれ、前記ガイド管内を延在する前記センサ送りケーブル及び前記撮像ユニット送りケーブルによって、前記ガイド管の前記先端部の下方に垂下されている。
原子炉の炉心槽の周方向に沿って延在する溶接ビードを検査する方法であって、
ビードセンサを前記炉心槽の軸方向に移動させながら、前記ビードセンサにより前記溶接ビードを検出するステップと、
前記ビードセンサによる前記溶接ビードの検出位置にて撮像ユニットを前記周方向に移動させながら、前記撮像ユニットにより前記溶接ビードを撮像するステップと、
を備える。
また、炉心槽の軸方向に移動させたビードセンサによって溶接ビードの高さ方向位置を検出し、その高さ方向位置において撮像ユニットを周方向に移動させて撮像することによって、例えば炉心槽の水平方向に延在する溶接ビードのように、炉心槽に水平方向に沿って延在する長尺な溶接ビードを確実に検出し、適切に撮像することができる。
具体的には、原子炉容器2は、原子炉容器本体3と、原子炉容器本体3と、開閉可能な原子炉容器蓋(上鏡)4とを含む。
原子炉容器本体3は、下部が半球形状をなす下鏡5により閉塞された円筒形状となっている。そして、原子炉容器本体3は、上部に一次冷却水としての軽水(冷却材)を供給する冷却材入口部(入口管台)6と、軽水を排出する冷却材出口部(出口管台)7とが形成されている。また、原子炉容器本体3は、冷却材入口部6及び冷却材出口部7とは別に、図示しない注水ノズル(注水管台)が形成されている。
炉心13の内部には、多数の燃料集合体15及び多数の制御棒16が配置されている。多数の制御棒16は、上端部がまとめられて制御棒クラスタ17となり、燃料集合体15内に挿入可能となっている。上部炉心支持板8には、該上部炉心支持板8を貫通するように、多数の制御棒クラスタ案内管18が固定されている。各制御棒クラスタ案内管18は、下端部が燃料集合体15内の制御棒クラスタ17まで延出されている。
具体的には、炉心槽30は、上部フランジ31を備えた上部構造部32と、燃料集合体15(図1参照)と対向する円筒形状の胴部33と、を含む。
炉心槽30の底面には、上述したように燃料集合体15(図1参照)の荷重を支持する下部炉心支持板9(図1参照)が連結される。
また、例えば、上部構造部32および円筒体33A,33Bのそれぞれが板材を曲げ加工して円筒状に成形されている場合、炉心槽30には、鉛直方向の溶接ビード36A〜36Cも形成されている。なお、図2に示す例では、溶接ビード36A〜36Cの周方向位置が互いにずれているが、溶接ビード36A〜36Cの周方向位置は一致していてもよい。
なお、図3は、検査装置50のうちビードセンサ52及び撮像ユニット54の周辺構造を示すために熱遮へい体40を部分的に切り開いて部分断面斜視図として示している。また、図6は、後述するラック72を示すためにガイド管71を量略している。図7は、図4のC部(ビードセンサ52及び撮像ユニット54)を、炉心槽30側から視た図である。
撮像ユニット54は、溶接ビード35A〜35Cを撮像するように構成される。すなわち、撮像ユニット54は、溶接ビード35A〜35Cを含む炉心槽30の検査領域の画像を取得するように構成される。撮像ユニット54で撮像された溶接ビード35A〜35Cの画像は、目視検査に用いられたり、画像分析に用いられたりする。
第1アクチュエータ56は、ビードセンサ52による溶接ビード35A〜35Cの検出中において、ビードセンサ52及び撮像ユニット54を軸方向に沿って移動させるように構成される。
第2アクチュエータ58は、撮像ユニット54による溶接ビード35A〜35Cの撮像中において、ビードセンサ52による溶接ビード35A〜35Cの検出位置にてキャリア70を周方向に移動させるように構成される。
なお、キャリア70、第1アクチュエータ56及び第2アクチュエータ58の具体的な構成については後述する。
また、キャリア70の移動機構として、ビードセンサ52による溶接ビード35A〜35Cの検出中において、ビードセンサ52及び撮像ユニット54を軸方向に沿って移動させるように構成された第1アクチュエータ56と、撮像ユニット54による溶接ビード35A〜35Cの撮像中において、ビードセンサ52による溶接ビード35A〜35Cの検出位置にてキャリア70を周方向に移動させるように構成された第2アクチュエータ58と、を備えている。第1アクチュエータ56により軸方向に移動されるビードセンサ52によって溶接ビード35A〜35Cの高さ方向位置を検出し、その高さ方向位置において第2アクチュエータ58により撮像ユニット54を周方向に移動させることによって、例えば炉心槽30の水平方向に延在する溶接ビード35A〜35Cのように、炉心槽30に水平方向に沿って延在する長尺な溶接ビード35A〜35Cを確実に検出し、適切に撮像することができる。
この構成によれば、炉心槽30の半径方向に関して位置決めされた状態で、周方向に沿って炉心槽に取り付けられた走行レール60を備えているので、この走行レール60に沿ってキャリア70を正確に移動させることができる。
例えば、炉心槽30の検査を水中にて行う場合、検査用プールの上方から走行レール60の脱着を行うことができるため、走行レール60の取り付け又は取り外し作業が簡便となる。また、通常、炉心槽30の上部フランジ31は概ね正確に水平方向に延在しているため、これに沿わせることで走行レール60を水平方向に沿って適正に設置することができる。
このように、走行レール60の設置時、炉心槽30(図3参照)の凸部又は凹部と走行レール60の嵌合部61とを嵌合させることによって、炉心槽30(図3参照)に対して走行レール60を正確に位置決めすることができる。これにより、キャリア70やビードセンサ52及び撮像ユニット54(何れも図3参照)を適正に移動させることができる。
具体的には、環状レール部62は、炉心槽30の上部フランジ31に沿って正円形状をなす環状に形成されている。ブリッジ部63は、端部が環状レール部62に接続され、環状レール部62の内周側において直線状に延設されている。一実施形態では、少なくとも一本のブリッジ部63は、炉心槽30の中心軸Oから環状レール部62へ向けて放射状に配置された複数本(図示される例では4本)のブリッジ部63を含む。
このように、環状レール部62に交差するように少なくとも一本のブリッジ部63が設けられているので、環状レール部62の強度を確保でき、キャリア70の移動時においても環状レール部62を安定的に支持できる。
これにより、環状レール部62の強度をより一層向上させることができるので、キャリア70やビードセンサ52及び撮像ユニット54(何れも図3参照)の荷重を受けても環状レール部62が撓んでしまうことを防止でき、キャリア70(図3参照)を適正に移動させることができる。
これにより、キャリア70を炉心槽30の半径方向に関して正確に位置決めすることができ、キャリア70を環状レール部62において適正に移動させることができる。
固定フレーム79には、第1アクチュエータ56及び第2アクチュエータ58が取り付けられている。
ガイド管71は、鉛直方向に延設されており、その上部で固定フレーム79に取り付けられている。また、ガイド管71は中空構造を有し、ガイド管71の内部をビードセンサ52及び撮像ユニット54が通過可能になっている。図7に示すように、ビードセンサ52はセンサ送りケーブル53に接続されており、撮像ユニット54は撮像ユニット送りケーブル55に接続されている。センサ送りケーブル53及び撮像ユニット送りケーブル55は、それぞれ、ガイド管71内に挿通されている。センサ送りケーブル53及び撮像ユニット送りケーブル55は、それぞれ、第1アクチュエータ56によってガイド管71内を軸方向に沿って進退するようになっている。こうして、第1アクチュエータ56によって、各送りケーブル53,55に接続されたビードセンサ53及び撮像ユニット54がそれぞれ軸方向に移動可能に構成されている。このように、ガイド管71に挿通された送りケーブル53,55を介してビードセンサ52及び撮像ユニット54を軸方向に移動可能とすることで、ビードセンサ52及び撮像ユニット54から離れた場所に第1アクチュエータ56に配置することができる。このため、ビードセンサ52及び撮像ユニット54の近傍の狭隘なスペースではなく、図3に示すように、比較的スペースを確保しやすい炉心槽30の上方空間を利用して第1アクチュエータ56を設置することが可能となる。
これにより、炉心槽30と熱遮へい体40との間の狭隘部における溶接ビード35A〜35Cを確実に検出し、溶接ビード35A〜35Cを適切に撮像することができる。
これにより、検査装置50による検査の事前準備として、第1アクチュエータ56によってビードセンサ52及び撮像ユニット54を軸方向沿って環状隙間内まで移動させる際、ビードセンサ52及び撮像ユニット54の環状隙間内に侵入させるのが容易になる。
このように、狭隘部検査用キャリアと非狭隘部検査用キャリアを含む複数種のキャリア70を交換可能とすることにより、検査する対象部位によって適切なキャリア70を選択することで、炉心槽30の大部分の領域を適切に検査することができる。
なお、ガイド管71の長さは、ガイド管71の先端がピン45よりも上方に位置するように設定されていることが好ましい。この場合、キャリア70を周方向に移動させてもガイド管71とピン45とが干渉することはないため、第1アクチュエータ56によってビードセンサ52及び撮像ユニット54のみを上昇させてピン45を回避すれば足りる。
図示される実施形態では、ビードセンサ52と撮像ユニット54は、水平方向にずれた位置において固定材76に取り付けられている。
図示しない他の実施形態では、ビードセンサ52と撮像ユニット54は、鉛直方向にずれた位置、又は、水平方向及び鉛直方向にずれた位置において、固定材76に取り付けられていてもよい。
この構成によれば、ビードセンサ52と撮像ユニット54の位置を異ならせているため、それぞれの角度を調節することによって、略同一の面を監視(検出又は撮像)することができる。
溶接ビード35A〜35Cの検出時または撮像時においては、ビードセンサ52及び撮像ユニット54の重心が、走行レール60とキャリア70との接点である支持点Pから離れて位置する。そのため、カウンタウェイト78によりキャリア70における重量バランスを調節することによって、安定してキャリア70を移動させることができる。
具体的には、上述したようにガイド管71が、第1直線部71Aと屈曲部71Bと第2直線部71Cとを含む場合、キャリア70の走行レール60への支持点Pに対してビードセンサ52及び撮像ユニット54の荷重によってガイド管71の下端には外周側へ向かうモーメントM1が作用する。そこで、ビードセンサ52及び撮像ユニット54よりも外周側にカウンタウェイト78を設けることによって内周側へ向かうモーメントM2が発生し、これらのモーメントM1,M2が釣り合うので、ガイド管71を鉛直姿勢に安定して保持することができる。
幾つかの実施形態において、炉心槽30の検査方法は、原子炉1(図1参照)の炉心槽30の周方向に沿って延在する溶接ビード35A〜35C(図9では35Cは省略)を検査する方法であって、ビードセンサ52を炉心槽30の軸方向に移動させながら、ビードセンサ52により溶接ビード35A〜35Cを検出するステップと、ビードセンサ52による溶接ビード35A〜35Cの検出位置にて撮像ユニット54を周方向に移動させながら、撮像ユニット54により溶接ビード35A〜35Cを撮像するステップと、を備える。
また、炉心槽30の軸方向に移動させたビードセンサ52によって溶接ビード35A〜35Cの高さ方向位置を検出し、その高さ方向位置において撮像ユニット54を周方向に移動させて撮像することによって、例えば炉心槽30の水平方向に延在する溶接ビード35A〜35Cのように、炉心槽30に水平方向に沿って延在する長尺な溶接ビード35A〜35Cを確実に検出し、適切に撮像することができる。
この検査方法では、原子炉2(図1参照)から取り出した炉心槽30を直立姿勢の状態として溶接ビード35A〜35C(図9では35Cは省略)を検査する。
最初に、図9(a)に示すように、炉心槽30の上部フランジ31に対して、走行レール60を取り付ける。このとき、図4に示したように走行レール60の嵌合部61を炉心槽30の上部フランジ31の凹部又は凸部に嵌合させて、位置決めしてもよい。
次に、図9(b)に示すように、キャリア70を走行レール60の環状レール部62に取り付ける。このとき、ビードセンサ52及び撮像ユニット54を熱遮へい体40よりも上方に位置させておく。
炉心槽30の全周に亘って連続的または断続的に溶接ビード35A〜35Cを検査した後、他の溶接ビード35A〜35Cを検査する場合には、再度、ビードセンサ52によって溶接ビード35A〜35Cの高さ方向位置を検出して撮像ユニット54により溶接ビード35A〜35Cの撮像を行う。溶接ビード35A〜35Cの検査を終了する際には、第1アクチュエータ56を駆動して、ビードセンサ52及び撮像ユニット54を上方に移動させた後、キャリア70および走行レール60を炉心槽30から順に取り外す。
また、上記実施形態では、図3に示すように炉心槽30の外周面における溶接ビード35A〜35Cを検査する構成について説明したが、炉心槽30の内周面における溶接ビードを検査するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、図3に示すように、炉心槽30と熱遮へい体40との間の隙間において検査を実施する場合について説明したが、熱遮へい体40が存在しない場合、あるいは熱遮へい体40で覆われていない検査対象においても適用できる。
さらにまた、上記実施形態では、図2に示すように原子炉1が加圧水型原子炉である場合について説明したが、他の実施形態では、原子炉1は沸騰水型原子炉であってもよい。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 原子炉容器
13 炉心
15 燃料集合体
16 制御棒
30 炉心槽
31 上部フランジ
32 上部構造部
33 胴部
33A,33B 円筒体
35A〜35C,36A〜36C 溶接ビード
40 熱遮へい体
45 ピン
50 検査装置
52 ビードセンサ
53 センサ送りケーブル
54 撮像ユニット
55 撮像ユニット送りケーブル
56 第1アクチュエータ
58 第2アクチュエータ
60 走行レール
61 嵌合部
62 環状レール部
63 ブリッジ部
65 リブ
67 走行ガイドロッド
70 キャリア
71 ガイド管
71A 第1直線部
71B 屈曲部
71C 第2直線部
72 ラック
73 ピニオン
74 反力受け部
75 車輪
76 固定材
78 カウンタウェイト
79 固定フレーム
Claims (15)
- 原子炉の炉心槽の周方向に沿って延在する溶接ビードを検査するための装置であって、
前記溶接ビードを検出するためのビードセンサと、
前記溶接ビードを撮像するための撮像ユニットと、
前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットを支持するとともに、前記炉心槽の前記周方向に移動可能に構成されたキャリアと、
前記ビードセンサによる前記溶接ビードの検出中において、前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットを前記炉心槽の軸方向に沿って移動させるように構成された第1アクチュエータと、
前記撮像ユニットによる前記溶接ビードの撮像中において、前記ビードセンサによる前記溶接ビードの検出位置にて前記キャリアを前記周方向に移動させるように構成された第2アクチュエータと、
を備えることを特徴とする炉心槽の検査装置。 - 前記炉心槽の半径方向に関して位置決めされた状態で、前記周方向に沿って前記炉心槽に取り付けられた走行レールをさらに備え、
前記キャリアは、前記走行レールに沿って走行可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の炉心槽の検査装置。 - 前記走行レールは、前記炉心槽の上部フランジに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記走行レールは、前記炉心槽に形成された複数の位置決め用の凸部又は凹部とそれぞれ嵌合可能な嵌合部を複数有することを特徴とする請求項2又は3に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記走行レールは、
前記周方向に連続した環状レール部と、
前記環状レール部に交差するように設けられた少なくとも一本のブリッジ部と、
を含むことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の炉心槽の検査装置。 - 前記走行レールは、前記環状レール部又は前記ブリッジ部の少なくとも一方に設けられたリブをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記環状レール部の中心上において前記少なくとも一本のブリッジ部に回動可能に一端が固定され、他端が前記キャリアに連結された走行ガイドロッドをさらに備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記ビードセンサと、前記撮像ユニットと、前記キャリアの少なくとも一部とが、前記炉心槽の外周側に設けられた熱遮へい体と前記炉心槽との間の隙間内にアクセス可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記検査装置は、前記隙間内の前記溶接ビードを検査するための狭隘部検査用キャリアと、前記熱遮へい体によって覆われていない領域における前記溶接ビードを検査するための非狭隘部検査用キャリアと、を含む複数の前記キャリア間で交換可能に構成されたことを特徴とする請求項8に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記第1アクチュエータは、前記第2アクチュエータによる前記キャリアの移動中、前記炉心槽の外周側に設けられた熱遮へい体と前記炉心槽との間の隙間内における少なくとも一本のピンが位置する周方向位置範囲に前記撮像ユニットが差し掛かったとき、前記少なくとも一本のピンを前記撮像ユニットが回避するように前記撮像ユニットを前記軸方向に移動させるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記キャリアに取り付けられたカウンタウェイトをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記ビードセンサは、前記撮像ユニットに対してずれた位置において前記キャリアに支持されたことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の炉心槽の検査装置。
- 前記ビードセンサに接続されるセンサ送りケーブルと、
前記撮像ユニットに接続される撮像ユニット送りケーブルと、をさらに備え、
前記キャリアは、前記センサ送りケーブル及び前記撮像ユニット送りケーブルが挿通されるガイド管を含み、
前記第1アクチュエータは、前記ガイド管内において前記センサ送りケーブル及び前記撮像ユニット送りケーブルを進退させて、前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットを前記軸方向に沿って移動させるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の炉心槽の検査装置。 - 前記ガイド管の先端部は、前記炉心槽の外周側に設けられた熱遮へい体と前記炉心槽との間の隙間内に挿入可能に構成されており、
前記ビードセンサ及び前記撮像ユニットは、それぞれ、前記ガイド管内を延在する前記センサ送りケーブル及び前記撮像ユニット送りケーブルによって、前記ガイド管の前記先端部の下方に垂下されていることを特徴とする請求項13に記載の炉心槽の検査装置。 - 原子炉の炉心槽の周方向に沿って延在する溶接ビードを検査する方法であって、
ビードセンサを前記炉心槽の軸方向に移動させながら、前記ビードセンサにより前記溶接ビードを検出するステップと、
前記ビードセンサによる前記溶接ビードの検出位置にて撮像ユニットを前記周方向に移動させながら、前記撮像ユニットにより前記溶接ビードを撮像するステップと、
を備えることを特徴とする炉心槽の検査方法。
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---|---|---|---|
JP2016122717A JP6672086B2 (ja) | 2016-06-21 | 2016-06-21 | 炉心槽の検査装置および検査方法 |
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