JP2017226776A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 高いガスバリア性と接着強度を兼ね備えた兼ね備える積層フィルムを提供する。【解決手段】 基材フィルムの少なくとも一方の面に被覆層を有する積層フィルムであって、前記基材フィルムがプロピレン系重合体から主としてなる配向フィルムであり、前記被覆層がジイソシアネート成分がキシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成される水分散性のポリウレタン樹脂と無機層状粒子とを少なくとも含み、前記積層フィルムの120℃における基材フィルムの熱収縮率Aと積層フィルムの熱収縮率Bの差(A−B)がMD方向、TD方向、共に0.3%以上、3.0%以下であることを特徴とする積層フィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、積層フィルムに関する。更に詳しくは、製造上、及び、廃棄時の環境負荷が少なく、かつ、高湿度環境下における優れたガスバリア性と包装用材料として十分な接着強度の両方を兼ね備える積層フィルムに関する。
食品、医薬品、工業製品等に用いられる包装材料は、蛋白質、油脂の酸化抑制、味、鮮度の保持、医薬品の効能維持等のために、酸素や水蒸気などのガスを遮断する性質、すなわちガスバリア性を備えることが求められている。また、太陽電池や有機EL等の電子デバイスや電子部品等に使用されるガスバリア性材料は、食品等の包装材料以上に高いガスバリア性を必要とすることが多い。
そのうち、ポリプロピレンフィルムは食品や様々な商品の包装用、電気絶縁用、表面保護フィルムなど広範囲な用途で汎用的に用いられる。このポリプロピレンフィルムを用いることで同材料の特性により、例えばナイロン6などからなるポリアミドフィルムやポリエチレンテレフタレートなどからなるポリエステルフィルムと比べ、高い水蒸気バリア性を発現することが可能である。しかし、ポリプロピレンフィルムには、一般的なポリアミドフィルムやポリエステルフィルムに比べて酸素バリア性が低いという問題点があった。
従来より、ポリプロピレンフィルムに、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリルなど一般に酸素バリア性が比較的高いと言われる高分子樹脂組成物を積層させたフィルムが使用されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリルは、湿度依存性が低く、良好なガスバリア性を示すが、廃棄・焼却の際に有害物質が発生する危険性が高いという問題があった。
また、ポリプロピレンフィルムにポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体など酸素バリア性が比較的高いと言われる高分子樹脂組成物を積層させたフィルムが使用されてきた(例えば、特許文献2,3参照。)。
しかしながら、上記のポリビニルアルコールやエチレンビニルアルコール共重合体の高分子樹脂組成物を積層させたフィルムは湿度依存性が大きいため、高湿下においてガスバリア性の低下が見られるという問題があった。
ビニルアルコール系樹脂にシランカップリング剤とを含有する樹脂層を基材フィルムに積層させたフィルムが提案されている。この場合、ビニルアルコール系樹脂がシランカップリング剤により架橋しているため、湿度依存性が低く、良好なガスバリア性を示す(例えば、特許文献4、5参照。)。
しかしながら、これらの積層フィルムでは、架橋させるためには十分な加熱処理が必要で、基材であるポリプロピレンフィルムの機械特性の劣化や加工時の熱ジワにより包装材料として十分な特性を満足できなかった。また、加工時の加熱処理の際、たくさんのエネルギーが必要なため、環境負荷の観点でも好ましくなかった。
ポリビニルアルコールに特定の粒径およびアスペクト比の無機層状粒子を含有する樹脂層を積層させたフィルムが提案されている。この場合、樹脂層中に分散して存在する無機層状粒子によって気体分子の迂回効果が生じ、良好なガスバリア性を示す(例えば、特許文献6参照。)。
しかしながら、これらの積層フィルムは、無機層状粒子がポリプロピレンフィルムとの接着性を阻害し、ラミネート強度が低下し、十分満足できる性能は得られていなかった。
ウレタン樹脂を含有する樹脂層を積層させたフィルムが提案されている。この場合、ウレタン基やウレア基を含有するため、基材に対する接着性が良好である(例えば、特許文献7参照。)。
しかしながら、これらの積層フィルムは、前記のポリ塩化ビニリデン樹脂積層ポリプロピレンフィルムに比べガスバリア性が劣り、十分満足できる性能は得られていなかった。
また、基材フィルム層とウレタン樹脂に無機層状粒子を含有させた樹脂層とを有するガスバリア性複合フィルムが提案されている。この場合、良好なガスバリア性を示したが、無機層状粒子が基材フィルムとの接着性を阻害し、ラミネート強度が低下し、十分満足できる性能は得られていなかった(例えば、特許文献8参照。)。
樹脂基材フィルムと、水性ポリウレタン樹脂、無機層状粒子、ポリビニルアルコール樹脂及び硬化剤からなる皮膜とを備えるガスバリア性フィルムが提案されている。この場合、ポリビニルアルコール樹脂と硬化剤による架橋により、樹脂層の凝集強度を向上し、基材フィルムとの接着性向上を示す(例えば、特許文献9参照。)。
しかしながら、ガスバリア性に対する湿度依存性の大きいポリビニルアルコール樹脂や、ガスバリア性を阻害する架橋剤を含有するため、十分なガスバリア性を満足することが出来ない。また、ポリプロピレンを基材とした場合、経時により生じる基材伸縮等の寸法変化により、ガスバリア性の劣化やラミネート強度低下が見られ、十分な基材との接着性を満足することが出来ない問題点があった。
つまり、上記従来技術は、ポリプロピレンフィルムを基材フィルムとした場合、積層フィルム製造時の基材フィルムの機械特性の劣化や熱ジワが少ないことや、湿度依存性や経時劣化が極めて小さい優れたガスバリア性と基材フィルムに対する十分な接着性を両方の特性を同時に満足するような積層フィルムを提供するものではなかった。
特開2003−231221号公報 特開2000−52501号公報 特開平4−359033号公報 特開平4−345841号公報 特開2006−95782号公報 特開平7−251475号公報 特開2005−139435号公報 特開2001−98047号公報 特開2015−85546号公報
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、高湿度環境下に対して優れたガスバリア性と被膜層の基材フィルムに対する十分な接着強度の両方を兼ね備える積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するため、鋭意研究した結果、ついに本発明を完成するに到った。即ち、本発明は、以下の通りである。
第1の発明は、基材フィルムの少なくとも一方の面に被覆層を有する積層フィルムであって、前記基材フィルムがプロピレン系重合体から主としてなる配向フィルムであり、前記被覆層がジイソシアネート成分がキシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成される水分散性のポリウレタン樹脂と無機層状粒子とを少なくとも含み、前記積層フィルムの120℃における基材フィルムの熱収縮率Aと積層フィルムの熱収縮率Bの差(A−B)がMD方向、TD方向、共に0.3%以上、3.0%以下であることを特徴とする積層フィルムである。
第2の発明は、前記基材フィルムが以下の要件(a)〜(c)を満たすプロピレン系重合体から主としてなる配向フィルムであり、かつ、以下の要件(d)を満たす第1の発明に記載の積層フィルムである。
(a)メソペンタッド分率が96%以上
(b)プロピレン以外のコモノマー含有量が0.5モル%以下
(c)メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上、20g/10分以下
(d)広角X線散乱法により測定されるポリプロピレンのα型結晶の110面の散乱強度を方位角に対してプロットした時の最大ピークの半値幅が30度以下
第3の発明は、前記基材フィルムの小角X線散乱法により測定される主たる配向方向の長周期散乱ピークから求められる長周期サイズが40nm以上である第1または第2の発明のいずれかに記載の積層フィルムである。
第4の発明は、前記無機層状粒子の平均粒径が2.0μm以上、6.5μm以下であり、無機層状粒子の含有量が4質量%以上、20質量%以下である第1〜3の発明のいずれかに記載の積層フィルムである。
第5の発明は、前記積層フィルムの120℃におけるMD方向、及び、TD方向の熱収縮率が共に1.0%以下である第1〜4の発明のいずれかに記載の積層フィルムである。
第6の発明は、前記積層フィルムのヘーズが5.0%以下である第1〜5の発明のいずれかに記載の積層フィルムである。
第7の発明は、第1〜6の発明に記載の積層フィルムの製造方法であって、ジイソシアネート成分がキシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成される水分散性のポリウレタン樹脂と無機層状粒子と溶媒とを少なくとも含む塗布液をプロピレン系重合体配向フィルムに塗布し塗布層を形成する工程、その後、プロピレン系重合体配向フィルムの張力を30N/m以上、150N/m以下、かつプロピレン系重合体配向フィルムの温度60℃以上、150℃以下の範囲の条件に維持した状態で塗布層に含まれる溶媒を揮散させて被覆層を形成する工程、を有することを特徴とする積層フィルムの製造方法である。
第8の発明は、前記第1〜6の発明のいずれかに記載の積層フィルムの被覆層上に接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次積層した積層体である。
第9の発明は、前記第1〜6の発明のいずれかに記載の積層フィルムからなる積層フィルムロールである。
第10の発明は、第9の発明に記載の積層フィルムロールの製造方法であって、ジイソシアネート成分がキシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成される水分散性のポリウレタン樹脂と無機層状粒子と溶媒とを少なくとも含む塗布液をプロピレン系重合体配向フィルムに塗布し塗布層を形成する工程、その後、プロピレン系重合体配向フィルムの張力を30N/m以上、150N/m以下、かつプロピレン系重合体配向フィルムの温度60℃以上、150℃以下の範囲の条件に維持した状態で塗布層に含まれる溶媒を揮散させて被覆層を形成する工程、及び被覆層が形成された積層フィルムを巻き取る工程、を有すること特徴とする積層フィルムロールの製造方法である。
本発明の積層フィルムは、高湿度環境下 における優れたガスバリア性と十分な接着強度の両方の特性を有する。本願発明は高いガスバリア性と、被膜層の基材フィルムに対する優れた接着強度 を備える為、食品、医薬品、工業製品の包装材料などに好適に使用しうる。
実施例1、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、比較例3におけるMD方向の熱収縮率差(A−B)と無機層状粒子含有量の関係 実施例1、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、比較例3におけるMD方向の熱収縮率差(A−B)と酸素透過度の関係 実施例1、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、比較例3におけるMD方向の熱収縮率差(A−B)とラミネート強度の関係 実施例1、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、比較例3におけるMD方向の熱収縮率差Bと無機層状粒子の含有量の関係
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層フィルムでは、積層フィルムの120℃におけるMD方向、及び、TD方向の熱収縮率において、基材フィルムの熱収縮率Aと積層フィルムの熱収縮率Bの差(A−B)が共に0.3%以上3.0%以下であることが重要である。さらに下限は0.5%以上、上限は1.0%以下であることが好ましい。
この熱収縮率(A−B)が0.3%より小さい場合、被覆層に水分子が侵入することで生じる酸素分子が通過できる間隙を抑制することができず、高湿度環境下での酸素バリア性が十分に発現しない。
ここで、MD方向とは、フィルムの流れ方向(長さ方向または長手方向と言うこともある)であり、TD方向とは、フィルムの流れ方向に垂直な方向(横方向または幅方向と言うこともある)である。
従来、高湿度環境下での酸素バリア性を向上させる点からは架橋構造を積極的に導入することが望ましいを考えられていたが、本発明では基材フィルムの熱収縮率Aと積層フィルムの熱収縮率Bの差(A−B)上記範囲とすることにより、酸素高湿度環境下でのバリア性が向上することを見出した。熱収縮率差(A−B)に対する被覆層の影響については、発明者は以下のように考えている。
被覆層の形成過程において、基材フィルムおよび被覆層に生じる収縮応力について考察した。基材フィルムに被覆層を形成する過程で加えられる熱により、基材フィルムには収縮応力が働く。被覆層が基材フィルムに比べて柔軟であれば、被覆層による基材フィルムの収縮に対する抑制効果は小さいので、被覆層形成後の基材フィルムの残留応力は小さく、よって熱収縮率差(A−B)も小さくなる。一方、被覆層に無機層状粒子が配合されていると、被覆層の弾性率が高くなり、被覆層による基材フィルムの収縮に対する抑制効果が大きいので、被覆層形成後の基材フィルムの残留応力は大きく、よって熱収縮率差(A−B)も大きくなるものと推定している。
熱収縮率差(A−B)を特定の範囲に制御することにより、高湿度環境下でのガスバリア性の低下を軽減している理油については、大きいほど、被覆層を構成する樹脂と無機層状粒子との界面に存在する、被覆層に侵入した大気中の水分子により生じた酸素分子が通過できる分子レベルの間隙が小さくなるものと推定している。
一方、熱収縮率差(A−B)が3.0%を超える場合、基材フィルムと被覆層の界面で生じる収縮応力差が大きくなるため、ラミネート強度の低下を生じる。
本発明の積層フィルムでは、積層フィルムの120℃におけるMD方向、及び、TD方向の熱収縮率において、積層フィルムの熱収縮率Bが共に1.0%以下であることが好ましい。熱収縮率Bが1.0%を超えると、印刷層やラミネート層を積層時での乾燥工程の場合や、包装材料として用いる際の袋体加工時の加熱工程時の場合に、積層フィルムが収縮し、加工性の低下や包装材料としての品位を損ねることがある。
本発明の積層フィルムは、ガスバリア性に優れる。具体的には、酸素透過度(OTR)が150ml/m・day・MPa以下、かつ、水蒸気透過度(WVTR)が5.0g/m・day以下が好ましい。さらには酸素透過度(OTR)が100ml/m・day・MPa以下、特には50ml/m・day・MPa以下が好ましく、さらには水蒸気透過度(WVTR)が4.5g/m・day以下、特には4.0g/m・dayであることが好ましい。ここで酸素透過度(OTR)は、JIS K7126−2A法に準じて、20℃、80%RHの条件下で測定した値である。また、水蒸気透過度(WVTR)は、JIS K7129−B法に準じて、40℃、90%RHの条件下で測定した値である。
本発明の積層フィルムは、ラミネート接着強度に優れる。具体的には、ラミネート強度が2.0N/15mm巾以上であることが好ましく、さらに2.5N/15mm以上であることが特に好ましい。ラミネート強度が2.0N/15mm巾未満の場合、包装材料として使用の際、積層フィルムが剥がれ、内容物の保護が十分にできない場合がある。本発明におけるラミネート強度の評価は、以下のようにして行なった。積層フィルムの被覆層上に、ドライラミネーション加工により、ウレタン系2液硬化型接着剤(三井化学社製「タケラックA525S」と「タケネートA50」を13.5:1(質量比)の割合で配合)を介して、厚さ30μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「P1128」)を貼り合わせ、40℃にて4日間エージングを施すことにより、評価用の積層体を得た。なお、ウレタン系2液硬化型接着剤で形成される接着剤層の乾燥後の厚みはいずれも約4μmであった。得られたラミネート積層体を幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、テンシロン万能材料試験機(東洋ボールドウイン社製「テンシロンUMT−II−500型」)を用いてラミネート強度(常態)を測定した。なお、ラミネート強度の測定時の引張速度は200mm/分、引張方向は90°剥離とした。
本発明の積層フィルムは、包装材料として用いる際、内容物の視認性の観点より、透明性があることが好ましい。具体的には、ヘーズが5.0%以下であることが好ましく、より好ましくは4.0%以下である。ここでヘーズの評価はJIS K7136に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
以下に本発明の構成要素をそれぞれ説明する。
(被覆層)
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に直接被覆層が積層されたものである。本発明において被覆層とは、基材フィルムよりも優れた酸素ガスバリア性を有し、かつ、前記基材フィルム、及び、前記被覆層上に積層されるインキ層や接着層などとの優れた接着性を有する層である。被覆層を有することにより、本発明の積層フィルムは酸素透過度(OTR)が150ml/m2・day・MPa以下、かつ、水蒸気透過度(WVTR)が5.0g/m2・day以下のガスバリア性を有し、かつ、ラミネート強度が2.0N/15mm巾以上の接着強度を有し、例えば食品や医薬品、工業製品などの包装材料として好適に用いることができる。
(ポリウレタン樹脂)
本発明に用いられる被覆層は、ジイソシアネート成分がキシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成される、水分散性のポリウレタン樹脂を主成分とすることが重要である。このポリウレタン樹脂は、ポリ塩化ビニリデン樹脂のように廃棄・焼却の際に有害物質が発生する危険性が少なく、また、基材フィルム及び被覆層上に積層されるインキ層や接着層などとの優れた接着性を有することができ好適である。
本発明における被覆層に用いられるポリウレタン樹脂は、構成成分として、少なくともポリオール成分、ポリイソシアネート成分を含み、さらに必要に応じて鎖延長剤を含む。本発明におけるポリウレタン樹脂は、これら構成成分が主としてウレタン結合により共重合された高分子化合物である。
ポリオール成分としては、多価カルボン酸(例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等)の反応から得られるポリエステルポリオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等ポリエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類やポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類などが挙げられる。なかでも、低分子量のポリオール成分を用いることでウレタン基比率が増加し、水素結合による凝集力が向上するため、バリア性が向上する。
本発明における被覆層に用いられるポリウレタン樹脂の構成成分であるジイソシアネート成分としては、キシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成されることが重要である。前記ジイソシアネート成分で構成されることで、被覆層のガスバリア性が向上する。また、環状部に置換基を有する場合には、芳香環や脂環の側鎖は短鎖である方が好ましい。また、ジイソシアネート成分は対称性を有する方が凝集力が向上するため、より好ましい。
本発明における被覆層に用いられるポリウレタン樹脂の構成成分であるジイソシアネート成分は、基材フィルム及び被覆層上に積層されるインキ層や接着層との接着性の向上などを目的に、本発明の目的を損なわない範囲において、キシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種のジイソシアネート以外に、ポリイソシアネート成分を含有させても良い。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、あるいはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリメチロールプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネート類が挙げられる。
本発明に用いられる被覆層は、製造時の環境負荷低減の観点から、水系の塗布液を用いることが好ましい。そのため、本発明のポリウレタン樹脂は水分散性であることが望ましい。なお、前記の「水分散性」とは、水、または水溶性の有機溶剤を50質量%未満含む水溶液に対してエマルジョンを形成し、溶媒中に分散することを意味する。
本発明における被覆層に用いられるポリウレタン樹脂に水溶性を付与させるためには、ウレタン分子骨格中にスルホン酸(塩)基又はカルボン酸(塩)基を導入(共重合)することができる。スルホン酸(塩)基は強酸性であり、その吸湿性能により耐湿性を維持するのが困難な場合があるので、弱酸性であるカルボン酸(塩)基を導入するのが好適である。また、ポリオキシアルキレン基などのノニオン性基を導入することもできる。
ポリウレタン樹脂にカルボン酸(塩)基を導入するためには、例えば、ポリオール成分として、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などのカルボン酸基を有するポリオール化合物を共重合成分として導入し、塩形成剤により中和する。塩形成剤の具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミンなどのトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのN−アルキルモルホリン類、N−ジメチルエタノールアミン、N−ジエチルエタノールアミンなどのN−ジアルキルアルカノールアミン類が挙げられる。これらは単独で使用できるし、2種以上併用することもできる。
水溶性を付与するために、カルボン酸(塩)基を有するポリオール化合物を共重合成分として用いる場合は、ポリウレタン樹脂中のカルボン酸(塩)基を有するポリオール化合物の組成モル比は、ポリウレタン樹脂の全ポリイソシアネート成分を100モル%としたときに、3〜60モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることが好ましい。前記組成モル比が3モル%未満の場合は、水分散性が困難になる場合がある。また、前記組成モル比が60モル%を超える場合は、耐水性が低下し、高湿度環境下にガスバリア性が低下する場合がある。
本発明における被覆層に用いられるポリウレタン樹脂は、基材フィルム、及び、前記被覆層上に積層されるインキ層や接着層などとの接着性を向上させるために2種類以上含有させても良い。
基材フィルム、及び、前記被覆層上に積層されるインキ層や接着層との接着性を向上などを目的に本発明の目的を損なわない範囲において、本発明における被覆層には、ポリウレタン樹脂以外の樹脂を含有させても良い。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
(無機層状粒子)
本発明における被覆層は無機層状粒子を含有することが重要である。架橋剤を含有する被覆層のように架橋時に高温の加熱処理をすることを要せず、熱による基材フィルムの機械特性の劣化や加工時の熱ジワを少なくすることができ、包装材料として好適である。さらに本発明では、無機層状粒子を含有することで被覆層の収縮を抑制し、従来の技術では困難であった湿度依存性や経時劣化が極めて小さい優れたガスバリア性を発現することが可能となる。
本発明における被覆層に用いられる無機層状粒子とは、極薄の単位結晶層が積み重なって一つの層状粒子を形成している無機化合物のことであり、例えば、マイカ、カオリナイト、モンモリロナイト、バーキュライト、スメクタイト、アンチゴライト、タルクなどが挙げられる。これらの無機層状粒子は1種あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
本発明の被覆層は、製造時の環境負荷低減の観点から、水系の塗布液を用いて形成することが好ましい。そのため、本発明の無機層状粒子は水への膨潤性を持つ無機層状粒子が好ましく、膨潤性雲母などのマイカ族粘土鉱物がより好ましい。水への膨潤性を持つ無機層状粒子を用いることで、水に膨潤した無機層状粒子の層間にポリウレタン樹脂が侵入し、ガスバリア性を向上させることが可能である。
本発明における被覆層に用いられる無機層状粒子の平均粒子径は2.0μm以上6.5μm以下であることが好ましく、さらに下限は3.0μm以上、上限は5.0μm以下であることが好ましい。粒子の平均粒子径が2.0μmより小さい場合、平均粒子径が小さすぎるため、気体分子の迂回効果によるガスバリア性の発現効果が小さくなるほか、基材フィルムが被覆層に与える収縮する力が小さくなり、湿度依存性や経時によるガスバリア性の低下の影響をうけやすい。一方、6.5μmを超える場合、粒子径が大きいため、被覆層表面に無機層状粒子による表面突起が生じるため、透明性が低下するほか、被覆層上に粘着層を介して、シーラントフィルムをラミネートした際に、前述表面突起部と非突起部の濡れ性の違いにより粘着層にて気泡が生じ、ラミネート後の外観を損ねる。なお、前記の平均粒子径は無機層状粒子の含有量が0.05質量%になるようにイオン交換水にて希釈を行い、レーザー回折式粒度分布計(島津製作所製SALD−7500)を用いて、粒度分布を測定した。その粒度分布の平均値を算出し、これを平均粒子径とした。
本発明における被覆層に用いられる無機層状粒子の被覆層中の含有量は4質量%以上20質量%以下であることが好ましく、さらに下限は5質量%以上、上限は15質量%以下であることが好ましい。粒子の含有量が4質量%より少ない場合、気体分子の迂回効果によるガスバリア性の発現効果が小さくなる。
さらに予想しえないことであるが、無機層状粒子の被覆層中の含有量が4質量%以上であると熱収縮率差(A−B)が0.3%以上となり、高湿度環境下によるガスバリア性の低下の影響をうけにくくなる。 一方、20質量%を超える場合、含有量が多いため透明性が低下する。
図1に実施例・比較例において同じ種類の基材フィルムS1を使用し、被覆層中の無機層状化合物の含有量を変化させた場合(実施例1、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、比較例3)のMD方向の熱収縮率差(A−B)と無機層状粒子含有量の関係を図1に示すが、無機層状粒子の含有量が多いほど熱収縮率差(A−B)が大きくなっている。
同様にして、熱収縮率差(A−B)と酸素透過度の関係を図2に示すが、熱収縮率差(A−B)が大きいほどが酸素透過度が小さくなっている。
同様にして、熱収縮率差(A−B)とラミネート強度の関係を図3に示すが、熱収縮率差(A−B)が小さいほどがラミネート強度が大きくなっている。
同様にして、熱収縮率差Bと無機層状粒子の含有量の関係を図4に示すが、積層フィルムの熱収縮率Bと、無機層状粒子の含有量や酸素透過度との相関は明らかではなかった。
被覆層に他の機能性を付与するために、本発明の目的を損なわない範囲において、各種の添加剤を含有させても構わない。前記添加剤としては、例えば、界面活性剤、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤、帯電防止剤等が挙げられる。
本発明において、基材フィルム上に被覆層を設ける方法としては、溶媒、無機層状粒子、ポリウレタン樹脂を含有する塗布液を基材フィルム上に塗布、乾燥する方法が挙げられる。溶媒として、トルエン等の有機溶剤、水、あるいは水と水溶性の有機溶剤の混合系が挙げられるが、環境問題の点から水単独あるいは水に水溶性の有機溶剤を混合したものが好ましい。
基材として使用するポリプロピレンフィルムの耐熱性の観点より、塗布後の乾燥温度を150℃以下に調整する必要な場合もあることから、塗布液を構成する有機溶媒の沸点は50℃以上150℃以下が好ましい。具体的な例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤、ジオキサンなどの環状エーテル系溶剤などを挙げることができる。これらの溶剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、被覆層は、溶媒、無機層状粒子、ポリウレタン樹脂を含有する塗布液を、基材フィルム上に塗布し乾燥させて形成させることが好ましい。
(基材フィルム)
本発明において、基材フィルムとして用いるポリプロピレンフィルムには耐熱性を有することが好ましい。
ここで、耐熱性有するとは前記積層フィルムの120℃における基材フィルムの熱収縮率Aと積層フィルムの熱収縮率Bの差(A−B)がMD方向、TD方向、共に0.3%以上、3.0%以下であるのに適した、熱収縮特性を有することを意味する。熱収縮率が高い方が、熱収縮率差(A−B)は大きくなる傾向にあるが、熱収縮率Bの差(A−B)がMD方向、TD方向、共に0.3%以上、3.0%以下となるように設計すればよい。
一方、熱収縮率が小さい方が基材フィルム上に積層する被覆層や印刷層、ラミネート層に割れや変形等の欠陥が生じず、包装材料として内容物の品質、効能維持が可能なフィルム熱特性を有するものである。
本発明において、基材フィルムを構成する樹脂組成はポリプロピレン系樹脂であることが重要である。ポリプロピレン系樹脂を用いることで、ナイロン6などからなるポリアミドフィルムやポリエチレンテレフタレートなどからなるポリエステルフィルムと比べ、高い水蒸気バリア性を具備することが可能となり、食品包装材料として好適に使用しうる。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂は特に制約はなく、例えば、プロピレン単独重合体や、エチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体を用いることができる。
本発明において、基材フィルムを構成するポリプロピレン樹脂としては、実質的にコモノマーを含まないプロピレン単独重合体が好ましく、コモノマーを含む場合であっても、コモノマー量は0.5モル%以下であることが好ましい。コモノマー量の上限は、より好ましくは0.3モル%であり、さらに好ましくは0.1モル%である。上記範囲であると結晶性が向上し、高温での熱収縮率が小さくなり、耐熱性が向上する。なお、結晶性を著しく低下させない範囲内において、微量であればコモノマーが含まれていてもよい。
基材フィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、プロピレンモノマーのみから得られるプロピレン単独重合体であることがより好ましく、プロピレン単独重合体であっても、頭−頭結合のような異種結合を含まないことが最も好ましい。
本発明において、基材フィルムを構成するポリプロピレン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂の立体規則性の指標である13C−NMRで測定されるメソペンタッド分率の下限は96%であることが好ましい。メソペンタッド分率の下限は、より好ましくは96.5%であり、さらに好ましくは97%である。上記範囲であると結晶性が向上し、高温での熱収縮率がより小さくなり、耐熱性が向上する。メソペンタッド分率の上限は好ましくは99.8%であり、より好ましくは99.6%であり、さらに好ましくは99.5%である。上記範囲であると現実的な製造が容易となる。
基材フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のメソ平均連鎖長の下限は、好ましくは100であり、より好ましくは120であり、さらに好ましくは130である。上記範囲であると、結晶性が向上し、高温での熱収縮率がより小さくなり、耐熱性が向上する。メソ平均連鎖長の上限は、現実的な面から、好ましくは5000である。
基材フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のキシレン可溶分の下限は、現実的な面から、好ましくは0.1質量%である。キシレン可溶分の上限は好ましくは7質量%であり、より好ましくは6質量%であり、さらに好ましくは5質量%である。上記範囲であると結晶性が向上し、高温での熱収縮率がより小さくなり、耐熱性が向上する。
本発明において、基材フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kgf)の下限は0.5g/10分であることが好ましい。MFRの下限は、より好ましくは1.0g/10分であり、さらに好ましくは2.0g/10分であり、特に好ましくは4.0g/10分であり、最も好ましくは6.0g/10分である。上記範囲であると機械的負荷が小さく、押出や延伸が容易となる。MFRの上限は20g/10分であることが好ましい。MFRの上限は、より好ましくは17g/10分であり、さらに好ましくは16g/10分であり、特に好ましくは15g/10分である。上記範囲であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなったり、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率がより小さくなり、耐熱性が向上する。
基材フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(Mn)の下限は好ましくは20000であり、より好ましくは22000であり、さらに好ましくは24000であり、特に好ましくは26000であり、最も好ましくは27000である。上記範囲であると延伸が容易となることや厚み斑が小さくなること、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率がより小さくなり、耐熱性が向上する。Mnの上限は、好ましくは200000であり、より好ましくは170000であり、さらに好ましくは160000であり、特に好ましくは150000である。上記範囲であると低分子量物の効果である高温での低い熱収縮率など本願の効果が得られやすくなったり、延伸が容易となる。
基材フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のGPCにより測定される質量平均分子量(Mw)の下限は、好ましくは180000であり、より好ましくは200000であり、さらに好ましくは230000であり、さらに好ましくは240000であり、特に好ましくは250000であり、最も好ましくは270000である。上記範囲であると延伸が容易となることや厚み斑が小さくなること、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率がより小さくなり、耐熱性が向上する。Mwの上限は、好ましくは500000であり、より好ましくは450000であり、さらに好ましくは420000であり、特に好ましくは410000であり、最も好ましくは400000である。上記範囲であると機械的負荷が小さく押出や延伸が容易となる。
本発明において、基材フィルムに用いられるポリプロピレン樹脂は、以下に示すような特徴を有することが好ましい。すなわち、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)積算カーブを測定した場合、分子量10万以下の成分の量の下限は好ましくは35質量%であり、より好ましくは38質量%であり、さらに好ましくは40質量%であり、特に好ましくは41質量%であり、最も好ましくは42質量%である。上記範囲であると低分子量物の効果である高温での低い熱収縮率など本願の効果が得られやすくなったり、延伸が容易となる。GPC積算カーブでの分子量10万以下の成分の量の上限は好ましくは65質量%であり、より好ましくは60質量%であり、さらに好ましくは58質量%であり、特に好ましくは56質量%であり、最も好ましくは55質量%である。上記範囲であると延伸が容易となることや厚み斑が小さくなること、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率がより小さくなり、耐熱性が向上する。
本発明において、基材フィルムに用いられるポリプロピレン樹脂は、一般的に分子量分布の広さの指標である質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の下限が、好ましくは4であり、より好ましくは4.5であり、さらに好ましくは5であり、特に好ましくは5.5であり、最も好ましくは6である。Mw/Mnの上限は、好ましくは30であり、より好ましくは25であり、さらに好ましくは22であり、特に好ましくは21であり、最も好ましくは20である。Mw/Mnが上記範囲であると、現実的な製造が容易である。なお、ポリプロピレンの分子量分布は、異なる分子量の成分を多段階に一連のプラントで重合したり、異なる分子量の成分をオフラインで混錬機にてブレンドしたり、異なる性能をもつ触媒をブレンドして重合したり、所望の分子量分布を実現できる触媒を用いたりすることで調整することが可能である。
本発明において、基材フィルムとして用いるポリプロピレンフィルムは、結晶配向の程度は、用いられるポリプロピレンの分子構造や、フィルム製造におけるプロセスや条件によって変化する。また、延伸ポリプロピレンフィルムの配向方向は、広角X線回折法により、X線をフィルム面に対して垂直に入射し、結晶由来の散乱ピークの方位角依存性を測定することによって、決定することができる。詳しくは、延伸ポリプロピレンフィルムは、典型的には単斜晶のα型結晶構造を有する。そしてそのα型結晶は、広角X線回折法により110面(面間隔:6.65オングストローム)の散乱強度の方位角依存性を測定すると、主として一軸に強い配向をもつ。つまり、α型結晶の110面由来の散乱強度を方位角に対してプロットした場合、最も強いピークが、分子軸の配向の垂直方向に観察される。本発明は、この最大ピークの半値幅によって、配向の程度を規定するものである。
本発明の基材として用いるポリプロピレンフィルムでは、広角X線散乱法により測定される110面の散乱強度を方位角に対してプロットした時の最大ピークの半値幅が30度以下であることが好ましい。この半値幅の上限は、より好ましくは29度であり、さらに好ましくは28度である。110面由来の散乱強度の方位角依存性の半値幅が前記範囲よりも大きいと、配向が十分でなく、耐熱性や剛性が十分でない。110面由来の散乱強度の方位角依存性の半値幅の下限は、好ましくは5度であり、より好ましくは7度であり、さらに好ましくは8度である。110面の半値幅が前記範囲よりも小さいと、耐衝撃性の低下や配向割れを生じることがある。
本発明で規定する半値幅は、平行度の高いX線を用いて測定されることが好ましく、放射光が好ましく用いられる。
広角X線回折測定に用いるX線発生源としては、実験室で用いられる管球式や回転式などの一般的な装置でもよいが、平行度が高く高輝度の放射光を照射できる高輝度光源を用いることが好ましい。放射光では、X線が広がりにくく輝度も高いため、測定を高精度かつ短時間で行うことができ、例えば厚み数十ミクロンのフィルムサンプルでもフィルムを重ね合わせることなくフィルム1枚での測定が可能になり、しかも精度の高い測定が可能であるので詳細な結晶配向評価が可能になる。それに対して、輝度が低いX線では、厚み数十ミクロンのフィルムサンプルを測定する場合、複数枚を重ね合わさなければ測定に長時間を要することになり、複数枚を重ね合わさせると、微小なズレにより、110面の散乱強度を方位角に対してプロットした時のピークがブロードになり、得られる半値幅の値が大きくなる傾向となる。
平行度が高く高輝度の放射光を照射可能な設備としては、例えば、SPring−8のような大型放射光施設等を挙げることができ、例えば、フロンティアソフトマター開発産学連合体(FSBL)が所有するビームラインBL03XUを使用して本発明の半値幅を測定することが好ましい。
本発明の基材フィルムとして用いるポリプロピレンフィルムでは、長周期サイズが大きいことが好ましい。一般的に、結晶性高分子は、結晶と非晶の繰り返しからなる規則的な積層構造(周期構造)を有する。ここで、結晶と非晶からなる繰り返し単位の大きさを長周期サイズと言う。この長周期サイズは、小角X線散乱法により測定される主たる配向方向の長周期構造に由来する散乱ピーク角度から求めることができる。
本発明の基材として用いるポリプロピレンフィルムの小角X線散乱測定による長周期散乱ピークは、主たる配向方向にピークが明瞭に観察されることが好ましい。ここで、主たる配向方向とは、2次元X線散乱パターンにおいて、高分子結晶の長周期に起因する散乱がより強く見られる方向を示す。一軸延伸の場合は、その延伸方向に主たる配向方向が一致する場合が多く、縦延伸−横延伸の逐次二軸延伸の場合は、それぞれの延伸倍率にもよるが、横延伸方向に主たる配向方向が一致する場合が多い。高分子結晶に起因する長周期ピークが明瞭に観察されるほど、秩序性の高い長周期構造が形成されていることが示される。
本発明の基材として用いるポリプロピレンフィルムでは、長周期散乱ピークから得られる長周期サイズが40nm以上であることが好ましい。長周期サイズの下限は、より好ましくは41nmであり、さらに好ましくは43nmである。長周期サイズが前記範囲よりも小さいと、融解ピーク温度が低く、したがって耐熱性が十分でなくなる。長周期サイズの上限は、好ましくは100nmであり、より好ましくは90nmであり、さらに好ましくは80nmである。長周期サイズが前記範囲よりも大きいと、結晶化もしくは熱処理に長時間を要するため現実的な製造が困難になる。
小角X線散乱測定に用いるX線発生源としては、特に制限はなく、実験室で用いられる管球式や回転式などの一般的な装置を用いることができるが、上述した広角X線回折測定に用いるX線発生源と同じく、輝度が高い放射光を照射できる高輝度光源を用いることが好ましい。特に、本発明のポリプロピレンフィルムは大きな長周期を有するので、長周期構造に由来するX線散乱がより小角側の領域にある。そのため、X線ビーム径が大きく、カメラ長の短い実験室のX線装置では測定することが困難であるので、X線が広がりにくく、ビーム径を数百ミクロン以下に絞ることができ、かつ、輝度も高い放射光を用いて、長いカメラ長のもとで超小角領域を測定することが好ましい。このとき、カメラ長は7m以上が好ましい。
本発明の基材フィルムとしては、以下の要件(a)〜(c)を満たすプロピレン系重合体から主としてなり、かつ、以下の要件(d)を満たす配向フィルムを挙げることができる。(a)プロピレン以外のコモノマーの含有量が0.5モル%以下(b)メソペンタッド分率が96%以上である。(c)メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上、20g/10分以下である。(d)広角X線散乱法により測定されるポリプロピレンのα型結晶の110面の散乱強度を方位角に対してプロットした時の最大ピークの半値幅が30度以下であることが好ましい。
本発明の基材として用いるポリプロピレンフィルムは、長手方向(MD方向)もしくは横方向(TD方向)の一軸延伸フィルムでも良いが、耐熱性の観点から二軸延伸フィルムであることがより好ましい。少なくとも一軸に延伸することで、従来のポリプロピレンフィルムでは予想できなかった、高温での熱収縮率が低く高度な耐熱性を具備したフィルムを得ることができる。延伸方法としては、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等が挙げられるが、平面性、寸法安定性、厚みムラ等から逐次二軸延伸法が好ましい。
逐次二軸延伸法としては、ポリプロピレン樹脂を単軸または二軸の押出機で樹脂温度が200℃以上280℃以下となるようにして加熱溶融させ、Tダイよりシート状にし、10℃以上100℃以下の温度のチルロール上に押出して未延伸シートを得る。ついで、長手方向(MD方向)に120℃以上165℃以下で、3.0倍以上8.0倍にロール延伸し、引き続き、テンターで予熱後、横方向(TD方向)に155℃以上175℃以下温度で4.0倍以上20.0倍以下に延伸することができる。さらに、二軸延伸後に165℃以上175℃以下の温度で1%以上15%以下のリラックスを許しながら、熱固定処理を行うことができる。
本発明で用いる基材フィルムは、ハンドリング性(例えば、積層後の巻取り性)を付与するために、フィルムに粒子を含有させてフィルム表面に突起を形成させることが好ましい。フィルムに含有させる粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、等の無機粒子、アクリル、PMMA、ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物、等の耐熱性高分子粒子が挙げられる。透明性の点から、フィルム中の粒子の含有量は少ないことが好ましく、例えば1ppm以上1000ppm以下であることが好ましい。さらに、透明性の点から使用する樹脂と屈折率の近い粒子を選択することが好ましい。また、基材フィルムには必要に応じて各種機能を付与するために、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色素、滑剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、無機または有機の充填剤などを含有させてもよい。
本発明で用いる基材フィルムには、基材フィルムの機械特性、及び、前記被覆層上に積層されるインキ層や接着層との接着性向上などを目的に本発明の目的を損なわない範囲において、前述の要件(a)〜(c)を満たすポリプロピレン系重合体以外の樹脂を含有させても良い。例えば、前記ポリプロピレン系重合体と異なるポリプロピレン樹脂、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体であるランダムコポリマーや、各種エラストマー等が挙げられる。
本発明で用いる基材フィルムは、単層フィルムであっても、表層と中心層を積層した2層以上の複合フィルムであっても構わない。複合フィルムの場合、表層と中心層の機能を独立して設計することができる利点がある。例えば、厚みの薄い表層にのみ粒子を含有させて表面に凹凸を形成することでハンドリング性を維持しながら、厚みの厚い中心層には粒子を実質上含有させないことで、複合フィルム全体として透明性をさらに向上させることができる。前記の複合フィルムの製造方法は特に限定されるものではないが、生産性を考慮すると、表層と中心層の原料を別々の押出機から押出し、1つのダイスに導き未延伸シートを得る、いわゆる共押出法による積層が好ましい。
本発明において、基材フィルムの厚みは各用途に合わせて任意に設定されるが、下限は2μm以上が好ましく、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは4μm以上である。一方、厚みの上限は300μm以下が好ましく、より好ましくは250μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。厚みが薄い場合には、ハンドリング性が不良になりやすい。一方、厚みが厚い場合にはコスト面で問題があるだけでなく、ロール状に巻き取って保存した場合に巻き癖による平面性不良が発生しやすくなる。
本発明の基材として用いるポリプロピレンフィルムのヘーズは内容物の視認性の観点より、低いことが好ましく、具体的には6%以下が好ましく、より好ましくは4.5%以下であり、さらに好ましくは3.5%以下である。ヘーズは、例えば延伸温度、熱固定温度が高すぎる場合、冷却ロール(CR)温度が高く未延伸原反シートの冷却速度が遅い場合、基材フィルムを構成するポリプロピレン系重合体を構成する低分子量成分が多すぎる場合に悪くなる傾向があるので、これらを調節することにより、前記範囲内に制御することができる。本発明におけるヘーズは、JIS K7136に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した値である。
本発明の基材として用いるポリプロピレンフィルムが二軸延伸フィルムである場合、MD方向のヤング率(23℃)の下限は、好ましくは2GPaであり、より好ましくは2.2GPaであり、さらに好ましくは2.4GPaである。MD方向のヤング率の上限は、好ましくは4GPaであり、より好ましくは3.7GPaであり、さらに好ましくは3.3GPaである。MD方向のヤング率が上記範囲であると、高剛性を有し、かつ、現実的な製造が容易であったり、MD−TDバランスが良化する。
本発明の基材として用いるポリプロピレンフィルムが二軸延伸フィルムである場合、TD方向のヤング率(23℃)の下限は、好ましくは3.8GPaであり、より好ましくは4GPaであり、さらに好ましくは4.2GPaである。TD方向のヤング率の上限は、好ましくは8GPaであり、より好ましくは7GPaであり、さらに好ましくは6.5GPaである。TD方向のヤング率が上記範囲であると、高剛性を有し、かつ、現実的な製造が容易であったり、MD−TDバランスが良化する。なお、ヤング率は、例えば延伸倍率を高くすることで高めることができ、また、MD−TD延伸の場合はMD延伸倍率を低めに設定し、TD延伸倍率を高く設定することなどで、TD方向のヤング率を大きくすることができる。本発明におけるヤング率は、JIS K 7127に準拠して、23℃においてフィルムのMD方向およびTD方向について測定した値である。
基材フィルムに被覆層を積層する方法としては、公知の任意の方法を用いることができるが、前記塗布液を基材フィルム上に塗布乾燥させる方法が好適である。塗布法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式、バーコート方式、リップコート方式などの公知の塗布方法が挙げられる。
前記塗布液に含まれる無機層状粒子、ポリウレタン樹脂等を溶媒中に溶解あるいは分散する方法としては、公知の分散機を用いてこれらを攪拌、分散する方法が好適である。具体的には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ホモミキサー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。
前記塗布液に含まれる無機層状粒子、ポリウレタン樹脂等の固形分の濃度は、3質量%以上30質量%が好ましい。塗布液の固形分の濃度を3質量%以上に調整することにより、塗布後の乾燥時間が長くなることによる生産性の低下を抑えることができる。一方、塗布液の固形分の濃度を30質量%以下に調整することにより、塗布液の粘度の上昇によるレベリング性の悪化、及びそれにともなう塗布外観の悪化を防ぐことができる。また、塗布外観の点から、塗布液の粘度を5cps以上300cps以下の範囲になるように、塗布液の固形分濃度、あるいは有機溶剤の種類の種類は配合量を調整することが好ましい。
塗布乾燥後の被覆層の厚みは、必要とされるガスバリア性の程度によるが、0.1μm以上5μm以下になるようにすることが好ましく、さらに下限は0.3μm以上、上限は3μm以下であることが好ましい。被覆層の厚みが0.1μmより薄い場合はガスバリア性や接着強度が得られ難く、一方、5μmを超える場合は、塗布乾燥時の負荷の増大、製造コストの増大につながり好ましくない。
前記塗布液を基材フィルム上に塗布後、乾燥する方法としては、公知の熱風乾燥、赤外線ヒーター等が挙げられるが、乾燥速度が速い熱風乾燥が好ましい。
塗布後の乾燥温度は60℃以上150℃以下の条件下で行うことが好ましく、特には下限が70℃以上、上限が120℃以下が好ましい。60℃未満では、塗布液に含まれる溶媒が十分に除去できない他、ブラッシング等の問題が発生する場合がある。逆に150℃を超える温度では、泡由来の微小なコートヌケ、微小なハジキ、クラック等の塗膜の微小な欠点が発生しやすくなり、外観が不良になる場合がある。さらには、基材フィルムの熱による収縮が強く、熱シワによる基材フィルムの平面性が悪化や基材フィルムの機械特性が劣化が生じる場合がある。
乾燥中にかかる基材フィルムの張力は30N/m以上150N/m以下が好ましく、特には下限が50N/m以上、上限が120N/m以下が好ましい。フィルムの張力は30N/m未満では、走行するフィルムが蛇行し、塗布液を均一に塗工することが困難となる。逆に、150N/mを超える場合、基材フィルムにシワが発生し、平面性の悪化や、巻き取ったフィルムの外観が悪くなる。さらには、基材フィルムの耐熱性が劣る場合は乾燥中に基材フィルムの進行方向に延伸され幅方向は収縮し、最悪の場合、基材フィルムが破断する等の生産性に問題が生じる。
本発明において、被覆層を設けていない面に本発明の効果を阻害しない範囲で帯電防止層、易接着層、粘着層、易滑層、染料や顔料等の色素を含有した樹脂層などの他の機能を付与しても構わない。
(積層体)
本発明の積層フィルムに、公知の積層フィルムが備えているシーラントと呼ばれるヒートシール性樹脂層を、接着剤層を介して又は介さずに積層し、積層体とすることができる。この積層体は包装材料として好適である。ヒートシール性樹脂層は積層フィルムの任意の片面、もしくは両面に設けることが可能だが、ガスバリア性を具備する被覆層の保護の観点より、被覆層上に設けることが好ましい。ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性重合体としては、シーラント接着性が十分に発現できるものであればよく、HDPE、LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂等を使用できる。
ヒートシール性樹脂層の形成は、一般的には押出しラミネート法、ドライラミネート法などがあるが、本発明の積層フィルムでは、被覆層上に接着剤層を積層し、上記の樹脂のフィルムないしシートをドライラミネートして、ヒートシール性樹脂層を形成することが好ましい。そのような積層体にすることで、本発明の積層フィルムが具備する高い接着強度を発現することが可能となる。接着剤層を形成する接着剤としては、公知のドライラミネート接着剤を用いることができる。
さらに、本発明の積層フィルムには、被覆層または基材フィルムとヒートシール性樹脂層との間またはその外側に、印刷層を少なくとも1層以上積層していてもよい。印刷層を形成する印刷インキとしては、水性および溶媒系の樹脂含有印刷インキが好ましく使用できる。ここで印刷インキに使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂およびこれらの混合物が例示される。印刷インキには、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、消泡剤、架橋剤、耐ブロッキング剤、酸化防止剤などの公知の添加剤を含有させてもよい。印刷層を設けるための印刷方法としては、特に限定されず、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの公知の印刷方法が使用できる。印刷後の溶媒の乾燥には、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線乾燥など公知の乾燥方法が使用できる。
以上のような本発明の積層フィルムは、高湿度環境下における優れたガスバリア性と十分な接着強度の両方の特性をより高度に両立でき、食品、医薬品、工業製品の包装材料などに好適に使用しうる。
また、本願発明の好ましい実施態様として、耐熱性や剛性の高いポリプロピレンフィルムを基材とし、ガスバリア性を有するポリウレタン樹脂と無機層状粒子を含有した被覆層を積層したフィルムを用いる場合は、ガスバリア性と接着強度の両方の特性をより高度に両立でき、例えば菓子やパンなどの食品包装として好適に使用しうる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は当然以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例で得られたフィルム特性は以下の方法により測定、評価した。
(1)メソペンタッド分率、及び、メソ平均連鎖長
メソペンタッド分率、及び、メソ平均連鎖長の測定は、13C−NMRを用いて行った。メソペンタッド分率は、「Zambelliら、Macromolecules,第6巻,925頁(1973)」に記載の方法に従い、メソ平均連鎖長は、「J.C.Randallによる、“Polymer Sequence Distribution”第2章(1977年)(Academic Press,New York)」に記載の方法に従って算出した。13C−NMR測定は、BRUKER社製「AVANCE500」を用い、試料200mgをo−ジクロロベンゼンと重ベンゼンの8:2(体積比)の混合液に135℃で溶解し、110℃で行った。
(2)キシレン可溶分
ポリプロピレン試料1gを沸騰キシレン200mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させ、ろ過液に溶解している質量の、元の試料量に対する割合をキシレン可溶分(質量%)とした。
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。
(4)分子量、および、分子量分布
分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて単分散ポリスチレン基準により求めた。GPC測定での使用カラム、溶媒等の測定条件は以下のとおりである。
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
カラム:TSKgel GMHHR−H(20)HT×3
流量:1.0ml/min
検出器:RI
測定温度:140℃
数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)はそれぞれ、分子量校正曲線を介して得られたGPC曲線の各溶出位置の分子量(Mi)の分子数(Ni)により次式で定義される。
数平均分子量:Mn=Σ(Ni・Mi)/ΣNi
質量平均分子量:Mw=Σ(Ni・Mi)/Σ(Ni・Mi)
分子量分布:Mw/Mn
また、GPC曲線のピーク位置の分子量をMpとした。
ベースラインが明確でないときは、標準物質の溶出ピークに最も近い高分子量側の溶出ピークの高分子量側のすそ野の最も低い位置までの範囲でベースラインを設定することとした。
(5)広角X線回折による110半値幅
本発明の基材フィルムでは、大型放射光施設SPring―8の中にフロンティアソフトマター開発産学連合体(FSBL)が所有するビームラインBL03XUの第2ハッチにおいて、X線源方向とフィルム面とのなす角が垂直となすようし、測定フィルムをセットし、広角X線(WAXS)測定を行った。測定条件を下記に示す。
X線波長は0.1nmとし、検出器としてイメージングプレート(RIGAKU R−AXIS VII)またはイメージインテンシファイア付きCCDカメラ(Hamamatsu Photonics V7739P+ORCA R2)を用い、試料前後にセットしたイオンチェンバーの値から透過率を算出した。得られた2次元像に対して暗電流(ダークノイズ)および透過率を勘案した空気散乱補正を行った。カメラ長の測定には酸化セリウム(CeO)を用い、Fit2D (European Synchrotron Radiation Facility製のソフトウェア[http://www.esrf.eu/computing/scientific/FIT2D/])を用いて(110)面の方位角プロファイルを算出した。
(6)小角X線散乱法による長周期サイズ
大型放射光施設SPring―8の中にフロンティアソフトマター開発産学連合体(FSBL)が所有するビームラインBL03XUの第2ハッチにおいて、フィルムのMD方向を上下、TD方向を左右とし、X線源方向とフィルム面とのなす角が垂直となすように測定フィルムをセットし、小角X線(SAXS)測定を行った。測定条件を下記に示す。
X線波長は0.2nmとし、カメラ長は約7.7m、検出器としてはイメージングプレート(RIGAKU R−AXIS VII)を用い散乱ベクトルqの0.01〜0.5(nm−1)の範囲の散乱像を得た。ここで散乱ベクトルqはθを散乱角2θの半分、πを円周率、λをX線の波長とした時、式q=4πsinθ/λによって算出される。得られた散乱像に対してWAXS測定と同様に暗電流(ダークノイズ)および透過率を勘案した空気散乱補正を行い、正確なカメラ長の測定にはベヘン酸銀で別途校正したコラーゲンを用いた。前述のFit2dソフトウェアを用い試料の巾方向のプロファイルを算出し横軸に散乱ベクトルq(nm-1)、縦軸に強度I(q)の常用対数をとりプロットした。ここでプロファイルの算出範囲は巾方向から±5度とした。
(7)ヤング率
JIS K 7127に準拠してフィルムのMD方向およびTD方向のヤング率を23℃にて測定した。
(8)ヘーズ
JIS K7136に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
(9)無機層状粒子の平均粒径
無機層状粒子を含む分散液中の無機層状粒子の含有量が0.05質量%になるようにイオン交換水にて希釈を行い、レーザー回折式粒度分布計(島津製作所製SALD−7500)を用いて、粒度分布を測定した。その粒度分布の平均値を算出し、これを平均粒径とした。
(10)熱収縮率
JIS Z 1712に準拠して以下の方法で測定した。実施例および比較例で得られた積層フィルム(B)と前記積層フィルムに積層された被覆層をテトラヒドロフランとイオン交換水を1:1(質量比)の割合で配合した溶液にて除去した基材フィルム(A)のそれぞれを巾20mm、長さ200mmの大きさで、MD方向、TD方向にそれぞれカットし、120℃の熱風オーブン中に吊るして5分間加熱した。加熱後の長さを測定し、元の長さに対する収縮した長さの割合(百分率)を熱収縮率とした。
(11)酸素透過度
JIS K7126−2Aに準じて、酸素透過度測定装置(MOCON社製「OX−TRAN 2/20」)を用い、20℃、80%RHの条件下で測定した。ここで酸素透過度が150ml/m・day・MPa以下のものを酸素バリア性を有するものとし、100ml/m・day・MPa以下を優れた酸素バリア性を有するものと、50ml/m・day・MPa以下を特に優れた酸素バリア性を有するものと判断した。
(12)水蒸気透過度
JIS K7129−Bに準じて、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製PERMATRAN−W3/33)を用いて、40℃、90%RHの条件下にて測定を行った。ここで水蒸気透過度が5.0g/m・day以下のものを水蒸気バリア性を有するものとし、4.5g/m・day以下を優れた水蒸気バリア性を有するものと、4.0g/m・day以下を特に優れた水蒸気バリア性を有するものと判断した。
(13)ラミネート強度
実施例、および、比較例で得られた積層フィルムの被覆層面側に、ドライラミネーション加工により、ラミネート用接着剤(東洋モートン社製「TM329」と「CAT−8B」を1:1(質量比)の割合で配合)を介して、厚さ30μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「P1128」)をコロナ処理面を接するように貼り合わせ、40℃にて4日間エージングを施すことにより、評価用の積層体を得た。なお、ウレタン系2液硬化型接着剤で形成される接着剤層の乾燥後の厚みはいずれも約3μmであった。
上記で得られた積層体を幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、テンシロン万能材料試験機(東洋ボールドウイン社製「テンシロンUMT−II−500型」)を用いてラミネート強度を測定した。なお、ラミネート強度の測定は、引張速度を200mm/分とし、90°剥離させて、ラミネート強度を測定した。ここでラミネート強度が2.0N/15mm巾以上を優れた接着強度を有するものとし、2.5N/15mm巾以上を特に優れた接着強度を有するものと判断した。
(14)シワ発生の有無
幅300mm、長さ1000mの基材フィルムに塗布乾燥して被覆層を設けた際に、得られた積層フィルムにシワが発生しなければ良好(○)、発生した場合は不良(×)と判定した。
(15)塗工外観
幅300mm、長さ1000mの基材フィルムに塗布乾燥して被覆層を設けた際に、被覆層にブラッシング、コート抜け、ハジキが全く見られなければ良好(○)、欠陥が見られれば不良(×)と判定した。
(16)塗工前後での幅方向収縮率
幅300mm、長さ1000mの基材フィルムに塗布乾燥して被覆層を設けた後、フィルム幅長さを測定した。塗工前のフィルム幅長さをa、塗工後のフィルム幅長さをbとしてとき、下記式により塗工前後でのフィルム幅方向の収縮率(幅方向収縮率)を求めた。この収縮率が2.0%以下であれば良好、2.0%を超えた場合は不良と判定した。
幅方向収縮率(%)=(a−b)×100/a
(基材フィルムS−1の製造)
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=7.7、MFR=5.0g/10分、メソペンタッド分率=97.3%であるプロピレン単独重合体(日本ポリプロ製「ノバテック(登録商標)PP SA4L」:共重合モノマー量は0モル%;以下「PP−1」と略する)を用いた。
このポリプロピレン樹脂を、60mm押出機を用いて、250℃でTダイよりシート状に押出し、30℃の冷却ロールで冷却固化した後、135℃で長さ方向(MD方向)に4.5倍に縦延伸し、次いで両端をクリップで挟み、熱風オーブン中に導いて、170℃で予熱後、160℃で横方向(TD方向)に8.2倍に横延伸し、次いで6.7%のリラックスを掛けながら168℃で熱処理した。その後、両端部をシア刃によりトリミング処理を行い、フィルムの片面にコロナ処理を行い、ワインダーで巻き取って、厚み20μmの基材フィルムを得た。得られた基材フィルムのポリプロピレンの構造を表1、製膜条件を表
2、基材フィルムの物性を表3にそれぞれ示す。
(基材フィルムS−2の製造)
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=8.9、MFR=3.0g/10分、メソペンタッド分率=97.1%であるプロピレン単独重合体(サムスントタル製「HU300」:共重合モノマー量は0モル%;以下「PP−2」と略する)を用い、横延伸の予熱温度を171℃、横延伸温度を161℃、横延伸後の熱処理温度を170℃とした以外は、基材フィルム(S−1)と同様にして、厚み20μmの基材フィルムを得た。得られた基材フィルムのポリプロピレンの構造を表1、製膜条件を表2、基材フィルムの物性を表3にそれぞれ示す。
(基材フィルムS−3の製造)
基材フィルム(S−1)で用いたプロピレン単独重合体(PP―1)90質量部に対して、分子量10000の低分子量プロピレン(三井化学製 ハイワックス「NP105」:共重合モノマー量は0モル%)を10質量部加えて合計100質量部とし、30mm二軸押出機にて溶融混錬して、Mw/Mn=11、MFR=7.0g/10分、メソペンタッド分率=96.5%であるプロピレン重合体の混合物(以下「PP−3」と略する)のペレットを得た。このペレットをポリプロピレン樹脂として用いた以外は、基材フィルム(A−1)と同様にして、厚み20μmの基材フィルムを得た。得られた基材フィルムのポリプロピレンの構造を表1、製膜条件を表2、基材フィルムの物性を表3にそれぞれ示す。
(基材フィルムS−4の製造)
長さ方向に5.5倍、横方向に12倍に延伸した以外は、基材フィルム(S−3)と同様にして、厚み20μmの基材フィルムを得た。得られた基材フィルムのポリプロピレンの構造を表1、製膜条件を表2、基材フィルムの物性を表3にそれぞれ示す。
(基材フィルムS−5の製造)
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=4.0、MFR=6.0g/10分、メソペンタッド分率=98.7%であるプロピレン単独重合体(共重合モノマー量は0モル%;以下「PP−4」と略する)を用いた以外は、基材フィルム(S−1)と同様にして、厚み20μmの基材フィルムを得た。得られた基材フィルムのポリプロピレンの構造を表1、製膜条件を表2、基材フィルムの物性を表3にそれぞれ示す。
(基材フィルムS−6の製造)
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=4、MFR=2.5g/10分、メソペンタッド分率=97%であるプロピレン−エチレン共重合体(住友化学製「住友ノーブレン(登録商標)FS2011DG3」:共重合モノマー量は0.6モル%;以下「PP−5」と略する)を用い、縦延伸温度を125℃、横延伸における予熱温度を168℃、横延伸温度を155℃、横延伸後の熱処理温度を163℃とした以外は、基材フィルム(S−1)と同様にして、厚み20μmの基材フィルムを得た。得られた基材フィルムのポリプロピレンの構造を表1、製膜条件を表2、基材フィルムの物性を表3にそれぞれ示す。
(基材フィルムS−7の製造)
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=4.3、MFR=0.5g/10分、メソペンタッド分率=97%であるプロピレン単独重合体(共重合モノマー量は0モル%;以下「PP−6」と略する)を用いた以外は、基材フィルム(S−7)と同様にして、厚み20μmの基材フィルムを得た。得られた基材フィルムのポリプロピレンの構造を表1、製膜条件を表2、基材フィルムの物性を表3にそれぞれ示す。
(基材フィルムS−8の製造)
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=2.8、MFR=30g/10分、メソペンタッド分率=97.9%であるであるポリプロピレン系重合体(日本ポリプロ製「ノバテック(登録商標)PP SA03」:共重合モノマー量は0モル%;以下「PP−7」と略する)を用いたこと以外は、基材フィルム(S−1)と同様にして、延伸ポリプロピレンフィルムを得ようと試みたが、横延伸でフィルムが破断してしまい、二軸延伸できなかった。
(水分散型ポリウレタン樹脂Uの重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、メタキシリレンジイソシアネート45.59質量部、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン)93.90質量部、エチレングリコール24.8質量部、ジメチロールプロピオン酸13.40質量部、及び溶剤としてメチルエチルケトン80.20質量部を混合し、窒素雰囲気下、70℃で5時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、の反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン9.60質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水624.80質量部を添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散させ、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール21.10質量部を添加し、鎖伸長反応を行った。その後、減圧下で、メチルエチルケトンおよび水の一部を除去することにより、固形分30重量%、平均粒子径90nmの水分散型ポリウレタン樹脂(U)を得た。
(無機層状粒子分散液C−1の作成)
ビーズミル(コトブキ技研工業社製SUPERAPEXMILL、ビーズ:0.1mm、回転数:5000rpm)の容器内に無機層状粒子である水膨潤性マイカ(コープケミカル社製、ソマシフME−100)とイオン交換水を1:11(質量比)の割合で室温にて、30分間分散処理を行い、その後、公称ろ過精度が50μmのフィルターを用いて異物や凝集物を除去して、無機層状粒子分散液を得た。得られた無機層状粒子分散液の固形濃度は8.1%、平均粒径は2.0μmであった。
(無機層状粒子分散液C−2の作成)
分散処理時間を20分間とする以外は無機層状粒子分散液(C−1)と同様にして、無機層状粒子分散液を得た。得られた無機層状粒子分散液の固形濃度は8.0%、平均粒径は3.0μmであった。
(無機層状粒子分散液C−3の作成)
分散処理時間を10分間とする以外は無機層状粒子分散液(C−1)と同様にして、無機層状粒子分散液を得た。得られた無機層状粒子分散液の固形濃度は8.1%、平均粒径は4.1μmであった。
(無機層状粒子分散液C−4の作成)
分散処理時間を1分間とする以外は無機層状粒子分散液(C−1)と同様にして、無機層状粒子分散液を得た。得られた無機層状粒子分散液の固形濃度は7.6%、平均粒径は6.5μmであった。
(無機層状粒子分散液C−5の作成)
無機層状粒子として水膨潤性モンモリロナイト(クニミネ工業社製、クニピアF)を用いた以外は無機層状粒子分散液(C−1)と同様にして、無機層状粒子分散液を得た。得られた無機層状粒子分散液の固形濃度は7.8%、平均粒径は1.1μmであった。
(実施例1)
基材フィルム(S−1)の幅が300mm、長さ20mのフィルムロールをロール・トゥ・ロールで下記の塗布液(D−1)をマイクログラビア方式を用いて塗布乾燥後の被覆層の厚みが1.0μmになるように塗布し、フィルム張力80N/mの条件のもと、温度80℃の熱風で20秒乾燥し、ポリプロピレン製の直径6インチの円筒状コアに積層フィルムを巻き付け、積層フィルムを得た。
(塗布液D−1)
下記の材料を下記に示す質量比で混合し、30分以上攪拌して溶解させた。次いで、公称ろ過精度が50μmのフィルターを用いて未溶解物を除去して、塗布液(D−1)を作成した。
・イオン交換水 47.50質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 30.00質量%
・無機層状粒子分散液(C−2) 12.50質量%
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例2)
実施例1において、基材フィルムを基材フィルム(S−2)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例3)
実施例1において、基材フィルムを基材フィルム(S−3)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例4)
実施例1において、基材フィルムを基材フィルム(S−4)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例5)
実施例1において、基材フィルムを基材フィルム(S−5)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例6)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−2)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−2)
・イオン交換水 47.65質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 30.00質量%
・無機層状粒子分散液(C−1) 12.35質量%
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例7)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−3)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−3)
・イオン交換水 47.65質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 30.00質量%
・無機層状粒子分散液(C−3) 12.35質量%
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例8)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−4)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−4)
・イオン交換水 46.84質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 30.00質量%
・無機層状粒子分散液(C−4) 13.16質量%
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例9)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−5)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−5)
・イオン交換水 53.00質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 32.00質量%
・無機層状粒子分散液(C−2) 5.00質量%
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例10)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−6)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−6)
・イオン交換水 38.33質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 26.67質量%
・無機層状粒子分散液(C−2) 25.00質量%
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例11)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−7)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−7)
・イオン交換水 53.45質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 32.17質量%
・無機層状粒子分散液(C−2) 4.38質量%
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例12)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−8)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−8)
・イオン交換水 33.75質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 25.00質量%
・無機層状粒子分散液(C−2) 31.25質量%
得られた積層フィルムは、ガスバリア性は良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例13)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−9)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−9)
・イオン交換水 43.33質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 30.00質量%
・水膨潤性マイカ粒子分散液 16.67質量%
(トピー工業製NTS−5、平均粒径8.6μm、固形分比率6.0%)
得られた積層フィルムは、ガスバリア性は良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例14)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−10)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−10)
・イオン交換水 47.18質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 30.00質量%
・無機層状粒子分散液(C−5) 12.82質量%
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例15)
実施例1において、基材フィルムを基材フィルム(S−7)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好で、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(比較例1)
実施例1において、基材フィルムを2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡製エステルフィルム:E5100,厚み12μm)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムは、透明性は良好であったが、酸素バリア性、水蒸気バリア性ともに不良であり、ガスバリア性は不良であった。積層体としての接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(比較例2)
実施例1において、基材フィルムを基材フィルム(S−6)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムはガスバリア性、透明性ともに良好であったが、積層体としての接着強度は不良であった。得られた結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−11)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−11)
・イオン交換水 56.67質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・水分散型ポリウレタン樹脂(U) 33.33質量%
得られた積層フィルムは、透明性は良好であったが、酸素バリア性が不良であり、ガスバリア性は不良であった。積層体としての接着強度は良好であった。得られた結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例1において、被覆層を形成する塗布液を下記の塗布液(D−12)に変更すること以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(塗布液D−12)
・イオン交換水 17.50質量%
・イソプロパノール 10.00質量%
・ポリビニルアルコール水溶液 60.00質量%
(日本合成化学製OKS8149、固形分比率10%)
・無機層状粒子分散液(C−2) 12.50質量%
得られた積層フィルムは、透明性は良好であったが、酸素バリア性が不良であり、ガスバリア性は不良であった。積層体としての接着強度も不良であった。得られた結果を表4に示す。
(実施例16)
基材フィルム(S−1)の幅が300mm、長さ1000mのフィルムロールをロール・トゥ・ロールで塗布液(D−1)をマイクログラビア方式を用いて塗布乾燥後の被覆層の厚みが1μmになるように塗布し、フィルム張力80N/mの条件のもと、温度80℃の熱風で20秒乾燥し、ポリプロピレン製の直径6インチの円筒状コアに積層フィルムを巻き付け、幅が300mm、長さ1000mの積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例1と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例17)
実施例16において、基材フィルムを基材フィルム(S−2)に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例2と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例18)
実施例16において、基材フィルムを基材フィルム(S−3)に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例3と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例19)
実施例16において、基材フィルムを基材フィルム(S−4)に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例4と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例20)
実施例16において、基材フィルムを基材フィルム(S−5)に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例5と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例21)
実施例16において、基材フィルムを基材フィルム(S−7)に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例15と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例22)
実施例16において、乾燥温度を60℃に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例1と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例23)
実施例16において、乾燥温度を150℃に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例1と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例24)
実施例16において、フィルム張力を30N/mに変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例1と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(実施例25)
実施例16において、フィルム張力を150N/mに変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの塗工外観は良好で、幅方向収縮率も良好であった。また、得られた積層フィルムは実施例1と同等のガスバリア性、透明性があり、積層体としても接着強度は良好であった。得られた結果を表5に示す。
(比較例5)
実施例16において、基材フィルムを基材フィルム(S−6)に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行は無かったが、シワが発生し、生産性が不適であった。得られた積層フィルムの塗工外観は良好であったが、幅方向収縮率は不良であった。得られた結果を表5に示す。
(比較例6)
実施例16において、乾燥温度を50℃に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行やシワの発生は無く、生産性に問題なく作成することができた。得られた積層フィルムの幅方向収縮率は良好であったが、塗工外観はハジキが発生し不良であった。得られた結果を表5に示す。
(比較例7)
実施例16において、乾燥温度を160℃に変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行は無かったが、シワが発生し、生産性が不適であった。得られた積層フィルムの塗工外観もコート抜けが発生し不良で、幅方向収縮率は不良であった。得られた結果を表5に示す。
(比較例8)
実施例16において、フィルム張力を20N/mに変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、シワの発生は無いが、走行するフィルムの蛇行し、生産性が不適であった。この走行するフィルムの蛇行により積層フィルムを作成することはできなかった。
(比較例9)
実施例16において、フィルム張力を160N/mに変更すること以外は同様にして、積層フィルムロールを作成した。
基材フィルムに被覆層を形成する塗布液を塗布乾燥したとき、走行するフィルムの蛇行は無かったが、シワが発生し、生産性が不適であった。得られた積層フィルムの塗工外観は良好だが、幅方向収縮率は不良であった。得られた結果を表5に示す。
本発明の積層フィルムは、高湿度環境下における優れたガスバリア性と被膜層の基材フィルムに対する十分な接着強度 の両方の特性を有するため、内容物保護や消費期限や製品寿命延長が要求される食品、医薬品、工業製品の包装材料として好適である。また、製造面にて、基材フィルムの高度な耐熱性、剛性と被覆層の使用環境に対する品質低下が小さいことにより印刷層やラミネート層を積層時での乾燥工程、包装材料として用いる際の袋体加工時の加熱工程時に、生産性、品質の安定性を向上に寄与することができ、産業界への寄与は大きい。

Claims (10)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に被覆層を有する積層フィルムであって、前記基材フィルムがプロピレン系重合体から主としてなる配向フィルムであり、前記被覆層がジイソシアネート成分がキシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成される水分散性のポリウレタン樹脂と無機層状粒子とを少なくとも含み、前記積層フィルムの120℃における基材フィルムの熱収縮率Aと積層フィルムの熱収縮率Bの差(A−B)がMD方向、TD方向、共に0.3%以上、3.0%以下であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記基材フィルムが以下の要件(a)〜(c)を満たすプロピレン系重合体から主としてなる配向フィルムであり、かつ、以下の要件(d)を満たす請求項1に記載の積層フィルム。
    (a)メソペンタッド分率が96%以上
    (b)プロピレン以外のコモノマー含有量が0.5モル%以下
    (c)メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上、20g/10分以下
    (d)広角X線散乱法により測定されるポリプロピレンのα型結晶の110面の散乱強度を方位角に対してプロットした時の最大ピークの半値幅が30度以下
  3. 前記基材フィルムの小角X線散乱法により測定される主たる配向方向の長周期散乱ピークから求められる長周期サイズが40nm以上である請求項1または2のいずれかに記載の積層フィルム。
  4. 前記無機層状粒子の平均粒径が2.0μm以上、6.5μm以下であり、無機層状粒子の含有量が4質量%以上、20質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 前記積層フィルムの120℃におけるMD方向、及び、TD方向の熱収縮率が共に1.0%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 前記積層フィルムのヘーズが5.0%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 請求項1〜6に記載の積層フィルムの製造方法であって、ジイソシアネート成分がキシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成される水分散性のポリウレタン樹脂と無機層状粒子と溶媒とを少なくとも含む塗布液をプロピレン系重合体配向フィルムに塗布し塗布層を形成する工程、その後、プロピレン系重合体配向フィルムの張力を30N/m以上、150N/m以下、かつプロピレン系重合体配向フィルムの温度60℃以上、150℃以下の範囲の条件に維持した状態で塗布層に含まれる溶媒を揮散させて被覆層を形成する工程、を有することを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  8. 前記請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルムの被覆層上に接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次積層した積層体。
  9. 前記請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルムからなる積層フィルムロール。
  10. 請求項9に記載の積層フィルムロールの製造方法であって、ジイソシアネート成分がキシリレンジイソシアネート及び水添キシリレンジイソシアネートから選択された少なくとも一種で構成される水分散性のポリウレタン樹脂と無機層状粒子と溶媒とを少なくとも含む塗布液をプロピレン系重合体配向フィルムに塗布し塗布層を形成する工程、その後、プロピレン系重合体配向フィルムの張力を30N/m以上、150N/m以下、かつプロピレン系重合体配向フィルムの温度60℃以上、150℃以下の範囲の条件に維持した状態で塗布層に含まれる溶媒を揮散させて被覆層を形成する工程、及び被覆層が形成された積層フィルムを巻き取る工程、を有すること特徴とする積層フィルムロールの製造方法。
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