JP6631098B2 - 積層フィルム - Google Patents
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(1)プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に被覆層が設けられてなり、前記被覆層は、ポリイソシアネート成分全体の50モル%以上がメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分で構成されているウレタン樹脂およびオキサゾリン基を有する樹脂を構成成分とする被覆層用樹脂組成物から得られ、
前記被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおいて、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P1)と、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P2)との比(P1/P2)が下記式
1.2 ≦(P1/P2)≦ 4.5
に示す関係を満たし、
かつ前記被覆層の付着量が0.05〜0.2g/m2の範囲であることを特徴とする積層フィルム。
(2)前記被覆層用樹脂組成物中のオキサゾリン基を含有する樹脂は、そのオキサゾリン基量が5.1〜9.0mmol/gである前記(1)に記載の積層フィルム。
(3)前記被覆層用樹脂組成物中に酸価40〜100mgKOH/gのポリエステル樹脂を含む前記(1)または(2)に記載の積層フィルム。
(4)前記被覆層用樹脂組成物の全樹脂成分100質量%中、前記ウレタン樹脂が30〜60質量%、前記オキサゾリン基を有する樹脂が20〜60質量%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層フィルム。
(5)前記被覆層の上に無機薄膜層が積層されてなる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層フィルム。
(6)前記無機薄膜層が、酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合酸化物の層である前記(5)に記載の積層フィルム。
本発明で用いるプラスチック基材フィルム(以下「基材フィルム」と称する)としては、例えば、プラスチックを溶融押出しし、必要に応じ、長手方向および/または幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムを用いることができる。プラスチックとしては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12等に代表されるポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等に代表されるポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等に代表されるポリオレフィン;のほか、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリ乳酸等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、寸歩安定性、透明性の点でポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートに他の成分を共重合した共重合体が好ましい。
基材フィルムの透明度は、特に限定されるものではないが、透明性が求められる包装材料として使用する場合には、50%以上の光線透過率をもつものが望ましい。
また基材フィルムには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、コロナ放電処理、グロー放電、火炎処理、表面粗面化処理等の表面処理が施されていてもよく、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾等が施されてもよい。
本発明において、被覆層は、メタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネートを主な構成成分とするウレタン樹脂とオキサゾリン基を有する樹脂とを含む被覆層用樹脂組成物から得られるものである。このとき、ウレタン樹脂中のメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分のポリイソシアネート成分全体に対する割合は50モル%以上である。また、被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおいて、2つの所定のピーク強度の比(P1/P2)が特定範囲であり、被覆層の付着量が特定の範囲である。これにより、レトルト処理を施した後も優れたバスバリア性およびラミネート強度を保持されることができる。以下、上記の被覆層の構成により、常態およびレトルト処理後にも優れたガスバリア性およびラミネート強度を維持できることの作用機序について説明する。
さらにレトルト処理時には、基材フィルムまたは無機薄膜層上に設けた後述のシーラント層が湿熱環境下に曝されることで寸法変化を起こし、隣接する無機薄膜層に応力負荷がかかる。その結果、無機薄膜層が破壊されてバリア性が低下してしまう場合があった。
1.2 ≦(P1/P2)≦ 4.5
に示す関係を満たしている必要がある。ここで、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークはオキサゾリン基に由来し、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークはポリウレタンに由来するものである。つまり、上記式は被覆層中のオキサゾリン基とポリウレタン結合の存在比率を表す指標となっており、オキサゾリン基とウレタンが効果的に相互作用するための最適な存在範囲を示している。上記式中、(P1/P2)で示される値は、好ましくは1.25以上、さらに好ましくは1.3以上であり、好ましくは4.45以下、さらに好ましくは4.3以下であり、特に好ましくは4.0以下である。(P1/P2)で示される値が1.2未満であると、オキサゾリン基量が少ないため、レトルト処理後において充分なガスバリア性およびラミネート強度が得られない場合がある。一方、(P1/P2)で示される値が4.5を超えると、ポリウレタンが少ないことから、ガスバリア性向上効果が得られない場合がある。また、オキサゾリン基量が多すぎると凝集力が低下し、レトルト処理後にガスバリア性・層間密着性が低下するおそれがある。なお、被覆層の全反射赤外吸収スペクトル測定は、例えば後述する実施例に記載の方法で行うことができる。
より、被覆層を均一に制御することができるため、被覆層表面の親水性を最大限生かすことができ、結果として無機薄膜層を緻密に堆積させることが可能になる。また被覆層自体の凝集力が向上し、無機薄膜層−被覆層−基材フィルムの各層間の密着性が高くなるため、被覆層の耐水性を高めることもできる。被覆層の付着量は、好ましくは0.06g/m2以上、より好ましくは0.07g/m2以上、さらに好ましくは0.08g/m2以上であり、好ましくは0.19g/m2以下、より好ましくは0.18g/m2以下、さらに好ましくは0.170g/m2以下である。被覆層の付着量が0.2g/m2を超えると、被覆層内部の凝集力が不充分となり、また被覆層の均一性も低下するため、無機薄膜層に欠陥が生じることとなり、レトルト処理前後の酸素バリア性や水蒸気バリア性を充分に発現できない場合がある。しかもガスバリア性が低下するだけでなく、製造コストが高くなり経済的に不利になる。一方、被覆層の膜厚が0.05g/m2未満であると、充分なガスバリア性および層間密着性が得られないおそれがある。
本発明においては、メタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネートを主な構成成分とするウレタン樹脂を用いることが必要である。このウレタン樹脂中のメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分のポリイソシアネート成分全体に対する割合は50モル%以上である。
ウレタン樹脂の合成に用いることのできるポリイソシアネート成分(A)としては、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が含まれる。ポリイソシアネート化合物としては、通常、ジイソシアネート化合物が使用される。
ポリオール成分(特にジオール成分)としては、低分子量のグリコールからオリゴマーまで用いることはできるが、ガスバリア性の観点から、通常、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等の直鎖状または分岐鎖状C2-10アルキレングリコール)、(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)等の低分子量グリコールが使用される。好ましいグリコール成分は、C2-8ポリオール成分[例えば、C2-6アルキレングリコール(特に、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール)等]、ジまたはトリオキシC2-3アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)であり、特に好ましいジオール成分はC2-8アルキレングリコール(特にC2-6アルキレングリコール)である。
ウレタン樹脂の酸価は10〜60mgKOH/gの範囲内であるのが好ましい。より好ましくは15〜55mgKOH/gの範囲内、さらに好ましくは20〜50mgKOH/gの範囲内である。ウレタン樹脂の酸価が前記範囲であると、被覆層は部分的に架橋しながらも柔軟性を維持でき、一層の凝集力向上と無機薄膜の応力緩和を両立できる。
本発明の被覆層には、オキサゾリン基を有する樹脂由来の成分も含まれる必要がある。そのため、被覆層用樹脂組成物は、オキサゾリン基を有する樹脂を含有する。オキサゾリン基を有する樹脂としては、例えば、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体を、必要に応じその他の重合性不飽和単量体とともに従来公知の方法(例えば溶液重合、乳化重合等)で共重合させることにより得られるオキサゾリン基を有する重合体等を挙げることができる。
本発明で用いる被覆層用樹脂組成物には、被覆層の表面親水性および架橋密度を向上させるために、高酸価の水性樹脂を含有させてもよい。高酸価の樹脂を混合することで、カルボン酸基による表面親水効果が期待できる。また、オキサゾリン基と部分的に架橋することで被覆層の凝集力が向上し、耐水性をより向上させることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。基材との接着性の面も考慮すると、ポリエステル樹脂がより好ましい。樹脂の酸価は40〜100mgKOH/gが好ましく、より好ましくは45〜95mgKOH/g、さらに好ましくは50mg〜90mgKOH/gである。酸価が40mgKOH/g未満であると、表面親水化および架橋密度向上の効果が得られないおそれがある。また、酸価が100mgKOH/gを超えると、架橋が進みすぎることによって被覆層の柔軟性が低下するおそれがあり、また液としての安定性も低下するおそれがある。
本発明の積層フィルムは、前記被覆層のさらにその上に無機薄膜層が積層されている態様であってもよい。つまり、本発明の積層フィルムは無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムに用いるものであるが、無機薄膜層を予め積層した態様も本発明の積層フィルムに包含される。
本発明の積層フィルムを用いてなる無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムには、上記基材フィルム、被覆層および無機薄膜層のほかに、必要に応じて、公知のガスバリア性積層フィルムが備えている種々の層を設けることができる。
例えば、無機薄薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムを包装材料として用いる場合には、シーラントと呼ばれるヒートシール性樹脂層を形成することが好ましい。ヒートシール性樹脂層は通常、無機薄膜層上に設けられるが、基材フィルムの外側(被覆層形成面の反対側の面)に設けることもある。ヒートシール性樹脂層の形成は、通常押出しラミネート法あるいはドライラミネート法によりなされる。ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性重合体としては、シーラント接着性が充分に発現できるものであればよく、HDPE、LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、ポリプロピレン樹脂。エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂等を使用できる。
実施例および比較例で得られた各積層フィルムの無機薄膜層の上に、ウレタン系2液硬化型接着剤(三井化学社製「タケラック(登録商標)A525S」と「タケネート(登録商標)A50」とを13.5:1(質量比)の割合で配合)を用いて、ドライラミネート法により、厚さが15μmのナイロンフィルム(東洋紡社製「N1100」)を貼り合わせた。次にこのナイロンフィルムの上に、ヒートシール性樹脂層として厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「P1147」)を上記と同じウレタン系2液硬化型接着剤を用いてドライラミネート法により貼り合わせ、40℃で4日間エージングを施すことによって、評価用のラミネートガスバリア性積層体(以下「ラミネート積層体」と称することもある)を得た。なお、ウレタン系2液硬化型接着剤で形成された接着剤層の乾燥後の厚みはいずれも約4μmであった。
上記(1)で作製したラミネート積層体について、JIS−K7126−2の電解センサー法(付属書A)に準じて、酸素透過度測定装置(MOCON社製「OX−TRAN 2/20」)を用い、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で、常態での酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度の測定は、ラミネート積層体の基材フィルム側からヒートシール性樹脂層側に酸素が透過する方向で行った。
上記(1)で作製したラミネート積層体を幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、テンシロン万能材料試験機(東洋ボールドウイン社製「テンシロンUMT−II−500型」)を用いてラミネート強度(常態)を測定した。ラミネート強度は、引張速度を200mm/分とし、無機薄膜層とナイロンフィルムとの間に水を付けて、剥離角度90度で剥離させたときの強度とした。
各実施例および比較例において、基材フィルム上に被覆層を積層した段階で得られた各フィルムの被覆層の面について、全反射吸収赤外分光法で全反射赤外吸収スペクトルを測定し、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピーク(オキサゾリン由来のピーク)のピーク強度(P1)と、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピーク(ポリウレタン由来のピーク)のピーク強度(P2)を求め、その強度比(P1/P2)を算出した。
ピーク強度の算出に際しては、ピーク強度の比(P1/P2)は各ピークの高さの比に基づき求めた。なお、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークについては、ピークがショルダーになることから、1600cm-1と1800cm-1を結ぶ線をベースラインとし、一方、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのベースラインについては、ピークの両側の袖を結ぶ線とした。
装置:Varian社製「FTS−60A/896」
1回反射ATRアタッチメント:SPECTRA TECH社製「Silver Gate」
光学結晶:Ge
入射角:45°
分解能:4cm-1
積算回数:128回
各実施例および比較例において、基材フィルム上に被覆層を積層した段階で得られた各積層フィルムを試料とし、この試料から100mm×100mmの試験片を切り出し、N,N−ジメチルホルムアミドによる被覆層の拭き取りを行い、拭き取り前後のフィルムの質量変化から被覆層の付着量を算出した。
オキサゾリンを含有する樹脂を凍結乾燥し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて1H−NMRスペクトルを測定し、オキサゾリン基に由来する吸収ピーク強度と、その他のモノマーに由来する吸収ピーク強度とを求め、それらのピーク強度からオキサゾリン基量(mmol/g)を算出した。
試料を減圧乾燥し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて1H−NMRスペクトルを測定し、各イソシアネート成分に由来するピーク強度の積分比からイソシアネート成分のモル%比を決定した。
オキサゾリン基を有する樹脂として、市販の水溶性オキサゾリン基含有アクリレート(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−300」;固形分10%)を用意した。この樹脂のオキサゾリン基量は7.7mmol/gであり、GPCにより測定した数平均分子量は40000であった。
ウレタン樹脂として、市販のメタキシリレン基含有ウレタン樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(登録商標)WPB341」;固形分30%)を用意した。このウレタン樹脂の酸価は25mgKOH/gであり、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)は130℃であった。また、1H−NMRにより測定したポリイソシアネート成分全体に対するメタキシリレンジイソシアネートの割合は、85モル%であった。
ウレタン樹脂として、市販のポリエステルウレタン樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(登録商標)W605」;固形分30%)を用意した。このウレタン樹脂の酸価は25mgKOH/gであり、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)は100℃であった。また、1H−NMRにより測定したポリイソシアネート成分全体に対するメタキシリレンジイソシアネートの割合は、45モル%であった。
高酸価の水性樹脂として、オキサゾリン基を有していない市販のポリエステル樹脂のエマルジョン(互応化学工業社製「プラスコート(登録商標)Z−730」;固形分25%)を用意した。この樹脂の酸価は50mgKOH/gであった。
(1)塗布液(被覆層用樹脂組成物)の調製
下記の配合比率で各材料を混合し、塗布液(被覆層用樹脂組成物)を作製した。なお、得られた塗布液中のオキサゾリン基を有する樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂の固形分換算の質量比は表1に示す通りである。
水 26.47%
イソプロパノール 25.00%
オキサゾリン基含有樹脂 (A−1) 32.00%
メタキシリレン基含有ウレタン樹脂 (B−1) 13.33%
ポリエステル樹脂 (C−1) 3.20%
極限粘度0.62(30℃、フェノール/テトラクロロエタン(質量比)=60/40)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)を予備結晶化した後、本乾燥し、Tダイを有する押出機を用いて280℃で押出し、表面温度40℃のドラム上で急冷固化して無定形シートを得た。次に、得られた無定形シートを加熱ロールと冷却ロールとの間で縦方向に100℃で4.0倍に延伸し、一軸延伸PETフィルムを得た。
次に、得られた一軸延伸PETフィルムの片面に、上記(1)で調製した塗布液をファウンテンバーコート法により塗布した。その後、乾燥しながらテンターに導き、予熱温度100℃で溶媒を揮発、乾燥させた。次いで、温度120℃で横方向に4.0倍に延伸し、6%の横方向の弛緩を行いながら、225℃で熱固定処理を行うことにより、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(プラスチック基材フィルム)の片面に被覆層が形成された積層フィルムを得た。
なお、この積層フィルムについて、前記したとおりにして、被覆層のP1/P2と、付着量を測定した。結果を表1に示す。
次に、上記(2)で得られた積層フィルムの被覆層面に、無機薄膜層として、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合無機酸化物層を電子ビーム蒸着法で形成した。蒸着源としては、3mm〜5mm程度の粒子状SiO2(純度99.9%)とA12O3(純度99.9%)とを用いた。ここで複合酸化物層の組成は、SiO2/A12O3(質量比)=60/40であった。また無機薄膜層(SiO2/A12O3複合酸化物層)の膜厚は13nmであった。
塗布液(被覆層用樹脂組成物)を調製するにあたり、オキサゾリン基を有する樹脂、ウレタン樹脂およびポリエステル樹脂の種類と固形分換算の質量比が表1に示す通りとなるよう各材料の使用量を変更したこと(このとき、塗工液全量に占めるイソプロパノールの比率は、実施例1と同様、25.00%とした)、あるいは被覆層の付着量が表1に示す通りとなるよう変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、酸素透過度、およびラミネート強度を評価した。結果を表1に示す。
Claims (6)
- プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に被覆層が設けられてなり、
前記被覆層は、ポリイソシアネート成分全体の50モル%以上がメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分で構成されているウレタン樹脂およびオキサゾリン基を有する樹脂を構成成分とする被覆層用樹脂組成物から得られ、
前記被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおいて、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P1)と、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P2)との比(P1/P2)が下記式
1.2 ≦(P1/P2)≦ 4.3
に示す関係を満たし、
かつ前記被覆層の付着量が0.05〜0.2g/m2の範囲であることを特徴とする無機薄膜層形成用の積層フィルム。 - 前記被覆層用樹脂組成物中のオキサゾリン基を含有する樹脂は、そのオキサゾリン基量が5.1〜9.0mmol/gである請求項1に記載の無機薄膜層形成用の積層フィルム。
- 前記被覆層用樹脂組成物は、さらに、酸価40〜100mgKOH/gのポリエステル樹脂を含むものである請求項1または2に記載の無機薄膜層形成用の積層フィルム。
- 前記被覆層用樹脂組成物の全樹脂成分100質量%中、前記ウレタン樹脂が30〜60質量%、前記オキサゾリン基を有する樹脂が20〜60質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の無機薄膜層形成用の積層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の無機薄膜層形成用の積層フィルムの前記被覆層の上に、無機薄膜層が積層されてなる積層フィルム。
- 前記無機薄膜層が、酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合酸化物の層である請求項5に記載の積層フィルム。
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