JP6631098B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、食品、医薬品、工業製品等の包装分野に用いられる積層フィルムに関する。詳しくは、無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムとした際に、無機薄膜層の層間密着性を高めることができ、レトルト処理を施しても良好なガスバリア性と密着性(ラミネート強度)を発現させ得る積層フィルムに関する。
食品、医薬品等に用いられる包装材料は、蛋白質、油脂の酸化抑制、味、鮮度の保持、医薬品の効能維持のために、酸素や水蒸気等のガスを遮断する性質、すなわちガスバリア性を備えることが求められている。また、太陽電池や有機EL等の電子デバイスや電子部品等に使用されるガスバリア性材料は、食品等の包装材料以上に高いガスバリア性を必要とする。
従来から、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする食品用途においては、プラスチックからなる基材フィルムの表面に、アルミニウム等からなる金属薄膜、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の無機酸化物からなる無機薄膜を形成したガスバリア性積層体が、一般的に用いられている。中でも、酸化ケイ素や酸化アルミニウム、これらの混合物等の無機酸化物の薄膜(無機薄膜層)を形成したものは、透明であり内容物の確認が可能であることから、広く使用されている。
しかしながら、上記のガスバリア性積層体は、形成工程において局部的に高温となりやすいため、基材に損傷が生じたり、低分子量の部分あるいは可塑剤等の添加剤の部分で分解や脱ガス等が起こり、それに起因して無機薄膜層中に欠陥やピンホール等が発生し、ガスバリア性が低下したりする場合がある。さらに、印刷、ラミネート、製袋等包装材料の後加工の際に無機薄膜層がひび割れてクラックが発生し、ガスバリア性が低下するといった問題もあった。特に、食品用包装材料等のレトルト処理が施される用途においては、レトルト処理によってガスバリア性が大幅に低下したり、無機薄膜とそれに接する樹脂間の層間密着性が低下して内容物が漏れ出たりする問題があった。
これに対して、無機薄膜を形成したガスバリア性積層体の劣化を改善する方法として、ポリエステル基材フィルムと例えば蒸着法により形成した無機薄膜層との間に、各種水性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリウレタンとポリエステルの混合物からなる被覆層を設ける方法が提案されている(例えば特許文献1)。さらに、湿熱下での被覆層の耐水性を向上させるために、各種水性ポリウレタンおよび/または水性ポリエステル樹脂とオキサゾリン基含有水溶性ポリマーとからなる被覆層を設けることが報告されている(例えば特許文献2参照)。基材フィルムと無機薄膜の間に被覆層を設けることは、基材の製膜中に連続して行うことも可能であり、無機薄膜上に保護層を形成するよりも大きなコストダウンが見込める。しかし、上記構成の場合、被覆層自体にガスバリア性は無く、ガスバリア性に対する寄与は無機薄膜層のみによるところが大きいため、無機薄膜層上にガスバリア性保護層を形成させる場合に比べて、ガスバリア性が充分でない問題があった。
上述したいずれの方法でも、製造時の生産安定性および経済性に優れ、さらにレトルト処理のような苛酷な処理が施されても、充分満足し得るガスバリア性やラミネート強度を発揮させることのできる積層フィルムは得られていないのが現状であった。
一方、本願出願人は、ウレタン結合およびウレア結合と酸基を有するポリウレタン樹脂とオキサゾリン基を含有する樹脂を被覆層とする蒸着用積層フィルムについて特許出願した(特許文献3)。また、本願出願人は、ポリウレタン樹脂とオキサゾリン基を含む樹脂との比率と、被覆層の厚みとを関連付けることにより、ラミネート強度が向上した積層フィルムを見出し、これに関しても既に特許出願した(特許文献4)。
特開平2−50837号公報 特開2002−301787号公報 特開2012−206327号公報 特開2012−214035号公報
上記特許文献3では、特に水蒸気バリア性の向上を目指したことから、ラミネート強度については検討されていなかった。また特許文献4では、酸素透過度、水蒸気透過度、ラミネート強度について検討されており、それぞれ良好な値を示したが、レトルト処理後のガスバリア性については改善の余地があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を背景になされたものであり、無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムとした際に、常態においてはもちろんのこと、レトルト処理を施した後にも、ガスバリア性に優れ、層間剥離が生じない良好な密着性を発現させることができ、しかも製造が容易で経済性にも優れた積層フィルムを提供することを課題として掲げた。
本発明者らは、プラスチック基材フィルムと無機薄膜層との間に設ける被覆層に関し、被覆層自体にガスバリア性を付与することに加え、被覆層表面を親水化して無機薄膜層を均一且つ緻密に堆積させることで、一層のガスバリア性向上効果が望めることを見出した。さらに、本発明者らは、被覆層中の親水性成分、オキサゾリン基および無機物を適時架橋反応させることで、レトルト処理後にもガスバリア性向上効果が維持されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に被覆層が設けられてなり、前記被覆層は、ポリイソシアネート成分全体の50モル%以上がメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分で構成されているウレタン樹脂およびオキサゾリン基を有する樹脂を構成成分とする被覆層用樹脂組成物から得られ、
前記被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおいて、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P1)と、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P2)との比(P1/P2)が下記式
1.2 ≦(P1/P2)≦ 4.5
に示す関係を満たし、
かつ前記被覆層の付着量が0.05〜0.2g/m2の範囲であることを特徴とする積層フィルム。
(2)前記被覆層用樹脂組成物中のオキサゾリン基を含有する樹脂は、そのオキサゾリン基量が5.1〜9.0mmol/gである前記(1)に記載の積層フィルム。
(3)前記被覆層用樹脂組成物中に酸価40〜100mgKOH/gのポリエステル樹脂を含む前記(1)または(2)に記載の積層フィルム。
(4)前記被覆層用樹脂組成物の全樹脂成分100質量%中、前記ウレタン樹脂が30〜60質量%、前記オキサゾリン基を有する樹脂が20〜60質量%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層フィルム。
(5)前記被覆層の上に無機薄膜層が積層されてなる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層フィルム。
(6)前記無機薄膜層が、酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合酸化物の層である前記(5)に記載の積層フィルム。
本発明によれば、無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムとした際に、常態においてはもちろんのこと、レトルト処理を施した後にも優れたガスバリア性を発揮し、また層間剥離が生じない良好なラミネート強度(密着性)を発現させる積層フィルムを提供することができた。しかも、本発明の積層フィルムは加工工程が少なくかつ容易に製造できるので、経済性と生産安定性の両方に優れており、均質な特性のガスバリア性フィルムを提供することができた。
本発明の積層フィルムは、プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に被覆層が設けられたものである。まずプラスチック基材フィルムについて説明し、次いでこれに積層する被覆層や無機薄膜層さらにはその他の層について説明する。
[プラスチック基材フィルム]
本発明で用いるプラスチック基材フィルム(以下「基材フィルム」と称する)としては、例えば、プラスチックを溶融押出しし、必要に応じ、長手方向および/または幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムを用いることができる。プラスチックとしては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12等に代表されるポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等に代表されるポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等に代表されるポリオレフィン;のほか、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリ乳酸等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、寸歩安定性、透明性の点でポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートに他の成分を共重合した共重合体が好ましい。
基材フィルムとしては、機械強度、透明性等所望の目的や用途に応じて任意の膜厚のものを使用することができ、その膜厚は特に限定されないが、通常は5〜250μmであることが推奨され、包装材料として用いる場合は10〜60μmであることが望ましい。
基材フィルムの透明度は、特に限定されるものではないが、透明性が求められる包装材料として使用する場合には、50%以上の光線透過率をもつものが望ましい。
基材フィルムは、1種のプラスチックからなる単層型フィルムであってもよいし、2種以上のプラスチックフィルムが積層された積層型フィルムであってもよい。積層型フィルムとする場合の積層体の種類、積層数、積層方法等は特に限定されず、目的に応じて公知の方法から任意に選択することができる。
また基材フィルムには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、コロナ放電処理、グロー放電、火炎処理、表面粗面化処理等の表面処理が施されていてもよく、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾等が施されてもよい。
[被覆層]
本発明において、被覆層は、メタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネートを主な構成成分とするウレタン樹脂とオキサゾリン基を有する樹脂とを含む被覆層用樹脂組成物から得られるものである。このとき、ウレタン樹脂中のメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分のポリイソシアネート成分全体に対する割合は50モル%以上である。また、被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおいて、2つの所定のピーク強度の比(P1/P2)が特定範囲であり、被覆層の付着量が特定の範囲である。これにより、レトルト処理を施した後も優れたバスバリア性およびラミネート強度を保持されることができる。以下、上記の被覆層の構成により、常態およびレトルト処理後にも優れたガスバリア性およびラミネート強度を維持できることの作用機序について説明する。
従来、基材フィルム上に被覆層と無機薄膜層を積層した積層フィルムにおいては、ガスバリア性を向上させるために、無機薄膜層または被覆層自体のガスバリア性を別々に向上させる方法が採られていた。
本発明の被覆層は、メタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネートを主な構成成分とするウレタン樹脂を含んでいる。このウレタン樹脂は、その水素結合力による凝集力の高さから、樹脂自体がガスバリア性を有する。また、この樹脂は、ウレタン結合由来の高い親水性表面を形成するという側面も持ち合わせている。このため、蒸着法で形成される無機薄膜層の下地として用いた場合、同様に親水性である無機物が均一括緻密に堆積し易いという特徴を有する。また、本発明者らは、このようなウレタン樹脂と、オキサゾリン基を有する樹脂のような親水性の架橋剤を併用し、必要により、酸価の高い水性樹脂をも併用することで、上記のウレタン樹脂の特徴をさらに有効に発揮させ得ることを見出した。これにより、ウレタン結合中の親水性基に引き寄せられた無機物が、近傍に存在する他の樹脂の親水性基とも分子間相互作用することが可能となり、強固かつ緻密な無機薄膜の形成が促進されることとなる。その結果、無機薄膜層のガスバリア性向上が可能となる。
本発明者らは、前述のガスバリア性向上効果をレトルト処理後も維持できることも見出した。従来、無機薄膜層を備えた積層フィルムの場合、無機薄膜層と基材フィルム、あるいは基材フィルムとその上に設けた被覆層との密着性が不充分であると、レトルト処理した際に層間に水が入り込み、無機薄膜層との界面で剥離が生じていた。そして、この剥離部分をきっかけとして無機薄膜層に割れや浮きが生じ、その結果、ガスバリア性およびラミネート強度が低下するという問題が生じていた。
またレトルト処理時の層間剥離は、基材フィルムと被覆層との間にも起きる。すなわち、レトルト処理時には、基材フィルムを構成するポリエステル樹脂等のプラスチックや被覆層中の樹脂が加水分解してしまい、結合が分断されることがある。その結果、基材フィルムと被覆層との間の密着性不良が起こり、上記同様にガスバリア性およびラミネート強度が低下する原因となることもあった。
さらにレトルト処理時には、基材フィルムまたは無機薄膜層上に設けた後述のシーラント層が湿熱環境下に曝されることで寸法変化を起こし、隣接する無機薄膜層に応力負荷がかかる。その結果、無機薄膜層が破壊されてバリア性が低下してしまう場合があった。
しかし、本発明の被覆層は、メタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネートを主な構成成分とするウレタン樹脂と、オキサゾリン基含有樹脂を含んでいるため、(水添)キシリレン基同士のスタッキング効果によってウレタン樹脂の凝集力が一層高まり、オキサゾリン基含有樹脂により被覆層に架橋構造が形成されていると同時に、被覆層中にオキサゾリン基が残存しているので、これがレトルト処理時のガスバリア性・密着性の維持に寄与して、高い性能を示すことができるのである。
さらに、オキサゾリン基はその親水性から無機物との親和性が高く、また無機薄膜層形成時に発生する無機酸化物の酸素欠損部分や金属水酸化物と相互作用できるため、無機薄膜層と強固な密着性を示す。また被覆層中に存在する未反応のオキサゾリン基は、基材フィルムの加水分解で発生したカルボン酸末端および、被覆層中に存在するカルボン酸末端と反応し、架橋を形成することができる。このような作用により、本発明では、レトルト処理時であっても、無機薄膜層−被覆層−基材フィルムの各層間の密着性が強固になり、結果として無機薄膜のひび割れや劣化を防止でき、ガスバリア性およびラミネート強度を維持できる。
上記のような作用効果を発現させるために、本発明においては、被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおいて1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P1)と1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P2)との比(P1/P2)が下記式
1.2 ≦(P1/P2)≦ 4.5
に示す関係を満たしている必要がある。ここで、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークはオキサゾリン基に由来し、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークはポリウレタンに由来するものである。つまり、上記式は被覆層中のオキサゾリン基とポリウレタン結合の存在比率を表す指標となっており、オキサゾリン基とウレタンが効果的に相互作用するための最適な存在範囲を示している。上記式中、(P1/P2)で示される値は、好ましくは1.25以上、さらに好ましくは1.3以上であり、好ましくは4.45以下、さらに好ましくは4.3以下であり、特に好ましくは4.0以下である。(P1/P2)で示される値が1.2未満であると、オキサゾリン基量が少ないため、レトルト処理後において充分なガスバリア性およびラミネート強度が得られない場合がある。一方、(P1/P2)で示される値が4.5を超えると、ポリウレタンが少ないことから、ガスバリア性向上効果が得られない場合がある。また、オキサゾリン基量が多すぎると凝集力が低下し、レトルト処理後にガスバリア性・層間密着性が低下するおそれがある。なお、被覆層の全反射赤外吸収スペクトル測定は、例えば後述する実施例に記載の方法で行うことができる。
さらに本発明においては、被覆層の付着量を0.05〜0.2g/m2とする。これに
より、被覆層を均一に制御することができるため、被覆層表面の親水性を最大限生かすことができ、結果として無機薄膜層を緻密に堆積させることが可能になる。また被覆層自体の凝集力が向上し、無機薄膜層−被覆層−基材フィルムの各層間の密着性が高くなるため、被覆層の耐水性を高めることもできる。被覆層の付着量は、好ましくは0.06g/m2以上、より好ましくは0.07g/m2以上、さらに好ましくは0.08g/m2以上であり、好ましくは0.19g/m2以下、より好ましくは0.18g/m2以下、さらに好ましくは0.170g/m2以下である。被覆層の付着量が0.2g/m2を超えると、被覆層内部の凝集力が不充分となり、また被覆層の均一性も低下するため、無機薄膜層に欠陥が生じることとなり、レトルト処理前後の酸素バリア性や水蒸気バリア性を充分に発現できない場合がある。しかもガスバリア性が低下するだけでなく、製造コストが高くなり経済的に不利になる。一方、被覆層の膜厚が0.05g/m2未満であると、充分なガスバリア性および層間密着性が得られないおそれがある。
以上のことから、本発明の積層フィルムは、無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムとしたときに、レトルト処理後であっても優れたガスバリア性および層間密着性(ラミネート強度)を維持することができる。
次に、被覆層を形成する被覆層用樹脂組成物の構成成分について詳細に説明する。
(ウレタン樹脂)
本発明においては、メタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネートを主な構成成分とするウレタン樹脂を用いることが必要である。このウレタン樹脂中のメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分のポリイソシアネート成分全体に対する割合は50モル%以上である。
これにより、前記したウレタン樹脂の各種効果が充分発現し、特に酸素バリア性、水蒸気バリア性を向上させることができる。このウレタン樹脂は、原料の一つであるポリイソシアネート成分(A)としてメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネートを用いて製造することが好ましい。
本発明においては、ウレタン樹脂中のメタキシリレンジイソシアネートと水添メタキシリレンジイソシアネートの合計量の割合を、ポリイソシアネート成分(A)100モル%中、50モル%以上(50〜100モル%)の範囲とする必要がある。本範囲にすることで、キシリレン基同士のスタッキング効果によりウレタン結合の凝集力を一層高めることができ、結果として良好なガスバリア性および表面親水化効果の向上につながる。メタキシリレンジイソシアネートと水添メタキシリレンジイソシアネートの合計量の割合は、60〜100モル%が好ましく、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%である。メタキシリレンジイソシアネートと水添メタキシリレンジイソシアネートの合計量の割合が50モル%未満であると、ウレタン結合の凝集力が弱まり、耐水性の低下や、被覆層上に堆積する無機薄膜層に欠陥が生じることになる。
ウレタン樹脂は、下記ポリイソシアネート(A)に下記ポリオール成分(B)を、メタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分量が上記範囲となるように、通常の方法により反応させることにより得られる。さらに、ジオール化合物(例えば1,6−ヘキサンジオール等)やジアミン化合物(例えばヘキサメチレンジアミン等)等の2個以上の活性水素を有する低分子化合物を鎖延長剤として反応させることにより鎖延長することも可能である。また、三井化学社から市販されている「タケラック(登録商標)WPB」シリーズも好適な水系ウレタン樹脂として用いることができる。
(A)ポリイソシアネート成分
ウレタン樹脂の合成に用いることのできるポリイソシアネート成分(A)としては、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が含まれる。ポリイソシアネート化合物としては、通常、ジイソシアネート化合物が使用される。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4'−ジフェニルシイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4'−、2,4'−、または2,2'−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4'−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4'−ジフェニルエーテルシイソシアネート等が例示できる。芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン等が例示できる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4'−、2,4'−または2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート))(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(水添XDI)等を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンダメチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカフェート等を挙げることができる。
(B)ポリオール化合物
ポリオール成分(特にジオール成分)としては、低分子量のグリコールからオリゴマーまで用いることはできるが、ガスバリア性の観点から、通常、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等の直鎖状または分岐鎖状C2-10アルキレングリコール)、(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)等の低分子量グリコールが使用される。好ましいグリコール成分は、C2-8ポリオール成分[例えば、C2-6アルキレングリコール(特に、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール)等]、ジまたはトリオキシC2-3アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)であり、特に好ましいジオール成分はC2-8アルキレングリコール(特にC2-6アルキレングリコール)である。
これらのジオール成分は単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。さらに必要に応じて、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールA、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,3−または1,4−キシリレンジオールもしくはその混合物等)、脂環族ジオール(例えば、水添ビスフェノールA、キシリレンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等)等の低分子量ジオール成分を併用してもよい。さらに、必要により、3官能以上のポリオール成分、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等のポリオール成分を併用することもできる。ポリオール成分は、少なくともC2-8ポリオール成分(特に、C2-6アルキレングリコール)を含むのが好ましい。ポリオール成分100質量%中のC2-8ポリオール成分(特に、C2-6アルキレングリコール)の割合は、50〜100質量%程度の範囲から選択でき、通常、70質量%以上100質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下である。
前記ウレタン樹脂は、カルボン酸基(カルボキシル基)を有することが好ましい。親水性部分が増えて無機物との親和性が高まり、また、オキサゾリン基との反応点としても被覆層の特性向上に役立つ。ウレタン樹脂にカルボン酸(塩)基を導入するためには、例えば、ポリオール成分として、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボン酸基を有するポリオール化合物を共重合成分として導入すればよい。また、カルボン酸基含有ウレタン樹脂を合成後、塩形成剤により中和すれば、水分散体のウレタン樹脂を得ることができる。塩形成剤の具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のN−アルキルモルホリン類、N−ジメチルエタノールアミン、N−ジエチルエタノールアミン等のN−ジアルキルアルカノールアミン類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ウレタン樹脂の特性)
ウレタン樹脂の酸価は10〜60mgKOH/gの範囲内であるのが好ましい。より好ましくは15〜55mgKOH/gの範囲内、さらに好ましくは20〜50mgKOH/gの範囲内である。ウレタン樹脂の酸価が前記範囲であると、被覆層は部分的に架橋しながらも柔軟性を維持でき、一層の凝集力向上と無機薄膜の応力緩和を両立できる。
本発明のウレタン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上であることが好ましく、より好ましくは90℃以上である。Tgを80℃以上にすることで、レトルト処理過程(昇温〜保温〜降温)における分子運動による被覆層の膨潤を低減できる。
ウレタン樹脂の含有割合は、被覆層用樹脂組成物中の全樹脂成分100質量%中、30〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは35〜55質量%、さらに好ましくは40〜50質量%であるのがよい。上記範囲でウレタン樹脂を含有させることにより、表面親水化によるガスバリア性の向上が期待できる。
(オキサゾリン基を有する樹脂)
本発明の被覆層には、オキサゾリン基を有する樹脂由来の成分も含まれる必要がある。そのため、被覆層用樹脂組成物は、オキサゾリン基を有する樹脂を含有する。オキサゾリン基を有する樹脂としては、例えば、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体を、必要に応じその他の重合性不飽和単量体とともに従来公知の方法(例えば溶液重合、乳化重合等)で共重合させることにより得られるオキサゾリン基を有する重合体等を挙げることができる。
オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
その他の重合性不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜24個のアルキルまたはシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素数2〜8個のヒドロキシアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるオキサゾリン基を有する樹脂は、他樹脂との相溶性、濡れ性、架橋反応効率、被覆層の透明性等を向上させる観点から、水溶性樹脂または水分散性樹脂であることが好ましい。オキサゾリン基を有する樹脂を水溶性樹脂または水分散性樹脂とするためには、前記その他の重合性不飽和単量体として親水性単量体を含有させるのが好ましい。
親水性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールのモノエステル化合物等のポリエチレングリコール鎖を有する単量体、2−アミノエチル(メタ)アクリレートおよびその塩、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、水への溶解性の高いメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールのモノエステル化合物等のポリエチレングリコール鎖を有する単量体(導入するポリエチレングリコール鎖の分子量は、好ましくは150〜700、特に、耐水性の観点からは150〜200、他の樹脂との相溶性や被覆層の透明性の観点からは300〜700)が好ましい。
オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体およびその他の重合性不飽和単量体からなる共重合体において、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体が占める組成モル比は、30〜70モル%であることが好ましく、40〜65モル%であることがより好ましい。
オキサゾリン基を有する樹脂は、そのオキサゾリン基含有量が5.1〜9.0mmol/gであることが好ましい。より好ましくは6.0〜8.0mmol/gの範囲内である。従来、オキサゾリン基を有する樹脂を被覆層に用いることに関し、オキサゾリン基が5.0mmol/g程度の樹脂の使用例は報告されているが(例えば、特許文献2参照)、本発明では比較的オキサゾリン基量が多い樹脂を使用する。これは、オキサゾリン基量が多い樹脂を用いることにより、被覆層に架橋構造を形成させると同時に、被覆層中にオキサゾリン基を残存させることができ、その結果、レトルト処理時のガスバリア性・密着性の維持に寄与できる。このようなオキサゾリン基含有樹脂としては、日本触媒社から「エポクロス(登録商標)」シリーズとして市販されている。
オキサゾリン基を有する樹脂の数平均分子量は、被覆層の柔軟性と凝集力を発現させるうえでは、20000〜50000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは25000〜45000である。数平均分子量が20000未満であると、架橋構造をとった際の拘束力が大きくなることから、レトルト処理時における被覆層の柔軟性が充分に得られず、無機薄膜層への応力負荷が増大する虞がある。一方、数平均分子量が50000を超えると、被覆層の凝集力が充分でないことから、耐水性が低下するおそれがある。
オキサゾリン基を有する樹脂の含有割合は、被覆層用樹脂組成物中の全樹脂成分100質量%中、20〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜55質量%、さらに好ましくは30〜50質量%であるのがよい。オキサゾリン基を有する樹脂の含有割合が20質量%未満であると、オキサゾリン基による耐水密着性の向上効果が充分に発揮されない傾向にあり、一方、60質量%を超えると、未反応のオキサゾリン基が多すぎて、上述した(P1/P2)の値が前記範囲の上限を超えやすくなる結果、被覆層の凝集力が不充分となり、耐水性が低下するおそれがある。
(高酸価の水性樹脂)
本発明で用いる被覆層用樹脂組成物には、被覆層の表面親水性および架橋密度を向上させるために、高酸価の水性樹脂を含有させてもよい。高酸価の樹脂を混合することで、カルボン酸基による表面親水効果が期待できる。また、オキサゾリン基と部分的に架橋することで被覆層の凝集力が向上し、耐水性をより向上させることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。基材との接着性の面も考慮すると、ポリエステル樹脂がより好ましい。樹脂の酸価は40〜100mgKOH/gが好ましく、より好ましくは45〜95mgKOH/g、さらに好ましくは50mg〜90mgKOH/gである。酸価が40mgKOH/g未満であると、表面親水化および架橋密度向上の効果が得られないおそれがある。また、酸価が100mgKOH/gを超えると、架橋が進みすぎることによって被覆層の柔軟性が低下するおそれがあり、また液としての安定性も低下するおそれがある。
被覆層用樹脂組成物が前記水性樹脂を含有する場合、水性樹脂の含有割合は、組成物中の全樹脂成分100質量%中、0超〜15質量%であることが好ましく、より好ましくは2.5〜12.5質量%、さらに好ましくは5〜10質量%であるのがよい。
なお、被覆層用樹脂組成物には、必要に応じて、本発明を損なわない範囲で、静電防止剤、滑り剤、アンチブロッキング剤等の公知の無機、有機の各種添加剤を含有させてもよい。
被覆層の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えばコート法等従来公知の方法を採用することができる。コート法の中でも好適な方法としては、オフラインコート法、インラインコート法を挙げることができる。例えば基材フィルムを製造する工程で行うインラインコート法の場合、コート時の乾燥や熱処理の条件は、コート厚みや装置の条件にもよるが、コート後直ちに直角方向の延伸工程に送入し延伸工程の予熱ゾーンあるいは延伸ゾーンで乾燥させることが好ましく、そのような場合には通常50〜250℃程度の温度とすることが好ましい。
[無機薄膜層]
本発明の積層フィルムは、前記被覆層のさらにその上に無機薄膜層が積層されている態様であってもよい。つまり、本発明の積層フィルムは無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムに用いるものであるが、無機薄膜層を予め積層した態様も本発明の積層フィルムに包含される。
無機薄膜層は金属または無機酸化物からなる薄膜である。無機薄膜層を形成する材料は、薄膜にできるものなら特に制限はないが、ガスバリア性の観点から、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合物等の無機酸化物が好ましく挙げられる。特に、薄膜層の柔軟性と緻密性を両立できる点からは、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの複合酸化物が好ましい。この複合酸化物において、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合比は、金属分の質量比でAlが20〜70%の範囲であることが好ましい。Al濃度が20%未満であると、水蒸気バリア性が低くなる場合がある。一方、70%を超えると、無機薄膜層が硬くなる傾向があり、印刷やラミネートといった二次加工の際に膜が破壊されてバリア性が低下するおそれがある。なお、ここでいう酸化ケイ素とはSiOやSiO2等の各種珪素酸化物又はそれらの混合物であり、酸化アルミニウムとは、AlOやAl23等の各種アルミニウム酸化物又はそれらの混合物である。
無機薄膜層の膜厚は、通常1〜100nm、好ましくは5〜50nmである。無機薄膜層の膜厚が1nm未満であると、満足のいくガスバリア性が得られ難くなる場合があり、一方、100nmを超えて過度に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不利となる。
無機薄膜層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法(PVD法)、あるいは化学蒸着法(CVD法)等、公知の蒸着法を適宜採用すればよい。以下、無機薄膜層を形成する典型的な方法を、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜を例に説明する。例えば、真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2とAl23の混合物、あるいはSiO2とAlの混合物等が好ましく用いられる。これら蒸着原料としては通常粒子が用いられるが、その際、各粒子の大きさは蒸着時の圧力が変化しない程度の大きさであることが望ましく、好ましい粒子径は1mm〜5mmである。加熱には、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱、レーザー加熱などの方式を採用することができる。また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。さらに、被蒸着体(蒸着に供する積層フィルム)にバイアスを印加したり、被蒸着体を加熱もしくは冷却するなど、成膜条件も任意に変更することができる。このような蒸着材料、反応ガス、被蒸着体のバイアス、加熱・冷却等は、スパッタリング法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能である。
以上のような本発明の積層フィルムは、無機薄膜層を有さない場合には無機薄膜層を積層して、無機薄膜層を有する場合にはそのままで、レトルト処理後の酸素バリア性に優れ、かつ層間密着性が高くラミネート強度に優れたガスバリア性積層フィルム(積層体)となる。
[その他の層]
本発明の積層フィルムを用いてなる無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムには、上記基材フィルム、被覆層および無機薄膜層のほかに、必要に応じて、公知のガスバリア性積層フィルムが備えている種々の層を設けることができる。
例えば、無機薄薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムを包装材料として用いる場合には、シーラントと呼ばれるヒートシール性樹脂層を形成することが好ましい。ヒートシール性樹脂層は通常、無機薄膜層上に設けられるが、基材フィルムの外側(被覆層形成面の反対側の面)に設けることもある。ヒートシール性樹脂層の形成は、通常押出しラミネート法あるいはドライラミネート法によりなされる。ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性重合体としては、シーラント接着性が充分に発現できるものであればよく、HDPE、LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、ポリプロピレン樹脂。エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂等を使用できる。
さらに、無機薄薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムには、無機薄膜層または基材フィルムとヒートシール性樹脂層との間またはその外側に、印刷層や他のプラスチック基材および/または紙基材を少なくとも1層以上積層していてもよい。
印刷層を形成する印刷インクとしては、水性および溶媒系の樹脂含有印刷インクが好ましく使用できる。ここで印刷インクに使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂およびこれらの混合物が例示される。印刷インクには、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、消泡剤、架橋剤、耐ブロッキング剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を含有させてもよい。印刷層を設けるための印刷方法としては、特に限定されず、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷方法が使用できる。印刷後の溶媒の乾燥には、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線乾燥等公知の乾燥方法が使用できる。
他方、他のプラスチック基材や紙基材としては、充分な積層体の剛性および強度を得る観点から、紙、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂および生分解性樹脂等が好ましく用いられる。また、機械的強度の優れたフィルムとする上では、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム等の延伸フィルムが好ましい。
特に、無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムを包装材料として用いる場合、無機薄膜層とヒートシール性樹脂層との間に、ピンホール性や突き刺し強度等の機械的物性を向上させるため、ナイロンフィルムを積層することが好ましい。ここでナイロンの種類としては、通常、ナイロン6、ナイロン66、メタキシレンアジパミド等が用いられる。ナイロンフィルムの厚さは、通常10〜30μm、好ましくは15〜25μmである。ナイロンフィルムが10μmより薄いと、強度不足になるおそれがあり、一方、30μmを超えると、腰が強く加工に適さない場合がある。ナイロンフィルムとしては、縦横の各方向の延伸倍率が、通常2倍以上、好ましくは2.5〜4倍程度の二軸延伸フィルムが好ましい。
本発明の積層フィルムは、被覆層および無機薄膜層以外の上述した各層を有する態様をも包含する。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
各実施例、比較例で用いた評価方法および物性測定方法は以下の通りである。
(1)評価用ラミネート積層体の作製
実施例および比較例で得られた各積層フィルムの無機薄膜層の上に、ウレタン系2液硬化型接着剤(三井化学社製「タケラック(登録商標)A525S」と「タケネート(登録商標)A50」とを13.5:1(質量比)の割合で配合)を用いて、ドライラミネート法により、厚さが15μmのナイロンフィルム(東洋紡社製「N1100」)を貼り合わせた。次にこのナイロンフィルムの上に、ヒートシール性樹脂層として厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「P1147」)を上記と同じウレタン系2液硬化型接着剤を用いてドライラミネート法により貼り合わせ、40℃で4日間エージングを施すことによって、評価用のラミネートガスバリア性積層体(以下「ラミネート積層体」と称することもある)を得た。なお、ウレタン系2液硬化型接着剤で形成された接着剤層の乾燥後の厚みはいずれも約4μmであった。
(2)酸素透過度の評価方法
上記(1)で作製したラミネート積層体について、JIS−K7126−2の電解センサー法(付属書A)に準じて、酸素透過度測定装置(MOCON社製「OX−TRAN 2/20」)を用い、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で、常態での酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度の測定は、ラミネート積層体の基材フィルム側からヒートシール性樹脂層側に酸素が透過する方向で行った。
他方、上記(1)で作製したラミネート積層体に対して、121℃の加圧熱水中に30分間保持するレトルト処理を行い、40℃で1日間(24時間)乾燥し、得られたレトルト処理後のラミネート積層体について上記と同様にして酸素透過度(レトルト処理後)を測定した。
(3)ラミネート強度の評価方法
上記(1)で作製したラミネート積層体を幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、テンシロン万能材料試験機(東洋ボールドウイン社製「テンシロンUMT−II−500型」)を用いてラミネート強度(常態)を測定した。ラミネート強度は、引張速度を200mm/分とし、無機薄膜層とナイロンフィルムとの間に水を付けて、剥離角度90度で剥離させたときの強度とした。
他方、上記(1)で作製したラミネート積層体に対して、121℃の加圧熱水中に30分間保持するレトルト処理を行い、その後直ちに、得られたレトルト処理後のラミネート積層体から上記と同様にして試験を切り出し、上記と同様にしてラミネート強度(レトルト処理後)を測定した。
(4)被覆層の全反射赤外吸収スペクトルの測定方法
各実施例および比較例において、基材フィルム上に被覆層を積層した段階で得られた各フィルムの被覆層の面について、全反射吸収赤外分光法で全反射赤外吸収スペクトルを測定し、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピーク(オキサゾリン由来のピーク)のピーク強度(P1)と、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピーク(ポリウレタン由来のピーク)のピーク強度(P2)を求め、その強度比(P1/P2)を算出した。
ピーク強度の算出に際しては、ピーク強度の比(P1/P2)は各ピークの高さの比に基づき求めた。なお、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークについては、ピークがショルダーになることから、1600cm-1と1800cm-1を結ぶ線をベースラインとし、一方、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのベースラインについては、ピークの両側の袖を結ぶ線とした。
(測定条件)
装置:Varian社製「FTS−60A/896」
1回反射ATRアタッチメント:SPECTRA TECH社製「Silver Gate」
光学結晶:Ge
入射角:45°
分解能:4cm-1
積算回数:128回
(5)被覆層の付着量の測定方法
各実施例および比較例において、基材フィルム上に被覆層を積層した段階で得られた各積層フィルムを試料とし、この試料から100mm×100mmの試験片を切り出し、N,N−ジメチルホルムアミドによる被覆層の拭き取りを行い、拭き取り前後のフィルムの質量変化から被覆層の付着量を算出した。
(6)オキサゾリン基を有する樹脂のオキサゾリン基量
オキサゾリンを含有する樹脂を凍結乾燥し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて1H−NMRスペクトルを測定し、オキサゾリン基に由来する吸収ピーク強度と、その他のモノマーに由来する吸収ピーク強度とを求め、それらのピーク強度からオキサゾリン基量(mmol/g)を算出した。
(7)ウレタン樹脂中のイソシアネート成分の定量方法
試料を減圧乾燥し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて1H−NMRスペクトルを測定し、各イソシアネート成分に由来するピーク強度の積分比からイソシアネート成分のモル%比を決定した。
各実施例、比較例において被覆層の形成に用いた各材料は以下のようにして調製した。
[オキサゾリン基を有する樹脂(A−1)]
オキサゾリン基を有する樹脂として、市販の水溶性オキサゾリン基含有アクリレート(日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS−300」;固形分10%)を用意した。この樹脂のオキサゾリン基量は7.7mmol/gであり、GPCにより測定した数平均分子量は40000であった。
[ウレタン樹脂(B−1)]
ウレタン樹脂として、市販のメタキシリレン基含有ウレタン樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(登録商標)WPB341」;固形分30%)を用意した。このウレタン樹脂の酸価は25mgKOH/gであり、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)は130℃であった。また、1H−NMRにより測定したポリイソシアネート成分全体に対するメタキシリレンジイソシアネートの割合は、85モル%であった。
[ウレタン樹脂(B−2)]
ウレタン樹脂として、市販のポリエステルウレタン樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(登録商標)W605」;固形分30%)を用意した。このウレタン樹脂の酸価は25mgKOH/gであり、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)は100℃であった。また、1H−NMRにより測定したポリイソシアネート成分全体に対するメタキシリレンジイソシアネートの割合は、45モル%であった。
[高酸価ポリエステル樹脂(C−1)]
高酸価の水性樹脂として、オキサゾリン基を有していない市販のポリエステル樹脂のエマルジョン(互応化学工業社製「プラスコート(登録商標)Z−730」;固形分25%)を用意した。この樹脂の酸価は50mgKOH/gであった。
実施例1
(1)塗布液(被覆層用樹脂組成物)の調製
下記の配合比率で各材料を混合し、塗布液(被覆層用樹脂組成物)を作製した。なお、得られた塗布液中のオキサゾリン基を有する樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂の固形分換算の質量比は表1に示す通りである。
水 26.47%
イソプロパノール 25.00%
オキサゾリン基含有樹脂 (A−1) 32.00%
メタキシリレン基含有ウレタン樹脂 (B−1) 13.33%
ポリエステル樹脂 (C−1) 3.20%
(2)ポリエステル基材フィルムの製造および被覆層の積層
極限粘度0.62(30℃、フェノール/テトラクロロエタン(質量比)=60/40)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)を予備結晶化した後、本乾燥し、Tダイを有する押出機を用いて280℃で押出し、表面温度40℃のドラム上で急冷固化して無定形シートを得た。次に、得られた無定形シートを加熱ロールと冷却ロールとの間で縦方向に100℃で4.0倍に延伸し、一軸延伸PETフィルムを得た。
次に、得られた一軸延伸PETフィルムの片面に、上記(1)で調製した塗布液をファウンテンバーコート法により塗布した。その後、乾燥しながらテンターに導き、予熱温度100℃で溶媒を揮発、乾燥させた。次いで、温度120℃で横方向に4.0倍に延伸し、6%の横方向の弛緩を行いながら、225℃で熱固定処理を行うことにより、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(プラスチック基材フィルム)の片面に被覆層が形成された積層フィルムを得た。
なお、この積層フィルムについて、前記したとおりにして、被覆層のP1/P2と、付着量を測定した。結果を表1に示す。
(3)無機薄膜層の形成(蒸着)
次に、上記(2)で得られた積層フィルムの被覆層面に、無機薄膜層として、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合無機酸化物層を電子ビーム蒸着法で形成した。蒸着源としては、3mm〜5mm程度の粒子状SiO2(純度99.9%)とA123(純度99.9%)とを用いた。ここで複合酸化物層の組成は、SiO2/A123(質量比)=60/40であった。また無機薄膜層(SiO2/A123複合酸化物層)の膜厚は13nmであった。
以上のようにして、基材フィルムの上に被覆層および無機薄膜層が積層された本発明の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、酸素透過度およびラミネート強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例2〜8、比較例1〜9
塗布液(被覆層用樹脂組成物)を調製するにあたり、オキサゾリン基を有する樹脂、ウレタン樹脂およびポリエステル樹脂の種類と固形分換算の質量比が表1に示す通りとなるよう各材料の使用量を変更したこと(このとき、塗工液全量に占めるイソプロパノールの比率は、実施例1と同様、25.00%とした)、あるいは被覆層の付着量が表1に示す通りとなるよう変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、酸素透過度、およびラミネート強度を評価した。結果を表1に示す。
本発明により、常態においては勿論のことレトルト処理を施した後にも、ガスバリア性(酸素バリア性、水蒸気バリア性)に優れ、層間剥離が生じない良好な密着性(ラミネート強度)を有する、無機薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムを提供することができた。かかるガスバリア性積層フィルムは、製造が容易で経済性や生産安定性に優れ、均質な特性が得られやすいという利点を有している、従って、かかるガスバリア性積層フィルムは、レトルト用の食品包装に止まらず、各種食品や医薬品、工業製品等の包装用途の他、太陽電池、電子ペーパー、有機EL素子、半導体素子等の工業用途にも広く用いることができる。

Claims (6)

  1. プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に被覆層が設けられてなり、
    前記被覆層は、ポリイソシアネート成分全体の50モル%以上がメタキシリレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシリレンジイソシアネート成分で構成されているウレタン樹脂およびオキサゾリン基を有する樹脂を構成成分とする被覆層用樹脂組成物から得られ、
    前記被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおいて、1655±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P1)と、1530±10cm-1の領域に吸収極大を持つピークのピーク強度(P2)との比(P1/P2)が下記式
    1.2 ≦(P1/P2)≦ 4.3
    に示す関係を満たし、
    かつ前記被覆層の付着量が0.05〜0.2g/m2の範囲であることを特徴とする無機薄膜層形成用の積層フィルム。
  2. 前記被覆層用樹脂組成物中のオキサゾリン基を含有する樹脂は、そのオキサゾリン基量が5.1〜9.0mmol/gである請求項1に記載の無機薄膜層形成用の積層フィルム。
  3. 前記被覆層用樹脂組成物は、さらに、酸価40〜100mgKOH/gのポリエステル樹脂を含むものである請求項1または2に記載の無機薄膜層形成用の積層フィルム。
  4. 前記被覆層用樹脂組成物の全樹脂成分100質量%中、前記ウレタン樹脂が30〜60質量%、前記オキサゾリン基を有する樹脂が20〜60質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の無機薄膜層形成用の積層フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の無機薄膜層形成用の積層フィルムの前記被覆層の上に、無機薄膜層が積層されてなる積層フィルム。
  6. 前記無機薄膜層が、酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合酸化物の層である請求項5に記載の積層フィルム。
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